JP5920614B2 - フォトレジスト組成物 - Google Patents

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本発明は、フォトレジスト組成物に関するものである。
一般に、ポジ型フォトレジストには、ナフトキノンジアジド化合物等のキノンジアジド基を有する感光剤とアルカリ可溶性樹脂が用いられる。このような組成からなるポジ型フォトレジストはアルカリ溶液による現像によって高い解像力を示し、IC、LSI等の半導体製造、LCD等の回路基材の製造に利用されている。アルカリ可溶性樹脂の中でも、ノボラック型フェノール樹脂は露光後のドライエッチングに対し、芳香環を多く持つ構造に起因する高い耐熱性も有しており、ナフトキノンジアジド系感光剤と組み合わせた数多くのポジ型フォトレジスト組成物が開発され、実用化されている。
半導体製造用のポジ型フォトレジスト組成物の開発においては、高耐熱、高感度、高残膜率、高解像度をバランスよく保つことが要求されており、これらの特性改善が図られている。特性改善は、これまでノボラック型フェノール樹脂の研究を中心に行われてきており、例えば、耐熱性向上の方法として、ノボラック型フェノール樹脂の製造において、フェノール類(フェノール、m−/p−クレゾール)、ホルムアルデヒド及びモノヒドロキシ芳香族アルデヒド類を併用する方法が開示されている(特許文献1、特許文献2)。また、アルデヒド類にフタルアルデヒド等の芳香族ジアルデヒドを用いたノボラック型フェノール樹脂により高耐熱化を図る方法も開示されている(特許文献3)。さらに、フェノール類とジヒドロキシベンゼン類に、アルデヒド類として芳香族ジアルデヒドとホルムアルデヒドとを併用したノボラック型フェノール樹脂も知られている(特許文献4)。
特開平2−84414号公報 特開2002−107925号公報 特開2010−235672号公報 特開2011−64667号公報
近年、LCD等の分野においては、薄膜フィルムトランジスター(TFT)、STN(Super Twisted Nematic)液晶等の技術の進展に伴い画像の線幅が細くなり、ますます微細化の傾向が強まっている。最近では、高精細なTFT表示素子では、設計寸法が数μmレベルまで向上している。かかる用途においては、特に高い解像力、高耐熱性、高感度を有するフォトレジストが要求され、上記特許文献1及び2のノボラック型フェノール樹脂を使用したポジ型フォトレジストでは対応できないのが現状である。また、特許文献3及び4に開示したノボラック型フェノール樹脂を使用することにより、ある程度の耐熱性の向上は図れるものの、これらの樹脂は溶媒に対する溶解性に劣り、ハンドリングしにくく、また、フォトレジスト組成物中で析出する場合もあり、微細なパターンの形成の上で問題を生じることがある。
本発明は、高耐熱性・高解像度・高感度・高残膜率を備え、かつ固形分(樹脂及び感光剤)の溶媒に対する溶解性に優れ、均一な組成物であり、微細なパターンの形成を可能にするフォトレジスト組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、ノボラック型フェノール樹脂のみならず、溶媒にも着目して、鋭意検討を進め、本発明を完成させるに至った。
本発明は、
(A)m−クレゾ−ル及び/又はp−クレゾールを含有するフェノール成分(a)と、ポリアルデヒドを含有するアルデヒド成分(b)とを反応させて得られるノボラック型フェノール樹脂
(B)感光剤、並びに
(C)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びγ−ブチロラクトン
を含むことを特徴とするフォトレジスト組成物に関する。
本発明は、(C)におけるプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びγ−ブチロラクトンとの質量比が90:10〜50:50である、上記のフォトレジスト組成物に関する。
本発明は、(A)におけるアルデヒド成分(b)がポリアルデヒド及びホルムアルデヒドを含有する、上記のフォトレジスト組成物に関する。
本発明は、(A)におけるポリアルデヒドが、グリオキサール、マロンアルデヒド、スクシンアルデヒド、グルタルアルデヒド及びアジポアルデヒドから選択される脂肪族ジアルデヒド、並びに/又は、フタルアルデヒド、イソフタルアルデヒド及びテレフタルアルデヒドから選択される芳香族ジアルデヒドである、上記のフォトレジスト組成物に関する。
本発明は、
(A)のノボラック型フェノール樹脂が、下記:
ノボラック型フェノ−ル樹脂3gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート9gに溶解する;
得られた溶液を、0.2ミクロンメンブレンフィルタ−で濾過する;
濾過した溶液を、4インチシリコンウェハー上に1.5μmの厚みになるようにスピンコーターで塗布し、110℃で60秒間ホットプレ−ト上で乾燥させる;
得られた膜に、現像液(2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド水溶液)を適用し、完全に膜が消失するまでの時間を計測する;
初期膜厚を、溶解するまでの時間で割った値を溶解速度とする
ことを内容とするアルカリ溶解速度試験での溶解速度3〜300秒を有する、上記のフォトレジスト組成物に関する。
本発明は、(B)が、キノンジアジド基を含む化合物である、上記のフォトレジスト組成物に関する。
