JP2012524126A - 固形腫瘍の治療方法 - Google Patents

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Abstract

本願発明は、血液悪性腫瘍および炎症性疾患の治療のための新規の治療方針に関する方法を提供する。 具体的には、本願発明の方法は、式I:
【化1】

で示される化合物、または、薬学的に許容可能なその塩、あるいは、薬学的に許容可能な少なくとも一つの賦形剤と混合をした当該化合物を含んでいる医薬組成物を投与することを含む。
【選択図】 なし

Description

本願は、2009年4月20日に特許出願された米国仮特許出願第61/171,047号の利益を享受するものである。 これら出願書類の内容は、本明細書の一部を構成するものとして援用する。
本願発明は、治療学および医薬品化学の分野に関係している。 具体的には、本願発明は、ある種のキナゾリノン誘導体の投与を含んでいる、ある種の固形腫瘍を治療する方法に関する。
3’-リン酸化ホスホイノシチドを介した細胞シグナリングは、様々な細胞過程、例えば、悪性転換、成長因子シグナル、炎症、および、免疫などと関係をしている。 これらリン酸化シグナリング産物の生成に関与している酵素であるホスファチジルイノシトール3-キナーゼ(PI3-キナーゼ;PI3K)は、もともとは、イノシトール環の3’-水酸基で、ホスファチジルイノシトール(PI)とそのリン酸化誘導体をリン酸化するウィルス癌タンパクや成長因子受容体チロシンキナーゼなどに関係する活性として同定された。
PI3-キナーゼの活性化は、細胞成長、細胞分化、および、アポトーシスなどを含む様々な細胞応答に関係しているものと考えられている。 図1は、(p110およびp85として示した)PI3Kが、固形腫瘍の活性化に関与している幾つかの細胞経路を示している。
PI3-キナーゼを初めて精製および分子クローニングしたところ、このものが、p85およびp110サブユニットからなるヘテロダイマーであることが明らかになった。 PI3Kα、β、δ、および、γと命名された四つのクラスIのPI3Kが同定され、それらの各々は、異なるp110触媒サブユニットと調節サブユニットから構成されている。 具体的には、同じ調節サブユニットに対して相互作用をする三つの触媒サブユニット、すなわち、p110α、p110β、およびp11Oδ、それに、別の調節サブユニットであるp101に対してp11Oγが相互作用をするp85である。 ヒトの細胞および組織でのこれらPI3Kの各々の発現パターンも相違している。
PI3-キナーゼのp110δアイソフォームの同定に関する記載が、Chantry et al., J. Biol. Chem., 272:19236-41 (1997)にされている。 ヒトp110δアイソフォームが、組織特異的に発現することが知られている。 リンパ球やリンパ系組織において高レベルで発現をしていることは、このタンパク質が、免疫系において、PI3-キナーゼ媒介シグナリングに関与していることを示唆するものである。 PI3Kのp110βアイソフォームは、ある種の癌のPI3K媒介シグナリングにも関与しているかもしれない。 図2は、幾種類かの癌細胞株でのp110のこれらアイソフォームの相対量を示している。 幾つかの固形腫瘍では、p110αが認められないか、認められても僅かなものでしかなく、また、多くの固形腫瘍で認められたp110δは低レベルのものでしかなかったが、試験に供したすべての固形腫瘍にあっては、高レベルのp110βを示した。
癌、炎症性疾患、および、自己免疫疾患に関係するPI3K媒介疾患を治療する必要がある。 キナゾリノンは、p110δの阻害剤として顕著な活性を示すこともあり、一般的に、キナゾリノン化合物は、主として、比較的高レベルのp110δを発現する血液癌を治療する上で有用であることが知られている。 固形腫瘍を治療するために用いるその他のPI3K阻害剤は開発中であるが、それらは、p110の幾つかのアイソフォームに対する非選択性阻害剤であるか、あるいは、主に、p110αの阻害剤になるものと考えられる。 例えば、エクセリクシス社のXL-147は、p110αおよびp110δおよびp110γを、同様のIC-50でもってして阻害し、また、p110βに関しては10倍も低い活性を有しており、そして、BEZ235は、mTORとしても機能をする汎PI3K阻害剤として知られており、さらに、GDC-0941は、p110α阻害剤として知られている。 p110αは、例えば、グルコースやインスリンのレベルの調節に関与しているので、選択性に乏しく、あるいは、高レベルのp110αを有する阻害剤は、関係のない活性を具備するであろうと考えることができる。 本願発明は、固形腫瘍の治療において特に有用なキナゾリノン化合物の特異的な異性体を提供する。 この化合物は、PI3Kのその他のアイソフォームよりもp110δに関しては大きな活性を示し、また、固形腫瘍の治療に関係するこの化合物の性質は、p110βの阻害剤としての比較的に大きな活性と高レベルの経口バイオアベイラビリティとの組み合わせに起因するものと考えられ、そして、この化合物は、p110αに対しては、比較的に低レベルの機能活性を示す。
本願発明は、式Iで示される化合物を用いて、ある種の固形腫瘍を治療するための新規の方法を提供する。 ある実施態様において、本願発明は、式I:
で示される光学活性化合物、または、薬学的に許容可能なその塩を、患者に投与することを含む、当該患者の腫瘍を治療するための方法を提供する。 この光学活性化合物とは、主に、本明細書に記載されたS-異性体であるが、多少のR-エナンチオマーを微量成分として含むことができる。 好ましくは、本願発明の方法で用いた化合物は、以下に詳述するように、主に、S-異性体から構成されている。
本願発明の方法は、この化合物を、様々な経路で送達することを含んでいるが、好ましくは、この化合物は、経口的に投与される。
患者として、いかなる哺乳動物でも対象とすることができるが、好ましい実施態様では、患者として、ヒトが対象となる。
理論にとらわれることなく、この化合物の抗腫瘍活性は、p110δまたはp110αの阻害というよりか、この化合物によるp110βの阻害に起因していると考えられる。 p110δをほとんど発現しない多様な癌細胞において活性が認められ、また、幾つかの癌細胞株は、相当量のp110αを発現していなかったが、試験に供したすべての癌細胞株は、p110βを発現していた。
さらに、化合物Iは、これらキナーゼの機能活性を測定するために設計された細胞形質転換システムにおいて、p110αに関して比較的に低い機能活性を示したが、このアッセイにあっては、p110βとp110δの双方に対する強力な阻害剤である。 実施例1を参照されたい。 このニワトリ胚線維芽細胞(CEF)形質転換システムは、PI3Kシグナル伝達経路の機能活性を評価するための有用な手法であると報告がされている。 Denley, et al., "Oncogenic signaling of class I PI3K isoforms," Oncogene, vol.27(18), 2561-74 (2008)。 このアッセイでのCEF細胞の形質転換は、機能性キナーゼの活性に依存している。 Kang, et al., Proc. Nat'l Acad. Sci. USA, vol. 103(5), 1289-94 (2006)。 その他の機能細胞に基づいたアッセイでも、化合物Iは、p110δとp110βに関して最大の活性を示したが、p110αに対しては比較的に小さな活性しか示さない。
図4に示したように、10μMの化合物Iは、二つの癌細胞株、すなわち、T47D(乳癌)およびOVCAR-3(卵巣癌)において、PI3Kを活性化する下流側伝達物質(図1を参照されたい)であるAktのリン酸化反応を阻害している。 また、T47Dが、p110αの活性化を招く変異を有しており、そして、この細胞株に対する化合物Iの効果が顕著に妨げられないことは重要であり、これらのことは、この化合物の抗腫瘍活性が、p110αよりもむしろ、その他のアイソフォームに関する効果と関係している、ことをさらに示唆するものである。 このことは、固形腫瘍の治療の研究において、化合物Iとその他の公知のPI3K阻害剤とを識別可能にするものであって、それら公知のPI3K阻害剤は、p110αアイソフォーム、または、p110αとその他のアイソフォームとの組み合わせ、ひいては、すべてのPI3KとmTORとの組み合わせに対して主に作用するものと考えられている。
化合物Iは、ある種の癌を治療する上で有用である。 ある実施態様において、この癌は、非造血性癌である。 ある実施態様において、この癌は、膵臓癌、膀胱癌、結腸直腸癌、乳癌、前立腺癌、腎臓癌、肝細胞癌、肺癌、卵巣癌、子宮頸癌、胃癌、食道癌、頭頸部癌、黒色腫、神経内分泌癌、中枢神経系癌、脳腫瘍、骨肉腫、および、軟部組織肉腫からなるグループから選択される固形腫瘍である。 ある実施態様において、その癌は、肺癌(非小細胞肺癌、小細胞肺癌)、結腸癌、中枢神経系癌、黒色腫、卵巣癌、腎臓癌、前立腺癌、または、乳癌である。
ある実施態様において、本願発明の方法は、これらの癌のいずれかに罹患した患者に対して、有効量の化合物I、または、薬学的に許容可能な化合物Iの塩を投与することを含む。 好ましい実施態様において、化合物Iは、経口的に投与される。 この化合物は、それ単独で投与することができ、あるいは、少なくとも一つの薬学的に許容可能な賦形剤と共に混合された化合物Iを含む医薬組成物の形態で投与することもできる。
ある特定の実施態様において、この癌は、乳癌、肺癌、前立腺癌、腎臓癌、または、卵巣癌である。 ある特定の実施態様において、本願発明の方法は、式Iで示される化合物に加えて、癌を治療するために選択された少なくとも一つの治療有効量のその他の治療薬を投与し、および/または、その他の治療手段を施す、ことをさらに含む。
したがって、本願発明は、式Iで示される光学活性化合物、あるいは、薬学的に許容可能なその塩、または、式Iで示される光学活性化合物、あるいは、薬学的に許容可能なその塩を含む医薬組成物を患者に投与する工程を含む、患者の固形腫瘍を治療する方法を提供するものであって、式Iで示される光学活性化合物またはその塩の量は、固形腫瘍を治療する上で有効な量である。
ある特定の実施態様において、固形腫瘍は、膵臓癌、膀胱癌、結腸直腸癌、乳癌、前立腺癌、腎臓癌、肝細胞癌、肺癌、卵巣癌、子宮頸癌、胃癌、食道癌、頭頸部癌、黒色腫、神経内分泌癌、中枢神経系癌、脳腫瘍、骨肉腫、および、軟部組織肉腫からなるグループから選択される。 ある実施態様において、この固形腫瘍は、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、結腸癌、中枢神経系癌、黒色腫、卵巣癌、腎臓癌、前立腺癌、および、乳癌から選択される。
本願発明の方法のために、化合物Iは、光学活性のものである。 好ましくは、S-エナンチオマーが、少なくとも約9:1の比率で、R-エナンチオマーよりも過剰に存在する。 ある特定の実施態様において、S-エナンチオマーが、少なくとも約19:1の比率で、R-エナンチオマーよりも過剰に存在する。
好ましい実施態様において、化合物Iは、経口的に投与される。 一般的には、化合物Iは、固形剤型で投与され、また、通常は、薬学的に許容可能な希釈剤または賦形剤と共に混合される。
本願発明の方法は、様々なタイプの腫瘍の治療に利用することができる。 ある実施態様において、この癌は、卵巣癌、腎臓癌、乳癌、肺癌、結腸癌、または、前立腺癌である。
