JP2013189531A - ノボラック型フェノール樹脂の製造方法、ノボラック型フェノール樹脂及びフォトレジスト組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、高耐熱性、高感度、高残膜率及び高解像度をバランスよく有するフォトレジスト組成物提供を可能にするノボラック型フェノール樹脂及びその安定的な製造方法を提供することである。
【解決手段】フェノール成分(a)とアルデヒド成分(b)とを縮重合反応させる工程を含むノボラック型フェノール樹脂の製造方法であって、アルデヒド成分(b)が、芳香族ジアルデヒド(b1)とホルムアルデヒド(b2)とを含有し、 縮重合反応させる工程が、酸触媒存在下、フェノール成分(a)と、芳香族ジアルデヒド(b1)又はホルムアルデヒド(b2)のいずれか一方を含有するアルデヒド成分(b)の一部とを縮重合させる第1工程、及び、第1工程で得られた反応混合物と、芳香族ジアルデヒド(b1)又はホルムアルデヒド(b2)のいずれか他方を含有するアルデヒド成分(b)の残部とを縮重合させる第2工程を含むことを特徴とするノボラック型フェノール樹脂の製造方法、及び分子中、少なくとも芳香族ジアルデヒド(b1)由来の単位を含むセグメント又はホルムアルデヒド(b2)由来の単位を含むセグメントが、ブロック化していることを特徴とするノボラック型フェノール樹脂、並びにこれらのノボラック型フェノール樹脂を含有することを特徴とするフォトレジスト組成物に関する。
【選択図】なし
【解決手段】フェノール成分(a)とアルデヒド成分(b)とを縮重合反応させる工程を含むノボラック型フェノール樹脂の製造方法であって、アルデヒド成分(b)が、芳香族ジアルデヒド(b1)とホルムアルデヒド(b2)とを含有し、 縮重合反応させる工程が、酸触媒存在下、フェノール成分(a)と、芳香族ジアルデヒド(b1)又はホルムアルデヒド(b2)のいずれか一方を含有するアルデヒド成分(b)の一部とを縮重合させる第1工程、及び、第1工程で得られた反応混合物と、芳香族ジアルデヒド(b1)又はホルムアルデヒド(b2)のいずれか他方を含有するアルデヒド成分(b)の残部とを縮重合させる第2工程を含むことを特徴とするノボラック型フェノール樹脂の製造方法、及び分子中、少なくとも芳香族ジアルデヒド(b1)由来の単位を含むセグメント又はホルムアルデヒド(b2)由来の単位を含むセグメントが、ブロック化していることを特徴とするノボラック型フェノール樹脂、並びにこれらのノボラック型フェノール樹脂を含有することを特徴とするフォトレジスト組成物に関する。
【選択図】なし
Description
本発明は、ノボラック型フェノール樹脂の製造方法に関する。また、本発明は、高耐熱性、高感度、高残膜率及び高解像度をバランスよく有するフォトレジスト組成物の提供を可能にするノボラック型フェノール樹脂、及び当該ノボラック型フェノール樹脂を含有する樹脂組成物に関する。
一般にポジ型フォトレジストには、ナフトキノンジアジド化合物等のキノンジアジド基を有する感光剤とアルカリ可溶性樹脂からなる組成物が用いられる。この組成物からなるポジ型フォトレジストは、アルカリ溶液による現像によって高い解像力を示し、IC、LSI等の半導体製造、LCD等の回路基材の製造に好適に利用されている。特に、アルカリ可溶性樹脂として耐熱性を有するノボラック型フェノール樹脂を用いると、露光後のドライエッチングを好適に行うことができる。このため、ノボラック型フェノール樹脂とナフトキノンジアジド系感光剤とを含有するポジ型フォトレジスト組成物が種々検討されて実用化されてきた。
LCDの分野では、TFT、STN等の技術の進展に伴い画像の線幅が細くなり、さらに微細化の傾向が強まっている。最近では、高精細なTFT表示素子では、設計寸法が数μmレベルまで向上している。かかる用途においては、特に高耐熱性、高感度、高残膜率及び高解像度を有するフォトレジストが要求され、従来のポジ型フォトレジストでは対応できなくなりつつある。また、半導体製造に用いられるフォトレジストに対しては、より高いレベルで高耐熱性、高感度、高残膜率及び高解像度をバランスよく有するノボラック型フェノール樹脂が特に求められている。
特許文献1には、フォトレジスト組成物に用いられるノボラック型フェノール樹脂について、アルデヒド類として、特定の構造を有する芳香族ジアルデヒドを、5重量%以上の量で用いることが開示されている。具体的には、実施例においてm−クレゾール、p−クレゾール、ホルムアルデヒド、テレフタルアルデヒドを混合し、これを反応させて、数平均分子量が1000程度の樹脂を得ている。
前記の特許文献1は、樹脂の製造方法は詳細に検討されたものではなく、また高耐熱性、高感度、高残膜率及び高解像度をバランスよく有するものではなかった。本発明は、高耐熱性、高感度、高残膜率及び高解像度をバランスよく有するフォトレジスト組成物を可能にするノボラック型フェノール樹脂を、安定的に提供することを目的とする。
本発明は、以下の事項に関する。
本発明〔1〕は、フェノール成分(a)とアルデヒド成分(b)とを縮重合反応させる工程を含むノボラック型フェノール樹脂の製造方法であって、
アルデヒド成分(b)が、芳香族ジアルデヒド(b1)とホルムアルデヒド(b2)とを含有し、
縮重合反応させる工程が、酸触媒存在下、フェノール成分(a)と、芳香族ジアルデヒド(b1)又はホルムアルデヒド(b2)のいずれか一方を含有するアルデヒド成分(b)の一部とを縮重合させる第1工程、及び、
第1工程で得られた反応混合物と、芳香族ジアルデヒド(b1)又はホルムアルデヒド(b2)のいずれか他方を含有するアルデヒド成分(b)の残部とを縮重合させる第2工程
を含むことを特徴とするノボラック型フェノール樹脂の製造方法に関する。
本発明〔2〕は、フェノール成分(a)が、m−クレゾ−ル及び/又はp−クレゾールを含有する、本発明〔1〕のノボラック型フェノール樹脂の製造方法に関する。
本発明〔3〕は、m−クレゾール及び/又はp−クレゾールの合計量がフェノール成分(a)に対して50質量%以上である、本発明〔1〕又は〔2〕のノボラック型フェノール樹脂の製造方法に関する。
本発明〔4〕は、アルデヒド成分(b)における芳香族ジアルデヒド(b1)とホルムアルデヒド(b2)とのモル比(b1/b2)が、5/95〜95/5である、本発明〔1〕〜〔3〕のいずれかのノボラック型フェノール樹脂の製造方法に関する。
本発明〔5〕は、得られるノボラック型フェノール樹脂の重量平均分子量が2000超である、本発明〔1〕〜〔4〕のいずれかのノボラック型フェノール樹脂の製造方法に関する。
本発明〔1〕は、フェノール成分(a)とアルデヒド成分(b)とを縮重合反応させる工程を含むノボラック型フェノール樹脂の製造方法であって、
アルデヒド成分(b)が、芳香族ジアルデヒド(b1)とホルムアルデヒド(b2)とを含有し、
縮重合反応させる工程が、酸触媒存在下、フェノール成分(a)と、芳香族ジアルデヒド(b1)又はホルムアルデヒド(b2)のいずれか一方を含有するアルデヒド成分(b)の一部とを縮重合させる第1工程、及び、
第1工程で得られた反応混合物と、芳香族ジアルデヒド(b1)又はホルムアルデヒド(b2)のいずれか他方を含有するアルデヒド成分(b)の残部とを縮重合させる第2工程
を含むことを特徴とするノボラック型フェノール樹脂の製造方法に関する。
本発明〔2〕は、フェノール成分(a)が、m−クレゾ−ル及び/又はp−クレゾールを含有する、本発明〔1〕のノボラック型フェノール樹脂の製造方法に関する。
本発明〔3〕は、m−クレゾール及び/又はp−クレゾールの合計量がフェノール成分(a)に対して50質量%以上である、本発明〔1〕又は〔2〕のノボラック型フェノール樹脂の製造方法に関する。
本発明〔4〕は、アルデヒド成分(b)における芳香族ジアルデヒド(b1)とホルムアルデヒド(b2)とのモル比(b1/b2)が、5/95〜95/5である、本発明〔1〕〜〔3〕のいずれかのノボラック型フェノール樹脂の製造方法に関する。
本発明〔5〕は、得られるノボラック型フェノール樹脂の重量平均分子量が2000超である、本発明〔1〕〜〔4〕のいずれかのノボラック型フェノール樹脂の製造方法に関する。
本発明〔6〕は、フェノール成分(a)と、芳香族ジアルデヒド(b1)とホルムアルデヒド(b2)とを含有するアルデヒド成分(b)とを縮重合反応させて得られるノボラック型フェノール樹脂であって、分子中、少なくとも芳香族ジアルデヒド(b1)由来の単位を含むセグメント又はホルムアルデヒド(b2)由来の単位を含むセグメントが、ブロック化していることを特徴とするノボラック型フェノール樹脂に関する。
本発明〔7〕は、フェノール成分(a)が、m−クレゾ−ル及び/又はp−クレゾールを含有する、本発明〔6〕のノボラック型フェノール樹脂に関する。
本発明〔7〕は、フェノール成分(a)が、m−クレゾ−ル及び/又はp−クレゾールを含有する、本発明〔6〕のノボラック型フェノール樹脂に関する。
本発明〔8〕は、本発明〔1〕〜〔5〕のいずれかの製造方法によって得られたノボラック型フェノール樹脂、あるいは本発明〔6〕又は〔7〕のノボラック型フェノール樹脂を含有することを特徴とするフォトレジスト組成物に関する。
本発明の製造方法によれば、高耐熱性、高感度、高残膜率及び高解像度をバランスよく有するフォトレジスト組成物の提供を可能にするノボラック型フェノール樹脂が、安定的に製造できる。すなわち、この製造方法によって得られたノボラック型フェノール樹脂を用いると、高耐熱性、高感度、高残膜率及び高解像度をバランスよく有するフォトレジストを得ることができる。このため、高集積半導体を製造する際のリソグラフィーや液晶用の薄膜フィルムトランジスター(TFT)材料として好適に使用することができる。
フェノール成分(a)とアルデヒド成分(b)とを縮重合反応させる工程を含むノボラック型フェノール樹脂の製造方法であって、
アルデヒド成分(b)が、芳香族ジアルデヒド(b1)とホルムアルデヒド(b2)とを含有し、
縮重合反応させる工程が、酸触媒存在下、フェノール成分(a)と、芳香族ジアルデヒド(b1)又はホルムアルデヒド(b2)のいずれか一方を含有するアルデヒド成分(b)の一部とを縮重合させる第1工程、及び
第1工程で得られた反応混合物と、芳香族ジアルデヒド(b1)又はホルムアルデヒド(b2)のいずれか他方を含有するアルデヒド成分(b)の残部とを縮重合させる第2工程
