WO2020090294A1 - イオン性化合物、有機エレクトロニクス材料、インク組成物、及び有機エレクトロニクス素子 - Google Patents

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Abstract

カチオン部及びアニオン部を分子内にそれぞれ2つ以上有し、前記カチオン部及びアニオン部のうちの2つを1つ以上の炭素原子を介して共有結合を用いて連結する連結部を1つ以上有する、イオン性化合物が開示される。

Description

イオン性化合物、有機エレクトロニクス材料、インク組成物、及び有機エレクトロニクス素子
 本発明の実施形態は、イオン性化合物、有機エレクトロニクス材料、インク組成物、及び有機エレクトロニクス素子に関する。
 有機エレクトロニクス素子は、有機物を用いて電気的な動作を行う素子であり、省エネルギー、低価格、柔軟性等の特長を発揮できると期待され、従来のシリコンを主体とした無機半導体に替わる技術として注目されている。
 有機エレクトロニクス素子の一例としては、有機エレクトロルミネセンス素子(以下、有機EL素子ということもある。)、有機光電変換素子、有機トランジスタなどが挙げられる。
 有機エレクトロニクス素子の中でも有機EL素子は、例えば、白熱ランプ、ガス充填ランプ等の代替えとして、大面積ソリッドステート光源用途として注目されている。また、フラットパネルディスプレイ(FPD)分野における液晶ディスプレイ(LCD)に置き換わる最有力の自発光ディスプレイとしても注目されており、製品化が進んでいる。
 近年、有機EL素子の発光効率及び寿命を改善する目的で、電荷輸送性の化合物に電子受容性の化合物を混合して用いる試みがなされている。
 例えば、特許文献1には、正孔輸送性高分子化合物に、電子受容性化合物としてトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(Tris(pentafluorophenyl)borane:PPB)を、湿式成膜法により混合して正孔注入層を形成することが開示されている。
 また、特許文献2には、電荷輸送膜用組成物として、イオン化合物と電荷輸送性化合物とからなる組成物が開示されている。
 一方、有機EL素子は、用いる材料により、低分子型有機EL素子又は高分子型有機EL素子の2つに大別される。高分子型有機EL素子は、有機材料が高分子材料により構成されており、真空系での成膜が必要な低分子型有機EL素子と比較して、インクジェットなどによる簡易成膜が可能なため、今後の大画面有機ELディスプレイには不可欠な素子として期待されている。
 また、有機EL素子では、発光効率及び素子寿命を向上させるため、有機層の多層化が行われている。
 低分子型有機EL素子の作製では、用いる材料を順次変更しながら蒸着を行うことで容易に多層化が達成できる。一方、高分子型有機EL素子の作製では、インクジェットといった湿式プロセスを用いて成膜するため、上層を塗布する際に下層が溶解しない方法が求められる。
 この要求に対処するために、特許文献3及び4では、シロキサン化合物、又は、オキセタン基又はビニル基などの官能基を有する化合物を用い、重合反応を利用して化合物の溶解度を変化させ、薄膜を溶剤に対して不溶化する方法が検討されている。
 重合反応を利用するには、通常、光、熱などの刺激により反応又は分解して、酸、塩基、ラジカル等を発生する適切な重合開始剤が添加される。
 上記重合開始剤として、特許文献5には、ヨードニウム化合物を用い、光によって酸を発生させることが開示されている。
特開2003-31365号公報 特開2006-233162号公報 国際公開第2008/010487号 特開2009-196982号公報 特開2007-302886号公報
 しかし、熱酸発生機構を持つ重合開始剤では、例えば180℃程度の加熱が必要であることにより、PET(ポリエチレンテレフタレート)やポリイミド等のフレキシブル基板を用いた際に重合不良が発生する恐れがある。
 本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、本発明の実施形態は、耐熱性が向上したイオン性化合物を提供することを目的とする。本発明の他の実施形態は、前記イオン性化合物を用いた有機エレクトロニクス材料、インク組成物、及び有機エレクトロニクス素子を提供することを目的とする。
 本発明者らは、鋭意検討した結果、特定の構造を有するイオン性化合物が、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
 本発明の実施形態は下記を含むが、本発明は下記に列挙した実施形態に限定されない。
<1>カチオン部及びアニオン部を分子内にそれぞれ2つ以上有し、前記カチオン部及びアニオン部のうちの2つを1つ以上の炭素原子を介して共有結合を用いて連結する連結部を1つ以上有する、イオン性化合物。
<2>下記式(1)で表されるイオン性化合物。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000003
[式(1)中、R、R、R、Re及びRはそれぞれ独立に水素原子(H)、アルキル基、又はベンジル基を表し、Rはアルキレン基、アルケニレン基又はアルキニレン基を表し、Aはアニオンを表す。nは1以上の整数である。]
<3>前記アニオンが下記式(11b)~(15b)のいずれかで表される、前記<2>に記載のイオン性化合物。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000004
[式(11b)~(15b)中、Y~Yは、それぞれ独立に2価の連結基を表し、R~R16は、それぞれ独立に電子求引性の1価の基(R及びR、R~Rから選択される少なくとも2つの基、R~R10から選択される少なくとも2つの基、及び、R11~R16から選択される少なくとも2つの基は、それぞれ互いに結合していてもよい。)を表す。Eは酸素原子、Eは窒素原子、Eは炭素原子、Eはホウ素原子又はガリウム原子、Eはリン原子又はアンチモン原子を表す。]
<4>前記<1>~<3>のいずれか1項に記載のイオン性化合物と、電荷輸送性化合物とを含有する、有機エレクトロニクス材料。
<5>前記電荷輸送性化合物が、芳香族アミン構造を含む単位、カルバゾール構造を含む単位、及びチオフェン構造を含む単位からなる群から選択される少なくとも1つを含む、前記<4>に記載の有機エレクトロニクス材料。
<6>前記電荷輸送性化合物がポリマー又はオリゴマーである、前記<4>又は<5>に記載の有機エレクトロニクス材料。
<7>前記電荷輸送性化合物が1つ以上の重合性官能基を有する、前記<4>~<6>のいずれか1項に記載の有機エレクトロニクス材料。
<8>前記重合性官能基がオキセタン基、エポキシ基、及びビニルエーテル基からなる群から選択される少なくとも1種を含む、前記<7>に記載の有機エレクトロニクス材料。   
<9>前記<4>~<8>のいずれか1項に記載の有機エレクトロニクス材料と、溶媒とを含む、インク組成物。
<10>前記溶媒が非極性の有機溶媒である、前記<9>記載のインク組成物。
<11>前記<4>~<8>のいずれか1項に記載の有機エレクトロニクス材料、又は、前記<9>又は<10>に記載のインク組成物を用いて形成された有機層を含む、有機エレクトロニクス素子。
<12>前記有機層が、重合により不溶化した層である、前記<11>に記載の有機エレクトロニクス素子。
<13>前記有機層上にさらに別の層が成膜されてなる多層構造を有する、前記<12>に記載の有機エレクトロニクス素子。
<14>基板が樹脂フィルムである、前記<11>~<13>のいずれかに1項に記載の有機エレクトロニクス素子。
 本発明の実施形態によれば、耐熱性が向上したイオン性化合物を提供することができる。また、本発明の他の実施形態によれば、前記イオン性化合物を用いた有機エレクトロニクス材料、インク組成物及び有機エレクトロニクス素子を提供することができる。
図1は、本発明の実施形態である有機EL素子の一例を示す模式図である。
<イオン性化合物>
 実施形態のイオン性化合物について説明する。
 実施形態のイオン性化合物は、カチオン部及びアニオン部(以下、「カチオン部」及び「アニオン部」をまとめて「電荷を有する部位」という場合もある。)を分子内にそれぞれ2つ以上有し、カチオン部及びアニオン部のうちの2つを1つ以上の炭素原子を介して共有結合を用いて連結する連結部(以下、単に「連結部」という場合がある。)を1つ以上有する。
 (連結部)
 連結部は、電荷を有する部位のうちの2つを、1つ以上の炭素原子を介して共有結合を用いて連結する。これら連結される2つの部位はそれぞれ、好ましくは、連結部の炭素原子と共有結合し、これによって、連結部は、これら2つの部位を、1つ以上の炭素原子を介して共有結合を用いて連結することができる。
 連結部によって1つ以上の炭素原子を介して共有結合を用いて連結される電荷を有する部位の組合せは、カチオン部とカチオン部、アニオン部とアニオン部、カチオン部とアニオン部のいずれであってもよい。合成上の簡便性から同種の電荷間を連結することが好ましい。カチオン部とカチオン部の組合せがより好ましい。
 連結部は1つ以上の炭素原子を含んでいればよく、例えば、ホウ素、酸素、窒素、ケイ素、リン、硫黄等をさらに含んでいても良い。
 連結部に含まれる炭素原子の数は、24以下が好ましく、20以下がより好ましく、18以下がさらに好ましく、15以下がさらに好ましい。一方、連結部に含まれる炭素原子の数は、2以上がより好ましく、3以上がさらに好ましい。連結部に含まれる炭素原子の数は、例えば、1~24が好ましく、2~20がより好ましく、2~18がさらに好ましく、3~15がさらに好ましい。
 連結部は、直鎖状でもよく、途中分岐構造を有していてもよい。
 連結部は、好ましくは2価の有機基であり、アルキレン基、アルケニレン基又はアルキニレン基がより好ましく、アルキレン基がさらに好ましい。連結部がアルキレン基、アルケニレン基又はアルキニレン基である場合のアルキレン基、アルケニレン基及びアルキニレン基の炭素数としては、それぞれ24以下が好ましく、20以下がよりこのましく、15以下がさらに好ましい。一方、連結基がアルキレン基である場合のアルキレン基の炭素数は、2以上がより好ましく、3以上がさらに好ましい。連結部は、炭素数1~24のアルキレン基、炭素数2~24のアルケニレン基又は炭素数2~24のアルキニレン基が好ましく、炭素数2~20のアルキレン基、炭素数2~20のアルケニレン基又は炭素数2~20のアルキニレン基がより好ましく、炭素数2~18のアルキレン基、炭素数2~18のアルケニレン基又は炭素数2~18のアルキニレン基がさらに好ましく、炭素数3~15のアルキレン基、炭素数3~15のアルケニレン基又は炭素数3~15のアルキニレン基がさらに好ましい。連結基がアルキレン基、アルケニレン基又はアルキニレン基である場合のアルキレン基、アルケニレン基及びアルキニレン基はそれぞれ、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、置換基を有してもよい。連結部は、直鎖のアルキレン基がより好ましい。
 イオン性化合物は、連結部を1つのみ有してもよく、2つ以上有してもよい。イオン性化合物において、連結部の数は、20以下が好ましく、10以下がより好ましく、5以下がさらに好ましく、3以下がさらに好ましい。
 イオン性化合物が2以上の連結部を有する場合は、2以上の連結部は、互いに同一であっても互いに異なってもよいが、互いに同一であることがより好ましい。
(カチオン部)
 カチオン部は特に限定されないが、例えば、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウム、カルベニウム(トリチル)、アニリニウム、ビスムトニウム、アンモニウム、セレニウム、ピリジニウム、イミダゾリウム、オキソニウム、キノリニウム、ピロリジニウム、アミニウム、イモニウム、トロピリウムなどが挙げられる。
 イオン性化合物は、好ましくは2つ以上のカチオン部を含むが、例えば、カチオン部のうちの2つ以上(例えば、カチオン部の全て)が1つ以上の連結部で互いに連結されていてもよく、カチオン部の少なくとも1つが連結部でアニオン部と連結されていてもよく、カチオン部がいずれも連結部で連結されない形態で含まれてもよい。
 イオン性化合物は、下記式(15a)~(17a)で表されるいずれか1種のカチオンを含むことが好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000005
(式(15a)~(17a)中、R11~R35は、各々独立に、任意の有機基もしくは水素原子を表す。R11~R35のうち隣接する2以上の基が、互いに連結して環を形成していても良い。Aは長周期型周期表の第17族または第14族に属する元素を表し、Aは長周期型周期表の第16族または第14族に属する元素を表し、Aは長周期型周期表の第15族に属する元素を表す。nは1以上の整数である。)
 式(15a)~(17a)におけるR11、R13、R21、R22、R24、R31、R32、R33、及びR35は、化合物の安定性、溶媒への溶解性の観点から、各々独立に、置換されていてもよい、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族炭化水素基または芳香族複素環基であることが好ましい。
 式(15a)~(17a)におけるR12、R23、及びR34は、各々独立に、2価の有機基が好ましく、置換されていてもよいアルキレン基がより好ましい。
