JPH10168125A - 末端修飾ポリプロピレン系ポリマー - Google Patents
末端修飾ポリプロピレン系ポリマーInfo
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- JPH10168125A JPH10168125A JP34446496A JP34446496A JPH10168125A JP H10168125 A JPH10168125 A JP H10168125A JP 34446496 A JP34446496 A JP 34446496A JP 34446496 A JP34446496 A JP 34446496A JP H10168125 A JPH10168125 A JP H10168125A
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F8/00—Chemical modification by after-treatment
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- Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)
Abstract
リマーを提供する。 【解決手段】 ポリプロピレン系ポリマーの末端に、下
記式(a)で示される構造を含むところの末端修飾ポリ
プロピレン系ポリマー。 【化1】−{(I),(II)}−H (a) [{(I),(II)}は、ユニットIおよびユニットII
のそれぞれ1種または2種以上がランダムに結合してい
ることを表し;ユニットIIは、ユニットIおよびユニッ
トIIの合計に対して1〜100モル%の割合で存在し;
ここで、ユニットIは次式(i)、ユニットIIは次式
(ii)で示される構造単位から選ばれる] 【化2】 【化3】 (R=HまたはCH3 、X=Hまたは活性水素を有しな
い置換基、Z=ハロゲン、OH、OR′またはOM、こ
こでR′=炭化水素基、M=金属原子)
Description
ピレン系ポリマーに関する。
ロピレン等のα‐オレフィンの重合では、連鎖移動反応
や停止反応が起きるので、得られるポリマーを極性置換
基等で修飾することは困難であった。また、ポリマーを
後処理工程において極性置換基で修飾することはできる
が、すべてのポリマーを修飾することは困難であり、こ
のため、すべてのポリオレフィン分子に親水性を付与で
きないという問題があった。
する末端修飾ポリプロピレン系ポリマーを提供すること
を目的とする。
の結果、連鎖移動反応や停止反応を伴わない特定の重合
触媒系を用いて得られるリビングポリマー(ポリプロピ
レン系ポリマー)に、スチレン誘導体を反応させて末端
修飾した後、これをスルホン化処理することによって、
親水性を有するポリプロピレン系ポリマーを得ることが
できることを見出し本発明に到達した。
ユニットIIのそれぞれ1種または2種以上がランダムに
結合していることを表し;ユニットIIは、ユニットIお
よびユニットIIの合計に対して1〜100モル%の割合
で存在し;ここで、ユニットIは次式(i):
水素原子または活性水素を有しない置換基を表す)で示
される構造単位から選ばれ;ユニットIIは次式(ii):
ゲン原子、OH基、OR′基またはOM基を表し、ここ
でR′は炭化水素基を表し、Mは金属原子を表す)で示
される構造単位から選ばれる]で示される構造を末端に
含むところの末端修飾ポリプロピレン系ポリマーであ
る。
計に対して5〜100モル%の割合で存在する上記の末
端修飾ポリプロピレン系ポリマー。 (ロ)前記式(a)で示される末端修飾基が、ポリプロ
ピレン系ポリマー1分子当たり平均して0.1 〜500 個の
割合で、ポリプロピレン系ポリマーに結合している上記
のいずれかに記載の末端修飾ポリプロピレン系ポリマ
ー。 (ハ)前記式(i)および(ii)において、Xが水素原
子、アルキル基およびアルケニル基から選択される上記
のいずれかに記載の末端修飾ポリプロピレン系ポリマ
ー。 (ニ)前記のいずれかに記載の末端修飾ポリプロピレン
系ポリマーの製造方法であって、次式(iii):
て、水素原子または炭素数1〜8個を有する炭化水素基
を表す。ただし、R1 〜R3 の少なくとも1つが水素原
子である必要があるが、R1 〜R3 の全部が水素原子で
あってはならない)で示されるバナジウム化合物と有機
アルミニウム化合物とからなる触媒の存在下で、プロピ
レン(またはこれと他のα‐オレフィンモノマー)をリ