を含むことを特徴とするノボラック型フェノール樹脂の製造方法に関する。
アルデヒド成分(b)が、芳香族ジアルデヒド(b1)とホルムアルデヒド(b2)とを含有し、
縮重合反応させる工程が、酸触媒存在下、フェノール成分(a)と、芳香族ジアルデヒド(b1)又はホルムアルデヒド(b2)のいずれか一方を含有するアルデヒド成分(b)の一部とを縮重合させる第1工程、及び
第1工程で得られた反応混合物と、芳香族ジアルデヒド(b1)又はホルムアルデヒド(b2)のいずれか他方を含有するアルデヒド成分(b)の残部とを縮重合させる第2工程
を含むことを特徴とするノボラック型フェノール樹脂の製造方法に関する。
本発明におけるフェノール成分(a)は、特に限定されず、フェノール等のフェノール樹脂を製造する際に用いられる公知のフェノール類を使用することができる。具体的には、一価フェノールであっても、多価フェノールであってもよい。フェノール類は、単独でも2種以上を併用してもよい。
一価フェノールとしては、フェノール、クレゾール、キシレノール、トリメチルフェノールを挙げることができる。クレゾールは、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾールの各構造異性体を使用することができ、キシレノールは、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノールの各構造異性体を使用することができ、トリメチルフェノ−ルは、2,3,5−トリメチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール等の各異性体を使用することができる。
多価フェノールとしては、例えばカテコール、レゾルシン、ハイドロキノン、3−メチルカテコール、4−メチルカテコール、2−メチルレゾルシノール、4−メチルレゾルシノール、メチルハイドロキノン、3−エチルカテコール、4−エチルカテコール、2−エチルレゾルシノール、4−エチルレゾルシノール、エチルハイドロキノン、n−プロピルハイドロキノン、イソプロピルハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、4−n−ヘキシルレゾルシノール、4−ヘキサノイルレゾルシノール、3,5−ジメチルカテコール、2,5−ジメチルレゾルシノール、2,3−ジエチルハイドロキノン、2,5−ジメチルハイドロキノン、3,5−ジエチルカテコール、2,5−ジエチルレゾルシノール、2,5−ジエチルハイドロキノン、3,5−ジイソプロピルカテコール、2,5−ジイソプロピルレゾルシノール、2,3−ジイソプロピルハイドロキノン、2,5−ジイソプロピルハイドロキノン、3,5−ジ−t−ブチルカテコール、2,5−ジ−t−ブチルレゾルシノール、2,3−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン等の(ポリ)アルキル置換2価フェノール類等の2価フェノール類、ピロガロール、フロログルシノール、1,2,4−ベンゼントリオール等の3価フェノール類を挙げることができる。これら多価フェノール類のうち、特に好ましくはレゾルシンである。
本発明におけるフェノール成分(a)は、m−クレゾール及び/又はp−クレゾールを含有することが好ましい。具体的には、フェノール成分(a)は、m−クレゾール、p−クレゾール、又はm−クレゾールとp−クレゾールの混合物のいずれかを含有することが好ましい。m−クレゾ−ル及び/又はp−クレゾールの合計の含有量は、フェノール成分(a)に対して、耐熱性の点から、好ましくは50質量%以上である。m−クレゾ−ル及び/又はp−クレゾールの合計の含有量は、より好ましくは75質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上、最も好ましくは100質量%である。m−クレゾール及び/又はp−クレゾールを他のフェノール類と併用する場合、他のフェノール類としては、前記のフェノール、o−クレゾール、キシレノール、トリメチルフェノール等のm−及びp−クレゾール以外の一価フェノール、多価フェノールを使用することができる。
フェノール成分(a)は、m−クレゾール及びp−クレゾールの両方を含有することが好ましい。m−クレゾールとp−クレゾールの割合を調整することで、感度を調整することができる。フェノール成分(a)におけるm−クレゾールとp−クレゾールとのモル比(m−クレゾール/p−クレゾール)は、好ましくは20/80〜90/10、より好ましくは40/60〜80/20である。m−クレゾールの割合が少な過ぎるとフォトレジスト組成物の感度が高くなりすぎる場合がある。
本発明におけるアルデヒド成分(b)は、芳香族ジアルデヒド(b1)とホルムアルデヒド(b2)とを含有する。アルデヒド成分(b)における、芳香族ジアルデヒド(b1)とホルムアルデヒド(b2)とのモル比(b1/b2)は、好ましくは5/95〜95/5である。この範囲であると、フォトレジスト組成物としたときに感光剤が析出するといった不具合を容易に回避することができ、十分な耐熱性が得られる。芳香族ジアルデヒド(b1)とホルムアルデヒド(b2)とのモル比(b1/b2)は、より好ましくは10/90〜80/20、さらに好ましくは10/90〜40/60である。
本発明におけるアルデヒド成分(b)は、ノボラック型フェノール樹脂を構成するフェノール成分を縮合反応させる作用を有する成分であり、芳香族ジアルデヒド(b1)とホルムアルデヒド(b2)との他に、このような作用を有する周知のアルデヒド及び/又はケトンを含有することができる。例えば、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、フルフラール等のアルデヒド類、及びアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類等が挙げられる。
芳香族ジアルデヒド(b1)とホルムアルデヒド(b2)との合計量は、アルデヒド成分(b)に対して、好ましくは50重量%以上、より好ましくは90重量%以上であり、最も好ましくは100重量%である。
なお、アルデヒド成分(b)は、水溶液の形態で、縮重合反応させる工程に供給することができる。
なお、アルデヒド成分(b)は、水溶液の形態で、縮重合反応させる工程に供給することができる。
本発明における芳香族ジアルデヒド(b1)は、芳香族環に二つのアルデヒド基を有する化合物であれば、特に限定されず、例えばフタルアルデヒド、イソフタルアルデヒド、テレフタルアルデヒド、2,3−ナフタレンジアルデヒド、2,6−ナフタレンジアルデヒド等を挙げることができる。芳香族ジアルデヒド(b1)としては、入手の容易さから、フタルアルデヒド、イソフタルアルデヒド、テレフタルアルデヒドが好ましく、テレフタルアルデヒドが特に好ましい。芳香族ジアルデヒドは単独でも、2種以上を併用してもよい。
本発明におけるホルムアルデヒド(b2)は、縮重合反応させる工程に供給するときの形態(状態)としては特に制限はなく、ホルムアルデヒド水溶液、パラホルムアルデヒド、あるいはトリオキサン等を酸存在下で分解してホルムアルデヒドとなる重合物等を好適に用いることができる。
これらのなかでも、取り扱いの容易なホルムアルデヒド水溶液が好ましく、例えば市販品の42%ホルムアルデヒド水溶液をそのままで使用することができる。
これらのなかでも、取り扱いの容易なホルムアルデヒド水溶液が好ましく、例えば市販品の42%ホルムアルデヒド水溶液をそのままで使用することができる。
本発明において、フェノール成分(a)とアルデヒド成分(b)とは、フェノール成分(a)1モルに対して、アルデヒド成分(b)0.1〜1.2モルであることが好ましい。この範囲とすることにより、得られるノボラック型フェノール樹脂の分子量を、フォトレジスト用途等において好適な範囲に容易に制御することができる。
中でも、フェノール成分(a)1モルに対して、アルデヒド成分(b)中の芳香族ジアルデヒド(b1)とホルムアルデヒド(b2)との合計が、0.1〜1.0モルであることが好ましく、より好ましくは0.4〜0.6モルである。
本発明のノボラック型フェノール樹脂の製造方法の特徴の一つは、アルデヒド成分(b)が、芳香族ジアルデヒド(b1)とホルムアルデヒド(b2)とを含有するところにある。アルデヒド成分(b)が、例えば芳香族ジアルデヒド(b1)単独の場合には、高分子量化することによって耐熱性の向上を期待できるが、生成する樹脂の軟化点や粘度が高くなり過ぎて、均一な反応が望めなくなったり、反応中に撹拌が困難になったりする不都合が生じる。
本発明においては、アルデヒド成分(b)として芳香族ジアルデヒド(b1)と共にホルムアルデヒド(b2)を使用しており、ホルムアルデヒド(b2)によって、高分子量化しても軟化点や粘度が高くなり過ぎるのを抑制することができる。この結果、本発明の製造方法は、縮重合反応を常に均一に制御しながら進めることができる。例えば、アルデヒド成分(b)を確実に消費させて樹脂中に取り込むことによって反応を完結させることが可能になる。すなわち、本発明の製造方法によれば、適切な分子量(特に比較的高分子量、且つ狭い分子量分布)のノボラック型フェノール樹脂を、品質を安定化して再現性よく製造することができる。
本発明においては、アルデヒド成分(b)として芳香族ジアルデヒド(b1)と共にホルムアルデヒド(b2)を使用しており、ホルムアルデヒド(b2)によって、高分子量化しても軟化点や粘度が高くなり過ぎるのを抑制することができる。この結果、本発明の製造方法は、縮重合反応を常に均一に制御しながら進めることができる。例えば、アルデヒド成分(b)を確実に消費させて樹脂中に取り込むことによって反応を完結させることが可能になる。すなわち、本発明の製造方法によれば、適切な分子量(特に比較的高分子量、且つ狭い分子量分布)のノボラック型フェノール樹脂を、品質を安定化して再現性よく製造することができる。
