JP2013194157A - ノボラック型フェノール樹脂、その製造方法、及び該ノボラック型フェノール樹脂を含むフォトレジスト組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】フォトレジスト用に好適に用いることができるノボラック型フェノール樹脂であって、それを用いたフォトレジスト組成物からなるフォトレジストが、より高いレベルで高耐熱性、高感度、高残膜率及び高解像度をバランスよく有することができるノボラック型フェノール樹脂、その製造方法、及び該ノボラック型フェノール樹脂を含むフォトレジスト組成物を提案することである。
【解決手段】m−クレゾ−ル及びp−クレゾールのうち、少なくとも一種のクレゾール(a1)とトリアルキルフェノール(a2)とを含有するフェノール成分(a)と、芳香族アルデヒド(b1)とホルムアルデヒド(b2)とを含有するアルデヒド成分(b)とを反応して得られるノボラック型フェノール樹脂であって、アルデヒド成分(b)における芳香族アルデヒド(b1)とホルムアルデヒド(b2)とのモル比(b1/b2)が30/70〜95/5であることを特徴とするノボラック型フェノール樹脂に関する。
【選択図】なし
【解決手段】m−クレゾ−ル及びp−クレゾールのうち、少なくとも一種のクレゾール(a1)とトリアルキルフェノール(a2)とを含有するフェノール成分(a)と、芳香族アルデヒド(b1)とホルムアルデヒド(b2)とを含有するアルデヒド成分(b)とを反応して得られるノボラック型フェノール樹脂であって、アルデヒド成分(b)における芳香族アルデヒド(b1)とホルムアルデヒド(b2)とのモル比(b1/b2)が30/70〜95/5であることを特徴とするノボラック型フェノール樹脂に関する。
【選択図】なし
Description
本発明は、半導体やLCDを製造する際のリソグラフィーに使用されるフォトレジスト組成物に好適に用いることができるノボラック型フェノール樹脂、その製造方法、及び該ノボラック型フェノール樹脂を含むフォトレジスト組成物に関する。このフォトレジスト組成物を用いると、高耐熱、高感度、高残膜率及び高解像度を有するフォトレジストの製造が可能である。
一般に、ポジ型フォトレジスト組成物は、ナフトキノンジアジド化合物等のキノンジアジド基を有する感光剤と、ノボラック型フェノール樹脂等のアルカリ可溶性樹脂とによって構成されている。このような組成からなるポジ型フォトレジスト組成物は、アルカリ溶液による現像によって高い解像力を示し、また露光後のドライエッチングにも問題を生じない耐熱性を有しているため、IC、LSI等の半導体製造、LCDなどの回路基材の製造に好適に利用されている。
LCDの分野では、TFT、STNなどの技術の進展に伴い画像の線幅が細くなり、さらに微細化の傾向が強まっている。最近では、高精細なTFT表示素子での設計寸法が数μmレベルまで向上している。かかる用途においては、特に高耐熱性、高感度、高残膜率及び高解像度を有するフォトレジストが要求され、従来のポジ型フォトレジストでは対応できなくなりつつある。また、半導体製造に用いられるフォトレジストに対しては、従来から、技術の進展に伴って、より高いレベルで高耐熱性、高感度、高残膜率及び高解像度をバランスよく有するノボラック型フェノール樹脂が求められていた。
フォトレジスト組成物に使用されるノボラック型フェノール樹脂の多くは、m−、p−、又はo−クレゾ−ルとホルムアルデヒドとを酸触媒の存在下で反応させて得られる樹脂である。この樹脂の耐熱性を向上させるために、フェノール類にキシレノール、トリメチルフェノールなどのアルキルフェノール類を使用した例があるが、耐熱性が若干向上する程度であり、高耐熱、高感度、高残膜率、及び高解像度をより高いレベルでバランスよく有するフォトレジストを得るには不十分であった。
特許文献1には、高耐熱性・高解像度・高感度を両立するフォトレジスト用フェノール樹脂として、メタクレゾール30−70重量%とパラクレゾール5−40重量%、キシレノール及び/又はトリメチルフェノール5−50重量%からなるフェノール類と、ホルムアルデヒドと芳香族アルデヒド類からなり、その重量比が1/9−9/1であるアルデヒド類を反応させて得られるノボラック型フェノール樹脂であって、当該ノボラック型フェノール樹脂の慣性半径(分子サイズ)が1.50−2.50nmであることを特徴とするフォトレジスト用フェノール樹脂が記載されている。
しかしながら、この文献で具体的に開示されているのは、ホルムアルデヒドと芳香族アルデヒド類の合計量に対して芳香族アルデヒド類が19モル%以下の芳香族アルデヒド類の割合が比較的低いものだけであった。そして、その様な芳香族アルデヒド類の割合が低いノボラック型フェノール樹脂を用いた場合のフォトレジストは、耐熱性、感度、残膜率、解像度などにおいて十分なものとはいえず、更に改良の余地があった。
一方、この文献には、芳香族アルデヒド類をより高い割合で用いたノボラック型フェノール樹脂によって、それを用いたレジストの耐熱性、感度、残膜率、解像度などを改良することについては記載も示唆もなかった。更に、この文献には、ノボラック型フェノール樹脂の製造方法について反応手順が説明されているが、前記反応手順では芳香族アルデヒド類をより高い割合で用いることはできなかった。(本願の比較例1,2参照)
一方、この文献には、芳香族アルデヒド類をより高い割合で用いたノボラック型フェノール樹脂によって、それを用いたレジストの耐熱性、感度、残膜率、解像度などを改良することについては記載も示唆もなかった。更に、この文献には、ノボラック型フェノール樹脂の製造方法について反応手順が説明されているが、前記反応手順では芳香族アルデヒド類をより高い割合で用いることはできなかった。(本願の比較例1,2参照)
本発明の発明者らは、前記のような状況に鑑みて種々検討を行った結果、特定の化学組成を有するノボラック型フェノール樹脂を用いたフォトレジスト組成物からなるフォトレジストが、より高いレベルで高耐熱性、高感度、高残膜率及び高解像度をバランスよく有することを見出して本発明に到達した。
すなわち、本発明は、フォトレジスト用に好適に用いることができるノボラック型フェノール樹脂であって、それを用いたフォトレジスト組成物からなるフォトレジストが、より高いレベルで高耐熱性、高感度、高残膜率及び高解像度をバランスよく有することができるノボラック型フェノール樹脂、その製造方法、及び該ノボラック型フェノール樹脂を含むフォトレジスト組成物を提案することである。
すなわち、本発明は、フォトレジスト用に好適に用いることができるノボラック型フェノール樹脂であって、それを用いたフォトレジスト組成物からなるフォトレジストが、より高いレベルで高耐熱性、高感度、高残膜率及び高解像度をバランスよく有することができるノボラック型フェノール樹脂、その製造方法、及び該ノボラック型フェノール樹脂を含むフォトレジスト組成物を提案することである。
本発明は、以下の事項に関する。
1. m−クレゾ−ル及びp−クレゾールのうち、少なくとも一種のクレゾール(a1)とトリアルキルフェノール(a2)とを含有するフェノール成分(a)と、芳香族アルデヒド(b1)とホルムアルデヒド(b2)とを含有するアルデヒド成分(b)とを縮重合反応して得られるノボラック型フェノール樹脂であって、アルデヒド成分(b)における芳香族アルデヒド(b1)とホルムアルデヒド(b2)とのモル比(b1/b2)が30/70〜95/5であることを特徴とするノボラック型フェノール樹脂。
2. フェノール成分(a)におけるクレゾール(a1)とトリアルキルフェノール(a2)とのモル比(a1/a2)が90/10〜50/50であることを特徴とする前記項1に記載のノボラック型フェノール樹脂。
3. 重量平均分子量が4000〜50000であることを特徴とする前記項1または2に記載のノボラック型フェノール樹脂。
1. m−クレゾ−ル及びp−クレゾールのうち、少なくとも一種のクレゾール(a1)とトリアルキルフェノール(a2)とを含有するフェノール成分(a)と、芳香族アルデヒド(b1)とホルムアルデヒド(b2)とを含有するアルデヒド成分(b)とを縮重合反応して得られるノボラック型フェノール樹脂であって、アルデヒド成分(b)における芳香族アルデヒド(b1)とホルムアルデヒド(b2)とのモル比(b1/b2)が30/70〜95/5であることを特徴とするノボラック型フェノール樹脂。
2. フェノール成分(a)におけるクレゾール(a1)とトリアルキルフェノール(a2)とのモル比(a1/a2)が90/10〜50/50であることを特徴とする前記項1に記載のノボラック型フェノール樹脂。
3. 重量平均分子量が4000〜50000であることを特徴とする前記項1または2に記載のノボラック型フェノール樹脂。
4. 前記項1〜3のいずれかに記載のノボラック型フェノール樹脂を含有することを特徴とするフォトレジスト組成物。
5. m−クレゾ−ル及びp−クレゾールのうち、少なくとも一種のクレゾール(a1)とトリアルキルフェノール(a2)とを含有するフェノール成分(a)と、芳香族アルデヒド(b1)とホルムアルデヒド(b2)とを含有するアルデヒド成分(b)とを、助触媒としてメルカプト基含有化合物の存在下に縮重合反応させる工程を含んでなる、アルデヒド成分(b)における芳香族アルデヒド(b1)とホルムアルデヒド(b2)とのモル比(b1/b2)が30/70〜95/5であるノボラック型フェノール樹脂を得ることを特徴とするノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
6. 縮重合反応させる工程が、フェノール成分(a)と、芳香族ジアルデヒド(b1)又はホルムアルデヒド(b2)のいずれか一方のアルデヒド成分(b)とを縮重合させる第1工程と、次いで、第1工程で得られた反応混合物と、芳香族ジアルデヒド(b1)又はホルムアルデヒド(b2)のいずれか他方のアルデヒド成分(b)とを更に縮重合させる第2工程とを含むことを特徴とする前記項5に記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
