JP2010250069A - 反射防止膜、及びこれを有する光学素子 - Google Patents

反射防止膜、及びこれを有する光学素子 Download PDF

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Abstract

【課題】使用する環境の湿度が変化した場合においても反射防止性能の変動・劣化が小さい反射防止膜、及びその反射防止膜を用いた光学素子を提供する。
【解決手段】基板上に、順に第1層〜第8層を積層してなる反射防止膜であって、波長400〜680 nmにおいて、基板の屈折率が1.43〜2.11であり、第1、3、5、7層が屈折率1.9〜2.6の高屈折率材料膜からなり、第2、4、6層が屈折率1.37〜1.47の低屈折率材料膜からなり、第8層が屈折率1.20〜1.30の超低屈折率材料膜からなり、第1層の光学膜厚が10〜160 nm、第2層の光学膜厚が2〜70 nm、第3層の光学膜厚が60〜140 nm、第4層の光学膜厚が2〜30 nm、第5層の光学膜厚が135〜180 nm、第6層の光学膜厚が30〜40 nm、第7層の光学膜厚が40〜60 nm、第8層の光学膜厚が120〜150 nmであることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は反射防止膜、及びこれを有する光学素子に関し、詳しくは高い反射防止効果を有するとともに、湿度による反射防止性能の変動が押さえられた反射防止膜、及びこの反射防止膜を有する光学素子に関する。
写真用カメラや放送用カメラ等に広く用いられている高性能な単焦点レンズやズームレンズは、多数枚(10〜40枚)からなるレンズ群の鏡筒構成を有している。これらレンズ等の光学部品の表面には、基板の屈折率と異なる大小の屈折率を有する誘電体膜を組み合わせ、各誘電体膜の光学膜厚を中心波長λに対して1/2λや1/4λに設定し、干渉効果を利用した多層膜による反射防止処理が施されている。
国際公開第2001/023914号(特許文献1)は、基材上に形成した複数の層からなる反射防止膜を有する光学素子であって、少なくとも1層の波長250 nm以下の光に対する屈折率が1.35以下である光学素子を開示しており、この反射防止膜は波長300 nm以下の紫外域での反射防止効果を有すると記載している。この反射防止膜は、少なくとも1層を湿式プロセス、特にゾル−ゲル法で形成するのが好ましく、湿式プロセスで形成する膜としてはMgF2、SiO2等が好ましいと記載している。
国際公開第2002/018982号(特許文献2)は、フッ化マグネシウム等の微粒子を含むゾル溶液を加熱及び/又は加圧した後、基板等に塗布することにより、多孔質膜を形成する方法を開示している。この多孔質膜は、波長300 nm以下の紫外域における屈折率が1.30以下であり、この多孔質膜により広範囲な入射角の光に対して良好な反射防止効果を有し入射角度依存性の少ない反射防止膜が得られると記載している。
国際公開第2006/030848号(特許文献3)は、MgF2粒子と、MgF2粒子間に存在する非晶質酸化ケイ素系バインダーとを備えるMgF2光学薄膜を開示しており、このMgF2光学薄膜は、多孔質であるため低い屈折率を有するとともに、機械的強度及び基板との付着力が高く、耐環境性に優れていると記載している。
特開2006-3562号(特許文献4)は、基材上に形成した複数の層からなる反射防止膜であって、基材及び各層の屈折率は基材から順に小さくなっており、隣り合う各層及び基板の屈折率差が0.02〜0.2であり、各層の物理層厚が15〜200 nmであり、最外層がシリカエアロゲル層である反射防止膜を開示している。
特開2006-215542号(特許文献5)は、基材の表面に順に形成された緻密層及びシリカエアロゲル多孔質層からなり、屈折率が前記基材から前記シリカエアロゲル多孔質層まで順に小さくなっていることを特徴とする反射防止膜を開示しており、広い波長域の幅広い入射角の光線に対して優れた反射防止特性を有し、かつ十分な機械的強度を有すると記載している。
特開2007-94150号(特許文献6)は、各層が特定の範囲の屈折率及び光学膜厚を有する5層構成又は6層構成の反射防止膜を開示しており、きわめて高い反射防止効果が得られると記載している。この反射防止膜の最外層は屈折率が最も低い層であり、MgF2、SiO2、Al2O3及びフッ素樹脂からなる群から選ばれた少なくとも1材料からなる多孔質層が好ましいと記載しており、具体的には疎水性シリカエアロゲル層を用いた例を開示している。
