JP3319773B2 - 末端修飾ポリオレフィン - Google Patents

末端修飾ポリオレフィン

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JP3319773B2
JP3319773B2 JP2950392A JP2950392A JP3319773B2 JP 3319773 B2 JP3319773 B2 JP 3319773B2 JP 2950392 A JP2950392 A JP 2950392A JP 2950392 A JP2950392 A JP 2950392A JP 3319773 B2 JP3319773 B2 JP 3319773B2
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幸 碓氷
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Tonen General Sekiyu KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、末端修飾ポリオレフィ
ン及びその製造方法に関し、更に詳しくは、ポリマー末
端が(メタ)アクリル酸クロライドユニットで修飾され
末端修飾ポリオレフィン及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のチーグラー・ナッタ型触媒による
プロピレン等のα−オレフィンの重合では、連鎖移動反
応や停止反応が起きるので、得られるポリマーの末端の
みを、置換基等で修飾するのは困難である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリプロピ
レン又はエチレン−プロピレンランダム共重合体の末端
のみが、メタクリル酸(アクリル酸)クロライドユニッ
トで修飾され、かつ単分散に近い末端修飾ポリオレフィ
及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を行った結果、連鎖移動反応や停止反応を伴わない特定
の重合触媒を用いて得られるリビングポリプロピレン又
はエチレン−プロピレンランダム共重合体にメタクリル
酸(アクリル酸)クロライドを反応させることにより、
本発明の目的が達成し得ることを見出して本発明を完成
した。
【0005】発明の要旨 すなわち、本発明の第1の発明によれば、ポリプロピレ
ン又はエチレン−プロピレンランダム共重合体の末端
、付加反応により下記一般式IIで表される置換基で
修飾されてなる、数平均分子量が500〜500,00
0の末端修飾ポリオレフィン 一般式II
【化4】 [但し、Rは水素原子若しくはメチル基、nは0.1〜
100の数を示す。]が提供されるまた、本発明の第
2の発明によれば、第1の発明において、次の一般式I
II
【化5】 [式中、R 〜R は水素原子又は炭素数1〜8個の炭
化水素基を示す。但し、R 〜R の少なくとも一つは
水素原子である必要があるが、R 〜R の全部が水素
原子であってはならない。]で表されるバナジウム化合
物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒の存在下、
プロピレンを重合して得られるリビングポリプロピレン
又はエチレンとプロピレンとをランダム共重合して得ら
れるリビングエチレン−プロピレンランダム共重合体
を、 次の一般式IV
【化6】 (式中、Rは前記と同義である。)で表されるメタクリ
ル酸(アクリル酸)クロライドと反応させることを特徴
とする末端修飾ポリオレフィンの製造方法が提供され
【0006】本発明の末端修飾ポリオレフィンは通常末
端が下記一般式IIで表される組成物の形で得られる。 一般式II
【化3】 〔但し、Rは前記と同じ意義を有し、nは0.1〜10
0の数を表わす〕
【0007】本発明の末端修飾ポリオレフィンは、下記
一般式III 、 一般式III
【化4】 〔R1 〜R3 は水素原子又は炭素数1〜8個の炭化水素
基を示す。但し、R1 〜R3 の少なくとも一つは水素原
子である必要があるが、R1 〜R3 の全部が水素原子で
あってはならない。〕で表されるバナジウム化合物と有
機アルミニウム化合物とからなる触媒の存在下、プロピ
レンを重合して得られるリビングポリプロピレン又はエ
チレンとプロピレンとをランダム共重合して得られるリ
ビングエチレン−プロピレンランダム共重合体を、一般
式IV
【化5】 〔但し、Rは前記と同意義。〕で表わされるメタクリル
酸(アクリル酸)クロライドと反応させることにより製
造することができる。
【0008】触媒 (イ)バナジウム化合物 本発明で用いられるバナジウム化合物は、一般式II
I、
【化6】 〔但し、R〜Rは前記と同意義。〕で表わされる。
上記式に含まれる具体例を以下に説明する。 ・Rが水素原子であり、RとRが炭化水素基であ
る場合。 R/R:CH/CH、CH/C、C
/C、CH/C、C/C
、C/C、CH/CCH、C
CH/CCH、C/C
、C/CCH. ・Rが炭化水素基であり、R、Rのいずれかが水
素原子で他が炭化水素基である場合。 R/R又はR:CH/CH、C/CH
、CH/C、C/C
/CH 、CH/C、C/C、C
/C、C/C、CCH
/CH、CH/CCH、CCH
/CCH、CCH/C、C
