JP6386765B2 - ノボラック型フェノール樹脂、その製造方法及びそれを用いたフォトレジスト組成物 - Google Patents

ノボラック型フェノール樹脂、その製造方法及びそれを用いたフォトレジスト組成物 Download PDF

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Description

本発明は、フォトレジスト組成物に好適に用いることができるノボラック型フェノール樹脂及びその製造方法、並びに該ノボラック型フェノール樹脂を用いたフォトレジスト組成物に関する。
一般に、ポジ型フォトレジスト組成物には、ナフトキノンジアジド化合物等のキノンジアジド基を有する感光剤とアルカリ可溶性樹脂とが用いられる。このポジ型フォトレジスト組成物は、アルカリ溶液による現像によって高い解像力を有するので、IC、LSI等の半導体製造、LCDなどの回路基材の製造に好適に利用されている。特にアルカリ可溶性樹脂として耐熱性を有するノボラック型フェノール樹脂を用いると、露光後のドライエッチングを好適に行うことができるため、ノボラック型フェノール樹脂を含有する数多くのポジ型フォトレジストが開発、実用化されている。
ポジ型フォトレジスト組成物に用いられるノボラック型フェノール樹脂は、従来、m−、p−又はo−クレゾールとホルムアルデヒドとを酸触媒の存在下で縮重合反応させて得られる樹脂であり、フォトレジストの要求特性に対応して、m−、p−又はo−クレゾールの使用比率などを調製して用いられている。また、フォトレジストの特性を調整又は向上させるために、分子量、分子量分布などの検討がなされている。
ところで、LCDの分野では、TFT、STN等の技術の進展に伴い、画像の線幅が細くなり、さらに微細化の傾向が強まっている。最近では、高精細なTFT表示素子の設計寸法は、数μmレベルまで向上している。かかる用途においては、特に高耐熱、高感度、高残膜率、及び高解像度をバランスよく有するフォトレジスト組成物が要求されるために、従来のポジ型フォトレジスト組成物では対応できなくなりつつある。しかも安価なフォトレジスト用ノボラック樹脂が要望されている。
このため、例えば、特許文献1には、ノボラック型フェノール樹脂の耐熱性を向上させる方法として、キシレノール、トリメチルフェノールなどのアルキルフェノール類を用いた検討がなされている。
また、特許文献2には、解像度を損なうことなく、高耐熱性・高感度を兼ね備えたフォトレジスト用フェノール樹脂として、m−クレゾール、p−クレゾール及びフェノールモノマーを含有するフェノール類と、架橋基としてホルムアルデヒド及び/又はパラホルムアルデヒドを含むフォトレジスト用ノボラック型フェノール樹脂について記載されている。この文献の実施例として、m−クレゾール、p−クレゾールおよびフェノールを含有するフェノール類と、架橋基にホルムアルデヒドを使用した例が開示されている。
特公平6−90441号公報 特開2008−231314号公報
しかしながら、特許文献1に記載されているキシレノール変性クレゾールノボラック樹脂や、トリメチルフェノール変性クレゾールノボラック樹脂は、クレゾールノボラック樹脂に比べ価格が高くなるという欠点がある。更に、耐熱性及び残膜率を向上させるためには、フェノール類の配合比率を、m−クレゾールに対するp−クレゾールの配合、またはm−クレゾールに対するp−クレゾール及びキシレノールの配合を増加させる必要があるが、樹脂中のp−クレゾール成分やキシレノール成分の割合が増えると、アルカリ現像液に対する溶解速度の低下や、感度が悪くなるなどの欠点が発生してしまう。
また、特許文献2に記載の手法で耐熱性、感度、残膜率、解像度を維持するためには、フェノールの割合を15%以内に制限する必要があり、フェノールを一定量しか取り込むことが出来ず、コストとしても目的にかなうフォトレジスト用フェノール樹脂としては不十分である。また、特許文献2に記載のノボラック型フェノール樹脂を用いた場合のフォトレジストは、耐熱性、感度、残膜率、解像度などにおいて十分なものとはいえず、更に改良の余地がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、高耐熱、高感度、高残膜率及び高解像度をバランスよく有し、コストを抑えたフォトレジスト組成物の製造を可能にするノボラック型フェノール樹脂、その製造方法及びそれを用いたフォトレジスト組成物を提供することを目的とする。
以上の目的を達成するため、本発明は、以下の事項に関する。
1. フェノール成分(a)と、アルデヒド成分(b)と、フェノール樹脂成分(c)とを縮重合反応して得られるノボラック型フェノール樹脂であって、前記フェノール成分(a)が、m−クレゾール及びp−クレゾールを含むアルキルフェノール類(a1)からなり、前記アルデヒド成分(b)が、ホルムアルデヒド(b1)からなり、前記フェノール樹脂成分(c)が、フェノール(c1)とホルムアルデヒド(c2)とを縮重合反応して得られたフェノール樹脂(c3)からなることを特徴とするノボラック型フェノール樹脂。
2. 重量平均分子量が1000以上であることを特徴とする前記項1に記載のノボラック型フェノール樹脂。
