JPH10130315A - 重合体の製造方法 - Google Patents

重合体の製造方法

Info

Publication number
JPH10130315A
JPH10130315A JP28536996A JP28536996A JPH10130315A JP H10130315 A JPH10130315 A JP H10130315A JP 28536996 A JP28536996 A JP 28536996A JP 28536996 A JP28536996 A JP 28536996A JP H10130315 A JPH10130315 A JP H10130315A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymerization
group
polymer
general formula
vinyl ether
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP28536996A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuo Sawamoto
光男 澤本
Masami Uegakito
正己 上垣外
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP28536996A priority Critical patent/JPH10130315A/ja
Publication of JPH10130315A publication Critical patent/JPH10130315A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F4/00Polymerisation catalysts
    • C08F4/42Metals; Metal hydrides; Metallo-organic compounds; Use thereof as catalyst precursors
    • C08F4/44Metals; Metal hydrides; Metallo-organic compounds; Use thereof as catalyst precursors selected from light metals, zinc, cadmium, mercury, copper, silver, gold, boron, gallium, indium, thallium, rare earths or actinides
    • C08F4/52Metals; Metal hydrides; Metallo-organic compounds; Use thereof as catalyst precursors selected from light metals, zinc, cadmium, mercury, copper, silver, gold, boron, gallium, indium, thallium, rare earths or actinides selected from boron, aluminium, gallium, indium, thallium or rare earths

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Polymerization Catalysts (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 水やアルコールの存在下でも安定で、か
つ重合後に回収・再利用が可能な触媒を用い、アルキル
ビニルエーテル又はアルコキシスチレンの重合体をリビ
ングカチオン重合により、効率よく製造する方法を提供
すること。 【解決手段】 一般式(I)又は(II) CH2=CH−OR1 ・・・ (I) 【化1】 (R1 ,R2 はC1 〜C10のアルキル基を示し、−OR
2 基はo−位又はp−位に位置する。)で表される化合
物を、一般式(III) M(R3SO3)3 ・・・ (III) (Mは周期表第3族金属,R3 はパーフルオロアルキル
基, パーフルオロアリール基又はトリフルオロメチルア
リール基を示す。)で表される金属塩の存在下にリビン
グカチオン重合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は重合体の製造方法に
関し、さらに詳しくは、アルキルビニルエーテル又はア
ルコキシスチレンの重合体をリビングカチオン重合によ
り、効率よくかつ工業的にも有利に製造する方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、いわゆるリビングカチオン重合法
が見い出され、温和な条件下で、重合度の制御が容易
で、かつ単分散に近い各種ポリビニルエーテル系重合
体、ポリスチレン系重合体が得られるようになってき
た。また、このリビングカチオン重合法により、純度の
高いブロック重合体が容易に得られるようになってき
た。さらに、種々の官能基を重合体の末端に効率よく導
入できることから、グラフト重合体、あるいは反応性高
分子改質剤等の高分子反応原料が容易に得られるように
なってきた。これらの材料は、高分子材料の高機能化が
期待できるため、工業的に非常に有用である。
【0003】従来、リビングカチオン重合としては、例