ビング重合して得られるリビングポリマーを、次式(i
v) :
る化合物と反応させ、次いでスルホン化処理することを
特徴とする製造方法。 (ホ)バナジウム化合物として、下記式(v)、(vi)およ
び(vii) で示される化合物から選ばれるバナジウム化合
物の少なくとも1種を使用する前記の製造方法。
ミニウムモノハライド、モノアルキルアルミニウムジハ
ライドおよびアルキルアルミニウムセスキハライドから
選ばれる少なくとも1種の有機アルミニウム化合物を使
用する前記のいずれかに記載の製造方法。 (ト)式(iv)において、Xが水素原子、アルキル基お
よびアルケニル基から選択される前記のいずれかに記載
の製造方法。
系ポリマーは、ポリプロピレン系ポリマーの末端が、前
記式(a)で修飾されているものである。ここで、ポリ
プロピレン系ポリマーとしては、プロピレン単独重合体
に限らず、プロピレンと他のα‐オレフィン(例えばエ
チレン、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1- ペンテン
等)との1種または2種以上のブロック共重合体もしく
はランダム共重合体または共重合体ゴムを包含する。ポ
リプロピレン系ポリマーは好ましくは、ポリプロピレン
またはエチレン‐プロピレンランダム共重合体である。
前記式(a)で示される末端修飾基はポリプロピレン系
ポリマーに、ポリプロピレン系ポリマー1分子当たり平
均して0.1 〜500 個結合する。
て、ユニットIおよびユニットIIはそれぞれの1種また
は2種以上がランダムに結合している。ユニットIIは、
ユニットIおよびユニットIIの合計に対して1〜100
モル%の割合で存在することが必要である。好ましく
は、ユニットIIは、ユニットIおよびユニットIIの合計
に対して5〜100モル%の割合で存在する。
水素原子もしくは活性水素を有しない置換基である。X
が活性水素を有しない置換基の場合、Xはハロゲン原子
(例えば塩素原子、臭素原子など)、炭素数1〜10の
直鎖状もしくは分岐状のアルキル基(例えばメチル基、
エチル基、プロピル基など)、炭素数2〜10の直鎖状
もしくは分岐状のアルケニル基(例えばビニル基、アリ
ル基、イソプロペニル基など)等が挙げられる。好まし
くはXは、水素原子、アルキル基およびアルケニル基か
ら選択される。
としては、例えば炭素数1〜10のアルコキシ基(例え
ばメトキシ基、エトキシ基、t-ブトキシ基など);炭素
数3〜10のシクロアルキルオキシ基(例えばシクロペ
ンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基など);アリ
ールオキシ基(例えばフェノキシ基、ベンジルオキシ基
など)等が挙げられる。好ましくは、OR′基は、メト
キシ基、エトキシ基およびブトキシ基から選択される。
また、OM基における金属Mとしては、例えばアルカリ
金属(例えばリチウム、ナトリウム、カリウム等)、ア
ルカリ土類金属(例えばカルシウム等)が挙げられる。
Zは好ましくは、OH基、ONa基およびOK基から選
択される。
ピレン系ポリマーは、次のようにして製造できる。ま
ず、次式(iii):
る)で示されるバナジウム化合物と有機アルミニウム化
合物とからなる触媒の存在下でプロピレン(またはこれ
と他のα‐オレフィンモノマー)をリビング重合して得
られるリビングポリマーを、次式(iv) :
る化合物と反応させる。
ム化合物の具体例について述べる。 (1) R2 が水素原子であり、R1 およびR3 が共に炭化
水素基である場合。R1/R3 の組合せとしては、例え
ばCH3 /CH3 、CH3 /C2 H5 、C2 H5/C2
H5 、CH3 /C6 H5 、C2 H5 /C6 H5 、C6 H
5 /C6 H5 、CH3 /C6 H5 CH2 、C6 H5 CH
2 /C6 H5 CH2 、C2 H5 /C6 H5CH2 、C6
H5 /C6 H5 CH2 が挙げられる。 (2) R2 が炭化水素基であり、R1 およびR3 のいずれ
か一方が水素原子で他方が炭化水素基である場合。R2
/R1 (もしくはR3 )の組合せとしては、例えばCH
3 /CH3 、C2 H5 /CH3 、CH3 /C2 H5 、C
2 H5 /C2 H5、C6 H5 /CH3 、CH3 /C6 H
5 、C6 H5 /C2 H5 、C2 H5 /C6H5 、C6 H
5 /C6 H5 、C6 H5 CH2 /CH3 、CH3 /C6
H5 CH2、C6 H5 CH2 /C6 H5 CH2 、C6 H
