JP2000063413A - 銅化合物を用いた重合体の製造方法 - Google Patents

銅化合物を用いた重合体の製造方法

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JP2000063413A
JP2000063413A JP10230790A JP23079098A JP2000063413A JP 2000063413 A JP2000063413 A JP 2000063413A JP 10230790 A JP10230790 A JP 10230790A JP 23079098 A JP23079098 A JP 23079098A JP 2000063413 A JP2000063413 A JP 2000063413A
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boron
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JP10230790A
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Koichi Shibayama
晃一 柴山
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 合成が容易であり、かつ安価な銅化合物を重
合触媒とする銅化合物を用いた重合体の製造方法を提供
する。 【解決手段】 ビニル系単量体を重合するに際して、触
媒及び/又は重合開始剤として、一般式LCuXn 又は
L(L' )Cuで表される銅化合物(式中、L及びL’
は配位子を示し、Xは、ハロゲン原子、アルコキシ基、
チオキシ基、アリロキシ基、アミノ基、第2級アミノ
基、第3級アミノ基、シアノ基、ニトロ基、アルキル基
又はアリル基を示す。nは1又は2である)と有機金属
化合物とを用い、該有機金属化合物が特定の有機アルミ
ニウム化合物を必須成分とする有機アルミニウム化合物
と、硼素原子を有するルイス酸及び硼素原子を有するイ
オン性化合物からなる群より選択される1種以上の有機
硼素化合物とからなることを特徴とする銅化合物を用い
た重合体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は銅化合物を用いた重
合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ビニル系単量体は、従来より様々の方法
で重合されている。工業的には、ビニル系単量体にラジ
カル発生剤を添加し、高温高圧下でラジカル重合する方
法が殆どである。また、最近では、分子量、分子量分布
を制御可能な重合方法として、例えば、アニオン重合、
配位重合、グループトランスファー重合等が実験室レベ
ルで提案されている。
【0003】しかしながら、これらの触媒系に用いられ
る化合物は遷移金属錯体であり、一般的に多くの反応段
階を経て合成されており、その複雑な化学構造から合成
も困難なため低収率となり、結果として高価な触媒系と
なっている。
【0004】一方、触媒系に用いられる遷移金属錯体の
金属については、前期遷移金属であるチタン、ジルコニ
ウム、ハフニウム等が一般的に用いられている。最近で
は、やや反応性は低下するものの、後期遷移金属である
ニッケル、パラジウムなども錯体の中心金属として使用
されている〔JACS 117,No23 6414
(1995)等〕。また、アルミニウムなどの金属ポル
フィリン錯体と有機アルミニウム化合物が使用された例
があるが(特開平4−323204号公報)、重合対象
は(メタ)アクリル酸エステル、エポキシド、ラクトン
などの比較的極性の高いモノマーの重合に限られる。
【0005】また、銅を中心金属とする錯体は、安定性
に優れ合成も容易であるという利点はあるが、一般的に
活性が低く重合触媒としては有効ではなかった。最近、
発明者らは銅錯体を極性の高いモノマーであるカルボジ
イミドの重合触媒として利用でき、リビング重合体を得
ることができることを発表している〔Macromol
ecules 30,3159(1997)〕。しかし
ながら、反応性を必要とする比較的低極性のモノマーに
ついては、塩化銅などの銅塩に有機アルミニウム化合物
を混合しエチレンの重合に適用された例があるが(特公
昭45−40544号公報)、低分子量のオリゴマーが
得られているにすぎない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、合成
が容易であり、かつ安価な銅化合物を重合触媒とする銅
化合物を用いた重合体の製造方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、容易に合成
できる、安価な銅化合物として銅錯体、特定の構造を有
する有機アルミニウム化合物、及び有機硼素化合物を重
合触媒成分として用いることにより、上記問題点を解消
できるに至った。
【0008】請求項1記載の発明は、ビニル系単量体を