6. 縮重合反応させる工程が、フェノール成分(a)と、芳香族ジアルデヒド(b1)又はホルムアルデヒド(b2)のいずれか一方のアルデヒド成分(b)とを縮重合させる第1工程と、次いで、第1工程で得られた反応混合物と、芳香族ジアルデヒド(b1)又はホルムアルデヒド(b2)のいずれか他方のアルデヒド成分(b)とを更に縮重合させる第2工程とを含むことを特徴とする前記項5に記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
本発明によって、フォトレジスト用に好適に用いることができるノボラック型フェノール樹脂であって、それを用いたフォトレジスト組成物からなるフォトレジストが、より高いレベルで高耐熱性、高感度、高残膜率及び高解像度をバランスよく有することができるノボラック型フェノール樹脂、その製造方法、及び該ノボラック型フェノール樹脂を含むフォトレジスト組成物を提案することができる。
本発明のノボラック型フェノール樹脂を使用したフォトレジストは、より高いレベルで高耐熱性、高感度、高残膜率及び高解像度をバランスよく有するので、高精細なLCDの製造や半導体の製造において好適に使用することができる。
本発明のノボラック型フェノール樹脂を使用したフォトレジストは、より高いレベルで高耐熱性、高感度、高残膜率及び高解像度をバランスよく有するので、高精細なLCDの製造や半導体の製造において好適に使用することができる。
本発明のノボラック型フェノール樹脂は、m−クレゾ−ル及びp−クレゾールのうち、少なくとも一種のクレゾール(a1)とトリアルキルフェノール(a2)とを含有するフェノール成分(a)と、芳香族アルデヒド(b1)とホルムアルデヒド(b2)とを含有するアルデヒド成分(b)とを縮重合反応して得られるノボラック型フェノール樹脂であって、アルデヒド成分(b)における芳香族アルデヒド(b1)とホルムアルデヒド(b2)とのモル比(b1/b2)が30/70〜95/5であることを特徴とするノボラック型フェノール樹脂である。
本発明のノボラック型フェノール樹脂(A)は、フェノール成分(a)とアルデヒド成分(b)を縮重合反応に付して得られる。
<フェノール成分(a)>
本発明におけるフェノール成分(a)は、m−クレゾ−ル及びp−クレゾールのうち、少なくとも一種のクレゾール(a1)とトリアルキルフェノール(a2)とを必須成分として含有する。
すなわち、フェノール成分(a)は、m−クレゾールとトリアルキルフェノール、p−クレゾールとトリアルキルフェノール、又はm−クレゾールとp−クレゾールとアルキルフェノールとを含有することが必須である。
トリアルキルフェノール(a2)としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの低級アルキル基、好ましくは炭素数が6個以下の低級アルキル基を3個有するフェノール類であれば単独でも混合しても使用することができる。好ましくはトリメチルフェノールである。また、トリメチルフェノールにおいても、2,3,5−トリメチルフェノ−ル、2,3,6−トリメチルフェノ−ル等の各異性体が単独でも混合しても使用できる。
本発明におけるフェノール成分(a)は、m−クレゾ−ル及びp−クレゾールのうち、少なくとも一種のクレゾール(a1)とトリアルキルフェノール(a2)とを必須成分として含有する。
すなわち、フェノール成分(a)は、m−クレゾールとトリアルキルフェノール、p−クレゾールとトリアルキルフェノール、又はm−クレゾールとp−クレゾールとアルキルフェノールとを含有することが必須である。
トリアルキルフェノール(a2)としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの低級アルキル基、好ましくは炭素数が6個以下の低級アルキル基を3個有するフェノール類であれば単独でも混合しても使用することができる。好ましくはトリメチルフェノールである。また、トリメチルフェノールにおいても、2,3,5−トリメチルフェノ−ル、2,3,6−トリメチルフェノ−ル等の各異性体が単独でも混合しても使用できる。
フェノール成分(a)は、必須成分以外のその他のフェノール類を含有してもよい。その他の使用できるフェノール類としては、具体的には、フェノール、o−クレゾ−ル、キシレノ−ル、多価フェノールなどを好適に挙げることができる。
キシレノ−ルとしては、2,3−キシレノ−ル、2,4−キシレノ−ル、2,5−キシレノ−ル、2,6−キシレノ−ル、3,4−キシレノ−ル、3,5−キシレノ−ルの各構造異性体が使用できる。
多価フェノールとしては、2価フェノール類や3価フェノール類を好適に挙げることができる。2価フェノール類としては、例えばカテコール、レゾルシン、ハイドロキノン、3−メチルカテコール、4−メチルカテコール、2−メチルレゾルシノール、4−メチルレゾルシノール、メチルハイドロキノン、3−エチルカテコール、4−エチルカテコール、2−エチルレゾルシノール、4−エチルレゾルシノール、エチルハイドロキノン、n−プロピルハイドロキノン、イソプロピルハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、4−n−ヘキシルレゾルシノール、4−ヘキサノイルレゾルシノール、3,5−ジメチルカテコール、2,5−ジメチルレゾルシノール、2,3−ジエチルハイドロキノン、2,5−ジメチルハイドロキノン、3,5−ジエチルカテコール、2,5−ジエチルレゾルシノール、2,5−ジエチルハイドロキノン、3,5−ジイソプロピルカテコール、2,5−ジイソプロピルレゾルシノール、2,3−ジイソプロピルハイドロキノン、2,5−ジイソプロピルハイドロキノン、3,5−ジ−t−ブチルカテコール、2,5−ジ−t−ブチルレゾルシノール、2,3−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン等が挙げられる。3価フェノール類としては、例えばピロガロール、フロログルシノール、1,2,4−ベンゼントリオール等が挙げられる。
多価フェノール類のうち好ましくはレゾルシンである。
その他の使用できるフェノール類は、単独でも2種以上を混合使用してもよい。
キシレノ−ルとしては、2,3−キシレノ−ル、2,4−キシレノ−ル、2,5−キシレノ−ル、2,6−キシレノ−ル、3,4−キシレノ−ル、3,5−キシレノ−ルの各構造異性体が使用できる。
多価フェノールとしては、2価フェノール類や3価フェノール類を好適に挙げることができる。2価フェノール類としては、例えばカテコール、レゾルシン、ハイドロキノン、3−メチルカテコール、4−メチルカテコール、2−メチルレゾルシノール、4−メチルレゾルシノール、メチルハイドロキノン、3−エチルカテコール、4−エチルカテコール、2−エチルレゾルシノール、4−エチルレゾルシノール、エチルハイドロキノン、n−プロピルハイドロキノン、イソプロピルハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、4−n−ヘキシルレゾルシノール、4−ヘキサノイルレゾルシノール、3,5−ジメチルカテコール、2,5−ジメチルレゾルシノール、2,3−ジエチルハイドロキノン、2,5−ジメチルハイドロキノン、3,5−ジエチルカテコール、2,5−ジエチルレゾルシノール、2,5−ジエチルハイドロキノン、3,5−ジイソプロピルカテコール、2,5−ジイソプロピルレゾルシノール、2,3−ジイソプロピルハイドロキノン、2,5−ジイソプロピルハイドロキノン、3,5−ジ−t−ブチルカテコール、2,5−ジ−t−ブチルレゾルシノール、2,3−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン等が挙げられる。3価フェノール類としては、例えばピロガロール、フロログルシノール、1,2,4−ベンゼントリオール等が挙げられる。
多価フェノール類のうち好ましくはレゾルシンである。
その他の使用できるフェノール類は、単独でも2種以上を混合使用してもよい。
本発明におけるフェノール成分(a)において、クレゾール(a1)とトリアルキルフェノール(a2)との合計の含有量は、フェノール成分(a)に対して、好ましくは50質量%以上、より好ましくは75質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、最も好ましくは100質量%である。フェノール成分(a)中において、クレゾール(a1)とトリアルキルフェノール(a2)との合計の含有量が少な過ぎると、得られるフォトレジストの耐熱性が劣る。
フェノール成分(a)におけるクレゾール(a1)とトリアルキルフェノール(a2)とのモル比(a1/a2)は、限定するものではないが、好ましくは90/10〜40/60、より好ましくは90/10〜50/50、更に好ましくは90/10〜60/40である。
また、フェノール成分(a)は、m−クレゾール及びp−クレゾールの両方を含有することが好ましい。m−クレゾールとp−クレゾールとの割合を調整することで、感度を調整することができる。m−クレゾール及びp−クレゾールの両方を含有する場合のモル比(m−クレゾ−ル/p−クレゾール)は、好ましくは20/80〜90/10、より好ましくは40/60〜80/20である。m−クレゾールの割合が少なすぎると感度が高くなりすぎる場合がある。
<アルデヒド成分(b)>
本発明におけるアルデヒド成分(b)は、芳香族アルデヒド(b1)とホルムアルデヒド(b2)とを必須成分として含有する。アルデヒド成分(b)における、芳香族アルデヒド(b1)とホルムアルデヒド(b2)とのモル比(b1/b2)は、30/70〜95/5であり、好ましくは30/70〜80/20、より好ましくは30/70〜60/40である。このモル比が、30/70を下回ると、それを用いたフォトレジスト組成物からなるフォトレジストが、より高いレベルで高耐熱性、高感度、高残膜率及び高解像度をバランスよく有することができなくなるので好ましくない。また、95/5を超えると溶剤に対する溶解性が著しく低下するなどの不具合が生じるので好ましくない。
アルデヒド成分(b)は、ノボラック型フェノール樹脂を構成するフェノール成分を縮合反応させる作用を有する(二つのフェノール成分を架橋する)架橋基を構成する成分であり、芳香族アルデヒド(b1)及びホルムアルデヒド(b2)の他に、このような作用を有する周知のアルデヒド及び/又はケトンを含有することができる。
アルデヒド成分(b)中の芳香族アルデヒド(b1)とホルムアルデヒド(b2)との合計量は、アルデヒド成分(b)に対して、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上であり、最も好ましくは100質量%である。
