JP2014091784A - ノボラック型フェノール樹脂、及びその用途 - Google Patents

ノボラック型フェノール樹脂、及びその用途 Download PDF

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Abstract

【課題】柔軟性が改良されたノボラック型フェノール樹脂、及びその用途について提案する。特に、エポキシ樹脂組成物としての用途に加えて、半導体やLCDを製造する際のリソグラフィー工程で好適に使用される、高い柔軟性を示し且つ高解像度や高残膜率を兼ね備えたフォトレジスト組成物用のノボラック型フェノール樹脂、及び前記ノボラック型フェノール樹脂を含有してなるフォトレジスト組成物を提案する。
【解決手段】ビスフェノール類を含有するフェノール成分(a)と、炭素数が3以上の脂肪族ポリアルデヒド類を主成分とするアルデヒド成分(b)とを縮重合反応して得られるノボラック型フェノール樹脂である。
【選択図】なし

Description

本発明は、柔軟性が改良されたノボラック型フェノール樹脂、及びその用途に関する。特に、半導体やLCDを製造する際のリソグラフィー工程で好適に使用される、高い柔軟性を示し且つ高解像度や高残膜率を兼ね備えたフォトレジスト組成物用のノボラック型フェノール樹脂、及び前記ノボラック型フェノール樹脂を含有してなるフォトレジスト組成物に関する。
一般にポジ型フォトレジスト組成物には、ナフトキノンジアジド化合物等のキノンジアジド基を有する感光剤とアルカリ可溶性樹脂とが用いられる。このポジ型フォトレジスト組成物は、アルカリ溶液による現像によって高い解像力を示すので、IC、LSI等の半導体製造、LCDなどの回路基材の製造に好適に利用されている。特にアルカリ可溶性樹脂として耐熱性を有するノボラック型フェノール樹脂を用いると、露光後のドライエッチングを好適に行うことができる。このため、ノボラック型フェノール樹脂を用いたポジ型フォトレジスト組成物が開発、実用化されている。
このポジ型フォトレジスト組成物を用いると、例えば0.3μm程度の微細な線幅から数十〜数百μm程度の大きな線幅のパターンを、多種多様な基材表面に形成することができる。なお、半導体製造分野ではもちろん、LCD等の分野においても、TFT、STNなどの技術の進展に伴い、形成すべきパターンの線幅がますます微細化され、最近の高精細なTFT表示素子では、線幅の設計寸法が数μmレベルまで要求されつつある。
ところで、携帯電話などのフレキシブルプリント配線基板の分野では、ネガ型ドライフィルムのフォトレジストが広く使用されている。このドライフィルムのフォトレジストの解像度は低く、線幅は30〜300μm程度である。
一方、従来のポジ型フォトレジスト組成物は、前述のように解像度は高いが、ドライフィルム化しようとすると膜質が脆くて柔軟性に欠けるために、それをロール状の製品とすることや使用時の取扱いに難点があった。そのため、ポジ型のドライフィルムフォトレジストは実用化に至っていない。
特許文献1は、メチルフェノール類と、グルタルアルデヒド及びアジプアルデヒドの少なくとも一つを含有するジアルデヒド類との縮重合によって、高い柔軟性を示し、且つ高感度や高解像度を可能にするフォトレジスト組成物用のフェノール樹脂を得ることを提案している。しかしながら、特許文献1のノボラック型フェノール樹脂は、柔軟性の改良は見られるものの、柔軟性を有するフォトレジスト組成物として実用化するには十分とはいえず、実用化のためには更に柔軟性について改良の余地があった。
特許文献2は、ポジ型感光性樹脂積層シート及びその製造方法に関する。この文献には、ノボラック型フェノール樹脂を構成するフェノール類とアルデヒド類について記載があり、フェノール類としてビスフェノールAが、アルデヒド類としてグルタルアルデヒドが、多数の化合物と共に例示されている。しかしながら、この文献は、ノボラック型フェノール樹脂の膜質の脆さなどを、クッション層を積層することなどの手段で解決しようとするものであって、ノボラック型フェノール樹脂の化学組成を検討して、膜質の脆さを改良したものではなかった。実施例でもノボラック型フェノール樹脂の化学組成については記載されていない。
国際公開第2010/050592号公報 特開2006−267660号公報
本発明の目的は、柔軟性が改良されたノボラック型フェノール樹脂、及びその用途について提案することである。特に、エポキシ樹脂組成物としての用途に加えて、半導体やLCDを製造する際のリソグラフィー工程で好適に使用される、高い柔軟性を示し且つ高解像度や高残膜率を兼ね備えたフォトレジスト組成物用のノボラック型フェノール樹脂、及び前記ノボラック型フェノール樹脂を含有してなるフォトレジスト組成物を提案することである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意検討した結果、特定の組合せからなるフェノール成分とアルデヒド成分とを縮重合反応して得られるノボラック型フェノール樹脂が、高い柔軟性を示すことを見出して本発明に至った。
すなわち、本発明は、以下の事項に関する。
1. ビスフェノール類を含有するフェノール成分(a)と、炭素数が3以上の脂肪族ポリアルデヒド類を主成分とするアルデヒド成分(b)とを縮重合反応して得られるノボラック型フェノール樹脂。
2. ビスフェノール類を含有するフェノール成分(a)と、炭素数が3以上の脂肪族ポリアルデヒド類を主成分とするアルデヒド成分(b)とのモル比[(b)/(a)]が、0.25以上である前記項1記載のノボラック型フェノール樹脂。
3. 前記モル比[(b)/(a)]が、0.25〜0.7未満であり、フォトレジスト組成物用である前記項2記載のノボラック型フェノール樹脂。
4. 前記項3記載のノボラック型フェノール樹脂を含有するフォトレジスト組成物。