3. フェノール樹脂成分(c)に由来したセグメント、及びフェノール成分(a)とアルデヒド成分(b)とに由来したセグメントを含んでブロック化されていることを特徴とする前記項1又は2に記載のノボラック型フェノール樹脂。
4. 前記項1乃至3のいずれかに記載のノボラック型フェノール樹脂を含有することを特徴とするフォトレジスト組成物。
5. フェノール(c1)とホルムアルデヒド(c2)とを縮重合反応してフェノール樹脂(c3)を得る第1工程と、該フェノール樹脂(c3)からなるフェノール樹脂成分(c)と、m−クレゾール及びp−クレゾールを含むアルキルフェノール類(a1)からなるフェノール成分(a)と、ホルムアルデヒド(b1)からなるアルデヒド成分(b)とを縮重合反応してノボラック型フェノール樹脂を得る第2工程と、を備えることを特徴とするノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
6. 重量平均分子量が1000以上のノボラック型フェノール樹脂を得ることを特徴とする前記項5に記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
以上のように、本発明によれば、高耐熱、高感度、高残膜率及び高解像度をバランスよく有し、コストを抑えたフォトレジスト組成物の提供を可能にするノボラック型フェノール樹脂を安定的に製造できる製造方法を提供することができる。
また、本発明で用いるフェノール類は、m−クレゾール、p−クレゾール及びフェノール樹脂であることから、ポジ型フォトレジスト用バインダーとして安価な材料となるノボラック型フェノール樹脂を提供することができる。
すなわち、本発明のノボラック型フェノール樹脂を用いると、高耐熱、高感度、高残膜率及び高解像度をバランスよく有し、コストを抑えたフォトレジスト組成物を提供することができる。
[ノボラック型フェノール樹脂]
本発明のノボラック型フェノール樹脂は、m−クレゾール及びp−クレゾールを含むアルキルフェノール類(a1)からなるフェノール成分(a)と、ホルムアルデヒド(b1)からなるアルデヒド成分(b)と、フェノール(c1)とホルムアルデヒド(c2)とを縮重合反応して得られたフェノール樹脂(c3)からなるフェノール樹脂成分(c)とを縮重合反応して得られたノボラック型フェノール樹脂である。
<フェノール成分(a)>
フェノール成分(a)であるアルキルフェノール類(a1)は、m−クレゾール及びp−クレゾールを必須成分とする。アルキルフェノール類(a1)中のm−クレゾールとp−クレゾールとのモル比[m−クレゾール/p−クレゾール]は、好ましくは90/10〜10/90、より好ましくは80/20〜40/60である。
アルキルフェノール類(a1)は、m−クレゾール及びp−クレゾール以外のアルキルフェノールを含んでも構わない。m−クレゾール及びp−クレゾール以外のアルキルフェノールとしては、o−クレゾール、エチルフェノールなどのモノアルキルフェノール;キシレノール、ジエチルフェノールなどのジアルキルフェノール;トリメチルフェノール、トリエチルフェノールなどのトリアルキルフェノールなどを好適に挙げることができる。
また、アルキルフェノール類(a1)中のm−クレゾール及びp−クレゾールとm−クレゾール及びp−クレゾール以外のアルキルフェノールとのモル比[m−クレゾール及びp−クレゾール/m−クレゾール及びp−クレゾール以外のアルキルフェノール]は、特に限定するものではないが、好ましくは50/50〜100/0、より好ましくは80/20〜100/0である。
<アルデヒド成分(b)>
アルデヒド成分(b)であるホルムアルデヒド(b1)の縮重合反応時における使用形態(状態)としては、特に制限はないが、ホルムアルデヒド水溶液、及びパラホルムアルデヒド、トリオキサンなど酸存在下で分解してホルムアルデヒドとなる重合物などを好適に用いることができる。
好ましくは、取り扱いの容易なホルムアルデヒド水溶液であり、市販品の42%ホルムアルデヒド水溶液をそのまま使用することができる。
<フェノール樹脂成分(c)>
フェノール樹脂成分(c)であるフェノール樹脂(c3)は、フェノール(c1)とホルムアルデヒド(c2)とを縮重合反応して得られるノボラック型フェノール樹脂である。
ホルムアルデヒド(c2)の縮重合反応時における使用形態(状態)としては、特に制限はないが、ホルムアルデヒド水溶液、及びパラホルムアルデヒド、トリオキサンなど酸存在下で分解してホルムアルデヒドとなる重合物などを好適に用いることができる。
フェノール(c1)とホルムアルデヒド(c2)からなるフェノール樹脂(c3)の重量平均分子量は、好ましくは300〜5000、より好ましくは500〜2000である。
本発明においては、ノボラック型フェノール樹脂の一成分として、あらかじめ樹脂にしたフェノール樹脂成分(c)を含有させることで、従来の製造では高含有量で含有させることのできなかった溶解性の高いフェノールを高含有量で含有させることが可能になり、コストを削減することができる。
<重量平均分子量>
本発明のノボラック型フェノール樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、フォトレジスト組成物の性能や製造上のハンドリング性から、1000以上が好ましく、1000〜50000が好ましく、1500〜30000がより好ましく、3000〜25000が特に好ましい。重量平均分子量が1000より小さい場合は、感度が高すぎたり、耐熱性に劣る場合がある。