/CCH、CCH/C、C
/CCH. ・Rが水素原子であり、R、Rのいずれかが水素
原子で他が炭化水素基である場合。 R又はR:CH、C、C、C
CH等が挙げられ、これらの内でも特に下記の化合物
が望ましい。
【化7】
【化8】
【化9】
【0009】(ロ)有機アルミニウム化合物 有機アルミニウム化合物としては、一般式Rn AlX
3-n (但し、Rはアルキル基又はアリール基、Xはハロ
ゲン原子又は水素原子を示し、nは1≦n<3の範囲の
任意の数である。)で示されるものであり、例えばジア
ルキルアルミニウムモノハライド、モノアルキルアルミ
ニウムジハライド、アルキルアルミニウムセスキハライ
ドなどの炭素数1ないし18個、好ましくは炭素数2な
いし6個のアルキルアルミニウム化合物又はその混合物
もしくは錯化合物が特に好ましい。具体的には、ジメチ
ルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリ
ド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジエチルアルミニ
ウムアイオダイド、ジイソブチルアルミニウムクロリド
などのジアルキルアルミニウムモノハライド、メチルア
ルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリ
ド、メチルアルミニウムジブロミド、エチルアルミニウ
ムジブロミド、エチルアルミニウムジアイオダイド、イ
ソブチルアルミニウムジクロリドなどのモノアルキルア
ルミニウムジハライド、エチルアルミニウムセスキクロ
リドなどのアルキルアルミニウムセスキハライド等が挙
げられる。
【0010】バナジウム化合物と有機アルミニウム化合
物の使用割合は、バナジウム化合物1モル当り、有機ア
ルミニウム化合物1〜1,000モルである。
【0011】プロピレンのリビング重合 プロピレンのリビング重合は、プロピレンの単独重合以
外に、プロピレンに少量のエチレン又は1−ブテン、1
−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフ
ィンを共存させて重合することも可能である。
【0012】重合反応は、重合反応に対して不活性で、
かつ重合時に液状である溶媒中で行うのが望ましく、該
溶媒としては、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン等の飽和脂肪族炭化水素、シクロプロパ
ン、シクロヘキサン等の飽和脂環式炭化水素、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げら
れる。
【0013】プロピレンの重合時の重合触媒の使用量
は、プロピレン又はプロピレンと少量のコモノマー1モ
ル当り、バナジウム化合物が1×10-4〜0.1モル、
望ましくは5×10-4〜5×10-2モル、有機アルミニ
ウム化合物が1×10-4〜0.5モル、望ましくは1×
10-3〜0.1モルである。なお、バナジウム化合物1
モル当り、有機アルミニウム化合物は、望ましくは4〜
100モル用いられる。
【0014】リビング重合は、通常−100℃〜+10
0℃で0.5〜50時間行われる。得られるリビングポ
リプロピレンの分子量及び収量は、反応温度及び反応時
間を変えることにより調節できる。重合温度を低温、特
に−30℃以下にすることにより、単分散に近い分子量
分布を持つポリマーとすることができる。−50℃以下
では、Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)
が1.05〜1.40のリビング重合体とすることがで
きる。
【0015】重合反応時に、反応促進剤を用いることが
できる。反応促進剤としては、アニソール、水、酸素、
アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル等)、エステル(安息香酸エチル、酢酸エチル等)が
挙げられる。促進剤の使用量は、バナジウム化合物1モ
ル当り、通常0.1〜2モルである。上記の方法によ
り、約500〜約500,000の数平均分子量を持
ち、単分散に近いリビングポリプロピレンを製造するこ
とができる。
【0016】エチレン−プロピレンのリビングランダム
共重合 重合反応は、重合反応に対して不活性で、かつ重合時に
液状である溶媒中で行うのが望ましく、該溶媒として
は、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン
等の飽和脂肪族炭化水素、シクロプロパン、シクロヘキ
サン等の飽和脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエン、キ
シレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。エチレン及
びプロピレンと重合触媒との接触方法は、任意に選択で
きるが、望ましくは、エチレンとプロピレンの溶媒溶液
に、有機アルミニウム化合物の溶液及びバナジウム化合
物の溶液を順次加えて接触させる方法、或いは有機アル
ミニウム化合物及びバナジウム化合物を加えた溶媒溶液
にエチレンとプロピレンを加えて接触させる方法等であ
る。
【0017】重合触媒の使用量は、エチレンとプロピレ
ン1モル当たり、バナジウム化合物が1×10-4〜0.