なお、アルデヒド成分(b)は、水溶液として反応系中に添加することもできる。
本発明におけるアルデヒド成分(b)は、芳香族アルデヒド(b1)とホルムアルデヒド(b2)とを必須成分として含有する。アルデヒド成分(b)における、芳香族アルデヒド(b1)とホルムアルデヒド(b2)とのモル比(b1/b2)は、30/70〜95/5であり、好ましくは30/70〜80/20、より好ましくは30/70〜60/40である。このモル比が、30/70を下回ると、それを用いたフォトレジスト組成物からなるフォトレジストが、より高いレベルで高耐熱性、高感度、高残膜率及び高解像度をバランスよく有することができなくなるので好ましくない。また、95/5を超えると溶剤に対する溶解性が著しく低下するなどの不具合が生じるので好ましくない。
アルデヒド成分(b)は、ノボラック型フェノール樹脂を構成するフェノール成分を縮合反応させる作用を有する(二つのフェノール成分を架橋する)架橋基を構成する成分であり、芳香族アルデヒド(b1)及びホルムアルデヒド(b2)の他に、このような作用を有する周知のアルデヒド及び/又はケトンを含有することができる。
アルデヒド成分(b)中の芳香族アルデヒド(b1)とホルムアルデヒド(b2)との合計量は、アルデヒド成分(b)に対して、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上であり、最も好ましくは100質量%である。
なお、アルデヒド成分(b)は、水溶液として反応系中に添加することもできる。
本発明で使用される芳香族アルデヒド類としては、サリチルアルデヒド(o−ヒドロキシベンズアルデヒド)、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、ベンズアルデヒド、バニリン、チモール、アネトール、オイゲノール、サフロール、ナフトアルデヒドなどがあげられるが、これらに限定されるわけではなく芳香族アルデヒドであれば使用可能である。これらの芳香族アルデヒドは、単独または2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、モノマーとしての反応性、解像度向上、耐熱性の観点から、芳香族アルデヒドはサリチルアルデヒドが最も好ましいが、特に限定されるわけではない。
本発明で使用されるホルムアルデヒド(b2)は、使用する形態(状態)としては特に制限はないが、ホルムアルデヒド水溶液、及びパラホルムアルデヒド、トリオキサンなど酸存在下で分解してホルムアルデヒドとなる重合物も好適に用いることができる。
好ましくは、取り扱いの容易なホルムアルデヒド水溶液であり、市販品の42%ホルムアルデヒド水溶液をそのまま使用することもできる。
好ましくは、取り扱いの容易なホルムアルデヒド水溶液であり、市販品の42%ホルムアルデヒド水溶液をそのまま使用することもできる。
本発明において、フェノール成分(a)とアルデヒド成分(b)を反応する際には、フェノール成分(a)1モルに対して、芳香族アルデヒド(b1)とホルムアルデヒド(b2)との合計量を、限定するものではないが、好ましくは0.1〜1.0モル、より好ましくは0.7〜0.9モルとする。
<ノボラック型フェノール樹脂>
本発明のノボラック型フェノール樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、フォトレジスト組成物の性能や製造上のハンドリング性から、4000〜50000が好ましく、5000〜30000がより好ましく、7000〜20000が更に好ましい。重量平均分子量が5000より小さい場合は、感度が高過ぎたり或いは耐熱性に劣ることがあり、50000より大きい場合は感度が低いことがある。
本発明のノボラック型フェノール樹脂の軟化点は、フォトレジスト用として用いる場合の耐熱性の観点から、好ましくは140℃以上、より好ましくは150℃以上、更に好ましくは160℃以上である。軟化点が140℃より低いと、フォトレジスト用として使用する場合に、耐熱性に劣り好ましくない。
本発明のノボラック型フェノール樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、フォトレジスト組成物の性能や製造上のハンドリング性から、4000〜50000が好ましく、5000〜30000がより好ましく、7000〜20000が更に好ましい。重量平均分子量が5000より小さい場合は、感度が高過ぎたり或いは耐熱性に劣ることがあり、50000より大きい場合は感度が低いことがある。
本発明のノボラック型フェノール樹脂の軟化点は、フォトレジスト用として用いる場合の耐熱性の観点から、好ましくは140℃以上、より好ましくは150℃以上、更に好ましくは160℃以上である。軟化点が140℃より低いと、フォトレジスト用として使用する場合に、耐熱性に劣り好ましくない。
<ノボラック型フェノール樹脂の製造方法>
本発明のノボラック型フェノール樹脂の製造方法は、m−クレゾ−ル及びp−クレゾールのうち、少なくとも一種のクレゾール(a1)とトリアルキルフェノール(a2)とを含有するフェノール成分(a)と、芳香族アルデヒド(b1)とホルムアルデヒド(b2)とを含有するアルデヒド成分(b)とを、助触媒としてメルカプト基含有化合物の存在下に縮重合反応させる工程を含んでなることを特徴とする。
本発明のノボラック型フェノール樹脂の製造方法は、m−クレゾ−ル及びp−クレゾールのうち、少なくとも一種のクレゾール(a1)とトリアルキルフェノール(a2)とを含有するフェノール成分(a)と、芳香族アルデヒド(b1)とホルムアルデヒド(b2)とを含有するアルデヒド成分(b)とを、助触媒としてメルカプト基含有化合物の存在下に縮重合反応させる工程を含んでなることを特徴とする。
本発明のノボラック型フェノール樹脂の製造方法においては、通常のノボラック型フェノール樹脂を製造する際に使用される酸触媒を好適に使用することができる。
酸触媒としては、フェノ−ル成分とアルデヒド又はケトンとを反応させる能力のあるものであれば、特に限定されることなく使用可能であり、例えば、シュウ酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸などの有機スルホン酸、塩酸、硫酸などの無機酸などを使用できる。触媒の使用量は、フェノ−ル成分(a)に対して、0.01質量%〜5質量%であるが、フォトレジスト用組成物の特性の向上のためには、極力少ない方が好ましい。樹脂中に酸触媒が残存するとフォトレジストの特性に弊害を及ぼすため、反応終了後、アミン類または無機アルカリを使用して反応混合液中の酸触媒を中和することが好ましい。
酸触媒の使用量は、その種類によっても異なるが、フェノール成分(a)に対して、シュウ酸の場合は0.3〜1.0質量%程度、硫酸の場合は0.05〜0.1質量%程度、またパラトルエンスルホン酸の場合は0.1〜0.5質量%程度使用するのがよい。特に、硫酸又はパラトルエンスルホン酸を使用することが好ましい。
酸触媒としては、フェノ−ル成分とアルデヒド又はケトンとを反応させる能力のあるものであれば、特に限定されることなく使用可能であり、例えば、シュウ酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸などの有機スルホン酸、塩酸、硫酸などの無機酸などを使用できる。触媒の使用量は、フェノ−ル成分(a)に対して、0.01質量%〜5質量%であるが、フォトレジスト用組成物の特性の向上のためには、極力少ない方が好ましい。樹脂中に酸触媒が残存するとフォトレジストの特性に弊害を及ぼすため、反応終了後、アミン類または無機アルカリを使用して反応混合液中の酸触媒を中和することが好ましい。
酸触媒の使用量は、その種類によっても異なるが、フェノール成分(a)に対して、シュウ酸の場合は0.3〜1.0質量%程度、硫酸の場合は0.05〜0.1質量%程度、またパラトルエンスルホン酸の場合は0.1〜0.5質量%程度使用するのがよい。特に、硫酸又はパラトルエンスルホン酸を使用することが好ましい。
本発明のノボラック型フェノール樹脂の製造方法の特徴の一つは、縮重合反応を、助触媒としてメルカプト基含有化合物の存在下に行うことにある。
助触媒としては、メルカプト基含有化合物であれば特に限定されないが、例えばエタンチオール、ブタンチオール、ドデカンチオール、ベンゼンチオール、トルエンチオール、α−トルエンチオール、フェネチルメルカプタン、メルカプトエタノール、3−メルカプトプロパノール、チオグリセリン、チオグリコール酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、α−メルカプトイソ酪酸、メルカプトプロピオン酸メチル、メルカプトプロピオン酸エチル、チオ酢酸、チオリンゴ酸、チオサリチル酸等が挙げられる。これらの助触媒は、単独または2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、これらのうち、反応性や入手の容易さの観点から、3−メルカプトプロピオン酸が好ましい。
助触媒の使用量は、その種類によっても異なるが、フェノ−ル成分(a)に対して、0.01質量%〜5質量%、好ましくは0.1〜1.0質量%程度である。
助触媒としては、メルカプト基含有化合物であれば特に限定されないが、例えばエタンチオール、ブタンチオール、ドデカンチオール、ベンゼンチオール、トルエンチオール、α−トルエンチオール、フェネチルメルカプタン、メルカプトエタノール、3−メルカプトプロパノール、チオグリセリン、チオグリコール酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、α−メルカプトイソ酪酸、メルカプトプロピオン酸メチル、メルカプトプロピオン酸エチル、チオ酢酸、チオリンゴ酸、チオサリチル酸等が挙げられる。これらの助触媒は、単独または2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、これらのうち、反応性や入手の容易さの観点から、3−メルカプトプロピオン酸が好ましい。
助触媒の使用量は、その種類によっても異なるが、フェノ−ル成分(a)に対して、0.01質量%〜5質量%、好ましくは0.1〜1.0質量%程度である。
