JP3322704B2 - 末端修飾ポリオレフィン - Google Patents

末端修飾ポリオレフィン

Info

Publication number
JP3322704B2
JP3322704B2 JP31348192A JP31348192A JP3322704B2 JP 3322704 B2 JP3322704 B2 JP 3322704B2 JP 31348192 A JP31348192 A JP 31348192A JP 31348192 A JP31348192 A JP 31348192A JP 3322704 B2 JP3322704 B2 JP 3322704B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
propylene
ethylene
reaction
living
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP31348192A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06157644A (ja
Inventor
裕之 古橋
幸 碓氷
直美 村上
聰 植木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tonen General Sekiyu KK
Original Assignee
Tonen General Sekiyu KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tonen General Sekiyu KK filed Critical Tonen General Sekiyu KK
Priority to JP31348192A priority Critical patent/JP3322704B2/ja
Publication of JPH06157644A publication Critical patent/JPH06157644A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3322704B2 publication Critical patent/JP3322704B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F8/00Chemical modification by after-treatment
    • C08F8/30Introducing nitrogen atoms or nitrogen-containing groups

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、末端修飾ポリオレフィ
ン及びその製造方法に関し、更に詳しくは、ポリマー末
端がピリジニウム基ユニットで修飾された末端修飾ポリ
オレフィン及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のチーグラー・ナッタ型触媒による
プロピレン等のα−オレフィンの重合では、連鎖移動反
応や停止反応が起きるので、得られるポリマーの末端の
みを、置換基等で修飾するのは困難である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリプロピ
レン又はエチレン−プロピレンランダム共重合体の末端
のみが、ピリジニウム基ユニットで修飾され、かつ単分
散に近い末端修飾ポリオレフィン及びその製造方法を提
供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を行った結果、連鎖移動反応や停止反応を伴わない特定
の重合触媒を用いて得られるリビングポリプロピレン又
はエチレン−プロピレンランダム共重合体にビニルピリ
ジンを反応させ、次いで4級化することにより、本発明
の目的が達成し得ることを見出して本発明を完成した。
【0005】発明の要旨 すなわち、本発明の第1の発明によれば、ポリプロピレ
ン又はエチレン−プロピレンランダム共重合体の末端
、付加反応により下記一般式Iで表されるピリジニウ
ム基ユニットで修飾されてなる、数平均分子量が500
〜500,000の末端修飾ポリオレフィン、一般式I
【0006】
【化3】 [但し、Rはアルキル基若しくはアリール基を表し、X
はハロゲン若しくは硫酸イオンを表し、nは1〜500
の数を表す。]が提供される
【0007】また、本発明の第2の発明によれば、第1
の発明において、次の一般式II、一般式II、
【0008】
【化5】 式中、〜Rは水素原子又は炭素数1〜8個の炭
化水素基を示す。但し、R〜Rの少なくとも一つは
水素原子である必要があるが、R〜Rの全部が水素
原子であってはならない。]で表されるバナジウム化合
物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒の存在下、
プロピレンを重合して得られるリビングポリプロピレン
又はエチレンとプロピレンとをランダム共重合して得ら
れるリビングエチレン−プロピレンランダム共重合体
を、ビニルピリジンと反応させた後、4級化剤で4級化
することを特徴とする末端修飾ポリオレフィンの製造方
法が提供される
【0009】触 媒 (イ)バナジウム化合物 本発明で用いられるバナジウム化合物は、一般式II、
【0010】
【化4】 〔但し、R1 〜R3 は前記と同意義。〕で表わされる。
上記式に含まれる具体例を以下に説明する。 ・R2 が水素原子であり、R1 とR3 が炭化水素基であ
る場合。 R1 /R3 :CH3 /CH3 ,CH3 /C2 5 ,C2
5 /C2 5 ,CH 3 /C6 5 ,C2 5 /C6
5 ,C6 5 /C6 5 ,CH3 /C6 5 CH2 ,C
6 5 CH2 /C6 5 CH2 ,C2 5 /C6 5
2 ,C6 5/C6 5 CH2 . ・R2 が炭化水素基であり、R1 ,R3 のいずれかが水
