JPH11171915A - 銅化合物を用いた重合体の製造方法 - Google Patents
銅化合物を用いた重合体の製造方法Info
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Abstract
合触媒とする銅化合物を用いた重合体の製造方法を提供
する。 【解決手段】 極性値eの絶対値が1.5以下であるビ
ニル系単量体を重合するに際して、触媒及び/又は重合
開始剤として、一般式CuXn 、LCuXn 又はL
(L')CuXn で表される銅化合物(式中、L及びL’
は配位子を示し、Xは、ハロゲン原子、アルコキシ基、
チオキシ基、アリロキシ基、アミノ基、第2級アミノ
基、第3級アミノ基、シアノ基、ニトロ基、アルキル基
又はアリル基を示す。nは0〜2の整数である)を用い
る。
Description
合体の製造方法に関する。
1 は、フェニル基又は置換フェニル基を示し、Eは水素
原子又はアルキル基を示す)で表されるα−置換オレフ
ィンを重合して得られるポリα−置換オレフィンは、従
来より様々な方法で重合されている。工業的には、モノ
マーにラジカル発生剤を添加し、ラジカル重合を行うこ
とで得られている。しかし、この方法によると得られる
ポリマーの分子量分布が広いものとなり、低分子量体が
混在するために耐熱性が劣るものとなる。
ン重合、グループトランスファー重合などで得ることも
でき、最近では、一般式CH2 =CY2 H(式中、Y2
は、フェニル基または置換フェニル基を示す)で表され
るα−置換オレフィンを重合して得られる、立体規則性
の高いポリα−置換オレフィンの重合方法として、遷移
金属錯体単独、あるいは、遷移金属錯体と有機アルミニ
ウム化合物を重合触媒成分として用いた製造方法が提案
され、注目されている〔例えば、石原伸英ら:高分子学
会予稿集、35,240(1986)、又は特開平3−
72504号公報〕。
アノ基、Zは水素原子又はアルキル基をそれぞれ示す)
で表されるα−置換オレフィンを重合して得られるポリ
α−置換オレフィンは、従来より様々な方法で重合され
ている。工業的には、モノマーにラジカル発生剤を添加
し、ラジカル重合を行うことで得られている。
合方法として、例えば、アニオン重合、配位重合、グル
ープトランスファー重合等が実験室レベルで提案されて
いる。具体的には、一般式CH2 =CHY3 (式中、Y
3 はシアノ基を示す)で表される、立体規則性の高いポ
リα−置換オレフィンが、アルミニウム金属化合物と遷
移金属化合物とを重合触媒として用いた製造方法(特開
平1−79206号公報)や、分子量分布の狭い精密重
合体が有機希土類金属錯体を触媒成分とした重合反応
〔中村 晃ら:第43回高分子学会(5.26.199
4)II−3−08〕により得られている。
スチックとして注目されている。ラクトン類の重合につ
いては、分子量、分子量分布を制御可能な重合方法とし
て、例えば、アニオン重合、配位重合、グループトラン
スファー重合等が実験室レベルで提案されている。具体
的には、アルミニウムポルフィリン錯体を重合開始剤と
して重合する方法〔Macromolecules 1
4,166(1981)〕や、アルミニウムポルフィリ
ン錯体と嵩高い置換基を有するルイス酸を重合開始剤と
して使用する方法(特開平4−323204号公報)等
が挙げられる。
重合されている。工業的には、ビニル系単量体にラジカ
ル発生剤を添加し、高温高圧下でラジカル重合する方法
が殆どである。また、最近では、分子量、分子量分布を
制御可能な重合方法として、例えば、アニオン重合、配
位重合、グループトランスファー重合等が実験室レベル
で提案されている。
る化合物は遷移金属錯体であり、一般的に酸素や水分に
対して不安定で分解し易く、さらに多くの反応段階を経
て合成されている。しかも、その不安定性から合成も困
難なため低収率となり、結果として高価な触媒系となっ
ている。
金属については、前期遷移金属である4族遷移元素であ
るチタン、ジルコニウム、ハフニウム等が一般的に用い
られている。最近では、やや反応性は低下するものの、
後期遷移金属である10族遷移元素であるニッケル、パ
ラジウムなども錯体の中心金属として使用されている
〔JACS 117,No23 6414(1995)
等〕。
に優れ合成も容易であるという利点はあるが、その安定
性のため活性が低く重合触媒としては検討されたことが
なかった。ところが、最近、発明者らは銅錯体を極性の
高いモノマーであるカルボジイミドの重合触媒として利
用でき、リビング重合体を得ることができることを発表
している〔Macromolecules 30,31
59(1997)〕。しかしながら、反応性を必要とす
る比較的低極性のモノマーについて、銅錯体が重合触媒
として適用された例はなかった。
が容易であり、かつ安定な銅化合物を重合触媒とする銅
化合物を用いた重合体の製造方法を提供することにあ
る。
成でき、安定な銅化合物を重合触媒成分として用いるこ
とにより、上記問題点を解消できるに至った。
発明という)である銅化合物を用いた重合体の製造方法
は、極性値eの絶対値が1.5以下であるビニル系単量
体を重合するに際して、触媒及び/又は重合開始剤とし
て、一般式CuXn 、LCuXn 又はL(L')CuXn
で表される銅化合物(式中、L及びL’は配位子を示
し、Xは、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオキシ基、
アリロキシ基、アミノ基、第2級アミノ基、第3級アミ
ノ基、シアノ基、ニトロ基、アルキル基又はアリル基を
示す。nは0〜2の整数である)を用いることを特徴と
する。
発明という)である銅化合物を用いた重合体の製造方法
は、開環反応によって重合する化合物を重合するに際し
て、触媒及び/又は重合開始剤として、一般式Cu
Xn 、LCuXn 又はL(L')CuXn (式中、L及び
L’は配位子を示し、Xは、ハロゲン原子、アルコキシ