1モル、望ましくは5×10-4モル〜5×10-2モル、
有機アルミニウム化合物が1×10-4〜0.5モル、望
ましくは1×10-3〜0.1モルである。尚、バナジウ
ム化合物1モル当たり、有機アルミニウム化合物は、望
ましくは4〜100モル用いられる。得られるリビング
共重合体の分子量及び収量は、反応温度及び反応時間を
変えることにより調整できる。本発明は、重合温度を低
温、特に−30℃以下にすることにより、単分散に近い
分子量分布を持つポリマーとすることができ、−50℃
以下では、Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子
量)が1.05〜1.40のリビングエチレン−プロピ
レンランダム共重合体が得られる。
【0018】重合反応時に、反応促進剤を用いることが
できる。反応促進剤としては、アニソール、水、酸素、
アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル)、エステル(安息香酸エチル、酢酸エチル等)等が
挙げられる。促進剤の使用量は、バナジウム化合物1モ
ル当たり、通常0.1〜2モルである。リビング共重合
体中のエチレンとプロピレンの割合は、通常エチレンが
90モル%迄である。これは、リビング重合時のエチレ
ンとプロピレンの使用割合を変えることにより調節でき
るが、エチレンの使用割合を多くすると、該共重合体の
分子量分布が広くなり望ましくない。エチレン含有量が
高く、分子量分布が狭い、すなわち単分散に近いリビン
グ共重合体を製造する場合は、エチレンとプロピレンを
リビング共重合する前に、重合系に微量のプロピレンを
供給し、0.1〜1時間保持することにより、リビング
共重合体の分子量分布が狭いままで、共重合体中に多量
のエチレンを導入することができる。上記のようにし
て、約500〜500,000の数平均分子量(プロピ
レン換算、以下同じ)を持ち、単分散に近いリビングエ
チレン−プロピレンランダム共重合体を製造することが
できる。
【0019】メタクリル酸(アクリル酸)クロライドと
の反応 リビングポリプロピレン又はエチレン−プロピレンラン
ダム共重合体と反応させるメタクリル酸(アクリル酸)
クロライド(以下、化合物Iという。)は、一般式IV、
【化10】 で表わされる。式において、Rは水素原子又はメチル基
である。リビングポリプロピレン又はエチレン−プロピ
レンランダム共重合体と化合物Iとの反応は、リビング
ポリプロピレン又はエチレン−プロピレンランダム共重
合体が存在する反応系に、化合物Iを供給して反応させ
る方法が望ましい。反応は−100℃〜+150℃の温
度で5分間〜50時間行う。反応温度を高くするか、反
応時間を長くすることにより、化合物Iユニットによる
ポリオレフィン末端の修飾率を増大することができる。
化合物Iは、リビングポリオレフィン1モルに対して、
1〜1,000モル用いられる。
【0020】リビングポリプロピレン又はエチレン−プ
ロピレンランダム共重合体と化合物Iとの反応物は、次
いでプロトン供与体と接触させることによって、本発明
の末端修飾ポリオレフィンが得られる。プロトン供与体
としては、メタノール、エタノール、フェノール等のア
ルコール類、塩酸、硫酸等の鉱酸が挙げられる。アルコ
ール類と鉱酸は同時に用いてもよい。プロトン供与体は
通常大過剰に用いられる。プロトン供与体との接触は、
通常−100℃〜+100℃で1分間〜10時間行われ
る。
【0021】上記のようにして得られた本発明のポリオ
レフィンは、約500〜約500,000の数平均分子
量(Mn)を、又前記のリビングポリプロピレン又はエ
チレン−プロピレンランダム共重合体そのものを踏襲し
た非常に狭い分子量分布(Mw/Mn=1.05〜1.
