JP2015527301A - 癌を処置するための組成物および該組成物を製造するための方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本出願は、35 U.S.C. § 119(e)に基づき、2012年6月15日に出願された米国仮出願第61/689,950号および2012年12月7日に出願された第61/797,484号の恩典を主張するものであり、その内容は参照によってその全体が本明細書に組み入れられる。
本発明は、米国国防省によって授与された助成金第W81XWH-07-1-0482号および第W81XWH-09-0698/700号ならびに米国国立衛生研究所(National Institutes of Health)によって授与された第1R01CA135242-01A2号の下、連邦政府の支援を受けて成された。米国政府は、本発明に関して特定の権利を有する。
本明細書に記載の組成物および方法は、薬物送達および癌の処置の技術分野に関する。
世界保健機関(World Health Organization)によれば、癌による死亡数は、2008年の760万人から2030年には1200万人に増加すると予測されている(1)。この深刻化しつつある問題に取り組むために、最新の治療戦略の発展を推し進めている2つの新たに出現した理論的枠組みは、(i)分子「標的」治療法の開発へと導く、発癌要因のさらなる理解(2〜3);および(ii)それによって治療指数を改善する、薬物を特異的に腫瘍へ送達するためのナノ技術の使用(4〜5)である。しかしながら、これらの2つの理論的枠組みの間の融合は、癌化学療法を改善するまたとない機会を提供することができるが、現時点で大部分が依然として研究中のままである。
癌を効果的に処置するために必要とされる化学療法剤のレベルは、多くの場合、危険な副作用が起こる可能性のレベルよりもはるかに高い。本発明者らは、腫瘍へ送達される化学療法剤のレベルを増加させながら、一方で、他の組織、たとえば肝臓中の化学療法剤の蓄積を低下させるコンジュゲート、およびこれらのコンジュゲートを含む組成物を設計した。これらのコンジュゲートは、典型的には化学療法剤のナノ製剤化において直面する、封入効率を制限するかまたは最適以下の放出動力学を導入する問題を克服する。
の構造を有すことができる。
の構造を有すことができる。
の化合物である。
1つの局面において、本開示は、脂質と共有結合した化学療法剤を含むコンジュゲートを提供する。用語「脂質」は、本明細書において使用される場合、有機溶媒に可溶性の物質を意味し、これには、油、脂肪、ステロール、トリグリセリド、脂肪酸、リン脂質等が挙げられるが、それらに限定されるわけではない。化学療法剤と脂質は、それらのそれぞれの構造中に存在する反応性官能基を使用して、互いに共有的にコンジュゲートされることができる。用語「反応性官能基」は、別の官能基と反応することが可能な官能基を指す。典型的な反応性官能基としては、ヒドロキシル、アミン、チオール、チアール、スルフィノ、カルボン酸、アミド等が挙げられるが、それらに限定されるわけではない。脂質および化学療法剤上の反応性官能基は、同一または異なることができる。いくつかの態様において、脂質上の反応性基は、ヒドロキシル、アミン、チオールまたはカルボン酸である。いくつかの態様において、化学療法剤上の反応性基は、ヒドロキシル、アミン、チオールまたはカルボン酸である。
を含有する化合物を表す。基本的なタキサン核構造は、さらに置換され得るかまたは環中に不飽和を含有し得ることで、一般にタキサンとして公知である多数の化合物を生成する。一般に、そのような化合物は、微小管に干渉して有糸分裂を停止することによって細胞成長を遮断し得る。用語「ジテルペン」は、本明細書において使用される場合、4つのイソプレン単位から誘導される炭素骨格を有する化合物を意味する。タキサン群の化合物は、パクリタキセルおよびドセタキセルを含む。
で表されるコンジュゲートである。
1. コレステロールにコンジュゲートされた化学療法剤を含む、コンジュゲート。
2. 両親媒性物質である、パラグラフ1のコンジュゲート。
3. 前記剤が、リンカーを介してコレステロールにコンジュゲートされる、パラグラフ1〜2のいずれかのコンジュゲート。
4. リンカーが、-O-、-S-、-S-S-、-NR1-、-C(O)-、-C(O)O-、-C(O)NR1-、-SO-、-SO2-、-SO2NR1-、置換または非置換アルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルケニル、ヘテロシクリルアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキルアリールアルキル、アルキルアリールアルケニル、アルキルアリールアルキニル、アルケニルアリールアルキル、アルケニルアリールアルケニル、アルケニルアリールアルキニル、アルキニルアリールアルキル、アルキニルアリールアルケニル、アルキニルアリールアルキニル、アルキルヘテロアリールアルキル、アルキルヘテロアリールアルケニル、アルキルヘテロアリールアルキニル、アルケニルヘテロアリールアルキル、アルケニルヘテロアリールアルケニル、アルケニルヘテロアリールアルキニル、アルキニルヘテロアリールアルキル、アルキニルヘテロアリールアルケニル、アルキニルヘテロアリールアルキニル、アルキルヘテロシクリルアルキル、アルキルヘテロシクリルアルケニル、アルキルヘレロシクリルアルキニル、アルケニルヘテロシクリルアルキル、アルケニルヘテロシクリルアルケニル、アルケニルヘテロシクリルアルキニル、アルキニルヘテロシクリルアルキル、アルキニルヘテロシクリルアルケニル、アルキニルヘテロシクリルアルキニル、アルキルアリール、アルケニルアリール、アルキニルアリール、アルキルヘテロアリール、アルケニルヘテロアリール、アルキニルヘレロアリールからなる群より選択され、1つまたは複数のメチレンが、O、S、S(O)、SO2、N(R1)2、C(O)、C(O)O、C(O)NR1、開裂可能な連結基、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換複素環によって分断または終結されることが可能であり、R1が、水素、アシル、脂肪族または置換脂肪族である、パラグラフ3のコンジュゲート。
5. リンカーが、C(O)、C(O)CH2CH2C(O)、またはC(O)NH(CH2)2NHC(O)(CH2)2C(O)である、パラグラフ4のコンジュゲート。
6. 化学療法剤が、PI3K阻害剤である、パラグラフ1〜5のいずれかのコンジュゲート。
7. PI3K阻害剤が、PI103、P1828、LY294002、ワートマニン、デメトキシビリジン、IC486068、IC87114、GDC-0941、ペリホシン、CAL101、PX-866、IPI-145、BAY80-6946、BEZ235、P6503、TGR1202、SF1126、INK1117、BKM120、IL147、XL765、パロミド529、GSK1059615、ZSTK474、PWT33597、TG100-115、CAL263、GNE-447、CUDC-907、およびAEZS-136からなる群より選択される、パラグラフ6のコンジュゲート。
8. PI3K阻害剤が、PI103およびP1828からなる群より選択される、パラグラフ7のコンジュゲート。
9. 式I:
の構造を有する、パラグラフ6〜8のいずれかのコンジュゲート。
10. 式II:
の構造を有する、パラグラフ6〜8のいずれかのコンジュゲート。
11. 化学療法剤が、タキサンである、パラグラフ1〜5のいずれかのコンジュゲート。
12. タキサンが、パクリタキセルまたはドセタキセルである、パラグラフ11のコンジュゲート。
13. 式III:
の構造を有する、パラグラフ12のコンジュゲート。
14. パラグラフ1〜13のいずれかのコンジュゲートを含む、組成物。
15. 約1%〜約99%(w/w)のコンジュゲートを含む、パラグラフ14の組成物。
16. コンジュゲートに加えて脂質をさらに含む、パラグラフ14または15の組成物。
17. 約1%〜約99%(w/w)の脂質を含む、パラグラフ16の組成物。
18. コンジュゲートおよび脂質を約10:1〜約1:10の比で含む、パラグラフ16または17の組成物。
19. 脂質が、ポリエチレングリコール(PEG)でコンジュゲートされた脂質である、パラグラフ16〜18のいずれかの組成物。
20. PEGでコンジュゲートされた脂質が、PEGでコンジュゲートされたジアシルグリセロールおよびジアルキルグリセロール、PEGでコンジュゲートされたホスファチジルエタノールアミンおよびホスファチジン酸、PEGでコンジュゲートされたセラミド、PEGでコンジュゲートされたジアルキルアミン、PEGでコンジュゲートされた1,2-ジアシルオキシプロパン-3-アミンおよびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、パラグラフ19の組成物。
21. PEGでコンジュゲートされた脂質が、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-[アミノ(ポリエチレングリコール)-2000](DSPE-PEG2000)である、パラグラフ20の組成物。
22. リン脂質をさらに含む、パラグラフ14〜21のいずれかの組成物。
23. 約1%〜約99%(w/w)のリン脂質を含む、パラグラフ14の組成物。
24. コンジュゲートおよびリン脂質を約10:1〜約1:10の比で含む、パラグラフ22または23の組成物。
25. リン脂質および脂質を約10:1〜約1:10の比で含む、パラグラフ22〜24のいずれかの組成物。
26. リン脂質が、ホスファチジルコリン、6〜22個の炭素原子を有するアシル基を持つホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸、ホスファチジルセリン、スフィンゴミエリン、ホスファチジルグリセロール、およびそれらの任意の組み合わせから選択される、パラグラフ25の組成物。
27. リン脂質が、ホスファチジルコリン、ホスファチジルグリセロール、レシチン、β,γ-ジパルミトイル-α-レシチン、スフィンゴミエリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジン酸、N-(2,3-ジ(9-(Z)-オクタデセニルオキシ))-プロパ-1-イル-N,N,N-トリメチルアンモニウムクロリド、ホスファチジルエタノールアミン、リゾレシチン、リゾホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、セファリン、カルジオリピン、セレブロシド、ジセチルホスフェート、ジオレオイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール、ジオレオイルホスファチジルグリセロール、パルミトイル-オレオイル-ホスファチジルコリン、ジ-ステアロイル-ホスファチジルコリン、ステアロイル-パルミトイル-ホスファチジルコリン、ジ-パルミトイル-ホスファチジルエタノールアミン、ジ-ステアロイル-ホスファチジルエタノールアミン、ジ-ミリストイル-ホスファチジルセリン、ジ-オレイル-ホスファチジルコリン、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン(POPC)、卵ホスファチジルコリン(EPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジオレオイルホスファチジルグリセロール(DOPG)、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)、-ホスファチジルエタノールアミン(POPE)、ジオレオイル-ホスファチジルエタノールアミン4-(N-マレイミドメチル)-シクロヘキサン-1-カルボキシレート(DOPE-mal)、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、パラグラフ26の組成物。
