JP2014098104A - ノボラック型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂の製造方法、及びフォトレジスト組成物 - Google Patents

ノボラック型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂の製造方法、及びフォトレジスト組成物 Download PDF

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貴久 古本
Sadaaki Kuroiwa
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Abstract

【課題】高解像度・高感度・高残膜率・高耐熱性をバランスよく有するフォトレジスト組成物の製造を可能にする、ノボラック型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂の製造方法、及びフォトレジスト組成物を提供する。
【解決手段】フェノール成分(a)と、アルデヒド成分(b)とを縮重合反応して得られるノボラック型フェノール樹脂であって、フェノール成分(a)が、m−クレゾール及び/又はp−クレゾールを主成分とし、アルデヒド成分(b)が、アルコキシベンズアルデヒド類(b1)及びホルムアルデヒド(b2)を主成分とする、ことを特徴とするノボラック型フェノール樹脂及びその製造方法、並びにそれを含むフォトレジスト組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体やLCDを製造する際のリソグラフィーに使用されるフォトレジスト用として、高解像度、高感度、高残膜率、高耐熱なフォトレジストの製造を可能にするノボラック型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂の製造方法、及びフォトレジスト組成物に関する。
一般にポジ型フォトレジスト組成物には、ナフトキノンジアジド化合物等のキノンジアジド基を有する感光剤とアルカリ可溶性樹脂とが用いられる。このポジ型フォトレジスト組成物は、アルカリ溶液による現像によって高い解像力を有するので、IC、LSI等の半導体製造、LCDなどの回路基材の製造に好適に利用されている。特にアルカリ可溶性樹脂として耐熱性を有するノボラック型フェノール樹脂を用いると、露光後のドライエッチングを好適に行うことができる。このため、ノボラック型フェノール樹脂を含有する数多くのポジ型フォトレジストが開発、実用化されている。
ポジ型フォトレジスト組成物に用いられるノボラック型フェノール樹脂は、従来、m−、p−又はo−クレゾールとホルムアルデヒドとを酸触媒の存在下で縮重合反応させて得られる樹脂であり、フォトレジストの要求特性に対応して、m−、p−又はo−クレゾールの使用比率などを調製して用いられている。
ところで、LCDの分野では、TFT、STN等の技術の進展に伴い画像の線幅が細くなり、さらに微細化の傾向が強まっている。最近では、高精細なTFT表示素子の設計寸法は数μmレベルまで向上している。かかる用途においては、特に高耐熱、高感度、高残膜率、及び高解像度をバランスよく有するフォトレジスト組成物が要求されるために、従来のポジ型フォトレジスト組成物では対応できなくなりつつある。また、半導体に用いられるフォトレジスト組成物に対しては、従来からより高いレベルで高耐熱、高感度、高残膜率、及び高解像度をバランスよく有するフォトレジスト組成物が求められていた。
このため、例えばノボラック型フェノール樹脂の耐熱性を向上させる方法として、キシレノール、トリメチルフェノールなどのアルキルフェノール類を用いた検討がなされている。しかし、この方法では耐熱性が若干改良される程度であり、十分な効果を得ることは出来なかった。
また、特許文献1には、高耐熱性・高解像度・高感度を両立するフォトレジスト用フェノール樹脂として、メタクレゾール30−70重量%とパラクレゾール5−40重量%、キシレノール及び/又はトリメチルフェノール5−50重量%からなるフェノール類と、ホルムアルデヒドと芳香族アルデヒド類からなり、その重量比が1/9−9/1であるアルデヒド類を反応させて得られるノボラック型フェノール樹脂であって、当該ノボラック型フェノール樹脂の慣性半径(分子サイズ)が1.50−2.50nmであることを特徴とするフォトレジスト用フェノール樹脂が記載されている。
しかしながら、この文献で具体的に開示されているのは、ホルムアルデヒドと芳香族ア
ルデヒド類としてサリチルアルデヒドを使用した例だけであった。そして、芳香族アルデヒド類としてサリチルアルデヒドを使用した場合、フォトレジスト組成物の耐熱性、感度は向上するものの、残膜率、解像度などにおいて十分なものとはいえず、更に改良の余地があった。
一方、この文献には、芳香族アルデヒド類の中でもメトキシ基を有するアルコキシベンズアルデヒド類を含むノボラック型フェノール樹脂、及びそれを用いてフォトレジスト組成物の耐熱性、感度、残膜率、解像度などを改良することについては記載も示唆もなかった。
特開2002−107925号公報
本発明は、高解像度・高感度・高残膜率・高耐熱性をバランスよく有するフォトレジスト組成物の製造を可能にする、ノボラック型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂の製造方法、及びフォトレジスト組成物を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明の発明者らは種々検討した結果、本発明に到達した。本発明は、以下の事項に関する。
本発明〔1〕は、フェノール成分(a)と、アルデヒド成分(b)とを縮重合反応して得られるノボラック型フェノール樹脂であって、
フェノール成分(a)が、m−クレゾール及び/又はp−クレゾールを主成分とし、
アルデヒド成分(b)が、アルコキシベンズアルデヒド類(b1)及びホルムアルデヒド(b2)を主成分とする、
ことを特徴とするノボラック型フェノール樹脂に関する。