素原子で他が炭化水素基である場合。 R2 /R1 又はR3 :CH3 /CH3 ,C2 5 /CH
3 ,CH3 /C2 5,C2 5 /C2 5 ,C6 5
/CH3 ,CH3 /C6 5 ,C6 5 /C25 ,C
2 5 /C6 5 ,C6 5 /C6 5 ,C6 5 CH
2 /CH3 ,CH3 /C6 5 CH2 ,C6 5 CH2
/C6 5 CH2 ,C6 5 CH2 /C 2 5 ,C2
5 /C6 5 CH2 ,C6 5 CH2 /C6 5 ,C6
5 /C 6 5 CH2 . ・R2 が水素原子であり、R1 ,R3 のいずれかが水素
原子で他が炭化水素基である場合。 R1 又はR3 :CH3 ,C2 5 ,C6 5 ,C6 5
CH2 等が挙げられ、これらの内でも特に下記の化合物が望ま
しい。
【0011】
【化5】
【0012】
【化6】
【0013】
【化7】
【0014】(ロ)有機アルミニウム化合物 有機アルミニウム化合物としては、一般式R′n Al
X′3-n (但し、R′はアルキル基又はアリール基、
X′はハロゲン原子又は水素原子を示し、nは1≦n<
3の範囲の任意の数である。)で示されるものであり、
例えばジアルキルアルミニウムモノハライド、モノアル
キルアルミニウムジハライド、アルキルアルミニウムセ
スキハライドなどの炭素数1ないし18個、好ましくは
炭素数2ないし6個のアルキルアルミニウム化合物又は
その混合物もしくは錯化合物が特に好ましい。具体的に
は、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニ
ウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジエチ
ルアルミニウムアイオダイド、ジイソブチルアルミニウ
ムクロリドなどのジアルキルアルミニウムモノハライ
ド、メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウ
ムジクロリド、メチルアルミニウムジブロミド、エチル
アルミニウムジブロミド、エチルアルミニウムジアイオ
ダイド、イソブチルアルミニウムジクロリドなどのモノ
アルキルアルミニウムジハライド、エチルアルミニウム
セスキクロリドなどのアルキルアルミニウムセスキハラ
イド等が挙げられる。
【0015】バナジウム化合物と有機アルミニウム化合
物の使用割合は、バナジウム化合物1モル当り、有機ア
ルミニウム化合物1〜1,000モルである。
【0016】プロピレンのリビング重合 プロピレンのリビング重合は、プロピレンの単独重合以
外に、プロピレンに少量のエチレン又は1−ブテン、1
−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフ
ィンを共存させて重合することも可能である。
【0017】重合反応は、重合反応に対して不活性で、
かつ重合時に液状である溶媒中で行うのが望ましく、該
溶媒としては、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン等の飽和脂肪族炭化水素、シクロプロパ
ン、シクロヘキサン等の飽和脂環式炭化水素、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げら
れる。
【0018】プロピレンの重合時の重合触媒の使用量
は、プロピレン又はプロピレンと少量のコモノマー1モ
ル当り、バナジウム化合物が1×10-4〜0.1モル、
望ましくは5×10-4〜5×10-2モル、有機アルミニ
ウム化合物が1×10-4〜0.5モル、望ましくは1×
10-3〜0.1モルである。なお、バナジウム化合物1
モル当り、有機アルミニウム化合物は、望ましくは4〜
100モル用いられる。
【0019】リビング重合は、通常−100℃〜+10
0℃で0.5〜50時間行われる。得られるリビングポ
リプロピレンの分子量及び収量は、反応温度及び反応時
間を変えることにより調節できる。重合温度を低温、特
に−30℃以下にすることにより、単分散に近い分子量
分布を持つポリマーとすることができる。−50℃以下
では、Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)
が1.05〜1.40のリビング重合体とすることがで
きる。
【0020】重合反応時に、反応促進剤を用いることが
できる。反応促進剤としては、アニソール、水、酸素、
アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル等)、エステル(安息香酸エチル、酢酸エチル等)が
挙げられる。促進剤の使用量は、バナジウム化合物1モ
ル当り、通常0.1〜2モルである。上記の方法によ
り、約500〜約500,000の数平均分子量を持
ち、単分散に近いリビングポリプロピレンを製造するこ
とができる。
【0021】エチレン−プロピレンのリビングランダム
共重合 重合反応は、重合反応に対して不活性で、かつ重合時に
液状である溶媒中で行うのが望ましく、該溶媒として
は、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン
等の飽和脂肪族炭化水素、シクロプロパン、シクロヘキ
サン等の飽和脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエン、キ
シレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。エチレンお
よびプロピレンと重合触媒との接触方法は、任意に選択
できるが、望ましくは、エチレンとプロピレンの溶媒溶
液に、有機アルミニウム化合物の溶液及びバナジウム化
合物の溶液を順次加えて接触させる方法、或いは有機ア
ルミニウム化合物及びバナジウム化合物を加えた溶媒溶
液にエチレンとプロピレンを加えて接触させる方法等で
ある。
【0022】重合触媒の使用量は、エチレンとプロピレ
ン1モル当たり、バナジウム化合物が1×10-4〜0.
