JP3263424B2 - 末端修飾ポリオレフィン - Google Patents

末端修飾ポリオレフィン

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JP3263424B2
JP3263424B2 JP06026492A JP6026492A JP3263424B2 JP 3263424 B2 JP3263424 B2 JP 3263424B2 JP 06026492 A JP06026492 A JP 06026492A JP 6026492 A JP6026492 A JP 6026492A JP 3263424 B2 JP3263424 B2 JP 3263424B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリマー末端がスチレ
ン誘導体のランダム共重合体ユニットで修飾された末端
修飾ポリオレフィン及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のチーグラー・ナッタ型触媒による
プロピレン等のα−オレフィンの重合では、連鎖移動反
応や停止反応が起きるので、得られるポリマーの末端の
みを、置換基等で修飾するのは困難である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリプロピ
レン又はエチレン−プロピレンランダム共重合体の末端
のみが、スチレン誘導体のランダム共重合体ユニットで
修飾され、かつ単分散に近いポリオレフィンを提供する
ことを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を行った結果、連鎖移動反応や停止反応を伴わない特定
の重合触媒を用いて得られるリビングポリプロピレン又
はエチレン−プロピレンランダム共重合体にスチレン誘
導体の混合物を反応させることにより、本発明の目的が
達成し得ることを見出して本発明を完成した。
【0005】発明の要旨 すなわち、本発明の第1の発明によれば、ポリプロピレ
ン又はエチレン−プロピレンランダム共重合体の末端が
下記一般式Iで表されるランダム共重合体ユニットで修
飾されてなる、分子量分布(Mw/Mn)が1.05〜
1.40である末端修飾ポリオレフィンが提供される。 一般式I
【化5】 〔但し、Rはそれぞれ独立して水素原子若しくはメチル
基を表し、Xは活性水素を有しない置換基で飽和炭化水
素基を除く置換基を表し、Yは水素原子若しくは飽和炭
化水素基を表し、lは1〜499、mは1〜499、l
+mは1〜500の数を表す。〕 また、本発明の第2の発明によれば、下記一般式IIで
表されるバナジウム化合物と有機アルミニウム化合物か
らなる触媒の存在下、プロピレンを重合して得られるリ
ビングポリプロピレン又はエチレンとプロピレンをラン
ダム共重合して得られれるリビングエチレン−プロピレ
ンランダム共重合体に、下記一般式III及び一般式I
Vで表されるスチレン誘導体の混合物を反応させること
からなる、上記の末端修飾ポリオレフィンの製造方法が
提供される。一般式II
【化6】 〔R 〜R は水素原子又は炭素数1〜8個の炭化水素
基を示す。但し、R 〜R の少なくとも一つは水素原
子である必要があるが、R 〜R の全部が水素原子で
あってはならない。〕 一般式III
【化7】 〔但し、Rはそれぞれ独立して水素原子若しくはメチル
基を表し、Xは活性水素を有しない置換基で飽和炭化水
素基を除く置換基を表す。〕 一般式IV
【化8】 〔但し、Rはそれぞれ独立して水素原子若しくはメチル
基を表し、Yは水素原子若しくは飽和炭化水素基を表
す。〕
【0006】本発明の末端修飾ポリオレフィンは、下記
一般式II、一般式II
【化9】 〔R〜Rは水素原子又は炭素数1〜8個の炭化水素
基を示す。但し、R〜Rの少なくとも一つは水素原
子である必要があるが、R〜Rの全部が水素原子で
あってはならない。〕で表されるバナジウム化合物と有
機アルミニウム化合物とからなる触媒の存在下、プロピ
レンを重合して得られるリビングポリプロピレン又はエ
チレンとプロピレンをランダム共重合して得られるリビ
ングエチレン−プロピレンランダム共重合体を、一般式