縮重合反応を、助触媒としてメルカプト基含有化合物の存在下に行うことによって、本発明のノボラック型フェノール樹脂を得ることができる。助触媒としてメルカプト基含有化合物を用いない場合には、ノボラック型フェノール樹脂に芳香族アルデヒド(b1)を導入する割合には限界があり、アルデヒド成分(b)における芳香族アルデヒド(b1)とホルムアルデヒド(b2)とのモル比(b1/b2)を30/70以上にした本発明のノボラック型フェノール樹脂を得ることは難しい。
これは、フェノール成分(a)にm−クレゾ−ル及びp−クレゾールのうち、少なくとも一種のクレゾール(a1)とトリアルキルフェノール(a2)とを用いたことによって、それらの立体障害によって芳香族アルデヒド(b1)の縮重合反応が阻害されるためと推定される。
これは、フェノール成分(a)にm−クレゾ−ル及びp−クレゾールのうち、少なくとも一種のクレゾール(a1)とトリアルキルフェノール(a2)とを用いたことによって、それらの立体障害によって芳香族アルデヒド(b1)の縮重合反応が阻害されるためと推定される。
本発明のノボラック型フェノール樹脂の製造方法においては、例えば、酸触媒及び助触媒存在下、フェノール成分(a)に対して、所定量の芳香族アルデヒド(b1)とホルムアルデヒド(b2)とを含有するアルデヒド成分(b)を添加して、縮重合反応を行なう1段反応でもよい。1段反応の場合、フェノール成分(a)1モルに対して、芳香族アルデヒド(b1)とホルムアルデヒド(b2)との合計量を0.1〜1.0モル、好ましくは0.7〜0.9モルの範囲で使用するのが好ましい。
さらに、本発明のノボラック型フェノール樹脂の製造方法においては、例えば、酸触媒及び助触媒存在下、主に芳香族アルデヒド(b1)が縮重合反応する工程と、主にホルムアルデヒド(b2)が縮重合反応する工程をずらす2段法による方法が好ましい。すなわち、縮重合反応させる工程が、フェノール成分(a)と、芳香族ジアルデヒド(b1)又はホルムアルデヒド(b2)のいずれか一方のアルデヒド成分(b)とを縮重合させて比較的低分子量の縮重合物からなるノボラック型フェノール樹脂を生成する第1工程と、次いで、第1工程で得られた(比較的低分子量の縮重合物からなるノボラック型フェノール樹脂を含む)反応混合物に、芳香族ジアルデヒド(b1)又はホルムアルデヒド(b2)のいずれか他方のアルデヒド成分(b)を添加して、前記反応混合物と、芳香族ジアルデヒド(b1)又はホルムアルデヒド(b2)のいずれか他方のアルデヒド成分(b)とを更に縮重合させる第2工程とを含む製造方法が好ましい。なお、本発明においては、2段法は、反応初期から芳香族ジアルデヒド(b1)及びホルムアルデヒド(b2)の両方を反応混合液に加えても、両者のフェノール成分(a)との反応性の違いを利用して、例えば100℃程度の低い反応温度で、まずフェノール成分(a)とホルムアルデヒド(b2)との縮重合反応を優先的に行なって、主として低分子量の重縮合物のフェノール樹脂を形成させ、次いで100℃程度以上まで昇温及び/又は触媒を増量して低分子量の重縮合物のフェノール樹脂、芳香族アルデヒド(b1)及びフェノール成分(a)を主として縮重合反応させる実質的な2段法であっても構わない。
また、2段法では、ホルムアルデヒド(b2)を含むアルデヒド成分(b)の一部を最初に加えてフェノール成分(a)と反応させ、次いで、芳香族アルデヒド(b1)を含むアルデヒド成分(b)の残部を加えて更に反応させる方式と、芳香族アルデヒド(b1)を含むアルデヒド成分(b)の一部を最初に加えてフェノール成分(a)と反応させ、次いで、ホルムアルデヒド(b2)を含むアルデヒド成分(b)の残部を添加して更に反応させる方式が好ましいが、これらの何れの方式も採用できる。
2段法においては、フェノール成分(a)1モルに対して、芳香族アルデヒド(b1)とホルムアルデヒド(b2)との合計量を0.1〜1.0モル、好ましくは0.7〜0.9モルの範囲で使用することが好ましい。
2段法においては、フェノール成分(a)1モルに対して、芳香族アルデヒド(b1)とホルムアルデヒド(b2)との合計量を0.1〜1.0モル、好ましくは0.7〜0.9モルの範囲で使用することが好ましい。
本発明においては、ノボラック型フェノール樹脂は、2段法で製造するのがより好ましい。その理由は、2段法によれば、芳香族ジアルデヒドで縮重合されたフェノール樹脂の重合単位及びホルムアルデヒドで縮重合されたフェノール樹脂の重合単位の重合度の分布が狭くなり、分子量のコントロールが容易となり、所望の重合体が得やすいからである。なお、2段法の縮重合反応は、1段法の縮重合反応条件に準じて実施することができる。
本発明の製造方法における縮重合反応の反応温度は、とくに限定されないが、好ましくは60〜160℃、より好ましくは80〜140℃である。50℃より低いと重合が進まず、200℃より高いと反応の制御が難しくなる場合があり、目的のノボラック型フェノール樹脂を安定的に得ることが困難となる場合があるので好ましくない。
本発明の製造方法では、無溶媒で反応を行ってもよいが、必要によって反応溶媒を使用することができる。
反応溶媒としては、フェノール成分(a)、芳香族ジアルデヒド(b1)及びホルムアルデヒド(b2)を好適に溶解することができる水が好適であるが、場合によっては反応に影響を及ぼさない有機溶媒を使用することもできる。
このような有機溶媒としては、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等のエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類等が挙げられる。
反応溶媒を使用する場合の使用量は、通常、反応原料100質量部当り、20〜1000質量部である。
反応溶媒としては、フェノール成分(a)、芳香族ジアルデヒド(b1)及びホルムアルデヒド(b2)を好適に溶解することができる水が好適であるが、場合によっては反応に影響を及ぼさない有機溶媒を使用することもできる。
このような有機溶媒としては、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等のエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類等が挙げられる。
反応溶媒を使用する場合の使用量は、通常、反応原料100質量部当り、20〜1000質量部である。
本発明の製造方法における反応時間は、反応温度にもよるが、通常は0.5時間以上であって20時間以内である。
本発明の製造方法における反応圧力は、通常は常圧下で行われるが、若干の加圧ないし減圧下でも行うことができる。
本発明の製造方法における反応圧力は、通常は常圧下で行われるが、若干の加圧ないし減圧下でも行うことができる。
本発明のノボラック型フェノール樹脂の製造方法において、縮重合反応終了後、後処理として、塩基を添加して酸触媒を中和し、続いて酸触媒を除去するために水を加えて水洗を実施することが好ましい。
酸触媒の中和のための塩基としては、特に限定されることはなく、酸触媒を中和し、水に可溶となる塩を形成するものであれば使用可能である。塩基としては、例えば、金属水酸化物や金属炭酸塩などの無機塩基ならびにアミンや有機アミンなどの有機塩基が挙げられる。無機塩基としては、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムや炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウムが挙げられる。有機塩基のアミンあるいは有機アミンの具体例としては、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、トリブチルアミンなどが挙げられる。好ましくは有機アミンが使用される。塩基の使用量は、酸触媒を中和し、反応系内のpHを4〜8の範囲にする量で使用することが好ましい。
水洗における水洗水の量と水洗の回数は、特に限定されない。酸触媒をレジスト用組成物としての実使用に影響ない程度の量まで除去するには、水洗回数としては1〜5回程度である。
水洗温度も特に限定されないが、触媒除去の効率と作業性の観点から40〜95℃で行うのが好ましい。水洗中、樹脂と水洗水の分離が悪い場合は、樹脂の粘度を低下させる溶媒の添加や水洗温度を上昇させることが効果的である。このような溶媒は、フェノ−ル樹脂を溶解し、粘度を低下させるものであれば特に限定されることなく使用することができる。
酸性触媒を中和及び水洗により除去した後、例えば、反応系の温度を130℃〜230℃に上げて、20〜50torrの減圧下で、反応系内に存在する未反応原料、有機溶媒等の揮発分を留去することによって、本発明のノボラック型フェノール樹脂を好適に得ることができる。
酸触媒の中和のための塩基としては、特に限定されることはなく、酸触媒を中和し、水に可溶となる塩を形成するものであれば使用可能である。塩基としては、例えば、金属水酸化物や金属炭酸塩などの無機塩基ならびにアミンや有機アミンなどの有機塩基が挙げられる。無機塩基としては、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムや炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウムが挙げられる。有機塩基のアミンあるいは有機アミンの具体例としては、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、トリブチルアミンなどが挙げられる。好ましくは有機アミンが使用される。塩基の使用量は、酸触媒を中和し、反応系内のpHを4〜8の範囲にする量で使用することが好ましい。
水洗における水洗水の量と水洗の回数は、特に限定されない。酸触媒をレジスト用組成物としての実使用に影響ない程度の量まで除去するには、水洗回数としては1〜5回程度である。
水洗温度も特に限定されないが、触媒除去の効率と作業性の観点から40〜95℃で行うのが好ましい。水洗中、樹脂と水洗水の分離が悪い場合は、樹脂の粘度を低下させる溶媒の添加や水洗温度を上昇させることが効果的である。このような溶媒は、フェノ−ル樹脂を溶解し、粘度を低下させるものであれば特に限定されることなく使用することができる。