1モル、望ましくは5×10-4モル〜5×10-2モル、
有機アルミニウム化合物が1×10-4〜0.5モル、望
ましくは1×10-3〜0.1モルである。尚、バナジウ
ム化合物1モル当たり、有機アルミニウム化合物は、望
ましくは4〜100モル用いる。得られるリビング共重
合体の分子量及び収量は、反応温度及び反応時間を変え
ることにより調整できる。本発明は、重合温度を低温、
特に−30℃以下にすることにより、単分散に近い分子
量分布を持つポリマーとすることができ、−50℃以下
では、Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)
が1.05〜1.40のリビングエチレン−プロピレン
ランダム共重合体が得られる。
【0023】重合反応時に、反応促進剤を用いることが
できる。反応促進剤としては、アニソール、水、酸素、
アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル等)、エステル(安息香酸エチル、酢酸エチル等)が
挙げられる。促進剤の使用量は、バナジウム化合物1モ
ル当たり、通常0.1〜2モルである。リビング共重合
体中のエチレンとプロピレンの割合は、通常エチレンが
90モル%迄である。これは、リビング重合時のエチレ
ンとプロピレンの使用割合を変えることにより調節でき
るが、エチレンの使用割合を多くすると、該共重合体の
分子量分布が広くなり望ましくない。エチレン含有量が
高く、分子量分布が狭い、すなわち単分散に近いリビン
グ共重合体を製造する場合は、エチレンとプロピレンを
リビング共重合する前に、重合系に微量のプロピレンを
供給し、0.1〜1時間保持することにより、リビング
共重合体の分子量分布が狭いままで、共重合体中に多量
のエチレンを導入することができる。上記のようにし
て、約500〜500,000の数平均分子量(プロピ
レン換算、以下同じ)を持ち、単分散に近いリビングエ
チレン−プロピレンランダム共重合体を製造することが
できる。
【0024】ビニルピリジンとの反応 リビングポリプロピレン又はエチレン−プロピレンラン
ダム共重合体とビニルピリジンとの反応は、リビングポ
リプロピレン又はエチレン−プロピレンランダム共重合
体が存在する反応系に、ビニルピリジンを供給して反応
させる方法が望ましい。反応は−100℃〜+150℃
の温度で5分間〜50時間行われる。反応温度を高くす
るか、反応時間を長くすることにより、ビニルピリジン
ユニットによるポリオレフィン末端の修飾率を増大する
ことができる。ビニルピリジンは、リビングポリオレフ
ィン1モルに対して、1〜1,000モル用いられる。
【0025】リビングポリプロピレン又はエチレン−プ
ロピレンランダム共重合体とビニルピリジンとの反応物
は、次いでプロトン供与体と接触させることによって、
本発明の末端修飾ポリオレフィンが得られる。プロトン
供与体としては、メタノール、エタノール、フェノール
等のアルコール類、塩酸、硫酸等の鉱酸が挙げられる。
アルコール類と鉱酸は同時に用いてもよい。プロトン供
与体は通常大過剰に用いられる。プロトン供与体との接
触は、通常−100℃〜+100℃で1分間〜10時間
行われる。
【0026】上記のようにして得られた本発明のポリオ
レフィンは、約500〜約500,000の数平均分子
量(Mn)を、又前記のリビングポリプロピレン又はエ
チレン−プロピレンランダム共重合体そのものを踏襲し
た非常に狭い分子量分布(Mw/Mn=1.05〜1.