基、チオキシ基、アリロキシ基、アミノ基、第2級アミ
ノ基、第3級アミノ基、シアノ基、ニトロ基、アルキル
基又はアリル基を示す。nは0〜2の整数である)で表
される銅化合物を用いることを特徴とする。
発明という)である銅化合物を用いた重合体の製造方法
は、第1又は第2発明において、銅化合物とともに、ア
ルミノキサン、一般式AlRm Z3-m (式中、Rは炭素
数1〜20の炭化水素基、Zは、水素原子、ハロゲン原
子、アルコキシ基、アリロキシ基又はシロキシ基を示
す。mは0〜3の整数である)で表される有機アルミニ
ウム化合物、硼素原子を有するルイス酸及び硼素原子を
有するイオン性化合物からなる群より選択される1種以
上の有機金属化合物を用いることを特徴とする。
発明で用いられるビニル系単量体としては、分子内に反
応性の二重結合を有し、極性を示す値である極性値eの
絶対値が1.5以下のものが挙げられる。上記極性値e
は、二重結合部の電子密度を表す値であり、二重結合に
電子が流れ込んでいる場合は負の値を示し、置換基によ
り電子が引張られている場合は正の値を示す(高分子化
学の基礎;高分子学会編、東京化学同人)。上記極性値
eが1.5を超える場合は、ビニル系単量体の極性が高
すぎるため、銅錯体触媒、特に有機金属化合物を助触媒
として使用する系では触媒が失活してしまい、重合反応
はうまく進行しなくなる。
ビニル系単量体としては、例えば、オレフィン;α−置
換オレフィン;(メタ)アクリル酸エステル;炭素−窒
素2重結合、炭素−窒素3重結合を有するモノマー等が
挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、二種以
上が併用されてもよく、共重合されてもよい。共重合の
場合、ランダム共重合、ブロック共重合とも可能であ
る。
素−炭素二重結合を有するものであり、例えば、エチレ
ン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキ
セン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1−
ペンテン等のα−オレフィン;ブタジエン等のジエンが
例示できる。
=CY1 E(式中、Y1 は、フェニル基、置換フェニル
基又はシアノ基を示し、Eは水素原子又はアルキル基を
示す)で表されるものであり、例えば、スチレン、α−
メチルスチレン、α−エチルスチレン、o−メチルスチ
レン、p−メチルスチレン、o−塩化スチレン、p−塩
化スチレン、o−臭化スチレン、p−臭化スチレン、p
−ニトロスチレン、o−メトキシスチレン、p−メトキ
シスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等
が挙げられる。
は、一般式CH2 =C (R1)COO−R2 〔式中、R1
は、水素原子又はメチル基であり(アクリル酸エステル
の場合は水素原子、メタクリル酸エステルの場合はメチ
ル基である)、R2 は、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化
水素基、及びハロゲン、アミン、エーテル等の官能基を
含む炭化水素基の中から選ばれた1価の基である〕のも
のが有効に使用されうる。
(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プ
ロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)ア
クリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、(メ
タ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸t
−ブチル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)ア
クリル酸n−へキシル、(メタ)アクリル酸シクロへキ
シル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メ
タ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸ラウ
リル、(メタ)アクリル酸n−トリデシル、(メタ)ア
クリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸セチル、(メ
タ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸アリ
ル、(メタ)アクリル酸ビニル、(メタ)アクリル酸ベ
ンジル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリ
ル酸2−ナフチル、(メタ)アクリル酸2,4,6−ト
リクロロフェニル、(メタ)アクリル酸2,4,6−ト
リブロモフェニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、
(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アク
リル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸ジエチ
レングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル
酸ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メ
タ)アクリル酸ポリプロピレングリコールモノメチルエ
ーテル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、
(メタ)アクリル酸2,3−ジブロモプロピル、(メ
タ)アクリル酸2−クロロエチル、(メタ)アクリル酸
2,2,2−トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸
ヘキサフルオロイソプロピル、(メタ)アクリル酸グリ
シジル、(メタ)アクリル酸3−トリメトキシシリルプ
ロピル、(メタ)アクリル酸2−ジエチルアミノエチ
ル、(メタ)アクリル酸2−ジメチルアミノエチル、
(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチル等が例示さ
れるが、これらに限定されるものではない。
結合を有するモノマーとしては、例えば、アルキルイソ
シアネート、アルキルイソシアニドが挙げられる。
ては、環状エステル化合物、環状エポキシド化合物等が
挙げられ、具体的には、例えば、β−プロピオラクト
ン、α−メチル−β−プロピオラクトン、α,α'-ジメ
チル−β−プロピオラクトン、α−ビニル−β−プロピ
オラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクト
ン、ε−カプロラクトン等のラクトン化合物、プロピレ
ンオキサイドが例示される。これらは単独で用いられて
もよく、二種以上が併用されてもよい。
単量体又は開環反応によって重合する化合物から重合体
を得るために、触媒として銅化合物が単独で用いられる
か、銅化合物及び有機金属化合物が併用される。
Xn 又はL(L')CuXn で表されるものである。式
中、L及びL’は配位子を示し、Xは、ハロゲン原子、
アルコキシ基、チオキシ基、アリロキシ基、アミノ基、
第2級アミノ基、第3級アミノ基、シアノ基、ニトロ
基、アルキル基又はアリル基を示し、好ましくは、塩
素、臭素などのハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ
基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基などのアルコキ
シ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などの第3
級アミノ基である。nは0〜2の整数である。
が、配位子の構造中に存在するN,S,O,P原子の不
対電子による配位や、シクロペンタジエニル基による配
位が例示できる。具体的には、アミン、2級アルキルア
ミン、3級アルキルアミンによる配位;アミジナト配位
などのN配位;アルコキシ、アリールオキシによる配位
などのO配位等を挙げることができる。
リジン、置換ビピリジン、ビスオキサゾリン、置換ビス
オキサゾリン、N,N’−ジメチルアミジナト、N,
N’−ジエチルアミジナト、N,N’−ジイソプロピル
アミジナト、N,N’−ジ−t−ブチルアミジナト、
N,N’−トリフルオロメチルアミジナト、N,N’−
ジフェニルアミジナト、N,N’−ジ置換フェニルアミ
ジナト、N,N’−ジトリメチルシリルアミジナト、
N,N’−ジメチルベンズアミジナト、N,N’−ジエ
チルベンズアミジナト、N,N’−ジイソプロピルベン
ズアミジナト、N,N’−ジ−t−ブチルベンズアミジ
ナト、N,N’−トリフルオロメチルベンズアミジナ
ト、N,N’−ジフェニルベンズアミジナト、N,N’
−ジトリメチルシリルベンズアミジナト、N,N’−ジ
置換フェニルベンズアミジナト配位化合物等である。
キノリノール2分子配位化合物が挙げられる。
原子を含む、一般式CuXn 、LCuXn 又はL(L')
CuXn の二量体、三量体又は複核錯体であってもよ
い。これらの錯体は、固体状態で二量体、三量体又は複
核錯体であっても、反応時の溶液中やモノマー中では単
量体として存在していることが多く、この単量体の状態
が、一般式CuXn 、LCuXn 又はL(L')CuXn
に相当するものであれば、本発明で用いることができ
る。
えば、塩化銅から簡便に合成することができる。また、
上記N配位化合物、銅(II)アミジナト錯体の合成を例と
して挙げると、例えば、塩化銅(II)無水物に当量のアミ
ジン化合物を加え、乾燥有機溶媒中、常温で数時間撹拌
することにより合成することができる。
素、水分に対して比較的安定であり、特に2価の銅錯
体、例えば、N,N’−ジメチルベンズアミジナト銅
(II)錯体は、対応するチタン錯体が、1%程度の酸素
濃度雰囲気で分解するのに対し、100%乾燥酸素下で
も安定に存在する。従って、取り扱いは、例えば、チタ
ン、ジルコニウム化合物等の遷移金属化合物に比して極
めて容易である。
く、2種以上が併用されてもよい。また、炭化水素又は
ハロゲン化炭化水素等で希釈して用いてもよい。
させてもよい。粒子状担体としては、例えば、Si
O2 、Al2 O3 、MgO、CaO、TiO2 、Zn
O、MgCl2 などの無機担体;ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体などの
樹脂を用いることができる。
ては、アルミノキサン、一般式AlRm Z3-m (式中、
Rは炭素数1〜20の炭化水素基、Zは、水素原子、ハ
ロゲン原子、アルコキシ基、アリロキシ基又はシロキシ
基を示す。mは0〜3の整数である)で表される有機ア
ルミニウム化合物、硼素原子を有するルイス酸及び硼素
原子を有するイオン性化合物からなる群より選択される
1種以上である。
ンは、一般式R1(Al (R1)−O) p AlR1 2 、又は
下記一般式(1)で表される化合物である。式中、R1
は炭素数1〜3の炭化水素基を示し、pは2以上の整数
を示す。
ル基であるメチルアルミノキサンであって、pが5以上
のものが好ましく、さらに好ましくはpが10以上のも
のである。アルミノキサンは、通常トルエン溶液として
市販されている。その製造方法については、トリアルキ
ルアルミニウムと水との直接的な反応や金属塩の水和物
との反応が知られている。
アルミニウム化合物としては、種々のものが例示でき、
具体的には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアル
ミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブ
チルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム等のトリ
アルキルアルミニウム;イソプレニルアルミニウムなど
のアルケニルアルミニウム;ジメチルアルミニウムクロ
ライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジイソプロ
ピルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウ
ムクロライド、ジオクチルアルミニウムクロライド等の
ジアルキルアルミニウムモノクロライド;メチルアルミ
ニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムセスキク
ロライド、イソプロピルアルミニウムセスキクロライ
ド、イソブチルアルミニウムセスキクロライド、オクチ
ルアルミニウムセスキクロライド等のアルキルアルミニ
ウムセスキクロライド;メチルアルミニウムジクロライ
ド、エチルアルミニウムジクロライド、イソプロピルア
ルミニウムジクロライド、イソブチルアルミニウムジク
ロライド、オクチルアルミニウムジクロライド等のアル
キルアルミニウムジクロライド;メトキシジエチルアル
ミニウム、ジイソプロポキシメチルアルミニウム、トリ
イソプロポキシアルミニウム等のアルコキシ基含有アル
ミニウム化合物などが挙げられる。
するルイス酸としては、一般式BR 2 3 で表される化合
物が挙げられる。ここで、R2 は、フッ素原子、メチル
基、トリフルオロメチル基などの置換基を有してもよい
フェニル基;フッ素原子を示す。具体的には、トリフル
オロ硼素、トリフェニル硼素、トリス(4−フルオロフ
ェニル)硼素、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)
硼素、トリス(4−フルオロメチルフェニル)硼素、ト
リス(ペンタフルオロフェニル)硼素、トリス(p−ト
リル)硼素、トリス(o−トリル)硼素、トリス(3,
5−ジメチルフェニル)硼素などが例示できる。この中
では、トリス(ペンタフルオロフェニル)硼素が好まし
い。
子を有するイオン性化合物としては、トリアルキル置換
アンモニウム塩、N,N−ジアルキルアニリニウム塩、
ジアルキルアンモニウム塩、トリアリールホスフォニウ
ム塩が例示される。具体的には、トリエチルアンモニウ
ムテトラ(フェニル)硼素、トリプロピルアンモニウム
テトラ(フェニル)硼素、トリ(n−ブチル)アンモニ
ウムテトラ(フェニル)硼素、トリメチルアンモニウム
テトラ(p−トリル)硼素、トリメチルアンモニウムテ
トラ(o−トリル)硼素、トリブチルアンモニウムテト
ラ(ペンタフルオロフェニル)硼素、トリプロピルアン
モニウムテトラ(o,p−ジメチルフェニル)硼素、ト
リブチルアンモニウムテトラ(m,m−ジメチルフェニ
ル)硼素、トリブチルアンモニウムテトラ(p−トリフ
ルオロメチルフェニル)硼素、トリ(n−ブチル)アン
モニウムテトラ(o−トリル)硼素などのトリアルキル
置換アンモニウム塩;N,N−ジメチルアニリニウムテ
トラ(フェニル)硼素、N,N−ジエチルアニリニウム
テトラ(フェニル)硼素、N,N−2,4,6−ペンタ
メチルアニリニウムテトラ(フェニル)硼素などのN,
N−ジアルキルアニリニウム塩;ジ(1−プロピル)ア
ンモニウムテトラペンタフルオロフェニル硼素、ジシク
ロヘキシルアンモニウムテトラ(フェニル)硼素などの
ジアルキルアンモニウム塩;トリフェニルホスフォニウ
ムテトラ(フェニル)硼素、トリ(ジメチルフェニル)
ホスフォニウムテトラ(フェニル)硼素などのトリアリ
ールホスフォニウム塩等が挙げられる。さらに、トリフ
ェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボロネート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラ
キス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェロセニ
ウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート等も例
示できる。
原子を有するイオン性化合物として例示できる〔なお、
以下に列挙するイオン性化合物において、対イオンは、
一般例としてトリ(n−ブチル)アンモニウムを示して
いるがこれに限定されない〕。上記アニオンの塩として
は、例えば、ビス〔トリ( n−ブチル)アンモニウム〕
ノナボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウ
ム〕デカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニ
ウム〕ウンデカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)ア
ンモニウム〕ドデカボレート、ビス〔トリ(n−ブチ
ル)アンモニウム〕デカクロロデカボレート、ビス〔ト
リ(n−ブチル)アンモニウム〕ドデカクロロドデカボ
レート、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−カルバデ
カボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−カル
バウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム
1−カルバドデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモ
ニウム1−トリメチルシリル−1−カルバデカボレー
ト、トリ(n−ブチル)アンモニウムブロモ−1−カル
バドデカボレートなど、さらに、例えば、ボラン及びカ
ルボラン錯化合物;カルボランアニオンの塩;カルボラ
ン及びカルボランの塩などが例示できる。
及び金属ボランアニオンも、硼素原子を有するイオン性