さらに、本発明は、(A)100質量部に対して、(B)が10〜40質量部であり、(C)が150〜900質量部である、上記のフォトレジスト組成物に関する。
本発明のフォトレジスト組成物は、高耐熱性・高解像度・高感度・高残膜率を備えており、かつ固形分(樹脂及び感光剤)の溶媒に対する溶解性に優れ、均一な組成物であるので、微細なパターンの形成に適しており、高集積半導体を製造する際のリソグラフィ−や液晶用のTFT材料に使用できる。
<(A)ノボラック型フェノール樹脂>
本発明における、(A)ノボラック型フェノール樹脂は、フェノール成分(a)とアルデヒド成分(b)を重縮合反応に付して得られる。
<<フェノール成分(a)>>
本発明におけるフェノール成分(a)は、m−クレゾ−ル及び/又はp−クレゾールを含有する。すなわち、フェノール成分(a)は、m−クレゾール若しくはp−クレゾール又はm−クレゾールとp−クレゾールの混合物を含有することが必須である。
フェノール成分(a)におけるm−クレゾ−ルとp−クレゾールの合計の含有量は、耐熱性の点から、フェノール成分(a)100質量%中、50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは75質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、最も好ましくは100質量%である。
フェノール成分(a)は、m−クレゾール及びp−クレゾールの両方を含有することが好ましい。m−クレゾールとp−クレゾールの質量比を調整することで、感度を調整することができる。m−クレゾールとp−クレゾールの質量比(m−クレゾール:p−クレゾール)は、良好な感度を確保する点から、好ましくは20:80〜90:10であり、より好ましくは40:60〜80:20である。
フェノール成分(a)は、m−クレゾール及びp−クレゾール以外のフェノール類を含有することができる。その他のフェノール類としては、1価フェノール(例えば、フェノール、o−クレゾ−ル、キシレノ−ル、トリメチルフェノ−ル等)、多価フェノールが挙げられる。キシレノ−ルについては、2,3−キシレノ−ル、2,4−キシレノ−ル、2,5−キシレノ−ル、2,6−キシレノ−ル、3,4−キシレノ−ル、3,5−キシレノ−ルの各構造異性体が使用でき、トリメチルフェノ−ルについても、2,3,5−トリメチルフェノ−ル、2,3,6−トリメチルフェノ−ル等の各異性体が使用できる。
多価フェノールのうち、2価フェノールとしては、例えば、カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン、3−メチルカテコール、4−メチルカテコール、2−メチルレゾルシノール、4−メチルレゾルシノール、メチルハイドロキノン、3−エチルカテコール、4−エチルカテコール、2−エチルレゾルシノール、4−エチルレゾルシノール、エチルハイドロキノン、n−プロピルハイドロキノン、イソプロピルハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、4−n−ヘキシルレゾルシノール、4−ヘキサノイルレゾルシノール、3,5−ジメチルカテコール、2,5−ジメチルレゾルシノール、2,3−ジエチルハイドロキノン、2,5−ジメチルハイドロキノン、3,5−ジエチルカテコール、2,5−ジエチルレゾルシノール、2,5−ジエチルハイドロキノン、3,5−ジイソプロピルカテコール、2,5−ジイソプロピルレゾルシノール、2,3−ジイソプロピルハイドロキノン、2,5−ジイソプロピルハイドロキノン、3,5−ジ−t−ブチルカテコール、2,5−ジ−t−ブチルレゾルシノール、2,3−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン等のモノ又はポリアルキル置換2価フェノール類が挙げられ、3価フェノールとしては、ピロガロール、フロログルシノール、1,2,4−ベンゼントリオール等が挙げられる。
これら多価フェノールのうち、入手の容易さ、反応性の高さの点から、好ましくはレゾルシンである。その他のフェノール類は、単独でも、2種以上を併用してもよい。
<<アルデヒド成分(b)>>
本発明におけるアルデヒド成分(b)は、ポリアルデヒドを含有することを必須とする。アルデヒド成分(b)は、ノボラック型フェノール樹脂を構成するフェノール成分(a)を縮合反応させる作用を有する成分であり、ポリアルデヒドの他に、このような作用を有するアルデヒド及び/又はケトンを含有することができる。
アルデヒド成分(b)におけるポリアルデヒドの含有量は、耐熱性効果の発現の点から、アルデヒド成分(b)100質量%に対して、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは30質量%以上であり、最も好ましくは100質量%である。
ポリアルデヒドは、分子中に2個以上のアルデヒド基を有する化合物であれば、特に限定されず、ジアルデヒド、トリアルデヒド等を使用することができる。
ジアルデヒドとしては、例えば、グリオキサール、マロンアルデヒド、スクシンアルデヒド、グルタルアルデヒド又はアジポアルデヒド等の脂肪族ジアルデヒドや、フタルアルデヒド、イソフタルアルデヒド又はテレフタルアルデヒド等の芳香族ジアルデヒドが挙げられる。
トリアルデヒドとして、トリホルミルメタン、ベンゼントリアルデヒド等が挙げられる。