40)をそれぞれ持ち、かつその末端が1〜200個、
望ましくは1〜100個のビニルピリジンユニットで修
飾されている。又、本発明の末端修飾ポリオレフィン
は、シンジオタクチックダイアッド分率が0.6以上で
あることが一つの特徴である。
【0027】ピリジン環の4級化反応 上記のようにして得られた重合体をn−ヘプタン、ベン
ゼン、トルエン等の炭化水素類、n−ブチルエーテル、
THF等のエーテル類、メチルエチルケトン等のケトン
類等の溶剤に溶解した後、沃化メチル、臭化メチル、臭
化プロピル、臭化ブチル、塩化ベンジル、臭化ベンジル
等の4級化剤を添加し、0〜150℃の温度で反応させ
る。反応終了後、反応溶液をメタノール中に注いで重合
体を析出させる。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。な
お、重合体のキャラクタリゼーションは下記の方法で行
った。 ・分子量及び分子量分布 Waters社製GPC(ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィー)モデル150を用いた。溶媒:o−ジク
ロルベンゼン、測定温度:135℃、溶媒流速:1.0
ml/分。カラムは東ソー社製GMH6HT(商品名)
を使用した。測定に当り、東ソー社製の単分散ポリスチ
レン標準試料を用い、ポリスチレンの検量線を求め、こ
れよりユニバーサル法によってポリプロピレンの検量線
を作成した。 ・重合体の構造決定 ( 1H−NMRスペクトル):日本電子社製GSX−4
00(商品名)、フーリエ変換型NMRスペクトロメー
ターを用い、400MHz、30℃、パルス間隔15秒
の条件で測定した。試料は、重クロロホルムに溶解して
調製した。 (13C−NMRスペクトル):PFTパルスフーリエ変
換装置付きVarian社製XL−200型(商品名)
を用い、50MHz、120℃、パルス幅8.2μs
π/3、パルス間隔4秒、積算回数5,000の条件で
測定した。試料はトリクロルベンゼンとベンゼン(2:
1)の混合溶媒に溶解して調整した。 (赤外吸収スペクトル):重合体をKBr板上にキャス
トとし、日本分光工業社製モデルIR−810(商品
名)赤外分光光度計を用いて測定した。
【0029】実施例1 末端ビニルピリジン修飾ポリプロピレンの合成 窒素ガスで十分置換した300mlのフラスコにn−ヘ
プタン100mlを入れ、−60℃に冷却した。同温度
でプロピレン200ミリモルを加え、n−ヘプタン中に
液化溶解した。次いで15ミリモルのAl(C2 5
2 Clのn−ヘプタン溶液および1.5ミリモルのV
(2−メチル−1,3−ブタンジオナト) 3 トルエン溶
液を加え、攪拌と共に重合を開始した。プロピレンの重
合を−60℃で1時間行った。次いで4−ビニルピリジ
ン(4−VP)100mmolを−60℃で添加した
後、同温度で1時間反応させた。その後、500mlの
エタノール中に反応溶液を注ぎポリマーを析出させた。
得られたポリマーを再度n−ヘプタンに溶解させ、遠心
分離により上澄み液を得た。この上澄み液を500ml
のメタノールに注ぎ、再度ポリマーを析出させた。得ら
れたポリマーは、メタノールで5回洗浄した後、室温で
減圧乾燥して0.75gの重合体を得た。得られた重合
体のGPC流出曲線は、単峰性であった。この重合体の
Mnは、3.3×103 であり、Mw/Mnは1.16
と単分散に近い値であった。この重合体の 1H−NMR
分析の結果、ポリプロピレンに起因するピーク(δ=
0.7〜1.7ppm)以外に下記の化学シフト値から
なるピークが観測され、ポリプロピレン鎖の末端に4−
VPが結合していることが判明した。
【0030】
【化8】
【0031】また、ポリプロピレン部のプロトンシグナ
ル(δ=0.7〜1.7ppm)と4−VPユニットの
プロトンシグナル(a)の面積比からポリプロピレン鎖
の末端に2個の4−VPユニットが結合していることが
確認された。
【0032】ピリジン環の4級化反応 この重合体をTHF50ml中に溶解させた後、臭化ベ
ンジル50mmolを添加し、還流下で5時間反応を行
った。反応終了後、この溶液を500mlのメタノール
中に注ぎポリマーを析出させた。得られたポリマーをメ
タノールで5回洗浄した後、室温で減圧乾燥して0.7
7gの重合体を得た。得られた重合体のIR測定を行っ
たところ、1640cm-1にピリジニウム基に起因する
吸収が観察された。また、ピリジンに起因する1600
cm-1の吸収は見られなかった。この結果から、ポリプ