患者は、哺乳動物であり、そして、一般的には、ヒトである。 ある実施態様において、患者は、化学療法治療を施しても効果がなく、あるいは、化学療法を用いた治療を施した後に再発をしている。 また、本願発明の方法は、患者のp110βの活性レベルを低下させる上でも有用である。
式Iで示される化合物は、20〜500mg/日の用量で投与することができる。 ある実施態様において、式Iで示される化合物は、毎日、少なくとも2回の投与がされる。 ある特定の実施態様において、式Iで示される化合物は、50〜250mg/日の用量で投与される。 ある実施態様において、式Iで示される化合物は、50〜150mgの用量で、1日に2回、投与される。
ある実施態様において、化合物Iの用量は、投与から12時間の間、化合物Iの血中濃度が、40〜10,000ng/mlの範囲になるように選択される。 ある実施態様において、用量を定めることで、治療をした患者での化合物Iの血中濃度は、約100ng/ml〜6,000ng/mlの範囲に収まることとなる。 ある実施態様において、化合物IのCmax(ピーク血漿濃度)が、1,000ng/ml〜8,000ng/mlの範囲に収まる用量が定められる。
化合物Iは、経口投与、経皮投与、あるいは、注射または吸入によって投与することができる。 ある実施態様において、化合物Iは、経口的に投与される。
他の実施態様において、本願発明は、その他の治療薬やその他の癌療法を用いた治療を受けている最中の患者に対して化合物Iを投与することを含む、癌を治療するための併用療法を提供する。
ある実施態様において、化合物Iと共に使用されるその他の治療薬は、ドセタキセル、ミトキサントロン、プレドニゾン、エストラムスチン、アントラサイクリン、(ドキソルビシン(アドリアマイシン)、エピルビシン(エレンス)、および、リポソームドキソルビシン(ドキシル))、タキサン(ドセタキセル(タキソテール)、パクリタキセル(タキソール)、および、タンパク質結合パクリタキセル(アブラキサン))、シクロホスファミド(シトキサン)、カペシタビン(ゼローダ)、および、5-フルオロウラシル(5 FU)、ゲムシタビン (ジェムザール)、メトトレキセート、ビノレルビン(ナベルビン)、エルロチニブなどのEGFR阻害剤、トラスツズマブ、ハーセプチン、アバスチン、プラチン(シスプラチン、カルボプラチン)、テモゾロマイド、インターフェロンα、および、IL-2からなるグループから選択される。 ある実施態様において、その他の治療薬は、EGFR阻害剤、mTOR阻害剤、プラチン、および、タキサンからなるグループから選択される。
ある実施態様において、化合物Iと共に使用される治療手段は、末梢血幹細胞移植、自家造血幹細胞移植、自家骨髄移植、抗体療法、生物療法、酵素阻害剤療法、全身照射法、幹細胞の注入、幹細胞サポートを用いる骨髄除去、in vitroで処置をした末梢血幹細胞移植、臍帯血移植、免疫酵素法、免疫組織化学染色法、薬理学的研究、低LETコバルト60γ線療法、ブレオマイシン、従来の外科処置、放射線療法、高用量化学療法、および、骨髄非破壊的同種造血幹細胞移植からなるグループから選択される。
ある実施態様において、本願発明の方法は、前記患者から生体試料を取得し、そして、血液化学検査、染色体転座分析、針生検、蛍光in situハイブリダイゼーション、臨床バイオマーカー分析、免疫組織化学染色化合物、フローサイトメトリー、または、これらの組み合わせからなるグループから選択される分析手段を用いて生体試料を分析する、ことをさらに含む。 この分析は、化合物Iの用量を加減して調整すべきかどうか、あるいは、化合物Iを用いた治療を終了すべきかどうか、または、化合物Iを用いた治療方法にその他の治療薬や治療手段を追加すべきかどうか、の決定を可能にする判断材料を提供する。
ある実施態様において、化合物Iは、約28日間、毎日2回の投与が行われ、その後、少なくとも7日間、投与を取り止める。
以下の詳細な説明は、本願発明の方法を理解および利用する際の一助にするためのものである。
固形腫瘍の活性化に関与するPI3Kシグナル伝達経路の一部を示している図である。 AktおよびpAktのレベルと、六つの異なる癌細胞株でのp110のα、β、δおよびγアイソフォームとの相対レベルを示す図である。 p110の様々なアイソフォームの相対活性に関するCEF形質転換機能分析での読み出しを示す図である。 0.01μM〜10μMの濃度の化合物Iが、二つの癌細胞株において、Akt、GSKβ、および、S6のリン酸化反応に対して与える影響を示す図であって、また、p110α阻害剤として知られているGDC-0941が、同じリン酸化に対して与える影響との比較を行っている。 化合物Iを合成するための反応スキームを示す図である。 化合物Iがもたらす顕著な経口バイオアベイラビリティを説明するために、単一経口用量の化合物を投与したマウスでの化合物Iの血漿中濃度を示す図であって、また、同様の構造を有するその他のキナゾリノン化合物(化合物B)の血漿中濃度との比較を行っている。 二つの異なる腫瘍株に関する腫瘍細胞の培養物の成長についての用量依存的な阻害を示す図である。 30mg/kgを1日に2回、5週間、化合物Iを投与したところ、腫瘍異種移植片の成長が完全に阻害されたが、治療を行わなかったコントロールの動物において、対応する腫瘍異種移植片は、同じ期間において、体積が倍以上にまで増大した、ことを示す図である。 30mg/kgを1日に2回、3週間、化合物Iを投与したところ、腫瘍異種移植片の成長は顕著に阻害されたが、治療を行わなかったコントロールの動物において、対応する腫瘍異種移植片は、同じ期間において、迅速に膨張していた、ことを示す図である。 図8および図9に記載の異種移植片を植えたマウスにおいて、30mg/kgの単一用量の化合物を投与した際に得られた化合物Iの血漿中濃度データを示す図である。 60mg/kg/日、120mg/kg/日、または、240mg/kg/日の化合物Iを投与した健常なマウスを用いた多日試験の初日と最終日での血漿中濃度データを示す図である。 60mg/kgの用量では、良好な耐容性が示されており、このことは、治療用量(30mg/kgを1日に2回)が、マウスにおいて、耐容性を示し、また、効果的であることを実証している。
特に断りが無い限りは、本明細書に記載されているすべての技術用語、表記法、および、その他の科学用語や術後などは、一般的に、本願発明に関係する当業者の理解を促す目的のものである。 用語によっては、一般的に理解されている意味を有する用語を、意味の明瞭化、および/または、参考までに、本明細書において定義をしているが、本明細書に記載したそのような定義を取り込んで、当該技術分野で一般的に理解されている事項との実質的な差異を示す必要はない。 本明細書において記載または参照をした技術や手順の多くは、当業者が、十分に理解をしており、また、従来技術を用いて日常的に利用している。 必要に応じて、市販されているキットや試薬の使用に関する手順は、特に断りの無い限りは、一般的には、製造業者が示したプロコトール、および/または、パラメーターにしたがって実施される。
本明細書に記載の一般的な方法についての記述は、例示目的のものに過ぎない。 本明細書を参照した当業者であれば、その他の代替方法やその他の実施態様は、容易に想到できるであろう。
「または」の接続詞で結び付けられた項目群は、その項目群内部での相互排他性が必要であるとの解釈はすべきではなく、むしろ、特に断りの無い限りは、「および/または」として解釈すべきである。 本願発明の品目、要素、または、成分は、単数形で記載または請求されているが、特に断りの無い限りは、本願発明の範囲にあっては複数形のものも意図されている。
本願発明は、癌、特に、固形腫瘍の治療のための新規の治療法に関する。 本願発明は、式I:
で示される化合物、または、薬学的に許容可能なその塩、あるいは、式Iで示される光学活性化合物、または、薬学的に許容可能なその塩を含み、少なくとも一つの薬学的に許容可能な賦形剤を任意に混合した医薬組成物を、前記患者に投与することを含む。
本明細書に記載の方法に用いられる化合物Iは、光学的に活性であり、このことは、この化合物が、二つのエナンチオマーの内の一方から主に構成されていることを示すものである。 この化合物は、キナゾリノン部分とプリン部分との間の非環状結合基において、単一の不斉中心を有している。 式(I)で示される化合物の好ましいエナンチオマーでの不斉中心は、上述したS-異性体である。 光学的に活性な形態で用いられる化合物Iは、主に、S-エナンチオマーを含んでいる。 この化合物は、光学的に活性な形態で合成することができ、あるいは、(等量のRおよびS異性体を含む)ラセミ体の形態で調製することができ、そして、これら異性体は、分離することができる。 非常に高い光学純度のS-エナンチオマーをもたらす化合物Iのキメラ合成が、本明細書に記載されている。 図5を参照されたい。 本願発明の目的からすれば、式(I)で示される化合物からエナンチオマーのR-異性体を実質的に排除することが好ましいのであるが、本願発明の方法は、S-異性体を主要成分とするR-異性体とS-異性体との混合物を用いて実施することができる。 通常は、この混合物は、約10%に満たないR-異性体を含んでおり、このことは、S-異性体とR-異性体との比率が、少なくとも約9:1であることを示すものであり、また、好ましくは、5%に満たないR-異性体を含んでおり、このことは、S-異性体とR-異性体との比率が、少なくとも約19:1であることを示している。 ある実施態様において、2%に満たないR-エナンチオマーを含んだ化合物が使われており、このことは、少なくとも約96%もエナンチオマー過剰にあることを示している。
本願発明の方法は、光学的に活性な形態の化合物I(式Iで示される化合物)を利用しており、この場合、化合物Iが、R-エナンチオマーを微量成分として含んではいるものの、化合物Iが、光学的に活性であり、そして、S-エナンチオマーを主に含んでいることを示すものである。 この点を明確にするために、式Iで示される化合物の用量、または、化合物Iの用量を本明細書に記載しており、これら用量は、式Iで示される化合物の重量を示すものであって、そこには、化合物を構成する各エナンチオマーも含まれている。
したがって、本明細書に記載の化合物Iの100mgの用量というものは、例えば、S-エナンチオマーの具体的な重量よりも、むしろエナンチオマーの混合物の重量を示すものである。 例えば、S-エナンチオマーとR-エナンチオマーとを9:1で含む100mgの混合物は、約90mgのS-エナンチオマーを含むと言うことができ、あるいは、S-エナンチオマーとR-エナンチオマーとを19:1で含む100mgの混合物は、約95mgのS-エナンチオマーを含むと言うことができる。
本願発明の方法は、癌、特に、固形腫瘍を治療する上で有用である。 ある実施態様において、癌は、膵臓癌、膀胱癌、結腸直腸癌、乳癌、前立腺癌、腎臓癌、肝細胞癌、肺癌、卵巣癌、子宮頸癌、胃癌、食道癌、頭頸部癌、黒色腫、神経内分泌癌、中枢神経系癌、脳腫瘍、骨肉腫、および、軟部組織肉腫から選択された固形腫瘍である。 ある実施態様において、癌は、肺癌(非小細胞肺癌、小細胞肺癌)、結腸癌、中枢神経系癌、黒色腫、卵巣癌、腎臓癌、前立腺癌、または、乳癌である。