特開2008-225210号(特許文献7)は、各層が特定の範囲の屈折率及び光学膜厚を有する9層構成の反射防止膜を開示しており、紫外〜可視域又は可視〜近赤外域の広帯域において高い反射防止効果を有すると記載している。この反射防止膜の最外層は屈折率が最も低い層であり、MgF2、SiO2、Al2O3及びフッ素樹脂からなる群から選ばれた少なくとも1材料からなる多孔質層が好ましいと記載しており、具体的には疎水性シリカエアロゲル層を用いた例を開示している。
特開2008-233403号(特許文献8)は、各層が特定の範囲の屈折率及び光学膜厚を有する7層構成の反射防止膜を開示しており、基板の屈折率依存性の少ない反射防止効果が得られると記載している。この反射防止膜の最外層は屈折率が最も低い層であり、MgF2、SiO2、Al2O3及びフッ素樹脂からなる群から選ばれた少なくとも1材料からなる多孔質層が好ましいと記載しており、具体的には疎水性シリカエアロゲル層を用いた例を開示している。
「ジャーナル・オブ・ゾルゲル・サイエンス・アンド・テクノロジー(Journal of Sol-Gel Science and Technology)」,2000年,第18巻,219〜224頁(非特許文献1)は、耐擦傷性に優れたナノポーラスシリカ膜を作製する方法を提案している。このナノポーラスシリカ膜は、テトラエトキシシランをエタノール/水混合溶媒中でアンモニアにより80℃で2〜20時間加水分解及び縮重合してアルカリ性ゾルを調製し、これにテトラエトキシシラン、水及び塩酸を加えて60℃で15日間熟成し、得られたゾルを基板上に塗布し、80℃で30分間乾燥した後、アンモニア・水蒸気混合ガス中又は大気中で熱処理(400℃で30分間)することにより形成する。
特許文献1〜8に記載のように、反射防止性能を向上する目的で膜の密度を低くしたナノ多孔質膜やナノ粒子膜が使用されるようになり、耐傷性という点では、例えば非特許文献1のように改良方法が検討されている。しかしながら、これらの膜の密度を低くしたナノ多孔質膜やナノ粒子膜は、雰囲気の水分の吸脱着によって屈折率が変化するという本質的な問題がある。
例えば、塩基・酸触媒化シリカゾルをベースとし耐擦傷性を強化した、空孔率約55%で1.23程度の屈折率を有するナノ多孔質膜の場合には、高湿度環境雰囲気中では水分を吸着して屈折率1.27が程度まで上昇し、乾燥雰囲気中では水分が脱離して屈折率1.23程度に戻る。従って、このナノ多孔質膜を使用した反射防止膜は、特に高湿度の環境においては、本来の設計通りの反射防止性能が得られなくなる。
国際公開第2001/023914号パンフレット 国際公開第2002/018982号パンフレット 国際公開第2006/030848号パンフレット 特開2006-3562号公報 特開2006-215542号公報 特開2007-094150号公報 特開2008-225210号公報 特開2008-233403号公報
「ジャーナル・オブ・ゾルゲル・サイエンス・アンド・テクノロジー(Journal of Sol-Gel Science and Technology)」,2000年,第18巻,219〜224頁
従って、本発明の目的は、使用する環境の湿度が変化した場合においても反射防止性能の変動・劣化が小さい反射防止膜、及びその反射防止膜を用いた光学素子を提供することである。
上記課題に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、最上層に多孔質膜を有する反射防止膜において、下層の構成を特定の屈折率及び光学膜厚を有する7層構成としたときに反射防止性能の湿度依存性が著しく改良されることを見出し、本発明に想到した。
即ち、本発明の反射防止膜は、基板上に、前記基板側から順に第1層〜第8層を積層してなる反射防止膜であって、波長400〜680 nmにおいて、
前記基板の屈折率が1.43〜2.11であり、
前記第1層が光学膜厚10〜160 nm、屈折率1.9〜2.6の高屈折率材料膜からなり、
前記第2層が光学膜厚2〜70 nm、屈折率1.37〜1.47の低屈折率材料膜からなり、
前記第3層が光学膜厚60〜140 nm、屈折率1.9〜2.6の高屈折率材料膜からなり、
前記第4層が光学膜厚2〜30 nm、屈折率1.37〜1.47の低屈折率材料膜からなり、
前記第5層が光学膜厚135〜180 nm、屈折率1.9〜2.6の高屈折率材料膜からなり、
前記第6層が光学膜厚30〜40 nm、屈折率1.37〜1.47の低屈折率材料膜からなり、
前記第7層が光学膜厚40〜60 nm、屈折率1.9〜2.6の高屈折率材料膜からなり、
前記第8層が光学膜厚120〜150 nm、屈折率1.20〜1.30の超低屈折率材料膜からなることを特徴とする。
前記高屈折率材料膜はTiO2、Nb2O5、Ta2O5、ZrO2、HfO2、CeO2、SnO2、In2O3、ZnO、ZnS、La2O3及びSb2O3からなる群から選ばれた少なくとも一材料を含有してなり、
前記低屈折率材料膜はMgF2及び/又はSiO2を含有してなり、