えば(1)HI/I2 系開始剤によるアルケニルエーテ
ルのリビングカチオン重合(特開昭60−228509
号公報)、(2)有機アルミニウム化合物とエーテルあ
るいはエステルとの組み合わせによるアルケニルエーテ
ルのリビングカチオン重合(特開昭61−103654
号公報,同62−257910号公報,特開平1−10
8202号公報,同1−108203号公報)、(3)
有機アルミニウム化合物の酸性度と添加剤の塩基性度を
制御する第三級アルキルビニルエーテルのリビングカチ
オン重合(特開平4−318004号公報)などが開示
されている。
【0004】しかしながら、一般に、リビングカチオン
重合を行う際に触媒として用いられる化合物は水、メタ
ノールあるいはアミン、ピリジン等の塩基性物質に対す
る反応性が非常に高いため、重合体を製造する際にこれ
らの不純物が混入すると、触媒が失活したり、あるいは
副反応が生じるなどのために所望の重合体を得ることが
困難であるという問題があった。
【0005】さらに、リビング重合系においては、重合
体を1分子製造するためには、重合触媒が1分子あるい
はそれに近い量が必要であり、また、一般にこれらの触
媒には非常に高価な化合物を用いることが多いため、重
合体を工業的に製造する際のコストが高くなるのを免れ
ないという欠点があった。これらの問題は、リビングカ
チオン重合を工業的に利用するうえでの大きな障害とな
っていることは周知の事実である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このよう状
況下で、アルキルビニルエーテル又はアルコキシスチレ
ンのリビングカチオン重合において、水やアルコールの
存在下でも安定で、かつ重合後に回収、再利用が可能な
触媒を用い、上記ビニル化合物の重合体を効率よく、工
業的にも有利に製造する方法を提供することを目的とす
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、触媒として特
定の金属塩を用いることにより、その目的を達成しうる
ことを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成し
たものである。
【0008】すなわち、本発明は、 一般式(I) CH2=CH−OR1 ・・・ (I) (式中、R1 は炭素数1〜10のアルキル基を示す。)
で表されるアルキルビニルエーテルの重合体、又は一般
式(II)
【0009】
【化2】
【0010】(式中、R2 は炭素数1〜10のアルキル
基を示し、−OR2 基はo−位又はp−位に位置す
る。)で表されるアルコキシスチレンの重合体を製造す
るに当たり、一般式(III) M(R3SO3)3 ・・・ (III) (式中、Mは周期表第3族金属を示し、R3 はパーフル
オロアルキル基, パーフルオロアリール基又はトリフル
オロメチルアリール基を示す。)で表される金属塩の存
在下にリビングカチオン重合を行うことを特徴とする重
合体の製造方法を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の方法においては、モノマ
ーとして、一般式(I) CH2=CH−OR1 ・・・ (I) で表されるアルキルビニルエーテル、又は一般式(II)
【0012】
【化3】
【0013】で表されるアルコキシスチレンが用いられ
る。上記一般式(I)及び(II)において、R1 及びR2
は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基を示す。この
アルキル基としては直鎖状,分岐状のいずれのものであ
ってもよく、例えばメチル基,エチル基,n−プロピル
基,イソプロピル基,n−ブチル基,イソブチル基,se
c-ブチル基,tert−ブチル基,ペンチル基,ヘキシル
基,オクチル基,デシル基などが挙げられる。なお、一
般式(II)における−OR2 の導入位置は、o−位又はp
−位である。上記一般式(I)で表される化合物として
は、特にイソブチルビニルエーテルが好ましく、また、
一般式(II)で表される化合物としては、特にp−メトキ
シスチレンが好ましい。
【0014】本発明の方法においては、リビングカチオ
ン重合の触媒として一般式(III) M(R3SO3)3 ・・・ (III) で表される金属塩が用いられる。上記一般式 (III)にお
いて、Mは周期表第3族金属を示し、その具体例として
は、スカンジウム(Sc),イットリウム(Y),ラン
タノイド系列及びアクチノイド系列の金属が挙げられ
る。このMで示される金属は一種導入されていてもよ
く、二種以上導入されていてもよい。一方、R3 はパー
フルオロアルキル基,パーフルオロアリール基又はトリ
フルオロメチルアリール基を示す。ここで、パーフルオ
ロアルキル基は炭素数1〜10のものが好ましく、ま
た、直鎖状,分岐状のいずれのものであってもよい。こ
のようなものの例としては、トリフルオロメチル基,ペ
ンタフルオロエチル基,ヘプタフルオロプロピル基,ノ
ナフルオロブチル基,ヘプタデカフルオロオクチル基な
どが挙げられる。また、パーフルオロアリール基の例と
しては、ペンタフルオロフェニル基などが、トリフルオ
ロメチルアリール基の例としては、o−,m−,p−ト
リフルオロメチルフェニル基なが挙げられる。
【0015】上記一般式 (III)で表される金属塩の例と
しては、イッテルビウムトリフレート、スカンジウムト
リフレート、イットリウムトリフレート、ランタントリ
