JP2008501707A - マスト細胞障害を処置するための方法 - Google Patents

マスト細胞障害を処置するための方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、ホスホイノシチド3−キナーゼδ(PI3Kδ)の選択的阻害剤を投与することによってマスト細胞活性を阻害する方法を提供する。本発明はまた、有効量の選択的PI3Kδ阻害剤を投与する工程を包含する、個体における望ましくないマスト細胞活性に関連する状態を処置または予防するための方法を提供する。本発明の方法は、マスト細胞表面での免疫グロブリン受容体の架橋によって媒介される状態(または状態に関連する症状)を処置または予防するのに特に有用である。

Description

本願は、2004年6月4日に出願された米国仮特許出願第60/576,947号の優先権の利益を主張する。米国仮特許出願第60/576,947号は、本明細書中に参考として援用される。
(発明の分野)
本発明は、PI3Kδを阻害することによってマスト細胞活性を調節するための方法および化合物に関連する。そのようなマスト細胞活性には、マスト細胞の脱顆粒化、マスト細胞の遊走、マスト細胞の増殖、ならびに、サイトカイン、ケモカインおよび増殖因子のマスト細胞による発現および分泌が含まれるが、これらに限定されない。そのため、本発明の方法および化合物は、望ましくないそのようなマスト細胞活性に関連する状態を処置または予防するために使用することができる。
(発明の背景)
ホスホイノシチド3−キナーゼ(PI3K)は、細胞の成長、リモデリングおよびアポトーシスを含む多くの細胞活性において重要な役割を果たすシグナル伝達酵素であり[WymannおよびPirola、Biochem Biophys Acta.、1998;1436:127〜150;Anderson他、J Biol Chem.、1999;274:9907〜9910;Rameh他、J Biol Chem.、1999;274:8347〜8350;Cantrell、J Cell Sci.、2001;114:1439〜1445;CoelhoおよびLeevers、J Cell Sci.、2000;113:2927〜2934;Vanhaesebroeck他、Ann.Rev Biochem.、2001;70:535〜602;Northcott他、Circ Res.、91:360〜369(2002);Yang他、Am J Physiol Heart Circ Physiol.、280:H2144〜H2152(2001);Komalavilas他、J Appl Physiol.、91:1819〜1827(2001)]、PI3Kはまた、多くの他の細胞プロセス(例えば、悪性の形質転換、増殖因子のシグナル伝達、炎症および免疫など)において様々な役割を果たしている。総説については、Rameh他、J.Biol Chem、274:8347〜8350(1999)を参照のこと。そのような多様な活性は、少なくとも部分的には、PI3Kの脂質キナーゼ活性およびプロテインキナーゼ活性に起因し得る。PI3−キナーゼの触媒サブユニットのクローニングにより、この多重遺伝子ファミリーが、それらの基質特異性、配列相同性および調節に基づいて3つの大きなクラスに編成されることが明らかになった。クラスIのPI3−キナーゼは、最も詳細に調べられているクラスであり、2つのサブユニットを含有し、そのうちの1つが主に調節/アダプターの役割を果たし(p85α、p85β、p55γまたはp101のアイソフォーム)、他方が酵素の触媒的役割を維持している(p110α、p110β、p110δまたはp110γのアイソフォーム)[WymannおよびPirola、上掲;Anderson他、上掲;Rameh他、上掲;Cantrell、上掲;CoelhoおよびLeevers、上掲;Vanhaesebroeck他、上掲]。
PI3−キナーゼのp110δアイソフォームの同定が、Chantry他[J Biol Chem、272:19236〜41(1997)]に記載されている。ヒトのp110δアイソフォームは組織限定様式で発現することが、観測された。ヒトのp110δアイソフォームは、リンパ球およびリンパ様組織において高レベルで発現する。p110δアイソフォームに関する詳細はまた、米国特許第5,858,753号、同第5,822,910号および同第5,985,589に見出すことができる(それぞれが参考として本明細書中に援用される)。Vanhaesebroeck他、Proc Natl Acad Sci USA、94:4330〜5(1997)、および、国際特許出願公開WO97/46688もまた参照のこと。
PI3Kは、少なくとも部分的には、ホスホイノシチドのイノシトール環へのリン酸基の付加を触媒することによって、細胞内のシグナル伝達を達成する[WymannおよびPirola、上掲]。これらのリン酸化された生成物の標的の1つが、セリン/トレオニンプロテインキナーゼB(PKBまたはAkt)である。Aktは続いて、Bcl−2ファミリーのメンバーであるBad、およびカスパーゼ−9をはじめとするいくつかの下流側の標的をリン酸化し、それにより、それらの前アポトーシス機能を阻害する[Datta他、Cell、91:231〜41(1997);Cardone他、Science、282:1318〜21(1998)]。Aktはまた、フォークヘッド転写因子FKHRをリン酸化することが示されている[Tang他、J.Biol.Chem.、274:16741〜6(1999)]。加えて、アポトーシス装置の多くの他のメンバー、ならびに、転写因子が、Aktとコンセンサスなリン酸化部位を含有する[Datta他、上掲]。
Aktのリン酸化は、内皮細胞を含む多数の細胞タイプにおけるクラスI PI3−キナーゼ活性の間接的な尺度として、広く使用されている[Shiojima他、Circ.Res.、90:1243〜1250(2002);Kandel他、Exp.Cell Res.、253:210〜229(1999);Cantley他、Science、296:1655〜1657(2002)]。PI3K活性は、増殖因子により媒介される様々な細胞タイプの生存のために必要とされる[Fantl他、Ann.Rev.Biochem.、62:453〜81(1993);Datta他、Genes&Dev.、13:2905〜27(1999)]。
非選択的なホスホイノシチド3−キナーゼ(PI3K)阻害剤であるLY294002およびウォルトマニンは、放射線照射された内皮細胞における腫瘍の脈管構造の破壊を増強すること[Edwards他、Cancer Res.、62:4671〜77(2002)]、および、マスト細胞の脱顆粒化を部分的に阻害すること[Tkaczyk他、J Biol Chem.、278:48474〜84(2003)]が示されている。しかしながら、LY294002およびウォルトマニンは、クラスIのPI3Kの4つのメンバーを区別しない。例えば、クラスIの様々なPI3Kのそれぞれに対するウォルトマニンのIC50値は、1nM〜10nMの範囲にある。同様に、これらのPI3Kのそれぞれに対するLY294002についてのIC50値は、約1μMである[Fruman他、Ann.Rev.Biochem.、67:481〜507(1998)]。これらの阻害剤は、クラスIのPI3Kに関して非選択的であるだけでなく、DNA依存性プロテインキナーゼ、FRAP−mTOR、平滑筋ミオシン軽鎖キナーゼおよびカゼインキナーゼ−2の強力な阻害剤でもある[Hartley他、Cell、82:849〜56(1995);Davies他、Biochem.J.、351:95〜105(2000);Brunn他、EMBO J.、15:5256〜67(1996)]。
p110α、p110β、p110γおよびp110δのアイソフォームは広範囲の様々な細胞タイプによって示差的に発現するため、非選択的なPI3K阻害剤(例えば、LY294002およびウォルトマニンなど)の投与は、多くの場合、処置のための標的とならない可能性がある細胞タイプに影響を及ぼす。従って、そのような非選択的阻害剤の治療有効量は、そのような非選択的阻害剤が他の免疫調節治療と組み合わされるときには特に、標的でない細胞タイプが影響を受ける可能性があるため、臨床的に望ましくないことが予想される。
マスト細胞は、多様かつ重要な役割を果たしている。例えば、マスト細胞は、アレルゲンあるいは寄生虫感染または細菌感染に対する応答において見られる生来的な免疫系の最初の免疫応答を媒介することに関与する。マスト細胞はまた、養子免疫応答のために必要とされる2番目の免疫応答をもたらすために、他の炎症性細胞(例えば、好中球およびT細胞など)の活性化および呼び寄せにも寄与する。CD34マスト細胞が、免疫応答を生じさせる前駆体細胞として血液中に循環しており、特定の組織部位において完全に成熟化する。マスト細胞の発達および成熟化には、マスト細胞増殖因子(これはまた幹細胞因子(SCF)としても知られている)、steelまたはKITリガンドが必要とされる[Gurish他、J.Exp.Med.、194:F1〜F5(2001)]。KIT受容体がそのリガンドと相互作用することにより、マスト細胞の増殖および分化がもたらされる(Feger他、Int.Arch.Allergy Immunol.、127:110〜14(2002)]。
マスト細胞は、抗原と結合したIgEによる細胞表面での高親和性のFcεRI IgE受容体の架橋によってか、またはより低い程度ではあるが、IgGによるFcγRI受容体の架橋によって、活性化される[Tkaczyk他、Int Arch Allergy Immunol.、133:305〜15(2004)]。FcεRIを介した活性化は、典型的には、急性アレルギー反応および他のタイプの過敏性反応において見られ、さらなる免疫細胞を刺激し、また、完全な免疫応答をもたらす。
マスト細胞は、マスト細胞が活性化したときに放出される様々な炎症性媒介因子を貯蔵する異染性顆粒を含有する。これらの媒介因子には、ヒスタミンおよびセロトニン;プロスタグランジンD2;タンパク質分解性酵素、例えば、組織を破壊し得るか、あるいは、補体成分または凝固成分を切断し得るトリプターゼなど;ヘパリンまたはコンドロイチン硫酸(これらは抗凝固性である);走化性因子、例えば、アナフィラキシーの好酸球走化性因子(好酸球機能の重要な調節因子)および好中球走化性因子などが含まれる。マスト細胞活性化時において、これらの媒介因子が細胞環境に放出され、急性免疫応答および即時免疫応答(例えば、血管透過性およびリンパ球の呼び寄せなど)を引き起こす。例えば、トリプターゼレベルは1時間以内に上昇して、4時間〜6時間にわたって上昇したままであり、一方、ヒスタミンレベルは約5分でピークに達し、15分以内に急速に低下する。ヒスタミンの放出は血管の拡張を引き起こし、これにより、周りの組織への流体の漏出をもたらし、アレルギー反応の多くの初期症状を引き起こす。ヒスタミンおよび他の媒介因子の放出はまた、アレルギー反応および喘息に特徴的な気道の収縮、水腫、血管充血、および、炎症性細胞の呼び寄せをもたらす[Djukanovic他、Clin Exp Allergy、26 Suppl 3:44〜51(1996)]。
マスト細胞の活性は、健常者において必要であり、かつ、望ましい。しかしながら、望ましくないマスト細胞活性、あるいはそれ以外に正常なマスト細胞または正常でないマスト細胞の過度な増殖が、広範囲の様々な疾患状態および/またはそれらの症状の一因となる場合がある。そのような場合には、マスト細胞の活性および/または増殖を低下または除去することが、治療的観点または予防的観点から多くの場合に望ましい。例えば、数多くの免疫媒介疾患が、サイトカイン、ケモカインおよび他の因子のマスト細胞による放出を伴う。サイトカイン、ケモカインおよび他の因子は、好中球およびT細胞をはじめとするリンパ球などのさらなる免疫細胞を炎症部位に呼び寄せる。これにより、数多くの免疫媒介疾患が生じ得る。例えば、マスト細胞活性(例えば、脱顆粒化など)およびトリプターゼタンパク質が最近、多発性硬化症(T細胞の活性により媒介されることが典型的には考えられる自己免疫疾患)の患者の脳脊髄液にあることが突き止められている[非特許文献1]。加えて、多発性硬化症の実験的モデルを開発するために誘導されたマスト細胞欠損マウス(W/W)では、MS様症状の遅れた発症が明らかにされている[非特許文献2]。
関節リウマチは、関節の慢性的な炎症および関節の滑液における炎症性細胞の存在によって特徴づけられる自己免疫疾患であり、痛みを伴う衰弱性疾患に至る。マスト細胞を有さないマウスは、細胞質酵素に対する抗体を注入した後、関節炎様症状の誘導に対する抵抗性を示す[非特許文献3]。マスト細胞は、コラーゲン誘導性関節炎に冒されているマウスの四肢に蓄積し、疾患期間中に脱顆粒化している[非特許文献4]。このことは、マスト細胞が、炎症を媒介すること、そしてさらなる細胞を関節リウマチに罹患している患者の関節に呼び寄せることにおいて役割を果たし得ることを示している。
マスト細胞のかなり大きな集団が、皮膚に存在する。水疱性天疱瘡(細胞間結合タンパク質に対する自己抗体を示す皮膚の自己免疫疾患)もまた、マスト細胞の活性化に依存することが示されている[非特許文献5]。マスト細胞が欠損しているW/Wマウスは水疱性天疱瘡を発症しなかったが、自己抗体および補体タンパク質が、正常なマウスと同様に皮膚に存在し、W/Wマウスは皮膚への好中球の呼び寄せがなかった。また、マスト細胞媒介因子の証拠が、水疱性天疱瘡の患者において検出されている[非特許文献6]。
マスト細胞が役割を果たしていると考えられる他の免疫障害には、シェーグレン症候群[非特許文献7]、慢性じんま疹[非特許文献8]、甲状腺性眼疾患[非特許文献9]、脈管炎[非特許文献10]および腹膜炎[非特許文献11]が含まれる。
マスト細胞に関連する状態または障害のもう1つの広いカテゴリーは、マスト細胞疾患または肥満細胞症と呼ばれる。肥満細胞症は、様々な組織(最も多くの場合には皮膚であるが、骨格系、造血系、胃腸系、心肺系および中枢神経系においても同様)におけるマスト細胞の増殖および蓄積によって特徴づけられる様々な臨床的障害の不均一な一群を包含する。肥満細胞症は、皮膚(例えば、皮膚肥満細胞症および色素性じんま疹)、骨髄、胃腸管、リンパ節、肝臓および脾臓の全体にわたる予測可能なパターンで分布するマスト細胞の過度な増殖によって特徴づけられる[非特許文献12]。
肥満細胞症は家族性または散発性のいずれかに分類され、後者は皮膚型または全身性のいずれかにさらに分けられる。全身性肥満細胞症は、なおさらに、無痛性(慢性)肥満細胞症および攻撃的肥満細胞症、ならびに、マスト細胞性白血病に分類される。関連した血液学的障害(AHD)を有する様々なタイプの肥満細胞症もまた出現している(非特許文献12)。皮膚肥満細胞症(CM)では、典型的な臨床的および組織学的な皮膚病変、ならびに、全身性関与の明確な徴候(判断基準)の非存在が明らかにされている。ほとんどのCM患者が小児であり、斑丘疹状の皮膚肥満細胞症(例えば、色素性じんま疹、UP)を伴う。他のあまり頻発しない形態のCMが、びまん性皮膚肥満細胞症(DCM)および皮膚の肥満細胞腫である。
全身性肥満細胞症(SM)は、一般に成人において見られ、骨髄における多病巣性の組織学的病変(これは、ほぼ至る所で発現し、主要な診断基準である)、ならびに、全身性疾患の細胞学的徴候および生化学的徴候と一緒での真皮外器官における多病巣性の組織学的病変(副基準)によって規定される(SM−基準)。攻撃型の全身性肥満細胞症は、病的なマスト細胞(MC)による、骨髄、肝臓、脾臓、GI管または骨格系の浸潤に起因する損なわれた器官機能によって特徴づけられる。マスト細胞白血病は、増大した数のMCが骨髄塗布標本(20%以上大きい)および末梢血に存在すること、皮膚病変の非存在、多臓器不全、ならびに、短命によって定義される「高悪性度」の白血病性疾患である。典型的な場合において、循環MCの量が白血球の10%以上になる(古典的形態のMCL)。マスト細胞肉腫は、非定型なMCからなり、かつ、(初期の)全身的関与を伴わない破壊的な成長を示す単一病巣性の腫瘍である。この高悪性度の悪性MC疾患は、真皮外器官での局在化した良性の肥満細胞腫(真皮外肥満細胞腫)または皮膚での局在化した良性の肥満細胞腫のいずれかからも区別されなければならない。
加えて、マスト細胞の過増殖を生じさせるKIT受容体での変異が、急性骨髄性白血病(AML)患者[非特許文献13]、慢性骨髄性白血病患者[非特許文献14]、慢性骨髄単球性白血病患者[非特許文献15]、生殖細胞腫瘍患者[非特許文献16]、および、胃腸間質腫瘍(GIST)患者[非特許文献17]において見出されている。
望ましくないマスト細胞活性に関連する状態(例えば、アレルギーおよび喘息など)についていくつかの特異的な処置が開発されている一方で、マスト細胞に関連づけられる状態についての処置様式では、他の増殖性障害または免疫障害のために開発された非特異的な処置療法(例えば、ヒスタミン受容体遮断剤、プロスタグランジン遮断剤、ステロイド剤)が典型的には用いられ、これらは、不完全な処置、効果的でない処置、または、数多くの免疫抑制副作用を引き起こす処置をもたらしている。
さらに、望ましくないマスト細胞活性に関連する状態を処置するために使用され得る多くの治療剤に対する大きな欠点が、処置によって標的化されるマスト細胞および他の細胞タイプにおける多くの細胞チロシンキナーゼの非特異的な阻害である。例えば、マスト細胞の増殖性障害を処置するための2つのキナーゼ阻害剤治療が、最初は、キナーゼ(血小板由来増殖因子受容体(PDGF−R)、血管内皮細胞増殖因子受容体(VEGFR)またはBcr/Abl変異など)を阻害するために開発された。可能性のあるこれらの治療剤は、すべての形態の肥満細胞症を処置するのに、効果的でないことが判明した。従って、マスト細胞活性を媒介することに関与するキナーゼをより特異的に標的とする効果的な治療剤を開発することが当該分野では依然として求められている。
Rozniecki他、Ann Neurol.(1995)37:p.63〜66 Secor他、J.Exp.Med.(2000)191:p.813〜22 Lee他、Science(2002)297:p.1689〜1693 Woolley他、Arthritis Res.(2000)2:p.65〜74 Chen他、J Clin Invest.(2001)108:1151〜58 Wintroub他、New Eng.J.Med.(2001)298:p.417〜21 Konttinen他、Rheumatol Int.(2000)19:p.141〜7 Napoli他、Curr Allergy Asthma Rep.(2001)1:p.329〜36 Ludgate他、Clin Exp Immunol.2002、127:p.193〜8 Kiely他、J Immunol.(1997)159:p.5100〜6 Malavyn他、Nature(1996)381:p.77〜80 Brockow他、Curr.Opin.Allergy Clin.Immunol.(2001)1:p.449〜54 Beghini他、Cancer Genet Cytogenet.(2000)119:p.26〜31 Cairoli他、Hematol J.(2004)5:p.273〜5 Sotlar他、Leuk Res.(2002)26:p.979〜84 Sakuma他、Cancer Sci.(2003)94:p.486〜91 Heinrich他、J.Clin.Oncol.(2002)20:p.1692〜1703
従って、重要かつ大きな目標は、アレルギーに関連する障害およびマスト細胞に関連する障害を処置および予防する、より安全かつ効果的な方法を開発し、そしてそのような方法を利用可能にすることであり、また、臨床的管理および継続した患者コンプライアンスを容易にする治療法を提供することである。本発明では、この必要性および他の必要性に取り組む。
(発明の要旨)
本発明は、少なくとも部分的には、望ましくないマスト細胞活性に関連するか、または、望ましくないマスト細胞活性によって引き起こされる状態および/またはそのような状態の症状を効果的に処置または予防するための方法を提供する。本発明の方法は、マスト細胞表面での免疫グロブリン受容体の架橋によって媒介される状態(または状態に関連する症状)を処置または予防するのに特に有用である。
1つの実施形態において、本発明は、マスト細胞の活性を阻害するための方法であって、ホスホイノシチド3−キナーゼδ(PI3Kδ)の選択的阻害剤を、マスト細胞の活性を阻害するために有効量を個体に投与する工程を包含する方法を提供する。1つの態様において、阻害されるマスト細胞活性は、マスト細胞の遊走、マスト細胞の増殖、マスト細胞の脱顆粒化、あるいは、サイトカイン、ケモカインまたは増殖因子のマスト細胞からの発現または分泌である。さらなる態様において、サイトカインはTNF−αである。関連した態様において、サイトカインはIL−6である。関連した態様において、阻害されるケモカインは、エオタキシン、MIP−1α、MIP−1β、MDC−1、MCP−1またはリンホタクチンである。
関連した実施形態において、本発明は、望ましくないマスト細胞活性に関連する状態において炎症部位へのリンパ球浸潤を低下または予防する方法であって、ホスホイノシチド3−キナーゼδ(PI3Kδ)の選択的阻害剤を、該炎症部位へのリンパ球浸潤を低下または予防するために有効量で、かつ、該個体におけるマスト細胞によるリンパ球呼び寄せのシグナル伝達を低下させるために有効量を個体に投与する工程を包含する方法を提供する。望ましくないマスト細胞活性に関連する状態は、任意の望ましくないマスト細胞活性によって引き起こされる任意の状態、または、任意の望ましくないマスト細胞活性の根本的な作用を伴う任意の状態である。
別の実施形態において、本発明は、個体における望ましくないマスト細胞活性に関連する状態を処置または予防するための方法であって、ホスホイノシチド3−キナーゼδ(PI3Kδ)の選択的阻害剤を、望ましくないマスト細胞活性に関連する状態を処置または予防するために有効量を投与する工程を包含する方法を提供する。1つの態様において、望ましくないマスト細胞活性に関連する状態を処置または予防するために、選択的PI3Kδ阻害剤により、マスト細胞の活性が阻害される。そのようなマスト細胞活性の例には、マスト細胞の遊走、マスト細胞の増殖、マスト細胞の脱顆粒化、あるいは、サイトカイン、ケモカインまたは増殖因子のマスト細胞からの発現または分泌が含まれる。
本発明のこれらの方法は、マスト細胞表面での免疫グロブリン受容体の架橋によって媒介される状態(または状態に関連する症状)を処置または予防することを包含する。「免疫グロブリンの架橋によって媒介される」または「Ig媒介の」は、マスト細胞上の受容体に結合したIgが、望ましくないマスト細胞活性に関連する状態を開始させることができること、または、望ましくないマスト細胞活性に関連する状態を容易にすることができることを示す。マスト細胞を活性化する免疫グロブリンには、IgGおよびIgEが含まれる。1つの実施形態において、望ましくないマスト細胞活性に関連する状態はIgE媒介の状態である。代わりの実施形態において、そのような状態はIgG媒介の状態である。さらなる実施形態において、そのような状態は、サイトカイン、ケモカインまたは他の増殖因子のような他の刺激因子によって媒介される。
本発明に従った方法による処置または予防を受け入れる状態およびそのような状態の症状には、喘息、アレルギー性反応または自己免疫疾患が含まれるが、これらに限定されない。
1つの態様において、アレルギー性反応は、I型過敏症、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎またはアレルギー性喘息である。I型過敏症反応は、抗原(アレルゲン)が、組織のマスト細胞および血液の好塩基球の表面の膜受容体に結合する特定のIgE抗体と会合する反応である。抗原−抗体反応により、強力な血管作用性媒介因子および炎症性因子(例えば、ヒスタミン、トリプターゼ、ロイコトリエンおよびプロスタグランジン)の迅速な放出、ならびに、前炎症性サイトカイン(例えば、インターロイキン−4およびインターロイキン−13)のその後の放出が引き起こされる。これらの媒介因子は、血管拡張、増大した毛細管透過性、腺の過分泌、平滑筋痙攣、および、他の炎症性細胞の組織浸潤を生じさせる。例示的なI型過敏症障害には、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎、アレルギー性喘息、じんま疹およびGI食物反応の一部の事例、ならびに、全身アナフィラキシーが含まれる。
別の態様において、そのような状態は自己免疫疾患である。本発明によって意図される自己免疫疾患は、多発性硬化症、関節リウマチ、水疱性天疱瘡、シェーグレン症候群、慢性じんま疹、甲状腺性眼疾患、脈管炎および腹膜炎であり得る。
本発明は、PI3Kδ選択的阻害剤が、前記マスト細胞におけるAktのリン酸化を阻害するために有効量を投与される本発明の方法を提供する。
本明細書中で使用される用語「選択的PI3Kδ阻害剤」およびその変化体(例えば、「PI3Kδ選択的阻害剤」および「PI3Kδの選択的阻害剤」など)は、PI3Kδイソ酵素をPI3Kファミリーの他のイソ酵素よりも効果的に阻害する化合物を示す。「選択的PI3Kδ阻害剤」化合物は、PI3K阻害剤と従来的および一般的に称される化合物(例えば、ウォルトマニンまたはLY294002)よりもPI3Kδに対して選択的であることが理解される。同時に、ウォルトマニンおよびLY294002は「非選択的PI3K阻害剤」であると見なされる。
酵素活性(または他の生物学的活性)の阻害剤としての化合物の相対的な効力は、それぞれの化合物が所定の程度に活性を阻害する濃度を決定し、その後、その結果を比較することによって明らかにすることができる。典型的には、好ましい決定は、生化学的アッセイにおいて活性の50%を阻害する濃度(すなわち、50%阻害濃度または「IC50」)である。IC50の決定は、当該分野で知られている通常の技術を使用して達成することができる。一般に、IC50は、所与の酵素の活性を研究中の阻害剤の様々な濃度の存在下で測定することによって求めることができる。酵素活性の実験的に得られた値は、その後、使用された阻害剤濃度に対してプロットされる。50%の酵素活性(何らかの阻害剤の非存在下での活性と比較して)を示す阻害剤の濃度がIC50値として採用される。同様に、他の阻害濃度を活性な適切な決定によって定義することができる。例えば、一部の状況では、90%阻害濃度(すなわち、IC90)などを明らかにすることが望ましい場合があり得る。
従って、「選択的PI3Kδ阻害剤」は、代わりとして、クラスIのそれ以外のPI3Kファミリーメンバーのいずれかまたはすべてに関してIC50が少なくとも1/10未満で、別の態様では少なくとも1/20未満で、また、別の態様では少なくとも1/30未満である、PI3Kδに関して50%阻害濃度(IC50)を示す化合物を示すことが理解され得る。本発明の代わりの実施形態において、選択的PI3Kδ阻害剤の用語は、PI3Kのそれ以外のクラスIファミリーメンバーのいずれかまたはすべてに関してIC50が少なくとも1/50未満で、別の態様では少なくとも1/100未満で、さらなる態様では少なくとも1/200未満で、さらに別の態様では少なくとも1/500未満である、PI3Kδに関するIC50を示す化合物を示すことが理解され得る。なおさらなる実施形態において、選択的PI3Kδ阻害剤の用語は、クラスIのそれ以外のPI3Kファミリー触媒サブユニット(すなわち、p110α、p110βおよびp110γ)のいずれかまたはすべてよりも少なくとも1/10未満で、別の態様では少なくとも1/20未満で、さらなる態様では少なくとも1/30未満でp110δの発現を負に調節するオリゴヌクレオチドを示す。PI3Kδ選択的阻害剤は、上記で記載されたように、阻害剤がそのPI3Kδ選択性を保持するような量で個体に投与される。
様々な範囲が、本明細書中では、「約」または「およそ」でのある特定の値から、かつ/あるいは、「約」または「およそ」での別の特定の値までとして表現され得る。そのような範囲が表現されるとき、別の実施形態では、その特定の値から、かつ/または、もう一方の特定の値までが含まれる。同様に、値が、「約」または「少なくとも約」などの先行語句の使用によって近似値として表現されるとき、その特定の値は別の実施形態を形成することが理解される。
PI3Kδ活性の任意の選択的阻害剤(これには、小分子阻害剤、ペプチド阻害剤、非ペプチド阻害剤、天然に存在する阻害剤、および、合成阻害剤が含まれるが、これらに限定されない)を使用することができる。好適なPI3Kδ選択的阻害剤が米国特許出願公開第2002/161014号(Sadhu他)に記載されている(その開示全体が、本明細書によって参考として本明細書中に援用される)。
別の態様では、p110δの発現を選択的に負に調節し(すなわち、PI3Kδファミリーの他のイソ酵素よりも効果的に)、かつ、許容可能な薬理学的性質を有する任意のタイプの化合物を、本発明の方法における選択的PI3Kδ阻害剤として使用することができる。従って、1つの実施形態において、本発明は、p110δをコードするメッセンジャーRNA(mRNA)に対するハイブリダイゼーションによってp110δの発現を負に調節するアンチセンスオリゴヌクレオチドの使用を提供する。1つの態様において、p110δの発現を低下させるオリゴヌクレオチドを本発明の方法において使用することができる。
