JP3537236B2 - ポリオレフィン製造用触媒成分、該成分を含むポリオレフィン製造用触媒及びポリオレフィンの製造方法 - Google Patents

ポリオレフィン製造用触媒成分、該成分を含むポリオレフィン製造用触媒及びポリオレフィンの製造方法

Info

Publication number
JP3537236B2
JP3537236B2 JP25142695A JP25142695A JP3537236B2 JP 3537236 B2 JP3537236 B2 JP 3537236B2 JP 25142695 A JP25142695 A JP 25142695A JP 25142695 A JP25142695 A JP 25142695A JP 3537236 B2 JP3537236 B2 JP 3537236B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
polymerization
catalyst
compound
atom
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP25142695A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08165310A (ja
Inventor
吉邦 奥村
信幸 黍野
哲也 牧
昭博 堀
清孝 石田
重信 三宅
伸太郎 稲沢
Original Assignee
昭和電工株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 昭和電工株式会社 filed Critical 昭和電工株式会社
Priority to JP25142695A priority Critical patent/JP3537236B2/ja
Publication of JPH08165310A publication Critical patent/JPH08165310A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3537236B2 publication Critical patent/JP3537236B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリオレフィン重合用
触媒成分及びそれを用いたポリオレフィンの製造方法に
関する。詳しくは、重合に共するオレフィンの違いによ
って、 (1)溶融張力の高いエチレン重合体 (2)コモノマー分布の均一なエチレン系共重合体を重
合し分けることの可能な触媒成分、及びそれを用いたこ
れらポリオレフィンの重合方法に関する。該ポリマー
は、自動車、家電、建築、土木をはじめとした幅広い分
野で利用可能である。
【0002】
【従来の技術】
(1)エチレン重合体 エチレン系重合体の成形性を向上させるためには、溶融
張力(メルトテンション、MT)を高めることが必要で
あることが知られている。そのため、チーグラー型のチ
タン系触媒やクロム系触媒を用いて得られるエチレン系
共重合体での溶融張力向上の検討が行われている。例え
ば、チーグラー型のチタン系触媒を用いて得られたエチ
レン系重合体の溶融張力を向上させて成形性を改善する
方法が、特開昭56-90810、特開昭60-106806 に開示され
ている。しかし、一般にチタン系触媒やクロム系触媒を
用いて得られるエチレン系重合体は溶融張力は改善され
るものの、分子量分布が広く、ヘキサンで抽出されるよ
うな低分子量成分が多いため、成形時に発煙が生じると
いう問題点があった。また、エチレン系共重合体におい
ては、組成分布が広く、成形体がベタつくという問題点
があった。一方、メタロセン化合物とメチルアルミノキ
サンからなるメタロセン触媒を用いて得られるエチレン
系重合体は分子量分布が狭く低分子量成分が少ないた
め、成形時の発煙は改善される。一方、メタロセン触媒
によって得られる重合体は、溶融張力が低くその成形性
に問題があった。この問題を解決するために、メタロセ
ン触媒系において溶融張力を改善する方法が検討されて
いる。例えば、特開平4-213306、特開平5-140224、特開
平5-140225において、架橋された特定の構造を持つメタ
ロセン化合物と有機アルミノキシ化合物を含む固体触媒
を用いるオレフィン重合体の重合方法が開示されてい
る。該方法を用いれば、重合体の溶融張力は向上する
(開示されている実施例のうち、事実上、エチレンビス
インデニルジルコニウム化合物であるメタロセン化合物
を使用した場合に顕著な効果が認められる)。しかしな
がら、ここで開示されている系では得られる重合体の分
子量が不十分のため、水素等の重合条件によって重合体
の分子量を制御することが難しい。特に、MFR(メル
トフローレイト、JIS K-6301規格)で0.1以下の分子
量のものを重合することが困難なため、多段重合への適
用が難しい。更に、他のポリオレフィンの改質剤として
も、重合体の分子量は不足であった。一方、特開平5-34
5793には、限定された架橋型インデン−フルオレン系メ
タロセン化合物によるエチレンの重合が開示されてい
る。しかし、この方法で重合されたポリエチレンは、従
来のメタロセン化合物と同様、溶融張力が低く、成形性
に劣るものであった。従って、メタロセン触媒系で、高
溶融張力を有しかつ高分子量なエチレン系重合体を重合
する方法が求められている。
【0003】(2)エチレン系共重合体 エチレン系共重合体の場合、重合体の分子量と、ポリマ
ー鎖中のコモノマーの組成分布が重合体の性能を決める
重要な因子となることが知られている。特に、コモノマ
ー分布の均一な高分子量成分は、製品の最終性能(ES
CR、剛性、耐衝撃性等)の向上に大きく寄与する(特
公昭61-43378、Macromol.Chem.,Macromol.Symp.,41,55
(1991) 、J.Polym.Sci.:Part B,29,129(1991))。一般
に、チーグラー・ナッタ触媒を用いて重合するエチレン
系共重合体は、この高分子量成分によってその性能を維
持している。しかしながら、コモノマーのポリマー鎖中
での組成分布がブロック的なため、重合体の結晶化度が
上がって最終製品に悪影響を及ぼしている。一方、メタ
ロセン触媒を用いた場合、このポリマー鎖中のコモノマ
ー分布の均一性はかなり改善される。しかし、初期に見
いだされたジルコノセン/メチルアルミノキサンの系で
は重合体の分子量が十分ではなかった。メタロセン触媒
系で、メタロセン化合物の改良により、エチレン系共重
合体の分子量を上げる試みは、例えば、USP5,001,205あ
るいは特開平5-148317等に開示されている。しかし、こ
こで開示されている系では、特に、上記の製品の最終性
能の向上のための高分子量成分としての用途等を考えた
場合、その分子量はいまだ不十分であった。従って、ポ
リマー鎖中のコモノマーの組成分布の均一性を保持しつ
つ、さらに重合体の分子量を上げることのできるメタロ
セン触媒系を提示できれば、その工業的価値は極めて大
きい。
【0004】
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、重合
に供するオレフィンの違いによって、 (1)高溶融張力を有しかつ高分子量なエチレン重合体 (2)コモノマーの組成分布が均一な高分子量エチレン
系共重合体を製造することの可能なメタロセン触媒系を
提供することにある。上記2種類の重合体は、それぞれ
が工業生産上極めて望まれるものであるが、さらに、こ
れら重合体が同一の触媒系で生産されれば生産コスト上
極めて有利である。また、多段重合法に用いて、単一重
合容器内で複数の重合体を生産することにより、高性能
な樹脂を生産することが可能となる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意研究を重ねた結果、インデン環とフ
ルオレン環を有する架橋型メタロセン化合物群の中で特
定の置換基を有するメタロセン化合物が、上記課題を解
決するための極めて優れた触媒成分となり得ることを発
見し、本発明に到達した。すなわち、本発明は、一般式
(1)
【化4】 [式(1)中、M1は、Ti、Zr、Hfのいずれかの
遷移金属原子を意味する。X1及びX2は、互いに同じで
も異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子または
ハロゲン原子を含んでも良い炭素原子数1から20の炭
化水素基またはOR基、SR基、OCOR基、SO2
基、OSO2R基、NRR'基(ここで、R、R'は、水
素原子または炭素原子数1から7の炭化水素基を意味
し、ハロゲン原子を含んでも良い)を意味する。R1
びR2は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素原
子、炭素原子数1から20の炭化水素基または、OR基
あるいはSR基(ここで、Rは、水素原子または炭素原
子数1から7の炭化水素基を意味し、ハロゲン原子を含
んでも良い)を意味し、互いに結合して環を形成しても
よい。R3は、炭素原子数1から5の炭化水素基を意味
し、ケイ素原子を含んでもよい。R4は、炭素原子数1
