JP2004529994A - 触媒成分として供用される遷移金属化合物、およびポリオレフィン製造でのその使用 - Google Patents
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Abstract
オレフィン重合用の触媒成分としての遷移金属化合物、それらの製造およびポリオレフィン製造での使用。
本発明は、オレフィン重合用の触媒成分としての、配位子系にオキサゾリン基を含む遷移金属化合物(非メタロセン)およびそれらの製造方法ならびにオレフィンの重合における使用に関する。
本発明は、オレフィン重合用の触媒成分としての、配位子系にオキサゾリン基を含む遷移金属化合物(非メタロセン)およびそれらの製造方法ならびにオレフィンの重合における使用に関する。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、オレフィン重合用の触媒構成成分としての、配位子系にオキサゾリン基を含む遷移金属化合物(非メタロセン)およびそれらの製造方法およびオレフィン重合での使用に関する。
【背景技術】
【0002】
過去数年間、特にメタロセンが、チーグラー−ナッタ触媒のほかに、新しい性能特性をもつポリオレフィンを製造するために、オレフィンの重合に使用されてきた。オレフィンの重合および共重合用の触媒成分として、1種または複数の助触媒と組み合わせて、メタロセンを用いることができる。しかし、多段階であることが多い合成、およびメタロセンの使用は、今日依然として、かなりのコスト要因となっている。
【0003】
いわゆる非メタロセン錯体とオレフィンの重合におけるそれらの使用はよく知られている。WO 96/23010には、配位子としてジイミン基を含む遷移金属錯体、それらの製造およびオレフィンの重合におけるそれらの使用が記載されている。
【0004】
WO 00/69923から、個々の有機金属錯体が知られているが、それらは本発明の主題ではない。
【0005】
EP−A0942010には、配位子としてオキサゾリン誘導体を含むさらなる遷移金属錯体、およびオレフィンの重合におけるそれらの使用が記載されている。
【0006】
文献に記載される非メタロセン錯体は、優れた重合活性により常に特徴づけられるわけではなく、特に、必要とされるタクチシチ−をもつアイソタクチックポリプロピレンを製造することは依然として可能ではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
結果として、簡単にまた低コストで製造でき、オレフィンの重合において大きな重合活性と立体および位置(regio)選択性を示す新しい遷移金属錯体を合成するという課題が存在した。
【課題を解決するための手段】
【0008】
全く驚くべきことに、置換もしくは非置換オキサゾリン誘導体から出発して、オレフィンの重合に適する遷移金属錯体を遷移金属化合物との反応により生成するように反応することが可能な配位子構造体を形成できることが見出された。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の主題は式(I)の化合物をオレフィンの重合で使用することからなり、
【0010】
【化1】
【0011】
この式において、
M1は、元素Ti、Zr、Hf、Ni、V、W、Mn、Rh、Ir、Cu、Co、Fe、Pd、Sc、Cr およびNbの群からの金属であり、
R1、R2はそれぞれ、同一であるかまたは異なり、水素原子またはSi(R12)3を表し、R12は同じであるかまたは異なり水素原子またはC1〜C40炭素含有基、特にC1〜C20アルキル、C1〜C10フルオロアルキル、C1〜C10アルコキシ、C6〜C20アリール、C6〜C10フルオロアリール、C6〜C10アリールオキシ、C2〜C10アルケニル、C7〜C40アリールアルキル、C7〜C40アルキルアリールもしくはC8〜C40アリールアルケニルを表し、
あるいはR1、R2はそれぞれ、同一であるかまたは異なり、C1〜C30炭素含有基、特に、C1〜C25アルキル、特に好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、tert.−ブチル、n−ヘキシル、シクロヘキシルもしくはオクチル、C2〜C25アルケニル、C3〜C15アルキルアルケニル、C6〜C24アリール、C5〜C24ヘテロアリール、C7〜C30アリールアルキル、C7〜C30アルキルアリール、フッ素含有C1〜C25アルキル、フッ素含有C6〜C24アリール、フッ素含有C7〜C30アリールアルキル、フッ素含有C7〜C30アルキルアリールもしくはC1〜C12アルコキシを表し、
あるいはR1およびR2は、R1およびR2がそれぞれオキサゾール環に結合して、R1および/またはR2ならびにそれらをオキサゾール環に結合している原子がそれぞれ、同様に置換されていてもよいC4〜C24の環系を形成するように互いに結合していてもよく、
nは、同一であるかまたは異なり、1と3の間の整数を表し、nが数字0を表す場合は、R1、R2基の少なくとも一方は水素と同じではなく、
mは、0、1、2、3または4に等しく、
iは、0、1、2、3または4に等しく、
Xは、同一でも異なっていてもよく、水素原子、C1〜C10炭素含有基、特にC1〜C10アルキルもしくはC6〜C10アリール、ハロゲン原子またはOR9、SR9、OSi(R9)3、Si(R9)3、P(R9)2もしくはN(R9)2を表し、前記R9は、ハロゲン原子、C1〜C10アルキル基、ハロゲン化C1〜C10アルキル基、C6〜C20アリール基もしくはハロゲン化C6〜C20アリール基であり、あるいはX基は、トルエンスルホニル基、トリフルオロアセチル、トリフルオロアセトキシル、トリフルオロメタンスルホニル、ノナフルオロブタンスルホニルもしくは2,2,2−トリフルオロエタンスルホニル基であり、
Yは、OR10、SR10、OSi(R10)3、Si(R10)3、P(R10)2もしくはN(R10)2に等しく、個々のR10は、同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C10アルキル基、ハロゲン化C1〜C10アルキル基、C6〜C20アリール基もしくはハロゲン化C6〜C20アリール基を表し、またYは1個または複数のR1および/またはR2基と環系を形成していてもよく、
pは、1、2、3もしくは4に等しく、
Zは、式M2R13R14の架橋構造要素であり、M2は、炭素、窒素、リン、酸素、イオウ、ケイ素、ゲルマニウム、ホウ素、アルミニウムもしくはスズを表し、R13およびR14は同一でも異なっていてもよく、水素原子、C1〜C24炭化水素含有基、特にC1〜C10アルキル、特に好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、tert.−ブチル、n−ヘキシル、シクロヘキシルもしくはオクチル、C2〜C10アルケニル、C3〜C10アルキルアルケニル、C6〜C24アリール、C5〜C24ヘテロアリール、C7〜C24アリールアルキル、C7〜C24アルキルアリール、フッ素含有C1〜C24アルキル、フッ素含有C6〜C24アリール、フッ素含有C7〜C24アリールアルキル、フッ素含有C7〜C24アルキルアリールもしくはC1〜C12アルコキシまたはトリメチルシリルを表し、ここでR13およびR14基は、R13およびR14基が、それらを結合している原子と、同様に置換されていてもよいC4〜C24の環系を、化合物[2,6−ビス−(4S−イソプロピル−2−オキサジリン(oxaziln)−2−イル)ピリジン]MnCl2;[2,6−ビス−(4S−イソプロピル−2−オキサジリン−2−イル)ピリジン]CrCl2;[2,6−ビス−(4S−イソプロピル−2−オキサジリン−2−イル)ピリジン]FeCl2;[2,6−ビス−(4S−イソプロピル−2−オキサジリン−2−イル)ピリジン]FeCl3;[2,6−ビス−(4S−イソプロピル−2−オキサジリン−2−イル)ピリジン]VCl3;[2,6−ビス−(4S−イソプロピル−2−オキサジリン−2−イル)ピリジン]TiCl3および[2,6−ビス−(4S−イソプロピル−2−オキサジリン−2−イル)ピリジン]ScCl3は例外として、2個のオキサゾール環の間に形成するように互いに結合していてもよい。
【0012】
好ましくは、ZはCH2、CH2CH2、CH(CH3)CH2、C(C6H5)2、(C6H4)2、(C12H8)2、(C20H12)2、NH、N−CH3、N−(C6H5)、N−C3H7、CH(C4H9)C(CH3)2、C(CH3)2、(CH3)2Si、(CH3)2Ge、(CH3)2Sn、(C6H5)2Si、(C6H5)(CH3)Si、(C6H5)2Ge、(C6H5)2Sn、(CH2)4Si、CH2Si(CH3)2、o−C6H4、2,6 ビスピリジンもしくは2,2’−(C6H4)2、ならびに1,2−(メチルエタンジイル)、1,2−(1,1−ジメチルエタンジイル)および1,2−(1,2−ジメチルエタンジイル)に等しい。
【0013】
本発明では、C1〜C40炭素含有基という用語は、特に、基C1〜C20アルキル、殊に、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、tert.−ブチル、n−ヘキシル、シクロヘキシルもしくはオクチル、C1〜C10フルオロアルキル、C1〜C10アルコキシ、C6〜C20アリール、C6〜C10フルオロアリール、C6〜C10アリールオキシ、C2〜C10アルケニル、C7〜C40アリールアルキル、C7〜C40アルキルアリールもしくはC8〜C40アリールアルケニルを意味すると理解されるべきである。
【0014】
本発明では、C1〜C30炭素含有基という用語は、特に、基C1〜C25アルキル、殊に、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、tert.−ブチル、n−ヘキシル、シクロヘキシルもしくはオクチル、C2〜C25アルケニル、C3〜C15アルキルアルケニル、C6〜C24アリール、C5〜C24ヘテロアリール、C7〜C30アリールアルキル、C7〜C30アルキルアリール、フッ素含有C1〜C25アルキル、フッ素含有C6〜C24アリール、フッ素含有C7〜C30アリールアルキル、フッ素含有C7〜C30アルキルアリールもしくはC1〜C12アルコキシを意味すると理解されるべきである。
【0015】
本発明では、C1〜C24炭化水素含有基という用語は、特に、基C1〜C10アルキル、殊に、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、tert.−ブチル、n−ヘキシル、シクロヘキシルもしくはオクチル、C2〜C10アルケニル、C3〜C10アルキルアルケニル、C6〜C24アリール、C5〜C24ヘテロアリール、C7〜C24アリールアルキル、C7〜C24アルキルアリール、フッ素含有C1〜C24アルキル、フッ素含有C6〜C24アリール、フッ素含有C7〜C24アリールアルキル、フッ素含有C7〜C24アルキルアリールもしくはC1〜C12アルコキシを意味すると理解されるべきである。
【0016】
式(II)の化合物は特に好ましく、
【0017】
【化2】
【0018】
この式で、
M1は、Ni、Pd、Co、Fe、Ti、ZrもしくはHfに等しく、
R1、R2はそれぞれ、同一であるかまたは異なり、水素原子またはSi(R12)3を表し、R12は同じであるかまたは異なり、水素原子またはC1〜C40炭素含有基、特に、C1〜C20アルキル、C1〜C10フルオロアルキル、C1〜C10アルコキシ、C6〜C20アリール、C6〜C10フルオロアリール、C6〜C10アリールオキシ、C2〜C10アルケニル、C7〜C40アリールアルキル、C7〜C40アルキルアリールもしくはC8〜C40アリールアルケニルを表し、
