JP2013506013A - カチオン重合の開始系および重合プロセス - Google Patents

カチオン重合の開始系および重合プロセス Download PDF

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Abstract

本発明は、カチオン重合のための開始系および重合プロセスを提供する。本発明は、カチオン重合が可能なモノマーのカチオン重合のための開始系、および上記開始系を用いることによる、カチオン重合が可能なモノマーのカチオン重合のためのプロセスに関する。本発明は特に、水性反応媒体中でのカチオン重合が可能なモノマーのカチオン重合のための開始系、および水性反応媒体中にて上記開始系を用いることによるカチオン重合が可能なモノマーのカチオン重合のためのプロセスに関する。

Description

発明の詳細な説明
[技術分野]
本発明は、カチオン重合が可能なモノマーのカチオン重合のための開始系、および上記開始系を用いることによる、カチオン重合が可能なモノマーのカチオン重合のためのプロセスに関する。本発明は特に、水性反応媒体中にてカチオン重合が可能なモノマーのカチオン重合の開始系、および、水性反応媒体中にて上記開始系を用いることによる、カチオン重合可能なモノマーのカチオン重合のプロセスに関する。
[背景技術]
イオン重合のための1つのプロセスまたは初期のプロセスとしてのカチオン重合は、多くのポリマー材料(例えば、合成ゴム、オイル添加剤、プラスチック調整剤等)を調製するために、広く利用されている。微小量の不純物は、カチオン重合プロセスに対して非常に大きな影響を与えるので、カチオン重合は、酸素および水がほとんど存在しない条件下にて、ならびに高い純度の不活性ガスを用いる保護の条件下にて行われることを必要とする。カチオン重合による典型的な工業製品(例えば、ブチルゴム)の生産を例に挙げると、カチオン重合は、乾性クロロアルカンの反応溶媒の中で、−100℃の低い温度にて行われることが必要である。一方、重合系における水の含有量および酸素の含有量は、高い分子量を有するブチルゴムを合成するため、数ppm以下にまで厳密に制御されるべきである。よって、このような重合の技術的手順は、複雑化し、装置および原材料に対して、厳格な要求を有し、そして高い生産コストを有する。現在の、類似したカチオン重合系は、精製された有機溶媒を反応媒体として用い、この反応溶媒中における含水量は数ppmよりも低いことが要求される。
水が、環境に優しい、カチオン重合のための反応媒体として用いられる場合、この反応媒体は、カチオン重合のプロセスを簡易化にし、装置および反応条件に対する要求をほとんど必要とせず、生産コストを低減し、そして熱伝達を改善し得る。したがって、そのため、カチオン重合のための反応媒体として水性媒体を用いることは、重要な意味がある。近年、反応媒体として水性媒体を用いるカチオン重合の反応は、広い関心をかき立てている。
2006年、Kostjuk S.V.およびGanachaud F.は、Cationic Polymerization of Styrene in Solution and Aqueous Suspension Using B(C6F5)3 as a Water-Tolerant Lewis Acid (Macromolecules, vol.39)という表題にて、水に寛容なルイス酸としてB(Cが、水相媒体でのスチレンのカチオン重合を首尾よく開始し得ることを主張した。しかし、生じたポリスチレンは、低分子量を有し、そしてその重量平均分子量(M)は約3000である。さらに、B(Cは、高価(1g当たり約322円)であり、多量に用いられ、そしてモノマーに対するB(Cのモル比が0.05に達する。
2008年、Kostjuk S.V.、Radchenko A.V.およびGanachaud F.は、Controlled Cationic Polymerization of Cyclopentadiene with B(C6F5)3as a Coinitiator in the Presence of Water (Journal of Polymer Science, Part A: Polymer Chemistry, vol.46)にて、B(Cが、水相媒体にてシクロペンタジエンのカチオン重合を開始し得ることをさらに述べた。しかし、上記重合は、遅い速度を有し、何時間にもわたって行われることを必要として、40%よりも低い変換率にようやく到達する。さらに、低分子量(そのMは2500よりも小さい。)を有するポリマー製品のみが取得され得る。
同様に、Radchenko A.V.、Kostjuk S.V.およびVasilenko I.V.らは、Controlled/living cationic polymerization of styrene with BF3・OEt2as a coinitiator in the presence of water: Improvements and limitations (European Polymer Journal, Vol.43, 2007)にて、水の濃度が低い有機反応媒体系、すなわち、含水量が0.11mol/Lよりも低い有機反応媒体系にて、BF・OEtを用いてスチレンから開始することによるカチオン重合プロセスを開示した。この反応にて生じたポリマーは、低分子量(そのMは2000よりも小さい。)を有する。含水量がわずかに増加すると、その重合の速度は明らかに遅くなり、分子量は明らかに減少し、その分子量分布は広がる。含水量が1.6mol/Lに達したとき、すなわち反応媒体にて水の容量パーセントが約3.1%であるとき、カチオン重合はほとんど起こらない。
JP10130315およびJP11080221は、共開始剤(coiniator)としてルイス酸(例えば、イットリウムトリフルオロスルホナートまたはイッテルビウムトリフルオロスルホナート)を用いることによる、高い反応性を有するモノマー(例えば、イソブチルビニルエーテル、p−メトキシスチレン)のカチオン重合を開示している。しかし、低分子量(M<10000)を有するポリマー製品のみが得られ得る。さらに、イットリウムトリフルオロスルホナートは、高価(1g当たり140円)であり、多量に用いられ、そしてモノマーに対するイットリウムトリフルオロスルホナートのモル比は0.05に達する。
WO2004094486A1およびUS7202371は、水性反応媒体中でのイソオレフィンのカチオン重合のためのプロセスをそれぞれ開示しており、これらの刊行物において、キレート化したジボラン(例えば、C[B(C)および塩化クミルは、それぞれ共開始剤および開始剤として、水性反応媒体中で−60℃にてイソブテンのカチオン重合を開始する、または少量のイソプレンを用いてイソブテンの共重合を開始するために用いられる。しかし、調製されたポリマーは、なお、低分子量を有し、一般的なMは約5×10に対してその最大Mはわずか1.2×10であった。このため、上記ポリマーは伸縮性のある材料として用いられ得ない。さらに、そのモノマーの重合変換率もまた低い。本明細書中に挙げられている水性反応媒体中でのカチオン重合の14個の例の中で、12個の例におけるモノマーの重合変換率は50%よりも低い。さらに、上記プロセスにて用いられるキレート化されたジボラン化合物は、市販の入手方法によって直接的に得られない。キレート化されたジボラン化合物は、研究室の条件下にて多段階の化学反応によって調製されることが必要である。その結果、技術的な手順の複雑度が増す。さらに、そのようなキレート化されたジボランを調製するために必要な原材料は高価である。
結論として、水性反応媒体中でのビニルモノマーのカチオン重合の先行技術は、多くの問題(例えば、開始系の高コスト、複雑な技術的プロセス、低い重合効率、ポリマー製品の低い分子量等)に直面している。さらに、高コストまたは特別に調製されるルイス酸が、共開始剤として必要とされる。よって、高い反応性、低コスト、市販の入手容易な原材料、および重合プロセスにて用いるに容易でありかつ都合よい新たな開始系の開発が、先行技術における水性媒体の中でのカチオン重合における問題点を解決するために重要な要点であり、技術的なプロセスを簡易化し、重合効率を向上させ、高分子量のポリマー製品を合成し、コストを低減させるなどのために条件を生成し得る。しかし、水性媒体または完全に水である反応媒体にて、ルイス酸(例えば、AlCl、AlRCl、BF、TiCl、FeCl、SnCl、ZnCl等)によって、直接的に同時に開始される、カチオン重合が可能なモノマーのカチオン重合の技術および手順は未だ報告されていない。
[発明の概要]
本発明の1つの目的は、カチオン重合が可能なモノマーのカチオン重合のための開始系、および上記開始系を用いることによる、カチオン重合が可能なモノマーのカチオン重合のためのプロセスを提供することであり、これにより、先行技術における1つまたは複数の不利益を克服する。特に、本発明の1つの目的は、水性反応媒体中にてカチオン重合が可能なモノマーのカチオン重合のための開始系、および水性反応媒体中にて上記開始系を用いることによる、カチオン重合が可能なモノマーのカチオン重合のためのプロセスを提供することである。
本発明の技術的な解決策としては以下が挙げられる。
実施形態1:開始剤、添加剤、ルイス酸および任意の希釈剤を含んでいる、水性反応媒体中にてカチオン重合を開始するための開始系。
実施形態2:上記開始剤が、プロトンを供給し得る化合物より選択されるか、あるいは、カチオン生成物を供給し得る、官能基を有する、三級アルキルまたは三級アラルキルの有機化合物からなる群より選択されるか、あるいは、ハロゲン化水素およびモノマーの付加物からなる群より選択されるか、あるいはこれらの物質の混合物である、例えば、プロトンを供給し得る化合物、および/またはハロゲン化水素およびモノマーの付加物からなる群より選択される、実施形態1に記載の開始系。
実施形態3:上記ルイス酸が、一般式MXまたはYRn−mを有する1つまたは複数の化合物あるいはその混合物から選択され、ここで、MはB、Al、Sn、Ti、Fe、SbまたはZnであり、XはF、ClまたはBrであり、nは2、3、4または5であり、mは1、2または3であり、YはAl、Sn、TiまたはZnであり、Rは、必要に応じてハロ置換基によって置換されたアルキル、アリール、アラルキル、およびアルキルアリールからなる群より選択され、アルキルまたは上記アルキルを含む基におけるアルキルが、好ましくは、C〜C20アルキル(例えばC〜Cアルキル)であり、アリールまたは上記アリールを含む基におけるアリールが、フェニルまたはナフチルである、実施形態1または2に記載の開始系。
実施形態4:上記添加剤が、1つまたは複数のヘテロ原子(例えば、窒素、酸素、硫黄およびリン)を含む有機化合物、例えば、酸素、硫黄およびリンを含む1つまたは複数のヘテロ原子を含む有機化合物からなる群より選択される、実施形態1〜3のいずれかに記載の開始系。
実施形態5:上記添加剤が、−O−、−CO−、−COO−、−CON−、−S−、−SO−、−OSO−、−P−、−PO−、−PO−、−PO−、および−PS−の1つまたは複数の基を含む化合物からなる群より選択される、実施形態1〜4のいずれかに記載の開始系。
実施形態6:上記開始剤、添加剤およびルイス酸のモル比が、(5×10−4〜25):(0.01〜120):1、好ましくは、(8×10−4〜20):(0.02〜100):1である、実施形態1〜5のいずれかに記載の開始系。
実施形態7:水性反応媒体中でのカチオン重合のための重合系であって、上記重合系は、実施形態1〜6のいずれかに記載の開始系、1つまたは複数の、カチオン重合が可能なモノマー、水性反応媒体、および任意の分散剤からなり、ここで、上記開始系が、上記重合系においてインサイチュにて形成されるか、または調製された後の上記重合系の他の成分と混合される、重合系。
実施形態8:上記水性反応媒体が、水溶性の化合物(例えば、イオン化合物および/またはアルコール)をさらに含む、実施形態7に記載の重合系。
実施形態9:実施形態7または8に記載の重合系を重合する工程を含む、水性反応媒体中にてカチオン重合が可能なモノマーを重合する、プロセス。
実施形態10:実施形態9に記載のプロセスによって調製された、ポリマー。
[発明の詳細な説明]
本発明は、水性反応媒体中でのカチオン重合が可能なモノマーのカチオン重合のための開始系を提供する。
本発明は、本発明の開始系、カチオン重合が可能なモノマー、および水性反応媒体を含むカチオン重合系を提供する。
本発明は、本発明の開始系を用いることによる、水性反応媒体中でのカチオン重合が可能なモノマーのカチオン重合のための重合プロセスを提供する。
本発明は、本発明の開始系によって水性反応媒体中でのカチオン重合が可能なモノマーを重合することによって調製されたポリマーを提供する。
本発明の以下の特定の開示は、本発明の各局面に好適である。
[1.開始系]
本発明の開始系は、水性反応媒体中でのカチオン重合が可能なモノマーのカチオン重合を開始するための開始系である。本発明の開始系は開始剤、ルイス酸、添加剤、および任意の希釈剤を含む。
(1)開始剤
開始剤は、陽イオン供給源を供給し得る化合物からなる群、詳細には、プロトンを供給し得る化合物からなる群より選択されるか、あるいは、カチオン生成物を供給し得る、官能基を有する、三級アルキルまたは三級アラルキルの有機化合物からなる群より選択されるか、あるいは、ハロゲン化水素とモノマーとの添加剤からなる群より選択されるか、あるいはこれらの物質の混合物であり、好ましくは、プロトンを供給し得る化合物、および/またはハロゲン化水素およびモノマーの付加物からなる群より選択される。
