JP2014019755A - 硬化性重合体並びにこれを用いた樹脂及び有機el素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機素子の製造に用いる高分子型有機材料として、高い硬化性を有し、且つ良好な電荷輸送効率を有する硬化性重合体を提供する。
【解決手段】本発明は、直鎖状及び分岐状共役モノマの少なくともいずれかを繰り返し単位として含む主鎖と、1種類以上の芳香族基の架橋基及び1種類以上の別の架橋基を含む側鎖とを有する硬化性重合体に関する。
【選択図】図1

Description

本発明は、硬化性重合体並びにこれを用いた樹脂及び有機EL素子に関する。
有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子は、厚さ数十nmの有機固体材料を積層した構造であり、薄型、軽量で且つフレキシブルな照明及び/又はディスプレイを提供する素子として注目されている。また、自発光であるため、高視野角が可能であるだけでなく、発光体自体の応答速度も高いため、高速動画表示に適している。それ故、有機EL素子を用いたディスプレイは、液晶ディスプレイに換わる次世代ディスプレイとして期待されており、製品化が進められている。
有機EL素子に使用される有機固体材料は、低分子系及び高分子系に大別される。高分子系有機材料は、印刷法及びインクジェット法のような湿式プロセスに適している。このため、高分子系有機材料を用いる有機EL素子は、量産性が高いという利点に加えて、製造プロセスの低コスト化及びディスプレイの大画面化を図ることができるという利点を有していることから、期待されている。
しかしながら、湿式プロセスを用いて前記高分子型有機材料の成膜を行う場合、高分子型有機材料で形成された有機膜の層の上に別の有機膜を成膜して積層すると、既に成膜された下層の有機膜が溶解するという問題が存在した。
前記の問題を解決するための手段として、高分子の主鎖に硬化性の架橋基を含む側鎖を結合させた硬化性重合体を含有する硬化性重合体溶液を、湿式プロセスで基板上に塗布した後に、熱又は光処理により架橋反応を開始させて、重合体を硬化させる方法が開発された。架橋反応によって硬化した硬化性重合体(硬化樹脂)の膜は、有機溶媒に溶けにくい性質を有するため、湿式プロセスによる積層が容易になる。
前記のような、有機EL素子の製造に用いる硬化性の高分子型有機材料として、特許文献1は、(i)架橋基を有し、発光性及び電荷輸送性の少なくとも一方の性質を示す架橋製高分子化合物、及び(ii)架橋基を有し、発光性及び電荷輸送性の少なくとも一方の性質を示す架橋性低分子化合物を含む組成物を記載する。当該文献は、前記の組成物を用いることで、低温領域で硬化する樹脂を得ることができることを記載する。
特許文献2は、2価の芳香族基と、アルキル基、アルコキシ基又は芳香族基を有するアルキレン基とを含む繰り返し単位を含み、且つ架橋性基を有することを特徴とする重合体を記載する。当該文献は、前記重合体が直鎖状の架橋性の高分子の主鎖にアルキレン基を有することで、高い発光励起準位及び電荷輸送能力を有し、電気化学的に安定化できることを記載する。
特許文献3は、ジアリールアミノ基を有する部分構造とメタクリル酸骨格を有する部分構造とを有する電荷輸送性化合物を含有する組成物を用いてなる架橋物を含む電荷輸送膜を記載する。当該文献は、直鎖状の架橋性の高分子の主鎖にケトンを含む架橋基を有することで、酸素存在下で優れた架橋性を示し、機械強度と良好な電気特性を保持することができることを記載する。
特開2011-149012号公報 特開2011-184684号公報 特開2011-114322号公報
前記のように、有機EL素子のような有機素子の製造に用いる硬化性の高分子型有機材料として、様々な架橋基を導入した重合体が開発されている。しかしながら、これらの重合体の硬化性は満足できる水準ではない。
通常、重合体の硬化性を向上させるためには、エポキシ基又はオキセタン基のような環状エーテル基を側鎖に導入し、該環状エーテル基を開環させることによって主鎖を架橋する方法が効果的である。しかしながら、環状エーテル基を、有機素子の製造に用いる硬化性の高分子型有機材料の架橋基として用いると、該高分子型有機材料によって形成される樹脂の電荷輸送性が低下して、結果として得られる有機素子の電荷輸送効率が低下するという問題点が存在した。
それ故、本発明は、有機素子の製造に用いる高分子型有機材料として、高い硬化性を有し、且つ良好な電荷輸送効率を有する硬化性重合体を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明の硬化性重合体は、直鎖状及び分岐状共役モノマの少なくともいずれかを繰り返し単位として含む主鎖と、1種類以上の芳香族基の架橋基及び1種類以上の別の架橋基を含む側鎖とを有する。
本発明により、有機素子の製造に用いる高分子型有機材料として、高い硬化性を有し、且つ高い電荷輸送効率を有する硬化性重合体を提供することが可能となる。
前記した以外の、課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の硬化性重合体の一実施形態を示す模式図である。A:本発明の硬化性重合体の模式図;B:本発明の硬化性重合体によって形成される樹脂の模式図。 本発明の硬化性重合体の別の実施形態を示す模式図である。A:本発明の硬化性重合体の模式図;B:本発明の硬化性重合体によって形成される樹脂の模式図。 本発明の樹脂を用いて製造される有機EL素子の一実施形態を示す断面図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
<1. 硬化性重合体>
本明細書において、「硬化性重合体」は、熱又は光のような硬化処理によって、重合体分子内に結合された架橋基の架橋反応を開始させて、分子間及び/又は分子内架橋を形成させることにより、硬化した樹脂(以下「硬化樹脂」とも記載する)を形成することのできる重合体を意味する。
本発明者らは、直鎖状及び分岐状共役モノマの少なくともいずれかを繰り返し単位として含む重合体の主鎖に、硬化性を付与するための架橋基として、芳香族基の架橋基と、環状エーテル基(例えばエポキシ基又はオキセタン基)のような別の架橋基との組み合わせを含む側鎖を結合させた重合体を作製した。本発明者らは、かかる重合体が、環状エーテル基のみからなる架橋基を主鎖に結合させた重合体と比較して、硬化処理後の樹脂の導電性が向上するだけでなく、芳香族基のみからなる架橋基を主鎖に結合させた重合体と比較して、硬化処理後の樹脂の硬化性が向上することを見いだした。導電性の向上は、硬化性重合体に含まれる芳香族基の架橋基が分子間及び/又は分子内架橋を形成することにより、結果として得られる樹脂に含まれる直鎖状及び/又は分岐状共役モノマの繰り返し単位の間で電荷の移動が容易になることに起因する。本発明の硬化性重合体を用いて製造された樹脂は、従来技術の重合体を用いて製造される樹脂と比較して導電性が高まるため、例えば有機素子の正孔輸送層に用いる場合に高い電荷輸送効率を発現することが可能となる。また、硬化性の向上は、硬化性重合体の主鎖が分岐状共役モノマを含むことにより、結果として得られる樹脂の網目構造が強固となることに起因する。本発明の硬化性重合体を用いて製造された樹脂は、従来技術の重合体を用いて製造される樹脂と比較して硬化性が高まるため、例えば有機素子の正孔輸送層の製造に用いる場合に高い有機溶媒耐性を発現し、湿式プロセスによる有機素子の生産性を向上させることが可能となる。