 化合物の安定性、合成及び精製のし易さから、前記式(15a)におけるAが臭素原子、ヨウ素原子または炭素原子であり、前記式(16a)におけるAが酸素原子、炭素原子、硫黄原子またはセレン原子であり、前記式(17a)におけるAが窒素原子、リン原子、ヒ素原子またはアンチモン原子であることが好ましい。
 すなわち、本実施形態のイオン性化合物は、より好ましくは、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウム、カルベニウム(トリチル)、アニリニウム、ビスムトニウム、アンモニウム、セレニウム、ピリジニウム、イミダゾリウム、オキソニウム、キノリニウム、ピロリジニウム、アミニウム、イモニウム、トロピリウム等を含む。
 カチオン部の例として、以下が挙げられる。
 例えば、スルホニウムとしては、トリフェニルスルホニウム、トリ-p-トリルスルホニウム、トリ-o-トリルスルホニウム、トリス(4-メトキシフェニル)スルホニウム、1-ナフチルジフェニルスルホニウム、2-ナフチルジフェニルスルホニウム、トリス(4-フルオロフェニル)スルホニウム、トリ-1-ナフチルスルホニウム、トリ-2-ナフチルスルホニウム、トリス(4-ヒドロキシフェニル)スルホニウム、4-(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウム、4-(p-トリルチオ)フェニルジ-p-トリルスルホニウム、4-(4-メトキシフェニルチオ)フェニルビス(4-メトキシフェニル)スルホニウム、4-(フェニルチオ)フェニルビス(4-フルオロフェニル)スルホニウム、4-(フェニルチオ)フェニルビス(4-メトキシフェニル)スルホニウム、4-(フェニルチオ)フェニルジ-p-トリルスルホニウム、ビス[4-(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド、ビス〔4-{ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルホニオ}フェニル〕スルフィド、ビス{4-[ビス(4-フルオロフェニル)スルホニオ]フェニル}スルフィド、ビス{4-[ビス(4-メチルフェニル)スルホニオ]フェニル}スルフィド、ビス{4-[ビス(4-メトキシフェニル)スルホニオ]フェニル}スルフィド、4-(4-ベンゾイル-2-クロロフェニルチオ)フェニルビス(4-フルオロフェニル)スルホニウム、4-(4-ベンゾイル-2-クロロフェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウム、4-(4-ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4-フルオロフェニル)スルホニウム、4-(4-ベンゾイルフェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウム、7-イソプロピル-9-オキソ-10-チア-9,10-ジヒドロアントラセン-2-イルジ-p-トリルスルホニウム、7-イソプロピル-9-オキソ-10-チア-9,10-ジヒドロアントラセン-2-イルジフェニルスルホニウム、2-[(ジ-p-トリル)スルホニオ]チオキサントン、2-[(ジフェニル)スルホニオ]チオキサントン、4-[4-(4-tert-ブチルベンゾイル)フェニルチオ]フェニルジ-p-トリルスルホニウム、4-[4-(4-tert-ブチルベンゾイル)フェニルチオ]フェニルジフェニルスルホニウム、4-[4-(ベンゾイルフェニルチオ)]フェニルジ-p-トリルスルホニウム、4-[4-(ベンゾイルフェニルチオ)]フェニルジフェニルスルホニウム、5-(4-メトキシフェニル)チアアンスレニウム、5-フェニルチアアンスレニウム、5-トリルチアアンスレニウム、5-(4-エトキシフェニル)チアアンスレニウム、5-(2,4,6-トリメチルフェニル)チアアンスレニウムなどのトリアリールスルホニウム;ジフェニルフェナシルスルホニウム、ジフェニル4-ニトロフェナシルスルホニウム、ジフェニルベンジルスルホニウム、ジフェニルメチルスルホニウムなどのジアリールスルホニウム;フェニルメチルベンジルスルホニウム、4-ヒドロキシフェニルメチルベンジルスルホニウム、4-メトキシフェニルメチルベンジルスルホニウム、4-アセトカルボニルオキシフェニルメチルベンジルスルホニウム、2-ナフチルメチルベンジルスルホニウム、2-ナフチルメチル(1-エトキシカルボニル)エチルスルホニウム、フェニルメチルフェナシルスルホニウム、4-ヒドロキシフェニルメチルフェナシルスルホニウム、4-メトキシフェニルメチルフェナシルスルホニウム、4-アセトカルボニルオキシフェニルメチルフェナシルスルホニウム、2-ナフチルメチルフェナシルスルホニウム、2-ナフチルオクタデシルフェナシルスルホニウム、9-アントラセニルメチルフェナシルスルホニウムなどのモノアリールスルホニウム;ジメチルフェナシルスルホニウム、フェナシルテトラヒドロチオフェニウム、ジメチルベンジルスルホニウム、ベンジルテトラヒドロチオフェニウム、オクタデシルメチルフェナシルスルホニウムなどのトリアルキルスルホニウムなどが挙げられる。
 ヨードニウムイオンとしては、ジフェニルヨードニウム、ジ-p-トリルヨードニウム、ビス(4-ドデシルフェニル)ヨードニウム、ビス(4-メトキシフェニル)ヨードニウム、(4-オクチルオキシフェニル)フェニルヨードニウム、ビス(4-デシルオキシフェニル)ヨードニウム、4-(2-ヒドロキシテトラデシルオキシ)フェニルフェニルヨードニウム、4-イソプロピルフェニル(p-トリル)ヨードニウム、イソブチルフェニル(p-トリル)ヨードニウムなどが挙げられる。
 セレニウムイオンとしては、トリフェニルセレニウム、トリ-p-トリルセレニウム、トリ-o-トリルセレニウム、トリス(4-メトキシフェニル)セレニウム、1-ナフチルジフェニルセレニウム、トリス(4-フルオロフェニル)セレニウム、トリ-1-ナフチルセレニウム、トリ-2-ナフチルセレニウム、トリス(4-ヒドロキシフェニル)セレニウム、4-(フェニルチオ)フェニルジフェニルセレニウム、 4-(p-トリルチオ)フェニルジ-p-トリルセレニウムなどのトリアリールセレニウム;ジフェニルフェナシルセレニウム、ジフェニルベンジルセレニウム、ジフェニルメチルセレニウムなどのジアリールセレニウム;フェニルメチルベンジルセレニウム、4-ヒドロキシフェニルメチルベンジルセレニウム、フェニルメチルフェナシルセレニウム、4-ヒドロキシフェニルメチルフェナシルセレニウム、4-メトキシフェニルメチルフェナシルセレニウムなどのモノアリールセレニウム;ジメチルフェナシルセレニウム、フェナシルテトラヒドロセレノフェニウム、ジメチルベンジルセレニウム、ベンジルテトラヒドロセレノフェニウム、オクタデシルメチルフェナシルセレニウムなどのトリアルキルセレニウムなどが挙げられる。
 アンモニウムイオンとしては、例えば、テトラメチルアンモニウム、エチルトリメチルアンモニウム、ジエチルジメチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、トリメチル-n-プロピルアンモニウム、トリメチルイソプロピルアンモニウム、トリメチル-n-ブチルアンモニウム、トリメチルイソブチルアンモニウム、トリメチル-t-ブチルアンモニウム、トリメチル-n-ヘキシルアンモニウム、ジメチルジ-n-プロピルアンモニウム、ジメチルジイソプロピルアンモニウム、ジメチル-n-プロピルイソプロピルアンモニウム、メチルトリ-n-プロピルアンモニウム、メチルトリイソプロピルアンモニウムなどのテトラアルキルアンモニウム;N,N-ジメチルピロリジニウム、N-エチル-N-メチルピロリジニウム、N,N-ジエチルピロリジニウムなどのピロリジニウム;N,N'-ジメチルイミダゾリニウム、N,N'-ジエチルイミダゾリニウム、N-エチル-N'-メチルイミダゾリニウム、1,2,3-トリメチルイミダゾリニウム、1,3,4-トリメチルイミダゾリニウム、1,3-ジエチル-2-メチルイミダゾリニウム、1,3-ジエチル-4-メチルイミダゾリニウム、1,2,3,4-テトラメチルイミダゾリニウムなどのイミダゾリニウム;N,N'-ジメチルテトラヒドロピリミジニウム、N,N'-ジエチルテトラヒドロピリミジニウム、N-エチル-N'-メチルテトラヒドロピリミジニウム、1,2,3-トリメチルテトラヒドロピリミジニウムなどのテトラヒドロピリミジニウム;N,N'-ジメチルモルホリニウム、N-エチル-N-メチルモルホリニウム、N,N-ジエチルモルホリニウムなどのモルホリニウム;N,N-ジメチルピペリジニウム、N-エチル-N'-メチルピペリジニウム、N,N'-ジエチルピペリジニウムなどのピペリジニウム;N-メチルピリジニウム、N-エチルピリジニウム、N-n-プロピルピリジニウム、N-イソプロピルピリジニウム、N-n-ブチルピリジニウム、N-ベンジルピリジニウム、N-フェナシルピリジウムなどのピリジニウム;N,N'-ジメチルイミダゾリウム、N-エチル-N-メチルイミダゾリウム、N,N'-ジエチルイミダゾリウム、1,2-ジエチル-3-メチルイミダゾリウム、1,3-ジエチル-2-メチルイミダゾリウム、1-メチル-3-n-プロピル-2,4-ジメチルイミダゾリウムなどのイミダゾリウム;N-メチルキノリウム、N-エチルキノリウム、N-n-プロピルキノリウム、N-イソプロピルキノリウム、N-n-ブチルキノリウム、N-ベンジルキノリウム、N-フェナシルキノリウムなどのキノリウム;N-メチルイソキノリウム、N-エチルイソキノリウム、N-n-プロピルイソキノリウム、N-イソプロピルイソキノリウム、N-n-ブチルイソキノリウム、N-ベンジルイソキノリウム、N-フェナシルイソキノリウムなどのイソキノリウム;ベンジルベンゾチアゾニウム、フェナシルベンゾチアゾニウムなどのチアゾニウム;ベンジルアクリジウム、フェナシルアクリジウムなどのアクリジウムが挙げられる。
 ホスホニウムイオンとしては、例えば、テトラフェニルホスホニウム、テトラ-p-トリルホスホニウム、テトラキス(2-メトキシフェニル)ホスホニウム、テトラキス(3-メトキシフェニル)ホスホニウム、テトラキス(4-メトキシフェニル)ホスホニウムなどのテトラアリールホスホニウム;トリフェニルベンジルホスホニウム、トリフェニルフェナシルホスホニウム、トリフェニルメチルホスホニウム、トリフェニルブチルホスホニウムなどのトリアリールホスホニウム;トリエチルベンジルホスホニウム、トリブチルベンジルホスホニウム、テトラエチルホスホニウム、テトラブチルホスホニウム、テトラヘキシルホスホニウム、トリエチルフェナシルホスホニウム、トリブチルフェナシルホスホニウムなどのテトラアルキルホスホニウムなどが挙げられる。
 オキソニウムイオンとしては、トリメチルオキソニウム、トリエチルオキソニウム、トリプロピルオキソニウム、トリブチルオキソニウム、トリヘキシルオキソニウム、トリフェニルオキソニウム、ピリリニウム、クロメニリウム、キサンチリウムが挙げられる。
 ビスムトニウムイオンとしては、例えば、メシチルトリフェニルビスムトニウムイオン等が挙げられる。
(アンモニウムカチオン)
 本実施形態のイオン性化合物は、下記式(1a)または後述する式(2a)で表されるアンモニウムカチオンを含むことが好ましい。
 下記式(1a)で表されるアンモニウムカチオンについて説明する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000006
 式(1a)において、R、R、R、R、R及びRはそれぞれ独立に、1価の有機基又は水素原子を表す。1価の有機基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールアルキル基、カルボニル基、エーテル結合を含む1価の有機基(例えばエチレングリコール鎖を含む1価の有機基)等が挙げられる。これらの基はさらに置換基を有していてもよい。R、R、R、R、R及びRのうちの少なくとも2つが互いに結合し、環を形成していてもよい。R、R、R、R、R及びRは、互いに同一であっても異なってもよい。
 Rは2価の有機基を表す。2価の有機基としては、例えば、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基等が挙げられる。アルキレン基、アルケニレン基及びアルキニレン基はさらに置換基を有していてもよい。
 nは1以上の整数である。nは20以下が好ましく、10以下がより好ましく、5以下がさらに好ましく、3以下がさらに好ましい。nは、例えば、1~20が好ましく、1~10がより好ましく、1~5がさらに好ましく、1~3がさらに好ましい。
 nが2以上のとき、2以上のRは互いに同一であっても異なってもよい。nが2以上のとき、2以上のRは互いに同一であっても異なってもよい。nが2以上のとき、2以上のRは互いに同一であっても異なってもよい。
 本明細書において、有機基とは、炭素原子を1つ以上有する原子団をいう。
 本明細書において、アリール基とは、芳香族炭化水素から水素原子を1個を除いた原子団をいう。芳香族炭化水素としては、単環、縮合環、又は、独立した単環及び縮合環から選択される2個以上が単結合を介して結合した多環が挙げられる。
 本明細書において、ヘテロアリール基は、芳香族複素環から水素原子を1個を除いた原子団である。芳香族複素環としては、単環、縮合環、又は、独立した単環及び縮合環から選択される2個以上が単結合を介して結合した多環が挙げられる。
 R~Rの具体例を説明するが、以下に限定されない。