上記プロトンを供給し得る化合物は、HO、ハロゲン化水素、プロトン酸、カルボン酸、アルコール類、およびフェノール類からなる群より少なくとも1つ選択される。より詳細には、上記プロトンを供給し得る化合物は、HO、ハロゲン化水素、プロトン酸、ならびに、C〜C14アルキルもしくはアリールC〜C14アルキルもしくはC〜C14アルキルアリールを含む有機カルボン酸を含む化合物、フェノール、C〜C14アルキルに一置換されたフェノールもしくはC〜C14アルキルに複数置換されたフェノール、ならびにC〜C14アルキルおよびアリールC〜C14アルキルを含むアルコールからなる群より1つまたは複数選択される。上記アリールまたは上記アリールを含む基におけるアリールは、例えばフェニルまたはナフチルであってもよい。
本発明において、反応媒体中の水は、開始剤として部分的に機能し得る。
上記ハロゲン化水素およびモノマーの付加物は、好ましくは、HCl、HBrもしくはHIを有する、イソブテン、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレンまたはビニルエーテルの付加物からなる群より選択される。
上記官能基を有する、三級アルキルまたは三級アラルキルの有機化合物は、三級アルキルまたは三級アラルキルを有するエステル、三級アルキルまたは三級アラルキルを有するアルコール、三級アルキルまたは三級アラルキルを有するエーテル、過酸化物、エポキシド、ハロゲン化物(例えば、塩化物)、ハロゲン化ベンジル(例えば、塩化ベンジル)、および1つまたは複数のC〜C14アルキル基により置換されたハロゲン化ベンジル(例えば、塩化ベンジル)からなる群より1つまたは複数選択される。
モノマーに対する上記開始剤のモル比は、(1.0×10−6〜5.0×10−1):1、好ましくは(1.5×10−6〜4.0×10−1):1または(2×10−6〜3.0×10−1):1、より好ましくは(2.2×10−6〜2.0×10−1):1または(2.4×10−6〜1.5×10−1):1である。
(2)ルイス酸
本発明に従えば、ルイス酸は、金属ハロゲン化物または金属有機化合物である。
本発明に従えば、ルイス酸は、一般式MXもしくはYRn−mを有する1つもしくは複数の化合物、またはそれらの混合物から選択され得る。ここで、Mは、B、Al、Sn、Ti、Fe、SbまたはZnであり、Xは、F、ClまたはBrであり、nは、2、3、4または5であり、mは、1、2または3であり、Yは、Al、Sn、TiまたはZnであり、Rは、必要に応じてハロ置換基によって置換されたアルキル、アリール、アラルキルおよびアルキルアリールからなる群より選択され、ここで、アルキルまたは上記アルキルを含む基におけるアルキルは、例えばC〜C20アルキル、特にC〜Cアルキルであってよく、アリールまたは上記アリールを含む基におけるアリールは、例えばフェニルまたはナフチルであってよい。
上記MX型の化合物は、好ましくは、BF、BCl、AlCl、AlBr、SnCl、TiCl、TiBr、FeCl、SbClおよびZnClからなる群より1つまたは複数選択される。上記YRn−m型の化合物は、好ましくは、Al(C)Cl、Al(CCl、Al(i−C)Cl、Al(i−CCl、塩化セスキエチルアルミニウム、塩化セスキイソブチル(sesquiisobutyl)アルミニウム、Sn(C)Cl、Sn(CCl、Sn(CCl、およびZn(C)Clからなる群より1つまたは複数選択される。
モノマーに対する上記ルイス酸のモル比は、(9.0×10−5〜5.0×10−1):1、好ましくは(1.0×10−4〜4.0×10−1):1、より好ましくは(1.5×10−4〜3.5×10−1):1、より好ましくは(2.0×10−4〜3.0×10−1):1、より好ましくは(2.5×10−4〜2.5×10−1):1である。
(3)添加剤
本発明に従えば、添加剤は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子およびリン原子を含む少なくとも1つの有機化合物であり得、好ましくは、R−X−Yの一般構造式を有する。
上記R部分は、必要に応じてハロ置換基またはニトロ置換基によって置換された、直鎖状または分枝状または環状の、C〜C20アルキル基、アリール基、アリールC〜C20アルキル基、C〜C20アルキルアリール基、C〜C20アルコキシ基、アリールオキシ基およびアリールC〜C20アルコキシ基からなる群より選択され、好ましくは、必要に応じてハロ置換基またはニトロ置換基によって置換された、直鎖状または分枝状または環状の、C〜C12アルキル基、フェニル基、フェニルC〜C12アルキル基、C〜C12アルキルフェニル基、C〜C12アルコキシ基、アリールオキシ基およびアリールC〜C12アルコキシ基からなる群より選択され、ここで、アリールまたは上記アリールを含む基のアリールは、フェニルまたはナフチルであってもよい。
上記X部分は、O原子、N原子、S原子またはP原子を少なくとも1つを必要とし、上記Xの構造は、好ましくは、−O−、−N−、−CO−、−COO−、−CON−、−S−、−SO−、−OSO−、−P−、−PO−、−PO−、−PO−、および−PS−からなる群より選択され、より好ましくは、−O−、−CO−、−COO−、−CON−、−S−、−SO−、−OSO−、−P−、−PO−、−PO−、−PO−、および−PS−からなる群より選択される。
上記Y部分は、H、ハロ、ならびに、必要に応じてハロ置換基またはニトロ置換基によって置換された、直鎖状または分枝状または環状の、C〜C20アルキル、アリール、アリールC〜C20アルキル、C〜C20アルキルアリール、C〜C20アルコキシ、アリールオキシ、およびアリールC〜C20アルコキシからなる群より選択され、好ましくは、H、ならびに、必要に応じてハロ置換基またはニトロ置換基によって置換された、直鎖状または分枝状または環状の、C〜C12アルキル、フェニル、フェニルC〜C12アルキル、C〜C12アルキルフェニル、C〜C12アルコキシ、アリールオキシおよびアリールC〜C12アルコキシからなる群より選択される。RおよびYは互いに独立して、環の分子形状を形成するように化学結合によって連結され得る。上記アリールまたは上記アリールを含む基におけるアリールは、フェニルまたはナフチルであってもよい。上記ハロは、好ましくは、塩素および臭素からなる群より選択される。
より詳細には、公知の構造を有する本発明の(current)化合物において、R−X−Yの構造を有する上記添加剤は、以下に述べる化合物の型を含む。
(1)酸素を含む化合物は、好ましくは、以下の構造式を有する化合物の少なくとも1つであり、一般構造式としてRORを有するエーテル、一般構造式としてROHを有するアルコールまたはフェノール、一般構造式としてRCORを有するケトン、または一般構造式としてRCOORを有するエステルの少なくとも1つである。ここで、R〜Rは、同一のまたは異なる、直鎖状または分枝状または環状の、C〜C20アルキル、アリールC〜C20アルキル、アリールおよびC〜C20アルキルアリールからなる群より選択され、好ましくは、同一のまたは異なる、直鎖状または分枝状または環状の、C〜C12アルキル、アリールC〜C12アルキル、アリール、およびC〜C12アラルキルからなる群より選択される。ここで、アリールまたは上記アリールを含む基におけるアリールは、フェニルまたはナフチルであってもよい。
(2)窒素を含む化合物は、好ましくは、以下の構造式を有する化合物の少なくとも1つであり、一般構造式としてR10Nを有するアミン、または一般構造式としてR11CONR1213を有するアミドの少なくとも1つである。ここで、R13は、同一のまたは異なる、直鎖状または分枝状または環状の、C〜C20アルキル、アリールC〜C20アルキル、アリール、およびC〜C20アルキルアリールからなる群より選択され、好ましくは、同一のまたは異なる、直鎖状または分枝状または環状の、C〜C12アルキル、アリールC〜C12アルキル、アリール、およびC〜C12アルキルアリールからなる群より選択される。ここで、R〜R12は、H、同一のまたは異なる、直鎖状または分枝状または環状の、C〜C20アルキル、アリールC〜C20アルキル、アリール、およびC〜C20アルキルアリールからなる群より選択され、好ましくは、H、同一のまたは異なる、直鎖状または分枝状または環状の、C〜C12アルキル、アリールC〜C12アルキル、アリール、およびC〜C12アルキルアリールからなる群より選択される。ここで、アリールまたは上記アリールを含む基におけるアリールは、フェニルまたはナフチルであってもよい。
(3)硫黄を含む化合物は、好ましくは、以下の一般構造式を有する物質の少なくとも1つであり、チオエステル(R14−S−R15)、スルホン(R1617SO)およびスルホキシド(R1819SO)の化合物、またはそれらの誘導体の少なくとも1つである。ここで、R14〜R19はそれぞれ独立して、必要に応じてハロ置換基またはニトロ置換基によって置換された、直鎖状または分枝状または環状の、C〜C20アルキル、アリール、アリールC〜C20アルキル、C〜C20アルキルアリール、C〜C20アルコキシ、アリールオキシまたはアリールC〜C20アルコキシを表すか、あるいは、R14とR15、R16とR17、またはR18とR19が結合して、C〜C20アルキリデンラジカルまたはC〜C20シクロアルキリデン、好ましくは、必要に応じてハロ置換基またはニトロ置換基によって置換された、C〜C12アルキル、アリール、アリールC〜C12アルキル、C〜C12アルキルアリール、C〜C12アルコキシ、アリールオキシ、またはアリールC〜C12アルコキシを形成するか、あるいは、R14とR15、R16とR17、またはR18とR19が結合して、C〜C12アルキリデンラジカルまたはC〜C12シクロアルキリデンを形成し、ここで、アリールまたは上記アリールを含む基におけるアリールは、フェニルまたはナフチルであってもよい。
(4)リンを含む化合物は、好ましくは、以下の一般構造式を有する物質の少なくとも1つであり、ホスフィン(R20PR2122)、ホスフィンオキシド(R232425PO)、ホスフェート(R262728PO)およびホスフィート(R293031PO)の一般構造式を有する化合物の少なくとも1つである。ここで、R20、R23、R26およびR29は、H、ハロ、ならびに、必要に応じてハロ置換基またはニトロ置換基によって置換された、直鎖状または分枝状または環状の、C〜C20アルキル、アリール、アリールC〜C20アルキル、またはC〜C20アルキルアリールを表し得、好ましくは、H、ハロ、ならびに、必要に応じてハロ置換基またはニトロ置換基によって置換された、C〜C12アルキル、アリール、アリールC〜C12アルキル、またはC〜C12アルキルアリールを表し得る。R21、R22、R24、R25、R27およびR28はそれぞれ独立して、必要に応じてハロ置換基またはニトロ置換基によって置換された、直鎖状または分枝状または環状の、C〜C20アルキル、アリール、アリールC〜C20アルキル、C〜C20アルキルアリールを表し、好ましくは、必要に応じてハロ置換基またはニトロ置換基によって置換された、C〜C12アルキル、アリール、アリールC〜C12アルキル、C〜C12アルキルアリールを表し、ここで、アリールおよび上記アリールを含む基におけるアリールは、フェニルまたはナフチルであってもよい。上記ハロは、好ましくは、塩素および臭素からなる群より選択される。
(5)硫黄およびリンを含む化合物は、好ましくは、一般構造式R30PSR3132を有する化合物およびそれらの誘導体の少なくとも1つである。ここで、R30、R31およびR32はそれぞれ独立して、H、ハロ、ならびに、必要に応じてハロ置換基またはニトロ置換基によって置換された、直鎖状または分枝状または環状の、C〜C20アルキル、アリール、アリールC〜C20アルキル、C〜C20アルキルアリール、C〜C20アルコキシ、アリールオキシ、またはアリールC〜C20アルコキシを表し、好ましくは、H,ハロ、ならびに、必要に応じてハロ置換基またはニトロ置換基によって置換された、C〜C12アルキル、アリール、アリールC〜C12アルキル、C〜C12アルキルアリール、C〜C12アルコキシ、アリールオキシ、またはアリールC〜C12アルコキシを表す。ここで、アリールまたは上記アリールを含む基におけるアリールは、フェニルまたはナフチルであってもよい。上記ハロは、好ましくは塩素および臭素からなる群より選択される。
1つの実施形態において、上記添加剤は、構造式R−X−Yである化合物またはその誘導体であり得る。ここで、Rは、C〜C20アルキル、アリールC〜C20アルキル、アリール、C〜C20アルキルアリール、ハロ置換したC〜C20アルキル、ハロ置換したアリールC〜C20アルキル、置換したアリール、およびハロ置換したC〜C20アルキルアリールからなる群より選択され、好ましくは、C〜Cアルキル、フェニルC〜Cアルキル、フェニル、C〜Cアルキルフェニル、塩素置換したC〜Cアルキル、塩素置換したフェニルC〜Cアルキル、塩素置換したフェニル、および塩素置換したC〜Cアルキルフェニルからなる群より選択される。ここで、アリールまたは上記アリールを含む基におけるアリールは、フェニルまたはナフチルであってもよい。
上記Xの構造は、O原子およびN原子の1つ、好ましくは−O−、−N−、−CO−、−COO−および−CON−の1つ、より好ましくは、−O−、−CO−、−COO−および−CON−の1つを少なくとも含む。
Yは、H、C〜C20アルキル、アリールC〜C20アルキル、アリール、C〜C20アルキルアリール、ハロ置換したC〜C20アルキル、ハロ置換したアリールC〜C20アルキル、置換したアリール、およびハロ置換したC〜C20アルキルアリールからなる群より選択され、好ましくはH、C〜Cアルキル、フェニルC〜Cアルキル、フェニル、あるいはC〜Cアルキルフェニル、塩素置換したC〜Cアルキル、塩素置換したフェニルC〜Cアルキル、塩素置換したフェニル、および塩素置換したC〜Cアルキルフェニルからなる群より選択される。ここで、アリールまたは上記アリールを含む基におけるアリールは、フェニルまたはナフチルであってもよい。
