JP2014093260A - 固体電解質成形体及びその製造方法、並びに全固体電池 - Google Patents

固体電解質成形体及びその製造方法、並びに全固体電池 Download PDF

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Abstract

【課題】高いイオン伝導度を有する固体電解質成形体を提供する。
【解決手段】構成成分として、アルカリ金属元素、リン、硫黄及びハロゲンを含む固体電解質からなり、前記固体電解質の粉体が互いに融着している固体電解質成形体。
【選択図】図4

Description

本発明は、固体電解質成形体及びその製造方法、並びに全固体電池に関する。さらに詳しくは、硫化物系固体電解質粉体からなる硫化物系固体電解質成形体、及びその製造方法、並びに硫化物系固体電解質成形体を用いた全固体電池に関する。
近年、携帯情報端末、携帯電子機器、家庭用小型電力貯蔵装置、モーターを動力源とする自動二輪車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車等に用いられるリチウムイオン二次電池の需要が増加している。
上記リチウムイオン二次電池には、電解質として有機系電解液が用いられている。有機系電解液は高いイオン伝導度を示すものの、液体でかつ可燃性であるため、漏洩、発火等の安全性が懸念されている。
リチウムイオン二次電池の安全性を確保する方法として、有機系電解液に代えて無機固体電解質を用いた全固体二次電池が研究されている。しかし、一般的に無機固体電解質は、有機系電解液に比べてイオン伝導度が小さく、全固体二次電池の実用化は困難であった。
例えば、無機固体電解質としてLiNをベースとするリチウムイオン伝導性セラミックスが報告されている。しかし、このセラミックスは分解電圧が低いため、3V以上で作動する全固体二次電池に用いることはできなかった。
非特許文献1は、高いリチウムイオン伝導性を示す硫化物系結晶化ガラスからなる固体電解質を開示する。しかし、非特許文献1の電解質は、高価なゲルマニウムを多量に必要とするため、工業的に不利であった。
また、特許文献1は、ヨウ化リチウムを添加することで電解質のイオン伝導度が1.0×10−3S/cmまで向上することを開示しているが、さらなるイオン伝導度の向上が必要であった。
特開2012−48973号公報
N.Kamayaら、Nature Materials 10、682 (2011).
本発明の目的は、高いイオン伝導度を有する固体電解質成形体を提供することである。
本発明によれば、以下の固体電解質成形体等が提供される。
1.構成成分として、アルカリ金属元素、リン、硫黄及びハロゲンを含む固体電解質からなり、前記固体電解質の粉体が互いに融着している固体電解質成形体。
2.前記固体電解質が、下記式(1)に示す組成を有する固体電解質である1に記載の固体電解質成形体。
f …(1)
(式中、Lは、アルカリ金属を示し。
Mは、B、Al、Si、Ge、As、Se、Sn、Sb、Te、Pb、Bi、又はこれらの組合せを示す。
XはI、Cl、Br、F、又はこれらの組合せを示す。
a〜fは、それぞれ0<a≦12、0≦b≦0.2、c=1、0<d≦9、0<e≦9、0≦f≦9を満たす。)
3.前記LがLiであり、前記XがBrであり、前記bが0である、2に記載の固体電解質成形体。
4.前記固体電解質が、下記成分(A)、(B)及び(C)を用いて得られる固体電解質である1〜3のいずれかに記載の固体電解質成形体。
(A)アルカリ金属硫化物
(B)M’で表される化合物
(C)M''で表わされる化合物
(式中、M’は、Li、Na、B、Al、Si、P、Ge、又はこれらの組み合わせを示す。
M''は、Li、Na、B、Al、Si、P、S、Ge、As、Se、Sn、Sb、Te、Pb、Bi、又はこれらの組み合わせを示す。
XはF、Cl、Br、I、又はこれらの組み合わせを示す。
wは1又は2の整数を示す。
m、n及びxは、それぞれ1〜10の整数を示す。)
5.下記式(1)に示す組成を有する固体電解質の粉体を加圧成形する工程、及び
加圧成形により調製した圧粉体を熱処理する工程を含む、
固体電解質成形体の製造方法。
f …(1)
(式中、Lは、アルカリ金属を示し。
Mは、B、Al、Si、Ge、As、Se、Sn、Sb、Te、Pb、Bi、又はこれらの組合せを示す。
XはI、Cl、Br、F、又はこれらの組合せを示す。
a〜fは、それぞれ0<a≦12、0≦b≦0.2、c=1、0<d≦9、0<e≦9、0≦f≦9を満たす。)
6.前記LがLiであり、前記XがBrであり、前記bが0である、5に記載の固体電解質成形体の製造方法。
7.前記固体電解質の粉体を、下記成分(A)、(B)及び(C)を用いて調製する5又は6に記載の固体電解質成形体の製造方法。
(A)アルカリ金属硫化物
(B)M’で表される化合物
(C)M''で表わされる化合物
(式中、M’は、Li、Na、B、Al、Si、P、Ge、又はこれらの組み合わせを示す。
M''は、Li、Na、B、Al、Si、P、S、Ge、As、Se、Sn、Sb、Te、Pb、Bi、又はこれらの組み合わせを示す。
XはF、Cl、Br、I、又はこれらの組み合わせを示す。
wは1又は2の整数を示す。
m、n及びyは、それぞれ1〜10の整数を示す。)
8.前記成分(A)がLiSであり、前記成分(B)がPであり、前記成分(C)がLiBr又はPBrである7に記載の固体電解質成形体の製造方法。
9.前記加圧成形の加圧処理を30〜400MPaで行う、5〜8のいずれかに記載の固体電解質成形体の製造方法。
10.前記熱処理を150℃〜360℃で行う、5〜9のいずれかに記載の固体電解質成形体の製造方法。
11.5〜10のいずれかに記載の固体電解質成形体の製造方法により得られる固体電解質成形体。
12.1〜4及び11のいずれかに記載の固体電解質成形体を含む全固体電池。
本発明によれば、高いイオン伝導度を有する固体電解質成形体が提供できる。
スラリー合成法で使用できる製造装置の一例を示す図である。 全固体電池の一実施形態を示す概略断面図である。 製造例2で製造した電解質前駆体の示差熱熱重量測定の示差熱分析結果を示す図である。 実施例1で製造した固体電解質成形体の断面写真である。 比較例1で製造した固体電解質成形体の断面写真である。
[固体電解質成形体]
本発明の固体電解質成形体は、構成成分として、アルカリ金属元素、リン、硫黄及びハロゲンを含む固体電解質からなり、前記固体電解質の粉体が互いに融着している。
本発明の固体電解質成形体は、好ましくは下記式(1)に示す組成を有する固体電解質からなり、当該固体電解質の粉体が互いに融着している。
f …(1)
(式中、Lは、アルカリ金属を示し。
Mは、B、Al、Si、Ge、As、Se、Sn、Sb、Te、Pb、Bi、又はこれらの組合せを示す。
XはI、Cl、Br、F、又はこれらの組合せを示す。
a〜fは、それぞれ0<a≦12、0≦b≦0.2、c=1、0<d≦9、0<e≦9、0≦f≦9を満たす。)
式(1)において、a〜fはそれぞれ各元素の組成比を示し、0<a≦12、0≦b≦0.2、c=1、0<d≦9、0<e≦9、0≦f≦9を満たす。
式(1)において、好ましくは、bは0であり、より好ましくは、a、c、d、e及びfの比(a:c:d:e:f)がa:c:d:e:f=1〜9:1:3〜7:0.05〜3:0〜2、さらに好ましくは、a:c:d:e:f=2〜6.5:1:3.5〜5:0.1〜1.5:0〜1である。最も好ましくは、a:c:d:e:f=2〜6.5:1:3.5〜4.95:0.1〜1.5:0〜0.5である。dは4であると好ましい。
また、fが0でない場合は、d+f=4となるように添加することが望ましい。
各元素の組成比は、固体電解質又は固体電解質前駆体(固体電解質ガラス)を製造する際の原料化合物の配合量を調整することにより制御できる。
式(1)に示す組成を有する固体電解質は、好ましくは下記式(1’)に示す組成を有する固体電解質である。
…(1’)
(式中、Lは、アルカリ金属を示し。
Mは、B、Al、Si、Ge、As、Se、Sn、Sb、Te、Pb、Bi、又はこれらの組合せを示す。
XはI、Cl、Br、F、又はこれらの組合せを示す。
a〜eは、それぞれ0<a≦12、0≦b≦0.2、c=1、0<d≦9、0<e≦9を満たす。)
式(1’)において、a〜eはそれぞれ各元素の組成比を示し、0<a≦12、0≦b≦0.2、c=1、0<d≦9、0<e≦9を満たす。
