JP2008500338A - 造血細胞の異常増殖を治療及び/又は予防する方法 - Google Patents

造血細胞の異常増殖を治療及び/又は予防する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は一般的に、造血細胞の異常増殖を治療及び/又は予防する方法に関する。より詳細には、本発明は造血細胞におけるホスホイノシチド3−キナーゼデルタ(PI3Kδ)活性を選択的に阻害することを含む造血細胞の異常増殖を治療及び/又は予防する方法に関する。方法は造血細胞の異常増殖の関与する何れかの適応症を治療するために使用してよい。

Description

本発明は一般的に、造血細胞の異常増殖を治療及び/又は予防する方法に関する。より詳細には、本発明は造血細胞におけるホスホイノシチド3−キナーゼデルタ(PI3Kδ)活性を選択的に阻害することを含む造血細胞の異常増殖を治療及び/又は予防する方法に関する。
異常な細胞増殖は正常、適切又は予測された過程から逸脱した細胞増殖である。異常な細胞増殖は癌の特徴である。
癌は一般的に臓器及び/又は結合組織(骨及び軟骨等を包含する)に影響する固形腫瘍および造血細胞から生じる血液学的悪性疾患に分類できる。造血細胞は典型的にはリンパ様先祖細胞又は骨髄様先祖細胞の何れかに分化し、これらは両方とも最終的には種々の成熟細胞、例えば白血球に分化する。リンパ様先祖細胞誘導細胞の例は、ナチュラルキラー細胞、T細胞、B細胞及び形質細胞を包含する。骨髄様先祖細胞誘導細胞の例は赤血球、巨核球(血小板生産細胞)、単球、マクロファージ及び顆粒球、例えば好中球、好酸球及び好塩基球を包含する。上記した白血球は身体の免疫系と統合された要素であるため、造血細胞の異常増殖は感染に対抗する個体の能力を損なう場合がある。更に又、1つの型の造血細胞の異常増殖は他の造血細胞型の生産又は生存性を妨害する場合が多く、これは貧血及び/又は血小板減少症をもたらす場合がある。
造血細胞の異常増殖(即ちリンパ様先祖細胞誘導細胞及び/又は骨髄様先祖細胞誘導細胞の過剰な生産)の関与する種々の疾患状況、障害及び状態(以後適応症と称する)は例えば白血病、リンパ腫、骨髄増殖性障害、骨髄形成異常症候群及び血小板細胞新生物形成を包含する。
白血病は血液及び/又は骨髄中の白血球及び/又は白血球前駆体の少なくとも1つの型の数が非制御に増大することを特徴としている。白血病は一般的に、臨床経過の速度及び白血球分化の程度の両方に相関する急性又は慢性の何れかに分類される。急性の白血病においては、関与する細胞系統(通常は芽細胞と称する)は分化を殆ど、又は全く示さない。一方、慢性の白血病においては、関与する細胞系統は典型的にはより高度に分化しているが免疫学的にはコンピテントではない。白血病はまた細胞の系列に従って骨髄性(骨髄様先祖細胞誘導細胞が関与する場合)又はリンパ球性(リンパ様先祖細胞誘導細胞が関与する場合)の何れかに分類される。更に又、二次白血病は細胞毒性の要因、例えば放射線照射、アルキル化剤及びエピポドフィロトキシンで処置された患者において生じる場合がある。
急性骨髄性白血病(AML)は造血細胞の分化をブロックして骨髄様芽細胞の蓄積をもたらす未成熟の骨髄様先祖細胞における後天性の突然変異に起因する純系の血液学的疾患である[Passegue et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.,(USA),100 Supp.1:11842−11849(2003)]。2つのクラスの突然変異、即ち1つは細胞の分化を損なうもの、そして他方は生存及び増殖の利益を与えるものが共同して急性の白血病を誘発していることが知られている[Gilliland et al.,Cancer Cell,1:417−420(2002)]。フランス−アメリカ−イギリス(FAB)分類は急性骨髄性白血病を分類する標準的なシステムである[Bennett et al.,Ann.Intern.Med.,103:620−625(1985)]。化学療法の後に完全な奏効を達成する個体においては、奏効期間は通常は短期である。全体として、AMLは長期生存率の低い疾患である。
慢性の骨髄性白血病においては、Bcr-Abl融合遺伝子は構成的蛋白キナーゼ活性を有する原形質蛋白をコードしており、これは多重下流シグナリングカスケードの活性化をもたらす[Deininger et al.,Blood,96:3343−3356(2000)]。阻害剤イマチニブによる脱調節Ablキナーゼの阻害はこの適応症を治療する場合に顕著な治療成果をもたらしている[Druker et al.,N.Engl.J.Med.,344:1038−1042(2001)]。リンパ球系統もまた急性及び慢性の白血病を有する(それぞれALL及びCLL)。
AMLの分子病理学的な発症にもまた幾つかのシグナル伝達経路の脱調節が関与している。STAT−関連転写因子は急性骨髄性白血病において構成的に活性化され、そしてSTAT3の活性はより短い無疾患生存性に関連すると考えられる[Gouilleux-Gruart et al.,Blood,87:1692−1697(1996);Benekli et al.,Blood,99:252−257(2002);Benekli et al.,Blood,101:2940−2954(2003)]。不適切な有糸分裂促進物質活性化蛋白キナーゼ(MAPキナーゼ)活性化もまた骨髄様細胞の白血病性形質転換において役割を果たしていると考えられる[Milella et al.,J.Clin.Invest.,108:851−859(2001)]。NF−κBの構成的活性化もまた白血球に関して報告されており、そしてAML幹細胞をその正常な対立形態と識別する主要な特徴として提案されている[Guzman et al.,Blood,98:2301−2307(2001);Guzman et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.(USA),99:16220−16225(2002)]。
リンパ腫はリンパ様組織、例えばリンパ節、骨髄、脾臓、及び免疫系の他の臓器のリンパ球を起源とする癌であり、リンパ球生産の非制御の増大を特徴とする。リンパ腫には2つの基本的範疇、即ち、Reed-Stemberg細胞と称される特徴的な細胞型の存在を特徴とするホジキンリンパ腫、および、リンパ球癌の広範多様なグループを包含する非ホジキンリンパ腫が存在する。非ホジキンリンパ腫は一般的にリンパ球細胞系統(例えばB細胞、T細胞及びナチュラルキラー細胞)に従って分類され、そして更に、無痛性(緩徐に進行するか、低等級)の経過を有する癌及び攻撃的(急速に進行するか、中等度又は高度)の経過を有するものに分割できる。非ホジキンリンパ腫は例えばB細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、播種性細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽大細胞リンパ腫、リンパ芽細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、菌状息肉腫、移植後のリンパ増殖性障害、小型非分割細胞リンパ腫及びT細胞リンパ腫を包含する。
骨髄増殖性障害は又、骨髄における特定の型の血液細胞の過剰な生産を伴う。骨髄増殖性の障害は例えば、真性赤血球増加症、慢性特発性骨髄線維症及び本態性血小板減少症を包含する。真性赤血球増加症においては、赤血球が骨髄中で過剰生産され、血流中に蓄積される。慢性特発性骨髄線維症においては、骨髄様先祖誘導細胞の異常増殖により骨髄の線維化が起こり、最終的に骨髄不全となる(即ち骨髄様先祖誘導細胞の過少生産)。本態性血小板減少症においては、血小板の数が過剰となるが、血液中の他の細胞は正常である。
脊髄形成異常症候群は任意で前白血病又は「くすぶり型」の白血病と称され、骨髄が正常に機能しない、「無効な造血」と呼ばれる別の適応症である。未成熟の芽細胞が適切に成熟化せず、過剰生産され、有効な成熟血液細胞の欠落をもたらす。脊髄形成異常症候群は他の疾患のための薬剤又は放射線による治療の後に発症する場合があり、又は、原因不明で発症する場合がある。脊髄形成異常症候群は顕微鏡により画像化される骨髄及び血液細胞の外観に基づいて分類される。脊髄形成異常症候群は例えば不応性貧血、環状のシデロブラストを伴った不応性貧血、過剰な芽細胞を伴った不応性貧血、及び形質転換過剰芽細胞を伴った不応性貧血を包含する。
プラズマ細胞新生物、例えば骨髄腫は白血病に類似した骨髄プラズマ細胞の悪性疾患である。悪性プラズマ細胞は、その他骨髄腫細胞としても知られており、骨髄中に蓄積し、典型的な白血病とは異なり、血流中には殆ど進入しない。骨髄中の骨髄腫細胞のこの進行性の蓄積は正常な骨髄機能を破壊(最も一般的には貧血により反映される)し、白血球数及び血小板数を低減し、周囲の骨の損傷を誘発し、そして正常な免疫機能を抑制(有効な免疫グロブリンの低下した水準及び感染への増大した易罹患性により反映される)する。骨髄腫細胞は通常は局在化した腫瘍(プラズマ細胞腫)の形態で生育する。このようなプラズマ細胞腫は単一又は多重に存在でき、そして、骨髄又は骨内(髄質)に拘束されるか、又は、骨外の軟組織に発生(髄外プラズマ細胞腫)する。多重プラズマ細胞糖骨内外にある場合、適応症は多発性骨髄腫とも称される。
このような適応症は典型的には1種類以上の治療法、例えば手術、放射線療法、化学療法、免疫療法および骨髄および/または幹細胞の移植による処置を受ける。
手術では患部組織の塊状摘出が行われる。手術は特定の腫瘍、例えば乳房、結腸及び皮膚を摘出するためには効果的であるが、外科医が接触できない領域に位置する腫瘍の治療には使用できない。更に又、手術は典型的には非局在の癌の適応症、例えば白血病又は骨髄腫の治療には良好に用いることができない。
放射線療法ではがん細胞のような急速に分裂する細胞を殺傷し、そして腫瘍を収縮させるためにX線、ガンマ線、中性子及び他の線源(放射線)から高エネルギー照射を行う。放射線療法は当該分野でよく知られている[Hellman,Cancer:Principles and Practice of Oncology,248−275,4th ed.,vol.1(1993)]。放射線療法は身体外部から行ってよい(「外部線束照射療法」)。或いは、放射線療法は腫瘍の内部又は近傍、又は癌細胞の近傍領域内に放射線を生じることができる放射活性物質を入れることにより行うことができる。全身放射線療法は放射活性物質、例えば身体全体に渡り循環できるか、又は身体の特定の領域又は臓器に局在化できる放射標識モノクローナル抗体を使用する。近接照射療法では腫瘍近接部に放射活性「シード」を入れる。放射線療法は非特異的であり、如何なる曝露組織に対しても損傷をもたらす場合が多い。更に又、放射線療法は個体のクオリティーオブライフを大きく損ない、そして放射線治療プロトコルへのその継続的コンプライアンスに影響する場合がある副作用(例えば嘔気、疲労、低白血球数等)を経験させる場合が多い。
化学療法では細胞の複製又は細胞の代謝を途絶させること(例えばDNA代謝、DNA合成、DNA転写又は微小管紡錘体機能を途絶させることによるか、又は、DNA損傷を導入することにより染色体の構造的一体性を混乱させることによる)により機能する場合が多い化学療法剤を投与する。化学療法剤はそれらが正常で健康な細胞並びに腫瘍細胞を損なう点において非特異的である場合が多い。DNAの一体性の維持は正常細胞における細胞生存性のために必須である。化学療法剤は正常細胞に大きな損傷を与えることなく癌細胞を殺傷するほど十分には強力でなければならない。従って、抗がん剤は典型的には極めて低い治療指数を有しており、即ち、薬剤は正常細胞並びに腫瘍細胞に高い比率で損傷をもたらすため、有効用量と過剰毒性用量との間のウインドウが極めて狭小である。更に又、化学療法剤に由来する副作用は治療を要する個体のクオリティーオブライフを大きく損ない、従って、放射線治療プロトコルへの個体の継続的コンプライアンスに影響する場合が多い。
造血細胞の異常増殖の関与する多くの適応症において、2つの主要な治療段階、即ち奏効の誘導及び奏効後の治療が存在する。奏効後の治療は地固め療法と称される。長期の低用量化学療法(維持療法)を行う投与の第3段階も低頻度で行われる。維持療法は再発の確率を低減するが、その利益よりも長期の維持療法を行った場合に治療関連の死亡の危険性が高いことが優先される。
奏効誘導は大部分の患者においては血液及び/又は骨髄から全ての検出可能な癌細胞を消去するために2種以上の薬剤を組み合わせて使用することにより達成される。奏効誘導は本質的には、急性骨髄性白血病(AML)のサブタイプである急性前骨髄性白血病(APL)を有するものを除き、全ての患者において標準的なものである。奏効誘導では通常は薬剤シタラビンを任意でアントラサイクリン(例えばダウノルビシン、ミトキサントロン又はイダルビシン)と組み合わせて投与する。任意で第3の薬剤、例えばエトポシド又はチオグアニンも投与する。治療の強度により典型的には重度の骨髄抑制がもたらされる。骨髄様コロニー刺激因子(G−CSF及びGM−CSF)は骨髄様先祖細胞の生産を誘導し、そして誘導療法後の顆粒球減少症の期間を短期化するために投与される。急性前骨髄性白血病(M3期)に対しては、トレチノイン(オールトランスのレチン酸、ATRA)を用いて白血病性細胞の終末文化を誘導する(即ち、増殖中の未成熟の細胞が非増殖性の特殊化された成熟細胞に分化することを誘導する)。
血液及び骨髄からの検出可能な癌細胞の消失は、必ずしも、身体内の悪性細胞全てが殺傷されたことを意味するわけではない。即ち、同じか低用量において奏効誘導で用いられたものと同じか同様の薬剤を用いた追加的治療が奏効誘導器の終了の直後に行われる場合が多い。一部の治療プロトコルにおいては、地固め療法はシタラビンを使用することにより強化される。
細胞免疫不全及び腫瘍関連免疫抑制は種々の癌性の適応症に関連している[Hadden,Int.Immunopharmacol.3(8):1061−1071(2003)]。結果として、サイトカイン、成長因子、抗原及び/又は抗体を含む免疫療法の組成物が癌性の適応症の治療のために提案されている[Hadden,上出;Cebon et al.,Cancer Immun.,16(3):7−25(2003)]。
化学療法及び放射線療法は一般的に急速に分裂する細胞を損なうものであり、そして癌細胞は大部分の正常細胞よりも高頻度で分裂することから、癌の治療に使用されている。しかしながら、骨髄細胞もまた頻繁に分裂し、化学療法剤及び/又は放射線療法の高用量の治療は個体の骨髄を重度に損傷又は破壊する場合がある。健常な骨髄が無い場合、個体はもはや、酸素を運搬し、感染症から防御し、そして出血を防止するために必要な血液細胞を生産することができない。骨髄移植(BMT)及び末梢血液幹細胞移植(PBSCT)は高用量の化学療法及び/又は放射線療法により根絶された幹細胞を回復するための操作法である。自家移植片においては、個体は自身の幹細胞を移植される。同族移植片においては、個体は遺伝学上同一の双生児に由来する幹細胞を移植される。異種移植片においては、個体は自身や遺伝学上同一の双生児とは異なる何者かに由来する幹細胞を移植される。
他の癌治療も知られている。例えば光力学的治療法(PDT)では外部の光源により活性化されて標的組織を破壊することができる光感受性の化合物又は薬剤を、典型的には経口、静脈内又は局所投与する。光感受性薬剤自体は無害であり、正常細胞から急速に離れるが、急速に増殖する細胞、例えば癌細胞にはより長時間残存する。典型的には、次にレーザーを腫瘍(又は他の癌塊)に照準し、これにより光感受性薬剤を活性化させ、それを吸収している細胞を殺傷する。光力学的治療は典型的には個体内の極めて小型の腫瘍を治療する場合に使用される。
高周波剥離法は腫瘍内へのカテーテル装置の挿入を行う最小限の侵襲を伴った治療法である。カテーテルは画像化手法によりガイドされ、そしてカテーテル先端に沿って与えられる高周波エネルギーを伝達することができる電極を包含する。カテーテル装置先端に近接する組織は高周波エネルギーに曝露され、伝達された高周波エネルギーにより生じるか熱作用から局在化した細胞毒性が生じる[Johnson et al.,J.Endourol.17(8):557−62(2003);Chang,BioMed.Eng.Onlne,2:12(2003)]。高周波剥離法は、外科的に接触できない腫瘍内にカテーテル装置を挿入できる点で好都合である。高周波剥離法は肝臓癌のような小型腫瘍を治療するために最も頻繁に使用される。
更にまた、抗血管形成療法も血液学的癌、例えば白血病、多発性骨髄腫及びリンパ腫の治療のために提案されている[Moehler et al.,Ann.Hematol.80(129:695−705(2001)]。更に又、血管形成は急性骨髄性白血病(AML)の発症において、そして、化学療法剤に対するAML芽細胞の感受性のための両方において重要であると考えられる[Glenjen et al.,Int J cancer.101(1):86−94(2002)]。即ち、血管形成を抑制することはAMLを治療するための戦略を構成することができる[Hussong et al.,Blood,95(1):309−13(2000)]。
本発明の方法はホスホイノシチド造血細胞におけるホスホイノシチド3−キナーゼデルタ(PI3Kδ)活性を選択的に阻害することに関する。以下の考察はホスホイノシチド3−キナーゼ(PI3K)に関するものである。
ホスホイノシチド3−キナーゼ(PI3K)シグナリング経路は細胞の増殖及び生存を包含する造血における多くの細胞過程を調節している(非特許文献1)。PI3Kは有糸分裂誘発に関与する主要なシグナリング経路であり(非特許文献2)、そしてヒト癌の広範な領域におけるこの経路の脱調節が報告されている(非特許文献3)。構造的には、PI3Kはp110触媒サブユニット及びp55、p85又はp101調節サブユニットよりなるヘテロ2量体の複合体として存在する。4種の異なるp110触媒サブユニットがあり、これらはp110α、p110β、p110γ及びp110δに分類される(非特許文献4、非特許文献5)。3つのクラスIAの触媒サブユニット、p110α、p110β及びp110δは受容体及び原形質シグナリング蛋白における特定のホスホリル化チロシン残基に対して高親和性を有する2Src相同性(SH2)ドメインを含有する調節p85サブユニットと堅固に関連している(非特許文献6)。p110PI3Kサブユニットのうち、p110δは造血細胞において、そしてより特異的には白血球において優先的に発現されルことがわかっている(非特許文献7)。
PI3Kはホスホイノシチドのイノシトール環へのホスフェート基の付加を触媒する(非特許文献8)。これらのホスホリル化産物の1つの標的はセリン/スレオニン蛋白キナーゼB(PKB又はAkt)である。Aktはその後数種の下流の標的、例えばBcl−2ファミリーメンバーBad及びカスパーゼ−9をホスホリル化し、これにより、それらのプロアポトーシス機能を抑制する(非特許文献9、非特許文献10)。Aktはまたフォークヘッド転写因子FKHR(FOXO3aとも称する)をホスホリル化することもわかっている(非特許文献11)。更に、アポトーシス機序の多くの他のメンバー並びに転写因子がAktのコンセンサスホスホリル化部位を含有している(非特許文献9)]。
Bouscary et al.,Blood,101:3436−3443(2003) Cantley,Science,296:1655−1657(2002) Vivanco et al.,Nat.Rev.Cancer,2:489−501(2002) Wymann et al.,Biochim.Biophys.Acta,1436:127−150(1998) Vanhaesebroeck et al.,Trends Biochem.Sci.,22:267−272(1997) Hiles et al.,Cell,70:419−429(1992) Vanhaesebroeck et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.(USA),94:4330−4335(1997) Wymann et al.,Biochim.Biophys.Acta,1436:127−150(1998) Datta et al.,Cell 91:231−41,(1997) Cardone et al.,Science 282:1318−21,(1998)] Tang et al.,J.Biol.Chem.,274:16741−6(1999)]
非選択的ホスホイノシチド3−キナーゼ(PI3K)阻害剤であるLY294002及びウオートマニンは、慢性骨髄性白血病と相対比較した場合、正常な造血先祖細胞の増殖に示差的に作用することがわかっている[Marley et al.,Br.J.Haematol.,125(4):500−511(2004)]。更に又、上記した非選択的阻害剤は正常な造血先祖細胞と相対比較して急性の骨髄性白血病細胞におけるアポトーシスを促進する[Zhao et al.,Leukemia,18(2):267−75(2004)]。
LY294002及びウオートマニンはクラスIのPI3Kの4つのメンバーの間を識別しない。例えば種々のクラスIのPI3Kの各々に対するウオートマニンのIC50値は1〜10nMの範囲である。同様にこれらのPI3Kの各々に対するLY294002のIC50値は約1μMである[Fruman et al.,Ann.Rev.Biochem.,67:481−507(1998)]。これらの阻害剤はクラスIのPI3Kに対して非選択的であるのみならず、例えばDNA依存性蛋白キナーゼ、FRAP-mTOR、平滑筋ミオシン軽鎖キナーゼ及びカゼインキナーゼ2を包含する他の酵素の強力な阻害剤でもある[Hartley et al.,Cell 82:849(1995);Davies et al.,Biochem.J.351:95(2000);Brunn et al.,EMBO J.15:5256(1996)]。
p110α、p110β、p110γ及びp110δは広範な種類の細胞型において示差的に発現されるため、非選択的PI3K阻害剤、例えばLY294002及びウオートマニンの投与は治療の標的ではない細胞型にも被害を与えることはほぼ確実である。従って、このような非選択的阻害剤の効果的な治療用量は、特にこのような非選択的阻害剤が化学療法、放射線療法、光力学的療法、高周波剥離及び/又は抗血管形成療法等を含む細胞毒性療法と組み合わせられた場合に、他の点では非標的の細胞型も同様に被害をこうむるという理由のため、臨床的には使用不可能であると予測される。
従って重要で意義のある目標は、造血細胞の異常増殖の関与する適応症を治療及び予防するより安全でより効果的な方法を開発して使用可能とすること、及び、治療プロトコルで治療される個体の臨床管理及び持続的コンプライアンスを促進する癌及び他の疾患の治療方法を提供することである。
本発明は造血細胞におけるホスホイノシチド3−キナーゼデルタ(PI3Kδ)活性を選択的に阻害することを含む、造血細胞の異常増殖を治療及び/又は予防する方法を提供する。1つの態様において、方法は造血細胞のPI3Kδ活性を阻害するために有効なPI3Kδ選択的阻害剤の量を投与することを含む。別の態様において、PI3Kδ選択的阻害剤は造血細胞におけるAktホスホリル化を抑制するために有効量で投与される。更に別の態様において、PI3Kδ選択的阻害剤は造血細胞におけるFOXO3aホスホリル化を抑制するために有効量で投与される。更に別の態様において,PI3Kδ選択的阻害剤は造血細胞におけるGAB1ホスホリル化を抑制するために有効量で投与される。更に別の態様において,PI3Kδ選択的阻害剤は造血細胞におけるGAB2ホスホリル化を抑制するために有効量で投与される。
1つの態様において、方法はエクスビボで実施される。別の態様において、方法ハインビボで実施される。方法は一般的にリンパ様および/または骨髄様先祖細胞の異常増殖の関与する何れかの適応症を治療するために使用してよい。1つの態様において、適応症は急性リンパ芽細胞性白血病;急性骨髄性白血病;慢性リンパ性白血病;慢性骨髄性白血病;有毛細胞白血病;真性赤血球増加症;慢性特発性骨髄線維症;本態性血小板減少症;不応性貧血;環状のシデロブラストを伴った不応性貧血;過剰な芽細胞を伴った不応性貧血;形質転換過剰芽細胞を伴った不応性貧血;ホジキンリンパ腫;B細胞リンパ腫;バーキットリンパ腫;播種性細胞リンパ腫;濾胞性リンパ腫;免疫芽大細胞リンパ腫;リンパ芽細胞リンパ腫;マントル細胞リンパ腫;菌状息肉腫;移植後のリンパ増殖性障害;小型非分割細胞リンパ腫;T細胞リンパ腫;及びプラズマ細胞新生物からなる群から選択される。方法は造血細胞においてPI3K経路が構成的に活性化される場合に特に有効である。
方法は更に、ラパマイシンの哺乳類標的(mTOR)阻害剤の投与を含む。本実施形態の1つの態様において、mTOR阻害剤はラパマイシン、FK506、シクロスポリンA(CsA)及びエべロリムスからなる群から選択される。
別の実施形態において、本発明は白血病性細胞におけるホスホイノシチド3−キナーゼデルタ(PI3Kδ)活性を選択的に阻害することを含む、白血病を治療及び/又は予防する方法を提供する。1つの態様において、方法は白血病性細胞のPI3Kδ活性を阻害するために有効なPI3Kδ選択的阻害剤の量を投与することを含む。別の態様において、PI3Kδ選択的阻害剤は白血病性細胞におけるAktホスホリル化を抑制するために有効量で投与される。更に別の態様において、PI3Kδ選択的阻害剤は白血病性細胞におけるFOXO3aホスホリル化を抑制するために有効量で投与される。更に別の態様において,PI3Kδ選択的阻害剤は白血病性細胞におけるGAB1ホスホリル化を抑制するために有効量で投与される。更に別の態様において,PI3Kδ選択的阻害剤は白血病性細胞におけるGAB2ホスホリル化を抑制するために有効量で投与される。