上記添加剤の中で、アルコール化合物は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アミルアルコール、ヘキサノール、エナントール、オクタノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、フェニルプロパノール、フェニルブチルアルコールおよびメチルベンジルアルコールからなる群より選択され得る。エーテル化合物は、エチルエーテル、プロピルエーテル、ブチルエーテル、アミルエーテル、ヘキシルエーテル、ヘプチルエーテル、オクチルエーテル、アニソール、フェニルプロピルエーテル、フェニルブチルエーテル、ジフェニルエーテル、キシレンエーテル(either)、ジベンジルエーテル、ジクロロベンゼンエーテル、およびジクロロメチルベンゼンエーテルからなる群より選択され得る。ケトン化合物は、アセトン、ブタノン、ペンタノン、ヘキサノン、ヘプタノン、オクタノン、アセトフェノン、フェニルエチルケトン、フェニルプロピルケトン、バレロフェノン、フェニルアミルケトン、およびフェニルヘキシルケトンからなる群より選択され得る。エステル化合物は、酢酸メチル、酢酸エチル、モノクロロ酢酸エチル、ジクロロ酢酸エチル、トリクロロ酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酢酸メチル、プロピオン酢酸エチル、プロピオン酢酸プロピル、プロピオン酢酸ブチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、メチルブチレート、エチルブチレート、プロピルブチレート、ブチルブチレート、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸アミル、安息香酸ヘキシル、安息香酸ヘプチル、安息香酸オクチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジプロピル、フタル酸ジアリル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、ジメチルテレフタレート、ジエチルテレフタレート、ジプロピルテレフタレート、およびジブチルテレフタレートからなる群より選択され得る。
上記添加剤の中で、アミン化合物は、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジフェニルアミン、アミルアミン、ジエチルメチルアミン、N,N−ジメチルヘキシルアミン、N−メチルブチルアミン、N,N−ジメチルブチルアミン、N−エチルブチルアミン、ヘキシルアミン、N−メチルヘキシルアミン、N−ブチルプロピルアミン、ヘプチルアミン、2−アミノヘプタン、3−アミノヘプタン、N,N−ジプロピルエチルアミン、N,N−ジメチルヘキシルアミン、オクチルアミン、アニリン、ベンジルアミン、N−メチルアニリン、フェニルブチルアミン、N−ブチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、2,6−ジエチルアニリン、およびトリフェニルアミンからなる群より選択され得る。アミド化合物は、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、およびN,N−ジエチルアセトアミドからなる群より選択され得る。
別の実施形態において、上記添加剤は、硫黄を含む有機化合物、リンを含む有機化合物、ならびに硫黄およびリンを含む有機化合物からなる群より選択される1つまたは複数であり得る。
より詳細には、硫黄を含む有機化合物は、好ましくは、チオエーテルR−S−Rを有する化合物、スルホンRSOを有する化合物、およびスルホキシドRSOを有する化合物、ならびにそれらの誘導体からなる群より少なくとも1つ選択される。ここで、R〜Rはそれぞれ独立して、必要に応じてハロ置換基またはニトロ置換基によって置換された、直鎖状または分枝状または環状の、C〜C20アルキル、アリール、アリールC〜C20アルキル、C〜C20アルキルアリール、C〜C20アルコキシ、アリールオキシ、およびアリールC〜C20アルコキシを表すか、またはR〜Rは、C〜C20シクロアルキリデンラジカルまたはアリールで置換したアルキリデンラジカルを形成するために官能基と結合される。ここで、上記アリールまたは上記アリールを含む基におけるアリールはフェニルまたはナフチルであってもよい。
好ましくは、チオエーテル化合物は、ジチオスルフィド、ジプロピルスルフィド、ジイソプロピルスルフィド、ジブチルスルフィド、ジアミルスルフィド、ジヘキシルスルフィド、ジヘプチルスルフィド、ジフェニルスルフィド、ジナフチルスルフィド、ジアントリルスルフィド、ジベンジルスルフィド、キシリルスルフィド、ジクロロベンゼンスルフィド、ジニトロフェニルスルフィド、メチルエチルスルフィド、メチルプロピルスルフィド、メチルブチルスルフィド、メチルフェニルスルフィド、エチルフェニルスルフィド、プロピルフェニルスルフィド、ブチルフェニルスルフィド、シクロブチルスルフィド、シクロペンチルスルフィド、シクロヘキシルスルフィド、シクロヘプチルスルフィド、およびシクロドデシルスルフィドからなる群より選択され得る。より好ましくは、チオエーテル化合物は、ジプロピルスルフィド、ジブチルスルフィド、ジフェニルスルフィド、ジナフチルスルフィド、ジアントリルスルフィド、およびジベンジルスルフィドからなる群より選択され得る。
好ましくは、スルホキシド化合物は、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジプロピルスルホキシド、ジブチルスルホキシド、ジアミルスルホキシド、ジヘキシルスルホキシド、ジヘプチルスルホキシド、ジフェニルスルホキシド、ジナフチルスルホキシド、ジアントリルスルホキシド、ジベンジルスルホキシド、キシリルスルホキシド、ジクロロベンゼンスルホキシド、ジニトロフェニルスルホキシド、メチルエチルスルホキシド、メチルプロピルスルホキシド、メチルブチルスルホキシド、メチルフェニルスルホキシド、エチルフェニルスルホキシド、プロピルフェニルスルホキシド、ブチルフェニルスルホキシド、シクロブチルスルホキシド、シクロペンチルスルホキシド、シクロヘキシルスルホキシド、シクロヘプチルスルホキシド、およびイソブチルドデシルスルホキシドからなる群より選択され得る。より好ましくは、スルホキシド化合物は、ジメチルスルホキシド、ジプロピルスルホキシド、ジブチルスルホキシド、ジフェニルスルホキシド、ジナフチルスルホキシド、ジアントリルスルホキシド、ジベンジルスルホキシド、キシリルスルホキシド、およびジクロロベンゼンスルホキシドからなる群より選択され得る。
好ましくは、スルホン化合物は、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ジプロピルスルホン、ジブチルスルホン、ジアミルスルホン、ジヘキシルスルホン、ジヘプチルスルホン、ジフェニルスルホン、ジナフチルスルホン、ジアントリルスルホン、ジベンジルスルホン、キシリルスルホン、ジクロロベンゼンスルホン、ジニトロフェニルスルホン、メチルエチルスルホン、メチルプロピルスルホン、メチルブチルスルホン、メチルフェニルスルホン、エチルフェニルスルホン、プロピルフェニルスルホン、ブチルフェニルスルホン、シクロブチルスルホン、シクロペンチルスルホン、シクロヘキシルスルホン、シクロヘプチルスルホン、およびシクロドデシルスルホンからなる群より選択され得る。より好ましくは、スルホン化合物は、ジメチルスルホン、ジプロピルスルホン、ジブチルスルホン、ジフェニルスルホン、ジナフチルスルホン、ジベンジルスルホン、キシリルスルホン、ジクロロベンゼンスルホン、およびシクロブチルスルホンからなる群より選択され得る。
上記リンを含む有機化合物は、有機ホスフィンRPR、有機ホスフィンオキシドR101112P=O、有機ホスフェートR131415PO、有機ホスフィートR161718PO、またはそれらの誘導体の少なくとも1つである。ここで、R、R10、R13およびR16は、H、ハロ、ならびに、必要に応じてハロ置換基またはニトロ置換基によって置換された、直鎖状または分枝状または環状の、C〜C20アルキル、アリール、アリールC〜C20アルキル、またはC〜C20アルキルアリールを表し得、R、R、R11、R12、R14、R15、R17およびR18はそれぞれ独立して、必要に応じてハロ置換基またはニトロ置換基によって置換された、直鎖状または分枝状または環状の、C〜C20アルキル、アリール、アリールC〜C20アルキル、またはC〜C20アルキルアリールを表す。ここで、アリールまたは上記アリールを含む基におけるアリールはフェニルまたはナフチルであってもよい。上記ハロは、好ましくは、塩素および臭素からなる群より選択される。
好ましくは、ホスフィン化合物は、トリエチルホスフィン、トリプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリアミルホスフィン、トリヘキシルホスフィン、トリヘプチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリナフチルホスフィン、トリアントリルホスフィン、トリベンジルホスフィン、トリメチルフェニルホスフィン、トリシクロフェニルホスフィン、トリニトロフェニルホスフィン、ジメチルホスフィン、ジエチルホスフィン、ジプロピルホスフィン、ジブチルホスフィン、ジアミルホスフィン、ジヘキシルホスフィン、ジヘプチルホスフィン、ジフェニルホスフィン、塩化ジフェニルホスフィン、ジナフチルホスフィン、ジアントリルホスフィン、ジベンジルホスフィン、キシリルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、エチルジフェニルホスフィン、プロピルジフェニルホスフィン、ブチルジフェニルホスフィン、トリブトキシ(butoxyl)ホスフィン、およびトリフェノキシホスフィンからなる群より選択され得る。より好ましくは、ホスフィン化合物は、トリプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリナフチルホスフィン、トリベンジルホスフィン、トリメチルフェニルホスフィン、およびトリクロロフェニルホスフィンからなる群より選択され得る。
好ましくは、ホスフィンオキシド化合物は、トリメチルホスフィンオキシド、トリエチルホスフィンオキシド、トリプロピルホスフィンオキシド、トリブチルホスフィンオキシド、トリアミルホスフィンオキシド、トリヘキシルホスフィンオキシド、トリヘプチルホスフィンオキシド、トリフェニルホスフィンオキシド、トリナフチルホスフィンオキシド、トリアントリルホスフィンオキシド、トリベンジルホスフィンオキシド、トリメチルフェニルホスフィンオキシド、トリクロロベンジルホスフィンオキシド、トリニトロフェニルホスフィンオキシド、ジメチルホスフィンオキシド、ジメチルクロロホスフィンオキシド、ジエチルホスフィンオキシド、ジプロピルホスフィンオキシド、ジブチルホスフィンオキシド、ジアミルホスフィンオキシド、ジヘキシルホスフィンオキシド、ジヘプチルホスフィンオキシド、ジフェニルホスフィンオキシド、ジナフチルホスフィンオキシド、ジアントリルホスフィンオキシド、ジベンジルホスフィンオキシド、ジメチルフェニルホスフィンオキシド、ジクロロフェニルホスフィンオキシド、ジニトロフェニルホスフィンオキシド、メチルジフェニルホスフィンオキシド、エチルジフェニルホスフィンオキシド、プロピルジフェニルホスフィンオキシド、およびブチルジフェニルホスフィンオキシドからなる群より選択され得る。より好ましくは、ホスフィンオキシド化合物は、トリメチルホスフィンオキシド、トリプロピルホスフィンオキシド、トリブチルホスフィンオキシド、トリフェニルホスフィンオキシド、トリナフチルホスフィンオキシド、トリアントリルホスフィンオキシド、トリベンジルホスフィンオキシド、トリメチルフェニルホスフィンオキシド、トリクロロフェニルホスフィンオキシド、ジフェニルホスフィンオキシド、およびジフェニルクロロホスフィンオキシドからなる群より選択され得る。
好ましくは、ホスフェート化合物は、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリプロピルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリアミルホスフェート、トリヘキシルホスフェート、トリヘプチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリナフチルホスフェート、トリアントリルホスフェート、トリベンジルホスフェート、トリメチルフェニルホスフェート、トリクロロフェニルホスフェート、トリニトロフェニルホスフェート、ジメチルホスフェート、ジメチルクロロホスフェート、ジエチルホスフェート、ジプロピルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジアミルホスフェート、ジヘキシルホスフェート、ジヘプチルホスフェート、ジフェニルホスフェート、ジナフチルホスフェート、ジアントリルホスフェート、ジベンジルホスフェート、ジメチルフェニルホスフェート、ジクロロフェニルホスフェート、ジニトロフェニルホスフェート、メチルジフェニルホスフェート、エチルジフェニルホスフェート、プロピルジフェニルホスフェート、およびブチルジフェニルホスフェートからなる群より選択され得る。より好ましくは、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリプロピルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、およびトリベンジルホスフェートからなる群より選択され得る。