本明細書において、「有機素子」は、有機化合物からなる有機材料を用いて作製される素子を意味し、例えば、有機EL素子、有機太陽電池素子及び有機TFT素子を挙げることができる。本発明の硬化性重合体を用いて製造される樹脂は、高い硬化性及び高い導電性を有するため、有機EL素子の正孔輸送層に使用することが好ましい。
本明細書において、「直鎖状共役モノマ」は、直鎖状の重合体形成に使用されるモノマであって、電荷輸送能力を発現する共役構造を有するものを意味する。前記の直鎖状共役モノマは、以下で説明する硬化性重合体の重合に使用される1又は2個の反応点を導入することにより、互いに重合させて、本発明の硬化性重合体の直鎖状の主鎖を形成させることができる。また、本明細書において、「分岐状共役モノマ」は、分岐状の重合体形成に使用されるモノマであって、電荷輸送能力を発現する共役構造を有するものを意味する。前記の分岐状共役モノマは、以下で説明する硬化性重合体の重合に使用される3個以上の反応点を導入することにより、互いに重合させて、本発明の硬化性重合体の分岐状の主鎖を形成させることができる。前記の共役モノマを本発明の硬化性重合体の主鎖形成に用いることにより、結果として得られる樹脂に直鎖状又は分岐状の構造を導入し、且つ電荷輸送能力を付与することができる。
本発明の硬化性重合体の主鎖に含まれる直鎖状及び分岐状共役モノマは、有機素子の製造、例えば有機EL素子の正孔輸送層又は発光層を形成する樹脂を製造するために使用される公知のモノマであればよい。前記直鎖状及び分岐状共役モノマとしては、限定するものではないが、例えば、アリールアミン、スチルベン、ヒドラゾン、カルバゾール、アニリン、オキサゾール、オキサジアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾオキサジアゾール、ベンゾキノン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、チオフェン、ベンゾチオフェン、チアジアゾール、ベンゾジアゾール、ベンゾチアジアゾール、トリアゾール、ペリレン、キナクリドン、ピラゾリン、アントラセン、ルブレン、クマリン、ナフタレン、ベンゼン、ビフェニル、ターフェニル、アントラセン、テトラセン、フルオレン、フェナントレン、ピレン、クリセン、ピリジン、ピラジン、アクリジン、フェナントロリン、フラン及びピロール、並びにこれらの誘導体を骨格として有する化合物を挙げることができる。
好ましくは、直鎖状及び分岐状共役モノマは、式I〜III:
Figure 2014019755
で表される骨格を有する化合物から選択される。
式中、
R1〜R7は、互いに独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、炭素数1〜22の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル、炭素数2〜22の直鎖状、分岐状又は環状のアルケニル、炭素数2〜22の直鎖状、分岐状又は環状のアルキニル、炭素数6〜21のアリール、炭素数12〜20のヘテロアリール、炭素数7〜21のアラルキル及び炭素数13〜20のヘテロアリールアルキルからなる群より選択されることが好ましく、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、炭素数1〜22の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル、炭素数6〜21のアリール、炭素数12〜20のヘテロアリール及び炭素数7〜21のアラルキルからなる群より選択されることがより好ましく、水素、ハロゲン、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル及び炭素数6〜10のアリールからなる群より選択されることがさらに好ましく、水素、臭素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル及びフェニルからなる群より選択されることが特に好ましい。
前記の基は、非置換又は1若しくは複数のハロゲンで置換されていることが好ましく、非置換であることがより好ましい。
m1及びm2は、互いに独立して、0〜5の整数であることが好ましく、0又は1であることがより好ましい。
n1及びn2は、互いに独立して、0〜4の整数であることが好ましく、0又は1であることがより好ましい。
本明細書において、「アラルキル」は、アルキルの水素原子の1個がアリールに置換された基を意味する。好適なアラルキルは、限定するものではないが、例えばベンジル、1-フェネチル及び2-フェネチル等を挙げることができる。
本明細書において、「アリールアルケニル」は、アルケニルの水素原子の1個が前記アリールに置換された基を意味する。好適なアリールアルケニルは、限定するものではないが、例えばスチリル等を挙げることができる。
本明細書において、「ヘテロアリール」は、アリールの1個以上の炭素原子が、それぞれ独立して窒素原子(N)、硫黄原子(S)及び酸素原子(O)から選択される複素原子に置換された基を意味する。例えば、「炭素数12〜20のヘテロアリール」及び「(環の)員数12〜20のヘテロアリール」は、少なくとも12個且つ多くても20個の炭素原子を含む芳香族基の1個以上の炭素原子が、それぞれ独立して前記の複素原子に置換された基を意味する。この場合において、N又はSによる置換は、それぞれN-オキシド又はSのオキシド若しくはジオキシドによる置換を包含する。好適なヘテロアリールは、限定するものではないが、例えばフラニル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリミジニル、キノリニル、イソキノリニル及びインドリル等を挙げることができる。
本明細書において、「ヘテロアリールアルキル」は、アルキルの水素原子の1個が前記ヘテロアリールに置換された基を意味する。
本明細書において、「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を意味する。
特に好ましくは、直鎖状及び分岐状共役モノマは、トリフェニルアミン、N-(4-ブチルフェニル)-N’,N’’-ジフェニルアミン、9,9-ジオクチル-9H-フルオレン、N-フェニル-9H-カルバゾール、N,N’-ジフェニル-N,N’-ビス(3-メチルフェニル)-[1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジアミン及びN,N’-ビス(3-メチルフェニル)-N,N’-ビス(2-ナフチル)-[1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジアミン、並びにこれらの誘導体を骨格として有する化合物から選択される。