<軟化点>
本発明のノボラック型フェノール樹脂の軟化点は、耐熱性の観点から、140℃以上が好ましく、さらに好ましくは150℃以上、特に好ましくは160℃以上である。軟化点が140℃より低いと、フォトレジスト用として使用する場合に、耐熱性に劣り、好ましくない。
<ブロック重合体>
また、本発明のノボラック型フェノール樹脂は、少なくともフェノール樹脂成分(c)に由来したセグメント、及びフェノール成分(a)とアルデヒド成分(b)とに由来したセグメントを含んでブロック化されていることが好ましい。
本発明のノボラック型フェノール樹脂について、概念的に例示すると、下記の式1及び式2で示される反応により得られるノボラック型フェノール樹脂を例示することができる。まず、式1の反応により、フェノール樹脂成分(c)となるフェノール樹脂が得られ(これをセグメントS1とする。)、次いで、式2の反応により、式1で得られたフェノール樹脂成分(c)とフェノール成分(a)とアルデヒド成分(b)とを反応させることにより、フェノール樹脂成分(c)に由来したセグメントS1と、フェノール成分(a)とアルデヒド成分(b)とに由来したセグメントS2とを含んでブロック化されたノボラック型フェノール樹脂を得ることができる。
よって、本発明のノボラック型フェノール樹脂は、例えば・・・S2S2S1S1S1S2・・・や、・・・S2S1S2S1S2S2S1・・・のような構造を有する。これは、例えばアルキルフェノール類(a1)とホルムアルデヒド(b1)とフェノール(c1)とを一段階でランダム縮重合反応することによって生成したノボラック型フェノール樹脂とは、化学構造が相違するものである。
Figure 0006386765
(ただし、lは1から100の整数を示し、mはセグメント(S1)同士が縮重合した場合の重合度、nはフェノール成分(a)とアルデヒド成分(b)とが縮重合したフェノール樹脂の重合単位の重合度、zはセグメント(S1)とセグメント(S2)とが縮重合した重合度を示し、m、n、zはそれぞれ独立に1から100の整数を示す。)
フェノール樹脂成分(c)に由来したセグメント、及びフェノール成分(a)とアルデヒド成分(b)とに由来したセグメントを有するノボラック型フェノール樹脂は、解像度を損なうことなく、高耐熱性・高感度を兼ね備えたフォトレジストの製造を可能にするフォトレジストに適したノボラック型フェノール樹脂となる。
[ノボラック型フェノール樹脂の製造]
本発明のノボラック型フェノール樹脂の製造方法は、フェノール(c1)とホルムアルデヒド(c2)とを縮重合反応してフェノール樹脂(c3)を得る第1工程と、該フェノール樹脂(c3)からなるフェノール樹脂成分(c)と、m−クレゾール及びp−クレゾールを含むアルキルフェノール類(a1)からなるフェノール成分(a)と、ホルムアルデヒド(b1)からなるアルデヒド成分(b)とを縮重合反応してノボラック型フェノール樹脂を得る第2工程とを備える。
本発明においては、あらかじめ、第1工程として、フェノール(c1)とホルムアルデヒド(c2)とを縮重合反応してフェノール樹脂成分(c)であるフェノール樹脂(c3)を得ておくことで、第2工程において、フェノール成分(a)とアルデヒド成分(b)とフェノール樹脂成分(c)とを縮重合反応させた際に、少なくともフェノール樹脂成分(c)に由来したセグメント、及びフェノール成分(a)とアルデヒド成分(b)とに由来したセグメントを含んでブロック化されたノボラック型フェノール樹脂を製造することが可能になる。
<第1工程>
本発明のノボラック型フェノール樹脂の製造方法の第1工程は、フェノール(c1)とホルムアルデヒド(c2)とを縮重合反応する工程である。上記縮重合反応の反応条件は、以下に示すような通常のフェノール樹脂を調製する際に適用される従来公知の反応条件で構わない。
(フェノール(c1)とアルデヒド(c2)とのモル比(c2/c1))
第1工程において、フェノール(c1)とアルデヒド(c2)を反応する際には、フェノール(c1)1モルに対して、アルデヒド(c2)[アルデヒド(c2)/フェノール成分(c1)]を、好ましくは0.1〜1.0モル、より好ましくは0.3〜0.8モル使用する。
(酸触媒)
第1工程で使用する酸触媒としては、フェノール(c1)とホルムアルデヒド(c2)とを反応させる能力のある酸であれば、特に限定されず、例えば、シュウ酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機スルホン酸、塩酸、硫酸等の無機酸等を単独或いは2種以上併用して使用できる。特に、硫酸、シュウ酸又はp−トルエンスルホン酸が好ましい。
酸触媒の使用量は、フェノール(c1)に対して0.01〜1質量%程度である。ノボラック型フェノール樹脂をフォトレジスト用組成物に使用する場合、樹脂中に残存した酸触媒がフォトレジストの特性に影響を及ぼすことがあるため、酸触媒は、極力少ない方が好ましい。好ましい使用量は、その種類によっても異なり、シュウ酸の場合は0.3〜1.0質量%、硫酸の場合は0.05〜0.1質量%、またp−トルエンスルホン酸の場合は0.1〜0.5質量%程度使用するのがよい。
(反応溶媒)
