JPH0686483B2 - 末端修飾プロピレン重合体及びその製造法 - Google Patents

末端修飾プロピレン重合体及びその製造法

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JPH0686483B2
JPH0686483B2 JP25854286A JP25854286A JPH0686483B2 JP H0686483 B2 JPH0686483 B2 JP H0686483B2 JP 25854286 A JP25854286 A JP 25854286A JP 25854286 A JP25854286 A JP 25854286A JP H0686483 B2 JPH0686483 B2 JP H0686483B2
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義治 土肥
和雄 曽我
聡 植木
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東燃株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は末端がフエニル基で修飾されたプロピレン重合
体及びその製造法に関する。
従来の技術 固体チーグラー・ナツタ型触媒を用いることによつて得
られるプロピレン重合体の鎖に官能基等の置換基が結合
した重合体は知られているが、ポリマー鎖の末端にのみ
選択的に置換基を結合させるのは困難である。
発明が解決しようとする問題点 本発明は、総てのポリマー鎖の末端のみが、フエニル基
で修飾され、かつ単分散に近いプロピレン重合体を提供
することを目的とする。
本発明者らは、先に可溶性バナジウム系触媒を用いたプ
ロピレンのリビング重合により単分散に近いポリプロピ
レンが得られることを見出したが、本発明者らは、更に
このリビングポリプロピレンの鎖末端をヨウ素、ヒドロ
ホルミル基及びアミノ基でそれぞれ修飾したプロピレン
重合体を開発した〔Makromol.Chem.186,1825(1985).M
akromol.Chem.,Rapid Commun.,811(1984).Adu.Poly
m.Sci.73/74,201(1986)〕。
本発明者らは、前記の方法で得られたリビングポリプロ
ピレンにスチレン系化合物を反応させると、末端がフエ
ニル基で修飾されたプロピレン重合体が得られることを
見出して本発明を完成した。
発明を解決するための手段 すなわち、本発明は (1)一般式 〔但し、R1〜R5は同じか異なる水素原子又は炭素数1〜
8個の炭化水素基であり、nは約20〜約10,000の数であ
る。〕の末端修飾のプロピレン重合体及び (2)一般式 〔式中、R6〜R8は水素原子又は炭素数1〜8個の炭化水
素基を示す。但し、R6〜R8の少なくとも一つは水素原子
である必要があるが、R6〜R8の全部が水素原子であつて
はならない。〕で表わされるバナジウム化合物を含む触
媒成分(a)と周期表第I族ないし第III族金属の有機
金属化合物(b)とからなる重合触媒の存在下、プロピ
レンを重合し、得られたリビングプロピレン重合体を、 一般式 〔但し、R1〜R5は同じか異なる水素原子又は炭素数1〜
8個の炭化水素基である。〕のスチレン系化合物と反応
させ、次いでプロトン供与体と反応させることからなる
前記末端修飾プロピレン重合体の製造法を要旨とする。
重合触媒 本発明で用いられる重合触媒は下記一般式で表わされる
バナジウム化合物を含む触媒成分(a)と第I族ないし
第III族金属の有機金属化合物(b)とからなる。
一般式 〔但し、R6〜R8は前記と同意義。〕 上記一般式に包含されるバナジウム化合物のうち、特に
下記の化合物が望ましい。
又、これらのバナジウム化合物をシリカ等の金属酸化物
に固定した固体の触媒成分も使用し得る。該固体触媒成
分は、例えばシリカとクロロメチルフエネチルトリクロ
ロシラン等のハロゲン化珪素化合物を反応させ、得られ
た固体生成物を、ナトリウム1,3−ブタンジオナト等の
有機アルカリ金属化合物を反応させ、次いで固体生成物
とバナジウム化合物を反応させることによつて調製する
ことができる。
触媒成分(a)と共に用いられる第I族ないし第III族
金属の有機金属化合物(b)としては、リチウム、マグ
ネシウム、カルシウム、亜鉛及びアルミニウムの有機化
合物が挙げられるが、特にジメチルアルミニウムクロリ
ド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニ
ウムブロミド、ジイソブチルアルミニウムクロリド等の
一般式R2AlX〔但し、Rは炭素数1〜8個のアルキル基
又はアリール基、Xはハロゲン原子を示す。〕で示され
る有機アルミニウム化合物が望ましい。
リビングプロピレン重合体の製造法 リビングプロピレン重合体は、上記の重合触媒の存在
下、プロピレンを重合することによつて得られる。プロ
ピレンの重合の際に、少量のエチレン又は1−ブテン、
1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレ
フインを共存させて重合することも可能である。
重合反応は、重合反応に対して不活性で、かつ重合時に
液状である溶媒中で行うのが望ましく、該溶媒として
は、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン
等の飽和脂肪族炭化水素、シクロプロパン、シクロヘキ
サン等の飽和脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエン、キ
シレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。
プロピレンの重合時の重合触媒の使用量は、プロピレン
又はプロピレンと少量のコモノマー1モル当り、バナジ
ウム化合物が1×10-4〜0.01モル、望ましくは5×10-4
〜5×10-3モル、有機金属化合物が1×10-3〜0.1モル
望ましくは5×103〜0.01モルである。なお、バナジウ
ム化合物1モル当り、有機金属化合物は、望ましくは5
〜25モル用いられる。
リビング重合は、通常−100℃〜+150℃で0.5〜50時間
行なわれる。得られるリビングプロピレン重合体の分子
量及び収量は、反応温度及び反応時間を変えることによ
り調節できる。重合温度を低温、特に−30℃以下にする
ことにより、単分散に近い分子量分布を持つポリマーと
することができる。−65℃以下では、w(重量平均分
子量)/n(数平均分子量)が1.05〜1.40のリビング
重合体とすることができる。
重合反応時に、反応促進剤を用いることができる。反応
促進剤としては、アニソール、水、酸素、アルコール
(メタノール、エタノール、イソプロパノール等)、エ
ステル(安息香酸エチル、酢酸エチル等)が挙げられ
る。促進剤の使用量は、バナジウム化合物1モル当り
通常0.1〜2モルである。
上記の方法により、約800〜約400,000の数平均分子量を
持ち、単分散に近いリビングプロピレン重合体を製造す
ることができる。
スチレン系化合物との反応 リビングプロピレン重合体と反応させるスチレン系化合
物は、一般式 〔但し、R1〜R6は前記と同意義。〕で表わされる。
上記一般式中のR1〜R5は、望ましくは水素原子、炭素数
1〜8個のアルキル基及びフエニル基であり、それらに
含まれる化合物を例示すると、スチレン、(o,m,p)−
メチルスチレン、(o,m,p)−エチルスチレン、ジメチ
ルスチレン、ジエチルスチレン、メチルエチルスチレ
ン、ジプロピルスチレン、ジブチルスチレン、トリメチ
ルスチレン、トリエチルスチレン、テトメチルスチレ
ン、ペンタメチルスチレン等が挙げられる。
リビングプロピレン重合体とスチレン系化合物との反応
は、前段で得られたリビングプロピレン重合体が存在す
る反応系にスチレン系化合物を供給して反応させる方法
が望ましい。反応は−100℃〜+150℃で5分間〜10時間
行なわれるが、前段のプロピレンのリビング重合の温度
に近い温度で反応させるのが望ましい。
スチレン系化合物は、リビングプロピレン重合体1モル
に対して1〜1,000モル用いられる。
プロトン供与体との反応 リビングプロピレンとスチレン系化合物との反応物は、
次いでプロトン供与体と接触させることによつて、本発
明の末端フエニル化プロピレン重合体が得られる。
プロトン供与体としては、メタノール、エタノール、フ
エノール等のアルコール類、塩酸、硫酸等の鉱酸が挙げ
られる。アルコール類と鉱酸は同時に用いてもよい。プ
ロトン供与体は通常大過剰に用いられる。プロトン供与
体との接触は、通常−100℃〜+100℃で1分間〜10時間
行なわれる。
発明の効果 上記のようにして得られたプロピレン重合体は、リビン
グプロピレン重合体そのものを踏襲した非常に狭い分子
量分布(w/n=1.05〜1.40)を持ち、かつ該重合体
のほぼ総ての鎖に未端にフエニル基を有している。
このような重合体は、ポリマーの相溶剤、物質の表面改