また、本発明のノボラック型フェノール樹脂の製造方法の特徴の別の一つは、フェノール成分(a)とアルデヒド成分(b)とを縮重合反応させる工程が、酸触媒存在下、フェノール成分(a)と、芳香族ジアルデヒド(b1)又はホルムアルデヒド(b2)のいずれか一方を含有するアルデヒド成分(b)の一部とを縮重合させる第1工程、及び第1工程で得られた反応混合物と、芳香族ジアルデヒド(b1)又はホルムアルデヒド(b2)のいずれか他方(第1工程で用いなかった方)を含有するアルデヒド成分(b)の残部とを縮重合させる第2工程を含む2段法であることである。第1工程で、芳香族ジアルデヒド(b1)を含むアルデヒド成分(b)の一部を用いて、第2工程で、ホルムアルデヒド(b2)を含むアルデヒド成分(b)の残部を用いてもよいし、第1工程で、ホルムアルデヒド(b2)を含むアルデヒド成分(b)の一部を用いて、第2工程で、芳香族ジアルデヒド(b1)を含むアルデヒド成分(b)の残部を用いてもよい。アルデヒド成分(b1)及びアルデヒド成分(b2)以外のアルデヒド及び/ケトンを使用する場合、他のアルデヒドは、第1工程で使用するアルデヒド成分(b)の一部として使用してもよく、第2工程で使用するアルデヒド成分(b)の残部として使用してもよく、第1工程と第2工程の両方で使用してもよい。
具体的には、アルデヒド成分(b)が、芳香族ジアルデヒド(b1)とホルムアルデヒド(b2)との組み合わせであって、縮重合反応させる工程が、酸触媒存在下、フェノール成分(a)と、芳香族ジアルデヒド(b1)又はホルムアルデヒド(b2)のいずれかを縮重合させる第1工程と、次いで、第1工程で得られた反応混合物と、芳香族ジアルデヒド(b1)又はホルムアルデヒド(b2)のいずれか他方(第1工程で用いなかった方)とを縮重合させる第2工程とを含むノボラック型フェノール樹脂の製造方法が挙げられる。より詳細には、第1工程でフェノール成分(a)と芳香族ジアルデヒド(b1)とを縮重合させ、次いで、第2工程で第1工程の反応混合物にホルムアルデヒド(b2)を添加してさらに縮重合させる方式と、第1工程でフェノール成分(a)とホルムアルデヒド(b2)とを縮重合させ、次いで、第2工程で第1工程の反応混合物に芳香族ジアルデヒド(b1)を添加してさらに縮重合させる方式とが挙げられる。
本発明の製造方法によれば、第1工程で、フェノール成分(a)と芳香族ジアルデヒド(b1)(あるいはホルムアルデヒド(b2))とが縮重合して、フェノール成分(a)と芳香族ジアルデヒド(b1)(あるいはホルムアルデヒド(b2))による第1のセグメントを形成し、次いで第2工程では、反応混合物中の残存するフェノール成分(a)、生成した第1のセグメント、及び新たに添加されたホルムアルデヒド(b2)(あるいは芳香族ジアルデヒド(b1))とが縮重合して、第1のセグメントに加えて新たに生成した第2のセグメントを有するノボラック型フェノール樹脂を生成することになる。この第1のセグメントと第2のセグメントとは、それぞれを形成している化学構造において、フェノール成分同士を架橋しているアルデヒド成分の種類(芳香族ジアルデヒド(b1)又はホルムアルデヒド(b2))が相違したものになっており、アルデヒド成分の種類によってブロック化している。
このように、分子中、芳香族ジアルデヒド(b1)由来の単位を含むセグメント及び/又はホルムアルデヒド(b2)由来の単位を含むセグメントがブロック化しているノボラック型フェノール樹脂は、ブロック化に由来すると考えられるが、耐熱性、感度、残膜率及び解像度等のフォトレジスト組成物において要求される特性を、高レベルでバランスよく発現することができる。
第1工程で使用する酸触媒としては、フェノ−ル成分とアルデヒド又はケトンとを反応させる能力のある酸であれば、特に限定されず、例えば、シュウ酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機スルホン酸、塩酸、硫酸等の無機酸等を使用できる。これらの中では、硫酸又はp−トルエンスルホン酸が好ましい。
酸触媒の使用量は、フェノ−ル成分(a)に対して、0.01重量%〜5重量%とすることができる。ノボラック型フェノール樹脂をフォトレジスト用組成物に使用する場合、樹脂中に残存した酸触媒がフォトレジストの特性に影響を及ぼすことがあるため、極力少ない方が好ましい。好ましい使用量は、その種類によっても異なり、シュウ酸の場合は0.3〜1.0重量%、硫酸の場合は0.05〜0.1重量%、またp−トルエンスルホン酸の場合は0.1〜0.5重量%がよい。
酸触媒は、第2工程を行う際にさらに追加しても構わない。
本発明の製造方法には、無溶媒でもよいが、必要によって反応溶媒を使用することができる。反応溶媒としては、フェノール成分(a)、芳香族ジアルデヒド(b1)及びホルムアルデヒド(b2)を溶解する水が好適であるが、場合によっては、反応に影響を及ぼさない有機溶媒を使用することもできる。
このような有機溶媒としては、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等のエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類等が挙げられる。
これらの反応溶媒の使用量は、反応原料100質量部当り、20〜1000質量部とすることができ、好ましくは30〜100質量部である。
このような有機溶媒としては、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等のエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類等が挙げられる。
これらの反応溶媒の使用量は、反応原料100質量部当り、20〜1000質量部とすることができ、好ましくは30〜100質量部である。
本発明の縮重合反応は、常圧下で行うことができるが、加圧ないし減圧下で行ってもよい。
本発明の製造方法における縮重合反応の反応温度は、特に限定されず、50〜200℃とすることができる。この範囲であれば、反応の制御が容易であり、目的のノボラック型フェノール樹脂を安定的に得ることができる。反応温度は、好ましくは60〜160℃であり、より好ましくは80〜140℃である。なお、反応温度は、原料の反応性にも依存する。例えば芳香族ジアルデヒドはホルムアルデヒドよりも反応性が低いので、芳香族ジアルデヒド(b1)を反応するときは、ホルムアルデヒド(b2)を反応するときに比べて、比較的高温にすることが好ましい。
本発明の製造方法における縮重合反応(第1工程及び第2工程)の反応時間は、反応温度にもよるが、0.1〜30時間程度とすることができる。第1工程においては、芳香族ジアルデヒド(b1)又はホルムアルデヒド(b2)のいずれか一方を含有するアルデヒド成分(b)の一部が、十分に消費されるように反応させることが好ましい。アルデヒド成分(b)の一部を100モル%とした場合に、その50モル%以上が消費されるように反応させることが好ましく、好ましくは70モル%以上、より好ましくは90モル%以上、特に好ましくは100モル%が消費されるように反応させる。第1工程で十分に反応させないと、本発明のブロック化したノボラック型フェノール樹脂を得ることが難しくなる場合がある。第2工程においても、使用するアルデヒド成分(b)の残部が、十分に消費されるように反応させることが好ましい。縮重合反応(第1工程及び第2工程)によって、アルデヒド成分(b)を十分に反応させることが重要である。残存するアルデヒド成分(b)は、使用したアルデヒド成分(b)の全部を100モル%とした場合、20モル%以下であることが好ましく、より好ましくは10モル%以下、さらに好ましくは5モル%以下、特に好ましくは実質的に0モル%である。
本発明の製造方法においては、縮重合反応終了後、後処理として、塩基を添加して酸触媒を中和し、続いて酸触媒を除去するために水を加えて水洗を実施することが好ましい。
酸触媒の中和のための塩基としては、特に限定されず、酸触媒を中和し、水に可溶となる塩を形成するものを使用することができる。例えば、金属水酸化物や金属炭酸塩等の無機塩基、アミンや有機アミン等の有機塩基が挙げられる。無機塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。有機塩基としては、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、トリブチルアミン等の有機アミンが挙げられる。好ましくは有機アミンである。塩基の使用量は、酸触媒を中和し、反応系内のpHを4〜8の範囲にする量で使用することが好ましい。
水洗における水洗水の量と水洗の回数は、特に限定されない。酸触媒をフォトレジスト組成物としての実使用に影響ない程度の量まで除去するため、1〜5回の水洗を行なうことが好ましい。水洗温度は、特に限定されない。酸触媒除去の効率と作業性の観点から40〜95℃で行うのが好ましい。水洗中、樹脂と水洗水の分離が悪い場合は、樹脂の粘度を低下させる溶媒の添加や水洗温度を上昇させることが効果的である。このような溶媒は、フェノ−ル樹脂を溶解し、粘度を低下させるものであれば特に限定されることなく使用することができる。
酸性触媒を中和及び水洗により除去した後、例えば、反応系の温度を130℃〜230℃に上げて、20〜50torrの減圧下で、反応系内に存在する未反応原料、有機溶媒等の揮発分を留去して、本発明のノボラック型フェノール樹脂を得ることができる。
本発明のノボラック型フェノール樹脂は、フェノール成分(a)と、芳香族ジアルデヒド(b1)とホルムアルデヒド(b2)とを含有するアルデヒド成分(b)とを縮重合反応させて得られるノボラック型フェノール樹脂であって、分子中、少なくとも芳香族ジアルデヒド(b1)由来の単位を含むセグメント及び/又はホルムアルデヒド(b2)由来の単位を含むセグメントが、ブロック化していることを特徴とするノボラック型フェノール樹脂である。
ブロック化は、縮重合反応の第1工程で、フェノール成分(a)と芳香族ジアルデヒド(b1)又はホルムアルデヒド(b2)のいずれか一方を含むアルデヒド成分(b)の一部を、十分に反応させることにより、芳香族ジアルデヒド(b1)又はホルムアルデヒド(b2)を分子内に連続的又は局在化するように導入することに基づいて達成される。そして、縮重合反応の第2工程では、新たに、第1工程で用いられなかった芳香族ジアルデヒド(b1)又はホルムアルデヒド(b2)のいずれか他方が主に反応に関与するために、さらにブロック化が進む。その結果得られるノボラック型フェノール樹脂は、1段反応で得られるようなランダム性はなく、ノボラック型フェノール樹脂の分子内で芳香族ジアルデヒド(b1)又はホルムアルデヒド(b2)が高い割合で連続的又は局在化するように導入された構造を有する。すなわち、分子内の、フェノール成分(a)を架橋するアルデヒド成分(b)の配置が、種類(芳香族アルデヒド(b1)又はホルムアルデヒド(b2))で局在し、それぞれブロック化しているものである。本発明のノボラック型フェノール樹脂は、芳香族ジアルデヒド(b1)又はホルムアルデヒド(b2)のいずれか一方が、1段反応の場合と比較して、好ましくは1.1倍以上、より好ましくは1.3倍以上、さらに好ましくは1.5倍以上の高い割合で隣接して配置している。