5. 前記項1又は2記載のノボラック型フェノール樹脂をエポキシ化したエポキシ樹脂。
6. 前記項1及び2記載のノボラック型フェノール樹脂のうちいずれか1以上の樹脂、並びにエポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物。
7. 前記項5記載のエポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物。
8. 前記項6又は7記載のエポキシ樹脂組成物が硬化した硬化物。
本発明によって、柔軟性が改良されたノボラック型フェノール樹脂、及びその用途について提案することができる。特に、エポキシ樹脂組成物としての用途に加えて、半導体やLCDを製造する際のリソグラフィー工程で好適に使用される、高い柔軟性を示し且つ高解像度や高残膜率を兼ね備えたフォトレジスト組成物用のノボラック型フェノール樹脂、及び前記ノボラック型フェノール樹脂を含有してなるフォトレジスト組成物を提案することができる。
本発明は、ビスフェノール類を含有するフェノール成分(a)と、炭素数が3以上の脂肪族ポリアルデヒド類を主成分とするアルデヒド成分(b)とを縮重合反応して得られるノボラック型フェノール樹脂に関する。
本発明において、フェノール成分(a)はビスフェノール類を含有する。フェノール成分(a)中のビスフェノール類の割合は、好ましくは30モル%以上、より好ましくは50モル%以上、更に好ましくは75モル%以上、特に好ましくは95モル%以上、最も好ましくは100モル%である。フェノール類(a)中におけるビスフェノール類の含有割合が少なくなると、得られるノボラック型フェノール樹脂の柔軟性が低下する。
本発明において、ビスフェノール類とは、少なくとも2個のヒドロキシフェニル基を有する化合物であって、特にアルキレン基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基からなる2価の基によって、2個のヒドロキシフェニル基(類)が結合している化合物を意味する。具体的には、ビスフェノールA;(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン)、ビスフェノールC;(2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン)、ビスフェノールF;(ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン)、ビスフェノールE;(1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン)、ビスフェノールS;(ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン)、ビスフェノールB;(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン)、ビスフェノールZ;(1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン)、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテルなどがあり、特にビスフェノールA、ビスフェノールC、ビスフェノールZなどが好ましい。ビスフェノール類は、単独で使用してもよいが、2種類以上の混合物として使用してもよい。
本発明のフェノール成分(a)は、ビスフェノール類を必須成分とするが、その他のフェノール類を併用することもできる。その他のフェノール類としては、具体的には、フェノール、多価フェノール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−クレゾール、キシレノール、トリメチルフェノールが挙げられる。キシレノールは、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノールの各構造異性体が使用でき、トリメチルフェノールは、2,3,5−トリメチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール等の各構造異性体が使用できる。本発明において使用することのできる多価フェノールは、例えば2価フェノール類として、カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン、3−メチルカテコール、4−メチルカテコール、2−メチルレゾルシノール、4−メチルレゾルシノール、メチルハイドロキノン、3−エチルカテコール、4−エチルカテコール、2−エチルレゾルシノール、4−エチルレゾルシノール、エチルハイドロキノン、n−プロピルハイドロキノン、イソプロピルハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、4−n−ヘキシルレゾルシノール、4−ヘキサノイルレゾルシノール、3,5−ジメチルカテコール、2,5−ジメチルレゾルシノール、2,3−ジエチルハイドロキノン、2,5−ジメチルハイドロキノン、3,5−ジエチルカテコール、2,5−ジエチルレゾルシノール、2,5−ジエチルハイドロキノン、3,5−ジイソプロピルカテコール、2,5−ジイソプロピルレゾルシノール、2,3−ジイソプロピルハイドロキノン、2,5−ジイソプロピルハイドロキノン、3,5−ジ−t−ブチルカテコール、2,5−ジ−t−ブチルレゾルシノール、2,3−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン等の(ポリ)アルキル置換2価フェノール類、3価フェノール類として、ピロガロール、フロログルシノール、1,2,4−ベンゼントリオール等が挙げられる。多価フェノール類のうち、特に望ましくはレゾルシンである。これらその他のフェノール類は、単独でも2種以上を混合して使用してもよい。