フレート、セリウムトリフレート、サマリウムトリフレ
ート、イッテルビウムトリス(ノナフルオロブタンスル
ホネート)、イッテルビウムトリス(ヘプタデカフルオ
ロオクタンスルホネート)、イッテルビウムトリス(ペ
ンタフルオロベンゼンスルホネート)、イッテルビウム
トリス(m−トリフルオロメチルベンゼンスルホネー
ト)などが挙げられるが、これらの中で、特にイッテル
ビウムトリフレートが好ましい。上記金属塩は単独で用
いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0016】この一般式 (III)で表される金属塩は、従
来公知の方法により製造することができる。例えば、周
期表第3族金属と一般式(IV) R3SO3H ・・・ (IV) (式中、R3 は前記と同じである。)で表されるスルホ
ン酸とを混合し、加熱することにより、容易に製造する
ことができる〔「テトラへドロン・レターズ( Tetrahed
ron Lett.)」第34巻, 第3755ページ(1993
年)参照〕。金属塩の使用量は特に制限はなく、重合体
の所望重合度によって適宜選定されるが、通常は、使用
するモノマーに対して、0.0001〜10モル%の範囲
で用いられる。さらに、該金属塩は、必要に応じて助触
媒と併用される。この助触媒としては、リビングカチオ
ン重合の助触媒として一般的に用いられる化合物、例え
ばアミン類、ピリジン系化合物などが好適に用いられる
が、特に、トリエチルアミン、ピリジン、2,2−ジ−
t−ブチル−4−メチルピリジンが好適である。この助
触媒は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用
いてもよい。
【0017】このリビングカチオン重合反応は、溶媒の
不在下で行うことも可能でり、また適当な有機溶媒の存
在下で行うことも可能である。有機溶媒としては、例え
ばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系
溶媒;プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタ
ン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソ
オクタン、デカン、ヘキサデカン、イソペンタン等の脂
肪族炭化水素系溶媒;塩化エチレン、塩化メチレン、四
塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒;テトラヒドロ
フラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジブチルエー
テル、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテ
ル系溶媒などが挙げられる。これらの有機溶媒の中で
も、塩化メチレン、テトラヒドロフランが好適に使用さ
れる。これらの有機溶媒は、単独で用いてもよく、2種
以上を組み合わせて用いてもよい。
【0018】重合温度は、使用する触媒、モノマー及び
溶媒等の種類により異なるが、通常−80℃〜150℃
の範囲内が好ましく、−78℃〜80℃の範囲内がより
好ましい。重合時間は、使用する重合触媒、モノマー、
溶媒、反応温度等により異なるが、通常10分〜100
時間の範囲である。重合反応は、バッチ式または連続式
のどちらの方法でも行うことができる。また、重合形態
については特に制限はないが、溶液重合及び懸濁重合が
好ましい。
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明は、これらの例よってなんら限定され
るものではない。 実施例1 三方活栓を付けたガラス容器を窒素置換後、窒素ガス雰
囲気下で加熱し、ガラス容器の吸着水を除いた。容器内
にイソブチルビニルエーテル0.25ミリリットル(以下
mlと略記する)(1.9ミリモル),塩化メチレン3.5
ml及び四塩化炭素0.25mlを仕込み、−15℃にし
た後、この混合溶液に1−クロロ−1−エトキシエタン
の50ミリモル/リットル(以下、mMと略記する)濃
度のヘキサン溶液0.5ml(0.025ミリモル)、次い
でイッテルビウムトリフレート20mM、2,2−ジ−t
−ブチル−4−メチルピリジン(DTBMP)20mM
のテトラヒドロフラン(THF)溶液0.5ml(それぞ
れ0.01ミリモル)を加えて重合を開始した。9時間
後、メタノールを添加して重合を停止した。
【0020】次に、このようにして得られた反応溶液中
のイソブチルビニルエーテルモノマーを、四塩化炭素を
内部標準にしてガスクロマトグラフィー法により分析し
たところ、重合率は95%であった。また、重合体の分
子量をサイズエクスクルージョンクロマトグラフィー
(以下、SECと略記する)法により、クロロホルム
中、40℃で測定し、標準ポリスチレン検量線により求
めたところ、数平均分子量(以下、Mnと略記する)及
び重量平均分子量と数平均分子量との比(以下、Mw/
Mnと略記する)は、それぞれ8840及び1.18であ
った。
【0021】比較例1 実施例1において、イッテルビウムトリフレートの代わ
りに三塩化イッテルビウムを用いた以外は、実施例1と
同様にして重合を開始した。60日後、メタノールを添
加して重合を停止した。次に、このようにして得られた
反応溶液中のイソブチルビニルエーテルモノマーを、四
塩化炭素を内部標準にしてガスクロマトグラフィー法に
より分析したところ、重合率は95%であった。また、