第1工程では、原料のホルムアルデヒド(c2)に水が含まれる場合には、水が溶媒の役割を担うことができるが、水以外に、必要によって反応に影響を及ぼさない有機溶媒を使用することもできる。これらの有機溶媒としては、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等のエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類等が挙げられる。
これらの反応溶媒の使用量は、反応原料100質量部当り、20〜1000質量部である。
(反応温度)
第1工程における縮重合反応の反応温度は、特に限定されず、好ましくは50〜200℃、より好ましくは70〜180℃、特に好ましくは80〜170℃である。50℃よりも低いと反応が進みにくく、200℃を超えると反応の制御が難しくなり、目的のノボラック型フェノール樹脂を安定的に得ることが難しくなる。
(反応時間、反応圧力)
第1工程における縮重合反応の反応時間は、反応温度にもよるが、通常は0.1〜20時間程度である。また、縮重合反応の反応圧力は、通常は常圧下で行われるが、加圧下或いは減圧下で行ってもよい。
<第2工程>
本発明のノボラック型フェノール樹脂の製造方法の第2工程は、上記のようにして得られたフェノール樹脂(c3)からなるフェノール樹脂成分(c)と、m−クレゾール及びp−クレゾールを含むアルキルフェノール類(a1)からなるフェノール成分(a)と、ホルムアルデヒド(b1)からなるアルデヒド成分(b)とを縮重合反応する工程である。
第2工程は、第1工程に続いて同一の反応系で連続的に行ってもよい。第2工程を連続的に行う場合には、第1工程で得られたフェノール樹脂(c3)からなるフェノール樹脂成分(c)にm−クレゾール及びp−クレゾールを含むアルキルフェノール類(a1)からなるフェノール成分(a)を添加して均一混合した後、ホルムアルデヒド(b1)からなるアルデヒド成分(b)を添加して縮重合反応させる方法をとることができる。
また、第2工程は、第1工程で得られたフェノール樹脂(c3)からなるフェノール樹脂成分(c)を一旦取り出して、第1工程とは別の反応系で行ってもよい。その場合は、m−クレゾール及びp−クレゾールを含むアルキルフェノール類(a1)からなるフェノール成分(a)に第1工程で得られたフェノール樹脂(c3)からなるフェノール樹脂成分(c)を添加して均一混合した後、ホルムアルデヒド(b1)からなるアルデヒド成分(b)を添加して縮重合反応させる方法が好ましい。
なお、第1工程で得られたフェノール樹脂(c3)からなるフェノール樹脂成分(c)は、第1工程の縮重合反応終了後に、塩基を添加し酸性触媒を除去した後、水を加えて水洗し、反応系の温度を130〜230℃に上げて、例えば20〜50torrの減圧下、反応混合物中に残存している未反応原料、有機溶媒等の揮発分を留去することによって、回収したフェノール樹脂(c3)を用いることが好ましい。その際、フェノール樹脂(c3)からなるフェノール樹脂成分(c)に含まれる未反応原料であるフェノール(c1)は、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下、最も好ましくは0.5質量%以下である。
(フェノール成分(a)とフェノール樹脂成分(c)との重量比(a/c))
第2工程において、フェノール成分(a)とフェノール樹脂成分(c)との重量比[フェノール成分(a)/フェノール樹脂成分(c)]は、特に限定するものではないが、好ましくは90/10〜30/70、より好ましくは80/20〜50/50である。フェノール樹脂成分(c)の含有量が少なすぎると、感度が劣り、コストを十分に下げることが出来ない場合がある。また、フェノール樹脂成分(c)の含有量が多すぎると、耐熱性が劣る傾向がある。
(フェノール成分(a)とアルデヒド成分(b)とのモル比(b/a))
第2工程において、フェノール成分(a)とアルデヒド成分(b)とのモル比[アルデヒド成分(b)/フェノール成分(a)]は、フェノール成分(a)1モルに対して、アルデヒド成分(b)を、好ましくは0.2〜1.0モル、より好ましくは0.5〜0.9モル、さらに好ましくは0.6〜0.8モル使用する。
(反応条件)
第2工程における縮重合反応の反応条件としては、上記第1工程で用いた反応条件と同様の条件を採用することができる。酸触媒としては、フェノール成分(a)とアルデヒド成分(b)とフェノール樹脂成分(c)とを反応させる能力のある酸であれば、特に限定されず、具体例としては、上記第1工程で用いることのできる酸触媒が挙げられる。反応性の点から、第1工程で用いた酸触媒と同じものを用いることが好ましく、特に、硫酸、シュウ酸又はp−トルエンスルホン酸が好ましい。
また、反応溶媒、反応温度、反応時間、反応圧力についても、具体的な条件は、上記第1工程で用いた条件と同様である。
<後処理>
縮重合反応が終了後の後処理としては、反応を完全に停止するために塩基を添加して酸触媒を中和し、続いて酸触媒を除去するために水を加えて水洗を行うことが好ましい。
酸触媒の中和のための塩基としては、特に限定されることはなく、酸触媒を中和し、水に可溶となる塩を形成するものであれば使用可能である。例えば、金属水酸化物や金属炭酸塩などの無機塩基ならびにアミンや有機アミンなどの有機塩基が挙げられる。