好ましくは、bは0であり、より好ましくは、a、c、d、eの比(a:c:d:e)がa:c:d:e=1〜9:1:3〜7:0.05〜3、さらに好ましくは、a:c:d:e=2〜6.5:1:3.5〜5:0.1〜1.5である。最も好ましくは、a:c:d:e=2〜6.5:1:3.5〜4.95:0.1〜1.5である。
dは4であると好ましい。
f及びLで表わされる固体電解質を構成する各元素は、好ましくは以下の通りである:
Lのアルカリ金属は、Li、Na、K、Rb、Ce及びFrから選択される1つ以上が挙げられ、好ましくはLi及びNaから選択される1つ以上であり、より好ましくはLiである。
Mは、好ましくはB、Al、Si、又はこれらの組み合わせである。
Xは、好ましくはI、Br又はClであり、より好ましくはBrである。
本発明の固体電解質成形体は、式(1)で示される組成を有する固体電解質の粉体が互いに融着している成形体である。固体電解質粉体が互いに融着していることで、広範囲のイオン伝導パスを形成することができる。
尚、固体電解質粉体が融着していることは、固体電解質成形体を走査型電子顕微鏡を用いて観察し、固体電解質粉体同士の界面の境目が観察できないことにより確認できる。
成形体の密度が高いほど、イオン伝導パスをより多く確保できることから、本発明の固体電解質成形体の算出密度は、好ましくは1.45〜2.00g/cmであり、さらに好ましくは1.5〜2.00g/cmである。
尚、算出密度とは、固体電解質粉体のみからなる成形体を、黒鉛5mg及び固体電解質粉体5mgの混合粉体からなる電極2枚で挟持した成形体の理論上の密度をいい、具体的には下記式を用いて算出することができる。
算出密度=((5mg+5mg)×2+成形体に用いた固体電解質粉体の質量)/成形体の体積
本発明の固体電解質成形体のイオン伝導度は、好ましくは2.0×10−3S/cm以上であり、より好ましくは5.0×10−3S/cm以上である。成形体がこのようなイオン伝導度を有することにより、本発明の硫化物系電解質成形体を用いた全固体電池は、高出力を実現できる。
[固体電解質成形体の製造方法]
(1)原料
固体電解質成形体を構成する固体電解質は、例えば下記成分(A)、(B)及び(C)を用いることにより調製できる。
(A)アルカリ金属硫化物
(B)M’で表される化合物
(C)M''で表わされる化合物
(式中、M’は、Li、Na、B、Al、Si、P、Ge、又はこれらの組み合わせを示す。
M''は、Li、Na、B、Al、Si、P、S、Ge、As、Se、Sn、Sb、Te、Pb、Bi、又はこれらの組み合わせを示す。
XはF、Cl、Br、I、又はこれらの組み合わせを示す。
wは1又は2の整数を示す。
m、n及びxは、それぞれ1〜10の整数を示す。)
(A)アルカリ金属硫化物としては、LiS(硫化リチウム)、NaS(硫化ナトリウム)が挙げられ、好ましくは硫化リチウムである。
硫化リチウムは、特に制限なく使用できるが、高純度のものが好ましい。硫化リチウムは、例えば、特開平7−330312号、特開平9−283156号、特開2010−163356、特開2011-84438、特開2011−136899に記載の方法により製造することができる。
具体的に、炭化水素系有機溶媒中で水酸化リチウムと硫化水素とを70℃〜300℃で反応させて、水硫化リチウムを生成し、次いでこの反応液を脱硫化水素化することにより硫化リチウムを合成できる(特開2010−163356)。
また、水溶媒中で水酸化リチウムと硫化水素とを10℃〜100℃で反応させて、水硫化リチウムを生成し、次いでこの反応液を脱硫化水素化することにより硫化リチウムを合成できる(特開2011−84438)。
硫化リチウムは、硫黄酸化物のリチウム塩の総含有量が0.15質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.1質量%以下であり、かつN−メチルアミノ酪酸リチウムの含有量が0.15質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.1質量%以下である。硫黄酸化物のリチウム塩の総含有量が0.15質量%以下であると、溶融急冷法やメカニカルミリング法で得られる固体電解質は、ガラス状電解質(完全非晶質)となる。一方、硫黄酸化物のリチウム塩の総含有量が0.15質量%を越えると、得られる電解質は、最初から結晶化物となるおそれがある。
また、N−メチルアミノ酪酸リチウムの含有量が0.15質量%以下であると、N−メチルアミノ酪酸リチウムの劣化物がリチウムイオン電池のサイクル性能を低下させることがない。このように不純物が低減された硫化リチウムを用いると、高イオン伝導性電解質が得られる。
上述した特開平7−330312号及び特開平9−283156号に基づいて硫化リチウムを製造した場合、硫化リチウムが硫黄酸化物のリチウム塩等を含むため、精製することが好ましい。
一方、特開2010−163356に記載の硫化リチウムの製法で製造した硫化リチウムは、硫黄酸化物のリチウム塩等の含有量が非常に少ないため、精製せずに用いてもよい。
好ましい精製法としては、例えば、国際公開WO2005/40039号に記載された精製法等が挙げられる。具体的には、上記のようにして得られた硫化リチウムを、有機溶媒を用い、100℃以上の温度で洗浄する。
(B)M’で表される化合物としては、P(三硫化二リン)、P(五硫化二リン)、SiS(硫化珪素)、Al(硫化アルミニウム)、GeS(硫化ゲルマニウム)、B(三硫化二砒素)、NaS(硫化ナトリウム)等が挙げられ、好ましくは好ましくはPである。
五硫化二リン(P)は、工業的に製造され、販売されているものであれば、特に限定なく使用することができる。
(C)M''で表わされる化合物は、好ましくはM''がリチウム又はリンである化合物である。
ハロゲン元素を含む化合物である(C)M''で表わされる化合物は、具体的には、LiF,LiCl,LiBr,LiI,BCl,BBr,BI,AlF,AlBr,AlI,AlCl,SiF,SiCl,SiCl,SiCl,SiBr,SiBrCl,SiBrCl,SiI,PF,PF,PCl,PCl,PBr,PI,PCl,P,SF,SF,SF,S10,SCl,SCl,SBr,GeF,GeCl,GeBr,GeI,GeF,GeCl,GeBr,GeI,AsF,AsCl,AsBr,AsI,AsF,SeF,SeF,SeCl,SeCl,SeBr,SeBr,SnF,SnCl,SnBr,SnI,SnF,SnCl,SnBr,SnI,SbF,SbCl,SbBr,SbI,SbF,SbCl,PbF,PbCl,PbF,PbCl,PbBr,PbI,BiF,BiCl,BiBr,BiI,TeF,Te10,TeF,TeCl,TeCl,TeBr,TeBr,TeI、NaI,NaF,NaCl,NaBr等が挙げられ、好ましくLiCl,LiBr,LiI,PCl、PCl、PBr及びPBrであり、より好ましくはLiCl,LiBr,LiI及びPBrである。
尚、上記(C)成分に替えて、例えばPOClやPOBrのような(C)式で表される化合物の酸化物を用いることもできる。
式(1)に示す組成を有する固体電解質は、成分(C)が酸素元素を含まない化合物であっても、後述するガラス化促進剤を用いることによって、酸素元素を含む式(1)の組成を有する固体電解質を製造することができる。
成分(A)、(B)及び(C)の配合比は、成分(C)のM''がリンであるかリン以外であるかで場合分けされる。
(i)成分(C)のM''がリン以外の場合、例えば成分(A):(B)のモル比は65:35〜85:15であり、好ましくは(A):(B)=67:33〜83:17(モル比)であり、さらに好ましくは(A):(B)=67:33〜80:20(モル比)であり、最も好ましくは(A):(B)=72:28〜78:22(モル比)である。
また、この時、成分(A)及び(B)のモル量の合計に対する(C)のモル量の比は、好ましくは50:50〜99:1であり、より好ましくは[(A)+(B)]:(C)=55:45〜97:3(モル比)であり、さらに好ましくは[(A)+(B)]:(C)=60:40〜96:4(モル比)であり、特に好ましくは[(A)+(B)]:(C)=70:30〜96:4(モル比)である。
