JP3322795B2 - 末端修飾ポリオレフィン - Google Patents

末端修飾ポリオレフィン

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JP3322795B2
JP3322795B2 JP16868996A JP16868996A JP3322795B2 JP 3322795 B2 JP3322795 B2 JP 3322795B2 JP 16868996 A JP16868996 A JP 16868996A JP 16868996 A JP16868996 A JP 16868996A JP 3322795 B2 JP3322795 B2 JP 3322795B2
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F8/00Chemical modification by after-treatment

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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、末端修飾ポリオレ
フィン及びその製造方法に関し、更に詳しくは、ポリマ
ー末端が(メタ)アクリル酸誘導体ユニットで修飾され
たポリプロピレン又はエチレン−プロピレンランダム共
重合体等の末端修飾ポリオレフィン及びその製造方法
関する。
【0002】
【従来の技術】従来のチーグラー・ナッタ型触媒による
プロピレン等のα−オレフィンの重合においては、重合
時に連鎖移動反応や停止反応が起きてしまい、得られる
ポリマーの末端のみを、置換基で修飾するのは困難であ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリプロピ
レン又はエチレン−プロピレンランダム共重合体の末端
のみが、メタクリル酸(アクリル酸)誘導体ユニットで
修飾され、かつ単分散に近い末端修飾ポリオレフィン
びその製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を行った結果、連鎖移動反応や停止反応を伴わない特定
の重合触媒を用いて得られるリビングポリプロピレン又
はリビングエチレン−プロピレンランダム共重合体にメ
タクリル酸(アクリル酸)誘導体を反応させることによ
り、本発明の目的が達成し得ることを見出して本発明を
完成した。
【0005】即ち、本発明は、 (1)ポリプロピレン又はエチレン−プロピレンランダ
ム共重合体の末端が下記一般式Iで表される置換基で修
飾されてなる末端修飾ポリオレフィン、を要旨とする。
【化2】 〔但し、Rは水素原子若しくはメチル基、nは2〜10
の整数をそれぞれ示す。〕 本発明の好ましい態様として、以下のものが挙げられ
る。
【0006】(2)数平均分子量が800〜400,0
00であるポリプロピレン又は数平均分子量が500〜
500,000であるエチレン−プロピレンランダム共
重合体の片末端が、付加反応により下記一般式IIで表
される置換基で修飾されてなる、末端修飾ポリオレフィ
ン、 一般式II
【化4】 [但し、Rは水素原子若しくはメチル基、mは0.1〜
100の数、nは2〜10の整数をそれぞれ示す。
【0007】(3)上記(1)、(2)項記載の末端修
飾ポリオレフィンのnが3〜6である末端修飾ポリオレ
フィン。 (4)上記(2)項記載の末端修飾ポリオレフィンのm
が0.1〜10である末端修飾ポリオレフィン。本発明
は、更に、 (5)下記一般式IIIで表されるバナジウム化合物と
有機アルミニウム化合物とからなる触媒の存在下で、プ
ロピレンを重合して得られるリビングポリプロピレン、
又はエチレンとプロピレンとをランダム共重合して得ら
れるリビングエチレン−プロピレンランダム共重合体を
下記一般式IVで表されるメタクリル酸(アクリル酸)
誘導体と反応させることを特徴とする上記(2)項記載
の末端修飾ポリオレフィンの製造方法。
【0008】
【化4】 〔R1 〜R3 は水素原子又は炭素数1〜8個の炭化水素
基を示す。但し、R1 〜R3 の少なくとも一つは水素原
子である必要があるが、R1 〜R3 の全部が水素原子で
あってはならない。〕
【0009】