あるいは、R1、R2はそれぞれ、同一であるかまたは異なり、C1〜C30炭素含有基、特に、C1〜C25アルキル、特に好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、tert.−ブチル、n−ヘキシル、シクロヘキシルもしくはオクチル、C2〜C25アルケニル、C3〜C15アルキルアルケニル、C6〜C24アリール、C5〜C24ヘテロアリール、C7〜C30アリールアルキル、C7〜C30アルキルアリール、フッ素含有C1〜C25アルキル、フッ素含有C6〜C24アリール、フッ素含有C7〜C30アリールアルキル、フッ素含有C7〜C30アルキルアリールもしくはC1〜C12アルコキシを表し、
あるいは、基R1、R2は、R1および/またはR2およびオキサゾール環にそれらを結合している複数の原子それぞれが、同様に置換されていてもよいC4〜C24の環系を形成するように互いに結合していてもよく、
nは、同一であるかまたは異なり、1と3の間の整数を表し、nが数字0を表す場合、R1、R2基の少なくとも一方は水素と同じでなく、
mは、0、1、2、3または4に等しく、
iは、0、1、2、3または4に等しく、
X1、X2は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、C1〜C10炭素含有基、特にC1〜C10アルキルもしくはC6〜C10アリール、ハロゲン原子またはOR9、SR9、OSi(R9)3、Si(R9)3、P(R9)2もしくはN(R9)2を表し、R9はハロゲン原子、C1〜C10アルキル基、ハロゲン化C1〜C10アルキル基、C6〜C20アリール基もしくはハロゲン化C6〜C20アリール基であり、あるいは基X1、X2はトルエンスルホニル基、トリフルオロアセチル、トリフルオロアセトキシル、トリフルオロメタンスルホニル、ノナフルオロブタンスルホニルもしくは2,2,2−トリフルオロエタンスルホニル基であり、
R15は同じでも異なっていてもよく、水素原子、C1〜C24炭化水素含有基、特に、C1〜C10アルキル、特に好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、tert.−ブチル、n−ヘキシル、シクロヘキシルもしくはオクチル、C2〜C10アルケニル、C3〜C10アルキルアルケニル、C6〜C24アリール、C5〜C24ヘテロアリール、C7〜C24アリールアルキル、C7〜C24アルキルアリール、フッ素含有C1〜C24アルキル、フッ素含有C6〜C24アリール、フッ素含有C7〜C24アリールアルキル、フッ素含有C7〜C24アルキルアリールもしくはC1〜C12アルコキシまたはトリメチルシリルを表し、あるいは複数のR15基は、それらが、同様に置換されていてもよいC4〜C24の環系を形成するように、互いに結合していてもよく、
Bは、式(I)の基Zに対して記載された基に相当し、
Yは、OR10、SR10、OSi(R10)3、Si(R10)3、P(R10)2もしくはN(R10)2に等しく、個々のR10は同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C10アルキル基、ハロゲン化C1〜C10アルキル基、C6〜C20アリール基もしくはハロゲン化C6〜C20アリール基を表し、またYは1個または複数のR1および/またはR2基と環系をなしていてもよい。
本発明による式(I)および(II)の化合物の、非限定的であるが説明的な例は次の通りである。
【0019】
【化3】
【0020】
【化4】
【0021】
【化5】
【0022】
【化6】
【0023】
本発明のさらなる主題は、式(I)の化合物の少なくとも1種の存在下における、少なくとも1種のオレフィンの重合によるポリオレフィンの製造のための触媒系からなる。これらの触媒系は、少なくとも1種の式(I)の化合物のほかに、少なくとも1種の助触媒を含む。
【0024】
本発明による式IIの遷移金属錯体と共に触媒系を形成する助触媒は、アルミノキサンもしくはルイス酸、または金属錯体との反応でそれをカチオン性化合物に変換するイオン性化合物の少なくとも1種を含む。
【0025】
アルミノキサンとして、一般式(IX)をもつ化合物が好ましく使用される。
【0026】
【化7】
【0027】
他の適切なアルミノキサンは、例えば、式(X)におけるように環状であってもよく、
【0028】
【化8】
【0029】
あるいは、式(XI)のように線状であっても、
【0030】
【化9】
【0031】
あるいは、式(XII)におけるようにクラスター型であってもよい。
【0032】
【化10】
【0033】
他のアルミノキサンは、例えば、JACS 117(1995),6465−74、Organometallics 13(1994),2957−2969、に記載されている。
【0034】
式(IX)、(X)、(XI)および(XII)のR基は、同一であっても異なっていてもよく、C1〜C6アルキル基、C6〜C18アリール基、ベンジルなどのC1〜C20の炭化水素基、もしくは水素であり、pは通常2〜50、好ましくは10から35の整数を表す。
【0035】
好ましくは、R基は同一であり、メチル、イソブチル、n−ブチル、フェニルもしくはベンジルを、特に好ましくはメチルを表す。
【0036】
R基が互いに異なる場合、好ましくは、メチルと水素、メチルとイソブチルまたはメチルとn−ブチルで、水素および/またはイソブチルまたはn−ブチルは好ましくは0.01〜40%(R基の数)の量で存在する。
【0037】
既知のプロセスによる様々な方法で、アルミノキサンを製造することができる。1つの方法では、例えば、アルミニウム炭化水素化合物および/またはヒドリドアルミニウム炭化水素化合物を不活性溶剤(例えばトルエンのような)中で、水(気体、固体、液体または組合せで−例えば結晶水としての)と反応させることが含まれる。
【0038】
異なるRアルキル基をもつアルミノキサンの製造では、望みの組成および反応性に応じて、2種の異なるアルミニウムトリアルキル(AlR3+AlR’3)を水と反応させる(S.Pasynkiewicz,Polyhedron 9(1990)429とEP−A−0 302 424を比較)。
【0039】
製造方法によらず、全てのアルミノキサン溶液は、遊離した形態で、または付加物として存在する未反応のアルミニウム出発物質を様々な量で含むという共通の特徴をもっている。
【0040】
ルイス酸として、好ましくは、少なくとも1種の有機ホウ素化合物もしくは有機アルミニウム化合物が用いられ、それらは、例えば、メチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、トリフルオロメチルのような分岐もしくは分岐のないアルキルもしくはハロゲンアルキルなどのC1〜C20の炭素含基、フェニル、トルイル、ベンジル基、p−フルオロフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、ペンタクロロフェニル、ペンタフルオロフェニル、3,4,5 トリフルオロフェニルおよび3,5 ジ(トリフルオロメチル)フェニルなどのアリールもしくはハロゲンアリールを含んでいる。
【0041】
ルイス酸の例は、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリフルオロボラン、トリフェニルボラン、トリス(4−フルオロフェニル)ボラン、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ボラン、トリス(4−フルオロメチルフェニル)ボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(トリル)ボラン、トリス(3,5−ジメチルフェニル)ボラン、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ボランおよび/またはトリス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボランである。トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランが特に好ましい。
【0042】
イオン性助触媒として、好ましくは、例えば、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラフェニルボレート、SbF6 -、CF3SO3 -もしくはClO4 -などの非配位アニオンを含む化合物が用いられる。カチオン性対イオンとして、例えば、メチルアミン、アニリン、N,N,−ジメチルベンジルアミンおよび誘導体、N,N,−ジメチルシクロヘキシルアミンおよび誘導体、ジメチルアミン、ジエチルアミン、N−メチルアニリン、ジフェニルアミン、N,N,−ジメチルアニリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、メチルジフェニルアミン、ピリジン、p−ブロモ−N,N−ジメチルアニリン、p−ニトロ−N,N−ジメチルアニリン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、テトラヒドロチオフェンもしくはトリフェニカルベニウムなどのプロトン化されたルイス塩基が用いられる。
【0043】
このようなイオン性化合物の例は、以下の通りである:
トリエチルアンモニウムテトラ(フェニル)ボレート、
トリブチルアンモニウムテトラ(フェニル)ボレート、
トリメチルアンモニウムテトラ(トリル)ボレート、
トリブチルアンモニウムテトラ(トリル)ボレート、
トリブチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリブチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、
トリプロピルアンモニウムテトラ(ジメチルフェニル)ボレート、
トリブチルアンモニウムテトラ(トリフルオロメチルフェニル)ボレート、
トリブチルアンモニウムテトラ(4−フルオロフェニル)ボレート、
N,N,−ジメチルアニリニウムテトラ(フェニル)ボレート、
N,N,−ジエチルアニリニウムテトラ(フェニル)ボレート、
N,N,−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
N,N,−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、
N,N,−ジメチルシクロヘキシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
N,N,−ジメチルベンジルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
ジ(プロピル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
ジ(シクヘキシル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリフェニルホスホニウムテトラキス(フェニル)ボレート、
トリエチルホスホニウムテトラキス(フェニル)ボレート、
ジフェニルホスホニウムテトラキス(フェニル)ボレート、
トリ(メチルフェニル)ホスホニウムトトラキス(フェニル)ボレート、
トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムトトラキス(フェニル)ボレート、
トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリフェニルカルベニウムトトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、
トリフェニルカルベニウムトトラキス(フェニル)アルミネート、
フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートおよび/または
フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート。
【0044】
トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートおよび/またはN,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが好ましい。
少なくとも1種のルイス酸および少なくとも1種のイオン性化合物もまた用いてもよい。
【0045】
助触媒として、例えば、以下のようなボランまたはカボラン化合物もまた重要である:
7,8−ジカルバウンデカボラン(13)、
ウンデカヒドリド−7,8−ジメチル−7,8−ジカルバウンデカボラン、
ドデカヒドリド−1−フェニル−1,3−ジカルバノナボラン、
トリ(ブチル)アンモニウムウンデカヒドリド−8−エチル−7,9−ジカルバウンデカボレート、
4−カルバノナボラン(14)ビス(トリ(ブチル)アンモニウム)ノナボレート、
ビス(トリ(ブチル)アンモニウム)ウンデカボレート、
ビス(トリ(ブチル)アンモニウム)ドデカボレート、
ビス(トリ(ブチル)アンモニウム)デカクロロデカボレート、
トリ(ブチル)アンモニウム−1−カルバデカボレート、
トリ(ブチル)アンモニウム−1−カルバドデカボレート、
トリ(ブチル)アンモニウム−1−トリメチルシリル−1−カルバデカボレート、
トリ(ブチル)アンモニウムビス(ノナヒドリド−1,3−ジカルボン(dicarbon)ノナボレート)コバルテート(iii)、
トリ(ブチル)アンモニウムビス(ウンデカヒドリド−7,8−ジカルバウンデカボレート)フェラート(III)。
【0046】
助触媒系として、特許WO 99/40129に記載されるように、前記アミンの少なくとも1種および、任意選択で、有機元素化合物(organoelememt compound)を付けた担体の組合せもまた重要である。WO 99/40129に記載される有機元素化合物を付けた担体もまた本発明の一部分をなす。
【0047】
これらの助触媒系の好ましい化合物は、式(A)および(B)の化合物からなり、
【0048】
【化11】
【0049】
この式で、
R17は水素原子、ハロゲン原子、C1〜C40炭素含有基、特にC1〜C20アルキル、C1〜C20ハロゲンアルキル、C1〜C10アルコキシ、C6〜C20アリール、C6〜C20ハロゲンアリール、C6〜C20アルールオキシ、C7〜C40アリールアルキル、C7〜C40ハロゲンアリールアルキル、C7〜C40アルキルアリールもしくはC7〜C40ハロゲンアルキルアリールを表す。R17はまた、−OSiR18 3基であってもよく、Rはそれぞれ同一であっても異なっていてもよくR17と同じ意味をもつ。
【0050】
さらに、式(C)および/または(D)および/または(E)の少なくとも1種と、式(F)の化合物の少なくとも1種との反応により生成する化合物は、一般に、さらに好ましい助触媒と見なされるべきである。
【0051】
【化12】
【0052】
【化13】
【0053】
この式で、
R16は、水素原子、またはC1〜C20アルキル、C6〜C20アリール、C7〜C40アリールアルキル、C7〜C40のアルキルアリールなどの、ホウ素を含まないC1〜C40炭素含有基を表し、
R17は、前記と同じ意味をもち、
X1は、元素周期律表のVI族の典型元素、あるいはNR基に等しく、Rは水素原子またはC1〜C20アルキルもしくはC1〜C20アリールなどのC1〜C20炭化水素基であり、
Dは、元素周期律表のVI族の典型元素、あるいはNR基に等しく、Rは水素原子またはC1〜C20アルキルもしくはC1〜C20アリールなどのC1〜C20炭化水素基であり、fは0から3の整数であり、
gは0から3の整数であり、z+yは0でない。
hは1から10の整数であり。
【0054】
必要であれば、有機元素化合物は、式IXからXII、および/またはXIII[M5R19q]kの有機金属化合物と合わせられ、M5は元素周期律表のI、IIおよびIII族の典型元素であり、R19は同一であるかまたは異なり、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C40炭素含有基、特に、C1〜C20アルキル−、C6〜C40アリール−、C7〜C40アリールアルキルもしくはC7〜C40のアルキルアリール基であり、qは1から3の整数であり、kは1から4の整数である。
【0055】
助触媒効果をもつ式AおよびBの化合物の例は以下のものである。
【0056】
【化14】
【0057】
【化15】
【0058】
式XIIIの有機金属化合物は、好ましくは、M5がリチウム、マグネシウムおよび/またはアルミニウム、特にアルミニウムを表す中性のルイス酸である。式XIIIの好ましい有機金属化合物の例は、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソプレンアルミニウム、ジメチルアルミニウムモノクロリド、ジエチルアルミニウムモノクロリド、ジイソブチルアルミニウムモノクロリド、メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、ジメチルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムヒドリド、ジイソプロピルアルミニウムヒドリド、ジメチルアルミニウム(トリメチルシロキシド)、ジメチルアルミニウム(トリエチルシロキシド)、フェニルアラン、ペンタフルオロフェニルアランおよびo−トリルアランである。
【0059】
EP−A−924223、DE−A−19622207、EP−A−601830、EP−A−824112、EP−A−824113、EP−A−811627、WO97/11775およびDE−A−19606167に記載される化合物を、担体に担持されていることも担体に担持されていないこともあるさらなる助触媒として用いることもできる。
【0060】
本発明による触媒系の担体成分は、望ましい何らかの有機もしくは無機の不活性固体、特に、タルカム、無機酸化物および細かく砕かれたポリマー粉末(例えば、ポリオレフィン)でありうる。
【0061】
適切な無機酸化物を、周期律表の2,3,4,5,13,14,15および16に見出すことができる。担体として好ましい酸化物の例には、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、カルシウム、アルミニウム、ケイ素、マグネシウム、チタン元素の混合酸化物および対応する酸化物の混合物ならびにハイドロタルサイトが含まれる。単独で、あるいは前記の好ましい酸化物担体と組み合わせて用いることができる他の無機酸化物は、少数を挙げれば、例えば、MgO、ZrO2、TiO2またはB2O3である。
【0062】
用いられる担体材料は、10から1000m2/gの範囲の比表面積、0.1から5ml/gの範囲の細孔容積および1から500μmの範囲の平均粒径をもつ。50から500μmの範囲の比表面積、0.5と3.5ml/gの間の範囲の細孔容積、5から350μmの範囲の平均粒径をもつ担体が好ましい。200から400m2/gの範囲の比表面積、0.8と3.0ml/gの間の範囲の細孔容積、および10から200μmの範囲の平均粒径をもつ担体が特に好ましい。
【0063】
用いられる担体材料の性質として水分含量または残留溶剤が元々少ない場合、使用前に脱水または乾燥を省くことができる。そうでない場合、例えばシリカゲルを担体材料として使用するときは、脱水または乾燥が推奨される。担体材料の加熱脱水または乾燥は、同時に不活性ガス(例えば窒素)で完全に覆いながら(blanketing)、減圧下で実施されるであろう。乾燥温度は100と1000℃の間、好ましくは200と800℃の間の範囲にある。圧力パラメータはこの場合決定的に重要ではない。乾燥工程の継続時間は1と24時間の間であろう。担体表面の水酸基に均衡調整が起これば−通常これには4から8時間を要する−乾燥時間はより長くてもより短くてもよい。
【0064】
担体材料の脱水あるいは乾燥は、吸収水および表面の水酸基を適当な不活性化剤と反応させることによる化学的手段によっても可能である。不活性化剤との反応により、水酸基を、触媒活性中心に悪影響を与える相互作用をしない形態に、完全にまたは部分的に変換することができる。適切な不活性化剤は、四塩化ケイ素、クロロトリメチルシラン、ジメチルアミノトリクロロシランなどのハロゲン化ケイ素およびシラン、あるいは例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリエチルボラン、ジブチルマグネシウムなどのアルミニウム、ホウ素およびマグネシウムの有機金属化合物である。例として、適当な溶剤中の担体材料の懸濁液を、空気および水分のない状態で、そのままの形態の、または適当な溶剤に溶解させた不活性化剤と反応させることにより、担体材料の化学的脱水または不活性化は実施される。適当な溶剤は、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエンもしくはキシレンなどの脂肪族または芳香族炭化水素である。不活性化は25℃と120℃の間、好ましくは50と70℃の間の温度で実施される。より高温あるいはより低温でも可能である。反応の継続時間は30分および20時間の間、好ましくは1から5時間の間である。化学的脱水処理の完了により、担体材料は不活性条件下に濾過により単離され、すでに記載されたもののような適当な不活性溶剤で1回ないし数回洗浄され、次に不活性ガス流内であるいは減圧下に乾燥される。
【0065】
細かく砕かれたポリオレフィン粉末(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリスチレン)のような有機担体材料もまた用いることができ、使用前に、やはり、相応する洗浄および乾燥工程により付着水、残留溶剤または他の不純物がない状態にされるべきである。
【0066】
担持系の調製では、前記式IIの遷移金属化合物の少なくとも1種が、適当な溶剤中で、助触媒成分の少なくとも1種と接触させられ、可溶性反応生成物、付加物もしくは混合物が好ましくは得られる。
【0067】
こうして得られた調製物は、次に、脱水されたかまたは不活性化された担体材料と混合され、溶剤は除去され、得られた担持遷移金属化合物触媒系は、溶剤が担体材料の細孔から完全にあるいは大部分確実に除去されるように乾燥される。担持触媒は自由流動性粉末として得られる。
【0068】
自由流動性で、必要であれば、予め重合された遷移金属化合物触媒系の調製方法は次のステップを含む:
a)適当な溶剤または懸濁媒体中に遷移金属化合物/助触媒からなる混合物を調製するステップ、ここで遷移金属化合物成分は前記構造の1つをもつ、
b)遷移金属化合物/助触媒の混合物を、多孔性の、好ましくは脱水された無機物担体上に付着させるステップ、
c)得られた混合物から溶剤の大部分を除去するステップ、
d)担持触媒系を単離するステップ、
e)必要であれば、予備重合された担持触媒系を得るために、1種または複数のオレフィンモノマーを用いて、こうして得られた担持触媒系で予備重合をするステップ。
【0069】
ステップa)のための好ましい溶剤は、選択された反応温度で液体であり、個々の成分が、好ましくは、それに溶解する、炭化水素および炭化水素混合物である。しかし、式(I)の化合物と助触媒成分の反応生成物が選ばれた溶剤に可溶であることが確かであれば、個々の成分の溶解性は前提条件ではない。溶剤の例には、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンおよびノナンなどのアルカン;シクロペンタンおよびシクロヘキサンなどのシクロアルカン;ならびにベンゼン、トルエン、エチルベンゼンおよびジエチルベンゼンなどの芳香族化合物;が含まれる。トルエンは特に好ましい。
【0070】
担持触媒系の調製に用いられるアルミノキサンと式(I)の化合物の量は、広い範囲で変わりうる。好ましくは、アルミニウムと遷移金属のモル比で、10:1から1000:1、特に好ましくは、50:1から500:1に、式(I)の化合物は調節される。
【0071】
メチルアルミノキサンの場合、濃度30%のトルエン溶液が、好ましく用いられる;しかし、10%溶液を用いることも可能である。