から20の炭化水素基で、ケイ素原子を含んでもよい。
5〜R15は、互いに同じでも異なっていてもよく、水
素原子または炭素原子数1から20の炭化水素基で、ケ
イ素原子を含んでもよく、互いに結合して環を形成して
もよい。Y1は、炭素原子、ケイ素原子またはゲルマニ
ウム原子を意味する。式中nは、1から3の整数。]で
表されるメタロセン化合物において、特に、X1及びX2
がハロゲン原子を表わし、R1及びR2が水素原子または
炭素原子数1から20の炭化水素基を表わし、R5〜R
15が水素原子または珪素原子を含んでいてもよい炭素原
子数1から20の炭化水素基を表わし、Y1が炭素原子
またはケイ素原子を表わし、nが1を表わす化合物を触
媒成分として用いることを発明の中核とし、(A)前記
メタロセン化合物(B)ルイス酸化合物(C)有機アル
ミニウム化合物さらに必要に応じて、(D)微粒子担体
からなるメタロセン触媒系を使用してポリオレフィンを
製造することにより、上記課題を解決する。
【0007】以下に、本発明に係わるオレフィン重合触
媒を用いたポリオレフィンの製造方法について具体的に
説明する。本発明の重合方法における第1触媒成分であ
る新規のメタロセン化合物は、一般式(1)で示され
る。以下、一般式(1)について具体的に説明する。R
3 は、ケイ素原子を含んでも良い炭素原子数1から5の
炭化水素基を意味する。具体的には、メチル、エチル、
n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、t-ブチ
ル、n-ペンチル、シクロペンチルなどのアルキル基、ト
リメチルシリルなどのアルキルシリル基などを挙げるこ
とが出来る。これらのうちR3 は、メチル基、エチル
基、n-プロピル基、i-プロピル基から選ばれることが好
ましい。R4 は、ケイ素原子を含んでも良い炭素原子数
1から20の炭化水素基を意味する。具体的には、メチ
ル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブ
チル、t-ブチル、n-ペンチル、シクロペンチル、シクロ
ヘキシル、オクチル、ノニル、アダマンリルなどのアル
キル基、ビニル、プロペニル、などのアルケニル基、フ
ェニル、トリル、2,6−ジメチルフェニル、2,4,
6−トリメチルフェニル、ナフチル、アントラセニルな
どのアリール基、ベンジル、フェニルメチル、ジフェニ
ルメチル、トリフェニルメチル、フェニルエチルなどの
アリールアルキル基、メチルシリル、ジメチルシリル、
トリメチルシリルなどのアルキルシリル基、トリス(ト
リメチルシリル)メチル基などのシリルアルキル基など
を挙げることが出来る。これらのうちR4 は、α−位の
炭素原子が1級または2級のもの、例えばメチル、エチ
ル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチルなど
のアルキル基あるいはフェニル、トリル、2,6−ジメ
チルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、ナフ
チル、アントラセニルなどのアリール基などが好まし
い。特に、メチル基、エチル基、i-プロピル基あるいは
フェニル基、1−ナフチル基などのアリール基から選ば
れることが好ましい。本発明に係わる一般式(1)で表
されるメタロセン化合物は、R3 とR4 が両方共に水素
原子でないこと、かつ、インデン環の3位が水素原子で
あることが重要である。一般式(1)において、R3
4 が両方共に水素原子の場合、あるいは、インデン環
の3位が水素原子でない場合、本発明の効果は全く発現
しない。
【0008】R5 〜R15は、互いに同じでも異なってい
てもよく、水素原子またはケイ素原子を含んでも良い炭
素原子数1から20の炭化水素基を意味する。具体的に
は、水素原子またはR4 と同様の基を意味する。また、
5 〜R15は、互いに結合して環を形成しても良い。特
に、隣接する基が互いに結合して、芳香族6員環を形成
することが望ましい。具体的には、一般式(1)におい
て、インデン環が4,5−ベンゾインデン、5,6−ベ
ンゾインデン、6,7−ベンゾインデン、フルオレン環
が1,2−ベンゾフルオレン、2,3−ベンゾフルオレ
ン、3,4−ベンゾフルオレン、5,6−ベンゾフルオ
レン、6,7−ベンゾフルオレン、7,8−ベンゾフル
オレン、3,4,5,6−ジベンゾフルオレン、4,5
−メチレンフェナントレンなどになることを意味する。
この場合、インデン環が4,5−ベンゾインデンの場合
が好ましい。
【0009】X1 、X2 は、互いに同じでも異なってい
てもよく、水素原子、ハロゲン原子またはハロゲン原子
を含んでも良い炭素原子数1から20の炭化水素基また
はOR基、SR基、OCOR基、SO2 R基、OSO2
R基、NRR’基(ここで、R、R’は、水素原子また
は炭素原子数1から7の炭化水素基を意味し、ハロゲン
原子を含んでも良い)を意味する。具体的には、ハロゲ
ン原子とは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などを意味す
る。ハロゲン原子を含んでも良い炭素原子数1から20
の炭化水素基とは、メチル、エチル、n-プロピル、i-プ
ロピル、n-ブチル、i-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、
シクロペンチル、シクロヘキシルなどのアルキル基、ビ
ニル、プロペニルなどのアルケニル基、フェニル、トリ
ル、2,6−ジメチルフェニル、2,4,6−トリメチ
ルフェニルなどのアリール基、ベンジル、フェニルメチ
ル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、フェニル
エチルなどのアリールアルキル基、トリフルオロメチル
などのハロゲン化アルキル基、ペンタフルオロフェニル
などのハロゲン化アリール基などを意味する。また、O
R基はヒドロキシ基あるいはメトキシ、エトキシ、プロ
ポキシ、ブトキシなどのアルコキシ基あるいはフェノキ
シなどのアリーロキシ基を、SR基はメルカプト基ある
いはメチルチオなどのアルキルチオ基あるいはフェニル
チオなどのアリールチオ基を、OCOR基はカルボキシ
基あるいはメトキシカルボニルなどのアルコキシカルボ
ニル基を、SO2 R基はスルフィノ基あるいはメチルス
ルフィノなどのアルキルスルフィノ基あるいはフェニル
スルフィノなどのアリールスルフィノ基を、OSO2
基はスルフォ基あるいはメチルスルフォなどのアルキル
スルフォ基あるいはフェニルスルフォ、p−トルエンス
ルフォなどのアリールスルフォ基を、NRR’基はアミ
ノ基あるいはメチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチル
アミノ、ジブチルアミノなどのアルキルアミノ基あるい
はフェニルアミノなどのアリールアミノ基を意味する。
これらのうちX1 、X2 は、ハロゲン原子、あるいはメ
チル基などのアルキル基から選ばれることが望ましい。
【0010】R1 、R2 は、互いに同じでも異なってい
てもよく、水素原子、炭素原子数1から20の炭化水素
基または、OR基あるいはSR基(ここで、Rは、水素
原子または炭素原子数1から7の炭化水素基を意味し、
ハロゲン原子を含んでも良い)を意味し、互いに結合し
て環を形成してもよい。具体的には、炭素原子数1から
20の炭化水素基とは、メチル、エチル、n-プロピル、
i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、t-ブチル、n-ペンチ
ル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどのアルキル
基、ビニル、プロペニルなどのアルケニル基、フェニ
ル、トリル、2,6−ジメチルフェニル、2,4,6−
トリメチルフェニルなどのアリール基、ベンジル、フェ
ニルメチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、
フェニルエチルなどのアリールアルキル基を意味する。
また、OR基はヒドロキシ基あるいはメトキシ、エトキ
シ、プロポキシ、ブトキシなどのアルコキシ基あるいは
フェノキシなどのアリーロキシ基を、SR基はメルカプ
ト基あるいはメチルチオなどのアルキルチオ基あるいは
フェニルチオなどのアリールチオ基を意味する。好まし
くは、メチル基、エチル基、フェニル基から選択される
ことが望ましい。Y1 は炭素原子、ケイ素原子またはゲ
ルマニウム原子を意味する。(R1 −Y1 −R2 )nで
表される架橋部分は、n=1のものが特に好ましい。ま
た、R1 、R2 は、Y1 を含んで互いに結合して環を形
成してもよい。例えば、1,1−シクロヘキシリデン環
などが好ましい。