酸性触媒を中和及び水洗により除去した後、例えば、反応系の温度を130℃〜230℃に上げて、20〜50torrの減圧下で、反応系内に存在する未反応原料、有機溶媒等の揮発分を留去することによって、本発明のノボラック型フェノール樹脂を好適に得ることができる。
本発明のノボラック型フェノール樹脂は、通常のノボラック型フェノール樹脂が用いられる用途に好適に用いることができるが、特にそれを用いたフォトレジスト組成物からなるフォトレジストが、より高いレベルで高耐熱性、高感度、高残膜率及び高解像度をバランスよく有するので、高集積半導体や高精細の液晶用の薄膜フィルムトランジスター(TFT)の製造する際のフォトレジスト組成物として好適に使用できる。
本発明のフォトレジスト組成物は、本発明のノボラック型フェノール樹脂(A)を好ましくは5〜40質量%、より好ましくは10〜25質量%含有する。
本発明のフォトレジスト用組成物は、さらに感光剤(B)を含有することが好ましい。感光剤(B)としては、ノボラック型フェノール樹脂を含むフォトレジストの感光剤として従来公知のものを好適に使用できる。感光剤(B)としては、例えばキノンジアジド基を有するキノンジアジド化合物が好ましく、特に1,2−キノンジアジド化合物又はその誘導体が好ましい。
本発明のフォトレジスト用組成物は、さらに感光剤(B)を含有することが好ましい。感光剤(B)としては、ノボラック型フェノール樹脂を含むフォトレジストの感光剤として従来公知のものを好適に使用できる。感光剤(B)としては、例えばキノンジアジド基を有するキノンジアジド化合物が好ましく、特に1,2−キノンジアジド化合物又はその誘導体が好ましい。
キノンジアジド化合物を用いることで、露光した部分は溶解促進効果によりアルカリ溶解速度が大きくなり、逆に露光しない部分は溶解抑制効果によりアルカリ溶解速度が小さくなり、この露光部と未露光部の溶解速度の差によって、コントラストの高い、シャープなレジストパターンを得ることができる。
キノンジアジド化合物としては、キノンジアジド−ノボラック系レジストで用いられている従来公知のキノンジアジド化合物を好適に用いることができる。このようなキノンジアジド基を含む化合物としては、ナフトキノンジアジドスルホン酸クロライドやベンゾキノンジアジドスルホン酸クロライド等と、これらの酸クロライドと縮合反応可能な官能基を有する化合物とを反応させることによって得られた化合物が好ましい。ここで酸クロライドと縮合可能な官能基としては水酸基、アミノ基等があげられるが、特に水酸基が好適である。酸クロライドと縮合可能な水酸基を有する化合物としては、例えばハイドロキノン、レゾルシン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,6−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,3,4,6’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン等のヒドロキシベンゾフェノン類、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン等のヒドロキシフェニルアルカン類、4,4’,3”,4”−テトラヒドロキシ−3,5,3’,5’−テトラメチルトリフェニルメタン、4,4’,2”,3”,4”−ペンタヒドロキシ−3,5,3’,5’−テトラメチルトリフェニルメタン等のヒドロキシトリフェニルメタン類などを挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、また2種以上を組合せて用いてもよい。
酸クロライドであるナフトキノンジアジドスルホン酸クロライドやベンゾキノンジアジドスルホン酸クロライドの具体例としては、例えば、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルフォニルクロライド、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルフォニルクロライドなどが好ましいものとして挙げられる。
キノンジアジド化合物としては、キノンジアジド−ノボラック系レジストで用いられている従来公知のキノンジアジド化合物を好適に用いることができる。このようなキノンジアジド基を含む化合物としては、ナフトキノンジアジドスルホン酸クロライドやベンゾキノンジアジドスルホン酸クロライド等と、これらの酸クロライドと縮合反応可能な官能基を有する化合物とを反応させることによって得られた化合物が好ましい。ここで酸クロライドと縮合可能な官能基としては水酸基、アミノ基等があげられるが、特に水酸基が好適である。酸クロライドと縮合可能な水酸基を有する化合物としては、例えばハイドロキノン、レゾルシン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,6−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,3,4,6’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン等のヒドロキシベンゾフェノン類、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン等のヒドロキシフェニルアルカン類、4,4’,3”,4”−テトラヒドロキシ−3,5,3’,5’−テトラメチルトリフェニルメタン、4,4’,2”,3”,4”−ペンタヒドロキシ−3,5,3’,5’−テトラメチルトリフェニルメタン等のヒドロキシトリフェニルメタン類などを挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、また2種以上を組合せて用いてもよい。
酸クロライドであるナフトキノンジアジドスルホン酸クロライドやベンゾキノンジアジドスルホン酸クロライドの具体例としては、例えば、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルフォニルクロライド、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルフォニルクロライドなどが好ましいものとして挙げられる。
感光剤(B)の配合量は、ノボラック型フェノール樹脂(A)100質量部に対して、5〜50質量部が好ましく、より好ましくは10〜40質量部である。感光剤(B)の配合量が5質量部よりも少なくと、感光性樹組成物として十分な感度が得られないことがあり、また、50質量部よりも多いと成分の析出の問題が起こることがあるので好ましくない。
本発明のフォトレジスト組成物は、ノボラック型フェノール樹脂(A)及び感光剤(B)の他に、レジスト組成物の慣用成分である、酸化防止剤等の安定剤、可塑剤、界面活性剤、密着性向上剤、溶解促進剤、溶解阻害剤などを添加することができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
[1]ノボラック型フェノール樹脂
まず、ノボラック型フェノール樹脂の実施例を示す。なお、樹脂の分析方法や評価方法は次の通りである。
(1)重量平均分子量
以下の条件でGPC測定を行い、ポリスチレン換算による重量平均分子量を求めた。
型式:HLC−8220 東ソー(株)製
カラム:TSK−GEL Hタイプ G2000H×L 4本
G3000H×L 1本
G4000H×L 1本
測定条件:カラム圧力 13.5MPa
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
フローレート:1mL/min
温度:40℃
検出器:スペクトロフォトメーター(UV−8020)RANGE 2.56
WAVE LENGTH:254nm
インジェクション量:100μmL
試料濃度:5mg/mL
まず、ノボラック型フェノール樹脂の実施例を示す。なお、樹脂の分析方法や評価方法は次の通りである。
(1)重量平均分子量
以下の条件でGPC測定を行い、ポリスチレン換算による重量平均分子量を求めた。
型式:HLC−8220 東ソー(株)製
カラム:TSK−GEL Hタイプ G2000H×L 4本
G3000H×L 1本
G4000H×L 1本
測定条件:カラム圧力 13.5MPa
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
フローレート:1mL/min
温度:40℃
検出器:スペクトロフォトメーター(UV−8020)RANGE 2.56
WAVE LENGTH:254nm
インジェクション量:100μmL
試料濃度:5mg/mL
(2)アルカリ溶解速度
ノボラック型フェノ−ル樹脂3gをPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)9gに溶解し、樹脂溶液を調合した。これらを0.2ミクロンメンブレンフィルタ−で濾過した。これを4インチシリコンウェハー上に約1.5μmの厚みになるようにスピンコーターで塗布し、110℃で60秒間ホットプレ−ト上で乾燥させた。次いで現像液(1.60%テトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド水溶液)を用い、完全に膜が消失するまでの時間を計測した。初期膜厚を溶解するまでの時間で割った値を溶解速度とした。
ノボラック型フェノ−ル樹脂3gをPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)9gに溶解し、樹脂溶液を調合した。これらを0.2ミクロンメンブレンフィルタ−で濾過した。これを4インチシリコンウェハー上に約1.5μmの厚みになるようにスピンコーターで塗布し、110℃で60秒間ホットプレ−ト上で乾燥させた。次いで現像液(1.60%テトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド水溶液)を用い、完全に膜が消失するまでの時間を計測した。初期膜厚を溶解するまでの時間で割った値を溶解速度とした。
〔実施例1〕