本発明の方法はインビボまたはエクスビボで細胞集団に適用することができる。「インビボ」は、動物またはヒトの体内のように、生体内であることを意味する。これに関連して、本発明の方法は、下記で記載されるように、個体において治療的に使用することができる。本発明の方法はまた予防的に使用することができる。
「エクスビボ」は生体外であることを意味する。エクスビボ細胞集団の例には、インビトロ細胞培養物、および、個体から得られた流体サンプルまたは組織サンプル(これらに限定されない)をはじめとする生物学的サンプルが含まれる。そのようなサンプルは、当該分野で周知の方法によって得ることができる。例示的な生物学的流体サンプルには、血液、脳脊髄液および唾液が含まれる。例示的な組織サンプルには、腫瘍サンプルおよび組織の生検物が含まれる。これに関連して、本発明は、治療的目的および実験的目的を含む様々な目的のために使用することができる。例えば、本発明は、特定の適応、細胞タイプ、個体および他のパラメーターについてPI3Kδ選択的阻害剤の投与の最適なスケジュールおよび/または投薬を決定するためにエクスビボで使用することができる。そのような使用から集められた情報は実験的目的のために使用することができるか、または、インビボ処置のためのプロトコルを設定するために臨床において使用することができる。本発明が好都合であり得る他のエクスビボ使用が下記に記載されるか、または、当業者には明らかになる。
本明細書中で使用される「マスト細胞活性」は、本発明の方法において有用である化合物によって調節され得る、マスト細胞によって行われるそのような生物学的活性を示す。このような活性の例には、マスト細胞の遊走、増殖、活性化、脱顆粒化、ケモカインまたはサイトカインまたは他の増殖因子の発現または分泌、および、細胞シグナル伝達経路の調節(例えば、AKTリン酸化の調節)が含まれる。
あるいは、「マスト細胞活性の調節」が本明細書中で使用される場合がある。マスト細胞活性の「調節」は、本明細書中で使用される場合、選択的PI3Kδ阻害剤を投与したときのマスト細胞の上記で列挙された活性のいずれかの低下、阻害、予防、促進または増大を示す。選択的PI3Kδ阻害剤は酵素自体を阻害することができ、または、PI3Kδ酵素の何らかの下流側のシグナル伝達作用を阻害することができ、または、マスト細胞の何らかのさらなる下流側の活性を阻害することができる。あるいは、選択的PI3Kδ阻害剤は、上記で記載されたようなマスト細胞の特定の活性(例えば、脱顆粒化または細胞遊走など)を妨げるために予防的に作用させることができる。阻害剤は、別のマスト細胞活性を低下させ、または阻害し、または妨げている途中で、ある1つのマスト細胞活性を促進または増大させることができる。例えば、第1のケモカインまたはサイトカインまたは他の増殖因子の産生を、別の第2のケモカインまたはサイトカインまたは他の増殖因子を低下または阻害しているときに増大させることができる。
「望ましくないマスト細胞活性」は、正常な経過または適切な経過または予想される経過から外れるマスト細胞活性を意味する。例えば、望ましくないマスト細胞脱顆粒化には、個体の過敏性を引き起こすアレルギー反応時における脱顆粒化が含まれ得るし、その一方で、望ましくない遊走には、好ましくない生物学的作用を有する組織部位へのマスト細胞の運動、または、好ましくない生物学的作用を有する組織部位からのマスト細胞の運動が含まれ得る。望ましくないマスト細胞増殖には、不適切に高いレベルの細胞分裂、不適切に低いレベルのアポトーシス、または両者によって媒介される細胞増殖、あるいは、不適切に高いレベルの細胞分裂、不適切に低いレベルのアポトーシス、または両者をもたらす細胞増殖が含まれ得る。
「望ましくないマスト細胞活性を阻害する」とは、望ましくないマスト細胞活性が生じる速度を遅くするか、または停止することを意味する。これは、マスト細胞受容体の活性化の低下した速度、炎症性媒介因子または増殖因子の低下した放出、低下した細胞複製、あるいは、細胞死の増大した速度のいずれかから生じ得る。細胞死が、アポトーシスおよび有糸分裂失敗を含む任意の機構によって生じ得る。本発明による方法の使用は、望ましくないマスト細胞活性の部分的または完全な阻害をもたらし得る。
「望ましくないマスト細胞活性を予防する」は、本発明の方法が、望ましくないマスト細胞活性を、それが生じる前に予防または阻害するために、あるいは、その再発を予防または阻害するために予防的に使用され得ることを意味する。従って、すべての実施形態において、本発明は、望ましくない細胞活性が特定されていない場合、または、望ましくない細胞活性が進行中でない場合で、しかし、望ましくない細胞活性が疑われるか、または予想される場合に、それぞれ、インビボまたはエクスビボで使用することができる。さらに、本発明はまた、望ましくない細胞活性が、その望ましくない細胞活性の再発を予防または阻害するために以前に処置されている場合であろうとも、すべてのその実施形態において使用することができる。
本明細書中で使用される「治療有効量」または「有効量」は、処置されている個体の存在する症状を阻害するために、または、処置されている個体の存在する症状の発達を逆戻りさせるために、または、処置されている個体の存在する症状を緩和するために、または、処置されている個体の生存を延ばすために、または、処置されている個体を治癒させるために有効量を意味する。
本明細書中で使用される「治療指数」は、毒性作用または望ましくない作用と、治療効果または所望される効果との間での用量比であり、LD50対ED50(これらは下記で定義される)の比として表される。治療指数の増大は、本明細書中で使用される場合、所望の効果に到達するために必要な治療剤の量の減少を示すか、または、投与された治療剤の有効性を増大させることを示す。
本発明の処置方法はヒト医療および動物医療の分野で有用であることが理解される。従って、処置される個体は哺乳動物(好ましくは、ヒト)または他の動物であり得る。獣医学的目的のために、個体には、家畜(ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマおよびヤギが含まれる);コンパニオン動物(例えば、イヌおよびネコなど);外来動物および/または動物園動物;研究室動物(マウス、ラット、ウサギ、モルモットおよびハムスターが含まれる);および家禽(例えば、ニワトリ、七面鳥、アヒルおよびガチョウなど)が含まれる。
本発明はさらに、ホスホイノシチド3−キナーゼδ(PI3Kδ)の選択的阻害剤が反復投与される方法を提供する。反復投与には、2回以上の服用での阻害剤または他の薬剤の投与が含まれる。本発明はさらに、選択的PI3Kδ阻害剤が、処置または予防されている状態または症状に対して適切であるような少なくとも1つの免疫調節剤または他の薬剤を含めて、望ましくないマスト細胞活性に関連する状態の処置において一般に利用されている1つまたは複数のさらなる治療用化合物を投与する工程を包含する様式で投与され得ることを提供する。
1つの実施形態において、本発明は、望ましくないマスト細胞活性に関連する状態を有する個体においてマスト細胞活性を低下または予防する方法であって、ホスホイノシチド3−キナーゼδ(PI3Kδ)の選択的阻害剤と免疫調節剤とを含む混合治療の治療有効量を前記個体に投与する工程を包含する方法を提供する。混合治療は、単一組成物またはそれぞれの薬剤(例えば、阻害剤および免疫調節剤など)において施され得ること、別個の組成物として施され得ることが意図される。それぞれの薬剤は必要に応じて反復投与で投与され得ることがさらに意図され得る。
関連した実施形態において、本発明は、望ましくないマスト細胞活性に関連する状態を有する個体における炎症部位へのリンパ球浸潤を低下または予防する方法であって、ホスホイノシチド3−キナーゼδ(PI3Kδ)の選択的阻害剤と免疫調節剤とを含む併用療法の治療有効量を該個体に投与する工程を包含する方法を提供する。
本発明によって意図される免疫調節剤には、グルココルチコイドまたはコルチコステロイド、免疫抑制剤、抗ヒスタミン剤、アミノサリチラート、ステロイドホルモン、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、交感神経様作用剤ならびに鎮痛剤が含まれる。例示的なグルココルチコイドが、コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プレドニゾンおよびブデノシドからなる群から選ばれる。例示的なNSAIDが、イブプロフェン、ナプロキセン、ナプロキセンナトリウム、Cox−2阻害剤(例えば、Vioxx(登録商標)(ロフェコキシブ)およびCelebrex(登録商標)(セレコキシブ)など)、および、サリチラートからなる群から選ばれる。好適な鎮痛剤には、アセトアミノフェン、オキシコドン、塩酸プロポルキシフェン(proporxyphene hygrochloride)のトラマドールが含まれる。例示的な免疫抑制剤には、アザチオプリン(6−メルカプトプリン(6−MP))、シクロホスファミド、シクロスポリン、メトトレキサートまたはペニシラミンが含まれる。Xolair(登録商標)(オマリズマブ)、ロイコトリエンアンタゴニスト、あるいは、アレルギーまたは喘息のために一般に使用されている他の薬物もまた意図される。
本発明の方法は、本発明の阻害剤を、特定のサイトカイン、リンホカイン、他の造血系因子、血栓溶解因子または抗血栓因子あるいは抗炎症剤とともに含む配合物を投与する工程を包含することができる。
より具体的に、また、限定されないが、本発明の方法は、阻害剤を、TNF、IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−13、IL−14、IL−15、IL−16、IL−17、IL−18、IFN、G−CSF、Meg−CSF、GM−CSF、トロンボポイエチン、幹細胞因子およびエリスロポイエチンの1つまたは複数とともに投与する工程を包含することができる。本発明による医薬組成物はまた、他の公知の様々なアンギオポイエチン(例えば、Ang−1、Ang−2、Ang−4、Ang−Yおよび/またはヒトアンギオポイエチン様ポリペプチド)、および/または、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)を含むことができる。本発明の医薬組成物において使用される増殖因子には、アンギオゲニン、骨形態形成タンパク質−1、骨形態形成タンパク質−2、骨形態形成タンパク質−3、骨形態形成タンパク質−4、骨形態形成タンパク質−5、骨形態形成タンパク質−6、骨形態形成タンパク質−7、骨形態形成タンパク質−8、骨形態形成タンパク質−9、骨形態形成タンパク質−10、骨形態形成タンパク質−11、骨形態形成タンパク質−12、骨形態形成タンパク質−13、骨形態形成タンパク質−14、骨形態形成タンパク質−15、骨形態形成タンパク質受容体IA、骨形態形成タンパク質受容体IB、脳由来神経栄養因子、毛様体神経栄養因子、毛様体神経栄養因子受容体α、サイトカイン誘導好中球走化性因子1、サイトカイン誘導好中球走化性因子2α、サイトカイン誘導好中球走化性因子2β、β内皮細胞増殖因子、エンドセリン1、上皮増殖因子、上皮由来好中球接着因子、繊維芽細胞増殖因子4、繊維芽細胞増殖因子5、繊維芽細胞増殖因子6、繊維芽細胞増殖因子7、繊維芽細胞増殖因子8、繊維芽細胞増殖因子8b、繊維芽細胞増殖因子8c、繊維芽細胞増殖因子9、繊維芽細胞増殖因子10、酸性繊維芽細胞増殖因子、塩基性繊維芽細胞増殖因子、グリア細胞由来神経栄養因子受容体α1、グリア細胞由来神経栄養因子受容体α2、増殖関連タンパク質、増殖関連タンパク質α、増殖関連タンパク質β、増殖関連タンパク質γ、ヘパリン結合性上皮増殖因子、肝細胞増殖因子、肝細胞増殖因子受容体、インスリン様増殖因子I、インスリン様増殖因子受容体、インスリン様増殖因子II、インスリン様増殖因子結合タンパク質、角化細胞増殖因子、白血病阻害因子、白血病阻害因子受容体α、神経成長因子、神経成長因子受容体、ニューロトロフィン−3、ニューロトロフィン−4、胎盤増殖因子、胎盤増殖因子2、血小板由来内皮細胞増殖因子、血小板由来増殖因子、血小板由来増殖因子A鎖、血小板由来増殖因子AA、血小板由来増殖因子AB、血小板由来増殖因子B鎖、血小板由来増殖因子BB、血小板由来増殖因子受容体α、血小板由来増殖因子受容体β、プレB細胞増殖刺激因子、幹細胞因子、幹細胞因子受容体、トランスフォーミング増殖因子α、トランスフォーミング増殖因子β、トランスフォーミング増殖因子β1、トランスフォーミング増殖因子β1.2、トランスフォーミング増殖因子β2、トランスフォーミング増殖因子β3、トランスフォーミング増殖因子β5、潜在型トランスフォーミング増殖因子β1、トランスフォーミング増殖因子β結合タンパク質I、トランスフォーミング増殖因子β結合タンパク質II、トランスフォーミング増殖因子β結合タンパク質III、腫瘍壊死因子受容体タイプI、腫瘍壊死因子受容体タイプII、ウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子受容体、血管内皮細胞増殖因子、ならびに、それらのキメラタンパク質および生物学的または免疫学的に活性なフラグメントが含まれる。
処置のために使用される免疫調節剤は反復投与することができる。処置のために使用される免疫調節剤は、低い用量で、すなわち、薬剤または治療が単独で施される臨床的状況で通常的に使用されているよりも低い用量で、本発明による組合せ方法で投与されることが意図される。これは、本発明の阻害剤のPI3Kδ選択的性質が本発明の混合治療の治療指数(すなわち、特異性)を増大させるからである。個体に施される薬剤または治療の用量を低下させることは、より大きい投薬量に関連する有害な副作用の発生を低下させ、それにより、処置を受けている患者の生活の質を改善することができる。さらなる利益には、改善された患者コンプライアンス、および、有害な作用の処置のために必要とされる入院の回数の減少が含まれる。加えて、本発明の方法の特異性は、非選択的な阻害剤(例えば、LY294002およびウォルトマニンなど)よりも大きい用量のPI3Kδ選択的阻害剤での処置を可能にし、さらに、本発明の方法の治療効力を最大にするという点で好都合である。
別の態様において、方法は、阻害剤を、当該阻害剤の活性を処置において強化するか、あるいは、その活性または使用を処置において補う1つまたは複数の他の薬剤とともに投与する工程を包含することができる。そのようなさらなる因子および/または薬剤は本発明の阻害剤との相乗的な作用をもたらすことができるか、または、副作用を最小限に抑えることができる。
本発明の方法では、下記の式(I)を有する選択的PI3Kδ阻害剤化合物またはその薬学的に受容可能な塩および溶媒和物の使用が意図される:
Figure 2008501707
式中、
Aは、少なくとも2個の窒素原子を含有する、場合により置換された単環状または二環状の環系であり、該系の少なくとも1つの環が芳香族である;
Xは、C(R、CHCHRおよびCH=C(R)からなる群から選択される;
Yは、非存在、S、SO、SO、NH、O、C(=O)、OC(=O)、C(=O)OおよびNHC(=O)CHSからなる群から選択される;
およびRは独立して、水素、C1〜6アルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、NHC(=O)C1〜3アルキレンN(R、NO、OR、CF、OCF、N(R、CN、OC(=O)R、C(=O)R、C(=O)OR、アリールOR、Het、NRC(=O)C1〜3アルキレンC(=O)OR、アリールOC1〜3アルキレンN(R、アリールOC(=O)R、C1〜4アルキレンC(=O)OR、OC1〜4アルキレンC(=O)OR、C1〜4アルキレンOC1〜4アルキレンC(=O)OR、C(=O)NRSO、C1〜4アルキレンN(R、C2〜6アルケニレンN(R、C(=O)NR1〜4アルキレンOR、C(=O)NR1〜4アルキレンHet、OC2〜4アルキレンN(R、OC1〜4アルキレンCH(OR)CHN(R、OC1〜4アルキレンHet、OC2〜4アルキレンOR、OC2〜4アルキレンNRC(=O)OR、NR1〜4アルキレンN(R、NRC(=O)R、NRC(=O)N(R、N(SO1〜4アルキル)、NR(SO1〜4アルキル)、SON(R、OSOCF、C1〜3アルキレンアリール、C1〜4アルキレンHet、C1〜6アルキレンOR、C1〜3アルキレンN(R、C(=O)N(R、NHC(=O)C1〜3アルキレンアリール、C3〜8シクロアルキル、C3〜8ヘテロシクロアルキル、アリールOC1〜3アルキレンN(R、アリールOC(=O)R、NHC(=O)C1〜3アルキレンC3〜8ヘテロシクロアルキル、NHC(=O)C1〜3アルキレンHet、OC1〜4アルキレンOC1〜4アルキレンC(=O)OR、C(=O)C1〜4アルキレンHet、および、NHC(=O)ハロC1〜6アルキルからなる群から選択される;
または、RおよびRは一緒になって、少なくとも1個のヘテロ原子を場合により含有する、5員環または6員環の3員または4員のアルキレン鎖成分またはアルケニレン鎖成分を形成する;
は、場合により置換された水素、C1〜6アルキル、C3〜8シクロアルキル、C3〜8ヘテロシクロアルキル、C1〜4アルキレンシクロアルキル、C2〜6アルケニル、C1〜3アルキレンアリール、アリールC1〜3アルキル、C(=O)R、アリール、ヘテロアリール、C(=O)OR、C(=O)N(R、C(=S)N(R、SO、SON(R、S(=O)R、S(=O)N(R、C(=O)NR1〜4アルキレンOR、C(=O)NR1〜4アルキレンHet、C(=O)C1〜4アルキレンアリール、C(=O)C1〜4アルキレンヘテロアリール、1個または複数個のハロ、SON(R、N(R、C(=O)OR、NRSOCF、CN、NO、C(=O)R、OR、C1〜4アルキレンN(RおよびOC1〜4アルキレンN(Rにより場合により置換されるC1〜4アルキレンアリール、C1〜4アルキレンヘテロアリール、C1〜4アルキレンHet、C1〜4アルキレンC(=O)C1〜4アルキレンアリール、C1〜4アルキレンC(=O)C1〜4アルキレンヘテロアリール、C1〜4アルキレンC(=O)Het、C1〜4アルキレンC(=O)N(R、C1〜4アルキレンOR、C1〜4アルキレンNRC(=O)R、C1〜4アルキレンOC1〜4アルキレンOR、C1〜4アルキレンN(R、C1〜4アルキレンC(=O)OR、ならびに、C1〜4アルキレンOC1〜4アルキレンC(=O)ORからなる群から選択される;
は、水素、C1〜6アルキル、C3〜8シクロアルキル、C3〜8ヘテロシクロアルキル、C1〜3アルキレンN(R、アリール、アリールC1〜3アルキル、C1〜3アルキレンアリール、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1〜3アルキル、および、C1〜3アルキレンヘテロアリールからなる群から選択される;
または、2つのR基が一緒になって、少なくとも1個のヘテロ原子を場合により含有する5員環または6員環を形成する;
は、水素、C1〜6アルキル、ヘテロC1〜3アルキル、C1〜3アルキレンヘテロC1〜3アルキル、アリールヘテロC1〜3アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールC1〜3アルキル、ヘテロアリールC1〜3アルキル、C1〜3アルキレンアリール、および、C1〜3アルキレンヘテロアリールからなる群から選択される;
は、水素、C1〜6アルキル、C3〜8シクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択される;かつ
Hetは、酸素、窒素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有し、かつ、C1〜4アルキルまたはC(=O)ORにより場合により置換される、飽和または部分的不飽和または完全不飽和の5員または6員の複素環状環である。
本明細書中で使用される用語「アルキル」は、示された数の炭素原子を含有する直鎖状炭化水素基および分枝状炭化水素基として定義され、典型的には、メチル基、エチル基、ならびに、直鎖および分枝状のプロピル基およびブチル基である。炭化水素基は16個までの炭素原子(例えば、1個〜8個の炭素原子)を含有することができる。用語「アルキル」には、「架橋アルキル」、すなわち、C〜C16の二環炭化水素基または多環炭化水素基(例えば、ノルボルニル、アダマンチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[3.2.1]オクチルまたはデカヒドロナフチル)が含まれる。用語「シクロアルキル」は、環状のC〜C炭化水素基として定義され、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロヘキシルおよびシクロペンチルである。
用語「アルケニル」は、炭素−炭素の二重結合を含有することを除いて、「アルキル」と同じに定義される。用語「シクロアルケニル」は、炭素−炭素の二重結合が環に存在することを除いて、シクロアルキルと同じように定義される。
用語「アルキレン」は、置換基を有するアルキル基として定義される。例えば、用語「C1〜3アルキレンアリール」は、1個〜3個の炭素原子を含有し、かつ、アリール基により置換されたアルキル基を示す。
用語「ヘテロC1〜3アルキル」は、O、SおよびNRから選択されるヘテロ原子をさらに含有するC1〜3アルキル基として定義される。例えば、−CHOCHまたは−CHCHSCH。用語「アリールヘテロC1〜3アルキル」は、ヘテロC1〜3アルキル置換基を有するアリール基を示す。
用語「ハロ」または用語「ハロゲン」は、フッ素、臭素、塩素およびヨウ素を含むことが本明細書中では定義される。
用語「アリール」は、単独であろうと組合せであろうと、単環または多環の芳香族基として本明細書中では定義され、例えば、フェニルまたはナフチルである。別途示されない限り、「アリール」基は非置換であり得るか、あるいは、例えば、1つまたは複数(特に、1個〜3個)のハロ、アルキル、フェニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ハロアルキル、ニトロおよびアミノにより置換され得る。例示的なアリール基には、フェニル、ナフチル、ビフェニル、テトラヒドロナフチル、クロロフェニル、フルオロフェニル、アミノフェニル、メチルフェニル、メトキシフェニル、トリフルオロメチルフェニル、ニトロフェニルおよびカルボキシフェニルなどが含まれる。用語「アリールC1〜3アルキル」および用語「ヘテロアリールC1〜3アルキル」は、C1〜3アルキル置換基を有するアリール基またはヘテロアリール基として定義される。
用語「ヘテロアリール」は、1個または2個の芳香族環を含有し、かつ、少なくとも1個の窒素原子または酸素原子または硫黄原子を芳香族環に含有する単環状または二環状の環系として本明細書中では定義され、この場合、そのような環系は、非置換であり得るか、あるいは、例えば、ハロ、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ハロアルキル、ニトロおよびアミノのような1つまたは複数(特に、1個〜3個)の置換基により置換され得る。ヘテロアリール基の例には、チエニル、フリル、ピリジル、オキサゾリル、キノリル、イソキノリル、インドリル、トリアゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、チアゾリルおよびチアジアゾリルが含まれる。
用語「Het」は、酸素、窒素および硫黄からなる群から選択される1個または複数個のヘテロ原子を含有する単環基、二環基および三環基として定義される。「Het」基はまた、環に結合したオキソ(=O)基を含有することができる。Het基の限定されない例には、1,3−ジオキソラン、2−ピラゾリン、ピラゾリジン、ピロリジン、ピペラジン、ピロリン、2H−ピラン、4H−ピラン、モルホリン、チオモルホリン、ピペリジン、1,4−ジチアンおよび1,4−ジオキサンが含まれる。
あるいは、本発明の方法では、下記の式(II)を有するPI3Kδ選択的阻害剤化合物またはその薬学的に受容可能な塩および溶媒和物の使用が意図される:
Figure 2008501707
式中、
、R、RおよびRは独立して、水素、C1〜6アルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、NHC(=O)C1〜3アルキレンN(R、NO、OR、CF、OCF、N(R、CN、OC(=O)R、C(=O)R、C(=O)OR、アリールOR、Het、NRC(=O)C1〜3アルキレンC(=O)OR、アリールOC1〜3アルキレンN(R、アリールOC(=O)R、C1〜4アルキレンC(=O)OR、OC1〜4アルキレンC(=O)OR、C1〜4アルキレンOC1〜4アルキレンC(=O)OR、C(=O)NRSO、C1〜4アルキレンN(R、C2〜6アルケニレンN(R、C(=O)NR1〜4アルキレンOR、C(=O)NR1〜4アルキレンHet、OC2〜4アルキレンN(R、OC1〜4アルキレンCH(OR)CHN(R、OC1〜4アルキレンHet、OC2〜4アルキレンOR、OC2〜4アルキレンNRC(=O)OR、NR1〜4アルキレンN(R、NRC(=O)R、NRC(=O)N(R、N(SO1〜4アルキル)、NR(SO1〜4アルキル)、SON(R、OSOCF、C1〜3アルキレンアリール、C1〜4アルキレンHet、C1〜6アルキレンOR、C1〜3アルキレンN(R、C(=O)N(R、NHC(=O)C1〜3アルキレンアリール、C3〜8シクロアルキル、C3〜8ヘテロシクロアルキル、アリールOC1〜3アルキレンN(R、アリールOC(=O)R、NHC(=O)C1〜3アルキレンC3〜8ヘテロシクロアルキル、NHC(=O)C1〜3アルキレンHet、OC1〜4アルキレンOC1〜4アルキレンC(=O)OR、C(=O)C1〜4アルキレンHet、および、NHC(=O)ハロC1〜6アルキルからなる群から選択される;
は、水素、C1〜6アルキル、ハロ、CN、C(=O)RおよびC(=O)ORからなる群から選択される;
は、CH(すなわち、水素原子が結合している炭素原子)および窒素からなる群から選択される;
は、水素、C1〜6アルキル、C3〜8シクロアルキル、C3〜8ヘテロシクロアルキル、C1〜3アルキレンN(R、アリール、アリールC1〜3アルキル、C1〜3アルキレンアリール、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1〜3アルキルおよびC1〜3アルキレンヘテロアリールからなる群から選択される;
または、2つのR基が一緒になって、少なくとも1個のヘテロ原子を場合により含有する5員環または6員環を形成する;
は、水素、C1〜6アルキル、C3〜8シクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択される;かつ
Hetは、酸素、窒素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有し、かつ、C1〜4アルキルまたはC(=O)ORにより場合により置換される飽和または部分的不飽和または完全不飽和の5員または6員の複素環状環である。
さらに別の実施形態において、本発明の方法では、下記の式(III)を有するPI3Kδ選択的阻害剤化合物またはその薬学的に受容可能な塩および溶媒和物の使用が含まれる:
Figure 2008501707
式中、
、R10、R11およびR12は独立して、水素、C1〜6アルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、NHC(=O)C1〜3アルキレンN(R、NO、OR、CF、OCF、N(R、CN、OC(=O)R、C(=O)R、C(=O)OR、アリールOR、Het、NRC(=O)C1〜3アルキレンC(=O)OR、アリールOC1〜3アルキレンN(R、アリールOC(=O)R、C1〜4アルキレンC(=O)OR、OC1〜4アルキレンC(=O)OR、C1〜4アルキレンOC1〜4アルキレンC(=O)OR、C(=O)NRSO、C1〜4アルキレンN(R、C2〜6アルケニレンN(R、C(=O)NR1〜4アルキレンOR、C(=O)NR1〜4アルキレンHet、OC2〜4アルキレンN(R、OC1〜4アルキレンCH(OR)CHN(R、OC1〜4アルキレンHet、OC2〜4アルキレンOR、OC2〜4アルキレンNRC(=O)OR、NR1〜4アルキレンN(R、NRC(=O)R、NRC(=O)N(R、N(SO1〜4アルキル)、NR(SO1〜4アルキル)、SON(R、OSOCF、C1〜3アルキレンアリール、C1〜4アルキレンHet、C1〜6アルキレンOR、C1〜3アルキレンN(R、C(=O)N(R、NHC(=O)C1〜3アルキレンアリール、C3〜8シクロアルキル、C3〜8ヘテロシクロアルキル、アリールOC1〜3アルキレンN(R、アリールOC(=O)R、NHC(=O)C1〜3アルキレンC3〜8ヘテロシクロアルキル、NHC(=O)C1〜3アルキレンHet、OC1〜4アルキレンOC1〜4アルキレンC(=O)OR、C(=O)C1〜4アルキレンHet、および、NHC(=O)ハロC1〜6アルキルからなる群から選択される;