化合物として例示できる〔なお、以下に列挙するイオン
性化合物において、対イオンは一般例としてトリ(n−
ブチル)アンモニウムを示しているがこれに限定されな
い〕。上記金属カルボランの塩及び金属ボランアニオン
としては、例えば、トリ(n−ブチル)アンモニウムビ
ス(ノナハイドライド−1,3−ジカルバノナボレー
ト)コバルテート(III) 、トリ(n−ブチル)アンモニ
ウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウ
ンデカボレート)フェレート(鉄酸塩)(III) 、トリ
(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライ
ド−7,8−ジカルバウンデカボレート)コバルテート
(III) 、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデ
カハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)
ニッケレート(III) 、トリ(n−ブチル)アンモニウム
ビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデ
カボレート)キュプレート(銅酸塩)(III) などが例示
できる。
応じて、安息香酸エチル等の電子供与性化合物が添加さ
れてもよい。これらの化合物を加えると、著しく重合活
性が向上することがある。
ムの詳細については明らかでないが、銅化合物が触媒及
び/又は重合開始剤として働き、銅化合物単独、又は、
銅化合物及び有機金属化合物、ならびに、ビニル系単量
体もしくは開環反応によって重合する化合物(以下、モ
ノマーという)の相互作用により、モノマーの配位、挿
入反応が加速されるものと考えられる。
機金属化合物の反応系への添加時期については、モノマ
ー導入前、導入と同時又は導入後のいずれであってもよ
いが、導入前が最も好ましい。重合方法、条件等には、
特に制限はなく、連続重合であってもよく、非連続重合
であってもよい。
雰囲気下にて行なうことが好ましい。不活性気体として
は、窒素、ヘリウム、アルゴン等が用いられる。
塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエ
タンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエ
ン、キシレンのような炭化水素類;テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド等が使用される
が、無溶媒でも重合可能である。
での温度範囲が好ましく、また加圧下においては、常圧
での沸点以上の幅広い温度範囲において重合可能であ
る。例えば、室温においても、分子量分布の狭い重合体
を与えることができる。具体的な重合温度は、通常、−
20℃〜200℃が好ましく、より好ましくは0℃〜1
20℃である。また、具体的な重合圧力は、通常、大気
圧〜100kg/cm2 が好ましく、より好ましくは大
気圧〜50kg/cm2 である。
合、その使用量は、重合容積1リットル当たり、銅原子
に換算して、通常、約0.00005〜0.5ミリモル
が好ましく、より好ましくは約0.0001〜0.05
ミリモルである。
併用する場合、銅化合物の使用量は銅化合物単独で使用
する場合と同量が好ましく、有機金属化合物の使用量
は、銅化合物の銅原子1モルに対して、アルミニウム化
合物の場合、アルミニウム原子が通常、約1〜10,0
00モルが好ましく、より好ましくは10〜5,000
モルである。また、硼素原子を有するルイス酸もしくは
イオン性化合物の場合には、上記銅化合物の銅原子1モ
ルに対して、硼素原子が通常、1〜500モルが好まし
く、より好ましくは1〜100モルである。
の条件を変更することや、公知の手段、例えば水素の使
用により調節が可能である。
金属錯体系触媒を用いたときと同様に、組成分布に優れ
る重合体を得ることができる。具体的にゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー(GPC)によるポリマーの
解析において、本発明の製造方法によって得られた重合
体の分子量分布(Mw/Mn)を求めると、1.5〜
3.5と狭く、精密に制御された重合が行われているこ
とが確認できる。
に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定
されるものではない。
試薬を用いた。N,N’−ジトリメチルシリルベンズアミジナト銅(I
I)化合物の合成 N,N,N’−トリス(トリメチルシリル)ベンズア
ミジンの合成 充分アルゴン置換した250mlシュレンクフラスコに
テトラヒドロフラン40mlを加え、−78℃に冷却し
た。このフラスコに、1,1,1,3,3,3−ヘキサ
メチルジシラザン10mlを加え、市販の1.6M n
−ブチルリチウム−ヘキサン溶液30.5mlを20分
かけて滴下した。30分攪拌後、ベンゾニトリル4.9
mlを10分かけて滴下した。次いで、系の温度を常温
に戻した後10時間攪拌し、減圧により溶媒を留去した
後、フラスコ内に残った固体にトルエン50mlを加
え、トリメチルシリルクロライド12.2mlを滴下し
た。さらに、フラスコに冷却管を取り付け、加熱還流を
10時間行った後濾過を行い、濾液から溶媒を減圧にて
留去し、目的物を得た。目的物は、減圧蒸留により精製
し、白色結晶のN,N,N’−トリス(トリメチルシリ
ル)ベンズアミジン11gを得た。
ミジナト銅(II)化合物の合成 充分アルゴン置換した50mlシュレンクフラスコに、
上記で調製したN,N,N’−トリス(トリメチルシ
リル)ベンズアミジン1.3gと無水塩化銅0.28g
を加え、無水アセトニトリル(和光純薬工業社製)15
mlを加え、均一溶液とした。15時間経過後濾過した
濾液から、溶媒を減圧蒸留にて留去し、目的物を得た。
