JP2005345489A - 反射防止膜及び光学素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明の目的は露光装置の高NAに対応するために、低入射角度から高入射角度に渡って反射防止効果の高い反射防止膜を提供することである。
【解決手段】 本発明は特にF2、ArF、KrFステッパーに対応可能とするために、150nm〜300nmの波長域で吸収の小さい酸化膜、フッ化物薄膜を膜材料として用いた2層又は3層反射防止膜において、低屈折率層にパッキング密度0.85以下の薄膜を使用する。
【選択図】図1
【解決手段】 本発明は特にF2、ArF、KrFステッパーに対応可能とするために、150nm〜300nmの波長域で吸収の小さい酸化膜、フッ化物薄膜を膜材料として用いた2層又は3層反射防止膜において、低屈折率層にパッキング密度0.85以下の薄膜を使用する。
【選択図】図1
Description
本発明は反射防止膜及び光学素子に係り、特に低入射角度から高入射角度にわたって良好な反射防止機能を発揮する反射防止膜及び光学素子に関するものである。
近年、半導体素子の集積度向上を目的として、光リソグラフィー工程は微細化の一途をたどっている。これに伴って、光リソグラフィーに用いられる半導体製造用縮小投影型露光装置(ステッパー)の高解像化の要求が高まっている。
ステッパーはフォトマスクのパターンとウエハ上のレジスト膜状に結像する。ここで問題になってくるのが結像の解像性能と結像の光量である。光リソグラフィー工程に於いて、このステッパーによる露光解像度の短波長域の光を共振でき、かつ高出力なエキシマレーザを光源としたステッパーの実用化が始まっている。解像性能向上のもう一つの手段として投影レンズの高NA化することが挙げられる。
ステッパーの光学系は、数十枚のレンズから構成される照明系、縮小投影系を通常有する。これらの光学系における各レンズ面での反射によるゴースト、フレアーなどを抑制するために反射防止膜が形成されている。
光源の短波長化及び高NA化に伴って反射防止膜は耐レーザ性や光線の広い入射角度に対する反射防止性能などが要求される。光源であるエキシマレーザにはF2エキシマレーザ(λ=157nm)やArFエキシマレーザ(λ=193nm)等があるが、これらの光源に対して光吸収の大きい膜物質や耐レーザ性(膜のレーザ光照射に対する耐久性)の低い物質膜は光吸収による光量損失、光吸収発熱による露光性能変化の原因になるため使用できない。従って、物質膜として利用されるのは主にフッ化マグネシウム(MgF2)のようなフッ素化合物やごく限られた種類の酸化物等に限られてしまう。そして、選択できる膜の屈折率が限られてしまうため設計の自由度がなくなり、前述の高NAの投影レンズような広い入射角度に対する反射防止性能を十分に満足することが難しいという問題点があった。また、同様に使用される基板も蛍石などのフッ素化合物結晶や石英ガラスなどに限られてしまうため、膜の設計がより困難なものになっていた。
従来の反射防止膜の例として、基板上にフッ化マグネシウム(MgF2)からなる低屈折率物質層、フッ化ランタン(LaF3)からなる高屈折物質層、フッ化マグネシウム(MgF2)からなる低屈折物質層を順次積層させた3層構造が知られている。図7にこの従来の反射防止膜のλ0=193nmにおける入射角度特性を示した。ここで、λ0は反射防止の対象周波数である。図中の反射率はs偏光反射率、p偏光反射率の平均反射率である。従来例の反射防止膜は65°の入射角度の反射率を5%以下に抑えるように設計した場合、0°の入射角度の反射率が1%を越えてしまう。
本発明は、従来の反射防止膜の上記問題点に鑑みてなされたものであり、0°〜65°の入射角度の反射率を低く抑え、高NAの投影系レンズにおいて、ゴーストやフレアーの原因を取り除き、ステッパーの性能向上を可能とすることを目的とする。
