JP2013197357A - 窒化物半導体デバイス及びその製造方法 - Google Patents

窒化物半導体デバイス及びその製造方法 Download PDF

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直樹 金田
Tadayoshi Tsuchiya
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Abstract

【課題】結晶品質が良く、高抵抗の窒化ガリウム層を有する、窒化物系半導体デバイスおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】窒化ガリウム基板上に、ドナー型不純物及び前記ドナー型不純物を補償する、アクセプタ型不純物を含有する窒化ガリウム層を備え、前記窒化ガリウム層は、前記アクセプタ型不純物としての炭素を含有し、前記炭素の濃度が2×1016cm−3以上1×1018cm−3以下の窒化物半導体デバイスである。
【選択図】図1

Description

本発明は、窒化物半導体デバイス及びその製造方法に関する。
窒化物半導体として、例えば窒化ガリウム系半導体は発光ダイオードやレーザダイオードなどの発光デバイスとして世界で広く用いられている。また窒化ガリウム系半導体は優れた材料物性を有していることから電子デバイス用途の材料としても注目されている。窒化ガリウム系半導体は、シリコンなどの半導体と比較してバンドギャップ、電子移動度、飽和電子速度、および降伏電界が大きいため、高耐圧あるいは高周波パワーデバイスなどへの応用が期待されている。
パワーデバイスとしては、例えば窒化ガリウム系の高移動度トランジスタ構造デバイス(HEMT:High Electron Mobility Transistor)があり、主にギガヘルツ帯の超高周
波用途として携帯基地局用の能動デバイスなどに用いられている。また近年ではメガヘルツ帯以下で動作する電力変換素子への応用が期待されている。
HEMTは、例えば基板上にバッファ層としての窒化ガリウム層、チャネル層、障壁層などの窒化物系半導体が積層され、障壁層上にソース電極、ドレイン電極、およびゲート電極を備える。HEMTは、ゲート電極からチャネル層を通ってソース電極へと基板の水平方向に電子が流れる構造の横型デバイスとなっている。このHEMTにおいて、基板と電子の流れるチャネル層との間に介在する窒化ガリウム層(バッファ層)の抵抗値が低い場合、チャネル層を流れる電子が基板側へと漏れ出し、バッファ層近傍で不必要な電気伝導が生じることになる。その結果、HEMTの特性が低下する。このため、HEMTにおいてバッファ層は高抵抗であることが要求される。
上記バッファ層は、ナノメートル単位の膜厚精密制御や精密組成制御が可能な有機金属気相成長法(Metal-Organic Vapor Phase Epitaxy:MOVPE法)によって、基板上に結
晶成長されて形成される。結晶成長に用いられる基板としてはサファイア基板、炭化シリコン(SiC)基板、シリコン(Si)基板などの異種基板が用いられる。
上記方法により高抵抗のバッファ層を形成する場合、意図的に不純物をドープさせずに結晶成長させ、i型の半導体層を形成する。ただし、バッファ層の形成においては結晶成長の際に不純物が不可避的に混入するため、バッファ層はi型とはならずn型の電気伝導を示し、高い抵抗値を得られない。このことは、形成されるバッファ層にはドナー成分(n型不純物)が含有されることを示している。混入するドナー成分としては、原料ガスに含まれるケイ素(Si)や酸素(O)を含む不純物、または炉内部材である石英などが考えられる。また窒化ガリウム層中の窒素空孔がドナーとして作用することも考えられる。
この点、異種基板においてバッファ層としての窒化ガリウム層を高抵抗化する方法が提案されている。
例えば、サファイア基板上に形成される窒化ガリウム層を高抵抗化する方法として、窒化ガリウム層に不純物としての鉄(Fe)を添加する方法が提案されている(例えば非特許文献1および非特許文献2参照)。非特許文献1および非特許文献2によれば、Feがアクセプタとして作用することで窒化ガリウム層中のドナー成分を補償して高抵抗とすることができる。ただし、Feを窒化ガリウム層中にドーピングすることは結晶品質を劣化させやすいという問題がある(例えば非特許文献3参照)。しかもMOVPE法で広く用
いられるFeの原料としてのフェロセンは原料配管内壁に付着しやすく使用しにくいという問題がある。
上記Fe以外に、窒化ガリウム層中のドナーを補償するアクセプタ(補償アクセプタ)として炭素(C)が提案されている(例えば非特許文献4参照)。Cは、ガリウム原料であるトリメチルガリウムなどに含有される成分であり、形成される窒化ガリウム層に混入することになる。非特許文献4によれば様々なC濃度およびSi濃度の窒化ガリウム層のCV測定結果などから、Cがアクセプタとして作用し、ドナーであるSiを補償することが開示されている。
