JP3263424B2 - 末端修飾ポリオレフィン - Google Patents
末端修飾ポリオレフィンInfo
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリマー末端がスチレ
ン誘導体のランダム共重合体ユニットで修飾された末端
修飾ポリオレフィン及びその製造方法に関する。
ン誘導体のランダム共重合体ユニットで修飾された末端
修飾ポリオレフィン及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のチーグラー・ナッタ型触媒による
プロピレン等のα−オレフィンの重合では、連鎖移動反
応や停止反応が起きるので、得られるポリマーの末端の
みを、置換基等で修飾するのは困難である。
プロピレン等のα−オレフィンの重合では、連鎖移動反
応や停止反応が起きるので、得られるポリマーの末端の
みを、置換基等で修飾するのは困難である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリプロピ
レン又はエチレン−プロピレンランダム共重合体の末端
のみが、スチレン誘導体のランダム共重合体ユニットで
修飾され、かつ単分散に近いポリオレフィンを提供する
ことを目的とする。
レン又はエチレン−プロピレンランダム共重合体の末端
のみが、スチレン誘導体のランダム共重合体ユニットで
修飾され、かつ単分散に近いポリオレフィンを提供する
ことを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を行った結果、連鎖移動反応や停止反応を伴わない特定
の重合触媒を用いて得られるリビングポリプロピレン又
はエチレン−プロピレンランダム共重合体にスチレン誘
導体の混合物を反応させることにより、本発明の目的が
達成し得ることを見出して本発明を完成した。
を行った結果、連鎖移動反応や停止反応を伴わない特定
の重合触媒を用いて得られるリビングポリプロピレン又
はエチレン−プロピレンランダム共重合体にスチレン誘
導体の混合物を反応させることにより、本発明の目的が
達成し得ることを見出して本発明を完成した。
【0005】発明の要旨 すなわち、本発明の第1の発明によれば、ポリプロピレ
ン又はエチレン−プロピレンランダム共重合体の末端が
下記一般式Iで表されるランダム共重合体ユニットで修
飾されてなる、分子量分布(Mw/Mn)が1.05〜
1.40である末端修飾ポリオレフィンが提供される。 一般式I
ン又はエチレン−プロピレンランダム共重合体の末端が
下記一般式Iで表されるランダム共重合体ユニットで修
飾されてなる、分子量分布(Mw/Mn)が1.05〜
1.40である末端修飾ポリオレフィンが提供される。 一般式I
【化5】 〔但し、Rはそれぞれ独立して水素原子若しくはメチル
基を表し、Xは活性水素を有しない置換基で飽和炭化水
素基を除く置換基を表し、Yは水素原子若しくは飽和炭
化水素基を表し、lは1〜499、mは1〜499、l
+mは1〜500の数を表す。〕 また、本発明の第2の発明によれば、下記一般式IIで
表されるバナジウム化合物と有機アルミニウム化合物か
らなる触媒の存在下、プロピレンを重合して得られるリ
ビングポリプロピレン又はエチレンとプロピレンをラン
ダム共重合して得られれるリビングエチレン−プロピレ
ンランダム共重合体に、下記一般式III及び一般式I
Vで表されるスチレン誘導体の混合物を反応させること
からなる、上記の末端修飾ポリオレフィンの製造方法が
提供される。一般式II
基を表し、Xは活性水素を有しない置換基で飽和炭化水
素基を除く置換基を表し、Yは水素原子若しくは飽和炭
化水素基を表し、lは1〜499、mは1〜499、l
+mは1〜500の数を表す。〕 また、本発明の第2の発明によれば、下記一般式IIで
表されるバナジウム化合物と有機アルミニウム化合物か
らなる触媒の存在下、プロピレンを重合して得られるリ
ビングポリプロピレン又はエチレンとプロピレンをラン
ダム共重合して得られれるリビングエチレン−プロピレ
ンランダム共重合体に、下記一般式III及び一般式I
Vで表されるスチレン誘導体の混合物を反応させること
からなる、上記の末端修飾ポリオレフィンの製造方法が
提供される。一般式II
【化6】 〔R 1 〜R 3 は水素原子又は炭素数1〜8個の炭化水素
基を示す。但し、R 1 〜R 3 の少なくとも一つは水素原
子である必要があるが、R 1 〜R 3 の全部が水素原子で
あってはならない。〕 一般式III
基を示す。但し、R 1 〜R 3 の少なくとも一つは水素原
子である必要があるが、R 1 〜R 3 の全部が水素原子で
あってはならない。〕 一般式III
【化7】 〔但し、Rはそれぞれ独立して水素原子若しくはメチル
基を表し、Xは活性水素を有しない置換基で飽和炭化水
素基を除く置換基を表す。〕 一般式IV
基を表し、Xは活性水素を有しない置換基で飽和炭化水
素基を除く置換基を表す。〕 一般式IV
【化8】 〔但し、Rはそれぞれ独立して水素原子若しくはメチル
基を表し、Yは水素原子若しくは飽和炭化水素基を表
す。〕
基を表し、Yは水素原子若しくは飽和炭化水素基を表
す。〕
【0006】本発明の末端修飾ポリオレフィンは、下記
一般式II、一般式II
一般式II、一般式II
【化9】 〔R1〜R3は水素原子又は炭素数1〜8個の炭化水素
基を示す。但し、R1〜R3の少なくとも一つは水素原
子である必要があるが、R1〜R3の全部が水素原子で
あってはならない。〕で表されるバナジウム化合物と有
機アルミニウム化合物とからなる触媒の存在下、プロピ
レンを重合して得られるリビングポリプロピレン又はエ
チレンとプロピレンをランダム共重合して得られるリビ
ングエチレン−プロピレンランダム共重合体を、一般式
III及び一般式IV、
基を示す。但し、R1〜R3の少なくとも一つは水素原
子である必要があるが、R1〜R3の全部が水素原子で
あってはならない。〕で表されるバナジウム化合物と有
機アルミニウム化合物とからなる触媒の存在下、プロピ
レンを重合して得られるリビングポリプロピレン又はエ
チレンとプロピレンをランダム共重合して得られるリビ
ングエチレン−プロピレンランダム共重合体を、一般式
III及び一般式IV、