本願第1の発明の反射防止膜は、パッキング密度0.95以上の高屈折物質からなる第1の物質層と、パッキング密度0.85以下の低屈折物質からなる第2の物質層とを光透過基板上に順次積層したことを特徴とし、前記光透過基板が波長域150nm以上300nm以下を透過し、前記波長域から反射防止の対象波長λ0が選択され、前記第1の物質層の光学的膜厚が0.85λ0以上1.25λ0以下の範囲より選択され、前記第2の物質層の光学膜厚が0.2λ0以上0.4λ0以下の範囲より選択されることが好ましい。
本願第2の発明の反射防止膜は、パッキング密度0.85以下の低屈折物質からなる第1の物質層と、パッキング密度0.95以上の高屈折物質からなる第2の物質層と、パッキング密度0.85以下の低屈折物質からなる第3の物質層とを光透過基板上に順次積層したことを特徴とし、前記光透過基板が波長域150nm以上300nm以下を透過し、前記波長域から反射防止の対象波長λ0が選択され、前記第1の物質層の光学的膜厚が0.35λ0以上0.65λ0以下の範囲より選択され、前記第2の物質層の光学膜厚が0.3λ0以上0.5λ0以下の範囲より選択され、前記第3の物質層の光学膜厚が0.2λ0以上0.4λ0以下の範囲より選択されることが好ましい。
本願第3の発明の反射防止膜は、パッキング密度0.85以下の低屈折物質からなる第1の物質層と、パッキング密度0.95以上の高屈折物質からなる第2の物質層と、パッキング密度0.95以上の低屈折物質からなる第3の物質層とを光透過基板上に順次積層したことを特徴とし、前記光透過基板が波長域150nm以上300nm以下を透過し、前記波長域から反射防止の対象波長λ0が選択され、前記第1の物質層の光学的膜厚が0.35λ0以上0.65λ0以下の範囲より選択され、前記第2の物質層の光学膜厚が0.2λ0以上0.4λ0以下の範囲より選択され、前記第3の物質層の光学膜厚が0.2λ0以上0.4λ0以下の範囲より選択されることが好ましい。
また、本願第1乃至3の発明の反射防止膜は、前記光透過基板の材料が、石英ガラス、蛍石(CaF2)、フッ化マグネシウム(MgF2)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化バリウム(BaF2)から選択された1種類以上の成分から成り、前記高屈折物質の材料が、フッ化ネオジム(NdF3)、フッ化ランタン(LAF3)、フッ化ガドリニウム(GdF3)、フッ化ディスプロシウム(DyF3)、フッ化イットリウム(YF3)、フッ化鉛(PbF3)、酸化アルミニウム(Al2O3)から選択された1種類以上の成分から成り、前記低屈折率物質の材料が、フッ化マグネシウム(MaF2)、フッ化アルミニウム(AlF3)、フッ化ナトリウム(NaF)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化カルシウム(CaF2)、フッ化バリウム(BaF2)、フッ化ストロンチウム(SrF2)、クライオライト(Na3AlF6)、チオライト(Na5Al3F14)、酸化ケイ素(SiO2)から選択された1種類以上の成分から成ることが好ましい。
本発明の光学素子は上記の反射防止膜を表面に形成したことを特徴とする。
本発明により、全入射角にわたって平均反射率が低く、かつ紫外域に於いて光吸収が低く、耐レーザ性が優れた反射防止膜を提供することが可能となる。
本発明に係る反射防止膜を形成したレンズなどの光学素子をステッパーの光学系に搭載した場合、反射に起因するゴーストやフレアーを抑え、露光光の光量の損失が少なく、結像むらも均一にすることが可能となる。
本発明は特にF2、ArF、KrFステッパーに対応可能とするために、150nm〜300nmの波長域で吸収の小さい酸化膜、フッ化物薄膜を膜材料として用いた2層又は3層反射防止膜において、低屈折率層にパッキング密度0.85以下のポーラスな薄膜を使用する。このような膜を使用して最適設計を行い0°〜65°にわたって反射率を低く抑えた反射防止膜を形成する。