前記超低屈折率材料膜はMgF2、SiO2及びAl2O3からなる群から選ばれた少なくとも一材料を含有してなるナノ多孔質膜又はナノ粒子膜であるのが好ましい。
前記第1層〜第7層は物理成膜法により形成された層であり、前記第8層は湿式法により形成された層であるのが好ましい。
前記物理成膜法が真空蒸着法であり、前記湿式法がゾル-ゲル法であるのが好ましい。
本発明の光学素子は、前記の反射防止膜を有することを特徴とする。
本発明の8層からなる反射防止膜は、環境雰囲気中の水分の影響を受け難く、雰囲気の湿度が変化しても優れた反射防止性能を保っているので、テレビカメラ、ビデオカメラ、デジタルカメラ、車載カメラ、顕微鏡、望遠鏡等に使用される光学素子の反射防止膜としてきわめて有効である。
基板の表面に形成された本発明の反射防止膜の一例を示す断面図である。 TAFD3基板の表面に形成された反射防止膜の分光反射率を示すグラフである。 実施例1の反射防止膜の成膜直後及び吸湿処理後の分光反射率を示すグラフである。 実施例2の反射防止膜の成膜直後及び吸湿処理後の分光反射率を示すグラフである。 実施例3の反射防止膜の成膜直後及び吸湿処理後の分光反射率を示すグラフである。 実施例4の反射防止膜の成膜直後及び吸湿処理後の分光反射率を示すグラフである。 実施例5の反射防止膜の成膜直後及び吸湿処理後の分光反射率を示すグラフである。 実施例6の反射防止膜の成膜直後及び吸湿処理後の分光反射率を示すグラフである。 実施例7の反射防止膜の成膜直後及び吸湿処理後の分光反射率を示すグラフである。 比較例1の反射防止膜の成膜直後及び吸湿処理後の分光反射率を示すグラフである。 比較例2の反射防止膜の成膜直後及び吸湿処理後の分光反射率を示すグラフである。 比較例3の反射防止膜の成膜直後及び吸湿処理後の分光反射率を示すグラフである。 比較例4の反射防止膜の成膜直後及び吸湿処理後の分光反射率を示すグラフである。 比較例5の反射防止膜の成膜直後及び吸湿処理後の分光反射率を示すグラフである。 比較例6の反射防止膜の成膜直後及び吸湿処理後の分光反射率を示すグラフである。 比較例7の反射防止膜の成膜直後及び吸湿処理後の分光反射率を示すグラフである。 反射防止膜を成膜する装置の一例を示す模式図である。
[1]反射防止膜
(1)構成
本発明の反射防止膜は、図1に示すように、所定の屈折率を有する第1層から第8層までの薄膜を基板3の表面に積層してなる。すなわち本発明の反射防止膜は、波長400〜680 nmにおいて、屈折率が1.43〜2.11の基板上に、
光学膜厚10〜160 nm、屈折率1.9〜2.6の高屈折率材料膜からなる第1層と、
光学膜厚2〜70 nm、屈折率1.37〜1.47の低屈折率材料膜からなる第2層と、
光学膜厚60〜140 nm、屈折率1.9〜2.6の高屈折率材料膜からなる第3層と、
光学膜厚2〜30 nm、屈折率1.37〜1.47の低屈折率材料膜からなる第4層と、
光学膜厚135〜180 nm、屈折率1.9〜2.6の高屈折率材料膜からなる第5層と、
光学膜厚30〜40 nm、屈折率1.37〜1.47の低屈折率材料膜からなる第6層と、
光学膜厚40〜60 nm、屈折率1.9〜2.6の高屈折率材料膜からなる第7層と、
光学膜厚120〜150 nm、屈折率1.20〜1.30の超低屈折率材料膜からなる第8層とをこの順に積層してなる。なお、光学膜厚とは、薄膜の屈折率(n)と物理膜厚(d)の積(n×d)である。
波長400〜680 nmにおいて良好な反射防止効果を得るためには、第1層の屈折率は好ましくは1.95〜2.55、光学膜厚は好ましくは15〜158 nmであり、第2層の屈折率は好ましくは1.38〜1.46、光学膜厚は好ましくは5〜67 nmであり、第3層の屈折率は好ましくは1.95〜2.55、光学膜厚は好ましくは62〜138 nmであり、第4層の屈折率は好ましくは1.38〜1.46、光学膜厚は好ましくは3〜28 nmであり、第5層の屈折率は好ましくは1.95〜2.55、光学膜厚は好ましくは157〜179 nmであり、第6層の屈折率は好ましくは1.38〜1.46、光学膜厚は好ましくは31〜37 nmであり、第7層の屈折率は好ましくは1.95〜2.55、光学膜厚は好ましくは47〜55 nmであり、第8層の屈折率は好ましくは1.21〜1.29、光学膜厚は好ましくは130〜140 nmである。
(2)材料
各層を構成する材料としては、例えば、Al2O3、TiO2、ZrO2、Ta2O5、Nb2O5、CeO2、Yb2O3、HfO2、Nd2O3、Pr6O11、La2O3、Er2O3、CdO、Eu2O3、NiO、Cr2O3、SnO2、Sb2O3、ZnO、ZnS、Sb2S3、CdS、AlN、SiO2、MgF2、AlF3、BaF2、CaF2、LiF、NaF、SrF2、In2O3、Y2O3、MgO、CeF3、YF3、DyF3及びフッ素樹脂が挙げられる。