ところが、異種基板により形成される窒化ガリウム層は、混入するドナー成分を補償して高抵抗とした場合であっても、そもそも含有される不純物が多く結晶品質が劣ることになる。しかも、サファイア基板などの異種基板は多くの課題を有しており、サファイア基板においては熱伝導率が低く放熱が悪いためデバイスを高温動作させることが困難である。またSiC基板においては高抵抗基板が高価、かつ安定して入手することが困難である。またSi基板上にデバイスを成長する場合においては格子不整が大きいために超格子構造のバッファ層を非常に厚く成長することが困難でデバイス耐性の向上が困難となっている。
一方、結晶成長させる基板として、上記異種基板以外に窒化ガリウム自立基板がある。窒化ガリウム自立基板は発光デバイス用基板として広く用いられており、商業的に実用化されている。窒化ガリウム自立基板によれば、窒化物半導体のホモエピタキシャル成長が可能となり、上述した異種基板(サファイア基板など)を使用する場合と比較して半導体の結晶品質を格段に向上させることができる。
具体的には、形成される窒化ガリウム層の不純物濃度(C濃度)が窒化ガリウム基板とサファイア基板とで異なることが報告されている(例えば非特許文献5参照)。非特許文献5によれば、サファイア基板上の窒化ガリウム層は、窒化ガリウム自立基板上のものと比較してC濃度が高く意図的に添加したSiドナーを補償してしまう。すなわち、窒化ガリウム自立基板上では高品質でドナー濃度が低い窒化ガリウム層を成長することができる。
Applied Physics Letters,81(2002),pp439-441 Journal of Crystal Growth,248,p513 Journal of Crystal Growth,309,p8 Journal of Applied Physics,92,p6553 Journal of Crystal Growth,298,p871
窒化ガリウム自立基板をHEMTなどの横型デバイスに適用する場合は、異種基板を横型デバイスに適用する場合と同様に窒化ガリウム層(バッファ層)近傍での不必要な電気伝導を抑える必要があり、高抵抗のバッファ層を形成する必要がある。この点、従来製造されてきた窒化ガリウム基板上のデバイスのほとんどはレーザダイオードや発光ダイオードなど基板の厚さ方向(縦方向)に電流を流す縦型デバイスであって、窒化ガリウム基板上に意図的に高抵抗のバッファ層を成長する必要がなかった。このためバッファ層を高抵抗化する技術はほとんど検討されていなかった。
そこで本発明者らは窒化ガリウム自立基板を用いて、なるべく結晶中の残留不純物が少なく、なおかつX線半値幅が狭くなるような条件で窒化ガリウム層を形成した。しかしながら、形成される窒化ガリウム層は、異種基板を用いた場合と同様にi型とはならず、多くの場合わずかにn型の電気伝導を示すことが分かった。すなわち、形成される窒化ガリウム層にはSiやOなどのドナー成分(n型不純物)が含まれ、高抵抗とすることが困難であることが分かった。
このような窒化ガリウム層を高抵抗化する方法として、上述した、残留ドナーを補償できる量のアクセプタ(Fe)を窒化ガリウム中に意図的に添加する方法が考えられるが、Feをドーピングすることは、窒化ガリウム層中の不純物量を増加させ結晶品質を劣化させるという問題がある。
本発明は、このような問題に鑑みて成されたもので、その目的は、結晶品質が良く、高抵抗の窒化ガリウム層を有する窒化物半導体デバイスおよびその製造方法を提供することにある。
本発明の第1の態様は、窒化ガリウム基板上に、ドナー型不純物及び前記ドナー型不純物を補償するアクセプタ型不純物を含有する窒化ガリウム層を備え、前記窒化ガリウム層は、前記アクセプタ型不純物としての炭素を含有し、前記炭素の濃度が2×1016cm−3以上1×1018cm−3以下の窒化物半導体デバイスである。
本発明の第2の態様は、第1の態様の窒化物半導体デバイスにおいて、前記窒化ガリウム層における前記炭素の濃度が前記ドナー型不純物を補償する濃度域を含むように厚さ方向に変化する窒化物半導体デバイスである。
本発明の第3の態様は、窒化ガリウム基板上にガリウム原料及び窒素原料を供給して、ドナー型不純物及び前記ドナー型不純物を補償するアクセプタ型不純物を含有する窒化ガリウム層を結晶成長する工程を備え、前記窒化ガリウム層を結晶成長する工程は、前記ガリウム原料として、前記アクセプタ型不純物の炭素を含有するトリエチルガリウム又はトリメチルガリウムの少なくともいずれかと、前記窒素原料としてアンモニアと、を用いており、大気圧環境下において前記ガリウム原料に対する前記窒素原料の供給比を1000以上3500以下として結晶成長する窒化物半導体デバイスの製造方法である。
本発明の第4の態様は、窒化ガリウム基板上にガリウム原料及び窒素原料を供給して、ドナー型不純物及び前記ドナー型不純物を補償するアクセプタ型不純物を含有する窒化ガリウム層を結晶成長する工程を備え、前記窒化ガリウム層を結晶成長する工程は、前記ガリウム原料として、前記アクセプタ型不純物の炭素を含有するトリエチルガリウム又はトリメチルガリウムの少なくともいずれかと、前記窒素原料としてアンモニアと、を用いており、前記ガリウム原料に対する前記窒素原料の供給比が500以上3000以下において、前記窒化ガリウム層の結晶成長の際の圧力を10kPa以上大気圧未満として減圧環境下で結晶成長する窒化物半導体デバイスの製造方法である。