目的物は、テトラヒドロフラン/n−ヘキサン混合溶媒
中で再結晶させ、緑色結晶の銅錯体〔下記(2)式で表
される化合物。(2)式中、TMSはトリメチルシリル
基を表す〕0.65gを得た。同定は、IRおよび元素
分析により行った。
ルエン100mlを加え、上記(1)で調製したN,
N’−ジトリメチルシリルベンズアミジナト銅(II)化
合物12mg、メチルアルミノキサン(アルドリッチ社
製)10%トルエン溶液5mlを加えた。次いで、エチ
レンガスを容器内に導入し、系内を1.1kg/cm2
Gに保ちながら、20℃で24時間重合を行った後、反
応溶液にメタノール150mlを加えて反応を停止さ
せ、沈殿した重合物を回収して、ポリエチレン1.5g
を得た。
エーションクロマトグラフィー(GPC)及び示差走査
熱量計(DSC)によりポリマーの解析を行った。GP
Cの溶媒には、o−ジクロロベンゼンを用いた。重量平
均分子量は820,000、数平均分子量は405,0
00で、分子量分布を示す、重量平均分子量と数平均分
子量の比、Mw/Mnは2であった。また、DSCによ
る融解曲線のピークである融解温度は138℃であり、
60℃以下には融解ピークは観測できなかった。
トルエン溶液5mlの代わりに、トリイソブチルアルミ
ニウム(アルドリッチ社製)1Mトルエン溶液10ml
を使用した以外は、実施例1と同じ条件にて、重合を行
いポリエチレン2gを得た。得られたポリエチレンにつ
き、実施例1と同様の評価を行ったところ、重量平均分
子量は715,000、数平均分子量は388,000
で、分子量分布を示す、重量平均分子量と数平均分子量
の比、Mw/Mnは1.8であった。また、DSCによ
る融解曲線のピークである融解温度は137℃であり、
実施例1と同様に60℃以下には融解ピークは観測でき
なかった。
スコをアルゴン置換した後トルエン20mlを加え、実
施例1の(1)で調製したN,N’−ジトリメチルシリ
ルベンズアミジナト銅(II)化合物10mg及びメチル
アルミノキサン(アルドリッチ社製)10%トルエン溶
液5mlを加えた後、スチレンモノマー1gをフラスコ
内に導入し、20℃で72時間重合を行った。次いで、
反応溶液にメタノール30mlを加えて反応を停止さ
せ、触媒残渣を除いた後、クロロホルムに溶解させた反
応物を、過剰のn−ヘキサンに加え、沈殿した重合物を
回収して、ポリスチレン0.39gを得た。
ミエーションクロマトグラフィー(GPC)及び核磁気
共鳴装置(NMR)により行った。GPCの溶媒には、
テトラヒドロフランを用いた。得られた重合物のポリス
チレン換算の重量平均分子量は45,000、数平均分
子量は29,000で、分子量分布を示す、重量平均分
子量と数平均分子量の比、Mw/Mnは1.55であっ
た。核磁気共鳴装置(NMR)による、立体規則性の解
析では、アイソタクチックの立体規則性を示した。
トルエン溶液5mlの代わりに、トリイソブチルアルミ
ニウム(アルドリッチ社製)1Mトルエン溶液5mlを
使用した以外は、実施例3と同じ条件にて、重合を行い
ポリスチレン0.35gを得た。得られたポリスチレン
につき、実施例1と同様のGPC評価を行ったところ、
重量平均分子量は52,000、数平均分子量は35,
000で、分子量分布を示す、重量平均分子量と数平均
分子量の比、Mw/Mnは1.49であった。
スコをアルゴン置換した後トルエン20mlを加え、実
施例の(1)で調製したN,N’−ジトリメチルシリル
ベンズアミジナト銅(II)化合物10mg及びメチルア
ルミノキサン(アルドリッチ社製)10%トルエン溶液
5mlを加えた後、アクリロニトリル1.3gをフラス
コ内に導入し、20℃で24時間重合を行った。次い
で、反応溶液にメタノール30mlを加えて反応を停止
させ、触媒残渣を除いた後、ジメチルホルムアミドに溶
解させた反応物を、過剰のイソプロパノールに加えて沈
殿した重合物を回収して、ポリアクリロニトリル0.8
9gを得た。
施例1と同様のGPC評価を行った。GPCの溶媒に
は、ジメチルホルムアミドを用い、正確なピークを得る
ために0.1Mの臭化リチウム溶液とした。得られた重
合物のポリスチレン換算の重量平均分子量は155,0
00、数平均分子量は102,000で、分子量分布を
示す、重量平均分子量と数平均分子量の比、Mw/Mn
は1.52であった。
トルエン溶液5mlの代わりに、トリイソブチルアルミ
ニウム(アルドリッチ社製)1Mトルエン溶液5mlを
使用したこと以外は、実施例5と同じ条件にて、重合を
行いポリスチレン0.76gを得た。得られたポリスチ
レンにつき、実施例1と同様のGPC評価を行ったとこ
ろ、重量平均分子量は112,000、数平均分子量は
81,000で、分子量分布を示す、重量平均分子量と
数平均分子量の比、Mw/Mnは1.38であった。
スコをアルゴン置換した後トルエン10mlを加え、実
施例1の(1)で調製したN,N’−ジトリメチルシリ
ルベンズアミジナト銅(II)化合物30mg及びメチル
アルミノキサン(アルドリッチ社製)10%トルエン溶
液2mlを加えた後、ε−カプロラクトン1.2gをフ
ラスコ内に導入し、30℃で24時間重合を行った。次
いで、反応溶液にメタノール30mlを加えて反応を停
止させ、触媒残渣を除いた後、ジメチルホルムアミドに
溶解させた反応物を過剰のイソプロパノールに加え、沈
殿した重合物を回収して、ポリ(ε−カプロラクトン)
1.11gを得た。
き、実施例1と同様のGPC評価を行った。GPCの溶
媒には、クロロホルムを用いた。得られた重合物のポリ
スチレン換算の重量平均分子量は32,600、数平均
分子量は25,200で、分子量分布を示す、重量平均
分子量と数平均分子量の比、Mw/Mnは1.29であ
った。
コをアルゴン置換した後トルエン10mlを加え、実施
例1の(1)で調製したN,N’−ジトリメチルシリル
ベンズアミジナト銅(II)化合物18.0mg及びメチ
ルアルミノキサン(アルドリッチ社製)10%トルエン
溶液0.5mlを加えた後、プロピレンオキサイド1.