40)をそれぞれ持ち、かつその末端が0.1〜100
個、望ましくは0.2〜50個、更に望ましくは0.3
〜25個の前記化合物Iユニットで修飾されている。
又、本発明の末端修飾ポリオレフィンは、シンジオタク
チックダイアッド分率が0.6以上であることが一つの
特徴である。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。な
お、重合体のキャラクタリゼーションは下記の方法で行
った。 ・分子量及び分子量分布 Waters社製GPC(ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィー)モデル150を用いた。溶媒:o−ジク
ロルベンゼン、測定温度:135℃、溶媒流速:1.0
ml/分。カラムは東ソー社製GMH6HT(商品名)
を使用した。測定に当り、東ソー社製の単分散ポリスチ
レン標準試料を用い、ポリスチレンの検量線を求め、こ
れよりユニバーサル法によってポリプロピレンの検量線
を作成した。 ・重合体の構造決定 ( 1H−NMRスペクトル):日本電子社製GSX−4
00(商品名)、フーリエ変換型NMRスペクトロメー
ターを用い、400MHz、30℃、パルス間隔15秒
の条件で測定した。試料は、重クロロホルムに溶解して
調製した。 (13C−NMRスペクトル):PFTパルスフーリエ変
換装置付きVarian社製XL−200型(商品名)
を用い、50MHz、120℃、パルス幅8.2μs
π/3、パルス間隔4秒、積算回数5,000の条件で
測定した。試料はトリクロルベンゼンとベンゼン(2:
1)の混合溶媒に溶解して調整した。 (赤外吸収スペクトル):重合体をKBr板上にキャス
トとし、日本分光工業社製モデルIR−810(商品
名)赤外分光光度計を用いて測定した。
【0023】実施例1 窒素ガスで十分置換した300mlのフラスコにn−ヘ
プタン100mlを入れ、−60℃に冷却した。同温度
でプロピレン200ミリモルを加え、n−ヘプタン中に
液化溶解した。次いで、15ミリモルのAl(C
2 5 2 Clのn−ヘプタン溶液及び1.5ミリモル
のV(2−メチル−1,3−ブタンジオナト) 3 トルエ
ン溶液を加え、攪拌と共に重合を開始した。プロピレン
の重合を−60℃で1時間行った。次いでメタクリル酸
クロライド(MACl)100ミリモルを−60℃で添
加し、同温度で1時間反応させた。その後、500ml
のエタノール中に、反応溶液を注ぎ、ポリマーを析出さ
せた。析出物を再度n−ヘプタンに溶解させ、遠心分離
により上澄み液を得た。この上澄み液を、500mlの
メタノールに注ぎ、再度ポリマーを析出させた。得られ
たポリマーは、メタノールで5回洗浄した後、室温で減
圧乾燥して1.08gの重合体を得た。
【0024】得られた重合体のGPC流出曲線は単峰性
であった。この重合体のMnは、3.6×103 であ
り、Mw/Mnは1.21と単分散に近い値であった。
この重合体を赤外吸収スペクトル(IR)分析したとこ
ろ、1740cm-1にカルボニル基の吸収に基づくピー
クが認められた。更にNMR分析の結果、ポリプロピレ
ンのプロトンに起因するピーク(δ=0.7〜1.7p
pm)以外に、下記の化学シフト値からなるピークが観
測され、ポリプロピレン鎖の末端にメタクリル酸メチル
(MMA)ユニットが結合していることが判明した。
【化11】 また、ポリプロピレン部のプロトンシグナル(δ=0.