本発明において、アルデヒド成分(b)は、炭素数が3以上、好ましくは炭素数が3〜10、より好ましくは炭素数が4〜7の、分子中に2個以上のアルデヒド基を有する脂肪族ポリアルデヒド類、好ましくはジアルデヒド類又はトリアルデヒド類、より好ましくはジアルデヒド類を主成分とする。ここで主成分とは、アルデヒド成分(b)中、炭素数が3以上の脂肪族ポリアルデヒド類が50モル%以上、好ましくは75モル%以上、より好ましくは95モル%以上、特に好ましくは100モル%であることを意味する。
炭素数が3以上の脂肪族ポリアルデヒド類としては、例えば、マロンアルデヒド、スクシンアルデヒド、グルタルアルデヒド、アジプアルデヒド、マレインジアルデヒド、オクタジナール、ヘプタジナールなどの脂肪族ジアルデヒド類、トリホルミルメタンなどの脂肪族トリアルデヒド類を好適に挙げることができる。炭素数が3以上の脂肪族ポリアルデヒド類は、これらのアルデヒド類を単独でまたは2種以上を組み合わせて好適に使用することができる。
本発明のノボラック型フェノール樹脂において、ビスフェノール類を含有するフェノール成分(a)と、炭素数が3以上の脂肪族ポリアルデヒド類を主成分とするアルデヒド成分(b)とのモル比[(b)/(a)]を、好ましくは0.25以上、より好ましくは0.25〜5.0、更に好ましくは0.25〜1.0、特に好ましくは0.3〜0.8、最も好ましくは0.3〜0.7とすることが、柔軟性を十分に改良したノボラック型フェノール樹脂を得ることができるので好ましい。モル比[(b)/(a)]が0.25未満では、ノボラック型フェノール樹脂の柔軟性を必ずしも十分に向上することができない。
本発明においては、さらに、ビスフェノール類を含有するフェノール成分(a)と、炭素数が3以上の脂肪族ポリアルデヒド類を主成分とするアルデヒド成分(b)とのモル比[(b)/(a)]を0.25〜0.7未満、好ましくは0.25〜0.65とすることで、高い柔軟性を示し且つ高解像度や高残膜率を兼ね備えた、フォトレジスト組成物用のノボラック型フェノール樹脂として特に好適なノボラック型フェノール樹脂を得ることができる。モル比[(b)/(a)]が0.25未満では、ノボラック型フェノール樹脂の柔軟性を必ずしも十分に向上することができないし、溶解速度が大きくなってアルカリ溶解の制御が難しくなり、高解像度や高残膜率を達成することが難しくなるので好ましくない。また、0.7以上になると、アルカリ溶液に不溶になって感度が低下し実用性に欠ける場合がある。ノボラック型フェノール樹脂のアルカリ溶解速度を20〜8000Å/s、好ましくは100〜5000Å/s、より好ましくは100〜3000Å/sとすることが、高い柔軟性を示し且つ高解像度や高残膜率を兼ね備えたフォトレジスト組成物を得ることができるので好ましい。
本発明のノボラック型フェノール樹脂は、ビスフェノール類を含有するフェノール成分(a)と、炭素数が3以上の脂肪族ポリアルデヒド類を主成分とするアルデヒド成分(b)とを縮重合反応することによって容易に得ることができる。
縮重合反応においては、酸触媒を好適に使用することができる。酸触媒としては、フェノール成分とアルデヒド成分とを反応させる能力のあるものであれば、特に限定されることなく使用可能である。例えばシュウ酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸などの有機スルホン酸、塩酸、硫酸などの無機酸などを使用できる。酸触媒の使用量は、ビスフェノール類を含有するフェノール類(a)に対して、0.01〜5重量%である。フォトレジスト組成物用に使用する場合には、その特性の向上のために極力少ない方が好ましい。樹脂中に酸触媒が残存するとフォトレジスト組成物の特性に弊害を及ぼすことがあるためである。このため、縮重合反応が終了した後で、アミン類または無機アルカリを使用して反応混合物中の酸触媒を中和することが好ましい。
縮重合反応の反応温度は、特に限定されないが、好ましくは60〜160℃、より好ましくは80〜140℃である。60℃より低いと重合が進みにくく、160℃より高いと反応の制御が難しくなる場合があり、目的のノボラック型フェノール樹脂を安定的に得ることが難しくなる。
縮重合反応には、必要に応じて反応溶媒を使用することができる。反応溶媒としては、ビスフェノール類を含有するフェノール成分(a)及び炭素数が3以上の脂肪族ポリアルデヒド類を主成分とするアルデヒド成分(b)を溶解し易い水が好適に用いられるが、場合によっては反応に悪影響を及ぼさない有機溶媒を使用することもできる。このような有機溶媒としては、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等のエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類等が挙げられる。これらの反応溶媒の使用量は、通常、反応原料100質量部に対して、20〜1000質量部の割合である。
縮重合反応の反応時間は、反応温度にもよるが、通常は20時間以内である。また、縮重合反応の反応圧力は、通常は常圧下で行われるが、若干の加圧ないし減圧下でも行うことができる。
縮重合反応終了後の後処理は、反応混合物に塩基を添加して酸触媒を中和し、続いて酸触媒を除去するために水を加えて水洗を実施することが好ましい。
酸触媒の中和のための塩基としては、特に限定されることはなく、酸触媒を中和し、水に可溶となる塩を形成するものであれば使用可能である。塩基としては、例えば、金属水酸化物、金属炭酸塩などの無機塩基ならびにアミンや有機アミンなどの有機塩基が挙げられる。無機塩基としては、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムや炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウムが挙げられる。有機塩基のアミンあるいは有機アミンの具体例としては、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、トリブチルアミンなどが挙げられる。好ましくは有機アミンが使用される。塩基の使用量は、酸触媒を中和し、反応系内のpHを4〜8の範囲にする量で使用することが好ましい。