本発明のノボラック型フェノール樹脂の重量平均分子量は、特に限定されず、重量平均分子量が2000超とすることができ、好ましくは2500以上、より好ましくは3000以上、特に好ましくは4000以上であり、また、50000以下とすることができる。特に、フォトレジスト組成物の性能や製造上のハンドリング性から、4000〜50000がより好ましく、5000〜30000がさらに好ましく、7000〜20000が特に好ましい。重量平均分子量が5000より小さい場合は、感度が高過ぎて耐熱性が劣る場合があり、50000より大きい場合は感度が低い場合がある。本願明細書における、重量平均分子量は、GPC測定を行い、ポリスチレン換算により求めた値である。
本発明のノボラック型フェノール樹脂の軟化点は、耐熱性から140℃以上が好ましく、さらに好ましくは150℃以上、特に好ましくは160℃以上である。
本発明のノボラック型フェノール樹脂の軟化点は、耐熱性から140℃以上が好ましく、さらに好ましくは150℃以上、特に好ましくは160℃以上である。
本発明のノボラック型フェノール樹脂を含有するフォトレジスト組成物は、高耐熱性、高感度、高残膜率及び高解像度をバランスよく有するフォトレジストの製造を可能にするので、高集積半導体を製造する際のリソグラフィーや、液晶用の薄膜フィルムトランジスター(TFT)材料として好適に用いることができる。
本発明のフォトレジスト組成物は、組成物中、本発明のノボラック型フェノール樹脂(A)を好ましくは5〜40重量%、より好ましくは10〜25重量%含有する。
本発明のフォトレジスト用組成物は、感光剤(B)を含有することができる。感光剤(B)としては、特に限定されず、ノボラック型フェノール樹脂を含有するフォトレジスト組成物における感光剤として公知のものを使用できる。感光剤(B)としては、キノンジアジド基を有するキノンジアジド化合物が好ましく、特に1,2−キノンジアジド化合物又はその誘導体が好ましい。
キノンジアジド化合物を用いることで、露光した部分は溶解促進効果によりアルカリ溶解速度が大きくなり、逆に露光しない部分は溶解抑制効果によりアルカリ溶解速度が小さくなり、この露光部と未露光部の溶解速度の差によって、コントラストの高い、シャープなレジストパターンを得ることができる。
キノンジアジド化合物としては、従来、キノンジアジド−ノボラック系レジストで用いられている公知の化合物を用いることができる。このようなキノンジアジド基を含む化合物としては、ナフトキノンジアジドスルホン酸クロリドやベンゾキノンジアジドスルホン酸クロリド等と、これらの酸クロリドと縮合反応可能な官能基を有する化合物とを反応させることによって得られた化合物が好ましい。ここで酸クロリドと縮合可能な官能基としては水酸基、アミノ基等が挙げられるが、特に水酸基が好適である。酸クロリドと縮合可能な水酸基を有する化合物としては、例えばハイドロキノン、レゾルシン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,6−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,3,4,6’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン等のヒドロキシベンゾフェノン類、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン等のヒドロキシフェニルアルカン類、4,4’,3”,4”−テトラヒドロキシ−3,5,3’,5’−テトラメチルトリフェニルメタン、4,4’,2”,3”,4”−ペンタヒドロキシ−3,5,3’,5’−テトラメチルトリフェニルメタン等のヒドロキシトリフェニルメタン類等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、また2種以上を組合せて用いてもよい。
酸クロリドであるナフトキノンジアジドスルホン酸クロリドやベンゾキノンジアジドスルホン酸クロリドの具体例としては、例えば、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルフォニルクロリド、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルフォニルクロリド等が好ましいものとして挙げられる。
キノンジアジド化合物としては、従来、キノンジアジド−ノボラック系レジストで用いられている公知の化合物を用いることができる。このようなキノンジアジド基を含む化合物としては、ナフトキノンジアジドスルホン酸クロリドやベンゾキノンジアジドスルホン酸クロリド等と、これらの酸クロリドと縮合反応可能な官能基を有する化合物とを反応させることによって得られた化合物が好ましい。ここで酸クロリドと縮合可能な官能基としては水酸基、アミノ基等が挙げられるが、特に水酸基が好適である。酸クロリドと縮合可能な水酸基を有する化合物としては、例えばハイドロキノン、レゾルシン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,6−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,3,4,6’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン等のヒドロキシベンゾフェノン類、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン等のヒドロキシフェニルアルカン類、4,4’,3”,4”−テトラヒドロキシ−3,5,3’,5’−テトラメチルトリフェニルメタン、4,4’,2”,3”,4”−ペンタヒドロキシ−3,5,3’,5’−テトラメチルトリフェニルメタン等のヒドロキシトリフェニルメタン類等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、また2種以上を組合せて用いてもよい。
酸クロリドであるナフトキノンジアジドスルホン酸クロリドやベンゾキノンジアジドスルホン酸クロリドの具体例としては、例えば、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルフォニルクロリド、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルフォニルクロリド等が好ましいものとして挙げられる。
感光剤(B)の配合量は、ノボラック型フェノール樹脂(A)100質量部に対して、5〜50質量部が好ましい。この範囲であれば、感光性樹組成物として十分な感度が、容易に得られ、成分の析出の問題も回避することができる。感光剤(B)の配合量は、より好ましくは10〜40質量部である。
本発明のレジスト組成物は、ノボラック型フェノール樹脂(A)及び感光剤(B)の他に、レジスト組成物の慣用成分である、酸化防止剤等の安定剤、可塑剤、界面活性剤、密着性向上剤、溶解促進剤、溶解阻害剤等を添加することができる。
以下、本発明を実施例等によりさらに具体的に説明する。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[1]ノボラック型フェノール樹脂
まず、ノボラック型フェノール樹脂の実施例を示す。なお、樹脂の分析方法や評価方法は次の通りである。
(1)重量平均分子量
以下の条件でGPC測定を行い、ポリスチレン換算による重量平均分子量を求めた。
型式:HLC−8220 東ソー(株)製
カラム:TSK−GEL Hタイプ G2000H×L 4本
G3000H×L 1本
G4000H×L 1本
測定条件:カラム圧力 13.5MPa
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
フローレート:1mL/min
温度:40℃
検出器:スペクトロフォトメーター(UV−8020)RANGE 2.56
WAVE LENGTH:254nm
インジェクション量:100μmL
試料濃度:5mg/mL
まず、ノボラック型フェノール樹脂の実施例を示す。なお、樹脂の分析方法や評価方法は次の通りである。
(1)重量平均分子量
以下の条件でGPC測定を行い、ポリスチレン換算による重量平均分子量を求めた。
型式:HLC−8220 東ソー(株)製
カラム:TSK−GEL Hタイプ G2000H×L 4本
G3000H×L 1本
G4000H×L 1本
測定条件:カラム圧力 13.5MPa
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
フローレート:1mL/min
温度:40℃
検出器:スペクトロフォトメーター(UV−8020)RANGE 2.56
WAVE LENGTH:254nm
インジェクション量:100μmL
試料濃度:5mg/mL
(2)アルカリ溶解速度
ノボラック型フェノ−ル樹脂3gをPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)9gに溶解し、樹脂溶液を調合した。これらを0.2ミクロンメンブレンフィルターで濾過した。これを4インチシリコンウェハー上に約1.5μmの厚みになるようにスピンコーターで塗布し、110℃で60秒間ホットプレ−ト上で乾燥させた。次いで現像液(1.60%テトラメチルアンモニウムヒドロオキシド水溶液)を用い、完全に膜が消失するまでの時間を計測した。初期膜厚を溶解するまでの時間で割った値を溶解速度とした。
ノボラック型フェノ−ル樹脂3gをPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)9gに溶解し、樹脂溶液を調合した。これらを0.2ミクロンメンブレンフィルターで濾過した。これを4インチシリコンウェハー上に約1.5μmの厚みになるようにスピンコーターで塗布し、110℃で60秒間ホットプレ−ト上で乾燥させた。次いで現像液(1.60%テトラメチルアンモニウムヒドロオキシド水溶液)を用い、完全に膜が消失するまでの時間を計測した。初期膜厚を溶解するまでの時間で割った値を溶解速度とした。