1つの態様において、方法はエクスビボで実施される。別の態様において、方法ハインビボで実施される。方法は一般的にリンパ様および/または骨髄様先祖細胞の異常増殖の関与する何れかの適応症を治療するために使用してよい。1つの態様において、適応症は急性リンパ芽細胞性白血病;急性骨髄性白血病;慢性リンパ性白血病;慢性骨髄性白血病;有毛細胞白血病からなる群から選択される。方法は造血細胞においてPI3K経路が構成的に活性化される場合に特に有効である。
方法は更に、ラパマイシンの哺乳類標的(mTOR)の阻害剤の投与を含む。本実施形態の1つの態様において、mTOR阻害剤ラパマイシン、FK506、シクロスポリンA(CsA)及びエベロリムスからなる群から選択される。
造血細胞は典型的にはリンパ様先祖細胞又は骨髄様先祖細胞の何れかに分化し、これらは両方とも最終的には種々の成熟細胞、例えば白血球に分化する。1つの型の造血細胞の異常増殖は他の造血細胞型の生産又は生存性を妨害する場合が多く、これは貧血及び/又は血小板減少症をもたらす場合がある。本発明の方法は造血細胞の異常増殖を抑制することにより造血細胞の異常増殖を治療及び/又は予防する。
本発明は造血細胞におけるホスホイノシチド3−キナーゼデルタ(PI3Kδ)活性を選択的に阻害することを含む、造血細胞の異常増殖を治療及び/又は予防する方法を提供する。即ち、本発明の方法はPI3Kδを選択的に活性化する経路における上流の標的を抑制することにより造血細胞の異常増殖を治療及び/又は予防することを包含する。本実施形態の1つの態様において、方法は造血細胞のPI3Kδ活性を抑制するために有効なPI3Kδ選択的阻害剤の量を投与することを含む。
本明細書においては、「異常増殖」という用語は正常、適切又は予測される過程から逸脱した細胞増殖を意味する。例えば、異常な細胞増殖は自身のDNA又は他の細胞成分が損傷又は欠損している細胞の不適切な増殖を包含してよい。異常な細胞増殖は、自身の特徴が、不適切に高水準の細胞分裂、不適切に低水準のアポトーシス又は両方により誘発されるか、媒介されるか、又はこれをもたらす適応症に関連しているような、細胞増殖を包含してよい。このような適応症は例えば、癌性、非癌性、良性又は悪性に関わらず、細胞、細胞群又は組織の単一又は多重の局所的な異常増殖を特徴とする。
本明細書においては、「造血細胞」という用語は一般的に血液細胞、例えばリンパ様先祖細胞、骨髄様先祖細部尾、ナチュラルキラー細胞、T細胞、B細胞、赤血球、巨核球、単球、マクロファージ及び顆粒球、例えば好中球、好酸球及び好塩基球を指す。
本明細書においては、「ホスホイノシチド3−キナーゼデルタ(PI3Kδ)活性を選択的に阻害する」という用語は、一般的に、PI3Kファミリーの他のアイソザイムよりも効果的にPI3Kδアイソザイムの活性を阻害することを指す。同様に「PI3Kδ選択的阻害剤」という用語は一般的に、PI3Kファミリーの他のアイソザイムよりも効果的にPI3Kδアイソザイムの活性を阻害する化合物を指す。従ってPI3Kδ選択的阻害剤化合物は「非選択的PI3K阻害剤」であるウオートマニン及びLY294002のような従来のPI3K阻害剤よりもPI3Kδに対してより選択性がある。
本明細書においては、「有効量」という用語は所望の、又は記載された作用を得るために十分な用量を意味する。
本発明の方法は一般的に造血細胞の異常増殖が関与する適応症を治療及び/又は予防するために使用してよい。従って、方法はリンパ様および/または骨髄様の先祖細胞の異常増殖が関与する適応症、例えば、白血病、例えば急性リンパ芽細胞性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病および有毛細胞白血病;骨髄増殖性障害、例えば真性赤血球増加症、慢性特発性骨髄線維症及び本態性血小板減少症;骨髄形成異常症候群、例えば不応性貧血、環状のシデロブラストを伴った不応性貧血、過剰な芽細胞を伴った不応性貧血及び形質転換過剰芽細胞を伴った不応性貧血;リンパ腫、例えばホジキンリンパ腫及び非ホジキンリンパ腫、例えばB細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、播種性細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、免疫芽大細胞リンパ腫、リンパ芽細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、菌状息肉腫、移植後のリンパ増殖性障害、小型非分割細胞リンパ腫及びT細胞リンパ腫;及びプラズマ細胞新生物、例えば骨髄腫を治療及び/又は予防するために用いてよい。
別の実施形態において、本発明は白血病性細胞におけるホスホイノシチド3−キナーゼデルタ(PI3Kδ)活性を選択的に阻害することを含む、白血病を治療及び/又は予防する方法を提供する。本実施形態の1つの態様において、方法は造血細胞のPI3Kδ活性を阻害するために有効なPI3Kδ選択的阻害剤の量を投与することを含む。
本明細書においては、「白血病」という用語は一般的に血液及び/又は骨髄中の白血球及び/又は白血球前駆体の少なくとも1つの型の数が非制御に増大することを特徴とする癌を指す。白血病、例えば急性リンパ芽細胞性白血病(ALL);急性骨髄性白血病(AML);慢性リンパ性白血病(CLL);慢性骨髄性白血病(CML)および有毛細胞白血病は意図される。「白血病性細胞」は典型的には上記した白血病の細胞を含む。
PI3K経路は異常に増殖している造血細胞において構成的に活性化される。本実施形態の1つの態様において、正常な造血細胞(即ち非異常増殖造血細胞)と相対比較して未投与の異常増殖造血細胞においてより高い水準のホスホリル化Akt蛋白が存在する。別の態様において、各々正常な造血細胞と相対比較して、未投与の異常増殖造血細胞においてより高い水準のホスホリル化FOXO3a蛋白が存在し、及び/又は未投与の異常増殖造血細胞においてより高い水準のホスホリル化GAB1蛋白又はホスホリル化GAB2蛋白が存在する。
即ち、1つの態様において、PI3Kδ選択的阻害剤は、異常増殖造血細胞におけるAktホスホリル化を抑制するために有効量で投与される。別の態様においては、PI3Kδ選択的阻害剤は、異常増殖造血細胞におけるFOXO3aホスホリル化を抑制するために有効量で投与される。更に別の態様においては、PI3Kδ選択的阻害剤は、異常増殖造血細胞におけるGAB1ホスホリル化及び/又はGAB2ホスホリル化を抑制するために有効量で投与される。
別の実施形態において本発明の方法は更に、ラパマイシン哺乳類標的(mTOR)阻害剤を投与することを含む。本実施形態の1つの態様において、mTOR阻害剤はラパマイシンである。使用してよい他のmTOR阻害剤はFK506、シクロスポリンA(CsA)及びエベロリムスを包含する。
前述したとおり「PI3Kδ選択的阻害剤」という用語は一般的にPI3Kファミリーの他のアイソザイムよりも効果的にPI3Kδアイソザイムの活性を阻害する化合物を指す。酵素活性(又は他の生物学的活性)の阻害剤としての化合物の相対的有効性は各化合物が所定の程度まで活性を阻害する濃度を測定すること、及び、次に結果を比較することにより明らかにすることができる。典型的には、好ましい測定は生化学的試験において活性を50%抑制する濃度、即ち50%阻害濃度、つまり「IC50」である。IC50の測定は当該分野で知られた従来の手法を用いて行うことができる。一般的にIC50は試験下における阻害剤のある範囲の濃度の存在下において所定の酵素の活性を測定することにより求めることができる。次に実験的に得られた酵素活性値を使用した阻害剤濃度に対してプロットする。50%酵素活性(如何なる阻害剤も非存在下における活性と比較した場合)を示す阻害剤濃度をIC50値とする。同様に、他の阻害剤濃度も適切な活性測定を介して明らかにすることができる。例えば、一部の設定においては、90%阻害濃度、つまり「IC90」等を求めることが望ましい場合がある。
従って、PI3Kδ選択的阻害剤は、他のクラスIのPI3Kファミリーメンバーの何れか又は全てに関する50%阻害濃度(IC50)よりも、少なくとも10倍、別の態様では少なくとも20倍、そして更に別の態様では少なくとも30倍、低値であるPI3Kδに関するIC50を示す化合物を指すものとする。本発明の別の実施形態においては、PI3Kδ選択的阻害剤という用語は、他のクラスIのPI3Kファミリーメンバーの何れか又は全てに関するIC50よりも、少なくとも50倍、他の態様では少なくとも100倍、別の態様では少なくとも200倍、そして更に別の態様では少なくとも500倍、低値であるPI3Kδに関するIC50を示す化合物を指すものとする。PI3Kδ選択的阻害剤は典型的には上記した通りPI3Kδ活性を選択的に阻害するような量で投与される。
PI3Kδ活性の何れかの選択的阻害剤、例えば小分子阻害剤、ペプチド阻害剤、非ペプチド阻害剤、天然に存在する阻害剤及び合成の阻害剤を方法において使用してよい。適当なPI3Kδ選択的阻害剤は参照により全体が本明細書に組み込まれるSadhu等への米国特許公開2002/161014に記載されている。PI3Kδとの結合に関して本明細書に記載したPI3Kδ阻害剤化合物と競合し、選択的にPI3Kδを阻害する化合物もまた本発明の方法における使用に関して意図される。本発明において特に提供されるPI3Kδ選択的阻害剤化合物に関して、PI3Kδと競合的に結合する化合物を発見する方法は当該分野でよく知られている[例えばColigan et al.,Current Protocols in Protein Science,A.5A.15-20,vol.3(2002)を参照できる]。従って上記開示に鑑みれば、PI3Kδ選択的阻害剤は、本明細書に開示した特定のPI3Kδ選択的阻害剤化合物、同様の阻害特性を有する化合物、及びPI3Kδへの結合に関してこのようなPI3Kδ選択的阻害剤化合物と競合する化合物、及び各々の場合においてそのコンジュゲート及び誘導体を包含する。
本発明の方法はインビボ又はエクスビボの細胞集団に適用してよい。「インビボ」とは生存している個体内部、例えば動物又はヒトの内部を意味する。この意味において、本発明の方法は後述するように個体内において治療上使用してよい。方法は又、本発明の方法により治療可能な所定の適応症に関連する特定の危険因子が存在する場合、特に2つ以上のかかる危険因子が存在する場合等に、予防的に使用してよい。多くのこのような危険因子は個体の再発の危険に関わるものである。再発の危険性の高い個体は例えば染色体3、5及び/又は7の関与する染色体異常を有する個体を包含する。他の危険因子は、例えば造血細胞の異常増殖に関与する適応症を診断されている近親者を有すること;ダウン症候群又は他の異常染色体により誘発される疾患を有すること;ベンゼン及び/又は他の有機溶媒への反復又は多大な曝露;高い線量のイオン化放射線への曝露;特定の化学療法剤を含む治療を受けたこと;妊娠中に診断用X線に曝露されたこと;ヒトT細胞白血病ウィルスによる感染;及び喫煙及び/又はタバコの煙への多大な曝露を包含する。予防的治療の正当な理由となることを示す別の危険因子は当該分野で知られており、および/または担当医が容易に決定してよいものである。
「エクスビボ」とは生存個体の外部を意味する。エクスビボの細胞集団の例はインビトロの細胞培養物及び生物学的試料、例えば個体から得た液体又は組織の試料を包含する。このような試料は当該分野でよく知られた方法により得てよい。例示される生物学的液体試料は血液、脳脊髄液、尿、唾液を包含する。例示される組織試料は腫瘍及びその生検試料である。この意味において、本発明は治療及び実験目的を包含する種々の目的のために使用してよい。例えば、本発明は所定の適応症、細胞型、個体及び他のパラメーターに対してPI3Kδ選択的阻害剤の投与の旨適な日程及び/又は用量を決定するためにエクスビボで使用してよい。そのような使用から収集されたデータは実験目的のために、又は、インビボの治療のためのプロトコルを設定するために院内において使用してよい。本発明が適する他のエクスビボ用途は後述するもの及び当業者のよく知るとおりである。
本発明により治療できる造血細胞の異常増殖の関与する上記した適応症の一部の動物モデルは、例えば、ヒトALL細胞を注射された非肥満糖尿病重度合併免疫不全(NOD/scid)マウス(ALLモデル);ヒトALL細胞(例えばHPB-ALL細胞)を注射された無胸腺(mu/mu)ヌードラット(ALLモデル);ヒトCMS細胞を注射されたNOD/scidマウス(CMLモデル);同系交配Sprague-Dawley/Charles University Biology(SC/Cub)ラット(自発的T細胞リンパ腫/白血病モデル);Emu即早期応答遺伝子X-1(IEX-1)マウス(T細胞リンパ腫モデル);カニクイザルエプスタイン・バーウィルスを注射されたウサギ(T細胞リンパ腫モデル);ヘルペスウイルスパピオを注射されたウサギ(T細胞リンパ腫モデル);p210bcr/ablを発現するトランスジェニックマウス(創始マウス、ALLモデル;先祖マウス、CMLモデル);U266細胞を注射されたNOD/scid/gammac null(NOG)マウス(多発性骨髄腫モデル);及び5T33細胞を注射されたC57B1/KaLwRijマウス(多発性骨髄腫モデル)を包含する。
本発明の治療方法はヒトの医療及び家畜の医療の分野において有用である。即ち、治療すべき個体は哺乳類、好ましくはヒト又は他の動物であってよい。家畜用の目的のためには、個体は例えば牧場動物、例えばウシ、ヒツジ、ブタ、ウマ及びヤギ;ペット、例えばイヌ及びネコ;外来種及び/又は動物園の動物;実験動物、例えばマウス、ラット、ウサギ、モルモット及びハムスター;及び家禽類、例えばニワトリ、シチメンチョウ、アヒル及びガチョウを包含する。
本発明の方法は更に放射線療法の施療を含んでよい。放射線療法は当該分野でよく知られている[Hellman,Cancer:Principles and Practice of Oncology,248−275,4th ed.,vol.1(1993)]。1つの態様において、放射線療法は身体外部から行う(「外部線束照射療法」)。別の態様において、放射線療法は腫瘍の内部又は近傍、又は癌細胞の近傍領域内に放射線を生じることができる放射活性物質を入れることにより行う。放射線を用いる方法においては、外部放射線は典型的には、約1.8Gy/日〜約3Gy/日の量において、総線量30〜70Gyまで個体に照射し、総線量は約2〜約7週間の期間に渡り照射される。
本発明の方法はPI3Kδ選択的阻害剤を、阻害剤の活性を増強するか、その治療におけるその活性又は用途を補充する1つ以上の他の薬剤とともに投与することを包含する。このような付加的な因子及び/又は薬剤は、PI3Kδ選択的阻害剤と共に投与されると、増強された、又は相乗作用の効果をもたらすか、又は副作用を最小限とする場合がある。
1つの実施形態において、本発明の方法はPI3Kδ選択的阻害剤の投与の前、最中又はの地に、特定のサイトカイン、リンホカイン、他の造血因子、血栓溶解又は抗血栓因子、又は抗炎症剤と共に本発明のPI3Kδ選択的阻害剤を含む製剤を投与することを包含してよい。特定のサイトカイン、リンホカイン、造血因子、血栓溶解又は抗血栓因子及び/又は抗炎症剤は治療においてPI3Kδ選択的阻害剤の活性又は用途を増強又は補充するかどうかは、当業者であれば容易に判断することができる。
より詳細には、本発明の方法はPI3Kδ選択的阻害剤をTNF、IL-1、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8、IL-9、IL-10、IL-11、IL-12、IL-13、IL-14、IL-15、IL-16、IL-17、IL-18、IFN、G-CSF、Meg-CSF、GM-CSF、トロンボポエチン、幹細胞因子及びエリスロポエチンの1つ以上と共に投与することを含んでよい。本発明の組成物はまた他の知られたアンジオポエチン、例えばAng-2、Ang-3およびAng-Y、成長因子、例えば骨形態発生蛋白−1、骨形態発生蛋白−2、骨形態発生蛋白−3、骨形態発生蛋白−4、骨形態発生蛋白−5、骨形態発生蛋白−6、骨形態発生蛋白−7、骨形態発生蛋白−8、骨形態発生蛋白−9、骨形態発生蛋白−10、骨形態発生蛋白−11、骨形態発生蛋白−12、骨形態発生蛋白−13、骨形態発生蛋白−14、骨形態発生蛋白−15、骨形態発生蛋白受容体1A、骨形態発生蛋白受容体IB、脳誘導好中球因子、毛様体好中球因子、毛様体好中球因子受容体α、サイトカイン誘導好中球化学走性因子1、サイトカイン誘導好中球化学走性因子2α、サイトカイン誘導好中球化学走性因子2β、β内皮細胞成長因子、エンドセリン1、表皮成長因子、表皮誘導好中球誘引物質、線維芽細胞成長因子4、線維芽細胞成長因子5、線維芽細胞成長因子6、線維芽細胞成長因子7、線維芽細胞成長因子8、線維芽細胞成長因子8b、線維芽細胞成長因子8c、線維芽細胞成長因子9、線維芽細胞成長因子10、線維芽細胞成長因子酸性、線維芽細胞成長因子塩基性、グリア細胞誘導好中球因子受容体α1、グリア細胞誘導好中球因子受容体α2、成長関連蛋白、成長関連蛋白α、成長関連蛋白β、成長関連蛋白γ、ヘパリン結合表皮成長因子、肝細胞成長因子、肝細胞成長因子受容体、インスリン様成長因子1、インスリン様成長因子受容体、インスリン様成長因子II、インスリン様成長因子結合蛋白、ケラチノサイト成長因子、白血病阻害因子、白血病阻害因子受容体α、神経成長因子、神経成長因子受容体、ニューロトロフィン−3、ニューロトロフィン−4、胎盤成長因子、胎盤成長因子2、血小板誘導内皮細胞成長因子、血小板誘導成長因子、血小板誘導成長因子A鎖、血小板誘導成長因子AA、血小板誘導成長因子AB、血小板誘導成長因子B鎖、血小板誘導成長因子BB、血小板誘導成長因子受容体α、血小板誘導成長因子受容体β、前B細胞成長刺激因子、幹細胞因子、幹細胞因子受容体、形質転換成長因子α、形質転換成長因子β、形質転換成長因子β1、形質転換成長因子β1.2、形質転換成長因子β2、形質転換成長因子β3、形質転換成長因子β5、潜在形質転換成長因子β1、形質転換成長因子β結合蛋白1、形質転換成長因子β結合蛋白II、形質転換成長因子β結合蛋白III、腫瘍壊死因子受容体I型、腫瘍壊死因子受容体II型、ウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化物質受容体及びそのキメラ蛋白及び生物学的又は免疫学的に活性なフラグメントを含んでよい。
更に又、限定しないが、本発明の方法は、1つ以上の化学療法剤、例えばアルキル化剤、挿入剤、代謝拮抗剤、天然産物、生物学的反応修飾物質、種々の薬剤及びホルモン及び拮抗剤と共にPI3Kδ選択的阻害剤を投与することを含んでよい。本発明の方法において使用するためのアルキル化剤は、例えば窒素マスタード、例えばメクロレタミン、シクロホスファミド、イフォスファミド、メルファラン及びクロラムブシル、ニトロソ尿素、例えばカルムスチン(BCNU)、ロムスチン(CCNU)及びセムスチン(メチルCCNU)、エチレンイミン/メチルメラミン、例えばトリエチレンメラミン(TEM)、トリエチレンチオホスホラミド(チオテパ)及びヘキサメチルメラミン(HMM、アルトレタミン)、アルキルスルホネート、例えばブスルファン、及びトリアジン類、例えばデカルバジン(DTIC)を包含する。代謝拮抗物質は例えば、葉酸類縁体(例えばメトトレキセート、トリメトレキセート及びペメトレキセド2ナトリウム)、ピリミジン類縁体(例えば5−フルオロフラシル、フルオロデオキシウリジン、ゲムシタビン、シトシンアラビノシド(AraC、シタラビン)、5−アザシチジンおよび2,2−ジフルオロデオキシシチジン)及びプリン類縁体(例えば6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、アザチオプリン、2'−デオキシコホルマイシン(ペントスタチン)、エリスロヒドロキシノニルアデニン(EHNA)、フルダラビンホスフェート及び2−クロロデオキシアデノシン(クラドリビン、2−CdA)を包含する。本発明の方法において使用するための挿入剤は例えば臭化エチジウム及びアクリジンを包含する。本発明の方法において使用するための天然産物は例えば抗有糸分裂剤、例えばパクリタキセル、ドセタキセル、ビンカアルカロイド(例えばビンブラスチン(VBL)、ビンクリスチン、ビンデシン及びビノレルビン)、タキソテール、エストラムスチン及びエストラムスチンホスフェートを包含する。本発明の方法において使用するためのその他の天然産物は例えばエピポドフィロトキシン、例えばエトポシド及びテニポシド、抗生物質、例えばアクチノマイシンD、ダウノマイシン(ルビドマイシン)、ドキソルビシン、ミトキサントロン、イダルビシン、ブレオマイシン、プリカマイシン(ミスラマイシン)、マイトマイシンC、ダクチノマイシン及びアクチノマイシンD及び酵素類、例えばL−アスパラギナーゼを包含する。本発明の方法において使用するための生物学的反応修飾物質は例えばインターフェロン−アルファ、IL-2、G-CSF及びGM-CSFを包含する。本発明の方法において使用するための種々の薬剤は、例えば、白金配位複合体、例えばシスプラチン及びカルボプラチン、アントラセンジオン類、例えばミトキサントロン、置換尿素、例えばヒドロキシ尿素、メチルヒドラジン誘導体、例えばN−メチルヒドラジン(MIH)及びプロカルバジン、及び、副腎皮質抑制剤、例えばミトタン(o,p-DDD)及びアミノグルテチミドを包含する。本発明の方法において使用するためのホルモン及び拮抗剤は例えば副腎皮質ステロイド/拮抗剤、例えばプレドニソン、デキサメタゾン及びアミノグルテチミド、プロゲスチン類、例えばヒドロキシプロゲステロンカプロエート、メドロキシプロゲステロンアセテート及びメゲストロールアセテート、エストロゲン類、例えばジエチルスチルベストロール及びエチニルエストラジオール、抗エストロゲン類、例えばタモキシフェン、アンドロゲン類、例えばテストステロンプロピオネート及びフルオキシメステロン、抗アンドロゲン類、例えばフルタミド、ゴナドトロピン放出ホルモン類縁体及びロイプロリド及び非ステロイド抗アンドロゲン類、例えばフルタミドを包含する。
1つの態様において、化学療法剤はDNA損傷化学療法剤である。本発明の方法における使用を意図する特定の種類のDNA損傷化学療法剤は、例えばアルキル化剤及び挿入剤を包含する。
本発明の方法は又、光力学療法プロトコルと組み合わせてPI3Kδ選択的阻害剤を投与することを含むことができる。典型的には、光感受性剤を経口、静脈内又は局所投与し、そして次に外部線源により活性化する。本発明の方法において使用するための光感受性剤は例えば、ソラレン、ルテチウムテキサフィリン(Lutex)、ベンゾポルフィリン誘導体(PBD)、例えばベルテポルフィン及びフォトフィリンポルフィマーナトリウム(PH9、フタロシアニン類及びその誘導体を包含する。光感受性剤を活性化するためには典型的にはレーザーが使用される。発光ダイオード(LED)及び蛍光光源もまた使用できるが、これらはより長期の治療時間をもたらす。
更に又、限定しないが、本発明の方法はPI3Kδ選択的阻害剤、少なくとも1種の抗血管形成財、例えばプラスミノーゲンフラグメント、例えばアンジオスタチン及びエンドスタチン;制血管性ステロイド、例えばスクアラミン;マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤、例えばBay-129566;抗血管内皮細胞成長因子(抗VEGF)アイソフォーム抗体;抗VEGF受容体抗体;VEGFアイソフォーム及びその受容体をターゲティングする阻害剤;成長因子(例えばVEGF、PDGF、FGF)受容体チロシンキナーゼ触媒活性の阻害剤、例えばSU11248;FGF生産の阻害剤、例えばインターフェロンアルファ;メチオニンアミノペプチダーゼ−2の阻害剤、例えばTNP-470;銅還元剤、例えばテトラチオモリブデート;FGFトリガー血管形成の阻害剤、例えばサリドマイド及びその類縁体;血小板因子4;及びトロンボスポンジンを投与することを含む。
更にまた、本発明の方法は骨髄移植(BMT)及び/又は末梢血液幹細胞移植(PBSCT)の処置を更に含む。移植片は自家移植片、同族移植片又は異種移植片であってもよい。
本発明の方法は下記式(I):
[式中、Aは少なくとも2個の窒素原子を含有する、任意で置換された単環又は2環の環系であり、この系の少なくとも1個の環は芳香族であり;
XはC(Rb2、CH2CHRb及びCH=C(Rb)からなる群から選択され;
Yは非存在、S、SO、SO2、NH、O、C(=O)、OC(=O)、C(=O)OおよびNHC(=O)CH2Sからなる群から選択され;