【0072】
予備活性化では、固体の形態の式(I)の化合物が、適当な溶剤中のアルミノキサン溶液に溶解される。式(I)の化合物を別に適当な溶剤に溶解させて、次いでこの溶液をアルミノキサン溶液と合わせることもまた可能である。好ましくは、トルエンが用いられる。
【0073】
予備活性化時間は1分から200時間である。
予備活性化は室温(25℃)で実施することができる。より高温で行うと、個々の場合に予備活性化の継続時間を短縮し、活性をさらに上昇させうる。この場合、より高温とは、50と100℃の間の範囲を意味する。
【0074】
次に、予備活性化溶液および/または混合物は、通常はシリカゲルであり、乾燥粉末の形態で、または前記溶剤の1つに懸濁物として存在する不活性担体材料と合わせられる。好ましくは、担体材料は粉末として用いられる。添加の順序は任意でよい。予備活性化された遷移金属化合物−助触媒溶液および/または遷移金属化合物−助触媒混合物を、与えられた担体材料に計量添加してもよいし、あるいは与えられた溶液に担体材料を導入してもよい。
【0075】
予備活性化された溶液および/または非メタロセンと助触媒混合物の容積は、用いられる担体材料の全細孔容積の100%を超えてもよいし、あるいはそれは全細孔容積の100%までに相当してもよい。
【0076】
予備活性化溶液もしくは非メタロセン−助触媒混合物を担体材料と接触させる温度は、0と100℃の範囲内で変わりうる。しかし、より低温またはより高温もまた可能である。
【0077】
次に、混合物は攪拌され、必要であれば加熱されて、担持触媒系から溶剤は完全にまたは大部分除去される。好ましくは、溶剤の、目で認められる部分および担体材料の細孔内の部分のいずれもが除去される。溶剤の除去は、減圧および/または不活性ガスによるフラッシングを用いて、通常の方法で実施しうる。乾燥工程中、遊離の溶剤が除去されるまで混合物を加熱してもよい;通常、これには、30と60℃の間で好ましくは選択された温度で1から3時間を要する。遊離の溶剤は混合物中の溶剤の目で認められる部分である。残留溶剤は細孔に閉じ込められた部分を意味すると理解されるべきである。溶剤を完全に除去する代わりとして、遊離の溶剤は完全に除去して、一定の残留溶剤含量まで担持触媒系を乾燥させるだけでもよい。次に、担持触媒系は、ペンタンまたはヘキサンなどの低沸点炭化水素で洗浄され、もう一度乾燥される。
【0078】
調製された担持触媒系をオレフィンの重合に直接使用してもよいし、あるいは使用する前に、1種または複数のオレフィンモノマーを用いる重合プロセスで予備重合を行ってもよい。担持触媒系での予備重合の実施は、例えばWO 94/28034に記載されている。担持触媒系の製造中あるいはその後で、添加剤として少量のオレフィン、好ましくは、α−オレフィン(例えば、ビニルシクロヘキサン、スチレンもしくはフェニルジメチルビニルシラン)を、変性成分あるいは帯電防止剤として添加することが可能である(米国特許出願第08/365280号に記載されるように)。添加剤と式(I)の化合物のモル比は、好ましくは、1:1000と1000:1、特に好ましくは1:20と20:1の間である。
【0079】
本発明はまた、本発明による触媒系の存在下に1種または複数のオレフィンを重合することによりポリオレフィンを製造する方法にも関する。重合という用語は単独重合ならびに共重合を意味すると理解されるべきである。
【0080】
好ましくは、式、Rm−CH=CH−Rnをもつオレフィンが重合され、この式でRmおよびRnは同一であるかまたは異なり、水素原子、あるいは1から20個のC原子、特に1から10個のC原子をもつ炭素含有基を表し、またRmおよびRnは、それらを結合する原子と共に1個または複数の環を形成していてもよい。
【0081】
このようなオレフィンの例は、エテン、プロペン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンまたは1−オクテン、スチレンなどの、2〜20個、好ましくは2から10個のC原子をもつ1−オレフィン、1,3−ブタジエン、1,4−ヘキサジエン、ビニルノルボルネン、ノルボルナジエン、エチルノルボルナジエンなどのジエン、およびノルボルネン、テトラシクロドデセンもしくはメチルノルボルネンなどの環状オレフィンである。本プロセスでは、エテンもしくはプロペンが好ましく単独重合され、あるいはプロペンがエテンおよび/またはブテン、ヘキセン、スチレンもしくはビニルシクロヘキサンなどの4から20個のC原子をもつ1種もしくは複数の1−オレフィンおよび/または1,4−ブタジエン、ノルボルナジエン、エチリデンノルボルネンもしくはエチルノルボルナジエンなどの4から20個のC原子をもつ1種もしくは複数のジエンと共重合される。このようなコポリマーの例は、エテン−プロペンのコポリマー、エテン−ノルボルネン、エテン−スチレンもしくはエテン−プロペン−1,4−ヘキサジエンのターポリマーである。重合は0から300℃、好ましくは50から200℃、特に好ましくは50〜80℃で実施される。圧力は0.5から2000bar、好ましくは5から64barである。
【0082】
溶液中で、塊状で、懸濁液中でもしくは気相で、連続的にもしくはバッチ方式で、1段階あるいは多段階で、重合を実施することができる。調製された触媒系を、2から20個のC原子をもつオレフィンの重合で、単一触媒成分として、あるいは好ましくは、例えば、アルキルアルミニウム、マグネシウムもしくはリチウムまたはアルミノキサンなどの、周期律表のIからIII族の典型元素のアルキル化合物の少なくとも1種との組合せで用いることができる。アルキル化合物は、モノマーもしくは懸濁媒体に添加され、触媒活性に悪影響を及ぼすかもしれない物質を浄化して、モノマー物質の純度を上げるために使用される。添加されるアルキル化合物の量は用いられるモノマーの品質に依存する。必要な場合、水素が、分子量制御に、および/または活性を上げるために添加される。
【0083】
重合系に、純粋な状態で触媒系を添加してもよいし、あるいは計量を容易にするために、パラフィン、オイルもしくはワックスなどの不活性成分とそれを混合してもよい。重合中に、制御された方法で重合系に、触媒系と共にあるいはそれとは独立に帯電防止剤を添加することも可能である。
【0084】
本発明による触媒系を用いて調製されたポリマーは、粒子(grain)モルフォロジーが均一で、微細粒子化部分を含まない。本発明による触媒系を用いて重合中、付着物(deposit)または固形化(caking)は生じない。
【0085】
本発明が以下の実施例で例示されるが、それらは本発明を限定しない。
【0086】
一般的注意:有機金属化合物の製造と取扱いは、アルゴンで完全に覆い空気と水分のない状態で行われる(シュレンクの手法あるいはグローブボックス)。必要とされる全ての溶剤は使用前にアルゴンでフラッシュされ、モレキュラーシーブで無水にされた。
【0001】
本発明は、オレフィン重合用の触媒構成成分としての、配位子系にオキサゾリン基を含む遷移金属化合物(非メタロセン)およびそれらの製造方法およびオレフィン重合での使用に関する。
【背景技術】
【0002】
過去数年間、特にメタロセンが、チーグラー−ナッタ触媒のほかに、新しい性能特性をもつポリオレフィンを製造するために、オレフィンの重合に使用されてきた。オレフィンの重合および共重合用の触媒成分として、1種または複数の助触媒と組み合わせて、メタロセンを用いることができる。しかし、多段階であることが多い合成、およびメタロセンの使用は、今日依然として、かなりのコスト要因となっている。
【0003】
いわゆる非メタロセン錯体とオレフィンの重合におけるそれらの使用はよく知られている。WO 96/23010には、配位子としてジイミン基を含む遷移金属錯体、それらの製造およびオレフィンの重合におけるそれらの使用が記載されている。
【0004】
WO 00/69923から、個々の有機金属錯体が知られているが、それらは本発明の主題ではない。
【0005】
EP−A0942010には、配位子としてオキサゾリン誘導体を含むさらなる遷移金属錯体、およびオレフィンの重合におけるそれらの使用が記載されている。
【0006】
文献に記載される非メタロセン錯体は、優れた重合活性により常に特徴づけられるわけではなく、特に、必要とされるタクチシチ−をもつアイソタクチックポリプロピレンを製造することは依然として可能ではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
結果として、簡単にまた低コストで製造でき、オレフィンの重合において大きな重合活性と立体および位置(regio)選択性を示す新しい遷移金属錯体を合成するという課題が存在した。
【課題を解決するための手段】
【0008】
全く驚くべきことに、置換もしくは非置換オキサゾリン誘導体から出発して、オレフィンの重合に適する遷移金属錯体を遷移金属化合物との反応により生成するように反応することが可能な配位子構造体を形成できることが見出された。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の主題は式(I)の化合物をオレフィンの重合で使用することからなり、
【0010】
【化1】
【0011】
この式において、
M1は、元素Ti、Zr、Hf、Ni、V、W、Mn、Rh、Ir、Cu、Co、Fe、Pd、Sc、Cr およびNbの群からの金属であり、
R1、R2はそれぞれ、同一であるかまたは異なり、水素原子またはSi(R12)3を表し、R12は同じであるかまたは異なり水素原子またはC1〜C40炭素含有基、特にC1〜C20アルキル、C1〜C10フルオロアルキル、C1〜C10アルコキシ、C6〜C20アリール、C6〜C10フルオロアリール、C6〜C10アリールオキシ、C2〜C10アルケニル、C7〜C40アリールアルキル、C7〜C40アルキルアリールもしくはC8〜C40アリールアルケニルを表し、
あるいはR1、R2はそれぞれ、同一であるかまたは異なり、C1〜C30炭素含有基、特に、C1〜C25アルキル、特に好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、tert.−ブチル、n−ヘキシル、シクロヘキシルもしくはオクチル、C2〜C25アルケニル、C3〜C15アルキルアルケニル、C6〜C24アリール、C5〜C24ヘテロアリール、C7〜C30アリールアルキル、C7〜C30アルキルアリール、フッ素含有C1〜C25アルキル、フッ素含有C6〜C24アリール、フッ素含有C7〜C30アリールアルキル、フッ素含有C7〜C30アルキルアリールもしくはC1〜C12アルコキシを表し、
あるいはR1およびR2は、R1およびR2がそれぞれオキサゾール環に結合して、R1および/またはR2ならびにそれらをオキサゾール環に結合している原子がそれぞれ、同様に置換されていてもよいC4〜C24の環系を形成するように互いに結合していてもよく、
nは、同一であるかまたは異なり、1と3の間の整数を表し、nが数字0を表す場合は、R1、R2基の少なくとも一方は水素と同じではなく、
mは、0、1、2、3または4に等しく、
iは、0、1、2、3または4に等しく、
Xは、同一でも異なっていてもよく、水素原子、C1〜C10炭素含有基、特にC1〜C10アルキルもしくはC6〜C10アリール、ハロゲン原子またはOR9、SR9、OSi(R9)3、Si(R9)3、P(R9)2もしくはN(R9)2を表し、前記R9は、ハロゲン原子、C1〜C10アルキル基、ハロゲン化C1〜C10アルキル基、C6〜C20アリール基もしくはハロゲン化C6〜C20アリール基であり、あるいはX基は、トルエンスルホニル基、トリフルオロアセチル、トリフルオロアセトキシル、トリフルオロメタンスルホニル、ノナフルオロブタンスルホニルもしくは2,2,2−トリフルオロエタンスルホニル基であり、