パッキング密度の低い薄膜を最表面に用いた場合は、環境中の水分や汚染の影響を受けやすく、光学性能が変化したり、劣化してしまう。しかし、ステッパーはクリーンルームにおいて、汚染付着防止のためにN2ガスでパージされた環境下で使用される。従って、光学性能が変化する問題は無く、反射防止性能が向上しステッパーの性能を向上することが可能となる。また、組立工程で十分な管理が行えない場合やレンズの使用環境がN2パージ環境でない場合などは、低パッキング密度の低屈折率層を基板側に設け、最表面には緻密なMgF2層を設ける3層構造が適している。レンズの使用状況、組立環境を考慮して最適な膜構成を選択することで光線の入射角度に対する反射防止性能を格段に向上できる。
以下、本発明の反射防止膜に係る実施例を図面を参照しながら説明する。実施例は、限られた特定波長、膜材料などで説明されるが、本発明の範囲はこれに限られるものではない。
図1は実施例1の反射防止膜の概略断面図である。
図1に示すように精密に研磨された蛍石基板10(n=1.50 @193nm)上に第1の物質層として光学的膜厚が1.03λ0のフッ化ランタン(n=1.70)からなる高屈折物質層11、第2の物質層として光学的膜厚が0.29λ0のパッキング密度0.7のフッ化マグネシウム(n=1.29)からなる低屈折物質層12を順次積層した構成である。λ0は設計基準波長と呼ばれ、ここでは193nmに選ばれている。設計基準波長λ0は、薄膜の膜厚を指定する単位として慣例的に用いられるが、通常、反射防止の対象波長若しくはその近傍の波長が指定される。
図1に示すように精密に研磨された蛍石基板10(n=1.50 @193nm)上に第1の物質層として光学的膜厚が1.03λ0のフッ化ランタン(n=1.70)からなる高屈折物質層11、第2の物質層として光学的膜厚が0.29λ0のパッキング密度0.7のフッ化マグネシウム(n=1.29)からなる低屈折物質層12を順次積層した構成である。λ0は設計基準波長と呼ばれ、ここでは193nmに選ばれている。設計基準波長λ0は、薄膜の膜厚を指定する単位として慣例的に用いられるが、通常、反射防止の対象波長若しくはその近傍の波長が指定される。
図2は本実施例の反射防止膜の反射防止対象波長として選ばれた特定波長193nmにおける反射率の入射角度特性図である。図2から本実施例の反射防止膜は入射角度0°〜56°という広い入射角度範囲において平均反射率が1.0%以下、さらに56°〜65°の入射角度においても平均反射率が3.0%以下以下という良好な反射防止効果を示し、入射角度0°〜65°の全範囲に渡って極めて低い反射率特性を示している。
本実施例に示す2層反射防止膜は最表面層に低パッキングの低屈折率層を使用しているため、コーティング後のレンズの保管においては汚染物質の付着や吸湿等を抑えなければならない。ステッパー本体に搭載された状態と同じN2等の清浄なガスでパージした環境下に保管しておくことがよい。ステッパー本体に搭載された後は清浄な雰囲気かでレーザの照射を受け、多少の汚染であれば除去される。また、湿度も極低い状態に安定的に保たれているため、光学性能の変化も観測されず安定した性能を示す。
図3は実施例2の反射防止膜の概略断面図である。
図3に示すように精密に研磨された蛍石基板20(n=1.50 @193nm)上に第1の物質層として光学的膜厚が0.51λ0のパッキング密度0.7のフッ化マグネシウム(n=1.29)からなる低屈折物質層21、第2の物質層として光学的膜厚が0.41λ0のフッ化ランタン(n=1.70)からなる高屈折物質層22、第3の物質層として光学的膜厚が0.24λ0のパッキング密度0.7のフッ化マグネシウム(n=1.29)からなる低屈折物質層23を順次積層した構成である。λ0は設計基準波長と呼ばれ、ここでは193nmに選ばれている。