28. ホスファチジルコリンが、L-a-ホスファチジルコリンである、パラグラフ27の組成物。
29. 標的作用物質をさらに含む、パラグラフ14〜28のいずれかの組成物。
30. 標的作用物質が、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、酵素、ペプチド模倣体、糖タンパク質、抗体(モノクローナルまたはポリクローナル)ならびにそれらの一部および断片、レクチン、ヌクレオシド、ヌクレオチド、ヌクレオシドおよびヌクレオチド類似体、核酸、単糖、二糖、三糖、オリゴ糖、多糖、リポ多糖、ビタミン、ステロイド、ホルモン、補因子、受容体、受容体リガンド、ならびにそれらの類似体および誘導体からなる群より選択される、パラグラフ29の組成物。
31. 標的作用物質が、iRGDである、パラグラフ30の組成物。
32. パラグラフ1〜13のいずれかの2つ以上の異なるコンジュゲートを含む、パラグラフ14〜31のいずれかの組成物。
33. コンジュゲートに加え抗癌剤をさらに含む、パラグラフ14〜32のいずれかの組成物。
34. 抗癌剤が、白金化合物、パクリタキセル、カルボプラチン、ボルテゾミブ、ボリノスタット、リツキシマブ、テモゾロミド、ラパマイシン、アルキル化剤、シクロホスファミド、スルホン酸アルキル、ブスルファン、インプロスルファン、ピポスルファン、アジリジン、エチレンイミン、メチルアメラミン(methylamelamine)、アセトゲニン、カンプトセシン、クリプトフィシン、ナイトロジェンマスタード、ニトロソウレア、抗生物質、エンジイン抗生物質、ビスホスホネート、ドキソルビシン、マイトマイシン、代謝拮抗剤、葉酸類似体、プリン類似体、ピリミジン類似体、アンドロゲン、抗副腎剤、エポチロン、マイタンシノイド、トリコテセン、ゲムシタビン、6-チオグアニン、メルカプトプリン、メトトレキサート、ビンブラスチン、エトポシド、イホスファミド、ミトキサントロン、ビンクリスチン、ビノレルビン、ノバントロン、テニポシド、エダトレキサート、ダウノマイシン、アミノプテリン、ゼローダ、イバンドロネート、イリノテカン、トポイソメラーゼ阻害剤、レチノイド、カペシタビン、コンブレタスタチン、ロイコボリン、ラパチニブ、およびエルロチニブである、パラグラフ33の組成物。
35. 白金化合物が、式(IV):
の化合物である、パラグラフ34の組成物。
36. 中性脂質、陽イオン性脂質、陰イオン性脂質、両親媒性脂質、ステロール、またはプログラム可能な融合脂質をさらに含む、パラグラフ14〜35のいずれかの組成物。
37. コンジュゲート、PEGでコンジュゲートされた脂質、およびリン脂質を含む、パラグラフ14〜36のいずれかの組成物。
38. PEGでコンジュゲートされた脂質がDSPE-PEG2000であり、リン脂質がホスファチジルコリンである、パラグラフ37の組成物。
39. コンジュゲート、PEGでコンジュゲートされた脂質、およびリン脂質を、約10〜0.1:10〜0.1:10〜0.1の比で含む、パラグラフ37または38の組成物。
40. 比が、約1.4:1:3または約10:5:1である、パラグラフ39の組成物。
41. ナノ粒子である、パラグラフ14〜38のいずれかの組成物。
42. ナノ粒子が、約5nm〜約500nmの直径である、パラグラフ41の組成物。
43. ナノ粒子が、約200nm未満の直径である、パラグラフ41の組成物。
44. パラグラフ1〜43のいずれかの組成物と、任意で薬学的に許容される担体とを含む、薬学的組成物。
45. パラグラフ1〜43のいずれかの組成物を癌の処置を必要とする患者に投与する工程を含む、癌を処置する方法。
46. 癌が、乳癌、卵巣癌、神経膠腫、消化管癌、前立腺癌、癌腫、肺癌腫、肝細胞癌、精巣癌、子宮頸癌、子宮内膜癌、膀胱癌、頭頸部癌、肺癌、胃食道癌、および婦人科癌からなる群より選択される、パラグラフ45の方法。
47. 対象が、異常なPI3Kを伴う腫瘍細胞を有すると判定された、パラグラフ45〜46のいずれかの方法。
48. 1つまたは複数の追加の抗癌治療を患者に同時に施す工程をさらに含む、パラグラフ45〜47のいずれかの方法。
49. 追加の治療が、外科手術、化学療法、放射線療法、温熱療法、免疫療法、ホルモン療法、レーザー療法、抗血管新生療法、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、パラグラフ48の方法。
50. 追加の治療が、抗癌剤を患者に投与することを含む、パラグラフ48の方法。
51. パラグラフ1〜43のいずれかの組成物を血糖値の低下を必要とする対象に投与する工程を含む、血糖値を低下させる方法。
52. 前記方法が、パラグラフ1〜43のいずれかの組成物を癌の処置を必要とする患者に投与する工程を含む、癌を処置するためのパラグラフ1〜43のいずれかの組成物の使用。
53. 癌が、乳癌、卵巣癌、神経膠腫、消化管癌、前立腺癌、癌腫、肺癌腫、肝細胞癌、精巣癌、子宮頸癌、子宮内膜癌、膀胱癌、頭頸部癌、肺癌、胃食道癌、および婦人科癌からなる群より選択される、パラグラフ52の使用。
54. 対象が、異常なPI3Kを伴う腫瘍細胞を有すると判定された、パラグラフ52〜53のいずれかの使用。
55. 1つまたは複数の追加の抗癌治療を患者に同時に施す工程をさらに含む、パラグラフ52〜54のいずれかの使用。
56. 追加の治療が、外科手術、化学療法、放射線療法、温熱療法、免疫療法、ホルモン療法、レーザー療法、抗血管新生療法、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、パラグラフ55の使用。
57. 追加の治療が、抗癌剤を患者に投与することを含む、パラグラフ55の使用。
58. パラグラフ1〜43のいずれかの組成物を血糖値の低下を必要とする対象に投与する工程を含む、血糖値を低下させるためのパラグラフ1〜43のいずれかの組成物の使用。
この研究において、本発明者らは、ホスファチジルイノシトール3キナーゼ(PI3K)経路を標的化する超分子ナノ粒子の合理的設計の潜在的利点を実証する。20年前のその発見から、研究は、癌の病因における脂質キナーゼのPI3Kファミリーの中心性を確立してきた(6)。PI3Kの3つのクラスの中で、クラスIA PI3Kは、ヒトの癌の促進に最も関係しているPI3Kである(7)。
最近の研究において、本発明者らは、2つの異なるPI3K阻害剤のピリドフロピリミジンPI103およびP1828(8-ブロモ-2-モルホリン-4-イル-クロメン-4-オン)を使用して、超分子ナノ粒子を工学設計した。P1828は、旧世代の広く使用されているPI3K阻害剤LY294002の誘導体であり、これは、アミンリンカーが環外フェニル置換基の4位の水素に挿入されており、カルバメート結合を介したコレステロールへのコンジュゲーションを可能にする(図1A)。過去の研究は、このリンカーを介したコンジュゲーションがPI3KクラスIアイソフォームの触媒部位に対する親和性を維持することを実証している(19)。しかしながら、LY294002のようなP1828は、弱い阻害剤である(19)。そのため、本発明者らは、低いナノモル範囲で優れた効力と、mTORと同様にクラスIA PI3Kに対する選択性とを示すことが報告されているPI103を含めた(12)。しかしながら、PI103は、平面の三環式構造が限定的な水溶解度をもたらしたことおよびフェノールのヒドロキシル基が急速にグルクロン化されることから、臨床開発に適切であると見いだされなかった(12)。しかしながら、これらの特性から、PI103は、超分子ナノ粒子を工学設計するための最適な分子になった。図1Bに示すように、エステル結合を介して、フェノールのヒドロキシル基をコレステロール-コハク酸エステル複合体にコンジュゲートした。中間体および生成物は、1H、13C NMR分光法および質量分析法によって特徴付けた(図5〜7)。
本発明者らは、4T1マウス乳癌、MDA-MB-468ヒト乳癌細胞、およびPI3Kを過剰発現する4306卵巣癌細胞株を使用して、インビトロにおけるSNPの有効性を評価した。図2Aおよび2Bに示すように、4T1マウス乳癌細胞株に対する遊離PI103およびPI103-SNPのIC50値は、それぞれ、48時間で121.5±3.15nMおよび297.7±3.57nMであり、72時間で67.26±3.4nMおよび243.6±3.4nMであった。遊離PI103およびPI103-SNPで処置したMDA-MB-468ヒト乳癌細胞株におけるIC50値は、それぞれ、48時間で0.445±0.067pMおよび6.686±0.0108pMであり、72時間で0.3121±0.049pMおよび2.049±0.044pMであった(図2Cおよび2D)。4306卵巣癌細胞株については、遊離PI103およびPI103-SNPの1050値は、それぞれ、48時間で0.2863±0.045pMおよび3.698±0.050pMであり、72時間で0.3916±0.0493pMおよび2.846±0.045pMであった(図2Eおよび2F)。ウエスタンブロット分析は、等モル濃度のPI103(5pM)では、遊離薬物とSNPの両方で阻害されたAktの基礎リン酸化が、48時間の連続インキュベーションで同等であることを示した(図2G)。興味深いことに、一方で、4時間の一過性の曝露は、遊離PI103の場合においてAKTのリン酸化の反動的な増加をもたらしたが、一方で、SNP-PI103はより持続的にAktのリン酸化を阻害した(図2H〜2K)。4時間でのPI103の細胞内濃度は、SNP-PI103よりも遊離薬物で処置した細胞においてより高かったが、18時間でのPI103濃度は、PI103-SNPで処置した細胞において依然高い水準にあり、一方、遊離薬物で処置した細胞では微量の薬物が検出されただけであった(図2L)。上記の観測と一致して、PI828-SNPおよび遊離P1828は、4T1細胞(図2M)および4306細胞(図2N)に対して同様の細胞傷害性効果を示した。PI103-SNPおよびP1828-SNで処置した細胞は、処置の36時間後に同様のAktリン酸化の阻害を示した(図2O)。
次に、本発明者らは、ERおよびPRに対して陰性でありかつ低レベルのマウスHer2/neu等価体を発現する、4T1細胞株におけるPI103-SNPの抗腫瘍有効性を調べた(22)。同系マウスに、4T1型の侵攻性で高転移性の乳癌を移植した。PI3K経路を構成する遺伝子の突然変異は、乳癌の>70%で起こる(23)。本発明者らは、4T1細胞がPI3Kシグナル伝達のアップレギュレーションを介した標準的な化学療法に対して生存応答を高めることを以前に実証している(24)。
PI3Kは、真核生物の進化を通じて保存されるインスリンシグナル伝達の媒介において中心的な役割を果たす。p110□アイソフォームとp110αアイソフォームの両方がインスリンシグナル伝達に関与しているが、グルコース恒常性の維持において主要なのは前者である(10)。そのため、本発明者らは、4T1乳癌モデルにおいてインスリン耐性に及ぼすPI103-SNPの効果を調べた。過去の研究(12、20)と一致して、遊離PI-103を注射したマウスは、インスリン注射後に血糖値のわずかな低下を示しただけであった。対照的に、PI103-SNPでまたは対照として空のナノ粒子で事前処置したマウスにインスリンを注射した場合に、血糖値の有意な低下が観測された。