III及び一般式IV、
【化10】 〔但し、R、X及びYは前記と同意義。〕で表わされる
スチレン誘導体の混合物と反応させることにより、末端
にスチレン誘導体のランダム共重合体ユニットを有する
末端修飾ポリオレフィンを合成する。
【0007】触媒(イ)バナジウム化合物本発明で用い
られるバナジウム化合物は、一般式II、
【化11】 〔但し、R〜Rは前記と同意義。〕で表わされる。
上記式に含まれる具体例を以下に説明する。 ・Rが水素原子であり、RとRが炭化水素基であ
る場合。R/R:CH/CH,CH/C
,C/C,CH/C,C
/C,C/C,CH/C
,CCH/CCH,C/C
CH,C/CCH. ・Rが炭化水素基であり、R,Rのいずれかが水
素原子で他が炭化水素基である場合。 R/R又はR:CH/CH,C/CH
,CH/C,C/C,C
/CH,CH/C,C/C,C
/C,C/C,CCH
/CH,CH/CCH,CCH
/CCH,CCH/C,C
/CCH,CCH/C,C
/CCH. ・Rが水素原子であり、R,Rのいずれかが水素
原子で他が炭化水素基である場合。 R又はR:CH,C,C,C
CH等が挙げられ、これらの内でも特に下記の化合物
が望ましい。
【化12】
【化13】
【化14】
【0008】(ロ)有機アルミニウム化合物 有機アルミニウム化合物としては、一般式R’n Al
X’3-n (但し、R’はアルキル基又はアリール基、
X’はハロゲン原子又は水素原子を示し、nは1≦n<
3の範囲の任意の数である。)で示されるものであり、
例えばジアルキルアルミニウムモノハライド、モノアル
キルアルミニウムジハライド、アルキルアルミニウムセ
スキハライドなどの炭素数1ないし18個、好ましくは
炭素数2ないし6個のアルキルアルミニウム化合物又は
その混合物もしくは錯化合物が特に好ましい。具体的に
は、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニ
ウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジエチ
ルアルミニウムアイオダイド、ジイソブチルアルミニウ
ムクロリドなどのジアルキルアルミニウムモノハライ
ド、メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウ
ムジクロリド、メチルアルミニウムジブロミド、エチル
アルミニウムジブロミド、エチルアルミニウムジアイオ
ダイド、イソブチルアルミニウムジクロリドなどのモノ
アルキルアルミニウムジハライド、エチルアルミニウム
セスキクロリドなどのアルキルアルミニウムセスキハラ
イド等が挙げられる。
【0009】バナジウム化合物と有機アルミニウム化合
物の使用割合は、バナジウム化合物1モル当り、有機ア
ルミニウム化合物1〜1,000モルである。
【0010】プロピレンのリビング重合 プロピレンのリビング重合は、プロピレンの単独重合以
外に、プロピレンに少量のエチレン又は1−ブテン、1
−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフ
ィンを共存させて重合することも可能である。
【0011】重合反応は、重合反応に対して不活性で、
かつ重合時に液状である溶媒中で行うのが望ましく、該
溶媒としては、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン等の飽和脂肪族炭化水素、シクロプロパ
ン、シクロヘキサン等の飽和脂環式炭化水素、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げら
れる。
【0012】プロピレンの重合時の重合触媒の使用量
は、プロピレン又はプロピレンと少量のコモノマー1モ
ル当り、バナジウム化合物が1×10-4〜0.1モル、
望ましくは5×10-4〜5×10-2モル、有機アルミニ
ウム化合物が1×10-4〜0.5モル、望ましくは1×
10-3〜0.1モルである。なお、バナジウム化合物1
モル当り、有機アルミニウム化合物は、望ましくは4〜
100モル用いられる。
【0013】リビング重合は、通常−100℃〜+10
0℃で0.5〜50時間行われる。得られるリビングポ