5 CH2 /C2 H5 、C2 H5 /C6 H5 CH2 、C6
H5 CH2 /C6 H5 、C6 H5 /C6 H5 CH2 が挙
げられる。 (3) R2 が水素原子であり、R1 およびR3 のいずれか
一方が水素原子で他方が炭化水素基である場合。R1 ま
たはR3 としては、例えばCH3 、C2 H5 、C
6 H5 、C6 H5 CH2 等が挙げられる。
る化合物、すなわちV(アセチルアセトナト)3 ;下記
式(vi)で示される化合物、すなわちV(2-メチル-1,3
- ブタンジオナト)3 ;下記式(vii) で示される化合
物、すなわちV(1,3-ブタンジオナト)3 が好ましい。
化合物は、一般式:
り、Yはハロゲン原子または水素原子であり、pは1≦
p<3を満たす任意の数である)で示される化合物を使
用できる。好ましい有機アルミニウム化合物は、炭素数
1〜18個、好ましくは炭素数2〜6個を有する有機アル
ミニウム化合物またはその混合物または錯化合物であ
り、例えばジアルキルアルミニウムモノハライド、モノ
アルキルアルミニウムジハライド、アルキルアルミニウ
ムセスキハライドなどが挙げられる。ジアルキルアルミ
ニウムモノハライドとしては、例えばジメチルアルミニ
ウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジエチ
ルアルミニウムブロミド、ジエチルアルミニウムアイオ
ダイド、ジイソブチルアルミニウムクロリドなどが挙げ
られ;モノアルキルアルミニウムジハライドとしては、
例えばメチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニ
ウムジクロリド、メチルアルミニウムジブロミド、エチ
ルアルミニウムジブロミド、エチルアルミニウムジアイ
オダイド、イソブチルアルミニウムジクロリドなどが挙
げられ;アルキルアルミニウムセスキハライドとして
は、例えばエチルアルミニウムセスキクロリドなどが挙
げられる。
ミニウム化合物の割合は、バナジウム化合物1モル当た
り、有機アルミニウム化合物1〜1,000 モルが好まし
い。
うに、プロピレンの単独重合以外に、プロピレンにエチ
レン、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1- ペンテン等
のα‐オレフィンを共存させて重合することが可能であ
る。
かつ重合時に液状である溶媒中で行うのが好ましい。そ
のような溶媒としては、例えばプロパン、ブタン、ペン
タン、ヘキサン、ヘプタン等の飽和脂肪族炭化水素;シ
クロプロパン、シクロヘキサン等の飽和脂環式炭化水
素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
などが挙げられる。
は、プロピレン(および他のα‐オレフィン)1モル当
たり、バナジウム化合物が1×10-4〜0.1 モル、好まし
くは5×10-4〜5×10-2モルで、有機アルミニウム化合
物が1×10-4〜0.5 モル、好ましくは1×10-3〜0.1 モ
ルである。なお、バナジウム化合物1モル当たり、有機
アルミニウム化合物は4〜100 モル用いられるのが望ま
しい。
℃で、0.5 〜50時間行われる。
および収量は反応温度および反応時間を変えることによ
り調節できる。重合温度を低温、特に−30℃以下にす
ることにより、単分散に近い分子量分布を持つポリマー
とすることができる。−50℃以下ではMw(重量平均
分子量)/Mn(数平均分子量)が、1.05〜1.40のリビ
ング重合体(またはリビング共重合体)とすることがで
きる。
できる。反応促進剤としては、アニソール、水、酸素、
アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル等)、エステル(安息香酸エチル、酢酸エチル等)が
挙げられる。促進剤の使用量は、バナジウム化合物1モ
ル当たり、通常0.1 〜2モルである。
平均分子量を持ち、単分散に近いリビングポリプロピレ
ンを製造できる。
チレンのランダム共重合体の場合には、エチレンとプロ
ピレンの割合は、通常エチレンが90モル%までであ
る。これは、リビング重合時のエチレンとプロピレンの
使用割合を変えることにより調節できるが、エチレンの
使用割合を多くすると、該共重合体の分子量分布が広く
なり、望ましくない。エチレン含有量が高く、分子量分
布が狭い、すなわち単分散に近いリビング共重合体を製
造する場合には、エチレンとプロピレンをリビング共重
合する前に、重合系に微量のプロピレンを供給し、0.