図3に示すように精密に研磨された蛍石基板20(n=1.50 @193nm)上に第1の物質層として光学的膜厚が0.51λ0のパッキング密度0.7のフッ化マグネシウム(n=1.29)からなる低屈折物質層21、第2の物質層として光学的膜厚が0.41λ0のフッ化ランタン(n=1.70)からなる高屈折物質層22、第3の物質層として光学的膜厚が0.24λ0のパッキング密度0.7のフッ化マグネシウム(n=1.29)からなる低屈折物質層23を順次積層した構成である。λ0は設計基準波長と呼ばれ、ここでは193nmに選ばれている。
図4は本実施例の反射防止膜の反射防止対象波長として選ばれた特定波長193nmにおける反射率の入射角度特性図である。図4から本実施例の反射防止膜は入射角度0°〜50°という広い入射角度範囲において平均反射率が0.5%以下、50°〜56°においては平均反射率が1.0%以下、さらに56°〜65°の入射角度においても、平均反射率が2.5%以下という良好な反射防止効果を示し、入射角度0°〜65°の全範囲に渡って極めて低い反射率特性を示しており、NA0.9以上の高NAの投影系レンズにコーティングした場合、ゴーストやフレアーを大幅に低減できる。
本実施例においても最表面層に低パッキングの低屈折率層を使用しているため、コーティング後の保管には注意を要する。しかし、投影系レンズとして使用される環境下においては光学特性の安定化はもとより耐レーザ性においても良好な性能を発揮する。
図5は実施例3の反射防止膜の断面概略図である。
図5に示すように精密に研磨された蛍石基板30(n=1.50 @193nm)上に第1の物質層として光学的膜厚が0.53λ0のパッキング密度0.7のフッ化マグネシウム(n=1.29)からなる低屈折物質層31、第2の物質層として光学的膜厚が0.31λ0のフッ化ランタン(n=1.70)からなる高屈折物質層32、第3の物質層として光学的膜厚が0.27λ0のフッ化マグネシウム(n=1.29)からなる低屈折物質層33を順次積層した構成である。λ0は設計基準波長と呼ばれ、ここでは193nmに選ばれている。
図5に示すように精密に研磨された蛍石基板30(n=1.50 @193nm)上に第1の物質層として光学的膜厚が0.53λ0のパッキング密度0.7のフッ化マグネシウム(n=1.29)からなる低屈折物質層31、第2の物質層として光学的膜厚が0.31λ0のフッ化ランタン(n=1.70)からなる高屈折物質層32、第3の物質層として光学的膜厚が0.27λ0のフッ化マグネシウム(n=1.29)からなる低屈折物質層33を順次積層した構成である。λ0は設計基準波長と呼ばれ、ここでは193nmに選ばれている。
図6は本実施例の反射防止膜の反射防止対象波長として選ばれた特定波長193nmにおける反射率の入射角度特性図である。図6から本実施例の反射防止膜は入射角度0°〜56°という広い入射角度範囲において平均反射率が1.0%以下、さらに56°〜65°の入射角度においても平均反射率が3.0%以下以下という良好な反射防止効果を示している。
本実施例においては、最表面層に高パッキングの低屈折率層を使用している。これは、ステッパーの各レンズのほどんどはN2等の清浄なガスでパージされる環境下で使用されるが、ごく一部のレンズはクリーンルーム環境下で使用されるため、これらのレンズに低パッキングの最表面層を有する反射防止膜をコーティングした場合、光学性能の安定性に問題が生じるためである。
本実施例に示す3層反射防止膜は最表面に低パッキングの低屈折率層を使用した2層反射防止膜とほぼ同様の反射防止性能を示し、また、コーティング後のレンズの保管や光学特性管理も容易なため、非常に有用である。
本発明の反射防止膜は、多層膜の一部にパッキング密度0.7のフッ化マグネシウムを用いたが、パッキング密度が0.85以下であれば良好な反射防止性能が得られる。
また、大気放置中のハイドロカーボンなどの汚染や吸湿による反射防止特性の変化が問題となる場合でも、3層膜の第1層目にパッキング密度の低い低屈折率層を積層し、最表面にあたる第3層目のフッ化マグネシウムをパッキング密度0.95以上の緻密な膜にすることで、光学特性が安定し高入射角度特性にも優れた反射防止膜を形成することが可能となる。
本実施例では具体的な膜厚を設定して説明を行ったが、多少膜厚を変えても基本的な光学性能を発揮することができる。また、基板材料の屈折率や使用する光学薄膜のの屈折率に応じて補正を行っても良い。具体的に2層反射防止膜に場合、設計基準波長λ0が、150nm以上300nm以下の範囲から選ばれ、かつ第1の物質層の光学的膜厚が0.85λ0以上1.25λ0以下の範囲であり、第2の物質層の光学的膜厚が0.2λ0以上0.4λ0以下の範囲である。この時第1の物理層の膜厚については0.35λ0以上0.65λ0以下でも良い。
3層反射防止膜において第1及び第3の物質層に低パッキング密度の低屈折率材料を用いる場合、設計基準波長λ0が、150nm以上300nm以下の範囲から選ばれ、かつ第1の物質層の光学的膜厚が0.35λ0以上0.65λ0以下の範囲であり、第2の物質層の光学的膜厚が0.3λ0以上0.5λ0以下の範囲であり、第3の物質層の光学的膜厚が0.2λ0以上0.4λ0以下の範囲である。この時第1の物理層の膜厚については0.85λ0以上1.25λ0以下でも良い。
3層反射防止膜において第1の物質層のみ低パッキング密度の低屈折率材料を用いる場合、設計基準波長λ0が、150nm以上300nm以下の範囲から選ばれ、かつ第1の物質層の光学的膜厚が0.35λ0以上0.65λ0以下の範囲であり、第2の物質層の光学的膜厚が0.2λ0以上0.4λ0以下の範囲であり、第3の物質層の光学的膜厚が0.2λ0以上0.4λ0以下の範囲である。この時第1の物理層の膜厚については0.85λ0以上1.25λ0以下でも良い。
本発明の反射防止膜の基板材料としては、紫外領域において透明なる材料が使用できる。これらの材料として石英ガラス、蛍石(CaF2)、フッ化マグネシウム(MgF2)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化バリウム(BaF2)等から選ばれた1つ以上が好ましく用いられる。
本発明の反射防止膜の高屈折率物質材料としては、基板より屈折率の高く、屈折率が1.6以上を示す材料が好ましく用いられる。これらの材料としてフッ化ネオジム(NdF3)、フッ化ランタン(LaF3)、フッ化ガドリニウム(GdF3)、フッ化ディスプロシウム(DyF3)、フッ化イットリウム(YF3)、フッ化鉛(PbF3)、酸化アルミニウム(Al2O3)より選ばれた1つ以上の成分である。
本発明の反射防止膜の低屈折率物質材料としては、フッ化マグネシウム(MaF2)、フッ化アルミニウム(AlF3)、フッ化ナトリウム(NaF)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化カルシウム(CaF2)、フッ化バリウム(BaF2)、フッ化ストロンチウム(SrF2)、クライオライト(Na3AlF6)、チオライト(Na5Al3F14)、酸化ケイ素(SiO2)の1つ以上の成分が使用される。
以上、本発明の実施例では反射防止対象の特定波長を193nmとしたが、本発明はさらに他の特定波長でも、また特定波長に限らず特定波長域に対しても適用可能であることは言うまでもない。さらに本発明の反射防止膜は、紫外光に限らず、可視光、赤外光でも使用することができる。
特に本発明の反射防止膜は、広い入射角度に渡って低反射であり、全入射角に渡る平均反射率が低いため、縮小投影光学系に適用した場合にゴーストやフレアーを防止できる。また、反射損失による硬化率低下が起こらず、かつ結像ムラが小さい。さらに本発明の反射防止膜は、光吸収が小さいため光量の損失が少なく、発熱による基板面変化が小さいため、膜破壊を起こしにくく耐レーザ性に優れた反射防止膜を実現することができる。本発明の反射防止膜を波長域120nm〜300nmの光、特に特定の波長光を用いるステッパーの光学素子に好ましく使用することが可能となる。
10、20、30 蛍石基板
11、21、31 第1の物質層
12、22、32 第2の物質層