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール126g(1.17モル)、p−クレゾール126g(1.17モル)、2,3,5−トリメチルフェノール80g(0.58モル)、サリチルアルデヒド107g(0.88モル)、3−メルカプトプロピオン酸1.17g及びp−トルエンスルホン酸1.17gを入れ、120℃で4時間反応させ、GPC測定により仕込みのサリチルアルデヒドが完全に消費したことを確認した。その後、85℃まで冷却し、42%ホルムアルデヒド水溶液103g(1.46モル)を滴下し、その後96℃まで昇温し、4時間反応させた。反応終了後、90℃まで冷却してトリエチルアミン1.17gを添加した。次いでイオン交換水367gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した水層のpHを5.5〜7.0となるように調整し、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料などを除去し、ノボラック型フェノール樹脂300gを得た。
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール126g(1.17モル)、p−クレゾール126g(1.17モル)、2,3,5−トリメチルフェノール80g(0.58モル)、サリチルアルデヒド107g(0.88モル)、3−メルカプトプロピオン酸1.17g及びp−トルエンスルホン酸1.17gを入れ、120℃で4時間反応させ、GPC測定により仕込みのサリチルアルデヒドが完全に消費したことを確認した。その後、85℃まで冷却し、42%ホルムアルデヒド水溶液103g(1.46モル)を滴下し、その後96℃まで昇温し、4時間反応させた。反応終了後、90℃まで冷却してトリエチルアミン1.17gを添加した。次いでイオン交換水367gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した水層のpHを5.5〜7.0となるように調整し、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料などを除去し、ノボラック型フェノール樹脂300gを得た。
〔実施例2〕
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール126g(1.17モル)、p−クレゾール126g(1.17モル)、2,3,5−トリメチルフェノール80g(0.58モル)、サリチルアルデヒド107g(0.88モル)、3−メルカプトプロピオン酸1.17g及びp−トルエンスルホン酸1.17gを入れ、120℃で4時間反応させ、GPC測定により仕込みのサリチルアルデヒドが完全に消費したことを確認した。その後、85℃まで冷却し、42%ホルムアルデヒド水溶液107g(1.52モル)を滴下し、その後96℃まで昇温し、更に4時間反応させた。反応終了後、90℃まで冷却してトリエチルアミン1.17gを添加し、イオン交換水367gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した水層のpHを5.5〜7.0となるように調整し、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料などを除去し、ノボラック型フェノール樹脂310gを得た。
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール126g(1.17モル)、p−クレゾール126g(1.17モル)、2,3,5−トリメチルフェノール80g(0.58モル)、サリチルアルデヒド107g(0.88モル)、3−メルカプトプロピオン酸1.17g及びp−トルエンスルホン酸1.17gを入れ、120℃で4時間反応させ、GPC測定により仕込みのサリチルアルデヒドが完全に消費したことを確認した。その後、85℃まで冷却し、42%ホルムアルデヒド水溶液107g(1.52モル)を滴下し、その後96℃まで昇温し、更に4時間反応させた。反応終了後、90℃まで冷却してトリエチルアミン1.17gを添加し、イオン交換水367gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した水層のpHを5.5〜7.0となるように調整し、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料などを除去し、ノボラック型フェノール樹脂310gを得た。
〔実施例3〕
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール63g(0.58モル)、p−クレゾール63g(0.58モル)、2,3,5−トリメチルフェノール40g(0.29モル)、サリチルアルデヒド62g(0.51モル)、3−メルカプトプロピオン酸1.3g及びp−トルエンスルホン酸1.3gを入れ、120℃で4時間反応させ、GPC測定により仕込みのサリチルアルデヒドが完全に消費したことを確認した。その後、85℃まで冷却し、42%ホルムアルデヒド水溶液41g(0.58モル)を滴下し、その後96℃まで昇温氏、更に4時間反応させた。反応終了後、90℃まで冷却してトリエチルアミン1.36gを添加し、イオン交換水183gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した水層のpHを5.5〜7.0となるように調整し、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料などを除去し、ノボラック型フェノール樹脂150gを得た。
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール63g(0.58モル)、p−クレゾール63g(0.58モル)、2,3,5−トリメチルフェノール40g(0.29モル)、サリチルアルデヒド62g(0.51モル)、3−メルカプトプロピオン酸1.3g及びp−トルエンスルホン酸1.3gを入れ、120℃で4時間反応させ、GPC測定により仕込みのサリチルアルデヒドが完全に消費したことを確認した。その後、85℃まで冷却し、42%ホルムアルデヒド水溶液41g(0.58モル)を滴下し、その後96℃まで昇温氏、更に4時間反応させた。反応終了後、90℃まで冷却してトリエチルアミン1.36gを添加し、イオン交換水183gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した水層のpHを5.5〜7.0となるように調整し、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料などを除去し、ノボラック型フェノール樹脂150gを得た。
〔実施例4〕
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール63g(0.58モル)、p−クレゾール63g(0.58モル)、2,3,5−トリメチルフェノール40g(0.29モル)、サリチルアルデヒド71g(0.58モル)、3−メルカプトプロピオン酸1.3g及びp−トルエンスルホン酸1.3gを入れ、120℃で4時間反応させ、GPC測定により仕込みのサリチルアルデヒドが完全に消費したことを確認した。その後、85℃まで冷却し、42%ホルムアルデヒド水溶液41g(0.58モル)を滴下し、その後96℃まで昇温し、4時間更に反応させた。反応終了後、90℃まで冷却してトリエチルアミン1.36gを添加し、イオン交換水183gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した水層のpHを5.5〜7.0となるように調整し、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料などを除去し、ノボラック型フェノール樹脂155gを得た。
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール63g(0.58モル)、p−クレゾール63g(0.58モル)、2,3,5−トリメチルフェノール40g(0.29モル)、サリチルアルデヒド71g(0.58モル)、3−メルカプトプロピオン酸1.3g及びp−トルエンスルホン酸1.3gを入れ、120℃で4時間反応させ、GPC測定により仕込みのサリチルアルデヒドが完全に消費したことを確認した。その後、85℃まで冷却し、42%ホルムアルデヒド水溶液41g(0.58モル)を滴下し、その後96℃まで昇温し、4時間更に反応させた。反応終了後、90℃まで冷却してトリエチルアミン1.36gを添加し、イオン交換水183gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した水層のpHを5.5〜7.0となるように調整し、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料などを除去し、ノボラック型フェノール樹脂155gを得た。
〔比較例1〕
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール126g(1.17モル)、p−クレゾール126g(1.17モル)、2,3,5−トリメチルフェノール80g(0.58モル)、サリチルアルデヒド107g(0.88モル)及びp−トルエンスルホン酸1.17gを入れ、120℃で4時間反応させた。しかし、反応終了後、反応混合物のGPC測定により確認を行なったところ、仕込みのサリチルアルデヒドは完全に消費されることなく、未反応原料として残っており、目的の樹脂を得ることはできなかった。
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール126g(1.17モル)、p−クレゾール126g(1.17モル)、2,3,5−トリメチルフェノール80g(0.58モル)、サリチルアルデヒド107g(0.88モル)及びp−トルエンスルホン酸1.17gを入れ、120℃で4時間反応させた。しかし、反応終了後、反応混合物のGPC測定により確認を行なったところ、仕込みのサリチルアルデヒドは完全に消費されることなく、未反応原料として残っており、目的の樹脂を得ることはできなかった。
〔比較例2〕