13は、水素、C1〜6アルキル、ハロ、CN、C(=O)RおよびC(=O)ORからなる群から選択される;
は、水素、C1〜6アルキル、C3〜8シクロアルキル、C3〜8ヘテロシクロアルキル、C1〜3アルキレンN(R、アリール、アリールC1〜3アルキル、C1〜3アルキレンアリール、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1〜3アルキルおよびC1〜3アルキレンヘテロアリールからなる群から選択される;
または、2つのR基が一緒になって、少なくとも1個のヘテロ原子を場合により含有する5員環または6員環を形成する;
は、水素、C1〜6アルキル、C3〜8シクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択される;かつ
Hetは、酸素、窒素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有し、かつ、C1〜4アルキルまたはC(=O)ORにより場合により置換される飽和または部分的不飽和または完全不飽和の5員または6員の複素環状環である。
より具体的には、本発明の方法では、下記の化合物からなる群から選択されるPI3Kδ選択的阻害剤の使用が含まれる:2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−(2−クロロフェニル)−6,7−ジメトキシ−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−o−イルメチル)−6−ブロモ−3−(2−クロロフェニル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−o−イルメチル)−3−(2−クロロフェニル)−7−フルオロ−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−6−クロロ−3−(2−クロロフェニル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−(2−クロロフェニル)−5−フルオロ−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−o−イルメチル)−5−クロロ−3−(2−クロロ−フェニル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−(2−クロロフェニル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−8−クロロ−3−(2−クロロフェニル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−ビフェニル−2−イル−5−クロロ−3H−キナゾリン−4−オン;5−クロロ−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;5−クロロ−3−(2−フルオロフェニル)−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−5−クロロ−3−(2−フルオロフェニル)−3H−キナゾリン−4−オン;3−ビフェニル−2−イル−5−クロロ−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;5−クロロ−3−(2−メトキシフェニル)−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2−クロロフェニル)−5−フルオロ−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2−クロロフェニル)−6,7−ジメトキシ−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;6−ブロモ−3−(2−クロロフェニル)−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2−クロロフェニル)−8−トリフルオロメチル−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2−クロロフェニル)−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−ベンゾ[g]キナゾリン−4−オン;6−クロロ−3−(2−クロロフェニル)−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;8−クロロ−3−(2−クロロフェニル)−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2−クロロフェニル)−7−フルオロ−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2−クロロフェニル)−7−ニトロ−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2−クロロフェニル)−6−ヒドロキシ−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;5−クロロ−3−(2−クロロフェニル)−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2−クロロフェニル)−5−メチル−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2−クロロフェニル)−6,7−ジフルオロ−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2−クロロフェニル)−6−フルオロ−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−(2−イソプロピルフェニル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2−フルオロフェニル)−5−メチル−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−5−クロロ−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−5−クロロ−3−(2−メトキシ−フェニル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3−シクロプロピル−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;3−シクロプロピルメチル−5−メチル−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−シクロプロピルメチル−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3−シクロプロピルメチル−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−3−フェネチル−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−5−メチル−3−フェネチル−3H−キナゾリン−4−オン;3−シクロペンチル−5−メチル−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−シクロペンチル−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2−クロロピリジン−3−イル)−5−メチル−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−(2−クロロピリジン−3−イル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;3−メチル−4−[5−メチル−4−オキソ−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−4H−キナゾリン−3−イル]−安息香酸;3−シクロプロピル−5−メチル−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−シクロプロピル−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−3−(4−ニトロベンジル)−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;3−シクロヘキシル−5−メチル−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−シクロヘキシル−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3−シクロ−ヘキシル−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−3−(E−2−フェニルシクロプロピル)−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2−クロロフェニル)−5−フルオロ−2−[(9H−プリン−6−イルアミノ)メチル]−3H−キナゾリン−4−オン;2−[(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)メチル]−3−(2−クロロフェニル)−5−フルオロ−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−2−[(9H−プリン−6−イルアミノ)メチル]−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−[(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)メチル]−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−[(2−フルオロ−9H−プリン−6−イルアミノ)メチル]−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;(2−クロロフェニル)−ジメチルアミノ−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;5−(2−ベンジルオキシエトキシ)−3−(2−クロロフェニル)−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;6−アミノプリン−9−カルボン酸3−(2−クロロフェニル)−5−フルオロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−2−イルメチルエステル;N−[3−(2−クロロフェニル)−5−フルオロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−2−イルメチル]−2−(9H−プリン−6−イルスルファニル)−アセトアミド;2−[1−(2−フルオロ−9H−プリン−6−イルアミノ)エチル]−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)エチル]−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−ジメチルアミノプリン−9−イルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−2−(2−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−プリン−7−イルメチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−2−(2−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−プリン−9−イルメチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(アミノ−ジメチルアミノプリン−9−イルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(4−アミノ−1,3,5−トリアジン−2−イルスルファニルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−2−(7−メチル−7H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリミジン−4−イルスルファニルメチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−2−プリン−7−イルメチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−2−プリン−9−イルメチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−2−(9−メチル−9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(2,6−ジアミノ−ピリミジン−4−イルスルファニルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−2−(5−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イルスルファニルメチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−2−(2−メチルスルファニル−9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(2−ヒドロキシ−9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−2−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−3−o−トリル−2−(1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−(2−アミノ−6−クロロ−プリン−9−イルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−7−イルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(7−アミノ−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル−メチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(7−アミノ−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−1−イル−メチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノ−9H−プリン−2−イルスルファニルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(2−アミノ−6−エチルアミノ−ピリミジン−4−イルスルファニルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(3−アミノ−5−メチルスルファニ
ル−1,2,4−トリアゾール−1−イル−メチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(5−アミノ−3−メチルスルファニル−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−2−(6−メチルアミノプリン−9−イルメチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−ベンジルアミノプリン−9−イルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(2,6−ジアミノプリン−9−イルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;3−イソブチル−5−メチル−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;N−{2−[5−メチル−4−オキソ−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−4H−キナゾリン−3−イル}−フェニル}−アセトアミド;5−メチル−3−(E−2−メチル−シクロヘキシル)−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−[5−メチル−4−オキソ−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−4H−キナゾリン−3−イル]−安息香酸;3−{2−[(2−ジメチルアミノエチル)メチルアミノ]フェニル}−5−メチル−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2−クロロフェニル)−5−メトキシ−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2−クロロフェニル)−5−(2−モルホリン−4−イル−エチルアミノ)−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;3−ベンジル−5−メトキシ−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−(2−ベンジルオキシフェニル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−(2−ヒドロキシフェニル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)エチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)プロピル]−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(1−(2−フルオロ−9H−プリン−6−イルアミノ)プロピル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)プロピル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(2−ベンジルオキシ−1−(9H−プリン−6−イルアミノ)エチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−5−メチル−3−{2−(2−(1−メチルピロリジン−2−イル)−エトキシ)−フェニル}−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−(2−(3−ジメチルアミノ−プロポキシ)−フェニル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−5−メチル−3−(2−プロパ−2−イニルオキシフェニル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−{2−(1−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−5−メチル−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル]−フェノキシ}−アセトアミド;2−[(6−アミノプリン−9−イル)メチル]−5−メチル−3−o−トリル−3−ヒドロキナゾリン−4−オン;3−(3,5−ジフルオロフェニル)−5−メチル−2−[(プリン−6−イルアミノ)メチル−3−ヒドロキナゾリン−4−オン;3−(2,6−ジクロロフェニル)−5−メチル−2−[(プリン−6−イルアミノ)メチル−3−ヒドロキナゾリン−4−オン;3−(2−フルオロ−フェニル)−2−[1−(2−フルオロ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−5−メチル−3−ヒドロキナゾリン−4−オン;2−[1−(6−アミノプリン−9−イル)エチル]−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−5−メチル−3−ヒドロキナゾリン−4−オン;2−[1−(7−アミノ−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−エチル]−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;5−クロロ−3−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オン;3−フェニル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オン;5−フルオロ−3−フェニル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−5−メチル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オン;6−フルオロ−3−フェニル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;3−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−5−メチル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;5−フルオロ−3−フェニル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2,3−ジフルオロ−フェニル)−5−メチル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−3−フェニル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;3−(3−クロロ−フェニル)−5−メチル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−3−フェニル−2−[(9H−プリン−6−イルアミノ)−メチル]−3H−キナゾリン−4−オン;2−[(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−メチル]−3−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;3−{2−[(2−ジエチルアミノ−エチル)−メチル−アミノ]−フェニル}−5−メチル−2−[(9H−プリン−6−イルアミノ)−メチル]−3H−キナゾリン−4−オン;5−クロロ−3−(2−フルオロ−フェニル)−2−[(9H−プリン−6−イルアミノ)−メチル]−3H−キナゾリン−4−オン;5−クロロ−2−(9H−プリン−6−イルアミノ)−メチル]−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;5−クロロ−3−(2−クロロ−フェニル)−2−[(9H−プリン−6−イルアミノ)−メチル]−3H−キナゾリン−4−オン;6−フルオロ−3−(3−フルオロ−フェニル)−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−5−クロロ−3−(3−フルオロ−フェニル)−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−3−フェニル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−フルオロ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−5−メチル−3−フェニル−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−5−メチル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル}−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−2−[1−(2−フルオロ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−5−メチル−2−[1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−プロピル]−5−メチル−3−フェニル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−3−フェニル−2−[1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−フルオロ−9h−プリン−6−イルアミノ)−プロピル]−5−メチル−3−フェニル−3h−キナゾリン−4−オン;5−メチル−3−フェニル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−5−メチル−3−フェニル−3H−キナゾリン−4−オン;2−[2−ベンジルオキシ−1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−5−メチル−3−フェニル−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−2−ベンジルオキシ−エチル]−5−メチル−3−フェニル−3H−キナゾリン−4−オン;2−[2−ベンジルオキシ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−エチル]−5−メチル−3−フェニル−3H−キナゾリン−4−オン;2−[2−ベンジルオキシ−1−(2−フルオロ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−5−メチル−3−フェニル−3H−キナゾリン−4−オン;3−(4−フルオロ−フェニル)−5−メチル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3−(4−フルオロ−フェニル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;3−(4−フルオロ−フェニル)−2−[1−(2−フルオロ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;3−(4−フルオロ−フェニル)−5−メチル−2−[1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−3−フェニル−2−[1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;3−(3−フルオロ−フェニル)−5−メチル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3−(3−フルオロ−フェニル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;3−(3−フルオロ−フェニル)−5−メチル−2−[1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−3−フェニル−2−[1−(9H−プリン−6−イル)−ピロリジン−2−イル]−3H−キナゾリン−4−オン;2−[2−ヒドロキシ−1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−5−メチル−3−フェニル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−3−フェニル−2−[フェニル−(9H−プリン−6−イルアミノ)−メチル]−3H−キナゾリン−4−オン;2−[(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−フェニル−メチル]−5−メチル−3−フェニル−3H−キナゾリン−4−オン;2−[(2−フルオロ−9H−プリン−6−イルアミノ)−フェニル−メチル]−5−メチル−3−フェニル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−3−フェニル−2−[フェニル−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−メチル]−3H−キナゾリン−4−オン;5−フルオロ−3−フェニル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−5−フルオロ−3−フェニル−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−5−クロロ−