【化10】 〔但し、R、X及びYは前記と同意義。〕で表わされる
スチレン誘導体の混合物と反応させることにより、末端
にスチレン誘導体のランダム共重合体ユニットを有する
末端修飾ポリオレフィンを合成する。
スチレン誘導体の混合物と反応させることにより、末端
にスチレン誘導体のランダム共重合体ユニットを有する
末端修飾ポリオレフィンを合成する。
【0007】触媒(イ)バナジウム化合物本発明で用い
られるバナジウム化合物は、一般式II、
られるバナジウム化合物は、一般式II、
【化11】 〔但し、R1〜R3は前記と同意義。〕で表わされる。
上記式に含まれる具体例を以下に説明する。 ・R2が水素原子であり、R1とR3が炭化水素基であ
る場合。R1/R3:CH3/CH3,CH3/C2H
5,C2H5/C2H5,CH3/C6H5,C2H5
/C6H5,C6H5/C6H5,CH3/C6H5C
H2,C6H5CH2/C6H5CH2,C2H5/C
6H5CH2,C6H5/C6H5CH2. ・R2が炭化水素基であり、R1,R3のいずれかが水
素原子で他が炭化水素基である場合。 R2/R1又はR3:CH3/CH3,C2H5/CH
3,CH3/C2H5,C2H5/C2H5,C6H5
/CH3,CH3/C6H5,C6H5/C2H5,C
2H5/C6H5,C6H5/C6H5,C6H5CH
2/CH3,CH3/C6H5CH2,C6H5CH2
/C6H5CH2,C6H5CH2/C2H5,C2H
5/C6H5CH2,C6H5CH2/C6H5,C6
H5/C6H5CH2. ・R2が水素原子であり、R1,R3のいずれかが水素
原子で他が炭化水素基である場合。 R1又はR3:CH3,C2H5,C6H5,C6H5
CH2等が挙げられ、これらの内でも特に下記の化合物
が望ましい。
上記式に含まれる具体例を以下に説明する。 ・R2が水素原子であり、R1とR3が炭化水素基であ
る場合。R1/R3:CH3/CH3,CH3/C2H
5,C2H5/C2H5,CH3/C6H5,C2H5
/C6H5,C6H5/C6H5,CH3/C6H5C
H2,C6H5CH2/C6H5CH2,C2H5/C
6H5CH2,C6H5/C6H5CH2. ・R2が炭化水素基であり、R1,R3のいずれかが水
素原子で他が炭化水素基である場合。 R2/R1又はR3:CH3/CH3,C2H5/CH
3,CH3/C2H5,C2H5/C2H5,C6H5
/CH3,CH3/C6H5,C6H5/C2H5,C
2H5/C6H5,C6H5/C6H5,C6H5CH
2/CH3,CH3/C6H5CH2,C6H5CH2
/C6H5CH2,C6H5CH2/C2H5,C2H
5/C6H5CH2,C6H5CH2/C6H5,C6
H5/C6H5CH2. ・R2が水素原子であり、R1,R3のいずれかが水素
原子で他が炭化水素基である場合。 R1又はR3:CH3,C2H5,C6H5,C6H5
CH2等が挙げられ、これらの内でも特に下記の化合物
が望ましい。
【化12】
【化13】
【化14】
【0008】(ロ)有機アルミニウム化合物 有機アルミニウム化合物としては、一般式R’n Al
X’3-n (但し、R’はアルキル基又はアリール基、
X’はハロゲン原子又は水素原子を示し、nは1≦n<
3の範囲の任意の数である。)で示されるものであり、
例えばジアルキルアルミニウムモノハライド、モノアル
キルアルミニウムジハライド、アルキルアルミニウムセ
スキハライドなどの炭素数1ないし18個、好ましくは
炭素数2ないし6個のアルキルアルミニウム化合物又は
その混合物もしくは錯化合物が特に好ましい。具体的に
は、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニ
ウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジエチ
ルアルミニウムアイオダイド、ジイソブチルアルミニウ
ムクロリドなどのジアルキルアルミニウムモノハライ
ド、メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウ
ムジクロリド、メチルアルミニウムジブロミド、エチル
アルミニウムジブロミド、エチルアルミニウムジアイオ
ダイド、イソブチルアルミニウムジクロリドなどのモノ
アルキルアルミニウムジハライド、エチルアルミニウム
セスキクロリドなどのアルキルアルミニウムセスキハラ
イド等が挙げられる。
X’3-n (但し、R’はアルキル基又はアリール基、
X’はハロゲン原子又は水素原子を示し、nは1≦n<
3の範囲の任意の数である。)で示されるものであり、
例えばジアルキルアルミニウムモノハライド、モノアル
キルアルミニウムジハライド、アルキルアルミニウムセ
スキハライドなどの炭素数1ないし18個、好ましくは
炭素数2ないし6個のアルキルアルミニウム化合物又は
その混合物もしくは錯化合物が特に好ましい。具体的に
は、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニ
ウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジエチ
ルアルミニウムアイオダイド、ジイソブチルアルミニウ
ムクロリドなどのジアルキルアルミニウムモノハライ
ド、メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウ
ムジクロリド、メチルアルミニウムジブロミド、エチル
アルミニウムジブロミド、エチルアルミニウムジアイオ
ダイド、イソブチルアルミニウムジクロリドなどのモノ
アルキルアルミニウムジハライド、エチルアルミニウム
セスキクロリドなどのアルキルアルミニウムセスキハラ
イド等が挙げられる。
【0009】バナジウム化合物と有機アルミニウム化合
物の使用割合は、バナジウム化合物1モル当り、有機ア
ルミニウム化合物1〜1,000モルである。
物の使用割合は、バナジウム化合物1モル当り、有機ア
ルミニウム化合物1〜1,000モルである。
【0010】プロピレンのリビング重合 プロピレンのリビング重合は、プロピレンの単独重合以
外に、プロピレンに少量のエチレン又は1−ブテン、1
−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフ
ィンを共存させて重合することも可能である。
外に、プロピレンに少量のエチレン又は1−ブテン、1
−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフ
ィンを共存させて重合することも可能である。
【0011】重合反応は、重合反応に対して不活性で、
かつ重合時に液状である溶媒中で行うのが望ましく、該
溶媒としては、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン等の飽和脂肪族炭化水素、シクロプロパ
ン、シクロヘキサン等の飽和脂環式炭化水素、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げら
れる。
かつ重合時に液状である溶媒中で行うのが望ましく、該
溶媒としては、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン等の飽和脂肪族炭化水素、シクロプロパ
ン、シクロヘキサン等の飽和脂環式炭化水素、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げら
れる。
【0012】プロピレンの重合時の重合触媒の使用量
は、プロピレン又はプロピレンと少量のコモノマー1モ
ル当り、バナジウム化合物が1×10-4〜0.1モル、
望ましくは5×10-4〜5×10-2モル、有機アルミニ
ウム化合物が1×10-4〜0.5モル、望ましくは1×
10-3〜0.1モルである。なお、バナジウム化合物1
モル当り、有機アルミニウム化合物は、望ましくは4〜
100モル用いられる。
は、プロピレン又はプロピレンと少量のコモノマー1モ
ル当り、バナジウム化合物が1×10-4〜0.1モル、
望ましくは5×10-4〜5×10-2モル、有機アルミニ
ウム化合物が1×10-4〜0.5モル、望ましくは1×
10-3〜0.1モルである。なお、バナジウム化合物1
モル当り、有機アルミニウム化合物は、望ましくは4〜
100モル用いられる。
【0013】リビング重合は、通常−100℃〜+10
0℃で0.5〜50時間行われる。得られるリビングポ
リプロピレンの分子量及び収量は、反応温度及び反応時
間を変えることにより調節できる。重合温度を低温、特
に−30℃以下にすることにより、単分散に近い分子量
分布を持つポリマーとすることができる。−50℃以下
では、Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)
が1.05〜1.40のリビング重合体とすることがで
きる。
0℃で0.5〜50時間行われる。得られるリビングポ
リプロピレンの分子量及び収量は、反応温度及び反応時
間を変えることにより調節できる。重合温度を低温、特
に−30℃以下にすることにより、単分散に近い分子量
分布を持つポリマーとすることができる。−50℃以下
では、Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)
が1.05〜1.40のリビング重合体とすることがで
きる。
【0014】重合反応時に、反応促進剤を用いることが
できる。反応促進剤としては、アニソール、水、酸素、
アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル等)、エステル(安息香酸エチル、酢酸エチル等)が
挙げられる。促進剤の使用量は、バナジウム化合物1モ
ル当り、通常0.1〜2モルである。上記の方法によ
り、約500〜約500,000の数平均分子量を持
ち、単分散に近いリビングポリプロピレンを製造するこ
とができる。
できる。反応促進剤としては、アニソール、水、酸素、
アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル等)、エステル(安息香酸エチル、酢酸エチル等)が
挙げられる。促進剤の使用量は、バナジウム化合物1モ
ル当り、通常0.1〜2モルである。上記の方法によ
り、約500〜約500,000の数平均分子量を持
ち、単分散に近いリビングポリプロピレンを製造するこ
とができる。
【0015】エチレン−プロピレンのリビングランダム共重合 重合反応は、重合反応に対して不活性で、かつ重合時に
液状である溶媒中で行うのが望ましく、該溶媒として
は、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン
等の飽和脂肪族炭化水素、シクロプロパン、シクロヘキ
サン等の飽和脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエン、キ
シレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。エチレンお
よびプロピレンと重合触媒との接触方法は、任意に選択
できるが、望ましくは、エチレンとプロピレンの溶媒溶
液に、有機アルミニウム化合物の溶液及びバナジウム化
合物の溶液を順次加えて接触させる方法、或いは有機ア
ルミニウム化合物及びバナジウム化合物を加えた溶媒溶
液にエチレンとプロピレンを加えて接触させる方法等で
ある。
液状である溶媒中で行うのが望ましく、該溶媒として
は、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン
等の飽和脂肪族炭化水素、シクロプロパン、シクロヘキ
サン等の飽和脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエン、キ
シレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。エチレンお
よびプロピレンと重合触媒との接触方法は、任意に選択
できるが、望ましくは、エチレンとプロピレンの溶媒溶
液に、有機アルミニウム化合物の溶液及びバナジウム化
合物の溶液を順次加えて接触させる方法、或いは有機ア
ルミニウム化合物及びバナジウム化合物を加えた溶媒溶
液にエチレンとプロピレンを加えて接触させる方法等で
ある。
【0016】重合触媒の使用量は、エチレンとプロピレ
ン1モル当たり、バナジウム化合物が1×10-4〜0.