【化5】 〔但し、Rとnは前記式Iと同じ。〕 該製造方法において、このまし態様としては、以下の
ものが挙げられる。
【0010】(6)バナジウム化合物として下記の化合
物の内の少なくとも一種を用いることを特徴とする上記
(5)項記載の末端修飾ポリオレフィンの製造方法。
【化6】
【0011】(7)有機アルミニウム化合物として、炭
素数2ないし6個のアルキル基を有するジアルキルアル
ミニウムモノハライド、モノアルキルアルミニウムジハ
ライド、アルキルアルミニウムセスキハライドの内から
選ばれる少なくとも一種を用いることを特徴とする上記
(5)、(6)項記載の末端修飾ポリオレフィンの製造
方法。 (8)エチレン、プロピレン1モル当たり、バナジウム
化合物の使用量が1×10-5〜5×10-2モル、有機ア
ルミニウム化合物の使用量が5×10-4〜0.1モルの
範囲であることを特徴とする上記(5)〜(7)項のい
ずれかに記載の末端修飾ポリオレフィンの製造方法。
【0012】(9)反応促進剤として、アニソール、
水、酸素、メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、安息香酸エチル、および酢酸エチルから選ばれた化
合物の少なくとも一種を、バナジウム化合物1モル当た
り、0.1〜2モル用いることを特徴とする上記(5)
〜(9)項のいずれかに記載の末端修飾ポリオレフィン
の製造方法。触媒 (イ)バナジウム化合物 本発明で用いられるバナジウム化合物は、下記一般式I
IIで表される。
【0013】
【化7】 〔但し、R1 〜R3 は前記と同じ。〕
【0014】上記一般式IIIに含まれる具体的化合物
の例について説明すると、 R2 が水素原子であり、R1 とR3 が炭化水素基で
ある場合 R1 /R3 =CH3 /CH3 ,CH3 /C2 5 ,C2
5 /C2 5 ,CH3/C6 5 ,C2 5 /C6
5 ,C6 5 /C6 5 ,CH3 /C6 5 CH2 ,C
6 5 CH2 /C6 5 CH2 ,C2 5 /C6 5
2 ,C6 5 /C6 5 CH2
【0015】 Rが炭化水素基であり、R、Rのいずれかが
水素原子で他が炭化水素基である場合 R/R又はR=CH/CH、C/CH
、CH/C、C/C、CH
、C/C、C/C
/C、CCH/CH、CH
/CCH、CCH/CCH
CH/C、C/C
、CCH/C、C/C
CH
【0016】 R2 が水素原子であり、R1 、R3
いずれかが水素原子で他が炭化水素基である場合 R1 又はR3 =CH3 ,C2 5 ,C6 5 ,C6 5
CH2 、 等が挙げられる。これらの内でも特に下記の一般式で示
される化合物が望ましい。
【0017】
【化8】 V(アセチルアセトナト)3
【0018】
【化9】 V(2−メチル−1,3ブタンジオナト)3
【0019】
【化10】 V(1,3ブタンジオナト)3
【0020】(ロ)有機アルミニウム化合物 本発明でバナジウム化合物と共に用いられる有機アルミ
ニウム化合物としては、一般式Rn AlX3-n (但し、
Rはアルキル基又はアリール基、Xはハロゲン原子又は
水素原子を示し、nは1≦n<3の範囲の任意の数であ
る。)で示される化合物であり、例えば、ジアルキルア
ルミニウムモノハライド、モノアルキルアルミニウムジ
ハライド、アルキルアルミニウムセスキハライドなどの
炭素数1ないし18個、好ましくは炭素数2ないし6個
のアルキルアルミニウム化合物又はその混合物もしくは
錯化合物が特に好ましい。
【0021】具体的には、ジメチルアルミニウムクロリ
ド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニ
ウムブロミド、ジエチルアルミニウムアイオダイド、ジ
イソブチルアルミニウムクロリドなどのジアルキルアル
ミニウムモノハライド、メチルアルミニウムジクロリ
ド、エチルアルミニウムジクロリド、メチルアルミニウ
ムジブロミド、エチルアルミニウムジブロミド、エチル
アルミニウムジアイオダイド、イソブチルアルミニウム
ジクロリドなどのモノアルキルアルミニウムジハライ
ド、エチルアルミニウムセスキクロリドなどのアルキル
アルミニウムセスキハライド等が挙げられる。
【0022】バナジウム化合物と有機アルミニウム化合
物の使用割合は、バナジウム化合物1モル当り、有機ア