Yは、OR10、SR10、OSi(R10)3、Si(R10)3、P(R10)2もしくはN(R10)2に等しく、個々のR10は、同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C10アルキル基、ハロゲン化C1〜C10アルキル基、C6〜C20アリール基もしくはハロゲン化C6〜C20アリール基を表し、またYは1個または複数のR1および/またはR2基と環系を形成していてもよく、
pは、1、2、3もしくは4に等しく、
Zは、式M2R13R14の架橋構造要素であり、M2は、炭素、窒素、リン、酸素、イオウ、ケイ素、ゲルマニウム、ホウ素、アルミニウムもしくはスズを表し、R13およびR14は同一でも異なっていてもよく、水素原子、C1〜C24炭化水素含有基、特にC1〜C10アルキル、特に好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、tert.−ブチル、n−ヘキシル、シクロヘキシルもしくはオクチル、C2〜C10アルケニル、C3〜C10アルキルアルケニル、C6〜C24アリール、C5〜C24ヘテロアリール、C7〜C24アリールアルキル、C7〜C24アルキルアリール、フッ素含有C1〜C24アルキル、フッ素含有C6〜C24アリール、フッ素含有C7〜C24アリールアルキル、フッ素含有C7〜C24アルキルアリールもしくはC1〜C12アルコキシまたはトリメチルシリルを表し、ここでR13およびR14基は、R13およびR14基が、それらを結合している原子と、同様に置換されていてもよいC4〜C24の環系を、化合物[2,6−ビス−(4S−イソプロピル−2−オキサジリン(oxaziln)−2−イル)ピリジン]MnCl2;[2,6−ビス−(4S−イソプロピル−2−オキサジリン−2−イル)ピリジン]CrCl2;[2,6−ビス−(4S−イソプロピル−2−オキサジリン−2−イル)ピリジン]FeCl2;[2,6−ビス−(4S−イソプロピル−2−オキサジリン−2−イル)ピリジン]FeCl3;[2,6−ビス−(4S−イソプロピル−2−オキサジリン−2−イル)ピリジン]VCl3;[2,6−ビス−(4S−イソプロピル−2−オキサジリン−2−イル)ピリジン]TiCl3および[2,6−ビス−(4S−イソプロピル−2−オキサジリン−2−イル)ピリジン]ScCl3は例外として、2個のオキサゾール環の間に形成するように互いに結合していてもよい。
【0012】
好ましくは、ZはCH2、CH2CH2、CH(CH3)CH2、C(C6H5)2、(C6H4)2、(C12H8)2、(C20H12)2、NH、N−CH3、N−(C6H5)、N−C3H7、CH(C4H9)C(CH3)2、C(CH3)2、(CH3)2Si、(CH3)2Ge、(CH3)2Sn、(C6H5)2Si、(C6H5)(CH3)Si、(C6H5)2Ge、(C6H5)2Sn、(CH2)4Si、CH2Si(CH3)2、o−C6H4、2,6 ビスピリジンもしくは2,2’−(C6H4)2、ならびに1,2−(メチルエタンジイル)、1,2−(1,1−ジメチルエタンジイル)および1,2−(1,2−ジメチルエタンジイル)に等しい。
【0013】
本発明では、C1〜C40炭素含有基という用語は、特に、基C1〜C20アルキル、殊に、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、tert.−ブチル、n−ヘキシル、シクロヘキシルもしくはオクチル、C1〜C10フルオロアルキル、C1〜C10アルコキシ、C6〜C20アリール、C6〜C10フルオロアリール、C6〜C10アリールオキシ、C2〜C10アルケニル、C7〜C40アリールアルキル、C7〜C40アルキルアリールもしくはC8〜C40アリールアルケニルを意味すると理解されるべきである。
【0014】
本発明では、C1〜C30炭素含有基という用語は、特に、基C1〜C25アルキル、殊に、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、tert.−ブチル、n−ヘキシル、シクロヘキシルもしくはオクチル、C2〜C25アルケニル、C3〜C15アルキルアルケニル、C6〜C24アリール、C5〜C24ヘテロアリール、C7〜C30アリールアルキル、C7〜C30アルキルアリール、フッ素含有C1〜C25アルキル、フッ素含有C6〜C24アリール、フッ素含有C7〜C30アリールアルキル、フッ素含有C7〜C30アルキルアリールもしくはC1〜C12アルコキシを意味すると理解されるべきである。
【0015】
本発明では、C1〜C24炭化水素含有基という用語は、特に、基C1〜C10アルキル、殊に、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、tert.−ブチル、n−ヘキシル、シクロヘキシルもしくはオクチル、C2〜C10アルケニル、C3〜C10アルキルアルケニル、C6〜C24アリール、C5〜C24ヘテロアリール、C7〜C24アリールアルキル、C7〜C24アルキルアリール、フッ素含有C1〜C24アルキル、フッ素含有C6〜C24アリール、フッ素含有C7〜C24アリールアルキル、フッ素含有C7〜C24アルキルアリールもしくはC1〜C12アルコキシを意味すると理解されるべきである。
【0016】
式(II)の化合物は特に好ましく、
【0017】
【化2】
【0018】
この式で、
M1は、Ni、Pd、Co、Fe、Ti、ZrもしくはHfに等しく、
R1、R2はそれぞれ、同一であるかまたは異なり、水素原子またはSi(R12)3を表し、R12は同じであるかまたは異なり、水素原子またはC1〜C40炭素含有基、特に、C1〜C20アルキル、C1〜C10フルオロアルキル、C1〜C10アルコキシ、C6〜C20アリール、C6〜C10フルオロアリール、C6〜C10アリールオキシ、C2〜C10アルケニル、C7〜C40アリールアルキル、C7〜C40アルキルアリールもしくはC8〜C40アリールアルケニルを表し、
あるいは、R1、R2はそれぞれ、同一であるかまたは異なり、C1〜C30炭素含有基、特に、C1〜C25アルキル、特に好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、tert.−ブチル、n−ヘキシル、シクロヘキシルもしくはオクチル、C2〜C25アルケニル、C3〜C15アルキルアルケニル、C6〜C24アリール、C5〜C24ヘテロアリール、C7〜C30アリールアルキル、C7〜C30アルキルアリール、フッ素含有C1〜C25アルキル、フッ素含有C6〜C24アリール、フッ素含有C7〜C30アリールアルキル、フッ素含有C7〜C30アルキルアリールもしくはC1〜C12アルコキシを表し、
あるいは、基R1、R2は、R1および/またはR2およびオキサゾール環にそれらを結合している複数の原子それぞれが、同様に置換されていてもよいC4〜C24の環系を形成するように互いに結合していてもよく、
nは、同一であるかまたは異なり、1と3の間の整数を表し、nが数字0を表す場合、R1、R2基の少なくとも一方は水素と同じでなく、
mは、0、1、2、3または4に等しく、
iは、0、1、2、3または4に等しく、
X1、X2は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、C1〜C10炭素含有基、特にC1〜C10アルキルもしくはC6〜C10アリール、ハロゲン原子またはOR9、SR9、OSi(R9)3、Si(R9)3、P(R9)2もしくはN(R9)2を表し、R9はハロゲン原子、C1〜C10アルキル基、ハロゲン化C1〜C10アルキル基、C6〜C20アリール基もしくはハロゲン化C6〜C20アリール基であり、あるいは基X1、X2はトルエンスルホニル基、トリフルオロアセチル、トリフルオロアセトキシル、トリフルオロメタンスルホニル、ノナフルオロブタンスルホニルもしくは2,2,2−トリフルオロエタンスルホニル基であり、
R15は同じでも異なっていてもよく、水素原子、C1〜C24炭化水素含有基、特に、C1〜C10アルキル、特に好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、tert.−ブチル、n−ヘキシル、シクロヘキシルもしくはオクチル、C2〜C10アルケニル、C3〜C10アルキルアルケニル、C6〜C24アリール、C5〜C24ヘテロアリール、C7〜C24アリールアルキル、C7〜C24アルキルアリール、フッ素含有C1〜C24アルキル、フッ素含有C6〜C24アリール、フッ素含有C7〜C24アリールアルキル、フッ素含有C7〜C24アルキルアリールもしくはC1〜C12アルコキシまたはトリメチルシリルを表し、あるいは複数のR15基は、それらが、同様に置換されていてもよいC4〜C24の環系を形成するように、互いに結合していてもよく、
Bは、式(I)の基Zに対して記載された基に相当し、
Yは、OR10、SR10、OSi(R10)3、Si(R10)3、P(R10)2もしくはN(R10)2に等しく、個々のR10は同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C10アルキル基、ハロゲン化C1〜C10アルキル基、C6〜C20アリール基もしくはハロゲン化C6〜C20アリール基を表し、またYは1個または複数のR1および/またはR2基と環系をなしていてもよい。
本発明による式(I)および(II)の化合物の、非限定的であるが説明的な例は次の通りである。
【0019】
【化3】
【0020】
【化4】
【0021】
【化5】
【0022】
【化6】
【0023】
本発明のさらなる主題は、式(I)の化合物の少なくとも1種の存在下における、少なくとも1種のオレフィンの重合によるポリオレフィンの製造のための触媒系からなる。これらの触媒系は、少なくとも1種の式(I)の化合物のほかに、少なくとも1種の助触媒を含む。
【0024】
本発明による式IIの遷移金属錯体と共に触媒系を形成する助触媒は、アルミノキサンもしくはルイス酸、または金属錯体との反応でそれをカチオン性化合物に変換するイオン性化合物の少なくとも1種を含む。
【0025】
アルミノキサンとして、一般式(IX)をもつ化合物が好ましく使用される。
【0026】
【化7】
【0027】
他の適切なアルミノキサンは、例えば、式(X)におけるように環状であってもよく、
【0028】
【化8】
【0029】
あるいは、式(XI)のように線状であっても、
【0030】
【化9】
【0031】
あるいは、式(XII)におけるようにクラスター型であってもよい。
【0032】
【化10】
【0033】
他のアルミノキサンは、例えば、JACS 117(1995),6465−74、Organometallics 13(1994),2957−2969、に記載されている。
【0034】
式(IX)、(X)、(XI)および(XII)のR基は、同一であっても異なっていてもよく、C1〜C6アルキル基、C6〜C18アリール基、ベンジルなどのC1〜C20の炭化水素基、もしくは水素であり、pは通常2〜50、好ましくは10から35の整数を表す。
【0035】
好ましくは、R基は同一であり、メチル、イソブチル、n−ブチル、フェニルもしくはベンジルを、特に好ましくはメチルを表す。
【0036】
R基が互いに異なる場合、好ましくは、メチルと水素、メチルとイソブチルまたはメチルとn−ブチルで、水素および/またはイソブチルまたはn−ブチルは好ましくは0.01〜40%(R基の数)の量で存在する。
【0037】
既知のプロセスによる様々な方法で、アルミノキサンを製造することができる。1つの方法では、例えば、アルミニウム炭化水素化合物および/またはヒドリドアルミニウム炭化水素化合物を不活性溶剤(例えばトルエンのような)中で、水(気体、固体、液体または組合せで−例えば結晶水としての)と反応させることが含まれる。
【0038】
異なるRアルキル基をもつアルミノキサンの製造では、望みの組成および反応性に応じて、2種の異なるアルミニウムトリアルキル(AlR3+AlR’3)を水と反応させる(S.Pasynkiewicz,Polyhedron 9(1990)429とEP−A−0 302 424を比較)。
【0039】