本発明の第5の態様は、第3又は第4の態様のいずれかの窒化物半導体デバイスの製造方法において、前記窒化ガリウム層を結晶成長する工程の途中で前記供給比又は前記圧力を変化させて、前記窒化ガリウム層における前記炭素の濃度を、前記ドナー型不純物を補償する濃度域を含むように厚さ方向に変化させる窒化物半導体デバイスの製造方法である。
本発明によれば、結晶品質が良く、高抵抗の窒化ガリウム層を有する窒化物半導体デバイスを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る窒化物半導体デバイスの断面図である。 窒化ガリウム層の結晶成長の際のガリウム原料に対する窒素原料の供給比と、形成される窒化ガリウム層中の炭素濃度と、の相関関係を示す図である。 窒化ガリウム層の結晶成長の際の圧力と、形成される窒化ガリウム層中の炭素濃度と、の相関関係を示す図である。 窒化ガリウム層の抵抗値を評価するための評価構造を示す図である。 実施例におけるHEMT構造の窒化物半導体デバイスの断面図である。 実施例の窒化物半導体デバイスの三端子特性の結果を示す図である。
上述したように、基板上に高抵抗の窒化ガリウム層(バッファ層)を製造する従来の製造方法においてはサファイア基板を用いており、窒化ガリウム自立基板上に製造する方法については詳細な検討が実施されていなかった。この点、本発明者らはMOVPE法により窒化ガリウム基板上に窒化ガリウム層をホモエピタキシャル成長させて、その窒化ガリウム層中の不純物の濃度について検討を行った。不純物として炭素(C)、酸素(O)、およびケイ素(Si)を対象にして、2次イオン質量分析(SIMS: Secondary Ion Mass Spectrometry)により不純物の濃度を測定した。
その結果、窒化ガリウム層には、ドナー型不純物(ドナーとして働く不純物)であるSiやO、ドナー型不純物を補償するアクセプタ型不純物(補償アクセプタとして働く不純物)であるCが所定量含有することが確認された。しかし、窒化ガリウム層は、SiやOを補償するCを含有するものの、n型の電気伝導を示し、高い抵抗を得られないことが確認された。つまり、Cの含有量(C濃度)はSiやOを完全に補償できるだけの量ではなく、結果的にn型の電気伝導を示すことが分かった。
C濃度は、ドナー型不純物を丁度補償する量が理想であるが、ドナー型不純物の濃度は結晶成長の炉の状態によって変動する可能性がある。そこで、本発明者らはC濃度とドナー型不純物の濃度との関係について調べた。具体的には、ドナー型不純物であるSiを意図的に添加した結晶にCV測定を行い、ドナー型不純物の濃度(ND)とアクセプタ型不純物の濃度(NA)との濃度差(ND−NA)を測定した。さらに、C濃度及びSi濃度をSIMSでそれぞれ測定した。その結果、Si濃度をx、C濃度をyとしたとき、濃度差(ND−NA)、Si濃度x、及びC濃度yが以下の関係式(1)を満足することが分かった。
(ND−NA)≒x−a×y…(1)(ただし、aは0.3〜0.5)
上記関係式(1)においてaが0.3〜0.5であることから、結晶中のCの一部だけがドナー型不純物を補償するアクセプタ(補償アクセプタ)として作用することが分かった。つまり、混入するドナー型不純物を補償する場合、C濃度をドナー型不純物の濃度の少なくとも2.0〜3.3倍の濃度とする必要があることが分かった。
以上のことから本発明者らは窒化ガリウム層中のC濃度を制御して増加する方法について鋭意検討を行った。そして、窒化ガリウム層の結晶成長の条件として、原料の供給比(ガリウム原料に対する窒素原料)、または結晶成長の圧力を適宜変更することによって、窒化ガリウム層中のC濃度を増加して高抵抗に制御できることを見出し、本発明を創作するに至った。
以下に、本発明の一実施形態に係る窒化物半導体デバイスについて説明する。
(窒化物半導体デバイス)
図1に、本発明の一実施形態に係る窒化物半導体デバイスを示す。図1ではHEMT構造の場合を示しているが、本発明はこれに限定されず、MOS構造のFET(電界効果トランジスタ)などとすることもできる。
窒化物半導体デバイス1は、図1に示すように、窒化ガリウム基板11上に、バッファ層としての窒化ガリウム層12と、チャネル層13と、障壁層14とを備え、障壁層14上にソース電極15、ドレイン電極16、及びゲート電極17が形成されている。そして、窒化ガリウム層12は、ドナー型不純物及びドナー型不純物を補償するアクセプタ型不純物を含有しており、アクセプタ型不純物として炭素を含有するとともに炭素の濃度が2×1016cm−3以上1×1018cm−3以下となっている。
窒化ガリウム基板11としては低転位密度の半絶縁型の窒化ガリウム基板を使用することが好ましい。結晶欠陥の一つである転位は、リーク電流を増加させ、逆方向耐電圧特性を悪化させる懸念がある。ただし半絶縁型の窒化ガリウム基板は入手困難であるため、入手が容易なn型の窒化ガリウム基板を使用してもよい。窒化ガリウム基板の面方位はC面であることが好ましいがC面から僅かに傾いた面方位を有していてもよい。
