JP2020098876A - 有機エレクトロニクス材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた電荷輸送性を発揮することができる有機エレクトロニクス材料を提供すること。【解決手段】電荷輸送性化合物とスーパーブレンステッド酸化合物と有機ホウ素化合物とを含む有機エレクトロニクス材料。【選択図】なし
Description
本発明の実施形態は、有機エレクトロニクス材料、及び該材料を用いた有機薄膜に関する。また、本発明の他の実施形態は、上記有機薄膜を含む、有機エレクトロニクス素子、及び有機エレクトロルミネセンス素子、並びにこれらを用いた表示素子、照明装置、及び表示装置に関する。
有機エレクトロニクス素子は、有機物を用いて電気的な動作を行う素子であり、省エネルギー、低価格、及び柔軟性といった特長を発揮できると期待されている。そのため、従来のシリコンを主体とした無機半導体に替わる技術として注目されている。
有機エレクトロニクス素子の一例として、有機エレクトロルミネセンス素子(以下、「有機EL素子」とも称す)、有機光電変換素子、及び有機トランジスタ等が挙げられる。
有機エレクトロニクス素子の中でも、有機EL素子は、例えば、白熱ランプ又はガス充填ランプの代替えとなる大面積ソリッドステート光源用途として注目されている。また、フラットパネルディスプレイ(FPD)分野における液晶ディスプレイ(LCD)に置き換わる最有力の自発光ディスプレイとしても注目されており、製品化が進んでいる。
有機エレクトロニクス素子の中でも、有機EL素子は、例えば、白熱ランプ又はガス充填ランプの代替えとなる大面積ソリッドステート光源用途として注目されている。また、フラットパネルディスプレイ(FPD)分野における液晶ディスプレイ(LCD)に置き換わる最有力の自発光ディスプレイとしても注目されており、製品化が進んでいる。
有機EL素子は、使用される有機材料から、低分子型有機EL素子と、高分子型有機EL素子とに大別される。高分子型有機EL素子では、有機材料として高分子化合物が用いられ、低分子型有機EL素子では、低分子化合物が用いられる。一方、有機EL素子の製造方法は、主に真空系で成膜が行われる乾式プロセスと、凸版印刷、凹版印刷等の有版印刷、インクジェット等の無版印刷などにより成膜が行われる湿式プロセスとに大別される。湿式プロセスは、簡易成膜が可能であるため、今後の大画面有機ELディスプレイの実現には不可欠な方法として期待されている。
このため、近年、湿式プロセスに適した材料の開発が進められている。例えば、重合性官能基を有する高分子化合物を使用して、多層構造の有機EL素子を作製する検討が行われている(例えば、特許文献1及び非特許文献1参照)。
廣瀬健吾、熊木大介、小池信明、栗山晃、池畑誠一郎、時任静士、第53回応用物理学関係連合講演会、26p−ZK−4(2006)
高分子化合物を使用して湿式プロセスに従い作製した有機EL素子は、低コスト化及び大面積化が容易であるという特長を有している。しかし、従来の高分子化合物を使用して作製した有機EL素子は、駆動電圧、発光効率、及び寿命特性などの有機EL素子の各種特性において、さらなる改善が望まれている。
本発明の実施形態は、上記に鑑み、優れた電荷輸送性を発現できる有機エレクトロニクス材料、及び該材料を用いた電荷輸送性に優れる有機薄膜を提供することを目的とする。また、本発明の他の実施形態は、上記有機薄膜を含む有機エレクトロニクス素子、及び有機EL素子、並びに、これらを用いた表示素子、照明装置、及び表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、電荷輸送性高分子化合物を含む有機エレクトロニクス材料について鋭意検討した結果、少なくとも1つのスーパーブレンステッド酸化合物と少なくとも1種の電荷輸送性化合物と少なくとも1種の有機ホウ素化合物とを含む組成物が有機エレクトロニクス材料として好適に使用できることを見出した。さらに、上記有機エレクトロニクス材料を用いて形成された有機薄膜は、有機EL素子の電荷輸送性の向上に有効であることを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明の実施形態は、以下に関する。
本発明の実施形態は、有機エレクトロニクス材料に関する。上記有機エレクトロニクス材料は、電荷輸送性化合物とスーパーブレンステッド酸化合物と有機ホウ素化合物とを含む。
上記有機エレクトロニクス材料は、さらに溶媒を含むことが好ましい。
上記有機エレクトロニクス材料において、上記電荷輸送性化合物は、高分子化合物を含むことが好ましい。
上記有機エレクトロニクス材料において、上記電荷輸送性化合物は、1つ以上の重合性官能基を有することが好ましい。
上記有機エレクトロニクス材料は、さらに溶媒を含むことが好ましい。
上記有機エレクトロニクス材料において、上記電荷輸送性化合物は、高分子化合物を含むことが好ましい。
上記有機エレクトロニクス材料において、上記電荷輸送性化合物は、1つ以上の重合性官能基を有することが好ましい。
本発明の他の実施形態は、上記実施形態の有機エレクトロニクス材料を用いて形成された有機薄膜に関する。
本発明の他の実施形態は、上記実施形態の有機薄膜を含む、有機エレクトロニクス素子に関する。
本発明の他の実施形態は、上記実施形態の有機薄膜を含む、有機エレクトロルミネセンス素子に関する。上記実施形態の有機薄膜は、正孔注入層及び正孔輸送層の少なくとも一方であることが好ましい。
上記有機エレクトロルミネセンス素子は、さらにフレキシブル基板を有するか、又はさらに樹脂フィルム基板を有することが好ましい。
上記有機エレクトロルミネセンス素子は、さらにフレキシブル基板を有するか、又はさらに樹脂フィルム基板を有することが好ましい。
本発明の他の実施形態は、上記実施形態の有機エレクトロルミネセンス素子を備えた、表示素子に関する。
本発明の他の実施形態は、上記実施形態の有機エレクトロルミネセンス素子を備えた、照明装置に関する。
本発明の他の実施形態は、上記実施形態の照明装置と、表示手段として液晶素子とを備えた、表示装置に関する。
本発明の実施形態によれば、優れた電荷輸送性を実現できる有機エレクトロニクス材料、及び該材料を用いた電荷輸送性に優れる有機薄膜を提供することができる。また、本発明の他の実施形態によれば、有機エレクトロニクス材料を用いて形成された有機薄膜を含む、有機エレクトロニクス素子、及び有機EL素子、並びに、それを用いた表示素子、照明装置、及び表示装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<有機エレクトロニクス材料>
本発明の実施形態である有機エレクトロニクス材料は、電荷輸送性化合物とスーパーブレンステッド酸化合物と有機ホウ素化合物とを含む。
上記有機エレクトロニクス材料は、優れた電荷輸送能力を有する有機薄膜を形成することができる。そのため、それら有機エレクトロニクス材料や有機薄膜を用いることによって、発光寿命を含む各種素子特性を容易に向上させることができる。
本発明の実施形態である有機エレクトロニクス材料は、電荷輸送性化合物とスーパーブレンステッド酸化合物と有機ホウ素化合物とを含む。
上記有機エレクトロニクス材料は、優れた電荷輸送能力を有する有機薄膜を形成することができる。そのため、それら有機エレクトロニクス材料や有機薄膜を用いることによって、発光寿命を含む各種素子特性を容易に向上させることができる。
[電荷輸送性化合物]
電荷輸送性化合物は、電荷を輸送する能力を有する化合物であればよく、特に限定されない。化合物合成・精製の容易さの観点からは、構造単位を1つのみ有する低分子化合物が好ましく、溶媒への溶解性・成膜性の観点からは、構造単位を複数有する高分子化合物が好ましい。以下、電荷輸送性を有する低分子化合物を「電荷輸送性低分子化合物」と呼ぶ場合もある。また、電荷輸送性を有する高分子化合物を「電荷輸送性ポリマー」と呼ぶ場合もある。
電荷輸送性化合物は、電荷を輸送する能力を有する化合物であればよく、特に限定されない。化合物合成・精製の容易さの観点からは、構造単位を1つのみ有する低分子化合物が好ましく、溶媒への溶解性・成膜性の観点からは、構造単位を複数有する高分子化合物が好ましい。以下、電荷輸送性を有する低分子化合物を「電荷輸送性低分子化合物」と呼ぶ場合もある。また、電荷輸送性を有する高分子化合物を「電荷輸送性ポリマー」と呼ぶ場合もある。
[電荷輸送性低分子化合物]
電荷輸送性低分子化合物は、例えば、後述す電荷輸送性ポリマーの構造単位Lの例として例示される構造を部分構造として含む化合物が好ましい。
電荷輸送性低分子化合物は、例えば、後述す電荷輸送性ポリマーの構造単位Lの例として例示される構造を部分構造として含む化合物が好ましい。
[電荷輸送性ポリマー]
電荷輸送性ポリマーは、直鎖状であっても3方向以上に分岐した構造(分岐構造)を有していてもよい。分子量の制御が容易である観点では、直鎖状のポリマーが好ましく、電荷輸送性や耐熱性が高い観点では、3方向以上に分岐した構造を有していることが好ましい。
電荷輸送性ポリマーは、直鎖状であっても3方向以上に分岐した構造(分岐構造)を有していてもよい。分子量の制御が容易である観点では、直鎖状のポリマーが好ましく、電荷輸送性や耐熱性が高い観点では、3方向以上に分岐した構造を有していることが好ましい。
電荷輸送性ポリマーは、好ましくは、電荷輸送性を有する2価の構造単位Lと末端部を構成する1価の構造単位Tとを少なくとも含み、分岐部を構成する3価以上の構造単位Bを更に含んでもよい。電荷輸送性ポリマーは、各構造単位を、それぞれ1種のみ含んでいても、又は、それぞれ複数種含んでいてもよい。各構造単位は、「1価」〜「3価以上」の結合部位において互いに結合している。