重合するに際して、触媒及び/又は重合開始剤として、
一般式LCuXn 又はL(L' )Cuで表される銅化合
物(式中、L及びL’は配位子を示し、Xは、ハロゲン
原子、アルコキシ基、チオキシ基、アリロキシ基、アミ
ノ基、第2級アミノ基、第3級アミノ基、シアノ基、ニ
トロ基、アルキル基又はアリル基を示す。nは1又は2
である)と有機金属化合物とを用い、該有機金属化合物
が下記一般式(1)で示される有機アルミニウム化合物
【化2】 (式中R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 及びR
7 は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1から10の
アルキル基、フェニル基、ハロゲン原子又は炭素数1か
ら10のアルコキシ基を表し、Yは水素原子又はハロゲ
ン原子を表す)を必須成分とする有機アルミニウム化合
物と、硼素原子を有するルイス酸及び硼素原子を有する
イオン性化合物からなる群より選択される1種以上の有
機硼素化合物とからなることを特徴とする銅化合物を用
いた重合体の製造方法である。
【0009】請求項2記載の発明は、一般式LCuXn
又はL(L' )Cuで表される銅化合物の配位子のう
ち、少なくとも一つが、構造中に有するN原子の不対電
子により配位する配位子であることを特徴とする請求項
1記載の銅化合物を用いた重合体の製造方法である。
【0010】請求項3記載の発明は、一般式LCuXn
又はL(L' )Cuで表される銅化合物の配位子L及び
L' からの配位数が銅原子1個あたりに3個以下である
ことを特徴とする請求項1又は2記載の銅化合物を用い
た重合体の製造方法である。
【0011】請求項4記載の発明は、ビニル系単量体が
分子内に1個以上の炭素−炭素二重結合を有する炭化水
素系オレフィンであることを特徴とする請求項1、2又
は3記載の銅化合物を用いた重合体の製造方法である。
【0012】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明で用いられるビニル系単量体としては、分子内に1
個以上の炭素−炭素二重結合を有する炭化水素系オレフ
ィンが好ましく、例えば、オレフィン;α−置換オレフ
ィン等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよ
く、二種以上が併用されてもよく、共重合されてもよ
い。共重合の場合、ランダム共重合、ブロック共重合と
も可能である。
【0013】上記オレフィンとしては、例えば、エチレ
ン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキ
セン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1−
ペンテン等のα−オレフィン;ブタジエン等のジエンが
挙げられる。
【0014】上記銅化合物は、一般式LCuXn 又はL
(L')Cuで表されるものである。式中、L及びL’は
配位子を示し、Xは、ハロゲン原子、アルコキシ基、チ
オキシ基、アリロキシ基、アミノ基、第2級アミノ基、
第3級アミノ基、シアノ基、ニトロ基、アルキル基又は
アリル基を示し、好ましくは、塩素、臭素などのハロゲ
ン原子;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、
t−ブトキシ基などのアルコキシ基;ジメチルアミノ
基、ジエチルアミノ基などの第3級アミノ基である。n
は1又は2である。
【0015】上記配位子L及びL’は特に限定されない
が、配位子の構造中に存在するN,S,O,P原子の不
対電子による配位や、シクロペンタジエニル基による配
位が例示できる。具体的には、アミン、2級アルキルア
ミン、3級アルキルアミンによる配位;アミジナト配位
などのN配位;アルコキシ、アリールオキシによる配位
などのO配位等を挙げることができる。上記配位子のう
ち、N原子による配位を行うものが特に好ましい。
【0016】上記N配位化合物としては、例えば、ビピ
リジン、置換ビピリジン、ビスオキサゾリン、置換ビス
オキサゾリン、一般式 ArN=CR8 CR9 =NAr
で表される(式中Arはフェニル基、又は置換フェニル
基などのアリル基;R8 、R 9 は水素原子、ハロゲン原
子、アルキル基、アリル基又は、R8 、R9 が結合した
環状炭化水素基である)各種ジイミン、N,N’−ジメ
チルアミジナト、N,N’−ジエチルアミジナト、N,
N’−ジイソプロピルアミジナト、N,N’−ジ−t−
ブチルアミジナト、N,N’−トリフルオロメチルアミ
ジナト、N,N’−ジフェニルアミジナト、N,N’−
ジ置換フェニルアミジナト、N,N’−ジトリメチルシ
リルアミジナト、N,N’−ジメチルベンズアミジナ
ト、N,N’−ジエチルベンズアミジナト、N,N’−
ジイソプロピルベンズアミジナト、N,N’−ジ−t−
ブチルベンズアミジナト、N,N’−トリフルオロメチ
ルベンズアミジナト、N,N’−ジフェニルベンズアミ
ジナト、N,N’−ジトリメチルシリルベンズアミジナ