バッファ層としての窒化ガリウム層12は、窒化ガリウム基板11上に結晶成長され、その上層にエピタキシャル成長させる半導体膜の結晶品質を向上させる。また、窒化ガリウム層12は高抵抗層となることで窒化ガリウム基板11側への不要な電気伝導を抑制する。窒化ガリウム層12は、ガリウム原料としてのトリエチルガリウムまたはトリメチルガリウムのいずれかと窒素原料としてのアンモニアで形成される。
チャネル層13は、自由電子が走行する層であり、窒化ガリウム層12上にエピタキシャル成長により形成される。チャネル層13は、ガリウム原料としてのトリメチルガリウムと窒素原料としてのアンモニアで形成される。
障壁層14は、ピエゾ効果によってチャネル層13内に2次元電子ガスを発生させるための層である。障壁層14は、例えば、チャネル層13よりもアルミ混晶比の高いAlGaNで構成される。障壁層14は、ガリウム原料としてのトリメチルガリウム、アルミ原料としてのトリメチルアルミニウム、窒素原料としてのアンモニアで形成される。
ソース電極15などの電極は、コンタクト抵抗が小さい金属で形成することが好ましい。例えば、ソース電極15やゲート電極16にはチタンアルミを、ゲート電極17にはパラジウムをそれぞれ用いることができる。
ここで、本実施形態におけるバッファ層としての窒化ガリウム層12について詳しく説明する。本実施形態における窒化ガリウム層12は、ドナー型不純物及びアクセプタ型不純物を含有しており、アクセプタ型不純物として炭素を含有するとともに炭素の濃度が2×1016cm−3以上1×1018cm−3以下となっている。
上述したように、窒化ガリウム基板11上に結晶成長される窒化ガリウム層12には、結晶成長の際に不純物が不可避的に混入することになる。または、窒化ガリウム層12には不純物が意図的に添加される場合がある。不純物としては、ドナー型不純物のSiやO、及びアクセプタ型不純物のCなどが混入する。ドナー型不純物であるSiなどは、窒化ガリウム層12において、n型の導電性を示す。一方、アクセプタ型不純物であるCは、ドナー型不純物を補償するものの、それ自体でp型の導電性を示すことはない。
不可避的に混入するドナー型不純物の濃度は、注意深く管理された装置であってもその装置の状態によって変動することになるが、窒化ガリウム基板11を用いて形成される窒化ガリウム層12の場合、不純物の濃度は低い。具体的には、意図的にドナー成分を添加せずに結晶成長させた窒化ガリウム層12では、ドナー型不純物の濃度、つまりSiやOの合計濃度は様々な条件下でも最大でおよそ1×1016cm−3程度であることがわかっている。この濃度のドナー型不純物を完全に補償するためには、C濃度をドナー型不純物の濃度の2.0〜3.3倍とする必要がある。すなわち、C濃度を少なくとも2×1016cm−3以上とすることが考えられる。C濃度が2×1016cm−3未満の場合、不可避的に混入するドナー型不純物を補償することが困難となり高抵抗のバッファ層を得ることが困難となる。
一方、C濃度が大きすぎると、逆に抵抗値が低くなるばかりか窒化ガリウム層の結晶の品質が低下することになる。結晶の品質は、例えば、窒化ガリウム層12の(10−12)面におけるX線回折により測定されて、測定された半値幅で評価される。C濃度が1×1018cm−3以下の窒化ガリウム層の場合、(10−12)面におけるX線回折の半値幅が55〜73arcsecであって、十分な品質であることが確認されている。これに対して、C濃度が1×1018cm−3を超える場合には、この半値幅が約100arcsecを超え、品質に劣ることが確認された。なお、サファイア基板上に結晶成長させた窒化ガリウム層においては、(10−12)面におけるX線回折の半値幅は少なくとも500arcsecとなり、窒化ガリウム基板上に形成される場合と比較すると悪い数値となる。
したがって、本実施形態の窒化ガリウム層においては、ドナー型不純物を補償するためにC濃度の下限値を2×1016cm−3として、また結晶の品質を低下させないためにC濃度の上限値を1×1018cm−3としている。すなわち、本実施形態の窒化ガリウム層においては、炭素の濃度を2×1016cm−3以上1×1018cm−3以下としている。
また、上記バッファ層としての窒化ガリウム層12において、炭素の濃度が、ドナー型不純物を補償する濃度域を含むように厚さ方向に変化することが好ましい。ドナー型不純物の濃度(ドナー濃度)は、装置条件や結晶成長条件によって変動するため、ドナー型不純物を補償するアクセプタ型不純物(C)の濃度(アクセプタ濃度)も変動することになる。しかも、Cがアクセプタとして作用するための条件が明確に分かっていない。このため、窒化ガリウム層において、ドナー型不純物を補償する濃度域を含むように、厚さ方向にC濃度の勾配を設ければ、変動するドナー型不純物の濃度に対応して補償することが可能となる。
なお、上記バッファ層としての窒化ガリウム層12において、ドナー型不純物であるSiやOの合計濃度は高々1×1016cm−3となるが、Si濃度は測定下限の5×1015cm−3以下、またO濃度は測定下限の1×1016cm−3以下となる。