ルミニウム化合物1〜1,000モルの範囲である。プロピレンのリビング重合 プロピレンのリビング重合は、プロピレンの単独重合で
あり、それ以外に、プロピレンに少量のエチレン又は1
−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等
のα−オレフィンを共存させて重合することも可能であ
る。
【0023】重合反応は、重合反応に対して不活性で、
かつ重合時に液状を呈する溶媒中で行うことができ、該
溶媒としては、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン等の飽和脂肪族炭化水素、シクロプロパ
ン、シクロヘキサン等の飽和脂環式炭化水素、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等を挙げる
ことができる。また、溶媒を用いず、液化したプロピレ
ン中で重合を行うことも可能である。
【0024】プロピレンの重合時の重合触媒の使用量
は、プロピレン又はプロピレンと少量のコモノマ−1モ
ル当り、バナジウム化合物が1×10-5〜0.1モル、
望ましくは1×10-5〜5×10-2モル、有機アルミニ
ウム化合物が5×10-4〜0.5モル、望ましくは5×
10-4〜0.1モルの範囲である。なお、バナジウム化
合物1モル当り、有機アルミニウム化合物は、望ましく
は4〜100モルの範囲用いられる。
【0025】リビング重合は、通常−100℃〜+10
0℃の条件で0.5〜50時間行われる。得られるリビ
ングポリプロピレンの分子量及び収量は、反応温度及び
反応時間を変えることにより調節できる。重合温度を低
温、特に−30℃以下にすることにより、単分散に近い
分子量分布を持つポリマーとすることができる。−50
℃以下では、Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分
子量)が1.05〜1.4のリビング重合体とすること
できる。
【0026】重合反応時に、反応促進剤を用いることが
できる。反応促進剤としては、アニソール、水、酸素、
アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル等)、エステル(安息香酸エチル、酢酸エチル等)等
が挙げられる。促進剤の使用量は、バナジウム化合物1
モル当り、通常0.1〜2モルの範囲である。上記の方
法より、約800〜約400,000の数平均分子量を
持ち、単分散に近いリビングポリプロピレンを製造する
ことができる。
【0027】エチレン−プロピレンのリビングランダム
共重合 重合反応は、重合反応に対して不活性で、かつ重合時に
液状を呈する溶媒中で行うことができ、該溶媒として
は、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン
等の飽和脂肪族炭化水素、シクロプロパン、シクロヘキ
サン等の飽和脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエン、キ
シレン等の芳香族炭化水素等を挙げることができる。エ
チレン及びプロピレンと重合触媒との接触方法として
は、任意に選択できるが、望ましくは、エチレンとプロ
ピレンの溶媒溶液に、有機アルミニウム化合物の溶液及
びバナジウム化合物の溶液を順次加えて接触させる方
法、或いは有機アルミニウム化合物及びバナジウム化合
物を加えた溶媒溶液にエチレンとプロピレンを加えて接
触させる方法等である。また、液媒を用いず、液化した
プロピレン中にエチレンを溶解させて重合を行うことも
可能である。
【0028】重合触媒の使用量は、エチレンとプロピレ
ン1モル当たり、バナジウム化合物が1×10-5〜0.
1モル、望ましくは1×10-5モル〜5×10-2モル、
有機アルミニウムが1×10-4〜0.5モル、望ましく
は5×10-4〜0.1モルの範囲である。なお、バナジ
ウム化合物1モル当たり、有機アルミニウム化合物は、
望ましくは4〜100モルの範囲で用いる。
【0029】得られるリビング共重合体の分子量及び収
量は、反応温度及び反応時間を変えることにより調整で
きる。本発明では、重合温度を低温、特に−30℃以下
にすることにより、単分散に近い分子量分布を持つポリ
マーとすることができ、−50℃以下では、Mw(重量
平均分子量)/Mn(数平均分子量)が1.05〜1.