前記の骨格を有する直鎖状及び分岐状共役モノマを主鎖の繰り返し単位として含む本発明の硬化性重合体により、結果として得られる樹脂の硬化性を向上させ、且つ電荷輸送能力を向上させることが可能となる。
本発明の硬化性重合体は、直鎖状及び分岐状共役モノマの少なくともいずれかを繰り返し単位として含む主鎖と、1種類以上の芳香族基の架橋基及び1種類以上の別の架橋基を含む側鎖とを有する。図1A及び2Aは、本発明の硬化性重合体の実施形態を示す模式図である。図1Aに示すように、本発明の硬化性重合体101は、直鎖状共役モノマ1及び分岐状共役モノマ2の少なくともいずれかを繰り返し単位5として含む主鎖と、1種類以上の芳香族基の架橋基3及び1種類以上の別の架橋基4を含む側鎖とを有することができる。直鎖状共役モノマ1及び分岐状共役モノマ2の構成比率は、硬化性重合体に付与すべき特性に応じて適宜設定すればよい。例えば、硬化性向上のためには、本発明の硬化性重合体は、直鎖状共役モノマ1を含まず、分岐状共役モノマ2のみを繰り返し単位5として含む主鎖と、1種類以上の芳香族基の架橋基3及び1種類以上の別の架橋基4を含む側鎖とを有する形態であってもよい。或いは、図2Aに示すように、本発明の硬化性重合体102は、結果として得られる樹脂の硬化性を損なわない範囲内で、分岐状共役モノマを含まず、直鎖状共役モノマ1のみを繰り返し単位5として含む主鎖と、1種類以上の芳香族基の架橋基3及び1種類以上の別の架橋基4を含む側鎖とを有する形態であってもよい。樹脂の硬化性及び電荷輸送効率のいずれもを向上させるために、直鎖状及び分岐状共役モノマの両方を繰り返し単位として含むことが好ましい。
本発明の硬化性重合体に含まれる直鎖状共役モノマに対する分岐状共役モノマの構成比率は、1:0〜1:10の範囲であることが好ましく、1:0.8〜1:2.0の範囲であることがより好ましい。直鎖状共役モノマに対する分岐状共役モノマの構成比率が前記範囲未満である場合、結果として得られる樹脂の硬化性が低くなるため好ましくない。また、直鎖状共役モノマに対する分岐状共役モノマの構成比率が前記範囲を超える場合、結果として得られる樹脂の柔軟性が低くなるため好ましくない。
前記のように、直鎖状共役モノマに対する分岐状共役モノマの構成比率を設定することにより、結果として得られる樹脂の硬化性を所望の範囲に調整することが可能となる。
なお、本発明の硬化性重合体に含まれる直鎖状共役モノマ及び分岐状共役モノマの構成比率は、例えば、硬化性重合体の1H-核磁気共鳴(1H-NMR)スペクトルを測定し、該1H-NMRスペクトルにおいて観測される各モノマに由来する特徴的なピーク(例えば、芳香族領域、オキセタン基、メチレン基及び/又はメチル基のピーク)のピーク積分値から計算することにより、決定することができる。
本発明の硬化性重合体の側鎖に含まれる芳香族基の架橋基は、硬化性重合体を製造するために使用される公知の芳香族架橋基であればよい。前記芳香族基の架橋基としては、限定するものではないが、例えば、チオフェン、スチレン、ピロール及びベンゾシクロブテンを骨格として有する基を挙げることができる。
好ましくは、芳香族基の架橋基は、式IV〜VI:
Figure 2014019755
で表される骨格を有する基から選択される。
式中、
R8〜R10は、互いに独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、炭素数1〜22の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル、炭素数2〜22の直鎖状、分岐状又は環状のアルケニル、炭素数2〜22の直鎖状、分岐状又は環状のアルキニル、炭素数6〜21のアリール、炭素数12〜20のヘテロアリール、炭素数7〜21のアラルキル及び炭素数13〜20のヘテロアリールアルキルからなる群より選択されることが好ましく、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、炭素数1〜22の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル、炭素数6〜21のアリール、炭素数12〜20のヘテロアリール及び炭素数7〜21のアラルキルからなる群より選択されることがより好ましく、水素、ハロゲン及び炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキルからなる群より選択されることがさらに好ましく、水素、臭素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル及びデシルからなる群より選択されることが特に好ましい。
前記の基は、非置換又は1若しくは複数のハロゲンで置換されていることが好ましく、非置換であることがより好ましい。
pは、0〜4の整数であることが好ましく、0又は1であることがより好ましい。
qは、0〜5の整数であることが好ましく、0又は1であることがより好ましい。
rは、0〜4の整数であることが好ましく、0又は1であることがより好ましい。
特に好ましくは、芳香族基の架橋基は、3-n-オクチルチオフェン、スチレン及びピロール、並びにこれらの誘導体を骨格として有する基から選択される。
芳香族基の架橋基は、前記の骨格を有する芳香族化合物に以下で説明する硬化性重合体の重合に使用される1個以上の反応点を導入することにより、同様の反応点を導入した直鎖状及び分岐状共役モノマと重合させて、本発明の硬化性重合体の側鎖を形成させることができる。
前記の骨格を有する芳香族基の架橋基を側鎖として含む本発明の硬化性重合体により、結果として得られる樹脂の電荷輸送能力を向上させることが可能となる。
本発明の硬化性重合体に含まれる直鎖状及び分岐状共役モノマに対する芳香族基の架橋基の構成比率は、1:0.01〜1:100の範囲であることが好ましく、1:0.1〜1:10の範囲であることがより好ましい。直鎖状及び分岐状共役モノマに対する芳香族基の架橋基の構成比率が前記範囲未満である場合、結果として得られる樹脂の導電性が低くなるため好ましくない。また、直鎖状及び分岐状共役モノマに対する芳香族基の架橋基の構成比率が前記範囲を超える場合、結果として得られる樹脂の硬化性が低くなるため好ましくない。
前記のように、直鎖状及び分岐状共役モノマに対する芳香族基の架橋基の構成比率を設定することにより、結果として得られる樹脂の導電性及び硬化性を所望の範囲に調整することが可能となる。
なお、本発明の硬化性重合体に含まれる直鎖状及び分岐状共役モノマに対する芳香族基の架橋基の構成比率は、例えば、硬化性重合体の1H-核磁気共鳴(1H-NMR)スペクトルを測定し、該1H-NMRスペクトルにおいて観測される各モノマ及び架橋基に由来する特徴的なピーク(例えば、芳香族領域、オキセタン基、メチレン基及び/又はメチル基のピーク)のピーク積分値から計算することにより、決定することができる。