(ii)成分(C)のM''がリンである場合、例えば成分(A):(B)のモル比は60:40〜90:10であり、好ましくは(A):(B)=70:30〜90:10(モル比)であり、より好ましくは(A):(B)=72:28〜88:12(モル比)であり、さらに好ましくは(A):(B)=74:26〜86:14(モル比)であり、特に好ましくは(A):(B)=75:25〜85:15(モル比)であり、最も好ましくは、成分(A)が硫化リチウムであり、成分(B)五硫化二リンであって、(A):(B)=77:23〜83:17(モル比)である。
また、この時、成分(A)及び(B)のモル量の合計に対する(C)のモル量の比は、好ましくは50:50〜99:1であり、より好ましくは[(A)+(B)]:(C)=80:20〜98:2(モル比)であり、さらに好ましくは[(A)+(B)]:(C)=85:15〜98:2(モル比)であり、特に好ましくは[(A)+(B)]:(C)=90:10〜98:2である。
尚、上記成分(A)、成分(B)やハロゲン元素を含む化合物である成分(C)の他に、ガラス転移温度を低減する化合物(ガラス化促進剤)を添加してもよい。ガラス化促進剤の例としては、LiPO、LiSiO、LiGeO、LiBO、LiAlO、LiCaO、LiInO、NaPO、NaSiO、NaGeO、NaBO、NaAlO、NaCaO、NaInO等の無機化合物が挙げられる。
(2)ガラス状の固体電解質の製造方法
上記成分(A)〜(C)及び任意にガラス化促進剤等を用いて、以下の方法によりガラス状の固体電解質を製造することができる。
原料(例えば硫化ナトリウム、五硫化二リン、及びハロゲン化合物)を、上記配合比で混合し、溶融急冷法、メカニカルミリング法(以下、適宜「メカニカルミリング」を「MM」という。)、溶媒中で反応させるスラリー法、固相法等のいずれかにより処理することにより、ガラス状の固体電解質を製造することができる。
以下、各製造方法について説明する。
(i)溶融急冷法
溶融急冷法は、原料を所定量混合し、所定温度で反応させた後、急速に冷却することによりガラス状の固体電解質を得る方法である。
例えば、乳鉢にて混合しペレット状にしたものを、カーボンコートした石英管中に入れ真空封入する。所定の反応温度で反応させた後、氷中に投入し急冷することにより、ガラス状の固体電解質が得られる。
反応温度は、好ましくは400℃〜1000℃、より好ましくは、800℃〜900℃である。
反応時間は、好ましくは0.1時間〜12時間、より好ましくは、1〜12時間である。
上記反応物の急冷温度は、通常10℃以下、好ましくは0℃以下であり、その冷却速度は、通常1〜10000K/sec程度、好ましくは10〜10000K/secである。
(ii)メカニカルミリング法(MM法)
MM法は、原料を所定量混合し、機械的なエネルギーを与えることによりガラス状の固体電解質を得る方法である。
機械的なエネルギーを与える方法は特に問わないが、例えば、各種ボールミルを例示することができる。
例えば、五硫化二燐(P)、硫化リチウム(LiS)及びハロゲン化合物を所定量乳鉢にて混合し、例えば、各種ボールミル等を使用して所定時間反応させることにより、ガラス状の固体電解質が得られる。
上記原料を用いたMM法は、室温で反応させることができる。そのため、原料の熱分解が起らず、仕込み組成のガラス状の固体電解質を得ることができるという利点がある。
また、MM法ではガラス状の固体電解質の製造と同時に、微粉末化できるという利点もある。
MM法には、回転ボールミル、転動ボールミル、振動ボールミル、遊星ボールミル等種々の形式を用いることができる。
MM法の条件としては、例えば、遊星型ボールミル機を使用した場合、回転速度を数十〜数百回転/分とし、0.5時間〜100時間処理すればよい。
また、ボールミルのボールは異なる径のボールを混合して使用してもよい。
また、MM処理の際のミル内の温度を調整してもよい。
MM処理時の原料温度は、室温から200℃まで必要に応じて加熱してもよい。
(iii)固相法
固相法は、原料を混合し所定温度で加熱することによりガラス状の固体電解質を得る方法である。例えば、五硫化二燐(P)と硫化リチウム(LiS)、及びハロゲン化合物を所定量乳鉢にて混合し、100〜900℃の温度で加熱することにより、ガラス状の固体電解質が得られる
(iv)接触法
接触法は、溶媒中で原料を接触させてガラス状の固体電解質を製造する方法である。
接触法によれば、メカニカルミリング装置のような特殊な設備を使用しなくともガラス状の固体電解質を製造できる。従って、安価に伝導性物質を製造することができる。また、メカニカルミリング処理をしないため、メカニカルミリング装置の壁面等が剥がれることによる不純物の発生を防止することができる。
また、メカニカルミリング装置を使用しないため、ボールとミル容器内に原料や固体電解質が付着するような欠点がない。
上記溶媒は、好ましくは有機溶媒であり、より好ましくは非プロトン性溶媒であり、さらに好ましくは炭化水素系有機溶媒である。
上記非プロトン性溶媒としては、非プロトン性有機溶媒(例えば、炭化水素系有機溶媒)、非プロトン性の極性有機化合物(例えばアミド化合物、ラクタム化合物、尿素化合物、有機イオウ化合物、環式有機リン化合物等)等が挙げられ、これらのうちいずれか1つを単独溶媒として、又はこれらのうちの2以上からなる混合溶媒として使用することができる。
上記炭化水素系溶媒としては、飽和炭化水素、不飽和炭化水素又は芳香族炭化水素が使用できる。
飽和炭化水素としては、ヘキサン、ペンタン、2−エチルヘキサン、ヘプタン、デカン、シクロヘキサン等が挙げられる。
不飽和炭化水素としては、ヘキセン、ヘプテン、シクロヘキセン等が挙げられる。
芳香族炭化水素としては、トルエン、キシレン、デカリン、1、2、3、4−テトラヒドロナフタレン等が挙げられる。
炭化水素系溶媒としては、特にトルエン、キシレンが好ましい。
非プロトン性溶媒及び炭化水素系溶媒は、あらかじめ脱水されていることが好ましい。具体的には、水分含有量として100重量ppm以下が好ましく、特に30重量ppm以下であることが好ましい。
必要に応じて使用する溶媒に他の溶媒を添加してもよい。
当該他の溶媒の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン等のエーテル類;エタノール、ブタノール等のアルコール類;酢酸エチル等のエステル類等;ジクロロメタン、クロロベンゼン、フッ化ヘプタン、フッ化ベンゼン、2、3‐ジハイドロパーフルオロペンタン、1、1、2、2、3、3、4‐ヘプタフルオロシクロペンタン等のフッ素系化合物等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。
上述の接触法で使用する溶媒は、後述する製造方法で使用する溶媒にも同様に使用することができる。
溶媒の量は、原料が、溶媒の添加により溶液又はスラリー状になる程度であることが好ましい。通常、溶媒1リットルに対する原料(合計量)の添加量は0.001Kg以上1Kg以下程度となる。好ましくは0.005Kg以上0.5Kg以下、特に好ましくは0.01Kg以上0.3Kg以下である。
原料を溶媒中で接触させる方法は、特に限定されない。例えば、撹拌装置を有する容器内で、原料と溶媒の混合物を撹拌させる方法が挙げられ、接触時に撹拌することが好ましい。
接触(反応)工程時の温度は、通常50℃以上300℃以下であり、好ましくは60℃以上250℃以下であり、より好ましくは70℃以上200℃以下である。
また、接触工程時の時間は、通常5分以上200時間以下、好ましくは10分以上100時間以下である。接触工程時の時間が5分未満であると反応が不十分のおそれがある。接触時間が短すぎると原料が残ってしまうおそれがある。
尚、温度や時間は、いくつかの条件をステップにして組み合わせてもよい。例えば、接触開始から1時間は100℃で接触させ、1時間後10時間の間は150℃で加熱する等である。
接触工程は、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で実施することが好ましい。不活性ガスの露点は−20℃以下が好ましく、特に好ましくは−40℃以下である。圧力は、通常、常圧〜100MPaであり、好ましくは常圧〜20MPaである。
接触処理後、生成した固体部分と溶媒を分離してガラス状の固体電解質を回収する。分離は、デカンテーション、ろ過、乾燥等、又はこれら組み合わせ等、公知の方法で実施することができる。
(v)湿式メカニカルミリング法(湿式MM法)