R1及びR2は独立して、水素、C1−6アルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、NHC(=O)C1−3アルキレンN(Ra2、NO2、ORa、CF3、OCF3、N(Ra2、CN、OC(=O)Ra、C(=O)Ra、C(=O)ORa、アリールORb、Het、NRaC(=O)C1−3アルキレンC(=O)ORa、アリールOC1−3アルキレンN(Ra2、アリールOC(=O)Ra、C1−4アルキレンC(=O)ORa、OC1−4アルキレンC(=O)ORa、C1−4アルキレンOC1−4アルキレンC(=O)ORa、C(=O)NRaSO2Ra、C1−4アルキレンN(Ra2、C2−6アルケニレンN(Ra2、C(=O)NRaC1−4アルキレンORa、C(=O)NRaC1−4アルキレンHet、OC2−4アルキレンN(Ra2、OC1−4アルキレンCH(ORb)CH2N(Ra2、OC1−4アルキレンHet、OC2−4アルキレンORa、OC2−4アルキレンNRaC(=O)ORa、NRaC1−4アルキレンN(Ra2、NRaC(=O)Ra、NRaC(=O)N(Ra2、N(SO2C1−4アルキル)2、NRa(SO2C1−4アルキル)、SO2N(Ra2、OSO2CF3、C1−3アルキレンアリール、C1−4アルキレンHet、C1−6アルキレンORb、C1−3アルキレンN(Ra2、C(=O)N(Ra2、NHC(=O)C1−3アルキレンアリール、C3−8シクロアルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル、アリールOC1−3アルキレンN(Ra2、アリールOC(=O)Rb、NHC(=O)C1−3アルキレンC3−8ヘテロシクロアルキル、NHC(=O)C1−3アルキレンHet、OC1−4アルキレンOC1−4アルキレンC(=O)ORb、C(=O)C1−4アルキレンHet及びNHC(=O)ハロC1−6アルキルからなる群から選択されるか;
又は、R1及びR2は一緒になって、任意で少なくとも1個のヘテロ原子を含有する5又は6員環の3又は4員のアルキレン又はアルケニレン鎖成分を形成し;
R3は任意で置換された水素、C1−6アルキル、C3−8シクロアルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル、C1−4アルキレンシクロアルキル、C2−6アルケニル、C1−3アルキレンアリール、アリールC1−3アルキル、C(=O)Ra、アリール、ヘテロアリール、C(=O)ORa、C(=O)N(Ra2、C(=S)N(Ra2、SO2Ra、SO2N(Ra2、S(=O)Ra、S(=O)N(Ra2、C(=O)NRaC1−4アルキレンORa、C(=O)NRaC1−4アルキレンHet、C(=O)C1−4アルキレンアリール、C(=O)C1−4アルキレンヘテロアリール、任意で1個以上のハロで置換されたC1−4アルキレンアリール、SO2N(Ra2、N(Ra2、C(=O)ORa、NRaSO2CF3、CN、NO2、C(=O)Ra、ORa、C1−4アルキレンN(Ra2およびOC1−4アルキレンN(Ra2、C1−4アルキレンヘテロアリール、C1−4アルキレンHet、C1−4アルキレンC(=O)C1−4アルキレンアリール、C1−4アルキレンC(=O)C1−4アルキレンヘテロアリール、C1−4アルキレンC(=O)Het、C1−4アルキレンC(=O)N(Ra2、C1−4アルキレンORa、C1−4アルキレンNRaC(=O)Ra、C1−4アルキレンOC1−4アルキレンORa、C1−4アルキレンN(Ra2、C1−4アルキレンC(=O)ORaおよびC1−4アルキレンOC1−4アルキレンC(=O)ORaからなる群から選択され;
Raは水素、C1−6アルキル、C3−8シクロアルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル、C1−3アルキレンN(Rc2、アリール、アリールC1−3アルキル、C1−3アルキレンアリール、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1−3アルキル及びC1−3アルキレンヘテロアリールからなる群から選択されるか;
又はRa基2個が一緒になって任意で少なくとも1個のヘテロ原子を含有する5又は6員の環を形成し;
Rbは水素、C1−6アルキル、ヘテロC1−3アルキル、C1−3アルキレンヘテロC1−3アルキル、アリールヘテロC1−3アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールC1−3アルキル、ヘテロアリールC1−3アルキル、C1−3アルキレンアリール及びC1−3アルキレンヘテロアリールからなる群から選択され;
Rcは水素、C1−6アルキル、C3−8シクロアルキル、アリール及びヘテロアリールからなる群から選択され;そして、
Hetは酸素、窒素及びイオウからなる群から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有し、任意でC1−4アルキル又はC(=O)ORaで置換されている飽和、又は部分的もしくは完全に不飽和の5又は6員の複素環である]を有するPI3Kδ選択的阻害剤又は製薬上許容しうるその塩又は溶媒和物の使用を意図する。
本明細書においては、「アルキル」という用語は記載された数の炭素原子を含有する直鎖又は分枝鎖の炭化水素基、典型的にはメチル、エチル、及び、直鎖又は分枝鎖のプロピル及びブチル基として定義される。炭化水素器は炭素原子16個まで、例えば炭素原子1〜8個を含有できる。「アルキル」という用語は「架橋アルキル」即ち、C6−C16の2環又は多環の炭化水素基、例えばノルボルニル、アダマンチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル又はデカヒドロナフチルを包含する。「シクロアルキル」という用語は環状のC3−C8炭化水素基、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロヘキシル及びシクロペンチルとして定義される。
「アルケニル」という用語は炭素−炭素二重結合を含有する以外は「アルキル」と同様に定義される。「シクロアルケニル」は、炭素−炭素二重結合が環内に存在する以外はシクロアルキルと同様に定義される。
「アルキレン」という用語は置換基を有するアルキル基として定義される。例えば「C1−3アルキレンアリール」という用語は炭素原子1〜3個を含有し、アリール基で置換されたアルキル基を指す。
「ヘテロC1−3アルキル」という用語はO、S及びNRaから選択されるヘテロ原子を更に含有するC1−3アルキル基として定義され、例えば−CH2OCH3又は−CH2CH2SCH3である。「アリールヘテロC1−3アルキル」という用語はヘテロC1−3アルキル置換基を有するアリール基を指す。
「ハロ」又は「ハロゲン」という用語はフッ素、臭素、塩素及びヨウ素を包含するものとして本明細書においては定義する。
「アリール」という用語は単独又は組み合わせにおいて、本明細書においては単環又は多環の芳香族基として定義され、例えばフェニル又はナフチルである。特段の記載が無い限り、「アリール」基は未置換であるか、例えば1個以上、特に1〜3個のハロ、アルキル、フェニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ハロアルキル、ニトロ及びアミノで置換されることができる。例示されるアリール基は、フェニル、ナフチル、ビフェニル、テトラヒドロナフチル、クロロフェニル、フルオロフェニル、アミノフェニル、メチルフェニル、メトキシフェニル、トリフルオロメチルフェニル、ニトロフェニル、カルボキシフェニル等を包含する。「アリールC1−3アルキル」及び「ヘテロアリールC1−3アルキル」という用語はC1−3アルキル置換基を有するアリール又はヘテロアリールとして定義される。
「ヘテロアリール」という用語は本明細書においては、芳香族環1個又は2個を含有し、そして芳香族環内に窒素、酸素又はイオウ原子を少なくとも1個を含有する単環又は2環の環系として定義され、これは未置換であるか、又は、例えば1個以上、特に1〜3個の置換基、例えば、ハロ、アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ハロアルキル、ニトロ及びアミノで置換されていることができる。ヘテロアリール基の例は、チエニル、フリル、ピリジル、オキサゾリル、キノリル、イソキノリル、インドリル、トリアゾリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、イミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、チアゾリル及びチアジアゾリルを包含する。
「Het」という用語は本明細書においては、酸素、窒素及びイオウからなる群から選択されるヘテロ原子1つ以上を含有する単環、2環及び3環の基として定義される。「Het」基は又環に結合したオキソ基(=O)を含有できる。Het基の非限定的な例は1,3−ジオキソラン、2−ピラゾリン、ピラゾリジン、ピロリジン、ピペラジン、ピロリン、2H−ピラン、4H−ピラン、モルホリン、チオホリン、ピペリジン、1,4−ジチアン及び1,4−ジオキサンを包含する。
或いは、PI3Kδ選択的阻害剤は下記式(II):
[式中、R4、R5、R6及びR7は独立して、水素、C1−6アルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、NHC(=O)C1−3アルキレンN(Ra2、NO2、ORa、CF3、OCF3、N(Ra2、CN、OC(=O)Ra、C(=O)Ra、C(=O)ORa、アリールORb、Het、NRaC(=O)C1−3アルキレンC(=O)ORa、アリールOC1−3アルキレンN(Ra2、アリールOC(=O)Ra、C1−4アルキレンC(=O)ORa、OC1−4アルキレンC(=O)ORa、C1−4アルキレンOC1−4アルキレンC(=O)ORa、C(=O)NRaSO2Ra、C1−4アルキレンN(Ra2、C2−6アルケニレンN(Ra2、C(=O)NRaC1−4アルキレンORa、C(=O)NRaC1−4アルキレンHet、OC2−4アルキレンN(Ra2、OC1−4アルキレンCH(ORb)CH2N(Ra2、OC1−4アルキレンHet、OC2−4アルキレンORa、OC2−4アルキレンNRaC(=O)ORa、NRaC1−4アルキレンN(Ra2、NRaC(=O)Ra、NRaC(=O)N(Ra2、N(SO2C1−4アルキル)2、NRa(SO2C1−4アルキル)、SO2N(Ra2、OSO2CF3、C1−3アルキレンアリール、C1−4アルキレンHet、C1−6アルキレンORb、C1−3アルキレンN(Ra2、C(=O)N(Ra2、NHC(=O)C1−3アルキレンアリール、C3−8シクロアルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル、アリールOC1−3アルキレンN(Ra2、アリールOC(=O)Rb、NHC(=O)C1−3アルキレンC3−8ヘテロシクロアルキル、NHC(=O)C1−3アルキレンHet、OC1−4アルキレンOC1−4アルキレンC(=O)ORb、C(=O)C1−4アルキレンHet及びNHC(=O)ハロC1−6アルキルからなる群から選択され;
R8は水素、C1−6アルキル、ハロ、CN、C(=O)Ra及びC(=O)ORaからなる群から選択され;
X1はCH(即ち水素原子を自身に連結して有する炭素原子)及び窒素からなる群から選択され;
Raは水素、C1−6アルキル、C3−8シクロアルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル、C1−3アルキレンN(Rc2、アリール、アリールC1−3アルキル、C1−3アルキレンアリール、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1−3アルキル及びC1−3アルキレンヘテロアリールからなる群から選択されるか;
又は2個のRa基が一緒になって任意で少なくとも1個のヘテロ原子を含有する5又は6員の環を形成し;
Rcは水素、C1−6アルキル、C3−8シクロアルキル、アリール及びヘテロアリールからなる群から選択され;そして、
Hetは酸素、窒素及びイオウからなる群から選択されるヘテロ原子少なくとも1個を含有し、そして任意でC1−4アルキル又はC(=O)ORaで置換されている飽和又は部分又は完全不飽和の5又は6員の複素環である]を有する化合物又は製薬上許容しうるその塩又は溶媒和物であってよい。
PI3Kδ選択的阻害剤はまた下記式(III):
[式中、R9、R10、R11及びR712は独立して、水素、アミノ、C1−6アルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、NHC(=O)C1−3アルキレンN(Ra2、NO2、ORa、CF3、OCF3、N(Ra2、CN、OC(=O)Ra、C(=O)Ra、C(=O)ORa、アリールORb、Het、NRaC(=O)C1−3アルキレンC(=O)ORa、アリールOC1−3アルキレンN(Ra2、アリールOC(=O)Ra、C1−4アルキレンC(=O)ORa、OC1−4アルキレンC(=O)ORa、C1−4アルキレンOC1−4アルキレンC(=O)ORa、C(=O)NRaSO2Ra、C1−4アルキレンN(Ra2、C2−6アルケニレンN(Ra2、C(=O)NRaC1−4アルキレンORa、C(=O)NRaC1−4アルキレンHet、OC2−4アルキレンN(Ra2、OC1−4アルキレンCH(ORb)CH2N(Ra2、OC1−4アルキレンHet、OC2−4アルキレンORa、OC2−4アルキレンNRaC(=O)ORa、NRaC1−4アルキレンN(Ra2、NRaC(=O)Ra、NRaC(=O)N(Ra2、N(SO2C1−4アルキル)2、NRa(SO2C1−4アルキル)、SO2N(Ra2、OSO2CF3、C1−3アルキレンアリール、C1−4アルキレンHet、C1−6アルキレンORb、C1−3アルキレンN(Ra2、C(=O)N(Ra2、NHC(=O)C1−3アルキレンアリール、C3−8シクロアルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル、アリールOC1−3アルキレンN(Ra2、アリールOC(=O)Rb、NHC(=O)C1−3アルキレンC3−8ヘテロシクロアルキル、NHC(=O)C1−3アルキレンHet、OC1−4アルキレンOC1−4アルキレンC(=O)ORb、C(=O)C1−4アルキレンHet及びNHC(=O)ハロC1−6アルキルからなる群から選択され;
R13は水素、C1−6アルキル、ハロ、CN、C(=O)Ra及びC(=O)ORaからなる群から選択され;
Raは水素、C1−6アルキル、C3−8シクロアルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル、C1−3アルキレンN(Rc2、アリール、アリールC1−3アルキル、C1−3アルキレンアリール、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1−3アルキル及びC1−3アルキレンヘテロアリールからなる群から選択されるか;
又は2個のRa基が一緒になって任意で少なくとも1個のヘテロ原子を含有する5又は6員の環を形成し;
Rcは水素、C1−6アルキル、C3−8シクロアルキル、アリール及びヘテロアリールからなる群から選択され;そして、
Hetは酸素、窒素及びイオウからなる群から選択されるヘテロ原子少なくとも1個を含有し、そして任意でC1−4アルキル又はC(=O)ORaで置換されている飽和又は部分又は完全不飽和の5又は6員の複素環である]を有する化合物又は製薬上許容しうるその塩又は溶媒和物であってよい。
より詳細には、PI3Kδ選択的阻害剤は以下、即ち:2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−(2−クロロフェニル)−6,7−ジメトキシ−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−o−イルメチル)−6−ブロモ−3−(2−クロロフェニル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−o−イルメチル)−3−(2−クロロフェニル)−7−フルオロ−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−6−クロロ−3−(2−クロロフェニル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−(2−クロロフェニル)−5−フルオロ−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−o−イルメチル)−5−クロロ−3−(2−クロロ−フェニル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−(2−クロロフェニル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−8−クロロ−3−(2−クロロフェニル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−ビフェニル−2−イル−5−クロロ−3H−キナゾリン−4−オン;5−クロロ−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;5−クロロ−3−(2−フルオロフェニル)−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−5−クロロ−3−(2−クロロフェニル)−3H−キナゾリン−4−オン;3−ビフェニル−2−イル−5−クロロ−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;5−クロロ−3−(2−メトキシフェニル)−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2−クロロフェニル)−5−フルオロ−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2−クロロフェニル)−6,7−ジメトキシ−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;6−ブロモ−3−(2−クロロフェニル)−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2−クロロフェニル)−8−トリフルオロメチル−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2−クロロフェニル)−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−ベンゾ[g]キナゾリン−4−オン;6−クロロ−3−(2−クロロフェニル)−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;8−クロロ−3−(2−クロロフェニル)−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2−クロロフェニル)−7−フルオロ−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2−クロロフェニル)−7−ニトロ−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2−クロロフェニル)−6−ヒドロキシ−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;5−クロロ−3−(2−クロロフェニル)−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2−クロロフェニル)−5−メチル−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2−クロロフェニル)−6,7−ジフルオロ−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2−クロロフェニル)−6−フルオロ−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−(2−イソプロピルフェニル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2−フルオロフェニル)−5−メチル−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−5−クロロ−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−5−クロロ−3−(2−メトキシ−フェニル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3−シクロプロピル−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;3−シクロプロピルメチル−5−メチル−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−シクロプロピルメチル−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3−シクロプロピルメチル−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−3−フェネチル−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−5−メチル−3−フェネチル−3H−キナゾリン−4−オン;3−シクロペンチル−5−メチル−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−シクロペンチル−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2−クロロピリジン−3−イル)−5−メチル−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−(2−クロロピリジン−3−イル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;3−メチル−4−[5−メチル−4−オキソ−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−4H−キナゾリン−3−イル]−安息香酸;3−シクロプロピル−5−メチル−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−シクロプロピル−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−3−(4−ニトロベンジル)−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;3−シクロヘキシル−5−メチル−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−シクロヘキシル−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3−シクロヘキシル−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−3−(E−2−フェニルシクロプロピル)−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2−クロロフェニル)−5−フルオロ−2−[(9H−プリン−6−イルアミノ)メチル]−3H−キナゾリン−4−オン;2−[(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)メチル]−3−(2−クロロフェニル)−5−フルオロ−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−2−[(9H−プリン−6−イルアミノ)メチル]−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−[(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)メチル]−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−[(2−フルオロ−9H−プリン−6−イルアミノ)メチル]−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;(2−クロロフェニル)−ジメチルアミノ−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;5−(2−ベンジルオキシエトキシ)−3−(2−クロロフェニル)−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;6−アミノプリン−9−カルボン酸3−(2−クロロフェニル)−5−フルオロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イルメチルエステル;N−[3−(2−クロロフェニル)−5−フルオロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−2−イルメチル]−2−(9H−プリン−6−イルスルファニル)−アセトアミド;2−[1−(2−フルオロ−9H−プリン−6−イルアミノ)エチル]−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)エチル]−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−ジメチルアミノプリン−9−イルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−2−(2−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−プリン−7−イルメチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−2−(2−