本発明の硬化性重合体の側鎖に含まれる1種類以上の別の架橋基は、硬化性重合体を製造するために使用される芳香族架橋基以外の公知の架橋基であればよい。前記別の架橋基としては、限定するものではないが、例えば、環状エーテル基を挙げることができる。
好ましくは、1種類以上の別の架橋基は、エポキシ基及びオキセタン基から選択される。エポキシ基及びオキセタン基の両方又はいずれかからなることが好ましく、エポキシ基及びオキセタン基のいずれかであることがより好ましく、オキセタン基であることがさらに好ましい。前記の基は、非置換であってもよく、ハロゲン、シアノ、ニトロ、炭素数1〜22の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル、炭素数2〜22の直鎖状、分岐状又は環状のアルケニル及び炭素数2〜22の直鎖状、分岐状又は環状のアルキニルからなる群より選択される1個以上の基で置換されていてもよい。
特に好ましくは、別の架橋基は、エチルオキセタン又はその誘導体を骨格として有する基である。
別の架橋基は、前記の架橋基を有する化合物、好ましくは前記の架橋基及び以下で説明する二価の連結基を有する化合物に以下で説明する硬化性重合体の重合に使用される1個以上の反応点を導入することにより、同様の反応点を導入した直鎖状及び分岐状共役モノマと重合させて、本発明の硬化性重合体の側鎖を形成させることができる。
前記の別の架橋基を本発明の硬化性重合体の側鎖形成に用いることにより、結果として得られる樹脂の硬化性を向上させることが可能となる。
前記のように、直鎖状及び分岐状共役モノマ又は芳香族基の架橋基に対する別の架橋基の構成比率を設定することにより、結果として得られる樹脂の導電性及び硬化性を所望の範囲に調整することが可能となる。
なお、本発明の硬化性重合体に含まれる直鎖状及び分岐状共役モノマ又は芳香族基の架橋基に対する別の架橋基の構成比率は、例えば、硬化性重合体の1H-核磁気共鳴(1H-NMR)スペクトルを測定し、該1H-NMRスペクトルにおいて観測される各モノマ及び架橋基に由来する特徴的なピーク(例えば、芳香族領域、オキセタン基、メチレン基及び/又はメチル基のピーク)のピーク積分値から計算することにより、決定することができる。
本発明の硬化性重合体は、前記直鎖状及び分岐状共役モノマの少なくともいずれかを2個以上含む繰り返し単位の両端に、前記で説明した1種類以上の芳香族基の架橋基及び1種類以上の別の架橋基を含む側鎖が結合していることが好ましい。かかる構造を有する硬化性重合体は、例えば2個以上の直鎖状及び分岐状共役モノマの繰り返し単位の末端に、予め前記架橋基を含む側鎖を結合させ、さらに以下で説明する硬化性重合体の重合に使用される1個以上の反応点を導入した化合物を用いることにより、製造することができる。本発明の硬化性重合体がかかる構造を有することにより、架橋基が特定の部位に集中することを防止し、結果として得られる樹脂の性質を均質化することが可能となる。
本発明の硬化性重合体に含まれる主鎖及び側鎖の間は、前記直鎖状又は分岐状共役モノマと、前記芳香族基の架橋基又は別の架橋基とが直接結合することによって連結されていてもよく、二価の連結基を介して連結されていてもよい。
前記二価の連結基としては、少なくとも1種類の飽和脂肪族基及び少なくとも1種類の芳香族基のいずれか一方又はこれらの組み合わせを挙げることができる。前記二価の連結基が少なくとも1種類の飽和脂肪族基及び少なくとも1種類の芳香族基の組み合わせの場合、該二価の連結基は、少なくとも1種類の飽和脂肪族基及び少なくとも1種類の芳香族基が互いに連結した形態であることができる。この場合、前記二価の連結基は、飽和脂肪族基又は芳香族基のいずれかを含む形態であってもよく、飽和脂肪族基及び芳香族基の両方を含む形態であってもよい。飽和脂肪族基及び芳香族基の両方を含む形態であることが好ましい。
前記飽和脂肪族基は、炭素数1〜22の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン及びオキシアルキレンからなる群より選択される少なくとも1種類の基であることが好ましく、炭素数1〜22の直鎖状、分岐状又は環状のオキシアルキレンであることがより好ましく、オキシメチレンであることがさらに好ましい。
前記飽和脂肪族基は、非置換又は1若しくは複数のハロゲンで置換されていることができる。また、N及びSから選択される1個以上のヘテロ原子で中断されていてもよい。
本明細書において、「オキシアルキレン」は、前記で説明した直鎖状、分岐状又は環状のアルキレンと酸素原子(O)とが結合した2価の基を意味する。
前記芳香族基は、炭素数6〜21のアリーレン及び炭素数12〜20のヘテロアリーレンからなる群より選択される少なくとも1種類の基であることが好ましく、炭素数6〜21のアリーレンであることがより好ましく、フェニレンであることがさらに好ましい。
前記芳香族基は、非置換又は1若しくは複数のハロゲンで置換されていることができる。
特に好ましくは、二価の連結基は、フェニレンとオキシメチレンとが連結した二価の基である。
前記二価の連結基が、前記で説明した飽和脂肪族基である場合、結果として得られる樹脂の硬化性が向上するため、好ましい。また、前記で説明した芳香族基である場合、結果として得られる樹脂の導電性が向上するため、好ましい。前記二価の連結基が、前記で説明した飽和脂肪族基及び芳香族基の両方を含む形態である場合、結果として得られる樹脂の硬化性及び導電性のいずれもが向上するため、より好ましい。
前記二価の連結基で本発明の硬化性重合体に含まれる主鎖及び側鎖の間を連結することにより、結果として得られる樹脂の硬化性及び導電性を向上させることが可能となる。
<2. 硬化性重合体の製造>
本発明の硬化性重合体は、前記で説明した直鎖状及び分岐状共役モノマの少なくともいずれか、1種類以上の芳香族基の架橋基を含むモノマ及び1種類以上の別の架橋基を含むモノマを、当該技術分野で公知の方法によって重合させることにより、製造することができる。例えば、1種類以上の別の架橋基を含むモノマが、前記で説明した芳香族基の連結基を含む場合、全てのモノマが芳香環を有する。この場合、例えば、ヤマモトらの方法(T. Yamamotoら, Bull. Chem. Soc. Jap., 51巻, 7号, 2091頁(1978))、ゼンバヤシらの方法(M. Zembayashiら, Tet. Lett., 47巻, 4089頁(1977))又はスズキの方法(A. Suzuki, Synthetic Communications, 11巻, 7号, 513頁 (1981))を用いて、各モノマに含まれる芳香環同士をクロスカップリングさせて、該モノマを重合させることができる。スズキの方法を用いることが好ましい。スズキの方法は、芳香族ボロン酸(boronic acid)誘導体と芳香族ハロゲン化物との間で、Pd触媒クロスカップリング反応(以下「鈴木反応」とも記載する)を起こさしめるものである。鈴木反応を用いて、直鎖状及び分岐状共役モノマの少なくともいずれか、1種類以上の芳香族基の架橋基を含むモノマ、並びに1種類以上の別の架橋基及び少なくとも1種類の芳香族基の連結基を含むモノマの芳香環同士を結合させることにより、該モノマを重合させて本発明の硬化性重合体を製造することが可能となる。