製造方法によらず、全てのアルミノキサン溶液は、遊離した形態で、または付加物として存在する未反応のアルミニウム出発物質を様々な量で含むという共通の特徴をもっている。
【0040】
ルイス酸として、好ましくは、少なくとも1種の有機ホウ素化合物もしくは有機アルミニウム化合物が用いられ、それらは、例えば、メチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、トリフルオロメチルのような分岐もしくは分岐のないアルキルもしくはハロゲンアルキルなどのC1〜C20の炭素含基、フェニル、トルイル、ベンジル基、p−フルオロフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、ペンタクロロフェニル、ペンタフルオロフェニル、3,4,5 トリフルオロフェニルおよび3,5 ジ(トリフルオロメチル)フェニルなどのアリールもしくはハロゲンアリールを含んでいる。
【0041】
ルイス酸の例は、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリフルオロボラン、トリフェニルボラン、トリス(4−フルオロフェニル)ボラン、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ボラン、トリス(4−フルオロメチルフェニル)ボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(トリル)ボラン、トリス(3,5−ジメチルフェニル)ボラン、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ボランおよび/またはトリス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボランである。トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランが特に好ましい。
【0042】
イオン性助触媒として、好ましくは、例えば、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラフェニルボレート、SbF6 -、CF3SO3 -もしくはClO4 -などの非配位アニオンを含む化合物が用いられる。カチオン性対イオンとして、例えば、メチルアミン、アニリン、N,N,−ジメチルベンジルアミンおよび誘導体、N,N,−ジメチルシクロヘキシルアミンおよび誘導体、ジメチルアミン、ジエチルアミン、N−メチルアニリン、ジフェニルアミン、N,N,−ジメチルアニリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、メチルジフェニルアミン、ピリジン、p−ブロモ−N,N−ジメチルアニリン、p−ニトロ−N,N−ジメチルアニリン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、テトラヒドロチオフェンもしくはトリフェニカルベニウムなどのプロトン化されたルイス塩基が用いられる。
【0043】
このようなイオン性化合物の例は、以下の通りである:
トリエチルアンモニウムテトラ(フェニル)ボレート、
トリブチルアンモニウムテトラ(フェニル)ボレート、
トリメチルアンモニウムテトラ(トリル)ボレート、
トリブチルアンモニウムテトラ(トリル)ボレート、
トリブチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリブチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、
トリプロピルアンモニウムテトラ(ジメチルフェニル)ボレート、
トリブチルアンモニウムテトラ(トリフルオロメチルフェニル)ボレート、
トリブチルアンモニウムテトラ(4−フルオロフェニル)ボレート、
N,N,−ジメチルアニリニウムテトラ(フェニル)ボレート、
N,N,−ジエチルアニリニウムテトラ(フェニル)ボレート、
N,N,−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
N,N,−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、
N,N,−ジメチルシクロヘキシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
N,N,−ジメチルベンジルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
ジ(プロピル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
ジ(シクヘキシル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリフェニルホスホニウムテトラキス(フェニル)ボレート、
トリエチルホスホニウムテトラキス(フェニル)ボレート、
ジフェニルホスホニウムテトラキス(フェニル)ボレート、
トリ(メチルフェニル)ホスホニウムトトラキス(フェニル)ボレート、
トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムトトラキス(フェニル)ボレート、
トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリフェニルカルベニウムトトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、
トリフェニルカルベニウムトトラキス(フェニル)アルミネート、
フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートおよび/または
フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート。
【0044】
トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートおよび/またはN,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが好ましい。
少なくとも1種のルイス酸および少なくとも1種のイオン性化合物もまた用いてもよい。
【0045】
助触媒として、例えば、以下のようなボランまたはカボラン化合物もまた重要である:
7,8−ジカルバウンデカボラン(13)、
ウンデカヒドリド−7,8−ジメチル−7,8−ジカルバウンデカボラン、
ドデカヒドリド−1−フェニル−1,3−ジカルバノナボラン、
トリ(ブチル)アンモニウムウンデカヒドリド−8−エチル−7,9−ジカルバウンデカボレート、
4−カルバノナボラン(14)ビス(トリ(ブチル)アンモニウム)ノナボレート、
ビス(トリ(ブチル)アンモニウム)ウンデカボレート、
ビス(トリ(ブチル)アンモニウム)ドデカボレート、
ビス(トリ(ブチル)アンモニウム)デカクロロデカボレート、
トリ(ブチル)アンモニウム−1−カルバデカボレート、
トリ(ブチル)アンモニウム−1−カルバドデカボレート、
トリ(ブチル)アンモニウム−1−トリメチルシリル−1−カルバデカボレート、
トリ(ブチル)アンモニウムビス(ノナヒドリド−1,3−ジカルボン(dicarbon)ノナボレート)コバルテート(iii)、
トリ(ブチル)アンモニウムビス(ウンデカヒドリド−7,8−ジカルバウンデカボレート)フェラート(III)。
【0046】
助触媒系として、特許WO 99/40129に記載されるように、前記アミンの少なくとも1種および、任意選択で、有機元素化合物(organoelememt compound)を付けた担体の組合せもまた重要である。WO 99/40129に記載される有機元素化合物を付けた担体もまた本発明の一部分をなす。
【0047】
これらの助触媒系の好ましい化合物は、式(A)および(B)の化合物からなり、
【0048】
【化11】
【0049】
この式で、
R17は水素原子、ハロゲン原子、C1〜C40炭素含有基、特にC1〜C20アルキル、C1〜C20ハロゲンアルキル、C1〜C10アルコキシ、C6〜C20アリール、C6〜C20ハロゲンアリール、C6〜C20アルールオキシ、C7〜C40アリールアルキル、C7〜C40ハロゲンアリールアルキル、C7〜C40アルキルアリールもしくはC7〜C40ハロゲンアルキルアリールを表す。R17はまた、−OSiR18 3基であってもよく、Rはそれぞれ同一であっても異なっていてもよくR17と同じ意味をもつ。
【0050】
さらに、式(C)および/または(D)および/または(E)の少なくとも1種と、式(F)の化合物の少なくとも1種との反応により生成する化合物は、一般に、さらに好ましい助触媒と見なされるべきである。
【0051】
【化12】
【0052】
【化13】
【0053】
この式で、
R16は、水素原子、またはC1〜C20アルキル、C6〜C20アリール、C7〜C40アリールアルキル、C7〜C40のアルキルアリールなどの、ホウ素を含まないC1〜C40炭素含有基を表し、
R17は、前記と同じ意味をもち、
X1は、元素周期律表のVI族の典型元素、あるいはNR基に等しく、Rは水素原子またはC1〜C20アルキルもしくはC1〜C20アリールなどのC1〜C20炭化水素基であり、
Dは、元素周期律表のVI族の典型元素、あるいはNR基に等しく、Rは水素原子またはC1〜C20アルキルもしくはC1〜C20アリールなどのC1〜C20炭化水素基であり、fは0から3の整数であり、
gは0から3の整数であり、z+yは0でない。
hは1から10の整数であり。
【0054】
必要であれば、有機元素化合物は、式IXからXII、および/またはXIII[M5R19q]kの有機金属化合物と合わせられ、M5は元素周期律表のI、IIおよびIII族の典型元素であり、R19は同一であるかまたは異なり、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C40炭素含有基、特に、C1〜C20アルキル−、C6〜C40アリール−、C7〜C40アリールアルキルもしくはC7〜C40のアルキルアリール基であり、qは1から3の整数であり、kは1から4の整数である。
【0055】
助触媒効果をもつ式AおよびBの化合物の例は以下のものである。
【0056】
【化14】
【0057】
【化15】
【0058】
式XIIIの有機金属化合物は、好ましくは、M5がリチウム、マグネシウムおよび/またはアルミニウム、特にアルミニウムを表す中性のルイス酸である。式XIIIの好ましい有機金属化合物の例は、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソプレンアルミニウム、ジメチルアルミニウムモノクロリド、ジエチルアルミニウムモノクロリド、ジイソブチルアルミニウムモノクロリド、メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、ジメチルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムヒドリド、ジイソプロピルアルミニウムヒドリド、ジメチルアルミニウム(トリメチルシロキシド)、ジメチルアルミニウム(トリエチルシロキシド)、フェニルアラン、ペンタフルオロフェニルアランおよびo−トリルアランである。
【0059】
EP−A−924223、DE−A−19622207、EP−A−601830、EP−A−824112、EP−A−824113、EP−A−811627、WO97/11775およびDE−A−19606167に記載される化合物を、担体に担持されていることも担体に担持されていないこともあるさらなる助触媒として用いることもできる。
【0060】
本発明による触媒系の担体成分は、望ましい何らかの有機もしくは無機の不活性固体、特に、タルカム、無機酸化物および細かく砕かれたポリマー粉末(例えば、ポリオレフィン)でありうる。
【0061】