(3)PGMEA溶解性
ノボラック型フェノ−ル樹脂25gをPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)75gに添加し、樹脂混合液を調合した。この混合液を室温中で振盪機を用いて溶解させ、下記基準で評価した。
○:1〜3日で完全に溶解
×:4日以上で完全に溶解又は不溶
ノボラック型フェノ−ル樹脂25gをPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)75gに添加し、樹脂混合液を調合した。この混合液を室温中で振盪機を用いて溶解させ、下記基準で評価した。
○:1〜3日で完全に溶解
×:4日以上で完全に溶解又は不溶
〔実施例1〕
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール88g(0.82モル)、p−クレゾール88g(0.82モル)、テレフタルアルデヒド21.95g(0.16モル)及びp−トルエンスルホン酸0.6gを入れ、120℃で4時間反応させた。その後、反応混合液を85℃まで冷却し、42%ホルムアルデヒド水溶液51.42g(0.68モル)を滴下して加え、その後96℃まで昇温し、さらに4時間反応させた。反応終了後、90℃まで冷却してトリエチルアミン0.5gを添加した。次いでイオン交換水200gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した水層のpHを5.5〜7.0となるように調整し、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料等を除去し、ノボラック型フェノール樹脂153gを得た。
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール88g(0.82モル)、p−クレゾール88g(0.82モル)、テレフタルアルデヒド21.95g(0.16モル)及びp−トルエンスルホン酸0.6gを入れ、120℃で4時間反応させた。その後、反応混合液を85℃まで冷却し、42%ホルムアルデヒド水溶液51.42g(0.68モル)を滴下して加え、その後96℃まで昇温し、さらに4時間反応させた。反応終了後、90℃まで冷却してトリエチルアミン0.5gを添加した。次いでイオン交換水200gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した水層のpHを5.5〜7.0となるように調整し、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料等を除去し、ノボラック型フェノール樹脂153gを得た。
〔実施例2〕
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール88g(0.82モル)、p−クレゾール88g(0.82モル)、テレフタルアルデヒド65.85g(0.49モル)及びp−トルエンスルホン酸0.6gを入れ、120℃で4時間反応させた。その後、反応混合液を85℃まで冷却し、42%ホルムアルデヒド水溶液4.61g(0.07モル)を滴下して加え、その後96℃まで昇温し、さらに4時間反応させた。反応終了後、90℃まで冷却してトリエチルアミン0.5gを添加した。次いでイオン交換水200gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した水層のpHを5.5〜7.0となるように調整し、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料等を除去し、ノボラック型フェノール樹脂234gを得た。
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール88g(0.82モル)、p−クレゾール88g(0.82モル)、テレフタルアルデヒド65.85g(0.49モル)及びp−トルエンスルホン酸0.6gを入れ、120℃で4時間反応させた。その後、反応混合液を85℃まで冷却し、42%ホルムアルデヒド水溶液4.61g(0.07モル)を滴下して加え、その後96℃まで昇温し、さらに4時間反応させた。反応終了後、90℃まで冷却してトリエチルアミン0.5gを添加した。次いでイオン交換水200gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した水層のpHを5.5〜7.0となるように調整し、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料等を除去し、ノボラック型フェノール樹脂234gを得た。
〔実施例3〕
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール88g(0.82モル)、p−クレゾール88g(0.82モル)、テレフタルアルデヒド50.48g(0.38モル)及びp−トルエンスルホン酸0.6gを入れ、120℃で4時間反応させた。その後、反応混合液を85℃まで冷却し、42%ホルムアルデヒド水溶液9.23g(0.13モル)を滴下して加え、その後96℃まで昇温し、さらに4時間反応させた。反応終了後、90℃まで冷却してトリエチルアミン0.5gを添加した。次いでイオン交換水200gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した水層のpHを5.5〜7.0となるように調整し、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料等を除去し、ノボラック型フェノール樹脂187gを得た。
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール88g(0.82モル)、p−クレゾール88g(0.82モル)、テレフタルアルデヒド50.48g(0.38モル)及びp−トルエンスルホン酸0.6gを入れ、120℃で4時間反応させた。その後、反応混合液を85℃まで冷却し、42%ホルムアルデヒド水溶液9.23g(0.13モル)を滴下して加え、その後96℃まで昇温し、さらに4時間反応させた。反応終了後、90℃まで冷却してトリエチルアミン0.5gを添加した。次いでイオン交換水200gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した水層のpHを5.5〜7.0となるように調整し、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料等を除去し、ノボラック型フェノール樹脂187gを得た。
〔実施例4〕
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール88g(0.82モル)、p−クレゾール88g(0.82モル)、テレフタルアルデヒド43.90g(0.33モル)及びp−トルエンスルホン酸0.6gを入れ、120℃で4時間反応させた。その後、反応混合液を85℃まで冷却し、42%ホルムアルデヒド水溶液23.07g(0.33モル)を滴下して加え、その後96℃まで昇温し、さらに4時間反応させた。反応終了後、90℃まで冷却してトリエチルアミン0.5gを添加した。次いでイオン交換水200gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した水層のpHを5.5〜7.0となるように調整し、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料等を除去し、ノボラック型フェノール樹脂211gを得た。
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール88g(0.82モル)、p−クレゾール88g(0.82モル)、テレフタルアルデヒド43.90g(0.33モル)及びp−トルエンスルホン酸0.6gを入れ、120℃で4時間反応させた。その後、反応混合液を85℃まで冷却し、42%ホルムアルデヒド水溶液23.07g(0.33モル)を滴下して加え、その後96℃まで昇温し、さらに4時間反応させた。反応終了後、90℃まで冷却してトリエチルアミン0.5gを添加した。次いでイオン交換水200gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した水層のpHを5.5〜7.0となるように調整し、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料等を除去し、ノボラック型フェノール樹脂211gを得た。
〔実施例5〕
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール118g(1.10モル)、p−クレゾール51g(0.47モル)、テレフタルアルデヒド41.98g(0.31モル)及びp−トルエンスルホン酸0.6gを入れ、120℃で4時間反応させた。その後、反応混合液を85℃まで冷却し、42%ホルムアルデヒド水溶液27.66g(0.39モル)を滴下して加え、その後96℃まで昇温し、さらに4時間反応させた。反応終了後、90℃まで冷却してトリエチルアミン0.5gを添加した。次いでイオン交換水200gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した水層のpHを5.5〜7.0となるように調整し、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料等を除去し、ノボラック型フェノール樹脂182gを得た。
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール118g(1.10モル)、p−クレゾール51g(0.47モル)、テレフタルアルデヒド41.98g(0.31モル)及びp−トルエンスルホン酸0.6gを入れ、120℃で4時間反応させた。その後、反応混合液を85℃まで冷却し、42%ホルムアルデヒド水溶液27.66g(0.39モル)を滴下して加え、その後96℃まで昇温し、さらに4時間反応させた。反応終了後、90℃まで冷却してトリエチルアミン0.5gを添加した。次いでイオン交換水200gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した水層のpHを5.5〜7.0となるように調整し、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料等を除去し、ノボラック型フェノール樹脂182gを得た。