本発明者らはまた、K-RasLSL/+/Ptenfl/fl卵巣癌モデルにおけるPI-103-SNPの効果を評価した(26)。本発明者らは、Ptenを欠損する腫瘍がPI3Kシグナル伝達に依存的であると報告されているという理由で、このモデルを選択した(7)。一方、突然変異されたまたは活性化されたRasを提示する腫瘍は、PI3K阻害剤にあまり応答しないことが報告されている(7)。図4Aに示すように、腫瘍ルシフェラーゼシグナルの生物発光定量化は、3用量の遊離PI-103、PI103-SNP、およびiRGD-PI103-SNPが、ビヒクル対照と比較して、有意な腫瘍退縮をもたらしたことを示す。iRGD-PI-103-SNPの生物発光応答は、5サイクルの処置と比較して3サイクルの処置後に、遊離PI-103よりも統計的に有意に高かったが、これは、iRGDが腫瘍内への浸透および蓄積を促進するという過去の観測と一致する。いずれの処置群においても体重の変化は、観測されなかった(図4C)。異なる群からの腫瘍試料のウエスタンブロット分析によって評価したところ、PI3K/mTOR経路マーカーの発現レベルは、PI-103ナノ粒子群およびiRGDでコーティングしたPI103ナノ粒子群において、遊離PI-103と比較して、ホスホ-mTOR、ホスホ-AKT、ホスホ-S6、およびホスホ-4EBP1の活性化の有意な阻害を示した(図4D)。
SNPの合成および特性決定
PI103-SNPまたはPI828-SNPの合成のために、L-a-ホスファチジルコリン、薬物−コレステロールコンジュゲートおよびDSPE-PEGを(最適化した重量比で)1.0mLのDCMに溶解した。PI103がカプセル封入されたナノ粒子については、L-a-ホスファチジルコリン、コレステロール、DSPE-PEG、およびPI103を異なる重量比で量り取り、PI103をメタノールに溶解する一方、コレステロール、DSPE-PEG、およびホスファチジルコリンは、脱水DCMに溶解した。得られた溶液を丸底フラスコ中でロータリーエバポレーターを用いて蒸発させ、完全に乾燥させた。得られた薄膜を55℃で2時間定速回転させながらPBSで水和した。
4T1乳癌細胞およびMDA MB468乳癌細胞をRPMI中で培養し、4306卵巣癌細胞は10%FBSおよび1%の抗生物質-抗真菌剤100×溶液を補填したDMEM中で培養した。4×103個の細胞を96ウェル平底プレートに播種した。遊離薬物または薬物を負荷したナノ粒子(遊離薬物当量に正規化した)を各96ウェルプレート中に3連で加え、次に、プレートを5%CO2雰囲気中、37℃でインキュベートした。所望の期間インキュベーションした後、細胞を洗浄し、20μlのCellTiter 96 Aqueous One Solution試薬(PROMEGA, WI)を含有する100μLのフェノールレッド不含培地(FBSなし)と共にインキュベートした。2時間インキュベーションした後、各ウェルの吸光度を記録した。
4T1乳癌細胞(1×106個の細胞)を10mlのペトリディッシュに播種し、遊離PI103または等量のPI103-SNPと共にインキュベートした。5%CO2雰囲気中、37℃で4時間インキュベーションした後、細胞をPBSで3回洗浄し、新しい培地を補充した。所望の時間インキュベーションした後、2×108個の細胞を各試料から溶解し、遠心分離して、上清を回収した。対照として薬物不含細胞を使用して、試料中の薬物の量を紫外可視分光法によって測定した。
ウエスタンブロットのために、5×104個の細胞を6ウェルプレートの各ウェルに播種し、遊離薬物または等量の薬物を負荷したナノ粒子と適当な濃度で24時間インキュベートし、続いて、氷冷PBSで洗浄した。タンパク質を回収し、タンパク質溶解物を電気泳動した。次に、膜を、ホスホAKT、トータルAKT、およびアクチン抗体と共に4℃で一晩インキュベートした。TBSTで適当回数洗浄した後、ホースラディッシュペルオキシダーゼコンジュゲート二次抗体と共に膜を1時間インキュベートした。G-box(Syngene)を使用して検出を行って、イメージJソフトウェアによってデンシトメトリー定量化を行った。
4T1乳癌細胞(1×108)を4週齢のBALB/cマウスの側腹に皮下移植した。薬物療法を9日目に開始した。薬物療法は、PBS(対照群について)、遊離薬物(5mg/kg)およびSNP(5mg/kg)の投与からなった。PI103-SNPについては、薬物療法はまた、iRGD-PI103-SNP群(5mg/kg)からなった。腫瘍体積および体重を11日間にわたって隔日毎にモニタリングした。腫瘍体積を式L×B2/2を使用することによって計算し、腫瘍体積の増加量をVt/V0として計算した(V0は、初回注射時点での腫瘍体積とした)。動物の取扱手順は全て、Harvard Institutional Use and Care of Animals Committeeによって承認されたものとした。
無作為に給餌させたマウス(マウス4T1乳癌モデル)に、尾静脈注射を介して単回用量の空のナノ粒子(対照)、遊離PI-103(5mg/kg)およびPl103-SNPを注射した。新たに調製した0.9%NaCl(0.1ml)中のインスリン溶液(0.75U/Kg)を、薬物投与の1時間後にマウスに腹腔内注射した。血糖値計を使用してインスリン注射の前および45分後の血糖値を測定した。
アデノウイルス保有Creリコンビナーゼの滑液嚢内送達を介して、遺伝子操作したK-RasLSL/+/Ptenfl/flマウスで卵巣腺癌を誘発した。腫瘍細胞もAdeno-Creによって一旦活性化されたルシフェラーゼを発現するように操作して、薬物処置前および後の腫瘍イメージングを可能にした。マウスに中型〜大型の腫瘍ができたら、これらを4つの処置群(ビヒクル、遊離PI-103 5mg/kg、PI-103-SNP 5mg/kg、およびiRGD-PI103-SNP 5mg/kg)の1つに分け、尾静脈注射を介して全ての薬物を投与した。IVIS Lumina II Imaging Systemを使用してインビボでの腫瘍イメージングを実施した。生物発光の定量化は、Living Image Software 3.1(Caliper Life Sciences)を使用することによって達成した。初期処置の前日(0日目、ベースライン画像)、3回の処置後、および5回の処置後の日に撮像した。
動物組織については、-80℃で保存した腫瘍を、液体窒素を使用し乳鉢中にて乳棒で粉砕し、次に、RIPA緩衝液で処理してタンパク質を抽出した。タンパク質の量をBCAアッセイによって測定して、等量のタンパク質溶解物をポリアクリルアミドゲル上で電気泳動し、次に、ポリ二フッ化ビニリデン膜(BIO-RAD)に転写して、5%乳液中でブロッキングした。次に、膜を適当な濃度の一次抗体と共に4℃で一晩、次に、ホースラディッシュペルオキシダーゼコンジュゲート二次抗体と共に1時間インキュベートした。SYNGENE社のG-boxを使用して検出を行って、IMAGE-Jソフトウェアによってデンシトメトリー定量化を行った。
IHCおよびTUNEL研究のために、Harvard Medical School Core facilityで、腫瘍スライス(5Am)をOCT培地中で凍結した後に切り取った。iRGD標的化画像については、これらの切片をNikon TE2000顕微鏡の緑色フィルター下で直接イメージングした。TUNELイメージング研究のために、腫瘍切片を、標準TMR赤色蛍光末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ媒介dUTPニック末端標識(TUNEL)キット(In Situ Cell Death Detection Kit, TMR-Red, Roche)で製造業者のプロトコールに従って染色した。赤色フィルターを備えたNikon Eclipse TE2000蛍光顕微鏡を使用して画像を得た。FAM-1RGDをタグ付加したPI103-コレステロールの有意な内在化をイメージングした。血管をvWF染色キットで染色した。
統計分析は、両側スチューデントのt検定および一元配置ANOVA分析、その後のNewman-Keulsのポストホック検定によって決定した。p<0.05は、有意差を示すものと見なした。
化学試薬は全て分析グレードであり、特に指示しない限りさらに精製することなく供給されたものをそのまま使用した。反応は全て、他に指示のない限り不活性条件下で実施した。
コレステロール(500mg、1.29mmol)を5mlの無水ピリジンに溶解した。コハク酸無水物(645mg、6.45mmol)および触媒量のDMAPを反応混合物に加えて、清澄な溶液を生成した。反応混合物をアルゴンでフラッシュし、アルゴン雰囲気下で12時間撹拌した。次に、ピリジンを真空下で除去し、粗残渣を30mlのDCM中で希釈した。これを1N HCI(30ml)および水(30ml)で洗浄した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。反応の完了は、メタノール:DCM(1:99)溶媒混合物でTLCを実施することによって確認した。生成物をさらに精製することなく次の工程に使用した。PI-103(25mg、0.072mmol)を3mlの無水DCMに溶解し、続いて、コレステロール-コハク酸(0.216mmol、105mg)、EDC(0.216mmol、41.4mg)およびDMAP(0.216、26mg)を加えた。反応混合物を、アルゴン下、室温で12時間撹拌した。TLCによってモニタリングして反応が完了したら、反応混合物を10mlのDCMで希釈し、希HClおよび水で洗浄した。有機層を分離し、合わせて、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を真空下で蒸発させ、カラムクロマトグラフィーを使用してメタノール:塩化メチレン勾配で溶出することによって粗生成物を精製して、PI-103コレステロールコンジュゲートを明黄色の固体(52mg、90%)として得た。
クロロギ酸コレステリル20.0mg(0.044mmol)を2.0mLの脱水DCMに溶解した。これに、2.0mLの脱水DCMに溶解した28mg(0.088mmol)のPI-828を加えた。最後に、脱水DIPEA 15.5□L(0.088mmol)を不活性条件中、室温で滴下した。反応の進行は、薄層クロマトグラフィーによってモニタリングした。24時間後、これを100mLの0.1(N)HClでクエンチし、該化合物をDCM中に抽出した。DCM中(0〜5)%MeOHの溶媒勾配を使用して、所望の生成物をカラムクロマトグラフィーによって分離した。
PI103-SNP
L-a-ホスファチジルコリン3.5mg(50mol%)、PI103-コレステロールコンジュゲート2.5mg(20mol%)、および1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N4アミノ(ポリエチレングリコール)2000](DSPE-PEG)7.5mg(30mol%)を1.0mLのDCMに溶解した。ロータリーエバポレーターを使用して、薄くて均一な脂質-薬物膜になるまで溶媒を蒸発させた。次に、脂質-薬物膜を、1.0mLのH2Oで55℃にて1時間水和した。水和したナノ粒子は、明黄色〜白色のように見え、わずかに粘着性質であった。これをSephadex G-25カラムに通し、55℃で押出して、200nm以下の粒子を得た。DMF中のPI103-コレステロールコンジュゲートの標準曲線を、紫外-可視分光光度法(SHIMADZU 2450)を使用して285nmにおける吸光度を測定することによって作製した。既知濃度のナノ粒子をDMFに溶解し、285nmにおける吸光度値を使用して、標準曲線から負荷率を計算した。これは、HPLC法を使用して立証した。iRGDをタグ付加したPI103ナノ粒子を同じ手順によって合成したが、iRGDペプチドは、Ruoslahti教授によって記載されているように、チオールコンジュゲーションを使用して、DSPE-PEG-マレイミドにコンジュゲートさせた。
PI-828でコンジュゲートされたクロロギ酸コレステリル、ホスファチジルコリン、およびDSPE-PEG(重量比5:10:1)を、DCMに溶解した。得られた溶液を丸底フラスコ中でロータリーエバポレーターを用いて蒸発させ、完全に乾燥させた。得られた薄膜を70℃で2時間定速回転させながらPBSで水和した。ナノ粒子をSephadexカラムに通して溶出し、続いて、ハンドヘルド小型押出機(フィルターサイズ200nm)によって押出した。サイズをDLSによってチェックし、薬物負荷率を紫外可視分光法によって決定した。