湿式メカニカルミリング法は、原料を溶媒中でメカニカルミリング処理して製造する方法である。
湿式メカニカルミリング法は、溶媒を加えた状態でメカニカルミリング処理を施すことで、処理時の増粒効果を抑制し、合成反応を効率的に促進できる。これにより、均一性に優れ、未反応原料の含有率が低いガラス状の固体電解質を得ることができる。また、原料や反応物の器壁等への固着を防止することができ、製品の歩留を向上できる。
溶媒の量は、原料が、溶媒の添加により溶液又はスラリー状になる程度であることが好ましい。通常、溶媒1リットルに対する原料(合計量)の添加量は0.01Kg以上1Kg以下となる。好ましくは0.1Kg以上1Kg以下、特に好ましくは0.2Kg以上0.8Kg以下である。
湿式メカニカルミリング処理には、種々の形式の粉砕法を用いることができる。特に、遊星型ボールミルを使用するのが好ましい。
遊星型ボールミルは、ポットが自転回転しながら、台盤が公転回転し、非常に高い衝撃エネルギーを効率良く発生させることができる。また、ビーズミルも好ましい。
湿式メカニカルミリング処理の回転速度及び回転時間は特に限定されないが、回転速度が速いほど、ガラス状の固体電解質の生成速度は速くなり、回転時間が長いほどガラス状の固体電解質ヘの原料の転化率は高くなる。但し、メカニカルミリング処理の回転速度が速くすると粉砕機にかかる負担が大きくなるおそれがあり、回転時間を長くするとガラス状の電解質の製造に時間がかかる。
また、ボールミルのボールは異なる径のボールを混合して使用してもよい。
上記の他、MM処理の際のミル内の温度を調整してもよい。MM法の条件としては、例えば、遊星型ボールミル機を使用した場合、回転速度を数十〜数百回転/分とし、0.5時間〜100時間処理すればよい。
溶媒の存在下でメカニカルミリング処理するため、処理時間を短縮できる。室温から200℃まで必要に応じて加熱してもよい。
メカニカルミリング処理後の結果物を乾燥し、溶媒を除去することにより、ガラス状の固体電解質が得られる。
(vi)スラリー合成法
スラリー合成法は、原料に溶媒中で力学的なエネルギーを与える力学的なエネルギー供与手段と、原料を溶媒中で接触させる接触手段と、力学的なエネルギー供与手段と接触手段を連結する連結手段と、連結手段を通して、原料及び/又は原料の反応物を力学的なエネルギー供与手段と接触手段との間を循環させる循環手段とを備える製造装置を用いてガラス状の固体電解質を製造する方法である。反応生成物を乾燥し、溶媒を除去することにより、ガラス状の固体電解質が得られる。
上記原料及び溶媒は、湿式メカニカルミリング法の原料及び溶媒と同様のものが使用できる。
スラリー合成法では、原料に溶媒を加えた状態で反応させる。溶媒を加えた状態で反応させることで、処理時の造粒効果を抑制し、合成反応を効率的に促進できる。これにより、均一性に優れ、未反応原料の含有率が低いガラス状の固体電解質を得ることができる。また、原料や反応物の器壁等への固着を防止することができ、製品の歩留を向上できる。
図1は、スラリー合成法で使用できる製造装置の一例を示す図である。
製造装置1は、原料を粉砕しつつ反応させてガラス状の固体電解質を合成する粉砕機(粉砕合成手段)10と、原料を反応させてガラス状の固体電解質を合成する反応槽(合成手段)20とを備える。反応槽20は容器22と撹拌翼24からなり、撹拌翼24はモータ(M)により駆動される。
この装置1を用いて、ガラス状の固体電解質を製造するときは、溶媒と原料を、粉砕機10と反応槽20にそれぞれ供給する。ヒータ30には温水(HW)が入り排出される(RHW)。ヒータ30により粉砕機10内の温度を保ちながら、原料を溶媒中で粉砕しつつ反応させてガラス状の固体電解質を合成する。オイルバス40により反応槽20内の温度を保ちながら、原料を溶媒中で反応させてガラス状の固体電解質を合成する。反応槽20内の温度は温度計(Th)で測定する。このとき、撹拌翼24をモータ(M)により回転させて反応系を撹拌し、原料と溶媒からなるスラリーが沈殿しないようにする。冷却管26には冷却水(CW)が入り排出される(RCW)。冷却管26は、容器22内の気化した溶媒を冷却して液化し、容器22内に戻す。粉砕機10と反応槽20でガラス状の固体電解質を合成する間、ポンプ54により、反応中の原料は連結管50、52を通って、粉砕機10と反応槽20の間を循環する。粉砕機10に送り込まれる原料と溶媒の温度は、粉砕機10前の第2の連結管に設けられた温度計(Th)で測定する。
粉砕機10には、粉砕機10内の温度保つために、粉砕機10の周りに温水を通すことのできるヒータ30(第1の温度安定手段)が設けられている。反応槽20は、反応槽20内の温度を保つために、オイルバス40(第2の温度安定手段)に入っている。オイルバス40は容器22内の原料と溶媒を所定温度に加熱する。反応槽20には気化した溶媒を冷却して液化する冷却管26が設けられる。
粉砕機10と反応槽20は、第1の連結管50と第2の連結管52(連結手段)で連結されている。第1の連結管50は、粉砕機10内の原料と溶媒を反応槽20に移動させ、第2の連結部52は、反応槽20内の原料及び溶媒を粉砕機10内に移動させる。原料等を連結管50、52を通して循環するために、ポンプ54(例えばダイアフラムポンプ)(循環手段)が、第2の連結管52に設けられている。
容器22内の反応温度は、例えば60℃以上300℃以下であり、好ましくは80℃以上200℃以下である。容器内の反応温度が60℃未満の場合、ガラス状の固体電解質の製造に時間がかかり生産効率が十分ではないおそれがある。一方、容器内の反応温度が300℃を超える場合、好ましくない結晶が析出する場合がある。
反応は温度が高い領域が速いので高温にすることが好ましいが、粉砕機を80℃を超える温度にすると磨耗等の機械的な問題が発生するおそれがある。従って、反応槽は反応温度を高めに設定し、粉砕機は比較的低温に保つとよい。
反応槽20の容量と粉砕機10の容量との比率は任意でよいが、通常反応槽20の容量は、粉砕機10の容量の1〜100倍程度である。
炭化系水素溶媒の量は、原料が、溶媒の添加により溶液又はスラリー状になる程度であることが好ましい。通常、溶媒1kgに対する原料(合計量)の添加量は0.03Kg以上1Kg以下程度となる。好ましくは0.05Kg以上、より好ましくは0.5Kg以下、特に好ましくは0.1Kg以上0.3Kg以下である。
(vii)メカニカルミリング法と接触法の交互実施
メカニカルミリング法と接触法の交互実施は、原料をメカニカルミリング処理する工程と、原料を溶媒中で接触させる接触工程とを含み、当該メカニカルミリング処理工程及び当該接触工程を交互に繰り返し行う方法である。
メカニカルミリング処理工程は、MM法で例示した種々の形式の粉砕法を用いることができる。また、メカニカルミリング処理工程の温度は、改良スラリー法の力学的なエネルギー供与手段(粉砕機10)の温度と同様である。
メカニカルミリング処理の回転速度及び回転時間は特に限定されないが、回転速度が速いほど、ガラス状の固体電解質の生成速度は速くなり、回転時間が長いほどガラス状の固体電解質ヘの原料の転化率は高くなる。例えば、遊星型ボールミル機を使用した場合、回転速度を250回転/分以上300回転/分以下とし、5分以上50時間以下処理すればよい。
上記処理時間は、遊星型ボールミル機に原料及びガラス状の固体電解質が留まっている時間を示す。従って、原料及びガラス状の固体電解質が遊星型ボールミル機と反応槽を循環するが、反応開始から終了までに原料及びガラス状の固体電解質が遊星型ボールミル機に留まっている時間の合計になる。
上記時間が短いと未反応の原料が残るおそれがあると共に上記時間が長いと粉砕機の容量を大きくし、一度に収納できる原料及びガラス状の固体電解質の量を多くするか、下記する反応終了までの時間が長くなるという問題が発生するおそれがある。
接触工程については、スラリー合成法で例示した接触手段を用いることができる。また、接触工程の温度は、スラリー合成法の接触手段(容器22)における反応温度と同じである。
接触工程の時間は、5分以上200時間以下が好ましい。
ここで、上記接触工程の時間は、反応槽に原料及びガラス状の固体電解質が留まっている時間を示す。従って、原料及びガラス状の固体電解質が遊星型ボールミル機と反応槽を循環するが、反応開始から終了までに原料及びガラス状の固体電解質が反応槽に留まっている時間の合計になる。