【0011】以上の本発明のメタロセン化合物として、 Me2Si[2-Me-4-(1-Naph)Ind](Flu)ZrCl2 Me2Si[2-Et-4-(1-Naph)Ind](Flu)ZrCl2 iPr[2-Me-4-(1-Naph)Ind](Flu)ZrCl2 Me2Si[2-Me-4-PhInd](Flu)ZrCl2 Me2Si[2-Et-4-PhInd](Flu)ZrCl2 iPr[2-Me-4-PhInd](Flu)ZrCl2 Me2Si[2-Me-4-iPrInd](Flu)ZrCl2 Me2Si[2-Et-4-iPrInd](Flu)ZrCl2 iPr[2-Me-4-iPrInd](Flu)ZrCl2 Me2Si[2-Me-4-EtInd](Flu)ZrCl2 iPr[2-Me-4-EtInd](Flu)ZrCl2 Me2Si[2,4-Me2Ind](Flu)ZrCl2 iPr[2,4-Me2Ind](Flu)ZrCl2 Me2Si[2,4,7-Me3Ind](Flu)ZrCl2 iPr[2,4,7-Me3Ind](Flu)ZrCl2 Me2Si[2-Me-4,6-iPr2Ind](Flu)ZrCl2 iPr[2-Me-4,6-iPr2Ind](Flu)ZrCl2 Me2Si[2-MeBenzind](Flu)ZrCl2 iPr[2-MeBenzind](Flu)ZrCl2 Me2Si[2-Me-4-(1-Naph)Ind](2,7-tBu2Flu)ZrCl2 iPr[2-Me-4-(1-Naph)Ind](2,7-tBu2Flu)ZrCl2 MePhSi[2-Me-4-(1-Naph)Ind](Flu)ZrCl2 Ph2Si[2-Me-4-(1-Naph)Ind](Flu)ZrCl2 Me2Ge[2-Me-4-(1-Naph)Ind](Flu)ZrCl2 及び対応するチタン、ハフニウム化合物等を例示するこ
とができる。特に、 Me2Si[2-Me-4-(1-Naph)Ind](Flu)ZrCl2 iPr[2-Me-4-(1-Naph)Ind](Flu)ZrCl2 Me2Si[2-Me-4-PhInd](Flu)ZrCl2 iPr[2-Me-4-PhInd](Flu)ZrCl2 が好ましい。ただし、上記の用語は、以下に対応するも
のとする。 Me =メチル基、Et =エチル基、iPr = イソプロピル基、
tBu = t−ブチル基、Ph=フェニル基、Naph =ナフチル
基、Ind = インデニル基、Benzind =4,5−ベンゾインデ
ニル基、Flu = フルオレニル基、Si[ ] = シリレン基、
iPr[ ] =イソプロピリデン基、Ge[ ] = ゲルミレン基、
Zr =ジルコニウム、Cl =クロライド 一般式(1)においてインデン環及びフルオレン環上の
置換基の位置を示す番号を、式(5)に示した。
【化5】 また、本発明のメタロセン化合物は、1種類或いは2種
類以上を組み合わせて使用することもできる。
【0012】該メタロセン化合物の代表的な合成経路を
以下に略記する。ただし、これによりその合成経路が限
定されるものではない。原料となる置換インデンは、市
販されているものを用いるか、あるいは公知の方法によ
って合成することができる。以下に示すのは、その一例
である。置換インデンは、例えば、Organometallics,1
3,954(1994)に従って、
【化6】 のように合成される。もう一方の原料となる置換フルオ
レン(11)
【0013】
【化7】 についても、市販のものを使用するか、必要によって
は、公知の技術によって合成することができる。次に、
置換インデン(10)を溶媒中で、n−ブチルリチウ
ム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、あるいは金属
ナトリウム、金属カリウムなどの強塩基を用いて脱プロ
トン化することにより、インデニルアニオン(12)
【化8】 「式中、M4 はリチウム、ナトリウム、カリウムなどの
アルカリ金属原子を意味する。」が得られる。上記の強
塩基によって脱プロトン化されたインデニルアニオン
(12)と化合物(13)
【化9】 「式中、X7 、X8 は、互いに同じでも異なっていても
よく、ハロゲン原子あるいは、OR基、SR基、OCO
R基,OSO2 R基、NRR' 基である。ここで、R、
R' は、水素原子または炭素原子数1から7の炭化水素
基を意味する。」とを反応させて、化合物(14)
【化10】 を得る。反応は、(12):(13)が、1:0.5か
ら1:50、特に1:1から1:20のモル比で行い、
基質の濃度は、0.1mol/lから10mol/lの
範囲で、反応温度が−78℃から120℃の範囲で行
う。この際、反応溶媒として、ペンタン、ヘキサン、ヘ
プタンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエンなど
の芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、テトラヒドロフ
ラン(THF)などのエーテル類などが好ましい。
【0014】さらに、この化合物(14)と、置換フル
オレン(11)を上記の強塩基によって脱プロトン化さ
れたフルオレニルアニオン(15)
【化11】 「式中、M5 はリチウム、ナトリウム、カリウムなどの
アルカリ金属原子を意味する。」とを、1:0.5から
1:50、特に1:1から1:20のモル比で反応さ
せ、化合物(16)
【化12】 を得る。以上の反応は、基質の濃度が、0.1mol/
lから10mol/lの範囲で、反応温度は、−78℃
から120℃、特に、−20℃から20℃の範囲で行
う。反応溶媒として、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンな
どの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエンなどの芳香族
炭化水素、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(T
HF)などのエーテルなどが好ましい。
【0015】一般式(16)で表される化合物は、n=
1かつY1 が炭素原子の場合、次に示す合成方法も有効
である。すなわち、置換インデン(10)とケトン(1
7)
【化13】 とを反応させて置換ベンゾフルベン(18)
【化14】 を得る。反応は、置換インデン(10)にエタノール中
のナトリウムエタノレートあるいはn−ブチルリチウ
ム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、あるいは金属
ナトリウム、金属カリウムなどの強塩基を作用させた
後、ケトン(20)を、(10):(17)が、1:
0.5から1:50、特に1:1から1:20のモル比
で反応させる。そして、この置換ベンゾフルベン(1
8)と置換フルオレン(12)とを、1:0.5から
1:50、特に1:1から1:20のモル比で反応さ
せ、化合物(19)
【化15】 を得る。
【0016】このようにして合成された化合物(19)
は、従来より文献から知られる公知の方法にてメタロセ
ン化合物とする(J.Am.Chem.Soc.,1995,95,6263 、Orga
nometallics 1995,14,5 など)。すなわち、化合物(1
9)を上記の強塩基によって脱プロトン化して、ジアニ
オン(20)
【化16】 「式中、M6 はリチウム、ナトリウム、カリウムなどの
アルカリ金属原子を意味する。」を得る。そして、化合
物(21) M1 (X1 n2 4-n) (21) 「式中、X1 、X2 は、互いに同じでも異なっていても
よく、ハロゲン原子あるいは、OR基、SR基、OCO
R基,OSO2 R基、NRR' 基である。ここで、R、
R' は、水素原子または炭素原子数1から7の炭化水素
基を意味する。また、n=1から3の整数である。」
と、化合物(16)あるいはジアニオン(20)とを反
応させてメタロセン化合物(1)を得る(ただし、X
1 、X2 がアルキル基の場合を除く)。以上の反応は、
基質の濃度が、0.01mol/lから10mol/l
の範囲で、反応温度は、−78℃から120℃、特に、
−78℃から30℃の範囲で行う。反応溶媒として、ペ
ンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素、ベ
ンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素、ジクロロメタ
ンなどのハロゲン化炭化水素、ジエチルエーテル、テト
ラヒドロフラン(THF)などのエーテルなどが好まし
い。一般式(1)において、X1 、X2 が炭化水素基の
場合、一般式(22) R32−M7 (22) 「式中、R32は炭素原子数1から20の炭化水素基、M
7 はリチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金
属原子を意味する。」で表されるアルキル化剤などを作
用させることにより、一般式(1)で表されるメタロセ
ン化合物が合成される。
【0017】本発明において重合に用いられる第2触媒
成分は、ルイス酸化合物であり、次の2種類に大別され
る。一つは、一般式(23)または(24)で表わされ
る有機アルミノキシ化合物である。
【化17】 [式(23)、(24)中、R33、R34、R35は、水素
原子、または、炭素原子数1から10の炭化水素基であ
り、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブ
チル基、イソブチル基であり、特に好ましくは、メチル
