JP2000309604A - 銅化合物を用いた重合体の製造方法 - Google Patents
銅化合物を用いた重合体の製造方法Info
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Abstract
触媒として用いた重合体の製造方法を提供する。 【解決手段】 分子内に1個以上の炭素−炭素二重結合
を有するビニル系単量体を重合させる重合体の製造方法
であって、触媒及び/又は重合開始剤として、下記一般
式(1)で表される銅化合物と有機金属化合物とを用い
ることを特徴とする銅化合物を用いた重合体の製造方
法。
Description
重合体の製造方法に関する。
で重合されている。工業的には、ビニル系単量体にラジ
カル発生剤を添加し、高温高圧下でラジカル重合する方
法が広く用いられている。
な重合方法として、例えば、アニオン重合、配位重合、
グループトランスファー重合等が実験室レベルで検討さ
れており、これらの重合においては、触媒等として遷移
金属錯体が用いられている。
的に多くの反応段階を経て合成されており、化学構造も
複雑である。このため、このような遷移金属錯体の合成
は容易ではなく、収率も低く、得られる遷移金属錯体は
高価なものとなってしまう結果、工業的な利用が難しか
った。
体の金属については、前期遷移金属に属する4族遷移元
素のTi、Zr、Hf等が一般的に用いられている。最
近では、やや反応性は低下するものの、後期遷移金属で
ある10族遷移元素のNi、Pdなども、錯体の中心金
属として使用されている(JACS 117,No.2
3,6414(1995)等)。
フィリン錯体と有機アルミニウム化合物が使用された例
(特開平4−323204号公報)があるが、重合対象
は、(メタ)アクリル酸エステル、エポキシド、ラクト
ン等の比較的極性の高いモノマーの重合に限られてい
た。
に優れ、合成も容易であるという利点を有するものの、
一般的には、反応活性が低く、重合触媒としては有効な
ものでなかった。最近、本発明者らは、銅錯体を極性の
高いモノマーであるカルボジイミドの重合触媒として利
用することができ、リビング重合体を得ることができる
ことを発表した(Maclomolecules 3
0,3159(1997))。
要とする比較的低極性のモノマーの重合については、塩
化銅等の銅塩に有機アルミニウム化合物を混合してエチ
レンの重合に適用された例がある(特公昭45−405
44号公報)ものの、この場合には、低分子量のオリゴ
マーが得られたにすぎない。
み、合成が容易で、安価、安定な銅化合物を重合触媒又
は重合開始剤として用いた重合体の製造方法を提供する
ことを目的とする。
以上の炭素−炭素二重結合を有するビニル系単量体を重
合させる重合体の製造方法であって、触媒及び/又は重
合開始剤として、下記一般式(1)で表される銅化合物
と有機金属化合物とを用いる銅化合物を用いた重合体の
製造方法である。
あっても異なっていてもよく、それぞれ、アルキル基、
置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アルケ
ニル基、置換アルケニル基、水素原子、ハロゲン原子、
又は、各基が結合した環式基を表し、L1 及びL2 は酸
素原子で配位する配位子を表す。以下に、本発明を詳述
する。
記銅化合物からなる重合触媒を用い、分子内に1個以上
の炭素−炭素二重結合を有するビニル単量体を重合させ
る。
絶対値が1.5以下であるものが好ましい。上記極性値
eは、二重結合を有する化合物の二重結合部の電子密度
を表す値であり、二重結合に電子が流れ込んでいる場合
には、負の値を示し、二重結合の電子が置換基により引
っ張られている場合には、正の値を示す(「高分子化学
の基礎」、高分子学会編、東京化学同人)。上記極性値
eの値が1.5を超えると、ビニル系単量体の極性が高
すぎるため、有機金属化合物を助触媒として使用する銅
錯体触媒の系では触媒が失活してしまい、重合反応がス
ムーズに進行しなくなる場合がある。
ニル単量体としては、例えば、オレフィン、α−置換オ
レフィン、(メタ)アクリル酸エステル及びその誘導体
が挙げられる。ここで誘導体とは更に置換基を有してい
てもよいという意味である。
例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペン
テン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4
−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン;ブタジエ
ン等のジエン等が挙げられる。
されず、例えば、一般式CH2 =CYE(式中、Yは置
換フェニル基又はシアノ基を表し、Eは水素原子又はア
ルキル基を表す)で表されるものが挙げられ、例えば、
スチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、
o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−塩化ス
チレン、p−塩化スチレン、o−臭化スチレン、p−臭
化スチレン、o−ニトロスチレン、o−メトキシスチレ
ン、p−メトキシスチレン、アクリロニトリル、メタク
リロニトリル等が挙げられる。
特に限定されず、例えば、一般式CH 2 =C(R5 )C
OO−R6 (式中、R5 は水素原子又はメチル基を表
し、R6は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、又