上述したメカニカルミリング処理工程と接触工程を、交互に繰り返して行う。繰り返し回数は、2回以上100回以下が好ましい。より好ましくは繰り返し回数が5回以上100回以下であり、さらに好ましくは、10回以上100回以下である。
以上、ガラス状の固体電解質の製造方法を説明したが、上述の製造方法のいずれの場合であっても、原料を混ぜる順番(接触させる順番)は特に限定されず、最終的なガラス状の固体電解質の組成が上記式(1)を満たす範囲にあればよい。
得られる固体電解質(ガラス)の体積基準平均粒径(Mean Volume Diameter、以下「粒径」という。)は、好ましくは0.01μm以上500μm以下である。
粒径の測定方法は、レーザー回折式粒度分布測定方法により行うことが好ましい。レーザー回折式粒度分布測定方法は、組成物を乾燥せずに粒度分布を測定することができる。レーザー回折式粒度分布測定方法では、組成物中の粒子群にレーザーを照射して、その散乱光を解析することで粒度分布を測定する。
測定例として、レーザー回折式粒度分布測定装置(Malvern Instruments Ltd社製マスターサイザー2000)を使用した場合の測定を説明する。
まず、装置の分散槽に脱水処理されたトルエン(和光純薬製、製品名:特級)110mlを入れ、さらに分散剤として脱水処理されたターシャリーブチルアルコール(和光純薬製、特級)を6%添加する。
上記混合物を十分混合した後、測定対象である「乾燥した固体電解質又はその前駆体」を添加して粒子径を測定する。測定対象の添加量は、マスターサイザー2000で規定されている操作画面で、粒子濃度に対応するレーザー散乱強度が規定の範囲内(10〜20%)に収まるように加減して加える。この範囲を超えると多重散乱が発生し、正確な粒子径分布を求めることができなくなるおそれがある。また、この範囲より少ないとSN比が悪くなり、正確な測定ができないおそれがある。マスターサイザー2000では、測定対象の添加量に基づき、レーザー散乱強度が表示されるので、上記レーザー散乱強度に入る添加量を見つけるとよい。
測定対象の添加量はイオン伝導性物質の種類等により最適量は異なるが、概ね0.01g〜0.05g程度である。
固体電解質(ガラス)は、下記測定方法により2つの発熱ピーク(結晶化ピーク)が観察されることが好ましく、2つの結晶化ピークが150℃以上360℃以下の範囲にあることがより好ましく、また、2つの結晶化ピーク間の幅が20〜150℃、好ましくは20〜100℃であることが好ましい。
結晶化温度(ピーク)は、示差熱−熱重量測定装置(メトラートレド社製TGA/DSC1)又は示差走査熱量測定装置(パーキンエルマー社製Diamond DSC)を使用し、固体電解質約20mgを10℃/分で測定することで特定できる。
また、固体電解質(ガラス)は、2つの結晶化ピークがあり、2つの結晶化ピークが170℃以上330℃以下の範囲にあり、かつ2つの結晶化ピーク間の幅が20〜150℃であることがさらに好ましい。
また、2つの結晶化ピークが170℃以上330℃以下の範囲にあることがさらに好ましく、また2つの結晶化ピーク間の幅が30〜140℃であることがさらに好ましい。
また、固体電解質(ガラス)は、2つの結晶化ピークがあり、2つの結晶化ピークが175℃以上320℃以下の範囲にあり、かつ2つの結晶化ピーク間の幅が30〜140℃であることが特に好ましい。
また、2つの結晶化ピークが175℃以上320℃以下の範囲にあることが特に好ましく、また、2つの結晶化ピーク間の幅が35〜130℃であることが特に好ましい。また、固体電解質は、2つの結晶化ピークがあり、2つの結晶化ピークが180℃以上310℃以下の範囲にあり、かつ2つの結晶化ピーク間の幅が40〜120℃であることが最も好ましい。
(3)固体電解質成形体の製造方法
本発明の固体電解質粉体が互いに融着した固体電解質成形体は、上記ガラス状の固体電解質を加圧成形し、加圧成形により得られた成形体を加熱処理することにより得られる。
このように圧力を印加し、熱処理することで、硫化物系電解質粉体は高密度で互いに融着し、広範囲のイオン伝導パスを形成することができる。
固体電解質粉体の成形圧力は、通常、30〜400MPaである。例えば、2〜250MPaである。
熱処理温度としては、通常、150℃〜360℃である。熱処理温度が150℃未満であると、高イオン伝導性の結晶ガラスが得られにくい場合があり、加熱処理温度が360℃超であると、イオン伝導性の低い結晶構造となるおそれがある。
加熱温度は、好ましくは、固体電解質(ガラス)のガラス転移温度(Tg)以上、固体電解質(ガラス)の結晶化温度(Tc)+100℃以下であることが好ましい。加熱温度が固体電解質(ガラス)のTg未満の場合、製造時間が非常に長くなるおそれがある。一方、(Tc+100℃)を超えると、得られる固体電解質(ガラスセラミックス)中に不純物等が含まれる場合があり、イオン伝導度が低下するおそれがある。
加熱温度は、より好ましくは、(Tg+5℃)以上、(Tc+90℃)以下、さらに好ましくは、(Tg+10℃)以上、(Tc+80℃)以下である。
例えば、加熱温度は、150℃以上360℃以下であり、好ましくは160℃以上350℃以下であり、より好ましくは180℃以上310℃以下であり、さらに好ましくは180℃以上290℃以下であり、特に好ましくは190℃以上270℃以下である。
また、熱物性の測定により2つのピークがある場合は、低温側の第1結晶化ピークの温度をTc1とし、低温側のTc1と高温側の第2結晶化ピークの温度(Tc2)として、第1結晶化温度以上、第2結晶化温度以下で加熱すると好ましい。
昇温方法については特に指定がない。所定温度までゆっくり昇温してもよいし、急速に加熱してもよい。
ガラス状の固体電解質の結晶化温度は、示差熱−熱重量測定等で特定することができ、例えば熱重量測定装置(メトラートレド社製TGA/DSC1)を使用し、ガラス状の固体電解質約20mgを、昇温速度10℃/分で加熱することにより測定することで特定できる。
尚、結晶化温度等は昇温速度等により変化することあり、熱処理する昇温速度に近い速度での測定でのTcを基準に選ぶ必要がある。従って、実施例以外の昇温速度で処理する場合は、最適な熱処理温度は変化するが、熱処理する昇温速度で測定されたTcを基準として上記条件にて熱処理することが望ましい。
加熱時間は、0.005分以上、10時間以下が好ましい。さらに好ましくは、0.005分以上、5時間以下であり、特に好ましくは、0.01分以上、3時間以下である。
昇温方法については特に指定がない。所定温度までゆっくり昇温してもよいし、急速に加熱してもよい。
加熱は、露点−40℃以下の環境下で行うことが好ましく、より好ましくは露点−60℃以下の環境下で行うことが好ましい。加熱時の気圧は、常圧であってもよく、減圧下であってもよい。雰囲気は、空気中であってもよく、不活性雰囲気下であってもよい。
加熱処理して得られる本発明の固体電解質成形体は、固体電解質粉体が互いに融着していている。融着とは、粒子状の固体電解質の一部が溶解し、溶解した部分が他の固体電解質と一体化することを意味する。
電解質層に用いることができる本発明の固体電解質成形体は、結晶成分を有する固体電解質、ガラス状の固体電解質、又はこれらの混合物を使用して製造することが好ましく、加圧・加熱して電解質層を成形する場合は、ガラス状の固体電解質を含んでいた方が好ましい。また、結晶成分を有する固体電解質を用いて製造する場合であって、加圧・加熱して電解質を成形する場合は、結晶成分を有する固体電解質にはガラス成分が含まれていることが好ましい。また、固体電解質層は、固体電解質の板状体であってもよい。尚、固体電解質粒子の一部又は全部が溶解し、板状体になっている場合も含む。
[電池構成材料]
本発明の固体電解質成形体は、加水分解しにくく、高いイオン伝導度を有するため、の二次電池の固体電解質層として好適に用いられる。
本発明の固体電解質成形体は、その用途に応じて、製造の際にバインダー(結着剤)、正極活物質、負極活物質、導電助剤を添加して、正極、電解質層、負極等、電池の構成材料として、及び電池を構成する部材(層)として使用できる。
バインダーとしては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂;エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、スルホン化EPDM、天然ブチルゴム(NBR)等を1種単独で又は2種以上の混合物として用いることができる。