好ましくは、ホスフィート化合物は、トリメチルホスフィート、トリエチルホスフィート、トリプロピルホスフィート、トリブチルホスフィート、トリアミルホスフィート、トリヘキシルホスフィート、トリヘプチルホスフィート、トリフェニルホスフィート、トリナフチルホスフィート、トリベンジルホスフィート、トリメチルフェニルホスフィート、トリクロロフェニルホスフィート、トリニトロフェニルホスフィート、ジメチルホスフィート、ジエチルホスフィート、ジプロピルホスフィート、ジブチルホスフィート、ジアミルホスフィート、ジヘキシルホスフィート、ジヘプチルホスフィート、ジフェニルホスフィート、ジベンジルホスフィート、ジメチルフェニルホスフィート、ジクロロフェニルホスフィート、ジニトロフェニルホスフィート、メチルジフェニルホスフィート、エチルジフェニルホスフィート、プロピルジフェニルホスフィート、およびブチルジフェニルホスフィートからなる群より選択され得る。より好ましくは、ホスフィート化合物は、トリメチルホスフィート、トリエチルホスフィート、トリプロピルホスフィート、トリブチルホスフィート、トリフェニルホスフィート、およびトリベンジルホスフィートからなる群より選択され得る。
上記硫黄およびリンを含む有機化合物は、一般構造式R19PSR2021を有する物質およびその誘導体の少なくとも1つである。ここで、R19、R20およびR21はそれぞれ独立して、H、ハロ、ならびに、必要に応じてハロ置換基またはニトロ置換基によって置換された、同一のまたは異なる、直鎖状または分枝状または環状の、C〜C20アルキル、アリール、アリールC〜C20アルキル、C〜C20アルキルアリール、C〜C20アルコキシ、アリールオキシ、またはアリールC〜C20アルコキシを表す。ここで、アリールまたは上記アリールを含む基におけるアリールは、フェニルまたはナフチルであってもよい。上記ハロは、好ましくは、塩素および臭素からなる群より選択される。
好ましくは、硫黄およびリンを含む有機化合物は、トリメチルホスホラスサルファイド、トリエチルホスホラスサルファイド、トリエトキシ(ethoxyl)ホスホラスサルファイド、トリプロピルホスホラスサルファイド、トリブチルホスホラスサルファイド、トリブトキシホスホラスサルファイド、トリフェニルホスホラスサルファイド、トリフェノキシ(phenoxyl)ホスホラスサルファイド、メチルジフェニルホスホラスサルファイド、エチルジフェニルホスホラスサルファイド、トリナフチルホスホラスサルファイド、トリアントリルホスホラスサルファイド、トリベンジルホスホラスサルファイド、トリトリルホスホラスサルファイド、トリクロロフェニルホスホラスサルファイド、トリニトロフェニルホスホラスサルファイド、ジメチルホスホラスサルファイド、ジエチルホスホラスサルファイド、およびジメチル塩化チオホスホリルからなる群より選択され得る。より好ましくは、硫黄およびリンを含む有機化合物は、トリメチルホスホラスサルファイド、トリエチルホスホラスサルファイドおよびトリフェニルホスホラスサルファイドからなる群より選択され得る。
上記添加剤は、上述した多くの化合物の混合物であってもよい。
モノマーに対する上記添加剤のモル比は、(1×10−4〜5.0×10−1):1であり、好ましくは(2.0×10−4〜4.5×10−1):1または(2.5×10−4〜4.0×10−1):1であり、好ましくは(2.8×10−3〜3.0×10−1):1であり、より好ましくは(3.3×10−3〜2.8×10−1):1である。
本発明に従う開始系において、開始剤、添加剤およびルイス酸のモル比は、(5×10−4〜25):(0.01〜120):1であり、好ましくは(8×10−4〜20):(0.02〜100):1である。
(4)任意の希釈剤
希釈剤は、本発明の開始系において、溶液または分散液を形成するために他の成分と混合することができる任意の有機溶媒または無機溶媒であり得る。そのような有機溶媒が好ましく、そして有機溶媒は、アルカン、シクロアルカン、芳香族化合物およびハロゲン化した炭化水素、ならびにそれらの混合物からなる群より1つ選択される。ハロゲン化した炭化水素は、例えば、ハロゲン化したアルカン、ハロゲン化したシクロアルカン、またはハロゲン化した芳香族化合物である。芳香族化合物は、例えば、フェニルおよび一置換したアルキルベンゼンまたは複数置換したアルキルベンゼンである。
1つの実施形態においては、上記希釈剤は、本発明にて規定されているように、水性反応媒体中の有機溶媒であり得る。
開始系は、重合系においてインサイチュにて形成され得るか、または重合前に予め調製され得る。上記開始系は、種々の方法によって調製され得、使用することが容易である。例えば、上記開始剤、添加剤およびルイス酸は、異なる供給様式(feedimg manners)に従って混合され、次いで直接的に使用されるか、または一定期間反応させた後に使用される、あるいは、上記開始剤がまずルイス酸と混合され、次いで上記添加剤と混合され、次いで直接的に使用されるか、または一定期間にわたって混合した後に使用される、あるいは上記添加剤は、ルイス酸と混合され、次いで直接的に使用されるか、または一定期間反応させた後に開始剤と組み合わせて使用される。上記開始剤は、インサイチュにて開始系を形成させるために、上記添加剤とルイス酸の混合物に加えられても、モノマーと反応媒体の混合物に加えられてもよく、あるいは上記開始剤の一部が、モノマーと反応媒体の混合物に加えられ、残りの開始剤が、上記添加剤およびルイス酸と混合され、直接的に使用されるかまたは一定期間反応させた後に使用される。上述した成分の、混合または反応の温度は、−90℃〜50℃の範囲であり得る。開始系は、希釈剤とともに使用されても、希釈剤なしの条件下にて直接的に使用されてもよい。任意の希釈剤が、開始系の他の成分に加えられても、任意の時点でこれらの成分の任意の混合物に加えられてもよい。さらに、上記開始系は、貯蔵安定性の利点を有し、数日間または数カ月間にわたって保管された後であってもその活性を維持する。
本発明の重合プロセスにおいて、上記開始剤、ルイス酸または添加剤は、直接的に使用されても、上述した希釈剤とともに上記混合溶液に処方された後に使用されてもよい。
[2.カチオン重合が可能なモノマー]
カチオン重合が可能なモノマーは、好ましくは、カチオン重合が可能なビニル化合物であり、上記ビニル化合物は、好ましくは、アルキル置換したビニル化合物、アリール置換したビニル化合物、および電子供与性の基で置換したビニル化合物からなる群より選択される。例えば、ビニル化合物は、C〜C12オレフィンもしくはC〜C12シクロオレフィン、C〜C12ジオレフィンもしくはC〜C12シクロジオレフィン、スチレンまたはこれらの誘導体、およびビニルエーテルからなる群より選択される1つまたは複数の化合物である。
好ましいビニルモノマーは、プロピレン、n−ブテン、イソブテン、2−メチル−ブテン、アミレン、2−メチル−アミレン、3−メチル−アミレン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、デセン、2,3−ジメチルブタジエン、2,4−ジメチル−1,3−ブタジエン、ピネン、シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン、ブタジエン、1,3−ペンタジエン、イソプレン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ノルボナン、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロメチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−t−ブトキシスチレン、p−ビニルスチレン、インデン、メチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、およびt−ブトキシエチルビニルエーテルからなる群より選択される。
上記ビニルモノマーは、直接的に使用され得るか、または上記希釈剤とともに溶液に処方された後に使用され得る。上記希釈剤は、反応媒体中の有機溶媒(アルカン、シクロアルカン、芳香族化合物およびハロゲン化した炭化水素からなる群より選択される1つまたは複数)であり得、そして飽和炭化水素(例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、石油エーテル、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン)およびハロゲン化した炭化水素(例えば、塩化メタン、ジクロロメタン、塩化エタン、ジクロロエタン、塩化プロパン、塩化ブタン、トリフルオロエタン、テトラフルオロエタン)からなる群より選択される1つまたは複数からなる混合溶媒であり得る。
本発明の重合反応は、上述したモノマーの単独重合および共重合を含む。上記重合系において、上記ビニルモノマーは、0.4mol/L〜0.7mol/Lの濃度を有する。
本発明は、ある程度の水または水相を含む有機溶媒中でのビニルモノマーのカチオン重合を開始するために、複雑な助開始剤を用いた先行技術における、低い重合度の問題を解決する。本発明において、ビニルモノマーは、カチオン単独重合されてビニルモノマーの単独重合体となるか、またはカチオン共重合されてビニルモノマーの共重合体となる。
[3.水性反応媒体]
本発明の水性反応媒体は、有機溶媒と水の混合反応媒体であるか、もしくは水が優勢(prominant)である反応媒体であるか、あるいは完全に水である反応媒体である。水性反応媒体において、水は、反応媒体の体積に対して、好ましくは3.5%〜100%、より好ましくは5%〜100%である。
有機溶媒は、オレフィン、アルカン、シクロアルカン、芳香族化合物もしくはハロゲン化した炭化水素、あるいはそれらの混合物の1つまたは複数である。上記オレフィンは、例えば、エチレンであり得る。ハロゲン化した炭化水素は、例えば、ハロゲン化したアルカン、ハロゲン化したシクロアルカンまたはハロゲン化した芳香族化合物であり得る。芳香族化合物は、例えば、ベンゼン、一置換したアルキルベンゼンまたは複数置換したアルキルベンゼンであり得る。
好ましくは、上記有機溶媒は、直鎖状または分枝状または環状の、C〜C20オレフィン、アルカン、シクロアルカン、芳香族化合物およびハロゲン化した炭化水素、ならびにそれらの混合物からなる群より少なくとも1つ選択され、好ましくは、C〜Cオレフィン、C〜C12アルカン、シクロアルカン、芳香族化合物、およびハロゲン化した炭化水素からなる群より1つまたは複数選択される。より詳細には、上記オレフィンは、例えばエチレンであり、上記アルカンまたは上記シクロアルカンは、好ましくは、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、石油エーテル、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、およびそれらの異性体からなる群より選択される。上記芳香族化合物は、好ましくは、ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、トリエチルベンゼン、プロピルベンゼン、およびイソプロピルベンゼンからなる群より選択される。上記ハロゲン化した炭化水素は、塩化メタン、ジクロロメタン、トリクロロメタン、クロロエタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロプロパン、クロロブタン、フルオロメタン、ジフルオロメタン、トリフルオロメタン、テトラフルオロメタン、フルオロエタン、ジフルオロエタン、トリフルオロエタン、テトラフルオロエタン、ペンタフルオロエタン、ヘキサフルオロエタン、フルオロプロパン、ジフルオロプロパン、トリフルオロプロパン、テトラフルオロプロパン、ペンタフルオロプロパン、ヘキサフルオロプロパン、およびフルオロブタンからなる群より選択される。
さらに、有機溶媒の添加は、重合反応におけるポリマーの濃度を低減する利点があり、および分散、物質移動および熱移動の効果を向上する利点がある。
好ましくは、カチオン重合が可能なモノマー(例えば、ビニルモノマー)に対する水性反応媒体中の水の体積比は、(0.03〜25):1であり、好ましくは(0.04〜23.0):1であり、さらに好ましくは(0.05〜21):1であり、なおさら好ましくは(0.05〜19):1である。
本発明の重合系において、モノマーに対する有機溶媒の体積比は、(0〜12):1であり得、好ましくは(0〜10):1であり得る。
上記媒体は、さらなる水溶性の化合物を含み得る。上記水溶性の化合物は、イオン化合物(例えば、アルカリ金属塩IP、またはアンモニウム塩)、無機のプロトン酸、有機酸等、ならびにアルコールからなる群より選択される1つまたは複数である。ここで、Iは、リチウム、ナトリウムまたはカリウムのアルキル金属である。Pは、塩素、臭素または酸基である。上記アルカリ金属塩の化合物またはアンモニウム塩の化合物は、好ましくは、塩化ナトリウム、塩化リチウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルスルホン酸ナトリウム、およびアンモニウムトリメチルヘキサデシルブロミドからなる群より選択される1つまたは複数である。上記無機のプロトン酸は、好ましくは、硫酸、塩酸およびフルオロホウ酸より選択される1つまたは複数である。上記有機酸は、好ましくは、C〜Cの飽和酸またはC〜Cの不飽和酸(例えば、ギ酸および酢酸)より選択される1つまたは複数である。上記アルコールは、好ましくは、一価のアルコールまたは多価のアルコールを含む、C〜Cの飽和アルコールまたはC〜Cの不飽和アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、およびグリシン)より選択される1つまたは複数である。モノマーに対する上記水溶性の化合物の質量比は、(0〜8.0):1であり、好ましくは(0〜6.5):1である。例えば、カチオン重合が可能なモノマー(例えば、ビニルモノマー)に対する、反応媒体中のアルカリ金属塩の質量比もしくはアンモニウム塩の質量比、またはプロトン酸の質量比あるいはそれらの混合物質量比は、(0〜6.2):1である。そのような化合物は、反応媒体の凝固点を下げて、上記反応の低温での実施を可能にし得る。