第1層、第3層、第5層及び第7層を形成する高屈折率材料膜は、TiO2、Nb2O5、Ta2O5、ZrO2、HfO2、CeO2、SnO2、In2O3、ZnO、ZnS、La2O3及びSb2O3からなる群から選ばれた少なくとも一材料を含有してなる。
第2層、第4層及び第6層を形成する低屈折率材料膜は、MgF2及び/又はSiO2を含有してなる。
第8層を形成する超低屈折率材料膜は、MgF2、SiO2及びAl2O3からなる群から選ばれた少なくとも一材料を含有してなるナノ多孔質膜又はナノ粒子膜である。ナノ多孔質膜又はナノ粒子膜としては、国際公開第2002/018982号(特許文献2)に記載のフッ化マグネシウム等の微粒子を含むゾル溶液を用いて得られる多孔質膜、国際公開第2006/030848号(特許文献3)に記載のMgF2粒子と、MgF2粒子間に存在する非晶質酸化ケイ素系バインダーとを備えるMgF2多孔質光学薄膜、特開2006-3562号(特許文献4)、特開2006-215542号(特許文献5)、特開2007-94150号(特許文献6)、特開2008-225210号(特許文献7)及び特開2008-233403号(特許文献8)に記載のシリカエアロゲル膜、「ジャーナル・オブ・ゾルゲル・サイエンス・アンド・テクノロジー(Journal of Sol-Gel Science and Technology)」,2000年,第18巻,219〜224頁(非特許文献1)に記載のナノポーラスシリカ膜等が挙げられる。
第8層はシリカを主成分とするナノポーラス膜であるのが好ましく、特に前記特許文献4〜8に記載のシリカエアロゲル膜、又は非特許文献1に記載のナノポーラスシリカ膜からなるのが好ましい。シリカエアロゲル膜又はナノポーラスシリカ膜からなる層は低い屈折率を有するため、この層を基材から一番遠い位置に設けることにより、優れた反射防止機能を発揮することができる。多孔質層の細孔径は0.005〜0.2μmであるのが好ましく、空孔率は20〜60%であるのが好ましい。
(3) 基板
基板3は、波長領域400〜680 nmの光の屈折率が1.43〜2.11であり、好ましくは1.435〜2.105である。屈折率がこのような値の基板3を用いて反射防止膜を形成することにより、前記波長領域において光学性能を良好に改善することができ、かつ環境の湿度依存性を小さくすることができる。
基板3の材料としては、BaSF2、SF5、LaF2、LaSF09、LaSF01、LaSF016、LAK7、LAK14等の光学ガラスやルミセラ(登録商標)等のセラミックスが挙げられる。
[2]製造方法
(1) 第1層〜第7層の形成方法
反射防止膜の第1層〜第7層は、物理成膜法で形成するのが好ましい。物理成膜法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法などが挙げられる。中でも特に製造コスト、加工精度の面において真空蒸着法が好ましい。
真空蒸着法としては、抵抗過熱式、電子ビーム式などが挙げられるが、以下に電子ビーム式による真空蒸着法に関して説明する。電子ビーム式真空蒸着装置30は、図5に示すように、真空チャンバ31内に、複数の基板100を内側表面に裁置する回転自在の回転ラック32と、蒸着材37を裁置するためのルツボ36を有する蒸着源33と、電子ビーム照射器38と、ヒーター39と、真空ポンプ40に接続した真空ポンプ接続口35とを具備する。反射防止膜の成膜は、真空チャンバ31内を減圧しながら蒸着材37の蒸気を基板100の表面に蒸着することにより行う。基板100は表面が蒸着源33側に向くように回転ラック32に設置し、蒸着材37はルツボ36に載置する。真空ポンプ接続口35に接続された真空ポンプ40により真空チャンバ31内を減圧し、蒸着材37は電子ビーム照射器38からの電子ビームの照射で加熱し蒸発させる。均一な蒸着膜を形成するため、基板100をヒーター39により加熱しながら、回転ラック32を回転軸34により回転させる。
真空蒸着法において、初期の真空度は、例えば、1.0×10-6〜1.0×10-5Torr であるのが好ましい。真空度がこの範囲外であると蒸着に時間がかかり製造効率を悪化させたり、蒸着が不十分となり成膜が完成しなかったりする。蒸着中の基板100の温度は、基板の耐熱性や蒸着速度に応じて適宜決めることができるが、例えば、60〜250℃であるのが好ましい。
(2) 第8層の形成方法
第8層のナノ多孔質膜又はナノ粒子膜は特許文献2〜8及び非特許文献1に記載の方法により得ることができる。シリカを主成分とする多孔質層は、湿式法により形成するのが好ましく、特にゾル-ゲル法が好ましい。すなわち、アルコキシシラン等のシリカ骨格形成化合物からなる湿潤ゲルを、必要に応じて有機修飾し、バインダーとして紫外線硬化性の樹脂を混合し、得られた塗工液を塗布、乾燥及び焼成することにより形成する。シリカを主成分とする多孔質層は、特許文献4〜8及び非特許文献1に記載の方法により形成することができる。以下に、非特許文献1に記載のアルカリ及び酸を用いた2段階反応によるナノポーラスシリカ膜の形成方法について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
2段階反応によるナノポーラスシリカ膜の形成は、(i)アルコキシシランを塩基性触媒下で加水分解及び縮重合して調製したアルカリ性ゾルに、さらに酸性触媒を添加して第一のゾルを得る工程、(ii) 第一のゾルにアルコキシシランと水の混合物を添加し、さらに加水分解及び縮重合を進め第二のゾルを調製する工程、(iii)得られた第二のゾルを基板上に塗布及び乾燥(熱処理)する工程、(iv)アルカリ処理工程、及び(vi)洗浄工程により行う。
(i) 第一のゾルを調製する工程
(a) アルコキシシラン
第一のゾルを生成するためのアルコキシシランはテトラアルコキシシランのモノマー又はオリゴマー(縮重合物)が好ましい。4官能のアルコキシシランを用いた場合、比較的大きな粒径を有するコロイド状シリカ粒子のゾルを得ることができる。テトラアルコキシシランは、Si(OR)4[Rは炭素数1〜5のアルキル基(メチル、エチル、プロピル、ブチル等)、又は炭素数1〜4のアシル基(アセチル等)]により表されるものが好ましい。テトラアルコキシシランの具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、ジエトキシジメトキシシラン等が挙げられる。中でもテトラメトキシシラン及びテトラエトキシシランが好ましい。本発明の効果を阻害しない範囲で、テトラアルコキシシランに少量の3官能以下のアルコキシシランを配合しても良い。
(b) 塩基性触媒の存在下での加水分解及び縮重合
アルコキシシランに有機溶媒、塩基性触媒及び水を添加することにより、加水分解及び縮重合が進行する。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、n-プロパノール、i-プロパノール、ブタノール等のアルコールが好ましく、メタノール又はエタノールがより好ましい。塩基性触媒としては、アンモニア、アミン、NaOH又はKOHが好ましい。好ましいアミンは、アルコールアミン又はアルキルアミン(メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、n-ブチルアミン、n-プロピルアミン等)である。
有機溶媒とアルコキシシランとの量比は、アルコキシシランの濃度がSiO2換算で0.1〜10質量%(シリカ濃度)となるように設定するのが好ましい。シリカ濃度が10質量%超であると、得られるゾル中のシリカ粒子の粒径は大きくなり過ぎる。一方シリカ濃度が0.1未満であると、得られるゾル中のシリカ粒子の粒径は小さくなり過ぎる。なお有機溶媒/アルコキシシランのモル比としては5×102〜5×104の範囲が好ましい。
塩基性触媒/アルコキシシランのモル比は1×10-4〜1にするのが好ましく、1×10-4〜0.8にするのがより好ましく、3×10-4〜0.5にするのが特に好ましい。塩基性触媒/アルコキシシランのモル比が1×10-4未満であると、アルコキシシランの加水分解反応が十分に起こらない。一方モル比が1を超えて塩基を添加しても触媒効果は飽和する。
水/アルコキシシランのモル比は1〜40が好ましい。水/アルコキシシランのモル比が40超であると、加水分解反応が速く進行し過ぎるため反応の制御が難しく、均一なシリカエアロゲル膜が得られにくくなる。一方1未満であると、アルコキシシランの加水分解が十分に起こらない。
塩基性触媒及び水を含有するアルコキシシランの溶液は、15〜25℃で約30分〜10時間静置又はゆっくり撹拌することにより熟成させるのが好ましい。熟成により加水分解及び縮重合が進行し、アルカリ性ゾルが生成する。アルカリ性ゾルは、コロイド状シリカ粒子の分散液の他、コロイド状シリカ粒子がクラスター状に凝集した分散液も含む。
(c) 酸性触媒の存在下での加水分解及び縮重合
得られたアルカリ性ゾルに酸性触媒、並びに必要に応じて水及び有機溶媒を添加し、pHを約1まで下げ、酸性状態で加水分解及び縮重合をさらに進行させる。酸性触媒としては、塩酸、硝酸、硫酸、燐酸、酢酸等が挙げられる。有機溶媒は上記と同じものを使用できる。有機溶媒/アルコキシシランのモル比及び水/アルコキシシランのモル比は上記と同じで良い。酸性触媒を含有するゾルは10〜90℃で約15分〜24時間静置又はゆっくり撹拌して熟成するのが好ましい。熟成により加水分解及び縮重合が進行し、第一のゾルが生成する。
第一のゾル中のシリカ粒子のメジアン径は100 nm以下であり、好ましくは10〜50 nmである。メジアン径は動的光散乱法により測定する。
