JP2000309604A - 銅化合物を用いた重合体の製造方法 - Google Patents

銅化合物を用いた重合体の製造方法

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JP2000309604A
JP2000309604A JP11118194A JP11819499A JP2000309604A JP 2000309604 A JP2000309604 A JP 2000309604A JP 11118194 A JP11118194 A JP 11118194A JP 11819499 A JP11819499 A JP 11819499A JP 2000309604 A JP2000309604 A JP 2000309604A
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JP11118194A
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Koichi Shibayama
晃一 柴山
Takeharu Morita
健晴 森田
Yutaka Fukuda
豊 福田
Adriana Pavurobikooba
アドリアナ パヴロビコーバ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 合成が容易で、安価、安定な銅化合物を重合
触媒として用いた重合体の製造方法を提供する。 【解決手段】 分子内に1個以上の炭素−炭素二重結合
を有するビニル系単量体を重合させる重合体の製造方法
であって、触媒及び/又は重合開始剤として、下記一般
式(1)で表される銅化合物と有機金属化合物とを用い
ることを特徴とする銅化合物を用いた重合体の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、銅化合物を用いた
重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ビニル系単量体は、従来より様々な方法
で重合されている。工業的には、ビニル系単量体にラジ
カル発生剤を添加し、高温高圧下でラジカル重合する方
法が広く用いられている。
【0003】最近では、分子量や分子量分布を制御可能
な重合方法として、例えば、アニオン重合、配位重合、
グループトランスファー重合等が実験室レベルで検討さ
れており、これらの重合においては、触媒等として遷移
金属錯体が用いられている。
【0004】しかしながら、この遷移金属錯体は、一般
的に多くの反応段階を経て合成されており、化学構造も
複雑である。このため、このような遷移金属錯体の合成
は容易ではなく、収率も低く、得られる遷移金属錯体は
高価なものとなってしまう結果、工業的な利用が難しか
った。
【0005】このような触媒系に用いられる遷移金属錯
体の金属については、前期遷移金属に属する4族遷移元
素のTi、Zr、Hf等が一般的に用いられている。最
近では、やや反応性は低下するものの、後期遷移金属で
ある10族遷移元素のNi、Pdなども、錯体の中心金
属として使用されている(JACS 117,No.2
3,6414(1995)等)。
【0006】また、触媒系にアルミニウム等の金属ポル
フィリン錯体と有機アルミニウム化合物が使用された例
(特開平4−323204号公報)があるが、重合対象
は、(メタ)アクリル酸エステル、エポキシド、ラクト
ン等の比較的極性の高いモノマーの重合に限られてい
た。
【0007】一方、銅を中心金属とする錯体は、安定性
に優れ、合成も容易であるという利点を有するものの、
一般的には、反応活性が低く、重合触媒としては有効な
ものでなかった。最近、本発明者らは、銅錯体を極性の
高いモノマーであるカルボジイミドの重合触媒として利
用することができ、リビング重合体を得ることができる
ことを発表した(Maclomolecules 3
0,3159(1997))。
【0008】しかしながら、高い反応性の重合触媒を必
要とする比較的低極性のモノマーの重合については、塩
化銅等の銅塩に有機アルミニウム化合物を混合してエチ
レンの重合に適用された例がある(特公昭45−405
44号公報)ものの、この場合には、低分子量のオリゴ
マーが得られたにすぎない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、合成が容易で、安価、安定な銅化合物を重合触媒又
は重合開始剤として用いた重合体の製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、分子内に1個
以上の炭素−炭素二重結合を有するビニル系単量体を重
合させる重合体の製造方法であって、触媒及び/又は重
合開始剤として、下記一般式(1)で表される銅化合物
と有機金属化合物とを用いる銅化合物を用いた重合体の
製造方法である。
【0011】
【化2】
【0012】式中、R1 、R2 、R3 、R4 は、同一で
あっても異なっていてもよく、それぞれ、アルキル基、
置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アルケ
ニル基、置換アルケニル基、水素原子、ハロゲン原子、
又は、各基が結合した環式基を表し、L1 及びL2 は酸
素原子で配位する配位子を表す。以下に、本発明を詳述