リプロピレンの分子量及び収量は、反応温度及び反応時
間を変えることにより調節できる。重合温度を低温、特
に−30℃以下にすることにより、単分散に近い分子量
分布を持つポリマーとすることができる。−50℃以下
では、Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)
が1.05〜1.40のリビング重合体とすることがで
きる。
【0014】重合反応時に、反応促進剤を用いることが
できる。反応促進剤としては、アニソール、水、酸素、
アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル等)、エステル(安息香酸エチル、酢酸エチル等)が
挙げられる。促進剤の使用量は、バナジウム化合物1モ
ル当り、通常0.1〜2モルである。上記の方法によ
り、約500〜約500,000の数平均分子量を持
ち、単分散に近いリビングポリプロピレンを製造するこ
とができる。
【0015】エチレン−プロピレンのリビングランダム共重合 重合反応は、重合反応に対して不活性で、かつ重合時に
液状である溶媒中で行うのが望ましく、該溶媒として
は、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン
等の飽和脂肪族炭化水素、シクロプロパン、シクロヘキ
サン等の飽和脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエン、キ
シレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。エチレンお
よびプロピレンと重合触媒との接触方法は、任意に選択
できるが、望ましくは、エチレンとプロピレンの溶媒溶
液に、有機アルミニウム化合物の溶液及びバナジウム化
合物の溶液を順次加えて接触させる方法、或いは有機ア
ルミニウム化合物及びバナジウム化合物を加えた溶媒溶
液にエチレンとプロピレンを加えて接触させる方法等で
ある。
【0016】重合触媒の使用量は、エチレンとプロピレ
ン1モル当たり、バナジウム化合物が1×10-4〜0.
1モル、望ましくは5×10-4モル〜5×10-2モル、
有機アルミニウム化合物が1×10-4〜0.5モル、望
ましくは1×10-3〜0.1モルである。尚、バナジウ
ム化合物1モル当たり、有機アルミニウム化合物は、望
ましくは4〜100モル用いる。得られるリビング共重
合体の分子量及び収量は、反応温度及び反応時間を変え
ることにより調整できる。本発明は、重合温度を低温、
特に−30℃以下にすることにより、単分散に近い分子
量分布を持つポリマーとすることができ、−50℃以下
では、Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)
が1.05〜1.40のリビングエチレン−プロピレン
ランダム共重合体が得られる。
【0017】重合反応時に、反応促進剤を用いることが
できる。反応促進剤としては、アニソール、水、酸素、
アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル等)、エステル(安息香酸エチル、酢酸エチル等)が
挙げられる。促進剤の使用量は、バナジウム化合物1モ
ル当たり、通常0.1〜2モルである。リビング共重合
体中のエチレンとプロピレンの割合は、通常エチレンが
90モル%迄である。これは、リビング重合時のエチレ
ンとプロピレンの使用割合を変えることにより調節でき
るが、エチレンの使用割合を多くすると、該共重合体の
分子量分布が広くなり望ましくない。エチレン含有量が
高く、分子量分布が狭い、すなわち単分散に近いリビン
グ共重合体を製造する場合は、エチレンとプロピレンを
リビング共重合する前に、重合系に微量のプロピレンを
供給し、0.1〜1時間保持することにより、リビング
共重合体の分子量分布が狭いままで、共重合体中に多量
のエチレンを導入することができる。上記のようにし
て、約500〜500,000の数平均分子量(プロピ
レン換算、以下同じ)を持ち、単分散に近いリビングエ
チレン−プロピレンランダム共重合体を製造することが
できる。
【0018】スチレン誘導体混合物との反応 スチレン誘導体混合物との反応リビングポリプロピレン