1モル、望ましくは5×10-4モル〜5×10-2モル、
有機アルミニウム化合物が1×10-4〜0.5モル、望
ましくは1×10-3〜0.1モルである。尚、バナジウ
ム化合物1モル当たり、有機アルミニウム化合物は、望
ましくは4〜100モル用いる。得られるリビング共重
合体の分子量及び収量は、反応温度及び反応時間を変え
ることにより調整できる。本発明は、重合温度を低温、
特に−30℃以下にすることにより、単分散に近い分子
量分布を持つポリマーとすることができ、−50℃以下
では、Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)
が1.05〜1.40のリビングエチレン−プロピレン
ランダム共重合体が得られる。
ン1モル当たり、バナジウム化合物が1×10-4〜0.
1モル、望ましくは5×10-4モル〜5×10-2モル、
有機アルミニウム化合物が1×10-4〜0.5モル、望
ましくは1×10-3〜0.1モルである。尚、バナジウ
ム化合物1モル当たり、有機アルミニウム化合物は、望
ましくは4〜100モル用いる。得られるリビング共重
合体の分子量及び収量は、反応温度及び反応時間を変え
ることにより調整できる。本発明は、重合温度を低温、
特に−30℃以下にすることにより、単分散に近い分子
量分布を持つポリマーとすることができ、−50℃以下
では、Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)
が1.05〜1.40のリビングエチレン−プロピレン
ランダム共重合体が得られる。
【0017】重合反応時に、反応促進剤を用いることが
できる。反応促進剤としては、アニソール、水、酸素、
アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル等)、エステル(安息香酸エチル、酢酸エチル等)が
挙げられる。促進剤の使用量は、バナジウム化合物1モ
ル当たり、通常0.1〜2モルである。リビング共重合
体中のエチレンとプロピレンの割合は、通常エチレンが
90モル%迄である。これは、リビング重合時のエチレ
ンとプロピレンの使用割合を変えることにより調節でき
るが、エチレンの使用割合を多くすると、該共重合体の
分子量分布が広くなり望ましくない。エチレン含有量が
高く、分子量分布が狭い、すなわち単分散に近いリビン
グ共重合体を製造する場合は、エチレンとプロピレンを
リビング共重合する前に、重合系に微量のプロピレンを
供給し、0.1〜1時間保持することにより、リビング
共重合体の分子量分布が狭いままで、共重合体中に多量
のエチレンを導入することができる。上記のようにし
て、約500〜500,000の数平均分子量(プロピ
レン換算、以下同じ)を持ち、単分散に近いリビングエ
チレン−プロピレンランダム共重合体を製造することが
できる。
できる。反応促進剤としては、アニソール、水、酸素、
アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル等)、エステル(安息香酸エチル、酢酸エチル等)が
挙げられる。促進剤の使用量は、バナジウム化合物1モ
ル当たり、通常0.1〜2モルである。リビング共重合
体中のエチレンとプロピレンの割合は、通常エチレンが
90モル%迄である。これは、リビング重合時のエチレ
ンとプロピレンの使用割合を変えることにより調節でき
るが、エチレンの使用割合を多くすると、該共重合体の
分子量分布が広くなり望ましくない。エチレン含有量が
高く、分子量分布が狭い、すなわち単分散に近いリビン
グ共重合体を製造する場合は、エチレンとプロピレンを
リビング共重合する前に、重合系に微量のプロピレンを
供給し、0.1〜1時間保持することにより、リビング
共重合体の分子量分布が狭いままで、共重合体中に多量
のエチレンを導入することができる。上記のようにし
て、約500〜500,000の数平均分子量(プロピ
レン換算、以下同じ)を持ち、単分散に近いリビングエ
チレン−プロピレンランダム共重合体を製造することが
できる。
【0018】スチレン誘導体混合物との反応 スチレン誘導体混合物との反応リビングポリプロピレン
又はエチレン−プロピレンランダム共重合体と反応させ
るスチレン誘導体(以下、化合物I又は化合物IIとい
う。)の混合物は、一般式III及び一般式IV
又はエチレン−プロピレンランダム共重合体と反応させ
るスチレン誘導体(以下、化合物I又は化合物IIとい
う。)の混合物は、一般式III及び一般式IV
【化15】 で表わされる。式において、R,X及びYは前記の通り
である。化合物Iとしては、具体的には、m−ジビニル
ベンゼン、p−ジビニルベンゼン、p−メトキシスチレ
ン、p−メトキシ−α−メチルスチレン、p−tert
−ブトキシスチレン、p−tert−ブトキシ−α−メ
チルスチレン、4−ビニルベンジルメチルエーテル、o
−クロルスチレン、m−クロルスチレン、p−クロルス
チレン、m−クロルメチルスチレン、p−クロルメチル
スチレン、4−ビニル安息香酸エチル、4−ビニルベン
ジルジメチルアミン、p−トリメチルシロキシスチレ