直鎖状及び分岐状共役モノマの少なくともいずれか、1種類以上の芳香族基の架橋基及び場合により二価の連結基を含むモノマ、並びに1種類以上の別の架橋基及び場合により二価の連結基を含むモノマを重合させる場合、1個以上の反応点が導入された前記モノマの誘導体(以下「架橋性モノマ」とも記載する)を用いればよい。この場合、前記で説明した骨格を有する共役モノマに1個又は2個の反応点を導入することにより、架橋性の直鎖状共役モノマを、3個以上の反応点を導入することにより、架橋性の分岐状共役モノマを、それぞれ調製することができる。例えば、鈴木反応を用いて、直鎖状及び分岐状共役モノマの少なくともいずれか、1種類以上の芳香族基の架橋基を含むモノマ、並びに1種類以上の別の架橋基及び少なくとも1種類の芳香族基の連結基を含むモノマを重合させる場合、前記モノマに含まれる芳香環の1個以上の水素原子をボロン酸又はハロゲンで置換することによって1個以上の反応点が導入された、前記モノマの架橋性モノマを用いることが好ましい。前記架橋性モノマを用いて鈴木反応を行うことにより、各モノマに含まれる芳香環同士を結合させて、本発明の硬化性重合体を製造することが可能となる。
鈴木反応は、通常、Pd(II)塩又はPd(0)錯体の形態の可溶性Pd化合物を触媒として必要とする。鈴木反応の基質となる芳香族化合物、すなわち前記で説明した架橋性モノマを基準として、0.01〜5モルパーセントのPd(Ph3P)4、3級ホスフィンリガンドとのPd(OAc)2錯体又はPdCl2(dppf)錯体をPd触媒として用いることが好ましい。鈴木反応はまた、塩基も必要とする。水性アルカリカーボネート又はバイカーボネートを用いることが好ましく、炭酸カリウムを用いることがより好ましい。溶媒は、N,N-ジメチルホルムアミド、トルエン、アニソール、ジメトキシエタン又はテトラヒドロフラン等を用いることが好ましく、トルエンを用いることがより好ましい。トルエンのような非極性溶媒を用いる場合、トリスカプリリルメチルアンモニウムクロリド(Aliquat336(商標))のような相間移動触媒を用いて反応を促進することが好ましい。
前記の条件で各架橋性モノマを重合させることにより、高収率で本発明の硬化性重合体を製造することが可能となる。
<3. 硬化性重合体によって形成される樹脂>
図1B及び2Bは、本発明の硬化性重合体によって形成される樹脂の模式図である。本発明の硬化性重合体101, 102を硬化処理することにより、該硬化性重合体101, 102に含まれる架橋基3, 4が分子間及び/又は分子内架橋を形成して樹脂111, 112を得ることができる。例えば前記で説明した芳香族基の架橋基の場合、芳香環が開環することによって分子間及び/又は分子内架橋が形成されてもよく、芳香環が開環せず、環炭素原子が別の炭素原子又はヘテロ原子と共有結合することによって分子間及び/又は分子内架橋が形成されてもよい。本発明の硬化性重合体を用いて製造される樹脂は、前記分子間及び/又は分子内架橋が形成されることにより、網目構造が強固となるだけでなく、直鎖状及び/又は分岐状共役モノマの繰り返し単位の間で電荷の移動が容易になる。それ故、本発明の硬化性重合体を用いて製造される樹脂は、有機素子、例えば有機EL素子の正孔輸送層の製造に用いる場合に高い有機溶媒耐性を発現し、且つ湿式プロセスによる有機素子の生産性を向上させることが可能となる。また、有機素子、例えば有機EL素子の正孔輸送層に用いる場合に高い電荷輸送効率を発現することが可能となる。
本明細書において、「硬化処理」は、前記で説明した架橋基を反応させて、分子間及び/又は分子内架橋を形成させる処理を意味する。本発明の硬化性重合体に適用される硬化処理としては、例えば、加熱、並びに光、マイクロ波、放射線及び電子線等の照射を挙げることができる。加熱処理が好ましい。
前記硬化処理は、本発明の硬化性重合体と架橋開始剤とを混合した混合物に対して実施することが好ましい。本明細書において、「架橋開始剤」は、前記硬化処理によって活性化され、架橋基の架橋反応を促進する化合物を意味する。本発明の硬化性重合体の硬化処理に適用される架橋開始剤としては、例えば、ヨードニウム塩、スルホニウム塩及びフェロセン誘導体を挙げることができる。前記架橋開始剤は、反応性が高いことから好ましい。
特に好ましくは、架橋開始剤は、式XI〜XIII:
Figure 2014019755
で表される化合物から選択される。
式中、
Xは、SbF6、(C6F5)4B、CF3SO3、PF6、BF4、C4F9SO3及びCH3C6H4SO3からなる群より選択されることが好ましい。
R11〜R15は、互いに独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、炭素数1〜22の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル、炭素数2〜22の直鎖状、分岐状又は環状のアルケニル、炭素数2〜22の直鎖状、分岐状又は環状のアルキニル、炭素数6〜21のアリール、炭素数12〜20のヘテロアリール、炭素数7〜21のアラルキル及び炭素数13〜20のヘテロアリールアルキルからなる群より選択されることが好ましく、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、炭素数1〜22の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル、炭素数6〜21のアリール、炭素数12〜20のヘテロアリール及び炭素数7〜21のアラルキルからなる群より選択されることがより好ましく、水素であることがさらに好ましい。
前記基は、非置換又は1若しくは複数のハロゲンで置換されていることが好ましく、非置換であることがより好ましい。
s1、s2、t1、t2及びt3は、互いに独立して、0〜5の整数であることが好ましい。
特に好ましくは、本発明の硬化性重合体と前記で説明した架橋開始剤とを混合した混合物を加熱処理することによって架橋基を反応させて、分子間及び/又は分子内架橋を形成させる。この場合、加熱処理の温度は、100〜250℃の範囲であることが好ましい。また、加熱処理の時間は、10〜180分の範囲であることが好ましい。
本発明の硬化性重合体によって形成される樹脂は、通常、仕事関数が4〜7 eVの範囲であり、典型的には4.7〜5.8 eVの範囲である。前記仕事関数は、本発明の硬化性重合体に含まれるモノマの構成比率を適宜設定することによって調整することができる。例えば、本発明の硬化性重合体に含まれる直鎖状共役モノマに対する分岐状共役モノマの構成比率が前記範囲である場合、結果として得られる樹脂の仕事関数は、有機EL素子に通常使用される発光層の仕事関数及び酸化インジウムスズ(ITO、Indium Tin Oxide)電極の仕事関数の中間の値となる。それ故、本発明の硬化性重合体によって製造される樹脂は、有機EL素子の正孔輸送層に適した電荷輸送効率を発現することが可能となる。