ロピレン末端のピリジンが4級化されていることが確認
された。
【0033】実施例2 末端ビニルピリジン修飾ポリプロピレンの合成 窒素ガスで十分置換した300mlのフラスコにトルエ
ン100mlを入れ、−78℃に冷却した。同温度でプ
ロピレン200ミリモルを加え、トルエン中に液化溶解
した。次いで15ミリモルのAl(C2 5 2 Clの
n−ヘプタン溶液及び1.5ミリモルのV(アセチルア
セトナト)3 トルエン溶液を加え、攪拌と共に重合を開
始した。プロピレンの重合を−78℃にて6時間行っ
た。次いで反応条件を−60℃で2時間とした以外は、
実施例1と同様にして4−VPとの反応を行い、Mn=
11.5×103 、Mw/Mn=1.17、ビニルピリ
ジンユニット数n=1の末端修飾ポリプロピレン1.6
9gを得た。ピリジン環の4級化反応 この重合体を実施例1と同様にして臭化ベンジルとの反
応を行った。得られた重合体のIR測定を行ったとこ
ろ、ポリプロピレン末端のピリジンが4級化されている
ことが確認された。
【0034】実施例3 実施例1の4級化反応において臭化ベンジルの代わりに
ヨウ化メチルを使用した以外は、実施例1と同様にし
て、末端修飾ポリプロピレンを得た。得られた重合体の
IR測定を行ったところ、1640cm-1にピリジニウ
ム基に起因する吸収が観察され1600cm-1のピリジ
ンに起因する吸収は消滅していた。この結果から、プロ
ピレン末端のピリジンが4級化されていることが確認さ
れた。
【0035】実施例4 末端ビニルピリジン修飾EPRの合成 窒素ガスで十分置換した1.0リットルのオートクレー
ブにトルエン500mlを入れ、−60℃に冷却した
後、同温度で25ミリモルのAl(CClの
n−ヘプタン溶液および1.5ミリモルのV(2−メチ
ル−1,3−ブタンジオナト)トルエン溶液を加え
た。次いで、系内を680mmHgまで減圧した後、エ
チレンとプロピレンの混合ガス(40/60モル比)を
連続的に供給し、エチレン−プロピレンのランダム共重
合を−60℃にて4時間行った。次いで、同温度で4−
VP500ミリモルを−60℃で添加した後、反応系の
温度を1時間かけて0℃に上昇させ、同温度で5時間反
応させた。以下、実施例1と同様に処理し、Mn=2
8.4×10、Mw/Mn=1.25、ビニルピリジ
ンユニット数n=10の末端修飾エチレン−プロピレン
ランダム共重合体(EPR)8.42gを得た。得られ
た共重合体の13C−NMR測定を行い、二級炭素に帰
属するピーク(S)と三級炭素に帰属するピーク(T)
の面積から次式に基づいて、プロピレンの含有量を計算
した。その結果、共重合体中のプロピレン含有量は5
3.9モル%であった。 プロピレン含有量(モル%)=[T/{(T+S)/2}]×100 なお、この共重合体を差動走査熱量計(DSC)により
熱分析した結果、プロピレン単独重合体に起因するガラ
ス転移温度(約−10℃)は観測されなかった。ピリジン環の4級化反応 この重合体を実施例1と同様にして臭化ベンジルと反応
を行った。得られた重合体のIR測定を行ったところ、
ポリプロピレン末端のピリジンが4級化されていること
が確認された。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】本発明の重合体は、異種ポリマーの相溶
化剤、ポリマーに染色性や接着性を付与するポリマー改
質剤、潤滑油等の粘度指数向上剤、微生物捕捉剤等に使
用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 植木 聰 埼玉県入間郡大井町西鶴ケ岡一丁目3番 1号 東燃株式会社 総合研究所内 (56)参考文献 特開 平4−178407(JP,A) 特開 昭63−113002(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 8/00 - 8/50

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレン又はエチレン−プロピレ
    ンランダム共重合体の末端が、付加反応により下記一
    般式Iで表されるピリジニウム基ユニットで修飾されて
    なる、数平均分子量が500〜500,000の末端修
    飾ポリオレフィン。 一般式I 【化1】 [但し、Rはアルキル基若しくはアリール基を表し、X
    はハロゲン若しくは硫酸イオンを表し、nは1〜500
    の数を表す。]