 前記アルキル基は、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよく、置換基を有していてもよい。アルキル基の炭素数は、1以上が好ましく、2以上がより好ましい。一方、アルキル基の炭素数は、24以下が好ましく、18以下がより好ましく、15以下がさらに好ましい。例えば、アルキル基の炭素数は、好ましくは1~24、より好ましくは2~18、さらに好ましくは2~15である。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、i-プロピル基、ブチル基、i-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、オクタデシル基、3,7-ジメチルオクチル基、ラウリル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基等が挙げられる。
 前記アルケニル基は、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよく、置換基を有していてもよい。アルケニル基の炭素数は、好ましくは2~12、より好ましくは2~6である。アルケニル基の具体例としては、ビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、イソプロペニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、1-オクテニル基、1-デセニル基、1-オクタデセニル基等が挙げられる。
 前記アルキニル基は、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよく、置換基を有していてもよい。アルキニル基の炭素数は、好ましくは2~12、より好ましくは2~6である。アルキニル基の具体例としては、エチニル基、1-プロピニル基、2-プロピニル基、1-ブチニル基、2-ブチニル基、3-ブチニル基、1-オクチニル基、1-デシニル基、1-オクタデシニル基等が挙げられる。
 前記アリール基は置換基を有していてもよい。無置換の状態の1価のアリール基の炭素数は、好ましくは6~60であり、より好ましくは6~18である。具体的には、フェニル基、C1~C12アルコキシフェニル基(C1~C12は、置換基の炭素数が1~12であることを示す。以下も同様である。)、C1~C12アルキルフェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、1-アントラセニル基、2-アントラセニル基、9-アントラセニル基、フェナントレン-イル基、ピレン-イル基、ペリレン-イル基、ペンタフルオロフェニル基等が例示さる。
 C1~C12アルキルとして具体的には、メチル、エチル、プロピル、i-プロピル、ブチル、i-ブチル、t-ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、オクチル、2-エチルヘキシル、ノニル、デシル、3,7-ジメチルオクチル、ラウリル等が例示される。
 前記ヘテロアリール基は置換基を有していてもよい。無置換の状態の1価のヘテロアリール基の炭素数は、好ましくは4~60であり、より好ましくは4~20である。具体的には、チエニル基、C1~C12アルキルチエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、C1~C12アルキルピリジル基等が例示され、チエニル基、C1~C12アルキルチエニル基、ピリジル基、C1~C12アルキルピリジル基が好ましい。C1~C12アルキルの例としては、前記のとおりである。
 前記アリールアルキル基は、アルキル基が有する水素原子の少なくとも1つがアリール基により置換された基である。アリールアルキル基は置換基を有していてもよい。無置換の状態の1価のアリールアルキル基の炭素数は、好ましくは7~19、より好ましくは7~13である。アルキル基としては、前記アルキル基が例示され、アリール基としては、前記アリール基が例示される。具体的には、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、ジフェニルメチル基等が例示される。
 前記アルキレン基は、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよく、置換基を有していてもよい。アルキレン基の炭素数は、24以下が好ましく、20以下がよりこのましく、15以下がさらに好ましい。一方、アルキレン基の炭素数は、2以上がより好ましく、3以上がさらに好ましい。アルキレン基の炭素数は、例えば、好ましくは1~24、より好ましくは2~20、さらに好ましくは2~18、さらに好ましくは3~15である。アルキレン基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、n-ブチレン基、イソブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、イソオクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ドデシレン基、ヘキサデシレン基、エイコシレン基等が挙げられる。アルキレン基の具体例としては、さらに、アルキル基の例として挙げられたものから水素原子を1個除いた基等が挙げられる。
 前記アルケニレン基は、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよく、置換基を有していてもよい。アルケニレン基の炭素数は、24以下が好ましく、20以下がよりこのましく、15以下がさらに好ましい。アルケニレン基の炭素数は、好ましくは2~24、より好ましくは2~20、さらに好ましくは2~18、さらに好ましくは3~15である。アルケニレン基の具体例としては、例えば、ビニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基等が挙げられる。アルケニレン基の具体例としては、さらに、アルケニル基の例として挙げられたものから水素原子を1個除いた基等が挙げられる。
 前記アルキニレン基は、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよく、置換基を有していてもよい。アルキニレン基の炭素数は、24以下が好ましく、20以下がよりこのましく、15以下がさらに好ましい。アルキニレン基の炭素数は、好ましくは2~24、より好ましくは2~20、さらに好ましくは2~18、さらに好ましくは3~15である。アルキニレン基の具体例としては、例えば、エチニレン基、プロピニレン基等が挙げられる。アルキニレン基の具体例としては、さらに、アルキニル基の例として挙げられたものから水素原子を1個除いた基等が挙げられる。
 式(1a)において、R~R及びR~Rのうちの少なくとも1つは、炭素数5以上(さらに好ましくは炭素数6以上、いっそう好ましくは炭素数8以上)の有機基であることが好ましい。
 R~R及びR~Rのうちの少なくとも1つが、炭素数5以上の有機基である場合、イオン性化合物を、後述する重合性官能基を有する電荷輸送性化合物とともに用いた場合に、低温硬化性を向上させて、成膜性を向上させることができる。
 また、溶解性の観点から、式(1a)において、R~R及びR~Rは、それぞれ独立にアルキル基、アルケニル基及びアルキニル基からなる群から選択される1価の有機基であることが好ましく、さらに好ましくは、R~R及びR~Rは、それぞれ独立にアルキル基であることが好ましい。
 例えば、式(1a)において、R~R及びR~Rがそれぞれ独立にアルキル基、アルケニル基及びアルキニル基からなる群から選択される1価の有機基であり、かつ、R~R及びR~Rのうちの少なくとも1つが炭素数5以上(さらに好ましくは炭素数6以上、いっそう好ましくは炭素数8以上)の1価の有機基であることも好ましい。
 例えば、式(1a)において、R、R、R及びRがそれぞれ独立にアルキル基であることが好ましい。この場合、R及びRがそれぞれ水素原子であることがより好ましい。
 例えば、式(1a)において、R、R、R及びRがそれぞれ独立にアルキル基であり、かつ、R、R、R及びRのうちの少なくとも1つが、炭素数5以上(さらに好ましくは炭素数6以上、いっそう好ましくは炭素数8以上)のアルキル基であることも好ましい。この場合、R及びRがそれぞれ水素原子であることがより好ましい。
 式(1a)において、Rはアルキレン基が好ましく、炭素数1~24のアルキレン基がより好ましく、炭素数2~20のアルキレン基がさらに好ましく、炭素数2~18のアルキレン基がさらに好ましく、炭素数3~15のアルキレン基がさらに好ましい。
 式(1a)において、Rは炭素数1以上が好ましく、硬化性及び導電性の観点から炭素数10以下が好ましく、炭素数6以下がさらに好ましく、炭素数4以下がいっそう好ましい。
 Rは炭素数が2以上のとき途中分岐していても構わない。
 下記式(2a)で表されるアンモニウムカチオンについて説明する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000007
 式(2a)において、R、R、R、R、R及びRはそれぞれ独立にアルキル基又はベンジル基を表し、Rはアルキレン基、アルケニレン基又はアルキニレン基を表す。
 R、R、R、R、R及びRは互いに同一であっても異なってもよい。アルキル基、アルキレン基、アルケニレン基及びアルキニレン基の例及び好ましい範囲は、それぞれ、式(1a)におけるアルキル基、アルキレン基、アルケニレン基及びアルキニレン基の例及び好ましい範囲と同様である。
 式(2a)において、R、R、R、R、R及びRのうちの少なくとも1つが炭素数5以上(さらに好ましくは炭素数6以上、いっそう好ましくは炭素数8以上)のアルキル基又はベンジル基であることが好ましい。 
 例えば、式(2a)において、R、R、R、R、R及びRがそれぞれ独立にアルキル基であり、R、R、R、R、R及びRのうちの少なくとも1つが炭素数5以上(さらに好ましくは炭素数6以上、いっそう好ましくは炭素数8以上)のアルキル基であることも好ましい。
 式(2a)において、Rはアルキレン基が好ましく、炭素数1~24のアルキレン基がより好ましく、炭素数2~20のアルキレン基がさらに好ましく、炭素数2~18のアルキレン基がさらに好ましく、炭素数3~15のアルキレン基がさらに好ましい。
 式(2a)において、Rは硬化性及び導電性の観点から炭素数10以下のアルキレン基が好ましく、炭素数6以下のアルキレン基がさらに好ましく、炭素数4以下のアルキレン基がいっそう好ましい。
 Rは互いに同一であってもよく異なってもよいが、互いに同一であることが好ましい。
(アニオン部)
 アニオン部は、特に限定されないが、下記式(11b)~(15b)のいずれかで表されるアニオンが好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000008
 式(11b)~(15b)中、Y~Yは、それぞれ独立に2価の連結基を表し、R~R16は、それぞれ独立に電子求引性の1価の基(R及びR、R~Rから選択される少なくとも2つの基、R~R10から選択される少なくとも2つの基、及び、R11~R16から選択される少なくとも2つの基は、それぞれ互いに結合していてもよい。)を表す。式(11b)~(15b)中、Eは酸素原子、Eは窒素原子、Eは炭素原子、Eはホウ素原子又はガリウム原子、Eはリン原子又はアンチモン原子を表す。
 2価の連結基、及び電子求引性の1価の基については、それぞれ後述する。
 イオン性化合物は、好ましくは2つ以上のアニオン部を含むが、例えば、アニオン部のうちの2つ以上(例えば、アニオン部の全て)が1つ以上の連結部で互いに連結されていてもよく、アニオン部の少なくとも1つが連結部でカチオン部と連結されていてもよく、アニオン部がいずれも連結部で連結されない形態で含まれてもよい。
 イオン性化合物は、有機エレクトロニクス素子の長時間駆動を可能にする観点、さらに、駆動電圧を低減する観点から、例えば、下記式(1b)、(2b)、(3b)、(4b)、(5b)または(6b)で表されるアニオンを含むことも好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000009
 式(1b)~(6b)において、E~Eは酸素原子、Eは窒素原子、Eは炭素原子、Eはホウ素原子又はガリウム原子、Eはリン原子又はアンチモン原子を表し、
 Y~Y43は、それぞれ独立に単結合又は2価の連結基を表し、
 R~R67は、それぞれ独立に電子求引性の1価の基又はアルキレン基等の2価の基(R31及びR32、R41~R43から選択される少なくとも2つの基、R51~R55から選択される少なくとも2つの基、及び、R61~R67から選択される少なくとも2つの基は、それぞれ互いに結合していてもよい。)を表し、
 nは1以上の整数を表す。
 2価の連結基、及び電子求引性の1価の基については、それぞれ後述する。
 式(1b)~(6b)において、Y~Y43は、それぞれ独立に単結合又は2価の連結基を表す。Y~Y43が単結合の場合、EとRとが(例えば式(1b)では、EとRとが)直接結合していることを意味する。
 以下、電子吸引性の1価の基について説明する。
 電子求引性の1価の基とは、水素原子と比べて、結合する原子側から電子を引きつけやすい置換基をいう。電子求引性の1価の基は、有機基であることが好ましい。