基、イソブチル基である。R36は、同じでも異なってい
てもよく、炭素原子数1から10の炭化水素基であり、
好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、イソブチル基であり、特に好ましくは、メチル基、
イソブチル基である。nは、1から100の整数であ
り、好ましくは、3から100の混合物からなる有機ア
ルミノキシ化合物である。また、(23)と(24)の
混合物であってもよい。]
【0018】この種の化合物の製法は、公知の方法を使
用し得る。例えば、結晶水を有する塩類を(硫酸銅水和
物、硫酸アルミ水和物)の炭化水素溶媒懸濁液にトリア
ルキルアルミニウムを添加する方法、あるいは、固体、
液体あるいは気体状の水を作用させる方法を例示するこ
とが出来る。nが2以上においてR36が同じ場合は、1
種類のトリアルキルアルミニウムを用い、各R36が異な
る場合は、2種以上のトリアルキルアルミニウムを用い
るか、1種類以上のトリアルキルアルミニウムと1種類
以上のジアルキルアルミニウムモノハライドを用いれば
良い。具体的には、トリメチルアルミニウム、トリエチ
ルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソ
プロピルアルミニウム、トリn−ブチルアルミニウム、
トリイソブチルアルミニウム、トリs−ブチルアルミニ
ウム、トリt−ブチルアルミニウム、トリペンチルブチ
ルアルミニウム、トリヘキシルブチルアルミニウム、ト
リシクロヘキシルブチルアルミニウムなどのトリアルキ
ルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジイ
ソブチルアルミニウムクロリドなどのジアルキルアルミ
ニウムハライド、ジメチルアルミニウムメトキシドなど
のジアルキルアルミニウムアリーロキシドなどの中から
選ばれる。その中でトリアルキルアルミニウム、特にト
リメチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムか
ら選ばれるのが好ましい。さらに、本発明に用いられる
有機アルミノキシ化合物は、水などの活性水素を有する
化合物とさらに反応させて、一般式(23)、(24)
の有機アルミノキシ化合物を架橋させたものであっても
よい。あるいは、リン原子、窒素原子、硫黄原子及び酸
素原子の中から選ばれる原子を分子内に少なくとも1つ
持ち、かつ活性水素を持たない有機極性化合物との付加
反応物であってもよい。また、上記有機アルミノキシ化
合物は、その経時変化を抑えるために、アルコール系な
どの添加剤を加えたものであってもよい。有機極性化合
物としては、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル等が
挙げられる。この場合、重合器壁へのポリマーの付着が
なく粉体性状に優れたポリオレフィンを重合することが
できる。
【0019】第2触媒成分としてのもう一つのグループ
は、メタロセン化合物と反応してイオン性の錯体を形成
する他のルイス酸化合物である。中でも、ホウ素化合物
が好ましく、特に、ペンタフルオロフェニル基、p−メ
チルテトラフルオロフェニル基、p−t−ブチルテトラ
フルオロフェニル基、p−トリメチルシリルテトラフル
オロフェニル基を有するホウ素化合物が好ましい。具体
的には、トリ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、テト
ラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸トリ(n−ブチ
ル)アンモニウム、テトラ(ペンタフルオロフェニル)
ホウ酸ジメチルアニリニウム、テトラ(ペンタフルオロ
フェニル)ホウ酸ピリジニウム、テトラ(ペンタフルオ
ロフェニル)ホウ酸フェロセニウム、テトラ(ペンタフ
ルオロフェニル)ホウ酸トリフェニルカルベニウム、ト
リ(ペンタフルオロフェニル)(4-メチル−2,3,
5,6−テトラフルオロフェニル)ホウ酸トリフェニル
カルベニウム、トリ(ペンタフルオロフェニル)(4−
t−ブチル−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ
ル)ホウ酸トリフェニルカルベニウムまたはトリ(ペン
タフルオロフェニル)(4-トリメチルシリル−2,3,
5,6−テトラフルオロフェニル)ホウ酸トリフェニル
カルベニウムなどを挙げることができる。
【0020】本発明において重合に用いられる第3の触
媒成分は、有機アルミニウム化合物である。例えば、ト
リメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ
プロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウ
ム、トリn−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアル
ミニウム、トリsec−ブチルアルミニウム、トリte
rt−ブチルアルミニウム、トリペンチルアルミニウ
ム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニ
ウム、トリシクトヘキシルアルミニウムなどのトリアル
キルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジ
エチルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウ
ムクロリドなどのジアルキルアルミニウムハライド、ジ
メチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウム
エトキシドなどのジアルキルアルミニウムアルコキシ
ド、ジエチルアルミニウムフェノキシドなどのジアルキ
ルアルミニウムアリーロキシド、あるいはアルミノキサ
ンなどの中から選ばれる。その中でトリアルキルアルミ
ニウム、特にトリメチルアルミニウム、トリエチルアル
ミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリオクチル
アルミニウムから選ばれるのが好ましい。また、一般式
(23)、(24)で表される有機アルミノキシ化合物
で代用してもよい。
【0021】本発明において重合に用いられる第4の触
媒成分は、微粒子担体である。本発明の第1から第3の
触媒成分は、それぞれ、または、そのすべてを微粒子担
体(以下、担体)に担持することができる。本発明に用
いられる微粒子担体は平均粒径が10〜300μm、好
ましくは、20〜200μmである。微粒子状であり、
重合媒体中で固体であれば特に制限はなく有機物、無機
物から選ばれる。無機物として、無機酸化物、無機塩化
物、無機炭酸塩、無機硫酸塩、無機水酸化物、或いは有
機物ポリマーから選ばれるのが好ましい。例えば、無機
物の担体として、シリカ、アルミナなどの酸化物、塩化
マグネシウムなどの塩化物、炭酸マグネシウム、炭酸カ
ルシウムなどの炭酸塩、硫酸マグネシウム、硫酸カルシ
ウムなどの硫酸塩、水酸化マグネシウム、水酸化カルシ
ウムなどの水酸化物などを例示することができる。有機
物として、有機ポリマー担体が挙げられ、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの微粒子が例示
できる。好ましくは、無機酸化物であり、特にシリカ、
アルミナ及びその複合酸化物から選ばれる事が望まし
い。これらの中で多孔質微粒子担体が好ましく、この場
合、反応容器内壁へのポリマーの付着が少なく、得られ
るポリマーの嵩密度が高くなり、特に好ましい。本発明
に係る多孔質微粒子としては、比表面積が10〜100
0m2/gの範囲であることが好ましく、更に100〜8
00m2/gの範囲であることが好ましく、特に好ましく
は、200〜600m2/gの範囲である。また、細孔体
積については、0.3〜3cc/gの範囲であることが
好ましく、更に0.5〜2.5cc/gの範囲であるこ
とが好ましく、特に好ましくは、1.0〜2.0cc/
gの範囲である。また、その処理条件によって吸着して
いる水の量や、表面水酸基の量が異なってくる。これら
の好ましい範囲としては、含水量が5重量%以下であ
り、表面水酸基量が表面積に対して1個/nm2 以上で
ある。含水量及び表面水酸基の量のコントロールは、焼
成の温度や、有機アルミニウム化合物や有機ホウ素化合
物などで処理することで行える。さらにまた、オレフィ
ンを予重合したものを使用することもできる。なお、本
発明の重合触媒は上記のような各成分以外にも、オレフ
ィン重合に有用な他の成分を含むことができる。
【0022】本発明においてポリオレフィン重合に供さ
れるオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−
ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、
1−オクテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−
1−ペンテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、スチ