又はエチレン−プロピレンランダム共重合体と反応させ
るスチレン誘導体(以下、化合物I又は化合物IIとい
う。)の混合物は、一般式III及び一般式IV
【化15】 で表わされる。式において、R,X及びYは前記の通り
である。化合物Iとしては、具体的には、m−ジビニル
ベンゼン、p−ジビニルベンゼン、p−メトキシスチレ
ン、p−メトキシ−α−メチルスチレン、p−tert
−ブトキシスチレン、p−tert−ブトキシ−α−メ
チルスチレン、4−ビニルベンジルメチルエーテル、o
−クロルスチレン、m−クロルスチレン、p−クロルス
チレン、m−クロルメチルスチレン、p−クロルメチル
スチレン、4−ビニル安息香酸エチル、4−ビニルベン
ジルジメチルアミン、p−トリメチルシロキシスチレ
ン、p−(ビストリメチルシリルアミノ)スチレン等が
挙げられる。又、化合物IIとしては、具体的には、ス
チレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m
−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メチル−
α−メチルスチレン、m−エチルビニルベンゼン、p−
エチルビニルベンゼン、等が挙げられる。リビングポリ
プロピレン又はエチレン−プロピレンランダム共重合体
と化合物I及び化合物IIの混合物との反応は、リビン
グポリプロピレン又はエチレン−プロピレンランダム共
重合体が存在する反応系に、化合物I及び化合物IIを
供給して反応させる方法が望ましい。反応は−100℃
〜+150℃の温度で5分間〜50時間行われる。反応
温度を高くするか、反応時間を長くすることにより、化
合物I及び化合物IIのランダム共重合体ユニットによ
るポリオレフィン末端の修飾率を増大することができ
る。化合物I及び化合物IIは、リビングポリオレフィ
ン1モルに対して、1〜1,000モル用いられる。な
お、化合物Iと化合物IIの混合比は任意とすることが
できる。
【0019】リビングポリプロピレン又はエチレン−プ
ロピレンランダム共重合体と化合物I及び化合物IIの混
合物との反応物は、次いでプロトン供与体と接触させる
ことによって、本発明の末端修飾ポリオレフィンが得ら
れる。プロトン供与体としては、メタノール、エタノー
ル、フェノール等のアルコール類、塩酸、硫酸等の鉱酸
が挙げられる。アルコール類と鉱酸は同時に用いてもよ
い。プロトン供与体は通常大過剰に用いられる。プロト
ン供与体との接触は、通常−100℃〜+100℃で1
分間〜10時間行われる。
【0020】上記のようにして得られた本発明のポリオ
レフィンは、約500〜約500,000の数平均分子
量(Mn)を、又前記のリビングポリプロピレン又はエ
チレン−プロピレンランダム共重合体そのものを踏襲し
た非常に狭い分子量分布(Mw/Mn=1.05〜1.
40)をそれぞれ持ち、かつその末端が1〜500個、
望ましくは1〜200個の前記化合物I及び化合物IIユ
ニットで修飾されている。又、本発明の末端修飾ポリプ
ロピレンは、シンジオタクチックダイアッド分率が0.
6以上であることが一つの特徴である。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。な
お、重合体のキャラクタリゼーションは下記の方法で行
った。 ・分子量及び分子量分布 Waters社製GPC(ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィー)モデル150を用いた。溶媒:o−ジク
ロルベンゼン、測定温度:135℃、溶媒流速:1.0
ml/分。カラムは東ソー社製GMH6HT(商品名)
を使用した。測定に当り、東ソー社製の単分散ポリスチ
レン標準試料を用い、ポリスチレンの検量線を求め、こ
れよりユニバーサル法によってポリプロピレンの検量線
を作成した。 ・重合体の構造決定 ( 1H−NMRスペクトル):日本電子社製GSX−4
00(商品名)、フーリエ変換型NMRスペクトロメー
ターを用い、400MHz、30℃、パルス間隔15秒
の条件で測定した。試料は、重クロロホルムに溶解して
調製した。 (13C−NMRスペクトル):PFTパルスフーリエ変