ン、p−(ビストリメチルシリルアミノ)スチレン等が
挙げられる。又、化合物IIとしては、具体的には、ス
チレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m
−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メチル−
α−メチルスチレン、m−エチルビニルベンゼン、p−
エチルビニルベンゼン、等が挙げられる。リビングポリ
プロピレン又はエチレン−プロピレンランダム共重合体
と化合物I及び化合物IIの混合物との反応は、リビン
グポリプロピレン又はエチレン−プロピレンランダム共
重合体が存在する反応系に、化合物I及び化合物IIを
供給して反応させる方法が望ましい。反応は−100℃
〜+150℃の温度で5分間〜50時間行われる。反応
温度を高くするか、反応時間を長くすることにより、化
合物I及び化合物IIのランダム共重合体ユニットによ
るポリオレフィン末端の修飾率を増大することができ
る。化合物I及び化合物IIは、リビングポリオレフィ
ン1モルに対して、1〜1,000モル用いられる。な
お、化合物Iと化合物IIの混合比は任意とすることが
できる。
である。化合物Iとしては、具体的には、m−ジビニル
ベンゼン、p−ジビニルベンゼン、p−メトキシスチレ
ン、p−メトキシ−α−メチルスチレン、p−tert
−ブトキシスチレン、p−tert−ブトキシ−α−メ
チルスチレン、4−ビニルベンジルメチルエーテル、o
−クロルスチレン、m−クロルスチレン、p−クロルス
チレン、m−クロルメチルスチレン、p−クロルメチル
スチレン、4−ビニル安息香酸エチル、4−ビニルベン
ジルジメチルアミン、p−トリメチルシロキシスチレ
ン、p−(ビストリメチルシリルアミノ)スチレン等が
挙げられる。又、化合物IIとしては、具体的には、ス
チレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m
−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メチル−
α−メチルスチレン、m−エチルビニルベンゼン、p−
エチルビニルベンゼン、等が挙げられる。リビングポリ
プロピレン又はエチレン−プロピレンランダム共重合体
と化合物I及び化合物IIの混合物との反応は、リビン
グポリプロピレン又はエチレン−プロピレンランダム共
重合体が存在する反応系に、化合物I及び化合物IIを
供給して反応させる方法が望ましい。反応は−100℃
〜+150℃の温度で5分間〜50時間行われる。反応
温度を高くするか、反応時間を長くすることにより、化
合物I及び化合物IIのランダム共重合体ユニットによ
るポリオレフィン末端の修飾率を増大することができ
る。化合物I及び化合物IIは、リビングポリオレフィ
ン1モルに対して、1〜1,000モル用いられる。な
お、化合物Iと化合物IIの混合比は任意とすることが
できる。
【0019】リビングポリプロピレン又はエチレン−プ
ロピレンランダム共重合体と化合物I及び化合物IIの混
合物との反応物は、次いでプロトン供与体と接触させる
ことによって、本発明の末端修飾ポリオレフィンが得ら
れる。プロトン供与体としては、メタノール、エタノー
ル、フェノール等のアルコール類、塩酸、硫酸等の鉱酸
が挙げられる。アルコール類と鉱酸は同時に用いてもよ
い。プロトン供与体は通常大過剰に用いられる。プロト
ン供与体との接触は、通常−100℃〜+100℃で1
分間〜10時間行われる。
ロピレンランダム共重合体と化合物I及び化合物IIの混
合物との反応物は、次いでプロトン供与体と接触させる
ことによって、本発明の末端修飾ポリオレフィンが得ら
れる。プロトン供与体としては、メタノール、エタノー
ル、フェノール等のアルコール類、塩酸、硫酸等の鉱酸
が挙げられる。アルコール類と鉱酸は同時に用いてもよ
い。プロトン供与体は通常大過剰に用いられる。プロト
ン供与体との接触は、通常−100℃〜+100℃で1
分間〜10時間行われる。
【0020】上記のようにして得られた本発明のポリオ
レフィンは、約500〜約500,000の数平均分子
量(Mn)を、又前記のリビングポリプロピレン又はエ
チレン−プロピレンランダム共重合体そのものを踏襲し
た非常に狭い分子量分布(Mw/Mn=1.05〜1.
40)をそれぞれ持ち、かつその末端が1〜500個、
望ましくは1〜200個の前記化合物I及び化合物IIユ
ニットで修飾されている。又、本発明の末端修飾ポリプ
ロピレンは、シンジオタクチックダイアッド分率が0.
6以上であることが一つの特徴である。
レフィンは、約500〜約500,000の数平均分子
量(Mn)を、又前記のリビングポリプロピレン又はエ
チレン−プロピレンランダム共重合体そのものを踏襲し
た非常に狭い分子量分布(Mw/Mn=1.05〜1.
40)をそれぞれ持ち、かつその末端が1〜500個、
望ましくは1〜200個の前記化合物I及び化合物IIユ
ニットで修飾されている。又、本発明の末端修飾ポリプ
ロピレンは、シンジオタクチックダイアッド分率が0.