23、33 第3の物質層
11、21、31 第1の物質層
12、22、32 第2の物質層
23、33 第3の物質層
Claims (10)
- パッキング密度0.95以上の高屈折物質からなる第1の物質層と、パッキング密度0.85以下の低屈折物質からなる第2の物質層とを光透過基板上に順次積層したことを特徴とする反射防止膜。
- 前記光透過基板が波長域150nm以上300nm以下を透過し、前記波長域から反射防止の対象波長λ0が選択され、前記第1の物質層の光学的膜厚が0.85λ0以上1.25λ0以下の範囲より選択され、前記第2の物質層の光学膜厚が0.2λ0以上0.4λ0以下の範囲より選択されることを特徴とする請求項1に記載の反射防止膜。
- パッキング密度0.85以下の低屈折物質からなる第1の物質層と、パッキング密度0.95以上の高屈折物質からなる第2の物質層と、パッキング密度0.85以下の低屈折物質からなる第3の物質層とを光透過基板上に順次積層したことを特徴とする反射防止膜。
- 前記光透過基板が波長域150nm以上300nm以下を透過し、前記波長域から反射防止の対象波長λ0が選択され、前記第1の物質層の光学的膜厚が0.35λ0以上0.65λ0以下の範囲より選択され、前記第2の物質層の光学膜厚が0.3λ0以上0.5λ0以下の範囲より選択され、前記第3の物質層の光学膜厚が0.2λ0以上0.4λ0以下の範囲より選択されることを特徴とする請求項3に記載の反射防止膜。
- パッキング密度0.85以下の低屈折物質からなる第1の物質層と、パッキング密度0.95以上の高屈折物質からなる第2の物質層と、パッキング密度0.95以上の低屈折物質からなる第3の物質層とを光透過基板上に順次積層したことを特徴とする反射防止膜。
- 前記光透過基板が波長域150nm以上300nm以下を透過し、前記波長域から反射防止の対象波長λ0が選択され、前記第1の物質層の光学的膜厚が0.35λ0以上0.65λ0以下の範囲より選択され、前記第2の物質層の光学膜厚が0.2λ0以上0.4λ0以下の範囲より選択され、前記第3の物質層の光学膜厚が0.2λ0以上0.4λ0以下の範囲より選択されることを特徴とする請求項5に記載の反射防止膜。
- 前記光透過基板の材料が、石英ガラス、蛍石(CaF2)、フッ化マグネシウム(MgF2)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化バリウム(BaF2)から選択された1種類以上の成分から成ることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の反射防止膜。
- 前記高屈折物質の材料が、フッ化ネオジム(NdF3)、フッ化ランタン(LAF3)、フッ化ガドリニウム(GdF3)、フッ化ディスプロシウム(DyF3)、フッ化イットリウム(YF3)、フッ化鉛(PbF3)、酸化アルミニウム(Al2O3)から選択された1種類以上の成分から成ることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載の反射防止膜。
- 前記低屈折率物質の材料が、フッ化マグネシウム(MaF2)、フッ化アルミニウム(AlF3)、フッ化ナトリウム(NaF)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化カルシウム(CaF2)、フッ化バリウム(BaF2)、フッ化ストロンチウム(SrF2)、クライオライト(Na3AlF6)、チオライト(Na5Al3F14)、酸化ケイ素(SiO2)から選択された1種類以上の成分から成ることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項記載の反射防止膜。
- 請求項1乃至9のいずれかに記載の反射防止膜を表面に形成したことを特徴とする光学素子。
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