3−フェニル−3H−キナゾリン−4−オン;[5−(5−メチル−4−オキソ−3−フェニル−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−2−イル)−5−(9H−プリン−6−イルアミノ)−ペンチル}−カルバミン酸ベンジルエステル;[5−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−5−(5−メチル−4−オキソ−3−フェニル−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−2−イル)−ペンチル]−カルバミン酸ベンジルエステル;[4−(5−メチル−4−オキソ−3−フェニル−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−2−イル)−4−(9H−プリン−6−イルアミノ)−ブチル]−カルバミン酸ベンジルエステル;[4−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−4−(5−メチル−4−オキソ−3−フェニル−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−2−イル)−ブチル]−カルバミン酸ベンジルエステル;3−フェニル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;2−[5−アミノ−1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−ペンチル]−5−メチル−3−フェニル−3H−キナゾリン−4−オン);2−[5−アミノ−1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−ペンチル]−5−メチル−3−フェニル−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3−(2,6−ジメチル−フェニル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2,6−ジメチル−フェニル)−5−メチル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;5−モルホリン−4−イルメチル−3−フェニル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−5−モルホリン−4−イルメチル−3−フェニル−3H−キナゾリン−4−オン;2−[4−アミノ−1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−ブチル]−5−メチル−3−フェニル−3H−キナゾリン−4−オン;6−フルオロ−3−フェニル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−6−フルオロ−3−フェニル−3H−キナゾリン−4−オン;2−[2−tert−ブトキシ−1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−5−メチル−3−フェニル−3H−キナゾリン−4−オン;3−(3−メチル−フェニル)−5−メチル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3−(3−メチル−フェニル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;3−(3−クロロ−フェニル)−5−メチル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3−(3−クロロ−フェニル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−2−ヒドロキシ−エチル]−5−メチル−3−フェニル−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3−(3−フルオロ−フェニル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−プロピル]−5−フルオロ−3−フェニル−3H−キナゾリン−4−オン;5−クロロ−3−(3−フルオロ−フェニル)−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−5−クロロ−3−(3−フルオロ−フェニル)−3H−キナゾリン−4−オン;3−フェニル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−5−トリフルオロメチル−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−5−メチル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−5−メチル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−プロピル]−3−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;3−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−メチル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2,6−ジクロロ−フェニル)−5−メチル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3−(2,6−ジクロロ−フェニル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;5−クロロ−3−フェニル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−プロピル]−5−クロロ−3−フェニル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−3−フェニル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−ブチル]−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−ブチル]−5−メチル−3−フェニル−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3−(3,5−ジクロロ−フェニル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−3−(3−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−5−メチル−3−(3−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(5−ブロモ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−エチル]−5−メチル−3−フェニル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−2−[1−(5−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−エチル]−3−フェニル−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−エチル]−5−メチル−3−フェニル−3H−キナゾリン−4−オン;2−[2−ヒドロキシ−1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3−フェニル−3H−キナゾリン−4−オン;3−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−5−メチル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−プロピル]−3−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;3−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(5−ブロモ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−エチル]−3−(3−フルオロ−フェニル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;3−(3−フルオロ−フェニル)−5−メチル−2−[1−(5−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;3−フェニル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−プロピル]−3−フェニル−3H−キナゾリン−4−オン;6,7−ジフルオロ−3−フェニル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;6−フルオロ−3−(3−フルオロ−フェニル)−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;2−[4−ジエチルアミノ−1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−ブチル]−5−メチル−3−フェニル−3H−キナゾリン−4−オン;5−フルオロ−3−フェニル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オン;3−フェニル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;6−フルオロ−3−フェニル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;3−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−5−メチル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;5−フルオロ−2−[1−(2−フルオロ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3−フェニル−3H−キナゾリン−4−オン;3−(3−フルオロ−フェニル)−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;5−クロロ−3−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−5−メチル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−3−フェニル−2−[3,3,3−トリフルオロ−1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オン;3−(3−ヒドロキシ−フェニル)−5−メチル−2−[1−(9Η−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;3−(3−メトキシ−フェニル)−5−メチル−2−{1−[9H−プリン−6−イルアミノ]−エチル}−3H−キナゾリン−4−オン;3−[3−(2−ジメチルアミノ−エトキシ)−フェニル]−5−メチル−2−{1−[9H−プリン−6−イルアミノ}−エチル}−3H−キナゾリン−4−オン;3−(3−シクロプロピルメトキシ−フェ
ニル)−5−メチル−2−{1−[9H−プリン−6−イルアミノ]−エチル}−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−3−(3−プロパ−2−イニルオキシ−フェニル)−2−{1−[9H−プリン−6−イルアミノ]−エチル}−3H−キナゾリン−4−オン;2−{1−[2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ]エチル}−3−(3−ヒドロキシフェニル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;2−{1−[2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ]エチル}−3−(3−メトキシフェニル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;2−{1−[2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ]エチル}−3−(3−シクロプロピルメトキシ−フェニル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;2−{1−[2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ]エチル}−5−メチル−3−(3−プロパ−2−イニルオキシ−フェニル)−3H−キナゾリン−4−オン;3−(3−エチニル−フェニル)−5−メチル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;3−{5−メチル−4−オキソ−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−4H−キナゾリン−3−イル}−ベンゾニトリル;3−{5−メチル−4−オキソ−2−{1−[9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−4H−キナゾリン−3−イル}−ベンズアミド;3−(3−アセチル−フェニル)−5−メチル−2−{1−[9H−プリン−6−イルアミノ]−エチル}−3H−キナゾリン−4−オン;2−(3−(5−メチル−4−オキソ−2−{1−[9H−プリン−6−イルアミノ]−エチル}−4H−キナゾリン−3−イル−フェノキシアセトアミド;5−メチル−2−{1−[9H−プリン−6−イルアミノ]−エチル}−3−[3−(テトラヒドロピラン(tetrahydropuran)−4−イルオキシ)−フェニル]−3H−キナゾリン−4−オン;3−[3−(2−メトキシ−エトキシ)−フェニル]−5−メチル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;6−フルオロ−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)エチル]−3−[3−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルオキシ)−フェニル]−3H−キナゾリン−4−オン;3−[3−(3−ジメチルアミノ−プロポキシ)−フェニル]−5−メチル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3−(3−エチニル−フェニル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;3−{2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−5−メチル−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル}−ベンゾニトリル;3−{2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−5−メチル−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル}−ベンズアミド;3−{2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−5−メチル−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル}−ベンズアミド;5−メチル−3−(3−モルホリン−4−イル−フェニル)−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−5−メチル−3−(3−モルホリン−4−イル−フェニル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3−[3−(2−メトキシ−エトキシ)−フェニル]−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3−[3−(2−ジメチルアミノ−エトキシ)−フェニル]−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9Η−プリン−6−イルアミノ)−ブタ−3−イニル]−5−メチル−3−フェニル−3Η−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−ブタ−3−イニル]−5−メチル−3−フェニル−3H−キナゾリン−4−オン;5−クロロ−3−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−プロピル]−5−クロロ−3−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル}−5−クロロ−3−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−3H−キナゾリン−4−オン;3−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−6−フルオロ−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;5−クロロ−3−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−プロピル]−5−クロロ−3−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−3−フェニル−2−[1−(9H−プリン−6−イルオキシ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン、およびこれらの混合物。
立体中心が存在する場合、本発明の方法は、化合物のラセミ混合物または特定のエナンチオマーを使用して実施することができる。好ましい実施形態において、上記化合物のSエナンチオマーが利用される。従って、本発明は上記化合物のすべての可能な立体異性体および幾何異性体を包含する。
「薬学的に受容可能な塩」は、配合物の他の成分との適合性を有し、かつ、その被投与者に対して有害でない限りにおいて、生理学的に許容され得る任意の塩を意味する。いくつかの具体的な好ましい例には、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、グリコール酸塩、シュウ酸塩が挙げられる。
1つの実施形態において、本発明は、ホスホイノシチド3−キナーゼδ(PI3Kδ)の選択的阻害剤と、本発明の方法のいずれか1つに従った使用方法を示すラベルとを含む製造物を包含する。関連した実施形態において、本発明は、望ましくないマスト細胞活性に関連する状態を処置または予防するための医薬品の製造における、少なくとも1つのPI3Kδ選択的阻害剤を含む組成物の使用を提供する。
プロドラッグの投与もまた意図される。本明細書中で使用される用語「プロドラッグ」は、例えば、本明細書中に記載される構造式を有する化合物に加水分解によって生体内で迅速に転換される化合物を示す。プロドラッグの設計は、一般的には、Hardma他(編)、Goodman and Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics(第9版、11頁〜16頁(1996))において議論される。綿密な議論が、Higuchi他、Prodrugs as Novel Delivery Systems(第14巻、ASCD Symposium Series)において、また、Roche(編)、Bioreversible Carriers in Drug Design(American Pharmaceutical AssociationおよびPergamon Press(1987))において提供される。簡単に説明すると、薬物が投与された後、身体から排出されるか、または、一部が生体内変換され、それにより、薬物の生物学的活性が低下するか、または、なくなる。あるいは、生体内変換プロセスにより、最初に投与された薬物と比較して、それ自体がより活性であるか、または、同等に活性である代謝副産物がもたらされ得る。このような様々な生体内変換プロセスの理解が増すことにより、生体内変換後、その変化した状態においてより生理学的に活性になる、いわゆる「プロドラッグ」の設計が可能になる。従って、プロドラッグは、生物学的に活性な代謝産物に転換される薬理学的に不活性な化合物を包含する。
例示するために、プロドラッグは、例えば、エステル結合またはアミド結合の加水分解によって、薬理学的に活性な形態に転換することができ、それにより、生じた生成物の表面に官能基を導入または露出させることができる。プロドラッグは、内因性の化合物と反応して、化合物の薬理学的性質(例えば、増大した循環半減期)をさらに強化する水溶性の結合体を形成するように設計することができる。あるいは、プロドラッグは、例えば、グルクロン酸、スルファート、グルタチオン、アミノ酸またはアセテートによる官能基上での共有結合性修飾を受けるように設計することができる。生じた結合体は不活性化され得るか、尿中に排出され得るか、または、元の化合物よりも強力にされ得る。高分子量の結合体はまた、胆汁中に排出され得るか、また、酵素的切断を受け得るか、また、循環系に戻され、それにより、最初に投与された化合物の生物学的半減期が効果的に増大し得る。
加えて、PI3Kファミリーの他のイソ酵素よりも効果的にp110δのmRNA発現を選択的に負に調節し、かつ、許容され得る薬理学的性質を有する化合物が、本発明の方法におけるPI3Kδ選択的阻害剤としての使用のために意図される。ヒトのp110δをコードするポリヌクレオチドが、例えば、Genbankアクセション番号AR255866、同NM005026、同U86453、同U57843および同Y10055に開示される(それらの開示全体が参考として本明細書中に援用される)。Vanhaesebroeck他、Proc.Natl.Acad.Sci.、94:4330〜4335(1997)もまた参照のこと(その開示全体が参考として本明細書中に援用される)。マウスのp110δをコードする代表的なポリヌクレオチドが、例えば、Genbankアクセション番号BC035203、同AK040867、同U86587および同NM_008840に開示され、ラットのp110δをコードするポリヌクレオチドがGenbankアクセション番号XM_345606に開示される(それぞれの場合において、それらの開示全体が参考として本明細書中に援用される)。
1つの実施形態において、本発明は、p110δをコードするメッセンジャーRNA(mRNA)に対するハイブリダイゼーションによってp110δの発現を負に調節するアンチセンスオリゴヌクレオチドが使用される方法を提供する。1つの態様において、p110δをコードするmRNAに特異的にハイブリダイゼーションし、かつ、mRNAの発現、および、結果として、p110δタンパク質の発現を阻害する、長さが少なくとも5ヌクレオチド〜約50ヌクレオチド(間での(ヌクレオチドの数で測定された)すべての長さを含む)であるアンチセンスオリゴヌクレオチドが、本発明の方法における使用のために意図される。アンチセンスオリゴヌクレオチドには、改変されたヌクレオチド間連結を含むアンチセンスオリゴヌクレオチド、および/または、オリゴヌクレオチドの安定性を改善すること、すなわち、特にインビボにおいてオリゴヌクレオチドをヌクレアーゼ分解に対してより抵抗性にすることが当該分野で公知の改変されたヌクレオチドを含むアンチセンスオリゴヌクレオチドが含まれる。標的ポリヌクレオチド内の領域に対して好ましくは相補的であるアンチセンスオリゴヌクレオチドが最大の特異的阻害を有する一方で、完全には相補的でないアンチセンスオリゴヌクレオチド、すなわち、標的ポリヌクレオチド内の領域に関して限定された数のミスマッチを含むアンチセンスオリゴヌクレオチドもまた、大きな程度のハイブリダイゼーション特異性を保持しており、従って、これもまた、標的mRNAの発現を阻害し得ることが当該分野では理解される。従って、本発明では、p110δをコードするポリヌクレオチドにおける標的領域に対して完全に相補的であるアンチセンスオリゴヌクレオチドが使用される方法、ならびに、標的ポリヌクレオチドにおける標的領域に対する特異的なハイブリダイゼーションがミスマッチによって妨げられない程度に標的ポリヌクレオチドにおける標的領域に対して完全には相補的でない(すなわち、ミスマッチを含む)アンチセンスオリゴヌクレオチドが利用される方法が意図される。アンチセンスヌクレオチドを設計および最適化するための様々な方法が、Lima他(J Biol Chem、272:626〜38、1997)、Kurreck他(Nucleic Acids Res.、30:1911〜8、2002)および米国特許第6,277,981号に記載される(これらは参考として本明細書中に援用される)。例示的なアンチセンス化合物が国際特許出願公開WO01/05958に記載される(これは参考として本明細書中に援用される)。
本発明ではさらに、当該分野で公知なように、標的ポリヌクレオチドに特異的にハイブリダイゼーションするヌクレオチド領域と、標的ポリヌクレオチドを切断する酵素的成分とを含むリボザイム阻害剤が利用される方法が意図される。リボザイム阻害の特異性は、アンチセンス領域の長さ、および、標的ポリヌクレオチドにおける標的領域に対するアンチセンス領域の相補性の程度に関係づけられる。従って、本発明の方法では、完全に相補的である、長さが少なくとも5ヌクレオチド〜約50ヌクレオチド(間におけるすべてのヌクレオチド長さを含む)であるアンチセンス領域、ならびに、p110δをコードする標的ポリヌクレオチドにおける標的領域に対する特異的なハイブリダイゼーションがミスマッチによって妨げられない程度にミスマッチを含むアンチセンス領域を含むリボザイム阻害剤が意図される。本発明の方法において有用なリボザイムには、改変されたヌクレオチド間連結を、改変により、標的領域に特異的にハイブリダイゼーションするリボザイムの能力が変化しないか、または、分子の酵素活性が損なわれない程度に含むリボザイム、および/あるいは、オリゴヌクレオチドの安定性を改善すること、すなわち、特にインビボにおいてオリゴヌクレオチドをヌクレアーゼ分解に対してより抵抗性にすることが当該分野で知られている改変されたヌクレオチドを、改変により、標的領域に特異的にハイブリダイゼーションするリボザイムの能力が変化しないか、または、分子の酵素活性が損なわれない程度に含むリボザイムが含まれる。リボザイムは酵素的であるため、1個の分子が多数の標的分子の消化を行わせることができ、それにより、非酵素的なアンチセンスオリゴヌクレオチドよりも低い濃度で効果的であるという利点を提供する。リボザイム技術の調製および使用が、米国特許第6,696,250号、同第6,410,224号、同第5,225,347号に記載される(これらの開示全体が参考として本明細書中に援用される)。
本発明ではまた、RNAi技術が、p110δの発現を阻害するために利用される方法の使用が意図される。1つの態様において、本発明は、一方の鎖が標的のp110δコードポリヌクレオチドにおける標的領域に対して相補的である二本鎖RNA(dsRNA)を提供する。一般に、このタイプのdsRNA分子は、長さが30ヌクレオチド未満であり、当該分野では短い干渉性RNA(siRNA)と呼ばれる。しかしながら、本発明ではまた、長さが30ヌクレオチドよりも長いdsRNA分子の使用が意図され、また、本発明の特定の態様では、これらのより長いdsRNA分子は、約30ヌクレオチドの長さから、200ヌクレオチド以上の長さであることが可能であり、これには、間でのすべての長さのRNA分子が含まれる。他のRNA阻害剤と同様に、dsRNA分子における一方の鎖の相補性は、標的ポリヌクレオチドにおける標的領域との完全な一致が可能であるか、または、標的のp110δコードポリヌクレオチドにおける標的領域に対する特異的なハイブリダイゼーションがミスマッチによって妨げられない程度にミスマッチを含む場合がある。他のRNA阻害技術と同様に、dsRNA分子には、改変されたヌクレオチド間連結を含むdsRNA分子、および/または、オリゴヌクレオチドの安定性を改善すること、すなわち、特にインビボにおいてオリゴヌクレオチドをヌクレアーゼ分解に対してより抵抗性にすることが当該分野で知られている改変されたヌクレオチドを含むdsRNA分子が含まれる。二本鎖(dsRNA)配列を使用するRNAi(Fire他、Nature、391:806〜811、1998)、または、短い干渉性RNA(siRNA)配列を使用するRNAi(Yu他、Proc.Natl Acad Sci USA、99:6047〜52、2002)の調製および使用がさらに、米国特許出願公開第20040023390号に記載される(その開示全体が参考として本明細書中に援用される)。