ホスファチジルコリン、コレステロール、DSPE-PEG、およびPI103を、重量比10:5:1:1で量り取った。PI103はメタノールに可溶性であり、コレステロール、DSPE-PEG、およびホスファチジルコリンは脱水DCMに可溶性であった。溶液を丸底フラスコに取り、ロータリーエバポレーターを使用して蒸発させた。薄膜を完全に乾燥させ、1.0mLのddH2Oによって水和した。これを、ロータリーエバポレーター中、55℃で可能な限り速い速度で撹拌した。白色の懸濁液をSephadex G-25カラムに通した。200nmのポリカーボネートフィルター膜を使用し、ハンドヘルド小型押出機(AVANTI)を用いて溶出物を押出した。薬物負荷率をUV分光光度計によって決定した。
薬物を負荷したナノ粒子(薬物1mg/ml、5ml)を、PBS緩衝液(pH7.4)、4T1細胞溶解物、および4306細胞溶解物(PI828-SNPについては追加的)に懸濁し、透析管(MWCO=3500ダルトン、Spectrum Lab)中に密封した。透析管を穏やかに撹拌しながら1LのPBS(pH7.4)に浮遊させ、無限沈下タンク状態をシミュレートした。アリコートの一部100pLを所定の時間間隔でインキュベーション培地から回収し、等体積のPBS緩衝液に置き換えて、放出された薬物を紫外-可視分光光度計によって定量化し、累積薬物放出としてプロットした。
ナノ粒子の平均粒子サイズは、Zetasizer Nano ZS90(Malvern, UK)を使用した動的光散乱法によって測定した。10pLのナノ粒子溶液を、DI水を使用して1mlに希釈し、90°の散乱角で各10回の測定を3セット実施して、平均粒子サイズを得た。Zetasizer ZS90を使用し、製造業者のマニュアルに従って、測定に水で希釈したナノ粒子を用いてゼータ電位を測定した。ナノ粒子の物理的安定性を、4℃での保存条件中の平均粒子サイズおよびゼータ電位の変化を測定することによって評価した。
400メッシュの銅格子上の穴の開いた炭素膜によって支持されたガラス化氷中で試料を保存した。3pLの試料懸濁液を清浄格子に塗布して、濾紙で吸い取り、液体エタン中で直ちにガラス化処理することによって試料を調製した。イメージングのために電子顕微鏡に移すまで、格子を液体窒素下で保存した。電子顕微鏡検査は、2つのGatan Sirius CCDカメラ(1つは2K×2Kピクセルであり、1つは4K×4Kピクセルである)を備えたFEI Tecnai Cryo-Bio 200KV FEG TEMを使用し、120KeVで操作することで実施した。-170℃未満の温度で格子を維持するクライオステージを使用して、ガラス状の氷格子を電子顕微鏡に移した。格子の画像を多重スケールで取得し、標本の全体の分布を評価した。より低い倍率でイメージングするための潜在的に適切な標的領域を特定した後、52,000×(0.21nm/ピクセル)および21,000×(0.50nm/ピクセル)の公称倍率で高い倍率画像を取得した。約10〜15e/A°2の電子線量で、-5pm(21,000×)および-4pm(52,000×)の公称アンダーフォーカス(nominal underfocus)で画像を取得した。
4T1乳癌細胞およびMDA MB468乳癌細胞をRPMI中で培養し、4306卵巣癌細胞は10%FBSおよび1%の抗生物質-抗真菌剤100×溶液を補填したDMEM(Invitrogen, 15240-062)中で培養した。4×103個の細胞を96ウェル平底プレートに播種した。遊離薬物または薬物を負荷したナノ粒子(遊離薬物当量に正規化した)を各96ウェルプレート中に適当な濃度(1、10、100nM、ならびに1、10、および50pM)にて3連で加え、次に、プレートを5%CO2雰囲気中、37℃でインキュベートした。所望の期間インキュベーションした後、細胞を洗浄し、20plのCellTiter 96 Aqueous One Solution試薬(Promega, WI)を含有する100plのフェノールレッド不含培地(FBSなし)と共にインキュベートした。5%CO2雰囲気中、37℃で2時間インキュベーションした後、Epochプレートリーダー(Biotek instruments, VT)を使用して、490nmにおける各ウェルの吸光度を記録した。吸光度は、生存細胞の数を反映する。ブランクを全てのデータから減算し、GraphPad Prism(商標)ソフトウェア(GraphPad, San Diego, CA)を使用して結果を分析した。各実験を独立に3回繰り返した。示したデータは、n=3の平均±SEである。
4T1乳癌細胞(1×106個の細胞)を10mlのペトリディッシュに播種し、70%のコンフルエントに達した後、血清不含培地と共に6時間インキュベートした。次に、遊離PI103または等量のPI103-SNPを、無血清培地(1%FBS)中に20pM濃度で加えた。5%CO2雰囲気中、37℃で4時間インキュベーションした後、細胞をPBSで3回洗浄し、新しい培地を補充した。所望の時間インキュベーションした後、2×106個の細胞を各試料から溶解し、遠心分離して、上清を回収した。対照として薬物不含細胞を使用して、試料中の薬物の量を紫外可視分光法によって測定した。
ウエスタンブロットのために、5×104個の細胞を6ウェルプレートの各ウェルに播種した。細胞が70%のコンフルエントに達したとき、これらを血清不含培地中で6時間インキュベートした。次に、遊離薬物または等量の薬物を負荷したナノ粒子を、無血清培地(1%FBS)中に適当な濃度で加えた。5%CO2雰囲気中、37℃で24時間インキュベーションした後、細胞を氷冷PBSで2回洗浄し、プロテアーゼ阻害剤(Roche diagnostic)を補填したRIPA緩衝液を使用して剥離することによってタンパク質を回収した。タンパク質の量をRCAアッセイによって測定し、等量のタンパク質溶解物を4〜20%ポリアクリルアミドゲル上で電気泳動して、ポリ二フッ化ビニリデン膜に転写し、5%粉乳を含むTBST-T中でブロッキングした。次に、膜を、TBST中、ホスホAKT(S473)抗体(1:500希釈)、トータルAKT抗体(1:1000希釈)、およびアクチン(1:2000希釈)抗体(抗体は全て、Cell Signalling Technology社)と共に4℃で一晩インキュベートした。TBSTで適当回数洗浄した後、ホースラディッシュペルオキシダーゼコンジュゲート二次抗体と共に膜を1時間インキュベートした。Syngene社のG-box(商標)を使用して検出を行って、イメージJ(商標)ソフトウェアによってデンシトメトリー定量化を行った。
4T1乳癌細胞(1×105)を4週齢のBALB/cマウス(体重20g、Charles River Laboratories)の側腹に皮下移植した。薬物療法を9日目に開始した。PI828-SNPについては、薬物療法は、PBS(対照群について)、遊離PI828(5mg/kg)、およびP1828-SNP(5mg/kg)の投与からなった。PI103-SNPについては、薬物療法は、PBS(対照群について)、遊離PI-103(5mg/kg)およびPI103-SNP(5mg/kg)および1RGD-PI103-SNP(5mg/kg)(尾静脈注射によって投与した)の投与からなった。腫瘍体積および体重を11日間にわたって隔日毎にモニタリングした。腫瘍体積を式L X B2/2(式中、ノギスを使用して測定した最長直径をLとし、最短直径をBとした)を使用することによって計算した。腫瘍体積の増加量をVt1V0(V0は、初回注射時点での腫瘍体積とした)として計算した。対照群において対照の平均腫瘍体積が2000mm3を超えたときに動物を屠殺した。屠殺後直ちに腫瘍を採取し、さらなる分析のために10%ホルマリン中で保存した。
動物組織については、-80℃で保存した腫瘍を、液体窒素を使用し乳鉢中にて乳棒で粉砕し、次に、RIPA緩衝液で処理してタンパク質を抽出した。タンパク質の量をBCAアッセイによって測定して、等量のタンパク質溶解物をポリアクリルアミドゲル上で電気泳動し、次に、ポリ二フッ化ビニリデン膜(Bic-Rad)に転写して、5%乳液中でブロッキングした。次に、膜を適当な濃度の一次抗体(抗体は全て、Cell Signalling Technology社)と共に4℃で一晩、次に、ホースラディッシュペルオキシダーゼコンジュゲート二次抗体と共に1時間インキュベートした。Syngene社のG-boxを使用して検出を行って、imageJ(商標)ソフトウェアによってデンシトメトリー定量化を行った。
無作為に給餌させたマウス(マウス4T1乳癌モデル)に、尾静脈注射を介して単回用量の空のナノ粒子(対照)、遊離PI-103(5mg/kg)、およびPI103-SNPを注射した。新たに調製した0.9%NaCl(0.1ml)中のインスリン溶液(0.75U/Kg)を、薬物投与の1時間後にマウスに腹腔内注射した。血糖値計を使用してインスリン注射の前およびインスリン注射45分後の血糖値を測定した。
アデノウイルス保有Creリコンビナーゼの滑液嚢内送達を介して、遺伝子操作したK-ras isu+/Ptenマウスで卵巣腺癌を誘発した。腫瘍細胞もAdeno-Creによって一旦活性化されたルシフェラーゼを発現するように操作して、薬物処置前および薬物処置後の腫瘍イメージングを可能にした。マウスに中型〜大型の腫瘍ができたら、これらを4つの処置群(ビヒクル、遊離PI-103 5mg/kg、PI-103-SNP 5mg/kg、およびiRGD-PI103-SNP 5mg/kg)の1つに分け、尾静脈注射を介して全ての薬物を投与した。処置は、遊離PI-103およびPI103-SNPについては処置の間に1日おいて10日間にわたって5回投与し、一方、iRGD-PI103-SNPは処置の間に1日休んで7日間にわたって3回投与した。1VIS Lumina II(商標)Imaging Systemを使用してインビボでの腫瘍イメージングを実施した。生物発光の定量化は、Living Image Software 3.1(商標)(Caliper Life Sciences)を使用することによって達成した。イメージングの前に、腹腔内注射を介して150mg/kgのホタルD-ルシフェリンカリウム塩をマウスに与えた。ルシフェリン注射の5分後、2.5%イソフルレン導入チャンバー中でマウスに麻酔をかけた。この場合、イソフルレンを多岐管で供給することによってマウスを麻酔下に置き、マウスの体温を37℃の温度段階に安定的に維持した。ルシフェリン投与の15分後、30秒の曝露時間で生物発光シグナルを収集した。初期処置の前日(0日目、ベースライン画像)、3回の処置後、および5回の処置後の日に撮像した。
処置の有効性は、ウエスタンブロット分析を介して、処置サイクル後のPI3KImTORタンパク質の発現を調べることによって定量化した。組織溶解物を4〜20%トリスグリシンゲル(Invitrogen)上で調べ、0.4pMのPVDF膜(Perkins Elmer)に転写した。非特異的なタンパク質を5%脱脂粉乳でブロッキングした。一次抗体(Cell Signaling Technologies、1:1000希釈)をpAkt S473、pS6、pmTOR、p4E-BP1、Akt、S6、mTOR、および4E-BPIと共に使用して一晩インキュベートした。β-アクチンを負荷対照として使用した。次に、抗ウサギIgG二次抗体(Cell Signaling Technologies、1:2000)を室温で1時間インキュベートした。発現したタンパク質をSupersignal West Pico Chemiluminescence(商標)基質(Thermo Scientific)を使用して検出した。