化合物Iの奏する効果は、主に、in vivoでのp110β活性の阻害に起因するものと考えられており、また、そのものは、p110δ活性も阻害する。 化合物Iは、p110βとp110δの阻害において、p110αの阻害では認められない選択性を有しており、また、これまでに試験を行ったその他のキナーゼよりも、これら二つのキナーゼに対して選択性である。 そのような選択性は、機能活性に関する細胞アッセイで認められた活性によって説明がされており、そこでは、化合物Iが、p110βを、約150nMのEC-50で阻害をしており、また、p110δを、約15nMのEC-50で阻害をしていながらも、p110αについては非常に小さな活性(2,000nMを超えるEC-50)しか認められなかった。 p110βに対する化合物の活性は、p110δに関する活性よりは小さいものではあるが、p110βは、固形腫瘍で認められるp110の主要なアイソフォームであるので、p110βに関する活性に比べて、固形腫瘍活性に対するδアイソフォームに関する活性の重要性は小さいといえる。 化合物Iが、p110δを、ほとんど発現しないか、または、全く発現しない腫瘍に対して活性を示し(これらが、それに対して非依存性であることを示唆している)、また、p110αが活性化している腫瘍細胞株に対して活性を示している(上記したT47Dの記述を参照されたい)ことも、上記した考察と符合するものであり、そして、このことは、高レベルのαアイソフォームが、化合物Iに対する感受性を低下させないことを示唆するものである。
p110αに関する選択性は、化合物Iの安全性プロフィールにおいて重要であり、また、p110αは、インスリンのシグナル伝達やグルコース代謝において重要な役割を果たす。 p110α活性をも阻害する非選択性PI3K阻害剤は、シグナル伝達、および/または、グルコース代謝に影響を与えて、化合物Iでは認められないような副作用や予想外の有害作用をもたらすことが考えられる。 化合物Iが関与する予想外の効果は、減少に至るものと考えられている。
その他のPI3Kキナーゼ、DNA-PK(その他のセリン-トレオニンキナーゼ)、および、mTORなどのその他の脂質キナーゼよりも、このようなPI3Kアイソフォームに対しても、化合物Iは、選択性を示す。 この表は、前述したその他の脂質キナーゼのキナーゼ活性の阻害に関するIC-50を示している。
さらに、化合物Iは、これらキナーゼの機能活性を測定するために設計された細胞形質転換システムにおいて、p110αに関して比較的に低い機能活性を示したが、このアッセイにあっては、p110βとp110δの双方に対する強力な阻害剤である。 実施例1を参照されたい。 このニワトリ胚線維芽細胞(CEF)形質転換システムは、PI3Kシグナル伝達経路の機能活性を評価するための有用な手法であると報告がされている。 Denley, et al., "Oncogenic signaling of class I PI3K isoforms," Oncogene, vol.27(18), 2561-74 (2008)。 このアッセイでのCEF細胞の形質転換は、機能性キナーゼの活性に依存している。 Kang, et al., Proc. Nat'l Acad. Sci. USA, vol. 103(5), 1289-94 (2006)。 このアッセイでの読み出しは、関心のある特定のp110アイソフォームを有するウィルスベクターに露出されたCEF細胞の形質転換の頻度に基づいている。 図3を参照されたい。
このシステムにおいて、p110αの機能活性に関するEC-50は、試験をした化合物Iの最大濃度(2000nM)にまで到達することはなく、また、化合物Iによるp110βの機能活性の阻害に関するEC-50は、約150nMであり、そして、化合物Iによるp110δの機能活性の阻害に関するEC-50は、約15nMであった。
同様に、細胞に基づいた試験において、特異的なアイソフォームの阻害に関するその他の機能分析を行ったところ、化合物Iが、p110αよりも、p110のδおよびβアイソフォームについて高い活性を示すことが明らかとなった。 p110αアッセイでは、PDGFで刺激をしたSW3T3細胞を利用し、そして、p110キナーゼ活性は、Aktリン酸化反応を用いて測定を行った。 p110β活性は、マウス胎児線維芽細胞でのAktリン酸化反応のリゾホスファチジン酸刺激を行って測定をした。 p110δの活性は、好塩基球表面へのCD63の移動に対して抗FcεR1抗体架橋刺激を行って測定をした。 最後に、p110γの活性は、好塩基球表面へのCD63の移動に対してfMLP刺激を行って測定をした。 ここで改めて、化合物Iについては、αアイソフォームの阻害はほとんど認められなかったが、δおよびβアイソフォームに対しては最大の活性を示した。
図4に示したように、10μMの化合物Iは、二つの癌細胞株、すなわち、T47D(乳癌)およびOVCAR-3(卵巣癌)において、PI3Kを活性化する下流側伝達物質(図1を参照されたい)であるAktのリン酸化反応を阻害している。 また、T47Dが、p110αの活性化を招く変異を有しており、そして、この細胞株に対する化合物Iの効果が顕著に妨げられないことは重要であり、これらのことは、この化合物の抗腫瘍活性が、p110αよりもむしろ、その他のアイソフォームに関する効果と関係している、ことをさらに示唆するものである。
同様の構造を有するその他のキナゾリノンと比較をしても、経口投与時の化合物Iのバイオアベイラビリティは、非常に良好である。 例えば、図6によれば、化合物Iが、同様の構造を有するその他のキナゾリノン化合物(化合物B)よりも高い血漿中薬物濃度を呈することが示されている。 化合物Iを、化合物Bの用量の半分の用量で、マウスに経口投与をしただけで、高いピーク血漿濃度が認められたことは注意すべきである。 この試験において認められた化合物Iと化合物Bとの間の経口バイオアベイラビリティの差異の大きさは、特筆すべき事項である。
本願発明の治療法は、通常、治療を必要とする患者に対して化合物Iを、少なくとも一週間または一週間以上、大抵の場合で2〜4週間、そして、場合によっては、1〜3ヶ月以上の期間にわたって、毎日、投与する。 マウスおよびラットにおける化合物Iのin vivoでの半減期は、数時間である。 図6を参照されたい。 したがって、場合によっては、長期間にわたって効果的な血漿中濃度を維持するためには、毎日、化合物Iを反復投与することが望ましい。 2回/日、または、3回/日の頻度で投与することができ、あるいは、ある実施態様において、特に、化合物Iが経口投与される場合には、4回/日またはそれ以上の頻度で投与することができる。 また、長期間にわたって効果的な血漿中濃度を維持する頻度で、化合物Iを静脈内投与することもできる。 好ましくは、少なくとも約1μM、または、少なくとも3μM、または、少なくとも5μMの血漿中濃度を実現する頻度で投与が行われる。 図6は、20mg/kgの化合物Iの単回経口投与をした後に、約500ng/ml(1μMを超える)の血漿中濃度で数時間にわたって投与できることを示しており、このことは、化合物Iの高い血漿中濃度、例えば、機能分析において効果的であるとの結果が得られるレベルと考えられる濃度を、化合物Iの耐量でもってして実現可能であることを実証するものである。
化合物Iが、様々な固形腫瘍細胞のアポトーシスを誘発することが示されている。 図7は、乳癌細胞株(T47D)、および、卵巣癌細胞株(OVCAR-3)について、459nmでの光学密度を測定することで、化合物Iが、用量依存的に腫瘍細胞培養物の増殖を阻害していることを示している。 このことは、5〜10μMの濃度の化合物Iに曝すことで、細胞培養物での成長が強力に阻害されることを実証している。
図8は、化合物Iで治療をした際の卵巣癌異種移植片腫瘍の成長に関して、腫瘍体積を測定して判断を行った用量依存的阻害を示している。 30mg/kgの化合物Iを1日に2回投与して治療を受けた動物において、30日間にわたる治療の間に、腫瘍の体積は着実に減少したが、同じ期間にわたって治療を施さなかったコントロールの動物では、腫瘍体積は倍以上に増大していた。 このことは、化合物Iが、固形腫瘍をin vivoで治療する上で効果的なものである、ことを実証している。
同様に、図9は、その他の固形腫瘍異種移植片(A498、ヒト腎臓癌細胞株)を治療した際の化合物Iの効果を示している。 図示してある通り、A498腫瘍を有するマウスに対して、30mg/kgの化合物Iを1日に2回投与して、20日間にわたって治療を行ったところ、in vivoで有効な抗腫瘍活性が認められた。 この治療期間で、治療を行った動物の腫瘍体積は、おおよそ2倍ほどになったが、治療を行わなかった動物での腫瘍体積は、5倍以上にまでなっていた。 このことからも、化合物Iが、固形腫瘍をin vivoで治療する上で効果的であることが示されている。
図10は、30mg/kgの化合物Iを単回経口投与した後における、図8および図9で用いた腫瘍異種移植片の各々を有するマウスでの化合物Iの血漿中濃度を示している。 図8および図9で示した試験で用いた有効量であったこの範囲において、化合物Iの血漿中濃度は、約5,000〜7,000ng/mlにまで達する。
図11は、60mg/kg/日、120mg/kg/日、または、240mg/kg/日の化合物Iを投与した健常マウスを用いた多日試験の初日と最終日での血漿中濃度データを示す図である。 60mg/kgの用量では、良好な耐容性が示されており、このことは、治療用量(30mg/kgを1日に2回)が、マウスにおいて、耐容性を示し、また、効果的であることを実証している。
また、NCIパネルとして知られている一連の腫瘍細胞アッセイにしたがって、化合物Iについての試験を行った。 その結果、パネルで示したほとんどの癌細胞株の実質的な成長阻害が実証されており、また、比較のために用いた化合物Bよりも、化合物Iは、これら癌細胞株に対して一般的に大きな活性を示した。 以下の表は、これら細胞培養物のアッセイで認められた各化合物についてのGI-50値(50%の成長阻害をもたらす濃度、μM)を示している。
多様なタイプの固形腫瘍細胞に関して、これら二つの化合物の総活性を比較するための手段として、各化合物について、2μM未満のGI50値を示す細胞株、つまり、良好な反応性を示すものと考えられる細胞株の数を決定した。 この測定手段を用いたところ、1.8%の細胞株は、この濃度で、化合物Bに対して良好な反応性を示したが、その一方で、39%の細胞株は、同じ濃度で、化合物Iに対して良好な反応性を示した。 化合物Bと構造的に類似しているにもかかわらず、化合物Iが、固形腫瘍に対して化合物Bよりも遙かに大きな活性を示すことは明らかである。
以下の表は、化合物Iに対して2μM未満のGI50値を示した各タイプの腫瘍の細胞株の数を示している。
ある特定の実施態様において、癌は、肺癌(非小細胞肺癌、小細胞肺癌)、結腸癌、中枢神経系癌、黒色腫、卵巣癌、腎臓癌、前立腺癌、または、乳癌などの固形腫瘍である。 上記の表に示したように、乳癌、腎臓癌、前立腺癌、および、中枢神経系癌は、化合物Iに対して反応性に富んでいるので、ある実施態様において、これらの癌のいずれかに罹患した患者を治療するために、本願発明の方法が使用される。
ある特定の実施態様において、癌は、血液癌ではなく、例えば、リンパ腫、または、白血病、または、多発性骨髄腫のいずれでもない。 本明細書に記載の方法によって治療可能な固形腫瘍の例として、乳癌、肺癌、結腸癌、卵巣癌、腎臓癌、および、前立腺癌などがある。
ある特定の実施態様において、本願発明の方法によって治療可能な癌として開示された少なくとも一つの癌に罹患したと診断された患者に対して、式Iで示される化合物が、治療有効量でもってして投与される。