7〜1.7ppm)とMMAユニットのプロトンシグナ
ル(a)の面積比から、ポリプロピレンの末端に7.0
個のMMAユニットが結合していることが確認された。
【0025】上記の結果から、リビングポリプロピレン
とMAClとの反応で得られた反応生成物は、ポリプロ
ピレン鎖の末端に、下記のように7.0個のMAClユ
ニットが結合したポリマーであり、メタノールの接触に
より、該MAClユニットがMMAユニットに変化した
ものと推察される。
【化12】
【0026】得られたポリプロピレンのシンジオタクチ
ックダイアッド分率を測定するために、別に、上記と同
一の操作でプロピレンのリビング重合を行った後、反応
液を−78℃に冷却した500mlのエタノール−塩酸
溶液中に速やく入れて重合を停止させ、分離したポリマ
ーを500mlのエタノールで5回洗浄し、室温で乾燥
してポリプロピレンを得た。次に得られたポリプロピレ
ンを13C−NMR分析した。スペクトルのメチル炭素の
多重線強度比から算出したポリプロピレンの立体規則性
を下記に示す。 トリアッド留分 ダイアッド分率a) 〔rr〕 〔rm〕 〔mm〕 〔r〕 0.629 0.314 0.057 0.786 a) トリアッド留分から計算
【0027】実施例2〜4 プロピレン及びMAClの反応条件を表1に示す通りに
した以外は、実施例1と同様にして末端修飾ポリプロピ
レンを得た。その結果を表1に示した。
【0028】実施例5 窒素ガスで十分置換した1.5リットルのオートクレー
ブにn−ヘプタン400mlを入れ、−60℃に冷却し
た。同温度でプロピレン200gを加え、n−ヘプタン
中に液化溶解せしめた。次いで、50ミリモルのAl
(C2 5 2 Clのn−ヘプタン溶液及び0.6ミリ
モルのV(2−メチル−1,3−ブタンジオナト)3
ルエン溶液を加え、攪拌と共にプロピレンの重合を開始
し、15時間継続した。次いで、同温度でMACl 5
00ミリモルを添加した後、反応系の温度を1時間掛け
て−40℃に上昇させ、MAClとの反応を−40℃で
5時間行った。以下、実施例1と同様に処理し、表1に
示す性状の末端修飾ポリプロピレンを得た。
【0029】実施例6 窒素ガスで十分置換した300mlのフラスコに、n−
ヘプタン100mlを入れ、−78℃に冷却した。同温
度でプロピレン200ミリモルを加え、n−ヘプタン中
に液化溶解せしめた。次いで、15ミリモルのAl(C
2 5 2 Clのn−ヘプタン溶液及び1.5ミリモル
のV(アセチルアセトナト)3 トルエン溶液を加え、攪
拌と共に重合を開始した。プロピレンの重合を−78℃
にて3時間行った。次いで、反応条件を0℃で3時間と
した以外は、実施例1と同様にしてMAClとの反応を
行い、表1に示す性状の末端修飾ポリプロピレンを得
た。
【0030】実施例7 MAClの代わりにアクリル酸クロライドを使用した以
外は実施例1と同様にして反応を行い、表1に示す性状
の末端修飾ポリプロピレンを得た。この重合体をIR分
析したところ、1740cm-1にカルボニル基の吸収に
基づくピークが認められた。更にNMR分析の結果、ポ
リプロピレンに起因するピーク(δ=0.7〜1.7p
pm)以外に下記の化学シフト値からなるピークが観測
され、ポリプロピレン鎖の末端にアクリル酸メチル(M
A)ユニットが結合していることが判明した。
【化13】 また、ポリプロピレン部のプロトンシグナル(δ=0.
7〜1.7ppm)とMAユニットの面積比からポリプ
ロピレン鎖の末端に4.0個のMAユニットが結合して
いることが確認された。
【0031】上記の結果からリビングポリプロピレンと
アクリル酸クロライドとの反応で得られた反応生成物
は、ポリプロピレン鎖の末端に下記のように4.0個の
アクリル酸クロライドユニットが結合したポリマーであ
り、メタノールとの接触により該アクリル酸クロライド
ユニットがMAユニットに変化したものと推察される。
【化14】
【0032】
【表1】
【0033】実施例8 リビングエチレン−プロピレンランダム共重合体の合成 窒素ガスで十分置換した500mlのオートクレーブに
n−ヘプタン250mlを入れ、−60℃に冷却した
後、同温度で15ミリモルのAl(C2 5 2Clの
n−ヘプタン溶液および1.5ミリモルのV(2−メチ
ル−1,3−ブタンジオナト)3 トルエン溶液を加え
た。次いで、系内を700mmHgまで減圧にした後、
エチレンとプロピレンの混合ガス(40/60モル比)
を連続的に供給し、エチレン−プロピレンの共重合を−
60℃にて1時間行い、リビングエチレン−プロピレン
ランダム共重合体(以下、エチレン−プロピレンランダ
ム共重合体をEPRという。)を合成した。一方、エチ
レン−プロピレン共重合体部の分子量、分子量分布およ
びプロピレン含有量を測定するために、上記と同一の方
法でエチレンとプロピレンの共重合を行い、1.83g
のEPRを得た。得られた共重合体のMnは6.8×1
3、Mw/Mnは、1.21であった。さらに、この
共重合体の13C−NMR測定を行い、二級炭素に帰属す
るピーク(S)と三級炭素に帰属するピーク(T)の面
積から次式に基づいて、プロピレンの含有量を計算し
た。その結果、共重合体中のプロピレン含有量は、5
2.7モル%であった。 プロピレン含有量(モル%)={T/1/2 (S+T)}
×100 なお、この共重合体を差動走査熱量計(DSC)により
熱分析した結果、プロピレン単独重合体に起因するガラ
ス転移温度(約−10℃)は観測されなかった。
【0034】メタクリル酸クロライドとの反応 上記の反応系に、メタクリル酸クロライド(MACl)
250ミリモルを−60℃で添加し、同温度で1時間反
応させた。その後、500mlのメタノール中に反応溶
液を入れ、ポリマーを析出させた。得られたポリマーを
再度n−ヘプタンに溶解させ、遠心分離により上澄み液
を得た。この上澄み液を、500mlのメタノールに注
ぎ、再度ポリマーを析出させた。得られたポリマーは、
メタノールで5回洗浄した後、室温で減圧乾燥して1.