水洗における水洗水の量と水洗の回数は、特に限定されない。酸触媒をレジスト用組成物としての実使用に影響ない程度の量まで除去するには、水洗回数としては1〜5回程度である。
水洗の温度は、特に限定されないが、触媒除去の効率と作業性の観点から40〜95℃で行うのが好ましい。水洗中、樹脂と水洗水の分離が悪い場合は、樹脂の粘度を低下させる溶媒の添加や水洗温度を上昇させることが効果的である。このような溶媒は、フェノール樹脂を溶解し、粘度を低下させるものであれば特に限定されることなく使用することができる。
酸性触媒を中和及び水洗により除去した後、例えば、反応系の温度を130〜230℃に上げて、20〜50torrの減圧下で、反応系内に存在する未反応原料、有機溶媒等の揮発分を留去して、本発明のノボラック型フェノール樹脂を得ることができる。
本発明のノボラック型フェノール樹脂の重量平均分子量は、特に限定されない。通常は300〜100000程度である。フォトレジスト組成物用に用いる場合には、フォトレジスト組成物の性能やハンドリング性から、1000〜100000が好ましく、3000〜50000がより好ましく、5000〜10000が更に好ましい。重量平均分子量が1000より小さい場合は感度が高すぎる場合があり、100000より大きい場合は感度が低い場合がある。なお、重量平均分子量を1000000程度まで高分子量化しても、フォトレジスト組成物としての特性が好適なら使用できる場合もある。
本発明のノボラック型フェノール樹脂は、通常のノボラック型フェノール樹脂と同様に、様々な分野で使用することができる。
例えば、エポキシ樹脂の硬化剤として使用する場合には、公知の方法に従ってエポキシ樹脂と混合して、エポキシ樹脂組成物とすることができる。このエポキシ樹脂組成物は、電子部品の絶縁保護膜、層間絶縁材料、封止材料などや、導電ペースト、接着剤、複合材料の結着材などとして好適に用いることができる。また、本発明のノボラック型フェノール樹脂は、公知の方法によってエピハロヒドリンと反応させることにより、例えばエピクロルヒドリンと水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物との存在下に、10〜120℃で、グリシジルエーテル化反応することによって、ノボラック型エポキシ樹脂とすることもできる。このノボラック型エポキシ樹脂も、例えばアミン系硬化剤、アミド系硬化剤、三無水物系硬化剤、或いはノボラック型フェノール樹脂系硬化剤などと、公知の方法に従って混合してエポキシ樹脂組成物とし、前記と同じような用途に好適に用いることができる。
これらのエポキシ樹脂組成物は、必要に応じて、例えばトリフェニルホスフィンのような硬化促進剤を含み、更に無機充填材、離型剤、着色剤、カップリング剤、難燃剤などの通常のエポキシ樹脂組成物が含有する添加剤を好適に含有できる。また、これらのエポキシ樹脂組成物は、加熱処理することによって硬化反応を起こして硬化物を形成することができる。
本発明のノボラック型フェノール樹脂は、特に高い柔軟性を示し且つ高解像度や高残膜率を兼ね備えたフォトレジスト組成物用として好適に使用することができる。
本発明のフォトレジスト組成物は、限定するものではないが、本発明のノボラック型フェノール樹脂(A)を好ましくは5〜40重量%、より好ましくは10〜25重量%含有する。本発明のレジスト用組成物は、さらに感光剤(B)を含有する。感光剤(B)としては、ノボラック型フェノール樹脂を含むフォトレジストの感光剤として公知のものを使用できる。例えばキノンジアジド基を有するキノンジアジド化合物が好ましく、特に1,2−キノンジアジド化合物又はその誘導体が好ましい。キノンジアジド化合物を用いることで、露光した部分は溶解促進効果によりアルカリ溶解速度が大きくなり、逆に露光しない部分は溶解抑制効果によりアルカリ溶解速度が小さくなり、この露光部と未露光部の溶解速度の差によって、コントラストの高い、シャープなレジストパターンを得ることができる。
キノンジアジド化合物としては、従来キノンジアジド−ノボラック系フォトレジスト組成物で用いられている公知の化合物を用いることができる。このようなキノンジアジド基を含む化合物としては、ナフトキノンジアジドスルホン酸クロライドやベンゾキノンジアジドスルホン酸クロライド等と、これらの酸クロライドと縮合反応可能な官能基を有する化合物とを反応させることによって得られた化合物が好ましい。ここで酸クロライドと縮合可能な官能基としては水酸基、アミノ基等が挙げられるが、特に水酸基が好適である。酸クロライドと縮合可能な水酸基を有する化合物としては、例えばハイドロキノン、レゾルシン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,6−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,3,4,6’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン等のヒドロキシベンゾフェノン類、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン等のヒドロキシフェニルアルカン類、4,4’,3”,4”−テトラヒドロキシ−3,5,3’,5’−テトラメチルトリフェニルメタン、4,4’,2”,3”,4”−ペンタヒドロキシ−3,5,3’,5’−テトラメチルトリフェニルメタン等のヒドロキシトリフェニルメタン類などを挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、また2種以上を組合せて用いてもよい。