レン等が挙げられる。また、本発明において重合に供さ
れる一般式(2)で表されるオレフィンとしては、プロ
ピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1
−ヘプテン、1−オクテン、3−メチル−1−ブテン、
4−メチル−1−ペンテン、シクロペンテン、シクロヘ
キセン、スチレン等が挙げられる。エチレンと式(2)
で表されるオレフィンとの共重合において用いられる式
(2)のオレフィンとしてはプロピレン、1−ブテン、
1−ヘキセン、1−オクテンが好ましく、特にプロピレ
ンが好ましい。更に、多価エンを重合に供することもで
きる。この場合、重合に供される多価エンとしては、非
共役のビニル基を複数個有し、少なくともビニル型の二
重結合を2つ以上有する炭素数5 〜80で分子量が1100以
下の多価エンが有効である。特に有効な多価エンは炭素
数8 〜20である。具体的には、1 ,4−ペンタジエン、
1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,7
−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジ
エン、1,13−テトラデカジエン、3−メチル- 1,
4−ペンタジエン、4−メチル−1,5−ヘキサジエ
ン、3−メチル−1,5−ヘキサジエン、1,5,9−
デカトリエン等が挙げられる。特に、1,5−ヘキサジ
エン、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエンが好
ましい。重合に供される多価エンは、一般式(2)で表
されるオレフィンに対して、0.05%から2%の範囲
が好ましい。
【0023】重合反応の際の、第1触媒成分と、他の触
媒成分との接触の時期は、任意に選択可能である。例え
ば、第1触媒成分と第2触媒成分とを予め接触(事前接
触)させ、一方、反応容器に第3触媒成分と重合に供す
るオレフィンを仕込んでおき、これに添加して重合反応
を開始する方法が挙げられる。または、反応容器に第3
触媒成分と重合に供するオレフィンを仕込み、第1触媒
成分と第2触媒成分とを別々に添加して重合反応を開始
してもよい。特に、第2触媒成分が、一般式(23)、
(24)の有機アルミノキシ化合物の場合、第1触媒成
分と第2触媒成分とを事前接触してから反応系に供給す
ると、重合活性が著しく向上する。また、第1から第3
触媒成分は、必要に応じて、必要な時期に、第4触媒成
分に担持することができる。この際の担持方法の順番
は、任意に選ぶことができるが、好ましくは、第4触媒
成分に第2触媒成分を混合接触後、第一触媒成分を接触
させるか、第1触媒成分と第2触媒成分を事前接触後、
第4触媒成分を混合接触させる方法が選ばれる。上記各
成分の混合は、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香
族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、デカン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シク
ロヘキサン等の脂環族炭化水素等の溶媒中、オレフィン
の存在下、または、非存在下にて調製することができ
る。混合する際の温度は、−70℃〜200℃、好まし
くは、−20℃〜120℃であり、混合時間は、1分か
ら600分である。また、混合する際の濃度は、第4触
媒成分1gあたり、第1触媒成分が10-6〜10-3mo
lの濃度で使用する。本発明に於て用いられる重合方法
は、溶液重合、スラリ−重合法、気相重合法あるいは高
温溶融重合法等、当業界で知られているいずれの方法も
可能であり、連続的あるいは不連続的に、また、一段階
または多段階で行うことができる。重合条件について
は、その使用プロセスでの限定される条件以外、特に制
限されるものではないが、重合温度は、0℃から300
℃、特に、20℃〜150℃、より好ましくは40℃〜
90℃で一般に用いられる。
【0024】本発明のポリオレフィン重合用触媒成分の
濃度については特に制限はないが、溶剤あるいは反応容
器体積に関して、第1触媒成分のメタロセン化合物の濃
度で、10-3〜10-10mol/lが好ましい。また、第
2触媒成分の場合、一般式(24)、(25)の有機ア
ルミノキシ化合物の濃度は、(有機アルミノキシ化合物
中のアルミニウム原子)/(メタロセン化合物)のモル
比で、10〜10000、特に、100〜5,000の
範囲が好ましく、他のルイス酸化合物の場合、(ルイス
酸化合物)/(メタロセン化合物)のモル比で、0.1
〜100、特に、0.2〜10の範囲が好ましい。第3
触媒成分の場合、第1触媒成分のメタロセン化合物と有
機アルミニウム化合物とのモル比(有機アルミニウム化
合物中のアルミニウム原子)/(メタロセン化合物)
で、10〜100,000、好ましくは100〜10,
000の範囲である。また重合時に用いられる有機アル
ミニウム化合物は、第1触媒成分あるいは第2触媒成分
と事前接触して用いても良いし、また事前接触無しに用
いてもよい。また、重合に際しての分子量の調節は、公
知の手段、例えば、温度の選定あるいは水素の導入によ
り行うことができる。
【0025】本発明のオレフィン重合用触媒は、他のオ
レフィン重合用触媒と組み合わせて使用することができ
る。エチレンを重合する場合、或いは、エチレンと一般
式(2)で表されるオレフィン1種類以上を共重合させ
る場合、本発明のメタロセン化合物を他の一般に知られ
るメタロセン化合物と併用させることにより、分子量分
布の異なるエチレン系重合体が重合可能となる。
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】本発明のポリオレフィンは、種々の樹脂の
改質材、配合材としても使用し得る。エチレンを重合
し、或いは、エチレンと一般式(2)で表されるオレフ
ィン1種類もしくは2種類以上を共重合して得られるポ
リオレフィンは、他のポリオレフィンとブレンドするこ
とによってその成形性あるいは最終製品の性能を向上さ
せる事ができる。本発明を以下の実施例において更に説
明するが、本発明の範囲はそれにより限定されるもので
はない。
【0030】
【実施例】以下の実施例において、本発明のメタロセン
化合物は以下の手法で同定を行った。 1 H−NMR : 重クロロホルム中、30℃で測定した。質量分析 : 直接導入法により試料を導入し、電子衝撃法(70eV)
にてイオン化し、測定した。また、重合体の物性測定
は、以下の通りに実施した。 13 C−NMR : 重ベンゼンと1,3,5−トリクロロベンゼンの混合溶
媒(1:3wt比)中、120℃で行った(測定モー
ド:プロトンデカップリング法、パルス幅:8.0μs
、パルス繰り返し時間:3.0s 、積算回数:200
00回、内部標準:ヘキサメチルジシロキサン)。エチ
レン系共重合体のコモノマーの組成分布を示す反応性比
12 およびポリマー鎖中のコモノマーの割合は、J.
Polm.Sci.,Polym.Chem.29,1585(1991)、Polym.Bull.26,
325(1991) に従って計算した。ゲルパーミネーションクロマトグラフィー(GPC) : 1,2,4-トリクロロベンゼン中、カラム温度135℃、溶
媒流量1ml/分で行った。示差走査熱量測定(DSC) : 230℃に加熱後、230℃で5分間保持し、20℃/
分の冷却走査で結晶化熱量測定、再び25℃で5分間保
持し、20℃/分の加熱走査で融解熱量測定を行った。
【0031】さらに、エチレン系重合体について以下の
測定を行った。メルトフローレイト(MFR) :JIS K−6760
に従い、温度190℃、荷重2.16kgの条件で測定
した。ハイロードメルトフローレイト(HLMFR) :JIS
K−6760に従い、温度190℃、荷重21.6k
gの条件で測定した。密度 :JIS K−6760に従い、23℃で、190
℃にてプレスしたサンプルをカットしてエタノール中で
脱気した後に密度勾配管で測定した。溶融張力(MT) :ポリマー粉体を測定サンプルとし、
オリフィス内径2.095±0.005mm、オリフィ
ス長さ8.000±0.025、樹脂温度190℃、押
し出し速度15mm/分、巻取り速度6.5m/分の条
件で測定した。
【0032】なお物性測定に使用した分析機器は下記の
とおり。 NMR 日本電子製 EX−400 質量分析 日本電子製 AX−500 GPC Waters 150C (Shodex; GPC AT-806MS カラム) DSC Perkin Elmer DSC7 MT 東洋精機製作所製メルトテンションテスターII型
【0033】また、公知のメタロセン化合物のうち、以
下の化合物について、それぞれ公知の文献に従い合成し
た。すなわち、 特開昭63-235309 :ビス(1,2,4−トリメチルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド J.Organomet.Chem.,288,63(1985):エチリデンビス(イ
ンデニル)ジルコニウムジクロライド USP5,001,205:ジメチルシリレンビス(テトラヒドロイ