ポリアルデヒドとしては、入手の容易さや、耐熱性の効果が現れる、テレフタルアルデヒドやグルタルアルデヒドが好ましい。これらのポリアルデヒドは、単独でも、2種以上を併用してもよい。
アルデヒド成分(b)は、ポリアルデヒド以外のアルデヒド及び/又はそれらの前駆体であるケトンを含有することができる。その他のアルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、フルフラール等が挙げられる。ケトンとしては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。これらのアルデヒド及びケトンのうち、入手の容易さ、反応性の高さの点から、好ましくはホルムアルデヒドである。その他のアルデヒド及び/又はケトンは、単独でも、2種以上を併用してもよい。
アルデヒド成分(b)は、水溶液として反応系中に添加することもできる。
<<(A)ノボラック型フェノール樹脂の製造>>
(A)ノボラック型フェノール樹脂の製造では、フェノール成分(a)とアルデヒド成分(b)とを重縮合反応させる。フェノール成分(a)とアルデヒド成分(b)は、フェノール成分(a)1モルに対して、アルデヒド成分(b)のモル比を、好ましくは0.1〜1.0モル、より好ましくは0.4〜0.6モルとする。
重縮合反応は酸触媒を使用して行うことができる。酸触媒としては、フェノ−ル成分(a)とアルデヒド成分(b)を反応させる能力のあるものであれば、特に限定されず、例えば、シュウ酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機酸、塩酸、硫酸等の無機酸等を使用できる。触媒の使用量は、フェノ−ル成分(a)に対して、0.01〜5質量%とすることができるが、その種類によっても変動しうる。シュウ酸の場合は、0.3〜1.0質量%、硫酸の場合は0.05〜0.1質量%、p−トルエンスルホン酸の場合は0.1〜0.5質量%とすることが好ましい。硫酸又はp−トルエンスルホン酸を使用することが好ましい。フォトレジスト用組成物の特性の向上のためには、極力少ない方が好ましい。
重縮合反応における反応温度は、特に限定されず、例えば、50〜200℃とすることができる。反応温度がこの範囲であれば、反応の進行が良好であり、かつ制御も行いやすく、安定的にノボラック型フェノール樹脂を得ることができる。反応温度は、好ましくは60〜160℃、より好ましくは80〜140℃である。
重縮合反応は、溶媒中で行うことができる。溶媒としては、フェノール成分(a)、アルデヒド成分(b)の溶解性の点から、水が好ましいが、不活性の有機溶媒を使用することもできる。このような有機溶媒としては、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等のエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類等が挙げられる。溶媒の使用量は、フェノール成分(a)及びアルデヒド成分(b)の合計100質量部に対して、20〜1000質量部とすることができる。
重縮合反応における反応時間は、反応温度にも依存するが、20時間以内とすることができる。反応圧力は、常圧下とすることができるが、若干の加圧ないし減圧下でも行うことができる。
重縮合反応において酸触媒を使用した場合、反応の終了後、後処理として、塩基を添加して酸触媒を中和し、続いて酸触媒を除去するために水を加えて水洗を実施することが好ましい。樹脂中に酸触媒が残存するとフォトレジスト組成物の特性に弊害を及ぼすことがあるためである。
酸触媒の中和のための塩基は、特に限定されず、酸触媒を中和し、水に可溶となる塩を形成するものを使用することができる。例えば、金属水酸化物や金属炭酸塩等の無機塩基、アンモニアや有機アミン等の有機塩基が挙げられる。無機塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウムが挙げられる。有機塩基としては、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、トリブチルアミン等が挙げられる。は有機アミンが好ましい。塩基は、酸触媒を中和し、反応系内のpHを4〜8の範囲にする量で使用することができる。
水洗における水洗水の量と水洗の回数は、特に限定されない。酸触媒を、フォトレジスト用組成物としての実使用に影響ない程度の量まで除去するため、水洗回数を1〜5回とすることができる。水洗温度は、特に限定されず、触媒除去の効率と作業性の観点から40〜95℃で行うことができる。水洗中、樹脂と水洗水の分離が悪い場合は、樹脂の粘度を低下させる溶媒の添加や水洗温度を上昇させることが効果的である。このような溶媒は、ノボラック型フェノ−ル樹脂を溶解し、粘度を低下させるものであれば、特に限定されることなく使用することができる。
酸触媒を中和及び水洗により除去した後、例えば、反応系の温度を130℃〜230℃に上げて、20〜50torrの減圧下で、反応系内に存在する未反応原料、有機溶媒等の揮発分を留去して、ノボラック型フェノール樹脂を得ることができる。
重縮合反応は、反応系に、原料を一括して投入して行なってもよいし、何段階かに分けて反応させてもよい。