本発明ではさらに、p110δの阻害が、RNA lasso技術を使用して行われる方法が意図される。環状RNA lasso阻害剤は、分解に対して本質的により抵抗性であり、従って、一般には、改変されたヌクレオチド間連結または改変されたヌクレオチドを含まないか、あるいは、改変されたヌクレオチド間連結または改変されたヌクレオチドを必要としない高度に構造化された分子である。環状lasso構造は、標的ポリヌクレオチドにおける標的領域にハイブリダイゼーションすることができる領域を含み、この場合、lassoにおけるハイブリダイゼーション領域は、他のRNA阻害技術について典型的な長さである。他のRNA阻害技術と同様に、lassoにおけるハイブリダイゼーション領域は、標的ポリヌクレオチドにおける標的領域との完全な一致であってもよく、または、標的のp110δコードポリヌクレオチドにおける標的領域に対する特異的なハイブリダイゼーションがミスマッチによって妨げられない程度にミスマッチを含む場合がある。RNA lassoは環状であり、標的領域との堅固な位相幾何学的連結を形成するため、このタイプの阻害剤は一般には、典型的なアンチセンスオリゴヌクレオチドとは異なり、ヘリカーゼの作用によって追い出されず、従って、典型的なアンチセンスオリゴヌクレオチドよりも低い投薬量として利用することができる。RNA lassoの調製および使用が米国特許第6,390,038号に記載される(その開示全体が参考として本明細書中に援用される)。
本発明の阻害剤は、キャリア分子(例えば、線状ポリマー(例えば、ポリエチレングリコール、ポリリシン、デキストランなど)、分枝鎖ポリマー(米国特許第4,289,872号および同第5,229,490号;PCT国際特許出願公開WO93/21259(1993年10月28日公開)を参照のこと)、脂質;コレステロール基(例えば、ステロイドなど);あるいは炭水化物またはオリゴ糖など)と共有結合的または非共有結合的に結合させることができる。本発明の医薬組成物において使用されるキャリアの具体的な例には、炭水化物型ポリマー、例えば、トレハロース、マンニトール、キシリトール、スクロース、ラクトース、ソルビトール、デキストラン(例えば、シクロデキストランなど)、セルロースおよびセルロース誘導体などが含まれる。リポソーム、マイクロカプセルまたはマイクロスフェア、封入複合体、あるいは、他のタイプのキャリアの使用もまた意図される。
他のキャリアには、1つまたは複数の水溶性ポリマー結合体、例えば、米国特許第4,640,835号、同第4,496,689号、同第4,301,144号、同第4,670,417号、同第4,791,192号および同第4,179,337号に記載されるようなポリオキシエチレングリコールまたはポリプロピレングリコールなどが含まれる。当該分野で知られているさらに他の有用なキャリアには、モノメトキシ−ポリエチレングリコール、ポリ−(N−ビニルピロリドン)−ポリエチレングリコール、プロピレングリコールホモポリマー、ポリプロピレンオキシド/エチレンオキシド共重合体、ポリオキシエチル化ポリオール(例えば、グリセロール)およびポリビニルアルコール、ならびに、これらのポリマーの混合物が含まれる。
二官能性剤による誘導体化は、本発明の化合物を支持体マトリックスまたはキャリアに架橋するために有用である。1つのそのようなキャリアがポリエチレングリコール(PEG)である。PEG基は任意の好都合な分子量を有することができ、また、直鎖状または分枝状であり得る。そのようなPEGの平均分子量は約2kDa〜約100kDaの範囲が可能であり、別の態様では約5kDa〜約50kDaの範囲が可能であり、さらなる態様では約5kDa〜約10kDaの範囲が可能である。PEG基は一般には、標的阻害剤化合物上の反応基(例えば、アルデヒド基、アミノ基、エステル基、チオール基、α−ハロアセチル基、マレイミド基またはヒドラジノ基)に対するPEG成分上の反応基(例えば、アルデヒド基、アミノ基、エステル基、チオール基、ハロアセチル基、マレイミド基またはヒドラジノ基)を介したアシル化、還元的アルキル化、マイケル付加、チオールアルキル化または他の化学選択的な結合体化/連結方法によって本発明の化合物に結合する。架橋剤には、例えば、4−アジドサリチル酸とのエステル、ホモ二官能性イミドエステル(3,3’−ジチオビス(スクシンイミジルプロピオナート)などのジスクシンイミジルエステルを含む)、および、二官能性マレイミド(例えば、ビス−N−マレイミド−1,8−オクタンなど)が含まれ得る。3−[(p−アジドフェニル)ジチオ]プロピオイミド酸メチルなどの誘導体化剤は、光の存在下で架橋を形成することができる光活性化可能な中間体をもたらす。あるいは、反応性の水不溶性マトリックス、例えば、臭化シアンにより活性化された炭水化物、ならびに、米国特許第3,969,287号、同第3,691,016号、同第4,195,128号、同第4,247,642号、同第4,229,537号および同第4,330,440号に記載される反応性基質などを阻害剤固定化のために用いることができる。
本発明の医薬組成物はまた、1つまたは複数の抗体Fc領域を含むように誘導体化された化合物を含むことができる。抗体のFc領域は、ジスルフィド結合によって、または、非共有結合的な会合によって二量体形態または多量体形態になり得る単量体ポリペプチドを含む。Fc分子の単量体サブユニットの間での分子間ジスルフィド結合の数は、Fc領域が由来する抗体のクラス(例えば、IgG,IgA、IgE)またはサブクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgA1、IgGA2)に依存して、1〜4であり得る。本明細書中で使用される用語「Fc」は、単量体形態、二量体形態および多量体形態のFc分子に対する総称であり、この場合、Fc領域は野生型の構造または誘導体化された構造である。本発明の医薬組成物はまた、国際特許出願公開WO96/32478に記載されるようなFc分子のサルベージ受容体結合ドメイン、ならびに、国際特許出願公開WO97/34631に記載される他のFc分子を含むことができる。
そのような誘導体化された成分では、好ましくは、例えば、生物学的活性、溶解性、吸収および生物学的半減期などをはじめとする本発明の阻害剤化合物の1つまたは複数の特性が改善される。あるいは、誘導体化された成分は、誘導体化されていない化合物と同じまたは本質的に同じ特徴および/または性質を有する化合物をもたらす。あるいは、そのような成分は化合物の何らかの望ましくない副作用などを除去または弱化することができる。
PI3Kδに結合することについて本明細書中に記載される阻害剤化合物と競合する化合物もまた、本発明における使用のために意図される。本明細書中に具体的に提供される化合物に関してPI3Kδと競合的に結合する化合物を特定する様々な方法が当該分野では広く知られている。
従って、上記の開示に照らして、本明細書中で使用される用語「阻害剤」には、開示された化合物、開示された化合物とPI3Kδ結合について競合する化合物、ならびに、それぞれの場合において、その結合体および誘導体が含まれる。
様々な方法が、その必要性のある個体に、阻害剤を、単独で、または、本明細書中に開示されるような組合せで、また、それぞれの場合において、1つまたは複数の好適な希釈剤、充填剤、塩、崩壊剤、結合剤、滑剤、流動促進剤、湿潤化剤、制御放出マトリックス、着色剤/矯味矯臭剤、キャリア、賦形剤、緩衝剤、安定化剤、可溶化剤、当該分野で広く知られている他の物質、および、それらの組合せを場合により含んで投与する工程を包含する。
医薬用のビヒクル、賦形剤または媒体として役立つ、当該分野で知られている任意の薬学的に受容可能な(すなわち、無菌かつ非毒性の)液体、半固体または固体の希釈剤を使用することができる。例示的な希釈剤には、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウラート、ステアリン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、鉱油、カカオ脂、すなわち、カカオのオイル、ヒドロキシ安息香酸メチルおよびヒドロキシ安息香酸プロピル、タルク、アルギン酸塩、炭水化物、特に、マンニトール、α−ラクトース、無水ラクトース、セルロース、スクロース、デキストロース、ソルビトール、修飾デキストラン、アラビアゴムおよびデンプンが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの市販の希釈剤が、Fast−Flo、Emdex、STA−Rx1500、EmcompressおよびAvicellである。そのような組成物は、本発明の阻害剤化合物の物理的状態、安定性、インビボ放出速度およびインビボ排出速度に影響を及ぼし得る。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences(第18版)(1990、Mack Publishing Co.、Easton、PA、18042)の1435頁〜1712頁を参照のこと(これは参考として本明細書中に援用される)。
薬学的に受容可能な充填剤には、例えば、ラクトース、微結晶セルロース、リン酸二カルシウム、リン酸三カルシウム、硫酸カルシウム、デキストロース、マンニトールおよび/またはスクロースが含まれ得る。
三リン酸カルシウム、炭酸マグネシウムおよび塩化ナトリウムをはじめとする無機塩もまた、医薬組成物における充填剤として使用することができる。アミノ酸を使用することができる(例えば、医薬組成物の緩衝剤配合剤における使用など)。
崩壊剤を阻害剤の固体投薬配合物に含めることができる。崩壊剤として使用される物質には、デンプン(デンプンに基づく市販の崩壊剤(Explotab)を含む)が含まれるが、これに限定されない。ナトリウムデンプングリコラート、Amberlite、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ウルトラミロペクチン、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、オレンジピール、酸型カルボキシメチルセルロース、天然海綿、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプンおよびベントナイトはすべて、医薬組成物における崩壊剤として使用することができる。他の崩壊剤には、不溶性のカチオン性交換樹脂が含まれる。寒天、Karayaまたはトラガカントゴムなどの粉末化されたゴムをはじめとする様々な粉末化ゴムを、崩壊剤として、また、結合剤として使用することができる。アルギン酸およびそのナトリウム塩もまた、崩壊剤として有用である。
結合剤を、治療剤を一緒に保持して硬錠剤を形成するために使用することができ、これには、天然産物に由来する物質、例えば、アラビアゴム、トラガカントゴム、デンプンおよびゼラチンなどが含まれる。他の結合剤には、結晶性セルロース、セルロース誘導体(例えば、メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)およびカルボキシメチルセルロース(CMC)など)、アラビアゴム、トウモロコシデンプンおよび/またはゼラチンが含まれる。ポリビニルピロリドン(PVP)およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)はともに、治療剤を顆粒化するためにアルコール性溶液において使用することができる。
減摩剤を、配合プロセス時における固着を予防するために治療剤の配合において含めることができる。様々な滑剤を治療剤と金型壁との間の層として使用することができ、これらには、ステアリン酸(そのマグネシウム塩およびカルシウム塩を含む)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、流動パラフィン、植物油、タルクおよびワックスが含まれ得るが、これらに限定されない。可溶性の滑剤もまた使用することができる(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、様々な分子量のポリエチレングリコール、Carbowax4000およびCarbowax6000など)。
配合時における薬物の流動特性を改善することができ、また、圧縮時における再配置を助けるための流動促進剤を加えることができる。好適な流動促進剤には、デンプン、タルク、熱分解法シリカ、および、水和したケイアルミン酸塩が含まれる。
水性環境への治療剤の溶解を助けるために、界面活性剤を湿潤化剤として加えることができる。天然または合成の界面活性剤を使用することができる。界面活性剤には、アニオン性界面活性剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ジオクチルナトリウムスルホスクシナートおよびジオクチルナトリウムスルホナートなど)が含まれ得る。カチオン性界面活性剤(例えば、塩化ベンザルコニウムおよび塩化ベンゼトニウムなど)を使用することができる。医薬配合物において使用することができる非イオン性界面活性剤には、ラウロマクロゴル400、ポリオキシル40ステアラート、ポリオキシエチレン水素化ひまし油10、同50および同60、グリコールモノステアラート、ポリソルバート40、同60、同65および同80、スクロース脂肪酸エステル、メチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースが含まれる。これらの界面活性剤は、単独で、または、種々の比率での混合物として、そのいずれかであっても本発明の医薬組成物に存在させることができる。
制御放出配合物が望ましい場合がある。本発明の阻害剤は、拡散機構または溶出機構のいずれかによる放出を可能にする不活性なマトリックス(例えば、ゴム)に組み込むことができる。徐崩壊性マトリックスもまた医薬配合物に組み込むことができる(例えば、アルギン酸塩、多糖)。別の形態の制御放出が、Oros治療剤システム(Alza Corp.)に基づく方法である。すなわち、薬物が、浸透圧作用のために、水が進入し、阻害剤化合物を単一の小さい開口部から外に押し出すことを可能にする半透過性膜で包まれる。いくつかの腸溶性被覆剤もまた遅延放出効果を有する。
着色剤および矯味矯臭剤もまた医薬組成物に含めることができる。例えば、本発明の阻害剤は、(例えば、リポソームカプセル化またはマイクロスフェアカプセル化などによって)配合することができ、その後、食用製造物(例えば、着色剤および矯味矯臭剤を含有する冷凍飲料物など)にさらに含有され得る。
治療剤はまた、フィルム被覆錠剤で投与することができる。医薬組成物を被覆する際に使用される非腸溶性物質には、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシ−エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピル−メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポビドンおよびポリエチレングリコールが含まれる。医薬組成物を被覆する際に使用される腸溶性物質には、フタル酸のエステルが含まれる。混合物を、最適なフィルム被覆を提供するために使用することができる。フィルム被覆剤の製造を、パンコーターで、または、流動床で、または、圧縮被覆によって行うことができる。
組成物は、固体、半固体、液体または気体状の形態で投与することができ、あるいは、乾燥粉末(例えば、凍結乾燥形態)である場合がある。医薬組成物は、送達に好都合な形態で包装することができ、例えば、カプセル、小袋剤、カシェ剤、ゼラチン、紙、錠剤、カプセル、軟膏、顆粒、溶液、吸入剤、エアロゾル、坐薬、ペレット、ピル、トローチ剤、薬用キャンディー、または、当該分野で知られている他の形体で包装することができる。包装のタイプは一般に、所望される投与経路に依存する。経皮配合物が意図されるように、埋め込み可能な持続放出配合物もまた意図される。
本発明の方法では、様々な経路による阻害剤化合物の投与が意図される。そのような医薬組成物は注射用投与のためのものであり得るか、あるいは、例えば、静脈内注射、皮内注射、筋肉内注射、乳房内注射、腹腔内注射、気管内注入、クモ膜下注射、眼内注射、球後注射、肺内注入(例えば、エアロゾル化された薬物)または皮下注入(長期間の放出のためのデポー剤投与、例えば、膵臓包の下部、脳の下部または角膜内に埋め込まれるデポー剤投与を含む)による投与;舌下、肛門、膣による投与;または、外科的埋め込み(例えば、膵臓包の下部、脳の下部または角膜内に埋め込まれる外科的埋め込み)による投与を含めて、経口投与、鼻腔投与、経皮投与または他の投与形態のためのものであり得る。処置は、1回だけの服用、または、一定の期間にわたる複数回の服用からなり得る。一般に、本発明の方法は、上記で記載されたように、有効量の本発明の阻害剤を、薬学的に受容可能な希釈剤、保存剤、可溶化剤、乳化剤、アジュバントおよび/またはキャリアと一緒に投与することを伴う。当該分野では理解されるように、選ばれた投与経路により、送達されている化合物の物理的形態が決定され得る。
1つの態様において、本発明は、本発明の医薬組成物を経口投与するための方法を提供する。経口用の固体投薬形態物が、一般的には、Remington’s Pharmaceutical Sciences(第18版)(1990、Mack Publishing Co.、Easton、PA、18042)において第89章に記載される。固体投薬形態物には、錠剤、カプセル、ピル、トローチ剤または薬用キャンディー、および、カシェ剤またはペレットが含まれる。また、リポソームカプセル化またはプロテイノイドカプセル化を、(例えば、米国特許第4,925,673号に報告されるプロテイノイドミクロスフェアとして)本発明の組成物を配合するために使用することができる。リポソームカプセル化は、様々なポリマーで誘導体化されるリポソームを含むことができる(例えば、米国特許第5,013,556号)。一般に、配合物は、本発明の化合物と、胃における分解から保護し、かつ、生物学的に活性な物質の腸における放出を可能にする不活性な成分とを含む。
阻害剤は、粒子サイズが約1mmの顆粒またはペレットの形態で微細な多体粒子として配合物に含めることができる。カプセル投与のための物質の配合はまた、粉末剤として、または、軽く圧縮された詰め物として、または、錠剤としてでさえ可能である。カプセルを圧縮によって調製することができる。
本発明に従った本発明の阻害剤の肺送達もまた本明細書中では意図される。本発明のこの態様によれば、阻害剤が、吸入しながら哺乳動物の肺に送達され、肺の上皮層を横断して血流に至る。
本発明の実施における使用のために意図されるものが、治療用製造物の肺送達のために設計された広範囲の様々な機械的デバイスであり、これらには、ネブライザー、計量用量吸入器および粉末吸入器(これらに限定されない)が含まれ、それらのすべてを当業者は熟知している。本発明の実施に好適な市販デバイスのいくつかの具体的な例が、Ultraventネブライザー(これはMallinckrodt,Inc.(St.Louis、Missouri)によって製造される)、Acorn Hネブライザー(これはMarquest Medical Products(Englewood、Colorado)によって製造される)、Ventolin計量用量吸入器(これはGlaxo Inc.(Research Triangle Park、North Carolina)によって製造される)、および、Spinhaler粉末吸入器(これはFisons Corp.(Bedford、Massachusetts)によって製造される)である。
すべてのそのようなデバイスは、本発明の化合物を施すために好適な配合物の使用を必要とする。典型的には、それぞれの配合物は、用いられたデバイスのタイプに対して特異的であり、また、治療において有用な希釈剤、アジュバントおよび/またはキャリアに加えて、適切な噴射剤物質の使用を伴う場合がある。
肺投与法で使用されるとき、本発明の阻害剤は、最も好都合には、遠位肺への最も効果的な送達のために、平均粒子サイズが10μm(ミクロン)未満(例えば、0.5μm〜5μm)である粒子形態で調製される。
ジェットまたは超音波のいずれかであっても、ネブライザーとの使用のために好適な配合物は、典型的には、溶液1mLあたり約0.1mg〜100mgの阻害剤、溶液1mLあたり1mg〜50mgの阻害剤、または、溶液1mLあたり5mg〜25mgの阻害剤の濃度範囲で水に溶解された本発明の化合物を含む。配合物はまた緩衝剤を含むことができる。ネブライザー用配合物はまた、エアロゾルを形成する際における溶液の霧化によって引き起こされる阻害剤の表面誘導の凝集を減少または予防するために、界面活性剤を含有することができる。
計量用量吸入器デバイスとともに使用される配合物は一般に、界面活性剤の助けをかりて噴射剤に懸濁された本発明の阻害剤を含有する微分割された粉末を含む。噴射剤は、この目的のために用いられる任意の通常的な物質であり得る(例えば、クロロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボンまたは炭化水素などであり、これらには、トリクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタンおよび1,1,1,2−テトラフルオロエタン、または、それらの組合せが含まれる)。好適な界面活性剤には、ソルビタントリオレアートおよびダイズレシチンが含まれる。オレイン酸もまた、界面活性剤として有用である場合がある。
粉末吸入器デバイスから施すための配合物は、本発明の化合物を含有する微分割された乾燥粉末を含み、また、同様に、増量剤または希釈剤(例えば、ラクトース、ソルビトール、スクロース、マンニトール、トレハロースまたはキシリトールなど)を、デバイスからの粉末の散布を容易にする量(例えば、配合物の50重量%〜90重量%)で含むことができる。
本発明の化合物の鼻腔送達もまた意図される。鼻腔送達は、治療用製造物を肺に堆積させることを必要とすることなく、治療用製造物を鼻に投与した後、直ちに血流への阻害剤の通過を可能にする。鼻腔送達用の配合物はデキストランまたはシクロデキストリンを含むことができる。他の粘膜を横断する輸送による送達もまた意図される。
PI3Kδ選択的化合物の毒性および治療効力を、例えば、LD50(集団の50%に対して致死的な用量)およびED50(集団の50%において治療効果的な用量)を決定するための細胞培養物または実験動物での標準的な薬学的手法によって明らかにすることができる。加えて、このような情報は、他の治療(例えば、放射線、化学療法剤および抗血管形成剤など)によりさらに処置された細胞培養物または実験動物において明らかにすることができる。
本発明の方法の実施において、医薬組成物は一般には、毎日の服用で、あるいは、より長い間隔またはより短い間隔(例えば、1日おき、1週間に2回、毎週、あるいは、1日に2回または3回)での均等な服用で与えられる場合、化合物が1pg/kg体重〜1000mg/kg、0.1mg/kg〜100mg/kg、0.1mg/kg〜50mg/kgおよび1mg/kg〜20mg/kgの範囲の用量で提供される。阻害剤組成物は、最初にボーラス剤によって、その後は薬物製造物の治療的循環レベルを維持するための連続した注入によって投与することができる。当業者により、有効量および投与様式が、妥当な医学的実施および個々の患者の臨床的状態によって決定されるように容易に最適化される。服用頻度は薬剤の薬物動態学的パラメーターおよび投与経路に依存する。最適な医薬配合物が、投与経路および所望される投薬量に依存して当業者によって決定される。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences(18版)(1990、Mack Publishing Co.、Easton、PA、18042)の1435頁〜1712頁を参照のこと(その開示は本明細書により参考として組み込まれる)。そのような配合物は、投与された薬剤の物理的状態、安定性、インビボ放出速度およびインビボクリアランス速度に影響を及ぼし得る。投与経路に依存して、好適な用量を、体重、体表面積または臓器サイズに従って計算することができる。上記で述べられた配合物のそれぞれを伴う処置のための適切な投薬量を決定するために必要な計算のさらなる精緻化が、特に、本明細書中に開示される投薬量情報およびアッセイ、ならびに、上記で議論されたヒト臨床試験において観測された薬物動態学的データに照らして、過度な実験を伴うことなく、当業者によって日常的になされる。適切な投薬量は、薬物の作用(例えば、薬物の比活性)を変化させる様々な要因、損傷の重篤度および患者の応答性、患者の年齢、状態、体重、性別および食事、何らかの感染の重篤度、投与時間、ならびに、他の臨床的要因を考慮して、適切な医師との連係で、血中レベル投薬量を決定するための確立されたアッセイの使用によって確認することができる。様々な研究が行われるため、さらなる情報が、様々な疾患および状態についての適切な投薬量レベルおよび処置の持続期間に関して得られる。
下記の実施例は、本発明を例示するために提供されるが、本発明の範囲を限定することは意図されない。
(実施例1)
(選択的PI3Kδ阻害剤はマスト細胞の脱顆粒化を阻害する)
マスト細胞は気道のアレルギー性炎症において極めて重要である。マスト細胞の活性化は、FcεRI受容体の抗原/IgE架橋、補体成分およびサイトカインの活性化によって媒介され、分泌顆粒からの事前に形成されたヒスタミンおよびプロテアーゼの自発的な放出がもたらされる。これらの活性化された細胞は、その後、転写および翻訳を行い、増大した炎症を生じさせる前炎症性のサイトカインおよびケモカインを分泌する。
様々な非特異的PI3−キナーゼ阻害剤(例えば、ウォルトマニンなど)が、ラット好塩基球性白血病細胞(RBL−2H3)からのマスト細胞の脱顆粒化を阻害することが示されている(Kitani他、Biochem Biophys Res Commun.、183:48〜54、1992)。しかしながら、マスト細胞の脱顆粒化を調節する際における特定のPI3−キナーゼサブユニットについての役割は依然として不明のままである[Tkaczyk他、J Biol Chem.、278:48474〜84(2003);Windmiller他、J Biol Chem.、278:11874〜8(2003)]。
マスト細胞活性を調節する際におけるPI3−キナーゼのp110δサブユニットの役割を明らかにするために、ヒトまたはマウスの骨髄由来マスト細胞の脱顆粒化を調節する特異的なp110δ阻害剤の能力を評価した。
マウスの大腿骨から得られた骨髄細胞を、加湿された95%空気/5%COにおいて37℃で、10%の熱不活化FBS(Invitrogen Life Technologies、Carlsbad、CA)、2mMのグルタミンおよび50μMの2−MEが補充されたマウスIL−3含有RPMI1640において培養した[Saito,H.F.他、J.Immunol.、138:3927〜3934(1987)]。95%を越える純粋なマスト細胞(骨髄由来マスト細胞(BMMC))を5週間の培養の後で得た。
BMMCを0.5μg/mL〜1μg/mLの抗ジニトロフェニル(DNP)IgE mAbとの一晩のインキュベーションによって感作し、タイロード緩衝液(112mM NaCl、2.7mM KCl、0.4mM NaHPO、1.6mM CaCl、1mM MgCl、10mM Hepes[pH7.5]、0.05%ゼラチン、0.1%グルコース)で1回洗浄し、タイロード緩衝液で1x10細胞/mLに再懸濁し、p110δ阻害剤またはビヒクルコントロール(0.3%DMSO)と30分間インキュベーションした。その後、細胞を多価抗原(0.1ng/mL〜100ng/mLの、ヒト血清アルブミンのDNP結合体(DNP−HSA))によって45分間刺激した。細胞懸濁物を軽く遠心分離して、タイロード溶液を細胞ペレットから分離した。45分間の刺激の期間中にタイロード溶液に分泌されたヒスタミンを酵素免疫アッセイ(Cayman Chemical Company、Ann Arbor、MI)によって測定した。阻害剤によるヒスタミン放出のパーセント阻害を下記の式によって表した:(1−(阻害剤存在下での%ヒスタミン放出)/(コントロール細胞からの%ヒスタミン放出))x100%。
ELISAの結果は、IC87114(5μM)で前処理されたマスト細胞が、ビヒクルコントロールと比較した場合、細胞懸濁物におけるヒスタミン量をおよそ40%低下させ、また、細胞ペレットにおいて検出されたヒスタミン量をそれに従って増大させていることを示している。このことは、p110δキナーゼの阻害により、マスト細胞の貯蔵顆粒から放出されるヒスタミンの量が減少することを明らかにしており、このことは、FcεRIを介して媒介されるマスト細胞の活性化からのヒスタミン放出を低下させるための効果的な治療としての有用性を有する。
(実施例2)
(選択的p110δキナーゼ阻害剤はマスト細胞による炎症性サイトカインの分泌を低下させる)