〔実施例6〕
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール150g(1.39モル)、テレフタルアルデヒド37.26g(0.28モル)及びp−トルエンスルホン酸0.6gを入れ、120℃で4時間反応させた。その後、反応混合液を85℃まで冷却し、42%ホルムアルデヒド水溶液29.37g(0.42モル)を滴下して加え、その後96℃まで昇温し、さらに4時間反応させた。反応終了後、90℃まで冷却してトリエチルアミン0.5gを添加した。次いでイオン交換水200gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した水層のpHを5.5〜7.0となるように調整し、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料等を除去し、ノボラック型フェノール樹脂160gを得た。
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール150g(1.39モル)、テレフタルアルデヒド37.26g(0.28モル)及びp−トルエンスルホン酸0.6gを入れ、120℃で4時間反応させた。その後、反応混合液を85℃まで冷却し、42%ホルムアルデヒド水溶液29.37g(0.42モル)を滴下して加え、その後96℃まで昇温し、さらに4時間反応させた。反応終了後、90℃まで冷却してトリエチルアミン0.5gを添加した。次いでイオン交換水200gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した水層のpHを5.5〜7.0となるように調整し、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料等を除去し、ノボラック型フェノール樹脂160gを得た。
〔実施例7〕
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール38g(0.35モル)、o−クレゾール113g(1.04モル)、テレフタルアルデヒド37.26g(0.28モル)及びp−トルエンスルホン酸0.6gを入れ、120℃で4時間反応させた。その後、反応混合液を85℃まで冷却し、42%ホルムアルデヒド水溶液9.23g(0.13モル)を滴下して加え、その後96℃まで昇温し、さらに4時間反応させた。反応終了後、90℃まで冷却してトリエチルアミン0.5gを添加した。次いでイオン交換水200gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した水層のpHを5.5〜7.0となるように調整し、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料等を除去し、ノボラック型フェノール樹脂165gを得た。
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール38g(0.35モル)、o−クレゾール113g(1.04モル)、テレフタルアルデヒド37.26g(0.28モル)及びp−トルエンスルホン酸0.6gを入れ、120℃で4時間反応させた。その後、反応混合液を85℃まで冷却し、42%ホルムアルデヒド水溶液9.23g(0.13モル)を滴下して加え、その後96℃まで昇温し、さらに4時間反応させた。反応終了後、90℃まで冷却してトリエチルアミン0.5gを添加した。次いでイオン交換水200gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した水層のpHを5.5〜7.0となるように調整し、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料等を除去し、ノボラック型フェノール樹脂165gを得た。
〔実施例8〕
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール83g(0.76モル)、p−クレゾール83g(0.76モル)、レゾルシン19g(0.17モル)、テレフタルアルデヒド22.80g(0.17モル)及びp−トルエンスルホン酸0.6gを入れ、120℃で4時間反応させた。その後、反応混合液を85℃まで冷却し、42%ホルムアルデヒド水溶液43.13g(0.61モル)を滴下して加え、その後96℃まで昇温し、さらに4時間反応させた。反応終了後、90℃まで冷却してトリエチルアミン0.5gを添加した。次いでイオン交換水200gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した水層のpHを5.5〜7.0となるように調整し、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料等を除去し、ノボラック型フェノール樹脂167gを得た。
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール83g(0.76モル)、p−クレゾール83g(0.76モル)、レゾルシン19g(0.17モル)、テレフタルアルデヒド22.80g(0.17モル)及びp−トルエンスルホン酸0.6gを入れ、120℃で4時間反応させた。その後、反応混合液を85℃まで冷却し、42%ホルムアルデヒド水溶液43.13g(0.61モル)を滴下して加え、その後96℃まで昇温し、さらに4時間反応させた。反応終了後、90℃まで冷却してトリエチルアミン0.5gを添加した。次いでイオン交換水200gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した水層のpHを5.5〜7.0となるように調整し、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料等を除去し、ノボラック型フェノール樹脂167gを得た。
〔実施例9〕
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール88g(0.82モル)、p−クレゾール88g(0.82モル)、42%ホルムアルデヒド37.41g(0.53モル)及びp−トルエンスルホン酸0.2gを入れ、100℃で4時間反応させた。その後、反応混合液にテレフタルアルデヒド47.20g(0.35モル)とp−トルエンスルホン酸0.3gを加え、さらに120℃で4時間反応させた。反応終了後、90℃まで冷却してトリエチルアミン0.5gを添加した。次いでイオン交換水200gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した水層のpHを5.5〜7.0となるように調整し、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料等を除去し、ノボラック型フェノール樹脂187gを得た。
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール88g(0.82モル)、p−クレゾール88g(0.82モル)、42%ホルムアルデヒド37.41g(0.53モル)及びp−トルエンスルホン酸0.2gを入れ、100℃で4時間反応させた。その後、反応混合液にテレフタルアルデヒド47.20g(0.35モル)とp−トルエンスルホン酸0.3gを加え、さらに120℃で4時間反応させた。反応終了後、90℃まで冷却してトリエチルアミン0.5gを添加した。次いでイオン交換水200gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した水層のpHを5.5〜7.0となるように調整し、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料等を除去し、ノボラック型フェノール樹脂187gを得た。
〔実施例10〕
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール83g(0.76モル)、p−クレゾール55g(0.51モル)、42%ホルムアルデヒド38.90g(0.55モル)及びp−トルエンスルホン酸0.2gを入れ、100℃で4時間反応させた。その後、反応混合液にテレフタルアルデヒド18.81g(0.14モル)とp−トルエンスルホン酸0.3gを加え、さらに120℃で4時間反応させた。反応終了後、90℃まで冷却してトリエチルアミン0.5gを添加した。次いでイオン交換水200gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した水層のpHを5.5〜7.0となるように調整し、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料等を除去し、ノボラック型フェノール樹脂116gを得た。
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール83g(0.76モル)、p−クレゾール55g(0.51モル)、42%ホルムアルデヒド38.90g(0.55モル)及びp−トルエンスルホン酸0.2gを入れ、100℃で4時間反応させた。その後、反応混合液にテレフタルアルデヒド18.81g(0.14モル)とp−トルエンスルホン酸0.3gを加え、さらに120℃で4時間反応させた。反応終了後、90℃まで冷却してトリエチルアミン0.5gを添加した。次いでイオン交換水200gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した水層のpHを5.5〜7.0となるように調整し、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料等を除去し、ノボラック型フェノール樹脂116gを得た。
〔実施例11〕