(窒化物半導体デバイスの製造方法)
次に、本発明の一実施形態に係る窒化物半導体デバイスの製造方法について説明する。バッファ層などの半導体層を成長する成膜装置としては、MOVPE(有機金属気相成長)装置を用いる。
本実施形態の製造方法は、窒化ガリウム基板11上にガリウム原料及び窒素原料を供給して、ドナー型不純物及びドナー型不純物を補償するアクセプタ型不純物を含有する窒化ガリウム層12を結晶成長する工程と、窒化ガリウム層12上にチャネル層13を形成する工程と、チャネル層13上に障壁層14を形成する工程と、障壁層14上にソース電極15、ドレイン電極16、及びゲート電極17を形成する工程と、を備える。そして、窒
化ガリウム層12を結晶成長する工程では、ガリウム原料として、アクセプタ型不純物の炭素を含有するトリエチルガリウム又はトリメチルガリウムの少なくともいずれかと、窒素原料としてアンモニアと、を用いており、大気圧環境下においてガリウム原料に対する窒素原料の供給比を1000以上3500以下として結晶成長する。
まず、窒化ガリウム基板11をMOVPE装置に搬入する。
その後、MOVPE法により、窒化ガリウム基板11面上に高抵抗のバッファ層としての窒化ガリウム層12を結晶成長する。
窒化ガリウム層12の結晶成長に際しては、ガリウム原料として、アクセプタ型不純物の炭素を含むトリエチルガリウム又はトリメチルガリウムの少なくともいずれかと、窒素原料としてアンモニアとを用いる。なお、ガリウム原料および窒素原料は、意図しないドナー成分、アクセプタ成分の影響を極力低減するため、電子工業用として流通している高純度品を使用することが好ましい。
窒化ガリウム層12の結晶成長条件は、成長炉内全圧を大気圧として、ガリウム原料に対する窒素原料の供給比を1000以上3500以下とする。大気圧とは常圧(約101.3kPa)であり、減圧状態でないことを示す。また、供給比は、原料の流量比であって、ガリウム原料に対する窒素原料の比で示される。供給比は数値が大きいほどガリウム原料が少なく炭素成分の供給量が少ないことを示す。すなわち、供給比を変更することで、形成されるバッファ層としての窒化ガリウム層における炭素の濃度を変化させることができる。供給比が1000未満の場合、窒素抜けによる結晶の劣化が顕在化する一方、3500を超える場合、高純度アンモニア原料中に微量に含まれると推定される有機Si化合物の影響で意図しないSi濃度の上昇が顕著になるといった問題が生じる。
また、結晶の成長温度(基板温度)は、1100℃以上1180℃以下の範囲であることが好ましい。
その後、窒化ガリウム層12上にチャネル層13を成長後、チャネル層13の上に障壁層14を成長する。さらに、蒸着法またはフォトリソグラフィー法などにより、ソース電極15、ドレイン電極16、およびゲート電極17を形成して、図1に示すHEMT構造の窒化物半導体デバイス1を製造する。
ここで、結晶成長する工程における、原料の供給比とC濃度との相関関係について図2を用いて説明する。図2は、窒化ガリウム層の結晶成長の際のガリウム原料に対する窒素原料の供給比と、形成される窒化ガリウム層中の炭素濃度と、の相関関係を示す。図2は、後述する実施例1の条件において、ガリウム原料としてトリメチルガリウム(TMG)又はトリエチルガリウム(TEG)を用いて、供給比を1000〜3500で変更したときのC濃度の変動を示している。図2において、横軸はガリウム原料に対する窒素原料の供給比を示し、縦軸は形成される窒化ガリウム層中の炭素の濃度を示している。そして、図中において、白三角のプロットはガリウム原料としてTMGを用いた場合のプロットを示し、黒菱形のプロットはガリウム原料としてTEGを用いた場合のプロットを示す。
図2によれば、供給比を減少させ、炭素を含有するガリウム原料の供給量を相対的に増加させることで、形成される窒化ガリウム層中の炭素の濃度を増加できることが示されている。そして、ガリウム原料としてTMGを用いて供給比を変動することで、窒化ガリウム層中の炭素の濃度を約1.5×1016cm−3以上約2.0×1016cm−3以下の範囲で制御できることが示されている。また、TEGを用いて供給比を変動することで、約3.0×1016cm−3以上約3.0×1017cm−3以下の範囲で制御できる
ことが示されている。すなわち、炭素の濃度を約2×1016cm−3以上約3×1017cm−3以下の範囲で制御することが可能となり、窒化ガリウム層中に不可避的に含有されることになるドナー型不純物を補償できる炭素濃度とすることができる。なお、TMGのプロットとTEGのプロットを比較したとき、C濃度の増加における傾向の相違は、両者の熱力学的振る舞いの相違であると考えられ、我々は実験的にこの差異を確認した。
(その他の実施形態)
次に、本発明の他の実施形態に係る窒化物半導体デバイスの製造方法について、上記実施形態と異なる点を説明する。本実施形態では、結晶成長する工程において、ガリウム原料に対する窒素原料の供給比を500以上3000以下の範囲内にある1点で供給比を固定した場合、窒化ガリウム層の結晶成長の際の圧力を10kPa以上大気圧未満の範囲内で変化させ、減圧環境下で結晶成長する点が上記実施形態と異なる。