無機塩基の金属水酸化物や金属炭酸塩の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムや炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウムが挙げられる。
有機塩基のアミンあるいは有機アミンの具体例としては、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、トリブチルアミンなどが挙げられる。好ましくは、有機アミンが使用される。使用量は、酸触媒の量にもよるが、酸触媒を中和し、反応系内のpHが4〜8の範囲に入るような量で使用することが好ましい。
水洗で用いる水の量と水洗の回数は特に限定されないが、経済的観点も含めて、酸触媒を実使用に影響ない程度の量まで除去するために、水洗回数としては1〜5回程度が好ましい。また、水洗の温度は、特に限定されないが、触媒種除去の効率と作業性の観点から40〜95℃で行うのが好ましい。水洗中、ノボラック型フェノール樹脂と水洗水との分離が悪い場合は、混合液の粘度を低下させるために溶媒の添加や水洗の温度を上昇させることが効果的である。溶媒の種類は特に限定されないが、ノボラック型フェノール樹脂を溶解し、粘度を低下させるものであれば使用することができる。
酸性触媒を除去した後、通常は、反応系の温度を130〜230℃に上げて、例えば20〜50torrの減圧下、反応混合物中に残存している未反応原料、有機溶媒等の揮発分を留去することによって、目的のノボラック型フェノール樹脂を好適に分離回収することができる。
[フォトレジスト組成物]
本発明のフォトレジスト組成物は、本発明で得られたノボラック型フェノール樹脂(A)を好ましくは5〜40重量%、より好ましくは10〜25重量%含有する。
本発明のフォトレジスト用組成物は、さらに感光剤(B)を含有することが好ましい。感光剤(B)としては、ノボラック型フェノール樹脂を含むフォトレジストの感光剤として公知のものを使用できる。具体的には、キノンジアジド基を有するキノンジアジド化合物が好ましく、特に、1,2−キノンジアジド化合物又はその誘導体が好ましい。キノンジアジド化合物を用いることで、露光した部分は溶解促進効果によりアルカリ溶解速度が大きくなり、逆に露光しない部分は、溶解抑制効果によりアルカリ溶解速度が小さくなり、この露光部と未露光部の溶解速度の差によって、コントラストの高い、シャープなレジストパターンを得ることが出来る。
キノンジアジド化合物としては、従来、キノンジアジド−ノボラック系レジストで用いられている公知の化合物を用いることができる。このようなキノンジアジド基を含む化合物としては、ナフトキノンジアジドスルホン酸クロライドやベンゾキノンジアジドスルホン酸クロライド等と、これらの酸クロライドと縮合反応可能な官能基を有する化合物とを反応させることによって得られた化合物が好ましい。ここで酸クロライドと縮合可能な官能基としては、水酸基、アミノ基等が挙げられるが、特に水酸基が好適である。酸クロライドと縮合可能な水酸基を有する化合物としては、例えばハイドロキノン、レゾルシン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,6−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,3,4,6’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン等のヒドロキシベンゾフェノン類;ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン等のヒドロキシフェニルアルカン類;4,4’,3”,4”−テトラヒドロキシ−3,5,3’,5’−テトラメチルトリフェニルメタン、4,4’,2”,3”,4”−ペンタヒドロキシ−3,5,3’,5’−テトラメチルトリフェニルメタン等のヒドロキシトリフェニルメタン類などを挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、また2種以上を組合せて用いてもよい。
酸クロライドであるナフトキノンジアジドスルホン酸クロライドやベンゾキノンジアジドスルホン酸クロライドの具体例としては、例えば、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルフォニルクロライド、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルフォニルクロライドなどが好ましいものとして挙げられる。
感光剤(B)の配合量は、ノボラック型フェノール樹脂(A)100重量部に対して、5〜50重量部が好ましく、より好ましくは10〜40重量部である。感光剤(B)の配合量が5重量部よりも少ないと、感光性樹組成物として十分な感度が得られないことがあり、また、50重量部よりも多いと、成分の析出の問題が起こることがあるので好ましくない。
本発明のレジスト組成物は、上記のノボラック型フェノール樹脂(A)及び感光剤(B)の他に、レジスト組成物の慣用成分である、酸化防止剤等の安定剤、可塑剤、界面活性剤、密着性向上剤、溶解促進剤、溶解阻害剤などを添加することができる。