 電子求引性の1価の基の例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;シアノ基;チオシアノ基;ニトロ基;メシル基等のアルキルスルホニル基(例えば炭素数1~12、好ましくは炭素数1~6);トシル基等のアリールスルホニル基(例えば炭素数6~18、好ましくは炭素数6~12);メトキシスルホニル基等のアルキルオキシスルホニル基(例えば炭素数1~12、好ましくは炭素数1~6);フェノキシスルホニル基等のアリールオキシスルホニル基(例えば炭素数6~18、好ましくは炭素数6~12);ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基等のアシル基(例えば炭素数1~12、好ましくは炭素数1~6);ホルミルオキシ基、アセトキシ基等のアシルオキシ基(例えば炭素数1~20、好ましくは炭素数1~6);メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基(例えば炭素数2~10、好ましくは炭素数2~7);フェノキシカルボニル基、ピリジルオキシカルボニル基等の「アリールオキシカルボニル基又はヘテロアリールオキシカルボニル基」(例えば炭素数4~25、好ましくは炭素数5~15);トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基等の直鎖状、分岐鎖状若しくは環状の「アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基」にハロゲン原子が置換した「ハロアルキル基、ハロアルケニル基又はハロアルキニル基」(例えば炭素数1~10、好ましくは炭素数1~6);ペンタフルオロフェニル基等のアリール基にハロゲン原子が置換したハロアリール基(例えば炭素数6~20、好ましくは炭素数6~12);ペンタフルオロフェニルメチル基等のアリールアルキル基にハロゲン原子が置換したハロアリールアルキル基(例えば炭素数7~19、好ましくは炭素数7~13)等が挙げられる。
 さらに、電子求引性の1価の基の例として、負電荷を効率よく非局在化できるという観点から、前記電子求引性の1価の基の例のうち「水素原子を有する有機基」から水素原子の一部又は全てをハロゲン原子で置換した基が好ましく挙げられる。例えば、パーフルオロアルキルスルホニル基、パーフルオロアリールスルホニル基、パーフルオロアルキルオキシスルホニル基、パーフルオロアリールオキシスルホニル基、パーフルオロアシル基、パーフルオロアシルオキシ基、パーフルオロアルコキシカルボニル基、パーフルオロアリールオキシカルボニル基、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアルケニル基、パーフルオロアルキニル基、パーフルオロアリール基、パーフルオロアリールアルキル基等が挙げられる。
 電子求引性の1価の基の例としては、特に、炭素数1~8の直鎖状若しくは分岐鎖状のパーフルオロアルキル基、炭素数3~6の環状パーフルオロアルキル基、又は、炭素数6~18のパーフルオロアリール基が好ましい。
 電子求引性の1価の基は、これらに限定されるものではない。以上に示した電子求引性の1価の基の例は、置換基を有していても、また、ヘテロ原子を有していてもよい。
 電子求引性の1価の基の例として、具体的には、下記置換基群(1)において示される基が挙げられる。
置換基群(1)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000010
 以下、2価の連結基について説明する。
 2価の連結基として、例えば、下記式(1c)~(11c)のいずれかで表される連結基が挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000011
 式(7c)~(11c)中、Rは、それぞれ独立に水素原子又は1価の基を表す。
 式(7c)~(11c)中、Rは、有機基であることが好ましい。Rは、電子受容性の向上、溶媒への溶解性等の観点から、それぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はヘテロアリール基であることがより好ましい。これらの基は置換基を有していても、ヘテロ原子を有していてもよい。また、Rは、電子求引性の1価の基であることが好ましく、電子求引性の1価の基として、例えば、前記電子求引性の1価の基の例、前記置換基群(1)において示される基等が挙げられる。
 本実施形態のイオン性化合物の例として、例えば、下記式(1)で表されるイオン性化合物、後述する式(2)で表されるイオン性化合物等が挙げられる。
 下記式(1)で表されるイオン性化合物について説明する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000012
 式(1)中、R、R、R、Re及びRはそれぞれ独立に水素原子(H)、アルキル基、又はベンジル基を表し、Rはアルキレン基、アルケニレン基又はアルキニレン基を表し、Aはアニオンを表す。nは1以上の整数である。Nは好ましくはアリール基とは直接結合しない。R、R、R、Re及びRは、互いに同一であっても異なってもよい。
 nが2以上のとき、2以上のRは、互いに同一であっても異なってもよい。nが2以上のとき、2以上のRは、互いに同一であっても異なってもよい。nが2以上のとき、2以上のRは、互いに同一であっても異なってもよい。
 式(1)において、前記アルキル基は、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよく、置換基を有していてもよい。アルキル基の炭素数は、1以上が好ましく、2以上がより好ましい。一方、アルキル基の炭素数は、24以下が好ましく、18以下がより好ましく、15以下がさらに好ましい。例えば、アルキル基の炭素数は、好ましくは1~24、より好ましくは2~18、さらに好ましくは2~15である。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、i-プロピル基、ブチル基、i-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、オクタデシル基、3,7-ジメチルオクチル基、ラウリル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基等が挙げられる。
 式(1)において、前記アルキレン基は、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよく、置換基を有していてもよい。アルキレン基の炭素数は、24以下が好ましく、20以下がよりこのましく、15以下がさらに好ましい。一方、アルキレン基の炭素数は、2以上がより好ましく、3以上がさらに好ましい。アルキレン基の炭素数は、例えば、好ましくは1~24、より好ましくは2~20、さらに好ましくは2~18、さらに好ましくは3~15である。アルキレン基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、n-ブチレン基、イソブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、イソオクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ドデシレン基、ヘキサデシレン基、エイコシレン基等が挙げられる。アルキレン基の具体例としては、さらに、アルキル基の例として挙げられたものから水素原子を1個除いた基等が挙げられる。
 式(1)において、前記アルケニレン基は、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよく、置換基を有していてもよい。アルケニレン基の炭素数は、24以下が好ましく、20以下がよりこのましく、15以下がさらに好ましい。アルケニレン基の炭素数は、好ましくは2~24、より好ましくは2~20、さらに好ましくは2~18、さらに好ましくは3~15である。アルケニレン基の具体例としては、例えば、ビニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基等が挙げられる。アルケニレン基の具体例としては、さらに、式(1a)においてアルケニル基の例として挙げられたものから水素原子を1個除いた基等が挙げられる。
 式(1)において、前記アルキニレン基は、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよく、置換基を有していてもよい。アルキニレン基の炭素数は、24以下が好ましく、20以下がよりこのましく、15以下がさらに好ましい。アルキニレン基の炭素数は、好ましくは2~24、より好ましくは2~20、さらに好ましくは2~18、さらに好ましくは3~15である。アルキニレン基の具体例としては、例えば、エチニレン基、プロピニレン基等が挙げられる。アルキニレン基の具体例としては、さらに、式(1a)においてアルキニル基の例として挙げられたものから水素原子を1個除いた基等が挙げられる。
 式(1)において、R、R、R、Re及びRのうちの少なくとも1つは、炭素数5以上(さらに好ましくは炭素数6以上、いっそう好ましくは炭素数8以上)のアルキル基又はベンジル基であることが好ましい。
 式(1)において、R、R、R、Re及びRのうちの少なくとも1つが、炭素数5以上のアルキル基又はベンジル基である場合、イオン性化合物を、後述する重合性官能基を有する電荷輸送性化合物とともに用いた場合に、低温硬化性を向上させて、成膜性を向上させることができる。
 溶解性の観点から、式(1)において、R、R、R、Re及びRは、それぞれ独立にアルキル基であることが好ましい。
 例えば、R、R、R、Re及びRがそれぞれ独立にアルキル基であり、かつ、R、R、R、Re及びRのうちの少なくとも1つが炭素数5以上(さらに好ましくは炭素数6以上、いっそう好ましくは炭素数8以上)のアルキル基であることも好ましい。
 例えば、式(1)において、R、R、R、及びRがそれぞれ独立にアルキル基であることが好ましい。この場合、Reが水素原子であることがより好ましい。
 例えば、式(1)において、例えば、R、R、R、及びRがそれぞれ独立にアルキル基であり、かつ、R、R、R、及びRのうちの少なくとも1つが、炭素数5以上(さらに好ましくは炭素数6以上、いっそう好ましくは炭素数8以上)のアルキル基であることも好ましい。この場合、Reが水素原子であることがより好ましい。
 式(1)において、Rはアルキレン基が好ましく、炭素数1~24のアルキレン基がより好ましく、炭素数2~20のアルキレン基がさらに好ましく、炭素数2~18のアルキレン基がさらに好ましく、炭素数3~15のアルキレン基がさらに好ましい。
 式(1)において、Rは、硬化性及び導電性の観点から炭素数10以下のアルキレン基が好ましく、炭素数6以下のアルキレン基がさらに好ましく、炭素数4以下のアルキレン基がいっそう好ましい。
 式(1)において、Aは上述の式(11b)~(15b)のいずれかで表されるアニオンが好ましい。Aは互いに同一であってもよく異なってもよいが、互いに同一であることが好ましい。
 式(1)において、nは、例えば、1~20が好ましく、1~10がより好ましく、1~5がさらに好ましく、1~3がさらに好ましい。
 下記式(2)で表されるイオン性化合物について説明する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000013
 式(2)において、R、R、R、R、R及びRはそれぞれ独立にアルキル基又はベンジル基を表し、Rはアルキレン基、アルケニレン基又はアルキニレン基を表し、Aはアニオンを表す。
 R、R、R、R、R及びRは互いに同一であっても異なってもよい。
 アルキル基、アルキレン基、アルケニレン基及びアルキニレン基の例及び好ましい範囲は、それぞれ、式(1)におけるアルキル基、アルキレン基、アルケニレン基及びアルキニレン基の例及び好ましい範囲と同様である。
 式(2)において、R、R、R、R、R及びRのうちの少なくとも1つが、炭素数5以上(さらに好ましくは炭素数6以上、いっそう好ましくは炭素数8以上)のアルキル基又はベンジル基であることが好ましい。
 例えば、式(2)において、R、R、R、R、R及びRがそれぞれ独立にアルキル基であり、R、R、R、R、R及びRのうちの少なくとも1つが炭素数5以上(さらに好ましくは炭素数6以上、いっそう好ましくは炭素数8以上)のアルキル基であることも好ましい。
 式(2)において、Rはアルキレン基が好ましく、炭素数1~24のアルキレン基がより好ましく、炭素数2~20のアルキレン基がさらに好ましく、炭素数2~18のアルキレン基がさらに好ましく、炭素数3~15のアルキレン基がさらに好ましい。
 式(2)において、Rは硬化性及び導電性の観点から炭素数10以下のアルキレン基が好ましく、炭素数6以下のアルキレン基がさらに好ましく、炭素数4以下のアルキレン基がいっそう好ましい。
 Rは互いに同一であってもよく異なってもよいが、互いに同一であることが好ましい。
 式(2)において、Aは上述の式(11b)~(15b)のいずれかで表されるアニオンが好ましい。Aは互いに同一であってもよく異なってもよいが、互いに同一であることが好ましい。
 本実施形態のイオン性化合物の具体例として、例えば、後述するイオン性化合物1~11等が挙げられる。
 実施形態のイオン性化合物は、インク組成物に用いたときに、インク組成物としての保存安定性を向上させることができる。また、後述する重合性官能基を有する電荷輸送性化合物とともに用いた場合に、低温での硬化性を向上させ、成膜性を向上させることができる。
<有機エレクトロニクス材料>
 実施形態の有機エレクトロニクス材料は、上記実施形態のイオン性化合物を含む。有機エレクトロニクス材料は、上記実施形態のイオン性化合物を、1種のみ含有しても、又は、2種以上含有してもよい。有機エレクトロニクス材料は、さらに電荷輸送性化合物を含んでいてもよい。上記実施形態のイオン性化合物を含む有機エレクトロニクス材料を用いることによって、有機エレクトロニクス素子の長寿命化することができる。
[電荷輸送性化合物]