酸クロライドであるナフトキノンジアジドスルホン酸クロライドやベンゾキノンジアジドスルホン酸クロライドの具体例としては、例えば、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルフォニルクロライド、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルフォニルクロライドなどが好ましいものとして挙げられる。
感光剤(B)の配合量は、ノボラック型フェノール樹脂(A)100質量部に対して、5〜50質量部が好ましく、より好ましくは10〜40質量部である。感光剤(B)の配合量が5質量部よりも少ないと、感光性樹組成物として十分な感度が得られないことがあり、また、50質量部よりも多いと成分の析出の問題が起こることがあるので好ましくない。
本発明のレジスト組成物は、ノボラック型フェノール樹脂(A)及び感光剤(B)の他に、フォトレジスト組成物の慣用成分である、酸化防止剤等の安定剤、可塑剤、界面活性剤、密着性向上剤、溶解促進剤、溶解阻害剤などを好適に含有することができる。
本発明のノボラック型フェノール樹脂を使用したフォトレジスト組成物は、ドライフィルム化が可能性あり、また高集積半導体を製造する際のリソグラフィー工程、液晶用の薄膜フィルムトランジスター(TFT)、フレキシブルディスプレイ及びフレキシブルプリント配線板等の微細加工工程において、好適に使用することができる。
以下に実施例等により、本発明についてより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
ノボラック型フェノール樹脂の分析方法とその物性の評価方法は以下の通りである。
(1)重量平均分子量(GPC測定方法)
型式 : HLC−8220 東ソー(株)製
カラム : TSK−GEL Hタイプ G2000H×L 4本
G3000H×L 1本
G4000H×L 1本
測定条件: カラム圧力 13.5MPa
溶離液 : テトラヒドロフラン(THF)フローレート 1ml/min
温度 : 40℃
検出器 : スペクトロフォトメーター(UV−8020)RANGE 2.56
WAVE LENGTH : 254nm とRI
インジェクション量 : 100μmL
試料濃度 : 5mg/mL
(2)ノボラック型フェノール樹脂のアルカリ溶解速度の評価方法
ノボラック型フェノール樹脂3gをPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)9gに溶解し、樹脂溶液を調合した。これらを0.2ミクロンメンブレンフィルターで濾過した。これを4インチシリコンウェハー上に約1.5μmの厚みになるようにスピンコーターで塗布し、110℃で60秒間ホットプレート上で乾燥させた。次いで現像液(1.60%テトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド水溶液)を用い、完全に膜が消失するまでの時間を計測した。初期膜厚を溶解するまでの時間で割った値を溶解速度とした。
フォトレジスト組成物(感光性組成物)の調製方法、得られた組成物の感光剤溶解性、塗布性、柔軟性、残膜率(%)、及び解像度の評価方法は以下のとおりである。
(3)フォトレジスト組成物の調製
ノボラック型フェノール樹脂10gとナフトキノン1,2−ジアジド−5−スルホン酸の2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンエステル2.5gとをPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)37.5gに溶解し、フォトレジスト組成物とした。
(4)フォトレジスト組成物柔軟性評価
得られたノボラック型フェノール樹脂をPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)に溶解し、樹脂溶液を調合した。これらを0.2ミクロンメンブレンフィルターで濾過した。これを厚さ50μmのポリイミドフィルム上に約5.0μmの厚みになるように塗布し、110℃で90秒間ホットプレート上で乾燥させた。
乾燥後、レジスト表面の状態を観察しハジキの有無で塗布性を評価した。
次いで、現像液(2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド水溶液)を用い、60秒間浸漬した。リンス、乾燥させた後、180度に折り曲げて、折り曲げ箇所の状態を下記基準で目視及び顕微鏡(1000倍)により観察し評価した。
○:顕微鏡観察でレジスト膜にヒビ割れはない
△:目視観察ではレジスト膜にヒビ割れはないが、顕微鏡観察ではレジスト膜にヒビ割れがある(柔軟性を有するフォトレジスト組成物として実用化は困難)
×:目視観察でレジスト膜にヒビ割れがある
(5)フォトレジスト組成物の残膜率・解像度の評価方法
前記フォトレジスト組成物を0.2ミクロンメンブレンフィルターで濾過し、これを4インチシリコンウェハー上に約1.5μの厚みになるようにスピンコーターで塗布し、110℃、60秒間ホットプレート上で乾燥させた。その後、縮小投影露光装置を用い、露光時間を段階的に変えて露光した。次いで現像液(2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド水溶液)を用い、60秒間現像し、リンス、乾燥を行なった。
残膜率とは、現像後の感光性樹脂の膜厚と現像前の感光性樹脂の膜厚の比であり、下記式により表される値である。
Figure 2014091784
また、解像度は、テストチャートマスクを用い、下記基準で評価した。