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−プリン−9−イルメチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(アミノ−ジメチルアミノプリン−9−イルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(アミノ−9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(4−アミノ−1,3,5−トリアジン−2−イルスルファニルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−2−(7−メチル−7H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリミジン−4−イルスルファニルメチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−2−プリン−7−イルメチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−2−プリン−9−イルメチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−2−(9−メチル−9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(2,6−ジアミノ−ピリミジン−4−イルスルファニルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−2−(5−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イルスルファニルメチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−2−(2−メチルスルファニル−9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(2−ヒドロキシ−9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−2−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−3−o−トリル−2−(1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−(2−アミノ−6−クロロ−プリン−9−イルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−7−イルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(7−アミノ−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル−メチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(7−アミノ−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−1−イル−メチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノ−9H−プリン−2−イルスルファニルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(2−アミノ−6−エチルアミノ−ピリミジン−4−イルスルファニルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(3−アミノ−5−メチルスルファニル−1,2,4−トリアゾール−1−イル−メチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(5−アミノ−3−メチルスルファニル−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−2−(6−メチルアミノプリン−9−メチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−ベンジルアミノプリン−9−イルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(2,6−ジアミノプリン−9−イルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;3−イソブチル−5−メチル−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;N−{2−[5−メチル−4−オキソ−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−4H−キナゾリン−3−イル]−フェニル}−アセトアミド;5−メチル−3−(E−2−メチル−シクロヘキシル)−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キ
ナゾリン−4−オン;2−[5−メチル−4−オキソ−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−4H−キナゾリン−3−イル]−安息香酸;3−{2−[(2−ジメチルアミノエチル)メチルアミノ]フェニル}−5−メチル−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2−クロロフェニル)−5−メトキシ−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2−クロロフェニル)−5−(2−モルホリン−4−イル−エチルアミノ)−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;3−ベンジル−5−メトキシ−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−(2−ベンジルオキシフェニル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−(2−ヒドロキシフェニル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)エチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)プロピル]−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(1−(2−フルオロ−9H−プリン−6−イルアミノ)プロピル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)プロピル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(2−ベンジルオキシ−1−(9H−プリン−6−イルアミノ)エチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−5−メチル−3−{2−(2−(1−メチルピロリジン−2−イル)−エトキシ)−フェニル}−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−(2−(3−ジメチルアミノ−プロポキシ)−フェニル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−5−メチル−3−(2−プロパ−2−イニルオキシフェニル)−3H−キナゾリン−4−オン;2−{2−(1−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−5−メチル−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル]−フェノキシ}−アセトアミド;5−クロロ−3−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オン;3−フェニル−2−[2−(9H−プリン−6−イルアミノ)−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オン;5−フルオロ−3−フェニル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−5−メチル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オン;6−フルオロ−3−フェニル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;3−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−5−メチル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;5−フルオロ−3−フェニル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;3−(2,3−ジフルオロ−フェニル)−5−メチル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−3−フェニル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;3−(3−クロロフェニル)−5−メチル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;5−メチル−3−フェニル−2−[(9H−プリン−6−イルアミノ)−メチル]−3H−キナゾリン−4−オン;2−[(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−メチル]−3−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;3−{2−[(2]−ジメチルアミノ−エチル)−メチル−アミノ]−フェニル}−5−メチル−2−[(9H−プリン−6−イルアミノ)−メチル]−3H−キナゾリン−4−オン;5−クロロ−3−(2−フルオロフェニル)−2−[(9H−プリン−6−イルアミノ)−メチル]−3H−キナゾリン−4−オン;5−クロロ−2−[(9H−プリン−6−イルアミノ)−メチル]−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;5−クロロ−3−(2−クロロフェニル)−2−[(9H−プリン−6−イルアミノ)−メチル]−3H−キナゾリン−4−オン;6−フルオロ−3−(3−フルオロフェニル)−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−5−クロロ−3−(3−フルオロフェニル)−3H−キナゾリン−4−オンからなる群から選択してよい。立体中心が存在する場合は、方法は化合物のラセミ混合物又は特定のエナンチオマーを使用しながら実施できる。立体中心が存在する好ましい実施形態においては、上記化合物のS型エナンチオマーを利用する。しかしながら、本発明の方法は上記した化合物の全ての可能な立体異性体及び幾何異性体の投与を包含する。
「製薬上許容しうる塩」とは、それらが製剤中の他の成分と適合しており、そのレシピエントに対して悪影響を与えない限り、生理学的に許容される如何なる塩をも意味する。一部の特定の好ましい例は酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、グリコール酸塩、シュウ酸塩である。
プロドラッグの投与も意図される。「プロドラッグ」という用語は本明細書においては、より薬学的に活性な化合物にインビボで急速に変換される化合物を指す。プロドラッグの設計は一般的に、Hardma et al.(Eds.),Goodman and Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics,9th ed.,pp.11−16(1996)において論じられている。完全な考察はHiguchi et al.,Prodrugs as Novel Delivery Systems,Vol.14,ASCD Symposium Series及びRoche(ed.),Bioreversible Carriers in Drug Design,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press(1987)に示されている。
説明すれば、プロドラッグは例えばエステル又はアミド結合の加水分解により、形成される生成物上に官能基を導入又は露出させることを介して、薬学的に活性な形態に変換されることができる。プロドラッグは内因性の化合物と反応することにより、化合物の薬理学的特性、例えば延長された循環系中半減期を更に増強する、水溶性コンジュゲートを形成することができるように設計することができる。或いは、プロドラッグは例えばグルクロン酸、スルフェート、グルタチオン、アミノ酸又はアセテートにより官能基上で共有結合的修飾を起こすように設計することができる。形成されたコンジュゲートは不活性化され、そして尿中に排出されるか、又は親化合物よりも更に強力とすることができる。高分子量のコンジュゲートもまた胆汁中に排出され、酵素分解に付され、そして循環系中に再度放出されて戻り、これにより元の投与された化合物の生物学的半減期を効果的に増大させることができる。
或いは、PI3Kファミリーの他のアイソザイムよりも効果的にp110δmRNA発現の選択的な負の調節を行い、そして許容できる薬理学的特性を保有している化合物は、本発明の方法におけるPI3Kδ選択的阻害剤としての使用のために意図される。ヒトp110δをコードするポリヌクレオチドは例えばゲンバンクアクセッション番号AR255866、NM005026、U86453、U57843及びY10055として開示されており、これらは参照により全体が本明細書に組み込まれる[又更に、参照により全体が本明細書に組み込まれるVanhaesebroeck et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.,94:4330−4335(1997)も参照できる]。マウスp110δをコードする代表的なポリヌクレオチドは例えばゲンバンクアクセッション番号BC035203、AK040867、U86587及びNM_008840として開示されており、そしてラットp110δをコードするポリヌクレオチドはゲンバンクアクセッション番号XM_345606として開示されており、これらは各々参照により全体が本明細書に組み込まれる。
1つの実施形態において、本発明はp110δをコードするメッセンジャーRNA(mRNA)へのハイブリダイゼーションを介してp110δの発現の負の調節を行うアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いる方法を提供する。1つの態様において、p110δをコードするmRNAに特異的にハイブリダイズし、そしてmRNA発現、そして、その結果としてのp110δ蛋白発現を抑制する、少なくとも5〜約50ヌクレオチド長であって間に含まれる全ての長さ(ヌクレオチド数で測定)を含むアンチセンスオリゴヌクレオチドは本発明の方法における使用のために意図される。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの安定性を向上させること、即ち、オリゴヌクレオチドを特にインビボにおいてヌクレアーゼ分解に対してより耐性とすることが当該分野で知られている、修飾されたヌクレオチド内連結部を含むもの、及び/又は、修飾されたヌクレオチドを含むものを包含する。当該分野においては、標的ポリヌクレオチドの領域に対して完全に相補であるアンチセンスオリゴヌクレオチドが特異的抑制の最も高い程度を有すると理解されているが、完全に相補でないアンチセンスオリゴヌクレオチド、即ち標的ポリヌクレオチドの領域に関して限定数のミスマッチを含んでいるものも、高い程度のハイブリダイゼーション特異性を保持しており、従って標的mRNAの発現を同様に抑制することができる。従って、本発明はp110δをコードするポリヌクレオチドにおける標的領域に完全に相補であるアンチセンスオリゴヌクレオチドを使用する方法、並びに、ミスマッチが標的ポリヌクレオチドの標的領域への特異的ハイブリダイゼーションを妨げない程度まで標的ポリヌクレオチドの標的領域に完全に相補ではない(即ちミスマッチを含む)アンチセンスオリゴヌクレオチドを利用する方法を意図している。アンチセンス化合物の製造及び使用は例えば参照により全体が本明細書に組み込まれる米国特許6,277,981に記載されている[同様に、参照により全体が本明細書に組み込まれるGibson(Ed.),Antisense and Ribozye Methodology,(1997)も参照できる]。
本発明は更に当該分野で知られる通り標的ポリヌクレオチドに特異的にハイブリダイズするヌクレオチド領域及び標的ポリヌクレオチドを消化する酵素部分を含むリボザイム阻害剤を利用する方法を意図している。リボザイム阻害の特異性はアンチセンス領域の長さ及び標的ポリヌクレオチド内の標的領域へのアンチセンス領域の相補性の程度に関連している。従って本発明の方法は完全に相補である5〜約50ヌクレオチド長であって、間に含まれる全ての長さを含むアンチセンス領域、並びに、ミスマッチが標的p110δコードポリヌクレオチドの標的領域への特異的ハイブリダイゼーションを妨げない程度までミスマッチを含んでいるアンチセンス領域を含むリボザイム阻害剤を意図している。本発明の方法において有用なリボザイムは、修飾が標的領域に特異的にハイブリダイズするリボザイムの能力を改変したり、分子の酵素活性を低下させたりしないような程度に、オリゴヌクレオチドの安定性を向上させること、即ち、オリゴヌクレオチドを特にインビボにおいてヌクレアーゼ分解に対してより耐性とすることが当該分野で知られている、修飾されたヌクレオチド内連結部を含むもの、及び/又は、修飾されたヌクレオチドを含むものを包含する。リボザイムは酵素性であるため、単一の分子が複数の標的分子を直接消化することができ、これにより非酵素性のアンチセンスオリゴヌクレオチドよりも低濃度で有効であるという利点を与える。リボザイム技術の製造及び使用は参照により全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,696,250号、第6,410,224号、第5,225,347号に記載されている。
本発明はまたp110δ発現を抑制するためにRNAi技術を利用する方法の使用を意図している。1つの態様において、本発明は1本の鎖が標的p110δコードポリヌクレオチドの標的領域に相補である2本鎖RNA(dsRNA)を提供する。一般的に、この種のdsRNA分子は30ヌクレオチド長未満であり、当該分野においては短鎖干渉RNA(siRNA)と称されている。しかしながら本発明はまた、30ヌクレオチド長より長いdsRNAの使用も意図しており、そして本発明の特定の態様においては、これらのより長いdsRNA分子は約30ヌクレオチド長〜200ヌクレオチド長以上であることができ、そして間の全ての長さのdsRNA分子も包含する。他のRNA抑制剤と同様、dsRNA分子の一方の鎖の相補性は標的ポリヌクレオチドの標的領域と完全にマッチすることができ、又は、ミスマッチが標的p110δコードポリヌクレオチドの標的領域への特異的ハイブリダイゼーションを妨げない程度までミスマッチを含んでいてよい。他のRNA抑制剤技術と同様、dsRNA分子はオリゴヌクレオチドの安定性を向上させること、即ち、オリゴヌクレオチドを特にインビボにおいてヌクレアーゼ分解に対してより耐性とすることが当該分野で知られている、修飾されたヌクレオチド内連結部を含むもの、及び/又は、修飾されたヌクレオチドを含むものを包含する。RNAi化合物の製造及び使用は参照により全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願第20040023390号に記載さている。
本発明は更に、RNAlasso技術を使用してp110δの抑制を行う方法を意図する。環状RNAlasso阻害剤は分解に対する固有の高耐性を示す高度な構造を有し、従って、遺伝子修飾されたヌクレオチド内連結部又は修飾されたヌクレオチドを使用又は必要としない。環状lasso構造は標的ポリヌクレオチドの標的領域にハイブリダイズできる領域を含み、lasso内のハイブリダイズ領域は他のRNA抑制技術に典型的な長さである。他のRNA抑制技術と同様、lasso内のハイブリダイズ領域は標的ポリヌクレオチドの標的領域と完全にマッチすることができ、又は、ミスマッチが標的p110δコードポリヌクレオチドの標的領域への特異的ハイブリダイゼーションを妨げない程度までミスマッチを含んでいてよい。RNAlassoは環状であり、標的領域と堅固な位相幾何学的連結部を形成するため、この種の阻害剤は一般的に、典型的なアンチセンスオリゴヌクレオチドとは異なりヘリカーゼの作用により置換されることは無く、従って、典型的なアンチセンスオリゴヌクレオチドよりも低用量として利用することができる。RNAlassoの製造及び使用は参照により全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,369,038号に記載されている。
本発明の阻害剤は担体分子、例えば直鎖状重合体(例えばポリエチレングリコール、ポリリジン、デキストラン等)、分枝鎖重合体(米国特許第4,289,872号及び第5,229,490号;PCT公開WO93/21259参照)、脂質、コレステロール群(例えばステロイド)又は炭水化物またはオリゴ糖に共有結合的又は非共有結合的に会合していてよい。本発明の医薬組成物において使用するための担体の特定の例は、炭水化物系重合体、例えばトレハロース、マンニトール、キシリトール、スクロース、乳糖、ソルビトール、デキストラン、例えばシクロデキストラン、セルロース及びセルロース誘導体を包含する。リポソーム、マイクロカプセル又はマイクロスフェア、包接複合体又は他の型の担体の使用も意図される。
他の担体は1つ以上の水溶性重合体結合物、例えば米国特許第4,640,835号、第4,496,689号、第4,301,144号、第4,670,417号、第4,791,192号及び第4,179,337号に記載されているようなポリオキシエチレングリコール又はポリプロピレングリコールを包含する。更に別の有用な当該分野で知られた担体重合体はモノメトキシポリエチレングリコール、ポリ−(N−ビニルピロリドン)−ポリエチレングリコール、プロピレングリコール単独重合体、ポリプロピレンオキシド/エチレンオキシド共重合体、ポリオキシエチル化ポリオール(例えばグリセロール)及びポリビニルアルコール並びにこれらの重合体の混合物を包含する。
2官能性の物質を用いた誘導体化はマトリックス又は担体に本発明の化合物を交差結合させるために有用である。このような担体の1つはポリエチレングリコール(PEG)である。PEG基は何れかの好都合な分子量のものであってよく、直鎖又は分枝鎖であってよい。PEGの平均分子量は約2kDa〜約100kDaの範囲であり、別の態様においては約5kDa〜約50kDaであり、そして更に別の態様においては約5kDa〜約10kDaである。PEG基は一般的に、標的阻害剤化合物上の反応性の基(例えばアルデヒド、アミノ、エステル、チオール、α−ハロアセチル、マレイミド又はヒドラジノ基)へのPEG部分の反応性の基(例えばアルデヒド、アミノ、エステル、チオール、ci−ハロアセチル、マレイミド又はヒドラジノ基)を介したアシル化、還元的アルキル化、マイケル付加、チオールアルキル化又は他の化学選択的コンジュゲーション/ライゲーション方法により、本発明の化合物に結合する。交差結合剤は例えば、4−アジドサリチル酸とのエステル、ホモ2官能性イミドエステル、例えばジスクシンイミジルエステル、例えば3,3’−ジチオビス(スクシンイミジルプロピオネート)及び2官能性マレイミド、例えばビスN−マレイミド−1,8−オクタンを包含する。メチル−3−[(p−アジドフェニル)ジチオ]プロピオイミデートのような誘導体化剤は光の存在下で交差結合を形成することができる光活性化可能な中間体を与える。或いは、米国特許第3,969,287号;第3,691,016号;第4,195,128号;第4,247,642号;第4,229,537号;及び第4,330,440号に記載の臭化シアン活性化炭水化物及び反応性基盤のような反応性の水不溶性マトリックスを阻害剤固定化のために使用してよい。
本発明の医薬組成物は又抗体Fc領域1つ以上を含むように誘導体化された化合物を包含してよい。抗体のFc領域はジスルフィド結合により、又は、非共有結合性の会合により連結された2量体又は多量体の形態であってよい単量体ポリペプチドを含む。Fc分子の単量体サブユニットの間の分子内ジスルフィド結合の数はFc領域の誘導元となっている抗体のクラス(例えばIgG、IgA、IgE)又はサブクラス(例えばIgG1、IgG2、IgG3、IgA1、IgGA2)に応じて1〜4となることができる。本明細書においては、「Fc」という用語はFc分子の単量体、2量体及び多量体形態に共通しており、Fc領域は野生型の構造又は誘導体化された構造である。本発明の医薬組成物はまたWO96/32478に記載のFc分子並びにWO97/34631に記載の他のFc分子の再生受容体結合ドメインを包含してよい。