適切な無機酸化物を、周期律表の2,3,4,5,13,14,15および16に見出すことができる。担体として好ましい酸化物の例には、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、カルシウム、アルミニウム、ケイ素、マグネシウム、チタン元素の混合酸化物および対応する酸化物の混合物ならびにハイドロタルサイトが含まれる。単独で、あるいは前記の好ましい酸化物担体と組み合わせて用いることができる他の無機酸化物は、少数を挙げれば、例えば、MgO、ZrO2、TiO2またはB2O3である。
【0062】
用いられる担体材料は、10から1000m2/gの範囲の比表面積、0.1から5ml/gの範囲の細孔容積および1から500μmの範囲の平均粒径をもつ。50から500μmの範囲の比表面積、0.5と3.5ml/gの間の範囲の細孔容積、5から350μmの範囲の平均粒径をもつ担体が好ましい。200から400m2/gの範囲の比表面積、0.8と3.0ml/gの間の範囲の細孔容積、および10から200μmの範囲の平均粒径をもつ担体が特に好ましい。
【0063】
用いられる担体材料の性質として水分含量または残留溶剤が元々少ない場合、使用前に脱水または乾燥を省くことができる。そうでない場合、例えばシリカゲルを担体材料として使用するときは、脱水または乾燥が推奨される。担体材料の加熱脱水または乾燥は、同時に不活性ガス(例えば窒素)で完全に覆いながら(blanketing)、減圧下で実施されるであろう。乾燥温度は100と1000℃の間、好ましくは200と800℃の間の範囲にある。圧力パラメータはこの場合決定的に重要ではない。乾燥工程の継続時間は1と24時間の間であろう。担体表面の水酸基に均衡調整が起これば−通常これには4から8時間を要する−乾燥時間はより長くてもより短くてもよい。
【0064】
担体材料の脱水あるいは乾燥は、吸収水および表面の水酸基を適当な不活性化剤と反応させることによる化学的手段によっても可能である。不活性化剤との反応により、水酸基を、触媒活性中心に悪影響を与える相互作用をしない形態に、完全にまたは部分的に変換することができる。適切な不活性化剤は、四塩化ケイ素、クロロトリメチルシラン、ジメチルアミノトリクロロシランなどのハロゲン化ケイ素およびシラン、あるいは例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリエチルボラン、ジブチルマグネシウムなどのアルミニウム、ホウ素およびマグネシウムの有機金属化合物である。例として、適当な溶剤中の担体材料の懸濁液を、空気および水分のない状態で、そのままの形態の、または適当な溶剤に溶解させた不活性化剤と反応させることにより、担体材料の化学的脱水または不活性化は実施される。適当な溶剤は、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエンもしくはキシレンなどの脂肪族または芳香族炭化水素である。不活性化は25℃と120℃の間、好ましくは50と70℃の間の温度で実施される。より高温あるいはより低温でも可能である。反応の継続時間は30分および20時間の間、好ましくは1から5時間の間である。化学的脱水処理の完了により、担体材料は不活性条件下に濾過により単離され、すでに記載されたもののような適当な不活性溶剤で1回ないし数回洗浄され、次に不活性ガス流内であるいは減圧下に乾燥される。
【0065】
細かく砕かれたポリオレフィン粉末(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリスチレン)のような有機担体材料もまた用いることができ、使用前に、やはり、相応する洗浄および乾燥工程により付着水、残留溶剤または他の不純物がない状態にされるべきである。
【0066】
担持系の調製では、前記式IIの遷移金属化合物の少なくとも1種が、適当な溶剤中で、助触媒成分の少なくとも1種と接触させられ、可溶性反応生成物、付加物もしくは混合物が好ましくは得られる。
【0067】
こうして得られた調製物は、次に、脱水されたかまたは不活性化された担体材料と混合され、溶剤は除去され、得られた担持遷移金属化合物触媒系は、溶剤が担体材料の細孔から完全にあるいは大部分確実に除去されるように乾燥される。担持触媒は自由流動性粉末として得られる。
【0068】
自由流動性で、必要であれば、予め重合された遷移金属化合物触媒系の調製方法は次のステップを含む:
a)適当な溶剤または懸濁媒体中に遷移金属化合物/助触媒からなる混合物を調製するステップ、ここで遷移金属化合物成分は前記構造の1つをもつ、
b)遷移金属化合物/助触媒の混合物を、多孔性の、好ましくは脱水された無機物担体上に付着させるステップ、
c)得られた混合物から溶剤の大部分を除去するステップ、
d)担持触媒系を単離するステップ、
e)必要であれば、予備重合された担持触媒系を得るために、1種または複数のオレフィンモノマーを用いて、こうして得られた担持触媒系で予備重合をするステップ。
【0069】
ステップa)のための好ましい溶剤は、選択された反応温度で液体であり、個々の成分が、好ましくは、それに溶解する、炭化水素および炭化水素混合物である。しかし、式(I)の化合物と助触媒成分の反応生成物が選ばれた溶剤に可溶であることが確かであれば、個々の成分の溶解性は前提条件ではない。溶剤の例には、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンおよびノナンなどのアルカン;シクロペンタンおよびシクロヘキサンなどのシクロアルカン;ならびにベンゼン、トルエン、エチルベンゼンおよびジエチルベンゼンなどの芳香族化合物;が含まれる。トルエンは特に好ましい。
【0070】
担持触媒系の調製に用いられるアルミノキサンと式(I)の化合物の量は、広い範囲で変わりうる。好ましくは、アルミニウムと遷移金属のモル比で、10:1から1000:1、特に好ましくは、50:1から500:1に、式(I)の化合物は調節される。
【0071】
メチルアルミノキサンの場合、濃度30%のトルエン溶液が、好ましく用いられる;しかし、10%溶液を用いることも可能である。
【0072】
予備活性化では、固体の形態の式(I)の化合物が、適当な溶剤中のアルミノキサン溶液に溶解される。式(I)の化合物を別に適当な溶剤に溶解させて、次いでこの溶液をアルミノキサン溶液と合わせることもまた可能である。好ましくは、トルエンが用いられる。
【0073】
予備活性化時間は1分から200時間である。
予備活性化は室温(25℃)で実施することができる。より高温で行うと、個々の場合に予備活性化の継続時間を短縮し、活性をさらに上昇させうる。この場合、より高温とは、50と100℃の間の範囲を意味する。
【0074】
次に、予備活性化溶液および/または混合物は、通常はシリカゲルであり、乾燥粉末の形態で、または前記溶剤の1つに懸濁物として存在する不活性担体材料と合わせられる。好ましくは、担体材料は粉末として用いられる。添加の順序は任意でよい。予備活性化された遷移金属化合物−助触媒溶液および/または遷移金属化合物−助触媒混合物を、与えられた担体材料に計量添加してもよいし、あるいは与えられた溶液に担体材料を導入してもよい。
【0075】
予備活性化された溶液および/または非メタロセンと助触媒混合物の容積は、用いられる担体材料の全細孔容積の100%を超えてもよいし、あるいはそれは全細孔容積の100%までに相当してもよい。
【0076】
予備活性化溶液もしくは非メタロセン−助触媒混合物を担体材料と接触させる温度は、0と100℃の範囲内で変わりうる。しかし、より低温またはより高温もまた可能である。
【0077】
次に、混合物は攪拌され、必要であれば加熱されて、担持触媒系から溶剤は完全にまたは大部分除去される。好ましくは、溶剤の、目で認められる部分および担体材料の細孔内の部分のいずれもが除去される。溶剤の除去は、減圧および/または不活性ガスによるフラッシングを用いて、通常の方法で実施しうる。乾燥工程中、遊離の溶剤が除去されるまで混合物を加熱してもよい;通常、これには、30と60℃の間で好ましくは選択された温度で1から3時間を要する。遊離の溶剤は混合物中の溶剤の目で認められる部分である。残留溶剤は細孔に閉じ込められた部分を意味すると理解されるべきである。溶剤を完全に除去する代わりとして、遊離の溶剤は完全に除去して、一定の残留溶剤含量まで担持触媒系を乾燥させるだけでもよい。次に、担持触媒系は、ペンタンまたはヘキサンなどの低沸点炭化水素で洗浄され、もう一度乾燥される。
【0078】
調製された担持触媒系をオレフィンの重合に直接使用してもよいし、あるいは使用する前に、1種または複数のオレフィンモノマーを用いる重合プロセスで予備重合を行ってもよい。担持触媒系での予備重合の実施は、例えばWO 94/28034に記載されている。担持触媒系の製造中あるいはその後で、添加剤として少量のオレフィン、好ましくは、α−オレフィン(例えば、ビニルシクロヘキサン、スチレンもしくはフェニルジメチルビニルシラン)を、変性成分あるいは帯電防止剤として添加することが可能である(米国特許出願第08/365280号に記載されるように)。添加剤と式(I)の化合物のモル比は、好ましくは、1:1000と1000:1、特に好ましくは1:20と20:1の間である。
【0079】
本発明はまた、本発明による触媒系の存在下に1種または複数のオレフィンを重合することによりポリオレフィンを製造する方法にも関する。重合という用語は単独重合ならびに共重合を意味すると理解されるべきである。
【0080】
好ましくは、式、Rm−CH=CH−Rnをもつオレフィンが重合され、この式でRmおよびRnは同一であるかまたは異なり、水素原子、あるいは1から20個のC原子、特に1から10個のC原子をもつ炭素含有基を表し、またRmおよびRnは、それらを結合する原子と共に1個または複数の環を形成していてもよい。
【0081】
このようなオレフィンの例は、エテン、プロペン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンまたは1−オクテン、スチレンなどの、2〜20個、好ましくは2から10個のC原子をもつ1−オレフィン、1,3−ブタジエン、1,4−ヘキサジエン、ビニルノルボルネン、ノルボルナジエン、エチルノルボルナジエンなどのジエン、およびノルボルネン、テトラシクロドデセンもしくはメチルノルボルネンなどの環状オレフィンである。本プロセスでは、エテンもしくはプロペンが好ましく単独重合され、あるいはプロペンがエテンおよび/またはブテン、ヘキセン、スチレンもしくはビニルシクロヘキサンなどの4から20個のC原子をもつ1種もしくは複数の1−オレフィンおよび/または1,4−ブタジエン、ノルボルナジエン、エチリデンノルボルネンもしくはエチルノルボルナジエンなどの4から20個のC原子をもつ1種もしくは複数のジエンと共重合される。このようなコポリマーの例は、エテン−プロペンのコポリマー、エテン−ノルボルネン、エテン−スチレンもしくはエテン−プロペン−1,4−ヘキサジエンのターポリマーである。重合は0から300℃、好ましくは50から200℃、特に好ましくは50〜80℃で実施される。圧力は0.5から2000bar、好ましくは5から64barである。
【0082】
溶液中で、塊状で、懸濁液中でもしくは気相で、連続的にもしくはバッチ方式で、1段階あるいは多段階で、重合を実施することができる。調製された触媒系を、2から20個のC原子をもつオレフィンの重合で、単一触媒成分として、あるいは好ましくは、例えば、アルキルアルミニウム、マグネシウムもしくはリチウムまたはアルミノキサンなどの、周期律表のIからIII族の典型元素のアルキル化合物の少なくとも1種との組合せで用いることができる。アルキル化合物は、モノマーもしくは懸濁媒体に添加され、触媒活性に悪影響を及ぼすかもしれない物質を浄化して、モノマー物質の純度を上げるために使用される。添加されるアルキル化合物の量は用いられるモノマーの品質に依存する。必要な場合、水素が、分子量制御に、および/または活性を上げるために添加される。
【0083】