4のリビングエチレン−プロピレンランダム共重合体が
得られる。
【0030】重合反応時に、反応促進剤を用いることが
できる。反応促進剤としては、アニソール、水、酸素、
アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル)、エステル(安息香酸エチル、酢酸エチル等)等が
挙げられる。促進剤の使用量は、バナジウム化合物1モ
ル当たり、通常0.1〜2モルの範囲である。
【0031】リビング共重合体中のエチレンとプロピレ
ンの割合は、通常エチレンが90モル%迄である。これ
は、リビング重合時のエチレンとプロピレンの使用割合
を変えることにより調節できるが、エチレンの使用割合
を多くすると、該共重合体の分子量分布が広くなり望ま
しくない。エチレン含有量が高く、分子量分布が狭い、
すなわち単分散に近いリビング共重合体を製造する場合
には、エチレンとプロピレンをリビング共重合する前
に、重合系に微量のプロピレンを供給し、0.1〜1時
間保持することにより、リビング共重合体の分子量分布
を狭くしたままで、共重合体中に多量のエチレンを導入
することができる。
【0032】以上のようにして、約500〜500,0
00の数平均分子量(プロピレン換算、以下同じ)を持
ち、単分散に近いリビングエチレン−プロピレンランダ
ム共重合体を製造することができる。メタクリル酸(アクリル酸)誘導体との反応 リビングポリプロピレン又はリビングエチレン−プロピ
レンランダム共重合体と反応させるメタクリル酸(アク
リル酸)誘導体(以下、「化合物I」という。)は、下
記一般式IVで表される。
【0033】
【化11】 式中、R及びnは前記の通りである。
【0034】リビングポリプロピレン又はリビングエチ
レン−プロピレンランダム共重合体と化合物Iとの反応
は、リビングポリプロピレン又はリビングエチレン−プ
ロピレンランダム共重合体が存在する反応系に、化合物
Iを供給して反応させる方法が望ましい。反応は−10
0℃〜+150℃の温度で5分間〜50時間行う。反応
温度を高くするか、反応時間を長くすることにより、化
合物Iユニットによるポリオレフィン末端の修飾率を増
大することができる。化合物Iは、リビングポリオレフ
ィン1モルに対して、1〜1,000モルの範囲で用い
られる。
【0035】リビングポリプロピレン又はリビングエチ
レン−プロピレンランダム共重合体と化合物Iとの反応
物は、次いでプロトン供与体と接触させることによっ
て、本発明の末端修飾ポリオレフィンが得られる。プロ
トン供与体としては、メタノール、エタノール、フェノ
ール等のアルコール類、塩酸、硫酸等の鉱酸などが挙げ
られる。アルコール類と鉱酸は同時に用いてもよい。プ
ロトン供与体は、通常、大過剰に用いられる。プロトン
供与体との接触は、通常−100℃〜+100℃で1分
間〜10時間行われる。
【0036】以上のようにして得られた本発明のポリオ
レフィンは、約800〜約400,000の数平均分子
量(Mn)を有し、又前記のリビングポリプロピレン又
はリビングエチレン−プロピレンランダム共重合体その
ものを踏襲した非常に狭い分子量分布(Mw/Mn=
1.05〜1.40)をそれぞれ持ち、かつその末端が
0.1〜100個、望ましくは0.2〜50個、更に望