ンデニル)ジルコニウムジクロライド である。
【0034】(メタロセン化合物の合成) 実施例1ジメチルシリレン(2−メチル−4−(1−ナフチル)
インデニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロ
ライド(IMNFZ)の合成 (1)ジメチル(2−メチル−7−(1−ナフチル)イ
ンデニル)(9−フルオレニル)シランの合成 反応は、すべて窒素ガス雰囲気下で行なった。また、使
用したガラス製反応容器は、すべてあらかじめ乾燥した
ものを使用した。乾燥テトラヒドロフラン(THF)1
00mlに2−メチル−7−(1−ナフチル)インデン
(Organometallics,1994,13,954 に従って合成)5.0
g(19.5mmol)を溶解させ、これに1.6mo
l/lのn-ブチルリチウムヘキサン溶液13.0ml
(20.8mmol)を氷浴下加えた。室温で3時間反
応させ淡褐色溶液を得た。一方、ジメチルジクロロシラ
ン2.7g(21mmol)をTHF200mlに溶か
した溶液を0℃に冷却し、先の橙色溶液を2時間で滴下
した。滴下後、室温に上げて、12時間撹拌した。次
に、フルオレン3.32g(20mmol)とn-ブチル
リチウム溶液13.0mlから同様に調製したフルオレ
ニルリチウム溶液を、氷冷下、15分で滴下、さらに、
室温に上げて12時間撹拌した。反応溶液は、塩化アン
モニウム水溶液と撹拌後、ジエチルエーテル500ml
に抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。カラムクロ
マトグラフィー(シリカゲル、展開溶媒n-ヘキサン)に
て、原料と分離し、目的物5.6g(11.7mmo
l、収率59%)を得た。 この化合物の元素分析値を下に示す。 元素分析値 :(C3530Si) 計算値(%) :C;87.82 , H;6.32 実測値(%) :C;87.95 , H;6.55 (2)次のジルコニウム錯体への合成反応は、すべてア
ルゴンガス雰囲気下で行なった。乾燥THF100ml
にジメチル(2−メチル−7−(1−ナフチル)インデ
ニル)(9−フルオレニル)シラン6.5g(13.6
mmol)を溶解させ、これに1.65mol/lのn
−ブチルリチウムヘキサン溶液18.7ml(28.7
mmol)を氷冷下で加えた。室温で2時間反応させた
のち、THFを減圧で留去した。さらに−78℃に冷却
しながら乾燥トルエン50ml加え、緑褐色懸濁溶液と
した。別途用意しておいたフラスコに四塩化ジルコニウ
ム3.2g(13.6mmol)を、乾燥トルエン10
0mlに懸濁させた。これを−78℃に冷却し、先の緑
褐色トルエン溶液を冷却したままカニュウレで添加し
た。−78℃で1時間撹拌後、室温に上げて10時間反
応させ、赤色懸濁溶液を得た。懸濁溶液は、遠心分離に
て、トルエン溶液部分を除去し、赤色固体を分離した。
これを、ソックスレー抽出器によって、乾燥塩化メチレ
ン600mlに抽出し、得られた赤色透明溶液を濃縮し
て、赤色結晶を析出させた。 質量分析「EI(70eV)、直接導入法」638(M
+)1 H−NMR(400NHz,CDCl3) δ1.43(3H,Si-C
H3)、1.60(3H,Si-CH3)、2.17(3H,Ind-CH3)
、6.25(1H,Ind-H )、6.9−8.4(18H、Ar
yl-H) 元素分析値 :(C3528SiZrCl2) 計算値(%) :C;65.81 , H;4.42 実測値(%) :C;64.20 , H;3.91
【0035】実施例2ジメチルシリレン(2−メチル−4−フェニルインデニ
ル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド
(IMPFZ)の合成 (1)ジメチル(2−メチル−7−フェニルインデニ
ル)(9−フルオレニル)シランの合成 実施例1と同様の手順に従った。すなわち、乾燥テトラ
ヒドロフラン(THF)100mlに2−メチル−7−
フェニルインデン(Organometallics,1994,13,954に従
って合成)6.3g(30.5mmol)を溶解させ、
これに1.6mol/lのn-ブチルリチウムヘキサン溶
液21.0ml(33.6mmol)を氷浴下加えた。
室温で3時間反応後、ジメチルジクロロシラン4.4g
(34mmol)をTHF200mlに溶かした溶液
に、氷冷下、2時間で滴下した。滴下後、室温に上げ
て、12時間撹拌した。次に、フルオレン5.1g(3
0.5mmol)とn-ブチルリチウム溶液21.0ml
から同様に調製したフルオレニルリチウム溶液を、氷冷
下、15分で滴下、さらに、室温に上げて12時間撹拌
した。反応溶液は、塩化アンモニウム水溶液と撹拌後、
ジエチルエーテルに抽出、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、展開溶媒
n-ヘキサン)にて、原料と分離し、目的物8.5g(1
9.8mmol、収率65%)を得た。この化合物の元
素分析値を下に示す。 元素分析値 :(C3128Si) 計算値(%) :C;86.92 , H;6.54 実測値(%) :C;86.95 , H;6.75 (2)次のジルコニウム錯体への合成反応も実施例1と
同様の手順に従った。乾燥THF100mlにジメチル
(2−メチル−7−フェニルインデニル)(9−フルオ
レニル)シラン6.8g(15.9mmol)を溶解さ
せ、これに1.65mol/lのn−ブチルリチウムヘ
キサン溶液21.8ml(35.0mmol)を氷冷下
で加えた。室温で2時間反応させたのち、THFを減圧
で留去した。さらに−78℃に冷却しながら乾燥トルエ
ン50ml加えた。別途用意しておいたフラスコに四塩
化ジルコニウム3.7g(15.9mmol)を、乾燥
トルエン100mlに懸濁させた。これを−78℃に冷
却し、先の緑褐色トルエン溶液を冷却したままカニュウ
レで添加した。−78℃で1時間撹拌後、室温に上げて
10時間反応させ、赤色懸濁溶液を得た。懸濁溶液は、
遠心分離にて、トルエン溶液部分を除去し、赤色固体を
分離した。これを、ソックスレー抽出器によって、乾燥
塩化メチレンに抽出し、得られた赤色透明溶液から、赤
色結晶を得た。 質量分析「EI(70eV)、直接導入法」588(M
+)1 H−NMR(400MHZ,CDCl3) δ1.43(3H,Si-C
H3)、1.60(3H,Si-CH3)、2.21(3H,Ind-CH3)
、6.40(1H,Ind-H)、6.9−8.4(18H,Aryl-
H) 元素分析値 :(C3126SiZrCl2) 計算値(%) :C;63.27 , H;4.42 実測値(%) :C;63.20 , H;4.20
【0036】(エチレン系重合体の製造) 実施例3メチルアルミノキサンの担体への担持 十分に窒素置換した100mlフラスコにトルエン25
mlとシリカ(デビソン952を300℃、4時間焼成
したもの)1.5gを加え、この懸濁液にメチルアルミ
ノキサン(東ソーアクゾ製、1.35mol/l (Al原子
換算)トルエン溶液)37mlを加え、室温にて30分
撹拌した。その後、減圧条件下で溶媒を留去した。ヘプ
タン50mlを加えて、80℃にて、4時間撹拌を行っ
た。その後、80℃にてヘプタンで2回洗浄を行い固体
成分を得た。得られた固体成分は、その33wt%がメ
チルアルミノキサンであった。重合 十分に窒素置換した内容積1.5lのSUS製オ−トク
レ−ブに、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液
(0.5mol/l)を3.2ml、上記にて調製した
シリカに担持したメチルアルミノキサンを105mg、
実施例1にて合成したジメチルシリレン(2−メチル−
4−(1−ナフチル)インデニル)(9−フルオレニ
ル)ジルコニウムジクロライド(IMNFZ)2.02
mgをトルエン6mlに溶解した溶液及びイソブタン8
00mlを導入した後、70℃に昇温した。エチレンを
導入することで重合を開始し、エチレン圧10kg/c
2、70℃にて30分重合を行ない、69.3gのポ
リマーを得た。錯体当たりの活性は、6.9kg- ポリ
マー/g- 錯体・hr・atmであった。このポリマー
の物性値は、以下のとおりであった。 Mw=990,000、Mw/Mn=4.25 密度は0.948g/cm3 、融点は132℃、溶融張力は
測定不可能であった。
【0037】実施例4 十分に窒素置換した内容積1.5lのSUS製オ−トク
レ−ブに、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液
(0.5mol/l)を3.2ml、実施例3にて調製
したシリカに担持したメチルアルミノキサンを105m
g、実施例1にて合成したジメチルシリレン(2−メチ
ル−4−(1−ナフチル)インデニル)(9−フルオレ
ニル)ジルコニウムジクロライド(IMNFZ)2.0
2mgをトルエン6mlに溶解した溶液及びイソブタン
800mlを導入した後、70℃に昇温した。エチレン
と水素の混合ガス(H2 /C2 (wt比)=4×1
-5)を導入することで重合を開始し、混合ガス圧10
kg/cm2 、70℃にて30分重合を行ない、37.