66gをフラスコ内に導入し、0℃で24時間重合を行
った。次いで、反応溶液にメタノール30mlを加えて
反応を停止させ、触媒残渣を除いた後、減圧下で溶媒を
留去した反応物を、過剰のn−ヘキサンに加え、沈殿し
た重合物を回収して、プロピレンオキサイド開環重合物
1.42gを得た。
につき、実施例1と同様のGPC評価を行った。GPC
の溶媒には、テトラヒドロフランを用いた。得られた重
合物のポリスチレン換算の重量平均分子量は249,0
00、数平均分子量は140,900で、分子量分布を
示す、重量平均分子量と数平均分子量の比、Mw/Mn
は1.77であった。
スコをアルゴン置換した後トルエン20mlを加え、市
販の銅(II)アセチルアセトナト化合物10mg及びメ
チルアルミノキサン(アルドリッチ社製)10%トルエ
ン溶液2mlを加えた後、メタクリル酸メチル1.3g
をフラスコ内に導入し、30℃で24時間重合を行っ
た。次いで、反応溶液にメタノール30mlを加えて反
応を停止させ、触媒残渣を除いた後、クロロホルムに溶
解させた反応物を、過剰のメタノールに加え、沈殿した
重合物を回収して、ポリメタクリル酸メチル0.86g
を得た。
実施例1と同様のGPC評価を行った。GPCの溶媒に
は、テトラヒドロフランを用いた。得られた重合物のポ
リスチレン換算の重量平均分子量は35,000、数平
均分子量は28,500で、分子量分布を示す、重量平
均分子量と数平均分子量の比、Mw/Mnは1.23で
あった。
液(酢酸0.1M、酢酸ナトリウム0.1M水溶液を等
量混合したもの)300mlに溶解させた。この溶液に
市販の8−キノリノール4gを加え、1時間常温にて撹
拌した後、黄緑色の沈殿を生成させた。得られた黄緑色
の沈殿を濾過し、蒸留水にて洗浄した後真空乾燥し、
(3)式で表される緑橙色の化合物〔8−キノリノール
2分子銅(II)〕4.4gを得た。
トルエン20mlを加え、上記(1)で調製した8−キ
ノリノール2分子銅(II)25mg及びメチルアルミノ
キサン(アルドリッチ社製)10%トルエン溶液2ml
を加えた後、アクリル酸n−ブチル2.3gをフラスコ
内に導入し、0℃で24時間重合を行った。次いで、反
応溶液にメタノール30mlを加えて反応を停止させ、
触媒残渣を除いた後、クロロホルムに溶解させた反応物
を、過剰のメタノールに加え、沈殿した重合物を回収し
て、ポリアクリル酸n−ブチル2gを得た。
き、実施例1と同様のGPC評価を行った。GPCの溶
媒には、テトラヒドロフランを用いた。得られた重合物
のポリスチレン換算の重量平均分子量は80,100、
数平均分子量は57,000で、分子量分布を示す、重
量平均分子量と数平均分子量の比、Mw/Mnは1.4
1であった。
ラスコをアルゴン置換した後トルエン7mlを加え、実
施例10の(1)で調製した8−キノリノール2分子銅
(II)12mg及びメチルアルミノキサン(アルドリッ
チ社製)10%トルエン溶液2mlを加えた後、メタク
リル酸メチル1.3gをフラスコ内に導入し、30℃で
24時間重合を行った。次いで、反応溶液にメタノール
30mlを加えて反応を停止させ、触媒残渣を除いた
後、クロロホルムに溶解させた反応物を、過剰のメタノ
ールに加え、沈殿した重合物を回収して、ポリメタクリ
ル酸メチル0.75gを得た。
実施例1と同様のGPC評価を行った。GPCの溶媒に
は、テトラヒドロフランを用いた。得られた重合物のポ
リスチレン換算の重量平均分子量は19,800、数平
均分子量は15,200で、分子量分布を示す、重量平
均分子量と数平均分子量の比、Mw/Mnは1.30で
あった。
スコをアルゴン置換した後トルエン34mlを加え、実
施例10の(1)で調製した8−キノリノール2分子銅
(II)10.8mg及びメチルアルミノキサン(アルド
リッチ社製)10%トルエン溶液0.5mlを加えた
後、アクリル酸n−ブチル3.9gをフラスコ内に導入
し、0℃で48時間重合を行った。次いで、反応溶液に
メタノール30mlを加えて反応を停止させ、触媒残渣
を除いた後、クロロホルムに溶解させた反応物を、過剰
のメタノールに加え、沈殿した重合物を回収して、ポリ
アクリル酸n−ブチル2.8gを得た。
き、実施例1と同様のGPC評価を行った。GPCの溶
媒には、テトラヒドロフランを用いた。得られた重合物
のポリスチレン換算の重量平均分子量は170,50
0、数平均分子量は101,500で、分子量分布を示
す、重量平均分子量と数平均分子量の比、Mw/Mnは
1.68であった。
方法は、上述の構成であり、重合触媒として、安定性に
優れると共に取り扱いが容易であり、かつ安価な銅系触