本発明〔2〕は、アルデヒド成分(b)における、アルコキシベンズアルデヒド類(b1)とホルムアルデヒド(b2)とのモル比(b1/b2)が5/95〜50/50である、
ことを特徴とする本発明〔1〕に記載のノボラック型フェノール樹脂に関する。
本発明〔3〕は、重量平均分子量が1000〜50000であることを特徴とする本発明〔1〕又は〔2〕に記載のノボラック型フェノール樹脂に関する。
本発明〔4〕は、本発明〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のノボラック型フェノール樹脂を含有することを特徴とするフォトレジスト組成物に関する。
本発明〔5〕は、フェノール成分(a)と、アルデヒド成分(b)とを縮重合反応して得られるノボラック型フェノール樹脂の製造方法であって、
フェノール成分(a)が、m−クレゾール及び/又はp−クレゾールを主成分とし、
アルデヒド成分(b)が、アルコキシベンズアルデヒド類(b1)及びホルムアルデヒド(b2)を主成分とする、
ことを特徴とするノボラック型フェノール樹脂の製造方法に関する。
本発明〔6〕は、アルデヒド成分(b)における、アルコキシベンズアルデヒド類(b1)とホルムアルデヒド(b2)とのモル比(b1/b2)が5/95〜50/50である、
ことを特徴とする本発明〔5〕に記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法に関する。
本発明〔7〕は、得られるノボラック型フェノール樹脂の重量平均分子量が1000〜50000であることを特徴とする本発明〔5〕又は〔6〕に記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法に関する。
本発明〔8〕は、前記縮重合反応が、
フェノール成分(a)と、アルコキシベンズアルデヒド類(b1)及びホルムアルデヒド(b2)のいずれか一方のアルデヒド成分(b)とを縮重合反応させる第1工程と、
次いで、前記第1工程で得られた反応混合物と、アルコキシベンズアルデヒド類(b1)及びホルムアルデヒド(b2)のいずれか他方のアルデヒド成分(b)とを更に縮重合させる第2工程とを含んでなる、
ことを特徴とする本発明〔5〕〜〔7〕のいずれかに記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法に関する。
本発明のノボラック型フェノール樹脂は、高解像度、高感度、高残膜率及び高耐熱性をバランスよく有するフォトレジスト組成物の提供を可能にする。
本発明のノボラック型フェノール樹脂の製造方法は、高解像度、高感度、高残膜率及び高耐熱性をバランスよく有するフォトレジスト組成物の提供を可能にするノボラック型フェノール樹脂を安定的に製造できる。
すなわち、本発明のノボラック型フェノール樹脂、及び本発明の製造方法によって得られたノボラック型フェノール樹脂を用いると、高解像度、高感度、高残膜率及び高耐熱性をバランスよく有するフォトレジストを得ることができる。このため、高集積半導体や液晶用の薄膜フィルムトランジスター(TFT)を製造する際のリソグラフィーの材料や半導体絶縁膜用の材料などとして好適に使用することができる。
<ノボラック型フェノール樹脂>
本発明のノボラック型フェノール樹脂は、フェノール成分(a)と、アルデヒド成分(b)とを縮重合反応して得られる。
<フェノール成分(a)>
本発明におけるフェノール成分(a)は、m−クレゾール及び/又はp−クレゾールを主成分とする。
すなわち、フェノール成分(a)は、m−クレゾール、p−クレゾール、又はm−クレゾールとp−クレゾールとの混合物を主成分とする。
フェノール成分(a)は、m−クレゾール及び/又はp−クレゾールの他に、本発明の効果の範囲内で、その他の周知のフェノール化合物を含有しても構わないが、m−クレゾール及び/又はp−クレゾールの合計量は、フェノール成分(a)に対して、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、最も好ましくは100質量%である。
フェノール成分(a)中において、m−クレゾールとp−クレゾールの合計の含有量が少なすぎると、耐熱性が低下する。
フェノール成分(a)に含有することの出来るその他の周知のフェノール化合物としては、例を挙げると、フェノール、o−クレゾール、キシレノール、トリメチルフェノールが挙げられる。キシレノールは、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノールの各構造異性体が使用でき、トリメチルフェノールにおいても、2,3,5−トリメチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール等の各異性体が使用できる。これらのフェノール類は、単独でも2種以上を混合使用してもよい。
<アルデヒド成分(b)>
本発明におけるアルデヒド成分(b)は、アルコキシベンズアルデヒド類(b1)及びホルムアルデヒド(b2)を主成分とする。
アルデヒド成分(b)は、ノボラック型フェノール樹脂を構成するフェノール成分を縮重合反応させる作用を有する成分である。本発明においては、アルコキシベンズアルデヒド類(b1)及びホルムアルデヒド(b2)の他に、本発明の効果の範囲内で、他のこのような作用を有する周知のアルデヒド及び/又はケトンを含有しても構わないが、アルコキシベンズアルデヒド類(b1)及びホルムアルデヒド(b2)の合計量は、全アルデヒド成分(b)に対して、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、最も好ましくは100質量%である。
アルデヒド成分(b)における、アルコキシベンズアルデヒド類(b1)とホルムアルデヒド(b2)とのモル比(b1/b2)は、好ましくは5/95〜50/50であり、より好ましくは10/90〜40/60、更に好ましくは15/85〜30/70である。アルコキシベンズアルデヒド類(b1)のモル比が前記範囲内のときに、高解像度、高感度、高残膜率及び高耐熱性をバランス良く有することが可能となる。アルコキシベンズアルデヒド類(b1)のモル比がこの範囲よりも少ないと、解像度や耐熱性が低下するので本発明の効果を得ることが難しくなる。また、この範囲よりも多くなると感度が低くなりすぎる場合があるので、本発明の効果を得ることが難しくなる。