95gの重合体を得た。
【0035】得られた重合体のGPC流出曲線は、単峰
性であった。この重合体のMnは、7.1×103 であ
り、Mw/Mnは1.23と単分散に近い値であった。
この重合体のIR分析を行ったところ、1740cm-1
にカルボニル基の伸縮振動に基づく吸収が観測された。
更に 1H−NMR分析の結果、EPR部のプロトンに起
因するピーク(δ=0.7〜1.7ppm)以外に、下
記の化学シフト値からなるピークが観測され、EPR鎖
の末端にメタクリル酸メチル(MMA)ユニットが結合
していることが判明した。
【化15】 EPR部分のプロトンシグナル(δ=0.7〜1.7p
pm)と、上記シグナル(a)の面積比、EPRのプロ
ピレン含有量および分子量から、EPRの末端に6個の
MMAユニットが結合していることが確認された。上記
の結果から、リビングEPRとMAClとの反応で得ら
れた反応生成物は、EPR鎖の末端に下記のように6個
のMAClユニットが結合したポリマーであり、メタノ
ールとの接触により、該MAClユニットがMMAユニ
ットに変化したものと推定される。
【化16】
【0036】実施例9 窒素ガスで十分置換した1.5リットルのオートクレー
ブに、n−ヘプタン800mlを入れ、−60℃に冷却
した後、同温度でプロピレン1.5gを加え、n−ヘプ
タン中に液化溶解せしめた。次いで、40ミリモルのA
l(C2 5 2 Clのn−ヘプタン溶液及び0.8ミ
リモルのV(2−メチル−1,3−ブタンジオナト)3
トルエン溶液を加え、−60℃にて10分間攪拌した。
次いで、系内を680mmHgまで減圧にした後、エチ
レンとプロピレンの混合ガス(50/50モル比)を連
続的に供給し、エチレン−プロピレンの共重合を−60
℃にて10時間行い、リビングEPRを合成した。次い
で、同温度でMACl 500ミリモルを添加した後、
反応系の温度を1時間かけて−40℃に上昇させ、MA
Clとの反応を5時間行った。以下、実施例8と同様に
処理し、表2に示す性状の末端修飾EPRを得た。一
方、上記と同一の方法でエチレンとプロピレンの共重合
を行い、23.9gのEPRを得た。この共重合体のM
nは101.4×103 、Mw/Mnは1.26、プロ
ピレン含有量は48.6モル%であった。
【0037】実施例10 窒素ガスで十分置換した500mlのオートクレーブに
トルエン250mlを入れ、−60℃に冷却した後、同
温度でプロピレン0.2gを加え、トルエン中に液化溶
解せしめた。次いで、15ミリモルのAl(C2 5
2 Clのn−ヘプタン溶液及び2.0ミリモルのV(2
−メチル−1,3−ブタンジオナト)3トルエン溶液を
加え、−60℃にて10分間攪拌した。次いで系内を7
20mmHgまで減圧にした後、エチレンとプロピレン
の混合ガス(60/40モル比)を連続的に供給し、エ
チレン−プロピレンの共重合を−60℃にて2時間行
い、リビングEPRを合成した。次いで、同温度でMA
Cl 250ミリモルを添加した後、反応系の温度を0
℃に昇温させ、MAClとの反応を0℃にて1時間行っ
た。以下、実施例8と同様に処理し、表2に示す性状の
末端修飾EPRを得た。一方、上記と同一の方法でエチ
レンとプロピレンの共重合を行い、2.14gのEPR
を得た。この共重合体のMnは5.1×103 、Mw/
Mnは1.26、プロピレン含有量は38.6モル%で
あった。
【0038】実施例11 窒素ガスで十分置換した500mlのオートクレーブに
トルエン250mlを入れ、−78℃に冷却した後、同
温度で15ミリモルのAl(C2 5 2 Clのn−ヘ
プタン溶液及び1.5ミリモルのV(アセチルアセトナ
ト)3 トルエン溶液を加えた。次いで系内を700mm
Hgまで減圧にした後、エチレンとプロピレンの混合ガ
ス(40/60モル比)を連続的に供給し、エチレン−
プロピレンの共重合を−78℃にて3時間行い、リビン
グEPRを合成した。次いで、同温度でMACl 25
0ミリモルを添加した後、MAClとの反応を−60℃
にて3時間行った。以下、実施例8と同様に処理し、表
2に示す性状の末端修飾EPRを得た。一方、上記と同
一の方法でエチレンとプロピレンの共重合を行い、1.