ト、N,N’−ジ置換フェニルベンズアミジナト配位化
合物等である。
【0017】また、N原子による配位と、O原子による
配位の両方を行う化合物として、例えば、8−キノリノ
ール配位化合物が挙げられる。
【0018】また、配位子L及びL' からの配位数は銅
原子1個あたりに3個以下であることが好ましい。
【0019】上記銅化合物は、一分子中に2個以上の銅
原子を含む、一般式LCuXn 又はL(L')Cuの二量
体、三量体又は複核錯体であってもよい。これらの錯体
は、固体状態で二量体、三量体又は複核錯体であって
も、反応時の溶液中やモノマー中では単量体として存在
していることが多く、この単量体の状態が、一般式LC
uXn 又はL(L')Cuに相当するものであれば、本発
明で用いることができる。
【0020】上記銅化合物は、安価なハロゲン化銅、例
えば、塩化銅(I)から簡便に合成することができる。
また、上記N配位化合物、銅(II)アミジナト錯体の合成
を例として挙げると、例えば、塩化銅(II)無水物に当量
のアミジン化合物を加え、乾燥有機溶媒中、数時間撹拌
することにより合成することができる。
【0021】上記銅化合物は、単独で用いられてもよ
く、2種以上が併用されてもよい。また、炭化水素又は
ハロゲン化炭化水素等で希釈して用いてもよい。
【0022】また、上記銅化合物は、粒子状担体に担持
させてもよい。粒子状担体としては、例えば、Si
2 、Al2 3 、MgO、CaO、TiO2 、Zn
O、MgCl2 などの無機担体;ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体などの
樹脂を用いることができる。
【0023】銅化合物と併用される有機金属化合物の
内、有機アルミニウム化合物としては、前記一般式
(1)で示される有機アルミニウム化合物を必須成分と
する有機アルミニウム化合物が挙げられる。
【0024】上記有機アルミニウム化合物としては、R
1 が炭素数1から10のアルキル基である有機アルキル
アルミニウム化合物であって、炭素数が6以下のものが
好ましく、炭素数4以下のものが更に好ましい。また、
2 、R4 、R5 、R7 については、嵩高いアルキル基
が好ましく、炭素数3以上のものが更に好ましい。その
製造方法については、トリアルキルアルミニウムとフェ
ノール、置換フェノール化合物との直接的な反応が知ら
れている。
【0025】その他の有機アルミニウム化合物として
は、種々のものが例示でき、具体的には、トリメチルア
ルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピ
ルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリオ
クチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム;イ
ソプレニルアルミニウムなどのアルケニルアルミニウ
ム;ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミ
ニウムクロライド、ジイソプロピルアルミニウムクロラ
イド、ジイソブチルアルミニウムクロライド、ジオクチ
ルアルミニウムクロライド等のジアルキルアルミニウム
モノクロライド;メチルアルミニウムセスキクロライ
ド、エチルアルミニウムセスキクロライド、イソプロピ
ルアルミニウムセスキクロライド、イソブチルアルミニ
ウムセスキクロライド、オクチルアルミニウムセスキク
ロライド等のアルキルアルミニウムセスキクロライド;
メチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウム
ジクロライド、イソプロピルアルミニウムジクロライ
ド、イソブチルアルミニウムジクロライド、オクチルア
ルミニウムジクロライド等のアルキルアルミニウムジク
ロライド;メトキシジエチルアルミニウム、ジイソプロ
ポキシメチルアルミニウム、トリイソプロポキシアルミ
ニウム等のアルコキシ基含有アルミニウム化合物などが
挙げられる。
【0026】上記有機金属化合物のうち、硼素原子を有
するルイス酸としては、一般式BR 10 3 で表される化合
物が挙げられる。ここで、R10は、フッ素原子、メチル
基、トリフルオロメチル基などの置換基を有してもよい
フェニル基;フッ素原子を示す。具体的には、トリフル
オロ硼素、トリフェニル硼素、トリス(4−フルオロフ
ェニル)硼素、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)
硼素、トリス(4−フルオロメチルフェニル)硼素、ト
リス(ペンタフルオロフェニル)硼素、トリス(p−ト
リル)硼素、トリス(o−トリル)硼素、トリス(3,
5−ジメチルフェニル)硼素などが例示できる。この中
では、トリス(ペンタフルオロフェニル)硼素が好まし
い。
【0027】また、上記有機金属化合物のうち、硼素原
子を有するイオン性化合物としては、トリアルキル置換
アンモニウム塩、N,N−ジアルキルアニリニウム塩、