する。
【0013】本発明の重合体の製造方法においては、上
記銅化合物からなる重合触媒を用い、分子内に1個以上
の炭素−炭素二重結合を有するビニル単量体を重合させ
る。
【0014】上記ビニル系単量体としては、極性値eの
絶対値が1.5以下であるものが好ましい。上記極性値
eは、二重結合を有する化合物の二重結合部の電子密度
を表す値であり、二重結合に電子が流れ込んでいる場合
には、負の値を示し、二重結合の電子が置換基により引
っ張られている場合には、正の値を示す(「高分子化学
の基礎」、高分子学会編、東京化学同人)。上記極性値
eの値が1.5を超えると、ビニル系単量体の極性が高
すぎるため、有機金属化合物を助触媒として使用する銅
錯体触媒の系では触媒が失活してしまい、重合反応がス
ムーズに進行しなくなる場合がある。
【0015】上記極性値の絶対値が1.5以下であるビ
ニル単量体としては、例えば、オレフィン、α−置換オ
レフィン、(メタ)アクリル酸エステル及びその誘導体
が挙げられる。ここで誘導体とは更に置換基を有してい
てもよいという意味である。
【0016】上記オレフィンとしては特に限定されず、
例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペン
テン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4
−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン;ブタジエ
ン等のジエン等が挙げられる。
【0017】上記α−置換オレフィンとしては特に限定
されず、例えば、一般式CH2 =CYE(式中、Yは置
換フェニル基又はシアノ基を表し、Eは水素原子又はア
ルキル基を表す)で表されるものが挙げられ、例えば、
スチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、
o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−塩化ス
チレン、p−塩化スチレン、o−臭化スチレン、p−臭
化スチレン、o−ニトロスチレン、o−メトキシスチレ
ン、p−メトキシスチレン、アクリロニトリル、メタク
リロニトリル等が挙げられる。
【0018】上記(メタ)アクリル酸エステルとしては
特に限定されず、例えば、一般式CH 2 =C(R5 )C
OO−R6 (式中、R5 は水素原子又はメチル基を表
し、R6は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、又
は、ハロゲン、アミン、エーテル等の官能基を含む炭化
水素基を表す)で表されるものが挙げられ、例えば、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリ
ル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、
(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s
ec−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メ
タ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸n−ヘ
キシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)
アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n
−オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)ア
クリル酸n−トリデシル、(メタ)アクリル酸トリスチ
ル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸ス
テアリル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリ
ル酸ビニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)ア
クリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸2−ナフチル、
(メタ)アクリル酸2,4,6−トリクロロフェニル、
(メタ)アクリル酸2,4,6−トリブロモフェニル、
(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸
2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシ
エチル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノ
メチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリ
コールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリプ
ロピレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アク
リル酸テトラヒドロフルオリル、(メタ)アクリル酸