○:4.0μライン&スペースが解像できる。
×:4.0μライン&スペースが解像できない。
〔実施例1〕
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、ビスフェノールC 30g(0.117モル)、50%グルタルアルデヒド水溶液 9.39g(0.047モル)、及びパラトルエンスルホン酸 0.15gを入れ、120℃で20時間反応させた。その後、80℃まで冷却してトリエチルアミン 0.15g、イオン交換水 30gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した分離水のpHを5.5〜7.0となるように調整して、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、180℃まで昇温して脱水し、次いで30torrで2時間減圧蒸留を行い、ノボラック型フェノール樹脂 32gを得た。
〔実施例2〕
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、ビスフェノールC 30g(0.117モル)、50%グルタルアルデヒド水溶液 10.56g(0.053モル)、及びパラトルエンスルホン酸 0.15gを入れ、120℃で20時間反応させた。その後、80℃まで冷却してトリエチルアミン 0.15g、イオン交換水 30gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した分離水のpHを5.5〜7.0となるように調整して、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、180℃まで昇温して脱水し、次いで30torrで2時間減圧蒸留を行い、ノボラック型フェノール樹脂 34gを得た。
〔実施例3〕
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、ビスフェノールZ 30g(0.112モル)、50%グルタルアルデヒド水溶液 8.95g(0.045モル)、及びパラトルエンスルホン酸 0.15gを入れ、120℃で20時間反応させた。その後、80℃まで冷却してトリエチルアミン 0.15g、イオン交換水 30gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した分離水のpHを5.5〜7.0となるように調整して、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、180℃まで昇温して脱水し、次いで30torrで2時間減圧蒸留を行い、ノボラック型フェノール樹脂 30gを得た。
〔実施例4〕
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、ビスフェノールZ 30g(0.112モル)、50%グルタルアルデヒド水溶液 8.95g(0.045モル)、及びパラトルエンスルホン酸 0.15gを入れ、96℃で20時間反応させた。その後、80℃まで冷却してトリエチルアミン 0.15g、イオン交換水 30gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した分離水のpHを5.5〜7.0となるように調整して、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、180℃まで昇温して脱水し、次いで30torrで2時間減圧蒸留を行い、ノボラック型フェノール樹脂 32gを得た。
〔実施例5〕
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、ビスフェノールA 30g(0.131モル)、50%グルタルアルデヒド水溶液 17.10g(0.085モル)、及びパラトルエンスルホン酸 0.15gを入れ、120℃で20時間反応させた。その後、80℃まで冷却してトリエチルアミン 0.15g、イオン交換水 30gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した分離水のpHを5.5〜7.0となるように調整して、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、180℃まで昇温して脱水し、次いで30torrで2時間減圧蒸留を行い、ノボラック型フェノール樹脂 34gを得た。
〔実施例6〕
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、ビスフェノールA 30g(0.131モル)、50%グルタルアルデヒド水溶液 13.16g(0.066モル)、及びパラトルエンスルホン酸 0.15gを入れ、96℃で20時間反応させた。その後、80℃まで冷却してトリエチルアミン 0.15g、イオン交換水 30gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した分離水のpHを5.5〜7.0となるように調整して、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、180℃まで昇温して脱水し、次いで30torrで2時間減圧蒸留を行い、ノボラック型フェノール樹脂 32gを得た。
〔実施例7〕
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、ビスフェノールA 42g(0.184モル)、m−クレゾール 13.2g(0.122モル)、50%グルタルアルデヒド水溶液 24.22g(0.121モル)、及びパラトルエンスルホン酸 0.21gを入れ、96℃で20時間反応させた。その後、80℃まで冷却してトリエチルアミン 0.21g添加し、イオン交換水 30gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した分離水のpHを5.5〜7.0となるように調整し、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、180℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行い、ノボラック型フェノール樹脂 31g得た。