当業者であれば、患者の健康状態、年齢、体重、および、病態などに基づいて、治療有効量を決定することができる。 ある実施態様において、患者の体重に対して用量が正規化される。 例えば、用量を、化合物I(mg)/患者の体重(kg)という数値(mg/kg)で表すことができる。 約0.1〜100mg/kgの間の用量が適切であるとされる場合が多く、また、ある実施態様では、0.5〜60mg/kgの用量が使われている。 イヌで認められた有効用量を、ヒト被験者に対して適切な用量に換算する場合など、患者相互の大きさが全く異なる場合には、患者の体重に基づいた正規化は特に有用である。
ある実施態様において、一日投与量を、投与した化合物Iの総量/用量、または、投与した化合物Iの総量/日として表示することができる。 化合物Iの一日投与量は、一般的に、約10mg〜1,000mgの間の量である。 経口投与した場合は、ヒト被験者に対する一日投与総量は、一般的に、約50mg〜750mgの間の量である。
ある特定の実施態様において、式Iで示される化合物は、20〜500mg/日の用量で投与される。
ある特定の実施態様において、式Iで示される化合物は、50〜250mg/日の用量で投与される。
ある特定の実施態様において、式Iで示される化合物は、25〜150mg/用量の用量で投与され、また、2〜4回/日の投与がされる(例えば、25〜150mgの用量を2回/日で、または、25〜150mgの用量を3回/日で、あるいは、25〜150mgの用量を4回/日で投与する)。 好ましい実施態様において、患者は、50mg〜100mgの用量の化合物Iで2回/日、または、50mg〜100mgの用量で3回/日、あるいは、50mg〜100mgの用量で4回/日の治療が行われる。
本願発明の化合物を用いた治療が幾日も続くことはよくあることであって、例えば、一般的には、治療は、一回の治療周期で、約7日間、約14日間、または、約28日間も継続する。 治療周期は、癌の化学療法の分野で周知の事項であり、治療周期の間に、1〜28日間、一般的には、7日間、または、14日間の休眠期間を交互に挟むことがよくある。
ある特定の実施態様において、本願発明の方法は、前記患者に対して、式Iで示される化合物を、毎日、20〜500mgの初期用量で投与をし、そして、臨床効果が得られるまで、前記用量の増大を図ることを含む。 用量を増大させるために、約25、50または100mgの増大を用いることができる。 この用量の増大は、毎日、一日おき、一週間に二回、または、一週間に一回の頻度で実施することができる。
ある特定の実施態様において、本願発明の方法は、式Iで示される化合物を、臨床効果が一週間以上にわたって継続する用量で投与するか、あるいは、臨床効果が維持できるレベルにまで増量をすることで前記用量を減少させることによって、前記患者の治療を継続することを含む。 腫瘍の大きさや拡散(転移)を評価するなどの従来法によって、臨床効果をモニタリングすることができる。
ある特定の実施態様において、本願発明の方法は、20〜500mgの初回投与日量で、式Iで示される化合物を前記患者に投与し、そして、少なくとも6日間にわたって、前記した用量を、50〜400mg/日の総用量にまで増大する、ことを含む。 この用量は、任意に、約750mg/日にまで、さらに増大させることができる。
ある特定の実施態様において、式Iで示される化合物は、1日に少なくとも2回の投与が行われる。 ある実施態様において、この化合物は、1日に3回の投与が行われる。 ある実施態様において、この化合物は、1日に4回、あるいは、1日に4回以上の投与が行われる。
ある特定の実施態様において、本願発明の方法は、患者のPI3Kβ活性のレベルを低下させる、ことを含む。
ある特定の実施態様において、患者は、ヒト被験者である。 通常、患者とは、化合物Iで治療可能であるとして本明細書に開示された癌に罹患しているとの診断がされたヒトである。
ある特定の実施態様において、この化合物は、化合物の血中濃度が、約40ng/ml〜3,000ng/mlの範囲に収まるように選択された頻度で投与され、そして、投与を開始してから4〜12時間にわたって、その濃度を維持する。 その他のある特定の実施態様において、投与量と投与頻度は、化合物の血中濃度が、75〜2,000ng/mlの範囲に収まり、かつ、投与を開始してから4〜12時間にわたって、その濃度が維持されるように選択される。 ある実施態様において、投与量と投与頻度は、投与後の化合物の血中濃度が、100〜1,000ng/mlの範囲に収まるように選択される。 ある実施態様において、投与量と投与頻度は、化合物の血中濃度が、投与を開始してから12時間にわたって、100〜500ng/mlの範囲に収まるように選択される。 望ましくは、投与量と投与頻度は、化合物Iの血漿中濃度、すなわち、少なくとも約500ng/mlであり、かつ、約10,000ng/mlを超えない血漿中濃度Cmaxを実現するように選択される。
ある特定の実施態様において、化合物Iは、経口投与、静脈内投与、経皮投与、または、吸入によって投与される。 好ましくは、この化合物は、経口投与される。 ある実施態様において、この化合物は、約25mg、30mg、40mg、50mg、60mg、75mg、または、100mg、125mg、150mg、または、200mg/用量の用量で経口投与され、そして、この用量でもってして、1日に1回、1日に2回、1日に3回、または、1日に4回の頻度で投与することができる。
ある特定の実施態様において、本願発明の方法は、式Iで示される化合物を前記患者に投与することに加えて、前記患者での前記癌または自己免疫疾患を治療するために選択された少なくとも一つの治療有効量のその他の治療薬を投与し、および/または、治療手段を施す、ことを含む。
ある特定の実施態様において、前記治療薬は、ドセタキセル、ミトキサントロン、プレドニゾン、エストラムスチン、アントラサイクリン、(ドキソルビシン(アドリアマイシン)、エピルビシン(エレンス)、および、リポソームドキソルビシン(ドキシル))、タキサン(ドセタキセル(タキソテール)、パクリタキセル(タキソール)、および、タンパク質結合パクリタキセル(アブラキサン))、シクロホスファミド(シトキサン)、カペシタビン(ゼローダ)および5-フルオロウラシル(5 FU)、ゲムシタビン(ジェムザール)、メトトレキセート、ビノレルビン(ナベルビン)、エルロチニブなどのEGFR阻害剤、トラスツズマブ(ハーセプチン、この薬剤は、HER-2遺伝子を持った乳癌に罹患をした女性に対してのみ使用する)、アバスチン、プラチン(シスプラチン、カルボプラチン)、テモゾロマイド、インターフェロンα、および、IL-2からなるグループから選択される。
ある特定の実施態様において、前記治療薬は、EGFR阻害剤、mTOR阻害剤、および、タキサンからなるグループから選択される。
ある特定の実施態様において、治療手段は、末梢血幹細胞移植、自家造血幹細胞移植、自家骨髄移植、抗体療法、生物療法、酵素阻害剤療法、全身照射法、幹細胞の注入、幹細胞サポートを用いる骨髄除去、in vitroでの末梢血幹細胞移植、臍帯血移植、免疫酵素法、免疫組織化学染色法、薬理学的研究、低LETコバルト60γ線療法、ブレオマイシン、従来の外科処置、放射線療法、高用量化学療法、および、骨髄非破壊的同種造血幹細胞移植からなるグループから選択される。
ある特定の実施態様において、本願発明の方法は、前記患者から生体試料を取得し、および、血液化学検査、染色体転座分析、針生検、蛍光in situハイブリダイゼーション、臨床バイオマーカー分析、免疫組織化学染色化合物、フローサイトメトリー、または、これらの組み合わせからなるグループから選択される分析手段を用いて前記生体試料を分析する、ことをさらに含む。 この分析によって、腫瘍の進行度や治療の進み具合に関する情報が提供され、また、この分析結果は、投与量の決定、治療周期における投与量の調整、そして、本願発明による治療の継続または中断の決定を行う上で有用である。
ある特定の実施態様において、本明細書に記載した本願発明の方法で使用した光学活性化合物は、以下に示すS-エナンチオマーを過剰に含んでおり、また、好ましくは、少なくともその90%がS-エナンチオマーであり、そして、その約10%未満がエナンチオマーR異性体となっている。
ある実施態様において、本明細書に記載の方法で用いた式Iで示される化合物は、その少なくとも80%が、S-エナンチオマーであり、また、その20%未満に、R-エナンチオマー異性体を含んでいる。 ある実施態様において、その化合物は、S-異性体を、少なくとも90%、または、少なくとも95%のエナンチオマー過剰(e.e.)で含んでいる。
ある特定の実施態様において、この化合物は、主に、S-エナンチオマーから構成されており、この異性体は、その少なくとも66〜95%、または、約85〜95%がS-異性体であり、そこに含まれているR-エナンチオマーに対して過剰に存在している。 ある特定の実施態様において、この化合物は、少なくとも95%のS-エナンチオマーを含む。 本願実施例で示した細胞実験や臨床試験において使用した化合物Iの試料は、その99%以上がS-エナンチオマーであり、つまり、R-エナンチオマーは1%未満でしかなかった。
本明細書で用いている「選択性PI3Kδ阻害剤」や「選択性PI3Kβ阻害剤」などの用語は、PI3Kファミリーのその他の少なくとも一つのアイソザイムよりも効果的であるPI3KδアイソザイムまたはPI3Kβアイソザイムの各々を阻害する化合物のことを指す。 この選択性阻害剤は、PI3Kのその他のアイソザイムも阻害するが、その他のアイソザイムが奏する同程度の阻害効果を得るためには、より高濃度のものが必要となる。 「選択性」という用語も、同程度の化合物よりも、特定のPI3-キナーゼに対して阻害作用を示す化合物について用いることができる。 「選択性PI3Kδ阻害剤」化合物とは、かねてより一般的にPI3K阻害剤と呼ばれている化合物、例えば、非選択性PI3K阻害剤であると考えられているウォルトマンニンやLY294002よりも、PI3Kδに対して優れた選択性を示す化合物であると理解されている。
本明細書で使用する「治療する」との用語は、疾患の抑制、すなわち、疾患の進行を停止すること、疾患の軽減、すなわち、快方に向かわすこと、あるいは、疾患の緩和、すなわち、その疾患が関係する少なくとも一つに症状の重篤度を軽減する、ことを指す。 ある実施態様において、「治療する」との用語は、疾患に罹患しやすくはなっているものの、未だその疾患であるとの診断がされていない動物において、その疾患を予防することを指す。 「疾患」の用語は、医学的疾患、疾病、病態、症候群などを含むが、これらに限定されない。
ある特定の実施態様において、本願発明は、固形腫瘍、一般的には、非造血性癌を治療する方法を提供する。 ある実施態様において、癌は、膵臓癌、膀胱癌、結腸直腸癌、乳癌、前立腺癌、腎臓癌、肝細胞癌、肺癌、卵巣癌、子宮頸癌、胃癌、食道癌、頭頸部癌、黒色腫、神経内分泌癌、中枢神経系癌、脳腫瘍、骨肉腫、および、軟部組織肉腫から選択された固形腫瘍である。 ある実施態様において、癌は、肺癌(非小細胞肺癌、小細胞肺癌)、結腸癌、中枢神経系癌、黒色腫、卵巣癌、腎臓癌、前立腺癌、または、乳癌である。 ある実施態様において、癌は、乳癌、肺癌、結腸癌、腎臓癌、卵巣癌、または、前立腺癌である。