重合体の分子量をSEC法により、クロロホルム中、4
0℃で測定し、標準ポリスチレン検量線により求めたと
ころ、MnおよびMw/Mnは、それぞれ、4300及
び1.38であった。
【0022】実施例2 実施例1において、DTBMPの代わりにトリエチルア
ミンを用いた以外は、実施例1と同様にして重合を開始
した。32時間後、メタノールを添加して重合を停止し
た。次に、このようにして得られた反応溶液中のイソブ
チルビニルエーテルモノマーを、四塩化炭素を内部標準
にしてガスクロマトグラフィー法により分析したとこ
ろ、重合率は99%であった。また、重合体の分子量を
SEC法により、クロロホルム中、40℃で測定し、標
準ポリスチレン検量線により求めたところ、Mn及びM
w/Mnは、それぞれ、9610及び1.16であった。
【0023】実施例3 実施例1において、DTBMPの代わりにピリジンを用
いた以外は、実施例1と同様にして重合を開始した。6
1時間後、メタノールを添加して重合を停止した。次
に、このようにして得られた反応溶液中のイソブチルビ
ニルエーテルモノマーを、四塩化炭素を内部標準にして
ガスクロマトグラフィー法により分析したところ、重合
率は99%であった。また、重合体の分子量をSEC法
により、クロロホルム中、40℃で測定し、標準ポリス
チレン検量線により求めたところ、Mn及びMw/Mn
は、それぞれ、7340及び1.44であった。
【0024】実施例4 実施例1において、イッテルビウムトリフレート20m
M,DTBMP20mMのTHF溶液の代わりに、イッ
テルビウムトリフレート20mM,DTBMP20mM
の塩化メチレン/THF溶液(塩化メチレン/THF体
積比80/20)を用いた以外は、実施例1と同様にし
て重合を開始した。5時間後、メタノールを添加して重
合を停止した。次に、このようにして得られた反応溶液
中のイソブチルビニルエーテルモノマーを、四塩化炭素
を内部標準にしてガスクロマトグラフィー法により分析
したところ、重合率は99%であった。また、反応溶液
をヘキサンで希釈し、水によって洗浄したのち、ヘキサ
ン層より重合体を、水層よりイッテルビウムトリフレー
トをそれぞれ回収した。
【0025】さらに、重合体の分子量を、SEC法によ
り、クロロホルム中、40℃で測定し、標準ポリスチレ
ン検量線により求めたところ、Mn及びMw/Mnは、
それぞれ9750及び1.19であった。次に、回収した
イッテルビウムトリフレートの水溶液を200℃減圧下
で6時間加熱した。加熱再活性化したイッテルビウムト
リフレートを使用し、同じ重合条件でイソブチルビニル
エーテルの重合を8時間行うと、重合率、Mn、Mw/
Mnはそれぞれ、95%,8700,1.21であった。
【0026】比較例2 実施例1において、イッテルビウムトリフレートの代わ
りに四塩化スズを用いた以外は、実施例1と同様にして
重合を開始した。25時間後、メタノールを添加して重
合を停止した。次に、このようにして得られた反応溶液
中のイソブチルビニルエーテルモノマーを、四塩化炭素
を内部標準にしてガスクロマトグラフィー法により分析
したところ、重合率は99%であった。また、反応溶液
をヘキサンで希釈し、水によって洗浄したのち、ヘキサ
ン層より重合体を回収した。さらに、重合体の分子量
を、SEC法により、クロロホルム中、40℃で測定
し、標準ポリスチレン検量線により求めたところ、Mn
及びMw/Mnは、それぞれ11000及び1.10であ
った。一方、水層より四塩化スズの回収を試みたが、四
塩化スズはメタノール、水により失活したため、回収不
可能であった。
【0027】実施例5 実施例1において、塩化メチレン3.5mlの代わりに、
水を含んだ塩化メチレン3.5ml(水0.4375ミリモ
ル)を用いた以外は、実施例1と同様にして重合を開始
した。次に、このようにして得られた反応溶液中のイソ
ブチルビニルエーテルモノマーを、四塩化炭素を内部標
準にしてガスクロマトグラフィー法により分析したとこ
ろ、重合率は67%であった。また、重合体の分子量
を、SEC法により、クロロホルム中、40℃で測定
し、標準ポリスチレン検量線により求めたところ、Mn
及びMw/Mnは、それぞれ2100及び1.34であっ
た。
【0028】比較例3 実施例5において、イッテルビウムトリフレートの代わ
りに四塩化スズを用いた以外は、実施例5と同様にして
重合を開始したが、12時間後も重合体は得られなかっ
た。
【0029】実施例6 三方活栓を付けたガラス容器を窒素置換後、窒素ガス雰
囲気下で加熱し、ガラス容器の吸着水を除いた。容器内
にイッテルビウムトリフレートの800mM水溶液0.6
ml(0.48ミリモル)を仕込み、そこへp−メトキシ
スチレン0.73ml(5.44ミリモル)、さらにブロモ
ベンゼン0.12mlを加え、次いで1−クロロ−1−
(p−t−ブトキシフェニル)エタンの370mM塩化
メチレン溶液0.15ml(0.0555ミリモル)を加え
て室温で重合を開始した。150時間後、重合を停止し
た。次に、このようにして得られた反応溶液中のp−メ
トキシスチレンモノマーを、ブロモベンゼンを内部標準
にしてガスクロマトグラフィー法により分析したとこ
ろ、重合率は85%であった。また、重合体の分子量を
SEC法により、クロロホルム中、40℃で測定し、標
準ポリスチレン検量線により求めたところ、Mn及びM
w/Mnは、それぞれ5840及び1.57であった。
【0030】実施例7 三方活栓を付けたガラス容器を窒素置換後、窒素ガス雰