このような誘導体化された部分は好ましくは本発明の阻害剤化合物の1つ以上の特徴、例えば生物学的活性、溶解性、吸収性、生物学的半減期等を向上させる。或いは、誘導体化部分は誘導体化されていない化合物と同様、又は本質的に同様の特徴及び/又は特性を有する化合物をもたらす。部分は、或いは、化合物の望ましくない副作用等を排除又は減衰して良い。
方法は阻害剤を必要とする個体にこれを単独または本明細書に記載した通り組み合わせて投与することを包含し、そして各々の場合において、任意で1つ以上の適当な希釈剤、充填剤、塩、錠剤崩壊剤、バインダー、潤滑剤、滑剤、水和剤、制御放出マトリックス、着色料/フレーバー、担体、賦形剤、緩衝剤、安定化剤、可溶化剤、当該分野でよく知られた他の物質及びこれらの組み合わせを用いる。
何れかの製薬上許容しうる(即ち滅菌され非毒性である)医薬品用のベヒクル、賦形剤又は媒体として機能する液体、半固体又は固体の希釈剤を使用してよい。例示される希釈剤は、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ステアリン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、鉱物油、ココアバター及びカカオ脂、メチル−及びプロピルヒドロキシベンゾエート、タルク、アルギネート、炭水化物、特にマンニトール、α−乳糖、無水乳糖、セルロース、スクロース、デキストロース、ソルビトール、変性デキストラン、アカシアガム及び澱粉を包含する。一部の市販されている希釈剤は、Fast-Flo、Emdex、STA-Rx1500、Emcompress及びAvicellである。このような組成物はPI3Kδ阻害剤化合物の物理的性状、安定性、インビボ放出速度及びインビボクリアランス速度に影響する[例えば参照により本明細書に組み込まれるRemington's Pharmaceutical Sciences,18th Ed.pp.1435−1712(1990)参照]。
製薬上許容しうる充填剤は例えば乳糖、微結晶セルロース、リン酸2カルシウム、リン酸3カルシウム、硫酸カルシウム、デキストロース、マンニトール及び/又はスクロースを包含することができる。
3リン酸カルシウム、炭酸マグネシウム及び塩化ナトリウムを包含する無機塩もまた医薬組成物中の充填剤として使用してよい。アミノ酸は医薬組成物の緩衝製剤中における用途等に使用してよい。
錠剤崩壊剤は阻害剤の固体剤型中に含有させてよい。錠剤崩壊剤として使用される物質は澱粉、例えば澱粉系の市販の錠剤崩壊剤であるExplotabを包含する。ナトリウム澱粉グリコレート、アンバーライト、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ウルトラミロペクチン、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、オレンジピール、酸性カルボキシメチルセルロース、天然の海綿及びベントナイトは全て、医薬組成物中の錠剤崩壊剤として使用してよい。他の錠剤崩壊剤は不溶性カチオン交換樹脂を包含する。粉末ガム類、例えば寒天、カラヤ又はトラガカントを錠剤崩壊剤及びバインダーとして使用してよい。アルギン酸及びそのナトリウム塩もまた錠剤崩壊剤として有用である。
バインダーは治療薬を一体に保持して硬質の錠剤を形成するために使用してよく、そして、アカシア、トラガカント、澱粉及びゼラチンのような天然産物に由来する物質を包含する。他のものにはメチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)及びカルボキシメチルセルロース(CMC)が包含される。ポリビニルピロリドン(PVP)及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)は共に、治療薬成分の顆粒化を促進するためにアルコール溶液として使用できる。
抗摩擦剤を治療成分の製剤中に含有させることにより製剤過程における付着を防止してよい。潤滑剤は治療薬成分とダイスの壁面との間の層として使用してよく、これらは、例えば、ステアリン酸及びそのマグネシウム塩およびカルシウム塩、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、流動パラフィン、植物油及びワックスを包含する。可溶性潤滑剤もまた使用してよく、例えばラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、種々の分子量のポリエチレングリコール、Carbowax4000及び6000が挙げられる。
製剤中の治療薬成分の流動特性を向上させ、圧縮成型中の再配列を容易にするための滑剤を添加してよい。適当な滑剤は澱粉、タルク、発熱性シリカ及び水和シリコアルミネートを包含する。
治療薬の水性環境中への溶解を容易にするためには、界面活性剤を水和剤として添加してよい。天然又は合成の界面活性剤を使用してよい。界面活性剤はアニオン系洗剤、例えばラウリル硫酸ナトリウム、ジオクチルナトリウムスルホスクシネート及びジオクチルナトリウムスルホネートを包含してよい。カチオン系洗剤、例えば塩化ベンザルコニウム及び塩化ベンゼトニウムを使用してよい。医薬品製剤中で使用できるノニオン系洗剤はラウロマクロゴール400、ポリオキシ40ステアレート、ポリオキシエチレン水添ひまし油10、50及び60、グリセロールモノステアレート、ポリソルベート40、60、65及び80、スクロース脂肪酸エステル、メチルセルロース及びカルボキシメチルセルロースを包含する。これらの界面活性剤は本発明の医薬組成物中、単独で、又は、種々の比率の混合物として存在することができる。
制御放出製剤が望ましい場合がある。本発明の阻害剤は拡散又は浸出の機序により放出をかのうとする不活性マトリックス、例えばガム中に配合できる。緩徐に崩壊するマトリックス、例えばアルギネート、多糖類もまた医薬品製剤中に配合してよい。制御放出の別の形態はOros治療システム(Alza Corp.)に基づく方法であり、即ち水を進入させ、阻害剤化合物を浸透圧作用により単一の小型の開口部を通して押し出させる半透過性の膜内に薬剤を封入する。一部の腸溶性コーティングもまた遅延放出作用を有する。
着色料及びフレーバー剤もまた医薬組成物中に含有させてよい。例えば本発明の阻害剤を製剤(例えばリポソーム又はマイクロスフェアのカプセル化)し、次に食用製品、例えば着色料及びフレーバー剤を含有する飲料内に更に含有させる。
治療薬はまたフィルムコーティング錠剤として提供することができる。医薬組成物をコーティングする場合に使用するための非腸溶性物質はメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポビドン及びポリエチレングリコールを包含する。医薬組成物をコーティングする場合に使用するための腸溶性物質はフタル酸のエステルを包含する。物質の混合物も旨適フィルムコーティングを得るために使用してよい。フィルムコーティングの製造はパンコーター、流動床、又は圧縮コーティングにおいて実施してよい。
組成物は固体、半固体、液体又はガス状の形態において投与することができ、或いは、凍結乾燥形態のような乾燥粉末であってよい。医薬組成物は送達に好都合な形態、例えばカプセル、小袋、カシェ剤、ゼラチン、紙剤、錠剤、カプセル、座剤、ペレット、丸薬、トローチ、ロゼンジ又は当該分野で知られた他の形態で包装することができる。包装の種類は一般的に所望の投与経路に応じたものとなる。移植可能な除放性製剤もまた経皮製剤と同様に意図される。
本発明の方法においては、阻害剤化合物は種々の経路により投与してよい。例えば医薬組成物は注射用、経口、経鼻、経皮又は他の投与形態、例えば静脈内、皮内、筋肉内、乳房内、腹腔内、硬膜内、眼内、眼球後、肺内(例えばエアロゾル化した薬剤)又は皮下注射(例えば脾嚢、脳下、または角膜内に包埋された長期放出用のデポ投与を包含する)によるか;舌下、直腸、膣内投与によるか、又は、外科的移植、例えば脾嚢、脳下、または角膜内に包埋させてよい。投与は1用量又は一定期間に渡り複数の用量よりなるものであってよい。一般的に、本発明の方法は本発明の阻害剤有効量を、上記した製薬上許容しうる希釈剤、保存料、可溶化剤、乳化剤、アジュバントおよび/または担体と共に投与することを包含する。
1つの態様において、本発明は、本発明の医薬組成物の経口投与のための方法を提供する。経口固体剤型は一般的に上出のRemington's Pharmaceutical SciencesのChapter89に記載されている。固体剤型は錠剤、カプセル、丸薬、トローチ又はロゼンジ、及びカシェ剤又はペレットを包含する。更に又リポソーム又は蛋白様のカプセル化もまた組成物の製剤のために使用してよい(例えば米国特許第4,925,573号に報告されている蛋白様マイクロスフェア)。リポソームカプセル化は種々の重合体を用いて誘導体化されたリポソームを包含する(例えば米国特許第5,013,556号)。一般的に、製剤は本発明の化合物及び胃内での分解に対抗して保護し、そして腸内における生物学的活性物質の放出を可能にする不活性成分を含有する。
阻害剤は約1mmの粒径の顆粒又はペレットの形態の微細多重粒子として製剤中含有することができる。カプセル投与のための物質の製剤は又粉末の軽微に圧縮された充填物として、又は、錠剤としても、存在することができる。カプセルは圧縮により製造される。
本明細書において同様に意図されるものは、本発明のPI3Kδ阻害剤の肺内送達である。本発明のこの態様によれば、阻害剤は吸入時に哺乳類の肺に送達され、肺上皮内壁を横断して血流中に至る。
本発明の実施において使用するために意図されるものは治療用製品の肺送達のために設計された広範な機械的装置、例えばネブライザー、計量投与用吸入器、及び粉末吸入器を包含し、これらはすべて当該分野でよく知られている。本発明の実施に適する市販の装置の一部の特定の例はMallinckrodt,Inc.,St.Louis,Missouri社製のUltraventネブライザー;Marquest Medical Products,Englewood,Colorado社製のAcornIIネブライザー;Glaxo Inc.,Research Triangle Park,North Carolina社製のVentolin計量用量吸入器;及びFisons Corp.,Bedford,Massachusetts社製のSpinhaler粉末吸入器である。
このような装置は全て、本発明の化合物の分注に適する製剤の使用を必要とする。典型的には、各製剤は使用される装置の型に特定のものであり、そして治療に有用な希釈材、アジュバント及び/又は担体に加えて、適切な高圧ガス物質の使用を包含する。
肺投与方法において使用する場合、本発明の阻害剤は、遠位の肺への最も効果的な送達のためには、最も好都合には平均粒径が10μm(ミクロン)未満、例えば0.5〜5μmの粒状形態において製造する。
ジェット又は超音波のいずれかによるネブライザーと共に使用するために適する製剤は典型的には、溶液ml当たり阻害剤約0.1〜100mgの濃度範囲、溶液ml当たり阻害剤約1〜50mgの濃度範囲、溶液ml当たり阻害剤約5〜25mgの濃度範囲で水に溶解した本発明の化合物を含む。製剤は又緩衝剤を含有してよい。ネブライザー製剤はエアロゾル系政治に溶液の霧状化により生じる阻害剤の表面誘導凝集を低減又は防止するために界面活性剤を含有してもよい。
計量用量吸入装置と共に用いる製剤は一般的に界面活性剤の存在下に高圧ガス中に懸濁させた本発明の阻害剤を含有する微細分割粉末を含む。高圧ガスはこの目的のために使用されている何れかの従来の物質、例えばクロロフルオロカーボン、ヒドロクロロフルオロカーボン、ヒドロフルオロカーボン又はヒドロカーボン、例えばトリクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタノール及び1,1,1,2−テトラフルオロエタン又はこれらの組み合わせであってよい。適当な界面活性剤はソルビタントリオレエート及び大豆レシチンを包含する。オレイン酸もまた界面活性剤として有用である。
粉末吸入装置から分注するための製剤は、本発明の化合物を含有する微細分割粉末を含み、そして増量剤又は希釈剤、例えば乳糖、ソルビトール、スクロース、マンニトール、トレハロース又はキシリトールを、装置からの粉末の分散を促進する量、例えば製剤の50〜90重量%含有してよい。
本発明の化合物の鼻内送達もまた意図される。鼻内送達は鼻への治療薬品の投与の直後に血流中への阻害剤の通過を可能にし、薬品を肺内に付着させる必要がない。鼻内送達用の製剤ハデキストラン又はシクロデキストランを包含する。他の粘膜を経由する輸送による送達も意図される。
PI3Kδ選択的阻害剤の毒性及び治療効果は例えばLD50(集団の50%に対して致死的である用量)及びED50(集団の50%に対して治療効果のある用量)を求めるための細胞クラスター又は実験動物における標準的な薬学的操作用により調べることができる。更に又、このデータは放射線療法、化学療法、光力学的療法、高周波剥離、抗血管形成剤及びこれらの組み合わせを包含する他の治療法により追加治療された細胞培養物又は実験動物において調べることもできる。
本発明の方法を実施する際には、医薬組成物は一般的に、一日当たり用量において、又は、より長期または短期の時間間隔で等価な用量において、例えば一日おき、週2回、毎週、又は毎日2〜3回等、1pg化合物/kg体重〜1000mg/kg、0.1〜100mg/kg、0.1mg/kg〜50mg/kg、及び1〜20mg/kgの範囲の用量において提供される。阻害剤組成物は初回瞬時投与により、そしてその後は薬品の治療循環濃度を維持するために連続注入により、投与してよい。当業者であれば、良好な医療慣行及び治療すべき個体の臨床状態により決定される通り、有効用量および用法を容易に決定できる。投薬の頻度は薬剤の薬物動態パラメーター及び投与経路により変動する。旨適な薬剤処方は投与経路及び所望の用量に応じて当業者により決定される[例えば参照により本明細書に組み込まれるRemington's Pharmaceutical Sciences,pp.1435−1712参照]。このような製剤は投与される薬剤の物理的性状、安定性、インビボ放出速度及びインビボクリアランス速度に影響する場合がある。投与経路に応じて、適当な用量は体重、体表面積又は臓器の大きさに従って計算して良い。上記した製剤の各々に関わる投与のための適切な用量を決定するために必要な計算を更に高度に行うことは、特に、用量のデータ及び本明細書に開示した試験、並びにヒトの臨床治験において観察される薬物動態データを鑑みながら、予定外の実験を行うことなく、当業者により日常的になされることである。適切な用量は、例えば薬剤の特異的な活性、適応症の重症度及び個体の応答性、個体の年齢、状態、体重、性別及び食餌、投与時間および他の臨床因子のような、薬剤の作用を修飾すると該当医師が考える種々の因子との兼ね合いにおいて、血中濃度の用量を求めるための確立された試験を用いることにより確認してよい。試験を実施するに従って、造血細胞の異常増殖の関与する種々の適応症に対する適切な用量水準及び投与期間に関するデータがさらに発生する。
以下の実施例は本発明を説明するためのみに呈示しており、その範囲を限定する意図はない。
[実施例1]
造血細胞のウエスタンブロット分析
特定の治療標的がAML細胞において発見できるかどうかを調べるために、PI3K経路に関与するシグナリング蛋白の発現及び活性化を、64AML患者から単離した原発芽細胞内のウエスタンブロットにより測定した。
更にまた、クラスIaPI3Kのp110α、p110β及びp110δアイソフォームの発現を、アイソフォーム特異的抗体を用いながら、7PI3K+細胞試料(PI3K/Akt経路が構成的に活性である細胞として定義)及び1PI3K−細胞試料(PI3K/Akt経路が構成的に活性でない細胞として定義)におけるウエスタンブロットにより試験した。p110α、p110β及びp110δアイソフォームの対照はそれぞれp110α組み換え体、p110β組み換え体及びp110δ組み換え体の蛋白とした。これらのウエスタンブロット分析ではPI3Kのp110δアイソフォームが特定のAML患者において構成的に発現されることがわかった。
種々のウエスタンブロット分析のために以下の操作法を使用した。
新しく診断されたAML患者に由来する骨髄細胞はLAM2001フランス多施設プロトコルの設定においてGroupe Ouest-Est des Leucemies et des Autres Maladies du Sang(GOELAMS)の種々の施設から採取した。骨髄形成異常に二次的なAMLの全患者はCochin病因(パリ)の血液学部門から提出させた。診断時に原発AMLを有していた54患者及び骨髄形成異常症候群に二次的なAMLを有する10患者を本試験に参入させた。骨髄細胞は研究所評議会認可プロトコルの下にインフォームドコンセントと共に入手した。全試料は化学療法導入前に採取した。AMLの診断及び分類はFABのサブタイプの基準に基づいて行った。FABの分類はM0(n=8)、M1(n=10)、M2(n=21)、M4(n=10)、M4eo(n=2)、M5(n=11)、未知AML(n=2)とし、女性26人男性38人であり、年齢の中央値は52歳であった。M3、M6及びM7のFABのサブタイプは本試験には参入されなかった。
骨髄試料をFicoll-Hypaque密度勾配分離に付し、単核細胞(BMMC)を単離した。AML患者のBMMCをPBS中で3回洗浄し、血清非含有培地中107/mlに希釈した。シグナリング蛋白のホスホリル化が構成的であるかどうかを調べるために、AML患者のBMMC(以降「AML細胞」と称する)を次に4時間血清非含有培地中37℃で培養した。AML細胞を種々の阻害剤(25μMのKY294002(Sigma)、50ng/mlのラパマイシン(Sigma)又は10μMのPI3Kδ選択的阻害剤)の存在下及び非存在下において、30分間37℃でインキュベートした。全試料において、細胞の生存性は50ng/mlにおいて15分間幹細胞因子(SCF)で刺激することにより試験した。50μモル/Lのオルトバナジウム酸ナトリウムを含有する氷冷PBSで細胞を希釈することにより実験を終了した。次に細胞を直接Laemmli試料緩衝液中で煮沸し、SDS-PAGEで分離し、適切な抗体を用いたウエスタンブロット(WB)により分析した。抗体はケミルミネセンスキットのECL(Amershan Pharmacia Biotech(登録商標))を用いて検出した。ホスホリル化蛋白に対して指向させた抗体についてはSuperSignal(登録商標)West Femto Maximum Sensitivity Substrate Kitを使用した(PIERCE,製品番号34095)。
Akt及びFOXO3a蛋白のウエスタンブロット分析
ウエスタンブロット実験はAML細胞におけるPI3K経路の活性化状態を調べるために実施した。詳述すれば、PI3Kの2つの下流標的であるAkt及びFOXO3a蛋白の発現及びホスホリル化の状態を抗pAkt(Ser473)(Cell Signaling Technology)及び抗pFOXO3a(Thr32)(Upstate Biotechnology)抗体を用いて測定し、そして抗アクチン抗体(Sigma,カタログ番号A5411)で再プローブした。
Akt及びFOXO3a蛋白の水準は試験した細胞試料の58%において血清枯渇後にも不変であり、即ち、PI3K経路はこれらの細胞において構成的に活性化されていることが推定された(「PI3K陽性試料」)。他の細胞試料においては、PI3K経路の活性化は観察されず、そしてAkt及びFOXO3a蛋白のホスホリル化はSCF刺激で誘導されたのみであった(「PI3K陰性試料」)。更に又、広いスペクトルのPI3K阻害剤であるLY294002で細胞を予備処理した場合、Akt及びFOXO3aのホスホリル化は完全に消失した。新規(31/54)及び二次(6/10)のAML細胞の試料の間にはPI3K活性化のパーセントの差は観察されなかった。更に又、PI3K活性化はFABガイドラインに従って分類された種々のAMLサブグループ全体に渡って等しく観察された(表1参照)。
これらのウエスタンブロット実験はAML患者の骨髄由来の原発芽細胞におけるPI3K経路の構成的渇せ加賀AML細胞試料の58%で検出されたことを示している。
PTEN及びSHIP-1蛋白のウエスタンブロット分析
染色体10のホスファターゼ及びテンシンの総動態(PTEN)はPI3Kの負のレギュレーターであり、そして種々の癌において不活性化される強力な腫瘍抑制物質である[Dahia et al.,Hum.Mol.Genet.,8:185−193(1999)]。PTEN蛋白はホスホイノシチド(3,4,5)トリホスフェート(「PI(3,4,5)P3」)脱ホスホリル化を介してAkt活性化の負の調節を行い、そしてPTEN活性の消失は数例のヒト腫瘍の進行段階において観察される通り、PI3K/Akt経路の構成的活性化をもたらす[Cantley et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.,(USA),96:4240−4245(1999);Luo et al.,Cancer Cell,4:257−262(2003)]。同様にSH2含有イノシトール5'ホスファターゼ(SHIP-1)は骨髄様白血病誘発における別の腫瘍抑制物質である[Luo et al.,Leukemia,17:1−8(2003)]。
上記した腫瘍抑制ホスホイノシチドホスファターゼがAML細胞において正常に発現されるかを検討するために、ウエスタンブロット分析を行うことにより、その発現を抗SHIP1(Santa Cruz Biotechnology,カタログ番号6244)及び抗PTEN(Santa Cruz Biotechnology,カタログ番号7974)抗体を用いて測定した。
検討した全AML患者(64人中39人)において、PTEN蛋白は存在した。同様にSHIP-1はPI3K陽性患者では常時検出された。これらのホスファターゼは存在したが、それらが活性でないか、又は、点突然変異又は不適切な負の調節により活性低下を起こしていることが想像できる。総括すれば、これらのデータは、ホスホイノシチドホスファターゼがAML細胞において正常に発現されること、及び、AML細胞におけるPI3Kの構成的活性化をもたらす機序には上流の受容体又は原形質シグナリング蛋白の脱調節が関与していることを示唆している。
GAB1及びGAB2蛋白のウエスタンブロット分析
Grb2−関連バインダーファミリー蛋白(GAB)のGAB1及びGAB2はサイトカイン刺激後のPI3Kの活性化に関与している[Lecoq-Lafon et al.,Blood,93:2578−2585(1999);Bouscary et al.,Oncogene,20:2197−2204(2001);Rodrigues et al.,Mol.Cell.Biol.,20:1448−1459(2000);Kong et al.,J.Biol.Chem.,275:36035−36042(2000)]。更に又、GAB2及びその関連蛋白は慢性骨髄性白血病におけるBcr-Abl形質転換の重要な決定因子として発見されている[Gu et al.,Mol.Cell Biol.,20:7109−7120(2000)]。
ウエスタンブロット実験はAML細胞におけるPI3Kの2つの下流標的であるGAB1及びGAB2蛋白の発現及びホスホリル化の状態を調べるために実施した。抗GAB1(United Biomedica Inc.,カタログ番号06-579)、抗pGAB1(Tyr627)(Santa Cruz Biotechnology,カタログ番号12961-R)抗体を使用した。抗pGAB1抗体はpGAB2も認識する。
GAB1及びGAB2蛋白は共にPI3K陽性AML細胞試料の大部分においてチロシン上でホスホリル化されることが解ったのに対し、GAB1/2蛋白のチロシンホスホリル化はPI3K陰性細胞試料におけるSCF刺激後に検出されたのみであった。これらのウエスタンブロット分析は更に、AML細胞試料のサブセットにおいてPI3K/Akt経路が構成的に活性化され、そして、造血細胞の異常増殖の関与する適応症においてFLT3(実施例6参照)のような上流のキナーゼの活性化を強力に示すことを明らかにするものである。
[実施例2]
共焦点顕微鏡分析
Akt及びFOXO3Aのホスホリル化は更に、血清非含有培地中4時間枯渇させた骨髄サイトスピン(スライドガラス上に遠心分離したBMMC)上で実施した共焦点顕微鏡分析によっても調べた。AktのSer473のホスホリル化状態はまたイムノブロット分析に関して上記した通り投与した細胞のサイトスピン上でも評価した。
共焦点顕微鏡分析はUV並びに可視光照明(488nm、568nm及び647nm)を装着した倒立走査共焦点顕微鏡(Biorad MRC 1204およびNIKONダイアフォト300等率顕微鏡)を用いて実施した。凍結又は新鮮骨髄試料(サイトスピン)を4%パラホルムアルデヒド含有PBS中に固定し、0.1%トリトン含有PBSで浸透性付与し、5%脱脂乾燥乳含有PBSで45分間ブロッキングし、そして一次抗ホスホAkt抗体(Sell Signaling 9277;5%脱脂乾燥乳含有PBS中1/100希釈比において使用)又は抗ホスホFOXO3A抗体(Sell Signaling 9464;5%脱脂乾燥乳含有PBS中1/100希釈比において使用)中でインキュベートした。次にスライドをテキサスレッドコンジュゲートロバ抗ウサギ二次抗体(Jackson Immunoresearch 711-075-152;5%脱脂乾燥乳含有PBS中1/100希釈比において使用)で染色した。核は4’,6'−ジアミジノ−2−フェニインドール(DAPI)(PBS中1/250希釈比)を用いて染色した。スライドを1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)(Fluka,製品番号10981)を含有するポリビニルアルコールマウント溶媒地を用いてマウントし、4℃で保存した。