[用途]
本発明のノボラック型フェノール樹脂を使用したフォトレジストは、高集積半導体を製造する際のリソグラフィーや液晶用の薄膜フィルムトランジスター(TFT)材料に使用できる。
以下、本発明を実施例等によりさらに具体的に説明する。本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
[1]ノボラック型フェノール樹脂
まず、ノボラック型フェノール樹脂の実施例を示す。なお、樹脂の分析方法や評価方法は次の通りである。
(1)重量平均分子量
以下の条件でGPC測定を行い、ポリスチレン換算による重量平均分子量を求めた。
型式:HLC−8220 東ソー(株)製
カラム:TSK−GEL Hタイプ G2000H×L 4本
G3000H×L 1本
G4000H×L 1本
測定条件:カラム圧力 13.5MPa
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
フローレート:1mL/min
温度:40℃
検出器:スペクトロフォトメーター(UV−8020)RANGE 2.56
WAVE LENGTH:254nm
インジェクション量:100μmL
試料濃度:5mg/mL
(2)アルカリ溶解速度
ノボラック型フェノール樹脂3gをPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)9gに溶解し、樹脂溶液を調合した。これらを0.2ミクロンメンブレンフィルターで濾過した。これを4インチシリコンウェハー上に約1.5μmの厚みになるようにスピンコーターで塗布し、110℃で60秒間ホットプレート上で乾燥させた。
次いで現像液(2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロオキシド水溶液)を用い、完全に膜が消失するまでの時間を計測した。初期膜厚を溶解するまでの時間で割った値を溶解速度とした。
〔参考例1〕
温度計、仕込・留出口および攪拌機を備えた容量500mLのガラス製フラスコにフェノール 100g(1.06モル)、42%ホルマリン 51.09g(0.72モル)及びシュウ酸 0.1gを三つ口フラスコに入れ、100℃で5時間反応させた。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料などを除去し、ノボラック型フェノール樹脂 82gを得た。
得られたフェノール樹脂の重量平均分子量は1500であった。
〔参考例2〕
温度計、仕込・留出口および攪拌機を備えた容量500mLのガラス製フラスコにフェノール 100g(1.06モル)、42%ホルマリン 45.27g(0.64モル)及びシュウ酸 0.1gを三つ口フラスコに入れ、100℃で5時間反応させた。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料などを除去し、ノボラック型フェノール樹脂 78gを得た。
得られたフェノール樹脂の重量平均分子量は1100であった。
〔実施例1〕
温度計、仕込・留出口および攪拌機を備えた容量500mLのガラス製フラスコにm−クレゾール 60g(0.56モル)、p−クレゾール 90g(0.83モル)、参考例1で合成したフェノール樹脂(以下、樹脂Aと略記することもある。) 45g、42%ホルマリン 63.76g(0.90モル)、及びシュウ酸 1.05gを入れ、100℃で20時間反応を行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料などを除去し、ノボラック型フェノール樹脂 165gを得た。
得られたノボラック型フェノール樹脂の重量平均分子量は9200であり、アルカリ溶解速度は887オングストローム/秒であった。
〔実施例2〕
温度計、仕込・留出口および攪拌機を備えた容量500mLのガラス製フラスコにm−クレゾール 60g(0.56モル)、p−クレゾール 90g(0.83モル)、樹脂A 45g、42%ホルマリン 65.93g(0.93モル)、及びシュウ酸 1.05gを入れ、100℃で20時間反応を行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料などを除去し、ノボラック型フェノール樹脂 167gを得た。
得られたノボラック型フェノール樹脂の重量平均分子量は13300であり、アルカリ溶解速度は437オングストローム/秒であった。
〔実施例3〕
温度計、仕込・留出口および攪拌機を備えた容量500mLのガラス製フラスコにm−クレゾール 60g(0.56モル)、p−クレゾール 90g(0.83モル)、樹脂A 45g、42%ホルマリン 68.66g(0.97モル)、及びシュウ酸 1.05gを入れ、100℃で20時間反応を行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料などを除去し、ノボラック型フェノール樹脂 170gを得た。
得られたノボラック型フェノール樹脂の重量平均分子量は22100であり、アルカリ溶解速度は266オングストローム/秒であった。
〔実施例4〕