なお、前記アルデヒド成分(b)は、水溶液として反応系中に添加することもできる。
<アルコキシベンズアルデヒド類(b1)>
本発明で使用されるアルコキシベンズアルデヒド類(b1)は、少なくとも一つの芳香環を持ち、置換基として少なくとも一つのアルデヒド基と少なくとも一つのアルコキシ基とを前記芳香環に直接結合している化合物である。前記アルデヒド基とアルコキシ基以外に、例えば炭素数が1〜5のアルキル基又はフェニル基等の置換基を有しても構わない。
アルコキシベンズアルデヒド類(b1)は、限定されるものではないが、下記の一般式で示される化合物であることが好ましい。
Figure 2014098104
アルコキシベンズアルデヒド類としては、例を挙げると、o−アニスアルデヒド(2−メトキシベンズアルデヒド)、m−アニスアルデヒド(3−メトキシベンズアルデヒド)、p−アニスアルデヒド(4−メトキシベンズアルデヒド)、2,3−ジメトキシベンズアルデヒド、2,4−ジメトキシベンズアルデヒド、2,5−ジメトキシベンズアルデヒド、2,6−ジメトキシベンズアルデヒド、3,4−ジメトキシベンズアルデヒド、3,5−ジメトキシベンズアルデヒド、バニリン、イソバニリン、o−バニリン、シリンガアルデヒド、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンズアルデヒド、2−メトキシ−1−ナフトアルデヒド、4−メトキシ−1−ナフトアルデヒド、2−エトキシベンズアルデヒド、3−エトキシベンズアルデヒド、4−エトキシベンズアルデヒド、などが挙げられるが、これらに限定されるわけではなくアルコキシベンズアルデヒド類であれば使用可能である。これらのアルコキシベンズアルデヒド類は、単独または2種以上を組み合わせて使用してもよい。中でも、水酸基を分子構造中に含まないアルコキシベンズアルデヒド類が好ましく、モノマーとしての反応性、解像度向上、残膜率、耐熱性の観点から、o−アニスアルデヒド(2−メトキシベンズアルデヒド)が最も好ましい。
<ホルムアルデヒド(b2)>
本発明で使用されるホルムアルデヒド(b2)は、形態としては特に制限はないが、ホルムアルデヒド水溶液、及びパラホルムアルデヒド、トリオキサンなど酸存在下で分解してホルムアルデヒドとなる重合物を用いることも出来る。
好ましくは、取り扱いの容易なホルムアルデヒド水溶液であり、市販品の42質量%ホルムアルデヒド水溶液をそのまま使用することも出来る。
<フェノール成分(a)とアルデヒド成分(b)のモル比(a/b)>
本発明において、フェノール成分(a)とアルデヒド成分(b)とを反応する際には、フェノール成分(a)1モルに対して、アルデヒド成分(b)を、好ましくは0.2〜1.0モル、より好ましくは0.5〜0.9モルの割合で使用する。この割合で使用することで、過剰な高分子量化(ゲル化)の危険性を抑制して、所望の分子量を有するノボラック型フェノール樹脂を容易に得ることができる。
<ノボラック型フェノール樹脂>
本発明のノボラック型フェノール樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、フォトレジスト組成物の性能や製造上のハンドリング性から、1000〜50000が好ましく、1500〜30000がより好ましく、1500〜20000がさらに好ましい。重量平均分子量が1000より小さい場合は、感度が高すぎたり或は耐熱性に劣る場合があり、50000より大きい場合は感度が低い場合がある。
本発明のノボラック型フェノール樹脂の軟化点は、耐熱性から140℃以上が好ましく、さらに好ましくは150℃以上、もっとも好ましくは160℃以上である。軟化点が140℃より低いと、フォトレジスト用として使用する場合に、耐熱性に劣り、好ましくない。
<ノボラック型フェノール樹脂の製造方法>
本発明のノボラック型フェノール樹脂の製造方法は、フェノール成分(a)と、アルデヒド成分(b)とを縮重合反応して得られるノボラック型フェノール樹脂の製造方法であって、
フェノール成分(a)が、m−クレゾール及び/又はp−クレゾールを主成分とし、
アルデヒド成分(b)が、アルコキシベンズアルデヒド類(b1)とホルムアルデヒド(b2)とを主成分とする、
ことを特徴とする。
また、本発明のノボラック型フェノール樹脂の製造方法は、アルデヒド成分(b)における、アルコキシベンズアルデヒド類(b1)とホルムアルデヒド(b2)とのモル比(b1/b2)が5/95〜50/50であることが好ましい。
また、本発明のノボラック型フェノール樹脂の製造方法は、得られるノボラック型フェノール樹脂の重量平均分子量が1000〜50000であることが好ましい。
本発明のノボラック型フェノール樹脂の製造方法における縮重合反応は、通常の製造方法において行なわれる縮重合反応でかまわないが、より好ましくは、
フェノール成分(a)と、アルコキシベンズアルデヒド類(b1)及びホルムアルデヒド(b2)のいずれか一方のアルデヒド成分(b)とを縮重合反応させる第1工程と、
次いで、前記第1工程で得られた反応混合物と、アルコキシベンズアルデヒド類(b1)及びホルムアルデヒド(b2)のいずれか他方のアルデヒド成分(b)とを更に縮重合反応させる第2工程とを含んでなる。
前記縮重合反応の第1工程と第2工程については、一つの態様ではあるが、次の反応式によって概念的に説明することもできる。
Figure 2014098104
第1工程では、例えば、フェノール成分(a)とアルコキシベンズアルデヒド類(b1)とを縮重合反応させて、フェノール成分(a)がアルコキシベンズアルデヒド類(b1)で縮重合されたフェノール樹脂の重合単位がブロック化したセグメント(S)を生成する。
Figure 2014098104
第2工程では、フェノール成分(a)と、第1工程で用いなかったアルデヒド成分(b)であるホルムアルデヒド(b2)と、第1工程で生成したフェノール成分(a)がアルコキシベンズアルデヒド類(b1)で縮重合されたフェノール樹脂の重合単位がブロック化したセグメント(S)とが更に縮重合反応して、フェノール成分(a)がホルムアルデヒド(b2)で縮重合されたフェノール樹脂の重合単位がブロック化したセグメントを生成する。
前記縮重合反応によって、分子中に、フェノール成分(a)がアルコキシベンズアルデヒド類(b1)で縮重合されたフェノール樹脂の重合単位及び/又はフェノール成分(a)がホルムアルデヒド(b2)で縮重合されたフェノール樹脂の重合単位が、ブロック化して存在するノボラック型フェノール樹脂を生成する。これはいわゆるランダム縮重合反応によって生成したノボラック型フェノール樹脂とは、化学構造が相違するものである。
前記縮重合反応により得られたノボラック型フェノール樹脂は、ランダム縮重合反応で得られたノボラック型フェノール樹脂に比べて、フェノール成分(a)がアルコキシベンズアルデヒド類(b1)で縮重合されたフェノール樹脂の重合単位及び/又はフェノール成分(a)がホルムアルデヒド(b2)で縮重合されたフェノール樹脂の同じ重合単位が、相互に隣接して結合している割合が高く、ランダム縮重合反応の場合に比べて、好ましくは1.1倍以上、より好ましくは1.3倍以上、更に好ましくは1.5倍以上の高い割合で隣接して結合している。
前記縮重合反応において、前記第1工程で用いるアルコキシベンズアルデヒド類(b1)又はホルムアルデヒド(b2)のいずれか一方のアルデヒド成分(b)は、本発明の効果の範囲内で、いずれか他方を少量含有しても構わない。その場合、いずれか他方は、20質量%未満、好ましくは10質量%未満、より好ましくは0質量%である。第2工程においても、同様である。
また、第1工程及び第2工程におけるアルデヒド成分(b)の添加方法は、アルデヒド成分(b)を一度に添加する一括添加でも、滴下などによる逐次添加でも良いが、フェノール成分(a)との反応で発生する反応熱により、反応の制御が難しくなる場合があることから、滴下などによる逐次添加が好ましい。
なお、本発明のノボラック型フェノール樹脂の製造方法は、前記縮重合反応に限定されるものではなく、すなわち、ノボラック型フェノール樹脂は、前記ブロック化したものに限定されるものではない。
<酸触媒>
本発明のノボラック型フェノール樹脂の製造方法における縮重合反応においては、酸触媒を使用することができる。酸触媒としては、フェノール成分とアルデヒド又はケトンとを反応させる能力のあるものであれば、特に限定されることなく使用可能であり、例えば、シュウ酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸などの有機スルホン酸、塩酸、硫酸などの無機酸などを使用できる。触媒の使用量は、フェノール成分(a)に対して、0.01〜5質量%であるが、フォトレジスト用組成物の特性の向上のためには、極力少ない方が好ましい。樹脂中に酸触媒が残存するとフォトレジストの特性に弊害を及ぼすため、アミン類または無機アルカリを使用して酸触媒を中和することが好ましい。
前記縮重合反応における前記第1工程及び第2工程における酸触媒の使用量は、その種類によっても異なるが、シュウ酸の場合は0.3〜1.0質量%程度、硫酸の場合は0.05〜0.1質量%程度、またパラトルエンスルホン酸の場合は0.1〜0.5質量%程度使用するのがよい。酸触媒は、中でも特に硫酸又はパラトルエンスルホン酸を使用することが好ましい。
<反応温度>
本発明のノボラック型フェノール樹脂の製造方法における縮重合反応における反応温度は、特に限定されないが、好ましくは60〜160℃、より好ましくは80〜140℃である。60℃より低いと重合が進まず、160℃より高いと反応の制御が難しくなる場合があり、目的のノボラック型フェノール樹脂を安定的に得ることが困難となる場合があるので好ましくない。
<反応溶媒>
本発明のノボラック型フェノール樹脂の製造方法においては、必要によって反応溶媒を使用することができる。
反応溶媒としては、フェノール成分(a)、アルコキシベンズアルデヒド類(b1)及びホルムアルデヒド(b2)を溶解する水が好適であるが、場合によっては、反応に影響を及ぼさない有機溶媒を使用することもできる。
このような有機溶媒としては、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等のエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類等が挙げられる。
これらの反応溶媒の使用量は、通常、反応原料100質量部当り、20〜1000質量部である。
<反応時間、反応圧力>
本発明のノボラック型フェノール樹脂の製造方法の反応時間は、反応温度にもよるが、通常は20時間以内である。
本発明のノボラック型フェノール樹脂の製造方法の反応圧力は、通常は常圧下で行われるが、若干の加圧ないし減圧下でも行うことができる。
<後処理>
本発明のノボラック型フェノール樹脂の製造方法における縮重合反応終了後、後処理として、塩基を添加して酸触媒を中和し、続いて酸触媒を除去するために水を加えて水洗を実施することが好ましい。
酸触媒の中和のための塩基としては、特に限定されることはなく、酸触媒を中和し、水に可溶となる塩を形成するものであれば使用可能である。塩基としては、例えば、金属水酸化物や金属炭酸塩などの無機塩基ならびにアミンや有機アミンなどの有機塩基が挙げられる。無機塩基としては、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムや炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウムが挙げられる。有機塩基のアミンあるいは有機アミンの具体例としては、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、トリブチルアミンなどが挙げられる。好ましくは有機アミンが使用される。塩基の使用量は、酸触媒を中和し、反応系内のpHを4〜8の範囲にする量で使用することが好ましい。
水洗における水洗水の量と水洗の回数は、特に限定されない。酸触媒をレジスト用組成物としての実使用に影響ない程度の量まで除去するには、水洗回数としては1〜5回程度である。
水洗温度は、特に限定されないが、触媒除去の効率と作業性の観点から40〜95℃で行うのが好ましい。水洗中、樹脂と水洗水の分離が悪い場合は、樹脂の粘度を低下させる溶媒の添加や水洗温度を上昇させることが効果的である。このような溶媒は、フェノール樹脂を溶解し、粘度を低下させるものであれば特に限定されることなく使用することができる。
酸性触媒を中和及び水洗により除去した後、例えば、反応系の温度を130〜230℃に上げて、20〜50torrの減圧下で、反応系内に存在する未反応原料、有機溶媒等の揮発分を留去して、本発明のノボラック型フェノール樹脂を得ることができる。
<用途>
本発明のノボラック型フェノール樹脂を使用したフォトレジストは、高集積半導体や液晶用の薄膜フィルムトランジスター(TFT)を製造する際のリソグラフィーの材料や半導体絶縁膜用の材料などに使用できる。
<フォトレジスト組成物>
本発明のフォトレジスト組成物は、本発明のノボラック型フェノール樹脂を含有することを特徴とする。
本発明のフォトレジスト組成物においては、ノボラック型フェノール樹脂(A)を好ましくは5〜40質量%、より好ましくは10〜25質量%含有する。
本発明のレジスト用組成物は、さらに感光剤(B)を含有することが好ましい。感光剤(B)としては、ノボラック型フェノール樹脂を含むフォトレジストの感光剤として公知のものを使用できる。感光剤(B)としては、キノンジアジド基を有するキノンジアジド化合物が好ましく、特に1,2−キノンジアジド化合物又はその誘導体が好ましい。キノンジアジド化合物を用いることで、露光した部分は溶解促進効果によりアルカリ溶解速度が大きくなり、逆に露光しない部分は溶解抑制効果によりアルカリ溶解速度が小さくなり、この露光部と未露光部の溶解速度の差によって、コントラストの高い、シャープなレジストパターンを得ることが出来る。
キノンジアジド化合物としては、従来、キノンジアジド−ノボラック系レジストで用いられている公知の化合物を用いることができる。このようなキノンジアジド基を含む化合物としては、ナフトキノンジアジドスルホン酸クロライドやベンゾキノンジアジドスルホン酸クロライド等と、これらの酸クロライドと縮合反応可能な官能基を有する化合物とを反応させることによって得られた化合物が好ましい。ここで酸クロライドと縮合可能な官能基としては水酸基、アミノ基等が挙げられるが、特に水酸基が好適である。酸クロライドと縮合可能な水酸基を有する化合物としては、例えばハイドロキノン、レゾルシン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,6−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,3,4,6’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン等のヒドロキシベンゾフェノン類、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン等のヒドロキシフェニルアルカン類、4,4’,3”,4”−テトラヒドロキシ−3,5,3’,5’−テトラメチルトリフェニルメタン、4,4’,2”,3”,4”−ペンタヒドロキシ−3,5,3’,5’−テトラメチルトリフェニルメタン等のヒドロキシトリフェニルメタン類などを挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、または2種以上を組合せて用いてもよい。
酸クロライドであるナフトキノンジアジドスルホン酸クロライドやベンゾキノンジアジドスルホン酸クロライドの具体例としては、例えば、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルフォニルクロライド、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルフォニルクロライドなどが好ましいものとして挙げられる。
感光剤(B)の配合量は、ノボラック型フェノール樹脂(A)100質量部に対して、5〜50質量部が好ましく、より好ましくは10〜40質量部である。感光剤(B)の配合量が5質量部よりも少ないと、感光性樹組成物として十分な感度が得られないことがあり、また、50質量部よりも多いと、成分の析出の問題が起こることがあるので好ましくない。
本発明のフォトレジスト組成物は、上記のノボラック型フェノール樹脂(A)及び感光剤(B)の他に、レジスト組成物の慣用成分である、酸化防止剤等の安定剤、可塑剤、界面活性剤、密着性向上剤、溶解促進剤、溶解阻害剤などを添加することができる。
以下、本発明を実施例等によりさらに具体的に説明する。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[1]ノボラック型フェノール樹脂
まず、ノボラック型フェノール樹脂の実施例を示す。なお、樹脂の分析方法や評価方法は次の通りである。
(1)重量平均分子量
以下の条件でGPC測定を行い、ポリスチレン換算による重量平均分子量を求めた。
型式:HLC−8220 東ソー(株)製
カラム:TSK−GEL Hタイプ G2000H×L 4本
G3000H×L 1本
G4000H×L 1本
測定条件:カラム圧力 13.5MPa
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
フローレート:1mL/min
温度:40℃
検出器:スペクトロフォトメーター(UV−8020)RANGE 2.56
WAVE LENGTH:254nm
インジェクション量:100μmL
試料濃度:5mg/mL
(2)アルカリ溶解速度
ノボラック型フェノ−ル樹脂3gをPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)9gに溶解し、樹脂溶液を調合した。これらを0.2ミクロンメンブレンフィルターで濾過した。これを4インチシリコンウェハー上に約1.5μmの厚みになるようにスピンコーターで塗布し、110℃で60秒間ホットプレート上で乾燥させた。次いで現像液(1.60質量%テトラメチルアンモニウムヒドロオキシド水溶液)を用い、完全に膜が消失するまでの時間を計測した。初期膜厚を溶解するまでの時間で割った値を溶解速度とした。
〔実施例1〕
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール189g(1.75モル)、p−クレゾール189g(1.75モル)、o−アニスアルデヒド47.7g(0.35モル)及びp−トルエンスルホン酸1.33gを入れ、120℃で4時間反応させた。
次いで、この反応混合液を85℃まで冷却して、42質量%ホルムアルデヒド水溶液125.2g(1.75モル)を滴下して加え、その後96℃まで昇温して、さらに4時間反応させた。
反応終了後、90℃まで冷却してトリエチルアミン1.33gを添加した。次いでイオン交換水380gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した水層のpHを5.5〜7.0となるように調整し、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料等を除去し、ノボラック型フェノール樹脂340gを得た。
〔実施例2〕
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール189g(1.75モル)、p−クレゾール189g(1.75モル)、o−アニスアルデヒド73.5g(0.54モル)及びp−トルエンスルホン酸1.33gを入れ、120℃で4時間反応させた。
次いで、この反応混合液を85℃まで冷却して、42質量%ホルムアルデヒド水溶液136.7g(1.91モル)を滴下して加え、その後96℃まで昇温して、さらに4時間反応させた。
反応終了後、90℃まで冷却してトリエチルアミン1.33gを添加した。次いでイオン交換水380gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した水層のpHを5.5〜7.0となるように調整し、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料等を除去し、ノボラック型フェノール樹脂350gを得た。
〔実施例3〕
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール290g(2.68モル)、p−クレゾール73g(0.68モル)、o−アニスアルデヒド70.5g(0.52モル)及びp−トルエンスルホン酸1.27gを入れ、120℃で4時間反応させた。
次いで、この反応混合液を85℃まで冷却して、42質量%ホルムアルデヒド水溶液131.0g(1.83モル)を滴下して加え、その後96℃まで昇温して、さらに4時間反応させた。
反応終了後、90℃まで冷却してトリエチルアミン1.27gを添加した。次いでイオン交換水360gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した水層のpHを5.5〜7.0となるように調整し、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料等を除去し、ノボラック型フェノール樹脂330gを得た。
〔実施例4〕
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール290g(2.68モル)、p−クレゾール73g(0.68モル)、o−アニスアルデヒド64.5g(0.47モル)及びp−トルエンスルホン酸1.27gを入れ、120℃で4時間反応させた。
次いで、この反応混合液を85℃まで冷却して、42質量%ホルムアルデヒド水溶液154.6g(2.16モル)を滴下して加え、その後96℃まで昇温して、さらに4時間反応させた。
反応終了後、90℃まで冷却してトリエチルアミン1.27gを添加した。次いでイオン交換水360gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した水層のpHを5.5〜7.0となるように調整し、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料等を除去し、ノボラック型フェノール樹脂340gを得た。
〔実施例5〕
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール300g(2.77モル)、o−アニスアルデヒド52.9g(0.39モル)及びp−トルエンスルホン酸1.05gを入れ、120℃で4時間反応させた。
次いで、この反応混合液を85℃まで冷却して、42質量%ホルムアルデヒド水溶液127.0g(1.78モル)を滴下して加え、その後96℃まで昇温して、さらに4時間反応させた。
反応終了後、90℃まで冷却してトリエチルアミン1.05gを添加した。次いでイオン交換水300gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した水層のpHを5.5〜7.0となるように調整し、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料等を除去し、ノボラック型フェノール樹脂285gを得た。
〔実施例6〕
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール300g(2.77モル)、o−アニスアルデヒド65.8g(0.48モル)及びp−トルエンスルホン酸1.05gを入れ、120℃で4時間反応させた。
次いで、この反応混合液を85℃まで冷却して、42質量%ホルムアルデヒド水溶液138.5g(1.94モル)を滴下して加え、その後96℃まで昇温して、さらに4時間反応させた。
反応終了後、90℃まで冷却してトリエチルアミン1.05gを添加した。次いでイオン交換水300gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した水層のpHを5.5〜7.0となるように調整し、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料等を除去し、ノボラック型フェノール樹脂290gを得た。
〔実施例7〕
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール300g(2.77モル)、o−アニスアルデヒド66.6g(0.49モル)及びp−トルエンスルホン酸1.05gを入れ、120℃で4時間反応させた。
次いで、この反応混合液を85℃まで冷却して、42質量%ホルムアルデヒド水溶液139.7g(1.95モル)を滴下して加え、その後96℃まで昇温して、さらに4時間反応させた。
反応終了後、90℃まで冷却してトリエチルアミン1.05gを添加した。次いでイオン交換水300gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した水層のpHを5.5〜7.0となるように調整し、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料等を除去し、ノボラック型フェノール樹脂296gを得た。
〔実施例8〕
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール189g(1.75モル)、p−クレゾール189g(1.75モル)、p−アニスアルデヒド93.1g(0.68モル)及びp−トルエンスルホン酸1.33gを入れ、120℃で4時間反応させた。
次いで、この反応混合液を85℃まで冷却して、42質量%ホルムアルデヒド水溶液125.5g(1.76モル)を滴下して加え、その後96℃まで昇温して、さらに4時間反応させた。
反応終了後、90℃まで冷却してトリエチルアミン1.33gを添加した。次いでイオン交換水380gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した水層のpHを5.5〜7.0となるように調整し、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料等を除去し、ノボラック型フェノール樹脂335gを得た。
〔比較例1〕
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール120g(1.11モル)、p−クレゾール80g(0.74モル)、サリチルアルデヒド45g(0.37モル)及びp−トルエンスルホン酸0.8gを仕込み、120℃で4時間反応させた。
次いで、この反応混合液を85℃まで冷却して、42質量%ホルムアルデヒド水溶液66g(0.92モル)を滴下して加え、その後96℃まで昇温して、さらに4時間反応させた。
反応終了後、90℃まで冷却してトリエチルアミン0.8gを添加した。次いでイオン交換水200gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した水層のpHを5.5〜7.0となるように調整し、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料等を除去し、ノボラック型フェノール樹脂190gを得た。
〔比較例2〕
温度計、仕込み・留出口および攪拌機を備えたガラス製三口フラスコに、m−クレゾール98g(0.91モル)、p−クレゾール147g(1.36モル)、2,3,5−トリメチルフェノール76g(0.56モル)、サリチルアルデヒド69g(0.57モル)及びp−トルエンスルホン酸1.13gを入れ、120℃で4時間反応させ、GPC測定により仕込みのサリチルアルデヒドが完全に消費したことを確認した。
次いで、この反応混合液を85℃まで冷却し、42質量%ホルムアルデヒド水溶液114g(1.59モル)を滴下して加え、その後96℃まで昇温して、さらに4時間反応させた。
反応終了後、90℃まで冷却してトリエチルアミン1.19gを添加し、イオン交換水355gを添加して攪拌、静置した。静置することにより分離した水層のpHを5.5〜7.0となるように調整し、分離水を除去した。この操作を2回行った。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrで2時間減圧蒸留を行って未反応原料などを除去し、ノボラック型フェノール樹脂290gを得た。
[2]フォトレジスト組成物
次に、本発明のノボラック型フェノール樹脂を用いたフォトレジスト組成物の実施例を示す。なお、フォトレジスト組成物の評価方法は次の通りである。
(1)感度、残膜率、解像度の評価
フォトレジスト組成物を4インチシリコンウェハー上にスピンコーターで塗布し、110℃、60秒間ホットプレート上で乾燥させて、厚みが1.5μの塗膜を形成した。その後、縮小投影露光装置を用い、露光時間を段階的に変えて最適な露光量を確認したうえで、最適な露光量になるように露光した。次いで現像液(2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド水溶液)を用い、60秒間現像し、リンス、乾燥を行なった。
(感度)
感度は、走査型電子顕微鏡により、得たれたパターンのパターン形状を観察することにより、以下の基準で評価を行なった。
AA:3mJ/cm未満で画像が形成できる。
A:5mJ/cm未満で画像が形成できる。
B:5〜60mJ/cmで画像が形成できる。
(残膜率)
未露光部の残膜厚から残膜率を求めた。残膜率とは、現像後の感光性樹脂の膜厚と現像前の感光性樹脂の膜厚の比であり、下記式により表される値である。
残膜率(%)=(現像後の感光性樹脂の膜厚/現像前の感光性樹脂の膜厚)×100(解像度)
また、解像度は、テストチャートマスクを用い、下記基準で評価した。
◎:1.5μライン&スペースが解像できる。
○:2.0μライン&スペースが解像できる。
×:2.0μライン&スペースが解像できない。
(2)耐熱性の評価
フォトレジスト組成物を4インチシリコンウェハー上にスピンコーターで塗布し、110℃、60秒間ホットプレート上で乾燥させて、厚みが1.5μmの塗膜を形成した。その後、縮小投影露光装置を用い、露光時間を段階的に変えて最適な露光量を確認したうえで、最適な露光量になるように露光した。次いで現像液(2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド水溶液)を用い、60秒間現像した。得られたシリコンウエハーを各温度のホットプレート上で2分間放置し、シリコウエハー上のレジストパターンの形状を走査型電子顕微鏡で観察し、耐熱性を下記基準により評価した。
◎:130℃でパターン形状を維持できる。
○:125℃でパターン形状を維持できる。
×:125℃でパターン形状を維持できない。
〔実施例9〕
実施例1で得たノボラック型フェノール樹脂を用い、以下の方法でフォトレジスト組成物を調製した。
すなわち、ノボラック型フェノール樹脂20gと、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルフォニルクロライド5gとを、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)75gに溶解し、レジスト溶液を調合した。これを0.2ミクロンのメンブレンフィルターで濾過して、フォトレジスト組成物を得た。
〔実施例10〜16、比較例3、4〕
実施例9のノボラック型フェノール樹脂として、実施例1で得たノボラック型フェノール樹脂の代わりに、実施例2〜8及び比較例1、2で得たノボラック型フェノール樹脂を用いたこと以外は同様にして、フォトレジスト組成物を得た。
実施例1〜8及び比較例1、2のノボラック型フェノール樹脂、実施例9〜16及び比較例3、4のフォトレジスト組成物について、それぞれの分析及び評価結果を下記表1、表2に示した。
Figure 2014098104
Figure 2014098104
表1及び2から以下のことが分かる。
実施例1〜8の、アルデヒド成分(b)におけるアルコキシベンズアルデヒド類(b1)とホルムアルデヒド(b2)とのモル比(b1/b2)が特定の範囲内であるノボラック型フェノール樹脂を用いると、実施例9〜16から分かるとおり、より高い解像度、感度、残膜率、及び耐熱性をバランスよく有した改良されたフォトレジスト組成物を得ることができた。
特に実施例7で得られたノボラック型フェノール樹脂を用いて調製したフォトレジスト組成物については、解像度・残膜率・耐熱性のバランスが特に優れていた。
一方、アルデヒド成分(b)にモノヒドロキシ芳香族アルデヒドとしてサリチルアルデヒドを用いた比較例1、2では、得られるノボラック型フェノール樹脂を用いたフォトレジスト組成物は、比較例3、4から分かるとおり、残膜率や解像度が劣り、実用性に欠ける。
以上のとおりであり、本発明のノボラック型フェノール樹脂を使用したフォトレジスト組成物は、高集積半導体や液晶用の薄膜フィルムトランジスター(TFT)を製造する際のリソグラフィーの材料や半導体絶縁膜用の材料などに使用でき、半導体や液晶製品の歩留まりの向上および高集積化に極めて貢献できる。
本発明によって、それを用いたフォトレジスト組成物が、より高いレベルで高耐熱性、高感度、高残膜率及び高解像度をバランスよく有することができるノボラック型フェノール樹脂、該ノボラック型フェノール樹脂の製造方法、及び該ノボラック型フェノール樹脂を含むフォトレジスト組成物を提案することができる。
本発明のノボラック型フェノール樹脂を使用したフォトレジスト組成物は、より高いレベルで高解像度、高感度、高残膜率及び高耐熱性をバランスよく有するので、高精細なLCDの製造や半導体の製造において好適に使用することができる。

Claims (8)

  1. フェノール成分(a)と、アルデヒド成分(b)とを縮重合反応して得られるノボラック型フェノール樹脂であって、
    フェノール成分(a)が、m−クレゾール及び/又はp−クレゾールを主成分とし、
    アルデヒド成分(b)が、アルコキシベンズアルデヒド類(b1)及びホルムアルデヒド(b2)を主成分とする、
    ことを特徴とするノボラック型フェノール樹脂。
  2. アルデヒド成分(b)における、アルコキシベンズアルデヒド類(b1)とホルムアルデヒド(b2)とのモル比(b1/b2)が5/95〜50/50である、
    ことを特徴とする請求項1記載のノボラック型フェノール樹脂。
  3. 重量平均分子量が1000〜50000であることを特徴とする請求項1又は2記載のノボラック型フェノール樹脂。
  4. 請求項1〜3いずれか記載のノボラック型フェノール樹脂を含有することを特徴とするフォトレジスト組成物。
  5. フェノール成分(a)と、アルデヒド成分(b)とを縮重合反応して得られるノボラック型フェノール樹脂の製造方法であって、
    フェノール成分(a)が、m−クレゾール及び/又はp−クレゾールを主成分とし、
    アルデヒド成分(b)が、アルコキシベンズアルデヒド類(b1)及びホルムアルデヒド(b2)を主成分とする、
    ことを特徴とするノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
  6. アルデヒド成分(b)における、アルコキシベンズアルデヒド類(b1)とホルムアルデヒド(b2)とのモル比(b1/b2)が5/95〜50/50である、
    ことを特徴とする請求項5記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
  7. 得られるノボラック型フェノール樹脂の重量平均分子量が1000〜50000であることを特徴とする請求項5又は6記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
  8. 前記縮重合反応が、
    フェノール成分(a)と、アルコキシベンズアルデヒド類(b1)及びホルムアルデヒド(b2)のいずれか一方のアルデヒド成分(b)とを縮重合反応させる第1工程と、
    次いで、前記第1工程で得られた反応混合物と、アルコキシベンズアルデヒド類(b1)及びホルムアルデヒド(b2)のいずれか他方のアルデヒド成分(b)とを更に縮重合させる第2工程とを含んでなる、
    ことを特徴とする請求項5〜7いずれか記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
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