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール126g(1.17モル)、p−クレゾール126g(1.17モル)、2,3,5−トリメチルフェノール80g(0.58モル)、サリチルアルデヒド107g(0.88モル)及びp−トルエンスルホン酸2.34gを入れ、120℃で4時間反応させた。しかし、反応終了後、反応混合物のGPC測定により確認を行なったところ、仕込みのサリチルアルデヒドは完全に消費されることなく、未反応原料として残っており、目的の樹脂を得ることはできなかった。
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール126g(1.17モル)、p−クレゾール126g(1.17モル)、2,3,5−トリメチルフェノール80g(0.58モル)、サリチルアルデヒド107g(0.88モル)及びp−トルエンスルホン酸2.34gを入れ、120℃で4時間反応させた。しかし、反応終了後、反応混合物のGPC測定により確認を行なったところ、仕込みのサリチルアルデヒドは完全に消費されることなく、未反応原料として残っており、目的の樹脂を得ることはできなかった。
〔比較例3〕
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール145g(1.34モル)、p−クレゾール97g(0.9モル)、2,3,5−トリメチルフェノール76g(0.56モル)、サリチルアルデヒド68g(0.56モル)及びp−トルエンスルホン酸1.12gを入れ、120℃で4時間反応させ、GPC測定により仕込みのサリチルアルデヒドが完全に消費したことを確認した。その後、85℃まで冷却し、42%ホルムアルデヒド水溶液121g(1.71モル)を滴下し、その後96℃まで昇温し、4時間更に反応させた。反応終了後、90℃まで冷却してトリエチルアミン1.18gを添加し、イオン交換水352gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した水層のpHを5.5〜7.0となるように調整し、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料などを除去し、ノボラック型フェノール樹脂285gを得た。
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール145g(1.34モル)、p−クレゾール97g(0.9モル)、2,3,5−トリメチルフェノール76g(0.56モル)、サリチルアルデヒド68g(0.56モル)及びp−トルエンスルホン酸1.12gを入れ、120℃で4時間反応させ、GPC測定により仕込みのサリチルアルデヒドが完全に消費したことを確認した。その後、85℃まで冷却し、42%ホルムアルデヒド水溶液121g(1.71モル)を滴下し、その後96℃まで昇温し、4時間更に反応させた。反応終了後、90℃まで冷却してトリエチルアミン1.18gを添加し、イオン交換水352gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した水層のpHを5.5〜7.0となるように調整し、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料などを除去し、ノボラック型フェノール樹脂285gを得た。
〔比較例4〕
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール98g(0.91モル)、p−クレゾール147g(1.36モル)、2,3,5−トリメチルフェノール76g(0.57モル)、サリチルアルデヒド69g(0.57モル)及びp−トルエンスルホン酸1.13gを入れ、120℃で4時間反応させ、GPC測定により仕込みのサリチルアルデヒドが完全に消費したことを確認した。その後、85℃まで冷却し、42%ホルムアルデヒド水溶液114g(1.61モル)を滴下し、その後96℃まで昇温し、4時間更に反応させた。反応終了後、90℃まで冷却してトリエチルアミン1.19gを添加し、イオン交換水355gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した水層のpHを5.5〜7.0となるように調整し、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料などを除去し、ノボラック型フェノール樹脂290gを得た。
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール98g(0.91モル)、p−クレゾール147g(1.36モル)、2,3,5−トリメチルフェノール76g(0.57モル)、サリチルアルデヒド69g(0.57モル)及びp−トルエンスルホン酸1.13gを入れ、120℃で4時間反応させ、GPC測定により仕込みのサリチルアルデヒドが完全に消費したことを確認した。その後、85℃まで冷却し、42%ホルムアルデヒド水溶液114g(1.61モル)を滴下し、その後96℃まで昇温し、4時間更に反応させた。反応終了後、90℃まで冷却してトリエチルアミン1.19gを添加し、イオン交換水355gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した水層のpHを5.5〜7.0となるように調整し、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料などを除去し、ノボラック型フェノール樹脂290gを得た。
[2]フォトレジスト組成物
次に、本発明のノボラック型フェノール樹脂を用いたフォトレジスト組成物の実施例を示す。なお、フォトレジスト組成物の評価方法は次の通りである。
次に、本発明のノボラック型フェノール樹脂を用いたフォトレジスト組成物の実施例を示す。なお、フォトレジスト組成物の評価方法は次の通りである。
(1)感度、残膜率、解像度の評価
フォトレジスト組成物を4インチシリコンウェハー上にスピンコーターで塗布し、110℃、60秒間ホットプレート上で乾燥させて、厚みが1.5μの塗膜を形成した。その後、縮小投影露光装置を用い、露光時間を段階的に変えて最適な露光量を確認したうえで、最適な露光量になるように露光した。次いで現像液(2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド水溶液)を用い、60秒間現像し、リンス、乾燥を行なった。
感度
感度は、走査型電子顕微鏡により、得たれたパターンのパターン形状を観察することにより、以下の基準で評価を行なった。
AA:3mJ/cm2未満で画像が形成できる。
A:5mJ/cm2未満で画像が形成できる。
B:5〜60mJ/cm2で画像が形成できる。
残膜率
未露光部の残膜厚から残膜率を求めた。残膜率とは、現像後の感光性樹脂の膜厚と現像前の感光性樹脂の膜厚の比であり、下記式により表される値である。
残膜率(%)=(現像後の感光性樹脂の膜厚/現像前の感光性樹脂の膜厚)×100
解像度
また、解像度は、テストチャートマスクを用い、下記基準で評価した。
◎:1.5μライン&スペースが解像できる。
○:2.0μライン&スペースが解像できる。
×:2.0μライン&スペースが解像できない。
フォトレジスト組成物を4インチシリコンウェハー上にスピンコーターで塗布し、110℃、60秒間ホットプレート上で乾燥させて、厚みが1.5μの塗膜を形成した。その後、縮小投影露光装置を用い、露光時間を段階的に変えて最適な露光量を確認したうえで、最適な露光量になるように露光した。次いで現像液(2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド水溶液)を用い、60秒間現像し、リンス、乾燥を行なった。
感度
感度は、走査型電子顕微鏡により、得たれたパターンのパターン形状を観察することにより、以下の基準で評価を行なった。
AA:3mJ/cm2未満で画像が形成できる。
A:5mJ/cm2未満で画像が形成できる。
B:5〜60mJ/cm2で画像が形成できる。
残膜率
未露光部の残膜厚から残膜率を求めた。残膜率とは、現像後の感光性樹脂の膜厚と現像前の感光性樹脂の膜厚の比であり、下記式により表される値である。
残膜率(%)=(現像後の感光性樹脂の膜厚/現像前の感光性樹脂の膜厚)×100
解像度
また、解像度は、テストチャートマスクを用い、下記基準で評価した。
◎:1.5μライン&スペースが解像できる。
○:2.0μライン&スペースが解像できる。
×:2.0μライン&スペースが解像できない。
(2)耐熱性の評価
フォトレジスト組成物を4インチシリコンウェハー上にスピンコーターで塗布し、110℃、60秒間ホットプレート上で乾燥させて、厚みが1.5μの塗膜を形成した。その後、縮小投影露光装置を用い、露光時間を段階的に変えて最適な露光量を確認したうえで、最適な露光量になるように露光した。次いで現像液(2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド水溶液)を用い、60秒間現像した。得られたシリコンウエハーを各温度のホットプレート上で2分間放置し、シリコウエハー上のレジストパターンの形状を走査型電子顕微鏡で観察し、耐熱性を下記基準により評価した。
◎:140℃でパターン形状を維持できる。
○:135℃でパターン形状を維持できる。
×:1350℃でパターン形状を維持できない。
フォトレジスト組成物を4インチシリコンウェハー上にスピンコーターで塗布し、110℃、60秒間ホットプレート上で乾燥させて、厚みが1.5μの塗膜を形成した。その後、縮小投影露光装置を用い、露光時間を段階的に変えて最適な露光量を確認したうえで、最適な露光量になるように露光した。次いで現像液(2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド水溶液)を用い、60秒間現像した。得られたシリコンウエハーを各温度のホットプレート上で2分間放置し、シリコウエハー上のレジストパターンの形状を走査型電子顕微鏡で観察し、耐熱性を下記基準により評価した。
◎:140℃でパターン形状を維持できる。
○:135℃でパターン形状を維持できる。
×:1350℃でパターン形状を維持できない。
〔実施例5〕
実施例1で得たノボラック型フェノール樹脂を用い、以下の方法でフォトレジスト組成物を調製した。