ある特定の実施態様において、本願発明は、PI3Kβが媒介した不正常または好ましくなく細胞シグナル伝達活性が関係する固形腫瘍を治療するための方法を提供する。 ある特定の実施態様において、この固形腫瘍は、膵臓癌、膀胱癌、結腸直腸癌、転移性乳癌を含む乳癌、アンドロゲン依存性およびアンドロゲン非依存性の前立腺癌を含む前立腺癌、例えば、転移性腎臓細胞癌を含む腎臓癌、肝細胞癌、例えば、非小細胞肺癌(NSCLC)、細気管支肺胞上皮癌(BAC)、および、肺の腺癌を含む肺癌、例えば、進行性上皮性または原発性腹膜癌を含む卵巣癌、子宮頸癌、胃癌、食道癌、例えば、頭部および頸部の扁平上皮細胞癌を含む頭頸部癌、黒色腫、転移性神経内分泌腫瘍を含む神経内分泌癌、例えば、神経膠腫、未分化希突起神経膠腫、多形成グリア芽細胞腫、および、成人未分化星細胞腫を含む脳腫瘍、骨肉腫、および、軟部組織肉腫からなるグループから選択される。
ある実施態様において、本明細書に記載の方法で治療される癌は、PTEN(ホスファターゼおよびテンシンホモログ、腫瘍抑制因子として機能するホスファターゼ)活性の機能喪失が認められる固形腫瘍である。 PTEN活性の喪失は、癌でよく認められることであり、また、PI3K阻害剤に対する腫瘍の感受性も高める。 NCIパネルは、PTENにおいて変異を有するものと認められた幾つかの細胞株を含んでおり、それら細胞株の70%が、化合物Iによって阻害され、また、それらの内の二つが、化合物Iに対して反応性を示さなかったことは、PTEN活性の機能喪失が無かったことを証明している。 以下の表には、化合物Iに対して感受性を示した細胞株と、それら細胞株において公知の変異をまとめてある。 これらの変異の内、PTENだけが、化合物Iの効果に対して有意に相関していたことが明らかとなった(p<0.036)。
したがって、非常に小さなPTENホスファターゼ活性しか有していない固形腫瘍は、化合物Iを用いた治療に特に適している。 最近になって、ウェルカムトラストサンガー社は、原発性腫瘍組織でのPTEN変異の発生に関する文献を発行し、その中で、乳癌、中枢神経系(CNS)癌、頸癌、子宮内膜癌、腎臓癌、卵巣癌、前立腺癌、皮膚癌、精巣癌、および、尿路腫瘍において、頻繁に、PTEN変異が認められることを指摘している。 したがって、ある実施態様において、本願発明の方法は、これら特定の癌の一つまたはそれ以上、あるいは、乳癌、中枢神経系(CNS)癌、頸癌、子宮内膜癌、腎臓癌、卵巣癌、前立腺癌、皮膚癌、精巣癌、および、尿路腫瘍からなるグループから選択されるPTEN欠損癌に罹患した患者を治療するために用いられる。
ある特定の実施態様において、図4に示したように、化合物Iは、Aktリン酸化反応を阻害するので、本明細書に記載の方法は、Aktリン酸化反応を媒介する標的細胞において有用である。
固形腫瘍の治療を行うにあたって、固形腫瘍は、p110δよりもむしろ、または、p110δ以上に、このp110βアイソザイムを利用するので、式Iで示される化合物が、p110βに対して良好な活性を示すことは好都合である。 したがって、ある実施態様において、固形腫瘍とは、p110δの発現レベルよりも高いレベルでp110βを発現する腫瘍である。 ある実施態様において、固形腫瘍とは、p110βの約20%未満のp110δを発現する腫瘍など、低レベルのp110δ活性を示す腫瘍である。
ある実施態様において、本明細書に記載した治療の対象は、式Iで示される化合物を使用して治療可能であると本明細書に記載をした少なくとも一つの癌に罹患していると診断がされた患者である。 ある実施態様において、その患者は、本明細書に記載した癌であると診断がされており、また、少なくとも一つの従来の化学療法で治療を施しても効果が認められないと証明がされている。 よって、ある実施態様において、本願発明の方法は、一つまたはそれ以上の前述した治療を受けたにもかかわらず、さらに効果的な治療を必要とする患者に対するものである。
ある実施態様において、本明細書に記載した方法は、癌を治療するために用いた治療法との組み合わせで、本明細書に記載した式Iで示される化合物を患者に投与する、ことを含む。 癌を治療するために本明細書で用いた「治療法」とは、癌を治療するために用いた周知の治療法または実験的治療法であって、そこでは、式Iで示される化合物は使用されていない。 ある特定の実施態様において、式Iで示される化合物と、癌を治療するために用いた従来の治療法または実験的治療法との組み合わせは、これら組み合わせを利用しない治療法よりも優れており、有益および/または好適な治療結果をもたらす。 ある特定の実施態様において、癌を治療するために用いた前記治療法は、当業者に周知の事項であり、また、文献でも報告がされている。 治療法として、化学療法、化学療法と生物療法の組み合わせ、免疫療法、放射免疫療法、および、モノクローナル抗体およびワクチンの使用などがあるが、これらに限定されない。 ある特定の実施態様において、この組み合わ法は、同時に投与されるか、あるいは、治療のための投与期間内に投与される式Iで示される化合物を提供する。 ある特定の実施態様において、この組み合わ法は、治療投与前、または、治療投与後に投与される式Iで示される化合物を提供する。 この組み合わせ法での投与に関する詳細は、経験的に決定することができる。 選択した治療法にしたがって式Iで示される化合物を投与する順序ならびに時点は、個々の患者、治療する患者の実質的な病態、および、一般的には、対応にあたる医師の判断に基づいて修正を加えることになるであろう。
化合物Iと組み合わせて使用するその他の治療薬として、固形腫瘍の治療において日常的に使用されているものがあるが、具体的には、ドセタキセル、ミトキサントロン、プレドニゾン、エストラムスチン、アントラサイクリン、(ドキソルビシン(アドリアマイシン)、エピルビシン(エレンス)、および、リポソームドキソルビシン(ドキシル))、タキサン(ドセタキセル(タキソテール)、パクリタキセル(タキソール)、および、タンパク質結合パクリタキセル(アブラキサン))、シクロホスファミド(シトキサン)、カペシタビン(ゼローダ)、および、5-フルオロウラシル(5 FU)、ゲムシタビン(ジェムザール)、メトトレキセート、ビノレルビン(ナベルビン)、エルロチニブなどのEGFR阻害剤、トラスツズマブ(ハーセプチン、この薬剤は、HER-2遺伝子を持った乳癌に罹患をした女性に対してのみ使用する)、アバスチン、プラチン(シスプラチン、カルボプラチン)、テモゾロマイド、インターフェロンα、および、IL-2などがある。
ある特定の実施態様において,本願発明の方法は、有効量の化合物Iの他に、前記患者の前記癌を治療するために選択された少なくとも一つの治療薬、および/または、治療手段を前記患者に投与することを含む。 ある特定の実施態様において、本願発明の方法は、前記患者に式Iの化合物の他に、ドセタキセル、ミトキサントロン、プレドニゾン、エストラムスチン、アントラサイクリン、(ドキソルビシン(アドリアマイシン)、エピルビシン(エレンス)、および、リポソームドキソルビシン(ドキシル))、タキサン(ドセタキセル(タキソテール)、パクリタキセル(タキソール)、および、タンパク質結合パクリタキセル(アブラキサン))、シクロホスファミド(シトキサン)、カペシタビン(ゼローダ)、および、5-フルオロウラシル(5 FU)、ゲムシタビン(ジェムザール)、メトトレキセート、ビノレルビン(ナベルビン)、エルロチニブなどのEGFR阻害剤、トラスツズマブ(ハーセプチン、この薬剤は、HER-2遺伝子を持った乳癌に罹患をした女性に対してのみ使用する)、アバスチン、プラチン(シスプラチン、カルボプラチン)、テモゾロマイド、インターフェロンα、および、IL-2から選択された治療有効量のその他の治療薬を投与する、ことを含む。
本願発明の化合物は、当該技術分野で周知の製剤技術を用いて、動物に対して投与するために製剤することができる。 特定の投与経路、および、式Iで示される化合物に適した製剤は、Remington's Pharmaceutical Sciences, 最新版、マックパブリシング社、イーストン、ペンシルバニア州に記載されている。
本願発明の化合物は、原体のままで投与することができるが、通常は、医薬組成物または製剤の形態で化合物を投与するのが好ましい。 したがって、本願発明は、式Iで示される化合物、および、生体適合性医薬用担体、補助剤、または、賦形剤を含む医薬組成物も提供する。 この組成物は、有効成分だけを含む薬剤、あるいは、賦形剤またはその他の薬学的に許容可能な担体と共に混合された、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド、オリゴペプチドまたはポリペプチド、薬物、または、ホルモンなどのその他の薬剤との組み合わせを含むことができる。 担体やその他の成分は、それらが、製剤に含まれるその他の成分に対して相溶性を示し、かつ、患者に対して有害でない限りは、薬学的に許容可能であるとみなすことができる。
医薬組成物は、薬学的に許容可能な好適な担体を含むように製剤されており、また、薬学的に使用可能な製剤への活性化合物の取り込みを容易ならしめる賦形剤や助剤を任意に含むことができる。 一般的に、投与の手順は、担体の性質に応じて決めることになる。 例えば、非経口投与用の製剤は、水溶性活性化合物の水溶液を含む。 非経口投与に適した担体は、生理食塩水、緩衝食塩水、デキストロース、水、および、その他の生理学的に適合する溶液から選択することができる。 非経口投与用の好ましい担体として、ハンクス液、リンゲル液、または、生理学的緩衝食塩水などの生理学的に適合する溶液などがある。 組織または細胞への投与にあたっては、浸透させる特定のバリアに対して好適な浸透剤が、製剤に用いられることとなる。 そのような浸透剤は、一般的に、当該技術分野において周知である。 タンパク質を含む製剤については、製剤に、多価アルコール(例えば、スクロース)、および/または、界面活性剤(例えば、非イオン性界面活性剤)などの安定化物質を含めることができる。
あるいは、非経口投与用製剤は、適切な油性注射用懸濁液として調製された分散液や懸濁液を含むことができる。 好適な親油性溶媒または賦形剤として、胡麻油などの脂肪油、オレイン酸エチルまたはトリグリセリドなどの合成脂肪酸エステル、それに、リポソームなどがある。 水溶性注射用懸濁液に対して、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ソルビトール、または、デキストランなどの懸濁液の粘度を増大させる物質を含ませることができる。 また、この懸濁液は、高濃度溶液の調製を可能ならしめるために、化合物の溶解性を増大させる適切な安定剤または薬剤を、任意に、含むことができる。 pH感受的可溶化、および/または、活性薬剤の徐放を実現する水性ポリマー、例えば、ロームアメリカ社(ピスカタウェイ、ニュージャージー州)から市販されているEUDRAGIT(商標)シリーズなどのメタクリルポリマーを、被覆材、または、マトリックス構造として使用することも可能である。 乳化剤や分散剤(表面活性物質、界面活性剤)で任意に安定化された水中油型および油中水型分散液などの乳剤も使用することができる。 懸濁液は、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール、および、ソルビタンエステル、微結晶性セルロース、水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天、トラガカントゴム、および、これらの混合物などの懸濁化剤を含むことができる。