ここで、結晶成長する工程における、結晶成長の際の圧力とC濃度との相関関係について図3を用いて説明する。図3は、窒化ガリウム層の結晶成長の際の圧力と、形成される窒化ガリウム層中の炭素濃度と、の相関関係を示す。図3は、後述する実施例4の条件において、ガリウム原料としてトリメチルガリウム(TMG)又はトリエチルガリウム(TEG)を用いて、供給比を約2200に固定したうえで圧力を13kPaから大気圧(101kPa)の範囲で変更したときのC濃度の変動を示している。図3において、横軸は結晶成長の際の圧力を示し、縦軸は形成される窒化ガリウム層中の炭素の濃度を示している。そして、図中において、菱形のプロットはガリウム原料としてTMGを用いた場合のプロットを示しており、黒菱形のプロットは成長温度(基板温度)1060℃の場合、白菱形のプロットは基板温度1150℃の場合をそれぞれ示す。三角のプロットはガリウム原料としてTEGを用いた場合のプロットを示しており、黒三角のプロットは成長温度(基板温度)1060℃の場合、白三角のプロットは基板温度1150℃の場合をそれぞれ示す。
図3によれば、原料供給量や供給比を変化させなくとも、結晶成長の際の圧力を減少させることで、形成される窒化ガリウム層中の炭素濃度を広範囲で増加できることが示されている。具体的には、TMGを用いて、圧力を変動することで、窒化ガリウム層中の炭素の濃度を約2×1016cm−3以上約1×1018cm−3以下の範囲で制御できることが示されている。また、TEGを用いて、炭素の濃度を約8×1016cm−3以上約8×1017cm−3以下の範囲で制御できることが示されている。すなわち、炭素の濃度を2×1016cm−3以上1×1018cm−3以下の範囲で制御することが可能となり、窒化ガリウム層中に不可避的に含有されることになるドナー型不純物を補償できる炭素濃度とすることができる。圧力の変化にともなってC濃度が変化するのは、温度や圧力の違いにより、原料ガス中のメチル基やエチル基に含まれるC−H結合の一部が結晶に取り込まれる割合が変化するためと考えられる。なお、TMGとTEGのC濃度における増加の傾向の相違は、図2と同様に、両者の熱力学的振る舞いの相違であると考えられ、我々はこの差異を実験的に確認した。
結晶成長の圧力としては、減圧状態であれば、特に限定されないが、10kPa以上70kPa以下であることが好ましい。
上記製造方法において、結晶成長する工程の途中で、供給比又は圧力を変化させることが好ましい。供給比又は圧力を変化させることで、厚さ方向にC濃度に勾配を設けることが可能となり、変動するドナー型不純物の濃度を確実に補償して高抵抗の窒化ガリウム層を形成することができる。
(本実施形態の効果)
本実施形態によれば、以下に示す1つ又は複数の効果を奏する。
本実施形態の窒化物半導体デバイスは、窒化ガリウム基板上に、ドナー型不純物及びアクセプタ型不純物を含有する窒化ガリウム層を備えており、窒化ガリウム層はアクセプタ型不純物としての炭素を含有し、炭素の濃度が2×1016cm−3以上1×1018cm−3以下となっている。すなわち、本実施形態の窒化ガリウム層は、アクセプタ型不純物の炭素を所定濃度含有しており、結晶成長の際に不可避的に混入するドナー型不純物又は意図的に添加されるドナー型不純物が炭素によって補償されるため、高抵抗層となっている。
また、窒化ガリウム層は窒化ガリウム基板によって結晶成長されており、不可避的に混入するドナー型不純物の濃度が低く、ドナー型不純物を補償するアクセプタ型不純物の濃度も低くすることができる。このため、窒化ガリウム層は、含有する不純物の合計量が低く、結晶の品質に優れる。
また、本実施形態において、窒化ガリウム層における炭素の濃度が、ドナー型不純物を補償する濃度域を含むように厚さ方向に変化することが好ましい。この構成によれば、不可避的に混入し、その濃度が変動しやすいドナー型不純物に対応して炭素が補償することが可能となり、高抵抗の窒化ガリウム層を得ることができる。
また、本実施形態においては、大気圧において原料の供給比(窒素原料/ガリウム原料)を所定の範囲として窒化ガリウム層を結晶成長する。この構成によれば、窒化ガリウム層におけるアクセプタ型不純物の炭素の濃度を増加させて、ドナー型不純物を補償し、高抵抗の窒化ガリウム層を形成することができる。しかも、窒化ガリウム基板を用いて窒化ガリウム層を結晶成長させるため、不可避的に混入するドナー型不純物の濃度を低減することができる。すなわち、ドナー型不純物を補償するアクセプタ型不純物の添加量を少なくすることで、窒化ガリウム層に含まれる不純物の合計量を低減して、結晶の品質を向上することができる。
また、本実施形態においては、原料の供給比を所定の数値として、減圧環境下で窒化ガリウム層を結晶成長する。この構成によれば、窒化ガリウム層中の炭素の濃度を増加させて、ドナー型不純物を補償し、高抵抗の窒化ガリウム層を形成することができる。