2,3−ジブロモプロピル、(メタ)アクリル酸2−ク
ロロエチル、(メタ)アクリル酸2,2,2−トリフル
オロエチル、(メタ)アクリル酸ヘキサフルオロイソプ
ロピル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アク
リル酸3−トリメトキシシリルプロピル、(メタ)アク
リル酸2−ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸
2−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブ
チルアミノエチル等が挙げられる。
【0019】上記ビニル系単量体としては、上記オレフ
ィンが好適に用いられる。上記ビニル系単量体は、単独
で用いられても、2種以上が併用されてもよい。上記ビ
ニル系単量体が2種以上用いられて、共重合が行われる
場合、その重合形態としては特に限定されず、例えば、
ランダム重合、ブロック重合等が挙げられる。
【0020】本発明では、触媒及び/又は重合開始剤と
して、上記一般式(1)で表される銅化合物を使用す
る。上記一般式(1)の式中、R1 、R2 、R3 、R4
は、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ、ア
ルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール
基、アルケニル基、置換アルケニル基、水素原子、ハロ
ゲン原子、又は、各基が結合した環式基を表し、L1
びL2 は酸素原子で配位する配位子を表す。
【0021】上記銅化合物としては、例えば、R1 及び
4 がフェニル基、置換フェニル基等のアリール基で、
2 及びR3 が結合した環状炭化水素基であるジイミン
配位子で、L1 及びL2 が結合したアセチルアセトナト
基である銅化合物が挙げられる。上記銅化合物は単独で
用いられても、2種以上が併用されてもよい。
【0022】上記銅化合物は、安価な銅塩、例えば、塩
化銅(II)や過塩素酸銅(II)等から容易に合成す
ることができる。
【0023】上記銅化合物は会合して、二量体や三量体
等の複核錯体を形成してもよい。上記銅化合物が二量体
や三量体等の複核錯体を形成する場合でも、反応溶液中
やビニル単量体存在下では大部分が単量体として存在す
る。
【0024】上記銅化合物は炭化水素やハロゲン化炭化
水素等で希釈されて使用されてもよい。また、上記銅化
合物は粒子状担体に担持されて使用されてもよい。
【0025】上記粒子状担体としては、例えば、SiO
2 、Al23 、MgO、CaO、TiO2 、ZnO、
MgCl2 等の無機担体;ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体等が挙げられ
る。
【0026】上記銅化合物と併用される上記有機金属化
合物としては、例えば、アルミノキサン、一般式
(2); AlR7 m3-m ・・・・(2) (式中、R7 は、炭素数1〜20の炭化水素基を表し、
Zは、水素、ハロゲン原子、アルコキシル基、アリロキ
シ基、シロキシ基を表す。mは、0〜3の整数であ
る。)で表される有機アルミニウム化合物、硼素原子を
有するルイス酸、硼素原子を有するイオン性化合物等が
挙げられる。これらは、単独で用いられても、2種以上
が併用されてもよい。
【0027】上記アルミノキサンは、一般式(3); R8 {Al(R9 )−O}P AlR10・・・(3) (式中、R8 、R9 、R10は、炭素数1〜10の炭化水
素基を表し、pは、2以上の整数を表す。)、又は、一
般式(4);
【0028】
【化3】
【0029】(式中、R11は、炭素数1〜10の炭化水
素基を表し、qは、2以上の整数を表す。)で表される
化合物である。
【0030】上記一般式(3)又は上記一般式(4)で
表される化合物において、R8 、R9、R10、R11で表
される炭化水素基の炭素数は、6以下であることが好ま
しく、4以下であることがより好ましい。上記アルミノ
キサンは、例えば、トリアルキルアルミニウムと水との
直接の反応や金属塩の水和物との反応により得ることが
できる。
【0031】上記一般式(2)で表される有機アルミニ
ウム化合物としては、例えば、トリメチルアルミニウ
ム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミ
ニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリオクチルア
ルミニウム等のトリアルキルアルミニウム;イソプレニ
ルアルミニウム等のアルケニルアルミニウム;ジメチル
アルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロラ
イド、ジイソプロピルアルミニウムクロライド、ジイソ
ブチルアルミニウムクロライド、ジオクチルアルミニウ
ムクロライド等のジアルキルアルミニウムモノクロライ
ド;メチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアル
ミニウムセスキクロライド、イソプロピルアルミニウム
セスキクロライド、イソブチルアルミニウムセスキクロ
ライド、オクチルアルミニウムセスキクロライド等のア
ルキルアルミニウムセスキクロライド;メチルアルミニ
ウムジクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、
イソプロピルアルミニウムジクロライド、イソブチルア
ルミニウムジクロライド、オクチルアルミニウムジクロ
ライド等のアルキルアルミニウムジクロライド;メトキ
シジエチルアルミニウム、ジイソプロポキシメチルアル
ミニウム、トリイソプロポキシアルミニウム等のアルコ
キシル基含有アルミニウム化合物等が挙げられる。
【0032】上記硼素原子を有するルイス酸としては、
例えば、一般式(5);BR12 3 (式中、R12は、フッ素原子、メチル基、トリフルオロ
メチル等の置換基を有してもよいフェニル基;フッ素原
子を表す。)で表される化合物が挙げられる。
【0033】上記硼素原子を有するルイス酸の具体例と
しては、例えば、トリフルオロ硼素、トリフェニル硼
素、トリス(4−フルオロフェニル)硼素、トリス
(3,5−ジフルオロフェニル)硼素、トリス(4−フ
ルオロメチルフェニル)硼素、トリス(ペンタフルオロ
フェニル)硼素、トリス(p−トリル)硼素、トリス
(o−トリル)硼素、トリス(3,5−ジメチルフェニ
ル)硼素等が挙げられる。これらのなかでは、トリス
(ペンタフルオロフェニル)硼素が好ましい。
【0034】上記硼素原子を有するイオン性化合物とし
ては、例えば、トリアルキル置換アンモニウム塩、N,
N−ジアルキルアニリニウム塩、ジアルキルアンモニウ
ム塩、トリアリールホスフォニウム塩等が挙げられる。
【0035】上記硼素原子を有するイオン性化合物の具
体例としては、例えば、トリエチルアルミニウムテトラ
(フェニル)硼素、トリプロピルアンモニウムテトラ
(フェニル)硼素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテ
トラ(フェニル)硼素、トリメチルアンモニウムテトラ
(p−トリル)硼素、トリメチルアンモニウムテトラ
(o−トリル)硼素、トリブチルアンモニウムテトラ
(ペンタフルオロフェニル)硼素、トリプロピルアンモ
ニウムテトラ(o,p−ジメチルフェニル)硼素、トリ
ブチルアンモニウムテトラ(m,m−ジメチルフェニ
ル)硼素、トリブチルアンモニウムテトラ(p−トリフ
ルオロメチルフェニル)硼素、トリ(n−ブチル)アン
モニウムテトラ(o−トリル)硼素等のトリアルキル置
換アンモニウム塩;N,N−ジメチルアニリニウムテト
ラ(フェニル)硼素、N,N−ジエチルアニリニウムテ
トラ(フェニル)硼素、N,N−2,4,6−ペンタメ
チルアニリニウムテトラ(フェニル)硼素等のN,N−
ジアルキルアニリニウム塩;ジ(1−プロピル)アンモ
ニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)硼素、ジシク
ロヘキシルアンモニウムテトラ(フェニル)硼素等のジ
アルキルアンモニウム塩;トリフェニルホスフォニウム
テトラ(フェニル)硼素、トリ(ジメチルフェニル)ホ
スフォニウムテトラ(フェニル)硼素等のトリアリール
ホスフォニウム塩等が挙げられる。
【0036】また、上記硼素原子を有するイオン性化合
物としては、例えば、トリフェニルカルベニウムテトラ
キス(ペンタフルオロフェニル)ボロネート、N,N−
ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェ
ニル)ボレート、フェロセニウムテトラ(ペンタフルオ
ロフェニル)ボレート等も挙げられる。
【0037】更に、上記硼素原子を有するイオン性化合
物としては、例えば、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモ
ニウム〕ノナボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アン
モニウム〕デカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)ア
ンモニウム〕ウンデカボレート、ビス〔トリ(n−ブチ
ル)アンモニウム〕ドデカボレート、ビス〔トリ(n−
ブチル)アンモニウム〕デカクロロデカボレート、ビス
〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ドデカクロロドデ
カボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−カル
バデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−
カルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニ
ウム1−カルバドデカボレート、トリ(n−ブチル)ア
ンモニウム1−トリメチルシリル−1−カルバドデカボ
レート、トリ(n−ブチル)アンモニウムブロモ−1−
カルバドデカボレート、ボラン及びカルボラン錯化合
物;カルボランアニオンの塩;カルボラン及びカルボラ
ンの塩等のアニオン性の塩が挙げられる。なお、これら
の硼素原子を有するイオン性化合物において、対イオン
は、一般例として、トリ(n−ブチル)アンモニウム示
しているが、これらに限定されない。
【0038】更にまた、上記硼素原子を有するイオン性
化合物として、以下に示す金属カルボランの塩及び金属
ボランアニオンが挙げられる。即ち、例えば、トリ(n
−ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド−1,
3−ジカルバノナボレート)コバルテート(III) 、トリ
(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライ
ド−7,8−ジカルバウンデカボレート)フェレート
(鉄酸塩)(III) 、トリ(n−ブチル)アンモニウムビ
ス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカ
ボレート)コバルテート(III) 、トリ(n−ブチル)ア
ンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカ
ルバウンデカボレート)ニッケレート(III) 、トリ(n
−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−
7,8−ジカルバウンデカボレート)キュプレート(銅
酸塩)(III) 等である。なお、これらのイオン性化合物
において、対イオンは、一般例として、トリ(n−ブチ
ル)アンモニウム示しているが、これらに限定されな
い。
【0039】本発明においては、上記化合物に加え、必
要に応じて、安息香酸等の電子供与性化合物や分子中に
フェノール構造を有する化合物が添加されてもよい。こ
れらの化合物を加えると、著しく重合活性が向上するこ
とがある。
【0040】上記分子中にフェノール構造を有する化合
物として、例えば、フェノール、クレゾール等の置換フ
ェノールが挙げられる。
【0041】本発明における重合のメカニズムの詳細に
ついては、明らかでないが、銅化合物が触媒及び/又は
重合開始剤として働き、銅化合物単独、銅化合物及び有
機金属化合物、ビニル系単量体(以下、モノマーともい
う)の相互作用により、モノマーの配位、挿入反応が加
速されるものと考えられる。反応の活性種としては、活
性の高い銅のカチオン種が考えられる。
【0042】上記一般式(1)で表される銅化合物及び
上記有機金属化合物の反応系への添加時期については、
ビニル系単量体の導入前、導入と同時、導入の後のいず
れであってもよいが、導入前が最も好ましい。重合方
法、重合条件は特に限定されず、連続重合であってもよ
く、非連続重合であってもよい。
【0043】上記重合反応は、不活性雰囲気下にて行う
ことが好ましい。この不活性気体としては、例えば、窒
素、ヘリウム、アルゴン等が挙げられる。
【0044】重合において使用される溶媒としては、例
えば、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジク
ロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、
トルエン、キシレンのような炭化水素類;テトラヒドロ
フラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド等が挙げら
れるが、本発明においては、溶媒を用いずに重合反応を
行うことも可能である。
【0045】重合温度は、用いた溶媒の融点から沸点ま
での温度範囲が好ましく、また、加圧下においては、常
圧での沸点以上の幅広い温度範囲において重合可能であ
る。例えば、室温においても、分子量分布の狭い重合体
を得ることができる。
【0046】詳細には、重合温度としては、−20〜2
00℃が好ましく、0〜120℃がより好ましい。ま
た、重合圧力としては、大気圧〜100kgf/cm2
が好ましく、大気圧〜50kgf/cm2 がより好まし
い。
【0047】上記銅化合物の使用量は、重合容積1リッ
トル当たり、銅原子に換算して、約0.00005〜5
ミリモルであるのが好ましく、0.0001〜1ミリモ
ルであるのがより好ましい。
【0048】また、上記有機金属化合物の使用量は、有
機アルミニウム化合物の場合、銅化合物の銅原子1モル
に対し、アルミニウム原子が約1〜10000モルであ
るのが好ましく、2〜5000モルであるのがより好ま
しい。硼素原子を有するルイス酸又はイオン性化合物の
場合、銅化合物の銅原子1モルに対し、硼素原子が0.
1〜500モルであるのが好ましく、1〜100モルで
あるのがより好ましい。
【0049】得られる重合体の分子量は、重合温度など
の条件を変更することや、公知の手段、例えば、水素を
使用することにより調節が可能である。
【0050】本発明では、上記した銅化合物(銅錯体)
を重合触媒として用いることにより、他の遷移金属錯体
系触媒を使用したときと同様に、組成分布に優れる重合
体を製造することができる。具体的には、ゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリマー
の解析において、本発明の製造方法によって得られた重
合体の分子量分布(Mw/Mn)を求めると、1.1〜
3.5と狭く、精密に制御された重合体反応が行われて
いることを確認することができる。
【0051】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。なお、下記の実施例において、特に記載した
もの以外は、乾燥蒸留した試薬を用いた。
【0052】実施例1 1.銅化合物の合成 (1)ジイミン配位子の合成 ジムロー冷却還流管を装備した250mLシュレンクフ
ラスコをアルゴン置換した後、アセナフテンキノン2.