は、ハロゲン、アミン、エーテル等の官能基を含む炭化
水素基を表す)で表されるものが挙げられ、例えば、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリ
ル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、
(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s
ec−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メ
タ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸n−ヘ
キシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)
アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n
−オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)ア
クリル酸n−トリデシル、(メタ)アクリル酸トリスチ
ル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸ス
テアリル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリ
ル酸ビニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)ア
クリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸2−ナフチル、
(メタ)アクリル酸2,4,6−トリクロロフェニル、
(メタ)アクリル酸2,4,6−トリブロモフェニル、
(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸
2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシ
エチル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノ
メチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリ
コールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリプ
ロピレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アク
リル酸テトラヒドロフルオリル、(メタ)アクリル酸
2,3−ジブロモプロピル、(メタ)アクリル酸2−ク
ロロエチル、(メタ)アクリル酸2,2,2−トリフル
オロエチル、(メタ)アクリル酸ヘキサフルオロイソプ
ロピル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アク
リル酸3−トリメトキシシリルプロピル、(メタ)アク
リル酸2−ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸
2−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブ
チルアミノエチル等が挙げられる。
ィンが好適に用いられる。上記ビニル系単量体は、単独
で用いられても、2種以上が併用されてもよい。上記ビ
ニル系単量体が2種以上用いられて、共重合が行われる
場合、その重合形態としては特に限定されず、例えば、
ランダム重合、ブロック重合等が挙げられる。
して、上記一般式(1)で表される銅化合物を使用す
る。上記一般式(1)の式中、R1 、R2 、R3 、R4
は、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ、ア
ルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール
基、アルケニル基、置換アルケニル基、水素原子、ハロ
ゲン原子、又は、各基が結合した環式基を表し、L1 及
びL2 は酸素原子で配位する配位子を表す。
R4 がフェニル基、置換フェニル基等のアリール基で、
R2 及びR3 が結合した環状炭化水素基であるジイミン
配位子で、L1 及びL2 が結合したアセチルアセトナト
基である銅化合物が挙げられる。上記銅化合物は単独で
用いられても、2種以上が併用されてもよい。
化銅(II)や過塩素酸銅(II)等から容易に合成す
ることができる。
等の複核錯体を形成してもよい。上記銅化合物が二量体
や三量体等の複核錯体を形成する場合でも、反応溶液中
やビニル単量体存在下では大部分が単量体として存在す
る。
水素等で希釈されて使用されてもよい。また、上記銅化
合物は粒子状担体に担持されて使用されてもよい。
2 、Al2 O3 、MgO、CaO、TiO2 、ZnO、
MgCl2 等の無機担体;ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体等が挙げられ
る。
合物としては、例えば、アルミノキサン、一般式
(2); AlR7 m Z3-m ・・・・(2) (式中、R7 は、炭素数1〜20の炭化水素基を表し、
Zは、水素、ハロゲン原子、アルコキシル基、アリロキ
シ基、シロキシ基を表す。mは、0〜3の整数であ
る。)で表される有機アルミニウム化合物、硼素原子を
有するルイス酸、硼素原子を有するイオン性化合物等が