(構造)
電荷輸送性ポリマーに含まれる部分構造の例として、以下が挙げられる。電荷輸送性ポリマーは以下の部分構造を有するポリマーに限定されない。部分構造中、「B」は構造単位Bを、「L」は構造単位Lを、「T」は構造単位Tを表す。「*」は、他の構造単位との結合部位を表す。以下の部分構造中、複数のLは、互いに同一の構造単位であっても、互いに異なる構造単位であってもよい。「T」及び「B」についても、同様である。
電荷輸送性ポリマーに含まれる部分構造の例として、以下が挙げられる。電荷輸送性ポリマーは以下の部分構造を有するポリマーに限定されない。部分構造中、「B」は構造単位Bを、「L」は構造単位Lを、「T」は構造単位Tを表す。「*」は、他の構造単位との結合部位を表す。以下の部分構造中、複数のLは、互いに同一の構造単位であっても、互いに異なる構造単位であってもよい。「T」及び「B」についても、同様である。
以下、各構造単位について、より具体的に説明する。
(構造単位L)
構造単位Lは、電荷輸送性を有する2価の構造単位である。構造単位Lは、電荷を輸送する能力を有する原子団を含んでいればよく、特に限定されない。例えば、構造単位Lは、置換又は非置換の、芳香族アミン構造、カルバゾール構造、チオフェン構造、フルオレン構造、ベンゼン構造、ビフェニル構造、ターフェニル構造、ナフタレン構造、アントラセン構造、テトラセン構造、フェナントレン構造、ジヒドロフェナントレン構造、ピリジン構造、ピラジン構造、キノリン構造、イソキノリン構造、キノキサリン構造、アクリジン構造、ジアザフェナントレン構造、フラン構造、ピロール構造、オキサゾール構造、オキサジアゾール構造、チアゾール構造、チアジアゾール構造、トリアゾール構造、ベンゾチオフェン構造、ベンゾオキサゾール構造、ベンゾオキサジアゾール構造、ベンゾチアゾール構造、ベンゾチアジアゾール構造、ベンゾトリアゾール構造、及び、これらの1種又は2種以上を含む構造から選択される。
芳香族アミン構造は、好ましくはトリアリールアミン構造であり、より好ましくはトリフェニルアミン構造である。
構造単位Lは、電荷輸送性を有する2価の構造単位である。構造単位Lは、電荷を輸送する能力を有する原子団を含んでいればよく、特に限定されない。例えば、構造単位Lは、置換又は非置換の、芳香族アミン構造、カルバゾール構造、チオフェン構造、フルオレン構造、ベンゼン構造、ビフェニル構造、ターフェニル構造、ナフタレン構造、アントラセン構造、テトラセン構造、フェナントレン構造、ジヒドロフェナントレン構造、ピリジン構造、ピラジン構造、キノリン構造、イソキノリン構造、キノキサリン構造、アクリジン構造、ジアザフェナントレン構造、フラン構造、ピロール構造、オキサゾール構造、オキサジアゾール構造、チアゾール構造、チアジアゾール構造、トリアゾール構造、ベンゾチオフェン構造、ベンゾオキサゾール構造、ベンゾオキサジアゾール構造、ベンゾチアゾール構造、ベンゾチアジアゾール構造、ベンゾトリアゾール構造、及び、これらの1種又は2種以上を含む構造から選択される。
芳香族アミン構造は、好ましくはトリアリールアミン構造であり、より好ましくはトリフェニルアミン構造である。
一実施形態において、構造単位Lは、優れた正孔輸送性を得る観点から、置換又は非置換の、芳香族アミン構造、カルバゾール構造、チオフェン構造、フルオレン構造、ベンゼン構造、ピロール構造、及び、これらの1種又は2種以上を含む構造から選択されることが好ましく、置換又は非置換の、芳香族アミン構造、カルバゾール構造、及び、これらの1種又は2種以上を含む構造から選択されることがより好ましい。
構造単位Lの具体例として、以下が挙げられる。構造単位Lは、以下に限定されない。
Rは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。好ましくは、Rは、それぞれ独立に、−R1、−OR2、−SR3、−OCOR4、−COOR5、−SiR6R7R8、ハロゲン原子、及び、後述する重合性官能基を含む基からなる群から選択される。R1〜R8は、それぞれ独立に、水素原子;炭素数1〜22個の直鎖、環状又は分岐アルキル基;又は、炭素数2〜30個のアリール基又はヘテロアリール基を表す。アリール基は、芳香族炭化水素から水素原子1個を除いた原子団である。ヘテロアリール基は、芳香族複素環から水素原子1個を除いた原子団である。アルキル基は、更に、炭素数2〜20個のアリール基又はヘテロアリール基により置換されていてもよく、アリール基又はヘテロアリール基は、更に、炭素数1〜22個の直鎖、環状又は分岐アルキル基により置換されていてもよい。Rは、好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル置換アリール基である。Arは、炭素数2〜30個のアリーレン基又はヘテロアリーレン基を表す。アリーレン基は、芳香族炭化水素から水素原子2個を除いた原子団である。ヘテロアリーレン基は、芳香族複素環から水素原子2個を除いた原子団である。Arは、アリーレン基であることが好ましく、より好ましくはフェニレン基である。
芳香族炭化水素としては、単環、縮合環、又は、単環及び縮合環から選択される2個以上が単結合を介して結合した多環が挙げられる。芳香族複素環としては、単環、縮合環、又は、単環及び縮合環から選択される2個以上が単結合を介して結合した多環が挙げられる。
(構造単位T)
構造単位Tは、電荷輸送性ポリマーの末端部を構成する1価の構造単位である。構造単位Tは、特に限定されず、例えば、置換又は非置換の、芳香族炭化水素構造、芳香族複素環構造、及び、これらの1種又は2種以上を含む構造から選択される。構造単位Tが構造単位Lと同じ構造を有していてもよい。一実施形態において、構造単位Tは、電荷の輸送性を低下させずに耐久性を付与するという観点から、置換又は非置換の芳香族炭化水素構造であることが好ましく、置換又は非置換のベンゼン構造であることがより好ましい。また、他の実施形態において、後述するように、電荷輸送性ポリマーが末端部に重合性官能基を有する場合、構造単位Tは重合可能な構造(例えば、ピロール−イル基等の重合性官能基)であってもよい。
構造単位Tは、電荷輸送性ポリマーの末端部を構成する1価の構造単位である。構造単位Tは、特に限定されず、例えば、置換又は非置換の、芳香族炭化水素構造、芳香族複素環構造、及び、これらの1種又は2種以上を含む構造から選択される。構造単位Tが構造単位Lと同じ構造を有していてもよい。一実施形態において、構造単位Tは、電荷の輸送性を低下させずに耐久性を付与するという観点から、置換又は非置換の芳香族炭化水素構造であることが好ましく、置換又は非置換のベンゼン構造であることがより好ましい。また、他の実施形態において、後述するように、電荷輸送性ポリマーが末端部に重合性官能基を有する場合、構造単位Tは重合可能な構造(例えば、ピロール−イル基等の重合性官能基)であってもよい。
構造単位Tの具体例として、以下が挙げられる。構造単位Tは、以下に限定されない。
Rは、構造単位LにおけるRと同様である。電荷輸送性ポリマーが末端部に重合性官能基を有する場合、Rのいずれか少なくとも1つが、重合性官能基を含む基であることが好ましい。
(構造単位B)
構造単位Bは、電荷輸送性ポリマーが分岐構造を有する場合に、分岐部を構成する3価以上の構造単位である。構造単位Bは、有機エレクトロニクス素子の耐久性向上の観点から、好ましくは6価以下であり、より好ましくは3価又は4価である。構造単位Bは、電荷輸送性を有する単位であることが好ましい。例えば、構造単位Bは、有機エレクトロニクス素子の耐久性向上の観点から、置換又は非置換の、芳香族アミン構造、カルバゾール構造、縮合多環式芳香族炭化水素構造、及び、これらの1種又は2種以上を含有する構造から選択される。
構造単位Bは、電荷輸送性ポリマーが分岐構造を有する場合に、分岐部を構成する3価以上の構造単位である。構造単位Bは、有機エレクトロニクス素子の耐久性向上の観点から、好ましくは6価以下であり、より好ましくは3価又は4価である。構造単位Bは、電荷輸送性を有する単位であることが好ましい。例えば、構造単位Bは、有機エレクトロニクス素子の耐久性向上の観点から、置換又は非置換の、芳香族アミン構造、カルバゾール構造、縮合多環式芳香族炭化水素構造、及び、これらの1種又は2種以上を含有する構造から選択される。
構造単位Bの具体例として、以下が挙げられる。構造単位Bは、以下に限定されない。
Wは、3価の連結基を表し、例えば、炭素数2〜30個のアレーントリイル基又はヘテロアレーントリイル基を表す。アレーントリイル基は、芳香族炭化水素から水素原子3個を除いた原子団である。ヘテロアレーントリイル基は、芳香族複素環から水素原子3個を除いた原子団である。Arは、それぞれ独立に2価の連結基を表し、例えば、それぞれ独立に、炭素数2〜30個のアリーレン基又はヘテロアリーレン基を表す。Arは、好ましくはアリーレン基、より好ましくはフェニレン基である。Yは、2価の連結基を表し、例えば、構造単位LにおけるR(ただし、重合性官能基を含む基を除く。)のうち水素原子を1個以上有する基から、更に1個の水素原子を除いた2価の基が挙げられる。Zは、炭素原子、ケイ素原子、又はリン原子のいずれかを表す。
上記構造単位中、ベンゼン環及びArは、1以上の置換基Rを有していてもよい。置換基Rは、それぞれ独立に、−R1、−OR2、−SR3、−OCOR4、−COOR5、−SiR6R7R8、ハロゲン原子、及び、後述する重合性官能基を含む基からなる群から選択される。R1〜R8は、構造単位LにおけるRのR1〜R8とそれぞれ同様である(但し、R1が水素原子となる場合は除く)。置換基Rは、好ましくは、アルキル基、アリール基、アルキル置換アリール基である。