温度計、仕込・留出口および攪拌機を備えた容量500mLのガラス製フラスコにm−クレゾール 60g(0.56モル)、p−クレゾール 90g(0.83モル)、樹脂A 75g、42%ホルマリン 68.66g(0.97モル)、及びシュウ酸 1.05gを入れ、100℃で20時間反応を行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料などを除去し、ノボラック型フェノール樹脂 172gを得た。
得られたノボラック型フェノール樹脂の重量平均分子量は17000であり、アルカリ溶解速度は649オングストローム/秒であった。
〔実施例5〕
温度計、仕込・留出口および攪拌機を備えた容量500mLのガラス製フラスコにm−クレゾール 60g(0.56モル)、p−クレゾール 90g(0.83モル)、参考例2で合成したフェノール樹脂(以下、樹脂Bと略記することもある。) 76g、42%ホルマリン 72.01g(1.02モル)、及びシュウ酸 1.05gを入れ、100℃で20時間反応を行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料などを除去し、ノボラック型フェノール樹脂 167gを得た。
得られたノボラック型フェノール樹脂の重量平均分子量は15600であり、アルカリ溶解速度は537オングストローム/秒であった。
〔比較例1〕
温度計、仕込・留出口および攪拌機を備えた容量500mLのガラス製フラスコにm−クレゾール 80g(0.74モル)、p−クレゾール 120g(1.11モル)、42%ホルマリン 80.84g(1.15モル)及びシュウ酸 0.7gを三つ口フラスコに入れ、100℃で10時間反応させた。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料などを除去し、ノボラック型フェノール樹脂 150gを得た。
得られたノボラック型フェノール樹脂の重量平均分子量は5700であり、アルカリ溶解速度は380オングストローム/秒であった。
〔比較例2〕
温度計、仕込・留出口および攪拌機を備えた容量5000mLのガラス製フラスコにm−クレゾール 200g(1.85モル)、p−クレゾール 700g(6.48モル)、フェノール 100g(1.06モル)、42%ホルマリン 389.31g(5.45モル)、及びシュウ酸 9.45gを入れ、100℃で20時間反応を行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料などを除去し、ノボラック型フェノール樹脂 700gを得た。
得られたノボラック型フェノール樹脂の重量平均分子量は9900であり、アルカリ溶解速度は769オングストローム/秒であった。
〔比較例3〕
温度計、仕込・留出口および攪拌機を備えた容量500mLのガラス製フラスコにm−クレゾール 50g(0.46モル)、p−クレゾール 75g(0.69モル)、フェノール 72.53g(0.77モル)、42%ホルマリン 106.26g(0.66モル)、及びシュウ酸 2.07gを入れ、100℃で20時間反応を行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料などを除去し、ノボラック型フェノール樹脂 174gを得た。
得られたノボラック型フェノール樹脂の重量平均分子量は18000であり、アルカリ溶解速度は437オングストローム/秒であった。
[2]フォトレジスト組成物
次に、本発明のノボラック型フェノール樹脂を用いたフォトレジスト組成物の実施例を示す。なお、フォトレジスト組成物の評価方法は次の通りである。
(1)感度、残膜率、解像度の評価
フォトレジスト組成物を4インチシリコンウェハー上にスピンコーターで塗布し、110℃、60秒間ホットプレート上で乾燥させて、厚みが1.5μmの塗膜を形成した。その後、縮小投影露光装置を用い、露光時間を段階的に変えて最適な露光量を確認したうえで、最適な露光量になるように露光した。次いで現像液(2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド水溶液)を用い、60秒間現像し、リンス、乾燥を行なった。
(感度)
感度は、走査型電子顕微鏡により、得られたパターンのパターン形状を観察することにより、以下の基準で評価を行なった。
AA:3mJ/cm未満で画像が形成できる。
A:5mJ/cm未満で画像が形成できる。
B:5〜60mJ/cmで画像が形成できる。
(残膜率)
未露光部の残膜厚から残膜率を求めた。残膜率とは、現像後の感光性樹脂の膜厚と現像前の感光性樹脂の膜厚の比であり、下記式により表される値である。
残膜率(%)=(現像後の感光性樹脂の膜厚/現像前の感光性樹脂の膜厚)×100
(解像度)
解像度は、テストチャートマスクを用い、下記基準で評価した。
◎:1.5μmライン&スペースが解像できる。
○:2.0μmライン&スペースが解像できる。
×:2.0μmライン&スペースが解像できない。
(耐熱性)
フォトレジスト組成物を4インチシリコンウェハー上にスピンコーターで塗布し、110℃、60秒間ホットプレート上で乾燥させて、厚みが1.5μmの塗膜を形成した。その後、縮小投影露光装置を用い、露光時間を段階的に変えて最適な露光量を確認したうえで、最適な露光量になるように露光した。次いで現像液(2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド水溶液)を用い、60秒間現像した。得られたシリコンウエハーを各温度のホットプレート上で2分間放置し、シリコウエハー上のレジストパターンの形状を走査型電子顕微鏡で観察し、耐熱性を下記基準により評価した。