6以上であることが一つの特徴である。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。な
お、重合体のキャラクタリゼーションは下記の方法で行
った。 ・分子量及び分子量分布 Waters社製GPC(ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィー)モデル150を用いた。溶媒:o−ジク
ロルベンゼン、測定温度:135℃、溶媒流速:1.0
ml/分。カラムは東ソー社製GMH6HT(商品名)
を使用した。測定に当り、東ソー社製の単分散ポリスチ
レン標準試料を用い、ポリスチレンの検量線を求め、こ
れよりユニバーサル法によってポリプロピレンの検量線
を作成した。 ・重合体の構造決定 ( 1H−NMRスペクトル):日本電子社製GSX−4
00(商品名)、フーリエ変換型NMRスペクトロメー
ターを用い、400MHz、30℃、パルス間隔15秒
の条件で測定した。試料は、重クロロホルムに溶解して
調製した。 (13C−NMRスペクトル):PFTパルスフーリエ変
換装置付きVarian社製XL−200型(商品名)
を用い、50MHz、120℃、パルス幅8.2μs
π/3、パルス間隔4秒、積算回数5,000の条件で
測定した。試料はトリクロルベンゼンとベンゼン(2:
1)の混合溶媒に溶解して調整した。 (赤外吸収スペクトル):重合体をKBr板上にキャス
トとし、日本分光工業社製モデルIR−810(商品
名)赤外分光光度計を用いて測定した。
お、重合体のキャラクタリゼーションは下記の方法で行
った。 ・分子量及び分子量分布 Waters社製GPC(ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィー)モデル150を用いた。溶媒:o−ジク
ロルベンゼン、測定温度:135℃、溶媒流速:1.0
ml/分。カラムは東ソー社製GMH6HT(商品名)
を使用した。測定に当り、東ソー社製の単分散ポリスチ
レン標準試料を用い、ポリスチレンの検量線を求め、こ
れよりユニバーサル法によってポリプロピレンの検量線
を作成した。 ・重合体の構造決定 ( 1H−NMRスペクトル):日本電子社製GSX−4
00(商品名)、フーリエ変換型NMRスペクトロメー
ターを用い、400MHz、30℃、パルス間隔15秒
の条件で測定した。試料は、重クロロホルムに溶解して
調製した。 (13C−NMRスペクトル):PFTパルスフーリエ変
換装置付きVarian社製XL−200型(商品名)
を用い、50MHz、120℃、パルス幅8.2μs
π/3、パルス間隔4秒、積算回数5,000の条件で
測定した。試料はトリクロルベンゼンとベンゼン(2:
1)の混合溶媒に溶解して調整した。 (赤外吸収スペクトル):重合体をKBr板上にキャス
トとし、日本分光工業社製モデルIR−810(商品
名)赤外分光光度計を用いて測定した。
【0022】実施例1 窒素ガスで十分置換した300mlのフラスコに、n−
ヘプタン100mlを入れ、−60℃に冷却した。同温
度でプロピレン200ミリモルを加え、n−ヘプタン中
に液化溶解させた。次いで、15ミリモルのAl(C2
H5 )2 Clのn−ヘプタン溶液及び1.5ミリモルの
V(2−メチル−1,3−ブタンジオナト)3 トルエン
溶液を加え、攪拌と共に重合を開始した。プロピレンの
重合を−60℃で1時間行った。次いでジビニルベンゼ
ン:エチルビニルベンゼン=3:2(重量比)の混合物
15gを−60℃で添加し、同温度で1時間反応を行っ
た。その後、500mlのエタノール中に反応溶液を注
ぎポリマーを析出させた。得られたポリマーを再度n−
ヘプタンに溶解させ、遠心分離により上澄み液を得た。
この上澄み液を500mlのメタノールに注ぎ再度ポリ
マーを析出させた。ポリマーはメタノールで5回洗浄し
た後、室温で減圧乾燥して2.20gの重合体を得た。
得られた重合体のGPC流出曲線は、単峰性であった。
この重合体のMnは、5.7×103 であり、Mw/M
nは1.30と単分散に近い値であった。一方、ポリプ
ロピレン部の分子量及び分子量分布を測定するために、
上記と同一の方法でプロピレンの重合を行い、1.07
gのポリプロピレンを得た。得られたポリプロピレンの
Mnは4.0×103 、Mw/Mnは1.25であっ
た。得られたポリマーのNMR分析の結果、ポリプロピ
レンに起因するピーク(δ=0.7〜1.7ppm)以
外に、下記の化学シフト値からなるピークが観測され
た。
ヘプタン100mlを入れ、−60℃に冷却した。同温
度でプロピレン200ミリモルを加え、n−ヘプタン中
に液化溶解させた。次いで、15ミリモルのAl(C2
H5 )2 Clのn−ヘプタン溶液及び1.5ミリモルの
V(2−メチル−1,3−ブタンジオナト)3 トルエン
溶液を加え、攪拌と共に重合を開始した。プロピレンの
重合を−60℃で1時間行った。次いでジビニルベンゼ
ン:エチルビニルベンゼン=3:2(重量比)の混合物
15gを−60℃で添加し、同温度で1時間反応を行っ
た。その後、500mlのエタノール中に反応溶液を注
ぎポリマーを析出させた。得られたポリマーを再度n−
ヘプタンに溶解させ、遠心分離により上澄み液を得た。
この上澄み液を500mlのメタノールに注ぎ再度ポリ
マーを析出させた。ポリマーはメタノールで5回洗浄し
た後、室温で減圧乾燥して2.20gの重合体を得た。
得られた重合体のGPC流出曲線は、単峰性であった。
この重合体のMnは、5.7×103 であり、Mw/M
nは1.30と単分散に近い値であった。一方、ポリプ
ロピレン部の分子量及び分子量分布を測定するために、
上記と同一の方法でプロピレンの重合を行い、1.07
gのポリプロピレンを得た。得られたポリプロピレンの
Mnは4.0×103 、Mw/Mnは1.25であっ
た。得られたポリマーのNMR分析の結果、ポリプロピ
レンに起因するピーク(δ=0.7〜1.7ppm)以