マスト細胞のFcεRI架橋の大きな作用は数多くの炎症性サイトカイン(例えば、IL−2、IL−3、IL−4、IL−6、IL−13、GM−CSFおよびTNF−αなど)の誘導である。TNF−αおよびIL−2はともに、喘息およびアレルギーにおける過敏性反応のような後期の過敏性反応において役割を果たすことが知られている[Galli他、Fundamental Immunology、第4版、Paul編、Lippincott−Raven Publishers、Philadelphia、PA(1998)、1127頁〜1174頁]。p110δキナーゼ阻害剤がマスト細胞の活性化の下流側の作用に対して有する影響を明らかにするために、マスト細胞活性化の後における炎症性サイトカインの分泌を調節する選択的p110δ阻害剤の能力を調べた。
BMMCを0.5μg/mL〜1μg/mLの抗ジニトロフェニル(DNP)IgE mAbとの一晩のインキュベーションによって感作し、IL−3非存在下でのBMMC培地で1回洗浄し、同じ培地で1x10細胞/mLに再懸濁した。細胞をp110δ阻害剤またはビヒクルコントロール(0.3%DMSO)と30分間インキュベーションし、その後、細胞を多価抗原(1ng/mL〜100ng/mLの、ヒト血清アルブミンのDNP結合体(DNP−HSA))によって20時間刺激した。細胞上清を集め、炎症性サイトカインのレベルをELISA(BD PharMingenまたはEndogen)によって評価した。測定されたサイトカインには、TNF−α、IL−6、IL−2および顆粒球/単球コロニー刺激因子(GM−CSF)が含まれる。
結果は、10ng/mLの抗原による刺激、および、マスト細胞へのわずかに2μMのIC87114の添加により、マスト細胞によって分泌されるTNF−αの量が検出不能なレベルに低下することを示している。加えて、100ng/mLの抗原+3μMの阻害剤は、活性化されたマスト細胞からのTNF−αの産生を85%阻害している。
p110δキナーゼ阻害剤添加後におけるIL−6レベルの評価では、類似する影響が明らかにされる。活性化されたマスト細胞へのIC87411の添加(10ng/mLの抗原)は、阻害剤非存在での6000pg/mLからのIL−6産生の用量依存的な減少を示し、50μMの阻害剤の存在下ではおよそ2000pg/mLのIL−6に低下した。p110δノックアウトマウスから単離された骨髄マスト細胞もまた、抗原(100ng/mL)による活性化の後におけるIL−6分泌レベルについて評価した。p110δ阻害剤の(10μMまでの)添加はノックアウト細胞ではIL−6のレベルに対して影響が全くなかった。このことは、阻害剤の影響がプロテインキナーゼp110δアイソフォームの阻害を介してであることを示している。活性化されたマスト細胞によるGM−CSF分泌もまた、p110δ阻害剤添加後、およそ45%阻害された。
炎症性サイトカインIL−2のレベルもまた、抗原により刺激されたBMMCから測定した。10ng/mLの抗原で活性化されたBMMCは、p110δ阻害剤を添加したとき、IL−2分泌の用量応答阻害を示し、レベルが、20μMの阻害剤の存在下では、およそ10pg/mLのコントロール値から4pg/mL未満のIL−2に低下した。これはIL−2分泌の1/2.5への低下である。
様々なケモカインが、細胞を炎症部位に引き寄せ、それにより、炎症応答を促進させることにおいて大きな役割を果たしている。抗原により活性化されたBMマスト細胞を、Multi−Analyte Profile Technology(Rules−Based Medicine,Inc.、Austin、TX)を使用してp110δ阻害剤の存在下および非存在下でのケモカイン産生について評価した。活性化されたマスト細胞からのケモカイン産生に対するp110δ阻害剤(5μM)の影響は、エオタキシンレベルのおよそ57%の阻害、リンホタクチンのおよそ37%の阻害、マクロファージ由来ケモカイン(MDC)分泌のおよそ60%の阻害、および、マクロファージ炎症性タンパク質(MIP−1αおよびMIP−1β)のレベルにおけるおよそ35%の阻害をもたらした。
これらの結果は、p110δの特異的な阻害が、マスト細胞の表面におけるFcεRIの抗原架橋の結果として分泌される炎症性のサイトカインおよびケモカインの量を低下させることを明らかにしている。これらの刺激されたマスト細胞においてp110δの活性化を標的化および阻害することができることにより、マスト細胞に関連した障害を処置するための改善された特異的な方法のための方法、および、正常でないマスト細胞活性化をダウンレギュレーションするための有用な治療剤が提供される。
(実施例3)
(p110δ阻害剤は抗原活性化マスト細胞においてAKTのリン酸化を特異的に阻害する)
PI3K p110δは、ホスホリパーゼCの活性化および細胞内へのカルシウム流入を生じさせる複雑なシグナル伝達経路に関与している。Aktは、PI3Kの活性化に応答してセリン243がリン酸化される、PI3キナーゼに対する下流側の標的である。このリン酸化事象はAktのキナーゼ活性にとって不可欠である。Aktの活性化は以前には、活性化されたラット好塩基球性白血病細胞、または、チロシンキナーゼノックアウトマウスから単離された細胞からのサイトカイン分泌と関連している[Kitaura他、J.Exp.Med.、192:729〜39(2000)]。LY294002を使用する、ある種の細胞タイプ(例えば、内皮など)におけるクラスIa PI3Kの広範囲の阻害は、これらの脂質キナーゼが細胞の運動性および生存の両方のために不可欠であるように、TNF−αに対する応答においてAktのリン酸化を減少させるだけでなく、非サイトカイン刺激の細胞においてもAktのリン酸化を減少させることが示されている[Madge他、J.Biol.Chem.、275:15458〜15465(2000)を参照のこと]。Aktの活性化がいくつかの異なる生化学的経路を介して生じるため、PI3K p110δが、活性化されたマスト細胞においてAktのリン酸化を開始させる際に果たした役割を明らかにすることが必要であった。
下流側のシグナル伝達に対するPI3K阻害剤の影響を評価するために、BMMCをある用量範囲の抗原により刺激し、0、2μM、5μM、20μMまたは50μMの阻害剤を用いて上記のようにIC87114とインキュベーションした。細胞を上記で記載されたように溶解し、p110δのいくつかの下流側エフェクターについてのホスホセリンまたはホスホチロシンのレベルをウエスタンブロットによって測定した。ウエスタン分析で使用された抗体には、Akt pS473;3−ホスホイノシチド依存性キナーゼ(PDK1)pS241;pERK;pJNK;Lyn pY396およびBrutonチロシンキナーゼ(Btk) pY223が含まれる。抗体をCell Signaling Technology(Beverly、MA)、Upstate Biotechnology(Lake Placid、NY)、ZymedおよびSanta Cruz Biotechnologyから得た。
ウエスタンブロット分析では、5μMもの低いp110δ阻害剤により、Aktのリン酸化が10分間の抗原刺激の後では低下し、リン酸化が30分の抗原刺激の後では著しく阻害されたことが明らかにされた。50μMの阻害剤用量は、再度ではあるが、2分間の抗原刺激の後でS243でのAktリン酸化を著しく阻害し、10分間または30分間の抗原刺激ではリン酸化を完全に阻害していた。他の下流側エフェクターの分析では、抗原/IgE刺激により、PDK1、ERK、JNK、LynおよびBtkのリン酸化が誘導され、しかし、p110δ阻害剤の添加はこれらの分子のいずれかのリン酸化レベルに影響しなかったことが示された。加えて、細胞についてのチロシンまたはセリンの全体的なリン酸化はp110δ阻害剤によって影響されなかった。調べられたすべての分子のタンパク質レベルは一定のままであった。このことは、Aktのリン酸化の低下が具体的にはp110δ活性の阻害のためであったことを示している。
これらの結果は、活性化されたマスト細胞におけるPI3K p110δの選択的阻害により、Aktのリン酸化レベルが、他の関連した下流側のチロシンキナーゼまたはセリンキナーゼのリン酸化レベルに影響することなく特異的に低下することを示している。このことは、マスト細胞のサイトカイン分泌に関与するAktの、p110δ選択的阻害剤による調節により、既に発症したマスト細胞障害における進行中の炎症を、炎症部位への細胞浸潤を低下させることによって調節するための効果的な治療方法がもたらされるか、あるいは、そのような調節が、免疫反応の開始を予防するために、アレルギーまたは喘息などの障害において予防的に作用し得ることを示している。
(実施例4)
(アレルゲン誘導の気道炎症は肺組織においてp110δの増大した活性を生じさせる)
PI3K活性がアレルギー性喘息のマウスモデルにおいて抗原攻撃後に刺激され、また、ウォルトマニンまたはLY294002(2つのPI3K広域阻害剤)の投与は炎症および気道の過剰応答性(AHR)を弱める(Ezeamuzie他、Am J Respir Crit Care Med、164:1633〜39、2001;Kwak他、J.Clin.Invest.、111:1083〜92、2003)。しかしながら、これらの阻害剤は4つのクラスI PI3Kを区別せず(Davies他、Biochem J.、351:95〜105、2000;Sadhu他、J.Immunol.、170:2647〜54、2003)、また、これらの阻害剤はまた、これらのキナーゼを発現する多数の細胞タイプに広範囲に影響を及ぼす。以前の研究では、p110δについての非常に重要な役割が、B細胞およびT細胞の抗原受容体シグナル伝達および活性化(Okkenhaug他、Science、297:1031〜34、2002;Clayton他、J Exp Med、196:753〜63、2002)、ならびに、好中球の遊走および活性化(Puri他、Blood、103:3448〜56、2004;Sadhu他、Biochem Biophys Res Commun、308:764〜69、2003)において示されている。加えて、p110δは、アレルゲン−IgE誘導のマスト細胞脱顆粒化および血管透過性のために必須であることが報告された(Ali他、Nature、431:1007〜11、2004)。本研究では、この白血球特異的および内皮細胞特異的なPI3Kアイソフォーム(p110δ単独)の活性の遮断が、アレルギー性炎症およびAHRを弱めるために十分であるかどうかが明らかにならなかった。喘息の病理発生におけるp110δの役割を調べるために、p110δ阻害剤の投与の影響を喘息の動物モデルにおいて調べた。
8週齢〜10週齢の、マウス特異的病原体を有さないメスBALB/cマウスをKorean Research Institute of Chemistry Technology(Daejon、韓国)から得た。マウスを層流キャビネットに実験期間中を通して収容し、標準的な実験室餌を自由に取らせて飼育した。この研究で使用されたすべての実験動物は、Chonbuk National University Medical Schoolの施設内動物管理使用委員会によって承認されたプロトコルに従った。マウスを、以前に記載されたように(Kwak他、上掲)、200μLの総体積での1mgの水酸化アルミニウム(Pierce Chemical Co.、Rockford、IL)に乳化された20μgのオボアルブミン(OVA)(Sigma−Aldrich、St.Louis、MO)の腹腔内注射によって1日目および14日目に感作した。最初の感作の後の21日目、22日目および23日目に、マウスを、超音波ネブライザー(NE−U12、オムロン、日本)を使用して、30分間、生理的食塩水における3%(wt/vol)のOVAのエアロゾルで(または、コントロールとして生理的食塩水で)攻撃した。0.9%NaClにより希釈されたIC87114(0.1mg/kg体重/日または1mg/kg体重/日)またはDMSO(ビヒクルコントロール)を、それぞれの動物に2回、すなわち、1回目を21日目(OVAによる最初の気道攻撃の1時間前)に、2回目を23日目(OVAによる最後の気道攻撃の3時間後)に気管内滴注によって50μLの体積で投与した。すべての統計学的比較を、一元配置ANOVA、続いてフィッシャー検定を使用して行った。群間の有意差を、アンペアードスチューデントt検定を使用して求めた。統計学的有意性をp<0.05で設定した。
OVA暴露マウスにおいて、クラスI PI3Kの活性を、以前に記載されたように(Kwak他、上掲)、プロテアーゼ阻害剤存在下で調製された肺組織ホモジネートからのタンパク質抽出物を使用して測定した。タンパク質濃度を、Bradford試薬(Bio−Rad、Hercules、CA)を使用して求め、組織抽出物におけるPI3K活性を製造者のプロトコル(Echelon,Inc.、Salt Lake City、UT)に従ってPIP3競合的酵素免疫アッセイによって定量した。PIP3レベルが、攻撃前のおよそ15pmol/mLから、1時間ではおよそ75pmol/mLに増大し、24時間ではおよそ100pmol/mLに増大し、48時間および72時間ではおよそ160pmol/mLに増大していた。このことは、クラスI PI3Kの活性が、攻撃前の期間と比較して、OVA吸入後では、およそ4.6倍、6.1倍、9.5倍および9.6倍それぞれ増大したことを示している。対照的に、PI3K活性の著しい変化が生理的食塩水吸入の後では観測されなかった。
これらのキナーゼの活性化はAktのSer−473のリン酸化(Aktの酵素的活性化のために非常に重要な事象)に結びつけられている(Alessi他、Curr.Biol.、7:261〜69、1997)。Aktレベルをウエスタンブロットによって測定した。肺組織ホモジネートからのタンパク質抽出物(30μg/レーン)をポリアクリルアミドゲル(Invitrogen Life Technologies、Carlsbad、CA)で電気泳動し、PVDFメンブラン(Immobilon−P;Millipore、Billerica、MA)に電気泳動的に転写し、上記で記載されたような抗ホスホセリン抗体と4℃で一晩インキュベーションした。増大したPI3K活性と一致して、肺組織におけるp−Aktタンパク質のレベルもまた、ウエスタンブロットによって検出されたとき、生理的食塩水の吸入を受けたコントロール動物におけるレベルと比較して、OVA吸入後72時間では増大していた。総Aktタンパク質レベルの著しい変化は観測されなかった。選択的p110δ阻害剤(IC87114)の気管内投与はAktのリン酸化を阻止した。リン酸化レベルは生理的食塩水によるコントロールのレベルと類似していた。このことは、p110δがアレルゲン誘導のAkt活性化においてクラスI PI3Kの全体的な活性に大きく寄与していたことを示している。
PIP3形成およびAktリン酸化は、PI3Kファミリーがアレルギーおよび喘息において役割を果たすことを示す一方で、本明細書中に記載されるp110δ特異的阻害剤の投与は、アレルギーおよび喘息についての重要なPI3Kがp110δであることを明らかにしている。
(実施例5)
(p110δはBAL液におけるOVA誘導の好酸球呼び寄せに寄与する)
上記実験により、p110δがアレルゲン誘導のAkt活性化を媒介することが明らかにされた。アレルゲン攻撃後での好酸球呼び寄せにおけるp110δキナーゼの影響を調べるために、肺における炎症性細胞の数をOVA攻撃動物において評価した。
マウスに、上記の実施例4で記載されたようにオボアルブミンを投与し、気管支肺胞洗浄(BAL)液を最後のOVAエアロゾル攻撃後72時間で集め、総白血球計数および白血球分画細胞計数を行った。最後の攻撃後72時間で、マウスを過剰量のペントバルビタール−Na(100mg/kg体重、腹腔内投与)により屠殺した。血液を大静脈穿刺によって抜き取り、遠心分離した。血清をIgE測定のために液体窒素で急速冷凍し、−70℃で保存した。BALを、記載されたように行った(Kwak他、上掲)。簡単に記載すると、胸腔を、展開を可能にするために露出させ、その後、気管に注意深く挿管し、カテーテルを結紮により固定した。事前に加温した0.9%NaCl溶液を肺にゆっくり注入し、抜き取った。総BAL細胞を、血球計を使用して計数した。白血球分画細胞計数を、細胞遠心分離器(Shannon Scientific Ltd.、Cheshire、英国)を用いてスライドガラス上に遠心されたBAL細胞から得て、Diff−Quik溶液(Dade Diagnostics of Puerto Rico Inc.、Aguada、Puerto Rico)により処理した。2名の何も知らされていない無関係の研究者により、細胞が、顕微鏡を使用して計数された。4つの異なる無作為位置のそれぞれにおいておよそ400個の細胞が計数された。この2名の研究者からの平均数を使用して、細胞差を推定した。サイトカイン測定およびロイコトリエン測定のために、BALの上清を液体窒素で急速凍結し、使用まで−70℃で保存した。
OVA吸入は、生理的食塩水コントロールと比較した場合、好酸球、リンパ球および好中球の絶対数を著しく(p<0.05)増大させた(図1)。IC87114の気管内投与(0.1mg/kg)は、ビヒクルコントロールにより処置されたマウスと比較して、攻撃後72時間でBAL液において検出された好酸球、リンパ球および好中球の数を、それぞれ、79.8%、63.5%および80%減少させた。対照的に、マクロファージの数はIC87114によって影響を受けなかった。好酸球が非感作のコントロール動物では見出されず、これに対して、多くの好酸球がアレルゲン処置マウスのBAL液に存在していた。ビヒクルコントロールと比較した場合、IC87114処置マウスにおけるBAL液に回収された総細胞数の減少は、主として、IC87114処置マウスにおける好酸球の著しい(p<0.05)減少のためであった。これらの結果は、p110δ活性がアレルギー性の炎症性応答のときにおける好酸球呼び寄せに寄与したことを示している。
p110δが、OVA誘導の組織好酸球増加症、粘液産生および気道炎症に影響を及ぼすかどうかを明らかにするために、肺組織を取り出し、組織学的分析を行った。
肺組織を最後のOVA攻撃後72時間で集めた。マウスを屠殺し、肺および気管を、気管付近での結紮を使用して固定液(0.8%ホルマリン、4%酢酸)で気管内に満たした。肺を取り出し、肺組織を10%(vol/vol)の中性緩衝化ホルマリンにより固定処理した。試料を脱水し、パラフィンに包埋した。組織学的検査のために、固定処理された包埋組織の4μmの切片をLeicaモデル2165ロータリーミクロトーム(Leica Microsystems Nussloch GmbH、Nussloch、ドイツ)で切断し、ガラス製スライドガラスに載せ、脱パラフィン化し、ヘマトキシリン2、エオシンーY(Richard−Allan Scientific、Kalamazoo、MI)および過ヨウ素酸−Schiff(PAS)により染色した。3名の知らされていない無関係な研究者によって、炎症スコアが採点された。気管支周囲および血管周囲の炎症の程度が、Kwak他(上掲)に記載されるように、0〜3の主観的尺度で評価された。0の値が、炎症が検出できないときに判定され、1の値が、炎症性細胞による袖口様縁形成が時折生じている場合に判定され、2の値が、ほとんどの気管支または血管が炎症性細胞の薄い層(1個〜5個の細胞)によって取り囲まれている場合に判定され、3の値が、ほとんどの気管支または血管が炎症性細胞の厚い層(6個以上の細胞)によって取り囲まれているときに判定された。
組織学的分析では、喘息様炎症の典型的な病理学的特徴がOVA暴露マウスで明らかにされた。生理的食塩水のコントロールとは対象的に、OVA暴露マウスは、気管支周囲域における数多くの炎症生細胞、ならびに、細気管支の内腔内における粘液および細胞破片の蓄積を示した。対照的に、IC87114処置マウスは、気管支周囲領域における好酸球が多い白血球浸潤の実質的な弱まり、および、内腔に存在する破片量の実質的な弱まりを示した。加えて、それぞれの群の代表的な切片を杯細胞の検出のために過ヨウ素酸−Schiff(PAS)により染色した。コントロールと比較したとき、OVA暴露マウスは気道における重度の杯細胞過形成を示し、しかし、これはIC87114による処置によって顕著に低下した。気管支周囲領域、血管周囲領域ならびに肺全体の炎症スコアが、生理的食塩水注入後のスコアと比較して、OVA吸入後72時間では著しく(p<0.05)増大していた(図2)。OVA吸入後に観測された増大した肺炎症がp118δ阻害剤の投与によって50%以上減少した。
これらの結果は、p118δ阻害剤が、アレルゲン誘導の白血球流入、気道炎症および杯細胞過形成を著しく軽減することを示している。
(実施例6)
(アレルゲン誘導の気道炎症におけるサイトカインおよびケモカインに対するp118δ阻害剤の影響)
気管支組織における好酸球の蓄積およびその後の活性化が、アレルギー性気道炎症の病理発生において非常に重要な役割を果たすことが知られている(Busse他、N Eng J Med、344:35062、2001;Humbles他、Science、305:1776〜79、2004)。気道内への好酸球の移動は、Th2サイトカイン(IL−2、IL−5およびIL−13)によって協奏され、かつ、接着分子(例えば、VCAM−1およびVLA−4など)との組合せで特定のケモカイン(例えば、エオタキシンなど)によって調整される多段階プロセスである(10、11)。IL−13は、気道上皮細胞におけるエオタキシン発現の強力な誘導因子である(Tigani他、Eur J Pharmacol、433:217〜23、2001)。
アレルギー性の炎症性応答を誘起する際のTh2サイトカインの不可欠な役割を仮定して、IL−4、IL−5およびIL−13の濃度を、p110δ阻害剤またはビヒクルコントロールのいずれかが与えられたOVA攻撃マウスの肺組織での場合と同様に、BAL液から測定した。
サイトカインタンパク質レベルに対するIC87114の影響
IL−1β、TNF−α、IL−4、IL−5、IL−13およびRANTESのレベルを、製造者のプロトコルに従って酵素免疫アッセイによってBAL液の上清において定量した(IL−1β、TNF−α、IL−4およびIL−5、Endogen,Inc.(Woburn、MA);IL−13およびRANTES、R&D Systems,Inc.(Minneapolis、MN))。これらのアッセイにおける、IL−1β、TNFα、IL−4、IL−5、IL−13およびRANTESについての検出下限は、それぞれ、3pg/mL、10pg/mL、5pg/mL、5pg/mL、1.5pg/mLおよび2pg/mLであった。
OVA攻撃は、生理的食塩水攻撃の後で検出されるレベルと比較して、肺組織におけるタンパク質ブロッティング、ならびに、BAL液のELISAによって検出されたIL−4、IL−5、IL−13の3つのサイトカインすべての濃度の著しい(p<0.05)増大を誘導した。肺組織およびBAL液の両方におけるこれらのサイトカインの増大したレベルはIC87114によって著しく(p<0.05)低下した。
酵素免疫アッセイでは、BAL液におけるIL−1βおよびTNFαのレベルもまた、OVA吸入後72時間では、生理的食塩水吸入後のレベルと比較して、コントロール動物でのおよそ100pg/mLのTNFαおよび15pg/mLのIL−1βから、およそ280pg/mLのTNFαおよび30pg/mLのIL−1βに、著しく(p<0.05)増大していたことが明らかにされた。IC87114はこれらの前炎症性サイトカインの増大したレベルをおよそ140pg/mLのTNFαおよび15pg/mLのIL−1βにまで50%以上低下させた。これらのサイトカインに対する応答の1つが白血球−内皮接着分子の誘導である。実際、肺組織におけるICAM−1タンパク質およびVCAM−1タンパク質のレベルがOVA吸入後72時間では著しく(p<0.05)増大し、これらのレベルがIC87114の投与によって実質的に低下した。
OVA感作/攻撃マウスの肺組織およびBAL液におけるエオタキシンおよびRANTESのタンパク質レベルに対するIC87114の影響
ウエスタンブロット分析では、肺組織におけるケモカイン(エオタキシンおよびRANTES)のタンパク質レベルが、生理的食塩水コントロールと比較して、OVA吸入後72時間では著しく(p<0.05)増大していたことが明らかにされた。IC87114の投与はこれらのケモカインの増大したレベルを50%以上低下させた。加えて、酵素免疫アッセイでは、OVA吸入後72時間でのBAL液におけるRANTESの増大したレベルもまた、IC87114処置によって著しく(p<0.05)低下したことが明らかにされた。
BAL液における血清IgEレベルおよびLTC4放出に対するIC87114の影響
IL−4およびIL−13は、B細胞の成長、分化およびIgE分泌を行わせることにおいて重要である(Emson他、J Exp Med、188:399〜404、1998)。IgEの生物学的活性がマスト細胞および好塩基球の表面における高親和性のIgE受容体(FcεRI)を介して媒介される。FcεRIの架橋により、細胞の脱顆粒化および活性化を生じさせる多数のシグナル伝達カスケードが開始される(Nadler他、Adv Immunol、76:325〜55、2000;Kawakami他、Nat Rev Immunol、2:77386、2002)。
IC87114がマウスにおいてインビボでOVA特異的なTh2応答を改変することができるかどうかを明らかするために、循環しているIgE抗体レベルをOVA攻撃後72時間で分析した。
OVA特異的なIgEレベルを、以前に記載されたように捕獲ELISAによって測定した(MacLean他、J Immunol、165:6568〜75、2000)。簡単に記載すると、マイクロタイタープレートを2μg/mLの精製されたモノクローナル抗マウスIgE(BD PharMingen、San Diego、CA)で被覆した。PBS−10%FCSによるブロッキング処理の後、PBS−10%FCSにおける適切な希釈度の血清サンプルをプレートに加え、室温で2時間インキュベーションした。PBS−Twennによる洗浄の後、ビオチン化OVA(10μg/mL)およびHRP結合体化ストレプトアビジンをウエルに加え、1時間インキュベーションした。プレートを洗浄し、その後、HRP基質(3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン基質(TMBS、Sigma Chemical Co.))を加えた。暗所において室温で30分間インキュベーションした後、プレートをマイクロプレートリーダー(Molecular Dynamics、Sunnyvale、CA)で450nmにおいて読み取った。総血清IgEを、OVA特異的IgGの検出と類似する様式で捕獲ELISAによって測定した。ビオチン化ラット抗マウスIgE(PharMingen)を、ビオチン化OVAの代わりに、捕獲されたIgEを検出するために使用した。
総IgEおよびOVA特異的IgEにおける実質的な上昇が、非処理マウス(およそ3ng/mLの総IgE、1ng/mL未満のOVA特異的IgE)と比較して、OVA攻撃マウス由来の血清において観測された(およそ12ng/mLの総IgE、およそ3ng/mLのOVA特異的IgE)。IC87114は総循環IgEレベルを用量依存的様式で著しく(p<0.05)低下させた(およそ6ng/mLの総IgE、1.5ng/mL未満のOVA特異的IgE)。総IgEレベルに対する阻害的作用と一致して、0.1mg/kgおよび1mg/kgでのIC87114はOVA特異的IgEレベルをそれぞれ63%および72%と著しく(p<0.05)低下させた。
BAL液を最後のOVA攻撃の後72時間で得て、LTCについてアッセイした。LTCのレベルを製造者のプロトコル(Cayman Chemical Co.、Ann Arbor、MI)に従って酵素免疫アッセイによってBAL液の上清において定量した。このアッセイにおけるLTCについての検出下限は10pg/mLであった。
LTCのBAL液中レベルは、OVA感作/攻撃マウス(およそ40pg/mL)では、生理的食塩水のみが与えられたマウスの場合(およそ13pg/mL)よりも3.1倍高かった(生理的食塩水と比較して、p<0.05)。IC87114(0.1mg/kgおよび1mg/kg)はLTCレベルをそれぞれ37%および50%と著しく(p<0.05)阻害し、LTCレベルをおよそ26pg/mLおよび21pg/mLにそれぞれ低下させた。ビヒクルコントロールで処置されたOVA感作/攻撃マウスのBAL液におけるLTC量は生理的食塩水コントロール群の量と大きく異なっていなかった。
(実施例7)
(p110δの阻害は気道の過剰応答性(AHR)を弱めた)
上記の結果は、p110δ特異的阻害剤の投与により、気道炎症に関連する多くの副作用が効果的に阻害されたことを示している。実験動物モデルにおけるAHRの発症に対するIC87114の影響を明らかにするために、OVA処置マウスにAHRを誘導し、OVA処置マウスをp110δ阻害剤により処置した。
感作したBALB/cマウスを、3日間連続して毎日30分間、3%OVAエアロゾルにより攻撃し、吸入メタコリンに対するAHRを発症させた。最後のオボアルブミン攻撃の3日後に、気道の応答性を、以前に記載されたように(Kwak他、上掲)、全身プレチスモグラフィー(All Medicus Co.、Seoul、韓国)を使用して、意識のある非拘束動物において測定した。