54gのEPRを得た。この共重合体のMnは8.7×
103 、Mw/Mnは1.26、プロピレン含有量は5
5.3モル%であった。
【0039】実施例12 実施例8において、MAClの代わりに、アクリル酸ク
ロライドを用い、かつ反応条件を表2に示す通りにした
以外は、実施例8と同様にして重合体を得た。この重合
体のIR分析を行ったところ、1740cm-1にカルボ
ニル基の伸縮振動に基づく吸収が認められた。更に、 1
H−NMR分析の結果、EPR部のプロトンに起因する
ピーク(δ=0.7〜1.7ppm)以外に、下記の化
学シフト値からなるピークが観測され、EPRの末端
に、アクリル酸メチル(MA)ユニットが結合している
ことが判明した。
【化17】 また、ERP部のプロトンシグナル(δ=0.7〜1.
7ppm)とMAユニットのプロピレンシグナル(a)
の面積比、EPR部のプロピレン含有量および分子量か
ら、EPRの末端に3個のMAユニットが結合している
ことが確認された。上記の結果から、リビングEPRと
アクリル酸クロライドとの反応で得られたは反応生成物
は、EPR鎖の末端に下記のように3個のアクリル酸ク
ロライドユニットが結合したポリマーであり、メタノー
ルとの接触により、該アクリル酸クロライドユニットが
MAユニットに変化したものと推定される。
【化18】
【0040】
【表2】
【0041】
【発明の効果】本発明の重合体は、異種ポリマーの相溶
化剤、ポリマーに染色性や接着性を付与するポリマー改
質剤、潤滑油等の粘度指数向上材等に使用することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 植木 聰 埼玉県入間郡大井町西鶴ケ岡一丁目3番 1号 東燃株式会社総合研究所内 (56)参考文献 特開 平4−132706(JP,A) 特開 昭63−113002(JP,A) 特開 昭63−113001(JP,A) 特開 平4−178407(JP,A) 特開 平4−45105(JP,A) 特開 昭63−113003(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 8/00 - 8/50

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレン又はエチレン−プロピレ
    ンランダム共重合体の末端が、付加反応により下記一
    般式IIで表される置換基で修飾されてなる、数平均分
    子量が500〜500,000の末端修飾ポリオレフィ
    ン。 一般式II 【化1】 [但し、Rは水素原子若しくはメチル基、nは0.1〜
    100の数を示す。]
  2. 【請求項2】 次の一般式III 【化2】 [式中、R 〜R は水素原子又は炭素数1〜8個の炭
    化水素基を示す。但し、R 〜R の少なくとも一つは
    水素原子である必要があるが、R 〜R の全部が水素
    原子であってはならない。]で表されるバナジウム化合
    物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒の存在下、
    プロピレンを重合して得られるリビングポリプロピレン
    又はエチレンとプロピレンとをランダム共重合して得ら
    れるリビングエチレン−プロピレンランダム共重合体
    を、 次の一般式IV 【化3】 (式中、Rは前記と同義である。)で表されるメタクリ
    ル酸(アクリル酸)クロライドと反応させることを特徴
    とする請求項1に記載の末端修飾ポリオレフィンの製造
    方法。
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