1〜1時間保持することにより、リビング共重合体の分
子量分布を狭くしたままで、共重合体中に多量のエチレ
ンを導入することができる。
平均分子量(プロピレン換算)を持ち、単分散に近いリ
ビングエチレン‐プロピレンランダム共重合体を製造す
ることができる。
グポリマー(ポリプロピレン系ポリマー)と、前記式
(iv)で示される化合物とを反応させ、リビングポリマ
ーの末端にユニットIを結合させる。化合物(iv)は、
スチレンまたはその誘導体であり、スチレン、ジビニル
ベンゼン、アリルスチレン、ブテニルスチレン等を好ま
しく使用でき、単独もしくは2種以上の組合せで用いる
ことができる。リビングポリマー(ポリプロピレン系ポ
リマー)と化合物(iv)との反応は、リビングポリマー
が存在する反応系に、化合物(iv)を供給して反応させ
る方法が好ましい。反応は通常、−100℃〜150℃
の温度で5分間〜50時間行う。反応温度を高くする
か、反応時間を長くすることにより、化合物(iv)ユニ
ットによるポリプロピレン系ポリマー末端の変性率を増
大することができる。リビングポリマー(ポリプロピレ
ン系ポリマー)1モルに対して、通常化合物(iv)を1
〜1,000 モル使用する。
マー)と化合物(iv)との反応物は、次いでプロトン供
与体と接触させる。プロトン供与体としては、例えばメ
タノール、エタノール等のアルコール類;フェノール
類;塩酸、硫酸等の鉱酸が挙げられる。アルコール類、
フェノール類および鉱酸は同時に用いてもよい。プロト
ン供与体は、通常大過剰に用いられる。プロトン供与体
との接触は通常、−100℃〜100℃で1分間〜10
時間行われる。
ロピレン系ポリマーは、約800 〜500,000 の数平均分子
量(Mn)を有し、かつ前記のリビングポリプロピレン
そのものを踏襲した非常に狭い分子量分布(Mw/Mn
=1.05〜1.40)を有する。しかも、その末端に、平均し
て0.1 〜500 個のユニットIを有する。
リプロピレン系ポリマーは、シンジオタクチックダイア
ッド分率が0.6 以上であることが1つの特徴である。
ピレン系ポリマー(末端にユニットIを有する)を、ス
ルホン化処理することにより、末端基の少なくとも一部
がスルホン化されて、上記末端構造(a)を有するポリ
プロピレン系ポリマーを得ることができる。すなわち、
末端構造(a)においては、ユニットIがスルホン化さ
れて得られたユニットII、またはこれとスルホン化され
ていないユニットIとが、ランダムに結合している。ス
ルホン化は、慣用のやり方で行うことができる。例えば
ポリマーに硫酸または発煙硫酸を作用させる、クロルス
ルホン酸を作用させる等の方法が挙げられる。
明する。
ン30mlを入れ、−60℃に冷却した。この温度で液化
プロピレン200 ミリモルを加え、トルエンに溶解した。
次いで、15ミリモルのAl(C2 H5 )2 Clのトルエ
ン溶液および1.5 ミリモルのV(2-メチル-1,3- ブタン
ジオナト)3 のトルエン溶液を加え、撹拌と共に重合を
開始した。プロピレンの重合を−60℃で1時間行っ
た。 (b) スチレンとの反応 上記の反応系にスチレン7ミリモルを−60℃で添加
し、同温度で30分間反応させた。その後、この反応溶
液を500 mlのエタノール中に注ぎ入れて、ポリマーを
析出させた。析出物をn-ヘプタンに溶解させ、遠心分離
により上澄み液を得た。この上澄み液を、500 mlのメ
タノール中に注ぎ入れて、再度ポリマーを析出させた。
得られたポリマーをメタノールで5回洗浄した後、室温
で減圧乾燥した。1.47gのポリマーが得られた。
布を、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー)モデル150 (ウォーターズ(Waters)社製)を用いて
求めた。溶媒としてo-ジクロルベンゼンを用い、測定温
度135 ℃、溶媒流速1.0 ml/分にて行った。カラムは
GMH6HT(商品名、東ソー社製)を使用した。測定
にあたり、東ソー社製の単分散ポリスチレン標準試料を
用い、ポリスチレンの検量線を作成した。これより、ユ
ニバーサル法によりポリプロピレンの検量線を作成し
た。得られたポリマーのGPC流出曲線は、単峰性であ
った。このポリマーの数平均分子量(Mn)は、4.2 ×