〔実施例8〕
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、ビスフェノールA 42g(0.184モル)、p−クレゾール 13.2g(0.122モル)、50%グルタルアルデヒド水溶液 24.22g(0.121モル)、及びパラトルエンスルホン酸 0.21gを入れ、96℃で20時間反応させた。その後、80℃まで冷却してトリエチルアミン 0.21g、イオン交換水 30gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した分離水のpHを5.5〜7.0となるように調整して、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、180℃まで昇温して脱水し、次いで30torrで2時間減圧蒸留を行い、ノボラック型フェノール樹脂 29gを得た。
〔実施例9〕
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、ビスフェノールA 42g(0.184モル)、m−クレゾール 8.45g(0.078モル)、p‐クレゾール 4.75g(0.044モル)、50%グルタルアルデヒド水溶液 24.22g(0.121モル)、及びパラトルエンスルホン酸 0.21gを入れ、96℃で20時間反応させた。その後、80℃まで冷却してトリエチルアミン 0.21g、イオン交換水 30gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した分離水のpHを5.5〜7.0となるように調整して、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、180℃まで昇温して脱水し、次いで30torrで2時間減圧蒸留を行い、ノボラック型フェノール樹脂 31gを得た。
〔実施例10〕
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、ビスフェノールA 42g(0.184モル)、m−クレゾール 8.45g(0.078モル)、p‐クレゾール 4.75g(0.044モル)、50%グルタルアルデヒド水溶液 27.25g(0.136モル)、及びパラトルエンスルホン酸 0.21gを入れ、120℃で20時間反応させた。その後、80℃まで冷却してトリエチルアミン 0.21g、イオン交換水 30gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した分離水のpHを5.5〜7.0となるように調整して、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、180℃まで昇温して脱水し、次いで30torrで2時間減圧蒸留を行い、ノボラック型フェノール樹脂 32gを得た。
〔実施例11〕
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、ビスフェノールA 42g(0.184モル)、m−クレゾール 8.45g(0.078モル)、p‐クレゾール 4.75g(0.044モル)、50%グルタルアルデヒド水溶液 30.28g(0.151モル)、及びパラトルエンスルホン酸 0.21gを入れ、120℃で20時間反応させた。その後、80℃まで冷却してトリエチルアミン 0.21g、イオン交換水 30gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した分離水のpHを5.5〜7.0となるように調整して、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、180℃まで昇温して脱水し、次いで30torrで2時間減圧蒸留を行い、ノボラック型フェノール樹脂 33gを得た。
〔比較例1〕
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール 80g(0.740モル)、p−クレゾール 120g(1.110モル)、42%ホルマリン 81.3g(1.137モル)、及び蓚酸 0.8gを入れ、100℃で10時間反応させた。その後、180℃まで昇温して脱水し、次いで30torrで2時間減圧蒸留を行い、ノボラック型フェノール樹脂 150gを得た。
〔比較例2〕
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、ビスフェノールA 217g(0.951モル)、42%ホルマリン 50.6g(0.708モル)、及び蓚酸 1.0gを入れ、100℃で10時間反応させた。その後、180℃まで昇温して脱水し、次いで30torrで2時間減圧蒸留を行い、ノボラック型フェノール樹脂 180gを得た。
〔比較例3〕
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール 100g(0.925モル)、50%グルタルアルデヒド水溶液 42.6g(0.213モル)、及びパラトルエンスルホン酸 0.2gを入れ、96℃で20時間反応させた。反応終了後、90℃まで冷却してトリエチルアミン 0.2gを添加し、イオン交換水 100gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した水層のpHを5.5〜7.0となるように調整して、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、185℃まで昇温して脱水し、次いで30torrで2時間減圧蒸留を行い、ノボラック型フェノール樹脂 82gを得た。