1HCおよびTUNEL研究のために、Harvard Medical School Core facilityで、腫瘍スライス(5Am)をOCT培地中で凍結した後に切り取った。iRGD標的化画像については、これらの切片をNikon TE2000(商標)顕微鏡の緑色フィルター下で直接イメージングした。TUNELイメージング研究のために、腫瘍切片を、標準TMR赤色蛍光末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ媒介dUTPニック末端標識(TUNEL)キット(In Situ Cell Death Detection Kit, TMR-Red, Roche)で製造業者のプロトコールに従って染色した。赤色フィルターを備えたNikon Eclipse TE2000(商標)蛍光顕微鏡を使用して画像を得た。FAM-iRGDをタグ付加したPI103-コレステロールの有意な内在化をイメージングした。血管をvWF染色キットで染色した。
ナノスケールの薬物送達ビヒクルは、癌化学療法薬の担体として広く利用されている。しかしながら、ナノ製剤化のための従来の医薬アプローチは、白金ベースの化学療法薬のような適合しない物理化学的特性を示す分子に課題がある。ここで、本発明者らは、ナノスケール寸法での超分子集合を促進する活性分子の合理的設計を記載する。鋳型としてシスプラチンを使用して、本発明者らは、一定比率のホスファチジルコリンおよび1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-[アミノ(ポリエチレングリコール)-2000]とのナノ粒子集合を促進する、独自のモノカルボキシラト(monocarboxylato)およびO→Ptの配位環境を介してコレステロール骨格に繋がれた独自の白金(II)の合成を記載する。形成されたナノ粒子は、インビトロにおいてカルボプラチンまたはシスプラチンと比較して、より低いIC50値を示し、かつシスプラチン耐性条件において活性である。加えて、ナノ粒子は、マウス4T1乳癌モデルおよびK-RasLSL/+/Ptenfl/fl卵巣癌モデルにおいて全身毒性および腎臓毒性が減少し、有意に増強されたインビボ抗腫瘍有効性を示す。本明細書に記載する結果は、合理的な薬物設計と超分子ナノ化学の統合が薬物開発のための強力な戦略であることを示す。
シスプラチンのアクア化は、8 x 10−5s−1の速度定数で、活性種cis-[Pt(NH3)2Cl(OH2)]+およびcis-[Pt(NH3)2(OH2)2]2+の急速な形成をもたらす(15)。対照的に、白金が安定な二座1,1-シクロブタンジカルボキシラトリガンドと配位する、カルボプラチンのアクア化の場合の速度定数は、7.2 x 10−7 s−1であることが見いだされた。これらのアクア化速度の違いは、それらのDNAへの結合速度と合致し、このことは、アクア化の速度が効力と相関することを示している(16、17)。実際に、本発明者らは、モノカルボキシラトおよびO→Pt配位結合を介して、ポリイソブチレンマレイン酸グルコサミン共重合体にPtがキレートされた場合に、ジカルボキシラト結合を使用してまたはモノカルボキシラトおよびN→Pt配位結合を介してPtがキレートされた場合よりも、pH依存的かつ効率的にPtを放出することを実証した(18、19)。結果として、本発明者らは、モノカルボキシラトおよびO→Pt配位結合を介してPtがキレートされた配位環境の導入が、効果的な白金酸塩の設計に重要であることを合理的に説明した。所定のスキーム(図10A)に概説するように、本発明者らは、最初に、クロロギ酸コレステリルと過剰のエチレンジアミンを反応させることによって、コレステロール-エチレンジアミンコンジュゲートをほぼ定量的収率(99.1%)で合成した。次に、本発明者らは、コレステロール-エチレンジアミンコンジュゲートとコハク酸無水物を反応させることによって、モノカルボキシラトおよびアミドキレート部分を導入した(収率95%)。最後に、該コンジュゲートとアクア化されたcis-Pt[(NH3)2(OH2)2]2+を、酸性pH(pH=6.4)中、1:1のモル比で反応させて、モノカルボキシラトおよびアミドのO→Pt配位結合によって特徴付けられるコレステロール-シスプラチンコンジュゲートを得た。これは、-1,621.497ppmに独自の単一195PtのNMRピークを有することによって示される(図14)。他の中間体は全て、1Hおよび13C NMR分光法によって特徴付けた(図15〜18)。
本発明者らは、コレステロール-コハク酸-白金(II)分子、ホスファチジルコリン(PC)および1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-[アミノ(ポリエチレングリコール)-2000](DSPE-PEG)から、1:2:0.2の重量比で、脂質-膜水和自己集合法を使用してSACNを工学設計した(20)(図10A)。低温透過型電子顕微鏡(cryo-TEM)を使用した超微細構造分析(図10B)は、直径が200nm未満で膜厚が約5nmの主に単一ラメラおよびまれに多重ラメラ構造の形成を明らかにした。動的光散乱から、平均流体力学直径が141.4±1.2nmであるSACNのサイズ分布がさらに確認された(n=9)(図10C)。シスプラチン放出の動力学を立証するために、SACNを酸性pH5.5で120時間インキュベートした(pH7を対照とする)。図10Dに示すように、SACNは、シスプラチンのpH依存性の持続放出を示した。興味深いことに、放出速度は、ポリマー系を使用して以前に観測された速度よりも遅く、このことは、Pt部分が膜の外部と内部の両方に存在するように、コレステロールが脂質層中に組み込まれることができることを示している。
SACNのインビトロ有効性を評価するために、本発明者らは、ルイス肺癌腫(LLC)および4T1乳癌細胞株を使用して、細胞生存率アッセイを実施した。細胞生存率は、インキュベーションの48時間後、3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-5-(3-カルボキシメトキシフェニル)-2-(4-スルホフェニル)-2H-テトラゾリウム内塩アッセイを使用することによって定量化した。図11A〜11Bに示すように、遊離シスプラチンは、それぞれ2.91±0.015μMおよび4.72±0.016μMのIC50値で、LLC細胞および4T1細胞の死滅を誘発した。これらの細胞株のどちらにおいても、カルボプラチンは、この濃度範囲で阻害活性を一切示さなかった。興味深いことに、SACNは、4T1細胞とLLC細胞の両方に対して、それぞれ0.44±0.016μMおよび1.16±0.016μMのIC50値で、シスプラチンよりも効果的であることが見いだされた。次に、本発明者らは、シスプラチン耐性肝細胞癌(7404-CP20)細胞株におけるSACNの有効性を試験した。このアッセイにおける遊離シスプラチンのIC50値は、42.84±0.04μMであると計算されたが、これは過去に報告された値と一致し(21)、SACNは、3.02±0.013μMのIC50値で耐性を克服することが見いだされた(図11C)。細胞死のメカニズムを解明するために、本発明者らは、4T1細胞を、IC50以下の濃度のSACN、シスプラチン、またはカルボプラチンと共に、24時間インキュベートした。アポトーシスの初期マーカーである、ホスファチジルセリンに結合するFITC-Annexin Vで細胞を標識した。図11Dで明らかなように、白金酸塩での処置は、腫瘍細胞のアポトーシスと壊死の両方を誘発し、シスプラチンとSACNは共にカルボプラチンよりも効果的であった。FITCで標識したSACNを使用した研究は、ナノ粒子がエンドリソソーム区画中に経時的に内在化および局在化したことを明らかにした(たとえば、エンドリソソーム区画中の4時間以内のFITC-SACNの内在化)(データは示さない)。この所見は、腫瘍細胞(4T1および7404-CP20)をFITCで標識したSACNと37℃および4℃でインキュベートすることによってさらに立証され、SACNの細胞中への内在化は、後者の条件で減少した(データは示さない)。シスプラチン耐性7404-CP20細胞株におけるSACNの有効性の根底にあるメカニズムを詳細に分析するために、本発明者らは、シスプラチンまたは等価なレベルのPtを含有するSACNとインキュベーションした後の細胞中の細胞内Pt濃度を定量化した。図11Eに示すように、SACNは、シスプラチンと比較して、有意に上昇した細胞内Ptレベルをもたらした。細胞をSACNと4℃でインキュベートすることは、エネルギー依存性のエンドサイトーシスを阻害し、細胞内Pt濃度をシスプラチンで処置したレベルまで低下させたが、このことは、SACNがエンドサイトーシスを介してこれらの細胞に侵入することができることを立証している。
SACNのPtの持続放出およびインビトロ有効性の増強によって動機付けられて、本発明者らは、インビボでの抗腫瘍有効性を評価した。第一の工程として、本発明者らは、BALB/cマウスにおける最大耐量(MTD)が、シスプラチンが9mg/kgであることに対して、SACNは16mg/kgであることを確立した(図12A)。次に、本発明者らは、4T1乳房腫瘍(平均腫瘍体積、約100mm3)を担持する同系BALB/cマウスに、単回用量のシスプラチン(8mg/kg)を投薬した。他の動物群には、ビヒクル、カルボプラチンまたはSACNを与えた(後者の2つには、8mg/kgのシスプラチン用量に相当するPt用量を与えた)。図12Bに示すように、白金酸塩の全てがビヒクル処置と比較して有意な腫瘍阻害をもたらしたが、SACNが最大腫瘍阻害(対照に対してP<0.01)を示し、その後シスプラチンおよびカルボプラチンが続いた。さらに、カルボプラチンまたはシスプラチンでの処置がビヒクル処置対照を超えるわずかな生存の増加を示したが、SACNは、全体的な生存傾向を有意に増加させた(図12C)。
SACNを用いた明らかな腫瘍中のアポトーシスの増強および腎臓毒性の低下の根底にあるメカニズムを解明するために、本発明者らは、白金の生体内分布について腫瘍臓器および細網内皮系(RES)臓器を調査した。腫瘍を担持する動物に、シスプラチンまたはSACNを1mg/kgおよび3mg/kgの白金に相当する用量で投薬した。図13Bに示すように、RES組織中に白金の用量依存的な蓄積があった(誘導結合プラズマ原子吸収スペクトルを使用して、組織1グラム当たりで定量化した)。興味深いことに、SACN(3mg/kgのPt用量)は、腫瘍において、等量のシスプラチンの投薬後に達成された場合よりも有意に高い濃度をもたらした。さらに、この用量で、シスプラチンは、腎臓において有意に高い白金の集積をもたらし、これが、SACNで処置した群と比較して、シスプラチンが関連する腎臓毒性の要因となり得る。
近年、頻繁な体細胞のPTENおよびK-Ras突然変異が、類内膜卵巣癌
を含む広範なヒトの癌に関与することが確立されている。図19Aに示すように、SACN(3mg/kgのシスプラチンに相当するPt用量)で処置された中型および大型のK-rasLSL/+/Ptenfl/fl卵巣癌を担持する動物は、シスプラチン処置と比較してより大きい退縮をもたらした。TUNELは、SACNで処置した腫瘍とシスプラチンで処置した腫瘍の両方でアポトーシスを明らかにした。しかしながら、シスプラチンはネフロンのアポトーシスを誘発したが、SACNでは腎臓中にごくわずかな細胞死が明らかとなり(データは示さない)、これは、シスプラチンで処置した場合と比較して、SACNで処置した後の、腫瘍中のPtレベルの上昇および腎臓中の濃度の低下と相関した(図19B)。