活性薬剤を含むリポソームも、非経口投与のために用いることができる。 一般的に、リポソームは、リン脂質またはその他の脂質物質から誘導される。 リポソーム形態の組成物は、安定剤、防腐剤、賦形剤などのその他の成分を含むことができる。 好ましい脂質として、リン脂質とホスファチジルコリン(レシチン)があり、これらは、天然物および合成物のいずれでもよい。 リポソームを形成する方法は、当該技術分野で周知である。 例えば、Prescott(Ed.), METHODS IN CELL BIOLOGY, Vol.XIV, p.33, Academic Press, New York (1976)を参照されたい。
経口投与に適した用量の薬剤を含む医薬組成物は、当該技術分野で周知の薬学的に許容可能な担体を用いて製剤することができる。 経口投与のために製剤した調製物は、錠剤、丸薬、カプセル、カシェー、糖衣錠、トローチ剤、液剤、ゲル、シロップ、スラリー、エリキシル剤、懸濁液、または、粉末の形態とすることができる。 例えば、経口投与用の薬学的調製物は、活性化合物と固形の賦形剤とを混合し、得られた混合物を任意に粉砕し、そして、必要に応じて適切な助剤を加えた後に、得られた顆粒の混合物を加工して、錠剤や糖衣錠の芯材を得る、ことによって調製することができる。 経口投与用製剤は、非経口投与の用途で用いられているのと同様の液剤担体、例えば、緩衝化水溶液や懸濁液などを使用することができる。
好ましい経口投与用製剤として、錠剤、糖衣錠、および、ゼラチンカプセルがある。 これらの調製物は、一つまたはそれ以上の賦形剤を含むことができ、そのような賦形剤として、
a) ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、または、ソルビトールを含む糖類などの希釈剤、
b) ケイ酸アルミニウムマグネシウム、そして、トウモロコシ、小麦、米、ジャガイモなどに由来する澱粉などの結合剤、
c) メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、および、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、アラビアゴムやトラガカントゴムなどのゴム、および、ゼラチンやコラーゲンなどのタンパク質などのセルロース物質、
d) 架橋ポリビニルピロリドン、澱粉、寒天、アルギン酸またはアルギン酸ナトリウムなどのアルギン酸の塩、または、発泡成分などの崩壊剤または可溶化剤、
e) シリカ、タルク、ステアリン酸またはそのマグネシウム塩またはそのカルシウム塩、および、ポリエチレングリコールなどの潤滑剤、
f) 香味料、および、甘味料、
g) 例えば、産物を同定したり、活性化合物の量(用量)を決定するための着色剤、または、顔料、および、
h) 防腐剤、安定剤、膨張剤、乳化剤、溶解促進剤、浸透圧を調節するための塩、および、緩衝剤などのその他の成分などがあるが、これらに限定されない。
幾つかの好ましい経口投与用製剤において、医薬組成物は、上記グループ(a)に示した物質の少なくとも一つ、または、上記グループ(b)に示した少なくとも一つの物質、または、上記グループ(c)に示した少なくとも一つの物質、または、上記グループ(d)に示した少なくとも一つの物質、または、上記グループ(e)に示した少なくとも一つの物質を含む。 好ましくは、本願発明の組成物は、上記グループ(a)〜(e)から選択した二つのグループの各々に示した少なくとも一つの物質を含む。
ゼラチンカプセルとして、ゼラチンから形成された押込式カプセル、ならびに、ゼラチンとグリセロールやソルビトールなどの被覆材とから形成された密閉型ソフトカプセルなどがある。 押込式カプセルは、充填剤、結合剤、潤滑剤、および/または、安定剤などと共に混合された活性成分を含むことができる。 ソフトカプセルにおいて、活性化合物は、安定剤の有無にかかわらず、脂肪油、液体パラフィン、または、液体ポリエチレングリコールなどの適切な液体に、溶解または懸濁させることができる。
糖衣錠の芯材は、濃縮糖溶液などの適切な被覆材を用いて調製することができ、また、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール、および/または、二酸化チタン、ラッカー液、および、有機溶媒、または、溶媒混合物なども含むことができる。
医薬組成物は、活性薬剤の塩として提供することができる。 塩は、対応する遊離酸や遊離塩基よりも、水性溶媒やその他のプロトン性溶媒に対する溶解性が優れている。 薬学的に許容可能な塩は、当該技術分野において周知である。 酸性部分を含む化合物は、適切なカチオンと共に、薬学的に許容可能な塩を形成することができる。 適切な薬学的に許容可能なカチオンとして、例えば、アルカリ金属(例えば、ナトリウム、または、カリウム)やアルカリ土類例えば、カルシウム、または、マグネシウム)のカチオンなどがある。
塩基性部分を含む構造式(I)の化合物は、適切な酸を用いることで、薬学的に許容可能な酸付加塩を形成することができる。 例えば、Berge, et al.は、J. Pharm. Sci., 66:1(1977)において、薬学的に許容可能な塩を詳細に記載している。 これらの塩は、本願発明の化合物を最終的に単離または分離する段階でにおいてin situで調製することができ、あるいは、遊離塩基の作用と適切な酸とを反応させることによって個別に調製することもできる。
代表的な酸付加塩として、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸エステル塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、樟脳塩、カンファースルホン酸ナトリウム、ジグルコン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩(イソチオネート)、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩または硫酸塩、ニコチン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、リン酸塩またはリン酸水素、グルタミン酸塩、重炭酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、および、ウンデカン酸塩などがあるが、これらに限定されない。 薬学的に許容可能な酸付加塩を形成するために利用可能な酸の例として、塩酸、臭化水素酸、硫酸、および、リン酸などの無機酸、そして、シュウ酸、マレイン酸、コハク酸、および、クエン酸などの有機酸などがあるが、これらに限定されない。
塩基性含窒基は、メチル、エチル、プロピル、および、ブチル塩化物、臭化物、および、ヨウ化物などの低級アルキルハロゲン化物、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸ジブチル、および、硫酸ジアミルなどのジアルキル硫酸塩、デシル、ラウリル、ミリスチル、および、ステアリル塩化物、臭化物、および、ヨウ化物などの長鎖アルキルハロゲン化物、臭化ベンジルや臭化フェネチルなどのアリールアルキルハロゲン化物、および、その他の薬剤などの薬剤を用いて四級化することができる。 こうすることで、改変された溶解性または分散性を有する産物が得られることとなる。
薬学的に許容可能な担体を用いて製剤された本願発明の化合物を含む組成物が調製され、適切な容器内に収容し、そして、表示された病態の治療のための表示が容器に付けられる。 したがって、投与形態の本願発明の化合物とその化合物の使用の指示に関する表示を含む容器などの製造品も意図している。 本願発明にあっては、キットも意図している。 例えば、そのキットは、投与形態の医薬組成物と、病状を治療するに際しての医薬組成物の使用に関する指示を記載した添付文書を含むことができる。 いずれの事例においても、文書に記載する病態として、炎症性疾患や癌などを含めることができる。
投与方法
式Iで示される化合物を含む医薬組成物は、非経口投与技術や腸内投与技術を含む従来の方法によって、患者に投与することができる。 非経口投与法として、消化管以外の経路、例えば、静脈内、動脈内、腹腔内、髄内、筋肉内、関節内、髄腔内、および、脳室内への注射といった経路での投与方法がある。 腸内投与法として、例えば、経口投与(経頬および舌下投与を含む)や直腸投与などがある。 経上皮投与方法として、例えば、経粘膜投与や経皮投与などがある。 経粘膜投与方法として、例えば、腸内投与ならびに経鼻投与、吸入、および、肺深部投与、それに、経膣投与や直腸投与などがある。 経皮投与として、例えば、パッチやイオン導入機器、ならびに、ペースト、ぬり薬、または、軟膏などの受動的または能動的な経皮的または経膜的投与方法がある。 非経口投与は、高圧技術、例えば、POWDERJECT(商標)を用いて行うこともできる。
外科的手法として、デポー(貯留)組成物や浸透圧ポンプなどの埋込術がある。 炎症を治療するための好ましい投与経路として、関節炎などの限局性の疾患については、限局的または局所的な投与を行うことができ、また、分布した疾患については、例えば、再灌流傷害や敗血症などの全身的病態については、静脈内投与などをして全身的な送達を行うことができる。 気道が関係する疾患、例えば、慢性閉塞性肺疾患、喘息、および、気腫などを含むその他の疾患については、噴霧、エアロゾル、粉体などの吸入または肺深部投与を行うことで、投与を実施することができる。
式Iで示される化合物は、化学療法、放射線治療、および/または、手術の前、これらを行っている最中、または、これらを行った後に投与することができる。 製剤と選択した投与経路は、個々の患者、治療する患者の実質的な病態、および、一般的には、対応にあたる医師の判断に基づいて修正を加えることになるであろう。
癌細胞を同定するマーカーを発現している癌細胞に対して標的送達する化合物を改変または誘導することで、式Iで示される化合物の治療指数を改善させることができる。 例えば、それら化合物を、癌細胞に対して選択的または特異的であるマーカーを認識する抗体に結合することで、前述したように、それら化合物は、癌細胞の近傍に集まって、そこで局所的な効果を奏することとなる(例えば、Pietersz, et al, Immunol. Rev., 129:57 (1992); Trail et al, Science, 261:212 (1993); および、Rowlinson-Busza, et al, Curr. Qpin. Oncol.,4:1142 (1992)を参照されたい)。 これら化合物を、腫瘍に対して直接に送達して、特に、放射線療法または化学療法に起因する非特異的な強い毒性を最小限にすることで、治療的有用性の改善に至ることとなる。 その他の実施態様において、式Iで示される化合物、および、放射性同位体、または、化学療法を、同じ抗腫瘍抗体と組み合わせて用いることができる。
薬剤それ自体およびその薬剤を用いた製剤の性質は、投与した薬剤の物理的状態、安定性、in vivoでの放出速度、および、in vivoでのクリアランス速度に対して影響を及ぼすことができる。 このような薬物動態と薬力学に関する情報は、in vitroおよびin vivoでの臨床前研究において収集することができ、そして後に、臨床試験の過程でヒトについても確認されることとなる。 したがって、本願発明の方法で用いたいずれの化合物についても、当初は、生化学アッセイ、および/または、細胞を用いたアッセイから治療有効量を見積もることができる。