媒を使用するので、分子量分布の狭い重合体を容易かつ
安価に提供する。
Claims (8)
- 【請求項1】 極性値eの絶対値が1.5以下であるビ
ニル系単量体を重合するに際して、触媒及び/又は重合
開始剤として、一般式CuXn 、LCuXn又はL
(L')CuXn で表される銅化合物(式中、L及びL’
は配位子を示し、Xは、ハロゲン原子、アルコキシ基、
チオキシ基、アリロキシ基、アミノ基、第2級アミノ
基、第3級アミノ基、シアノ基、ニトロ基、アルキル基
又はアリル基を示す。nは0〜2の整数である)を用い
ることを特徴とする銅化合物を用いた重合体の製造方
法。 - 【請求項2】 開環反応によって重合する化合物を重合
するに際して、触媒及び/又は重合開始剤として、一般
式CuXn 、LCuXn 又はL(L')CuX n (式中、
L及びL’は配位子を示し、Xは、ハロゲン原子、アル
コキシ基、チオキシ基、アリロキシ基、アミノ基、第2
級アミノ基、第3級アミノ基、シアノ基、ニトロ基、ア
ルキル基又はアリル基を示す。nは0〜2の整数であ
る)で表される銅化合物を用いることを特徴とする銅化
合物を用いた重合体の製造方法。 - 【請求項3】 銅化合物とともに、アルミノキサン、一
般式AlRm Z3-m(式中、Rは炭素数1〜20の炭化
水素基、Zは、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ
基、アリロキシ基又はシロキシ基を示す。mは0〜3の
整数である)で表される有機アルミニウム化合物、硼素
原子を有するルイス酸及び硼素原子を有するイオン性化
合物からなる群より選択される1種以上の有機金属化合
物を用いることを特徴とする請求項1又は2記載の銅化
合物を用いた重合体の製造方法。 - 【請求項4】 ビニル系単量体がα−置換オレフィンで
あることを特徴とする請求項1又は3記載の銅化合物を
用いた重合体の製造方法。 - 【請求項5】 ビニル系単量体が(メタ)アクリル酸エ
ステルであることを特徴とする請求項1又は3記載の銅
化合物を用いた重合体の製造方法。 - 【請求項6】 開環反応によって重合する化合物がラク
トンであることを特徴とする請求項2又は3記載の銅化
合物を用いた重合体の製造方法。 - 【請求項7】 一般式CuXn 、LCuXn 又はL
(L')CuXn で表される銅化合物の配位子のうち、少
なくとも一つが、構造中に有するN原子の不対電子によ
り配位する配位子であることを特徴とする請求項1〜6
のいずれか1項に記載の銅化合物を用いた重合体の製造
方法。 - 【請求項8】 一般式CuXn 、LCuXn 又はL
(L')CuXn で表される銅化合物の配位子のうち、少
なくとも一つが、アミジナト基であることを特徴とする
請求項1〜7のいずれか1項に記載の銅化合物を用いた
重合体の製造方法。
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JP6811897 | 1997-03-21 | ||
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JP9-273029 | 1997-10-06 | ||
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US6734268B2 (en) | 2001-12-31 | 2004-05-11 | 3M Innovative Properties Company | Metal salt modifiers for bonding compositions |
JP2005272817A (ja) * | 2004-02-27 | 2005-10-06 | Hideo Nagashima | ラジカル重合開始剤およびそれを用いる重合体の製造方法 |
JP2008127363A (ja) * | 2006-11-24 | 2008-06-05 | Nippon Steel Chem Co Ltd | 8−オキシキノリン銅の製造方法 |
-
1998
- 1998-01-29 JP JP01711398A patent/JP3825551B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP4566019B2 (ja) * | 2004-02-27 | 2010-10-20 | 英夫 永島 | ラジカル重合開始剤およびそれを用いる重合体の製造方法 |
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