(ii) 第二のゾルを調製する工程
(a) アルコキシシラン
第一のゾルにアルコキシシラン及び水の混合物を添加し、加水分解及び縮重合をさらに進行させ、第二のゾルを調製する。アルコキシシランとしてはSi(OR1)x(R2)4-x[xは2〜4の整数である。]により表される2〜4官能のものを用いるのが好ましい。R1は炭素数1〜5のアルキル基(メチル、エチル、プロピル、ブチル等)、又は炭素数1〜4のアシル基(アセチル等)が好ましい。R2は炭素数1〜10の有機基が好ましく、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチル、デシル、フェニル、ビニル、アリル等の炭化水素基、及びγ-クロロプロピル、CF3CH2-、CF3CH2CH2-、C2F5CH2CH2-、C3F7CH2CH2CH2-、CF3OCH2CH2CH2-、C2F5OCH2CH2CH2-、C3F7OCH2CH2CH2-、(CF3)2CHOCH2CH2CH2-、C4F9CH2OCH2CH2CH2-、3-(パーフルオロシクロヘキシルオキシ)プロピル、H(CF2)4CH2OCH2CH2CH2-、H(CF2)4CH2CH2CH2-、γ-グリシドキシプロピル、γ-メルカプトプロピル、3,4-エポキシシクロヘキシルエチル、γ-メタクリロイルオキシプロピル等の置換炭化水素基が挙げられる。
2官能のアルコキシシランの具体例としては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等のジメチルジアルコキシシランが挙げられる。3官能のアルコキシシランの具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン等のメチルトリアルコキシシラン、及びフェニルトリエトキシシラン等のフェニルトリアルコキシシランが挙げられる。4官能のアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、ジエトキシジメトキシシラン等が挙げられる。アルコキシシランは3官能以上が好ましく、メチルトリアルコキシシラン及びテトラアルコキシシランがより好ましい。
水/アルコキシシランのモル比は、1〜5が好ましい。アルコキシシラン及び水の混合物を第一のゾルに添加後、15〜25℃で約1〜20日間静置又ゆっくり撹拌することにより熟成させる。熟成により加水分解及び縮重合がさらに進行し、第二のゾルが生成する。熟成時間が20日を超えると、ゾル中のシリカ粒子のメジアン径が大きくなり過ぎる。
第二のゾル中のコロイド状シリカ粒子のメジアン径は1〜100 nmであり、好ましくは10〜50 nmである。
(iii) 塗布及び乾燥工程
(a) 塗布
第二のゾルを基材の表面に塗布する方法としては、ディップコート法、スプレーコート法、スピンコート法、印刷法等が挙げられる。レンズのような三次元構造物に塗布する場合、ディッピング法が好ましい。ディッピング法における引き上げ速度は約0.1〜3 mm/秒であるのが好ましい。
第二のゾルの濃度及び流動性を調整し塗布適性を高めるため、分散媒として前記有機溶媒を加えても良い。塗布時の第二のゾル中のシリカの濃度は0.1〜20質量%が好ましい。必要に応じて、第二のゾルを超音波処理しても良い。超音波処理によってコロイド粒子の凝集を防止できる。超音波の周波数は10〜30 kHzが好ましく、出力は300〜900 Wが好ましく、処理時間は5〜120分間が好ましい。
(b) 乾燥(熱処理)
塗布膜の乾燥条件は基材の耐熱性に応じて適宜選択する。縮重合反応を促進するために、水の沸点未満の温度で15分〜24時間熱処理した後、100〜200℃の温度で15分〜24時間熱処理しても良い。熱処理することによりナノポーラスシリカ膜は高い耐擦傷性を発揮する。
(iv) アルカリ処理工程
ナノポーラスシリカ膜をアルカリで処理することにより耐擦傷性がいっそう向上する。アルカリ処理は、アルカリ溶液を塗布、又はアンモニア雰囲気中に放置することにより行うのが好ましい。アルカリ溶液の溶媒はアルカリに応じて適宜選択でき、水、アルコール等が好ましい。アルカリ溶液の濃度は、1×10-4〜20 Nが好ましく、1×10-3〜15 Nがより好ましい。