酸触媒存在下、フェノール成分(a)に対して、全アルデヒド成分(b)を添加する1段法を採用する場合には、低温の反応温度(例えば、70〜100℃、具体的には100℃前後)にて、まずフェノール成分(a)とポリアルデヒドの反応を優先的に行ない、主として低分子量の重縮合物のフェノール樹脂を形成させ、次いで昇温するか、又は酸触媒を増量して低分子量の重縮合物のフェノール樹脂や、場合によりポリアルデヒド以外のアルデヒド及び/又はケトンを反応させることが好ましい。
また、アルデヒド成分(b)として、ポリアルデヒドと、ポリアルデヒド以外のアルデヒド及び/又はケトン(例えば、ホルムアルデヒド)を併用する場合、反応系へのポリアルデヒドの添加時期と、それ以外のアルデヒド等の添加時期をずらす2段法を採用することもできる。2段法においては、ポリアルデヒドを含むアルデヒド成分(b)の一部を最初に加えてフェノール成分(a)と反応させ、次いで、ポリアルデヒド以外のアルデヒド及び/又はケトンを含むアルデヒド成分(b)の残部を加えて更に反応させることもできるし、反対に、ポリアルデヒド以外のアルデヒド及び/又はケトンを含むアルデヒド成分(b)の一部を最初に加えてフェノール成分(a)と反応させ、次いで、ポリアルデヒドを含むアルデヒド成分(b)の残部を添加して更に反応させることもできる。
ノボラック型フェノール樹脂は、2段法で製造するのがより好ましい。その理由は、2段法によれば、ポリアルデヒドで重縮合されたフェノール樹脂の重合単位及び他のアルデヒド及び/又はケトンで重縮合されたフェノール樹脂の重合単位の重合度の分布が狭くすることができ、分子量の制御が容易で、所望の分子量を有する重合体を容易に得ることができるためである。
ノボラック型フェノール樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、フォトレジスト組成物において使用した場合の耐熱性や感度、及び製造上のハンドリング性から、4000〜50000が好ましく、5000〜30000がより好ましく、7000〜20000がさらに好ましい。本明細書において、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーによって、スチレンを検量線として求めた値である。
ノボラック型フェノール樹脂の軟化点は、フォトレジスト組成物において使用した場合の耐熱性の点から、140℃以上が好ましく、さらに好ましくは150℃以上、もっとも好ましくは160℃以上である。軟化点は、JIS K−7234に準じた方法で測定して求めた値である。
ノボラック型フェノール樹脂は、感度の点から、下記のアルカリ溶解速度試験で、溶解速度が3〜300秒であるものが好ましく、より好ましくは5〜200秒のものである。
[ノボラック型フェノ−ル樹脂のアルカリ溶解速度試験]
ノボラック型フェノ−ル樹脂3gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート9gに溶解する;
得られた溶液を、0.2ミクロンメンブレンフィルタ−で濾過する;
濾過した溶液を、4インチシリコンウェハー上に1.5μmの厚みになるようにスピンコーターで塗布し、110℃で60秒間ホットプレ−ト上で乾燥させる;
得られた膜に、現像液(2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド水溶液)を適用し、完全に膜が消失するまでの時間を計測する;
初期膜厚を、溶解するまでの時間で割った値を溶解速度とする。
<(B)感光剤>
本発明のフォトレジスト組成物は、(B)感光剤を含む。(B)感光剤は、ノボラック型フェノール樹脂を含むフォトレジスト組成物の感光剤として作用するものであれば、特に限定されず、キノンジアジド基を有するキノンジアジド化合物が好ましく、中でも1,2−キノンジアジド化合物又はその誘導体が好ましい。キノンジアジド化合物を用いることで、露光した部分は溶解促進効果によりアルカリ溶解速度が大きくなり、逆に露光しない部分は溶解抑制効果によりアルカリ溶解速度が小さくなり、この露光部と未露光部の溶解速度の差によって、コントラストの高い、シャープなレジストパターンを得ることができる。
キノンジアジド化合物としては、酸クロリド(例えば、ナフトキノンジアジドスルホン酸クロリド、ベンゾキノンジアジドスルホン酸クロリド等)と、これらの酸クロリドと縮合反応可能な官能基を有する化合物とを反応させることによって得られた化合物が好ましい。ここで、酸クロリドと縮合可能な官能基としては、水酸基、アミノ基等が挙げられ、水酸基が好ましい。酸クロリドと縮合可能な水酸基を有する化合物としては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,6−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,3,4,6’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン等のヒドロキシベンゾフェノン類;ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン等のヒドロキシフェニルアルカン類;4,4’,3”,4”−テトラヒドロキシ−3,5,3’,5’−テトラメチルトリフェニルメタン、4,4’,2”,3”,4”−ペンタヒドロキシ−3,5,3’,5’−テトラメチルトリフェニルメタン等のヒドロキシトリフェニルメタン類等が挙げられる。これらは単独でも、2種以上を併用してもよい。