以下の方法および条件で、本発明にかかる実施例のバッファ層としての窒化ガリウム層を製造した。本発明はこれらの実施例により限定されない。
(実施例1)
半絶縁型の窒化ガリウム基板11上に高抵抗の窒化ガリウム層12(GaNバッファ層12)を成長した。ガリウム原料としてトリエチルガリウム(TEG)を、窒素原料としてアンモニア(NH)をそれぞれ使用した。結晶成長の条件としては、圧力を大気圧、TEGに対するNHの供給比を約2000、基板温度を1180℃とした。なお、本実施例では、結晶成長のときに窒化ガリウム層にはドナー不純物を意図的に添加しなかった。
得られた実施例1のGaNバッファ層12について、結晶の品質をX線回折によって測定したところ、半値幅は60〜80arcsecであって、十分な品質であることが確認された。
また、得られた実施例1のGaNバッファ層12における不純物の濃度を2次イオン分
析(SIMS)により測定した。不純物としては、アクセプタ型不純物であるC、ドナー型不純物であるSi及びOを対象とした。GaNバッファ層中のC濃度は約6×1016cm−3、Si濃度は検出下限の5×1015cm−3以下(1×1015cm−3〜3×1015cm−3)、O濃度は検出下限の1×1016cm−3以下であった。
続いて、得られた実施例1のGaNバッファ層12の抵抗値について測定した。具体的には、図4に示すように、GaNバッファ層12上にチタンアルミ(TiAl)電極18a,18bを蒸着し、窒化ガリウム層の抵抗値を評価するための評価構造を形成して抵抗値を測定した。測定に際しては、電極18a,18bに対して直流100Vを印加し、微小電流計で電流を測定することでGaNバッファ層12の抵抗を測定した。その結果、このGaNバッファ層12の抵抗率は300MΩ・cmとなり、高移動度トランジスタ(HEMT)等の下地のバッファ層として十分高い抵抗を有していることが分かった。
また、得られた実施例1のGaNバッファ層12上にデバイス構造を形成して、三端子特性を測定した。
デバイス構造としては、図5に示すように、GaN基板11上に、GaNバッファ層12(厚さ500nm)、GaNチャネル層13(厚さ500nm)、Al0.2Ga0.8N障壁層14(厚さ20nm)を順次積層して、Al0.2Ga0.8N障壁層14にソース電極15、ドレイン電極16、及びゲート電極17を形成することで、HEMT構造の窒化物半導体デバイス1を製造した。
製造された窒化物半導体デバイス1の三端子特性を測定したところ、図6に示すような相関関係が得られた。図6において、横軸はドレイン電圧(Vd[V])を、縦軸はドレイン電流(Id[A/mm])をそれぞれ示している。図6には、ゲート電圧(Vg)を0V、−0.5V、−1.0V、−1.5V、−2.0V、−2.5V、−3.0V、−3.5V、−4.0Vと変えたときに得られるドレイン電圧とドレイン電流との相関関係を示す特性曲線が示されている。図6によれば、ゲート電圧が大きくなるほど、ドレイン電流が小さくなることが示されている。そして、ゲート電圧が−4.0Vのときにドレイン電流が流れなくなることが確認され、ピンチオフすることが示されている。これにより、GaNバッファ層12において、基板11側への電気伝導が抑制されたことが確認された。
また、図2は、実施例1において供給比を変動させた場合の炭素の濃度の変動を示すが、供給比を減少させることによって炭素の濃度が増加することが示されている。図2によれば、供給比を変動することによって炭素の濃度を2×1016cm−3以上2×1017cm−3以下の範囲に制御できることがわかる。なお、実施例1の結晶成長の条件および測定結果を以下の表1に示す。
Figure 2013197357
(実施例2)
実施例1ではドナー成分を意図的に添加しなかったが、装置の状態によってはドナー成分の濃度が向上し、GaNバッファ層の抵抗が低下する可能性がある。そこで、実施例2では、GaNバッファ層12に濃度1×1016cm−3のSiを意図的に添加しドナー成分の濃度を比較的高くして、実施例1と同様の検討を行った。
得られた実施例2のGaNバッファ層12について、結晶の品質をX線回折によって測定したところ、半値幅は60〜80arcsecであって、十分な品質であることが確認された。
また、GaNバッファ層12中のC濃度は約6×1016cm−3、Si濃度は1×1016cm−3、O濃度は検出下限の1×1016cm−3以下であった。
また、実施例1と同様に、GaNバッファ層12の抵抗を測定した。その結果、このGaNバッファ層12の抵抗率は200MΩ・cmとなり、高移動度トランジスタ(HEMT)等の下地のバッファ層として十分高い抵抗を有していることが分かった。また、実施例1と同様にHEMT構造の窒化物半導体デバイスを製造し、その三端子特性を測定したところ、ピンチオフ特性を確認することができた。これによりバッファ層12を介した電気伝導が抑制されたことが確認された。
(実施例3)
実施例3では、実施例1の条件において、ガリウム原料であるTEGと窒素原料であるNHとの供給比を膜厚方向に約1000〜3500の範囲で変化させることで、膜厚方向での補償比が変化したGaNバッファ層12を形成した。