 有機エレクトロニクス材料は、電荷輸送性化合物を含有してもよい。電荷輸送性化合物は、低分子の化合物であっても、ポリマーであってもよい。有機溶媒への溶解性の観点からは、ポリマーであることが好ましく、昇華、再結晶等による精製が容易な観点からは低分子化合物であることが好ましい。「ポリマー」には、重合度の低いオリゴマー(例えば、数平均重合度が2以上20以下)と、重合度の高いポリマー(例えば、数平均重合度が20超)とが含まれる。電荷輸送性化合物は、市販のものでもよく、当業者公知の方法で合成したものであってもよく、特に制限はない。
 電荷輸送性化合物は、芳香族アミン構造を含む単位、カルバゾール構造を含む単位、及びチオフェン構造を含む単位からなる群から選択される少なくとも1種の単位を含むことが好ましい。
 電荷輸送性化合物は、分子内に1つ以上の重合性官能基を有することが好ましい。重合性官能基としてはとくに限定されないが、好ましい重合性官能基として、オキセタン基、エポキシ基、及びビニルエーテル基が挙げられる。
 電荷輸送性化合物が重合性官能基を有する場合、この電荷輸送性化合物と、上記実施形態のイオン性化合物とを含む有機エレクトロニクス材料をインク組成物とした場合に、低温での硬化性を向上させて、低温での成膜性を向上させることができる。
(電荷輸送性ポリマー)
 以下、電荷輸送性ポリマーについて説明する。
 電荷輸送性ポリマーは電荷を輸送する能力を有する。電荷輸送性ポリマーは、直鎖状であっても、又は、分岐構造を有していてもよい。電荷輸送性ポリマーは、好ましくは、電荷輸送性を有する2価の構造単位Dと末端部を構成する1価の構造単位Mと少なくともを含み、分岐部を構成する3価以上の構造単位Tを更に含んでもよい。電荷輸送性ポリマーは、各構造単位を、それぞれ1種のみ含んでいても、又は、それぞれ複数種含んでいてもよい。各構造単位は、「1価」~「3価以上」の結合部位において互いに結合している。
(電荷輸送性ポリマーの構造)
 電荷輸送性ポリマーに含まれる部分構造の例として、以下が挙げられる。電荷輸送性ポリマーは以下の部分構造を有するものに限定されない。部分構造中、「D」は構造単位Dを、「M」は構造単位Mを、「T」は構造単位Tを表す。「*」は、他の構造単位との結合部位を表す。以下の部分構造中、複数のDは、互いに同一の構造単位であっても、互いに異なる構造単位であってもよい。M及びTについても、同様である。
 直鎖状の電荷輸送性ポリマー
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000014
 分岐構造を有する電荷輸送性ポリマー
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000015
(構造単位D)
 構造単位Dは、電荷輸送性を有する2価の構造単位である。構造単位Dは、電荷を輸送する能力を有する原子団を含んでいればよく、特に限定されない。例えば、構造単位Dは、置換又は非置換の、芳香族アミン構造、カルバゾール構造、チオフェン構造、フルオレン構造、ベンゼン構造、ビフェニル構造、ターフェニル構造、ナフタレン構造、アントラセン構造、テトラセン構造、フェナントレン構造、ジヒドロフェナントレン構造、ピリジン構造、ピラジン構造、キノリン構造、イソキノリン構造、キノキサリン構造、アクリジン構造、ジアザフェナントレン構造、フラン構造、ピロール構造、オキサゾール構造、オキサジアゾール構造、チアゾール構造、チアジアゾール構造、トリアゾール構造、ベンゾチオフェン構造、ベンゾオキサゾール構造、ベンゾオキサジアゾール構造、ベンゾチアゾール構造、ベンゾチアジアゾール構造、ベンゾトリアゾール構造、及び、これらの1種又は2種以上を含む構造から選択される。芳香族アミン構造は、好ましくはトリアリールアミン構造であり、より好ましくはトリフェニルアミン構造である。
 一実施形態において、構造単位Dは、優れた正孔輸送性を得る観点から、置換又は非置換の、芳香族アミン構造、カルバゾール構造、チオフェン構造、フルオレン構造、ベンゼン構造、ピロール構造、及び、これらの1種又は2種以上を含む構造から選択されることが好ましく、置換又は非置換の、芳香族アミン構造、カルバゾール構造、チオフェン構造、及び、これらの1種又は2種以上を含む構造から選択されることがより好ましい。他の実施形態において、構造単位Dは、優れた電子輸送性を得る観点から、置換又は非置換の、フルオレン構造、ベンゼン構造、フェナントレン構造、ピリジン構造、キノリン構造、及び、これらの1種又は2種以上を含む構造から選択されることが好ましい。
 構造単位Dの具体例として、以下が挙げられる。構造単位Dは、以下に限定されない。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000016
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000017
 Rは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。好ましくは、Rは、それぞれ独立に、-R、-OR、-SR、-OCOR、-COOR、-SiR、ハロゲン原子、及び、後述する重合性官能基を含む基からなる群から選択される。R~R11は、それぞれ独立に、水素原子;炭素数1~22個の直鎖、環状又は分岐アルキル基;又は、炭素数2~30個のアリール基又はヘテロアリール基を表す。アルキル基は、更に、炭素数2~20個のアリール基又はヘテロアリール基により置換されていてもよく、アリール基又はヘテロアリール基は、更に、炭素数1~22個の直鎖、環状又は分岐アルキル基により置換されていてもよい。Rは、好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル置換アリール基である。Arは、炭素数2~30個のアリーレン基又はヘテロアリーレン基を表す。Arは、好ましくはアリーレン基であり、より好ましくはフェニレン基である。本明細書で、アリーレン基とは、芳香族炭化水素から水素原子2個を除いた原子団である。また、本明細書で、ヘテロアリーレン基は、芳香族複素環から水素原子2個を除いた原子団である。芳香族炭化水素及び芳香族複素環については、アリール基及びヘテロアリール基の説明で説明したとおりである。
(構造単位M)
 構造単位Mは、電荷輸送性ポリマーの末端部を構成する1価の構造単位である。構造単位Mは、特に限定されず、例えば、置換又は非置換の、芳香族炭化水素構造、芳香族複素環構造、及び、これらの1種又は2種以上を含む構造から選択される。構造単位Mが構造単位Dと同じ構造を有していてもよい。一実施形態において、構造単位Mは、電荷の輸送性を低下させずに耐久性を付与するという観点から、置換又は非置換の芳香族炭化水素構造であることが好ましく、置換又は非置換のベンゼン構造であることがより好ましい。また、他の実施形態において、後述するように、電荷輸送性ポリマーが末端部に重合性官能基を有する場合、構造単位Mは重合可能な構造(すなわち、例えば、ピロール-イル基等の重合性官能基)であってもよい。構造単位Mの具体例として、以下が挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000018
 Rは、構造単位DにおけるRと同様である。電荷輸送性ポリマーが末端部に重合性官能基を有する場合、好ましくは、Rのいずれか少なくとも1つが、重合性官能基を含む基である。
(構造単位T)
 構造単位Tは、電荷輸送性ポリマーが分岐構造を有する場合に、分岐部を構成する3価以上の構造単位である。構造単位Tは、有機エレクトロニクス素子の耐久性向上の観点から、好ましくは6価以下であり、より好ましくは4価以下であり、より好ましくは3価又は4価である。構造単位Tは、電荷輸送性を有する単位であることが好ましい。例えば、構造単位Tは、有機エレクトロニクス素子の耐久性向上の観点から、置換又は非置換の、トリフェニルアミン構造、カルバゾール構造、縮合多環式芳香族炭化水素構造、及び、これらの1種又は2種以上を含有する構造から選択される。
 構造単位Tの具体例として、以下が挙げられる。構造単位Tは、以下に限定されない。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000019
 Wは、3価の連結基を表し、例えば、炭素数2~30個のアレーントリイル基又はヘテロアレーントリイル基を表す。アレーントリイル基は、芳香族炭化水素から水素原子3個を除いた原子団である。ヘテロアレーントリイル基は、芳香族複素環から水素原子3個を除いた原子団である。Arは、それぞれ独立に2価の連結基を表し、例えば、それぞれ独立に、炭素数2~30個のアリーレン基又はヘテロアリーレン基を表す。Arは、好ましくはアリーレン基、より好ましくはフェニレン基である。Yは、2価の連結基を表し、例えば、構造単位DにおけるR(ただし、重合性官能基を含む基を除く。)のうち水素原子を1個以上有する基から、更に1個の水素原子を除いた2価の基が挙げられる。Zは、炭素原子、ケイ素原子、又はリン原子のいずれかを表す。構造単位中、ベンゼン環及びArは、置換基を有していてもよく、置換基の例として、構造単位DにおけるRが挙げられる。
(重合性官能基)
 一実施形態において、重合反応により硬化させ、溶剤への溶解度を変化させる観点から、電荷輸送性ポリマーは、重合性官能基を少なくとも1つ有することが好ましい。「重合性官能基」とは、熱及び/又は光を加えることにより、互いに結合を形成し得る官能基をいう。
 重合性官能基としては、炭素-炭素多重結合を有する基(例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、エチニル基、アクリロイル基、アクリロイルオキシ基、アクリロイルアミノ基、メタクリロイル基、メタクリロイルオキシ基、メタクリロイルアミノ基、ビニルオキシ基、ビニルアミノ基等)、小員環を有する基(例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基等の環状アルキル基;エポキシ基(オキシラニル基)、オキセタン基(オキセタニル基)等の環状エーテル基;ジケテン基;エピスルフィド基;ラクトン基;ラクタム基等)、複素環基(例えば、フラン-イル基、ピロール-イル基、チオフェン-イル基、シロール-イル基)などが挙げられる。これらは置換基を有してもよく、置換基としては、アルキル基等が挙げられ、炭素数1~10のアルキル基が好ましい。重合性官能基としては、特に、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、エポキシ基、及びオキセタン基が好ましく、反応性及び有機エレクトロニクス素子の特性の観点から、ビニル基、オキセタン基、又はエポキシ基がより好ましい。
 重合性官能基の自由度を上げ、重合反応を生じさせやすくする観点からは、電荷輸送性ポリマーの主骨格と重合性官能基とが、アルキレン鎖で連結されていることが好ましい。
 また、例えば、電極上に有機層を形成する場合、ITO等の親水性電極との親和性を向上させる観点からは、エチレングリコール鎖、ジエチレングリコール鎖等の親水性の鎖で連結されていることが好ましい。さらに、重合性官能基を導入するために用いられるモノマーの調製が容易になる観点からは、電荷輸送性ポリマーは、アルキレン鎖及び/又は親水性の鎖の末端部、すなわち、これらの鎖と重合性官能基との連結部、及び/又は、これらの鎖と電荷輸送性ポリマーの骨格との連結部に、エーテル結合又はエステル結合を有していてもよい。前述の「重合性官能基を含む基」とは、重合性官能基それ自体、又は、重合性官能基とアルキレン鎖等とを合わせた基を意味する。重合性官能基を含む基として、例えば、国際公開第WO2010/140553号に例示された基を好適に用いることができる。
 重合性官能基は、電荷輸送性ポリマーの末端部(すなわち、構造単位M)に導入されていても、末端部以外の部分(すなわち、構造単位D又はT)に導入されていても、末端部と末端以外の部分の両方に導入されていてもよい。硬化性の観点からは、少なくとも末端部に導入されていることが好ましく、硬化性及び電荷輸送性の両立を図る観点からは、末端部のみに導入されていることが好ましい。また、電荷輸送性ポリマーが分岐構造を有する場合、重合性官能基は、電荷輸送性ポリマーの主鎖に導入されていても、側鎖に導入されていてもよく、主鎖と側鎖の両方に導入されていてもよい。
 重合性官能基は、溶解度の変化に寄与する観点からは、電荷輸送性ポリマー中に多く含まれる方が好ましい。一方、電荷輸送性を妨げない観点からは、電荷輸送性ポリマー中に含まれる量が少ない方が好ましい。重合性官能基の含有量は、これらを考慮し、適宜設定できる。
 例えば、電荷輸送性ポリマー1分子あたりの重合性官能基数は、十分な溶解度の変化を得る観点から、2個以上が好ましく、3個以上がより好ましい。また、重合性官能基数は、電荷輸送性を保つ観点から、1,000個以下が好ましく、500個以下がより好ましい。
 電荷輸送性ポリマー1分子あたりの重合性官能基数は、電荷輸送性ポリマーを合成するために使用した、重合性官能基の仕込み量(例えば、重合性官能基を有するモノマーの仕込み量)、各構造単位に対応するモノマーの仕込み量、電荷輸送性ポリマーの重量平均分子量等を用い、平均値として求めることができる。また、重合性官能基の数は、電荷輸送性ポリマーのH NMR(核磁気共鳴)スペクトルにおける重合性官能基に由来するシグナルの積分値と全スペクトルの積分値との比、電荷輸送性ポリマーの重量平均分子量等を利用し、平均値として算出できる。簡便であることから、仕込み量が明らかである場合は、好ましくは、仕込み量を用いて求めた値を採用する。
(数平均分子量)