〔比較例4〕
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール 50g(0.462モル)、p−クレゾール 50g(0.462モル)、50%グルタルアルデヒド水溶液 37.0g(0.185モル)、及びp−トルエンスルホン酸 0.2gを入れ、96℃で20時間反応させた。反応終了後、90℃まで冷却してトリエチルアミン 0.2gを添加し、イオン交換水 100gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した水層のpHを5.5〜7.0となるように調整して、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行い、比較例4に係るノボラック型フェノール樹脂64gを得た。
〔比較例5〕
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール 40g(0.370モル)、p−クレゾール 60g(0.555モル)、50%グルタルアルデヒド水溶液 37.0g(0.185モル)、及びp−トルエンスルホン酸 0.2gを入れ、96℃で20時間反応させた。その後、反応混合液へ42%ホルムアルデヒド水溶液 13.2g(0.185モル)を加え、96℃で4時間更に反応させた。反応終了後、90℃まで冷却してトリエチルアミン 0.2gを添加し、イオン交換水 100gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した水層のpHを5.5〜7.0となるように調整して、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、185℃まで昇温して脱水し、次いで30torrで2時間減圧蒸留を行い、ノボラック型フェノール樹脂 94gを得た。
実施例1〜11、及び比較例1〜5で得られたノボラック型フェノール樹脂について、それぞれの化学組成、モル比、樹脂としての分析評価結果、フォトレジスト組成物としての評価結果を、下記の表1〜2にまとめて示した。
実施例1〜11のノボラック型フェノール樹脂は、柔軟性が改良されていた。一方、従来の一般的なノボラク型フェノール樹脂である比較例1では柔軟性がなかった。特許文献1のノボラック型フェノール樹脂に相当する比較例3〜5のノボラック型フェノール樹脂は、柔軟性が改良されているが更に改良の余地があった。実施例1〜11のノボラック型フェノール樹脂は、フォトレジスト組成物としての評価においても、比較例1〜5で得られたノボラック型フェノール樹脂を用いて調製したフォトレジスト組成物に比べ、柔軟性に加え、残膜率や解像度の性能をバランスよく満足した。特に、実施例2で得られたノボラック型フェノール樹脂は、重量平均分子量が5000〜10000の特に好ましい範囲にあるために、それを用いて調製したフォトレジスト組成物の柔軟性と解像度とが良好であると共に、残膜率が特に良好であるなど、フォトレジストとしての特性が極めて優れていた。
Figure 2014091784
Figure 2014091784
本発明によって、柔軟性が改良されたノボラック型フェノール樹脂、及びその用途について提案することができる。特に、エポキシ樹脂組成物としての用途に加えて、半導体やLCDを製造する際のリソグラフィー工程で好適に使用される、高い柔軟性を示し且つ高解像度や高残膜率を兼ね備えたフォトレジスト組成物用のノボラック型フェノール樹脂、及び前記ノボラック型フェノール樹脂を含有してなるフォトレジスト組成物を提案することができる。
本発明のノボラック型フェノール樹脂を使用したフォトレジスト組成物は、より高いレベルで柔軟性、高解像度及び高残膜率をバランスよく有するので、フレキシブルディスプレイやフレキシブルプリント配線板等を製造する際などの微細加工において、特に好適に使用することができる。

Claims (8)

  1. ビスフェノール類を含有するフェノール成分(a)と、炭素数が3以上の脂肪族ポリアルデヒド類を主成分とするアルデヒド成分(b)とを縮重合反応して得られるノボラック型フェノール樹脂。
  2. ビスフェノール類を含有するフェノール成分(a)と、炭素数が3以上の脂肪族ポリアルデヒド類を主成分とするアルデヒド成分(b)とのモル比[(b)/(a)]が、0.25以上である請求項1記載のノボラック型フェノール樹脂。
  3. 前記モル比[(b)/(a)]が、0.25〜0.7未満であり、フォトレジスト組成物用である請求項2記載のノボラック型フェノール樹脂。
  4. 請求項3記載のノボラック型フェノール樹脂を含有するフォトレジスト組成物。
  5. 請求項1又は2記載のノボラック型フェノール樹脂をエポキシ化したエポキシ樹脂。
  6. 請求項1及び2記載のノボラック型フェノール樹脂のうちいずれか1以上の樹脂、並びにエポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物。
  7. 請求項5記載のエポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物。
  8. 請求項6又は7記載のエポキシ樹脂組成物が硬化した硬化物。

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WO2020137310A1 (ja) * 2018-12-26 2020-07-02 Dic株式会社 熱硬化性組成物及びその硬化物

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