簡単に記載すると、全身プレチスモグラフィーにおいて、呼吸機能を、呼吸機能が測定されている間、動物がチャンバー内を自由に動くことを可能にするチャンバーで、意識のある、自由に運動するマウスにおいて測定した。各チャンバーは、新鮮な空気の滑らかな一定の流れを試験期間中に供給するためのバイアス流量調節器につながれる。各チャンバーに取り付けられた変換器により、動物が呼吸するときに生じる圧力変化が検出される。吸息および呼息が、ボックス圧力/時間曲線がゼロ点を横切るときの吸息開始および吸息終了を明らかにすることによって記録される。吸息の開始が、ボックス圧力シグナルの上昇する吸息期の2つのレベルから引かれた直線から外挿することによって決定される。吸息時間(TI)が、吸息開始から吸息終了までの時間として定義され、呼息時間(TE)が、吸息終了から次の吸息開始までの時間として定義される。1回の呼吸の間に負または正の方向で生じる最大ボックス圧力シグナルがピーク吸息圧力(PIP)またはピーク呼息圧力(PEP)としてそれぞれ定義される。10回の呼吸毎の記録が、呼吸/分での呼吸数を規定するために外挿される。緩和時間(Tr)が、総呼息圧シグナル(呼息におけるボックス圧力シグナル下の面積)の36%への圧力減衰時間として定義される。従って、これは、受動的呼息におけるピーク体積の36%への体積シグナルの減衰の時定数(RC)に対する相関として役立ち得る。気管支収縮時において、シグナルにおける主要な変化が早期呼息のときに生じ、ボックス圧力シグナルの波形における変化を生じさせる。測定された他のパラメーターには、一回換気量(mL)、呼吸数(呼吸/分)、最少体積(呼吸数によって除される一回換気量(mL/分)、吸息時間(秒)、呼息時間(秒)、ピーク吸息流量(mL/秒)およびピーク呼息流量(mL/秒)が含まれる。
気道応答性をPenhのパーセント増大として評価した(Helmann他、Am J Respir Crit Care Med、156:766〜75、1997;Chong他、J Pharmacol Toxicol Methods、39:163〜68、1998)。読み取り値を、ベースラインにおいて、また、エアロゾル化された生理的食塩水またはメタコリン(2.5mg/mL〜50mg/mL)に対する暴露の後で得た。データを集め、それぞれの噴霧化の後の3分間について平均化した。エンハンスド・ポーズ(Penh)を、製造者のプロトコルに従って、(呼息時間/緩和時間−1)x(ピーク呼息流量/ピーク吸息流量)として計算した。結果が、メタコリンの各濃度による攻撃の後でのPenhの増大率として表され、この場合、ベースラインPenh(生理的食塩水攻撃後)が100%として表される。
気道応答性が、生理的食塩水攻撃群と比較して、メタコリン吸入に対する応答においてOVA攻撃群では実質的に増大した(図3)。OVA攻撃前におけるOVA感作マウスへのIC87114の投与は、試験されたすべてのメタコリンレベルで測定されたPenhにおける著しい(p<0.05)弱まりを示した。このことは、気道の過剰応答性をインビボで生じさせる免疫媒介事象におけるp110δについての役割を示唆する。これらの結果は、p110δ阻害後におけるTh2サイトカイン産生の低下、組織好酸球増加症およびマスト細胞活性化と関連づけられることが予想される。
アレルギー性気道炎症およびAHR発症は多数の炎症性細胞および広範囲の様々な媒介因子を伴う。上記の結果は、p110δの阻害により、OVA誘導のTh2サイトカイン産生、肺の好酸球増加症、血清IgEレベル、杯細胞過形成およびAHRがマウス喘息モデルにおいて効果的に低下したことを明らかにしている。これらの発見は、p110δがアレルギー性喘息の病理発生において重要な役割を果たしていること、また、p110δの選択的阻害剤が、喘息および気道の過剰応答性を処置するための有用な治療剤であることを示している。
(実施例8)
(マスト細胞の脱顆粒化に対するp110δ阻害剤の影響)
マスト細胞および好塩基球はFcεRI(IgEに対する高親和性受容体)を発現し、また、IgEに関連する即時過敏性反応およびアレルギー性障害についての中心的な役割を果たしている。多価抗原とのFcεRI結合IgEの架橋はマスト細胞および好塩基球の活性化を開始させ、この結果、これらの細胞からの脱顆粒化を生じさせる。マスト細胞/好塩基球の脱顆粒化に対するp110δ阻害剤の影響を明らかにするために、ラット好塩基球性白血病細胞(RBL−2H3)の脱顆粒化によるセロトニンの放出をp110δ特異的阻害剤の存在下で測定した。
RBL−2H3細胞を培地中で単層培養物で成長させる。RBL細胞を、75cm組織培養フラスコにおいて、16%FCSを含有する25mLのイーグル最少必須培地(EMEM−16)でコンフルエンスに成長させた。培地を吸引によって除き、細胞を3mLのトリプシン−EDTAにより洗浄して、血清に存在するトリプシン阻害剤を除いた。その後、トリプシン−EDTAを、接着性細胞を除くために37℃で5分間加えた。細胞をフラスコから取り出し、EMEM−16で洗浄し、1000rpmでの5分間の遠心分離によって集めた。細胞をもう一度洗浄し、細胞ペレットをEMEM−16に再懸濁した。その後、細胞を24ウエルプレートに4x10細胞/mLの濃度で置床し、25μLの1mCi/mLのH−標識セロトニン(0.5μCi/mLの最終濃度)および1μg/mLの抗DNP IgEと37℃で一晩培養した。細胞培地をウエルから吸引し、ウエルを、500μLのPBSをウエルに加え、積み重ねたペーパータオルにプレートを反転することによって2回洗浄した。200μLの最終体積のPBSを加え、細胞を37℃の水浴において2分以下で平衡化させ、10μLのDNP−アルミンを各ウエルに加え(10ng/mLの最終濃度)、37℃で10分間〜30分間インキュベーションした。
反応を、緩衝液を各ウエルから液体シンチレーションバイアルに移すことによって停止させた。ウエルを、PBSにおける1%Triton X−100の500μLを使用して2回洗浄し、室温で10分間インキュベーションし、液体を測定のためにバイアルに移した。10mLの液体シンチレーションカクテルをサンプルバイアルに加え、放射能のレベルを液体シンチレーションカウンターで計数し、細胞によって放出されたセロトニンの割合を計算する。p110δ阻害剤のIC87114または別のp110δ特異的阻害剤のいずれかとともに培養されたサンプルでは、各用量の効力を明らかにするために、ある用量範囲にわたって加えた。
コントロール細胞およびp110δ処置細胞における放射能レベルの測定では、IC87114が2.5マイクロモル濃度の濃度でセロトニン放出の50%阻害を示したことが明らかにされた。
これらの結果は、p110δ特異的阻害剤が、Fc受容体の架橋によって媒介されるマスト細胞の脱顆粒化を低下させることにおいて効果的であることを示している。このことは、アレルギー性反応時におけるこれらの影響を軽減するための手段を提供する。
(実施例9)
(I型過敏性応答に対するp110δ阻害剤の影響)
上記で示されたように、p110δ阻害剤は、IgEの架橋に媒介されるマスト細胞脱顆粒化のレベルを低下させることにおいて効果的であった。マスト細胞の脱顆粒化は、インビボでのアレルギー性反応および他のI型過敏性応答を媒介する際において大きな役割を果たしている。インビボでのマスト細胞の脱顆粒化に対するp110δ阻害剤の影響を調べるために、皮膚過敏性の動物モデルを使用した。
感作するために、Lewisラットの剃毛した背側皮膚に生理的食塩水または抗DNPモノクローナルIgE(部位あたり50μLでの1.25ng〜25ng)のいずれかを皮内注射した。IgE感作後48時間で、抗原(1ng/mLのDNP−BSA)および0.5%エバンスブルー色素を含有する1mLの生理的食塩水溶液を静脈内注射し、30分後にラットを安楽死させた。皮膚の浮腫を、カリパスを使用して注射部位での膨疹のサイズを測定することによって評価した。膨疹の周りの皮膚もまた切り取り、管外遊出した色素の量を以前に記載されたように測定した(Inagaki他、1986)。IC87114(20mg/kgまたは60mg/kg)またはPEG−400(ビヒクルコントロールとして使用される)の1回の投薬を抗原投与の1時間前にマウスに経口投与により施した。ケトチフェン(10mg/kg)を抗原攻撃の30分前に腹腔内注射した。血液サンプルを膨疹サイズ測定の直後に抜き取り、IC87114の血漿中濃度を、以前に記載されたように、液−液抽出、その後の液体クロマトグラフィー/質量分析によって求めた(Puri他、Blood、103:3448〜3456、2004)。
I型過敏性応答はIC87114に対する用量依存的な応答を示し、20mg/kgの用量ではコントロールのおよそ70%に低下し、60mg/kgの用量ではおよそ55%に低下した。陽性コントロール応答のケトチフェン(10mg/kg)は感受性応答をコントロールのおよそ35%に低下させた。
これらの結果は、p110δが、感作された動物においてI型過敏性反応を媒介する際に役割を果たすことを示している。このことは、p110δ阻害剤の投与により、I型感受性反応が軽減または予防され得ることを示す。
(実施例10)
(ヒトマスト細胞の脱顆粒化に対するp110δ阻害剤の影響)
ヒトマスト細胞に対するp110δ阻害剤の影響を明らかにするために、細胞をヒト臍帯血から単離し、マスト細胞系譜に分化させ、p110δ阻害剤の存在下での脱顆粒化およびヒスタミン放出についてアッセイした。
CD34ヒト臍帯血細胞を単離し、メチルセルロースの存在下および非存在下(Iida他、Blood、97:1016〜22、2001)、Hsieh他(J Exp Med.、193:123〜33、2001)に示されるプロトコルに従って幹細胞因子およびIL−4を使用して分化させた。細胞をおよそ5週間にわたって培養し、1000rpmでの3分間の遠心分離によって集めた。細胞を、IgEを10μg/mLで含有する新鮮な培地(RPMI、IMDMまたはメチルセルロース)に1x10細胞/mLで再懸濁した。細胞を、抗IgE架橋による活性化について試験する前に、5日間にわたって初回免疫刺激した。
IgE架橋によるマスト細胞の活性化を評価するために、細胞を1000rpmでの2分間の遠心分離によって集め、ダルベッコのリン酸塩緩衝化生理的食塩水(D−PBS)で2回洗浄した。その後、細胞をD−PBSにおいて2.5x10細胞/mLの濃度で再懸濁した。95μLの細胞に対して、3%DMSOにおける200μMのIC87114またはケトチフェンのいずれかの5μLと、細胞とを37℃で30分間インキュベーションした。30分後、1:1000のIgEの最終濃度のための2μLの1:20希釈の抗IgEと、細胞とを抗IgEの存在下で45分間インキュベーションした。その後、細胞を上記のように遠心分離し、上清を集めた。等量のD−PBSを細胞に加え、細胞を3回凍結−融解して、細胞を溶解した。その後、溶解した細胞を10,000rpmで4分間遠心分離し、ヒスタミンELISAによってヒスタミン放出について分析した。
ヒスタミンを細胞上清および細胞ペレットの両方で測定した。この実験では、p110δ阻害剤のIC87114は10μMの濃度でヒスタミン放出をおよそ18%低下させた(100%の総コントロール放出の正規化に基づく)。
これらの結果は、p110δが、マウスマスト細胞に対するのと同様に、ヒトマスト細胞に対する作用を示すことを示す。このことは、p110δ阻害剤が、正常でないマスト細胞活性によって媒介される疾患または障害を有する患者の処置において、ヒスタミン放出および他のマスト細胞活性の有用な調節剤であることを示している。
上記の例示的な実施例において示されるような本発明において、多数の改変および変化が、当業者によって生じることが予測される。従って、添付の特許請求の範囲に見られるような限定のみが、本発明に課されるべきである。
BAL液における、p110δ阻害剤IC87114またはコントロールで処置されたOVA感作/攻撃マウスから単離されたBAL液の炎症性細胞浸潤のカウント数(総細胞および分画白血球成分)を示す。マクロファージ(Mac)、リンパ球(Lym)、好中球(Neu)および好酸球(Eos)を計数した。棒は6回の独立した実験からの平均±SEMを表す。#,p<0.05(SAL+SALに対して);,p<0.05(OVA+SALに対して)。 IC87114またはコントロールで処置されたOVA感作/攻撃マウスにおける気管支周囲および血管周囲の炎症スコアの平均として定義される肺全体の炎症を示す。棒は6回の独立した実験からの平均±SEMを表す。#,p<0.05(SAL+SALに対して);,p<0.05(OVA+SALに対して)。 IC87114またはコントロールで処置された、拘束されていない、意識のあるOVA感作/攻撃マウスにおいて最後の攻撃後72時間で測定された、エアロゾル化メタコリンに対する気道の応答性を示す。呼吸パラメーターの読み取りをそれぞれの噴霧化の後3分間行い、その期間中にPenh値を求めた。データは6回の独立した実験からの平均±SEMを表す。#,p<0.05(SAL+SALに対して);,p<0.05(OVA+SALに対して)。

Claims (33)

  1. マスト細胞の活性を阻害するための方法であって、ホスホイノシチド3−キナーゼδ(PI3Kδ)の選択的阻害剤を、該活性を阻害するために有効な量で個体に投与する工程を包含する、方法。
  2. 阻害される前記マスト細胞活性がマスト細胞の遊走である、請求項1に記載の方法。
  3. 阻害される前記マスト細胞活性がマスト細胞の脱顆粒化である、請求項1に記載の方法。
  4. 阻害される前記マスト細胞活性がマスト細胞の増殖である、請求項1に記載の方法。
  5. 阻害される前記マスト細胞活性が、サイトカイン、ケモカインまたは増殖因子の分泌である、請求項1に記載の方法。
  6. 阻害される前記マスト細胞活性が、サイトカイン、ケモカインまたは増殖因子の発現である、請求項1に記載の方法。
  7. 前記サイトカインがTNF−αである、請求項5または6に記載の方法。
  8. 前記サイトカインがIL−6である、請求項5または6に記載の方法。
  9. 前記ケモカインが、エオタキシン、MIP−1α、MIP−1β、MDC−1、MCP−1またはリンホタクチンである、請求項5または6に記載の方法。
  10. 望ましくないマスト細胞活性に関連する状態において炎症部位へのリンパ球浸潤を低下させる方法であって、ホスホイノシチド3−キナーゼδ(PI3Kδ)の選択的阻害剤を、該炎症部位へのリンパ球浸潤を低下または予防するために有効な量で、かつ、個体におけるマスト細胞によるリンパ球呼び寄せのシグナル伝達を低下させるために有効な量で、該個体に投与する工程を包含する、方法。
  11. 個体における望ましくないマスト細胞活性に関連する状態を処置または予防するための方法であって、ホスホイノシチド3−キナーゼδ(PI3Kδ)の選択的阻害剤を、望ましくないマスト細胞活性に関連する状態を処置または予防するために有効な量で投与する工程を包含する、方法。
  12. 阻害される前記マスト細胞活性が、マスト細胞の遊走、マスト細胞の増殖、マスト細胞の脱顆粒化、あるいは、サイトカイン、ケモカインまたは増殖因子のマスト細胞からの発現または分泌である、請求項11に記載の方法。
  13. 前記状態がIgE媒介の状態である、請求項11に記載の方法。
  14. 前記状態が、喘息、アレルギー性反応または自己免疫疾患である、請求項11に記載の方法。
  15. 前記アレルギー性反応が、I型過敏症、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎またはアレルギー性喘息である、請求項14に記載の方法。
  16. 前記自己免疫疾患が水疱性天疱瘡または慢性じんま疹である、請求項14に記載の方法。
  17. 前記PI3Kδ選択的阻害剤が、前記マスト細胞におけるAktのリン酸化を阻害するために有効な量を投与される、請求項11〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 免疫調節剤を前記個体に投与する工程をさらに包含する、請求項11〜16のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記免疫調節剤が反復投与される、請求項18に記載の方法。
  20. 前記免疫調節剤が、グルココルチコイドまたはコルチコステロイド、免疫抑制剤、抗ヒスタミン剤、アミノサリチラート、ステロイドホルモン、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、交感神経様作用剤あるいは鎮痛剤である、請求項18に記載の方法。
  21. 前記免疫抑制剤が、アザチオプリン、シクロスポリン、シクロホスファミド、メトトレキサートまたはペニシラミンである、請求項18に記載の方法。
  22. 前記グルココルチコイドが、コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プレドニゾンまたはブデノシドである、請求項18に記載の方法。
  23. 前記PI3Kδ選択的阻害剤が反復投与される、請求項11〜16のいずれか一項に記載の方法。
  24. 望ましくないマスト細胞活性に関連する状態を有する個体におけるマスト細胞の増殖を低下または予防する方法であって、
    ホスホイノシチド3−キナーゼδ(PI3Kδ)の選択的阻害剤と免疫調節剤とを含む併用療法の治療有効量を、該個体に投与する工程を包含する、方法。
  25. 望ましくないマスト細胞活性に関連する状態を有する個体における炎症部位へのリンパ球浸潤を低下または予防する方法であって、
    ホスホイノシチド3−キナーゼδ(PI3Kδ)の選択的阻害剤と免疫調節剤とを含む併用療法の治療有効量を、該個体に投与する工程を包含する、方法。
  26. 望ましくないマスト細胞活性に関連する状態を処置するために個体に投与された免疫調節剤の治療指数を増大させる方法であって、
    免疫調節剤と、該免疫調節剤の治療指数を増大させるために有効な量のホスホイノシチド3−キナーゼδ(PI3Kδ)の選択的阻害剤とを含む併用療法を、該個体に投与する工程を包含する、方法。
  27. 前記状態が、喘息、アレルギー性反応または自己免疫疾患である、請求項24〜26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記アレルギー性反応が、I型過敏症、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎またはアレルギー性喘息である、請求項24〜26のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記自己免疫疾患が水疱性天疱瘡または慢性じんま疹である、請求項24〜26のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記選択的PI3Kδ阻害剤が下記の式(I)を有する化合物またはその薬学的に受容可能な塩および溶媒和物である、請求項1〜16または24〜26のいずれか一項に記載の方法:
    Figure 2008501707
    式中、
    Aは、少なくとも2個の窒素原子を含有する、場合により置換された単環状または二環状の環系であり、該系の少なくとも1つの環が芳香族である;
    Xは、C(R、CHCHRおよびCH=C(R)からなる群から選択される;
    Yは、非存在、S、SO、SO、NH、O、C(=O)、OC(=O)、C(=O)OおよびNHC(=O)CHSからなる群から選択される;
    およびRは独立して、水素、C1〜6アルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、NHC(=O)C1〜3アルキレンN(R、NO、OR、CF、OCF、N(R、CN、OC(=O)R、C(=O)R、C(=O)OR、アリールOR、Het、NRC(=O)C1〜3アルキレンC(=O)OR、アリールOC1〜3アルキレンN(R、アリールOC(=O)R、C1〜4アルキレンC(=O)OR、OC1〜4アルキレンC(=O)OR、C1〜4アルキレンOC1〜4アルキレンC(=O)OR、C(=O)NRSO、C1〜4アルキレンN(R、C2〜6アルケニレンN(R、C(=O)NR1〜4アルキレンOR、C(=O)NR1〜4アルキレンHet、OC2〜4アルキレンN(R、OC1〜4アルキレンCH(OR)CHN(R、OC1〜4アルキレンHet、OC2〜4アルキレンOR、OC2〜4アルキレンNRC(=O)OR、NR1〜4アルキレンN(R、NRC(=O)R、NRC(=O)N(R、N(SO1〜4アルキル)、NR(SO1〜4アルキル)、SON(R、OSOCF、C1〜3アルキレンアリール、C1〜4アルキレンHet、C1〜6アルキレンOR、C1〜3アルキレンN(R、C(=O)N(R、NHC(=O)C1〜3アルキレンアリール、C3〜8シクロアルキル、C3〜8ヘテロシクロアルキル、アリールOC1〜3アルキレンN(R、アリールOC(=O)R、NHC(=O)C1〜3アルキレンC3〜8ヘテロシクロアルキル、NHC(=O)C1〜3アルキレンHet、OC1〜4アルキレンOC1〜4アルキレンC(=O)OR、C(=O)C1〜4アルキレンHet、および、NHC(=O)ハロC1〜6アルキルからなる群から選択される;
    または、RおよびRは一緒になって、少なくとも1個のヘテロ原子を場合により含有する、5員環または6員環の3員または4員のアルキレン鎖成分またはアルケニレン鎖成分を形成する;
    は、場合により置換された水素、C1〜6アルキル、C3〜8シクロアルキル、C3〜8ヘテロシクロアルキル、C1〜4アルキレンシクロアルキル、C2〜6アルケニル、C1〜3アルキレンアリール、アリールC1〜3アルキル、C(=O)R、アリール、ヘテロアリール、C(=O)OR、C(=O)N(R、C(=S)N(R、SO、SON(R、S(=O)R、S(=O)N(R、C(=O)NR1〜4アルキレンOR、C(=O)NR1〜4アルキレンHet、C(=O)C1〜4アルキレンアリール、C(=O)C1〜4アルキレンヘテロアリール、1個または複数個のハロ、SON(R、N(R、C(=O)OR、NRSOCF、CN、NO、C(=O)R、OR、C1〜4アルキレンN(RおよびOC1〜4アルキレンN(Rにより場合により置換されるC1〜4アルキレンアリール、C1〜4アルキレンヘテロアリール、C1〜4アルキレンHet、C1〜4アルキレンC(=O)C1〜4アルキレンアリール、C1〜4アルキレンC(=O)C1〜4アルキレンヘテロアリール、C1〜4アルキレンC(=O)Het、C1〜4アルキレンC(=O)N(R、C1〜4アルキレンOR、C1〜4アルキレンNRC(=O)R、C1〜4アルキレンOC1〜4アルキレンOR、C1〜4アルキレンN(R、C1〜4アルキレンC(=O)OR、ならびに、C1〜4アルキレンOC1〜4アルキレンC(=O)ORからなる群から選択される;
    は、水素、C1〜6アルキル、C3〜8シクロアルキル、C3〜8ヘテロシクロアルキル、C1〜3アルキレンN(R、アリール、アリールC1〜3アルキル、C1〜3アルキレンアリール、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1〜3アルキル、および、C1〜3アルキレンヘテロアリールからなる群から選択される;
    または、2つのR基が一緒になって、少なくとも1個のヘテロ原子を場合により含有する5員環または6員環を形成する;
    は、水素、C1〜6アルキル、ヘテロC1〜3アルキル、C1〜3アルキレンヘテロC1〜3アルキル、アリールヘテロC1〜3アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールC1〜3アルキル、ヘテロアリールC1〜3アルキル、C1〜3アルキレンアリール、および、C1〜3アルキレンヘテロアリールからなる群から選択される;
    は、水素、C1〜6アルキル、C3〜8シクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択される;かつ
    Hetは、酸素、窒素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有し、かつ、C1〜4アルキルまたはC(=O)ORにより場合により置換される、飽和または部分的不飽和または完全不飽和の5員または6員の複素環状環である。
  31. 前記選択的PI3Kδ阻害剤が、2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−(2−クロロフェニル)−6,7−ジメトキシ−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−o−イルメチル)−6−ブロモ−3−(2−クロロフェニル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−o−イルメチル)−3−(2−クロロフェニル)−7−フルオロ−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−6−クロロ−3−(2−クロロフェニル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−(2−クロロフェニル)−5−フルオロ−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−o−イルメチル)−5−クロロ−3−(2−クロロ−フェニル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−(2−クロロフェニル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−8−クロロ−3−(2−クロロフェニル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−ビフェニル−2−イル−5−クロロ−3H−キナゾリン−4−オン;5−クロロ−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;5−クロロ−3−(2−フルオロフェニル)−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−5−クロロ−3−(2−フルオロフェニル)−3H−キナゾリン−4−オン;3−ビフェニル−2−イル−5−クロロ−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;5−クロロ−3−(2−メトキシフェニル)−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2−クロロフェニル)−5−フルオロ−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2−クロロフェニル)−6,7−ジメトキシ−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;6−ブロモ−3−(2−クロロフェニル)−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2−クロロフェニル)−8−トリフルオロメチル−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2−クロロフェニル)−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−ベンゾ[g]キナゾリン−4−オン;6−クロロ−3−(2−クロロフェニル)−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;8−クロロ−3−(2−クロロフェニル)−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2−クロロフェニル)−7−フルオロ−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2−クロロフェニル)−7−ニトロ−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2−クロロフェニル)−6−ヒドロキシ−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;5−クロロ−3−(2−クロロフェニル)−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2−クロロフェニル)−5−メチル−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2−クロロフェニル)−6,7−ジフルオロ−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2−クロロフェニル)−6−フルオロ−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−(2−イソプロピルフェニル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2−フルオロフェニル)−5−メチル−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−5−クロロ−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−5−クロロ−3−(2−メトキシ−フェニル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3−シクロプロピル−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;3−シクロプロピルメチル−5−メチル−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−シクロプロピルメチル−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3−シクロプロピルメチル−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−3−フェネチル−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−5−メチル−3−フェネチル−3H−キナゾリン−4−オン;3−シクロペンチル−5−メチル−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−シクロペンチル−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2−クロロピリジン−3−イル)−5−メチル−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−(2−クロロピリジン−3−イル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;3−メチル−4−[5−メチル−4−オキソ−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−4H−キナゾリン−3−イル]−安息香酸;3−シクロプロピル−5−メチル−2−(