 電荷輸送性ポリマーの数平均分子量は、溶剤への溶解性、成膜性等を考慮して適宜、調整できる。数平均分子量は、電荷輸送性に優れるという観点から、500以上が好ましく、1,000以上がより好ましく、2,000以上が更に好ましい。また、数平均分子量は、溶媒への良好な溶解性を保ち、インク組成物の調製を容易にするという観点から、1,000,000以下が好ましく、100,000以下がより好ましく、50,000以下が更に好ましい。
(重量平均分子量)
 電荷輸送性ポリマーの重量平均分子量は、溶剤への溶解性、成膜性等を考慮して適宜、調整できる。重量平均分子量は、電荷輸送性に優れるという観点から、1,000以上が好ましく、5,000以上がより好ましく、10,000以上が更に好ましい。また、重量平均分子量は、溶媒への良好な溶解性を保ち、インク組成物の調製を容易にするという観点から、1,000,000以下が好ましく、700,000以下がより好ましく、400,000以下が更に好ましい。
 数平均分子量及び重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により、標準ポリスチレンの検量線を用いて測定することができる。
(構造単位の割合)
 電荷輸送性ポリマーに含まれる構造単位Dの割合は、十分な電荷輸送性を得る観点から、全構造単位を基準として、10モル%以上が好ましく、20モル%以上がより好ましく、30モル%以上が更に好ましい。また、構造単位Dの割合は、構造単位M及び必要に応じて導入される構造単位Tを考慮すると、95モル%以下が好ましく、90モル%以下がより好ましく、85モル%以下が更に好ましい。
 電荷輸送性ポリマーに含まれる構造単位Mの割合は、有機エレクトロニクス素子の特性向上の観点、又は、粘度の上昇を抑え、電荷輸送性ポリマーの合成を良好に行う観点から、全構造単位を基準として、5モル%以上が好ましく、10モル%以上がより好ましく、15モル%以上が更に好ましい。また、構造単位Mの割合は、十分な電荷輸送性を得る観点から、60モル%以下が好ましく、55モル%以下がより好ましく、50モル%以下が更に好ましい。
 電荷輸送性ポリマーが構造単位Tを含む場合、構造単位Tの割合は、有機エレクトロニクス素子の耐久性向上の観点から、全構造単位を基準として、1モル%以上が好ましく、5モル%以上がより好ましく、10モル%以上が更に好ましい。また、構造単位Tの割合は、粘度の上昇を抑え、電荷輸送性ポリマーの合成を良好に行う観点、又は、十分な電荷輸送性を得る観点から、50モル%以下が好ましく、40モル%以下がより好ましく、30モル%以下が更に好ましい。
 電荷輸送性ポリマーが重合性官能基を有する場合、重合性官能基の割合は、電荷輸送性ポリマーを効率よく硬化させるという観点から、全構造単位を基準として、0.1モル%以上が好ましく、1モル%以上がより好ましく、3モル%以上が更に好ましい。また、重合性官能基の割合は、良好な電荷輸送性を得るという観点から、70モル%以下が好ましく、60モル%以下がより好ましく、50モル%以下が更に好ましい。なお、ここでの「重合性官能基の割合」とは、重合性官能基を有する構造単位の割合をいう。
 電荷輸送性、耐久性、生産性等のバランスを考慮すると、構造単位D及び構造単位Mの割合(モル比)は、D:M=100:1~70が好ましく、100:3~50がより好ましく、100:5~30が更に好ましい。また、電荷輸送性ポリマーが構造単位Tを含む場合、構造単位D、構造単位M、及び構造単位Tの割合(モル比)は、D:M:T=100:10~200:10~100が好ましく、100:20~180:20~90がより好ましく、100:40~160:30~80が更に好ましい。
 構造単位の割合は、電荷輸送性ポリマーを合成するために使用した、各構造単位に対応するモノマーの仕込み量を用いて求めることができる。また、構造単位の割合は、電荷輸送性ポリマーのH NMRスペクトルにおける各構造単位に由来するスペクトルの積分値を利用し、平均値として算出することができる。簡便であることから、仕込み量が明らかである場合は、好ましくは、仕込み量を用いて求めた値を採用する。
(製造方法)
 電荷輸送性ポリマーは、種々の合成方法により製造でき、特に限定されない。例えば、鈴木カップリング、根岸カップリング、園頭カップリング、スティルカップリング、ブッフバルト・ハートウィッグカップリング等の公知のカップリング反応を用いることができる。鈴木カップリングは、芳香族ボロン酸誘導体と芳香族ハロゲン化物の間で、Pd触媒を用いたクロスカップリング反応を起こさせるものである。鈴木カップリングによれば、所望とする芳香環同士を結合させることにより、電荷輸送性ポリマーを簡便に製造できる。
 カップリング反応では、触媒として、例えば、Pd(0)化合物、Pd(II)化合物、Ni化合物等が用いられる。また、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、酢酸パラジウム(II)等を前駆体とし、ホスフィン配位子と混合することにより発生させた触媒種を用いることもできる。電荷輸送性ポリマーの合成方法については、例えば、国際公開第WO2010/140553号の記載を参照できる。
(電荷輸送性低分子化合物)
 以下、電荷輸送性低分子化合物について説明する。
 電荷輸送性低分子化合物は、電荷を輸送する能力を有する原子団を含んでいればよく、特に限定されない。電荷輸送性低分子化合物は、重合性官能基を有していてもよい。電荷輸送性低分子化合物は、芳香族アミン構造を含む単位、カルバゾール構造を含む単位、及びチオフェン構造を含む単位からなる群から選択される少なくとも1種の単位を含むことが好ましい。
(電荷輸送性低分子化合物の構造)
 電荷輸送性低分子化合物の構造の例として、以下が挙げられる。「D」は構造単位Dを、「M」は構造単位Mを表す。構造単位D及び構造単位Mについては、上述のとおりである。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000020
 有機エレクトロニクス材料は、電荷輸送性化合物を、1種のみ含有しても、又は、2種以上含有してもよい。
 有機エレクトロニクス材料が、イオン性化合物と電荷輸送性化合物とを含有する場合、イオン性化合物の含有量は、成膜性の観点から、電荷輸送性化合物の質量を基準として、0.1質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上が更に好ましい。また、イオン性化合物の含有量は、有機エレクトロニクス素子の駆動電圧の観点から、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下が更に好ましい。
[溶媒]
 有機エレクトロニクス材料は、更に溶媒を含有してもよい。溶媒を含有する有機エレクトロニクス材料は、インク組成物として有機エレクトロニクス素子の製造に好ましく用いられる。
 溶媒としては、水、有機溶媒、又はこれらの混合溶媒を使用できる。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール;ペンタン、ヘキサン、オクタン等のアルカン;シクロヘキサン等の環状アルカン;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、ジフェニルメタン等の芳香族炭化水素;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール-1-モノメチルエーテルアセタート等の脂肪族エーテル;1,2-ジメトキシベンゼン、1,3-ジメトキシベンゼン、アニソール、フェネトール、2-メトキシトルエン、3-メトキシトルエン、4-メトキシトルエン、2,3-ジメチルアニソール、2,4-ジメチルアニソール等の芳香族エーテル;酢酸エチル、酢酸n-ブチル、乳酸エチル、乳酸n-ブチル等の脂肪族エステル;酢酸フェニル、プロピオン酸フェニル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸n-ブチル等の芳香族エステル;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒;ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、アセトン、クロロホルム、塩化メチレンなどが挙げられる。好ましくは、芳香族炭化水素、脂肪族エステル、芳香族エステル、脂肪族エーテル、芳香族エーテル等である。溶媒としては、非極性の有機溶媒が好ましい。
 溶媒の含有量は、種々の塗布方法へ適用することを考慮して定めることができる。例えば、溶媒の含有量は、溶媒に対しイオン性化合物の割合が、0.1質量%以上となる量が好ましく、0.2質量%以上となる量がより好ましく、0.5質量%以上となる量が更に好ましい。また、溶媒の含有量は、溶媒に対しイオン性化合物の割合が、20質量%以下となる量が好ましく、15質量%以下となる量がより好ましく、10質量%以下となる量が更に好ましい。
[添加剤]
 有機エレクトロニクス材料は、更に、任意成分として添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、重合禁止剤、安定剤、増粘剤、ゲル化剤、難燃剤、酸化防止剤、還元防止剤、酸化剤、還元剤、表面改質剤、乳化剤、消泡剤、分散剤、界面活性剤等が挙げられる。
<有機層>
 本発明の実施形態である有機層は、前記実施形態の有機エレクトロニクス材料を用いて形成された層である。溶媒を含有する有機エレクトロニクス材料を用いることによって、塗布法により有機層を良好に形成できる。塗布方法としては、例えば、スピンコーティング法;キャスト法;浸漬法;凸版印刷、凹版印刷、オフセット印刷、平版印刷、凸版反転オフセット印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷等の有版印刷法;インクジェット法等の無版印刷法などの公知の方法が挙げられる。塗布法によって有機層を形成する場合、塗布後に得られた有機層(塗布層)を、ホットプレート又はオーブンを用いて乾燥させ、溶媒を除去してもよい。
 有機エレクトロニクス材料が、重合性官能基を有する電荷輸送性化合物を含有する場合、光照射、加熱処理等によりこれらの重合反応を進行させ、有機層の溶解度を変化させることができる。有機エレクトロニクス材料において、イオン性化合物は、重合開始剤として機能し得る。溶解度を変化させた有機層を積層することで、有機エレクトロニクス素子の多層化を容易に図ることが可能となる。有機層の形成方法については、例えば、国際公開第WO2010/140553号の記載を参照できる。
 有機エレクトロニクス材料が重合性官能基を有する電荷輸送性化合物を含有する場合、インク組成物としたときに低温での硬化性を向上させることができる。また、良好な有機層の積層が可能となり、有機エレクトロニクス素子としたときに、有機エレクトロニクス素子の長寿命化を達成できる。
 乾燥後又は硬化後の有機層の厚さは、電荷輸送の効率を向上させる観点から、好ましくは0.1nm以上であり、より好ましくは1nm以上であり、更に好ましくは3nm以上である。また、有機層の厚さは、電気抵抗を小さくする観点から、好ましくは300nm以下であり、より好ましくは200nm以下であり、更に好ましくは100nm以下である。
<有機エレクトロニクス素子>
 本発明の実施形態である有機エレクトロニクス素子は、少なくとも前記実施形態の有機層を有する。有機層は、例えば、重合により不溶化した層であってよく、有機エレクトロニクス素子は、例えば、重合により不溶化した有機層上に、さらに別の層を成膜し、多層化したものであってよい。
 有機エレクトロニクス素子として、例えば、有機EL素子、有機光電変換素子、有機トランジスタ等が挙げられる。有機エレクトロニクス素子は、好ましくは、少なくとも一対の電極の間に有機層が配置された構造を有する。
[有機EL素子]
 本発明の実施形態である有機EL素子は、少なくとも前記実施形態の有機層を有する。
 有機EL素子は、通常、発光層、陽極、陰極、及び基板を備えており、必要に応じて、正孔注入層、電子注入層、正孔輸送層、電子輸送層等の他の機能層を備えている。各層は、蒸着法により形成してもよく、塗布法により形成してもよい。有機EL素子は、好ましくは、有機層を発光層又は他の機能層として有し、より好ましくは機能層として有し、更に好ましくは正孔注入層及び正孔輸送層の少なくとも一方として有する。
 図1は、有機EL素子の一実施形態を示す断面模式図である。図1の有機EL素子は、多層構造の素子であり、基板8、陽極2、正孔注入層3、正孔輸送層6、発光層1、電子輸送層7、電子注入層5、並びに陰極4をこの順に有している。なお、図1は例示であり、実施形態の有機EL素子はこの図に限定されるものではない。以下、各層について説明する。
 図1では、正孔注入層3が、上記の有機エレクトロニクス材料を用いて形成された有機層である。しかし、実施形態の有機ELはこのような構造に限らず、他の有機層が、上記の有機エレクトロニクス材料を用いて形成された有機層であってもよい。例えば、上記の有機エレクトロニクス材料を用いて形成された有機層を、正孔輸送層、正孔注入層及び発光層から選択される少なくとも1つの層として含むことが好ましい。
[発光層]
 発光層に用いる材料として、低分子化合物、ポリマー、デンドリマー等の発光材料を使用できる。ポリマーは、溶媒への溶解性が高く、塗布法に適しているため好ましい。発光材料としては、蛍光材料、燐光材料、熱活性化遅延蛍光材料(TADF)等が挙げられる。
 蛍光材料として、ペリレン、クマリン、ルブレン、キナクドリン、スチルベン、色素レーザー用色素、アルミニウム錯体、これらの誘導体等の低分子化合物;ポリフルオレン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリビニルカルバゾール、フルオレンーベンゾチアジアゾール共重合体、フルオレン-トリフェニルアミン共重合体、これらの誘導体等のポリマー;これらの混合物等が挙げられる。
 燐光材料として、Ir、Pt等の金属を含む金属錯体などを使用できる。Ir錯体としては、例えば、青色発光を行うFIr(pic)(イリジウム(III)ビス[(4,6-ジフルオロフェニル)-ピリジネート-N,C]ピコリネート)、緑色発光を行うIr(ppy)(ファク トリス(2-フェニルピリジン)イリジウム)、赤色発光を行う(btp)Ir(acac)(ビス〔2-(2’-ベンゾ[4,5-α]チエニル)ピリジナート-N,C〕イリジウム(アセチル-アセトネート))、Ir(piq)(トリス(1-フェニルイソキノリン)イリジウム)等が挙げられる。Pt錯体としては、例えば、赤色発光を行うPtOEP(2、3、7、8、12、13、17、18-オクタエチル-21H、23H-フォルフィンプラチナ)等が挙げられる。
 発光層が燐光材料を含む場合、燐光材料の他に、更にホスト材料を含むことが好ましい。ホスト材料としては、低分子化合物、ポリマー、又はデンドリマーを使用できる。低分子化合物としては、例えば、CBP(4,4’-ビス(9H-カルバゾール-9-イル)ビフェニル)、mCP(1,3-ビス(9-カルバゾリル)ベンゼン)、CDBP(4,4’-ビス(カルバゾール-9-イル)-2,2’-ジメチルビフェニル)、これらの誘導体等が、ポリマーとしては、前記実施形態の有機エレクトロニクス材料、ポリビニルカルバゾール、ポリフェニレン、ポリフルオレン、これらの誘導体等が挙げられる。
 熱活性化遅延蛍光材料としては、例えば、Adv. Mater., 21, 4802-4906 (2009);Appl. Phys. Lett., 98, 083302 (2011);Chem. Comm., 48, 9580 (2012);Appl. Phys. Lett., 101, 093306 (2012);J. Am. Chem. Soc., 134, 14706 (2012);Chem. Comm., 48, 11392 (2012);Nature, 492, 234 (2012);Adv. Mater., 25, 3319 (2013);J. Phys. Chem. A, 117, 5607 (2013);Phys. Chem. Chem. Phys., 15, 15850 (2013);Chem. Comm., 49, 10385 (2013);Chem. Lett., 43, 319 (2014)等に記載の化合物が挙げられる。
[正孔輸送層、正孔注入層]
 図1では、正孔注入層3が、上記の有機エレクトロニクス材料を用いて形成された有機層であるが、実施形態の有機ELはこのような構造に限らず、他の有機層が上記の有機エレクトロニクス材料を用いて形成された有機層であってもよい。
 例えば、有機EL素子が、上記の有機エレクトロニクス材料を用いて形成された有機層を正孔輸送層及び正孔注入層として有してもよい。また、有機EL素子が上記の有機エレクトロニクス材料を用いて形成された有機層を正孔輸送層として有し、さらに正孔注入層を有する場合、正孔注入層には公知の材料を使用してもよい。また、例えば、有機EL素子が、式(1a)で表されるアンモニウムカチオンとアニオンとからなるイオン性化合物を含む上記の有機エレクトロニクス材料を用いて形成された有機層を正孔注入層として有し、さらに正孔輸送層を有する場合、正孔輸送層には公知の材料を使用してもよい。
 また、例えば、正孔注入層を、式(1a)で表されるアンモニウムカチオンとアニオンとからなるイオン性化合物を含む上記の有機エレクトロニクス材料を用いて形成された有機層として、正孔輸送層を、正孔注入層と同じ電荷輸送性化合物を用いて作成してもよく、逆に、正孔輸送層を、式(1a)で表されるアンモニウムカチオンとアニオンとからなるイオン性化合物を含む有機エレクトロニクス材料を用いて形成された有機層として、正孔注入層を、正孔輸送層と同じ電荷輸送性化合物を用いた層としてもよい。
 正孔注入層及び正孔輸送層に用いることができる材料として、例えば、芳香族アミン系化合物、フタロシアニン系化合物、チオフェン系化合物等が挙げられる。
[電子輸送層、電子注入層]
 電子輸送層及び電子注入層に用いる材料としては、例えば、フェナントロリン誘導体、ビピリジン誘導体、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、ナフタレン、ペリレンなどの縮合環テトラカルボン酸無水物、カルボジイミド、フルオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、キノキサリン誘導体、アルミニウム錯体(例えばBAlq、Alq)等が挙げられる。
[陰極]
 陰極材料としては、例えば、Li、Ca、Mg、Al、In、Cs、Ba、Mg/Ag、LiF、CsF等の金属又は金属合金が用いられる。
[陽極]
 陽極材料としては、例えば、金属(例えば、Au)又は導電性を有する他の材料が用いられる。他の材料として、例えば、酸化物(例えば、ITO:酸化インジウム/酸化錫)、導電性高分子(例えば、ポリチオフェン-ポリスチレンスルホン酸混合物(PEDOT:PSS))が挙げられる。
[基板]
 基板として、ガラス、プラスチック等を使用できる。基板は、透明であることが好ましく、また、フレキシブル性を有することが好ましい。石英ガラス、光透過性樹脂フィルム等が好ましく用いられる。
 樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート等からなるフィルムが挙げられる。
 樹脂フィルムを用いる場合、水蒸気、酸素等の透過を抑制するために、樹脂フィルムへ酸化珪素、窒化珪素等の無機物をコーティングして用いてもよい。
[発光色]
 有機EL素子の発光色は特に限定されるものではない。白色の有機EL素子は、家庭用照明、車内照明、時計又は液晶のバックライト等の各種照明器具に用いることができるため好ましい。
 白色の有機EL素子を形成する方法としては、複数の発光材料を用いて複数の発光色を同時に発光させて混色させる方法を用いることができる。複数の発光色の組み合わせとしては、特に限定されるものではないが、例えば、青色、緑色及び赤色の3つの発光極大波長を含有する組み合わせ、青色と黄色、黄緑色と橙色等の補色の関係を利用した2つの発光極大波長を含有する組み合わせが挙げられる。発光色の制御は、発光材料の種類と量の調整により行うことができる。
<表示素子、照明装置、表示装置>
 本発明の実施形態である表示素子は、前記実施形態の有機EL素子を備えている。例えば、赤、緑及び青(RGB)の各画素に対応する素子として、有機EL素子を用いることで、カラーの表示素子が得られる。画像の形成方法には、マトリックス状に配置した電極でパネルに配列された個々の有機EL素子を直接駆動する単純マトリックス型と、各素子に薄膜トランジスタを配置して駆動するアクティブマトリックス型とがある。
 また、本発明の実施形態である照明装置は、本発明の実施形態の有機EL素子を備えている。さらに、本発明の実施形態である表示装置は、照明装置と、表示手段として液晶素子とを備えている。例えば、表示装置は、バックライトとして本発明の実施形態である照明装置を用い、表示手段として公知の液晶素子を用いた表示装置、すなわち液晶表示装置とできる。
 2018年10月31日に出願された日本国特許出願第2018-205089号の開示はその全体が参照によりここに取り込まれる。
 以下に、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<イオン性化合物の合成>
[実施例1]
(イオン性化合物1の合成)
 下記構造のイオン性化合物1を以下のようにして合成した。
 1,12ビス(ジドデシルアミノ)ドデカン36.1g(30mmol)にアセトン75gと純水15gを加え撹拌し均一溶液とした後、10%塩化水素水溶液21.9gをゆっくりと滴下し、滴下終了後1時間撹拌した。この溶液から溶剤を減圧溜去した。ついで、Sodium tetrakis(pentaphenyl)borate(10%aq.)463.3g(66mmol)を混合し、1時間撹拌した。これを5回水洗し、乾燥し液体状の物質を得た。(イオン性化合物1、収量163.1g/反応収率73%)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000021
[実施例2]
(イオン性化合物2の合成)
 下記構造のイオン性化合物2を以下のようにして合成した。
 1,12ビス(ジヘキシルアミノ)ドデカン56.9g(30mmol)にアセトン75gと純水15gを加え撹拌し均一溶液とした後、10%塩化水素水溶液21.9gをゆっくりと滴下し、滴下終了後1時間撹拌した。この溶液から溶剤を減圧溜去した。ついで、Sodium tetrakis(pentaphenyl)borate(10%aq.)463.3g(66mmol)を混合し、1時間撹拌した。これを5回水洗し、乾燥し固体状の物質を得た。(イオン性化合物2、収量123.3g/反応収率65%)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000022
[実施例3]
(イオン性化合物3の合成)
 下記構造のイオン性化合物3を以下のようにして合成した。
 1,12ビス(ジエチルアミノ)ドデカン50.2g(30mmol)にアセトン75gと純水15gを加え撹拌し均一溶液とした後、10%塩化水素水溶液21.9gをゆっくりと滴下し、滴下終了後1時間撹拌した。この溶液から溶剤を減圧溜去した。ついで、Sodium tetrakis(pentaphenyl)borate(10%aq.)463.3g(66mmol)を混合し、1時間撹拌した。これを5回水洗し、乾燥し液体状の物質を得た。(イオン性化合物3、収量128.8g/反応収率77%)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000023
[実施例4]
(イオン性化合物4の合成)
 下記構造のイオン性化合物4を以下のようにして合成した。
 1,6ビス(ジドデシルアミノ)ヘキサン64.5g(30mmol)にアセトン75gと純水15gを加え撹拌し均一溶液とした後、10%塩化水素水溶液21.9gをゆっくりと滴下し、滴下終了後1時間撹拌した。この溶液から溶剤を減圧溜去した。ついで、Sodium tetrakis(pentaphenyl)borate(10%aq.)463.3g(66mmol)を混合し、1時間撹拌した。これを5回水洗し、乾燥し固体状の物質を得た。(イオン性化合物4、収量167.7g/反応収率78%)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000024
[実施例5]
(イオン性化合物5の合成)
 下記構造のイオン性化合物5を以下のようにして合成した。
 1,3ビス(ジオクタデシルアミノ)プロパン73.3g(30mmol)にアセトン75gと純水15gを加え撹拌し均一溶液とした後、10%塩化水素水溶液21.9gをゆっくりと滴下し、滴下終了後1時間撹拌した。この溶液から溶剤を減圧溜去した。ついで、Sodium tetrakis(pentaphenyl)borate(10%aq.)463.3g(66mmol)を混合し、1時間撹拌した。これを5回水洗し、乾燥し固体状の物質を得た。(イオン性化合物5、収量180.9g/反応収率74%)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000025
[実施例6]
(イオン性化合物6の合成)
 下記構造のイオン性化合物6を以下のようにして合成した。
 1,3ビス(ジドデシルアミノ)プロパン63.2g(30mmol)にアセトン75gと純水15gを加え撹拌し均一溶液とした後、10%塩化水素水溶液21.9gをゆっくりと滴下し、滴下終了後1時間撹拌した。この溶液から溶剤を減圧溜去した。ついで、Sodium tetrakis(pentaphenyl)borate(10%aq.)463.3g(66mmol)を混合し、1時間撹拌した。これを5回水洗し、乾燥し固体状の物質を得た。(イオン性化合物6、収量177.0g/反応収率84%)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000026
[実施例7]
(イオン性化合物7の合成)
 下記構造のイオン性化合物7を以下のようにして合成した。
 1,3ビス(ジヘキシルアミノ)プロパン53.1g(30mmol)にアセトン75gと純水15gを加え撹拌し均一溶液とした後、10%塩化水素水溶液21.9gをゆっくりと滴下し、滴下終了後1時間撹拌した。この溶液から溶剤を減圧溜去した。ついで、Sodium tetrakis(pentaphenyl)borate(10%aq.)463.3g(66mmol)を混合し、1時間撹拌した。これを5回水洗し、乾燥し固体状の物質を得た。(イオン性化合物7、収量122.2g/反応収率69%)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000027
[実施例8]
(イオン性化合物8の合成)
 下記構造のイオン性化合物8を以下のようにして合成した。