換装置付きVarian社製XL−200型(商品名)
を用い、50MHz、120℃、パルス幅8.2μs
π/3、パルス間隔4秒、積算回数5,000の条件で
測定した。試料はトリクロルベンゼンとベンゼン(2:
1)の混合溶媒に溶解して調整した。 (赤外吸収スペクトル):重合体をKBr板上にキャス
トとし、日本分光工業社製モデルIR−810(商品
名)赤外分光光度計を用いて測定した。
【0022】実施例1 窒素ガスで十分置換した300mlのフラスコに、n−
ヘプタン100mlを入れ、−60℃に冷却した。同温
度でプロピレン200ミリモルを加え、n−ヘプタン中
に液化溶解させた。次いで、15ミリモルのAl(C2
5 2 Clのn−ヘプタン溶液及び1.5ミリモルの
V(2−メチル−1,3−ブタンジオナト)3 トルエン
溶液を加え、攪拌と共に重合を開始した。プロピレンの
重合を−60℃で1時間行った。次いでジビニルベンゼ
ン:エチルビニルベンゼン=3:2(重量比)の混合物
15gを−60℃で添加し、同温度で1時間反応を行っ
た。その後、500mlのエタノール中に反応溶液を注
ぎポリマーを析出させた。得られたポリマーを再度n−
ヘプタンに溶解させ、遠心分離により上澄み液を得た。
この上澄み液を500mlのメタノールに注ぎ再度ポリ
マーを析出させた。ポリマーはメタノールで5回洗浄し
た後、室温で減圧乾燥して2.20gの重合体を得た。
得られた重合体のGPC流出曲線は、単峰性であった。
この重合体のMnは、5.7×103 であり、Mw/M
nは1.30と単分散に近い値であった。一方、ポリプ
ロピレン部の分子量及び分子量分布を測定するために、
上記と同一の方法でプロピレンの重合を行い、1.07
gのポリプロピレンを得た。得られたポリプロピレンの
Mnは4.0×103 、Mw/Mnは1.25であっ
た。得られたポリマーのNMR分析の結果、ポリプロピ
レンに起因するピーク(δ=0.7〜1.7ppm)以
外に、下記の化学シフト値からなるピークが観測され
た。
【0023】
【化16】
【化17】 また、ジビニルベンゼンユニットのプロトンシグナル
(f)の強度を基に、ポリプロピレン部のプロトンシグ
ナル(δ=0.7〜1.7ppm)及び各々のユニット
で重なり合ったシグナルからジビニルベンゼン部を相殺
することにより、ユニット比を求めた。これとポリプロ
ピレン部の分子量から、ポリプロピレン鎖の末端に63
個のジビニルベンゼンユニットと35個のエチルビニル
ベンゼンユニットがランダムに結合していることが確認
された。
【0024】実施例2 窒素ガスで十分置換した1.5リットルのオートクレー
ブにn−ヘプタン400mlを入れ、−60℃に冷却し
た。同温度でプロピレン200gを入れ、n−ヘプタン
中に液化溶解せしめた。次いで50ミリモルのAl(C
Clのn−ヘプタン溶液及び0.6ミリモル
のV(2−メチル−1,3−ブタンジオナト)トルエ
ン溶液を加え、攪拌と共に重合を開始し、15時間継続
した。次いで同温度でジビニルベンゼン:エチルビニル
ベンゼン=3:2(重量比)の混合物70gを添加した
後、反応系の温度を1時間かけて0℃に上昇させ、反応
を0℃で5時間行った。以下、実施例1と同様に処理
し、表1に示す性状の末端修飾ポリプロピレンを得た。
【0025】実施例3 窒素ガスで十分置換した300mlのフラスコにトルエ
ン100mlを入れ、−78℃に冷却した。同温度でプ
ロピレン200ミリモルを加え、トルエン中に液化溶解
させた。次いで15ミリモルのAl(CCl
のn−ヘプタン溶液及び1.5ミリモルのV(アセチル
アセトナト)トルエン溶液を加え、攪拌と共に重合を
開始した。プロピレンの重合を−78℃にて3時間行っ
た。次いで、反応条件を−60℃で3時間とした以外
は、実施例1と同様にしてジビニルベンゼン及びエチル
ビニルベンゼン混合物との反応を行い、表1に示す性状
の末端修飾ポリプロピレンを得た。
【0026】実施例4 窒素ガスで十分置換した1.0リットルのオートクレー
ブにトルエン500mlを入れ、−60℃に冷却した
後、同温度で25ミリモルのAl(CClの
n−ヘプタン溶液及び1.5ミリモルのV(2−メチル
−1,3−ブタンジオナト)トルエン溶液を加えた。