50g、氷酢酸150mLを加えて、80℃の油浴で加
熱し、均一溶液とした。30分攪拌後、2,6−ジイソ
プロピルアニリン5.20mLをシリンジにて滴下し
た。油浴温度を120℃に上昇させ、加熱還流を2時間
行った。放冷後、析出した橙色の結晶を濾過し、トルエ
ン・メタノールで再結晶させることにより、下記構造式
(6)を有するジイミン配位子4.5gを得た。同定は
プロトンNMR及びIRにより行った。
【0053】
【化4】
【0054】(2)ジイミンアセチルアセトナト銅(I
I)化合物の合成 ジムロー冷却還流管を装備した250mLシュレンクフ
ラスコに合成したジイミン配位子、過塩素酸銅(II)
1.85g、アセチルアセトンアニオン、メタノール1
50mLを加えた。30分攪拌後、生成した暗緑色の結
晶を濾過し、トルエン・メタノールで再結晶させること
により、下記構造式(7)を有する目的化合物6.96
gを得た。同定はIR及び元素分析により行った。
【0055】
【化5】
【0056】(3)重合方法 100mLのシュレンクフラスコをアルゴン置換した
後、トルエン20mLを加え、上記(2)で合成したジ
イミンアセチルアセトナト銅(II)化合物10.0m
g、メチルアルミノキサン10%トルエン溶液(アルド
リッチ社製)5mLを加えた。メタクリル酸メチルモノ
マー2.0gをフラスコ内に導入し、40℃で重合を行
った。24時間後、反応溶液にメタノール30mLを加
え、反応を停止させ、触媒残渣を除いた後、クロロホル
ムに溶解させた反応物に、過剰のn−ヘキサンを加え、
沈殿した重合物を回収して、ポリマー1.05gを得
た。
【0057】得られたポリメタクリル酸メチルの解析
は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
C)により行った。GPCの溶液としては、THFを用
いた。得られたポリメタクリル酸メチルのポリスチレン
換算の重量平均分子量は36,500、数平均分子量は
25,600で、分子量分布を示す重量平均分子量と数
平均分子量の比Mw/Mnは、1.43であった。
【0058】実施例2 重合方法 300mLの耐圧ガラス容器をアルゴン置換した後、ト
ルエン100mLを加え、上記実施例1(2)で合成し
たジイミンアセチルアセトナト銅(II)化合物26m
g、メチルアルミニウムジ(トリス2,4,6−t−ブ
チルフェノキシド)926mg〔下記構造式(8)〕、
トリイソブチルアルミニウム(東ソーアクゾ社製、20
%トルエン溶液)、N,N−ジメチルアニリニウムテト
ラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート〔下記構造式
(9)〕32.8mg、乾燥トルエン58mLを加え
た。次いで、エチレンガスを容器内に導入し、系内を
4.5kg/cm2 に保ちながら、0℃で24時間重合
を行った後、反応溶液にメタノール150mLを加えて
反応を停止させ、沈殿した重合物を回収して、ポリエチ
レン0.4gを得た。
【0059】
【化6】
【0060】
【化7】
【0061】得られたポリエチレンについて、ゲルパー
ミエーションクロマトグラフィー(GPC)及び示差走
査熱量計(DSC)により解析を行った。GPCの溶媒
には、o−ジクロロベンゼンを用いた。重量平均分子量
は、640,000、数平均分子量は247,000で
あり、分子量分布を示す重量平均分子量と数平均分子量
の比Mw/Mnは、2.59であった。また、DSCに
よる融解曲線のピークである融解温度は129℃であ
り、60℃以下には融解ピークは観測できなかった。
【0062】
【発明の効果】本発明の銅化合物を用いた重合体の製造
方法は、上述の構成からなるので、安定性に優れ、取扱
が容易であり、安価な上記銅化合物からなる重合触媒を
用いることにより、分子量分布の狭い重合体の重合を高
収率で容易に行うことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J015 DA04 DA05 DA13 DA14 4J028 AA01A AB00A AC00A BA01B BA02B BB00B BB01B BC12B BC15B BC16B BC17B BC19B BC25B CA16C CA24C CA25C CA27C CA28C CA29C CB07C CB09C CB65C EB02 EB04 EB05 EB07 EB08 EB09 EB10 EB21 EB25 EC01 EC02 FA01 FA02 FA07 GA01 GA06 GA19 4J100 AA00P AA02P AA03P AA04P AA07P AA15P AA16P AA17P AA19P AB02P AB03P AB04P AB07P AB08P AB09P AL03P AL04P AL05P AL08P AL10P AL75P AM02P AS02P BA05P BA06P BA08P BA30P BA31P BA41P BA77P BB01P BB03P BB18P BC08P BC43P BC49P BC53P CA01 DA04 FA09

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子内に1個以上の炭素−炭素二重結合
    を有するビニル系単量体を重合させる重合体の製造方法
    であって、触媒及び/又は重合開始剤として、下記一般
    式(1)で表される銅化合物と有機金属化合物とを用い
    ることを特徴とする銅化合物を用いた重合体の製造方
    法。 【化1】 式中、R1 、R2 、R3 、R4 は、同一であっても異な
    っていてもよく、それぞれ、アルキル基、置換アルキル
    基、アリール基、置換アリール基、アルケニル基、置換
    アルケニル基、水素原子、ハロゲン原子、又は、各基が
    結合した環式基を表し、L1 及びL2 は酸素原子で配位
    する配位子を表す。
  2. 【請求項2】 ビニル系単量体は、オレフィンであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の銅化合物を用いた重合体
    の製造方法。
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