 テトラメチル-1,3-ジアミノプロパン44.7g(30mmol)にアセトン75gと純水15gを加え撹拌し均一溶液とした後、10%塩化水素水溶液21.9gをゆっくりと滴下し、滴下終了後1時間撹拌した。この溶液から溶剤を減圧溜去した。ついで、Sodium tetrakis(pentaphenyl)borate(10%aq.)463.3g(66mmol)を混合し、1時間撹拌した。これを5回水洗し、乾燥し固体状の物質を得た。(イオン性化合物8、収量105.8g/反応収率71%)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000028
[実施例9]
(イオン性化合物9の合成)
 下記構造のイオン性化合物9を以下のようにして合成した。
 7,11,15-トリヘキシル-7,11,15-トリアザヘニコサン70.0g(30mmol)にアセトン75gと純水15gを加え撹拌し均一溶液とした後、10%塩化水素水溶液32.9gをゆっくりと滴下し、滴下終了後1時間撹拌した。この溶液から溶剤を減圧溜去した。ついで、Sodium tetrakis(pentaphenyl)borate(10%aq.)695.0g(99mmol)を混合し、1時間撹拌した。これを5回水洗し、乾燥し固体状の物質を得た。(イオン性化合物9、収量158.7g/反応収率68%)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000029
[実施例10]
(イオン性化合物10の合成)
 下記構造のイオン性化合物10を以下のようにして合成した。
 7,11,15,19-テトラヘキシル-7,11,15,19-テトラアザペンタコサン76.8g(30mmol)にアセトン75gと純水 15gを加え撹拌し均一溶液とした後、10%塩化水素水溶液43.8gをゆっくりと滴下し、滴下終了後1時間撹拌した。この溶液から溶剤を減圧溜去した。ついで、Sodium tetrakis(pentaphenyl)borate(10%aq.)926.6g(122mmol)を混合し、1時間撹拌した。これを5回水洗し、乾燥し固体状の物質を得た。(イオン性化合物10、収量156.2g/反応収率61%)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000030
[実施例11]
(イオン性化合物11の合成)
 下記構造のイオン性化合物11を以下のようにして合成した。
 N,N,N-トリス(3-ジヘキシルアミノプロピル)アミン76.8g(30mmol)にアセトン75gと純水 15gを加え撹拌し均一溶液とした後、10%塩化水素水溶液43.8gをゆっくりと滴下し、滴下終了後1時間撹拌した。この溶液から溶剤を減圧溜去した。ついで、Sodium tetrakis(pentaphenyl)borate(10%aq.)926.6g(122mmol)を混合し、1時間撹拌した。これを5回水洗し、乾燥し固体状の物質を得た。(イオン性化合物11、収量140.8g/反応収率55%)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000031
[比較例1]
(イオン性化合物12の合成)
 下記構造のイオン性化合物12を以下のようにして合成した。
 トリドデシルアミン 36.1g(30mmol)にアセトン75gと純水15gを加え撹拌し均一溶液とした後、10%塩化水素水溶液11.0gをゆっくりと滴下し、滴下終了後1時間撹拌した。この溶液から溶剤を減圧溜去した。ついで、Sodium tetrakis(pentaphenyl)borate(10%aq.)231.7g(33mmol)を混合し、1時間撹拌した。これを5回水洗し、乾燥し固体状の物質を得た。(イオン性化合物12、収量98.6g/反応収率82%)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000032
<耐熱性の評価>
 実施例1~11のイオン性化合物(イオン性化合物1~11)及び比較例1のイオン性化合物(イオン性化合物12)のそれぞれについて耐熱性の評価を行った。
 耐熱性の評価は、TG-DTA測定装置(株式会社島津製作所製DTG-60H)を用いて、重量5%減少温度T95(℃)を測定することにより求めた。空気中で各イオン性化合物10mgを5℃/分の昇温条件で400℃まで加熱し、初期重量の95%となった時の温度をT95とした。実施例1~11のイオン性化合物(イオン性化合物1~11)及び比較例1のイオン性化合物(イオン性化合物12)のT95(℃)は下記表1に記載する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000033
 比較例1と比較し、実施例1~11のいずれにおいても耐熱性が向上した。
<電荷輸送性化合物の合成>
(Pd触媒の調製)
 窒素雰囲気下のグローブボックス中で、室温下、サンプル管にトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(73.2mg、80μmol)を秤取り、アニソール(15mL)を加え、30分間撹拌した。同様に、サンプル管にトリス(t-ブチル)ホスフィン(129.6mg、640μmol)を秤取り、アニソール(5mL)を加え、5分間撹拌した。これらの溶液を混合し、室温で30分間撹拌し、触媒とした。
(電荷輸送性ポリマー1の合成)
 三口丸底フラスコに、下記モノマー1(4.0mmol)、下記モノマー2(5.0mmol)、下記モノマー3(2.0mmol)、及びアニソール(20mL)を加え、さらに、調製したPd触媒溶液(7.5mL)を加えた。この混合物を30分撹拌した後、10質量%テトラエチルアンモニウム水酸化物水溶液(20mL)を加えた。すべての溶媒は、30分以上窒素バブルにより脱気した後、使用した。得られた混合物を、2時間、加熱還流した。ここまでの全ての操作は窒素気流下で行った。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000034
 反応終了後、有機層を水洗し、有機層をメタノール-水(9:1)に注いだ。生じた沈殿を吸引ろ過し、メタノール-水(9:1)で洗浄した。得られた沈殿をトルエンに溶解し、メタノールから再沈殿した。得られた沈殿を吸引ろ過し、トルエンに溶解し、金属吸着剤(Strem Chemicals社製「Triphenylphosphine, polymer-bound on styrene-divinylbenzene copolymer」、沈殿物100mgに対して200mg)を加えて、一晩撹拌した。撹拌終了後、金属吸着剤と不溶物とをろ過して取り除き、ろ液をロータリーエバポレーターで濃縮した。濃縮液をトルエンに溶解した後、メタノール-アセトン(8:3)から再沈殿した。生じた沈殿を吸引ろ過し、メタノール-アセトン(8:3)で洗浄した。得られた沈殿を真空乾燥し、電荷輸送性ポリマー1を得た。電荷輸送性ポリマー1の数平均分子量は7,800、重量平均分子量は31,000であった。
 数平均分子量及び重量平均分子量は、溶離液にテトラヒドロフラン(THF)を用いたGPC(ポリスチレン換算)により測定した。測定条件は以下のとおりである。
送液ポンプ:L-6050 (株)日立ハイテクノロジーズ
UV-Vis検出器:L-3000 (株)日立ハイテクノロジーズ
カラム:Gelpack(登録商標) GL-A160S/GL-A150S 日立化成(株)
溶離液:THF(HPLC用、安定剤を含まない) 和光純薬工業(株)
流速:1 mL/min
カラム温度:室温
分子量標準物質:標準ポリスチレン
<有機EL素子の作製>
 実施例1~11のイオン性化合物(イオン性化合物1~11)及び比較例1のイオン性化合物(イオン性化合物12)を用いて、下記のように有機EL素子を作製した。
 電荷輸送性ポリマー1(10mg)、各イオン性化合物(0.3mg)、及びトルエン(1,000μL)を混合し、インク組成物1を調製した。ITOを1.6mm幅にパターニングしたガラス基板上に、インク組成物1を3,000rpmでスピンコートした。
 次いで、ホットプレート上で、120℃、10分間の条件で加熱して有機層を硬化させ、正孔注入層(30nm)を形成した。
 その後、電荷輸送性ポリマー1(10mg)及びトルエン(1,000μL)を混合しインク組成物2を調製した。前記ガラス基板上に、インク組成物2を3,000rpmでスピンコートした。次いで、ホットプレート上で120℃、10分間の条件で加熱して有機層を硬化させ、正孔輸送層(30nm)を形成した。正孔注入層を溶解させることなく、正孔輸送層を形成することができた。
 次に、得られたガラス基板を真空蒸着機中に移し、正孔輸送層上に(CBP+Ir(ppy)(5:1、20nm)、BAlq(10nm)、Alq(40nm)、LiF(膜厚0.5nm)、及びAl(膜厚100nm)をこの順に蒸着した。
 蒸着後、大気開放することなく、乾燥窒素環境中にガラス基板を移動した。厚さ0.7mmの無アルカリガラスに深さ0.4mmの凹部を設けた封止ガラスとガラス基板とを、光硬化性エポキシ樹脂を用いて貼り合わせることにより封止を行い、多層構造の有機EL素子を作製した。以後の操作は、大気中、室温(25℃)で行った。
 得られた有機EL素子に、ITOを陽極、Alを陰極として電圧を印加したところ、3.5Vで、発光面が均一な緑色発光が観測された。
 また、寿命特性として、定電流を印加しながらトプコン社製「BM-7」で輝度を測定し、輝度が初期輝度(3,000cd/m)から半減する時間を測定した。実施例1~11のイオン性化合物(イオン性化合物1~11)及び比較例1のイオン性化合物(イオン性化合物12)のそれぞれを用いた有機EL素子の輝度半減時間を下記表2に記載する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000035
 比較例1と比較し、実施例1~11のいずれにおいても輝度半減時間が長く、素子特性の向上が見られた。
 本発明の実施形態である構造とすることで、イオン性化合物の耐熱性が向上した。また、この耐熱性が向上したイオン性化合物を含む有機エレクトロニクス材料を用いることによって、有機エレクトロニクス素子の長寿命化を達成できる。これは、耐熱性の向上により、素子作製のためのベーク時や素子作製後の素子駆動時での材料の劣化を抑制されたと考えられる。
 1 発光層
 2 陽極
 3 正孔注入層
 4 陰極
 5 電子注入層
 6 正孔輸送層
 7 電子輸送層
 8 基板
 
 

Claims (14)

  1.  カチオン部及びアニオン部を分子内にそれぞれ2つ以上有し、前記カチオン部及びアニオン部のうちの2つを1つ以上の炭素原子を介して共有結合を用いて連結する連結部を1つ以上有する、イオン性化合物。
  2.  下記式(1)で表されるイオン性化合物。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001
    [式(1)中、R、R、R、Re及びRはそれぞれ独立に水素原子(H)、アルキル基、又はベンジル基を表し、Rはアルキレン基、アルケニレン基又はアルキニレン基を表し、Aはアニオンを表す。nは1以上の整数である。]
  3.  前記アニオンが下記式(11b)~(15b)のいずれかで表される、請求項2に記載のイオン性化合物。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002
    [式(11b)~(15b)中、Y~Yは、それぞれ独立に2価の連結基を表し、R~R16は、それぞれ独立に電子求引性の1価の基(R及びR、R~Rから選択される少なくとも2つの基、R~R10から選択される少なくとも2つの基、及び、R11~R16から選択される少なくとも2つの基は、それぞれ互いに結合していてもよい。)を表す。Eは酸素原子、Eは窒素原子、Eは炭素原子、Eはホウ素原子又はガリウム原子、Eはリン原子又はアンチモン原子を表す。]
  4.  請求項1~3のいずれか1項に記載のイオン性化合物と、電荷輸送性化合物とを含有する、有機エレクトロニクス材料。
  5.  前記電荷輸送性化合物が、芳香族アミン構造を含む単位、カルバゾール構造を含む単位、及びチオフェン構造を含む単位からなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項4に記載の有機エレクトロニクス材料。
  6.  前記電荷輸送性化合物がポリマー又はオリゴマーである、請求項4又は5に記載の有機エレクトロニクス材料。
  7.  前記電荷輸送性化合物が1つ以上の重合性官能基を有する、請求項4~6のいずれか1項に記載の有機エレクトロニクス材料。
  8.  前記重合性官能基がオキセタン基、エポキシ基、及びビニルエーテル基からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項7に記載の有機エレクトロニクス材料。
  9.  請求項4~8のいずれか1項に記載の有機エレクトロニクス材料と、溶媒とを含むインク組成物。
  10.  前記溶媒が非極性の有機溶媒である、請求項9記載のインク組成物。
  11.  請求項4~8のいずれか1項に記載の有機エレクトロニクス材料、又は、請求項9又は10に記載のインク組成物を用いて形成された有機層を含む、有機エレクトロニクス素子。
  12.  前記有機層が、重合により不溶化した層である、請求項11に記載の有機エレクトロニクス素子。
  13.  前記有機層上にさらに別の層が成膜されてなる多層構造を有する、請求項12に記載の有機エレクトロニクス素子。
  14.  基板が樹脂フィルムである、請求項11~13のいずれか1項に記載の有機エレクトロニクス素子。
     
     
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