ホスホリル化されたAktはPI3K陽性細胞試料(ウエスタンブロットにより確定)の塗沫上で検出されたのに対し、PI3K陰性細胞試料中ではシグナルは観察されなかった。FOXO3Aのホスホリル化はまたPI3K陽性サイトスピン中においても共焦点顕微鏡により検出された。これらのデータは更にPI3K/Akt経路が特定のAML細胞試料中で構成的に活性化されていることを示している。
[実施例3]
フローサイトメトリー分析
CD34はその発現が造血先祖細胞に本質的に制限される膜貫通蛋白である。CD34はまたALM細胞及びALL細胞により発現されることもわかっている。
実施例1に記載した通り新鮮又は凍結骨髄試料を使用しながらAMLによりホスホAkt及びCD34蛋白が発現されるかどうか、フローサイトメトリー分析を用いて調べた。
約3x105個のAML細胞を抗CD34フィトエリスリンコンジュゲート抗体(Beckton Dickinson)又はアイソタイプ対照とともに15分間インキュベートし、次に5.5%ホルムアルデヒド含有PBSを用いて15分間固定した。次に細胞を遠心分離により収集し、4mlのPBSで洗浄した。Intraprep試薬2(Immunotech)で5分間細胞に浸透性付与し、一次抗体である抗ホスホAkt(カタログ番号9277、Cell Signaling)又はウサギ抗ヒトIgG(カタログ番号19764、Sigma)で30分間染色した。次に細胞を4mlのPBSで洗浄し、ヤギ抗ウサギFITCコンジュゲート二次抗体(カタログ番号F1262、Sigma)とともに30分間インキュベートした。染色された細胞を4mlのPBSで洗浄し、0.5mlのPBS中に再懸濁し、EPICS-XLフローサイトメーター(Beckman Coulter)を用いて分析した。
フローサイトメトリー分析によれば、70%未満の芽細胞を有する患者におけるAktホスホリル化に関してもCD34+細胞は陽性であることから、PI3K活性化は芽細胞集団において生じていた。これらのデータは更にPI3K/Akt経路が特定のAML細胞試料中で構成的に活性であることを示している。
[実施例4]
細胞増殖試験
複数の研究が増殖及び細胞生存の両方においてPI3K/Akt経路に関する役割を裏付けている。ラパマイシン哺乳類標的(mTOR)セリン/スレオニンキナーゼはPI3K/Aktの下流にあり[Manning et al.,Mol.Cell,10:151−162(2002)]、そして、ともにmRNA翻訳を調節するP70S6期RNAase(P70S8K)及び真核細胞開始因子4E−結合蛋白−1(4E-BP1)をホスホリル化する[Gingras et al.,Genes Dev.,15:807−826(2001);Gingras et al.,Genes Dev.,15:2852−2864(2001)]。
AktによるmTOR活性化は両方のシグナリング経路の間の連結を示す過程を構成する[Li et al.,Trends Biochem.Sci.,29:32−38(2004)]。PI3K/Aktがプロモートする細胞周期及び生育の形質転換作用の一部はmTOR/P70S6K経路により媒介される[Podsypanina et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.(USA),98:10320−10325(2001);Nashat et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.(USA),98:10314−10319(2001);Aoki et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.(USA),98:136−141(2001)]。
細胞増殖試験を行うことによりAML細胞の生存性にPI3K阻害が寄与するかどうか調べた。試験した大部分のPI3K陽性試料において、mTOR経路はスレオニン389上のP70S6K蛋白のホスホリル化により試験した場合に活性化された。即ち増殖試験はAML細胞の生存性にmTORが寄与するかどうかを調べるためにも実施された。従って、増殖試験は以下の阻害剤化合物:LY294002、PI3Kδ選択的阻害剤、ラパマイシン、又はPI3Kδ選択的阻害剤とラパマイシンの組み合わせの存在下及び非存在下においてAML細胞に対して実施した。細胞増殖は[3H]−チミジン取り込みによるDNA合成の測定により調べた。比較実験はCD34+臍帯血細胞上で実施した。
正常ヒトCD34+細胞は研究所評議会認可プロトコルの下にインフォームドコンセントと共に入手し、そしてFreyssinier et al.の記載した方法に従って精製した[Freyssinier et al.,Br.J.Haematol.,106:912−922(1999)]。慨すれば、正常満期分娩由来臍帯血単位(平均容量85ml)を母親のインフォームドコンセント後に入手した。臍帯血単位を1%ウシ血清アルブミン(BSA)(StemCell Technologies,VancouvermCanada)含有リン酸塩緩衝液50mlで希釈し、Ficoll密度勾配遠心分離に付した。低密度細胞を回収し、免疫磁気的操作法(MACS,CD34単離キット、Miltenyi Biotech)を用いた陽性選択2サイクルによりCD34+細胞を分離した。精製(>90%)は抗CD34抗体(Beckton Dickinson)を用いたフローサイトメトリー分析により評価した。
AML細胞(実施例1において前述した通り入手)については、以下の阻害剤:25μMのLY294002、10μMのPI3Kδ選択的阻害剤、50ng/mlのラパマイシン、又はPI3Kδ選択的阻害剤とラパマイシンの組み合わせの存在下又は非存在下において48時間サイトカイン非含有の5%ウシ胎児血清(FCS)を含有するアルファ培地中、BMMCを3x105/mlで培養し、そして3連で96穴プレート中インキュベートした。[3H]−チミジンを最終6パルスで添加し、細胞内に取り込まれた放射能の量をトリクロロ酢酸(TCA)沈殿により測定した。CD34+臍帯血細胞については、5x105/mlCD34+細胞を25μMのLY294002又は10μMのIC87114の存在下又は非存在下に48時間SCF(20ng/ml)、FLT3-L(10ng/ml)及びトロンボポエチン(20nM)中で培養した。DNA合成は12時間後に[3H]−チミジン取り込みにより測定した。
Aktホスホリル化を抑制するために必要なPI3Kδ選択的阻害剤の濃度を調べた。PI3Kδ選択的阻害剤は代表的な細胞試料中0.1μM〜10μMの漸増濃度において用いた場合Aktホスホリル化の用量依存的抑制を誘導した(AML5;85%芽細胞)。最大抑制は10μMで観察され、1μMまで維持された。これらの予備的結果に基づいて、PI3Kδ選択的阻害剤は7点のPI3K陽性細胞試料に10μMで投与した。PI3Kδ選択的阻害剤はLY294002と同様の程度までAkt及びFOXO3aのホスホリル化を抑制し、そして、約70%まで代表的細胞試料について白血病細胞の増殖を抑制した。
対照的に、代表的なPI3K陰性細胞試料の芽細胞の増殖は有意に影響されなかった。一例においては、全3クラスのIAPI3Kアイソフォームを発現した代表的PI3K陰性細胞試料由来の白血病細胞の増殖は、PI3Kδ選択的阻害剤の投与により有意に抑制されなかった(平均値25%抑制)。
ラパマイシンはPI3K陽性患者において細胞生育を抑制(平均値64%)したのに対し、その作用は代表的PI3K陰性細胞試料では中等度であった(平均値29%)。PI3Kδ選択的阻害剤とラパマイシンの組み合わせの投与は各薬剤単独の投与よりも増殖を大きく低減した。更に又、一部のAML細胞試料においては、各治療様式により達成される細胞増殖の低減を個々に掛け合わせて各投与様式の作用が相加的である場合の予測値を求めることにより調べたところ、PI3Kδ選択的阻害剤とラパマイシンの組み合わせを用いた場合には、相乗的な、又は超相加的な抗増殖作用が得られた。
対照的に、臍帯血より単離した正常CD34+先祖細胞の増殖はPI3Kδ選択的阻害剤の投与により有意に影響されなかったのに対し、LY294002の投与はCD34+先祖細胞増殖を完全にブロックした。
更に又、10μMのPI3Kδ選択的阻害剤はメチルセルロースコロニー形成試験において骨髄様及び赤血球様のコロニー形成を抑制しないのに対し、LY294002はこの試験において95%抑制をもたらした。
これらのデータによれば、構成的PI3K活性化の存在は、PI3K陰性試料と比較してAML細胞に対し生育の利点を与え、従ってp110δ活性が腫瘍細胞の増大に必要であることが示されている。更に又、PI3Kδ選択的阻害剤の作用の特異性(LY294002により誘導された大きい阻害と相対比較して正常な造血先祖細胞に対するその最小限の抗増殖作用により示される)は、高い治療指数(即ち用量制限性の毒性をもたらす用量と治療有効用量の比として表される毒性作用と治療作用の間の用量比)が得られることを示唆している。
[実施例5]
アポトーシス試験
LY294002を用いて得られたデータに基づけば、PI3Kは骨髄性白血病の生存率を制御したことが示唆されている[Xu et al.,上出;Zhao et al.,Leukemia,18:267−275(2004)]。p110δの抑制が増殖以外に細胞の生存に寄与するかどうかを調べるために、アポトーシス試験をAML細胞において実施した。
2人のAML患者から得たBMMCを、25μMのLY294002又は10μMのIC87114、又は50ng/mlのラパマイシン、又はIC87114とラパマイシンの両方の存在下又は非存在下において24時間サイトカイン非含有の5%FCSを含有するアルファ培地中、2x105/mlで培養した。アポトーシスを起こしているAML細胞の数を24時間における全集団中のアネキシン−V−PE陽性細胞のパーセントとしてFACS分析により定量した。アネキシン−Vが細胞に結合すれば、アポトーシス機序による細胞死が起こる。
Akt及びFOXO3aのホスホリル化を完全に抑制したにも関わらず、PI3Kδ選択的阻害剤の投与は、細胞においてアポトーシスを誘導したLY294002とは対照的に、PI3K白血病芽細胞においてアポトーシスを誘導しなかった。同様に、ラパマイシン単独、又はPI3Kδ選択的阻害剤との組み合わせはアポトーシスを誘導しなかった。
これらのデータはPI3Kδ選択的阻害剤の抑制作用は細胞の生存に対する作用とは相関していなかったことを示している。Akt及びFOXO3aのホスホリル化を完全に抑制したにも関わらず、PI3Kδ選択的阻害剤はAML細胞における細胞死を誘導しなかった。即ち白血病細胞の細胞死はPI3Kのp110δアイソフォームにより制御されない。LY294002により誘導されるアポトーシスは、全クラスIのPI3Kアイソフォームを抑制するその能力、及び/又は、DNA-PK及びATM/AtrのようなPI3K関連キナーゼに対するその作用に依存していると考えられる。
従って、実施例4のデータと合わせれば、これらのデータはp110δ活性はAML細胞の増大に必要であるが、AML細胞の生存には必須ではないと考えられる。
[実施例6]
FLT3突然変異の分析
数種のチロシンシグナリング経路において機能するGABアダプター蛋白もまた試験したPI3K陽性試料の大多数において構成的にホスホリル化されたが、PI3K陰性試料ではされなかった(実施例1参照)。これらのデータはPI3Kの上流のキナーゼがPI3K経路の構成的活性化の原因であることを強力に示している。PI3Kシグナリング経路の脱調節はAMLの症例の約30%において存在すると報告されているクラスIII受容体チロシンキナーゼFLT3−内部縦列二重化(FLT3−ITD)の突然変異および構成的活性化によるものと考えられる[Gilliland et al.,Blood 100:1532−1542(2002)]。更に又、FLT3-ITDはAMLにおいて最も一般的な遺伝子疾患であることが解っており、そして構成的チロシンキナーゼ活性を誘発することができる。従って、AML細胞試料をスクリーニングすることによりFLT3−ITD突然変異がPI3K経路の脱調節(即ち構成的PI3K活性化)の原因であるかどうかを調べた。
ゲノムDNAを以前に報告されている脱塩操作法を用いて製造した[Miller et al.,Nucleic Acids Res.,16:1215(1988)]。FLT3遺伝子のエクソン14及び15(以前はエクソン11及び12と標記)のゲノム増幅を以前報告[Nakao et al.,Leukemia,10:1911−1918(1996)]されているプライマー11F及び12R(又は陽性FLT3−ITD突然変異患者の対照とするためには11F及び11R)を用いて実施した。プライマー11Fは6FAM蛍光マーカーにより5'末端標識した。GeneScanソフトウエア(Applied Biosystems)を用いて予測340bpの野生型対立遺伝子及びより大きい増幅フラグメントとしてのITD対立遺伝子を検出した。突然変異(FKT3-ITD)及び野生型(WT-FLT3)の対立遺伝子の間の比も測定した。
FLT3のエクソン20TDKドメインの突然変異の分析のために、前に記載されているプライマー20A及びE201R[Abu-Duhier et al.,Br.J.Haematol.,113:983−988(2001)]を用いながら、全試料をコドン835突然変異又は835欠失についてスクリーニングした。野生型産物は129及び65bpの2フラグメントに消化されたのに対し、突然変異D835/I836を含有するものは194bpの未消化のバンドを示した。
7つのITD(内部縦列二重化)突然変異が分析した30試料中から発見された(23%)。これらの結果は最近の研究[Stirewalt et al.,Nat.Rev.Cancer,3:650−665(2003)]において報告されている範囲に含まれていた。D835/I836の点突然変異は分析した30細胞試料中では観察されなかった。更に又、7つのFLT3-ITD陽性試料中、1つのみが構成的PI3K活性化を伴っていることが解った。従って、これらのデータはFLT3受容体突然変異が構成的PI3K活性化の原因ではないことを示唆している。

Claims (32)

  1. 造血細胞におけるホスホイノシチド3−キナーゼデルタ(PI3Kδ)活性を選択的に阻害し、これにより、造血細胞の異常増殖を治療及び/又は予防すること
    を含む、造血細胞の異常増殖を治療及び/又は予防する方法。
  2. 阻害が造血細胞のPI3Kδ活性を阻害するために有効なPI3Kδ選択的阻害剤の量を投与することを含む請求項1記載の方法。
  3. 前記阻害がインビトロである請求項1記載の方法。
  4. 前記阻害がそれを必要とする個体において行われる請求項1記載の方法。
  5. PI3Kδ経路が造血細胞中において構成的に活性化される請求項4記載の方法。
  6. 前記個体がリンパ様及び/又は骨髄様の先祖細胞の異常増殖の関与する適応症を有する請求項5記載の方法。
  7. 前記適応症が急性リンパ芽細胞性白血病;急性骨髄性白血病;慢性リンパ性白血病;慢性骨髄性白血病;骨髄増殖性症候群;脊髄形成異常症候群;皮膚T細胞リンパ腫;有毛細胞白血病;ホジキンリンパ腫;非ホジキンリンパ腫;非ホジキンリンパ腫、B細胞;非ホジキンリンパ腫、T細胞;及び細胞新生物からなる群から選択される請求項6記載の方法。
  8. 前記適応症が急性リンパ芽細胞性白血病;急性骨髄性白血病;慢性リンパ性白血病;慢性骨髄性白血病;及び有毛細胞白血病からなる群から選択される請求項7記載の方法。
  9. ラパマイシン哺乳類標的(mTOR)阻害剤の投与を更に含む請求項1記載の方法。
  10. 前記mTOR阻害剤がラパマイシン、FK506、シクロスポリンA(CsA)およびエベロリムスからなる群から選択される請求項9記載の方法。
  11. 前記PI3Kδ選択的阻害剤がAktホスホリル化を抑制するために効果的な量で投与される請求項2記載の方法。
  12. 前記PI3Kδ選択的阻害剤がFOXO3aホスホリル化を抑制するために効果的な量で投与される請求項2記載の方法。
  13. 前記PI3Kδ選択的阻害剤がGAB1ホスホリル化を抑制するために効果的な量で投与される請求項2記載の方法。
  14. 前記PI3Kδ選択的阻害剤がGAB2ホスホリル化を抑制するために効果的な量で投与される請求項2記載の方法。
  15. 前記PI3Kδ選択的阻害剤が下記式:

    [式中、Aは少なくとも2個の窒素原子を含有する、任意で置換された単環又は2環の環系であり、この系の少なくとも1個の環は芳香族であり;
    XはC(Rb2、CH2CHRb及びCH=C(Rb)からなる群から選択され;
    Yは非存在、S、SO、SO2、NH、O、C(=O)、OC(=O)、C(=O)OおよびNHC(=O)CH2Sからなる群から選択され;
    R1及びR2は独立して、水素、C1−6アルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、NHC(=O)C1−3アルキレンN(Ra2、NO2、ORa、CF3、OCF3、N(Ra2、CN、OC(=O)Ra、C(=O)Ra、C(=O)ORa、アリールORb、Het、NRaC(=O)C1−3アルキレンC(=O)ORa、アリールOC1−3アルキレンN(Ra2、アリールOC(=O)Ra、C1−4アルキレンC(=O)ORa、OC1−4アルキレンC(=O)ORa、C1−4アルキレンOC1−4アルキレンC(=O)ORa、C(=O)NRaSO2Ra、C1−4アルキレンN(Ra2、C2−6アルケニレンN(Ra2、C(=O)NRaC1−4アルキレンORa、C(=O)NRaC1−4アルキレンHet、OC2−4アルキレンN(Ra2、OC1−4アルキレンCH(ORb)CH2N(Ra2、OC1−4アルキレンHet、OC2−4アルキレンORa、OC2−4アルキレンNRaC(=O)ORa、NRaC1−4アルキレンN(Ra2、NRaC(=O)Ra、NRaC(=O)N(Ra2、N(SO2C1−4アルキル)2、NRa(SO2C1−4アルキル)、SO2N(Ra2、OSO2CF3、C1−3アルキレンアリール、C1−4アルキレンHet、C1−6アルキレンORb、C1−3アルキレンN(Ra2、C(=O)N(Ra2、NHC(=O)C1−3アルキレンアリール、C3−8シクロアルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル、アリールOC1−3アルキレンN(Ra2、アリールOC(=O)Rb、NHC(=O)C1−3アルキレンC3−8ヘテロシクロアルキル、NHC(=O)C1−3アルキレンHet、OC1−4アルキレンOC1−4アルキレンC(=O)ORb、C(=O)C1−4アルキレンHet及びNHC(=O)ハロC1−6アルキルからなる群から選択されるか;
    又は、R1及びR2は一緒になって、任意で少なくとも1個のヘテロ原子を含有する5又は6員環の3又は4員のアルキレン又はアルケニレン鎖成分を形成し;
    R3は任意で置換された水素、C1−6アルキル、C3−8シクロアルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル、C1−4アルキレンシクロアルキル、C2−6アルケニル、C1−3アルキレンアリール、アリールC1−3アルキル、C(=O)Ra、アリール、ヘテロアリール、C(=O)ORa、C(=O)N(Ra2、C(=S)N(Ra2、SO2Ra、SO2N(Ra2、S(=O)Ra、S(=O)N(Ra2、C(=O)NRaC1−4アルキレンORa、C(=O)NRaC1−4アルキレンHet、C(=O)C1−4アルキレンアリール、C(=O)C1−4アルキレンヘテロアリール、任意で1個以上のハロで置換されたC1−4アルキレンアリール、SO2N(Ra2、N(Ra2、C(=O)ORa、NRaSO2CF3、CN、NO2、C(=O)Ra、ORa、C1−4アルキレンN(Ra2およびOC1−4アルキレンN(Ra2、C1−4アルキレンヘテロアリール、C1−4アルキレンHet、C1−4アルキレンC(=O)C1−4アルキレンアリール、C1−4アルキレンC(=O)C1−4アルキレンヘテロアリール、C1−4アルキレンC(=O)Het、C1−4アルキレンC(=O)N(Ra2、C1−4アルキレンORa、C1−4アルキレンNRaC(=O)Ra、C1−4アルキレンOC1−4アルキレンORa、C1−4アルキレンN(Ra2、C1−4アルキレンC(=O)ORaおよびC1−4アルキレンOC1−4アルキレンC(=O)ORaからなる群から選択され;
    Raは水素、C1−6アルキル、C3−8シクロアルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル、C1−3アルキレンN(Rc2、アリール、アリールC1−3アルキル、C1−3アルキレンアリール、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1−3アルキル及びC1−3アルキレンヘテロアリールからなる群から選択されるか;
    又はRa基2個が一緒になって任意で少なくとも1個のヘテロ原子を含有する5又は6員の環を形成し;
    Rbは水素、C1−6アルキル、ヘテロC1−3アルキル、C1−3アルキレンヘテロC1−3アルキル、アリールヘテロC1−3アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールC1−3アルキル、ヘテロアリールC1−3アルキル、C1−3アルキレンアリール及びC1−3アルキレンヘテロアリールからなる群から選択され;
    Rcは水素、C1−6アルキル、C3−8シクロアルキル、アリール及びヘテロアリールからなる群から選択され;そして、
    Hetは酸素、窒素及びイオウからなる群から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有し、任意でC1−4アルキル又はC(=O)ORaで置換されている飽和、又は部分的もしくは完全に不飽和の5又は6員の複素環である]を有する化合物又は製薬上許容しうるその塩又は溶媒和物である請求項2記載の方法。
  16. 前記PI3Kδ選択的阻害剤が:
    2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−(2−クロロフェニル)−6,7−ジメトキシ−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(6−アミノプリン−o−イルメチル)−6−ブロモ−3−(2−クロロフェニル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(6−アミノプリン−o−イルメチル)−3−(2−クロロフェニル)−7−フルオロ−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−6−クロロ−3−(2−クロロフェニル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−(2−クロロフェニル)−5−フルオロ−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(6−アミノプリン−o−イルメチル)−5−クロロ−3−(2−クロロ−フェニル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−(2−クロロフェニル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−8−クロロ−3−(2−クロロフェニル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−ビフェニル−2−イル−5−クロロ−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−クロロ−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−クロロ−3−(2−フルオロフェニル)−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−5−クロロ−3−(2−クロロフェニル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−ビフェニル−2−イル−5−クロロ−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−クロロ−3−(2−メトキシフェニル)−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−(2−クロロフェニル)−5−フルオロ−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−(2−クロロフェニル)−6,7−ジメトキシ−2-(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    6−ブロモ−3−(2−クロロフェニル)−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−(2−クロロフェニル)−8−トリフルオロメチル−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−(2−クロロフェニル)−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−ベンゾ[g]キナゾリン−4−オン;