次いで、系内を680mmHgまで減圧した後、エチレ
ンとプロピレンの混合ガス(40/60モル比)を連続
的に供給し、エチレン−プロピレンの共重合を−60℃
にて4時間行った。次いで、ジビニルベンゼン:エチル
ビニルベンゼン=3:2(重量比)の混合物70gを−
60℃で添加した後、反応系の温度を1時間かけて−4
0℃に上昇させ、同温度で1時間反応させた。以下、実
施例1と同様に処理し、表1に示す性状の末端修飾エチ
レン−プロピレンランダム共重合体を得た。一方、エチ
レン−プロピレン共重合体部の分子量、分子量分布及び
プロピレン含有量を測定するために、上記と同一の方法
でエチレンとプロピレンの共重合を行い、9.24gの
エチレン−プロピレンランダム共重合体を得た。得られ
た共重合体のMnは28.5×10、Mw/Mnは
1.24であった。さらに、この共重合体の13C−N
MR測定を行い、二級炭素に帰属するピーク(S)と三
級炭素に帰属するピーク(T)の面積から次式に基づい
て、プロピレンの含有量を計算した。その結果、共重合
体中のプロピレン含有量は53.8モル%であった。 プロピレン含有量(モル%)={T/1/2(S+T)}×100 なお、この共重合体を差動走査熱量計(DSC)により
熱分析した結果、プロピレン単独重合体に起因するガラ
ス転移温度(約−10℃)は観測されなかった。
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】本発明の重合体は、異種ポリマーの相溶
化剤、ポリマーに染色性や接着性を付与するポリマー改
質剤、潤滑油等の粘度指数向上剤等に使用することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 植木 聰 埼玉県入間郡大井町西鶴ケ岡一丁目3番 1号 東燃株式会社 総合研究所内 (56)参考文献 特開 昭54−152094(JP,A) 特開 平1−201304(JP,A) 特開 平5−39331(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 297/06 C08F 4/68

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレン又はエチレン−プロピレ
    ンランダム共重合体の末端が下記一般式Iで表されるラ
    ンダム共重合体ユニットで修飾されてなる、分子量分布
    (Mw/Mn)が1.05〜1.40である末端修飾ポ
    リオレフィン。 一般式I 【化1】 〔但し、Rはそれぞれ独立して水素原子若しくはメチル
    基を表し、Xは活性水素を有しない置換基で飽和炭化水
    素基を除く置換基を表し、Yは水素原子若しくは飽和炭
    化水素基を表し、lは1〜499、mは1〜499、
    +mは1〜500の数を表す。〕
  2. 【請求項2】 下記一般式IIで表されるバナジウム化
    合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒の存在
    下、プロピレンを重合して得られるリビングポリプロピ
    レン又はエチレンとプロピレンをランダム共重合して得
    られるリビングエチレン−プロピレンランダム共重合体
    に、下記一般式III及び一般式IVで表されるスチレ
    ン誘導体の混合物を反応させることからなる、請求項1
    に記載の末端修飾ポリオレフィンの製造方法。一般式II 【化2】 〔R 〜R は水素原子又は炭素数1〜8個の炭化水素
    基を示す。但し、R 〜R の少なくとも一つは水素原
    子である必要があるが、R 〜R の全部が水素原子で
    あってはならない。〕 一般式III【化3】 〔但し、Rはそれぞれ独立して水素原子若しくはメチル
    基を表し、Xは活性水素を有しない置換基で飽和炭化水
    素基を除く置換基を表す。〕 一般式IV【化4】 〔但し、Rはそれぞれ独立して水素原子若しくはメチル
    基を表し、Yは水素原子若しくは飽和炭化水素基を表
    す。〕
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