酸クロリドとしては、例えば、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルフォニルクロリド、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルフォニルクロリド等が好ましいものとして挙げられる。
<(C)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)及びγ−ブチロラクトン>
本発明のフォトレジスト組成物は、(C)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)及びγ−ブチロラクトンを溶媒として含む。
PGMEAとγ−ブチロラクトンは、PGMEAとγ−ブチロラクトンの質量比(PGMEA:γ−ブチロラクトン)が、固形分(樹脂・感光剤)の溶解性の点から、90:10〜50:50であるのが好ましく、より好ましくは90:10〜70:30であり、さらに好ましくは80:20であり、90:10〜85:15であるのがとりわけ好ましい。
<フォトレジスト組成物>
本発明のフォトレジスト組成物は、フォトレジスト組成物100質量%中、(A)ノボラック型フェノール樹脂を好ましくは5〜40質量%、より好ましくは10〜25質量%含有する。
本発明のフォトレジスト組成物は、良好な感度の確保及び組成物中での固形分の析出の抑制の点から、(A)ノボラック型フェノール樹脂100質量部に対して、(B)感光剤を好ましくは10〜40質量部、より好ましくは15〜35質量部含有する。
本発明のフォトレジスト組成物は、組成物中での固形分の析出の抑制及び均一な組成物を得る点から、(A)ノボラック型フェノール樹脂100質量部に対して、(C)PGMEA及びγ−ブチロラクトンを好ましくは150〜900質量部、より好ましくは300〜600質量部、さらに好ましくは400〜450質量部含有する。
本発明のフォトレジスト組成物は、上記の(A)〜(C)の他に、レジスト組成物の慣用成分である、酸化防止剤等の安定剤、可塑剤、界面活性剤、密着性向上剤、溶解促進剤、溶解阻害剤等を添加することができる。
また、フォトレジスト組成物は、(C)PGMEA及びγ−ブチロラクトンである溶媒以外の溶媒を含むことができる。その他の溶媒としては、例えば、アルキレングリコール系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、アミド系溶剤等を挙げることができる。その他の溶媒は、(C)PGMEA及びγ−ブチロラクトンを含む全溶媒100質量%中、20質量%以下であることが好ましく、より好ましくは10質量%以下であり、その他の溶媒を使用しないこともできる。
アルキレングリコール系溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等のエチレングリコールアルキルエーテル;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のプロピレングリコールアルキルエーテル;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート;プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート(ただし、PGMEAを除く)等が挙げられる。エーテル系溶剤としては、例えば、テトラヒドロフラン等が挙げられる。エステル系溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル等が挙げられる。炭化水素系溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。ケトン系溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン等が挙げられる。アミド系溶剤としては、例えば、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。その他の溶媒は、単独でも、2種以上を併用してもよい。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
成分の含有量及び樹脂の物性値等の分析方法は以下の通りである。
(1)重量平均分子量(GPC測定方法)
型式 :HLC−8220 東ソー(株)製
カラム :TSK−GEL Hタイプ G2000H×L 4本
G3000H×L 1本
G4000H×L 1本
測定条件:カラム圧力 13.5MPa
溶離液 :テトラヒドロフラン(THF)フローレート 1ml/min
温度 :40℃
検出器 : スペクトロフォトメーター(UV−8020)RANGE 2.56
WAVE LENGTH : 254nm とRI
インジェクション量 : 100μL
試料濃度 : 5mg/mL
(2)ノボラック型フェノ−ル樹脂のアルカリ溶解速度試験
ノボラック型フェノ−ル樹脂3gをPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)9gに溶解し、樹脂溶液を調合した。これらを0.2ミクロンメンブレンフィルタ−で濾過した。これを4インチシリコンウェハー上に約1.5μmの厚みになるようにスピンコーターで塗布し、110℃で60秒間ホットプレ−ト上で乾燥させた。次いで現像液(2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド水溶液)を用い、完全に膜が消失するまでの時間を計測した。初期膜厚を溶解するまでの時間で割った値を溶解速度とした。
1.フォトレジスト用ノボラック型フェノール樹脂の合成
(1)合成例1 ノボラック型フェノール樹脂の合成
温度計、仕込み・留出口及び攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール150g(1.39モル)、テレフタルアルデヒド37.26(0.28モル)及びp−トルエンスルホン酸0.3gを入れ、100℃で20時間反応させた。反応終了後、90℃まで冷却してトリエチルアミン0.3gを添加し、イオン交換水100gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した水層のpHを7.0となるように調整し、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行い、ノボラック型フェノール樹脂A137gを得た。
(2)合成例2 ノボラック型フェノール樹脂の合成
温度計、仕込み・留出口及び攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール200g(1.85モル)、50質量%グルタルアルデヒド水溶液85.3g(0.43モル)、p−トルエンスルホン酸0.4gを入れ、100℃で10時間反応させた。反応終了後、90℃まで冷却してトリエチルアミン0.3g添加し、イオン交換水110gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した分離水のpHを7.0となるように調整し、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、180℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行い、ノボラック型フェノール樹脂B164gを得た。
(3)合成例3 ノボラック型フェノール樹脂の合成
温度計、仕込み・留出口及び攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール88g(0.82モル)、p−クレゾール88g(0.82モル)、テレフタルアルデヒド21.95g(0.16モル)及びp−トルエンスルホン酸0.6gを入れ、120℃で4時間反応させた。その後、85℃まで冷却し、42質量%ホルムアルデヒド水溶液51.42g(0.68モル)を滴下し、その後96℃まで昇温し、4時間反応させた。反応終了後、90℃まで冷却してトリエチルアミン0.5gを添加し、イオン交換水200gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した水層のpHを7.0となるように調整し、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行い、ノボラック型フェノール樹脂C153gを得た。
(4)比較合成例1 ノボラック型フェノール樹脂の合成
温度計、仕込み・留出口及び攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール80g(0.74モル)、p−クレゾール120g(1.11モル)、42質量%ホルムアルデヒド水溶液81.3g(1.14モル)及びシュウ酸0.8gを三つ口フラスコに入れ、100℃で10時間反応させた後、180℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行い、ノボラック型フェノール樹脂D150gを得た。
表2に示すとおり、比較例1のノボラック型フェノール樹脂を用いたレジスト組成物は、耐熱性が劣ることが分かった。
(5)比較合成例2 ノボラック型フェノール樹脂の合成
温度計、仕込み・留出口及び攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール100g(0.93モル)、p−クレゾール60g(0.56モル)、2,3,5−トリメチルフェノール40g(0.29モル)、サリチルアルデヒド18g(0.15モル)、p−トルエンスルホン酸2gを三つ口フラスコに入れ、90℃で5時間反応を行った後、エチルセロソルブ80gを添加して内温60℃まで冷却させ、次いで37質量%ホルムアルデヒド水溶液97g(1.2モル)を60℃で1.5時間かけて逐次添加し、さらに30分反応させた。その後、段階的に昇温させ、最終的に還流温度(97〜103℃)で3時間反応させた。反応終了後、90℃まで冷却してトリエチルアミン1.3gを添加し、さらにアセトン20g、イオン交換水80gを添加して約70℃で攪拌・静置した。静置することにより分離した分離水のpHを7.0となるように調整し、分離水を除去した。アセトン20g、イオン交換水80gを使用して、この水洗操作をもう一度繰り返した後、常圧下で内温140℃まで脱水し、さらに80torrで195℃まで減圧下で脱水・脱モノマーを行い、ノボラック型フェノール樹脂E150gを得た。
合成例1〜3及び比較合成例1〜2のそれぞれのノボラック型フェノール樹脂の重量平均分子量(Mw)、アルカリ溶解速度を測定した。測定結果を表1に示した。
Figure 0005920614
2.フォトレジスト組成物の調製と溶解性の評価
(1)実施例1