質剤、粘度指数向上剤、抗力減少剤等に使用することが
できる。
以下、本発明を実施例により説明する。なお、重合体の
キヤラクタリゼーシヨンは下記の機器及び方法で行つ
た。1 HNMR分析 日本電子(株)製、FX−500、フーリエ変換型NMRスペク
トロメーター(100MHz,室温、パルス間隔5.0秒) GPC 昭和電工(株)製、シヨウデツクスLCHT−3、ゲルパー
ミエーシヨンクロマトグラフイー(カラム;シヨウデツ
クス80M、140℃、溶媒;o−ジクロルベンゼン) IR分析 日本分光工業(株)製、FT/IR−3赤外分光光度計 実施例1 プロピレンのリビング重合 窒素ガスで十分置換した300mlのフラスコに、トルエン3
8mlを入れ−78℃に冷却した。同温度でプロピレン67ミ
リモルを加え、トルエンに溶解した。次いで、10ミリモ
ルのAl(C2H5)2Clトルエン溶液及び1.0ミリモルのV(ア
セチルアセトナト)3トルエン溶液を加え、攪拌と共に
重合を開始した。プロピレンの重合を−78℃で1時間行
つた。
スチレンとの反応 上記の反応系に、スチレン44ミリモルを加え、−78℃で
1時間攪拌を行つた。
ポリマーの生成 次いで、300mlの塩酸−メタノール混合溶液と接触さ
せ、生成したポリマーを300mlのメタノールで5回洗浄
し、常温、減圧で乾燥した。
このポリマーを酢酸エチルで処理し、分留したが、酢酸
エチルに溶解するポリマーは認められなかつた。従つ
て、スチレンのホモポリマーは生成していないことが確
認された。
上記の不溶ポリマーをIR分析したところ、1600cm-1にフ
エニル基の吸収に基づくピークが認められた。
又、GPC分析によりその分子量を測定したところ、n
=2,400(w/n=1.2)であつた。
更に、1HNMR分析の結果、δ=0.7〜1.7ppmの強いシグナ
ル(ポリプロピレン部分のプロトンに帰属)以外に、δ
=7.2ppmにベンゼン環のプロトンに帰属するシグナルが
観測された。
ポリプロピレン部分のプロトンシグナル(δ=0.7〜1.
7)とベンゼン環のプロトンシグナル(δ=7.2)の面積
比から求めたn=2,000であり、これはGPCで測定した
n=2,400とほぼ一致している。従つて、得られた重
合体は、総てのポリプロピレンの鎖の末端にほぼ1個の
スチレンが結合した下記の式からなるプロピレン重合体
であることが確認された。
(nの平均値は約57) 実施例2 プロピレンを830ミリモルを用い、重合時間を3時間と
した以外は、実施例1と同様にしてプロピレンのリビン
グ重合を行い、更に実施例1と同様に処理してポリマー
を得た。
得られたポリマーのnは16,000、w/nは1.2であ
つた。IR分析を行つたところ、1600cm-1にフエニル基の
吸収が認められた。従つて、このポリマーは次の構造式
からなることが明らかとなつた。
(nの平均値は約380) 実施例3 スチレンの代りにパラメチルスチレンを用いた以外は、
実施例1と同様にしてポリマーを得た。
得られたポリマーのnは2,100、w/nは1.3であつ
た。IR分析を行つたところ、1600cm-1にフエニル基の吸
収が認められた。従つて、このポリマーは次の構造式か
らなることが判明した。
(nの平均値は約50)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 〔但し、R1〜R5は同じか異なる水素原子又は炭素数1〜
    8個の炭化水素基であり、nは約20〜約10,000の数であ
    る。〕の末端修飾のプロピレン重合体。
  2. 【請求項2】一般式 〔式中、R6〜R8は水素原子又は炭素数1〜8個の炭化水
    素基を示す。但し、R6〜R8の少なくとも一つは水素原子
    である必要があるが、R6〜R8の全部が水素原子であつて
    はならない。〕で表わされるバナジウム化合物を含む触
    媒成分(a)と周期表第I族ないし第III族金属の有機
    金属化合物(b)とからなる重合触媒の存在下、プロピ
    レンを重合し、得られたリビングプロピレン重合体を、 一般式 〔但し、R1〜R5は同じか異なる水素原子又は炭素数1〜
    8個の炭化水素基である。〕のスチレン系化合物と反応
    させ、次いでプロトン供与体と反応させることからなる 一般式 〔但し、nは約20〜約10,000の数、R1〜R5は前記と同意
    義である。〕の末端修飾プロピレン重合体の製造方法。
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