なお、本発明の硬化性重合体によって形成される樹脂の仕事関数は、限定するものではないが、例えば、表面分析装置(例えば理研計器製AC-1)を用い、照射光量50 nWの条件で測定することができる。
<4. 有機EL素子>
本発明の硬化性重合体を用いて製造される樹脂は、有機素子、例えば有機EL素子の有機材料として好ましい硬化性及び電荷輸送効率を有する。それ故、本発明はまた、本発明の硬化性重合体によって形成される樹脂を用いて製造される有機EL素子に関する。
図3は、本発明の有機EL素子の一実施形態を示す断面図である。本発明の有機EL素子201は、陽極22と、陰極25と、該陽極22及び陰極25の間に配置された発光層24と、該陽極22及び発光層24の間に配置された正孔輸送層23(以下「正孔注入層」とも記載する)とを備える。陽極22は、例えば、ガラス基板21上に酸化インジウムスズ(ITO)をパターニングすることによって形成される。陰極25は、例えば、ITOガラス基板21の陽極22の上に、正孔輸送層23及び発光層24を順次形成させた後、該発光層24の上にアルミニウム(Al)を蒸着させることによって形成される。本発明の有機EL素子201は、陽極22、正孔輸送層23、発光層24及び陰極25を、ガラス基板21及び封止ガラス板26で挟持した後、ガラス基板21と封止ガラス板26とを、例えば光硬化性エポキシ樹脂のような硬化樹脂を用いて貼り合わせることによって封止されることが好ましい。
本発明の有機EL素子において、前記正孔輸送層は、本発明の硬化性重合体によって形成される樹脂を用いて製造される。前記正孔輸送層は、当該技術分野で慣用される手段を用いて製造することができる。例えば、ガラス基板上にパターニングされた陽極の上に、スピンコート法、印刷法又はインクジェット法等の湿式プロセスによって本発明の硬化性重合体を塗布した後、前記で説明した硬化処理により樹脂を形成させることによって製造すればよい。本発明の硬化性重合体によって形成される樹脂は、硬化性が高く、有機溶媒耐性に優れる。このため、前記樹脂を用いて製造された正孔輸送層の表面に、例えば前記の湿式プロセスによって発光層を積層させる場合、発光層の重合体溶液に含まれる有機溶媒によって正孔輸送層が溶解することを抑制することができる。例えば、本発明の硬化性重合体によって形成される樹脂を用いて製造される正孔輸送層は、通常、残膜率が60〜100%の範囲であり、典型的には80〜99%の範囲である。前記範囲の残膜率で表される有機溶媒耐性を有する樹脂は硬化性が高い。それ故、本発明の樹脂を正孔輸送層に用いることにより、湿式プロセスによる有機EL素子の生産性を向上させることが可能となる。
なお、残膜率の評価は、例えば以下の手順で実施することができる。ITOガラス基板の陽極の上に、本発明の硬化性重合体によって形成される樹脂を用いて正孔輸送層を作製する。エリプソメータを用いて前記正孔輸送層の初期膜厚を測定した後、正孔輸送層が形成されたITOガラス基板を、有機溶媒(例えばトルエン)に20〜250℃、10〜60秒間の条件で浸漬させる。その後、ITOガラス基板を有機溶媒中から取り出し、エリプソメータを用いて該ITOガラス基板上に残存する正孔輸送層の残膜の膜厚を測定する。初期膜厚に対する残膜の膜厚の比を残膜率(%)と定義する。残膜率が高い程、有機溶媒耐性が高く、硬化性が高いと評価される。
本発明の有機EL素子は、前記樹脂を用いて製造された正孔輸送層を備えることにより、高い正孔輸送層の残膜率及び低電圧駆動を達成することができる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
<実施例1:硬化性重合体の合成(1)>
架橋性の直鎖状トリフェニルアミンモノマ(1)、分岐トリフェニルアミンモノマ(2)、オキセタン架橋モノマ(3)及びチオフェンモノマ(4)を、鈴木反応で重合して、硬化性重合体を合成した。架橋性の直鎖状トリフェニルアミンモノマ(1)及び分岐トリフェニルアミンモノマ(2)は、鈴木反応の反応点をそれぞれ2及び3個有しており、重合によって主鎖を形成する。架橋性のオキセタン架橋モノマ(3)及びチオフェンモノマ(4)は、いずれも鈴木反応の反応点を1個有しており、重合によって側鎖を形成する。架橋性のオキセタン架橋モノマ(3)は、フェニレン及びオキシメチレンの組み合わせからなる二価の架橋基に、1-エチルオキセタン-1-イル基が結合した構造を有するモノマである。
Figure 2014019755
丸底フラスコに、4,4’-ビス(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-4’’-n-ブチルトリフェニルアミン(1)(0.4 mmol)、4,4’,4’’-トリブロモトリフェニルアミン(2)(1.0 mmol)、3-(4-ブロモフェノキシメチル)3-エチルオキセタン(3)(1.2 mmol)、2-ブロモ-3-n-オクチルチオフェン(4)(5.3 mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0.008 mmol)、2 M炭酸カリウム水溶液(5.3 mmol)、Aliquat336(商標)(0.4 mmol)及びアニソール(4 ml)を入れ、窒素雰囲気下、90℃で2時間撹拌した。前記の方法で、架橋性直鎖状トリフェニルアミンモノマ(1):架橋性分岐トリフェニルアミンモノマ(2):架橋性オキセタン架橋モノマ(3):架橋性チオフェンモノマ(4)=20:50:30:10のモル比で合成したところ、分子量40 kDaの重合体を得た。分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーを用いて、ポリスチレン換算で測定したときの数平均分子量として決定した。1H-核磁気共鳴法(1H-NMR)によって芳香族領域、オキセタン基、メチレン基及びメチル基のピーク積分値から計算したところ、生成物中のモノマ構成比率は、トリフェニルアミンモノマ(直鎖状+分岐状):オキセタン+ベンゼン:チオフェン=105:27:9であり、側鎖に含まれるオキセタンとチオフェンとの比率は、およそ3:1であった。本重合体を、重合体Aとする。
<実施例2:硬化性重合体の合成(2)>
実施例1で説明した手順において、架橋性直鎖状トリフェニルアミンモノマ(1)を、2,7-ビス(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-9,9-ジオクチル-9H-フルオレン(5)に変更した他は、前記と同様の手順で硬化性重合体を得た。実施例1と同様に、1H-NMRスペクトルに基づき計算したところ、側鎖に含まれるオキセタンとチオフェンとの比率は、およそ3:1であった。得られた重合体を、重合体Bとする。