103 であり、Mw/Mnは1.34と単分散に近い値で
あった。 (c) ポリマーの構造決定 IR:日本分光工業社製モデルIR−810(商品名)
赤外線分光光度計を用いて、液膜法(KBr板)にて測
定した。1600cm-1付近にベンゼン環のC−C結合の伸縮
振動に基づく吸収、および700cm -1付近にC−Hの面外
変角振動に基づく吸収が観察された。
0(商品名)、フーリエ変換型NMRスペクトロメータ
ーを用い、400 MHz、30℃、パルス間隔15秒の条件
で測定した。試料は、重クロロホルムに溶解して調製し
た。ポリプロピレンのプロトンに起因するピーク(δ=
0.7 〜1.7 ppm )以外に、スチレンのベンゼン環のプロ
トンに起因するピーク(δ=6.3 〜7.3 ppm )が観測さ
れた。
(δ=0.7 〜1.7 ppm )と、スチレンのベンゼン環のプ
ロトンに起因するピークのシグナルとの面積比から、得
られたポリマーは、ポリプロピレンの末端に平均して7
個のスチレンユニットが導入されたものであることが判
明した。 (d) スルホン化反応 窒素ガスで十分に置換した300mlのフラスコに、上
記で得られたポリマー1.0gとクロロホルム100m
lを入れ、ポリマーをクロロホルムに溶解させた。これ
を−8℃に冷却、撹拌して、クロルスルホン酸を1ミリ
モル加え、この温度で2時間反応させた。次いで、1モ
ル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液5mlを加え
て、さらに1時間反応させた。
ルのメタノール中に注ぎ入れて、ポリマーを沈殿させ、
回収した。回収したポリマーは室温で減圧乾燥した。得
られたポリマーを元素分析したところ、S含量2.5重
量%であった。すなわち、末端に導入されたスチレンユ
ニットのうち、53モル%がスルホン化された。
ンユニットが導入されたリビングポリプロピレンを得
た。
に変えた以外は実施例1の(d) と同様にしてスルホン化
を行った。得られたポリマーを元素分析したところ、S
含量4重量%であった。すなわち、末端に導入されたス
チレンユニットのうち、85モル%がスルホン化され
た。
性評価試験を接触角計(協和界面科学社製)を用いて行
った。上記で得られたスルホン化ポリプロピレン0.5
gをヘキサン5mlに溶解し、スライドガラス表面に塗
布し、溶媒を自然乾燥させた。このスライドガラスを水
中に6時間浸した後、ポリマー上の水分を静かに拭き取
った。ポリマーと水の接触角を液滴法により求めたとこ
ろ、15°であった。一方、末端修飾していないポリプ
ロピレンを用い、上記と同様にして接触角を求めたとこ
ろ、105°であった。
を得た。 (b) ジビニルベンゼンとの反応 スチレン7ミリモルの代わりにジビニルベンゼン7ミリ
モル(実質的なジビニルベンゼンの量であり、試薬とし
てはさらに3ミリモルのエチルスチレンを含む)を使用
した以外は実施例1の(b) と同様にして、末端にジビニ
ルベンゼンユニットが導入されたポリプロピレンを製造
した。GPC分析の結果、このポリマーの数平均分子量
(Mn)は、4500であった。 (c) ポリマーの構造決定 実施例の(c) と同一条件で、IRおよび 1H−NMRを
測定した。IRの結果から、1600cm-1付近にベンゼン環
のC−C結合の伸縮振動に基づく吸収、および700cm -1
付近にC−Hの面外変角振動に基づく吸収が観察され
た。
のプロトンに起因するピーク(δ=0.7 〜1.7 ppm )以
外に、ジビニルベンゼンのベンゼン環のプロトンに起因
するピーク(δ=6.3 〜7.3 ppm )が観測された。
(δ=0.7 〜1.7 ppm )と、ジビニルベンゼンのベンゼ
ン環のプロトンに起因するピークのシグナルとの面積比
から、得られたポリマーは、ポリプロピレンの末端に平
均して9個のジビニルベンゼンユニットと3個のエチル
スチレンユニットが導入されたものであることが判明し
た。 (d) スルホン化反応 上記で得られたポリマーを、実施例1の(d) と同様にし
てスルホン化した。得られたポリマーを元素分析したと
ころ、S含量1.4重量%であった。すなわち、末端に
導入されたユニットIのうち、22モル%がスルホン化
された。
ンユニットが導入されたリビングポリプロピレンを得
た。