前記アルカリとして、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の無機アルカリ;炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム等の無機アルカリ塩;モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、n-プロピルアミン、ジ-n-プロピルアミン、n-ブチルアミン、ジ-n-ブチルアミン、n-アミルアミン、n-ヘキシルアミン、ラウリルアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、アニリン、メチルアニリン、エチルアニリン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ピロリジン、ピリジン、イミダゾール、グアニジン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラブチルアンモニウムハイドロオキサイド、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、コリン等の有機アルカリ;蟻酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、蟻酸モノメチルアミン、酢酸ジメチルアミン、酢酸アニリン、乳酸ピリジン、グアニジノ酢酸等の有機酸アルカリ塩等を用いることができる。
アルカリ溶液の塗布によりアルカリ処理する場合、ナノポーラスシリカ膜1cm2当たり10〜200 mL塗布するのが好ましい。塗布はナノポーラスシリカ膜を塗布する場合と同様の方法ででき、スピンコート法が好ましい。スピンコート法における基材回転速度は、1,000〜15,000 rpm程度にするのが好ましい。アルカリ溶液を塗布後の膜は、好ましくは1〜40℃、より好ましくは10〜30℃で保存する。保存時間は、0.1〜10時間が好ましく、0.2〜1時間がより好ましい。
アンモニア雰囲気中に放置してアルカリ処理する場合、1×10-1〜1×105 Paのアンモニアガス分圧中で処理するのが好ましい。処理温度は、1〜40℃が好ましく、10〜30℃がより好ましい。処理時間は、1〜170時間が好ましく、5〜80時間がより好ましい。
必要に応じて、アルカリ処理したナノポーラスシリカ膜を乾燥する。乾燥は、100〜200℃の温度で15分〜24時間行うのが好ましい。
(v) 洗浄工程
アルカリ処理後のナノポーラスシリカ膜は、必要に応じて洗浄してもよい。洗浄は、水及び/又はアルコールに浸漬する方法、シャワーする方法、又はこれらの組み合わせにより行うのが好ましい。浸漬しながら超音波処理してもよい。洗浄の温度は1〜40℃が好ましく、時間は0.2〜15分が好ましい。ナノポーラスシリカ膜1 cm2当たり0.01〜1,000 mLの水及び/又はアルコールで洗浄するのが好ましい。洗浄後のナノポーラスシリカ膜は、100〜200℃の温度で15分〜24時間乾燥するのが好ましい。アルコールとしてはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコールが好ましい。
[3] 反射防止膜の性能
上述したように、基板に本発明の反射防止膜を形成することにより優れた低反射率特性及び小さな湿度依存性が得られる。具体的には、第8層の超低屈折率材料膜の屈折率が約3%増加しても、反射防止膜1の0°入射光の波長領域400〜680 nmにおける反射率は約0.13%以下であり、湿度が変化した場合でも高い反射防止性能を有する。
[4]光学部品
本発明の反射防止膜を前述の基板に施すことにより、400〜680 nmの可視光帯域において、反射率が約0.1%以下の反射防止効果を有する光学部品が得られる。本発明の光学部品は、テレビカメラ、ビデオカメラ、デジタルカメラ、車載カメラ、顕微鏡、望遠鏡等の光学機器に搭載されるレンズ、プリズム、回折素子等に好適である。特にカメラの交換レンズに好適である。
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
参考例
テトラエトキシシラン1質量部とエタノール40質量部とを混合した後、アンモニア水(1 N)3質量部を加えて室温(25℃)で10時間撹拌し、アルカリ性ゾルを調製した。このアルカリ性ゾル40質量部に、エタノール4質量部と塩酸(12 N)4質量部とを添加してpHを約1にして室温で30分撹拌し、第一のゾルを調製した。この第一のゾル100質量部に、テトラエトキシシランと水とをモル比で1:3に混合した液を1質量部加え、室温(25℃)で15日間静置し、第二のゾルを調製した。
基板TAFD30(HOYA株式会社製、nd=1.883)上に、得られた第二のゾルをスピンコートにより塗布し、80℃で30分間乾燥した後、160℃で60分間熱処理した。さらに常温常圧でアンモニア/水蒸気中に3日間処理し、物理膜厚112 nmのナノ多孔質膜(ナノポーラスシリカ膜)を成膜した光学素子を得た。
得られた光学素子の5°入射の分光反射率を、成膜直後、40℃・90%RH・7日間の吸湿処理後、及び120℃・30分の脱水処理後の3条件で測定した結果を図2に示す。図2のデータから、成膜直後、吸湿処理後、脱水処理後の屈折率と光学膜厚とを計算した結果を表1に示す。表1の結果から、このナノ多孔質膜は環境湿度に応じて屈折率が3%程度変化することが分かった。