また、セルロース系バインダー、スチレンブタジエンゴム(SBR)の水分散体等の水系バインダーを用いることもできる。
正極活物質としては、リチウムイオンの挿入脱離が可能な物質、電池分野において正極活物質として公知のものが使用できる。
例えば、V、LiCoO、LiNiO、LiMnO、LiMn、Li(NiCoMn)O(ここで、0<a<1、0<b<1、0<c<1、a+b+c=1)、LiNi1−YCoO2、LiCo1−YMn、LiNi1−YMn(ここで、0≦Y<1)、Li(NiCoMn)O(0<a<2、0<b<2、0<c<2、a+b+c=2)、LiMn2−ZNiZO、LiMn2−ZCo(ここで、0<Z<2)、LiCoPO、LiFePO、酸化ビスマス(Bi)、鉛酸ビスマス(BiPb)、酸化銅(CuO)、酸化バナジウム(V13)、LiCoO,LiNiO,LiMn,LiFePO,LiCoPO,LiMn1/3Ni1/3Co1/3,LiMn1.5Ni0.5等の酸化物が挙げられる。それ以外の正極活物質としては、例えば、硫化物系では、単体硫黄(S)、硫化チタン(TiS)、硫化モリブデン(MoS)、硫化鉄(FeS、FeS)、硫化銅(CuS)及び硫化ニッケル(Ni)、硫化リチウム(LiS)、有機ジスルフィド化合物、カーボンスルフィド化合物、硫黄等が使用できる。好ましくは、高い理論容量を有するS、LiSが使用できる。
上記有機ジスルフィド化合物及びカーボンスルフィド化合物を以下に例示する。
(式(A)〜(C)において、Xはそれぞれ置換基であり、n及びmはそれぞれ独立に1〜2の整数であり、p及びqはそれぞれ独立に1〜4の整数である。
式(D)において、Zはそれぞれ−S−又は−NH−であり、nは繰返数2〜300の整数である。)
(式中、n及びmはそれぞれ独立の整数である。)
正極活物質の形状としては、粒子形状を挙げることができ、好ましくは真球状叉は楕円球状である。
正極活物質が粒子状である場合は、その平均粒径は、好ましくは0.1〜100μmの範囲内であり、より好ましくは、1〜50μmの範囲、特に好ましくは、1〜25μmの範囲である。正極活物質粒子の平均粒径が上記範囲を逸脱すると、稠密な正極活物質層が得られない場合がある。
負極活物質としては、リチウムイオンの挿入脱離が可能な物質、電池分野において負極活物質として公知のものが使用できる。
例えば、炭素材料、具体的には、人造黒鉛、黒鉛炭素繊維、樹脂焼成炭素、熱分解気相成長炭素、コークス、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、フルフリルアルコール樹脂焼成炭素、ポリアセン、ピッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維、天然黒鉛及び難黒鉛化性炭素等が挙げられる。又はその混合物でもよい。好ましくは、人造黒鉛である。
また、金属リチウム、金属インジウム、金属アルミ、金属ケイ素等の金属自体や他の元素、化合物と組合わせた合金を、負極材として用いることができる。中でも、高い理論容量を有するケイ素、スズ、リチウム金属が好ましい。
導電助剤は、導電性を有していればよく、当該導電助剤の導電率は、好ましくは1×10S/cm以上であり、より好ましくは1×10S/cm以上である。
導電助剤としては、炭素材料、金属粉末及び金属化合物から選択される物質や、これらの混合物が挙げられる。
導電助剤の具体例としては、好ましくは炭素、ニッケル、銅、アルミニウム、インジウム、銀、コバルト、マグネシウム、リチウム、クロム、金、ルテニウム、白金、ベリリウム、イリジウム、モリブデン、ニオブ、オスニウム、ロジウム、タングステン及び亜鉛からなる群から選択される少なくとも1つの元素を含む物質であり、より好ましくは炭素単体、炭素、ニッケル、銅、銀、コバルト、マグネシウム、リチウム、ルテニウム、金、白金、ニオブ、オスニウム又はロジウムを含む金属単体、混合物又は化合物である。
特に導電助剤の炭素材料の具体例としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、デンカブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック、黒鉛、炭素繊維、活性炭等が挙げられる。これらは単独でも2種以上でも併用可能である。
上記の導電助剤のなかでも、電子伝導性が高いアセチレンブラック、デンカブラック、ケッチェンブラックが好適である。
[電解質層]
電解質層(シート)は、本発明の固体電解質成形体である。
電解質層は、使用目的に応じて固体電解質成形体及び他の電解質からなってもよい。
他の電解質は、例えばポリマー系固体電解質、酸化物系固体電解質である。
ポリマー系固体電解質は、特に制限はない。例えば、特開2010−262860に開示されているように、フッ素樹脂、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリロニトリル、ポリアクリレートやこれらの誘導体、共重合体等の、ポリマー電解質として用いられる材料が挙げられる。
フッ素樹脂としては、例えば、フッ化ビニリデン(VdF)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、テトラフルオロエチレン(TFE)や、これらの誘導体等を構成単位として含むものが挙げられる。具体的には、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリヘキサフルオロプロピレン(PHFP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のホモポリマーや、VdFとHFPとの共重合体(以下、この共重合体を「P(VdF−HFP)」と示す場合がある。)等の2元共重合体や3元共重合体、等が挙げられる。
酸化物系固体電解質には、LiN、LISICON類、Thio−LISICON類、La0.55Li0.35TiO等のペロブスカイト構造を有する結晶や、NASICON型構造を有するLiTi12、さらにこれら結晶化させた電解質等を用いることができる。
正極層は、正極活物質と電解質と導電助剤を含むことが好ましい。また、バインダーを含んでいてもよい。
正極層において、正極活物質、電解質、導電助剤等の割合は、特に制限は無く公知の割合を用いることができる。
正極層の厚さは、0.01mm以上10mm以下であることが好ましい。
正極層は、公知の方法により製造することができる。例えば、塗布法、静電法(静電スプレー法、静電スクリーン法等)により製造することができる。
負極層は、負極活物質、電解質、及び導電助剤を含むことが好ましい。また、バインダーを含んでいてもよい。
電解質層は、本発明の固体電解質成形体からなる。
電解質層の厚さは、0.001mm以上1mm以下であることが好ましい。
本発明の電池は、正極層、電解質層及び負極層の他に集電体を使用することが好ましい。集電体は公知のものを用いることができる。例えば、Au、Pt、Al、Ti、又は、Cu等のように、硫化物系固体電解質と反応するものをAu等で被覆した層が使用できる。
全固体電池は、好ましくは正極層、電解質層及び負極層の少なくとも1つが、本発明の固体電解質成形体からなる全固体電池である。
本態様では、正極層、電解質層及び負極層の少なくとも1つが本発明の固体電解質成形体からなっていればよい。
図2は全固体電池の一実施形態を示す概略断面図である。
全固体電池100は、正極110及び負極130からなる一対の電極間に本発明の固体電解質成形体120が挟持されている。正極110及び負極130にはそれぞれ集電体140及び142が設けられている。
負極130は、負極活物質からなり、好ましくは硫化物系電解質粉体を含む負極合材を加熱処理してなる負極である。負極合材において、硫化物系電解質粉体と負極材の混合比(重量比)は、好ましくは硫化物系電解質粉体:負極活物質=20〜50:80〜50である。
上記正極110及び負極130に、導電助剤として、電子が正極活物質内で円滑に移動するようにするために、上述の導電助剤を適宜添加してもよい。
正極及び負極は、上記極材を集電体の少なくとも一部に膜状に形成することで作製できる。製膜方法としては、例えば、ブラスト法、エアロゾルデポジション法、コールドスプレー法、スパッタリング法、気相成長法又は溶射法等が挙げられる。このような方法により製膜することで、極材層の空隙率をより小さくすることができ、イオン伝導度を向上させることができる。
簡便な装置や室温条件下、電解質の結晶状態を変化させない温度範囲で製膜できることから、ブラスト法やエアロゾルデポジション法が好ましい。
集電体140,142としては、銅、マグネシウム、ステンレス鋼、チタン、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、アルミニウム、ゲルマニウム、インジウム、リチウム、又はこれらの合金等からなる板状体や箔状体等が使用できる。
全固体電池は、上述した電池用部材を貼り合せ、接合することで製造できる。接合する方法としては、各部材を積層し、加圧・圧着する方法や、2つのロール間を通して加圧する方法(roll to roll)等がある。接合面にイオン伝導性を有する活物質や、イオン伝導性を阻害しない接着物質を介して接合してもよい。接合においては、固体電解質の結晶構造が変化しない範囲で加熱融着してもよい。
また、上記の方法で製造した全固体電池を、さらに加熱処理すると好ましい。加熱条件は、通常、100〜350℃、0.1〜10時間である。加熱することにより高出力の電池が作製できる。尚、全固体電池の加熱処理は、負極、固体電解質成形体及び正極のみからなる電池素子部分だけを加熱処理する場合も含む。また、安全装置、ラッピング等の加熱処理は含まない。
以下、本発明を実施例により、さらに詳細に説明する。
製造例1
[硫化リチウム(LiS)の製造]
硫化リチウムの製造及び精製は、国際公開公報WO2005/040039A1の実施例と同様に行った。具体的には、下記のとおりである。
(1)硫化リチウムの製造
撹拌翼のついた10リットルオートクレーブにN−メチル−2−ピロリドン(NMP)3326.4g(33.6モル)及び水酸化リチウム287.4g(12モル)を仕込み、300rpm、130℃に昇温した。昇温後、液中に硫化水素を3リットル/分の供給速度で2時間吹き込んだ。
続いて、この反応液を窒素気流下(200cc/分)昇温し、反応した硫化水素の一部を脱硫化水素化した。昇温するにつれ、上記硫化水素と水酸化リチウムの反応により副生した水が蒸発を始めたが、この水はコンデンサにより凝縮し系外に抜き出した。水を系外に留去すると共に反応液の温度は上昇するが、180℃に達した時点で昇温を停止し、一定温度に保持した。脱硫化水素反応が終了後(約80分)反応を終了し、硫化リチウムを得た。
(2)硫化リチウムの精製
上記(1)で得られた500mLのスラリー反応溶液(NMP−硫化リチウムスラリー)中のNMPをデカンテーションした後、脱水したNMP100mLを加え、105℃で約1時間撹拌した。その温度のままNMPをデカンテーションした。さらにNMP100mLを加え、105℃で約1時間撹拌し、その温度のままNMPをデカンテーションし、同様の操作を合計4回繰り返した。デカンテーション終了後、窒素気流下230℃(NMPの沸点以上の温度)で硫化リチウムを常圧下で3時間乾燥した。得られた硫化リチウム中の不純物含有量を測定した。
尚、亜硫酸リチウム(LiSO)、硫酸リチウム(LiSO)及びチオ硫酸リチウム(Li)の各硫黄酸化物、並びにN−メチルアミノ酪酸リチウム(LMAB)の含有量は、イオンクロマトグラフ法により定量した。その結果、硫黄酸化物の総含有量は0.13質量%であり、LMABは0.07質量%であった。
製造例2
[電解質前駆体(硫化物系ガラス:LiS/P/LiBr=75/25/16.8):MM法]
製造例1で製造した硫化リチウムを用いて、国際公開公報WO07/066539の実施例1に準拠した方法で電解質前駆体(硫化物系ガラス)を製造した。
具体的に、製造例1で製造した硫化リチウム0.337g(0.00717mol)と五硫化二リン(アルドリッチ社製)0.532g(0.00239mol)、臭化リチウム(アルドリッチ社製)0.140g(0.00161mol)をよく混合した。そして、この混合した粉末と直径10mmのジルコニア製ボール10ケと遊星型ボールミル(フリッチュ社製:型番P−7)アルミナ製ポットに投入し完全密閉するとともにこのアルミナ製ポット内に窒素を充填し、窒素雰囲気にした。
はじめの数分間は、遊星型ボールミルの回転を低速回転(100rpm)にして硫化リチウムと五硫化二リンを十分混合した。その後、徐々に遊星型ボールミルの回転数を上げ370rpmまで回転数を上げた。遊星型ボールミルの回転数を370rpmで20時間メカニカルミリングを行った。
図3に示差熱熱重量測定の示差熱分析結果を示す。また、そこから読み取れる第一結晶化温度(Tc1)、第二結晶化温度(Tc2)を表1に示す。
製造例3
[電解質前駆体(硫化物系ガラス:LiS/P/LiI=75/25/16.8):MM法]
原料を硫化リチウム0.359g(0.0067mol)、五硫化二リン(アルドリッチ社製)0.574g(0.00258mol)、よう化リチウム(アルドリッチ社製)0.200g(0.00175mol)に変更した以外は、製造例2と同様にして電解質前駆体を製造し、評価した。
製造例4
[電解質前駆体(硫化物系ガラス:LiS/P/LiCl=75/25/16.8):MM法]
原料として、硫化リチウム0.359g(0.00773mol)、五硫化二リン(アルドリッチ社製)0.574g(0.00258mol)、塩化リチウム(アルドリッチ社製)0.072g(0.00175mol)を用いた以外は、製造例2と同様にして電解質前駆体を製造し、評価した。
製造例5
[電解質前駆体(硫化物系ガラス:LiS/P/PBr=80/20/5):MM法]
原料を硫化リチウム0.397g(0.00844mol)と五硫化二リン(アルドリッチ社製)0.467g(0.00212mol)、三臭化リン0.147g(0.00058mol)に変更した以外は、製造例2と同様にして電解質前駆体を製造し、評価した。
製造例6
[電解質前駆体(硫化物系ガラス:LiS/P/LiBr=75/25/16.8):スラリー合成法]
撹拌機がアシザワ・ファインテック社製スターミルミニツェア(0.15L)(ビーズミル)であって、当該撹拌機には0.5mmφジルコニアボール444gが仕込んであり、温度保持槽が撹拌機付の1.5Lガラス製反応器である図1に示す装置を用いて、電解質前駆体の製造を以下のように実施し、得られた電解質前駆体を評価した。
尚、上記計量、添加、密閉作業は全てグローブボックス内、窒素雰囲気下で実施し、使用する器具類は全て乾燥機で事前に水分除去したものを用いた。また、脱水トルエン中の水分量はカールフィッシャー法による水分測定で8.4ppmであった。
製造例1の硫化リチウム33.7g(0.64mol)、P(アルドリッチ社)53.2g(0.21mol)、LiBr(アルドリッチ社)14.1g(0.15mol)に、脱水トルエン(和光純薬工業株式会社)1248ml(水分量8.4ppm)を加えた混合物を、温度保持槽及びミルに充填した。
ポンプにより内容物を480mL/分の流量で温度保持槽とミルの間を循環させ、温度保持槽を80℃になるまで昇温した。
ミル本体は、液温が70℃に保持できるよう外部循環により温水を通水し、周速12m/sの条件で運転した。2時間ごとにスラリーを採取し、150℃にて乾燥し白黄色の粉体スラリー(クリーム状)を得た。
得られたスラリーをろ過・風乾後、160℃で2時間チューブヒーターにより乾燥し、固体電解質前駆体を粉体として得た。このときの回収率は95%であり、反応器内に付着物はみられなかった。
製造例7
[電解質前駆体(硫化物系ガラス:LiS/P/LiBr=75/25/16.8):接触法]
製造例1で製造した硫化リチウム(LiS)をジェットミル(株式会社アイシンナノテクノロジーズ)により粉砕し、平均粒径を0.3μmとした。その硫化リチウム1.0g(0.64mol)、五硫化二りん(P)(アルドリッチ社)1.61g(0.21mol)及び臭化リチウム(LiBr)(アルドリッチ社)0.42g(0.15mol)を、窒素で置換した撹拌機付きのフラスコ内に入れ、水分含有量を10ppmとした50mlのキシレン(和光純薬工業株式会社)を加え、140℃で24時間接触させた。
固体成分をろ過により分離し、120℃で40分間真空乾燥させ、イオン伝導性物質(固体電解質)を得た。固体電解質の回収率は95%であった。使用したフラスコや撹拌機に付着物はみられなかった。