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール118g(1.09モル)、p−クレゾール50g(0.47モル)、42%ホルムアルデヒド47.88g(0.68モル)及びp−トルエンスルホン酸0.2gを入れ、100℃で4時間反応させた。その後、反応混合液にテレフタルアルデヒド23.01g(0.17モル)とp−トルエンスルホン酸0.3gを加え、さらに120℃で4時間反応させた。反応終了後、90℃まで冷却してトリエチルアミン0.5gを添加した。次いでイオン交換水200gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した水層のpHを5.5〜7.0となるように調整し、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料等を除去し、ノボラック型フェノール樹脂151gを得た。
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール118g(1.09モル)、p−クレゾール50g(0.47モル)、42%ホルムアルデヒド47.88g(0.68モル)及びp−トルエンスルホン酸0.2gを入れ、100℃で4時間反応させた。その後、反応混合液にテレフタルアルデヒド23.01g(0.17モル)とp−トルエンスルホン酸0.3gを加え、さらに120℃で4時間反応させた。反応終了後、90℃まで冷却してトリエチルアミン0.5gを添加した。次いでイオン交換水200gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した水層のpHを5.5〜7.0となるように調整し、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料等を除去し、ノボラック型フェノール樹脂151gを得た。
〔比較例1〕
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール80g(0.74モル)、p−クレゾール120g(1.11モル)、42%ホルマリン81.3g(1.14モル)及びシュウ酸0.8gを三つ口フラスコに入れ、100℃で10時間反応させた。反応終了後、実施例と同様に、90℃まで冷却してトリエチルアミン0.3gを添加した。次いでイオン交換水100gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した水層のpHを5.5〜7.0となるように調整し、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、180℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料等を除去し、ノボラック型フェノール樹脂150gを得た。
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール80g(0.74モル)、p−クレゾール120g(1.11モル)、42%ホルマリン81.3g(1.14モル)及びシュウ酸0.8gを三つ口フラスコに入れ、100℃で10時間反応させた。反応終了後、実施例と同様に、90℃まで冷却してトリエチルアミン0.3gを添加した。次いでイオン交換水100gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した水層のpHを5.5〜7.0となるように調整し、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、180℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料等を除去し、ノボラック型フェノール樹脂150gを得た。
〔比較例2〕
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール150g(1.39モル)、テレフタルアルデヒド37.26(0.28モル)及びp−トルエンスルホン酸0.3gを入れ、100℃で20時間反応させた。反応終了後、90℃まで冷却してトリエチルアミン0.3gを添加した。次いでイオン交換水100gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した水層のpHを5.5〜7.0となるように調整し、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料等を除去し、ノボラック型フェノール樹脂137gを得た。
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール150g(1.39モル)、テレフタルアルデヒド37.26(0.28モル)及びp−トルエンスルホン酸0.3gを入れ、100℃で20時間反応させた。反応終了後、90℃まで冷却してトリエチルアミン0.3gを添加した。次いでイオン交換水100gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した水層のpHを5.5〜7.0となるように調整し、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料等を除去し、ノボラック型フェノール樹脂137gを得た。
〔比較例3〕
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール32.41g(0.3モル)、p−クレゾール22g(0.20モル)、37%ホルムアルデヒド15.7g(0.2モル)、テレフタルアルデヒド29.52g(0.22モル)及びシュウ酸0.62gを入れ、100℃で4時間反応させた。反応終了後、実施例と同様に処理し、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料等を除去し、ノボラック型フェノール樹脂43gを得た。
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール32.41g(0.3モル)、p−クレゾール22g(0.20モル)、37%ホルムアルデヒド15.7g(0.2モル)、テレフタルアルデヒド29.52g(0.22モル)及びシュウ酸0.62gを入れ、100℃で4時間反応させた。反応終了後、実施例と同様に処理し、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料等を除去し、ノボラック型フェノール樹脂43gを得た。
〔比較例4〕
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール60g(0.56モル)、p−クレゾール40g(0.37モル)、テレフタルアルデヒド74.5g(0.56モル)、レゾルシ5g(0.05モル)、及びジエチル硫酸2.5gを入れ、内温100℃まで上昇させた。温度到達後、42%ホルマリン26.14g(0.37モル)を、内温96〜100℃を維持させながら3時間で添加し、その後2時間還流下で反応を行った。反応終了後、200℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料等を除去し、ノボラック型フェノール樹脂108gを得た。
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール60g(0.56モル)、p−クレゾール40g(0.37モル)、テレフタルアルデヒド74.5g(0.56モル)、レゾルシ5g(0.05モル)、及びジエチル硫酸2.5gを入れ、内温100℃まで上昇させた。温度到達後、42%ホルマリン26.14g(0.37モル)を、内温96〜100℃を維持させながら3時間で添加し、その後2時間還流下で反応を行った。反応終了後、200℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料等を除去し、ノボラック型フェノール樹脂108gを得た。
〔比較例5〕
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール60g(0.56モル)、p−クレゾール40g(0.37モル)、イソフタルアルデヒド74.5g(0.56モル)、レゾルシン5g(0.05モル)、及びジエチル硫酸2.5gを入れ、内温100℃まで上昇させた。温度到達後、42%ホルマリン26.14g(0.37モル)を、内温96〜100℃を維持させながら3時間で添加し、その後2時間還流下で反応を行った。反応終了後、200℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料等を除去し、ノボラック型フェノール樹脂90gを得た。
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール60g(0.56モル)、p−クレゾール40g(0.37モル)、イソフタルアルデヒド74.5g(0.56モル)、レゾルシン5g(0.05モル)、及びジエチル硫酸2.5gを入れ、内温100℃まで上昇させた。温度到達後、42%ホルマリン26.14g(0.37モル)を、内温96〜100℃を維持させながら3時間で添加し、その後2時間還流下で反応を行った。反応終了後、200℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料等を除去し、ノボラック型フェノール樹脂90gを得た。
実施例1〜11及び比較例1〜5のそれぞれのノボラック型フェノール樹脂の重量平均分子量(Mw)、アルカリ溶解速度、PGMEA溶解性を測定した。測定結果を表1に示す。
表1に示すとおり、実施例1〜11のノボラック型フェノール樹脂は、アルカリ溶解速度、PGMEA溶解性及び感光剤溶解性に優れていた。一方、比較例2のノボラック型フェノール樹脂は、PGMEAへの溶解性が劣り、比較例4のノボラック型フェノール樹脂は、アルカリ溶解速度が速く、実用性に欠けることがわかった。
表1に示すとおり、実施例1〜11のノボラック型フェノール樹脂は、アルカリ溶解速度、PGMEA溶解性及び感光剤溶解性に優れていた。一方、比較例2のノボラック型フェノール樹脂は、PGMEAへの溶解性が劣り、比較例4のノボラック型フェノール樹脂は、アルカリ溶解速度が速く、実用性に欠けることがわかった。
[2]フォトレジスト組成物
次に、本発明のノボラック型フェノール樹脂を用いたフォトレジスト組成物の実施例を示す。なお、フォトレジスト組成物の調整、及びその評価方法は次の通りである。