(重合性官能基)
一実施形態において、重合反応により硬化させ、溶剤への溶解度を変化させる観点から、電荷輸送性ポリマーは、重合性官能基を少なくとも1つ有することが好ましい。「重合性官能基」とは、熱及び/又は光を加えることにより、互いに結合を形成し得る官能基をいう。
一実施形態において、重合反応により硬化させ、溶剤への溶解度を変化させる観点から、電荷輸送性ポリマーは、重合性官能基を少なくとも1つ有することが好ましい。「重合性官能基」とは、熱及び/又は光を加えることにより、互いに結合を形成し得る官能基をいう。
重合性官能基としては、炭素−炭素多重結合を有する基(例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、エチニル基、アクリロイル基、アクリロイルオキシ基、アクリロイルアミノ基、メタクリロイル基、メタクリロイルオキシ基、メタクリロイルアミノ基、ビニルオキシ基、ビニルアミノ基等)、小員環を有する基(例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基等の環状アルキル基;エポキシ基(オキシラニル基)、オキセタン基(オキセタニル基)等の環状エーテル基;ジケテン基;エピスルフィド基;ラクトン基;ラクタム基等)、複素環基(例えば、フラン−イル基、ピロール−イル基、チオフェン−イル基、シロール−イル基)などが挙げられる。これらは置換基を有してもよく、置換基としては、例えばアルキル基等が挙げられ、炭素数1〜10のアルキル基が好ましい。重合性官能基としては、特に、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、エポキシ基、及びオキセタン基が好ましく、反応性及び有機エレクトロニクス素子の特性の観点から、ビニル基、オキセタン基、又はエポキシ基がより好ましい。
重合性官能基の自由度を上げ、重合反応を生じさせやすくする観点からは、電荷輸送性ポリマーの主骨格と重合性官能基とが、アルキレン鎖で連結されていることが好ましい。また、例えば、電極上に有機層を形成する場合、ITO等の親水性電極との親和性を向上させる観点からは、エチレングリコール鎖、ジエチレングリコール鎖等の親水性の鎖で連結されていることが好ましい。さらに、重合性官能基を導入するために用いられるモノマーの調製が容易になる観点からは、電荷輸送性ポリマーは、アルキレン鎖及び/又は親水性の鎖の末端部、すなわち、これらの鎖と重合性官能基との連結部、及び/又は、これらの鎖と電荷輸送性ポリマーの骨格との連結部に、エーテル結合又はエステル結合を有していてもよい。前述の「重合性官能基を含む基」とは、重合性官能基それ自体、又は、重合性官能基とアルキレン鎖等とを合わせた基を意味する。重合性官能基を含む基として、例えば、国際公開第WO2010/140553号に例示された基を好適に用いることができる。
重合性官能基は、電荷輸送性ポリマーの末端部(すなわち、構造単位T)に導入されていても、末端部以外の部分(すなわち、構造単位L又はB)に導入されていても、末端部と末端以外の部分の両方に導入されていてもよい。硬化性の観点からは、少なくとも末端部に導入されていることが好ましく、硬化性及び電荷輸送性の両立を図る観点からは、末端部のみに導入されていることが好ましい。また、電荷輸送性ポリマーが分岐構造を有する場合、重合性官能基は、電荷輸送性ポリマーの主鎖に導入されていても、側鎖に導入されていてもよく、主鎖と側鎖の両方に導入されていてもよい。
重合性官能基は、溶解度の変化に寄与する観点からは、電荷輸送性ポリマー中に多く含まれる方が好ましい。一方、電荷輸送性を妨げない観点からは、電荷輸送性ポリマー中に含まれる量が少ない方が好ましい。重合性官能基の含有量は、これらを考慮し、適宜設定できる。
例えば、電荷輸送性ポリマー1分子あたりの重合性官能基数は、十分な溶解度の変化を得る観点から、1個以上が好ましく、2個以上がより好ましく、3個以上が更に好ましい。また、重合性官能基数は、電荷輸送性を保つ観点から、1,000個以下が好ましく、700個以下がより好ましく、500個以下が更に好ましい。
電荷輸送性ポリマー1分子あたりの重合性官能基数は、電荷輸送性ポリマーを合成するために使用した、重合性官能基の仕込み量(例えば、重合性官能基を有するモノマーの仕込み量)、各構造単位に対応するモノマーの仕込み量、電荷輸送性ポリマーの重量平均分子量等を用い、平均値として求めることができる。また、重合性官能基の数は、電荷輸送性ポリマーの1H NMR(核磁気共鳴)スペクトルにおける重合性官能基に由来するシグナルの積分値と全スペクトルの積分値との比、電荷輸送性ポリマーの重量平均分子量等を利用し、平均値として算出できる。簡便であることから、仕込み量が明らかである場合は、好ましくは、仕込み量を用いて求めた値を採用する。
(構造単位B、L、及びTの割合)
電荷輸送性ポリマーが構造単位Bを含む場合、電荷輸送性ポリマーに含まれる構造単位Bの割合は、有機エレクトロニクス素子の耐久性向上の観点から、全構造単位を基準として、1モル%以上が好ましく、5モル%以上がより好ましく、10モル%以上が更に好ましい。また、構造単位Bの割合は、粘度の上昇を抑え、電荷輸送性ポリマーの合成を良好に行う観点、又は、十分な電荷輸送性を得る観点から、50モル%以下が好ましく、40モル%以下がより好ましく、30モル%以下が更に好ましい。上記割合は、構造単位B1を含めた構造単位Bの総量を意味する。
電荷輸送性ポリマーが構造単位Bを含む場合、電荷輸送性ポリマーに含まれる構造単位Bの割合は、有機エレクトロニクス素子の耐久性向上の観点から、全構造単位を基準として、1モル%以上が好ましく、5モル%以上がより好ましく、10モル%以上が更に好ましい。また、構造単位Bの割合は、粘度の上昇を抑え、電荷輸送性ポリマーの合成を良好に行う観点、又は、十分な電荷輸送性を得る観点から、50モル%以下が好ましく、40モル%以下がより好ましく、30モル%以下が更に好ましい。上記割合は、構造単位B1を含めた構造単位Bの総量を意味する。
電荷輸送性ポリマーに含まれる構造単位Lの割合は、十分な電荷輸送性を得る観点から、全構造単位を基準として、10モル%以上が好ましく、20モル%以上がより好ましく、30モル%以上が更に好ましい。また、構造単位Lの割合は、構造単位T及び必要に応じて導入される構造単位Bを考慮すると、95モル%以下が好ましく、90モル%以下がより好ましく、85モル%以下が更に好ましい。電荷輸送性ポリマーが構造単位L1を含む場合、上記割合は構造単位L1を含めた全量を意味する。
電荷輸送性ポリマーに含まれる構造単位Tの割合は、有機エレクトロニクス素子の特性向上の観点、又は、粘度の上昇を抑え、電荷輸送性ポリマーの合成を良好に行う観点から、全構造単位を基準として、5モル%以上が好ましく、10モル%以上がより好ましく、15モル%以上が更に好ましい。また、構造単位Tの割合は、十分な電荷輸送性を得る観点から、60モル%以下が好ましく、55モル%以下がより好ましく、50モル%以下が更に好ましい。電荷輸送性ポリマーが構造単位T1を含む場合、上記割合は構造単位T1を含めた全量を意味する。
電荷輸送性ポリマーが重合性官能基を有する場合、重合性官能基の割合は、電荷輸送性ポリマーを効率よく硬化させるという観点から、全構造単位を基準として、0.1モル%以上が好ましく、1モル%以上がより好ましく、3モル%以上が更に好ましい。また、重合性官能基の割合は、良好な電荷輸送性を得るという観点から、70モル%以下が好ましく、60モル%以下がより好ましく、50モル%以下が更に好ましい。なお、ここでの「重合性官能基の割合」とは、重合性官能基を有する構造単位の割合をいう。
電荷輸送性、耐久性、生産性等のバランスを考慮すると、構造単位L及び構造単位Tの割合(モル比)は、L:T=100:70〜1が好ましく、100:50〜3がより好ましく、100:30〜5が更に好ましい。また、電荷輸送性ポリマーが構造単位Bを含む場合、構造単位L、構造単位T、及び構造単位Bの割合(モル比)は、L:T:B=100:10〜200:10〜100が好ましく、100:20〜180:20〜90がより好ましく、100:40〜160:30〜80が更に好ましい。
構造単位の割合は、電荷輸送性ポリマーを合成するために使用した、各構造単位に対応するモノマーの仕込み量を用いて求めることができる。また、構造単位の割合は、電荷輸送性ポリマーの1H NMRスペクトルにおける各構造単位に由来するスペクトルの積分値を利用し、平均値として算出することができる。簡便であることから、仕込み量が明らかである場合は、好ましくは、仕込み量を用いて求めた値を採用する。
(数平均分子量)
電荷輸送性ポリマーの数平均分子量は、溶剤への溶解性、成膜性等を考慮して適宜、調整できる。数平均分子量は、電荷輸送性に優れるという観点から、500以上が好ましく、1,000以上がより好ましく、2,000以上が更に好ましい。また、数平均分子量は、溶媒への良好な溶解性を保ち、インク組成物の調製を容易にするという観点から、1,000,000以下が好ましく、100,000以下がより好ましく、50,000以下が更に好ましい。
電荷輸送性ポリマーの数平均分子量は、溶剤への溶解性、成膜性等を考慮して適宜、調整できる。数平均分子量は、電荷輸送性に優れるという観点から、500以上が好ましく、1,000以上がより好ましく、2,000以上が更に好ましい。また、数平均分子量は、溶媒への良好な溶解性を保ち、インク組成物の調製を容易にするという観点から、1,000,000以下が好ましく、100,000以下がより好ましく、50,000以下が更に好ましい。