    9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−シクロプロピル−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−3−(4−ニトロベンジル)−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;3−シクロヘキシル−5−メチル−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−シクロヘキシル−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3−シクロ−ヘキシル−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−3−(E−2−フェニルシクロプロピル)−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2−クロロフェニル)−5−フルオロ−2−[(9H−プリン−6−イルアミノ)メチル]−3H−キナゾリン−4−オン;2−[(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)メチル]−3−(2−クロロフェニル)−5−フルオロ−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−2−[(9H−プリン−6−イルアミノ)メチル]−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−[(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)メチル]−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−[(2−フルオロ−9H−プリン−6−イルアミノ)メチル]−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;(2−クロロフェニル)−ジメチルアミノ−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;5−(2−ベンジルオキシエトキシ)−3−(2−クロロフェニル)−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;6−アミノプリン−9−カルボン酸3−(2−クロロフェニル)−5−フルオロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−2−イルメチルエステル;N−[3−(2−クロロフェニル)−5−フルオロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−2−イルメチル]−2−(9H−プリン−6−イルスルファニル)−アセトアミド;2−[1−(2−フルオロ−9H−プリン−6−イルアミノ)エチル]−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)エチル]−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−ジメチルアミノプリン−9−イルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−2−(2−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−プリン−7−イルメチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−2−(2−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−プリン−9−イルメチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(アミノ−ジメチルアミノプリン−9−イルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(4−アミノ−1,3,5−トリアジン−2−イルスルファニルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−2−(7−メチル−7H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリミジン−4−イルスルファニルメチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−2−プリン−7−イルメチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−2−プリン−9−イルメチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−2−(9−メチル−9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(2,6−ジアミノ−ピリミジン−4−イルスルファニルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−2−(5−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イルスルファニルメチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−2−(2−メチルスルファニル−9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(2−ヒドロキシ−9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−2−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−3−o−トリル−2−(1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−(2−アミノ−6−クロロ−プリン−9−イルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−7−イルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(7−アミノ−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル−メチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(7−アミノ−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−1−イル−メチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノ−9H−プリン−2−イルスルファニルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(2−アミノ−6−エチルアミノ−ピリミジン−4−イルスルファニルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(3−アミノ−5−メチルスルファニル−1,2,4−トリアゾール−1−イル−メチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(5−アミノ−3−メチルスルファニル−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−2−(6−メチルアミノプリン−9−イルメチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−ベンジルアミノプリン−9−イルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(2,6−ジアミノプリン−9−イルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;3−イソブチル−5−メチル−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;N−{2−[5−メチル−4−オキソ−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−4H−キナゾリン−3−イル}−フェニル}−アセトアミド;5−メチル−3−(E−2−メチル−シクロヘキシル)−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−[5−メチル−4−オキソ−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−4H−キナゾリン−3−イル]−安息香酸;3−{2−[(2−ジメチルアミノエチ
    ル)メチルアミノ]フェニル}−5−メチル−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2−クロロフェニル)−5−メトキシ−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2−クロロフェニル)−5−(2−モルホリン−4−イル−エチルアミノ)−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;3−ベンジル−5−メトキシ−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−(2−ベンジルオキシフェニル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−(2−ヒドロキシフェニル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)エチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)プロピル]−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(1−(2−フルオロ−9H−プリン−6−イルアミノ)プロピル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)プロピル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(2−ベンジルオキシ−1−(9H−プリン−6−イルアミノ)エチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−5−メチル−3−{2−(2−(1−メチルピロリジン−2−イル)−エトキシ)−フェニル}−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−(2−(3−ジメチルアミノ−プロポキシ)−フェニル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−5−メチル−3−(2−プロパ−2−イニルオキシフェニル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−{2−(1−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−5−メチル−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル]−フェノキシ}−アセトアミド;5−クロロ−3−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オン;3−フェニル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オン;5−フルオロ−3−フェニル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−5−メチル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オン;6−フルオロ−3−フェニル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;3−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−5−メチル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;5−フルオロ−3−フェニル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2,3−ジフルオロ−フェニル)−5−メチル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−3−フェニル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;3−(3−クロロ−フェニル)−5−メチル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−3−フェニル−2−[(9H−プリン−6−イルアミノ)−メチル]−3H−キナゾリン−4−オン;2−[(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−メチル]−3−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;3−{2−[(2]−ジエチルアミノ−エチル)−メチル−アミノ]−フェニル}−5−メチル−2−[(9H−プリン−6−イルアミノ)−メチル]−3H−キナゾリン−4−オン;5−クロロ−3−(2−フルオロ−フェニル)−2−[(9H−プリン−6−イルアミノ)−メチル]−3H−キナゾリン−4−オン;5−クロロ−2−[(9H−プリン−6−イルアミノ)−メチル]−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;5−クロロ−3−(2−クロロ−フェニル)−2−[(9H−プリン−6−イルアミノ)−メチル]−3H−キナゾリン−4−オン;6−フルオロ−3−(3−フルオロ−フェニル)−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−5−クロロ−3−(3−フルオロ−フェニル)−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−3−フェニル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−フルオロ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−5−メチル−3−フェニル−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−5−メチル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル}−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−2−[1−(2−フルオロ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−5−メチル−2−[1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−プロピル]−5−メチル−3−フェニル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−3−フェニル−2−[1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−フルオロ−9h−プリン−6−イルアミノ)−プロピル]−5−メチル−3−フェニル−3h−キナゾリン−4−オン;5−メチル−3−フェニル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−5−メチル−3−フェニル−3H−キナゾリン−4−オン;2−[2−ベンジルオキシ−1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−5−メチル−3−フェニル−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−2−ベンジルオキシ−エチル]−5−メチル−3−フェニル−3H−キナゾリン−4−オン;2−[2−ベンジルオキシ−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−エチル]−5−メチル−3−フェニル−3H−キナゾリン−4−オン;2−[2−ベンジルオキシ−1−(2−フルオロ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−5−メチル−3−フェニル−3H−キナゾリン−4−オン;3−(4−フルオロ−フェニル)−5−メチル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3−(4−フルオロ−フェニル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;3−(4−フルオロ−フェニル)−2−[1−(2−フルオロ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;3−(4−フルオロ−フェニル)−5−メチル−2−[1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−3−フェニル−2−[1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;3−(3−フルオロ−フェニル)−5−メチル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3−(3−フルオロ−フェニル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;3−(3−フルオロ−フェニル)−5−メチル−2−[1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−3−フェニル−2−[1−(9H−プリン−6−イル)−ピロリジン−2−イル]−3H−キナゾリン−4−オン;2−[2−ヒドロキシ−1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−5−メチル−3−フェニル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−3−フェニル−2−[フェニル−(9H−プリン−6−イルアミノ)−メチル]−3H−キナゾリン−4−オン;2−[(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−フェニル−メチル]−5−メチル−3−フェニル−3H−キナゾリン−4−オン;2−[(2−フルオロ−9H−プリン−6−イルアミノ)−フェニル−メチル]−5−メチル−3−フェニル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−3−フェニル−2−[フェニル−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−メチル]−3H−キナゾリン−4−オン;5−フルオロ−3−フェニル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−5−フルオロ−3−フェニル−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−5−クロロ−3−フェニル−3H−キナゾリン−4−オン;[5−(5−メチル−4−オキソ−3−フェニル−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−2−イル)−5−(9H−プリン−6−イルアミノ)−ペンチル]−カルバミン酸ベンジルエステル;[5−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−5−(5−メチル−4−オキソ−3−フェニル−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−2−イル)−ペンチル]−カルバミン酸ベンジルエステル;[4−(5−メチル−4−オキソ−3−フェニル−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−2−イル)−4−(9H−プリン−6−イルアミノ)−ブチル]−カルバミン酸ベンジルエステル;[4−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−4−(5−メチル−4−オキソ−3−フェニル−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−2−イル)−ブチル]−カルバミン酸ベンジルエステル;3−フェニル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ
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    チル−3H−キナゾリン−4−オン;2−{1−[2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ]エチル}−5−メチル−3−(3−プロパ−2−イニルオキシ−フェニル)−3H−キナゾリン−4−オン;3−(3−エチニル−フェニル)−5−メチル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;3−{5−メチル−4−オキソ−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−4H−キナゾリン−3−イル}−ベンゾニトリル;3−{5−メチル−4−オキソ−2−{1−[9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−4H−キナゾリン−3−イル}−ベンズアミド;3−(3−アセチル−フェニル)−5−メチル−2−{1−[9H−プリン−6−イルアミノ]−エチル}−3H−キナゾリン−4−オン;2−(3−(5−メチル−4−オキソ−2−{1−[9H−プリン−6−イルアミノ]−エチル}−4H−キナゾリン−3−イル−フェノキシアセトアミド;5−メチル−2−{1−[9H−プリン−6−イルアミノ]−エチル}−3−[3−(テトラヒドロピラン(tetrahydropuran)−4−イルオキシ)−フェニル]−3H−キナゾリン−4−オン;3−[3−(2−メトキシ−エトキシ)−フェニル]−5−メチル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;6−フルオロ−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)エチル]−3−[3−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルオキシ)−フェニル]−3H−キナゾリン−4−オン;3−[3−(3−ジメチルアミノ−プロポキシ)−フェニル]−5−メチル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3−(3−エチニル−フェニル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;3−{2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−5−メチル−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル}−ベンゾニトリル;3−{2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−5−メチル−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル}−ベンズアミド;3−{2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−5−メチル−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル}−ベンズアミド;5−メチル−3−(3−モルホリン−4−イル−フェニル)−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−5−メチル−3−(3−モルホリン−4−イル−フェニル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3−[3−(2−メトキシ−エトキシ)−フェニル]−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3−[3−(2−ジメチルアミノ−エトキシ)−フェニル]−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9Η−プリン−6−イルアミノ)−ブタ−3−イニル]−5−メチル−3−フェニル−3Η−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−ブタ−3−イニル]−5−メチル−3−フェニル−3H−キナゾリン−4−オン;5−クロロ−3−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−プロピル]−5−クロロ−3−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル}−5−クロロ−3−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−3H−キナゾリン−4−オン;3−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−6−フルオロ−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;5−クロロ−3−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−プロピル]−5−クロロ−3−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−3−フェニル−2−[1−(9H−プリン−6−イルオキシ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン、ならびに、その薬学的に受容可能な塩および溶媒和物からなる群から選択される、請求項1〜16または24〜26のいずれか一項に記載の方法。
  32. ホスホイノシチド3−キナーゼδ(PI3Kδ)の選択的阻害剤と、請求項1〜31のいずれか一項に記載の使用方法を示すラベルとを含む製造物。
  33. 望ましくないマスト細胞活性を伴う障害を処置または予防するための医薬品の製造における、PI3Kδの少なくとも1つの選択的阻害剤を含む組成物の使用。
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