本願発明の化合物の毒性と治療効果は、細胞培養物や実験動物を用いた標準的な薬学的手法、例えば、LD50(母集団の50%が死滅する用量)やED50(母集団の50%に対して治療有効性を示す用量)を決定する手法によって、決定をすることができる。 毒性と治療効果との間の用量比が、通常、LD50/ED50の比率で表現されている「治療指数」である。 治療指数の大きな化合物、すなわち、毒性用量が有効用量よりも実質的に大きな化合物が好ましい。 前述した細胞培養物アッセイやその他の動物実験から得たデータは、ヒトに適用する用量範囲を導くために用いることができる。 それら化合物の用量は、好ましくは、ED50を含む循環濃度の範囲内であって、かつ毒性が僅かであるか、皆無の用量である。
本願発明の方法にあっては、投与時期と投与順序を定めた効果的な投与計画を用いることができる。 薬剤の用量は、好ましくは、有効量の薬剤を含む薬学的用量単位を含んだものである。 本明細書で使用する「有効量」の用語は、PI3Kβの発現または活性の調節、および/または、一つまたはそれ以上の薬学的用量単位を投与して、患者の生理学的パラメータに対して計測可能な変化を誘導する上で十分な量のことを指す。 また、「有効量」の用語は、患者の疾病または疾患を緩和するために必要な量のことも指している。
式Iで示される化合物についての適切な用量範囲は、これらのことを考慮して変化することになるが、一般的には、これらの化合物は、10.0μg/体重kg〜15mg/体重kg、1.0μg/体重kg〜10mg/体重kg、または、0.5mg/体重kg〜5mg/体重kgの範囲で投与される。 よって、標準的な70kgのヒト被験者の場合、この用量範囲は、700μg/用量〜1050mg/用量、70μg/用量〜700mg/用量、または、35mg/用量〜350mg/用量となり、そして、これらの用量で、1日に2回またはそれ以上の回数で投与がされる。 これら化合物を、経口的または経皮的に投与する場合、それらの用量は、例えば、静脈投与する場合と比較して大きくすることができる。 ある特定の実施態様において、癌の治療では、750mg/日までの化合物Iの経口投与を含む。 この化合物の毒性を抑えることで、比較的に高用量での治療のための投与が可能となる。 多くの固形腫瘍を治療するために、約50〜100mg/用量で、1日に1回、または、好ましくは、少なくとも1日に2回の頻度で経口投与することが適切である。ことがよくある。 ある実施態様において、化合物Iは、1日あたりの総用量を約60〜750mgの間と定め、20〜150mg/用量が、1日に3〜5用量で、経口投与される。 ある実施態様において、1日あたりの総用量は、100〜500mgの間であり、また、ある実施態様において、正規化した一日投与量(患者の体重に基づいて調整された数値)は、治療をした患者の体重1kgあたり約60mgまでである。
これらの化合物は、静脈投与または経皮投与、あるいは、多回投与において、単回ボーラス投与や経時的用量として投与することができる。 静脈送達または経皮送達を行うために、ある用量を長時間にわたって送達することができ、また、活性化合物に関する所望の血漿中濃度を実現するために、用量を選択または調整することができる。 ある実施態様において、所望の濃度とは、少なくとも約1μM、あるいは、少なくとも約10μMになるであろう。
化合物を経口投与する場合、1日に2用量または3用量を投与することが好ましい。 ある実施態様において、3用量/日が投与されている。 ある実施態様において、4用量/日が投与されている。
投薬は、1日だけでもよく、あるいは、約7日間という複数日にわたって行われてもよい。 ある実施態様において、毎日の投薬は、約14日間または約28日間にわたって継続される。 ある実施態様において、約28日間にわたって投薬が継続され、次いで、その後の7日間にわたって投薬を取り止められ、化合物Iを用いた治療を止めた場合に、その休止期間中に治療効果が評価され、そして、治療によって所望の効果が得られているとの評価を受ければ、化合物Iを用いて、さらに7〜28日のサイクルで治療を再開することができる。
体重、身体表面積、または、臓器の大きさに基づいて、投与経路に応じた適切な用量を算出することができる。 最終的な投薬計画は、薬物の作用を改変する様々な因子、例えば、薬剤の特異的な活性、疾病の実体や重篤度、患者の反応性、患者の年齢、病態、体重、性別、および、食習慣、それに、感染症の重篤度などを考慮して、適正な医療行為の観点から、治療にあたっている医師によって決定されるであろう。 考慮すべきその他の因子として、投与の時期と頻度、薬剤の組み合わせ、反応感度、および、治療に対する耐性/応答などがある。 本明細書に記載した製剤のいずれかが関係する治療において適切な用量をさらに調整することは、とりわけ、本明細書に記載した用量に関する情報とアッセイに関する記述、それに、ヒトを対象とした臨床試験で得られた薬物動態のデータを考慮することで、当業者が、過度の実験を経ずに、容易に実現しえる事項である。 体液やその他の検体に含まれる薬剤の濃度を決定するための確立されたアッセイを、用量反応データと一緒に利用することで、適切な用量を確定することができる。
服用頻度は、薬剤の薬物動態パラメーターと投与経路によって変化するであろう。 活性部分を十分な濃度で保ち、あるいは、所望の効果を維持するために、用量と投与方法は調整される。 したがって、薬剤の所望の最小濃度を維持する必要に応じて、医薬組成物を、単回投与、複数回分割投与、連続注入、持続的放出デポー、または、これらの組み合わせでもってして投与することができる。 短時間作用医薬組成物(すなわち、短半減期)は、1日に1回、または、1日に1回またはそれ以上(例えば、1日に2回、3回、または、4回)の頻度で投与することができる。 持続性医薬組成物は、3〜4日ごと、毎週、または、2週間に1回の頻度で投与することができる。 皮下、腹腔内、または、硬膜下用ポンプなどのポンプ類は、連続注入のために好適に利用することができる。
本願発明の方法に対して好適に応答するであろう患者として、内科系患者と獣医学的患者があり、一般的には、ヒト患者も含まれる。 その他の動物において、本願発明の方法が有用である動物として、ネコ、イヌ、大型動物、ニワトリなどの鳥類などがある。 一般的に、式Iで示される化合物から恩恵を受ける患者であれば、本願発明の方法に従って投与を受けることは適切である。
本明細書に開示した生物学的データは、1%未満のR-異性体と99%を超えるS-エナンチオマーを含んだ化合物Iの試料を用いて作成したものであって、40℃で、90:10のヘキサン/エタノールを1ml/分の流速で用いて稼動させた4.6×250mmのキラルセルOD-Hカラムを用いたキラルHPLCによって決定したものである。 この物質は、図9にまとめた手順に従って調製した。 この物質は、HPLCによって、99%を超える純度が(214nmおよび254nmの紫外線の検出によって)決定されており、また、NMRやエレクトロスプレー質量分光分析によっても同定が行われた。 白色粉末の形態であった。
実施例で用いた物質は、以下の性状を有していた。
実施例1:ニワトリ胚線維芽細胞形質転換アッセイ
PI3Kアイソフォームp110α、p110β、p110δ、および、p110γのそれぞれでのヒト遺伝子の型を有するウィルスストックで、ニワトリ胚線維芽細胞(CEF)に対して形質導入をする。 そして、形質導入がされたそれらCEF株は、腫瘍形成的に形質転換した細胞形態の病巣の染色と計数を後に行うことができる増殖培地に播かれる。 150nMのEC50を示すp110βが形質導入されたCEF細胞での形質転換病巣の形成を、化合物Iは、阻害した。 これとは対照的に、試験で用いた最大濃度(2,000nM)の化合物Iでも、p110αが形質導入されたCEF細胞を顕著に阻害するには至らなかった。 Denley A, Kang S, Karst U and Vogt PK, "Oncogenic signaling of class 1 PI3K isofoms," Oncogene (2008) 27: 2561-2574。 図3では、このアッセイの読み出しについて説明をしている。
実施例2:化合物Iの調製
Zhichkin, et al., Organic Letters, vol. 9(7), 1415-18 (2007)、および、米国特許第6,800,620号公報に記載の方法の変法を含む当該技術分野で周知の方法を用いて、図5に記載の経路を経て、化合物Iが合成された。
実施例3:卵巣癌細胞異種移植片に関する化合物Iの効果
OVCAR-3異種移植片(ヒト卵巣癌細胞)を有するメスのnu/nuマウスを、その腫瘍体積が、約100mmになるまで維持をした。 その時点で、30mg/kgの化合物Iを、1日に2回の頻度で投与をして治療を開始した。 36日間にわたる腫瘍体積の計測結果を、図8に示しており、この結果は、化合物Iを用いて治療を行うことで、腫瘍の成長が阻害されたのみならず、実際の腫瘍の大きさが縮小していることを実証するものである。
実施例4:腎臓癌異種移植片に関する化合物Iの効果
A498異種移植片(ヒト腎臓癌細胞)を有するメスのnu/nuマウスを、その腫瘍の体積が、約100mmになるまで維持をした。 その時点で、30mg/kgの化合物Iを、1日に2回の頻度で投与をして治療を開始した。 20日間にわたる腫瘍体積の計測結果を、図9に示しており、この結果は、ここで用いた用量レベルでもってして、in vivoでの腫瘍の成長が顕著に抑制されていることを実証するものである。
実施例5:腫瘍異種移植片を有するマウスでの化合物Iの血漿中濃度
先の二つの実施例で用いた癌細胞異種移植片のいずれかを有するメスのnu/nuマウスについて、化合物Iの血漿中濃度を調べた。 各試験動物に対して、30mg/kgの用量で化合物Iを単回投与し、そして、その後の12時間にわたって、血漿中濃度のモニタリングをした。 図10に示したように、いずれの事例にあっても、化合物Iの血漿中濃度は、投与をして約2〜4時間後にピークを迎え、そして、前出の用量で単回投与をして8時間後には、ほぼゼロの値にまで戻った。 これら動物での血漿中濃度のピーク値は、各々の異種移植片での腫瘍の成長を阻害する上で効果的であるとされる用量(前出の実施例と図8〜図9を参照されたい)で単回注射を行った後に認められたものであるが、それらは、概して、約7,000ng/mlを下回るものであった。
実施例6:ラットでの化合物Iの薬物動態および毒物動態
化合物Iが、60、120、または、240mg/kg/日の用量となるように調製し、そして健常なラットに対して、単回投与として、14日目までに投与を行った。 図11は、耐量を目指して行われた治療の初日(破線)と治療の最終日(実線)との間に、各試験動物に対して24時間にわたって測定をした化合物Iの血中濃度を示している。 化合物Iのピーク濃度(Cmax)と耐量に関する濃度曲線下面積(AUC)は、そのいずれもが、マウスの異種移植片モデル腫瘍において、有効用量の化合物Iを用いて認められた数値よりも大きかった。 例えば、60mg/kg/日の用量では、7,300ng/mlのCmaxが得られているが、異種移植片において効果的な抗腫瘍用量に関するCmaxは、2,800ng/mlと5,600ng/mlであった。 同様に、この研究において60mg/kg/日の用量で得られたAUCは、58,000ng-h/mlであったのに対して、異種移植片を有し、かつ、治療有効量の投与を受けたマウスでの対応するAUCは、15,000ng-h/mlと18,000ng-h/mlであった。
実施例7:本願発明の実施態様
以下の記載は、本願発明の様々な実施態様を列挙したものである。