◎:128℃でパターン形状を維持できる。
○:125℃でパターン形状を維持できる。
×:125℃でパターン形状を維持できない。
〔実施例6〕
実施例1で得たノボラック型フェノール樹脂を用い、以下の方法でフォトレジスト組成物を調製した。
すなわち、ノボラック型フェノール樹脂 20gと、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルフォニルクロライド 5gとを、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート) 75gに溶解し、レジスト溶液を調合した。これを0.2ミクロンのメンブレンフィルターで濾過して、フォトレジスト組成物を得た。
〔実施例7〜10、比較例4〜6〕
実施例6のノボラック型フェノール樹脂として、実施例1で得たノボラック型フェノール樹脂の代わりに、実施例2〜5及び比較例1〜3を用いたこと以外は同様にして、フォトレジスト組成物を得た。
実施例1〜5及び比較例1〜3のノボラック型フェノール樹脂、実施例6〜10及び比較例4〜6のフォトレジスト組成物について、それぞれの分析及び評価結果を下記表1、表2に示した。
Figure 0006386765
Figure 0006386765
表1、2から以下のことが分かる。
実施例1〜5の分子中にフェノールとホルムアルデヒドからなるフェノール樹脂を含むノボラック型フェノール樹脂は、アルカリ溶解速度に優れており、実用性があることが分かった。また、フェノールモノマーを含む比較例2や比較例3のノボラック型フェノール樹脂は、耐熱性や解像度が実施例のものに比べ劣り、実用性に欠けることが分かった。これは、実施例1〜5の分子中にフェノールとホルムアルデヒドからなるフェノール樹脂を含むノボラック型フェノール樹脂は、フェノール樹脂(c3)に由来したセグメントと、アルキルフェノール類(a1)とホルムアルデヒド(b2)とに由来したセグメントとを含んでブロック化されている分子構造となっていると考えられる。また、このことにより、解像度を損なうことなく、高耐熱性・高感度を兼ね備えたフォトレジストの製造を可能にするフォトレジスト用フェノール樹脂を提供することができると考えられる。
特に、実施例3で得られたノボラック型フェノール樹脂を用いて調製したフォトレジスト組成物については、残膜率・解像度・耐熱性のバランスが特によく最も優れていた。
以上のとおりであり、本発明のノボラック型フェノール樹脂を使用したフォトレジスト組成物は、高集積半導体を製造する際のリソグラフィーや液晶用の薄膜フィルムトランジスター(TFT)材料に使用でき、半導体や液晶製品の歩留まりの向上および高集積化に極めて貢献できる。

Claims (6)

  1. フェノール成分(a)と、アルデヒド成分(b)と、フェノール樹脂成分(c)とを縮重合反応して得られるノボラック型フェノール樹脂であって、
    前記フェノール成分(a)が、m−クレゾール及びp−クレゾールを含むアルキルフェノール類(a1)からなり、
    前記アルデヒド成分(b)が、ホルムアルデヒド(b1)からなり、
    前記フェノール樹脂成分(c)が、フェノール(c1)とホルムアルデヒド(c2)とを酸触媒を用いて縮重合反応して得られたフェノール樹脂(c3)からなることを特徴とするノボラック型フェノール樹脂。
  2. 重量平均分子量が1000以上であることを特徴とする請求項1に記載のノボラック型フェノール樹脂。
  3. フェノール樹脂成分(c)に由来したセグメント、及びフェノール成分(a)とアルデヒド成分(b)とに由来したセグメントを含んでブロック化されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のノボラック型フェノール樹脂。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載のノボラック型フェノール樹脂を含有することを特徴とするフォトレジスト組成物。
  5. フェノール(c1)とホルムアルデヒド(c2)とを酸触媒を用いて縮重合反応してフェノール樹脂(c3)を得る第1工程と、
    該フェノール樹脂(c3)からなるフェノール樹脂成分(c)と、m−クレゾール及びp−クレゾールを含むアルキルフェノール類(a1)からなるフェノール成分(a)と、ホルムアルデヒド(b1)からなるアルデヒド成分(b)とを縮重合反応してノボラック型フェノール樹脂を得る第2工程と、
    を備えることを特徴とするノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
  6. 重量平均分子量が1000以上のノボラック型フェノール樹脂を得ることを特徴とする請求項5に記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
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