[4.分散]
本発明のプロセスは、反応効率および生成物の質を向上させるために、高い変換率および高い分子量を有するポリマーの生成物を得るために、および現在の技術の難点を解決するために、重合系が、均質に分散した状態における不均質な重合系を提示することを可能にする。
本発明のカチオン重合のプロセスにおいて、上記重合系は、反応媒体、モノマー、開始剤、ルイス酸、添加剤、任意の希釈剤、および任意の分散剤を含む。ここで、モノマーは、相当する単独重合体または共重合体を得るためにカチオン単独重合されるか、またはカチオン共重合される。
上記分散剤は、両親媒性の化合物の少なくとも1つである。
本発明の分散剤は、一般構造式W−Oを有する両親媒性の化合物である。ここで、Wは、1つまたは複数の、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシル基、エステル基、アンモニウムイオン、硫酸イオン、およびベンゼンスルホン酸イオンより選択される親水基である。Oは、必要に応じてハロまたはニトロによって置換される、C〜C20アルキル、アリール、アリールC〜C20アルキル、またはC〜C20アルキルアリールの親油基である。いずれの場合においても、モノマーに対する上記分散剤の質量比は、(0〜0.4):1であり、好ましくは、(1.0×10−4〜3.0×10−1):1であり、または好ましくは(2.0×10−4〜2.0×10−1):1である。
1つの実施形態において、好まれる分散剤は、アルコール、酸、アルキルベンゼンスルホナート、脂肪酸エステルスルホナート、硫酸アルキル、脂肪族アルコールポリオキシエチレンエーテル、アルキルフェノールポリオキシエチレンエーテル、脂肪酸ポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ソルビタン脂肪酸エステル、およびそれらのエポキシエタノール付加物(epoxy ethanol adducts thereof)、ならびにアルキルアンモニウムハライドの中から少なくとも1つである。より好ましい例としては、ドデシルトリメチルアンモニウムウロミド、オクチルフェノールポリオキシエチレンエーテル、ヘキサデシルアルコール、オレイン酸、ソルビタンモノステアレート、オレイン酸ソルビタン、およびポリオキシエチレンソルビタンモノラウラートから少なくとも1つが挙げられる。
実際的な応用において、上記分散剤の量は、分散剤の型、添加剤の型および量、ルイス酸の型および量、モノマーの型および量、有機溶媒の型および量、ならびに反応媒体中の含水量に依存する。同一の分散剤および決定された重合反応系に関し、上記分散剤の量が少ない場合、重合反応系は、均質に分散する効果を有さず、重合反応系を安定させることが困難であり、上記分散剤の量が多い場合、分散効果は良いが、後処理の手順が増し、および分離する困難が増し、ならびに生成物の精製が増すため、費用がかかる。熱移動および物質移動が向上し、同時に、重合系において温度分布の均等性が向上し、特に重合変換率および生成物の分子量が増すという利点があるため、本発明に従えば、モノマーのカチオン重合は、上述した分散剤を用いることにより水性媒体中にて行われ得、そして上記重合系は、均質に分散した効果を示す。このような効果は、先行技術によって行われ得ない。
[5.重合プロセス]
本発明は、上述した開始系を水性反応媒体中で用いて誘導されるモノマーのカチオン重合のプロセスを提供する。
重合プロセスにおいて、重合系は、反応媒体、モノマー、開始系および任意の分散剤を含む。本発明に従えば、カチオン重合が可能なモノマーは、対応する単独重合体または共重合体を得るために、上述した開始系を水性反応媒体中で用いることによって単独重合または共重合される。上記重合プロセスは、バッチ式重合法、半連続重合法または連続重合法によって行われる。
本発明の上記プロセスは、慣習的な反応装置の状態という条件下にて、カチオン重合のために用いられ得る。例としてバッチ式重合法を挙げると、重合は、以下の工程を順に含む:。
(1)反応媒体およびモノマーを上述した割合で重合反応装置にそれぞれ加え、そしてそれらを混合する。ここで、上述したモノマーは、直接的に重合系に加えられても、希釈剤とともに溶液中へ処方された後に加えられてもよい;
(2)上述した割合で開始剤、添加剤およびルイス酸を含む上記開始系を上記反応装置に加える添加する。ここで、開始系は、インサイチュにて形成されるか、または予め調製される。上記開始系は、希釈剤とともに溶液中へ処方された後に用いられても、希釈剤なしの条件下にて直接的に用いられてもよい;
(3)−100℃〜50℃、好ましくは−85℃〜35℃の温度範囲で0.1〜120分間にわたって重合させる;
(4)重合反応を停止するために、停止剤として過剰量のアルカリ物質を反応系に加える。
上記アルカリ物質は、NaOH、KOH、アルコールまたはアンモニアの水溶液である。当業者は、反応を停止するために、実際の要求に従ってアルカリ物質の量を決定し得る。より好ましくは、上記アルカリ物質の濃度は、1質量%〜5質量%である。
重合が停止した後に、上記反応系は、アルカリ溶液に通し、水を用いてリンスし、そして次いでフラッシュ蒸発させた。この手順は、ポリマーを得るために、未反応のモノマー、添加剤、反応媒体、ルイス酸等を取り除くために、何度も繰り返される。得られたポリマーは、乾燥したポリマー生成物を得るために、40℃にて真空乾燥される。
本発明の方法に従って構成される重合系は、均質かつ安定に分散され、凝集させることは容易ではない。モノマーの変換率、ポリマーの分子量および分子量分布は、広い範囲(large scope)にて調整され得る。重合は、高い反応効率で迅速に進行し、変換率は、1時間以内に80%にまで到達し得る。本発明のポリマー生成物の重量平均分子量は、約1×10(本発明において分子量の単位は、g/molである。)にまで達し得、そして分子量分布は、1.7と狭くなり得る。同一の重合条件下にて、本発明のイソブテンポリマーの重量平均分子量は、1×10に達し得、これは先行技術よりも非常に優れている。
先行技術とは異なり、分散剤を用いた本発明の重合プロセスは、1μm〜3000μmの範囲の粒子サイズを有する微粒子を有する、均質に分散した重合系を形成し得るだけではなく、重合系における質量および熱量の移動を向上させることが利点であり、またはモノマーの変換率およびポリマー生成物の分子量を向上させる効果、および分子量分布を狭くする効果を獲得し得る。本発明のプロセスは、ポリマー濃度または重合温度を上昇させた条件下でさえも重合系が均質に分散した状態であることを示すことを可能にし得、そして生成効率を上昇させる目的、および同時にエネルギーの消費を低減させる目的を成し遂げ得る。本発明のプロセスはまた、装置の生成効率を上昇させ得、そしてさらに最初のモノマーの濃度を上げ、重合におけるモノマーの反応率を向上させることによりコストを低減し得る。特に、−100℃の温度における現在の生産技術の重合プロセスと比較すると、本発明は、−60℃の温度にて6×10もしくはそれよりも高い分子量を有するポリイソブテンを生成し得、それによって、エネルキーを節約し、消費を低減する目的を達成する。
本発明は、開始剤、一般的なルイス酸および好適な添加剤から、インサイチュにて形成された開始系または予め調製された開始系を用いることによる、水を含む反応媒体中でのビニルモノマーのカチオン重合を開始することができる、経済的でありかつ実施容易なプロセスを提供する。ここで、上記開始剤は、さらに加えられ得るか、または(他の構造を有するいずれのさらなる開始剤を加えることなしに)水が開始剤として用いられる。重合条件を制御することによって、低い、中間のもしくは高い分子量を有するポリマー生成物が合成され得る。特に、本発明はまた、水相中でのカチオン重合を通して、ポリマー生成物の分子量が低いという技術的な困難を克服するために、ポリマー生成物の分子量を増大し得る。
さらに、イソブテンとイソプレンとのカチオン性の共重合体は、イソプレンの含有率がモノマーの混合比において18%の高さである条件下にて水相媒体中で行われる。上記共重合体中のイソプレンの含有率は、ゲルをほとんど形成せずに、モノマーの仕込み比と近い18%に達し得る。これは、先行文献では成し遂げられ得ない。
本発明の重合プロセスは、重合のプロセスおよび手順を簡易化し得るだけでなく、コストを削減し得る。環境に優しくあるように、そして明らかに市販の応用の見通しを有するように、水が、反応媒体として用いられる。
本発明は、下記の顕著な利点を有する。
1.水性反応媒体中または完全に水である反応媒体中でのカチオン重合のために、慣習的なルイス酸を用いることが困難であるという、理論的なおよび技術的な障害を解決する。
2.以下のような開始系を構築する:高い活性、低価格、安定した性質および使用が容易である;水性反応媒体中にてビニルモノマーのカチオン重合を高い開始効率で開始し得る;高い重合効率を有する;ポリマー生成物の分子量を大幅に増大させ得る。ここで、重量平均分子量(M)は、1×10の高さまで達し得、この値は先行技術よりもほぼ8〜20倍高い値である。
3.水性媒体は、重合の間に水性媒体のより良い分散効率および高い熱移動効率を成し遂げ得、これにより、重合系における温度分布の均質性を向上させ、製品品質を制御し、エネルギー消費を低減し、エネルギーを節約し、排出物を低減し、そして生産コストを削減するという点で有利である。
[実施形態]
本発明は、下記の実施例によって例証されるが、その範囲またはその実行する方法は、実施例によって限定されない。
下記の実施例において、ポリマー生成物の微細構造パラメーターを、当該分野における一般的な技術的手法によって測定し、すなわち、生成物の数平均分子量、重量平均分子量、ピーク分子量および分子量分布を、ゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定する。分子量は、重量平均分子量(M)により表される。分子量分布は、分布指数(M/M)により表される。測定は、25℃の温度にて行われる。ここで、テトラヒドロフランを、1mL/分の流速を有する移動相として用いる。Chongqing Optical Instrument Factoryにより製造されたXSZ−HS型の位相差顕微鏡を使用して、重合系の顕微鏡的な形態学を観察する。ポリマーの微細構造および構成内容を、H−NMRにて測定する。ここで、CDClを溶媒として用い、テトラメチルシラン(TMS)が内部標準である。
[実施例1]
−50℃の温度にて、反応媒体中の含水率が7%、および反応系におけるイソブテン(IB)の濃度が2.8mol/Lとなるように、40mLのIB/ジクロロメタン溶液、ならびに2mLの、20%LiClおよび1%のNaClを含む水溶液を重合装置に加えた。均質に混合した後に、重合を開始するために、水、オルトクレゾール、ジクロロイソブチルアルミニウムおよびAlClからなる開始系を用いた。ここで、IBに対するオルトクレゾールのモル比は、1.3×10−2:1であり、IBに対するジクロロイソブチルアンモニウムのモル比は、1.0×10−3:1であり、IBに対するAlClのモル比は、1.3×10−2:1であった。10分間の反応の後に、反応を停止するためにNaOH/エタノール溶液を加えた。ここで、NaOHは5%の質量パーセントを有する。溶媒、開始系および未反応のモノマーを除去し、アルカリ溶液と水を交互に用いて生成物を数回洗浄し、一定重量まで40℃で真空乾燥した。ポリマーの収率は69%であり、Mは5.4×10でありM/Mは4.1であった。
[実施例2]
−80℃の温度にて、反応媒体中の含水率が85%、および重合系におけるIBの濃度が0.6mol/Lとなるように、7mLのIBおよび塩化メタン溶液ならびに30mLの、23%LiClおよび1.2%のNaClを含む水溶液を重合装置に加えた。均質に混合した後に、重合を開始するために、水、1,1−ジメチルベンゼンアルコール(省略してクミルアルコール)、アニソールおよびAlClからなる開始系を用いた。ここで、IBに対するクミルアルコールのモル比は、5×10−4:1であり、IBに対するアニソールのモル比は、3.1×10−2:1であり、IBに対するAlClのモル比は、2.1×10−2:1であった。10分間の重合の後に、停止するための方法および後処理の方法としては、実施例1と同一の方法を用いた。ポリマーの収率は、66%であり、Mは1.4×10でありM/Mは3.9であった。
[実施例3]
−60℃の温度にて、反応媒体中の含水率が47%、および重合系におけるIBの濃度が1.8mol/Lとなるように、30mLのIB/ジクロロメタン/シクロヘキサンの溶液(シクロヘキサン/ジクロロメタン=0.07)、ならびに20mLの、23%LiClおよび1.2%のNaClを含む水溶液、ならびに0.07gのトリメチルセチルアンモニウムブロミドを重合装置に加えた。均質に混合した後に、重合を開始するために、水、メチル−t−ブチルエーテル、トリフェニルアミン、メチルベンゼン、およびAlClからなる開始系を用いた。ここで、IBに対するメチル−t−ブチルエーテルのモル比は、5×10−4:1であり、IBに対するトリフェニルアミンのモル比は、5×10−3:1であり、IBに対するメチルベンゼンのモル比は、3×10−4:1であり、IBに対するAlClのモル比は、1.0×10−2:1であった。1分間の重合の後に、停止するための方法および後処理の方法としては、実施例1と同一の方法を用いた。ポリマーの収率は、100%であり、Mは8.0×10であった。