(重量平均分子量)
電荷輸送性ポリマーの重量平均分子量は、溶剤への溶解性、成膜性等を考慮して適宜、調整できる。重量平均分子量は、電荷輸送性に優れるという観点から、1,000以上が好ましく、5,000以上がより好ましく、10,000以上が更に好ましい。また、重量平均分子量は、溶媒への良好な溶解性を保ち、インク組成物の調製を容易にするという観点から、1,000,000以下が好ましく、700,000以下がより好ましく、400,000以下が更に好ましい。
電荷輸送性ポリマーの重量平均分子量は、溶剤への溶解性、成膜性等を考慮して適宜、調整できる。重量平均分子量は、電荷輸送性に優れるという観点から、1,000以上が好ましく、5,000以上がより好ましく、10,000以上が更に好ましい。また、重量平均分子量は、溶媒への良好な溶解性を保ち、インク組成物の調製を容易にするという観点から、1,000,000以下が好ましく、700,000以下がより好ましく、400,000以下が更に好ましい。
数平均分子量及び重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により、標準ポリスチレンの検量線を用いて測定することができる。
(製造方法)
電荷輸送性ポリマーは、種々の合成方法により製造でき、特に限定されない。例えば、鈴木カップリング、根岸カップリング、園頭カップリング、スティルカップリング、ブッフバルト・ハートウィッグカップリング等の公知のカップリング反応を用いることができる。鈴木カップリングは、芳香族ボロン酸誘導体と芳香族ハロゲン化物の間で、Pd触媒を用いたクロスカップリング反応を起こさせるものである。鈴木カップリングによれば、所望とする芳香環同士を結合させることにより、電荷輸送性ポリマーを簡便に製造できる。
電荷輸送性ポリマーは、種々の合成方法により製造でき、特に限定されない。例えば、鈴木カップリング、根岸カップリング、園頭カップリング、スティルカップリング、ブッフバルト・ハートウィッグカップリング等の公知のカップリング反応を用いることができる。鈴木カップリングは、芳香族ボロン酸誘導体と芳香族ハロゲン化物の間で、Pd触媒を用いたクロスカップリング反応を起こさせるものである。鈴木カップリングによれば、所望とする芳香環同士を結合させることにより、電荷輸送性ポリマーを簡便に製造できる。
カップリング反応では、触媒として、例えば、Pd(0)化合物、Pd(II)化合物、Ni化合物等が用いられる。また、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、酢酸パラジウム(II)等を前駆体とし、ホスフィン配位子と混合することにより発生させた触媒種を用いることもできる。電荷輸送性ポリマーの合成方法については、例えば、国際公開第WO2010/140553号の記載を参照できる。
[スーパーブレンステッド酸化合物]
実施形態の有機エレクトロニクス材料は、スーパーブレンステッド酸化合物を含む。スーパーブレンステッド酸化合物は、過フッ素化スルホニル基を有することが好ましい。
実施形態の有機エレクトロニクス材料は、スーパーブレンステッド酸化合物を含む。スーパーブレンステッド酸化合物は、過フッ素化スルホニル基を有することが好ましい。
過フッ素化スルホニル基は、好ましくはRfSO2−で表される基である。Rfは過フッ素化有機基を表し、Rfの例として、炭素数1〜20のヘテロ原子を含んでもよい直鎖状、分岐状もしくは環状のパーフルオロアルキル基、パーフルオロアルキルスルホニル基、パーフルオロアルキルオキシスルホニル基、パーフルオロアリールスルホニル基、パーフルオロアリールオキシスルホニル基、パーフルオロアシル基、パーフルオロアルコキシカルボニル基、パーフルオロアシルオキシ基、パーフルオロアリールオキシカルボニル基、パーフルオロアルケニル基、パーフルオロアルキニル基等が挙げられ、下記構造式群(1)に示されるものが好ましいが、これらに限定されるものではない。
スーパーブレンステッド酸化合物としては、酸解離定数pKaが2以下である、酸性官能基を有する化合物が好ましい。
スーパーブレンステッド酸化合物は、非極性溶媒への溶解度が高くなる観点から、非イオン性化合物であることが好ましい。スーパーブレンステッド酸化合物の非極性溶媒への溶解性が向上すると、同じく非極性溶媒に溶解しやすい芳香族ポリマーとの相溶性も向上する傾向がある。
ここで、「イオン性化合物」、「非イオン性化合物」の詳細について述べる。
「イオン性化合物」とは、カチオンとアニオンからなる化合物を表し、カチオンとしては、アルカリ金属イオンやアルカリ土類金属イオンなどの金属イオン、トリフェニルカルベニウムなどの炭素カチオン、ピリジニウム、キノリニウムなどの窒素カチオン、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウムなどのオニウムカチオン等、公知のカチオンが挙げられる。ただし、本発明において、水素カチオン(H+、またはプロトンとも称される)は、このカチオンには含まない。アニオンは、塩素イオンや臭素イオンなどのハロゲン化物イオン、リン酸イオン、硫酸イオンなどの無機酸イオン、酢酸イオン、乳酸イオンなどの有機酸イオン等、公知のアニオンが挙げられる。
「非イオン性化合物」とは、前記「イオン性化合物」の定義に含まれない化合物を表す。
スーパーブレンステッド酸化合物は、下記一般式(1)又は(2)で表されることが好ましい。
一般式(1)及び(2)中、Rf1及びRf2はそれぞれ独立に過フッ素化有機基を表し、R1〜R3はそれぞれ独立に有機基を表す。
一般式(1)及び(2)において、Rf1で表される過フッ素化有機基及びRf2で表される過フッ素化有機基の例及び好ましい構造は、記述のRfと同じである。
R1〜R3で表される有機基としては、例えば、炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基等が挙げられ、これらはさらに置換基を有してもよい。具体的には、アルキル基としては、例えば、直鎖状、分岐鎖状、又は環状のアルキル基であり、炭素数が通常1以上12以下、好ましくは6以下のものが挙げられる。具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、2−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。アルケニル基としては、例えば、炭素数が通常2以上12以下、好ましくは6以下のものが挙げられる。具体例としては、ビニル基、アリル基、1−ブテニル基等が挙げられる。アルキニル基としては、例えば、炭素数が通常2以上12以下、好ましくは6以下のものが挙げられる。具体例としては、エチニル基、プロパルギル基等が挙げられる。アリール基としては、例えば、5又は6員環の単環又は2〜5縮合環を有する芳香族炭化水素から水素原子1個を除いた基挙げられ、芳香族炭化水素の具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオレン環等が挙げられる。ヘテロアリール基としては、例えば、5又は6員環の単環又は2〜4縮合環を有する芳香族複素環から水素原子1個を除いた基が挙げられ、芳香族複素環の具体例としては、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピラール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環等が挙げられる。また、置換基を有する場合の該置換基としては、ハロゲン原子、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、シリル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等が挙げられる。
R1〜R3で表される有機基としては、例えば、過フッ素化有機基、Rf3SO2−で表される基等も挙げられる。Rf3は過フッ素化有機基を表す。過フッ素化有機基及びRf3で表される過フッ素化有機基の例及び好ましい範囲は、記述のRfと同じである。
式(1)において、R1及びR2のうちの少なくとも一方が、過フッ素化有機基又はRf3SO2−で表される基であることが好ましく、R1及びR2のうちの少なくとも一方が、構造式群(1)から選択される過フッ素化有機基又はRf3SO2−で表される基であることがより好ましい。
また、式(1)において、R1及びR2がそれぞれ独立に過フッ素化有機基又はRf3SO2−で表される基であることが好ましく、R1及びR2がそれぞれ独立に構造式群(1)から選択される過フッ素化有機基又はRf3SO2−で表される基であることがより好ましい。
また、式(1)において、R1及びR2がそれぞれ独立に過フッ素化有機基又はRf3SO2−で表される基であることが好ましく、R1及びR2がそれぞれ独立に構造式群(1)から選択される過フッ素化有機基又はRf3SO2−で表される基であることがより好ましい。
式(2)において、R3は、過フッ素化有機基又はRf3SO2−で表される基であることが好ましく、構造式群(1)から選択される過フッ素化有機基又はRf3SO2−で表される基であることがより好ましい。
[有機ホウ素化合物]