Figure 2014019755
<実施例3:硬化性重合体の合成(3)>
実施例1で説明した手順において、架橋性直鎖状トリフェニルアミンモノマ(1)を、2,7-ビス(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-N-フェニル-9H-カルバゾール(6)に変更した他は、前記と同様の手順で硬化性重合体を得た。実施例1と同様に、1H-NMRスペクトルに基づき計算したところ、側鎖に含まれるオキセタンとチオフェンとの比率は、およそ3:1であった。得られた重合体を、重合体Cとする。
Figure 2014019755
<実施例4:硬化性重合体の合成(4)>
実施例1で説明した手順において、架橋性チオフェンモノマ(4)を、4-ブロモスチレン(7)又は2-ブロモピロール(8)に変更した他は、前記と同様の手順で硬化性重合体を得た。実施例1と同様に、1H-NMRスペクトルに基づき計算したところ、側鎖に含まれるオキセタンと4-ブロモスチレン又は2-ブロモピロールとの比率は、いずれもおよそ3:1であった。得られた重合体を、それぞれ重合体D又はEとする。
Figure 2014019755
<実施例5:硬化性重合体の合成(5)>
実施例1で説明した手順において、架橋性チオフェンモノマ(4)を、2個の直鎖状トリフェニルアミンモノマの繰り返し単位の末端にチオフェン基が結合した架橋性化合物(9)に変更した。
Figure 2014019755
2個の直鎖状トリフェニルアミンモノマの繰り返し単位の末端に、予めチオフェン基を結合させた架橋性化合物を重合体の合成に用いることにより、得られる重合体は、チオフェン基を含む側鎖が、直鎖状及び分岐状共役モノマの少なくともいずれかを2個以上含む繰り返し単位の両端に結合する構造となる。すなわち、チオフェン基を含む側鎖は、重合体分子内の特定の場所に集中せず、確実に離れて配置される。かかる構造を形成することにより、得られる重合体の硬化性の低下を防ぐことができる。
実施例1と同様の手順により、架橋性直鎖状トリフェニルアミンモノマ(1):架橋性分岐トリフェニルアミンモノマ(2):架橋性オキセタン架橋モノマ(3):2個の直鎖状トリフェニルアミンモノマの繰り返し単位の末端にチオフェン基が結合した架橋性チオフェンモノマ(9)=20:50:30:10のモル比で合成し、重合体を得た。実施例1と同様に、1H-NMRスペクトルに基づき、芳香族領域、オキセタン基、メチレン基及びメチル基のピーク積分値から計算したところ、側鎖に含まれるオキセタンとチオフェンとの比率は、およそ3:1であった。本重合体を、重合体Fとする。
<比較例1:芳香族基の架橋基を含まない硬化性重合体の合成>
実施例1で説明した手順において、架橋性直鎖状トリフェニルアミンモノマ(1):架橋性分岐トリフェニルアミンモノマ(2):架橋性オキセタン架橋モノマ(3):架橋性チオフェンモノマ(4)=20:50:40:0のモル比として、架橋性チオフェンモノマ(4)を含まない組成とした他は、前記と同様の手順でチオフェン基を含まない硬化性重合体を得た。実施例1と同様に、1H-NMRスペクトルに基づき計算したところ、生成物中のモノマ構成比率は、トリフェニルアミンモノマ(直鎖状+分岐状):オキセタン+ベンゼン=6:4であった。
<実施例6:硬化性重合体を用いた樹脂の製造(1)>
[重合体溶液の調製]
実施例1で合成した重合体A(4.4 g)、式(XIa)で表される開始剤(式中、XはSbF6である)(0.13 mg)を1.2 mlのトルエンに溶解させ、硬化性重合体溶液を作成した。
Figure 2014019755
丸底フラスコに、4,4’-ビス(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-4’’-n-ブチルトリフェニルアミン(1)(0.4 mmol)、4,4’-ジブロモトリフェニルアミン(2)(0.08 mmol)、4,7-ジブロモ-2,1,3-ベンゾチアジアゾール(0.32 mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0.004 mmol)、2 M炭酸カリウム水溶液(10.6 mmol)、Aliquat336(0.4 mmol)及びトルエン(7 ml)を入れ、窒素雰囲気下、80℃で48時間撹拌した。反応溶液をメタノール/水混合溶媒(9:1)に注ぎ、析出した重合体をろ別した。再沈殿を2回繰り返し行って精製し、黄色発光重合体を得た。
[硬化性重合体を用いた樹脂の形成]
酸化インジウムスズ(ITO、Indium Tin Oxide)を、1.6 mm幅でガラス基板上にパターンニングした。このITOガラス基板上に、前記で調製した重合体溶液を300 回転/分の条件でスピンコートした。その後、硬化性重合体をコートしたITOガラス基板を、ホットプレート上で210℃、60分間加熱することで硬化処理して、硬化性重合体を加熱重合させて、樹脂を形成させた。本樹脂を、樹脂Aとする。
[正孔輸送層の残膜率の評価]
石英ガラス板上に、前記で調製した硬化性重合体を3000回転/分の条件でスピンコートし、ホットプレート上で210℃、10分間加熱することで硬化処理して、薄膜(50 nm)を形成させた。この薄膜を、石英ガラス板ごとトルエン中でリンスし、リンス前後の薄膜の吸光度(波長:365 nm)を測定した。リンス前後の薄膜の吸光度の比より、薄膜の残存率(残膜率)を求めた。吸光度は、膜厚に比例するので、吸光度の比(トルエン浸積あり/トルエン浸積なし)は、正孔輸送層の残膜率(トルエン浸積あり/トルエン浸積なし)に一致する。本正孔輸送層の残膜率は、90%以上だった。
<実施例7:硬化性重合体を用いた樹脂の製造(2)>
実施例6で説明した手順において、重合体Aを、実施例2又は3で合成した重合体B又はCに変更した他は、前記と同様の手順で樹脂を形成させた。本樹脂を、それぞれ樹脂B又はCとする。樹脂B又はCからなる正孔輸送層の上に、実施例6で説明した手順で発光層を形成させた。前記と同様の手順で発光層形成後の正孔輸送層の残膜の膜厚を測定したところ、いずれも18 nm以上だった。
実施例6で説明した正孔輸送層の残膜率の評価と同様の手順で、樹脂B又はCからなる正孔輸送層の残膜率を算出したところ、残膜率はいずれも90%以上だった。
[仕事関数の評価]
光電子収量分光装置(理研計器製表面分析装置AC-1;照射光量50 nW)を用いて、硬化性重合体を用いた樹脂の仕事関数を決定した。樹脂Aの仕事関数は5.0 eVだったのに対し、樹脂B及びCの仕事関数は、それぞれ5.2及び5.3 eVだった。この結果から、硬化性重合体を合成する際に使用される直鎖状及び分岐状共役モノマの種類を変更することにより、発光層及びITOの中間の仕事関数を有する樹脂を作成して、有機EL素子の作成に使用できると考えられる。
<実施例8:硬化性重合体を用いた樹脂の製造(3)>