ましくは0.3〜25個の前記化合物Iユニットで修飾
されている。又、本発明の末端修飾ポリオレフィンは、
シンジオタクチックダイアッド分率が0.6以上である
ことが一つの特徴である。
【0037】
【実施例】以下、本発明を実施例などにより更に詳しく
説明する。なお、重合体のキャラクタリゼーションは下
記の方法で行った。 ・分子量及び分子量分布 Waters社製GPC(ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィー)モデル150を用いた。測定条件は、溶
媒:o−ジクロルベンゼン、測定温度:135℃、溶媒
流速:1.0m1/分である。カラムは東ソー社製GM
H6HT(商品名)を使用した。測定に当り、東ソー社
製の単分散ポリスチレン標準試料を用い、ポリスチレン
の検量線を求め、これよりユニバーサル法によってポリ
プロピレンの検量線を作成した。
【0038】・重合体の構造決定 ( 1H−NMRスペクトル):日本電子社製GSX−4
00(商品名)、フーリエ変換型NMRスペクトロメー
タを用い、400MHZ 、30℃、パルス間隔15秒の
条件で測定した。試料は、重クロロホルムに溶解して調
製した。 (13C−NMRスペクトル):PFTパルスフーリエ変
換装置付きVarian社製XL−200型(商品名)
を用い、50MHZ 、120℃、パルス幅8.2μsπ
/3、パルス間隔4秒、積算回数5,000の条件で測
定した。試料はトリクロルベンゼンとベンゼン(2:
1)の混合溶媒に溶解して調整した。 (赤外吸収スペクトル):重合体をKBr板上にキャス
トとし、日本分光工業社製モデルIR−810(商品
名)赤外分光光度計を用いて測定した。
【0039】実施例1 窒素ガスで十分置換した300mlのフラスコに、トル
エン100mlを入れ−60℃に冷却した。同温度でプ
ロピレン100ミリモルを加え、トルエンに液化溶解し
た。次いで、15ミリモルのAl(C2 5 2 Clの
n−ヘプタン溶液及び1.5ミリモルのV(2−メチル
−1,3−ブタンジオナト)3 トルエン溶液を加え、攪
拌と共に重合を開始した。プロピレンの重合を−60℃
で1時間行った。次いで、テトラエチレングリコールジ
メタクリレート(TEGMA)100ミリモルを添加し
同温度で1時間反応させた。その後、500mlのメタ
ノール中に、反応溶液を注ぎ、ポリマーを析出させた。
得られたポリマーは、メタノールで5回洗浄した後、室
温で減圧乾燥して1.4gの重合体を得た。
【0040】得られた重合体のGPC流出曲線は、単峰
性であった。この重合体のMnは、4.3×103 、M
w/Mnは1.12と単分散に近い値であった。この重
合体の赤外吸収スペクトル(IR)測定を行った所、1
740cm-1にカルボニル基の吸収に基づくピークが認
められた。更にNMR分析の結果、ポリプロピレンに起
因するピーク(σ=0.7〜1.7ppm)以外に、下
記の化学シフト値からなるピークが観測され、ポリプロ
ピレン鎖の末端にTEGMAが結合していることが判明
した。
【0041】
【化12】
【0042】帰属 化学シフト値(ppm:TMS基準) (a) 2.6 (b) 3.6〜4.3 (c) 1.9 (d) 5.6,6.1 また、ポリプロピレン部のプロトンシグナル(σ=0.