外に、下記の化学シフト値からなるピークが観測され
た。
【0023】
【化16】
【化17】 また、ジビニルベンゼンユニットのプロトンシグナル
(f)の強度を基に、ポリプロピレン部のプロトンシグ
ナル(δ=0.7〜1.7ppm)及び各々のユニット
で重なり合ったシグナルからジビニルベンゼン部を相殺
することにより、ユニット比を求めた。これとポリプロ
ピレン部の分子量から、ポリプロピレン鎖の末端に63
個のジビニルベンゼンユニットと35個のエチルビニル
ベンゼンユニットがランダムに結合していることが確認
された。
(f)の強度を基に、ポリプロピレン部のプロトンシグ
ナル(δ=0.7〜1.7ppm)及び各々のユニット
で重なり合ったシグナルからジビニルベンゼン部を相殺
することにより、ユニット比を求めた。これとポリプロ
ピレン部の分子量から、ポリプロピレン鎖の末端に63
個のジビニルベンゼンユニットと35個のエチルビニル
ベンゼンユニットがランダムに結合していることが確認
された。
【0024】実施例2 窒素ガスで十分置換した1.5リットルのオートクレー
ブにn−ヘプタン400mlを入れ、−60℃に冷却し
た。同温度でプロピレン200gを入れ、n−ヘプタン
中に液化溶解せしめた。次いで50ミリモルのAl(C
2H5)2Clのn−ヘプタン溶液及び0.6ミリモル
のV(2−メチル−1,3−ブタンジオナト)3トルエ
ン溶液を加え、攪拌と共に重合を開始し、15時間継続
した。次いで同温度でジビニルベンゼン:エチルビニル
ベンゼン=3:2(重量比)の混合物70gを添加した
後、反応系の温度を1時間かけて0℃に上昇させ、反応
を0℃で5時間行った。以下、実施例1と同様に処理
し、表1に示す性状の末端修飾ポリプロピレンを得た。
ブにn−ヘプタン400mlを入れ、−60℃に冷却し
た。同温度でプロピレン200gを入れ、n−ヘプタン
中に液化溶解せしめた。次いで50ミリモルのAl(C
2H5)2Clのn−ヘプタン溶液及び0.6ミリモル
のV(2−メチル−1,3−ブタンジオナト)3トルエ
ン溶液を加え、攪拌と共に重合を開始し、15時間継続
した。次いで同温度でジビニルベンゼン:エチルビニル
ベンゼン=3:2(重量比)の混合物70gを添加した
後、反応系の温度を1時間かけて0℃に上昇させ、反応
を0℃で5時間行った。以下、実施例1と同様に処理
し、表1に示す性状の末端修飾ポリプロピレンを得た。
【0025】実施例3 窒素ガスで十分置換した300mlのフラスコにトルエ
ン100mlを入れ、−78℃に冷却した。同温度でプ
ロピレン200ミリモルを加え、トルエン中に液化溶解
させた。次いで15ミリモルのAl(C2H5)2Cl
のn−ヘプタン溶液及び1.5ミリモルのV(アセチル
アセトナト)3トルエン溶液を加え、攪拌と共に重合を
開始した。プロピレンの重合を−78℃にて3時間行っ
た。次いで、反応条件を−60℃で3時間とした以外
は、実施例1と同様にしてジビニルベンゼン及びエチル
ビニルベンゼン混合物との反応を行い、表1に示す性状
の末端修飾ポリプロピレンを得た。
ン100mlを入れ、−78℃に冷却した。同温度でプ
ロピレン200ミリモルを加え、トルエン中に液化溶解
させた。次いで15ミリモルのAl(C2H5)2Cl
のn−ヘプタン溶液及び1.5ミリモルのV(アセチル
アセトナト)3トルエン溶液を加え、攪拌と共に重合を
開始した。プロピレンの重合を−78℃にて3時間行っ
た。次いで、反応条件を−60℃で3時間とした以外
は、実施例1と同様にしてジビニルベンゼン及びエチル
ビニルベンゼン混合物との反応を行い、表1に示す性状
の末端修飾ポリプロピレンを得た。
【0026】実施例4 窒素ガスで十分置換した1.0リットルのオートクレー
ブにトルエン500mlを入れ、−60℃に冷却した
後、同温度で25ミリモルのAl(C2H5)2Clの
n−ヘプタン溶液及び1.5ミリモルのV(2−メチル
−1,3−ブタンジオナト)3トルエン溶液を加えた。
次いで、系内を680mmHgまで減圧した後、エチレ
ンとプロピレンの混合ガス(40/60モル比)を連続
的に供給し、エチレン−プロピレンの共重合を−60℃
にて4時間行った。次いで、ジビニルベンゼン:エチル
ビニルベンゼン=3:2(重量比)の混合物70gを−
60℃で添加した後、反応系の温度を1時間かけて−4
0℃に上昇させ、同温度で1時間反応させた。以下、実
施例1と同様に処理し、表1に示す性状の末端修飾エチ
レン−プロピレンランダム共重合体を得た。一方、エチ
レン−プロピレン共重合体部の分子量、分子量分布及び
プロピレン含有量を測定するために、上記と同一の方法
でエチレンとプロピレンの共重合を行い、9.24gの
エチレン−プロピレンランダム共重合体を得た。得られ
た共重合体のMnは28.5×103、Mw/Mnは
1.24であった。さらに、この共重合体の13C−N
MR測定を行い、二級炭素に帰属するピーク(S)と三
級炭素に帰属するピーク(T)の面積から次式に基づい
て、プロピレンの含有量を計算した。その結果、共重合
体中のプロピレン含有量は53.8モル%であった。 プロピレン含有量(モル%)={T/1/2(S+T)}×100 なお、この共重合体を差動走査熱量計(DSC)により
熱分析した結果、プロピレン単独重合体に起因するガラ
ス転移温度(約−10℃)は観測されなかった。
ブにトルエン500mlを入れ、−60℃に冷却した
後、同温度で25ミリモルのAl(C2H5)2Clの
n−ヘプタン溶液及び1.5ミリモルのV(2−メチル
−1,3−ブタンジオナト)3トルエン溶液を加えた。
次いで、系内を680mmHgまで減圧した後、エチレ
ンとプロピレンの混合ガス(40/60モル比)を連続
的に供給し、エチレン−プロピレンの共重合を−60℃
にて4時間行った。次いで、ジビニルベンゼン:エチル
ビニルベンゼン=3:2(重量比)の混合物70gを−
60℃で添加した後、反応系の温度を1時間かけて−4