実施例6で説明した手順において、重合体Aを、実施例4で合成した重合体D又はEに変更した他は、前記と同様の手順で樹脂を形成させた。本樹脂を、それぞれ樹脂D又はEとする。樹脂D又はEからなる正孔輸送層の上に、実施例6で説明した手順で発光層を形成させた。前記と同様の手順で発光層形成後の正孔輸送層の残膜の膜厚を測定したところ、いずれも18 nm以上だった。
実施例6で説明した正孔輸送層の残膜率の評価と同様の手順で、樹脂D又はEからなる正孔輸送層の残膜率を算出したところ、残膜率はいずれも90%以上だった。
<比較例2:芳香族基の架橋基を含まない硬化性重合体を用いた樹脂の形成>
実施例6で説明した手順において、重合体Aを、比較例1で合成したチオフェン基を含まない硬化性重合体に変更した他は、前記と同様の手順でチオフェン基を含まない樹脂を形成させた。前記樹脂からなる正孔輸送層の上に、実施例6で説明した手順で発光層を形成させた。
実施例6で説明した正孔輸送層の残膜率の評価と同様の手順で、チオフェン基を含まない樹脂からなる正孔輸送層の残膜率を算出したところ、残膜率はいずれも90%以上だった。
<実施例9:有機EL素子の作製>
実施例6又は7で作成された樹脂A又はBからなる正孔輸送層及び発光層を有するITOガラス基板を、真空蒸着機に入れ、発光層の上に100 nmの膜厚のAl電極を蒸着させた。電極形成後、大気開放することなく、乾燥窒素環境中に基板を移動させた。前記ITO基板と、0.7 mmの無アルカリガラスに0.4 mmのザグリを入れた封止ガラスとを、光硬化性エポキシ樹脂を用いて貼り合わせることにより封止して、多層構造の有機EL素子を作製した。本有機EL素子を、有機EL素子A及びBとする。
<比較例3:芳香族基の架橋基を含まない樹脂を用いた有機EL素子の作製>
実施例9で説明した手順において、樹脂A及びBからなる正孔輸送層及び発光層を有するITOガラス基板を、比較例2で形成させたチオフェン基を含まない樹脂からなる正孔輸送層及び発光層を有するITOガラス基板に変更した他は、前記と同様の手順で有機EL素子を作製した。本有機EL素子を、比較例3の有機EL素子とする。
<使用例:有機EL素子の性能評価>
実施例9の有機EL素子A及びB、並びに比較例3の有機EL素子の性能評価は、大気中、室温(25℃)において、3000 cd/m2の輝度を維持するための電圧を測定することによって行った。実施例9の有機EL素子A及びBの場合、3000 cd/m2の輝度を維持するための電圧は 8Vであったのに対して、比較例3の有機EL素子の場合、10 Vであった。
なお、本発明は、前記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施例は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除及び/又は置換をすることが可能である。
101, 102…硬化性重合体
111, 112…硬化性重合体によって形成される樹脂
1…直鎖状共役モノマ
2…分岐状共役モノマ
3…芳香族基の架橋基
4…別の架橋基
5…直鎖状共役モノマ1及び分岐状共役モノマ2の少なくともいずれかを含む繰り返し単位
6…二価の連結基
201…有機EL素子
21…ガラス基板
22…陽極
23…正孔輸送層
24…発光層
25…陰極
26…封止ガラス板

Claims (9)

  1. 直鎖状及び分岐状共役モノマの少なくともいずれかを繰り返し単位として含む主鎖と、1種類以上の芳香族基の架橋基及び1種類以上の別の架橋基を含む側鎖とを有する硬化性重合体。
  2. 前記別の架橋基が環状エーテル基である、請求項1の硬化性重合体。
  3. 前記主鎖及び側鎖の間が、
    炭素数1〜22の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン及びオキシアルキレンからなる群より選択される少なくとも1種類の飽和脂肪族基(前記の基は、非置換又は1若しくは複数のハロゲンで置換されており、N及びSから選択される1個以上のヘテロ原子で中断されていてもよい);及び
    炭素数6〜21のアリーレン及び炭素数12〜20のヘテロアリーレンからなる群より選択される少なくとも1種類の芳香族基(前記の基は、非置換又は1若しくは複数のハロゲンで置換されている);
    のいずれか一方又はこれらの組み合わせである2価の連結基で連結されている、請求項1の硬化性重合体。
  4. 前記直鎖状及び分岐状共役モノマの少なくともいずれかを2個以上含む繰り返し単位の両端に側鎖が結合している、請求項1の硬化性重合体。
  5. 前記直鎖状及び分岐状共役モノマが、式I〜III:
    Figure 2014019755
    (式中、
    R1〜R7は、互いに独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、炭素数1〜22の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル、炭素数2〜22の直鎖状、分岐状又は環状のアルケニル、炭素数2〜22の直鎖状、分岐状又は環状のアルキニル、炭素数6〜21のアリール、炭素数12〜20のヘテロアリール、炭素数7〜21のアラルキル及び炭素数13〜20のヘテロアリールアルキルからなる群より選択され(前記の基は、非置換又は1若しくは複数のハロゲンで置換されている)、
    m1及びm2は、互いに独立して、0〜5の整数であり、
    n1及びn2は、互いに独立して、0〜4の整数である)
    で表される骨格を有する化合物から選択される、請求項1の硬化性重合体。
  6. 前記芳香族基の架橋基が、式IV〜VI:
    Figure 2014019755
    (式中、
    R8〜R10は、互いに独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、炭素数1〜22の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル、炭素数2〜22の直鎖状、分岐状又は環状のアルケニル、炭素数2〜22の直鎖状、分岐状又は環状のアルキニル、炭素数6〜21のアリール、炭素数12〜20のヘテロアリール、炭素数7〜21のアラルキル及び炭素数13〜20のヘテロアリールアルキルからなる群より選択され(前記の基は、非置換又は1若しくは複数のハロゲンで置換されている)、
    pは、0〜4の整数であり、
    qは、0〜5の整数であり、
    rは、0〜4の整数である)
    で表される骨格を有する基から選択される、請求項1の硬化性重合体。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項の硬化性重合体を用いて製造される樹脂。
  8. 請求項7の樹脂を用いて製造される有機EL素子。
  9. 陽極と、陰極と、該陽極及び陰極の間に配置された発光層と、該陽極及び発光層の間に配置された、請求項7の樹脂を用いて製造される正孔輸送層とを備える有機EL素子。
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