7〜1.7ppm)とTEGMAユニットのプロトンシ
グナル(d)の面積比から、得られた重合体は、ポリプ
ロピレン鎖の末端に1個のTEGMAユニットが結合し
ていることが確認された。重合条件、反応条件および得
られた末端修飾ポリオレフィンの性状を表1に示す。
【0043】実施例2 窒素ガスで十分置換した1.5リットルのオートクレー
ブに、トルエン400mlを入れ、−60℃に冷却し
た。同温度でプロピレンを200gを加え、トルエン中
に液化溶解せしめた。次いで、50ミリモルのAl(C
2 52 Clのn−ヘプタン溶液及び0.6ミリモル
のV(2−メチル−1,3−ブタンジオナト)3 のトル
エン溶液を加え、攪拌と共にプロピレンの重合を開始
し、5時間継続した。次いで、同温度でTEGMA50
0ミリモルを添加した後、反応系の温度を1時間かけて
0℃に上昇させ、TEGMAとの反応を0℃で5時間行
った。以下、実施例1と同様に処理し、表1に示す性状
の末端修飾ポリプロピレンを得た。
【0044】実施例3 窒素ガスで十分置換した300mlのフラスコに、トル
エン100mlを入れ、−70℃に冷却した。同温度で
プロピレン200ミリモルを加え、トルエン中に液化溶
解した。次いで、15ミリモルのAl(C2 52
lのn−ヘプタン溶液及び1.5ミリモルのV(アセチ
ルアセトナト)3 トルエン溶液を加え、攪拌と共に重合
を開始した。プロピレンの重合を−70℃にて2時間行
った。次いでトリエチレングリコールジメタクリレート
100ミリモルを添加し、−30℃で3時間反応させる
ことにより表1に示す性状の末端修飾ポリプロピレンを
得た。
【0045】実施例4 窒素ガスで十分置換した1.0リットルのオートクレー
ブに、トルエン500mlを入れ、−60℃に冷却した
後、同温度で25ミリモルのAl(CClの
n−ヘプタン溶液および1.5ミリモルのV(2−メチ
ル−1,3−ブタンジオナト)トルエン溶液を加え
た。次いで、系内を680mmHgまで減圧した後、エ
チレンとプロピレンの混合ガス(40/60モル比)を
連続的に供給し、エチレンとプロピレンのランダム共重
合を−60℃にて4時間行った。次いで、同温度でジエ
チレングリコールジメタクリレート500ミリモルを添
加した後、反応系の温度を1時間かけて−40℃に上昇
させ、同温度で3時間反応させた。以下、実施例1と同
様に処理し、表1に示す性状の末端修飾エチレン−プロ
ピレンランダム共重合体を得た。得られた共重合体の
13C−NMR測定を行い、二級炭素に帰属するピーク
(S)と三級炭素に帰属するピーク(T)の面積から次
式に基づいて、プロピレンの含有量を計算した。その結
果、共重合体中のプロピレン含有量は56.3モル%で
あった。 プロピレン含有量(モル%)=[T/{(T+S)/2}]×100 なお、この共重合体を示差熱走査型熱量計(DSC)に
より熱分析した結果、プロピレン単独重合体に起因する
ガラス転移温度(約−10℃)は観測されなかった。
【0046】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村田 昌英 埼玉県入間郡大井町西鶴ケ岡一丁目3番 1号 東燃株式会社総合研究所内 (72)発明者 小原 忠直 埼玉県入間郡大井町西鶴ケ岡一丁目3番 1号 東燃株式会社総合研究所内 (56)参考文献 特開 平4−178407(JP,A) 特開 昭63−113001(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 8/00 - 8/50

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 数平均分子量が800〜400,000
    であるポリプロピレン又は数平均分子量が500〜50
    0,000であるエチレン−プロピレンランダム共重合
    体の末端が、付加反応により下記一般式IIで表され
    る置換基で修飾されてなる末端修飾ポリオレフィン。 一般式II 【化1】 [但し、Rは水素原子若しくはメチル基、mは0.1〜
    100の数、nは2〜10の整数をそれぞれ示す。]
  2. 【請求項2】 次の一般式III 一般式III 【化2】 [式中、R 〜R は水素原子又は炭素数1〜8個の炭
    化水素基を示す。但し、R 〜R の少なくとも一つは
    水素原子である必要があるが、R 〜R の全部が水素
    原子であってはならない。]で表されるバナジウム化合
    物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒の存在下、
    プロピレンを重合して得られるリビングポリプロピレン
    又はエチレンとプロピレンをランダム共重合して得られ
    るリビングエチレン−プロピレンランダム共重合体を、 次の一般式IV 【化3】 (式中、R及びnは前記と同義である。)で表されるメ
    タクリル酸(アクリル酸)誘導体と反応させることを特
    徴とする請求項1に記載の末端修飾ポリオレフィンの製
    造方法。
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