囲気下で加熱し、ガラス容器の吸着水を除いた。容器内
にイッテルビウムトリフレートの600mM水溶液3.0
ml(0.9ミリモル)を仕込み、そこへイソブチルビニ
ルエーテル2.2ml(16.8ミリモル)を加え、次いで
1−クロロ−1−ブトキシエタンの1.0Mヘキサン溶液
0.8ml(0.80ミリモル)を加えて室温で重合を開始
した。2時間後、重合を停止した。次に、このようにし
て得られた反応溶液中のイソブチルビニルエーテルモノ
マーを、四塩化炭素を内部標準にしてガスクロマトグラ
フィー法により分析したところ、重合率は83%であっ
た。また、重合体の分子量をSEC法により、クロロホ
ルム中、40℃で測定し、標準ポリスチレン検量線によ
り求めたところ、Mn及びMw/Mnは、それぞれ52
00及び2.56であった。
【0031】比較例4 実施例2において、1−クロロ−1−エトキシエタンの
代わりに1−クロロ−1−ブトキシエタンを、イッテル
ビウムトリフレートの代わりに四塩化スズを用いた以外
は、実施例2と同様にして重合を開始した。24時間
後、メタノールを添加して重合を停止した。次に、この
ようにして得られた反応溶液中のイソブチルビニルエー
テルモノマーを、四塩化炭素を内部標準にしてガスクロ
マトグラフィー法により分析したところ、重合率は7%
であった。また、重合体の分子量をSECにより測定す
るために、重合体の回収を試みたが、回収不能であっ
た。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、重合系中への水分の混
入に影響されることなく、アルキルビニルエーテルある
いはp−又はo−アルコキシスチレンのリビングカチオ
ン重合を達成することができる。また、本発明によれ
ば、工業的に実用的な重合速度によって、高重合度体を
容易に得ることができる。さらに、重合触媒として使用
した金属塩は、重合終了後に抽出、加熱乾燥することに
より、再利用可能であり、これにより、重合触媒のコス
トを大幅に低減することが可能である。本発明によって
得られた重合体は、従来のリビングカチオン重合で得ら
れる重合体と同様、重合度の制御が容易であり、かつ
熱、光等の外部刺激に対する応答が鋭敏であることに特
徴があり、それらの特徴を活かした用途等に好適に供さ
れる。これらの用途として、熱、光等の外部刺激応答性
ポリマーあるいは、刺激応答性ゲル状物の原料等が例示
され、工業的な価値が極めて高いものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) CH2=CH−OR1 ・・・ (I) (式中、R1 は炭素数1〜10のアルキル基を示す。)
    で表されるアルキルビニルエーテルの重合体、又は一般
    式(II) 【化1】 (式中、R2 は炭素数1〜10のアルキル基を示し、−
    OR2 基はo−位又はp−位に位置する。)で表される
    アルコキシスチレンの重合体を製造するに当たり、一般
    式(III) M(R3SO3)3 ・・・ (III) (式中、Mは周期表第3族金属を示し、R3 はパーフル
    オロアルキル基, パーフルオロアリール基又はトリフル
    オロメチルアリール基を示す。)で表される金属塩の存
    在下にリビングカチオン重合を行うことを特徴とするビ
    ニル重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 一般式(I)で表されるアルキルビニル
    エーテルとしてイソブチルビニルエーテルを用い、かつ
    一般式 (III)で表される金属塩としてイッテルビウムト
    リフレートを用いて重合を行う請求項1記載の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 一般式(II)で表されるアルコキシスチレ
    ンとしてp−メトキシスチレンを用い、かつ一般式 (II
    I)で表される金属塩としてイッテルビウムトリフレート
    を用いて重合を行う請求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 アミン類又はピリジン系化合物の存在下
    に重合を行う請求項1ないし3のいずれかに記載の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 重合形態が、溶液重合または懸濁重合で
    ある請求項1ないし4のいずれかに記載の製造方法。
JP28536996A 1996-10-28 1996-10-28 重合体の製造方法 Pending JPH10130315A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28536996A JPH10130315A (ja) 1996-10-28 1996-10-28 重合体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28536996A JPH10130315A (ja) 1996-10-28 1996-10-28 重合体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10130315A true JPH10130315A (ja) 1998-05-19

Family

ID=17690663