挙げられる。これらは、単独で用いられても、2種以上
が併用されてもよい。
素基を表し、pは、2以上の整数を表す。)、又は、一
般式(4);
素基を表し、qは、2以上の整数を表す。)で表される
化合物である。
表される化合物において、R8 、R9、R10、R11で表
される炭化水素基の炭素数は、6以下であることが好ま
しく、4以下であることがより好ましい。上記アルミノ
キサンは、例えば、トリアルキルアルミニウムと水との
直接の反応や金属塩の水和物との反応により得ることが
できる。
ウム化合物としては、例えば、トリメチルアルミニウ
ム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミ
ニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリオクチルア
ルミニウム等のトリアルキルアルミニウム;イソプレニ
ルアルミニウム等のアルケニルアルミニウム;ジメチル
アルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロラ
イド、ジイソプロピルアルミニウムクロライド、ジイソ
ブチルアルミニウムクロライド、ジオクチルアルミニウ
ムクロライド等のジアルキルアルミニウムモノクロライ
ド;メチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアル
ミニウムセスキクロライド、イソプロピルアルミニウム
セスキクロライド、イソブチルアルミニウムセスキクロ
ライド、オクチルアルミニウムセスキクロライド等のア
ルキルアルミニウムセスキクロライド;メチルアルミニ
ウムジクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、
イソプロピルアルミニウムジクロライド、イソブチルア
ルミニウムジクロライド、オクチルアルミニウムジクロ
ライド等のアルキルアルミニウムジクロライド;メトキ
シジエチルアルミニウム、ジイソプロポキシメチルアル
ミニウム、トリイソプロポキシアルミニウム等のアルコ
キシル基含有アルミニウム化合物等が挙げられる。
例えば、一般式(5);BR12 3 (式中、R12は、フッ素原子、メチル基、トリフルオロ
メチル等の置換基を有してもよいフェニル基;フッ素原
子を表す。)で表される化合物が挙げられる。
しては、例えば、トリフルオロ硼素、トリフェニル硼
素、トリス(4−フルオロフェニル)硼素、トリス
(3,5−ジフルオロフェニル)硼素、トリス(4−フ
ルオロメチルフェニル)硼素、トリス(ペンタフルオロ
フェニル)硼素、トリス(p−トリル)硼素、トリス
(o−トリル)硼素、トリス(3,5−ジメチルフェニ
ル)硼素等が挙げられる。これらのなかでは、トリス
(ペンタフルオロフェニル)硼素が好ましい。
ては、例えば、トリアルキル置換アンモニウム塩、N,
N−ジアルキルアニリニウム塩、ジアルキルアンモニウ
ム塩、トリアリールホスフォニウム塩等が挙げられる。
体例としては、例えば、トリエチルアルミニウムテトラ
(フェニル)硼素、トリプロピルアンモニウムテトラ
(フェニル)硼素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテ
トラ(フェニル)硼素、トリメチルアンモニウムテトラ
(p−トリル)硼素、トリメチルアンモニウムテトラ
(o−トリル)硼素、トリブチルアンモニウムテトラ
(ペンタフルオロフェニル)硼素、トリプロピルアンモ
ニウムテトラ(o,p−ジメチルフェニル)硼素、トリ
ブチルアンモニウムテトラ(m,m−ジメチルフェニ
ル)硼素、トリブチルアンモニウムテトラ(p−トリフ
ルオロメチルフェニル)硼素、トリ(n−ブチル)アン
モニウムテトラ(o−トリル)硼素等のトリアルキル置
換アンモニウム塩;N,N−ジメチルアニリニウムテト
ラ(フェニル)硼素、N,N−ジエチルアニリニウムテ
トラ(フェニル)硼素、N,N−2,4,6−ペンタメ
チルアニリニウムテトラ(フェニル)硼素等のN,N−
ジアルキルアニリニウム塩;ジ(1−プロピル)アンモ
ニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)硼素、ジシク
ロヘキシルアンモニウムテトラ(フェニル)硼素等のジ
アルキルアンモニウム塩;トリフェニルホスフォニウム
テトラ(フェニル)硼素、トリ(ジメチルフェニル)ホ
スフォニウムテトラ(フェニル)硼素等のトリアリール
ホスフォニウム塩等が挙げられる。
物としては、例えば、トリフェニルカルベニウムテトラ
キス(ペンタフルオロフェニル)ボロネート、N,N−
ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェ
ニル)ボレート、フェロセニウムテトラ(ペンタフルオ
ロフェニル)ボレート等も挙げられる。
物としては、例えば、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモ
ニウム〕ノナボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アン
モニウム〕デカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)ア
ンモニウム〕ウンデカボレート、ビス〔トリ(n−ブチ
ル)アンモニウム〕ドデカボレート、ビス〔トリ(n−
ブチル)アンモニウム〕デカクロロデカボレート、ビス
〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ドデカクロロドデ
カボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−カル
バデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−
カルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニ
ウム1−カルバドデカボレート、トリ(n−ブチル)ア
ンモニウム1−トリメチルシリル−1−カルバドデカボ
レート、トリ(n−ブチル)アンモニウムブロモ−1−
カルバドデカボレート、ボラン及びカルボラン錯化合
物;カルボランアニオンの塩;カルボラン及びカルボラ
ンの塩等のアニオン性の塩が挙げられる。なお、これら
の硼素原子を有するイオン性化合物において、対イオン
は、一般例として、トリ(n−ブチル)アンモニウム示
しているが、これらに限定されない。
化合物として、以下に示す金属カルボランの塩及び金属
ボランアニオンが挙げられる。即ち、例えば、トリ(n
−ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド−1,
3−ジカルバノナボレート)コバルテート(III) 、トリ
(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライ
ド−7,8−ジカルバウンデカボレート)フェレート
(鉄酸塩)(III) 、トリ(n−ブチル)アンモニウムビ
ス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカ
ボレート)コバルテート(III) 、トリ(n−ブチル)ア
ンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカ
ルバウンデカボレート)ニッケレート(III) 、トリ(n
−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−
7,8−ジカルバウンデカボレート)キュプレート(銅
酸塩)(III) 等である。なお、これらのイオン性化合物
において、対イオンは、一般例として、トリ(n−ブチ
ル)アンモニウム示しているが、これらに限定されな
い。
要に応じて、安息香酸等の電子供与性化合物や分子中に
フェノール構造を有する化合物が添加されてもよい。こ
れらの化合物を加えると、著しく重合活性が向上するこ
とがある。
物として、例えば、フェノール、クレゾール等の置換フ
ェノールが挙げられる。
ついては、明らかでないが、銅化合物が触媒及び/又は
重合開始剤として働き、銅化合物単独、銅化合物及び有
機金属化合物、ビニル系単量体(以下、モノマーともい
う)の相互作用により、モノマーの配位、挿入反応が加
速されるものと考えられる。反応の活性種としては、活
性の高い銅のカチオン種が考えられる。
上記有機金属化合物の反応系への添加時期については、
ビニル系単量体の導入前、導入と同時、導入の後のいず
れであってもよいが、導入前が最も好ましい。重合方
法、重合条件は特に限定されず、連続重合であってもよ
く、非連続重合であってもよい。
ことが好ましい。この不活性気体としては、例えば、窒
素、ヘリウム、アルゴン等が挙げられる。
えば、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジク
ロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、
トルエン、キシレンのような炭化水素類;テトラヒドロ
フラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド等が挙げら
れるが、本発明においては、溶媒を用いずに重合反応を
行うことも可能である。
での温度範囲が好ましく、また、加圧下においては、常
圧での沸点以上の幅広い温度範囲において重合可能であ
る。例えば、室温においても、分子量分布の狭い重合体
を得ることができる。
00℃が好ましく、0〜120℃がより好ましい。ま
た、重合圧力としては、大気圧〜100kgf/cm2
が好ましく、大気圧〜50kgf/cm2 がより好まし
い。
トル当たり、銅原子に換算して、約0.00005〜5
ミリモルであるのが好ましく、0.0001〜1ミリモ
ルであるのがより好ましい。
機アルミニウム化合物の場合、銅化合物の銅原子1モル
に対し、アルミニウム原子が約1〜10000モルであ
るのが好ましく、2〜5000モルであるのがより好ま
しい。硼素原子を有するルイス酸又はイオン性化合物の
場合、銅化合物の銅原子1モルに対し、硼素原子が0.
1〜500モルであるのが好ましく、1〜100モルで
あるのがより好ましい。
の条件を変更することや、公知の手段、例えば、水素を
使用することにより調節が可能である。
を重合触媒として用いることにより、他の遷移金属錯体
系触媒を使用したときと同様に、組成分布に優れる重合
体を製造することができる。具体的には、ゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリマー
の解析において、本発明の製造方法によって得られた重
合体の分子量分布(Mw/Mn)を求めると、1.1〜
3.5と狭く、精密に制御された重合体反応が行われて
いることを確認することができる。
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。なお、下記の実施例において、特に記載した
もの以外は、乾燥蒸留した試薬を用いた。
ラスコをアルゴン置換した後、アセナフテンキノン2.