ジアルキルアンモニウム塩、トリアリールホスフォニウ
ム塩が例示される。具体的には、トリエチルアンモニウ
ムテトラ(フェニル)硼素、トリプロピルアンモニウム
テトラ(フェニル)硼素、トリ(n−ブチル)アンモニ
ウムテトラ(フェニル)硼素、トリメチルアンモニウム
テトラ(p−トリル)硼素、トリメチルアンモニウムテ
トラ(o−トリル)硼素、トリブチルアンモニウムテト
ラ(ペンタフルオロフェニル)硼素、トリプロピルアン
モニウムテトラ(o,p−ジメチルフェニル)硼素、ト
リブチルアンモニウムテトラ(m,m−ジメチルフェニ
ル)硼素、トリブチルアンモニウムテトラ(p−トリフ
ルオロメチルフェニル)硼素、トリ(n−ブチル)アン
モニウムテトラ(o−トリル)硼素などのトリアルキル
置換アンモニウム塩;N,N−ジメチルアニリニウムテ
トラ(フェニル)硼素、N,N−ジエチルアニリニウム
テトラ(フェニル)硼素、N,N−2,4,6−ペンタ
メチルアニリニウムテトラ(フェニル)硼素などのN,
N−ジアルキルアニリニウム塩;ジ(1−プロピル)ア
ンモニウムテトラペンタフルオロフェニル硼素、ジシク
ロヘキシルアンモニウムテトラ(フェニル)硼素などの
ジアルキルアンモニウム塩;トリフェニルホスフォニウ
ムテトラ(フェニル)硼素、トリ(ジメチルフェニル)
ホスフォニウムテトラ(フェニル)硼素などのトリアリ
ールホスフォニウム塩等が挙げられる。さらに、トリフ
ェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボロネート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラ
キス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェロセニ
ウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート等も例
示できる。
【0028】また、以下のようなアニオンの塩も、硼素
原子を有するイオン性化合物として例示できる〔なお、
以下に列挙するイオン性化合物において、対イオンは、
一般例としてトリ(n−ブチル)アンモニウムを示して
いるがこれに限定されない〕。上記アニオンの塩として
は、例えば、ビス〔トリ( n−ブチル)アンモニウム〕
ノナボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウ
ム〕デカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニ
ウム〕ウンデカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)ア
ンモニウム〕ドデカボレート、ビス〔トリ(n−ブチ
ル)アンモニウム〕デカクロロデカボレート、ビス〔ト
リ(n−ブチル)アンモニウム〕ドデカクロロドデカボ
レート、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−カルバデ
カボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−カル
バウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム
1−カルバドデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモ
ニウム1−トリメチルシリル−1−カルバデカボレー
ト、トリ(n−ブチル)アンモニウムブロモ−1−カル
バドデカボレートなど、さらに、例えば、ボラン及びカ
ルボラン錯化合物;カルボランアニオンの塩;カルボラ
ン及びカルボランの塩などが例示できる。
【0029】さらに、以下のような金属カルボランの塩
及び金属ボランアニオンも、硼素原子を有するイオン性
化合物として例示できる〔なお、以下に列挙するイオン
性化合物において、対イオンは一般例としてトリ(n−
ブチル)アンモニウムを示しているがこれに限定されな
い〕。上記金属カルボランの塩及び金属ボランアニオン
としては、例えば、トリ(n−ブチル)アンモニウムビ
ス(ノナハイドライド−1,3−ジカルバノナボレー
ト)コバルテート(III) 、トリ(n−ブチル)アンモニ
ウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウ
ンデカボレート)フェレート(鉄酸塩)(III) 、トリ
(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライ
ド−7,8−ジカルバウンデカボレート)コバルテート
(III) 、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデ
カハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)
ニッケレート(III) 、トリ(n−ブチル)アンモニウム
ビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデ
カボレート)キュプレート(銅酸塩)(III) などが例示
できる。
【0030】また、本発明における触媒系には、必要に
応じて、安息香酸エチル等の電子供与性化合物や分子中
にフェノール構造を有する化合物が添加されてもよい。
これらの化合物を加えると、著しく重合活性が向上する
ことがある。
【0031】本発明の製造方法における重合のメカニズ
ムの詳細については明らかでないが、銅化合物が触媒及
び/又は重合開始剤として働き、銅化合物及びビニル系
単量体(以下、モノマーという)、或いは、銅化合物、
有機金属化合物及びモノマーの相互作用により、モノマ
ーの配位、挿入反応が加速されるものと考えられる。反
応の活性種としては活性の高い銅のカチオン種が考えら
れる。
【0032】上記銅化合物及び有機金属化合物の反応系
への添加時期については、モノマー導入前、導入と同時
又は導入後のいずれであってもよいが、導入前が最も好
ましい。重合方法、条件等には、特に制限はなく、連続
重合であってもよく、非連続重合であってもよい。
【0033】上記重合体を得るための重合は不活性気体
雰囲気下にて行なうことが好ましい。不活性気体として
は、窒素、ヘリウム、アルゴン等が用いられる。
【0034】重合に使用される溶媒としては、例えば、
塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエ
タンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエ
ン、キシレンのような炭化水素類;テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド等が使用される
が、無溶媒でも重合可能である。
【0035】重合温度は、用いた溶媒の融点から沸点ま
での温度範囲が好ましく、また加圧下においては、常圧
での沸点以上の幅広い温度範囲において重合可能であ
る。例えば、室温においても、分子量分布の狭い重合体
を与えることができる。具体的な重合温度は、通常、−
20℃〜200℃が好ましく、より好ましくは0℃〜1
20℃である。また、具体的な重合圧力は、通常、大気
圧〜100kg/cm2 が好ましく、より好ましくは大
気圧〜50kg/cm2 である。
【0036】銅化合物及び有機金属化合物の使用量につ
いて以下述べる。
【0037】銅化合物については、重合容積1リットル
当たり、銅原子に換算して、通常、約0.00005〜
0.5ミリモルが好ましく、より好ましくは約0.00
01〜0.05ミリモルである。
【0038】有機金属化合物の使用量は、銅化合物の銅
原子1モルに対して、アルミニウム化合物の場合、アル
ミニウム原子が通常、約1〜10,000モルが好まし
く、より好ましくは2〜5,000モルである。また、
硼素原子を有するルイス酸もしくはイオン性化合物の場
合には、上記銅化合物の銅原子1モルに対して、硼素原
子が通常、1〜500モルが好ましく、より好ましくは
1〜100モルである。
【0039】得られる重合体の分子量は、重合温度など
の条件を変更することや、公知の手段、例えば水素の使
用により調節が可能である。
【0040】上記のような重合触媒を用いて、他の遷移
金属錯体系触媒を用いたときと同様に、組成分布に優れ
る重合体を得ることができる。具体的にゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー(GPC)によるポリマーの
解析において、本発明の製造方法によって得られた重合
体の分子量分布(Mw/Mn)を求めると、1.1〜
3.5と狭く、精密に制御された重合が行われているこ
とが確認できる。
【0041】
【発明の実施の形態】以下に実施例を掲げて本発明を更
に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定
されるものではない。
【0042】(実施例1) (1)銅化合物の合成 以下において、特に記述するもの以外は、乾燥蒸留した
試薬を用いた。 ジイミン銅(II)化合物の合成 ジムロート冷却環流管を装備した250mlシュレンク
フラスコを窒素置換し、アセナフテンキノン2.50
g、無水塩化銅(II)1.85g、氷酢酸150mlを加
えた。30分攪拌後、2,6−ジイソプロピルアニリン
5.20mlをシリンジにて滴下した。次いで、オイル
バスにて加熱し(オイル温度120℃)、加熱環流を行
った。2時間後、系の温度を常温に戻した後、生成した
暗緑色結晶を濾過し、トルエン・メタノールで再結晶
し、目的物〔下記(2)式で表されるジイミン銅(II)化
合物〕6.96gを得た。同定はIR及び元素分析によ
り行った。
【0043】
【化3】
【0044】(2)ポリエチレンの合成 300mlの耐圧ガラス容器をアルゴン置換した後、ト
ルエン100mlを加え、上記(1)で調製したジイミ
ン銅(II)化合物26mg、メチルアルミニウムジ(トリ
ス2,4,6−t−ブチルフェノキシド)〔化学式は下
記(3)式で表される〕926mg、トリイソブチルア
ルミニウム(東ソーアクゾ社製、20%トルエン溶液)