0℃に上昇させ、同温度で1時間反応させた。以下、実
施例1と同様に処理し、表1に示す性状の末端修飾エチ
レン−プロピレンランダム共重合体を得た。一方、エチ
レン−プロピレン共重合体部の分子量、分子量分布及び
プロピレン含有量を測定するために、上記と同一の方法
でエチレンとプロピレンの共重合を行い、9.24gの
エチレン−プロピレンランダム共重合体を得た。得られ
た共重合体のMnは28.5×103、Mw/Mnは
1.24であった。さらに、この共重合体の13C−N
MR測定を行い、二級炭素に帰属するピーク(S)と三
級炭素に帰属するピーク(T)の面積から次式に基づい
て、プロピレンの含有量を計算した。その結果、共重合
体中のプロピレン含有量は53.8モル%であった。 プロピレン含有量(モル%)={T/1/2(S+T)}×100 なお、この共重合体を差動走査熱量計(DSC)により
熱分析した結果、プロピレン単独重合体に起因するガラ
ス転移温度(約−10℃)は観測されなかった。
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】本発明の重合体は、異種ポリマーの相溶
化剤、ポリマーに染色性や接着性を付与するポリマー改
質剤、潤滑油等の粘度指数向上剤等に使用することがで
きる。
化剤、ポリマーに染色性や接着性を付与するポリマー改
質剤、潤滑油等の粘度指数向上剤等に使用することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 植木 聰 埼玉県入間郡大井町西鶴ケ岡一丁目3番 1号 東燃株式会社 総合研究所内 (56)参考文献 特開 昭54−152094(JP,A) 特開 平1−201304(JP,A) 特開 平5−39331(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 297/06 C08F 4/68
Claims (2)
- 【請求項1】 ポリプロピレン又はエチレン−プロピレ
ンランダム共重合体の末端が下記一般式Iで表されるラ
ンダム共重合体ユニットで修飾されてなる、分子量分布
(Mw/Mn)が1.05〜1.40である末端修飾ポ
リオレフィン。 一般式I 【化1】 〔但し、Rはそれぞれ独立して水素原子若しくはメチル
基を表し、Xは活性水素を有しない置換基で飽和炭化水
素基を除く置換基を表し、Yは水素原子若しくは飽和炭
化水素基を表し、lは1〜499、mは1〜499、l
+mは1〜500の数を表す。〕 - 【請求項2】 下記一般式IIで表されるバナジウム化
合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒の存在
下、プロピレンを重合して得られるリビングポリプロピ
レン又はエチレンとプロピレンをランダム共重合して得
られるリビングエチレン−プロピレンランダム共重合体
に、下記一般式III及び一般式IVで表されるスチレ
ン誘導体の混合物を反応させることからなる、請求項1
に記載の末端修飾ポリオレフィンの製造方法。一般式II 【化2】 〔R 1 〜R 3 は水素原子又は炭素数1〜8個の炭化水素
基を示す。但し、R 1 〜R 3 の少なくとも一つは水素原
子である必要があるが、R 1 〜R 3 の全部が水素原子で
あってはならない。〕 一般式III【化3】 〔但し、Rはそれぞれ独立して水素原子若しくはメチル
基を表し、Xは活性水素を有しない置換基で飽和炭化水
素基を除く置換基を表す。〕 一般式IV【化4】 〔但し、Rはそれぞれ独立して水素原子若しくはメチル
基を表し、Yは水素原子若しくは飽和炭化水素基を表
す。〕
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06026492A JP3263424B2 (ja) | 1992-03-17 | 1992-03-17 | 末端修飾ポリオレフィン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06026492A JP3263424B2 (ja) | 1992-03-17 | 1992-03-17 | 末端修飾ポリオレフィン |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0632847A JPH0632847A (ja) | 1994-02-08 |
JP3263424B2 true JP3263424B2 (ja) | 2002-03-04 |
Family
ID=13137122
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06026492A Expired - Fee Related JP3263424B2 (ja) | 1992-03-17 | 1992-03-17 | 末端修飾ポリオレフィン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3263424B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2003014247A1 (ja) | 2001-08-10 | 2005-01-13 | 有限会社コスメディ | 皮膚用粘着剤及びそれを用いた皮膚用テープ又はシート |
-
1992
- 1992-03-17 JP JP06026492A patent/JP3263424B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0632847A (ja) | 1994-02-08 |
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---|---|---|---|
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