すなわち、ノボラック型フェノール樹脂 20gと、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルフォニルクロライド 5gとを、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート) 75gに溶解し、レジスト溶液を調合した。これを0.2ミクロンのメンブレンフィルターで濾過して、フォトレジスト組成物を得た。
実施例1で得たノボラック型フェノール樹脂を用い、以下の方法でフォトレジスト組成物を調製した。
すなわち、ノボラック型フェノール樹脂 20gと、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルフォニルクロライド 5gとを、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート) 75gに溶解し、レジスト溶液を調合した。これを0.2ミクロンのメンブレンフィルターで濾過して、フォトレジスト組成物を得た。
〔実施例6〜8、比較例5〜6〕
実施例5のノボラック型フェノール樹脂として、実施例1で得たノボラック型フェノール樹脂の代わりに、実施例2〜4及び比較例3〜4を用いたこと以外は同様にして、フォトレジスト組成物を得た。
実施例1〜4及び比較例1〜4のノボラック型フェノール樹脂、実施例5〜8及び比較例5〜6のフォトレジスト組成物について、それぞれの分析及び評価結果を下記表1、表2に示した。
実施例5のノボラック型フェノール樹脂として、実施例1で得たノボラック型フェノール樹脂の代わりに、実施例2〜4及び比較例3〜4を用いたこと以外は同様にして、フォトレジスト組成物を得た。
実施例1〜4及び比較例1〜4のノボラック型フェノール樹脂、実施例5〜8及び比較例5〜6のフォトレジスト組成物について、それぞれの分析及び評価結果を下記表1、表2に示した。
表1、2から以下のことが分かる。
比較例1,2から助触媒としてメルカプト基含有化合物を用いない通常の製造方法では、分子中のアルデヒド成分(b)における芳香族アルデヒド(b1)の割合が高いノボラック型フェノール樹脂を得ることができない。
実施例1〜4の分子中のアルデヒド成分(b)における芳香族アルデヒド(b1)の割合が高いノボラック型フェノール樹脂は、アルカリ溶解速度に優れていた。分子中のアルデヒド成分(b)における芳香族アルデヒド(b1)の割合が低い比較例3及び4のノボラック型フェノール樹脂は、アルカリ溶解速度が実施例のものに比べ遅く、実用性に欠けることがわかった。
実施例1〜4で得られた分子中のアルデヒド成分(b)における芳香族アルデヒド(b1)の割合が高いノボラック型フェノール樹脂を用いて調製したフォトレジスト組成物は、分子中のアルデヒド成分(b)における芳香族アルデヒド(b1)の割合が低い比較例3〜4で得られたノボラック型フェノール樹脂を用いて調製したフォトレジスト組成物に比べ、より高い感度、残膜率、解像度及び耐熱性をバランスよく有していた。
特に実施例2得られたノボラック型フェノール樹脂を用いて調製したフォトレジスト組成物については、残膜率・解像度・耐熱性のバランスが特によく最も優れていた。
以上のとおりであり、本発明のノボラック型フェノール樹脂を使用したフォトレジスト組成物は、高集積半導体を製造する際のリソグラフィーや液晶用の薄膜フィルムトランジスター(TFT)材料に使用でき、半導体や液晶製品の歩留まりの向上および高集積化に極めて貢献できる。
比較例1,2から助触媒としてメルカプト基含有化合物を用いない通常の製造方法では、分子中のアルデヒド成分(b)における芳香族アルデヒド(b1)の割合が高いノボラック型フェノール樹脂を得ることができない。
実施例1〜4の分子中のアルデヒド成分(b)における芳香族アルデヒド(b1)の割合が高いノボラック型フェノール樹脂は、アルカリ溶解速度に優れていた。分子中のアルデヒド成分(b)における芳香族アルデヒド(b1)の割合が低い比較例3及び4のノボラック型フェノール樹脂は、アルカリ溶解速度が実施例のものに比べ遅く、実用性に欠けることがわかった。
実施例1〜4で得られた分子中のアルデヒド成分(b)における芳香族アルデヒド(b1)の割合が高いノボラック型フェノール樹脂を用いて調製したフォトレジスト組成物は、分子中のアルデヒド成分(b)における芳香族アルデヒド(b1)の割合が低い比較例3〜4で得られたノボラック型フェノール樹脂を用いて調製したフォトレジスト組成物に比べ、より高い感度、残膜率、解像度及び耐熱性をバランスよく有していた。
特に実施例2得られたノボラック型フェノール樹脂を用いて調製したフォトレジスト組成物については、残膜率・解像度・耐熱性のバランスが特によく最も優れていた。
以上のとおりであり、本発明のノボラック型フェノール樹脂を使用したフォトレジスト組成物は、高集積半導体を製造する際のリソグラフィーや液晶用の薄膜フィルムトランジスター(TFT)材料に使用でき、半導体や液晶製品の歩留まりの向上および高集積化に極めて貢献できる。
本発明によって、フォトレジスト用に好適に用いることができるノボラック型フェノール樹脂であって、それを用いたフォトレジスト組成物からなるフォトレジストが、より高いレベルで高耐熱性、高感度、高残膜率及び高解像度をバランスよく有することができるノボラック型フェノール樹脂、その製造方法、及び該ノボラック型フェノール樹脂を含むフォトレジスト組成物を提案することができる。
本発明のノボラック型フェノール樹脂を使用したフォトレジストは、より高いレベルで高耐熱性、高感度、高残膜率及び高解像度をバランスよく有するので、高精細なLCDの製造や半導体の製造において好適に使用することができる。
本発明のノボラック型フェノール樹脂を使用したフォトレジストは、より高いレベルで高耐熱性、高感度、高残膜率及び高解像度をバランスよく有するので、高精細なLCDの製造や半導体の製造において好適に使用することができる。
Claims (6)
- m−クレゾ−ル及びp−クレゾールのうち、少なくとも一種のクレゾール(a1)とトリアルキルフェノール(a2)とを含有するフェノール成分(a)と、芳香族アルデヒド(b1)とホルムアルデヒド(b2)とを含有するアルデヒド成分(b)とを縮重合反応して得られるノボラック型フェノール樹脂であって、アルデヒド成分(b)における芳香族アルデヒド(b1)とホルムアルデヒド(b2)とのモル比(b1/b2)が30/70〜95/5であることを特徴とするノボラック型フェノール樹脂。
- フェノール成分(a)におけるクレゾール(a1)とトリアルキルフェノール(a2)とのモル比(a1/a2)が90/10〜50/50であることを特徴とする請求項1に記載のノボラック型フェノール樹脂。
- 重量平均分子量が4000〜50000であることを特徴とする請求項1または2に記載のノボラック型フェノール樹脂。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のノボラック型フェノール樹脂を含有することを特徴とするフォトレジスト組成物。
- m−クレゾ−ル及びp−クレゾールのうち、少なくとも一種のクレゾール(a1)とトリアルキルフェノール(a2)とを含有するフェノール成分(a)と、芳香族アルデヒド(b1)とホルムアルデヒド(b2)とを含有するアルデヒド成分(b)とを、助触媒としてメルカプト基含有化合物の存在下に縮重合反応させる工程を含んでなる、アルデヒド成分(b)における芳香族アルデヒド(b1)とホルムアルデヒド(b2)とのモル比(b1/b2)が30/70〜95/5であるノボラック型フェノール樹脂を得ることを特徴とするノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
- 縮重合反応させる工程が、フェノール成分(a)と、芳香族ジアルデヒド(b1)又はホルムアルデヒド(b2)のいずれか一方のアルデヒド成分(b)とを縮重合させる第1工程と、次いで、第1工程で得られた反応混合物と、芳香族ジアルデヒド(b1)又はホルムアルデヒド(b2)のいずれか他方のアルデヒド成分(b)とを更に縮重合させる第2工程とを含むことを特徴とする請求項5に記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
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JP2012063390A Pending JP2013194157A (ja) | 2012-03-21 | 2012-03-21 | ノボラック型フェノール樹脂、その製造方法、及び該ノボラック型フェノール樹脂を含むフォトレジスト組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2013194157A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013228416A (ja) * | 2012-04-24 | 2013-11-07 | Hitachi Chemical Co Ltd | ポジ型感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性フィルム |
WO2015141427A1 (ja) * | 2014-03-20 | 2015-09-24 | Dic株式会社 | ノボラック型フェノール性水酸基含有樹脂、その製造方法、硬化性組成物、レジスト用組成物及びカラーレジスト |
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2012
- 2012-03-21 JP JP2012063390A patent/JP2013194157A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013228416A (ja) * | 2012-04-24 | 2013-11-07 | Hitachi Chemical Co Ltd | ポジ型感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性フィルム |
WO2015141427A1 (ja) * | 2014-03-20 | 2015-09-24 | Dic株式会社 | ノボラック型フェノール性水酸基含有樹脂、その製造方法、硬化性組成物、レジスト用組成物及びカラーレジスト |
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