    6−クロロ−3−(2−クロロフェニル)−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    8−クロロ−3−(2−クロロフェニル)−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−(2−クロロフェニル)−7−フルオロ−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−(2−クロロフェニル)−7−ニトロ−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−(2−クロロフェニル)−6−ヒドロキシ−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−クロロ−3−(2−クロロフェニル)−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−(2−クロロフェニル)−5−メチル−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−(2−クロロフェニル)−6,7−ジフルオロ−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−(2−クロロフェニル)−6−フルオロ−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−(2−イソプロピルフェニル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−(2−フルオロフェニル)−5−メチル−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−5−クロロ−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−5−クロロ−3−(2−メトキシ−フェニル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3−シクロプロピル−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−シクロプロピルメチル−5−メチル−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−シクロプロピルメチル−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3−シクロプロピルメチル−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−メチル−3−フェネチル−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−5−メチル−3−フェネチル−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−シクロペンチル−5−メチル−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−シクロペンチル−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−(2−クロロピリジン−3−イル)−5−メチル−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−(2−クロロピリジン−3−イル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−メチル−4−[5−メチル−4−オキソ−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−4H−キナゾリン−3−イル]−安息香酸;
    3−シクロプロピル−5−メチル−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−シクロプロピル−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−メチル−3−(4−ニトロベンジル)−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−シクロヘキシル−5−メチル−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−シクロヘキシル−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3−シクロヘキシル−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−メチル−3−(E−2−フェニルシクロプロピル)−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−(2−クロロフェニル)−5−フルオロ−2−[(9H−プリン−6−イルアミノ)メチル]−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−[(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)メチル]−3−(2−クロロフェニル)−5−フルオロ−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−メチル−2−[(9H−プリン−6−イルアミノ)メチル]−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−[(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)メチル]−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−[(2−フルオロ−9H−プリン−6−イルアミノ)メチル]−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    (2−クロロフェニル)−ジメチルアミノ−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−(2−ベンジルオキシエトキシ)−3−(2−クロロフェニル)−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    6−アミノプリン−9−カルボン酸3−(2−クロロフェニル)−5−フルオロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イルメチルエステル;
    N−[3−(2−クロロフェニル)−5−フルオロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−2−イルメチル]−2−(9H−プリン−6−イルスルファニル)−アセトアミド;
    2−[1−(2−フルオロ−9H−プリン−6−イルアミノ)エチル]−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−メチル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)エチル]−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(6−ジメチルアミノプリン−9−イルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−メチル−2−(2−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−プリン−7−イルメチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−メチル−2−(2−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−プリン−9−イルメチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(アミノ−ジメチルアミノプリン−9−イルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(アミノ−9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(4−アミノ−1,3,5−トリアジン−2−イルスルファニルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−メチル−2−(7−メチル−7H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−メチル−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリミジン−4−イルスルファニルメチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−メチル−2−プリン−7−イルメチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−メチル−2−プリン−9−イルメチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−メチル−2−(9−メチル−9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(2,6−ジアミノ−ピリミジン−4−イルスルファニルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−メチル−2−(5−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イルスルファニルメチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−メチル−2−(2−メチルスルファニル−9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(2−ヒドロキシ−9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−メチル−2−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−メチル−3−o−トリル−2−(1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(2−アミノ−6−クロロ−プリン−9−イルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(6−アミノプリン−7−イルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(7−アミノ−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル−メチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(7−アミノ−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−1−イル−メチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(6−アミノ−9H−プリン−2−イルスルファニルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(2−アミノ−6−エチルアミノ−ピリミジン−4−イルスルファニルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(3−アミノ−5−メチルスルファニル−1,2,4−トリアゾール−1−イル−メチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(5−アミノ−3−メチルスルファニル−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−メチル−2−(6−メチルアミノプリン−9−メチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(6−ベンジルアミノプリン−9−イルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(2,6−ジアミノプリン−9−イルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−メチル−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−イソブチル−5−メチル−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    N−{2−[5−メチル−4−オキソ−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−4H−キナゾリン−3−イル]−フェニル}−アセトアミド;
    5−メチル−3−(E−2−メチル−シクロヘキシル)−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−[5−メチル−4−オキソ−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−4H−キナゾリン−3−イル]−安息香酸;
    3−{2−[(2−ジメチルアミノエチル)メチルアミノ]フェニル}−5−メチル−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−(2−クロロフェニル)−5−メトキシ−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−(2−クロロフェニル)−5−(2−モルホリン−4−イル−エチルアミノ)−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−ベンジル−5−メトキシ−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−(2−ベンジルオキシフェニル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−(2−ヒドロキシフェニル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)エチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−メチル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)プロピル]−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(1−(2−フルオロ−9H−プリン−6−イルアミノ)プロピル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)プロピル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(2−ベンジルオキシ−1−(9H−プリン−6−イルアミノ)エチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−5−メチル−3−{2−(2−(1−メチルピロリジン−2−イル)−エトキシ)−フェニル}−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−(2−(3−ジメチルアミノ−プロポキシ)−フェニル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−5−メチル−3−(2−プロパ−2−イニルオキシフェニル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−{2−(1−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−5−メチル−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル]−フェノキシ}−アセトアミド;
    5−クロロ−3−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−フェニル−2−[2−(9H−プリン−6−イルアミノ)−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−フルオロ−3−フェニル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−5−メチル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オン;
    6−フルオロ−3−フェニル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−5−メチル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−フルオロ−3−フェニル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−(2,3−ジフルオロ−フェニル)−5−メチル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−メチル−3−フェニル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−(3−クロロフェニル)−5−メチル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−メチル−3−フェニル−2−[(9H−プリン−6−イルアミノ)−メチル]−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−[(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−メチル]−3−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−{2−[(2]−ジメチルアミノ−エチル)−メチル−アミノ]−フェニル}−5−メチル−2−[(9H−プリン−6−イルアミノ)−メチル]−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−クロロ−3−(2−フルオロフェニル)−2−[(9H−プリン−6−イルアミノ)−メチル]−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−クロロ−2−[(9H−プリン−6−イルアミノ)−メチル]−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−クロロ−3−(2−クロロフェニル)−2−[(9H−プリン−6−イルアミノ)−メチル]−3H−キナゾリン−4−オン;
    6−フルオロ−3−(3−フルオロフェニル)−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−5−クロロ−3−(3−フルオロ−フェニル)−3H−キナゾリン−4−オン;および、
    製薬上許容しうるその塩及び溶媒和物、
    からなる群から選択される請求項2記載の方法。
  17. 白血病性細胞におけるホスホイノシチド3−キナーゼデルタ(PI3Kδ)活性を選択的に阻害し、これにより、白血病を治療及び/又は予防すること、
    を含む、白血病を治療及び/又は予防する方法。
  18. 阻害が造血細胞のPI3Kδ活性を阻害するために有効なPI3Kδ選択的阻害剤の量を投与することを含む請求項17記載の方法。
  19. 前記阻害がインビトロである請求項17記載の方法。
  20. 前記阻害がそれを必要とする個体において行われる請求項17記載の方法。
  21. 前記PI3Kδ経路が白血病性細胞中において構成的に活性化される請求項20記載の方法。
  22. 前記白血病が急性リンパ芽細胞性白血病;急性骨髄性白血病;慢性リンパ性白血病;慢性骨髄性白血病;及び有毛細胞白血病からなる群から選択される請求項17記載の方法。
  23. ラパマイシン哺乳類標的(mTOR)阻害剤の投与を更に含む請求項17記載の方法。
  24. 前記mTOR阻害剤がラパマイシン、FK506、シクロスポリンA(CsA)およびエベロリムスからなる群から選択される請求項23記載の方法。
  25. 前記PI3Kδ選択的阻害剤がAktホスホリル化を抑制するために効果的な量で投与される請求項18記載の方法。
  26. 前記PI3Kδ選択的阻害剤がFOXO3aホスホリル化を抑制するために効果的な量で投与される請求項18記載の方法。
  27. 前記PI3Kδ選択的阻害剤がGAB1ホスホリル化を抑制するために効果的な量で投与される請求項18記載の方法。
  28. 前記PI3Kδ選択的阻害剤がGAB2ホスホリル化を抑制するために効果的な量で投与される請求項18記載の方法。
  29. 前記PI3Kδ選択的阻害剤が:

    [式中、Aは少なくとも2個の窒素原子を含有する任意で置換された単環又は2環の環系であり、系の少なくとも1個の環は芳香族であり;
    XはC(Rb2、CH2CHRb及びCH=C(Rb)からなる群から選択され;
    Yは非存在、S、SO、SO2、NH、O、C(=O)、OC(=O)、C(=O)OおよびNHC(=O)CH2Sからなる群から選択され;
    R1及びR2は独立して、水素、C1−6アルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、NHC(=O)C1−3アルキレンN(Ra2、NO2、ORa、CF3、OCF3、N(Ra2、CN、OC(=O)Ra、C(=O)Ra、C(=O)ORa、アリールORb、Het、NRaC(=O)C1−3アルキレンC(=O)ORa、アリールOC1−3アルキレンN(Ra2、アリールOC(=O)Ra、C1−4アルキレンC(=O)ORa、OC1−4アルキレンC(=O)ORa、C1−4アルキレンOC1−4アルキレンC(=O)ORa、C(=O)NRaSO2Ra、C1−4アルキレンN(Ra2、C2−6アルケニレンN(Ra2、C(=O)NRaC1−4アルキレンORa、C(=O)NRaC1−4アルキレンHet、OC2−4アルキレンN(Ra2、OC1−4アルキレンCH(ORb)CH2N(Ra2、OC1−4アルキレンHet、OC2−4アルキレンORa、OC2−4アルキレンNRaC(=O)ORa、NRaC1−4アルキレンN(Ra2、NRaC(=O)Ra、NRaC(=O)N(Ra2、N(SO2C1−4アルキル)2、NRa(SO2C1−4アルキル)、SO2N(Ra2、OSO2CF3、C1−3アルキレンアリール、C1−4アルキレンHet、C1−6アルキレンORb、C1−3アルキレンN(Ra2、C(=O)N(Ra2、NHC(=O)C1−3アルキレンアリール、C3−8シクロアルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル、アリールOC1−3アルキレンN(Ra2、アリールOC(=O)Rb、NHC(=O)C1−3アルキレンC3−8ヘテロシクロアルキル、NHC(=O)C1−3アルキレンHet、OC1−4アルキレンOC1−4アルキレンC(=O)ORb、C(=O)C1−4アルキレンHet及びNHC(=O)ハロC1−6アルキルからなる群から選択されるか;
    又は、R1及びR2は一緒になって、任意で少なくとも1個のヘテロ原子を含有する5又は6員環の3又は4員のアルキレン又はアルケニレン鎖成分を形成し;
    R3は任意で置換された水素、C1−6アルキル、C3−8シクロアルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル、C1−4アルキレンシクロアルキル、C2−6アルケニル、C1−3アルキレンアリール、アリールC1−3アルキル、C(=O)Ra、アリール、ヘテロアリール、C(=O)ORa、C(=O)N(Ra2、C(=S)N(Ra2、SO2Ra、SO2N(Ra2、S(=O)Ra、S(=O)N(Ra2、C(=O)NRaC1−4アルキレンORa、C(=O)NRaC1−4アルキレンHet、C(=O)C1−4アルキレンアリール、C(=O)C1−4アルキレンヘテロアリール、任意で1個以上のハロで置換されたC1−4アルキレンアリール、SO2N(Ra2、N(Ra2、C(=O)ORa、NRaSO2CF3、CN、NO2、C(=O)Ra、ORa、C1−4アルキレンN(Ra2およびOC1−4アルキレンN(Ra2、C1−4アルキレンヘテロアリール、C1−4アルキレンHet、C1−4アルキレンC(=O)C1−4アルキレンアリール、C1−4アルキレンC(=O)C1−4アルキレンヘテロアリール、C1−4アルキレンC(=O)Het、C1−4アルキレンC(=O)N(Ra2、C1−4アルキレンORa、C1−4アルキレンNRaC(=O)Ra、C1−4アルキレンOC1−4アルキレンORa、C1−4アルキレンN(Ra2、C1−4アルキレンC(=O)ORaおよびC1−4アルキレンOC1−4アルキレンC(=O)ORaからなる群から選択され;
    Raは水素、C1−6アルキル、C3−8シクロアルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル、C1−3アルキレンN(Rc2、アリール、アリールC1−3アルキル、C1−3アルキレンアリール、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1−3アルキル及びC1−3アルキレンヘテロアリールからなる群から選択されるか;
    又はRa基2個が一緒になって任意で少なくとも1個のヘテロ原子を含有する5又は6員の環を形成し;
    Rbは水素、C1−6アルキル、ヘテロC1−3アルキル、C1−3アルキレンヘテロC1−3アルキル、アリールヘテロC1−3アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールC1−3アルキル、ヘテロアリールC1−3アルキル、C1−3アルキレンアリール及びC1−3アルキレンヘテロアリールからなる群から選択され;
    Rcは水素、C1−6アルキル、C3−8シクロアルキル、アリール及びヘテロアリールからなる群から選択され;そして、
    Hetは酸素、窒素及びイオウからなる群から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有し、任意でC1−4アルキル又はC(=O)ORaで置換されている飽和、又は部分的もしくは完全に不飽和の5又は6員の複素環である]を有する化合物又は製薬上許容しうるその塩又は溶媒和物である請求項18記載の方法。
  30. PI3Kδ選択的阻害剤が下記:
    2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−(2−クロロフェニル)−6,7−ジメトキシ−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(6−アミノプリン−o−イルメチル)−6−ブロモ−3−(2−クロロフェニル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(6−アミノプリン−o−イルメチル)−3−(2−クロロフェニル)−7−フルオロ−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−6−クロロ−3−(2−クロロフェニル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−(2−クロロフェニル)−5−フルオロ−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(6−アミノプリン−o−イルメチル)−5−クロロ−3−(2−クロロ−フェニル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−(2−クロロフェニル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−8−クロロ−3−(2−クロロフェニル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−ビフェニル−2−イル−5−クロロ−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−クロロ−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−クロロ−3−(2−フルオロフェニル)−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−5−クロロ−3−(2−クロロフェニル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−ビフェニル−2−イル−5−クロロ−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−クロロ−3−(2−メトキシフェニル)−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−(2−クロロフェニル)−5−フルオロ−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−(2−クロロフェニル)−6,7−ジメトキシ−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    6−ブロモ−3−(2−クロロフェニル)−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−(2−クロロフェニル)−8−トリフルオロメチル−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−(2−クロロフェニル)−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−ベンゾ[g]キナゾリン−4−オン;
    6−クロロ−3−(2−クロロフェニル)−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    8−クロロ−3−(2−クロロフェニル)−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−(2−クロロフェニル)−7−フルオロ−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−(2−クロロフェニル)−7−ニトロ−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−(2−クロロフェニル)−6−ヒドロキシ−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−クロロ−3−(2−クロロフェニル)−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−(2−クロロフェニル)−5−メチル−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−(2−クロロフェニル)−6,7−ジフルオロ−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−(2−クロロフェニル)−6−フルオロ−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−(2−イソプロピルフェニル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−(2−フルオロフェニル)−5−メチル−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−5−クロロ−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−5−クロロ−3−(2−メトキシ−フェニル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3−シクロプロピル−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−シクロプロピルメチル−5−メチル−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−シクロプロピルメチル−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3−シクロプロピルメチル−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−メチル−3−フェネチル−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−5−メチル−3−フェネチル−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−シクロペンチル−5−メチル−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−シクロペンチル−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−(2−クロロピリジン−3−イル)−5−メチル−2−(9H−プリン−6−イル−スルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−(2−クロロピリジン−3−イル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−メチル−4−[5−メチル−4−オキソ−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−4H−キナゾリン−3−イル]−安息香酸;
    3−シクロプロピル−5−メチル−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−シクロプロピル−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−メチル−3−(4−ニトロベンジル)−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−シクロヘキシル−5−メチル−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−シクロヘキシル−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3−シクロヘキシル−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−メチル−3−(E−2−フェニルシクロプロピル)−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−(2−クロロフェニル)−5−フルオロ−2−[(9H−プリン−6−イルアミノ)メチル]−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−[(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)メチル]−3−(2−クロロフェニル)−5−フルオロ−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−メチル−2−[(9H−プリン−6−イルアミノ)メチル]−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−[(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)メチル]−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−[(2−フルオロ−9H−プリン−6−イルアミノ)メチル]−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    (2−クロロフェニル)−ジメチルアミノ−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−(2−ベンジルオキシエトキシ)−3−(2−クロロフェニル)−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    6−アミノプリン−9−カルボン酸3−(2−クロロフェニル)−5−フルオロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2−イルメチルエステル;
    N−[3−(2−クロロフェニル)−5−フルオロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−2−イルメチル]−2−(9H−プリン−6−イルスルファニル)−アセトアミド;
    2−[1−(2−フルオロ−9H−プリン−6−イルアミノ)エチル]−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−メチル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)エチル]−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(6−ジメチルアミノプリン−9−イルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−メチル−2−(2−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−プリン−7−イルメチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−メチル−2−(2−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−プリン−9−イルメチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(アミノ−ジメチルアミノプリン−9−イルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(アミノ−9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(4−アミノ−1,3,5−トリアジン−2−イルスルファニルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−メチル−2−(7−メチル−7H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−メチル−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリミジン−4−イルスルファニルメチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−メチル−2−プリン−7−イルメチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−メチル−2−プリン−9−イルメチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−メチル−2−(9−メチル−9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(2,6−ジアミノ−ピリミジン−4−イルスルファニルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−メチル−2−(5−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イルスルファニルメチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−メチル−2−(2−メチルスルファニル−9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(2−ヒドロキシ−9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−メチル−2−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニルメチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−メチル−3−o−トリル−2−(1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(2−アミノ−6−クロロ−プリン−9−イルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(6−アミノプリン−7−イルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(7−アミノ−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル−メチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(7−アミノ−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−1−イル−メチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(6−アミノ−9H−プリン−2−イルスルファニルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(2−アミノ−6−エチルアミノ−ピリミジン−4−イルスルファニルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(3−アミノ−5−メチルスルファニル−1,2,4−トリアゾール−1−イル−メチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(5−アミノ−3−メチルスルファニル−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−メチル−2−(6−メチルアミノプリン−9−メチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(6−ベンジルアミノプリン−9−イルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(2,6−ジアミノプリン−9−イルメチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−メチル−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−イソブチル−5−メチル−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    N−{2−[5−メチル−4−オキソ−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−4H−キナゾリン−3−イル]−フェニル}−アセトアミド;
    5−メチル−3−(E−2−メチル−シクロヘキシル)−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−[5−メチル−4−オキソ−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−4H−キナゾリン−3−イル]−安息香酸;
    3−{2−[(2−ジメチルアミノエチル)メチルアミノ]フェニル}−5−メチル−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−(2−クロロフェニル)−5−メトキシ−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−(2−クロロフェニル)−5−(2−モルホリン−4−イル−エチルアミノ)−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−ベンジル−5−メトキシ−2−(9H−プリン−6−イルスルファニルメチル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−(2−ベンジルオキシフェニル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−(2−ヒドロキシフェニル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)エチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−メチル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)プロピル]−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(1−(2−フルオロ−9H−プリン−6−イルアミノ)プロピル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)プロピル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(2−ベンジルオキシ−1−(9H−プリン−6−イルアミノ)エチル)−5−メチル−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−5−メチル−3−{2−(2−(1−メチルピロリジン−2−イル)−エトキシ)−フェニル}−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−3−(2−(3−ジメチルアミノ−プロポキシ)−フェニル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−5−メチル−3−(2−プロパ−2−イニルオキシフェニル)−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−{2−(1−(6−アミノプリン−9−イルメチル)−5−メチル−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル]−フェノキシ}−アセトアミド;
    5−クロロ−3−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−フェニル−2−[2−(9H−プリン−6−イルアミノ)−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−フルオロ−3−フェニル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−5−メチル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−プロピル]−3H−キナゾリン−4−オン;
    6−フルオロ−3−フェニル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−5−メチル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−フルオロ−3−フェニル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−(2,3−ジフルオロ−フェニル)−5−メチル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−メチル−3−フェニル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−(3−クロロフェニル)−5−メチル−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−メチル−3−フェニル−2−[(9H−プリン−6−イルアミノ)−メチル]−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−[(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−メチル]−3−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−5−メチル−3H−キナゾリン−4−オン;
    3−{2−[(2]−ジメチルアミノ−エチル)−メチル−アミノ]−フェニル}−5−メチル−2−[(9H−プリン−6−イルアミノ)−メチル]−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−クロロ−3−(2−フルオロフェニル)−2−[(9H−プリン−6−イルアミノ)−メチル]−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−クロロ−2−[(9H−プリン−6−イルアミノ)−メチル]−3−o−トリル−3H−キナゾリン−4−オン;
    5−クロロ−3−(2−クロロフェニル)−2−[(9H−プリン−6−イルアミノ)−メチル]−3H−キナゾリン−4−オン;
    6−フルオロ−3−(3−フルオロフェニル)−2−[1−(9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−3H−キナゾリン−4−オン;
    2−[1−(2−アミノ−9H−プリン−6−イルアミノ)−エチル]−5−クロロ−3−(3−フルオロフェニル)−3H−キナゾリン−4−オン;および、
    製薬上許容しうるその塩及び溶媒和物、
    からなる群から選択される請求項18記載の方法。
  31. ホスホイノシチド3−キナーゼデルタ(PI3Kδ)選択的阻害剤及び請求項1〜30の何れか1項に記載の方法を示すラベルを含む製造の物品。
  32. 造血細胞の異常増殖の関与する適応症を治療又は予防するための医薬の製造における少なくとも1つのホスホイノシチド3−キナーゼデルタ(PI3Kδ)選択的阻害剤を含む組成物の使用。
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