有機ホウ素化合物は、好ましくは少なくとも1つのホウ素−炭素結合を有する。有機ホウ素化合物は電荷を持たない中性の化合物であってもよいし、例えばホウ素−炭素結合を含み電荷を有するイオンであってもよい。また、ホウ素−炭素結合を形成する炭素の混成軌道は、sp3、sp2、spのいずれであってもよい。
有機ホウ素化合物は、好ましくは少なくとも1つのホウ素−炭素結合を有する。有機ホウ素化合物は電荷を持たない中性の化合物であってもよいし、例えばホウ素−炭素結合を含み電荷を有するイオンであってもよい。また、ホウ素−炭素結合を形成する炭素の混成軌道は、sp3、sp2、spのいずれであってもよい。
ホウ素原子に結合する炭素原子を含む置換基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、フェニル基、シクロヘキシル基などが挙げられるが、特に限定されない。また、ホウ素原子に結合する炭素原子を含む置換基は、さらに置換基を有していても良い。電荷輸送性を向上させる観点からは、ホウ素原子に結合する炭素原子を含む置換基は、フッ素原子を置換基として有することが好ましい。フッ素原子を置換基として有する、炭素原子を含む置換基としては、例えば、既述の構造式群(1)の過フッ素化有機基等が挙げられる。
有機ホウ素化合物は、ホウ素原子と、ホウ素原子に結合する、構造式群(1)から選択される少なくとも1つの過フッ素化有機基とを含むことが好ましい。
好ましい有機ホウ素化合物の例としては、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートアニオンを含む化合物などが挙げられるが、これに限定されない。
[溶媒]
有機エレクトロニクス材料は、さらに溶媒を含んでいてもよい。有機エレクトロニクス材料は、溶媒を含有するとき、インク組成物として用いることができ、インク組成物として用いることによって、塗布法により有機層を良好に形成できる。
有機エレクトロニクス材料は、さらに溶媒を含んでいてもよい。有機エレクトロニクス材料は、溶媒を含有するとき、インク組成物として用いることができ、インク組成物として用いることによって、塗布法により有機層を良好に形成できる。
溶媒としては、水、有機溶媒、又はこれらの混合溶媒を使用できる。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール;ペンタン、ヘキサン、オクタン等のアルカン;シクロヘキサン等の環状アルカン;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、ジフェニルメタン等の芳香族炭化水素;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテルアセタート等の脂肪族エーテル;1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、アニソール、フェネトール、2−メトキシトルエン、3−メトキシトルエン、4−メトキシトルエン、2,3−ジメチルアニソール、2,4−ジメチルアニソール等の芳香族エーテル;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル等の脂肪族エステル;酢酸フェニル、プロピオン酸フェニル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸n−ブチル等の芳香族エステル;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒;ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、アセトン、クロロホルム、塩化メチレンなどが挙げられる。溶媒は、有機溶媒を用いることが好ましく、芳香族炭化水素、脂肪族エステル、芳香族エステル、脂肪族エーテル、芳香族エーテル等を用いることがより好ましく、芳香族炭化水素を用いることが更に好ましい。スーパーブレンステッド酸化合物が非イオン性化合物である場合、スーパーブレンステッド酸化合物と芳香族ポリマーとの相溶性の観点から、芳香族炭化水素等の非極性溶媒を用いることが好ましい。
[添加剤]
有機エレクトロニクス材料は、更に、任意成分として添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、重合禁止剤、安定剤、増粘剤、ゲル化剤、難燃剤、酸化防止剤、還元防止剤、酸化剤、還元剤、表面改質剤、乳化剤、消泡剤、分散剤、界面活性剤等が挙げられる。
有機エレクトロニクス材料は、更に、任意成分として添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、重合禁止剤、安定剤、増粘剤、ゲル化剤、難燃剤、酸化防止剤、還元防止剤、酸化剤、還元剤、表面改質剤、乳化剤、消泡剤、分散剤、界面活性剤等が挙げられる。
[含有量]
電荷輸送性化合物の含有量は、良好な電荷輸送性を得る観点から、有機エレクトロニクス材料の全質量に対して、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上が更に好ましい。一方、電荷輸送性化合物の含有量は、有機エレクトロニクス材料の全質量に対して、99.9質量%以下が好ましく、99.7質量%以下がより好ましく、99.5質量%以下が更に好ましい。
電荷輸送性化合物の含有量は、良好な電荷輸送性を得る観点から、有機エレクトロニクス材料の全質量に対して、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上が更に好ましい。一方、電荷輸送性化合物の含有量は、有機エレクトロニクス材料の全質量に対して、99.9質量%以下が好ましく、99.7質量%以下がより好ましく、99.5質量%以下が更に好ましい。
有機エレクトロニクス材料が溶媒を含むインク組成物である場合、電荷輸送性化合物の含有量は、良好な電荷輸送性を得る観点から、有機エレクトロニクス材料の全質量から溶媒の量を除いた質量に対して、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上が更に好ましい。一方、電荷輸送性化合物の含有量は、有機エレクトロニクス材料の全質量から溶媒の量を除いた質量に対して、99.9質量%以下が好ましく、99.7質量%以下がより好ましく、99.5質量%以下が更に好ましい。
スーパーブレンステッド酸化合物の含有量は、電荷輸送性化合物に対しスーパーブレンステッド酸化合物の割合が、0.05質量%以上となる量が好ましく、0.1質量%以上となる量がより好ましく、0.2質量%以上となる量が更に好ましく、0.5質量%以上となる量が更に好ましい。一方、スーパーブレンステッド酸化合物の含有量は、電荷輸送性化合物に対しスーパーブレンステッド酸化合物の割合が、20質量%以下となる量が好ましく、15質量%以下となる量がより好ましく、10質量%以下となる量が更に好ましい。
有機ホウ素化合物の含有量は、電荷輸送性化合物に対し有機ホウ素化合物の割合が、0.05質量%以上となる量が好ましく、0.1質量%以上となる量がより好ましく、0.2質量%以上となる量が更に好ましく、0.5質量%以上となる量が更に好ましい。一方、有機ホウ素化合物の含有量は、電荷輸送性化合物に対し有機ホウ素化合物の割合が、20質量%以下となる量が好ましく、15質量%以下となる量がより好ましく、10質量%以下となる量が更に好ましい。
スーパーブレンステッド酸化合物の含有量及び有機ホウ素化合物の含有量の合計は、電荷輸送性化合物に対しスーパーブレンステッド酸化合物及び有機ホウ素化合物の合計の割合が、0.05質量%以上となる量が好ましく、0.1質量%以上となる量がより好ましく、0.2質量%以上となる量が更に好ましく、0.5質量%以上となる量が更に好ましく、1質量%以上となる量が更に好ましい。一方、スーパーブレンステッド酸化合物の含有量及び有機ホウ素化合物の含有量の合計は、電荷輸送性化合物に対しスーパーブレンステッド酸化合物及び有機ホウ素化合物の合計の割合が、40質量%以下となる量が好ましく、20質量%以下となる量がより好ましく、15質量%以下となる量が更に好ましく、10質量%以下となる量がさらに好ましい。
有機エレクトロニクス材料が溶媒を含むインク組成物である場合、インク組成物における溶媒の含有量は、種々の塗布方法へ適用することを考慮して定めることができる。例えば、溶媒の含有量は、溶媒に対し電荷輸送性化合物の割合が、0.1質量%以上となる量が好ましく、0.2質量%以上となる量がより好ましく、0.5質量%以上となる量が更に好ましい。また、溶媒の含有量は、溶媒に対し電荷輸送性化合物の割合が、20質量%以下となる量が好ましく、15質量%以下となる量がより好ましく、10質量%以下となる量が更に好ましい。
<有機薄膜(有機層)>
本発明の実施形態である有機薄膜(以下、「有機層」という場合もある)は、上記実施形態の有機エレクトロニクス材料又はインク組成物を用いて形成された層である。インク組成物を用いることによって、塗布法により有機層を良好に形成できる。
したがって、本発明の実施形態である有機層は、例えば、インク組成物を塗布する工程を含む製造方法によって製造することができる。
塗布方法としては、例えば、スピンコーティング法;キャスト法;浸漬法;凸版印刷、凹版印刷、オフセット印刷、平版印刷、凸版反転オフセット印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷等の有版印刷法;インクジェット法等の無版印刷法などの公知の方法が挙げられる。