6gのポリマーを得た。錯体当たりの活性は3.7kg
- ポリマー/g- 錯体・hr・atmであった。 HLMFR=0.11、Mw=407,000、Mw/
Mn=3.94 密度は0.957g/cm3 、融点は132℃、溶融張力は
測定不可能であった。
【0038】実施例5〜7 混合ガス比を変えて、実施例4と同様に重合を行った。
重合条件と結果を表1に、得られたポリマーの物性値を
表2にまとめた。
【0039】実施例8〜10 メタロセン化合物として実施例2で合成したジメチルシ
リレン(2−メチル−4−フェニルインデニル)(9−
フルオレニル)ジルコニウムジクロライド(IMPF
Z)を用いて、実施例3〜7と同様に重合を行った。重
合条件と結果を表1に、得られたポリマーの物性値を表
2にまとめた。
【0040】比較例1 メタロセン化合物にイソプロピリデン(インデニル)
(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド(a)を用
いて、実施例3と同様に重合を行った。重合条件と結果
を表1に、得られたポリマーの物性値を表2にまとめ
た。
【0041】比較例2〜3 メタロセン化合物にビス(n−ブチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロライド(b)を用いて、実施
例3〜4と同様に重合を行った。重合条件と結果を表1
に、得られたポリマーの物性値を表2にまとめた。
【0042】比較例4〜5 メタロセン化合物にビス(1−メチル−3−n−ブチル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド
(c)を用いて、実施例3〜4と同様に重合を行った。
重合条件と結果を表1に、得られたポリマーの物性値を
表2にまとめた。
【0043】比較例6 メタロセン化合物にビス(1,2,4−トリメチルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド(d)を
用いて、実施例4と同様に重合を行った。重合条件と結
果を表1に、得られたポリマーの物性値を表2にまとめ
た。
【0044】比較例7〜8 メタロセン化合物にエチリデンビス(インデニル)ジル
コニウムジクロライド(e)を用いて、実施例3〜5と
同様に重合を行った。重合条件と結果を表1に、得られ
たポリマーの物性値を表2にまとめた。
【0045】以上の結果から、MTとMFRの関係を図
1にまとめた。以上の実施例と比較例1〜6との比較か
ら、本発明のメタロセン化合物が、溶融張力の高いポリ
エチレンを重合する触媒となり得ることがわかる。特
に、比較例1との比較から、インデン環とフルオレン環
を有する架橋型メタロセン化合物群の中でも、本発明の
置換基を有する一群が、特異的に溶融張力の高いポリエ
チレンを重合する触媒となり得ることがわかる。さらに
比較例7〜8との比較から、本発明のメタロセン化合物
が、従来高溶融張力ポリエチレンを重合する触媒となる
ことが知られているメタロセン化合物と比べて、重合に
おいて水素を導入した場合でもより高分子量のポリエチ
レンが重合可能であることがわかる。
【0046】(エチレン系共重合体の製造) 実施例11 十分に窒素置換した内容積1.5lのSUS製オ−トク
レ−ブに、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液
(0.5mol/l)を1.1ml、上記にて調製した
シリカに担持したメチルアルミノキサンを36mg、実
施例1にて合成したジメチルシリレン(2−メチル−4
−(1−ナフチル)インデニル)(9−フルオレニル)
ジルコニウムジクロライド(IMNFZ)を0.69m
gをトルエン6mlに溶解した溶液、1−ヘキセン90
g及びイソブタン800mlを導入した後、70℃に昇
温した。エチレンを導入することで重合を開始し、エチ
レン圧10kg/cm2 、70℃にて30分重合を行な
い、173gのポリマーを得た。錯体当たりの活性は、
49.4kg- ポリマー/g- 錯体・hr・atmであ
った。このポリマーの物性値は、以下のとおりであっ
た。 Mw=705,000、Mw/Mn=4.16 密度は0.88g/cm3 以下、DSCでは、融解および結
晶化によるエンタルピーのピークは検出されなかった。
13C−NMRの測定から、ポリマー鎖中のヘキセン含有
量は35.2wt%、r12 =0.49であった。
【0047】実施例12 十分に窒素置換した内容積1.5lのSUS製オ−トク
レ−ブに、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液
(0.5mol/l)を3.2ml、実施例3にて調製
したシリカに担持したメチルアルミノキサンを105m
g、実施例1にて合成したジメチルシリレン(2−メチ
ル−4−(1−ナフチル)インデニル)(9−フルオレ
ニル)ジルコニウムジクロライド(IMNFZ)を0.
69mgをトルエン6mlに溶解した溶液、1−ヘキセ
ン90g及びイソブタン800mlを導入した後、70
℃に昇温した。エチレンと水素の混合ガス(H2 /C2
(wt比)=5.2×10-5)を導入することで重合を
開始し、混合ガス圧10kg/cm2 、70℃にて30
分重合を行ない、191gのポリマーを得た。錯体当た
りの活性は、18.2kg- ポリマー/g- 錯体・hr
・atmであった。このポリマーの物性値は、以下のと
おりであった。 HLMFR=1.85、Mw=251,000、Mw/
Mn=4.20 密度は0.88g/cm3 以下、DSCでは、融解および結
晶化によるエンタルピーのピークは検出されなかった。
13C−NMRの測定から、ポリマー鎖中のヘキセン含有
量は35.7wt%、r12 =0.51であった。
【0048】実施例13 混合ガス比を変えて、実施例12と同様に重合を行っ
た。重合条件と結果を表3に、得られたポリマーの物性
値を表4にまとめた。
【0049】実施例14〜15 1−ヘキセンの量を変えて、実施例13と同様に重合を
行った。重合条件と結果を表3に、得られたポリマーの
物性値を表4にまとめた。
【0050】実施例16〜17 メタロセン化合物にIMPFZを用いて、実施例11、
15と同様に重合を行った。重合条件と結果を表3に、
得られたポリマーの物性値を表4にまとめた。
【0051】比較例9 メタロセン化合物にイソプロピリデン(インデニル)
(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド(a)を用
いて、実施例11と同様に重合を行った。重合条件と結
果を表3に、得られたポリマーの物性値を表4にまとめ
た。
【0052】比較例10〜11 メタロセン化合物にビス(n−ブチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロライド(b)を用いて、実施
例11〜12と同様に重合を行った。重合条件と結果を
表3に、得られたポリマーの物性値を表4にまとめた。
【0053】比較例12〜13 メタロセン化合物にエチリデンビス(インデニル)ジル
コニウムジクロライド(e)を用いて、実施例11〜1
2と同様に重合を行った。重合条件と結果を表3に、得
られたポリマーの物性値を表4にまとめた。
【0054】比較例14 メタロセン化合物にジメチルシリレンビス(テトラヒド
ロインデニル)ジルコニウムジクロライド(f)を用い
て、実施例11と同様に重合を行った。重合条件と結果
を表3に、得られたポリマーの物性値を表4にまとめ
た。
【0055】以上の実施例より、エチレン系共重合体の
重合に於いて、本発明のメタロセン化合物が、コモノマ
ー分布の均一性を維持しつつ高分子量化を達成すること
が出来ることがわかる。さらに、本発明の触媒系は、従
来のメタロセン触媒に比べて、コモノマーの転化率(仕
込むコモノマーに対して、重合反応によってポリマー鎖
中に取り込まれる割合)が高いこともわかる。
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】
【表3】
【0069】
【表4】
【0070】
【0071】
【0072】
【0073】
【発明の効果】本発明のメタロセン化合物を必須触媒成
分としてオレフィンを重合すれば、重合に供するオレフ
ィンの違いにより、次のような複数の効果を発揮する。
すなわち、エチレン重合体製造の場合、溶融張力の高い
重合体を、高分子量のものまで重合することができる。
エチレン系共重合体製造の場合、コモノマー分布の均一
性に優れた重合体が、高分子量領域まで重合可能とな
る。また、コモノマーのポリマー鎖中への取り込み率が
高く、コスト面においても優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるエチレン重合体のMTとMFR
の関係。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀 昭博 大分県大分市大字中の洲2番地 昭和電 工株式会社 大分研究所内 (72)発明者 石田 清孝 大分県大分市大字中の洲2番地 昭和電 工株式会社 大分研究所内 (72)発明者 三宅 重信 大分県大分市大字中の洲2番地 昭和電 工株式会社 大分研究所内 (72)発明者 稲沢 伸太郎 大分県大分市大字中の洲2番地 昭和電 工株式会社 大分研究所内 (56)参考文献 特開 平5−345793(JP,A) 特開 平5−239082(JP,A) 特開 平5−239083(JP,A) 特開 平7−278169(JP,A) 特開 平8−59729(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 4/64 - 4/658 CAPLUS(STN)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 [式中、M1は、Ti、Zr、Hfのいずれかの遷移金
    属原子を意味する。X1及びX2は互いに同じでも異なっ
    ていてもよく、ハロゲン原子を意味する。R1及びR2
    互いに同じでも異なっていてもよく、水素原子または炭
    素原子数1から20の炭化水素基を意味する。R3は、
    炭素原子数1から5の炭化水素基を意味し、ケイ素原子
    を含んでもよい。R4は、炭素原子数1から20の炭化
    水素基で、ケイ素原子を含んでもよい。R5〜R15は互
    いに同じでも異なっていてもよく、水素原子または炭素
    原子数1から20の炭化水素基で、ケイ素原子を含んで
    もよい。Y1は、炭素原子またはケイ素原子を意味す
    る。nは、1である。]で表されるメタロセン化合物か
    らなるポリオレフィン製造用触媒成分。