1.ある実施態様において、本願発明の開示は、患者の固形腫瘍を治療するための薬剤として用いる式I:
で示される光学活性化合物、薬学的に許容可能なその塩、または、式Iで示される光学活性化合物、または、薬学的に許容可能なその塩を含む医薬組成物を提供する。
2.ある実施態様において、本願発明の開示は、患者の固形腫瘍を治療するために用いる式I:
で示される光学活性化合物、薬学的に許容可能なその塩、または、式Iで示される光学活性化合物、または、薬学的に許容可能なその塩を含む医薬組成物を提供するものであって、式Iで示される化合物、または、その塩の量は、固形腫瘍を治療する上で効果的な量である。
3.実施態様2のある実施態様において、固形腫瘍は、膵臓癌、膀胱癌、結腸直腸癌、乳癌、前立腺癌、腎臓癌、肝細胞癌、肺癌、卵巣癌、子宮頸癌、胃癌、食道癌、頭頸部癌、黒色腫、神経内分泌癌、中枢神経系癌、脳腫瘍、骨肉腫、および、軟部組織肉腫からなるグループから選択される。
4.実施態様2のある実施態様において、固形腫瘍は、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、結腸癌、中枢神経系癌、黒色腫、卵巣癌、腎臓癌、前立腺癌、および、乳癌から選択される。
5.実施態様2のある実施態様において、S-エナンチオマーが、少なくとも約9:1の比率で、R-エナンチオマーよりも過剰に存在する。
6.実施態様2のある実施態様において、S-エナンチオマーが、少なくとも約19:1の比率で、R-エナンチオマーよりも過剰に存在する。
7.実施態様2〜6のいずれかの実施態様において、化合物は、患者に対して経口的に投与される。
8.実施態様2〜6のいずれかの実施態様において、化合物は、患者に対して固形剤型で投与される。
9.実施態様8の実施態様において、固形剤型が、薬学的に許容可能な少なくとも一つの賦形剤と共に混合された式Iで示される光学活性化合物を含む。
10.実施態様9の実施態様において、固形腫瘍が、卵巣癌、腎臓癌、乳癌、肺癌、結腸癌、または、前立腺癌である。
11.実施態様2〜6のいずれかの実施態様において、患者が、化学療法治療を施しても効果がなく、あるいは、化学療法を用いた治療を施した後に再発をしている。
12.前出のいずれかの実施態様において、式Iで示される化合物が、20〜500mg/日の用量で投与される。
13.前出のいずれかの実施態様において、式Iで示される化合物が、50〜250mg/日の用量で投与される。
14.実施態様2〜6のいずれかの実施態様において、式Iで示される化合物が、50〜150mgの用量で、1日に2回、投与される。
15.実施態様2〜6のいずれかの実施態様において、式Iで示される化合物が、少なくとも2回/日で投与される。
16.実施態様2〜6のいずれかの実施態様において、化合物が、前記患者のPI3Kδ活性のレベルをさらに低下させる。
17.実施態様2〜6のいずれかの実施態様において、前記患者が、ヒト被験者である。
18.実施態様17の実施態様において、投与から12時間の間、化合物の血中濃度が、40〜3,000ng/mlの範囲にある。
19.実施態様17の実施態様において、治療を受けた患者における化合物の血中濃度が、約100nM〜2,000nMの範囲にある。
20.実施態様2〜6のいずれかの実施態様において、薬剤が、経口投与、静脈内投与、または、吸入投与される。
21.実施態様2〜6のいずれかの実施態様において、式Iで示される化合物に加えて、前記患者での前記固形腫瘍を治療するために選択された少なくとも一つの治療有効量の治療薬を投与し、および/または、治療手段を施す。
22.実施態様21の実施態様において、前記治療薬が、ドセタキセル、ミトキサントロン、プレドニゾン、エストラムスチン、アントラサイクリン、(ドキソルビシン(アドリアマイシン)、エピルビシン(エレンス)、および、リポソームドキソルビシン(ドキシル))、タキサン(ドセタキセル(タキソテール)、パクリタキセル(タキソール)、および、タンパク質結合パクリタキセル(アブラキサン))、シクロホスファミド(シトキサン)、カペシタビン (ゼローダ)、および、5-フルオロウラシル(5 FU)、ゲムシタビン(ジェムザール)、メトトレキセート、ビノレルビン(ナベルビン)、エルロチニブなどのEGFR阻害剤、トラスツズマブ、ハーセプチン、アバスチン、プラチン(シスプラチン、カルボプラチン)、テモゾロマイド、インターフェロンα、および、IL-2からなるグループから選択される。
23.実施態様21の実施態様において、前記治療薬が、EGFR阻害剤、mTOR阻害剤、プラチン、および、タキサンからなるグループから選択される。
24.実施態様21の実施態様において、前記治療手段が、末梢血幹細胞移植、自家造血幹細胞移植、自家骨髄移植、抗体療法、生物療法、酵素阻害剤療法、全身照射法、幹細胞の注入、幹細胞サポートを用いる骨髄除去、in vitroでの末梢血幹細胞移植、臍帯血移植、免疫酵素法、免疫組織化学染色化合物、薬理学的研究、低LETコバルト60γ線療法、ブレオマイシン、従来の外科処置、放射線療法、高用量化学療法、および、骨髄非破壊的同種造血幹細胞移植からなるグループから選択される。
25.実施態様2〜6のいずれかの実施態様において、前記患者から生体試料を取得し、および、血液化学検査、染色体転座分析、針生検、蛍光in situハイブリダイゼーション、臨床バイオマーカー分析、免疫組織化学染色化合物、フローサイトメトリー、または、これらの組み合わせからなるグループから選択される分析手段を用いて前記生体試料を分析する、ことをさらに含む。
26.実施態様25の実施態様において、約28日間、毎日2回の化合物の投与を行い、その後、少なくとも7日間、投与を取り止める。

Claims (26)

  1. 患者の固形腫瘍を治療するための薬剤として用いられる式I:
    で示される光学活性化合物、薬学的に許容可能なその塩、または、式Iで示される光学活性化合物、または、薬学的に許容可能なその塩を含む医薬組成物。
  2. 患者の固形腫瘍を治療するために用いられ、かつ、固形腫瘍を治療する上で有効な量の式I:
    で示される光学活性化合物、薬学的に許容可能なその塩、または、式Iで示される光学活性化合物、または、薬学的に許容可能なその塩を含む医薬組成物。
  3. 前記固形腫瘍が、膵臓癌、膀胱癌、結腸直腸癌、乳癌、前立腺癌、腎臓癌、肝細胞癌、肺癌、卵巣癌、子宮頸癌、胃癌、食道癌、頭頸部癌、黒色腫、神経内分泌癌、中枢神経系癌、脳腫瘍、骨肉腫、および、軟部組織肉腫からなるグループから選択される請求項2に記載の化合物。
  4. 前記固形腫瘍が、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、結腸癌、中枢神経系癌、黒色腫、卵巣癌、腎臓癌、前立腺癌、および、乳癌からなるグループから選択される請求項2に記載の化合物。
  5. S-エナンチオマーが、少なくとも約9:1の比率で、R-エナンチオマーよりも過剰に存在する請求項2に記載の化合物。
  6. S-エナンチオマーが、少なくとも約19:1の比率で、R-エナンチオマーよりも過剰に存在する請求項2に記載の化合物。
  7. 前記患者に対して経口的に投与される請求項2乃至6のいずれかに記載の化合物。
  8. 前記患者に対して固形剤型で投与される請求項2乃至6のいずれかに記載の化合物。
  9. 前記固形剤型が、薬学的に許容可能な少なくとも一つの賦形剤と共に混合された式Iで示される光学活性化合物を含む請求項8に記載の化合物。
  10. 前記固形腫瘍が、卵巣癌、腎臓癌、乳癌、肺癌、結腸癌、または、前立腺癌である請求項9に記載の化合物。
  11. 前記患者が、化学療法治療を施しても効果がなく、あるいは、化学療法を用いた治療を施した後に再発をしている請求項2乃至6のいずれかに記載の化合物。
  12. 式Iで示される化合物が、20〜500mg/日の用量で投与される請求項2乃至6のいずれかに記載の化合物。
  13. 式Iで示される化合物が、50〜250mg/日の用量で投与される請求項2乃至6のいずれかに記載の化合物。
  14. 式Iで示される化合物が、50〜150mgの用量で、1日に2回、投与される請求項2乃至6のいずれかに記載の化合物。
  15. 式Iで示される化合物が、少なくとも2回/日で投与される請求項2乃至6のいずれかに記載の化合物。
  16. 前記患者のPI3Kδ活性のレベルを低下させる、ことをさらに含む請求項2乃至6のいずれかに記載の化合物。
  17. 前記患者が、ヒトである請求項2乃至6のいずれかに記載の化合物。
  18. 投与から12時間の間、前記化合物の血中濃度が、40〜3000ng/mlの範囲にある請求項17に記載の化合物。
  19. 治療を受けた患者における前記化合物の血中濃度が、約100nM〜2000nMの範囲にある請求項17に記載の化合物。
  20. 前記薬剤が、患者に対して、経口投与、静脈内投与、または、吸入投与される請求項2乃至6のいずれかに記載の化合物。
  21. 式Iで示される化合物を前記患者に投与することに加えて、前記患者での前記癌を治療するために選択された少なくとも一つの治療有効量の治療薬を投与し、および/または、治療手段を施す、ことをさらに含む請求項2乃至6のいずれかに記載の化合物。
  22. 前記治療薬が、ドセタキセル、ミトキサントロン、プレドニゾン、エストラムスチン、アントラサイクリン系、(ドキソルビシン(アドリアマイシン)、エピルビシン(エレンス)、および、リポソームドキソルビシン(ドキシル))、タキサン(ドセタキセル(タキソテール)、パクリタキセル(タキソール)、および、タンパク質結合パクリタキセル(アブラキサン))、シクロホスファミド(シトキサン)、カペシタビン(ゼローダ)、および、5-フルオロウラシル(5-FU)、ゲムシタビン(ジェムザール)、メトトレキセート、ビノレルビン(ナベルビン)、エルロチニブなどのEGFR阻害剤、トラスツズマブ、ハーセプチン、アバスチン、プラチン(シスプラチン、カルボプラチン)、テモゾロマイド、インターフェロンα、および、IL-2からなるグループから選択される請求項21に記載の化合物。
  23. 前記治療薬が、EGFR阻害剤、mTOR阻害剤、プラチン、および、タキサンからなるグループから選択される請求項21に記載の化合物。
  24. 前記治療手段が、末梢血幹細胞移植、自家造血幹細胞移植、自家骨髄移植、抗体療法、生物療法、酵素阻害剤療法、全身照射法、幹細胞の注入、幹細胞サポートによる骨髄除去、in vitroでの末梢血幹細胞移植、臍帯血移植、免疫酵素法、免疫組織化学染色化合物、薬理学的研究、低LETコバルト60γ線療法、ブレオマイシン、従来の外科処置、放射線療法、高用量化学療法、および、骨髄非破壊的同種造血幹細胞移植からなるグループから選択される請求項21に記載の化合物。
  25. 前記患者から生体試料を取得し、および、血液化学検査、染色体転座分析、針生検、蛍光in situハイブリダイゼーション、臨床バイオマーカー分析、免疫組織化学染色化合物、フローサイトメトリー、または、これらの組み合わせからなるグループから選択される分析手段を用いて当該生体試料を分析する、ことをさらに含む請求項2乃至6のいずれかに記載の化合物。
  26. 前記化合物を、前記患者に対して、約28日間、毎日2回の投与を行い、その後、少なくとも7日間、投与を取り止める請求項25に記載の化合物。
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