上記製造方法は、塗布後に得られた有機層(すなわち、塗布層)を、ホットプレート又はオーブンを用いて乾燥させ、溶媒を除去する工程、及び上記塗布層を硬化させる工程など、任意の工程をさらに含んでもよい。
本発明の実施形態である有機薄膜(以下、「有機層」という場合もある)は、上記実施形態の有機エレクトロニクス材料又はインク組成物を用いて形成された層である。インク組成物を用いることによって、塗布法により有機層を良好に形成できる。
したがって、本発明の実施形態である有機層は、例えば、インク組成物を塗布する工程を含む製造方法によって製造することができる。
塗布方法としては、例えば、スピンコーティング法;キャスト法;浸漬法;凸版印刷、凹版印刷、オフセット印刷、平版印刷、凸版反転オフセット印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷等の有版印刷法;インクジェット法等の無版印刷法などの公知の方法が挙げられる。
上記製造方法は、塗布後に得られた有機層(すなわち、塗布層)を、ホットプレート又はオーブンを用いて乾燥させ、溶媒を除去する工程、及び上記塗布層を硬化させる工程など、任意の工程をさらに含んでもよい。
電荷輸送性ポリマーが重合性官能基を有する場合、光照射、加熱処理等により電荷輸送性ポリマーの重合反応を進行させ、有機層の溶解度を変化させることができる。溶解度を変化させた有機層を積層することで、有機エレクトロニクス素子の多層化を容易に図ることが可能となる。有機層の形成方法については、例えば、国際公開第WO2010/140553号の記載を参照できる。
乾燥後又は硬化後の有機層の厚さは、電荷輸送の効率を向上させる観点から、好ましくは0.1nm以上であり、より好ましくは1nm以上であり、更に好ましくは3nm以上である。また、有機層の厚さは、電気抵抗を小さくする観点から、好ましくは300nm以下であり、より好ましくは200nm以下であり、更に好ましくは100nm以下である。
<有機エレクトロニクス素子>
本発明の実施形態である有機エレクトロニクス素子は、少なくとも上記実施形態の有機層を有する。有機エレクトロニクス素子として、例えば、有機EL素子、有機光電変換素子、有機トランジスタ、有機発光ダイオード(OLED)等が挙げられる。有機エレクトロニクス素子は、好ましくは、少なくとも一対の電極の間に有機層が配置された構造を有する。
本発明の実施形態である有機エレクトロニクス素子は、少なくとも上記実施形態の有機層を有する。有機エレクトロニクス素子として、例えば、有機EL素子、有機光電変換素子、有機トランジスタ、有機発光ダイオード(OLED)等が挙げられる。有機エレクトロニクス素子は、好ましくは、少なくとも一対の電極の間に有機層が配置された構造を有する。
[有機EL素子]
本発明の実施形態である有機EL素子は、少なくとも上記実施形態の有機層を有する。有機EL素子は、通常、発光層、陽極、陰極、及び基板を備えており、必要に応じて、正孔注入層、電子注入層、正孔輸送層、電子輸送層等の他の機能層を備えている。各層は、蒸着法により形成してもよく、塗布法により形成してもよい。有機EL素子は、好ましくは、有機層を発光層又は他の機能層として有し、より好ましくは機能層として有し、更に好ましくは正孔注入層及び正孔輸送層の少なくとも一方として有する。一実施形態において、有機層の形成は、先に説明したインク組成物を使用し、塗布法に従って良好に実施することができる。
本発明の実施形態である有機EL素子は、少なくとも上記実施形態の有機層を有する。有機EL素子は、通常、発光層、陽極、陰極、及び基板を備えており、必要に応じて、正孔注入層、電子注入層、正孔輸送層、電子輸送層等の他の機能層を備えている。各層は、蒸着法により形成してもよく、塗布法により形成してもよい。有機EL素子は、好ましくは、有機層を発光層又は他の機能層として有し、より好ましくは機能層として有し、更に好ましくは正孔注入層及び正孔輸送層の少なくとも一方として有する。一実施形態において、有機層の形成は、先に説明したインク組成物を使用し、塗布法に従って良好に実施することができる。
図1及び図2は、それぞれ有機EL素子の一実施形態を示す断面模式図である。図1に示す有機EL素子は、多層構造の素子であり、基板6の上に、陽極1、正孔注入層2、発光層3、電子注入層4、及び陰極5をこの順に有している。一実施形態において、正孔注入層2は、本発明の一実施形態である有機層から構成される。
図2に示す有機EL素子は、多層構造の素子であり、基板6の上に、陽極1、正孔注入層2、正孔輸送層7、発光層3、電子輸送層8、電子注入層4、及び陰極5をこの順に有している。一実施形態において、正孔注入層2及び正孔輸送層7の少なくとも一方は、本発明の一実施形態である有機層から構成される。以下、各層について説明する。
図2に示す有機EL素子は、多層構造の素子であり、基板6の上に、陽極1、正孔注入層2、正孔輸送層7、発光層3、電子輸送層8、電子注入層4、及び陰極5をこの順に有している。一実施形態において、正孔注入層2及び正孔輸送層7の少なくとも一方は、本発明の一実施形態である有機層から構成される。以下、各層について説明する。
[発光層]
発光層に用いる材料として、低分子化合物、ポリマー、デンドリマー等の発光材料を使用できる。ポリマーは、溶媒への溶解性が高く、塗布法に適しているため好ましい。発光材料としては、蛍光材料、燐光材料、熱活性化遅延蛍光材料(TADF)等が挙げられる。
発光層に用いる材料として、低分子化合物、ポリマー、デンドリマー等の発光材料を使用できる。ポリマーは、溶媒への溶解性が高く、塗布法に適しているため好ましい。発光材料としては、蛍光材料、燐光材料、熱活性化遅延蛍光材料(TADF)等が挙げられる。
蛍光材料として、ペリレン、クマリン、ルブレン、キナクドリン、スチルベン、色素レーザー用色素、アルミニウム錯体、これらの誘導体等の低分子化合物;ポリフルオレン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリビニルカルバゾール、フルオレンーベンゾチアジアゾール共重合体、フルオレン−トリフェニルアミン共重合体、これらの誘導体等のポリマー;これらの混合物等が挙げられる。
燐光材料として、Ir、Pt等の金属を含む金属錯体などを使用できる。Ir錯体としては、例えば、青色発光を行うFIr(pic)(イリジウム(III)ビス[(4,6−ジフルオロフェニル)−ピリジネート−N,C2]ピコリネート)、緑色発光を行うIr(ppy)3(ファク トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム)、赤色発光を行う(btp)2Ir(acac)(ビス〔2−(2’−ベンゾ[4,5−α]チエニル)ピリジナート−N,C3〕イリジウム(アセチル−アセトネート))、Ir(piq)3(トリス(1−フェニルイソキノリン)イリジウム)等が挙げられる。Pt錯体としては、例えば、赤色発光を行うPtOEP(2、3、7、8、12、13、17、18−オクタエチル−21H、23H−フォルフィンプラチナ)等が挙げられる。
発光層が燐光材料を含む場合、燐光材料の他に、更にホスト材料を含むことが好ましい。ホスト材料としては、低分子化合物、ポリマー、又はデンドリマーを使用できる。低分子化合物としては、例えば、CBP(4,4’−ビス(9H−カルバゾール−9−イル)ビフェニル)、mCP(1,3−ビス(9−カルバゾリル)ベンゼン)、CDBP(4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)−2,2’−ジメチルビフェニル)、これらの誘導体等が、ポリマーとしては、上記実施形態の有機エレクトロニクス材料、ポリビニルカルバゾール、ポリフェニレン、ポリフルオレン、これらの誘導体等が挙げられる。
熱活性化遅延蛍光材料としては、例えば、Adv. Mater., 21, 4802-4906 (2009);Appl. Phys. Lett., 98, 083302 (2011);Chem. Comm., 48, 9580 (2012);Appl. Phys. Lett., 101, 093306 (2012);J. Am. Chem. Soc., 134, 14706 (2012);Chem. Comm., 48, 11392 (2012);Nature, 492, 234 (2012);Adv. Mater., 25, 3319 (2013);J. Phys. Chem. A, 117, 5607 (2013);Phys. Chem. Chem. Phys., 15, 15850 (2013);Chem. Comm., 49, 10385 (2013);Chem. Lett., 43, 319 (2014)等に記載の化合物が挙げられる。
[正孔輸送層、正孔注入層]
正孔輸送層及び正孔注入層を構成する材料として、本発明の実施形態である有機エレクトロニクス材料が挙げられる。一実施形態において、正孔注入層及び正孔輸送層の少なくとも一方は、本発明の実施形態である有機エレクトロニクス材料から構成されることが好ましい。
正孔輸送層及び正孔注入層を構成する材料として、本発明の実施形態である有機エレクトロニクス材料に含まれる電荷輸送性ポリマーとは異なるポリマーを含む材料を使用することもできる。例えば、9−フェニルカルバゾール構造を有する3価以上の構造単位と、フェニル基に対する置換基としてアルコキシ基を持たないトリフェニルアミン構造を有する構造単位とを含む電荷輸送性ポリマーを含有する有機エレクトロニクス材料を使用することもできる。その他、公知の材料を使用することもできる。