50g、氷酢酸150mLを加えて、80℃の油浴で加
熱し、均一溶液とした。30分攪拌後、2,6−ジイソ
プロピルアニリン5.20mLをシリンジにて滴下し
た。油浴温度を120℃に上昇させ、加熱還流を2時間
行った。放冷後、析出した橙色の結晶を濾過し、トルエ
ン・メタノールで再結晶させることにより、下記構造式
(6)を有するジイミン配位子4.5gを得た。同定は
プロトンNMR及びIRにより行った。
I)化合物の合成 ジムロー冷却還流管を装備した250mLシュレンクフ
ラスコに合成したジイミン配位子、過塩素酸銅(II)
1.85g、アセチルアセトンアニオン、メタノール1
50mLを加えた。30分攪拌後、生成した暗緑色の結
晶を濾過し、トルエン・メタノールで再結晶させること
により、下記構造式(7)を有する目的化合物6.96
gを得た。同定はIR及び元素分析により行った。
後、トルエン20mLを加え、上記(2)で合成したジ
イミンアセチルアセトナト銅(II)化合物10.0m
g、メチルアルミノキサン10%トルエン溶液(アルド
リッチ社製)5mLを加えた。メタクリル酸メチルモノ
マー2.0gをフラスコ内に導入し、40℃で重合を行
った。24時間後、反応溶液にメタノール30mLを加
え、反応を停止させ、触媒残渣を除いた後、クロロホル
ムに溶解させた反応物に、過剰のn−ヘキサンを加え、
沈殿した重合物を回収して、ポリマー1.05gを得
た。
は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
C)により行った。GPCの溶液としては、THFを用
いた。得られたポリメタクリル酸メチルのポリスチレン
換算の重量平均分子量は36,500、数平均分子量は
25,600で、分子量分布を示す重量平均分子量と数
平均分子量の比Mw/Mnは、1.43であった。
ルエン100mLを加え、上記実施例1(2)で合成し
たジイミンアセチルアセトナト銅(II)化合物26m
g、メチルアルミニウムジ(トリス2,4,6−t−ブ
チルフェノキシド)926mg〔下記構造式(8)〕、
トリイソブチルアルミニウム(東ソーアクゾ社製、20
%トルエン溶液)、N,N−ジメチルアニリニウムテト
ラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート〔下記構造式
(9)〕32.8mg、乾燥トルエン58mLを加え
た。次いで、エチレンガスを容器内に導入し、系内を
4.5kg/cm2 に保ちながら、0℃で24時間重合
を行った後、反応溶液にメタノール150mLを加えて
反応を停止させ、沈殿した重合物を回収して、ポリエチ
レン0.4gを得た。
ミエーションクロマトグラフィー(GPC)及び示差走
査熱量計(DSC)により解析を行った。GPCの溶媒
には、o−ジクロロベンゼンを用いた。重量平均分子量
は、640,000、数平均分子量は247,000で
あり、分子量分布を示す重量平均分子量と数平均分子量
の比Mw/Mnは、2.59であった。また、DSCに
よる融解曲線のピークである融解温度は129℃であ
り、60℃以下には融解ピークは観測できなかった。
方法は、上述の構成からなるので、安定性に優れ、取扱
が容易であり、安価な上記銅化合物からなる重合触媒を
用いることにより、分子量分布の狭い重合体の重合を高
収率で容易に行うことができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 分子内に1個以上の炭素−炭素二重結合
を有するビニル系単量体を重合させる重合体の製造方法
であって、触媒及び/又は重合開始剤として、下記一般
式(1)で表される銅化合物と有機金属化合物とを用い
ることを特徴とする銅化合物を用いた重合体の製造方
法。 【化1】 式中、R1 、R2 、R3 、R4 は、同一であっても異な
っていてもよく、それぞれ、アルキル基、置換アルキル
基、アリール基、置換アリール基、アルケニル基、置換
アルケニル基、水素原子、ハロゲン原子、又は、各基が
結合した環式基を表し、L1 及びL2 は酸素原子で配位
する配位子を表す。 - 【請求項2】 ビニル系単量体は、オレフィンであるこ
とを特徴とする請求項1記載の銅化合物を用いた重合体
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11118194A JP2000309604A (ja) | 1999-04-26 | 1999-04-26 | 銅化合物を用いた重合体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11118194A JP2000309604A (ja) | 1999-04-26 | 1999-04-26 | 銅化合物を用いた重合体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000309604A true JP2000309604A (ja) | 2000-11-07 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11118194A Pending JP2000309604A (ja) | 1999-04-26 | 1999-04-26 | 銅化合物を用いた重合体の製造方法 |
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1999
- 1999-04-26 JP JP11118194A patent/JP2000309604A/ja active Pending
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