得られた実施例3のGaNバッファ層12について、結晶の品質をX線回折によって測定したところ、半値幅は70〜90arcsecであって、十分な品質であることが確認された。
また、GaNバッファ層12中のC濃度は膜厚方向に約2×1016cm−3から3×1017cm−3の範囲で勾配を有していた。Si濃度は5×1015cm−3〜1×1016cm−3、O濃度は1×1016cm−3以下であった。
また、実施例1と同様に、GaNバッファ層12の抵抗を測定した。その結果、このGaNバッファ層12の抵抗率は100〜250MΩ・cmとなり、高移動度トランジスタ
(HEMT)等の下地のバッファ層として十分高い抵抗を有していることが分かった。また、実施例1と同様にHEMT構造の窒化物半導体デバイスを製造し、その三端子特性を測定したところ、ピンチオフ特性を確認することができた。これによりバッファ層12を介した電気伝導が抑制されたことが確認された。
(実施例4)
半絶縁型の窒化ガリウム基板上に高抵抗のGaNバッファ層を成長した。ガリウム原料としてトリメチルガリウム(TMG)を、窒素原料としてアンモニア(NH)をそれぞれ使用した。結晶成長の条件としては、圧力を50kPa、TMGに対するNHの供給比を約2200、基板温度を1060℃とした。なお、本実施例では、結晶成長のときに窒化ガリウム層にはドナー不純物を意図的に添加しなかった。
得られた実施例4のGaNバッファ層12について、結晶の品質をX線回折によって測定したところ、半値幅は90〜95arcsecであって、十分な品質であることが確認された。
また、GaNバッファ層12中のC濃度は約5×1017cm−3、Si濃度は5×1015cm−3〜8×1015cm−3、O濃度は1×1016cm−3以下であった。
また、実施例1と同様に、GaNバッファ層12の抵抗を測定した。その結果、このGaNバッファ層12の抵抗率は350MΩ・cmとなり、高移動度トランジスタ(HEMT)等の下地のバッファ層として十分高い抵抗を有していることが分かった。
また、図3は、実施例4において結晶成長の際の圧力を変動させた場合における炭素の濃度の変動を示すが、圧力を減少させることによって炭素の濃度が増加することが示されている。図3によれば、圧力を変動することによって炭素の濃度を2×1016cm−3以上1×1018cm−3以下の範囲に制御できることが分かる。
1 窒化物半導体デバイス
11 窒化ガリウム基板
12 バッファ層(窒化ガリウム層)
13 チャネル層
14 障壁層
15 ソース電極
16 ドレイン電極
17 ゲート電極

Claims (5)

  1. 窒化ガリウム基板上に、ドナー型不純物及び前記ドナー型不純物を補償するアクセプタ型不純物を含有する窒化ガリウム層を備え、
    前記窒化ガリウム層は、前記アクセプタ型不純物としての炭素を含有し、前記炭素の濃度が2×1016cm−3以上1×1018cm−3以下である
    ことを特徴とする窒化物半導体デバイス。
  2. 請求項1に記載の窒化物半導体デバイスにおいて、
    前記窒化ガリウム層における前記炭素の濃度が前記ドナー型不純物を補償する濃度域を含むように厚さ方向に変化する
    ことを特徴とする窒化物半導体デバイス。
  3. 窒化ガリウム基板上にガリウム原料及び窒素原料を供給して、ドナー型不純物及び前記ドナー型不純物を補償するアクセプタ型不純物を含有する窒化ガリウム層を結晶成長する工程を備え、
    前記窒化ガリウム層を結晶成長する工程は、前記ガリウム原料として、前記アクセプタ型不純物の炭素を含有するトリエチルガリウム又はトリメチルガリウムの少なくともいずれかと、前記窒素原料としてアンモニアと、を用いており、大気圧環境下において前記ガリウム原料に対する前記窒素原料の供給比を1000以上3500以下として結晶成長する
    ことを特徴とする窒化物半導体デバイスの製造方法。
  4. 窒化ガリウム基板上にガリウム原料及び窒素原料を供給して、ドナー型不純物及び前記ドナー型不純物を補償するアクセプタ型不純物を含有する窒化ガリウム層を結晶成長する工程を備え、
    前記窒化ガリウム層を結晶成長する工程は、前記ガリウム原料として、前記アクセプタ型不純物の炭素を含有するトリエチルガリウム又はトリメチルガリウムの少なくともいずれかと、前記窒素原料としてアンモニアと、を用いており、前記ガリウム原料に対する前記窒素原料の供給比が500以上3000以下において、前記窒化ガリウム層の結晶成長の際の圧力を10kPa以上大気圧未満として減圧環境下で結晶成長する
    ことを特徴とする窒化物半導体デバイスの製造方法。
  5. 請求項3又は4に記載の窒化物半導体デバイスの製造方法において、
    前記窒化ガリウム層を結晶成長する工程の途中で前記供給比又は前記圧力を変化させ て、前記窒化ガリウム層における前記炭素の濃度を、前記ドナー型不純物を補償する濃度域を含むように厚さ方向に変化させる
    ことを特徴とする窒化物半導体デバイスの製造方法。
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