正孔輸送層及び正孔注入層を構成する材料として、本発明の実施形態である有機エレクトロニクス材料が挙げられる。一実施形態において、正孔注入層及び正孔輸送層の少なくとも一方は、本発明の実施形態である有機エレクトロニクス材料から構成されることが好ましい。
正孔輸送層及び正孔注入層を構成する材料として、本発明の実施形態である有機エレクトロニクス材料に含まれる電荷輸送性ポリマーとは異なるポリマーを含む材料を使用することもできる。例えば、9−フェニルカルバゾール構造を有する3価以上の構造単位と、フェニル基に対する置換基としてアルコキシ基を持たないトリフェニルアミン構造を有する構造単位とを含む電荷輸送性ポリマーを含有する有機エレクトロニクス材料を使用することもできる。その他、公知の材料を使用することもできる。
正孔注入層及び正孔輸送層に用いることができる公知の材料として、例えば、(芳香族アミン系化合物(例えば、N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−ベンジジン(α-NPD)などの芳香族ジアミン)、フタロシアニン系化合物、チオフェン系化合物(例えば、チオフェン系導電性ポリマー(たとえば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン):ポリ(4−スチレンスルホン酸塩)(PEDOT:PSS)等)等が挙げられる。)
一実施形態において、有機EL素子が、正孔注入層と正孔輸送層とを有する場合、正孔注入層を公知の材料又は上記その他の有機エレクトロニクス材料を用いて構成し、正孔輸送層を本発明の実施形態である有機エレクトロニクス材料を用いて形成した有機層から構成することが好ましい。
[電子輸送層、電子注入層]
電子輸送層及び電子注入層に用いる材料としては、例えば、フェナントロリン誘導体、ビピリジン誘導体、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、ナフタレン、ペリレンなどの縮合環テトラカルボン酸無水物、カルボジイミド、フルオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、キノキサリン誘導体、アルミニウム錯体等が挙げられる。また、上記実施形態の有機エレクトロニクス材料も使用できる。
電子輸送層及び電子注入層に用いる材料としては、例えば、フェナントロリン誘導体、ビピリジン誘導体、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、ナフタレン、ペリレンなどの縮合環テトラカルボン酸無水物、カルボジイミド、フルオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、キノキサリン誘導体、アルミニウム錯体等が挙げられる。また、上記実施形態の有機エレクトロニクス材料も使用できる。
[陰極]
陰極材料としては、例えば、Li、Ca、Mg、Al、In、Cs、Ba、Mg/Ag、LiF、CsF等の金属又は金属合金が用いられる。
陰極材料としては、例えば、Li、Ca、Mg、Al、In、Cs、Ba、Mg/Ag、LiF、CsF等の金属又は金属合金が用いられる。
[陽極]
陽極材料としては、例えば、金属(例えば、Au)又は導電性を有する他の材料が用いられる。他の材料として、例えば、酸化物(例えば、ITO:酸化インジウム/酸化錫)、導電性高分子(例えば、ポリチオフェン−ポリスチレンスルホン酸混合物(PEDOT:PSS))が挙げられる。
陽極材料としては、例えば、金属(例えば、Au)又は導電性を有する他の材料が用いられる。他の材料として、例えば、酸化物(例えば、ITO:酸化インジウム/酸化錫)、導電性高分子(例えば、ポリチオフェン−ポリスチレンスルホン酸混合物(PEDOT:PSS))が挙げられる。
[基板]
基板として、ガラス、プラスチック等を使用できる。基板は、透明であることが好ましく、また、フレキシブル性を有することが好ましい。石英ガラス、光透過性樹脂フィルム等が好ましく用いられる。
基板として、ガラス、プラスチック等を使用できる。基板は、透明であることが好ましく、また、フレキシブル性を有することが好ましい。石英ガラス、光透過性樹脂フィルム等が好ましく用いられる。
樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート等からなるフィルムが挙げられる。
樹脂フィルムを用いる場合、水蒸気、酸素等の透過を抑制するために、樹脂フィルムへ酸化珪素、窒化珪素等の無機物をコーティングして用いてもよい。
[発光色]
有機EL素子の発光色は特に限定されない。白色の有機EL素子は、家庭用照明、車内照明、時計又は液晶のバックライト等の各種照明器具に用いることができるため好ましい。
有機EL素子の発光色は特に限定されない。白色の有機EL素子は、家庭用照明、車内照明、時計又は液晶のバックライト等の各種照明器具に用いることができるため好ましい。
白色の有機EL素子を形成する方法としては、複数の発光材料を用いて複数の発光色を同時に発光させて混色させる方法を用いることができる。複数の発光色の組み合わせとしては、特に限定されないが、青色、緑色及び赤色の3つの発光極大波長を含有する組み合わせ、青色と黄色、黄緑色と橙色等の2つの発光極大波長を含有する組み合わせが挙げられる。発光色の制御は、発光材料の種類と量の調整により行うことができる。
<表示素子、照明装置、表示装置>
本発明の実施形態である表示素子は、上記実施形態の有機EL素子を備えている。例えば、赤、緑及び青(RGB)の各画素に対応する素子として、有機EL素子を用いることで、カラーの表示素子が得られる。画像の形成方法には、マトリックス状に配置した電極でパネルに配列された個々の有機EL素子を直接駆動する単純マトリックス型と、各素子に薄膜トランジスタを配置して駆動するアクティブマトリックス型とがある。
本発明の実施形態である表示素子は、上記実施形態の有機EL素子を備えている。例えば、赤、緑及び青(RGB)の各画素に対応する素子として、有機EL素子を用いることで、カラーの表示素子が得られる。画像の形成方法には、マトリックス状に配置した電極でパネルに配列された個々の有機EL素子を直接駆動する単純マトリックス型と、各素子に薄膜トランジスタを配置して駆動するアクティブマトリックス型とがある。
また、本発明の実施形態である照明装置は、本発明の実施形態の有機EL素子を備えている。さらに、本発明の実施形態である表示装置は、照明装置と、表示手段として液晶素子とを備えている。例えば、表示装置は、バックライトとして本発明の実施形態である照明装置を用い、表示手段として公知の液晶素子を用いた表示装置、すなわち液晶表示装置とできる。
以下に、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない
<I>電荷輸送性ポリマーの調製
(Pd触媒の調製)
窒素雰囲気下のグローブボックス中で、室温下、サンプル管にトリス(ジベンジリデンアセン)ジパラジウム(73.2mg、80μmol)を秤取り、アニソール(15mL)を加え、30分間攪拌した。同様に、サンプル管にトリス(t−ブチル)ホスフィン(129.6mg、640μmol)を秤取り、アニソール(5mL)を加え、5分間攪拌した。これらの溶液を混合し、室温で30分間攪拌した後、Pd触媒溶液として使用した。すべての溶媒は30分以上、窒素バブルにより脱気した後、使用した。
(Pd触媒の調製)
窒素雰囲気下のグローブボックス中で、室温下、サンプル管にトリス(ジベンジリデンアセン)ジパラジウム(73.2mg、80μmol)を秤取り、アニソール(15mL)を加え、30分間攪拌した。同様に、サンプル管にトリス(t−ブチル)ホスフィン(129.6mg、640μmol)を秤取り、アニソール(5mL)を加え、5分間攪拌した。これらの溶液を混合し、室温で30分間攪拌した後、Pd触媒溶液として使用した。すべての溶媒は30分以上、窒素バブルにより脱気した後、使用した。
(電荷輸送性ポリマー1)
三口丸底フラスコに、下記モノマーB−1(4.0mmol)、下記モノマーL−1(5.0mmol)、下記モノマーT−1(2.0mmol)及びアニソール(20mL)を加え、更に、先に調製したPd触媒溶液(7.5mL)を加えた。この反応液を30分攪拌した後、上記反応液に10%テトラエチルアンモニウム水酸化物水溶液(20mL)を加えた。すべての原料は30分以上、窒素バブルにより脱気した後に使用した。この混合物を2時間、加熱還流した。ここまでの操作は窒素気流下で行った。
三口丸底フラスコに、下記モノマーB−1(4.0mmol)、下記モノマーL−1(5.0mmol)、下記モノマーT−1(2.0mmol)及びアニソール(20mL)を加え、更に、先に調製したPd触媒溶液(7.5mL)を加えた。この反応液を30分攪拌した後、上記反応液に10%テトラエチルアンモニウム水酸化物水溶液(20mL)を加えた。すべての原料は30分以上、窒素バブルにより脱気した後に使用した。この混合物を2時間、加熱還流した。ここまでの操作は窒素気流下で行った。
反応終了後、有機層を水洗し、有機層をメタノール−水(9:1)に注いだ。生じた沈殿を吸引ろ過によって回収し、メタノール−水(9:1)で洗浄した。得られた沈殿をトルエンに溶解し、メタノールから再沈殿した。得られた沈殿を吸引ろ過により回収し、トルエンに溶解し、金属吸着剤(Strem Chemicals社製「Triphenylphosphine,polymer−bound on styrene−divinylbenzene copolymer」、沈殿物100mgに対して200mg)を加えて、一晩攪拌した。攪拌終了後、金属吸着剤及び不溶物をろ過によって取り除き、ろ液をロータリーエバポレーターで濃縮した。濃縮液をトルエンに溶解した後、メタノール−アセトン(8:3)から再沈殿した。生じた沈殿を吸引ろ過によって回収し、メタノール−アセトン(8:3)で洗浄した。得られた沈殿を真空乾燥し、電荷輸送性ポリマー1を得た。