重合系に、純粋な状態で触媒系を添加してもよいし、あるいは計量を容易にするために、パラフィン、オイルもしくはワックスなどの不活性成分とそれを混合してもよい。重合中に、制御された方法で重合系に、触媒系と共にあるいはそれとは独立に帯電防止剤を添加することも可能である。
【0084】
本発明による触媒系を用いて調製されたポリマーは、粒子(grain)モルフォロジーが均一で、微細粒子化部分を含まない。本発明による触媒系を用いて重合中、付着物(deposit)または固形化(caking)は生じない。
【0085】
本発明が以下の実施例で例示されるが、それらは本発明を限定しない。
【0086】
一般的注意:有機金属化合物の製造と取扱いは、アルゴンで完全に覆い空気と水分のない状態で行われる(シュレンクの手法あるいはグローブボックス)。必要とされる全ての溶剤は使用前にアルゴンでフラッシュされ、モレキュラーシーブで無水にされた。
Claims (9)
-
R1、R2はそれぞれ、同一であるかまたは異なり、水素原子またはSi(R12)3を表し、R12は同じであるかまたは異なり水素原子またはC1〜C40炭素含有基、特にC1〜C20アルキル、C1〜C10フルオロアルキル、C1〜C10アルコキシ、C6〜C20アリール、C6〜C10フルオロアリール、C6〜C10アリールオキシ、C2〜C10アルケニル、C7〜C40アリールアルキル、C7〜C40アルキルアリールもしくはC8〜C40アリールアルケニルを表し、
あるいはR1、R2はそれぞれ、同一であるかまたは異なり、C1〜C30炭素含有基、特に、C1〜C25アルキル、特に好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、tert.−ブチル、n−ヘキシル、シクロヘキシルもしくはオクチル、C2〜C25アルケニル、C3〜C15アルキルアルケニル、C6〜C24アリール、C5〜C24ヘテロアリール、C7〜C30アリールアルキル、C7〜C30アルキルアリール、フッ素含有C1〜C25アルキル、フッ素含有C6〜C24アリール、フッ素含有C7〜C30アリールアルキル、フッ素含有C7〜C30アルキルアリールもしくはC1〜C12アルコキシを表し、
あるいは基R1およびR2は、基R1およびR2がそれぞれオキサゾール環に結合して、基R1および/またはR2ならびにそれらをオキサゾール環に結合している原子がそれぞれ、同様に置換されていてもよいC4〜C24の環系を形成するように互いに結合していてもよく、
nは、同一であるかまたは異なり、1と3の間の整数を表し、nが数字0を表す場合は、R1、R2基の少なくとも一方は水素と同じではなく、
mは、0、1、2、3または4に等しく、
iは、0、1、2、3または4に等しく、
Xは、同一でも異なっていてもよく、水素原子、C1〜C10炭素含有基、特にC1〜C10アルキルもしくはC6〜C10アリール、ハロゲン原子またはOR9、SR9、OSi(R9)3、Si(R9)3、P(R9)2もしくはN(R9)2を表し、前記R9は、ハロゲン原子、C1〜C10アルキル基、ハロゲン化C1〜C10アルキル基、C6〜C20アリール基もしくはハロゲン化C6〜C20アリール基であり、あるいはX基は、トルエンスルホニル基、トリフルオロアセチル、トリフルオロアセトキシル、トリフルオロメタンスルホニル、ノナフルオロブタンスルホニルもしくは2,2,2−トリフルオロエタンスルホニル基であり、
Yは、OR10、SR10、OSi(R10)3、Si(R10)3、P(R10)2もしくはN(R10)2に等しく、個々のR10は、同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C10アルキル基、ハロゲン化C1〜C10アルキル基、C6〜C20アリール基もしくはハロゲン化C6〜C20アリール基を表し、またYは1個または複数のR1および/またはR2基と環系を形成していてもよく、
pは、1、2、3もしくは4に等しく、
Zは、式M2R13R14の架橋構造要素であり、M2は、炭素、窒素、リン、酸素、イオウ、ケイ素、ゲルマニウム、ホウ素、アルミニウムもしくはスズを表し、R13およびR14は同一でも異なっていてもよく、水素原子、C1〜C24炭化水素含有基、特にC1〜C10アルキル、特に好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、tert.−ブチル、n−ヘキシル、シクロヘキシルもしくはオクチル、C2〜C10アルケニル、C3〜C10アルキルアルケニル、C6〜C24アリール、C5〜C24ヘテロアリール、C7〜C24アリールアルキル、C7〜C24アルキルアリール、フッ素含有C1〜C24アルキル、フッ素含有C6〜C24アリール、フッ素含有C7〜C24アリールアルキル、フッ素含有C7〜C24アルキルアリールもしくはC1〜C12アルコキシまたはトリメチルシリルを表し、ここでR13およびR14基は、R13およびR14基が、それらを結合している原子と、同様に置換されていてもよいC4〜C24の環系を、化合物[2,6−ビス−(4S−イソプロピル−2−オキサジリン−2−イル)ピリジン]MnCl2;[2,6−ビス−(4S−イソプロピル−2−オキサジリン−2−イル)ピリジン]CrCl2;[2,6−ビス−(4S−イソプロピル−2−オキサジリン−2−イル)ピリジン]FeCl2;[2,6−ビス−(4S−イソプロピル−2−オキサジリン−2−イル)ピリジン]FeCl3;[2,6−ビス−(4S−イソプロピル−2−オキサジリン−2−イル)ピリジン]VCl3;[2,6−ビス−(4S−イソプロピル−2−オキサジリン−2−イル)ピリジン]TiCl3および[2,6−ビス−(4S−イソプロピル−2−オキサジリン−2−イル)ピリジン]ScCl3は例外として、2個のオキサゾール環の間に形成するように互いに結合していてもよい、
式(I)の化合物のオレフィンの重合における使用。 - R1、R2はそれぞれ、同一であるかまたは異なり、水素原子またはSi(R12)3を表し、R12は同じであるかまたは異なり水素原子、C1〜C20アルキル、C1〜C10フルオロアルキル、C1〜C10アルコキシ、C6〜C20アリール、C6〜C10フルオロアリール、C6〜C10アリールオキシ、C2〜C10アルケニル、C7〜C40アリールアルキル、C7〜C40アルキルアリールもしくはC8〜C40アリールアルケニルを表し、
あるいはR1、R2はそれぞれ、同一であるかまたは異なり、C1〜C25アルキル、特に好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、tert.−ブチル、n−ヘキシル、シクロヘキシルもしくはオクチル、C2〜C25アルケニル、C3〜C15アルキルアルケニル、C6〜C24アリール、C5〜C24ヘテロアリール、C7〜C30アリールアルキル、C7〜C30アルキルアリール、フッ素含有C1〜C25アルキル、フッ素含有C6〜C24アリール、フッ素含有C7〜C30アリールアルキル、フッ素含有C7〜C30アルキルアリールもしくはC1〜C12アルコキシを表し、
あるいは基R1およびR2は、R1および/またはR2ならびにそれらをオキサゾール環に結合している原子がそれぞれ、同様に置換されていてもよいC4〜C24の環系を形成するように互いに結合していてもよい、
ことを特徴とする請求項1に記載の使用。 -
R1、R2はそれぞれ、同一であるかまたは異なり、水素原子またはSi(R12)3を表し、R12は同じであるかまたは異なり、水素原子またはC1〜C40炭素含有基、特に、C1〜C20アルキル、C1〜C10フルオロアルキル、C1〜C10アルコキシ、C6〜C20アリール、C6〜C10フルオロアリール、C6〜C10アリールオキシ、C2〜C10アルケニル、C7〜C40アリールアルキル、C7〜C40アルキルアリールもしくはC8〜C40アリールアルケニルを表し、
あるいは、R1、R2はそれぞれ、同一であるかまたは異なり、C1〜C30炭素含有基、特に、C1〜C25アルキル、特に好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、tert.−ブチル、n−ヘキシル、シクロヘキシルもしくはオクチル、C2〜C25アルケニル、C3〜C15アルキルアルケニル、C6〜C24アリール、C5〜C24ヘテロアリール、C7〜C30アリールアルキル、C7〜C30アルキルアリール、フッ素含有C1〜C25アルキル、フッ素含有C6〜C24アリール、フッ素含有C7〜C30アリールアルキル、フッ素含有C7〜C30アルキルアリールもしくはC1〜C12アルコキシを表し、あるいは、基R1およびR2は、R1および/またはR2ならびにオキサゾール環にそれらを結合している原子がそれぞれ、同様に置換されていてもよいC4〜C24の環系を形成するように互いに結合していてもよく、
nは、同一であるかまたは異なり、1と3の間の整数を表し、nが数字0を表す場合、R1、R2基の少なくとも一方は水素と同じでなく、
mは、0、1、2、3または4に等しく、
iは、0、1、2、3または4に等しく、
jは1または2に等しく、
X1、X2は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、C1〜C10炭素含有基、特にC1〜C10アルキルもしくはC6〜C10アリール、ハロゲン原子またはOR9、SR9、OSi(R9)3、Si(R9)3、P(R9)2もしくはN(R9)2を表し、R9はハロゲン原子、C1〜C10アルキル基、ハロゲン化C1〜C10アルキル基、C6〜C20アリール基もしくはハロゲン化C6〜C20アリール基であり、あるいは基X1、X2はトルエンスルホニル基、トリフルオロアセチル、トリフルオロアセトキシル、トリフルオロメタンスルホニル、ノナフルオロブタンスルホニルもしくは2,2,2−トリフルオロエタンスルホニル基であり、
R15は同じでも異なっていてもよく、水素原子、C1〜C24炭化水素含有基、特に、C1〜C10アルキル、特に好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、tert.−ブチル、n−ヘキシル、シクロヘキシルもしくはオクチル、C2〜C10アルケニル、C3〜C10アルキルアルケニル、C6〜C24アリール、C5〜C24ヘテロアリール、C7〜C24アリールアルキル、C7〜C24アルキルアリール、フッ素含有C1〜C24アルキル、フッ素含有C6〜C24アリール、フッ素含有C7〜C24アリールアルキル、フッ素含有C7〜C24アルキルアリールもしくはC1〜C12アルコキシまたはトリメチルシリルで表し、あるいは複数のR15は、それらが、同様に置換されていてもよいC4〜C24の環系を形成するように互いに結合していてもよく、
Bは、式(I)の基Zに対して記載された基に相当し、
Yは、OR10、SR10、OSi(R10)3、Si(R10)3、P(R10)2もしくはN(R10)2に等しく、個々のR10は同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C10アルキル基、ハロゲン化C1〜C10アルキル基、C6〜C20アリール基もしくはハロゲン化C6〜C20アリール基を表し、またYは1個または複数のR1および/またはR2基と環系をなしていてもよい、
式(II)の化合物の使用。 - 請求項1で規定される式(I)の化合物の少なくとも1種および少なくとも1種の助触媒を含む触媒系。
- 助触媒が、アルミノキサン型化合物の少なくとも1種、またはルイス酸の少なくとも1種、または式(I)の化合物をカチオン性化合物に変換するイオン性化合物の少なくとも1種であることを特徴とする請求項4に記載の触媒系。
- それが少なくとも1種の担体を含むことを特徴とする請求項4または5に記載の触媒系。
- 1種または複数のオレフィンの重合によりポリオレフィンを製造するための、請求項4に記載の触媒系の使用。
- それが1種または複数のオレフィンの単独重合または共重合であることを特徴とする請求項7に記載の使用。
- 請求項4に記載の触媒系の存在下にポリオレフィンを製造する方法。
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