[実施例4]
−80℃の温度にて、反応媒体中の含水率が57%、および重合系におけるIBの濃度が1.5mol/Lとなるように、20mLのIB/ジクロロメタンの溶液、ならびに20mLの、23%LiClおよび1.2%のNaClを含む水溶液を重合装置に加えた。均質に混合した後に、重合を開始するために、水、酢酸エチル、およびAlClからなる開始系を用いた。IBに対する酢酸エチルのモル比は、1.5×10−2:1であり、IBに対するAlClのモル比は、1.5×10−2:1であった。10分間の重合の後に、停止するための方法および後処理の方法としては、実施例1と同一の方法を用いた。ポリマーの収率は、31%であり、Mは5.4×10であった。
[実施例5]
−20℃の温度にて、反応媒体中の含水率が100%となるように、10mLのn−ブチルビニルエーテル、ならびに10mLの、20%LiClおよび1%のNaClを含む水溶液を重合装置に加えた。均質に混合した後に、重合を開始するために、水およびジフェニルエーテル/AlClからなる開始系を用いた。ここで、モノマーに対するジフェニルエーテルのモル比は、3.0×10−2:1であり、n−ブチルビニルエーテルに対するAlClのモル比は、3.0×10−2:1であった。10分間の重合の後に、停止するための方法および後処理の方法としては、実施例1と同一の方法を用いた。ポリマーの収率は、31%であり、Mは1.2×10であり、M/Mは2.2であった。
[実施例6]
−80℃の温度にて、反応媒体中の含水率が47%、および重合系におけるIBの濃度が1.8mol/Lとなるように、30mLのIB/ジクロロメタン/メチルシクロヘキサンの溶液(メチルシクロヘキサン/ジクロロメタン=0.1)、ならびに20mLの、23%LiClおよび1.2%のNaClを含む水溶液を重合装置に加えた。均質に混合した後に、重合を開始するために、水、2,4,4−トリメチル−2−クロロ−ペンタン、ジフェニルエーテル、ZnCl、およびAlClからなる開始系を用いた。ここで、IBに対する2,4,4−トリメチル−2−クロロ−ペンタンのモル比は、1.0×10−5:1であり、IBに対するジフェニルエーテルのモル比は、0.22:1であり、IBに対するZnClのモル比は、2.2×10−4:1であり、IBに対するAlClのモル比は、5.5×10−3:1であった。10分間の重合の後に、停止するための方法および後処理の方法としては、実施例1と同一の方法を用いた。ポリマーの収率は、100%であり、Mは1.5×10であり、M/Mは5.4であった。
[実施例7]
−60℃の温度にて、反応媒体中の含水率が12%、および重合系におけるIBの濃度が2.7mol/Lとなるように、30mLのIB/ジクロロメタン/イソペンタンの溶液(イソペンタン/ジクロロメタン=0.12)、ならびに3mLの34%硫酸溶液を重合装置に加えた。均質に混合した後に、重合を開始するために、水、アセトン、アセトフェノン、およびBFからなる開始系を用いた。ここで、IBに対するアセトフェノンのモル比は、2.1×10−3:1であり、IBに対するアセトンのモル比は、1.2×10−4:1であり、IBに対するBFのモル比は、2.2×10−3:1であった。10分間の重合の後に、停止するための方法および後処理の方法としては、実施例1と同一の方法を用いた。ポリマーの収率は、12%であり、Mは3.7×10であった。
[実施例8]
−80℃の温度にて、反応媒体中の含水率が47%、重合系におけるIBの濃度が1.7mol/L、および重合系におけるイソプレンの濃度が0.4mol/Lとなるように、32mLのIB/イソプレン/ジクロロメタンの溶液、ならびに20mLの、23%LiClおよび1.2%のNaClを含む水溶液を重合装置に加えた。均質に混合した後に、重合を開始するために、水、ジフェニルエーテル、およびAlClからなる開始系を用いた。ここで、IBに対するジフェニルエーテルのモル比は、8.8×10−2:1であり、IBに対するAlClのモル比は、1.1×10−2:1であった。10分間の重合の後に、停止するための方法および後処理の方法としては、実施例1と同一の方法を用いた。共重合体の収率は、60%であり、Mは2.4×10であり、M/Mは3.0であった。ここで、共重合体におけるIP結合能は、18mol%であった。
[実施例9]
−15℃の温度にて、反応媒体中の含水率が60%、重合系におけるn−ブチルビニルエーテルの濃度が1.3mol/Lとなるように、15mLのn−ブチルビニルエーテル/ジクロロメタンの溶液、ならびに15mLの、15%LiCl、0.1%のドデシル硫酸ナトリウムおよび2%のNaClを含む水溶液を重合装置に加えた。均質に混合した後に、重合を開始するために、水、イソオクタノール、およびFeClからなる開始系を用いた。ここで、n−ブチルビニルエーテルに対するイソオクタノールのモル比は、2.8×10−2:1であり、n−ブチルビニルエーテルに対するFeClのモル比は、2.3×10−2:1であった。10分間の重合の後に、停止するための方法および後処理の方法としては、実施例1と同一の方法を用いた。ポリマーの収率は、30%であり、Mは1.6×10であり、M/Mは1.7であった。
[実施例10]
−60℃の温度にて、反応媒体中の含水率が47%、重合系におけるIBの濃度が1.8mol/Lとなるように、30mLのIB/ジクロロメタンの溶液、ならびに20mLの、23%LiCl、および1.2%のNaClを含む水溶液を重合装置に加えた。均質に混合した後に、重合を開始するために、水、塩化水素、ジフェニルエーテル、ジクロロジブチルすず(dichlorodibuthyl tin)およびTiClからなる開始系を用いた。ここで、IBに対するジフェニルエーテルのモル比は、8.0×10−2:1であり、IBに対するジクロロジブチルすずのモル比は、5.0×10−4:1であり、IBに対するTiClのモル比は1.0×10−2:1であった。10分間の重合の後に、停止するための方法および後処理の方法としては、実施例1と同一の方法を用いた。ポリマーの収率は、81%であり、Mは1.5×10であり、M/Mは5.4であった。
[実施例11]
0℃の温度にて、開始系を形成するために、CHCl、水、HCl、トリフェニルホスフィン、およびAlClを混合した。ここで、水:HCl:トリフェニルホスフィン:AlClの比は、2×10−2:1×10−2:0.94:1であった。
−60℃の温度にて、水、5gのLiCl、0.26gのNaCl、n−ヘキサンおよびイソブテン(IB)を40mlの全量にて(in a total volume of 40)重合装置に加えた。ここで、反応媒体における水相は、57%の体積パーセントを有し、および反応系におけるIBの濃度は、1.5mol/Lであった。攪拌中に、均質に分散した系を形成する重合系を開始するために、およびIBに対するAlClのモル比が1×10−2:1となるように、上述した開始系を加えた。2分間の重合の後に、停止するための方法および後処理の方法としては、実施例1と同一の方法を用いた。ポリマーの収率は、55%であり、Mは4.8×10であり、M/Mは4.3であった。
[実施例12]
0℃の温度にて、トリフェニルホスフィンをAlClと混合した。開始系を形成するために、水、1−クロロフェニルエタン、CHClおよびn−ヘキサンの混合溶液を加えた。ここで、水:1−クロロフェニルエタン:トリフェニルホスフィン:AlClのモル比は、2.9×10−2:5.7×10−4:1.1:1であった。
−20℃の温度にて、スチレン、水、2.5gのLiCl、および0.13gのNaClを20mlの全量にて重合装置に加えた。ここで、反応媒体は完全に水であり、反応系においてスチレンの濃度は、4.4mol/Lであった。攪拌中に、重合を開始するために、スチレンに対するAlClのモル比が7×10−3:1となるように、上述した開始系を加えた。1分間の重合の後に、停止するための方法および後処理の方法としては、実施例1と同一の方法を用いた。ポリマーの収率は、7%であり、Mは6.9×10であり、M/Mは2.6であった。
[実施例13]
−40℃の温度にて、CHCl、水、およびトリフェニルホスフィンオキシドを混合し、次いでTiClを加え、開始系を形成するために混合した。ここで、水:トリフェニルホスフィンオキシド:TiClのモル比は、2×10−3:5×10−2:1であった。
−60℃の温度にて、n−ヘキサン、イソブテン、0.25gのLiCl、0.013gのNaCl、および水を21mlの全量にて重合装置に加えた。ここで、反応媒体中の水は、6%の体積パーセントを有し、および反応系においてIBの濃度は、5.7mol/Lであった。攪拌中に、重合を開始するために、IBに対するTiClのモル比が0.2:1となるように、上述した開始系を加えた。10分間の重合の後に、停止するための方法および後処理の方法としては、実施例1と同一の方法を用いた。ポリマーの収率は、61%であり、Mは6.7×10であり、M/Mは8.2であった。
[実施例14]
−20℃の温度にて、CHCl、水、トリフェニルホスフィンオキシド、およびBFを混合し、次いで、開始系を形成するためにエチル塩化亜鉛(ethyl zinc chloride)を加えた。ここで、水:エチル塩化亜鉛:トリフェニルホスフィンオキシド:BFのモル比は、6×10−2:2×10−2:1.15:1であった。
−20℃の温度にて、水、0.51gのLiCl、0.026gのNaCl、n−ヘキサンおよびイソブテンを22mlの全量にて重合装置に加えた。ここで、反応媒体中の水は、12%の体積パーセントを有し、および反応系においてIBの濃度は、2.7mol/Lであった。均質に混合した後に、重合を開始するために、IBに対するBFのモル比が5×10−3:1となるように、上述した開始系を加えた。10分間の重合の後に、停止するための方法および後処理の方法としては、実施例1と同一の方法を用いた。ポリマーの収率は、33%であり、Mは5.6×10であり、M/Mは3.4であった。
[実施例15]
−30℃の温度にて、水、HClおよびトリフェニルホスフェートを混合し、次いで開始系を形成するためにAlClを加えた。ここで、水:HCl:トリフェニルホスフェート:AlClのモル比は、6×10−2:2×10−2:1:1であった。
−60℃の温度にて、水、5gのLiCl、0.26gのNaCl、イソブテン、イソプレン(IP)およびn−ヘキサンを42mlの全量にて重合装置に加えた。ここで、反応媒体中の水は、55%の体積パーセントを有し、反応系においてIBの濃度は、1.4mol/Lであり、および反応系においてIPの濃度は、0.03mol/Lであった。重合を開始するために、IBに対するAlClのモル比が5×10−3:1となるように、上述した開始系を加えた。5分間の重合の後に、停止するための方法および後処理の方法としては、実施例1と同一の方法を用いた。共重合体の収率は、32%であり、Mは2.0×10であり、M/Mは2.2であり、IPの含有率は、2.5mol%であった。
[実施例16]
10℃の温度にて、水およびトリエチルホスフェートを均質に混合し、次いで開始系を形成するためにAlClおよびブチルすずクロリド(buthyl tin chloride)を加えた。ここで、水:ブチルすずクロリド:トリエチルホスフェート:AlClのモル比は、4×10−2:4×10−3:1:1であった。
重合反応を開始するために、IBに対するAlClのモル比が5×10−3:1となるように、上述した開始系を加えることを除いて、重合可能なモノマー、反応媒体および重合温度は、実施例11と同一であった。5分間の重合の後に、停止するための方法および後処理の方法としては、実施例1と同一の方法を用いた。ポリイソブテンの収率は、35%であり、Mは1.0×10であり、M/Mは2.5であった。
[実施例17]
10℃の温度にて、開始系を形成するために、水、ジクロロジブチルすず、ジメチルスルホキシド、およびAlClを混合した。ここで、水:ジクロロジブチルすず:ジメチルスルホキシド:AlClのモル比は、0.1:2×10−2:1:1であった。
−60℃の温度にて、水、5gのLiCl、0.26gのNaCl、n−ヘキサン、ジクロロメタン、およびイソブテンを40mlの全量にて重合装置に加えた。ここで、反応媒体中の水は、57%の体積パーセントを有し、反応系においてIBの濃度は、1.5mol/Lであった。重合を開始するために、IBに対するAlClのモル比が5×10−3:1となるように、上述した開始系を加えた。5分間の重合の後に、停止するための方法および後処理の方法としては、実施例1と同一の方法を用いた。ポリイソブテンの収率は、89%であり、Mは5.0×10であり、M/Mは3.0であった。
[実施例18]
重合可能なモノマー、反応媒体および重合温度は実施例11と同一であり、開始系は、重合を開始するために、イソブテンおよび塩化水素の付加物、ジフェニルスルホキシドおよびAlClの混合物を含む開始系であった。ここで、AlClに対するイソブテンおよび塩化水素の付加物のモル比、およびAlClに対するジフェニルスルホキシドのモル比は、それぞれ0.58および1.0であり、イソブテンに対するAlClのモル比は、1×10−2:1であった。5分間の重合の後に、停止するための方法および後処理の方法としては、実施例1と同一の方法を用いた。ポリイソブテンの収率は、83%であり、Mは2.0×10であり、M/Mは4.4であった。
[実施例19]
0℃の温度にて、水、ジフェニルスルホキシド、およびAlClを混合し、開始系を形成するためにトリブチルホスフィンを加えた。ここで、水:トリブチルホスフィン:ジフェニルスルホキシド:AlClのモル比は、0.2:2×10−2:1:1であった。