この固体電解質前駆体のイオン伝導度は5×10−4S/cmであった。
尚、硫化リチウムの粒子径は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定器LMS−30(株式会社セイシン企業)を用いて測定した。
上記イオン伝導度(σ)の評価は以下の方法で実施した。
粉体の場合、試料を断面10mmφ(断面積S=0.785cm)、高さ(L)0.1〜0.3cmの形状に成形する。その後熱処理等を行う場合は熱処理を実施する。その試料片の上下から電極端子を取る。交流インピーダンス法により測定し(周波数範囲:5MHz〜0.5Hz、振幅:10mV)、Cole−Coleプロットを得た。高周波側領域に観測される円弧の右端付近で、−Z’’(Ω)が最小となる点での実数部Z’(Ω)を電解質のバルク抵抗R(Ω)とし、以下式に従い、イオン伝導度σ(S/cm)を計算した。
R=ρ(L/S)
σ=1/ρ
尚、リードの距離を約60cmとして測定した。
実施例1
[固体電解質成形体の製造]
製造例2で得られた硫化物系固体電解質前駆体の粉体を錠剤成形機に充填し、185MPaの圧力を加えて、硫化物系電解質前駆体成形体を作製した。さらに、黒鉛10mgを成形体の両面に乗せ、再度錠剤成形機にて圧力を加えることで、固体電解質前駆体の成形体(直径約10mm、厚み約1mm)を作製した。
得られた前駆体成形体をガラス瓶に入れ、さらにアルゴン雰囲気のSUS管に入れて密閉し、220℃2時間の焼成処理を施し、評価用の固体電解質成形体を得た。
得られた固体電解質成形体について、交流インピーダンス法によりイオン伝導度を測定した。その結果、得られた固体電解質成形体の室温(25℃)でのイオン伝導度は5.5×10−3S/cmであった。
得られた固体電解質成形体の断面を、走査型電子顕微鏡を用いて観察した。
成形体の断面写真を図4に示す。この成形体の断面において、複数の粒子同士が融着しており、空隙が少ない成形体であることが確認された。
成形体断面における硫化物系電解質粉体の融着の観察は、下記のように評価した。結果を表2に示す。
○:硫化物系電解質粉体同士が融着している。
×:硫化物系電解質粉体同士が融着していない。
比較例1
製造例2で得られた硫化物系電解質粉前駆体の粉体をアルゴン雰囲気下のSUS管に入れて密閉し、220℃2時間の焼成処理を施して、硫化物系固体電解質粉体を製造した。焼成処理して得られた硫化物系固体電解質粉体を錠剤成形機に充填し、10MPaの圧力を印加して、硫化物系固体電解質の成形体を作製した。さらに、黒鉛10mgを成形体の両面にそれぞれ乗せ、再度錠剤成形機にて圧力を加えることで、評価用固体電解質成形体(直径約10mm、厚み約1mm)を作製し、実施例1と同様にして評価した。結果を表2に示す。
断面SEMを図5に示すが、粒子が明確に分かれており融着してないことが分かる。
実施例2
製造例2の硫化物系固体電解質前駆体の代わりに製造例3の硫化物系固体電解質前駆体を用い、成型体の熱処理を210℃、2時間とした以外は実施例1と同様にして硫化物系固体電解質成形体を製造し、評価した。結果を表2に示す。
実施例3
製造例2の硫化物系固体電解質前駆体の代わりに製造例4の硫化物系固体電解質前駆体を用い、成型体の熱処理を230℃、2時間とした以外は実施例1と同様にして硫化物系固体電解質成形体を製造し、評価した。結果を表2に示す。
実施例4
製造例2の硫化物系固体電解質前駆体の代わりに製造例5の硫化物系固体電解質前駆体を用い、成型体の熱処理を240℃、2時間とした以外は実施例1と同様にして硫化物系固体電解質成形体を製造し、評価した。結果を表2に示す。
実施例5
製造例2の硫化物系固体電解質前駆体の代わりに製造例6の硫化物系固体電解質前駆体を用い、成型体の熱処理を210℃、2時間とした以外は実施例1と同様にして硫化物系固体電解質成形体を製造し、評価した。結果を表2に示す。
実施例6
製造例2の硫化物系固体電解質前駆体の代わりに製造例7の硫化物系固体電解質前駆体を用い、成型体の熱処理を220℃、2時間とした以外は実施例1と同様にして硫化物系固体電解質成形体を製造し、評価した。結果を表2に示す。
本発明の固体電解質成形体は、正極層、電解質層、負極等の電池の構成部材として好適である。
1、2 製造装置
10 粉砕機(力学的エネルギー供与手段)
20 反応槽(接触手段)
22 容器
24 撹拌翼
26 冷却管
30 ヒータ
40 オイルバス
50 第1の連結管(連結手段)
52 第2の連結管(連結手段)
54 ポンプ(循環手段)
100 全固体電池
110 正極層
120 固体電解質層
130 負極層
140,142 集電体

Claims (12)

  1. 構成成分として、アルカリ金属元素、リン、硫黄及びハロゲンを含む固体電解質からなり、前記固体電解質の粉体が互いに融着している固体電解質成形体。
  2. 前記固体電解質が、下記式(1)に示す組成を有する固体電解質である請求項1に記載の固体電解質成形体。
    f …(1)
    (式中、Lは、アルカリ金属を示し。
    Mは、B、Al、Si、Ge、As、Se、Sn、Sb、Te、Pb、Bi、又はこれらの組合せを示す。
    XはI、Cl、Br、F、又はこれらの組合せを示す。
    a〜fは、それぞれ0<a≦12、0≦b≦0.2、c=1、0<d≦9、0<e≦9、0≦f≦9を満たす。)
  3. 前記LがLiであり、前記XがBrであり、前記bが0である、請求項2に記載の固体電解質成形体。
  4. 前記固体電解質が、下記成分(A)、(B)及び(C)を用いて得られる固体電解質である請求項1〜3のいずれかに記載の固体電解質成形体。
    (A)アルカリ金属硫化物
    (B)M’で表される化合物
    (C)M''で表わされる化合物
    (式中、M’は、Li、Na、B、Al、Si、P、Ge、又はこれらの組み合わせを示す。
    M''は、Li、Na、B、Al、Si、P、S、Ge、As、Se、Sn、Sb、Te、Pb、Bi、又はこれらの組み合わせを示す。
    XはF、Cl、Br、I、又はこれらの組み合わせを示す。
    wは1又は2の整数を示す。
    m、n及びxは、それぞれ1〜10の整数を示す。)
  5. 下記式(1)に示す組成を有する固体電解質の粉体を加圧成形する工程、及び
    加圧成形により調製した圧粉体を熱処理する工程を含む、
    固体電解質成形体の製造方法。
    f …(1)
    (式中、Lは、アルカリ金属を示し。
    Mは、B、Al、Si、Ge、As、Se、Sn、Sb、Te、Pb、Bi、又はこれらの組合せを示す。
    XはI、Cl、Br、F、又はこれらの組合せを示す。
    a〜fは、それぞれ0<a≦12、0≦b≦0.2、c=1、0<d≦9、0<e≦9、0≦f≦9を満たす。)
  6. 前記LがLiであり、前記XがBrであり、前記bが0である、請求項5に記載の固体電解質成形体の製造方法。
  7. 前記固体電解質の粉体を、下記成分(A)、(B)及び(C)を用いて調製する請求項5又は6に記載の固体電解質成形体の製造方法。
    (A)アルカリ金属硫化物
    (B)M’で表される化合物
    (C)M''で表わされる化合物
    (式中、M’は、Li、Na、B、Al、Si、P、Ge、又はこれらの組み合わせを示す。
    M''は、Li、Na、B、Al、Si、P、S、Ge、As、Se、Sn、Sb、Te、Pb、Bi、又はこれらの組み合わせを示す。
    XはF、Cl、Br、I、又はこれらの組み合わせを示す。
    wは1又は2の整数を示す。
    m、n及びyは、それぞれ1〜10の整数を示す。)
  8. 前記成分(A)がLiSであり、前記成分(B)がPであり、前記成分(C)がLiBr又はPBrである請求項7に記載の固体電解質成形体の製造方法。
  9. 前記加圧成形の加圧処理を30〜400MPaで行う、請求項5〜8のいずれかに記載の固体電解質成形体の製造方法。
  10. 前記熱処理を150℃〜360℃で行う、請求項5〜9のいずれかに記載の固体電解質成形体の製造方法。
  11. 請求項5〜10のいずれかに記載の固体電解質成形体の製造方法により得られる固体電解質成形体。
  12. 請求項1〜4及び11のいずれかに記載の固体電解質成形体を含む全固体電池。
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