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28536996A Pending JPH10130315A (ja) 1996-10-28 1996-10-28 重合体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10130315A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008189916A (ja) * 2007-01-11 2008-08-21 Otsuka Chemical Co Ltd リビングカチオンポリマーの製造方法およびポリマー
WO2011035545A1 (zh) 2009-09-25 2011-03-31 中国石油化工股份有限公司 阳离子聚合引发体系及聚合方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008189916A (ja) * 2007-01-11 2008-08-21 Otsuka Chemical Co Ltd リビングカチオンポリマーの製造方法およびポリマー
WO2011035545A1 (zh) 2009-09-25 2011-03-31 中国石油化工股份有限公司 阳离子聚合引发体系及聚合方法
WO2011035544A1 (zh) 2009-09-25 2011-03-31 中国石油化工股份有限公司 异烯烃聚合物及其制备工艺
US8883943B2 (en) 2009-09-25 2014-11-11 China Petroleum & Chemical Corporation Isoolefin polymers and process for preparing the same
US8937138B2 (en) 2009-09-25 2015-01-20 China Petroleum & Chemical Corporation Initiating system for cationic polymerization and polymerization process

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH1180221A (ja) 重合体の製造方法
KR100222451B1 (ko) (메트)아크릴 및 비닐 단량체들의 제어된 라디칼중합 또는 공중합 반응 방법 및 수득된 (공)중합체들
JPH10152513A (ja) Fe、Ru、又はOs錯体の存在下で(メタ)アクリル単量体及びビニル単量体を制御下ラジカル(共)重合する方法並びに該方法により得られる(共)重合体
Gromada et al. Synthesis and ATRP Activity of New TREN‐Based Ligands
JPH10508333A (ja) ラジカル重合方法
Schunicht et al. Microgel-supported oxazaborolidines: novel catalysts for enantioselective reductions
KR20010086211A (ko) 활성 양이온성 중합체의 커플링 방법
JPH10130315A (ja) 重合体の製造方法
KR100239582B1 (ko) (메트)아크릴 및 비닐 단량체의 조절 중합화 또는 공중합화 방법 및 그의 수득된 생성물
CN108102010B (zh) 一种基于吡啶的raft试剂及其制备方法与应用
US5468814A (en) Polymers having oxidic functionality and derivatives thereof
US5475069A (en) Polymerization of vinyl ethers
US20030166804A1 (en) Trivalent organic lanthanoid complex, catalyst for production of (meth) acrylic polymer, and (meth) acrylic polymer
CN112154161B (zh) 用于合成具有可控结构的乙烯基芳香族聚合物的聚合方法
WO2004085494A1 (en) Polymerisation of ethylenically unsaturated monomers
KR101466479B1 (ko) 원자이동라디칼중합(atrp)을 이용한 폴리비닐아세테이트 합성방법 및 상기 합성방법에 따라 얻어진 폴리비닐아세테이트
JP4567147B2 (ja) ラクトン環を側鎖に有する(メタ)アクリル酸重合体及びその製造方法
JPH0410484B2 (ja)
US10766982B2 (en) Cationic polymerization of olefins using green acids
JP4689216B2 (ja) アルケニルフェノール系スターポリマー
JP4341136B2 (ja) 主鎖末端に官能基を有する重合体の製造方法
JPH09157329A (ja) 置換アセチレン重合体の製造法
JPH0686483B2 (ja) 末端修飾プロピレン重合体及びその製造法
JPH0469141B2 (ja)
US20090111957A1 (en) Fluoro-ponytailed bipyridine derivatives and their use as ligands in the metal-catalyzed atrp