次に、本発明のノボラック型フェノール樹脂を用いたフォトレジスト組成物の実施例を示す。なお、フォトレジスト組成物の調整、及びその評価方法は次の通りである。
(1)フォトレジスト組成物の調製
実施例1〜11及び比較例1〜5のそれぞれのノボラック型フェノール樹脂を用い、以下の方法でフォトレジスト組成物を調製した。
すなわち、ノボラック型フェノール樹脂20質量部と、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルフォニルクロリド5質量部とを、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)75質量部に溶解し、レジスト溶液を調合した。これらを0.2ミクロンのメンブレンフィルターで濾過してフォトレジスト組成物を得た。
実施例1〜11及び比較例1〜5のそれぞれのノボラック型フェノール樹脂を用い、以下の方法でフォトレジスト組成物を調製した。
すなわち、ノボラック型フェノール樹脂20質量部と、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルフォニルクロリド5質量部とを、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)75質量部に溶解し、レジスト溶液を調合した。これらを0.2ミクロンのメンブレンフィルターで濾過してフォトレジスト組成物を得た。
(2)感度・残膜率・解像度の評価
フォトレジスト組成物を4インチシリコンウェハー上にスピンコーターで塗布し、110℃、60秒間ホットプレート上で乾燥させて、厚みが1.5μの塗膜を形成した。その後、縮小投影露光装置を用い、露光時間を段階的に変えて最適な露光量を確認したうえで、最適な露光量になるように露光した。次いで現像液(2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロオキシド水溶液)を用い、60秒間現像し、リンス、乾燥を行なった。
感度
感度は、走査型電子顕微鏡により、得たれたパターンのパターン形状を観察することにより、以下の基準で評価を行なった。
AA:3mJ/cm2未満で画像が形成出来る。
A:5mJ/cm2未満で画像が形成出来る。
B:5〜60mJ/cm2で画像が形成出来る。
残膜率
未露光部の残膜厚から残膜率を求めた。残膜率とは、現像後の感光性樹脂の膜厚と現像前の感光性樹脂の膜厚の比であり、下記式により表される値である。
残膜率(%)=(現像後の感光性樹脂の膜厚/現像前の感光性樹脂の膜厚)×100
解像度
また、解像度は、テストチャートマスクを用い、下記基準で評価した。
◎:1.5μライン&スペースが解像できる。
○:2.0μライン&スペースが解像できる。
×:2.0μライン&スペースが解像できない。
フォトレジスト組成物を4インチシリコンウェハー上にスピンコーターで塗布し、110℃、60秒間ホットプレート上で乾燥させて、厚みが1.5μの塗膜を形成した。その後、縮小投影露光装置を用い、露光時間を段階的に変えて最適な露光量を確認したうえで、最適な露光量になるように露光した。次いで現像液(2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロオキシド水溶液)を用い、60秒間現像し、リンス、乾燥を行なった。
感度
感度は、走査型電子顕微鏡により、得たれたパターンのパターン形状を観察することにより、以下の基準で評価を行なった。
AA:3mJ/cm2未満で画像が形成出来る。
A:5mJ/cm2未満で画像が形成出来る。
B:5〜60mJ/cm2で画像が形成出来る。
残膜率
未露光部の残膜厚から残膜率を求めた。残膜率とは、現像後の感光性樹脂の膜厚と現像前の感光性樹脂の膜厚の比であり、下記式により表される値である。
残膜率(%)=(現像後の感光性樹脂の膜厚/現像前の感光性樹脂の膜厚)×100
解像度
また、解像度は、テストチャートマスクを用い、下記基準で評価した。
◎:1.5μライン&スペースが解像できる。
○:2.0μライン&スペースが解像できる。
×:2.0μライン&スペースが解像できない。
(3)耐熱性の評価
フォトレジスト組成物を4インチシリコンウェハー上にスピンコーターで塗布し、110℃、60秒間ホットプレート上で乾燥させて、厚みが1.5μの塗膜を形成した。その後、縮小投影露光装置を用い、露光時間を段階的に変えて最適な露光量を確認したうえで、最適な露光量になるように露光した。次いで現像液(1.71%テトラメチルアンモニウムヒドロオキシド水溶液)を用い、60秒間現像した。得られたシリコンウエハーを各温度のホットプレート上で2分間放置し、シリコウエハー上のレジストパターンの形状を走査型電子顕微鏡で観察し、耐熱性を下記基準により評価した。
◎:140℃でパターン形状を維持できる。
○:135℃でパターン形状を維持できる。
×:1350℃でパターン形状を維持できない。
フォトレジスト組成物を4インチシリコンウェハー上にスピンコーターで塗布し、110℃、60秒間ホットプレート上で乾燥させて、厚みが1.5μの塗膜を形成した。その後、縮小投影露光装置を用い、露光時間を段階的に変えて最適な露光量を確認したうえで、最適な露光量になるように露光した。次いで現像液(1.71%テトラメチルアンモニウムヒドロオキシド水溶液)を用い、60秒間現像した。得られたシリコンウエハーを各温度のホットプレート上で2分間放置し、シリコウエハー上のレジストパターンの形状を走査型電子顕微鏡で観察し、耐熱性を下記基準により評価した。
◎:140℃でパターン形状を維持できる。
○:135℃でパターン形状を維持できる。
×:1350℃でパターン形状を維持できない。
実施例1〜11及び比較例1〜5で得られたノボラック型フェノール樹脂を用いて調製したフォトレジスト組成物のフォトレジストとしての評価(感度、残膜率、解像度、耐熱性)を行った。その結果を表2に示した。
表2から、実施例1〜11で得られたノボラック型フェノール樹脂を用いて調製したフォトレジスト組成物は、比較例1〜5で得られたノボラック型フェノール樹脂を用いて調製したフォトレジスト組成物に比べ、感度、残膜率、解像度及び耐熱性のすべての性能をバランスよく満足した。実施例4得られたノボラック型フェノール樹脂を用いて調製したフォトレジスト組成物については、残膜率・解像度・耐熱性が特に優れていた。
一方、比較例1は、感度及び耐熱性が劣り、比較例2は、感度、残膜率及び耐熱性が劣り、比較例3は、全ての項目でおとり、比較例4,5は、感度、残膜率及び耐熱性が劣り、且つ110℃、60秒間ホットプレート上で乾燥後に未反応のアルデヒド類が昇華して装置を汚染する問題が起こった。
一方、比較例1は、感度及び耐熱性が劣り、比較例2は、感度、残膜率及び耐熱性が劣り、比較例3は、全ての項目でおとり、比較例4,5は、感度、残膜率及び耐熱性が劣り、且つ110℃、60秒間ホットプレート上で乾燥後に未反応のアルデヒド類が昇華して装置を汚染する問題が起こった。
本発明の製造方法によれば、半導体装置やLCDを製造する際のリソグラフィーに使用されるフォトレジスト用として、高耐熱性、高感度、高残膜率及び高解像度をバランスよく有するフォトレジスト組成物の提供を可能にするノボラック型フェノール樹脂が、安定的な製造できる。すなわち、この製造方法によって得られたノボラック型フェノール樹脂を用いると、高耐熱性、高感度、高残膜率及び高解像度をバランスよく有するフォトレジストを得ることができる。このため、高集積半導体を製造する際のリソグラフィーや液晶用の薄膜フィルムトランジスター(TFT)材料として好適に使用することができ、産業上の有用性が高い。
Claims (8)
- フェノール成分(a)とアルデヒド成分(b)とを縮重合反応させる工程を含むノボラック型フェノール樹脂の製造方法であって、
アルデヒド成分(b)が、芳香族ジアルデヒド(b1)とホルムアルデヒド(b2)とを含有し、
縮重合反応させる工程が、酸触媒存在下、フェノール成分(a)と、芳香族ジアルデヒド(b1)又はホルムアルデヒド(b2)のいずれか一方を含有するアルデヒド成分(b)の一部とを縮重合させる第1工程、及び、
第1工程で得られた反応混合物と、芳香族ジアルデヒド(b1)又はホルムアルデヒド(b2)のいずれか他方を含有するアルデヒド成分(b)の残部とを縮重合させる第2工程
を含むことを特徴とするノボラック型フェノール樹脂の製造方法。 - フェノール成分(a)が、m−クレゾ−ル及び/又はp−クレゾールを含有する、請求項1に記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
- m−クレゾール及び/又はp−クレゾールの合計量がフェノール成分(a)に対して50質量%以上である、請求項1又は2に記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
- アルデヒド成分(b)における芳香族ジアルデヒド(b1)とホルムアルデヒド(b2)とのモル比(b1/b2)が、5/95〜95/5である、請求項1〜3のいずれかに記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
- 得られるノボラック型フェノール樹脂の重量平均分子量が2000超である、請求項1〜4のいずれかに記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
- フェノール成分(a)と、芳香族ジアルデヒド(b1)とホルムアルデヒド(b2)とを含有するアルデヒド成分(b)とを縮重合反応させて得られるノボラック型フェノール樹脂であって、分子中、少なくとも芳香族ジアルデヒド(b1)由来の単位を含むセグメント又はホルムアルデヒド(b2)由来の単位を含むセグメントが、ブロック化していることを特徴とするノボラック型フェノール樹脂。
- フェノール成分(a)が、m−クレゾ−ル及び/又はp−クレゾールを含有する、請求項6に記載のノボラック型フェノール樹脂。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法によって得られたノボラック型フェノール樹脂、あるいは請求項6又は7に記載のノボラック型フェノール樹脂を含有することを特徴とするフォトレジスト組成物。
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