得られた電荷輸送性ポリマー1の数平均分子量は9,000であり、重量平均分子量は36,500であった。
得られた電荷輸送性ポリマー1の数平均分子量は9,000であり、重量平均分子量は36,500であった。
数平均分子量及び重量平均分子量は、溶離液にテトラヒドロフラン(THF)を用いたGPC(ポリスチレン換算)により測定した。測定条件は以下のとおりである。
送液ポンプ :L−6050 (株)日立ハイテクノロジーズ
UV−Vis検出器:L−3000 (株)日立ハイテクノロジーズ
カラム :Gelpack(登録商標) GL−A160S/GL−A150S 日立化成(株)
溶離液 :THF(HPLC用、安定剤を含まない) 和光純薬工業(株)
流速 :1mL/min
カラム温度 :室温
分子量標準物質 :標準ポリスチレン
送液ポンプ :L−6050 (株)日立ハイテクノロジーズ
UV−Vis検出器:L−3000 (株)日立ハイテクノロジーズ
カラム :Gelpack(登録商標) GL−A160S/GL−A150S 日立化成(株)
溶離液 :THF(HPLC用、安定剤を含まない) 和光純薬工業(株)
流速 :1mL/min
カラム温度 :室温
分子量標準物質 :標準ポリスチレン
<II>インク組成物の調製
[インク組成物1]
上記で得たポリマー1(150mg)、下記スーパーブレンステッド酸化合物1(1.5mg)、下記有機ホウ素化合物1(1.5mg)、及びトルエン(8.0mL)からインク組成物1を調製した。
[インク組成物1]
上記で得たポリマー1(150mg)、下記スーパーブレンステッド酸化合物1(1.5mg)、下記有機ホウ素化合物1(1.5mg)、及びトルエン(8.0mL)からインク組成物1を調製した。
[インク組成物2]
上記で得たポリマー1(150mg)、前記スーパーブレンステッド酸化合物1(1.5mg)、下記有機ホウ素化合物2(1.5mg)、及びトルエン(8.0mL)からインク組成物2を調製した。
上記で得たポリマー1(150mg)、前記スーパーブレンステッド酸化合物1(1.5mg)、下記有機ホウ素化合物2(1.5mg)、及びトルエン(8.0mL)からインク組成物2を調製した。
[インク組成物3]
上記で得たポリマー1(150mg)、前記スーパーブレンステッド酸化合物1(1.5mg)、下記有機ホウ素化合物3(1.5mg)、及びトルエン(8.0mL)からインク組成物3を調製した。
上記で得たポリマー1(150mg)、前記スーパーブレンステッド酸化合物1(1.5mg)、下記有機ホウ素化合物3(1.5mg)、及びトルエン(8.0mL)からインク組成物3を調製した。
[インク組成物4]
上記で得たポリマー1(150mg)、前記スーパーブレンステッド酸化合物1(1.5mg)、及びトルエン(8.0mL)からインク組成物4を調製した。
上記で得たポリマー1(150mg)、前記スーパーブレンステッド酸化合物1(1.5mg)、及びトルエン(8.0mL)からインク組成物4を調製した。
[インク組成物5]
上記で得たポリマー1(150mg)、前記有機ホウ素化合物1(1.5mg)、及びトルエン(8.0mL)からインク組成物5を調製した。
上記で得たポリマー1(150mg)、前記有機ホウ素化合物1(1.5mg)、及びトルエン(8.0mL)からインク組成物5を調製した。
<III>ホールオンリーデバイスの作製及び評価(インク組成物から形成される有機薄膜の電荷輸送性評価)
先に調製したインク組成物を使用し、以下のようにしてホールオンリーデバイスを作製し、その電流密度特性から電荷輸送性を評価した。
先に調製したインク組成物を使用し、以下のようにしてホールオンリーデバイスを作製し、その電流密度特性から電荷輸送性を評価した。
(実施例1)
ITOを1.6mm幅にパターニングしたガラス基板上に、インク組成物1を回転数3,000min−1でスピンコートした後、ホットプレート上で120℃、10分間の加熱によって塗膜を硬化させ、正孔注入層(150nm)を形成した。
上記正孔注入層を有するガラス基板を、真空蒸着機中に移し、正孔注入層上にAl(150nm)を蒸着法で成膜した。その後、封止処理を行ってホールオンリーデバイスを作製した。
ITOを1.6mm幅にパターニングしたガラス基板上に、インク組成物1を回転数3,000min−1でスピンコートした後、ホットプレート上で120℃、10分間の加熱によって塗膜を硬化させ、正孔注入層(150nm)を形成した。
上記正孔注入層を有するガラス基板を、真空蒸着機中に移し、正孔注入層上にAl(150nm)を蒸着法で成膜した。その後、封止処理を行ってホールオンリーデバイスを作製した。
(実施例2)
実施例1におけるインク組成物1をインク組成物2に変えた以外は同様にして、ホールオンリーデバイスを作製した。
実施例1におけるインク組成物1をインク組成物2に変えた以外は同様にして、ホールオンリーデバイスを作製した。
(実施例3)
実施例1におけるインク組成物1をインク組成物3に変えた以外は同様にして、ホールオンリーデバイスを作製した。
実施例1におけるインク組成物1をインク組成物3に変えた以外は同様にして、ホールオンリーデバイスを作製した。
(比較例1)
実施例1におけるインク組成物1をインク組成物4に変えた以外は同様にして、ホールオンリーデバイスを作製した。
実施例1におけるインク組成物1をインク組成物4に変えた以外は同様にして、ホールオンリーデバイスを作製した。
(比較例2)
実施例1におけるインク組成物1をインク組成物5に変えた以外は同様にして、ホールオンリーデバイスを作製した。
実施例1におけるインク組成物1をインク組成物5に変えた以外は同様にして、ホールオンリーデバイスを作製した。
以上、実施例および比較例の正孔注入層形成に用いた材料・条件を表にまとめる。
実施例1〜3及び比較例1、2で得た各ホールオンリーデバイスに電圧を印加した時の電圧―電流密度曲線のグラフを図3に示す。
図3に示したグラフから明らかなように、比較例1、2に対して実施例1〜3は、電流密度が高く、電荷輸送性に優れていることがわかる。実施例1〜3と比較例1、2との対比から明らかなように、本発明の実施形態の有機エレクトロニクス材料から形成される有機薄膜は、優れた電荷輸送性を示すことが分かる。
以上のように、実施例によって本発明の実施形態の効果を示した。しかし、本発明によれば、実施例で用いた有機エレクトロニクス材料に限らず、本発明の範囲を逸脱しない限り、その他の有機エレクトロニクス材料を用いた場合であっても、同様にして有機エレクトロニクス素子を得ることが可能である。
本発明の実施形態である有機エレクトロニクス材料によれば、優れた電荷輸送性を有する有機薄膜を形成することができる。
1 陽極
2 正孔注入層
3 発光層
4 電子注入層
5 陰極
6 基板
7 正孔輸送層
8 電子輸送層
2 正孔注入層
3 発光層
4 電子注入層
5 陰極
6 基板
7 正孔輸送層
8 電子輸送層
Claims (14)
- 電荷輸送性化合物とスーパーブレンステッド酸化合物と有機ホウ素化合物とを含む、有機エレクトロニクス材料。
- さらに溶媒を含む、請求項1記載の有機エレクトロニクス材料。
- 前記電荷輸送性化合物が高分子化合物を含む、請求項1又は2に記載の有機エレクトロニクス材料。
- 前記電荷輸送性化合物が1つ以上の重合性官能基を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロニクス材料。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロニクス材料を用いて形成された、有機薄膜。
- 請求項5に記載の有機薄膜を含む、有機エレクトロニクス素子。
- 請求項5に記載の有機薄膜を含む、有機エレクトロルミネセンス素子。
- 前記有機薄膜が正孔注入層である、請求項7に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
- 前記有機薄膜が正孔輸送層である、請求項7に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
- さらにフレキシブル基板を有する、請求項7〜9のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
- さらに樹脂フィルム基板を有する、請求項7〜9のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
- 請求項7〜11のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子を備えた、表示素子。
- 請求項7〜11のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子を備えた、照明装置。
- 請求項13に記載の照明装置と、表示手段として液晶素子とを備えた、表示装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2018237015A JP2020098876A (ja) | 2018-12-19 | 2018-12-19 | 有機エレクトロニクス材料 |
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