−60℃の温度にて、5gのLiCl、0.26gのNaCl、水、n−ヘキサン、イソブテン、およびp−メチルスチレン(MSt)を42mlの全量にて重合装置に加えた。ここで、反応媒体中の水相は、48%の体積パーセントを有し、反応系においてIBの濃度は、1.4mol/Lであり、およびMStの濃度は、0.4mol/Lであった。重合を開始するために、イソブテンに対するAlClのモル比が1.0×10−2:1となるように、上述した開始系を加えた。2分間の重合の後に、停止するための方法および後処理の方法としては、実施例1と同一の方法を用いた。共重合体の収率は、58%であり、Mは1.1×10であり、M/Mは6.3であり、共重合体中のMStの含有率は、61%の質量パーセントであった。
[実施例20]
10℃の温度にて、開始系を形成するために水、ジメチルスルホエーテル(dimethyl sulfoether)およびAlClを混合した。ここで、水:ジメチルスルホエーテル:AlClのモル比は、2.2×10−3:0.5:1であった。
重合可能なモノマー、反応媒体および重合温度は、実施例11と同一であった。重合反応を開始するために、IBに対するAlClのモル比が1×10−2:1となるように、上述した開始系を加えた。10分間の重合の後に、停止するための方法および後処理の方法としては、実施例1と同一の方法を用いた。ポリマーの収率は、24%であり、Mは1.8×10であり、M/Mは3.8であった。
[実施例21]
0℃の温度にて、ヘキサン、CHCl、水、トリフェニルホスホラスサルファイド、およびAlClを予め(for standby)混合した。ここで、水:トリフェニルホスホラスサルファイド:AlClのモル比は、6×10−3:0.7:1であった。
−60℃の温度にて、水、5gのLiCl、0.26gのNaCl、ジ−t−ブチル−p−クミルペルオキシド、0.1gのソルビタンモノオレエートおよびイソブテンを35mlの全量にて重合装置に加えた。ここで、反応媒体中の水相は、100%の体積パーセントを有し、反応系においてイソブテンの濃度は、5mol/Lであった。重合を開始するために、AlClに対するジ−t−ブチル−p−クミルペルオキシドのモル比が3.4×10−4:1、およびイソブテンに対するAlClのモル比が6.4×10−3:1となるように、上述した開始系を加えた。1時間にわたる重合の後に、停止するための方法および後処理の方法としては、実施例1と同一の方法を用いた。ポリマーの収率は、65%であり、Mは6.3×10であり、M/Mは5.0であった。
[実施例22]
−10℃の温度にて、開始系を形成するために、CHCl、CHCl、水、ジフェニルエーテル、p−ジクミルアセテートおよびAlClを混合した。ここで、水:p−ジクミルアセテート:ジフェニルエーテル:AlClのモル比は、7.4×10−3:1×10−4:1:1であった。
−60℃の温度にて、水、5gのLiCl、0.26gのNaCl、イソブテン(IB)、0.1gのソルビタンモノオレエートおよび0.005gのドデシル硫酸ナトリウムを30mlの全量にて重合装置に加えた。ここで、反応媒体中の水は、100%の体積パーセントを有し、および反応系においてIBの濃度は、3.9mol/Lであった。攪拌中に、重合を開始するために、IBに対するAlClのモル比が3.8×10−4:1となるように、上述した開始系を加えた。重合系は、乳白色の均質に分散した状態を示した。2分間の重合の後に、停止するための方法および後処理の方法としては、実施例1と同一の方法を用いた。ポリマーの収率は、24%であり、Mは2.1×10であり、M/Mは3.4であった。
[実施例23]
32℃の温度にて、水、ジフェニルエーテル、AlClを混合し、次いで、開始系を形成するために、塩化水素およびスチレンの付加物(1−クロロエチルベンゼン)を加えた。ここで、ここで、水:1−クロロエチルベンゼン:ジフェニルエーテル:AlClのモル比は、8.3×10−3:2.7×10−3:8:1であった。
5℃の温度にて、水、20mLのイオン交換水、10mLのスチレン(St)、および0.5mLのオレイン酸を重合装置に加えた。ここで、反応媒体中の水は、100%の量であった。攪拌中に、重合を開始するために、IBに対するAlClのモル比が0.018:1となるように、7日間沈殿させておいた上述した開始系を加えた。重合系は、均質に分散した状態を示した。5分間の重合の後に、停止するための方法および後処理の方法としては、実施例1と同一の方法を用いた。ポリマーの収率は、10%であり、Mは2×10であり、M/Mは2.2であった。
[実施例24]
−40℃の温度にて、CHCl、塩化水素、水、N,N−ジメチルアセトアミドおよびAlClを混合し、次いで、開始系を形成するために、ジクロロイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液を加えた。ここで、水:HCl:N,N−ジメチルアセトアミド:ジクロロイソブチルアルミニウム:AlClのモル比は、1×10−2:1.5×10−1:0.7:5×10−2:1であった。
−80℃の温度にて、48重量%のHBF水溶液、n−ヘキサン、イソブテン、p−メチルスチレン(MSt)、0.18gのソルビタンモノオレエート、および0.02gのポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレートを41mLの全量にて重合装置に加えた。ここで、反応媒体中の水相媒体は、31%の体積パーセントを有し、IBの濃度は、2.3mol/Lであり、[MSt]=0.2mol/Lであった。攪拌中に、重合を開始するために、IBに対するAlClのモル比が1.0×10−2:1となるように、上述した開始系を加えた。重合系は、均質に分散した状態を示した。0.2分間の重合の後に、停止するための方法および後処理の方法としては、実施例1と同一の方法を用いた。ポリマーの収率は、43%であり、Mは1.8×10であり、M/Mは4.1であり、共重合体中のMStの含有率は、26質量%であった。
[実施例25]
−60℃の温度にて、CHCl、水およびAlClを混合し、次いで、開始系を形成するために、オルトクレゾールおよびフタル酸エーテル(phthalic ether)を加えた。ここで、水:オルトクレゾール:フタル酸エーテル:AlClのモル比は、3×10−2:3×10−2:0.8:1であった。
−60℃の温度にて、水、3.8gのLiCl、0.2gのNaCl、0.2gのソルビタンモノオレエート、0.01gのセチルトリメチルアンモニウムブロミド、およびイソブテンを30mLの全量にて重合装置に加えた。ここで、反応媒体中の水媒体は、100%の体積パーセントを有し、およびIBの濃度は、5.8mol/Lであった。攪拌中に、重合を開始するために、IBに対するAlClのモル比が5×10−3:1となるように、上述した開始系を加えた。重合系は、均質に分散した状態を示した。1分間の重合の後に、停止するための方法および後処理の方法としては、実施例1と同一の方法を用いた。ポリマーの収率は、48%であり、Mは1.9×10であり、M/Mは3.6であった。
[実施例26]
−10℃の温度にて、塩化水素、水およびジフェニルエーテルを混合し、次いで、開始系を形成するために、AlClを加えた。ここで、水:HCl:ジフェニルエーテル:AlClのモル比は、2.5×10−2:1.5×10−2:4:1であった。
−60℃の温度にて、5gのLiCl、0.26gのNaCl、水、0.2gのソルビタンモノオレエート、0.01gのセチルトリメチルアンモニウムブロミド、トルエンおよびイソブテンを50mLの全量にて重合装置に加えた。ここで、反応媒体中の水媒体は、50%の体積パーセントを有し、およびIBの濃度は、2.3mol/Lであった。攪拌中に、重合を開始するために、IBに対するAlClのモル比が1.0×10−2:1となるように、上述した開始系を加えた。重合系は、均質に分散した状態を示した。2分間の重合の後に、停止するための方法および後処理の方法としては、実施例1と同一の方法を用いた。ポリマーの収率は、46%であり、Mは2.6×10であり、M/Mは9.2であった。
[実施例27]
25℃の温度にて、水、ジフェニルエーテルおよびAlClを予め混合した。ここで、水:ジフェニルエーテル:AlClのモル比は、2×10−2:4:1であった。
−60℃の温度にて、水、塩化水素およびイソブテンの付加物、7.6gのLiCl、0.4gのNaCl、イソブテン、n−ヘキサン、ジクロロメタン、0.2gのセチルトリメチルアンモニウムブロミド、および0.01gのソルビタンモノオレエートを60mLの全量にて重合装置に加えた。ここで、反応媒体中の水相媒体は、57%の体積パーセントを有し、およびIBの濃度は、重合系において1mol/Lであった。攪拌中に、重合系を開始するために上記の混合溶液を加えた。ここで、AlClに対する、塩化水素およびイソブテンの付加物のモル比が1.0×10−2:1であり、IBに対するAlClのモル比が1.0×10−2:1であった。重合系は、均質に分散した状態を示した。2分間の重合の後に、停止するための方法および後処理の方法としては、実施例1と同一の方法を用いた。ポリマーの収率は、14%であり、Mは4.2×10であり、M/Mは5.8であった。
[実施例28]
0℃の温度にて、クロロブタン、水、ジフェニルエーテル、AlClおよびジクロロブチルすず(dichlorobuthyl tin)を、開始系を形成するために混合した。ここで、水:ジフェニルエーテル:ジクロロブチルすず:AlClのモル比は、1.5×10−2:4:2.2×10−2:1であった。
−60℃の温度にて、水、7.6gのLiCl、0.4gのNaCl、イソブテン、n−ヘキサン、および0.2gのポリグリコールオクチルフェニルエーテルを60mLの全量にて重合装置に加えた。ここで、反応媒体中の水相媒体は、57%の体積パーセントを有し、およびIBの濃度は、重合系において1.5mol/Lであった。攪拌中に、重合を開始するために、IBに対するAlClのモル比が1.0×10−2:1となるように、上述した開始系を加えた。重合系は、均質に分散した状態を示した。1分間の重合の後に、停止するための方法および後処理の方法としては、実施例1と同一の方法を用いた。ポリマーの収率は、15%であり、Mは4.7×10であり、M/Mは3.1であった。
[実施例29]
−40℃の温度にて、CHCl、水、ジフェニルエーテル、およびAlClを混合し、次いで、開始系を形成するために、塩化エチル亜鉛(ethyl zinc chloride)とヘキサンとの混合溶液を加えた。ここで、水:ジフェニルエーテル:ジクロロブチルすず:AlClのモル比は、1.5×10−2:4:3×10−3:1であった。
−60℃の温度にて、水、7.6gのLiCl、0.4gのNaCl、0.2gのヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、0.02gのポリグリコールオクチルフェニルエーテル、イソブテン、n−ヘキサン、およびジクロロメタンを60mLの全量にて重合装置に加えた。ここで、反応媒体中の水は、57%の体積パーセントを有し、ジクロロメタンに対するn−ヘキサンの体積比は、3:2であり、およびIBの濃度は、反応系において1.5mol/Lであった。攪拌中に、重合を開始するために、IBに対するAlClのモル比が1.0×10−2:1となるように、上述した開始系を加えた。重合系は、均質に分散した状態を示した。5分間の重合の後に、停止するための方法および後処理の方法としては、実施例1と同一の方法を用いた。ポリマーの収率は、30%であり、Mは4.2×10であり、M/Mは4.9であった。
[実施例30]
0℃の温度にて、開始系を形成するために、水、ジフェニルエーテル、およびAlClを混合した。ここで、水:ジフェニルエーテル:AlClのモル比は、1.5×10−2:4:1であった。
−40℃の温度にて、68重量%の質量パーセントであるエチレングリコールを有する水溶液、イソブテン、イソオクタン、および0.2gのソルビタンモノオレエートを57mLの全量にて重合装置に加えた。ここで、反応媒体中の水は、22%の体積パーセントを有し、およびIBの濃度は、反応系において1.6mol/Lであった。攪拌中に、重合を開始するために、IBに対するAlClのモル比が1.0×10−2:1となるように、上述した開始系を加えた。重合系は、均質に分散した状態を示した。10分間の重合の後に、停止するための方法および後処理の方法としては、実施例1と同一の方法を用いた。ポリマーの収率は、62%であり、Mは2.2×10であり、M/Mは3.3であった。
[実施例31]
−40℃の温度にて、CHCl、水、ジフェニルエーテル、およびFBを混合し、次いで、開始系を形成するために、AlClを加えた。ここで、水:ジフェニルエーテル:FB:AlClのモル比は、1×10−2:4:1×10−2:1であった。
−60℃の温度にて、石油エーテル(30℃〜60℃に沸点範囲を有する。)、イソブテン、3gのLiCl、0.16gのNaCl、水、および0.2gのソルビタンモノオレエートを57mLの全量にて重合装置に加えた。ここで、反応媒体中の水性媒体は、22%の体積パーセントを有し、およびIBの濃度は、反応系において1.6mol/Lであった。攪拌中に、重合を開始するために、IBに対するAlClのモル比が1.0×10−2:1となるように、上述した開始系を加えた。重合系は、均質に分散した状態を示した。1時間にわたる重合の後に、停止するための方法および後処理の方法としては、実施例1と同一の方法を用いた。ポリマーの収率は、55%であり、Mは5.6×10であり、M/Mは3.9であった。
[実施例32]
0℃の温度にて、開始系を形成するために、水、ジフェニルエーテル、およびAlClを混合した。ここで、水:ジフェニルエーテル:AlClのモル比は、1.0×10−2:8:1であった。
−60℃の温度にて、水、7.6gのLiCl、0.4gのNaCl、0.2gのヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、0.39gのヘキサデカノール、n−ヘキサン、ジクロロメタン、およびイソブテンを60mLの全量にて重合装置に加えた。ここで、反応媒体中の水性媒体は、57%の体積パーセントを有し、およびIBの濃度は、反応系において1.5mol/Lであった。攪拌中に、重合を開始するために、IBに対するAlClのモル比が1.0×10−2:1となるように、上述した開始系を加えた。重合系は、均質に分散した状態を示した。5分間の重合の後に、停止するための方法および後処理の方法としては、実施例1と同一の方法を用いた。ポリマーの収率は、25%であり、Mは4.7×10であり、M/Mは3.6であった。
[実施例33]
−30℃の温度にて、開始系を形成するために、水、ジフェニルエーテル、AlCl、CHCl、およびメチルシクロヘキサン(methylcychohezane)混合した。ここで、水:ジフェニルエーテル:AlClのモル比は、4.47×10−2:4:1であった。
−60℃の温度にて、水、5gのLiCl、0.26gのNaCl、0.2gのソルビタンモノオレエート、イソプレン(IP)、およびイソブテンを40mLの全量にて重合装置に加えた。ここで、反応媒体中の水は、100%の体積パーセントを有し、IBの濃度は、反応系において5.8mol/Lであり、およびIBに対するIPのモル比は、0.006:1であった。攪拌中に、重合を開始するために、IBに対するAlClのモル比が3.8×10−3:1となるように、上述した開始系を加えた。重合系は、均質に分散した状態を示した。10分間の重合の後に、停止するための方法および後処理の方法としては、実施例1と同一の方法を用いた。共重合体の収率は、70%であり、Mは1.3×10であり、M/Mは3.2であり、およびIPの含有率は、0.9mol%であった。
[実施例34]
10℃の温度にて、開始系を形成するために、酸化トリフェニルリン(triphenyl phosphorus oxide)、水、AlCl、およびトルエンを混合した。ここで、水:酸化トリフェニルリン:AlClのモル比は、4.8×10−2:1:1であった。
−60℃の温度にて、水、5gのLiCl、0.26gのNaCl、0.008gのソルビタンモノオレエート、n−ヘキサン、およびイソブテンを40mLの全量にて重合装置に加えた。ここで、反応媒体中の水は、57%の体積パーセントを有し、IBの濃度は、反応系において1.5mol/Lであった。攪拌中に、重合を開始するために、IBに対するAlClのモル比が5×10−3:1となるように、上述した開始系を加えた。重合系は、均質に分散した状態を示した。3分間の重合の後に、停止するための方法および後処理の方法としては、実施例1と同一の方法を用いた。共重合体の収率は、94%であり、Mは2.4×10であり、M/Mは4.4であった。
[実施例35]
0℃の温度にて、開始系を形成するために、水、塩化水素、AlCl、ジフェニルスルホキシド、CHCl、およびシクロヘキサンを混合した。ここで、水:塩化水素:ジフェニルスルホキシド:AlClのモル比は、1.2×10−2:7×10−3:1:1であった。
−60℃の温度にて、n−ヘキサン、イソブテン、5gのLiCl、0.26gのNaCl、水、および0.001gのソルビタンモノオレエートを40mLの全量にて重合装置に加えた。ここで、反応媒体中の水性媒体は、57%の体積パーセントを有し、およびIBの濃度は、反応系において1.5mol/Lであった。攪拌中に、重合を開始するために、IBに対するAlClのモル比が1×10−2:1となるように、上述した開始系を加えた。重合系は、均質に分散した状態を示した。5分間の重合の後に、停止するための方法および後処理の方法としては、実施例1と同一の方法を用いた。ポリマーの収率は、68%であり、Mは2.4×10であり、M/Mは3.8であった。
[実施例36]
10℃の温度にて、開始系を形成するために、水、トリメチルホスフェート、およびAlClを混合した。ここで、水:トリメチルホスフェート:AlClのモル比は、4.0×10−2:1:1であった。
−60℃の温度にて、水、5gのLiCl、0.26gのNaCl、0.005gのポリオキシエチレンソルビトール無水モノラウレート(polyoxyethylene sorbitol annhydride monolaurate)、n−ヘキサン、およびイソブテン(IB)を40mLの全量にて重合装置に加えた。ここで、反応媒体中の水性媒体は、57%の体積パーセントを有し、およびIBの濃度は、反応系において1.5mol/Lであった。攪拌中に、重合を開始するために、IBに対するAlClのモル比が5×10−3:1となるように、上述した開始系を加えた。重合系は、均質に分散した状態を示した。5分間の重合の後に、停止するための方法および後処理の方法としては、実施例1と同一の方法を用いた。ポリイソブテンの収率は、36%であり、Mは1.0×10であった。
[実施例37]
−30℃の温度にて、水、AlClおよびCHClの混合溶液をジフェニルエーテルに加えて、混合溶液を予め調製した。ここで、水:ジフェニルエーテル:AlClのモル比は、4.8×10−3:1:1であった。
−60℃の温度にて、水、5gのLiCl、0.26gのNaCl、0.1gのソルビタンモノオレエート、イソブテン(IB)、ならびにイソブテンおよびHClの付加物を35mLの全量にて重合装置に加えた。ここで、反応媒体中の水は、100%の量であり、および重合系におけるIBの濃度は、反応系において5mol/Lであった。均質に混合した後に、重合を開始するために、開始系において、AlClに対する、イソブテンおよびHClの付加物のモル比が15となるように、およびIBに対するAlClのモル比が6.90×10−3:1となるように、水、イソブテンおよびHClの付加物、AlClおよびジフェニルエーテルを含む開始系を加えた。10分間の重合の後に、停止するための方法および後処理の方法としては、実施例1と同一の方法を用いた。ポリマーの収率は、83%であり、Mは1.0×10であった。
[実施例38]
0℃の温度にて、開始系を形成するために、スルホラン、水、AlClおよびCHClを混合した。ここで、水:スルホラン:AlClのモル比は、5.3×10−2:0.79:1であった。
−60℃の温度にて、n−ヘキサン、イソブテン、7.6gのLiCl、0.4gのNaClおよび水を50mLの全量にて重合装置に加えた。ここで、反応媒体中の水相は、63%の体積パーセントを有し、および反応系におけるIBの濃度は、反応系において0.46mol/Lであった。重合を開始するために、IBに対するAlClのモル比が3.8×10−2:1となるように、上述した開始系を加えた。攪拌条件下にて、均質に分散した重合系を形成した。2分間の重合の後に、停止するための方法および後処理の方法としては、実施例1と同一の方法を用いた。ポリマーの収率は、52%であり、Mは5.2×10であり、M/Mは7.7であった。
[実施例39]
0℃の温度にて、開始系を形成するために、水、トリフェニルホスフィン、AlClおよびトルエンを混合した。ここで、水:トリフェニルホスフィン:AlClのモル比は、2.4×10−2:1:1であった。
重合可能なモノマー、反応媒体および重合温度は、実施例11と同一であった。重合反応を開始するために、IBに対するAlClのモル比が5×10−3:1となるように、上述した開始系を加えた。こうして均質に分散した重合系を形成した。1分間の重合の後に、停止するための方法および後処理の方法としては、実施例1と同一の方法を用いた。ポリマーのMは5.6×10であり、M/Mは3.5であった。
[実施例40]
40℃の温度にて、開始系を形成するために、水、ジフェニルエーテルおよびAlClを混合した。ここで、水:ジフェニルエーテル:AlClのモル比は、5×10−3:8:1であった。
−60℃の温度にて、イソブテン、水、7.6gのLiCl、0.4gのNaClおよび0.5mLのオレイン酸を36mlの全量にて重合装置に加えた。ここで、反応媒体中の水は、100%の量であり、および反応系におけるIBの濃度は、反応系において1.9mol/Lであった。攪拌中に、重合を開始するために、IBに対するAlClのモル比が0.011:1となるように、7日間沈殿させておいた上述した開始系を加えた。5分間の重合の後に、停止するための方法および後処理の方法としては、実施例1と同一の方法を用いた。ポリマーの収率は、34%であり、Mは7.6×10であり、M/Mは3.7であった。
[実施例41]
40℃の温度にて、水、ジフェニルエーテルおよびAlClを予め混合した。ここで、水:ジフェニルエーテル:AlClのモル比は、5×10−3:8:1であった。
−60℃の温度にて、イソブテン、水、7.6gのLiCl、0.4gのNaCl、塩化ベンジルおよび0.4gのソルビタンモノオレエートを44mlの全量にて重合装置に加えた。ここで、反応媒体中の水相は、100%の体積パーセントを有し、および反応系におけるIBの濃度は、反応系において3.7mol/Lであった。攪拌中に、重合を開始するために、AlClに対する塩化ベンジルのモル比が2.5×10−4であり、IBに対するAlClのモル比が0.005:1となるように、7日間沈殿させておいた上述した開始系の溶液を加えた。3分間の重合の後に、停止するための方法および後処理の方法としては、実施例1と同一の方法を用いた。ポリマーの収率は、42%であり、Mは3.8×10であり、M/Mは2.6であった。
[実施例42]
0℃の温度にて、開始系を形成するために、水、ジフェニルエーテルおよびAlClを混合した。ここで、水:ジフェニルエーテル:AlClのモル比は、1×10−2:85:1であった。
−60℃の温度にて、イソブテン、水、7.6gのLiCl、0.4gのNaClおよび0.22gのソルビタンモノオレエートを50mlの全量にて重合装置に加えた。ここで、反応媒体中の水は、100%の量であり、および反応系におけるイソブテンの濃度は、4.6mol/Lであった。攪拌中に、重合を開始するために、IBに対するAlClのモル比が2.3×10−3:1となるように、上述した開始系を加えた。5分間の重合の後に、停止するための方法および後処理の方法としては、実施例1と同一の方法を用いた。ポリマーの収率は、55%であり、Mは9×10であり、M/Mは3.5であった。
本発明は、上述した特定の実施例によって詳述されている。しかし、本発明がこれらの特定の実施例に限定されないことは、理解されるべきである。本発明の範囲内において、当業者は、種々の改善を行い得るが、これらの改善は明らかに、本願の開示の範囲の中である。

Claims (10)

  1. 開始剤、添加剤、ルイス酸、任意の希釈剤を含んでいる、水性反応媒体中にてカチオン重合を開始するための開始系。
  2. 前記開始剤が、プロトンを供給し得る化合物より選択されるか、あるいは、カチオン生成物を供給し得る、官能基を有する、三級アルキルまたは三級アラルキルの有機化合物からなる群より選択されるか、あるいは、ハロゲン化水素とモノマーとの付加物からなる群より選択されるか、あるいはこれらの物質の混合物である、例えば、プロトンを供給し得る化合物、および/またはハロゲン化水素とモノマーとの付加物からなる群より選択される、請求項1に記載の開始系。
  3. 前記ルイス酸が、一般式MXまたはYRn−mを有する1つまたは複数の化合物あるいはその混合物から選択され、ここで、MはB、Al、Sn、Ti、Fe、SbまたはZnであり、XはF、ClまたはBrであり、nは2、3、4または5であり、mは1、2または3であり、YはAl、Sn、TiまたはZnであり、Rは、必要に応じてハロ置換基によって置換されたアルキル、アリール、アラルキル、およびアルキルアリールからなる群より選択され、ここで、アルキルまたは上記アルキルを含む基におけるアルキルがC〜C20アルキル(例えばC〜Cアルキル)であり、アリールまたは上記アリールを含む基におけるアリールがフェニルまたはナフチルである、請求項1または2に記載の開始系。
  4. 前記添加剤が、窒素、酸素、硫黄およびリンから選択されるヘテロ原子を1つまたは複数含む有機化合物、例えば、酸素、硫黄およびリンから選択されるヘテロ原子を1つまたは複数含む有機化合物からなる群より選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の開始系。
  5. 前記添加剤が、−O−、−CO−、−COO−、−CON−、−S−、−SO−、−OSO−、−P−、−PO−、−PO−、−PO−、および−PS−の官能基を1つまたは複数含む化合物からなる群より選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の開始系。
  6. 前記開始剤、添加剤およびルイス酸のモル比が、(5×10−4〜25):(0.01〜120):1、好ましくは(8×10−4〜20):(0.02〜100):1である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の開始系。
  7. 水性反応媒体中でのカチオン重合のための重合系であって、上記重合系は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の開始系、1つまたは複数のカチオン重合が可能なモノマー、水性反応媒体、および任意の分散剤からなり、上記開始系が、上記重合系においてインサイチュにて形成されるか、または調製された後の上記重合系において他の成分と混合される、重合系。
  8. 前記水性反応媒体が水溶性のイオン化合物および/またはアルコールをさらに含む、請求項7に記載の重合系。
  9. 請求項7または8に記載の重合系を重合する工程を含む、水性反応媒体にてカチオン重合が可能なモノマーを重合する、プロセス。
  10. 請求項9に記載のプロセスによって調製された、ポリマー。
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