2ml、N,N−ジメチルアニリニウムテトラ(ペンタ
フルオロフェニル)ボレート〔化学式は下記(4)式で
表される〕32.8mg、及び乾燥トルエン58mlを
加えた。次いで、エチレンガスを容器内に導入し、系内
を1.1kg/cm2 Gに保ちながら、0℃で4時間重
合を行った後、反応溶液にメタノール150mlを加え
て反応を停止させ、沈殿した重合物を回収して、ポリエ
チレン0.9gを得た。
【0045】
【化4】
【0046】
【化5】
【0047】得られたポリエチレンについてゲルパーミ
エーションクロマトグラフィー(GPC)及び示差走査
熱量計(DSC)によりポリマーの解析を行った。GP
Cの溶媒には、o−ジクロロベンゼンを用いた。重量平
均分子量は540,000、数平均分子量は183,0
00で、分子量分布を示す、重量平均分子量と数平均分
子量の比、Mw/Mnは2.95であった。また、DS
Cによる融解曲線のピークである融解温度は139℃で
あり、60℃以下には融解ピークは観測できなかった。
【0048】(実施例2)反応容器をステンレス製耐圧
容器にして、重合初期圧力を10.0kg/cm 2 にし
た以外は実施例1と同じ条件にて、重合を行いポリエチ
レン1.2gを得た。
【0049】得られたポリエチレンにつき、実施例1と
同様の評価を行ったところ、重量平均分子量は610,
000、数平均分子量は230,000で、分子量分布
を示す、重量平均分子量と数平均分子量の比、Mw/M
nは2.65であった。また、DSCによる融解曲線の
ピークである融解温度は138℃であり、実施例1と同
様に60℃以下には融解ピークは観測できなかった。
【0050】(比較例1)メチルアルミニウム ジ(ト
リス2,4,6−t−ブチルフェノキシド)を使用しな
かったこと以外は、実施例1と同じ条件にて、重合を行
いポリエチレン0.1gを得た。
【0051】(比較例2)N,N−ジメチルアニリニウ
ムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートを使用し
なかったこと以外は、実施例1と同じ条件にて、重合を
行いポリエチレン0.08gを得た。
【0052】
【発明の効果】本発明の銅化合物を用いた重合体の製造
方法は、上述の構成であり、重合触媒として、安定性に
優れると共に取り扱いが容易であり、かつ安価な銅系触
媒を使用するので、分子量分布の狭い重合体を容易かつ
安価に提供する。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニル系単量体を重合するに際して、触
    媒及び/又は重合開始剤として、一般式LCuXn 又は
    L(L' )Cuで表される銅化合物(式中、L及びL’
    は配位子を示し、Xは、ハロゲン原子、アルコキシ基、
    チオキシ基、アリロキシ基、アミノ基、第2級アミノ
    基、第3級アミノ基、シアノ基、ニトロ基、アルキル基
    又はアリル基を示す。nは1又は2である)と有機金属
    化合物とを用い、該有機金属化合物が下記一般式(1)
    で示される有機アルミニウム化合物 【化1】 (式中R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 及びR
    7 は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1から10の
    アルキル基、フェニル基、ハロゲン原子又は炭素数1か
    ら10のアルコキシ基を表し、Yは水素原子又はハロゲ
    ン原子を表す)を必須成分とする有機アルミニウム化合
    物と、硼素原子を有するルイス酸及び硼素原子を有する
    イオン性化合物からなる群より選択される1種以上の有
    機硼素化合物とからなることを特徴とする銅化合物を用
    いた重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 一般式LCuXn 又はL(L' )Cuで
    表される銅化合物の配位子のうち、少なくとも一つが、
    構造中に有するN原子の不対電子により配位する配位子
    であることを特徴とする請求項1記載の銅化合物を用い
    た重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 一般式LCuXn 又はL(L' )Cuで
    表される銅化合物の配位子L及びL' からの配位数が銅
    原子1個あたりに3個以下であることを特徴とする請求
    項1又は2記載の銅化合物を用いた重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 ビニル系単量体が分子内に1個以上の炭
    素−炭素二重結合を有する炭化水素系オレフィンである
    ことを特徴とする請求項1、2又は3記載の銅化合物を
    用いた重合体の製造方法。
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