超分子化学、すなわち、非共有分子間力を介して相互作用する分子構成要素からの複雑な化学系の開発(25)は、多くの生物学的および物理学的概念を説明しかつそれに影響を及ぼす分野として出現した。素晴らしい観点で、Jean-Marie Lehnは、超分子ナノ化学と呼ばれる独自の理論的枠組み想定した(26)。実際、最近になって、ガドリニウム(III)がカプセル封入された超分子ナノ粒子は、感度の増加と共に緩和能を増強し、癌転移の診断のためのツールとして役立つことが示された(27)。別の研究では、カンプトセシンが超分子ナノ粒子中にカプセル封入された(28)。しかしながら、これらの新たに出現した研究は、超分子相互作用を使用して、癌を標的化するための分子をカプセル封入することに焦点を当てているが、本発明者らは、ここで、ナノ構造への超分子集合を可能にするための癌化学療法薬の合理的再設計を報告する。
SACNの合成および特性決定
簡潔に述べると、PC、コレステロール-シスプラチンコンジュゲートおよびDSPE-PEGの薄くて均一な脂質-薬物膜を、ロータリーエバポレーターを使用してコーティングし、次に、60℃で1時間水和し、Sephadex G-25カラムに通して、65℃で押出して、200nm以下の粒子を得た。ナノ粒子をナノゼータサイザー(nanozetasizer)を使用しておよびCryo-TEMを使用して分析した。放出動力学について、薬物を負荷したナノ粒子を緩衝液(pH=5.5または7)に懸濁し、透析膜(分子量カットオフ=500Da)中に密封した。透析袋を、30mLのPBS緩衝液中、室温で穏やかに振盪しながらインキュベートした。アリコートをインキュベーション培地から所定の時間間隔で回収し、放出された薬物を定量化した。
LLC細胞、乳癌細胞株(4T1)および肝細胞癌細胞(CP20)を96ウェル平底プレート(1ウェル当たり4×103個の細胞)に播種した。薬物またはSACNを等量のPt濃度で加え、48時間インキュベートした。Cell-Titer 96 Aqueous One Solution(商標)試薬を使用して生存率を定量化した。Annexin-V-Alexa Fluor(商標)488コンジュゲートおよびヨウ化プロピジウムで染色し、続いて、FACSを使用して細胞のアポトーシスを定量化した。
4T1細胞をガラスカバースリップ上に播種し、FITCがカプセル封入されたSACNで30分間〜18時間の時間経過にわたって処置した。表示した時間で、細胞をPBS中で2回洗浄し、LysoTracker(商標)red中、37℃で30分間インキュベートした。3つのランダム視野で撮った画像を、倒立エピフルオレセンスデコンボリューション顕微鏡(Nikon)を使用して取り込んだ。SACN内在化におけるエンドサイトーシスの役割を研究するために、細胞を4℃でインキュベートするかまたはエンドサイトーシス阻害剤で前処置した。
4T1乳癌細胞(3×105)を4週齢のBALB/cマウスの側腹に皮下移植した。薬物療法は、SACN(1mg/kgおよび3mg/kgのPt用量に相当)、シスプラチン(1mg/kgおよび3mg/kgのPt用量に相当)、およびカルボプラチン(3mg/kgのPt用量に相当)の静脈内投与からなった。尾静脈注射によるPBS(100μL)を薬物処置の対照として使用した。処置を移植後9日目に開始し、13日目まで隔日毎に投与した。腫瘍体積および体重を毎日モニタリングした。腫瘍体積を、式L×B2を使用することによって計算した。
アデノウイルス保有Creリコンビナーゼの滑液嚢内送達を介して、遺伝子操作したK-rasLSL/+/Ptenfl/flマウスで卵巣腺癌を誘発した。Adeno-Creによって一旦活性化されたルシフェラーゼを発現するように腫瘍細胞を操作して、薬物処置前および薬物処置後の腫瘍イメージングを可能にした。薬物療法は、SACN(3mg/kgのPt用量に相当)、シスプラチン(3mg/kgのPt用量に相当)、またはPBS(100μL)の尾静脈投与からなった。各動物に隔日毎の処置過程にわたって3回投薬した。処置の有効性を、ベースラインと比較した処置後の生物発光シグナルの増加倍率を調べることによって定量化した。
腫瘍を担持する動物を先に記載したように処置した。臓器を採取して、計量し、濃HNO3に溶解した。これらの混合物に30%(体積/体積)H2O2を加え;得られた溶液を室温で24時間撹拌し、次に、さらに12時間加熱して、液体を蒸発させた。全ての固体残渣を1mLの水に再溶解し、次に、白金の量を誘導結合プラズマ原子吸収分光法/MSによって測定した。
組織を10%ホルマリン中で固定して、パラフィン包埋し、Harvard Medical School Core Facilityで切片にした。腫瘍および腎臓のパラフィン切片を脱パラフィン化し、標準TMR赤色蛍光TUNELキットで製造業者のプロトコールに従って染色した(In Situ Cell Death Detection Kit(商標)、TMR-Red; Roche)。また、腎臓切片をKIM1発現について免疫標識した。赤色フィルターを備えたNikon Eclipse TE2000(商標)蛍光顕微鏡を使用して画像を得た。
反応は全て、他に指示のない限り不活性条件下で実施した。市販の化合物は全て、さらに精製することなく使用した。ジクロロメタン(DCM)、脱水DCM、メタノール、クロロギ酸コレステリル、コレステロール、エチレンジアミン、コハク酸無水物、硝酸銀、硫酸ナトリウム、ピリジン、シスプラチン、L-α-ホスファチジルコリン(PC)、sephadex G25、FITCおよび1,2-フェニレンジアミンは、Sigma-Aldrichから購入した;1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-[アミノ(ポリエチレングリコール)2000](DSPE-PEG)および小型ハンドヘルド押出機キット(0.2μmのWhatman Nucleopore Track-Etch Membrane(商標)、Whatmanフィルターサポートおよび1.0mLのHamiltonianシリンジを含む)は、Avanti Polar Lipidsから購入した。無水溶媒のジメチルホルムアミド(DMF)は、Acros Organicsによって支給された。リンタングステン酸は、Ted Pella社のものとした。分析用TLCは、EMD Laboratoriesから購入したプレコートシリカゲルアルミニウムシート60 F254を使用して実施した。TLCプレート上のスポットは、過マンガン酸アルカリまたはアセトン中の6%ニンヒドリン溶液を使用して可視化した。1H NMR(300MHz)および13C NMR(75MHz)スペクトルは、Varian Mercury 300(商標)分光光度計で得た。化学シフトは、適切な重水素化NMR溶媒を使用し、TMSの0ppmを基準として、百万分の1(ppm)で表示する。MTS試薬は、Promegaによって支給された。細胞生存率アッセイおよび放出動力学データは、GraphPad Prism(商標)ソフトウェアを使用してプロットした。各試料を少なくとも3連で繰り返した。
コレステロール-エチレンジアミンコンジュゲートの合成のために、エチレンジアミン(化合物2)1,044μL(15.58mmol、14当量)を5.0mLの無水DCMに溶解し、続いて、氷で0〜5℃まで冷却した。次に、クロロギ酸コレステリル500.0mg(1.113mmol、1.0当量)を5.0mLの無水DCMに溶解して、これを激しく撹拌しながら15分間かけて反応混合物に滴下し、この撹拌を室温になるまで一晩続けた。水(50mL×3)およびDCM(50mL)、続いて飽和ブライン水洗浄液を使用して反応物を後処理した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ロータリーエバポレーターを用いて蒸発させた。明黄色の清澄な油性生成物(化合物3)を収率99.1%で分離した。
コレステロール-エチレンジアミン-コハク酸コンジュゲートの合成のために、化合物3 350mg(0.74mmol、1当量)を5.0mLの無水DCMに溶解した。この混合物に、コハク酸無水物370.0mg(3.7mmol、5当量)および2mLのピリジンを加えた。撹拌を24時間続け、続いて、0.1N HClおよびDCMで数回後処理した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させて、白色の非晶質固体の化合物(化合物5)を得た。収率:95%。
アクア化されたシスプラチン[Pt(NH3)2(OH2)2]2+の合成のために、シスプラチン50mg(0.166mmol、1当量)を10.0mLのH2Oに部分的に溶解した。この混合物に、硝酸銀28.0mg(0.166mmol、1当量)を加え、得られた反応混合物を室温で24時間撹拌した。この混合物は乳白色のように見え、塩化銀を25,000×gで1時間遠心分離することによって除去した。最後に、アクア化されたシスプラチン(化合物6)を0.2μmのフィルターに通して濾過することによって得た。
コレステロール-シスプラチンコンジュゲート(7)の合成のために、化合物5 200mg(0.35mmol、1.0当量)を5.0mLのDMFに溶解した。この混合物に、20.0mLのアクア化されたシスプラチン(化合物6)(濃度5.0mg/mL、1.0当量)を加え、24時間撹拌した。凍結乾燥機を使用して溶媒を蒸発させた。乾燥させた生成物(化合物7)を、500Da分子量カットオフ(MWCO)透析膜を24時間使用し、続いて、凍結乾燥して精製した。195Pt-NMR:δ(ppm)=-1,621.497(s)。
自己集合するコレステロール-コハク酸-シスプラチンIIベースのナノ粒子(SACN)を合成する一般手順は、以下のとおりである:10.0mgのPC、5.0mgのコレステロール-シスプラチンコンジュゲート(7)および1.0mgのDSPE-PEGを10.0mLのDCMに溶解した。ロータリーエバポレーターを使用して、薄くて均一な脂質-薬物膜になるまで溶媒を蒸発させた。次に、脂質−薬物膜を、1.0mLのH2Oで60℃にて1時間水和した。水和したナノ粒子は、明黄色〜白色のように見え、わずかに粘着性質であった。この混合物をSephadex G-25カラムに通し、65℃で押出して、200nm以下の粒子を得た。
測定した量のSACNを、DMF中1.2mg/mL濃度の1,2-フェニレンジアミン中にて、100℃で2時間加熱した。Pt(II)量を、紫外-可視分光光度法によって、λ=706nmの波長で描かれた標準吸光度対濃度の曲線を使用して計算した(Shimadzu 2450)。この結果は、誘導結合プラズマ原子吸収分光法(ICP-AAS)ベースの方法を使用して立証された。
濃縮した薬物負荷ナノ粒子を緩衝液(pH=5.5および8.5)に懸濁し、透析膜(MWCO=500Da;Spectrum Lab)中に密封した。透析袋を、30mLのPBS緩衝液中、室温で穏やかに振盪しながらインキュベートした。アリコートの一部500μLをインキュベーション培地から所定の時間間隔で回収し、放出された薬物を紫外−可視分光光度計(Shimadzu 2450(商標))およびICP-AASによって定量化した。
400メッシュの銅格子上の穴の開いた炭素膜によって支持されたガラス化氷中で、試料を保存した。3μLの試料懸濁液を清浄格子に塗布して、濾紙で吸い取り、液体エタン中で直ちにガラス化処理することによって試料を調製した。イメージングのために電子顕微鏡に移すまで、格子を液体窒素下で保存した。電子顕微鏡検査は、FEI Eagle 4K×4K CCDカメラを備えたFEI Tecnai T12(商標)顕微鏡を使用し、120KeVで操作することで実施した。-170℃未満の温度で格子を維持するクライオステージを使用して、ガラス状の氷格子を電子顕微鏡に移した。格子の画像を多重スケールで取得し、標本の全体の分布を評価した。より低い倍率でイメージングするための潜在的に適切な標的領域を特定した後、52,000×(0.21nm/ピクセル)および21,000×(0.50nm/ピクセル)の公称倍率で高い倍率画像を取得した。約10〜15e/A°2の電子線量で、-5μm(21,000×)および-4μm(52,000×)の公称アンダーフォーカスで画像を取得した。