Figure 2010250069
実施例1
基板S-FPL53(オハラ製nd=1.439)上に、高屈折率材料膜及び低屈折率材料膜としてそれぞれTa2O5(nd=2.042)及びMgF2(nd=1.388)を電子ビーム式の蒸着源を有する装置を用いた真空蒸着法により表2に示す構成で形成し、その上に超低屈折率材料膜として参考例と同様にしてナノ多孔質膜(nd=1.23)を形成し、光学素子を作製した。蒸着は初期真空度1.2×10-5 Torr 及び基板温度230℃の条件で行った。
実施例2〜7
基板をBAC4(HOYA製nd=1.569)、LAC9(HOYA製nd=1.691)、TAF1(HOYA製nd=1.773)、TAFD30(HOYA製nd=1.883)、S-NPH2(オハラ製nd=1.923)、ルミセラ(村田製作所製nd=2.095)に変更し、第1層〜第8層の光学膜厚を表2に示すように変更した以外は実施例1と同様にして、それぞれ実施例2〜7の光学素子を作製した。
Figure 2010250069
比較例1〜7
光学膜厚を表3に示すように変更した以外は実施例1〜7と同様にして光学素子を作製した。
Figure 2010250069
これらの実施例及び比較例の光学素子の5°入射の分光反射率を、成膜直後及び40℃・90%RH・7日間の吸湿処理後に測定した。結果を図3-1〜図3-7(それぞれ実施例1〜7)及び図4-1〜図4-7(それぞれ比較例1〜7)に示す。これらのグラフから分かるように、実施例の光学素子は、比較例の光学素子に比べて成膜直後と吸湿処理後との分光反射率差が非常に小さく、400〜680nmの反射率が0.13%以下であった。本発明の反射防止膜は、どのような湿度条件においても優れた反射防止性能を有していることが分かる。
1・・・反射防止膜
101・・・第1層
102・・・第2層
103・・・第3層
104・・・第4層
105・・・第5層
106・・・第6層
107・・・第7層
108・・・第8層
3・・・基板
30・・・電子ビーム式真空蒸着装置
31・・・真空チャンバ
32・・・回転ラック
33・・・蒸着源
34・・・回転軸
35・・・真空ポンプ接続口
36・・・ルツボ
37・・・蒸着材
38・・・電子ビーム照射器
39・・・ヒーター
40・・・真空ポンプ
100・・・基板

Claims (5)

  1. 基板上に、前記基板側から順に第1層〜第8層を積層してなる反射防止膜であって、波長400〜680 nmにおいて、
    前記基板の屈折率が1.43〜2.11であり、
    前記第1層が光学膜厚10〜160 nm、屈折率1.9〜2.6の高屈折率材料膜からなり、
    前記第2層が光学膜厚2〜70 nm、屈折率1.37〜1.47の低屈折率材料膜からなり、
    前記第3層が光学膜厚60〜140 nm、屈折率1.9〜2.6の高屈折率材料膜からなり、
    前記第4層が光学膜厚2〜30 nm、屈折率1.37〜1.47の低屈折率材料膜からなり、
    前記第5層が光学膜厚135〜180 nm、屈折率1.9〜2.6の高屈折率材料膜からなり、
    前記第6層が光学膜厚30〜40 nm、屈折率1.37〜1.47の低屈折率材料膜からなり、
    前記第7層が光学膜厚40〜60 nm、屈折率1.9〜2.6の高屈折率材料膜からなり、
    前記第8層が光学膜厚120〜150 nm、屈折率1.20〜1.30の超低屈折率材料膜からなることを特徴とする反射防止膜。
  2. 請求項1に記載の反射防止膜において、
    前記高屈折率材料膜がTiO2、Nb2O5、Ta2O5、ZrO2、HfO2、CeO2、SnO2、In2O3、ZnO、ZnS、La2O3及びSb2O3からなる群から選ばれた少なくとも一材料を含有してなり、
    前記低屈折率材料膜がMgF2及び/又はSiO2を含有してなり、
    前記超低屈折率材料膜がMgF2、SiO2及びAl2O3からなる群から選ばれた少なくとも一材料を含有してなるナノ多孔質膜又はナノ粒子膜であることを特徴とする反射防止膜。
  3. 請求項1又は2に記載の反射防止膜において、前記第1層〜第7層が物理成膜法により形成された層であり、前記第8層が湿式法により形成された層であることを特徴とする反射防止膜。
  4. 請求項3に記載の反射防止膜において、前記物理成膜法が真空蒸着法であり、前記湿式法がゾル-ゲル法であることを特徴とする反射防止膜。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の反射防止膜を有する光学素子。
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