(d) スルホン化において、クロルスルホン酸と反応させ
た後、水酸化ナトリウム水溶液で処理することなく、反
応物を1リットルのメタノール中に注ぎ入れて、ポリマ
ーを沈殿させ、回収した。回収したポリマーは室温で減
圧乾燥した。得られたポリマーを元素分析したところ、
S含量2.5重量%であった。すなわち、末端に導入さ
れたスチレンユニットのうち、53モル%がスルホン化
された。また、このスルホン化物について、 1H−NM
R分析を行ったところ、スルホン酸メチルが導入されて
いることが判明した。
マーは、末端基がスルホン化されているので、極性また
は親水性を有する。よって、親水性が必要とされるポリ
プロピレン系ポリマー用途において有用である。
Claims (1)
- 【請求項1】 次式(a): 【化1】−{(I),(II)}−H (a) [上記式中、{(I),(II)}は、ユニットIおよび
ユニットIIのそれぞれ1種または2種以上がランダムに
結合していることを表し;ユニットIIは、ユニットIお
よびユニットIIの合計に対して1〜100モル%の割合
で存在し;ここで、ユニットIは次式(i): 【化2】 (上記式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Xは
水素原子または活性水素を有しない置換基を表す)で示
される構造単位から選ばれ;ユニットIIは次式(ii): 【化3】 (上記式中、RおよびXは前記と同義であり、Zはハロ
ゲン原子、OH基、OR′基またはOM基を表し、ここ
でR′は炭化水素基を表し、Mは金属原子を表す)で示
される構造単位から選ばれる]で示される構造を末端に
含むところの末端修飾ポリプロピレン系ポリマー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34446496A JPH10168125A (ja) | 1996-12-10 | 1996-12-10 | 末端修飾ポリプロピレン系ポリマー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34446496A JPH10168125A (ja) | 1996-12-10 | 1996-12-10 | 末端修飾ポリプロピレン系ポリマー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10168125A true JPH10168125A (ja) | 1998-06-23 |
Family
ID=18369472
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34446496A Ceased JPH10168125A (ja) | 1996-12-10 | 1996-12-10 | 末端修飾ポリプロピレン系ポリマー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10168125A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002036662A1 (fr) * | 2000-10-30 | 2002-05-10 | Mitsui Chemicals, Inc. | Polymere organique et nouveau compose polymerisable |
CN102786140A (zh) * | 2011-05-20 | 2012-11-21 | 北京师范大学 | 一种聚丙烯生物填料的表面改性方法 |
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1996
- 1996-12-10 JP JP34446496A patent/JPH10168125A/ja not_active Ceased
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CN102786140A (zh) * | 2011-05-20 | 2012-11-21 | 北京师范大学 | 一种聚丙烯生物填料的表面改性方法 |
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