ルイス肺癌腫(LLC)細胞、乳癌細胞株(4T1)、および肝細胞癌細胞(CP20)を、American Type Culture Collectionから購入した。LLC細胞およびCP20細胞をDMEM中で培養し、4T1細胞は、10%FBS、50ユニット/mLペニシリン、および50ユニット/mLストレプトマイシンを補填したRPMI培地1640中で培養した。トリプシン処理した培養LLC細胞、4T1細胞、およびCP20細胞をPBSで2回洗浄し、96ウェル平底プレート(1ウェル当たり4×103個の細胞)に播種した。遊離薬物およびSACNを適当な濃度(0.01、0.1、1、10、20、50μMのPt濃度)で加えた。次に、プレートを、5%CO2雰囲気中、37℃で48時間インキュベートした。細胞を洗浄し、20μlのCell-Titer 96 Aqueous One Solution(商標)試薬(Promega)を含有する100μLのフェノールレッド不含培地(FBSなし)と共にインキュベートした。5%CO2雰囲気中、37℃で2時間インキュベーションした後、Epoch(BioTek(商標))プレートリーダーを使用して、490nmにおける各ウェルの吸光度を記録した。ブランク値を各値から減算し、次に、対照値に対して正規化することによって結果を定量化して、Prism(商標)ソフトウェア(GraphPad)を使用することによって結果を分析した。示したデータは、n=3の平均±SEである。
FITCで標識したSACNの合成のために、10.0mgのPC、5.0mgのコレステロール-シスプラチンコンジュゲート 7、1.0mgのDSPE-PEG、および1mgのFITCを、10.0mLのDCMに溶解した。ロータリーエバポレーターを用いて、薄くて均一な脂質-薬物膜になるまで溶媒を蒸発させた。脂質-薬物膜を、1.0mLのH2Oで60℃にて2時間水和した。水和したナノ粒子は明黄色〜白色のように見え、わずかに粘着性質であった。混合物をSephadex G-25カラムに通し、暗所にて65℃で押出して、200nm以下の粒子を得た。
4T1細胞または7404-CP20細胞を、24ウェルプレートのガラスカバースリップ上にサブコンフルエントまで播種し、次に、FITCがカプセル封入されたSACNで30分間〜18時間の時間経過にわたって処置した。表示した時間で、細胞をPBS中で2回洗浄し、LysoTracker Red(商標)(Ex:577nm;Em:590nm)中、37℃で30分間インキュベートした。次に、細胞を再度洗浄して、4%パラホルムアルデヒド中で固定し、次に、DAPI(Ex:350nm;Em:470nm)で30秒間処理して、Prolong Gold(商標)退色防止剤(Invitrogen)を使用して封入した。3つのランダム視野で撮った画像を、UV、青色および緑色フィルターを備えた倒立顕微鏡(Nikon)を使用して40×で取り込んで、DAPI、FITC、およびLyso Tracker red蛍光をそれぞれ可視化した。細胞を、FITCがカプセル封入されたCNPまたは陰性対照となるLyso Tracker redのいずれかとのみインキュベートした。薬理学的阻害剤は、多くの場合、エンドサイトーシス経路を研究するために使用される。本発明者らは、クラスリン媒介エンドサイトーシス阻害剤としてクロルプロマジン(25μM)、カベオラ媒介エンドサイトーシス阻害剤としてナイスタチン(25μg/mL)、およびマクロピノサイトーシス/食作用阻害剤としてサイトカラシンD(5μg/mL)を使用した。細胞を阻害剤で2時間前処置した後、FITC-SACNと4時間インキュベーションし、その後、これらを先に記載したように処理した後イメージングした。他の研究では、Drinらによって記載されるように、細胞を4℃でインキュベートして、エネルギー依存性のエンドサイトーシスを遮断した(1)。
7404-CP20細胞におけるインビトロでの細胞内Ptの定量化のために、5×105個のCP20細胞を100mmの細胞培養ディッシュにプレーティングした。細胞がおよそ70%のコンフルエントになったときに、これら6時間無血清化し、その後薬物を加えた。細胞を、20μMの遊離シスプラチンもしくはSACNと共に37℃で、または同じ用量のSACNと共に4℃でのいずれかでインキュベートして、エネルギー依存性の内在化を阻害した。その後、薬物含有培地を除去し、冷PBSを使用して細胞を3回洗浄した。トリプシン処理後に各ディッシュからの細胞数をカウントし、次に、70%硝酸中で一晩溶解した。次に、硝酸を蒸発させ、5%硝酸中で適当に希釈した後、Ptの量をICP-MSによって測定した。
4T1細胞を、6ウェルプレート中、1μMの濃度のSACNまたは遊離シスプラチンまたは遊離カルボプラチンの存在下、37℃で24時間インキュベートして成長させた。24時間後、細胞をPBSで洗浄し、0℃で回収した。次に、細胞をAnnexin-V-Alexa Fluor 488(商標)コンジュゲート(Molecular Probes, Invitrogen)で処理し、暗所にて、室温で15分間インキュベートした。次に、細胞をPBSで洗浄し、RNase(1mg/mL;Sigma)を含有するヨウ化プロピジウム(PI)溶液(50g/mL;Sigma)と共にインキュベートした。次に、細胞懸濁液をFACS管に移し、Annexin-V/PI染色についてBD FACS Calibur(商標)装置で分析した。CellQuestPro(商標)ソフトウェア(BD Biosciences)を使用してデータを分析した。
4T1乳癌細胞(3×105)を4週齢のBALB/cマウス(体重20g;Charles River Laboratories)の側腹に皮下移植した。薬物療法を9日目に開始した。薬物療法は、SACN(1mg/kgおよび3mg/kg)、遊離シスプラチン(1mg/kgおよび3mg/kg)、および遊離カルボプラチン(3mg/kg)の投与からなった(尾静脈注射によって投与した)。尾静脈注射によって投与したPBS(100μL)を薬物処置の対照として使用した。腫瘍体積および体重を毎日モニタリングした。腫瘍体積を、式L×B2(式中、ノギスを使用して測定した最長直径をLとし、最短直径をBとした)を使用することによって計算した。対照群において対照の平均腫瘍体積が2000mm3を超えたときに動物を屠殺した。屠殺後直ちに腫瘍を採取し、さらなる分析のために10%ホルマリン中で保存した。動物の取扱手順は全て、Harvard Institutional Use and Care of Animals Committeeによって承認されたものとした。
アデノウイルス保有Creリコンビナーゼの滑液嚢内送達を介して、遺伝子操作したK-rasLSL/+/Ptenfl/flマウスで卵巣腺癌を誘発した。腫瘍細胞をAdeno-Creによって一旦活性化されたルシフェラーゼを発現するように操作して、薬物処置前および薬物処置後の腫瘍イメージングを可能にした。マウスに中型〜大型の腫瘍ができたら、これらを3つの処置群(対照、シスプラチン 3mg/kg、およびSACN)の1つに分け、尾静脈注射を介して全ての薬物を投与した。SACNの用量は、3mg/kgのシスプラチンとPt含量が同等になるように選択した。6日間にわたって投薬の間に1日間隔を置いて、動物に薬物を3回注射した。IVIS Lumina II Imaging System(商標)でインビボでの腫瘍イメージングを実施した。生物発光の定量化は、Living Image Software 3.1(商標)(Caliper Life Sciences)を使用することによって達成した。イメージングの前に、腹腔内注射を介して150mg/kgのホタルD-ルシフェリンカリウム塩をマウスに与えた。ルシフェリン注射の5分後、2.5%イソフルレン導入チャンバー中で動物に麻酔をかけた。この場合、イソフルレンを多岐管で供給することによってマウスを麻酔下に置き、マウスの体温を37℃の温度段階に維持した。ルシフェリン投与の15分後、30秒の曝露時間で生物発光シグナルを収集した。処置の前日(0日目、ベースライン画像)、処置サイクルの途中、および最終処置の翌日に撮像した。ベースラインと比較した処置後の生物発光シグナルの増加倍率を調べることによって処置の有効性を定量化した。毒性データの統計分析は、Prism 5(商標)ソフトウェアを用いて、一元配置ANOVA分析試験を使用して分析した。
インビボ実験後、動物を屠殺し、臓器を採取した。次に、臓器を計量して、室温で24時間振盪することによって濃HNO3(およそ10mL)に溶解し、次に、100℃で12時間加熱した。これらの混合物に30%H2O2を加え、得られた溶液を室温で24時間撹拌し、次に、さらに12時間加熱して、液体を蒸発させた。全ての固体残渣を1mLの水に再溶解し、次に、白金の量を誘導結合プラズマ分光法によって測定した。
組織を10%ホルマリン中で固定して、パラフィン包埋し、Harvard Medical School Core Facilityで切片にした。腫瘍および腎臓のパラフィン切片を脱パラフィン化し、標準TMR赤色蛍光TUNELキットで製造業者のプロトコールに従って染色した(In Situ Cell Death Detection Kit(商標), TMR-Red; Roche)。赤色フィルターを備えたNikon Eclipse TE2000蛍光顕微鏡を使用して画像を得た。
ホルマリン固定したパラフィン包埋組織切片で免疫組織化学的分析を実施した。簡潔に述べると、パラフィン包埋組織切片を脱パラフィン化して、再度水和し、高圧鍋内にて0.1Mクエン酸緩衝液(pH6.0)中で20分間抗原回復を行った。次に、スライドをPBS溶液中で洗浄して、3%BSA溶液中で30分間インキュベートし、その後、これらをヤギ抗マウス腎障害分子-1(Kim-1)抗体(R&D Systems)と共に1:500希釈で60分間インキュベートした。スライドをPBS溶液中で洗浄し、抗ヤギ二次抗体(1:200希釈;R&D Systems)中でさらに30分間インキュベートした。組織切片の染色をVECTASTAIN ABC(商標)キット(Vector Laboratories)を使用して30分間行い、続いて、ヘマトキシリンで対比染色した。Nikon ECLIPSE 90i(商標)顕微鏡を使用して撮像した。
Claims (58)
- コレステロールにコンジュゲートされた化学療法剤を含む、コンジュゲート。
- 両親媒性物質である、請求項1記載のコンジュゲート。
- 前記剤が、リンカーを介してコレステロールにコンジュゲートされる、請求項1〜2のいずれか一項記載のコンジュゲート。
- リンカーが、-O-、-S-、-S-S-、-NR1-、-C(O)-、-C(O)O-、-C(O)NR1-、-SO-、-SO2-、-SO2NR1-、置換または非置換アルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルケニル、ヘテロシクリルアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキルアリールアルキル、アルキルアリールアルケニル、アルキルアリールアルキニル、アルケニルアリールアルキル、アルケニルアリールアルケニル、アルケニルアリールアルキニル、アルキニルアリールアルキル、アルキニルアリールアルケニル、アルキニルアリールアルキニル、アルキルヘテロアリールアルキル、アルキルヘテロアリールアルケニル、アルキルヘテロアリールアルキニル、アルケニルヘテロアリールアルキル、アルケニルヘテロアリールアルケニル、アルケニルヘテロアリールアルキニル、アルキニルヘテロアリールアルキル、アルキニルヘテロアリールアルケニル、アルキニルヘテロアリールアルキニル、アルキルヘテロシクリルアルキル、アルキルヘテロシクリルアルケニル、アルキルヘレロシクリルアルキニル、アルケニルヘテロシクリルアルキル、アルケニルヘテロシクリルアルケニル、アルケニルヘテロシクリルアルキニル、アルキニルヘテロシクリルアルキル、アルキニルヘテロシクリルアルケニル、アルキニルヘテロシクリルアルキニル、アルキルアリール、アルケニルアリール、アルキニルアリール、アルキルヘテロアリール、アルケニルヘテロアリール、アルキニルヘレロアリールからなる群より選択され、1つまたは複数のメチレンが、O、S、S(O)、SO2、N(R1)2、C(O)、C(O)O、C(O)NR1、開裂可能な連結基、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換複素環によって分断または終結されることが可能であり、R1が、水素、アシル、脂肪族または置換脂肪族である、請求項3記載のコンジュゲート。
- リンカーが、C(O)、C(O)CH2CH2C(O)、またはC(O)NH(CH2)2NHC(O)(CH2)2C(O)である、請求項4記載のコンジュゲート。
- 化学療法剤が、PI3K阻害剤である、請求項1〜5のいずれか一項記載のコンジュゲート。
- PI3K阻害剤が、PI103、P1828、LY294002、ワートマニン、デメトキシビリジン、IC486068、IC87114、GDC-0941、ペリホシン、CAL101、PX-866、IPI-145、BAY80-6946、BEZ235、P6503、TGR1202、SF1126、INK1117、BKM120、IL147、XL765、パロミド529、GSK1059615、ZSTK474、PWT33597、TG100-115、CAL263、GNE-447、CUDC-907、およびAEZS-136からなる群より選択される、請求項6記載のコンジュゲート。
- PI3K阻害剤が、PI103およびP1828からなる群より選択される、請求項7記載のコンジュゲート。
- 化学療法剤が、タキサンである、請求項1〜5のいずれか一項記載のコンジュゲート。
- タキサンが、パクリタキセルまたはドセタキセルである、請求項11記載のコンジュゲート。
- 請求項1〜13のいずれか一項記載のコンジュゲートを含む、組成物。
- 約1%〜約99%(w/w)のコンジュゲートを含む、請求項14記載の組成物。
- コンジュゲートに加えて脂質をさらに含む、請求項14または15記載の組成物。
- 約1%〜約99%(w/w)の脂質を含む、請求項16記載の組成物。
- コンジュゲートおよび脂質を約10:1〜約1:10の比で含む、請求項16または17記載の組成物。
- 脂質が、ポリエチレングリコール(PEG)でコンジュゲートされた脂質である、請求項16〜18のいずれか一項記載の組成物。
- PEGでコンジュゲートされた脂質が、PEGでコンジュゲートされたジアシルグリセロールおよびジアルキルグリセロール、PEGでコンジュゲートされたホスファチジルエタノールアミンおよびホスファチジン酸、PEGでコンジュゲートされたセラミド、PEGでコンジュゲートされたジアルキルアミン、PEGでコンジュゲートされた1,2-ジアシルオキシプロパン-3-アミンおよびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、請求項19記載の組成物。
- PEGでコンジュゲートされた脂質が、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-[アミノ(ポリエチレングリコール)-2000](DSPE-PEG2000)である、請求項20記載の組成物。
- リン脂質をさらに含む、請求項14〜21のいずれか一項記載の組成物。
- 約1%〜約99%(w/w)のリン脂質を含む、請求項14記載の組成物。
- コンジュゲートおよびリン脂質を約10:1〜約1:10の比で含む、請求項22または23記載の組成物。
- リン脂質および脂質を約10:1〜約1:10の比で含む、請求項22〜24のいずれか一項記載の組成物。
- リン脂質が、ホスファチジルコリン、6〜22個の炭素原子を有するアシル基を持つホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸、ホスファチジルセリン、スフィンゴミエリン、ホスファチジルグリセロール、およびそれらの任意の組み合わせから選択される、請求項25記載の組成物。
- リン脂質が、ホスファチジルコリン、ホスファチジルグリセロール、レシチン、β,γ-ジパルミトイル-α-レシチン、スフィンゴミエリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジン酸、N-(2,3-ジ(9-(Z)-オクタデセニルオキシ))-プロパ-1-イル-N,N,N-トリメチルアンモニウムクロリド、ホスファチジルエタノールアミン、リゾレシチン、リゾホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、セファリン、カルジオリピン、セレブロシド、ジセチルホスフェート、ジオレオイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール、ジオレオイルホスファチジルグリセロール、パルミトイル-オレオイル-ホスファチジルコリン、ジ-ステアロイル-ホスファチジルコリン、ステアロイル-パルミトイル-ホスファチジルコリン、ジ-パルミトイル-ホスファチジルエタノールアミン、ジ-ステアロイル-ホスファチジルエタノールアミン、ジ-ミリストイル-ホスファチジルセリン、ジ-オレイル-ホスファチジルコリン、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン(POPC)、卵ホスファチジルコリン(EPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジオレオイルホスファチジルグリセロール(DOPG)、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)、-ホスファチジルエタノールアミン(POPE)、ジオレオイル-ホスファチジルエタノールアミン4-(N-マレイミドメチル)-シクロヘキサン-1-カルボキシレート(DOPE-mal)、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、請求項26記載の組成物。
- ホスファチジルコリンが、L-a-ホスファチジルコリンである、請求項27記載の組成物。
- 標的作用物質をさらに含む、請求項14〜28のいずれか一項記載の組成物。
- 標的作用物質が、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、酵素、ペプチド模倣体、糖タンパク質、抗体(モノクローナルまたはポリクローナル)ならびにそれらの一部および断片、レクチン、ヌクレオシド、ヌクレオチド、ヌクレオシドおよびヌクレオチド類似体、核酸、単糖、二糖、三糖、オリゴ糖、多糖、リポ多糖、ビタミン、ステロイド、ホルモン、補因子、受容体、受容体リガンド、ならびにそれらの類似体および誘導体からなる群より選択される、請求項29記載の組成物。
- 標的作用物質が、iRGDである、請求項30記載の組成物。
- 請求項1〜13のいずれか一項記載の2つ以上の異なるコンジュゲートを含む、請求項14〜31のいずれか一項記載の組成物。
- コンジュゲートに加え抗癌剤をさらに含む、請求項14〜32のいずれか一項記載の組成物。
- 抗癌剤が、白金化合物、パクリタキセル、カルボプラチン、ボルテゾミブ、ボリノスタット、リツキシマブ、テモゾロミド、ラパマイシン、アルキル化剤、シクロホスファミド、スルホン酸アルキル、ブスルファン、インプロスルファン、ピポスルファン、アジリジン、エチレンイミン、メチルアメラミン(methylamelamine)、アセトゲニン、カンプトセシン、クリプトフィシン、ナイトロジェンマスタード、ニトロソウレア、抗生物質、エンジイン抗生物質、ビスホスホネート、ドキソルビシン、マイトマイシン、代謝拮抗剤、葉酸類似体、プリン類似体、ピリミジン類似体、アンドロゲン、抗副腎剤、エポチロン、マイタンシノイド、トリコテセン、ゲムシタビン、6-チオグアニン、メルカプトプリン、メトトレキサート、ビンブラスチン、エトポシド、イホスファミド、ミトキサントロン、ビンクリスチン、ビノレルビン、ノバントロン、テニポシド、エダトレキサート、ダウノマイシン、アミノプテリン、ゼローダ、イバンドロネート、イリノテカン、トポイソメラーゼ阻害剤、レチノイド、カペシタビン、コンブレタスタチン、ロイコボリン、ラパチニブ、およびエルロチニブである、請求項33記載の組成物。
- 中性脂質、陽イオン性脂質、陰イオン性脂質、両親媒性脂質、ステロール、またはプログラム可能な融合脂質をさらに含む、請求項14〜35のいずれか一項記載の組成物。
- コンジュゲート、PEGでコンジュゲートされた脂質、およびリン脂質を含む、請求項14〜36のいずれか一項記載の組成物。
- PEGでコンジュゲートされた脂質がDSPE-PEG2000であり、リン脂質がホスファチジルコリンである、請求項37記載の組成物。
- コンジュゲート、PEGでコンジュゲートされた脂質、およびリン脂質を、約10〜0.1:10〜0.1:10〜0.1の比で含む、請求項37または38記載の組成物。
- 比が、約1.4:1:3または約10:5:1である、請求項39記載の組成物。
- ナノ粒子である、請求項14〜38のいずれか一項記載の組成物。
- ナノ粒子が、約5nm〜約500nmの直径である、請求項41記載の組成物。
- ナノ粒子が、約200nm未満の直径である、請求項41記載の組成物。
- 請求項1〜43のいずれか一項記載の組成物と、任意で薬学的に許容される担体とを含む、薬学的組成物。
- 請求項1〜43のいずれか一項記載の組成物を癌の処置を必要とする患者に投与する工程を含む、癌を処置する方法。
- 癌が、乳癌、卵巣癌、神経膠腫、消化管癌、前立腺癌、癌腫、肺癌腫、肝細胞癌、精巣癌、子宮頸癌、子宮内膜癌、膀胱癌、頭頸部癌、肺癌、胃食道癌、および婦人科癌からなる群より選択される、請求項45記載の方法。
- 対象が、異常なPI3Kを伴う腫瘍細胞を有すると判定された、請求項45〜46のいずれか一項記載の方法。
- 1つまたは複数の追加の抗癌治療を患者に同時に施す工程をさらに含む、請求項45〜47のいずれか一項記載の方法。
- 追加の治療が、外科手術、化学療法、放射線療法、温熱療法、免疫療法、ホルモン療法、レーザー療法、抗血管新生療法、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、請求項48記載の方法。
- 追加の治療が、抗癌剤を患者に投与することを含む、請求項48記載の方法。
- 請求項1〜43のいずれか一項記載の組成物を血糖値の低下を必要とする対象に投与する工程を含む、血糖値を低下させる方法。
- 前記方法が、請求項1〜43のいずれか一項記載の組成物を癌の処置を必要とする患者に投与する工程を含む、癌を処置するための請求項1〜43のいずれか一項記載の組成物の使用。
- 癌が、乳癌、卵巣癌、神経膠腫、消化管癌、前立腺癌、癌腫、肺癌腫、肝細胞癌、精巣癌、子宮頸癌、子宮内膜癌、膀胱癌、頭頸部癌、肺癌、胃食道癌、および婦人科癌からなる群より選択される、請求項52記載の使用。
- 対象が、異常なPI3Kを伴う腫瘍細胞を有すると判定された、請求項52〜53のいずれか一項記載の使用。
- 1つまたは複数の追加の抗癌治療を患者に同時に施す工程をさらに含む、請求項52〜54のいずれか一項記載の使用。
- 追加の治療が、外科手術、化学療法、放射線療法、温熱療法、免疫療法、ホルモン療法、レーザー療法、抗血管新生療法、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、請求項55記載の使用。
- 追加の治療が、抗癌剤を患者に投与することを含む、請求項55記載の使用。
- 請求項1〜43のいずれか一項記載の組成物を血糖値の低下を必要とする対象に投与する工程を含む、血糖値を低下させるための請求項1〜43のいずれか一項記載の組成物の使用。
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