合成例1で得られたノボラック型フェノール樹脂A20gとナフトキノン1,2−ジアジド−5−スルホン酸の2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンエステル5gとをPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)75gとγ−ブチロラクトン10gの混合溶液に溶解した。この溶液を室温25℃に保ち、2日間かけて振盪機を用いて溶解させ、ポジ型フォトレジスト組成物を調製した。
(2)実施例2
ノボラック型フェノール樹脂Aの代わりに、合成例2で得られたノボラック型フェノール樹脂Bを用いた他は、実施例1と同様にして組成物を調製した。
(3)実施例3
ノボラック型フェノール樹脂Aの代わりに、合成例3で得られたノボラック型フェノール樹脂Cを用いた他は、実施例1と同様にして組成物を調製した。
(4)比較例1
合成例1で得られたノボラック型フェノール樹脂A20gとナフトキノン1,2−ジアジド−5−スルホン酸の2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンエステル5gとをPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)75gに溶解した。この溶液を室温25℃に保ち、2日間かけて振盪機を用いて溶解させ、ポジ型フォトレジスト組成物を調製した。
(5)比較例2
合成例2で得られたノボラック型フェノール樹脂B20gとナフトキノン1,2−ジアジド−5−スルホン酸の2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンエステル5gとをPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)75gに溶解した。この溶液を室温25℃に保ち、2日間かけて振盪機を用いて溶解させ、ポジ型フォトレジスト組成物を調製した。
(6)比較例3
実施例3で得られたノボラック型フェノール樹脂C20gとナフトキノン1,2−ジアジド−5−スルホン酸の2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンエステル5gとをPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)75gに溶解した。この溶液を室温25℃に保ち、2日間かけて振盪機を用いて溶解させ、ポジ型フォトレジスト組成物を調製した。
(7)比較例4
合成例1で得られたノボラック型フェノール樹脂A20gとナフトキノン1,2−ジアジド−5−スルホン酸の2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンエステル5gとをPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)75gと乳酸エチル10gの混合溶液に溶解した。この溶液を室温25℃に保ち、2日間かけて振盪機を用いて溶解させ、ポジ型フォトレジスト組成物を調製した。
(8)比較例5
合成例1で得られたノボラック型フェノール樹脂A20gとナフトキノン1,2−ジアジド−5−スルホン酸の2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンエステル5gとをPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)75gとプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)10gの混合溶液に溶解し、レジスト液とした。このレジスト液を室温25℃に保ち、2日間かけて振盪機を用いて溶解させ、ポジ型フォトレジスト組成物を調製した。
<<溶解性の評価>>
実施例1〜3、及び比較例1〜5で得られたフォトレジスト組成物を用いて、感光剤・ノボラック型フェノール樹脂の溶解性を下記基準で評価した。結果を表2に示す。
○:完全溶解(透明)
×:不溶部あり(濁りあり)
表2の実施例1〜3に示すように、PGMEAとγ−ブチロラクトンの組み合わせは、は、溶解性に優れていた。一方、比較例1〜3に示されるように、溶媒がPGMEAのみでは溶解性が劣り、また、比較例4〜5に示されるように、PGMEAを乳酸エチル又はプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)と組み合わせた溶媒についても、溶解性が劣ることが分かった。
Figure 0005920614
3.フォトレジスト組成物の感度・残膜率・解像度の評価
実施例7
合成例1で得られたノボラック型フェノール樹脂A20gとナフトキノン1,2−ジアジド−5−スルホン酸の2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンエステル5gとをPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)75gとγ−ブチロラクトン10gの混合溶液に溶解した。この溶液を室温25℃に保ち、2日間かけて振盪機を用いて溶解させ、ポジ型フォトレジスト組成物を調製した。
表3で示すノボラック型フェノール樹脂を使用した他は、実施例7と同様にして、実施例8〜9及び比較例6〜7のポジ型フォトレジスト組成物を調製した。
<<感度・残膜率の評価>>
実施例7〜9及び比較例6〜7のフォトレジスト組成物を4インチシリコンウェハー上に約1.5μの厚みになるようにスピンコーターで塗布し、110℃、60秒間ホットプレート上で乾燥させた。その後、縮小投影露光装置を用い、露光時間を段階的に変えて露光した。次いで現像液(2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド水溶液)を用い、60秒間現像し、リンス、乾燥を行なった。
感度は、走査型電子顕微鏡により、得れたパターンのパターン形状を観察することにより、以下の基準で評価を行なった。
AA:3mJ/cm未満で画像が形成出来る。
A:5mJ/cm未満で画像が形成出来る。
B:5〜60mJ/cmで画像が形成出来る。
未露光部の残膜厚から残膜率を求めた。残膜率とは、現像後の感光性樹脂の膜厚と現像前の感光性樹脂の膜厚の比であり、下記式により表される値である。
残膜率(%)=(現像後の感光性樹脂の膜厚/現像前の感光性樹脂の膜厚)×100
また、解像度は、テストチャートマスクを用い、下記基準で評価した。
◎:1.5μライン&スペースが解像できる。
○:2.0μライン&スペースが解像できる。
×:2.0μライン&スペースが解像できない。
<<耐熱性の評価方法>>
実施例7〜9及び比較例6〜7のフォトレジスト組成物を4インチシリコンウェハー上に約1.5μmの厚みになるようにスピンコーターで塗布し、110℃、60秒間ホットプレート上で乾燥させた。その後、縮小投影露光装置を用い、露光時間を段階的に変えて露光した。次いで現像液(1.71質量%テトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド水溶液)を用い、60秒間現像した。得られたシリコンウエハーを各温度のホットプレート上で2分間放置し、シリコウエハー上のレジストパターンの形状を走査型電子顕微鏡で観察し、耐熱性を下記基準により評価した。
◎:140℃でパターン形状を維持できる。
○:135℃でパターン形状を維持できる。
×:135℃でパターン形状を維持できない。
Figure 0005920614
表3から、合成例1〜3で得られたノボラック型フェノール樹脂を用いて調製したフォトレジスト組成物は、比較合成例1〜2で得られたノボラック型フェノール樹脂を用いて調製したフォトレジスト組成物に比べ、感度、残膜率、解像度及び耐熱性のすべての性能をバランスよく満足した。中でも、合成例3で得られたノボラック型フェノール樹脂を用いて調製したフォトレジスト組成物については、感度・耐熱性が特に優れている。比較合成例1は、感度及び耐熱性が劣り、比較合成例2は、感度及び残膜率が劣る。
本発明のフォトレジスト組成物は、微細なパターンの形成に好適であり、高集積半導体を製造する際のリソグラフィーや液晶用の薄膜トランジスター(TFT)材料に使用でき、半導体や液晶製品の歩留まりの向上及び高集積化に極めて貢献できる。

Claims (7)

  1. (A)m−クレゾ−ル及び/又はp−クレゾールのみからなるフェノール成分(a)と、ポリアルデヒドを含有するアルデヒド成分(b)との反応物であるノボラック型フェノール樹脂、
    (B)感光剤、並びに
    (C)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びγ−ブチロラクトン
    を含むことを特徴とするフォトレジスト組成物。
  2. (C)におけるプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びγ−ブチロラクトンとの質量比が90:10〜50:50である、請求項1記載のフォトレジスト組成物。
  3. (A)におけるアルデヒド成分(b)がポリアルデヒド及びホルムアルデヒドを含有する、請求項1又は2記載のフォトレジスト組成物。
  4. (A)におけるポリアルデヒドが、グリオキサール、マロンアルデヒド、スクシンアルデヒド、グルタルアルデヒド及びアジポアルデヒドから選択される脂肪族ジアルデヒド、並びに/又は、フタルアルデヒド、イソフタルアルデヒド及びテレフタルアルデヒドから選択される芳香族ジアルデヒドである、請求項1〜3のいずれか1項記載のフォトレジスト組成物。
  5. (A)のノボラック型フェノール樹脂が、下記:
    ノボラック型フェノ−ル樹脂3gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート9gに溶解する;
    得られた溶液を、0.2ミクロンメンブレンフィルタ−で濾過する;
    濾過した溶液を、4インチシリコンウェハー上に1.5μmの厚みになるようにスピンコーターで塗布し、110℃で60秒間ホットプレ−ト上で乾燥させる;
    得られた膜に、現像液(2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド水溶液)を適用し、完全に膜が消失するまでの時間を計測する;
    初期膜厚を、溶解するまでの時間で割った値を溶解速度とする
    ことを内容とするアルカリ溶解速度試験での溶解速度3〜300秒を有する、請求項1〜4のいずれか1項記載のフォトレジスト組成物。
  6. (B)が、キノンジアジド基を含む化合物である、請求項1〜5のいずれか1項記載のフォトレジスト組成物。
  7. (A)100質量部に対して、(B)が10〜40質量部であり、(C)が150〜900質量部である、請求項1〜6のいずれか1項記載のフォトレジスト組成物。
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