  2. 【請求項2】 次の一般式II 【化2】 [式中、R 〜R は水素原子又は炭素数1〜8個の炭
    化水素基を示す。但し、R 〜R の少なくとも一つは
    水素原子である必要があるが、R 〜R の全部が水素
    原子であってはならない。]で表されるバナジウム化合
    物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒の存在下、
    プロピレンを重合して得られるリビングポリプロピレン
    又はエチレンとプロピレンとをランダム共重合して得ら
    れるリビングエチレン−プロピレンランダム共重合体
    を、ビニルピリジンと反応させた後、4級化剤で4級化
    することを特徴とする請求項1に記載の末端修飾ポリオ
    レフィンの製造方法
JP31348192A 1992-11-24 1992-11-24 末端修飾ポリオレフィン Expired - Fee Related JP3322704B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31348192A JP3322704B2 (ja) 1992-11-24 1992-11-24 末端修飾ポリオレフィン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31348192A JP3322704B2 (ja) 1992-11-24 1992-11-24 末端修飾ポリオレフィン

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06157644A JPH06157644A (ja) 1994-06-07
JP3322704B2 true JP3322704B2 (ja) 2002-09-09

Family

ID=18041829

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31348192A Expired - Fee Related JP3322704B2 (ja) 1992-11-24 1992-11-24 末端修飾ポリオレフィン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3322704B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06157644A (ja) 1994-06-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100955739B1 (ko) 올레핀 중합체
JP2003510430A (ja) 加水分解性オレフィンコポリマー
JPH0579085B2 (ja)
CN103502281A (zh) 新型催化剂和使用其生产乙烯基封端的聚合物的方法
EP0166536B1 (en) Block copolymer
JP3164633B2 (ja) 末端修飾ポリオレフィン
JP3322704B2 (ja) 末端修飾ポリオレフィン
JP3319780B2 (ja) 末端変性ポリオレフィン
JP3164632B2 (ja) 末端修飾ポリオレフィン
JP3322703B2 (ja) 末端修飾ポリオレフィン
JP3308982B2 (ja) 末端修飾ポリオレフィン
US5502114A (en) Terminal-modified polyolefins
JP3355198B2 (ja) 末端修飾ポリオレフィン
JP3322691B2 (ja) 末端修飾ポリオレフィンの製造方法
JP3322795B2 (ja) 末端修飾ポリオレフィン
JP3263424B2 (ja) 末端修飾ポリオレフィン
JP3273054B2 (ja) 末端修飾ポリオレフィン
JP3319773B2 (ja) 末端修飾ポリオレフィン
JP3308981B2 (ja) 末端修飾ポリオレフィン
JP3308983B2 (ja) 末端修飾ポリオレフィン
JP2999307B2 (ja) プロピレン/スチレンブロック共重合体及びその製造法
JPS6367485B2 (ja)
JPH0686482B2 (ja) 末端修飾プロピレン重合体及びその製造方法
JPH11171915A (ja) 銅化合物を用いた重合体の製造方法
JPH11246623A (ja) 末端修飾ポリオレフィンおよびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees