JP2013012413A - セラミックスヒータ - Google Patents

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Abstract

【課題】温度分布の制御精度の向上を図ることができるセラミックスヒータを提供する。
【解決手段】本発明のセラミックスヒータ1によれば、各発熱抵抗体Qk(k=1〜5)から発せられた熱を、セラミックス基板2から伝熱面としての接合界面Sj(j=1〜3)を通過させた上で、セラミックス支持部材4の低温箇所に流れ込ませることができる。セラミックス基板とセラミックス支持部材との接合界面Sjは、セラミックス基板2の載置面Sに対して垂直な軸線を取り囲むとともに、当該軸線に対して垂直な方向に離散的に配置されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体ウエハなどの被加熱物を加熱するセラミックスヒータに関する。
成膜又はエッチング等の処理の対象となる半導体ウエハ等の被加熱物が載置されるセラミックス基板が複数のゾーンに区分され、当該複数のゾーンのそれぞれに別個の発熱抵抗体が埋設されているマルチゾーンヒータが提案されている(特許文献1参照)。マルチゾーンヒータによれば、各発熱抵抗体による発熱量が独立に制御されるため、ゾーンごとに異なる態様での温度制御が可能である。
特許第3319593号公報
しかし、セラミックス基板及びこれを支持するシャフトが窒化アルミニウムなどの熱伝導率が高い素材からなる場合、複数の発熱抵抗体のそれぞれの発熱量が制御されたとしても、セラミックス基板において発生した熱は、最終的にシャフトを通過して伝熱するため、セラミック基板内の熱流は外周部から中心方向へ向かう。その結果、特に外周部を中心部に比べ低温にすることが困難であった。また、セラミック基板内の中心から外周部への熱流の向きを変えることが困難なため、セラミックス基板における温度分布の制御が困難になる場合がある。
そこで、本発明は、セラミックス基板内における温度勾配の形成を含む温度分布の制御精度の向上を図ることができるセラミックスヒータを提供することを目的とする。
本発明は、被加熱物が載置される載置面を有するセラミックス基板と、前記載置面に対して垂直な軸線を囲むとともに、当該軸線に対して垂直な方向について相互に間隔をおいて前記セラミックス基板に埋設され、電源から別個の端子を通じて電流が流されることによりジュール熱を発するように構成されている複数の発熱抵抗体と、前記セラミックス基板に対して接合されるセラミックス支持部材とを備えているセラミックスヒータに関する。
前記課題を解決するための本発明のセラミックスヒータは、前記セラミックス基板と前記セラミックス支持部材との接合界面が、前記軸線を囲むとともに、当該軸線に対して垂直な方向について離散的に配置されている複数の接合界面により構成されていることを特徴とする。
本発明のセラミックスヒータによれば、各発熱抵抗体から発せられた熱を、セラミックス基板から伝熱面としての接合界面を通過させた上で、セラミックス支持部材の低温箇所に流れ込ませることができる。セラミックス基板とセラミックス支持部材との「接合界面」は、セラミックス基板の載置面に対して垂直な軸線を取り囲むとともに、当該軸線に対して垂直な方向に離散的に配置されている。したがって、セラミックス基板における熱流の分布は各発熱抵抗体の発熱量と、複数の接合界面の配置態様とによって任意の形態で精度よく調節されうる。また、熱伝導率の高い素材でセラミックス基板及びセラミックス支持部材が構成された場合でも、所望の温度勾配が形成されうる。
「離散的」とは、一の接合界面と他の接合界面とが完全に離れていることを意味する。そのほか、「離散的」とは、一の接合界面と他の接合界面とが、一又は複数の接続部分を介して、前記軸線回りの周長のごく一部(例えば10%以下)にわたって接続されていることをも意味する。
例えば、軸線に近い内側の発熱抵抗体の発熱量が、軸線から遠い外側の発熱抵抗体の発熱量よりも少なくなるように制御されることにより、セラミックス基板において熱を外側から内側に流れさせることができる。そして、セラミックス基板から内側の接合界面を通過させてセラミックス支持部材に熱を流出させることができる。
その結果、セラミック基板から、外側の接合界面のみならず、内側の接合界面をも通じてセラミックス支持部材に熱が流出している状態で系を熱力学的に安定させることができる。そして、セラミックス基板において、内側領域の温度が外側領域の温度よりも低温になるように制御されうる。
一方、軸線に近い内側の発熱抵抗体の発熱量が、軸線から遠い外側の発熱抵抗体の発熱量よりも多くなるように制御されることにより、セラミックス基板において熱を内側から外側に流れさせることができる。そして、セラミックス基板から軸線から遠い外側の接合界面を通過させてセラミックス支持部材に熱を流出させることができる。
その結果、セラミック基板から、内側の接合界面のみならず、外側の接合界面をも通じてセラミックス支持部材に熱が流出している状態で系を熱力学的に安定させることができる。そして、セラミックス基板において、軸線から遠い外側領域の温度が、軸線に近い内側領域の温度よりも低温になるように制御されうる。
前記複数の発熱抵抗体のそれぞれと、前記複数の接合界面のそれぞれとが、前記載置面に対して垂直な方向について少なくとも部分的に重なるように配置されていることが好ましい。
前記複数の発熱抵抗体のそれぞれは、前記軸線上の点を中心とする同心円状に配置されている円弧状の発熱抵抗体により構成され、前記複数の接合界面のそれぞれは、前記軸線上の点を中心とする円環状の接合界面又は環状に配置されている複数の接合界面を構成要素とする接合界面群により構成されていることが好ましい。
前記複数の接合界面の間に閉空間が存在する場合、前記閉空間を真空ポンプ又は大気に連通させる連通経路が、前記セラミックス支持部材に形成されていることが好ましい。
本発明の第1実施形態としてのセラミックスヒータの構成説明図。 本発明の第2実施形態としてのセラミックスヒータの構成説明図。 本発明の第3実施形態としてのセラミックスヒータの構成説明図。 本発明の第4実施形態としてのセラミックスヒータの構成説明図。 発熱抵抗体及び接合界面の第1配置形態に関する説明図。 発熱抵抗体及び接合界面の第2配置形態に関する説明図。 発熱抵抗体及び接合界面の第3配置形態に関する説明図。 セラミックス基板の載置面における温度分布に関する説明図。
(セラミックスヒータの構成(第1実施形態))
図1に示されている本発明の第1実施形態としてのセラミックスヒータは、半導体ウエハ等の被加熱物Wが載置される載置面Sを有するセラミックス基板2と、セラミックス基板2に埋設されている5つの独立した発熱抵抗体Q1〜Q5と、基板2の下側に接合されているセラミックス支持部材4とを備えている。
セラミックスヒータは、さまざまな半導体製造プロセスにおいて使用される半導体製造装置(例えば、成膜装置、エッチング装置、検査装置)のためのセラミックス製品として適用される。
セラミックス基板2は、半径R(例えばR=170[mm])の略円板状のセラミックス焼結体により構成されている。セラミックス基板2は、例えば使用温度におけるその体積抵抗率が10E+08Ω・cm以上になるように、窒化アルニウム(AlN)、アルミナ(Al)、窒化ケイ素(Si)、窒化ホウ素(BN)、イットリア(Y)、炭化珪素(SiC)又は石英を主成分として含み、焼結助剤などを副成分として含んでいる。
原料粉末のプレス成形体に発熱抵抗体Q1〜Q5が設置され、その上にさらに原料粉末が載置されたものがプレス成形されることによって得られたセラミックス成形体が、ホットプレスによって焼成され、表面研磨等の加工が適宜施されることにより、発熱抵抗体Q1〜Q5が埋設されているセラミックス基板2が製造された。
5つの発熱抵抗体Q1〜Q5は、モリブデン(Mo)又はタングステン(W)等の耐熱金属により形成されている。発熱抵抗体Qkは、電気的に短絡しないように少なくとも一箇所で分断された略円環状の部分を有するように形成されている。図5に示されているように、5つの発熱抵抗体Q1〜Q5は、セラミックス基板2の中心軸線(図1破線参照)上の点を中心とする同心円状に配置されている。
第1発熱抵抗体Q1の内径は0.12Rであり、外径は0.24Rである。第2発熱抵抗体Q2の内径は0.26Rであり、外径は0.38Rである。第3発熱抵抗体Q3の内径は0.40Rであり、外径は0.52Rである。第4発熱抵抗体Q4の内径は0.54Rであり、外径は0.78Rである。第5発熱抵抗体Q5の内径は0.80Rであり、外径は0.92Rである。
セラミックス基板2には、その下面中央部に接続端子(図示略)が埋設されている。発熱抵抗体Q1〜Q5のそれぞれは、セラミックス基板2に埋設されている電流供給部材(図示略)によって一対の接続端子に接続されている。各接続端子には、セラミックス支持部材4を構成するシャフト42が有する中空部(図示略)を通って配線されている給電線が接続されている。給電線は電源(図示略)に接続されている。
コンピュータにより構成されている制御装置(図示略)により、電源から発熱抵抗体Q1〜Q5のそれぞれに対する供給電力が制御される。これにより、発熱抵抗体Q1〜Q5のそれぞれの発熱量、さらには発熱抵抗体Q1〜Q5により画定される5つのゾーンのそれぞれにおけるセラミックス基板2の載置面Sの温度分布が制御される。
電流供給部材と接続端子とはろう付け又は溶接されている。電流供給部材はモリブデン(Mo)又はタングステン(W)などからなる。接続端子は、箔、板、塊状のニッケル(Ni)、コバール(登録商標)(Fe−Ni−Co)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、又はモリブデン(Mo)及びタングステン(W)を主成分とする耐熱合金などの耐熱金属から構成される。
セラミックス支持部材4は、略円板状のフランジ41と、略円筒状のシャフト42とを備えている。セラミックス支持部材4は、セラミックス基板2と同一のセラミックスを原料とする焼結体により構成されていてもよい。セラミックス基板2とセラミックス支持部材4との断熱性を高めるため、セラミックス支持部材4がセラミックス基板2の素材より熱伝導率の低い素材から形成されていてもよい。
フランジ41の上面には、略円環状の溝U1及びU2が形成されている。当該溝U1及びU2は、例えばセラミックス基板2に接合される前において、焼結体であるフランジ41の上面に機械加工が施されることによって形成される。なお、フランジ41に接合される前において、焼結体であるセラミックス基板2の下面が機械加工されることにより、当該溝U1及びU2に加えて又は代えて、閉空間を形成する溝が形成されてもよい。
第1溝U1の内径は0.26Rであり、外径は0.38Rである。第2溝U2の内径は0.54Rであり、外径は0.78Rである。このため、図5に示されているように、載置面Sに垂直な軸線方向について第1溝U1は第2発熱抵抗体Q2に重なり、第2溝U2は第4発熱抵抗体Q4に重なる。
図1に示されているようにフランジ41の上端面がセラミックス基板2の下端面に接合されることにより、溝U1及びU2は同心円状に配置されている略円環状の閉空間を形成する。セラミックス基板2の下端面とセラミックス支持部材4の上端面とが、拡散接合又はセラミックス若しくはガラス等の接合材による固層接合によって接合されている。これにより、図5に斜線で示されているように、径方向に内側から順に離散的に配置されている略円環状の第1接合界面S1、第2接合界面S2及び第3接合界面S3が形成されている。接合界面Sj(j=1,2,3)が形成されることを要件として、フランジ41そのものの形状は矩形状など、任意の形状に変更されてもよい。
第1接合界面S1の内径は0.12Rであり、外径は0.26Rである。第2接合界面S2の内径は0.38Rであり、外径は0.52Rである。第3接合界面S3の内径は0.78Rであり、外径は0.92Rである。
図5に示されているように、第1発熱抵抗体Q1の全部が、第1接合界面S1に対して軸線方向(載置面Sに対して垂直な方向)について重なっている。第3発熱抵抗体Q3の全部が、第2接合界面S2に対して軸線方向について重なっている。第5発熱抵抗体Q5の全部が、第3接合界面S3に対して軸線方向について重なっている。
シャフト42は、フランジ41と一体的に形成され、又は、その上端がフランジ41の下面に拡散接合又は固層接合によって接合されている。シャフト42は、給電線等を通すための中空部を有していれば、楕円筒状又は多角形筒状等の任意の形状に変更されてもよい。
シャフト42の下端部は、フランジなどを介して真空チャンバーに接続されており、シャフト42の中空部が真空チャンバーの内部と同じ雰囲気となるように構成されている。
なお、フランジ41の上面に代えて又は加えて、セラミックス基板2の下面に溝が形成され、フランジ41の上面がセラミックス基板2の下面に接合されることにより、当該溝によって接合界面Sjが形成されてもよい。
(実験結果)
図1及び図5に示されている構成の第1実施形態のセラミックスヒータについて、表1に示されている3つのパターンにしたがって、各発熱抵抗体Qk(k=1〜5)の発熱量が調節されるように、各発熱抵抗体Qkの印加電圧及び電流が制御された。
セラミックス基板2は、窒化アルミニウムを主原料とし、焼結助剤である酸化イットリウムを副原料とする原料から作成された。セラミックス支持部材4は、窒化アルミニウムを原料とし、焼結助剤を含まない原料により作成された。発熱抵抗体Q1〜Q5はモリブデンにより構成されている。
Figure 2013012413
第1の発熱パターンによれば、最も内側にある第1発熱抵抗体Q1の発熱量が0とされ、その外側にある4つの発熱抵抗体Q2〜Q5のそれぞれの発熱量が、外側であるほど多くなるように調節された。第2の発熱パターンによれば、外側にある2つの発熱抵抗体Q4及びQ5の発熱量が0とされ、その内側にある3つの発熱抵抗体Q1〜Q3のそれぞれの発熱量が、外側であるほど多くなるように調節された。第3の発熱パターンによれば、外側にある3つの発熱抵抗体Q3〜Q5の発熱量が0とされ、その内側にある2つの発熱抵抗体Q1及びQ2のそれぞれの発熱量が、内側であるほど多くなるように調節された。
第1〜第3の発熱パターンのそれぞれにおけるセラミックス基板2の径方向の温度分布態様の測定結果が図8(a)〜図8(c)のそれぞれに実線で示されている。横軸はセラミックス基板2の径Rに対する、セラミックス基板2の中心からの距離rの比(r/R)であり、縦軸はサーモグラフィを用いて測定されたセラミックス基板2の載置面の温度Tを表わしている。
発熱パターン1によれば、セラミックス基板2の中心位置から縁に向かって約10[℃]だけ高くなるような温度勾配が形成されている。発熱パターン2によれば、セラミックス基板2の中心位置から縁に向かって約45[℃]だけ低くなるような温度勾配が形成されている。発熱パターン3によれば、セラミックス基板2の中心位置から縁に向かって約90[℃]だけ低くなるような温度勾配が形成されている。
また、空隙が形成されていない以外は第1実施形態のセラミックスヒータと同様に構成されている比較例のマルチゾーンヒータにおいて、発熱パターン1〜3にしたがって発熱抵抗体の発熱量が調節された場合における、セラミックス基板2の径方向の温度分布態様の測定結果が図8(a)〜図8(c)のそれぞれに破線で示されている。
図8(a)〜図8(c)のそれぞれから、閉空間が形成されている実施例のセラミックスヒータは、閉空間が形成されていない比較例のセラミックスヒータと比較して、セラミックス基板2の径方向の温度勾配を大きくすることができることがわかる。
(本発明のセラミックスヒータの作用効果)
本発明のセラミックスヒータによれば、各発熱抵抗体Qk(k=1〜5)から発せられた熱を、セラミックス基板2から伝熱面としての接合界面Sj(j=1〜3)を通過させた上で、セラミックス支持部材4の低温箇所に流れ込ませることができる(図1黒矢印参照)。セラミックス基板とセラミックス支持部材との接合界面Sjは、セラミックス基板2の載置面Sに対して垂直な軸線(図1破線参照)を取り囲むとともに、当該軸線に対して垂直な方向に離散的に配置されている(図1及び図5参照)。
したがって、セラミックス基板2における熱流の分布は各発熱抵抗体Qkの発熱量と、複数の接合界面Sjの配置態様とによって任意の形態で精度よく調節されうる。また、熱伝導率の高い素材でセラミックス基板2及びセラミックス支持部材4が構成された場合でも、所望の温度勾配が形成されうる。
例えば、軸線に近い内側の発熱抵抗体の発熱量が、軸線から遠い外側の発熱抵抗体の発熱量よりも少なくなるように制御されることにより、セラミックス基板2において熱を外側から内側に流れさせることができる。そして、セラミックス基板2から内側の接合界面を通過させてセラミックス支持部材4に熱を流出させることができる。
その結果、セラミック基板2から、外側の接合界面のみならず、内側の接合界面をも通じてセラミックス支持部材4に熱が流出している状態で系を熱力学的に安定させることができる。そして、セラミックス基板2において、内側領域の温度が外側領域の温度よりも低温になるように制御されうる(図8(a)参照)。
一方、軸線に近い内側の発熱抵抗体の発熱量が、軸線から遠い外側の発熱抵抗体の発熱量よりも多くなるように制御されることにより、セラミックス基板2において熱を内側から外側に流れさせることができる。そして、セラミックス基板2から外側の接合界面を通過させてセラミックス支持部材4に熱を流出させることができる。
その結果、セラミック基板2から、内側の接合界面のみならず、外側の接合界面をも通じてセラミックス支持部材4に熱が流出している状態で系を熱力学的に安定させることができる。そして、セラミックス基板2において、軸線から遠い外側領域の温度が、軸線に近い内側領域の温度よりも低温になるように制御されうる(図8(b)(c)参照)。
(セラミックスヒータの構成(第2実施形態))
図2に示されている本発明の第2実施形態としてのセラミックスヒータでは、第1発熱抵抗体Q1及び第2発熱抵抗体Q2が、セラミックス基板2に埋設されている。発熱抵抗体Q1及びQ2は、一箇所で分断された略円環状の部分を有するように形成されている。発熱抵抗体Q1及びQ2は、略円板状のセラミックス基板2の中心軸線上の点を中心として、同心円状に配置されている。第1発熱抵抗体Q1の内径は0.05Rであり、外径は0.2Rである。第2発熱抵抗体Q2の内径は0.85Rであり、外径は0.95Rである。
フランジ41の上面には略円環状の溝Uが形成されている。溝Uの内径は0.25Rであり、外径は0.8Rである。図2に示されているようにフランジ41の上端面がセラミックス基板2の下端面に接合されることにより、溝Uは略円環状の閉空間を形成する。
同心円状の2つの略円環状の接合界面S1及びS2を介してセラミックス基板2及びセラミックス支持部材4が接合されている。第1接合界面S1の内径は0.1Rであり、外径は0.22Rである。第2接合界面S2の内径は0.83Rであり、外径は0.92Rである。このため、軸線方向について、第1接合界面S1の全部と第1発熱抵抗体Q1の一部とが重なっており、第2接合界面S2の全部と第2発熱抵抗体Q2の全部とが重なっている。
第2実施形態のセラミックスヒータによれば、セラミックス基板2から第1接合界面S1及び第2接合界面S2のそれぞれを経由してセラミックス支持部材4に流出する熱量は、第1接合界面S1の直上にある第1発熱抵抗体Q1と、第2接合界面S2の直上にある第2発熱抵抗体Q2により容易に制御されうる。
(セラミックスヒータの構成(第3実施形態))
図3に示されている本発明の第3実施形態としてのセラミックスヒータでは、フランジ41が略円板状ではなく略円錐台状に形成されている。また、フランジ41の上面(円錐台の下底)に略円環状の溝Uが径方向外側から内側に向かって徐々に深くなるように形成されている。そのほかの構成は、第2実施形態のセラミックスヒータと同様である。
第3実施形態のセラミックスヒータによれば、セラミックス支持部材4における第1接合界面S1及び第2接合界面S2のそれぞれからの熱流経路の合流箇所と、第1接合界面S1及び第2接合界面S2のそれぞれとの距離の延長が図られている。これにより、第1発熱抵抗体Q1の発熱量が第2発熱抵抗体Q2の発熱量よりも多くなるように制御された場合、セラミックス基板2において内側領域から外側領域に流れる熱流の増大、さらには温度勾配の増大が図られる。
(セラミックスヒータの構成(第4実施形態))
図4に示されている本発明の第4実施形態としてのセラミックスヒータでは、フランジ41が円錐台と、その下底の外縁から下方(図4では上方)に突出した円筒とが組み合わせられた形状に形成されている。また、略円板状のセラミックス基板2の側面と、フランジ41の当該円筒部分の内側面とが全周にわたって接合され又は少なくとも周方向の一部において接合されることにより、第2接合界面S2が形成されている。そのほかの構成は、第3実施形態のセラミックスヒータと同様である。
第4実施形態のセラミックスヒータによれば、第1発熱抵抗体Q1の発熱量が第2発熱抵抗体Q2の発熱量よりも多くなるように制御された場合、セラミックス基板2において内側領域から外側領域に流れる熱流のさらなる増大、さらには温度勾配のさらなる増大が図られる。
(本発明の他の実施形態)
第j接合界面Sjが、軸線回りに放射状又は回転対称性をもって配置された複数の接合界面Sjh(h=1,2,‥)により構成される接合界面群であってもよい。第j接合界面群Sjの構成要素である各接合界面Sjhの形状は、円形、楕円形、矩形、多角形又は扇形など任意の形状が採用されてもよい。各接合界面Sjhの形状は統一されてもよく、相互に異なっていてもよい。
例えば、図6に示されているように、第1実施形態のセラミックスヒータにおける接合界面Sj(j=1〜3)が、図6に示されているように、4つの扇形状の接合界面(斜線部分参照)を構成要素とする第j接合界面群Sjにより構成されてもよい。第j接合界面群は、セラミックス基板2の中心軸線回りに4回対称を有するように配置されている。第j接合界面群の各構成要素の形状及び配置態様は、扇形の内側円弧及び外側円弧のそれぞれの中心からの距離と、扇形の直線部分の位置を表わす角度(位相)とを成分とする極座標値によって表現される。
第1接合界面群S1の各構成要素の形状及び配置態様は、極座標値の距離座標値「0.26R」及び「0.38R」の組み合わせに加え、角度座標値「δ11」及び「δ11+δ1212は扇形の両端の位相差を表わす。)」の組み合わせ、「δ11+π/2」及び「δ11+π/2+δ12」の組み合わせ、「δ11+π」及び「δ11+π+δ12」の組み合わせ及び「δ11+3π/2」及び「δ11+3π/2+δ12」の組み合わせのそれぞれにより表現される。
第2接合界面群S2の各構成要素の形状及び配置態様は、極座標値の距離座標値「0.54R」及び「0.78R」の組み合わせに加え、角度座標値「δ21」及び「δ21+δ2222は扇形の両端の位相差を表わす。)」の組み合わせ、「δ21+π/2」及び「δ21+π/2+δ22」の組み合わせ、「δ21+π」及び「δ21+π+δ22」の組み合わせ及び「δ21+3π/2」及び「δ21+3π/2+δ22」の組み合わせのそれぞれにより表現される。
図6の例では「δ11」及び「δ21」が等しいが、「δ11」及び「δ21」が相互に異なっていてもよい。図6の例では「δ12」及び「δ22」が等しいが、「δ12」及び「δ22」が相互に異なっていてもよい。内側閉空間の回転対称性と、外側閉空間の対称性とが異なっていてもよい。
径方向について隣り合う接合界面が、径方向に延びる接続部分を介して、ごく一部(例えば内側円弧又は外側円弧の長さの10%以下の範囲)において接続されていてもよい。接続部分の形状、個数及び配置態様はさまざまに変更されうる。
例えば、図7に示されているように、第1実施形態のセラミックスヒータにおける第1接合界面S1及び第2接続界面S2が4つの接続部分S01により接続され、第2接合界面S2及び第3接続界面S3が4つの接続部分S02により接続されてもよい。接続部分S01及びS02は、中心角度は0.05π[rad]以下の略扇形状に形成されている。4つの接続部分S01を構成要素とする群と、4つの接続部分S02を構成要素とする群とは、軸線回りに4回対称を有するように配置されている。各群の位相はずれていてもよい。
発熱抵抗体の個数は前記実施形態の個数(2又は5)に限定されず任意の複数に変更されうる。各発熱抵抗体の形状は円環状(図5参照)に限定されず、楕円環状、多角形環状、楕円形状又は多角形状等、さまざまな形状が採用されうる。複数の発熱抵抗体が相似する楕円環状等の環状に形成され、中心又は重心が共通するように配置されてもよい。
ある発熱抵抗体の一部が、ある接合界面の一部又は全部に重なる等の別の形態で、発熱抵抗体及び接合界面が軸線方向について少なくとも部分的に重なっていてもよい。例えば、第1実施形態のセラミックスヒータについて、第1接合界面S1の内径が0.14Rに変更されることにより、第1発熱抵抗体Q1の一部と、第1接合界面S1の一部とが重なっていてもよい(図5参照)。
また、発熱抵抗体と接合界面との重なりが皆無であってもよい。例えば、第1実施形態のセラミックスヒータにおいて、第1発熱抵抗体Q1、第3発熱抵抗体Q3及び第5発熱抵抗体Q5が省略されてもよい(図5参照)。
セラミックス基板2及びセラミックス支持部材4の接合によって形成される閉空間(図1〜図4参照)を真空ポンプ又は大気に連通させる連通経路が、セラミックス支持部材4に形成されていてもよい。
当該構成のセラミックスヒータ1によれば、連通経路を通じて閉空間の気圧又は閉空間に充填されるガスの種類が調節されうる。これにより、閉空間の熱伝導特性が調節される。このため、セラミックス基板2の載置面Sにおける温度分布態様の変更幅をもたせることができる。
2‥セラミックス基板、4‥セラミックス支持部材、Qk‥発熱抵抗体、Sj‥接合界面。

Claims (4)

  1. 被加熱物が載置される載置面を有するセラミックス基板と、
    前記載置面に対して垂直な軸線を囲むとともに、当該軸線に対して垂直な方向について相互に間隔をおいて前記セラミックス基板に埋設され、電源から別個の端子を通じて電流が流されることによりジュール熱を発するように構成されている複数の発熱抵抗体と、
    前記セラミックス基板に対して接合されるセラミックス支持部材とを備えているセラミックスヒータであって、
    前記セラミックス基板と前記セラミックス支持部材との接合界面が、前記軸線を囲むとともに、当該軸線に対して垂直な方向について離散的に配置されている複数の接合界面により構成されていることを特徴とするセラミックスヒータ。
  2. 請求項1記載のセラミックスヒータにおいて、
    前記複数の発熱抵抗体のそれぞれと、前記複数の接合界面のそれぞれとが、前記載置面に対して垂直な方向について少なくとも部分的に重なるように配置されていることを特徴とするセラミックスヒータ。
  3. 請求項1又は2記載のセラミックスヒータにおいて、
    前記複数の発熱抵抗体のそれぞれは、前記軸線上の点を中心とする同心円状に配置されている円弧状の発熱抵抗体により構成され、
    前記複数の接合界面のそれぞれは、前記軸線上の点を中心とする円環状の接合界面又は環状に配置されている複数の接合界面を構成要素とする接合界面群により構成されていることを特徴とするセラミックスヒータ。
  4. 請求項1〜3のうちいずれか1つに記載のセラミックスヒータにおいて、
    前記複数の接合界面の間に閉空間が存在する場合、前記閉空間を真空ポンプ又は大気に連通させる連通経路が、前記セラミックス支持部材に形成されていることを特徴とするセラミックスヒータ。
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