  2. 【請求項2】 R3がメチル基またはエチル基であり、
    かつR4がメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−
    プロピル基または炭素原子数6から20のアリール基で
    ある請求項1に記載のポリオレフィン製造用触媒成分。
  3. 【請求項3】 R3がメチル基またはエチル基であり、
    かつR4がフェニル基または1−ナフチル基であり、か
    つR5からR15が水素原子である請求項1に記載のポリ
    オレフィン製造用触媒成分。
  4. 【請求項4】 (A)請求項1から3のいずれかに記載
    の触媒成分、 (B)ルイス酸化合物、 (C)有機アルミニウム化合物、及びからなるポリオレ
    フィン製造用触媒。
  5. 【請求項5】 (A)請求項1から3のいずれかに記載
    の触媒成分、 (B)ルイス酸化合物、 (C)有機アルミニウム化合物、及び (D)微粒子担体からなるポリオレフィン製造用触媒。
  6. 【請求項6】 請求項4または請求項5に記載の触媒を
    用いることを特徴とする、エチレンを単独重合あるい
    は、エチレンと一般式(2) R16−CH=CH−R17 (2) [式(2)中、R16、R17は、互いに同じでも異なって
    いても良く、水素原子または炭素原子数1から14の炭
    化水素基を意味し、互いに環を形成しても良い。ただ
    し、エチレンを除く。]で表されるオレフィン1種類以
    上とを共重合するポリオレフィンの製造方法。
JP25142695A 1994-10-13 1995-09-28 ポリオレフィン製造用触媒成分、該成分を含むポリオレフィン製造用触媒及びポリオレフィンの製造方法 Expired - Fee Related JP3537236B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25142695A JP3537236B2 (ja) 1994-10-13 1995-09-28 ポリオレフィン製造用触媒成分、該成分を含むポリオレフィン製造用触媒及びポリオレフィンの製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24813094 1994-10-13
JP6-248130 1994-10-13
JP25142695A JP3537236B2 (ja) 1994-10-13 1995-09-28 ポリオレフィン製造用触媒成分、該成分を含むポリオレフィン製造用触媒及びポリオレフィンの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08165310A JPH08165310A (ja) 1996-06-25
JP3537236B2 true JP3537236B2 (ja) 2004-06-14

Family

ID=26538615

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25142695A Expired - Fee Related JP3537236B2 (ja) 1994-10-13 1995-09-28 ポリオレフィン製造用触媒成分、該成分を含むポリオレフィン製造用触媒及びポリオレフィンの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3537236B2 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR19980017267A (ko) * 1996-08-30 1998-06-05 백영배 폴리프로필렌 탄성체의 제조방법
EP1650233A1 (en) * 2004-10-25 2006-04-26 Total Petrochemicals Research Feluy Catalyst component comprising three or more bridged bisindenyl metallocene components
EP1877453A1 (en) * 2005-05-03 2008-01-16 Basell Polyolefine GmbH Process for the polymerization of alpha olefins
KR101670468B1 (ko) * 2013-11-18 2016-10-28 주식회사 엘지화학 폴리올레핀의 제조 방법 및 이로부터 제조된 폴리올레핀
KR101691628B1 (ko) * 2013-11-18 2017-01-09 주식회사 엘지화학 폴리올레핀의 제조 방법 및 이로부터 제조된 폴리올레핀
KR101685663B1 (ko) * 2013-11-18 2016-12-12 주식회사 엘지화학 폴리올레핀의 제조 방법 및 이로부터 제조된 폴리올레핀
JP6379526B2 (ja) * 2014-03-05 2018-08-29 東ソー株式会社 ポリエチレン系重合体製造用触媒及びそれを用いてなるポリエチレン系重合体の製造方法
KR101973191B1 (ko) 2015-06-05 2019-04-26 주식회사 엘지화학 메탈로센 담지 촉매 및 이를 이용하는 폴리올레핀의 제조 방법
JP7112424B2 (ja) * 2017-03-30 2022-08-03 ボレアリス エージー アルミノキサンで活性化されたメタロセン触媒
KR102382131B1 (ko) * 2018-12-11 2022-04-01 한화솔루션 주식회사 폴리올레핀 및 이의 제조 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08165310A (ja) 1996-06-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0707016B1 (en) Catalyst component for producing polyolefin, catalyst for producing polyolefin comprising the catalyst component, and process for producing polyolefin in the presence of the catalyst
AU648172B2 (en) Process for the preparation of syndiotactic polyolefins having a broad molecular weight distribution
JP2669833B2 (ja) オレフインの重合及びオレフインの共重合のための触媒系
KR100405780B1 (ko) 폴리올레핀제조용촉매및폴리올레핀의제조방법
AU6727698A (en) Supported catalyst system, method for the production and use thereof in olefin polymerization
JP2000511156A (ja) 開放ペンタジエニルメタロセン類、その前駆物質とそれからの重合触媒
WO2003000744A1 (en) Metallocene catalysts containing an idenyl moiety substituted at the 4-, 5-, 6- or 7-position by a siloxy or germyloxy group
JP3537236B2 (ja) ポリオレフィン製造用触媒成分、該成分を含むポリオレフィン製造用触媒及びポリオレフィンの製造方法
JP3537234B2 (ja) ポリオレフィン製造用触媒成分、該成分を含むポリオレフィン製造用触媒及びポリオレフィンの製造方法
US6365763B1 (en) Method for producing metallocenes
US6319874B1 (en) Method for producing metallocenes
US12098158B2 (en) Transition metal compound, catalyst composition and method for preparing polypropylene using the same
US6303714B1 (en) Catalyst component for olefin polymerization catalyst for olefin polymerization, and process for preparing polyolefin
JPH07145203A (ja) ポリオレフィンの製造方法
JPH072935A (ja) ポリオレフィン製造用触媒成分およびポリオレフィンの製造方法
JP3858372B2 (ja) オレフィン重合用触媒およびそれを用いたポリオレフィンの製造方法
JP3408594B2 (ja) ポリオレフィンの製造方法
JP3773304B2 (ja) オレフィン重合用触媒成分、その成分を含むオレフィン重合用触媒およびポリオレフィンの製造方法
JP3860638B2 (ja) 遷移金属化合物および該遷移金属化合物からなるオレフィン重合用触媒成分
JP3887905B2 (ja) オレフィン重合用触媒およびそれを用いたポリオレフィンの製造方法
JPH11236409A (ja) オレフィン重合用触媒成分、オレフィン重合用触媒及びポリオレフィンの製造方法
JPH11236408A (ja) オレフィン重合用触媒及びポリオレフィンの製造方法
JP2008121030A (ja) 多分散性プロピレン重合体およびその製造方法
JP2000103808A (ja) オレフィン重合用触媒およびこれを用いたオレフィン重合体の製造方法
JP2001288221A (ja) プロピレン重合体

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20031219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20031224

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040219

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040316

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040316

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees