JP2012503688A - 細胞の増大のための照射膜 - Google Patents

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Abstract

本発明は、接着または懸濁細胞(特に、接着細胞)を培養するために使用できる膜に関し、該膜は酸素の存在下で12.5 〜175 kGyの量でガンマ-またはベータ-線または電子ビームでの湿性または乾燥膜の照射により細胞の付着 および 増殖を許容する。結果的に生じる膜は、表面修飾物質での何らかの前処理なしで使用しえる。さらに、本発明は、細胞(特に,接着細胞)の培養に使用できる前記照射膜を調製するための方法、また細胞(特に,接着細胞)の培養のため係る膜を使用する方法に関する。

Description

発明の説明
[技術分野]
本発明は、接着または懸濁細胞(特に、接着細胞)を培養するために使用できる膜に関し、該膜は酸素の存在下で12.5 〜175 kGyの量でガンマ-またはベータ-線または電子ビームでの湿性または乾燥膜の照射により細胞の付着 および 増殖を許容する。結果的に生じる膜は、表面修飾物質(surface-modifying substances)での何らかの前処理なしで使用しえる。さらに、本発明は、細胞(特に,接着細胞)の培養に使用できる前記照射膜を調製するための方法、また細胞(特に,接着細胞)の培養のため係る膜を使用する方法に関する。
[発明の背景]
本発明の目的は、培養 フラスコまたはセルスタックを用いる細胞を増大させるため現在での最も基準的なものを代表する組織培養 ポリスチレン (TCPS) プレートと実質的に 類似する成長特性を示す膜(membranes)の同定であった。測定される主要な特性は、細胞増大速度(cell expansion rate), 細胞の膜への再付着効率, および形態のコントロール(morphology control), 表現型, および分化ポテンシャルを含む細胞増大後の特性であった。係る膜は、様々な形状(例えば、平らなシートまたは中空繊維膜)に製造されるために適切であるべきである。
特に、本発明は、例えば、様々なタイプの接着細胞を培養する, 成長させる, 保存する及び/又は増大させるため使用できる膜に関する。本発明において、「細胞培養」または「細胞を培養する」の表現は、全ての係る使用〔即ち、接着, 維持, 成長, 増大, 分化, 分子生物学的な修飾(例えば、トランスフェクション), および/または異なるタイプの細胞の貯蔵〕を含む。
インビボでの大部分の細胞のように、多くの細胞は接着細胞または足場依存性細胞である(即ち、表面または基質に付着する場合に限り、細胞は代謝し、分割する)。循環系の細胞(例えば、リンパ球および赤血球)および他の細胞タイプ(例えば、造血性幹細胞, 肝細胞, CHO細胞, など)のみが、インビトロで溶液中で非接着でまた懸濁されて成長する。多くの足場依存性細胞がガラスまたは合成物の表面で成長しえるが、これらの細胞は頻繁に分化し、ホルモンに応答する能力を失う。細胞の形態の欠損により機能喪失を伴うのみならず、長期の培養系における再生能も阻止される。しかしながら、長期の培養は組織培養のためのヒト細胞の使用などにおいて大きな意義があり、多くの細胞は任意の量で入手不可能である。この理由のため、係る組織培養のディッシュは、頻繁に細胞外基質成分(例えば、 コラーゲンまたはフィブロネクチン)で被覆される。しかしながら、異種因子(xenogenic factors)の使用は、特に細胞それ自体またはマトリックスにおいてヒトの内科療法のため使用される際に明らかに不利である。というのも、使用することにより汚染のリスクが生じ、患者の治療に副作用を生じえるからである。
このような表面上で細胞が成長すること又はそれらの能力を保持することに失敗することは、例えば、現在の組織培養技術における主要な制限である。組織培養は、ヒトへの移植に使用できる組織および器官の潜在的な供給源である。例えば、組織培養した皮膚細胞は、皮膚の移植片に潜在的に使用できる。目的は、例えば、新しい組織の成長を適切な配向性(orientation)および方向性で再生する体の能力に依存する無細胞マトリックスを使用することにより又はマトリックス又はそれに接着する細胞を伴う膜を使用することにより正常な機能を回復し、維持できる生物学的な代用物を開発することである〔Atala (2006): Recent developments in tissue engineering and regenerative medicine. Curr. Opin. Pediatr. 16, 167-171〕。また、細胞は、担体と共にまたは単独で注射を介した治療のため使用できる。このようなケースにおいて、培養において増大される必要がある細胞は、支持マトリックスに付着し、増大後に宿主に再移植される。獣医学上の治療適用が今日利用可能であり、細胞培養のための膜の付加的な適用を代表しえる。
また、細胞は、多量のバイオプロダクト(例えば、成長因子, 抗体 および ウイルス)を産生する能力のある生物学的な「工場」を代表するので、細胞(特に、接着細胞)を培養するための能力は重要である。これらのプロダクトは、引き続き細胞培養物から単離でき、例えばヒトの疾患を治療するため使用できる。
加えて、細胞培養は、薬学および生命科学の産業の分野における生体適合性および毒物学の研究のための新たな道具である。
最終的に, 組織培養は、通常僅か一つ又は少数の組織または器官からの細胞を含む。結果的に, 細胞培養によって、全体の生物体で作業するさいに混乱なく個々の細胞タイプの特性を研究するためのシステムが科学者に提供される。
接着細胞を培養する既知の方法は、中空繊維膜のバイオリアクターを必要とする。このシステムにおいて、細胞は、通常は円柱状の中空繊維膜の管腔に付着する。培養培地および酸素は、円柱状の中空繊維膜の中心を通して流れる。膜の分子量カットオフによって、細胞を逃がすことなく、栄養および酸素が細胞に達することが可能とされる。
種々のポリマーは、細胞 および 組織培養(US 2007/269489)のための半透性膜を生産するため示唆された。それらには、ポリアルギナート(polyalginate), ポリ塩化ビニル, ポリ弗化ビニリデン, ポリウレタンイソシアネート(polyurethane isocyanate), 酢酸セルロース, 二酢酸セルロース, 三酢酸セルロース, 硝酸セルロース, ポリスルホン, ポリエーテルスルホン, ポリスチレン, ポリウレタン, ポリビニルアルコール, ポリアクリロニトリル, ポリアミド, ポリメタクリル酸メチル, ポリテトラフルオロエチレン, ポリエチレン酸化物および係るポリマーの組み合わせが含まれる。また、重合体の支持は、ポリエチレンテレフタラート (PET)またはポリカーボネートからなってもよい。例えば、移植可能な組織材料のための足場としての示唆されたさらなる材料は、セルロースまたはマクロ孔質コラーゲン担体,または生分解性マトリックスである。
WO 93/00439 A1は、細胞が刺激され、活性因子を分泌する生体適合性の半透膜内での細胞培養の維持を記載する。使用した半透膜は、その半透膜を通した活性因子の拡散を許容し、他方で外部環境に存在する有害な因子が培養物に接近することを防ぐ。記載された膜は、チュウブ形状を有し、150 kDaまでの分子量を有している分子の拡散を可能にすると考えられている。前記膜のため示唆された材料は、アクリルの コポリマー, ポリ塩化ビニル, ポリスチレン, ポリウレタン, ポリアミド, ポリメタクリレート, ポリスルホン, ポリアクリラート, ポリフッ化ビニリデン, イソシアン酸ポリウレタン, ポリアルギナート(polyalginate), 酢酸セルロース, ポリスルホン, ポリビニルアルコール, ポリアクリロニトリル, 酸化ポリエチレン, 及びその誘導体および混合物である。係る膜を調製するための何らかの照射の使用は、記載されていない。膜自体はこの開示において細胞接着のためのマトリックスとして機能する必要がない。
WO 90/11820 A2は、インビトロでの細胞成長またはインビボでの人工的な移植片のため使用可能な表面を有する平らな膜を開示する。膜は、0.1 〜100 ミクロンの範囲の孔サイズを有する多孔性であり、中間層にフィンガーライク配置を有していると記載される。膜は、疎水性ポリマー および 親水性ポリマーを含む。疎水性ポリマーに関して与えられた例は、ポリスルホン, ポリアミド, ポリエーテルスルフォン, ポリエステル, ポリカーボネート, 好ましくは ポリエーテルウレタン, 及びそのコポリマーを含む。前記文献は、膜が細胞を接着し、培養するため使用できる膜であるかどうかを報告していない。何らかの照射技術の使用は、記載されていない。
接着細胞の培養のマトリックスとして使用できるだろう膜の組成を同定する問題とは別に、現在当該技術分野において知られている膜は、膜またはマトリックスの前処理,または外因性因子(例えば、フィブロネクチン, ラミニンまたはコラーゲン)の付加なしで、接着, 増大, 分化および寿命の延長を十分に促進すること、また持続することに無能であることを経験している。
例えば、Fissell〔Fissell (2006) in Expert Rev. Med. Devices 3(2), 155〕は、接着する腎尿細管細胞に基づく人工腎臓を開発することに関してポリスルホンベースの中空繊維膜を合成する仕事を論評している。この場合、膜は、細胞の付着を促進するためProNectin-L TMで被覆されなければならない。
US-A 6,150,164 および US-A 6,942,879の双方は、中空繊維に播種される腎臓細胞(例えば、内皮細胞または所謂腎臓幹細胞)に基づくバイオ人工腎臓に関する手の込んだ方法を示す。有用であると言及された中空繊維膜は、セルロース, ポリアクリロニトリル, ポリスルホン及び他の成分又はそのコポリマーに基づく。中空繊維の内面および外面は、タイプIコラーゲン, タイプ IV コラーゲン, ラミニン, Matrigel, プロテオグリカン, フィブロネクチン及びその組み合わせを含む適切な細胞外基質成分(EMC)で事前に被覆される。係る処理後にのみ細胞を播種できる。
膜の特定の成分(例えば、PVP)をクロスリンクするため又は膜を滅菌するため合成膜(例えば、ポリスルホンベースの膜)をガンマ線照射に供する手順は知られている。放射線量は、一般的には10 〜50 kGyの範囲, 好ましくは20 〜35 kGyの範囲(例えば、US 6,960,297 B2またはUS-A 6,103,117を参照されたい)。通常、膜のデグラデーションを最小化するため高量は避けられる。加えて、前記の知られている処理は、通常は同じ理由(即ち、酸素ラジカルまたはH2O2などの攻撃的な酸素誘導体の形成及びそれらによる膜のデグラデーション)のため酸素の存在を排除(omit)する様式で設計される。ガンマ線照射による滅菌法は、一般的には水性条件下で行われる(即ち、湿性膜で溶液を脱気して酸素を除去する)。乾燥条件が使用される場合においても、不活性ガス 雰囲気, 酸素スカベンジャーなどを用いることにより酸素は系から除去される。
さらに、一般に透析処理に使用される膜に細胞が付着することを回避する又は最小化することは明らかに前記の従来技術の膜および方法の課題である。この事項は、細胞の付着および成長に有利である表面を提供することに焦点を合わせた本発明の課題とは反対である。従って、従来技術に記載された方法は、本発明の目的(即ち、細胞の培養)に有用ではない膜を提供するため設計されている。
EP 1 795 254 A1はポリスルホンベースの膜の形成を記載しており、ここで膜は膜の周囲の環境の雰囲気における酸素濃度が0.001〜0.1%又はそれ未満、また膜の含水量は0.2 〜7 wt.-%(その重量に関して)の条件下で放射線(例えば、ガンマ線)に暴露される。この文献では、高い酸素濃度(特に、大気の空気の使用)によって、ポリマーの主鎖を切断する活性な酸素ラジカルが生じて、それらを分解すること、それゆえ不活性ガスの雰囲気を有すること(好ましくは、酸素スカベンジャーも存在する)が望ましいことが記載されている。酸素を完全に排除することは困難であるので、前述の制限は最高の酸素レベルとして示唆される。EP 1 795 254 A1には、さらにガンマ線を用いる場合に放射線量が1 〜50 kGyであるべきこと、また10 〜30 kGyがより良いことが記載されている。より低い量では滅菌が不十分であるが、他方で高い量では膜の成分が分解する。文献は、細胞培養のための膜の使用を意図していない。
また、JP 2003/245526は、湿性(水を充填した)繊維を用いることなく、中空繊維膜を照射するための方法が記載されている。この方法において、含水量(moisture content)は、中空繊維膜の重量に対して少なくとも 4%に調整される。中空繊維膜モジュールにおける酸素の濃度は、0.1 〜3.6 %に設定される。
US 2006/191844は、脱気した水性のRO溶液を充填して密封(sealing)することによる膜モジュールの処理を記載しており、前記モジュールは次に10 〜60 kGy のガンマ線に暴露される。ガンマ線の量が高すぎる場合、疎水性ポリマー, 親水性ポリマーおよび/またはハウジングは、分解し、劣化する可能性がある。従って、ガンマ線量は、好ましくは 50 kGy以下, 特に 30 kGy以下であることが開示される。非-脱気水が使用された場合、水に溶解された酸素は膜の成分を酸化し、劣化させる。
WO 2006/135966 A1は、膜の親水性成分(例えば、PVP)をガンマ線照射を用いて(任意で、化学的な溶液処理方法と組み合わせて)クロスリンクする方法を開示する。使用される量は、1 〜100 kGy, 好ましくは 10 〜50 kGyである。照射は、乾燥および湿性の膜に適用可能であるといわれる。しかしながら、与えられた例は湿性膜を使用し、量は35 kGyを超えない。彼の文献にしたがって調製された膜の細胞を培養するための使用は、言及されていない。
また、EP 1 439 212 A1は、ポリスルホン および PVPベースの膜のガンマ線での照射を記載する。ここでも、膜のデグラデーションを回避するため、膜は湿性状態で照射され、前記膜は少なくとも 1 wt.-%以上の水を含む又は水に浸漬され、量は50 kGyを超えるべきではない。照射が血小板の膜表面への付着を減少させることを教示しており、本発明の目的(即ち、細胞の膜表面への付着)とは対照的である。
JP 2004/305840は、疎水性ポリマー および 親水性ポリマーから構成され、スピニング後にガンマ線で照射されることにより滅菌される中空繊維膜を記載する。照射は、乾燥し、低温で脱酸素化し、密閉した閉鎖状態で行われる。ここでも酸素の排除が決定的に重要であることに注意することが重要である。
[発明の概要]
本発明において、調製後にベータ線またはガンマ線または電子ビームで12.5 〜175 kGyの量で酸素の存在下で処理された膜が開示される。照射の間、膜は、乾燥または湿性状態で存在でき、それぞれ空気, 水,または水性の溶液でカバーされてもよい。また、本発明は、係る膜を調製する方法に関する。また、本発明は、細胞外基質成分で膜を前処理するまたは事前に被覆する必要がない細胞付着を促進するための及び細胞(特に、接着細胞)の培養のための膜を用いる方法に関する。本発明において好適な膜は、ポリスルホンベースの, ポリエーテルスルホンベースの又はポリ(アリール)エーテルスルホンベースの合成膜であって、加えてPVPおよび任意で低い量のさらなるポリマー(例えば、ポリアミドまたはポリウレタン)を含んでいる膜である。
様々な 膜 タイプ上での非処理の骨髄から成長させたMSCの数と比べた標準 TCPSで成長させたMSC の数を第一(14 日) および 第二(7 日) 成長期後に[%]で示す(実験 1)。横線は、TCPSのレベルを示す。使用した略語に関して表 Iを参照されたい。 様々な 膜 タイプ上での非処理の骨髄から成長させたMSCの数と比べた標準 TCPSで成長させたMSC の数を第一(14 日) および 第二(7 日) 成長期後に[%]で示す(実験 2)。横線は、TCPSのレベルを示す。使用した略語に関して表 Iを参照されたい。 第二成長期の5日で従来の TCPS ディッシュに再播種したMSCの形態を示す。MSCは、例 10に記載された実験 2から由来する。略語は、表 Iに記載される。(A) VTK膜, 水でカバー, 0 %のアクリル酸, 75 kGy。(B) VTK膜, 水でカバー, 0.0001 %のアクリル酸, 75 kGy。(C) VTK膜, 水でカバー, 0.001 %のアクリル酸, 75 kGy。(D) VTK膜, 水でカバー, 0.01 %のアクリル酸, 75 kGy。(E) TCPS。(F) VTK膜, 空気でカバー, 25 kGy。(G) VTK膜, 空気でカバー, 75 kGy。(H) VTK膜, 未処理。(J) VTK膜 + FNコーティング。 様々な 膜 タイプ上での事前に選択したMSCから成長させたMSCの数と比べた標準 TCPSで成長させたMSC の数を第一(9 日) および 第二(7 日) 成長期後に[%]で示す(実験 1)。横線は、TCPSのレベルを示す。使用した略語に関して表IIおよび例11を参照されたい。 様々な 膜 タイプ上での事前に選択したMSCから成長させたMSCの数と比べた標準 TCPSで成長させたMSC の数を第一(10 日) および 第二(11 日) 成長期後に[%]で示す(実験 2)。横線は、TCPSのレベルを示す。使用した略語に関して表IIおよび例11を参照されたい。 直接的にガンマ線照射した膜とガンマ線照射前に蒸気滅菌した膜との比較を示す。例 12に記載の実験は、所与の膜の表面に接着するMSCの数と標準 TCPS 表面に接着するMSCの数を[%]で比べた実験に関する。横線は、TCPSのレベルを示す。 第一(11 日) および 第二(7 日)の成長期の後、75 kGyで照射され、蒸気およびETO滅菌の有り無しの条件の膜における非処理の骨髄から成長させたMSCの数と標準 TCPSで成長させたMSCの数との比較を[%]で示す。横線は、TCPSのレベルを示す。 本発明の膜で成長させたMSCの脂肪生成が成功したことを示す。(A) VTK膜, 水でカバー, 0.01%のアクリル酸, 75 kGy。(B) VTK膜, 水でカバー, 0.01%のアリルアミン, 75 kGy。(C) VTK膜, 水でカバー, 0.01 %のアクリル酸, および0.01%のアリルアミン, 25 kGy。 本発明の膜で成長させたMSCの骨形成が成功したことを示す。(A) TCPS膜(比較)。(B) VTK膜, 水でカバー, 0.01 %のアクリル酸, 75 kGy。(C) VTK膜, 水でカバー, 0.01 %のアリルアミン, 75 kGy。(D) VTK膜, 水でカバー, 0.01%のアクリル酸 + 0.01%のアリルアミン, 75 kGy。(E) VTK膜, 水でカバー, 0.01 %のアクリル酸, 25 kGy。(F) VTK膜, 水でカバー, 0.5%のアクリル酸, 25 kGy。 25 kGy (空気-カバー)または75 kGy (水-カバー)で照射されたVTK 膜におけるヒトの真皮線維芽細胞 (NHDF)をTCPSと比較した短期の細胞培養の結果を示す。左の棒は、1 日後のNHDF 細胞の数をTCPSにおける細胞の数と比べて示す(即ち、細胞接着の効率を示す)。右の棒は、5 日後のNHDF 細胞の数をTCPSにおける細胞の数と比べて示す(即ち、細胞増殖の効率を示す)。 25 kGy (空気-カバー)または75 kGy (水-カバー)で照射されたVTK 膜におけるヒトの肝臓癌細胞(HepG2)をTCPSと比較した短期の細胞培養の結果を示す。左の棒は、1 日後のHepG2 細胞の数をTCPSにおける細胞の数と比べて示す(即ち、細胞接着の効率を示す)。右の棒は、5 日後のHepG2 細胞の数をTCPSにおける細胞の数と比べて示す(即ち、細胞増殖の効率を示す)。本発明の膜は、TCPS 表面より優れた細胞の接着および増殖を示す。 25 kGy (空気-カバー)または75 kGy (水-カバー)で照射されたVTK 膜におけるヒトの腎臓の上皮細胞(HK-2)をTCPSと比較した短期の細胞培養の結果を示す。左の棒は、1 日後のHK-2 細胞の数をTCPSにおける細胞の数と比べて示す(即ち、細胞接着の効率を示す)。右の棒は、5 日後のHK-2 細胞の数をTCPSにおける細胞の数と比べて示す(即ち、細胞増殖の効率を示す)。 25 kGy (空気-カバー)または75 kGy (水-カバー)で照射されたVTK 膜におけるイヌの腎臓の上皮細胞(MDCK)をTCPSと比較した短期の細胞培養の結果を示す。左の棒は、1 日後のMDCK 細胞の数をTCPSにおける細胞の数と比べて示す(即ち、細胞接着の効率を示す)。右の棒は、5 日後のMDCK 細胞の数をTCPSにおける細胞の数と比べて示す(即ち、細胞増殖の効率を示す)。 本発明の膜に基づくバイオリアクター中の細胞と標準 フラスコ培養の倍加時間の比を示す(例 15を参照されたい)。倍加時間(doubling time)は、所与のバイオリアクター中の細胞の倍加時間/対照フラスコ中の細胞の倍加時間を意味する。 非処理の骨髄から培養されたMSCの生存度(viability)を示す。収穫した細胞の生存度は、試験した全てのバイオリアクターに関して90% を超えた。 本発明のバイオリアクターから収穫した細胞の表現型を示す。MSCを非処理の骨髄から培養した。認められるとおり、VTKの水で満たされたバイオリアクター(75 kGy)において増大させた細胞は、CD45 および HLA-DRに関して比較的高い値を示した。他の全てのバイオリアクターから収穫された細胞は、CD34, CD45, CD73, CD90, CD105 および HLA-DRに関してMSCに予想された表現型を示した。 様々な 膜 タイプ上での事前に選択したMSCから成長させたMSCの数と比べた標準 TCPSで成長させたMSC の数を第一(10 日) および 第二(11 日) 成長期後に[%]で示す。結果は、膜の細胞増殖特性におけるガンマ線量の効果を示す。横線は、TCPSのレベルを示す。
[発明の詳細な記載]
本発明の対象は、乾燥した又は湿った状態の何れかで、酸素の存在下でベータ線またはガンマ線または電子ビームの照射に12.5 〜175 kGyの用量で供されるポリマー膜である。照射の間、膜は、酸素が照射の間に4 〜100 vol.-%(例えば、5 〜30 vol.-%または15 〜25 vol.-%)の濃度で存在する空気で囲まれてもよい又は水または低量の添加物を含んでいる水溶液で囲まれてもよい。
ポリマー膜は、疎水性もしくは親水性のポリマーまたは双方を含む。一態様において、膜は、少なくとも 一つの親水性の ポリマー および 少なくとも 一つの疎水性のポリマーの混合物を含む。別の態様において、膜は、親水性のコポリマーを含む。なお別の態様において、膜は、親水性のコポリマー および 疎水性のポリマーを含む。別の態様において、膜は、親水性のホモポリマーを含む。更なる一態様において、膜は、親水性のホモポリマー および 疎水性のポリマーを含む。
本発明の一態様において、膜を調製するため使用されるポリマー溶液は、ポリマー溶液中の疎水性ポリマーの画分が5および20 重量%の間および親水性ポリマーの画分が2および13 重量%の間の量で疎水性および親水性ポリマーを含む。
特定の態様において、膜は、第一の疎水性のポリマー成分, 第二の親水性のポリマー成分, および, 任意で, 第三の疎水性のポリマー成分を含む。
前記第一の疎水性のポリマーは、好ましくはポリアミド (PA), ポリアラミド (PAA), ポリ(アリール)エーテルスルホン (PAES), ポリエーテルスルフォン(PES), ポリスルホン(PSU), ポリアリールスルホン (PASU), ポリカーボネート (PC), ポリエーテル, ポリウレタン (PUR), ポリエーテルイミドおよび前記ポリマーのコポリマーからなる群から選択される。前記第二の親水性のポリマーは、好ましくはポリビニルピロリドン (PVP), ポリエチレングリコール (PEG), ポリグリコールモノエステル, 水溶性のセルロース誘導体, ポリソルベート および ポリエチレンオキシド-ポリプロピレンオキシド コポリマーからなる群から選択される。前記第三の疎水性のポリマーは、好ましくはポリアミド (PA), ポリアラミド (PAA), ポリ(アリール)エーテルスルホン (PAES), ポリエーテルスルフォン(PES), ポリスルホン(PSU), ポリアリールスルホン (PASU), ポリカーボネート (PC), ポリエーテル, ポリウレタン (PUR), ポリエーテルイミドおよび前記ポリマーのコポリマーからなる群から選択される。膜は、平らなシートまたは中空繊維膜の形態に調製できる。
本発明の一側面において、膜は、膜をEMCで前処理または事前に被覆(pre-coat)することを必要とすることなく、細胞の付着または接着, 細胞成長および細胞の増大または貯蔵のため使用できる。何らかのこのようなEMCを細胞培養に用いることのない膜を用いる利点は、例えば、時間の節約および少ない処理工程、EMCとともにもちこまれる汚染のリスク(GMP-準拠)または膜をコーティングするため必要な多くの処理工程数の有意な減少および細胞生産のための有意により明確に定められた材料およびプロトコールの観点でコストが低いことである。
もちろん本発明の膜を付加的に当該技術において一般に知られている一つ又は一以上のEMCで前処理する又は事前に被覆することは可能である。特に、ホストに再移植するための細胞または組織を増大させる又は成長させることを意図しない適用に関して、係る前処理はさらに付着または増殖の点で膜の性能を改善する。しかしながら、常に何らかのEMCで被覆することなく本発明の膜を使用することが好ましい。
本発明の更なる側面において、細胞の培養の性能は、本発明の中空繊維膜を調製することにより及び前記中空繊維膜又はその束を連続的な培養プロセスに平板培養技術の代替として用いることにより有意に改善できる。連続的な処置のほかに、中空繊維膜は静的な又は半連続的なプロセスに使用できる。
本発明の膜は、特定の接着特性を膜の全体(即ち、連続的な適用に関する中空繊維膜の場合において、中空繊維膜の外側および内側)に与える様式で調製できる。
また、本発明の更なる側面において、前記膜によって、二または二以上の異なる細胞タイプの細胞の共培養のための系が提供される。
本発明のさらなる側面は、膜が非常に良好に分化 および 統合性の点で何らかのEMCで膜表面を事前に被覆することを必要とすることなく、至適な細胞単層の形成を促進することである。本発明の膜は、典型的な細胞形態の保持のため提供され、単層が容易に形成され、タイトジャンクションを作ることができる。本発明において、単層は、別の細胞の上で成長している細胞がなく、全てが並んで成長している細胞の層を意味し、多くのケースで互いに同じ成長表面(growth surface)で触れている(しかしながら、この事項は膜の全ての潜在的な適用に必ずしも必要ではない)。
以上より、本発明の膜は、例えば、以下のように有利に使用できる、
(a) 組織培養の技術に使用できる〔即ち、バイオ人工腎臓または肝臓などのバイオ人工インプラントを樹立するため(Atala (2006)をも参照されたい)〕;
(b) 接着細胞(例えば、一般的に、MSC, 平滑筋細胞, 皮膚細胞, 神経細胞, 神経膠細胞または内皮細胞,または懸濁細胞、例えば、造血性幹細胞, 臍帯血細胞, 神経幹細胞, など)を、ホストに再移植する前にインビトロで増大させることが必要である細胞の注射を介した医学的な治療法に使用するための培養に使用できる;
(c) 例えば、成長因子, 組換えタンパク質, サイトカインまたは抗体, 例えば、モノクローナル抗体などのバイオプロダクトの生産者として貢献する細胞を増大させる及び提供するため使用できる;
(d) 接着細胞の培養物(好ましくは、細胞単層培養物)を調製するため、特定の細胞タイプを研究するため又は抗癌薬, 抗真菌薬, 抗生物質, 抗-ウイルス薬(抗-HIV薬を含む)および抗-寄生虫薬などの任意の薬物の細胞における影響を研究(スクリーニング手順)するため使用できる;
(e) または、インビトロ系における接着細胞または懸濁細胞の培養増大または貯蔵に基づく又はこれらを必要とする任意の他の適用のため使用できる。
本発明の膜は、意図する使用の必要性に応じて任意の適切な形状(geometry)を有することができる。即ち、平らなシート, 中空繊維または中空繊維の束であってもよい、または成形してチャンバー(chambers)または所望の他の形状を形成することができる。細胞増大のコアのユニットは、好ましくはO2 および CO2の十分な交換, 栄養の供給および老廃物の除去を可能とする中空繊維に基づく膜システムである。膜の表面は、特定の表面特性により所望の特性を有している細胞の付着 および 増殖を可能にするため設計される。中空繊維の内側で細胞を培養する利点は有利な表面と体積の比に基づくものであり、これによって従来のフラスコまたは細胞スタック培養法(cell stack culture methods)と比較して培養プロセスにおける培地消費の極小化, 必要とされるスペースの極小化および労力の極小化が得られる。中空繊維構造の別の利点は、均質な制御流路(uniform controlled flow paths)である。
本発明の膜は、様々な種類の細胞増大または細胞培養の装置またはシステム(例えば、US 2003/0203478 A1, US 6,150,164またはUS 6,942,879に記載のもの)に使用できる。
本発明の膜は、一般的に接着細胞を培養するため有利に使用できる。本発明において、接着細胞は基質(substrate)に付着する細胞と規定され、細胞は例えば維持され, 増大され, 分化され, 貯蔵される。本発明の膜は、例えば、胎児および成体の幹細胞〔特に間充織幹細胞 (MSC: mesenchymal stem cells)〕を含む幹細胞, 線維芽細胞, 上皮細胞, 肝細胞, 内皮細胞, 筋肉細胞, 軟骨細胞などを培養するため使用される。
本発明の第一の側面において、本発明の膜は、膜を調製するため使用されるポリマー溶液中の疎水性ポリマーの画分が5 〜20 重量%および親水性ポリマーの画分が2 〜13 重量%の量で疎水性および親水性ポリマーを含んでいるポリマー混合物から調製される。前記疎水性ポリマーの少なくとも一つは、好ましくはポリアミド (PA), ポリアラミド (PAA), ポリアリールエーテルスルホン(PAES: polyarylethersulfone ), ポリエーテルスルフォン(PES), ポリスルホン (PSU), ポリアリールスルホン(PASU), ポリカーボネート (PC), ポリエーテル, ポリウレタン (PUR), ポリエーテルイミド および 前記ポリマーのコポリマー , 好ましくはポリエーテルスルフォンまたはポリアリールエーテルスルホンおよび ポリアミドの混合物からなる群から選択される。前記親水性ポリマーの少なくとも一つは、好ましくはポリビニルピロリドン (PVP), ポリエチレングリコール (PEG), ポリグリコールモノエステル, 水溶性のセルロース誘導体, ポリソルベートおよびポリエチレン-ポリプロピレン酸化物コポリマー(polyethylene-polypropylene oxide copolymers), 好ましくはポリビニルピロリドンからなる群から選択される。
好んで本発明に使用されえる膜は、膜を調製するためのポリマー溶液に、ポリスルホン (PS), ポリエーテルスルホン(PES) および ポリアリールエーテルスルホン(PAES)からなる群から選択される11 〜19 wt.-%の第一のポリマー, 0.5 〜13 wt.-%の第二のポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン (PVP), 0 wt.-% 〜5 wt.-%, 好ましくは 0.001 〜5 wt.-%のポリアミド(PA), 0 〜7 wt.-%の水および, 100 wt.-%までのバランスのN-メチル-2-ピロリドン (NMP)(これが好適である), N-エチル-2-ピロリドン (NEP), N-オクチル-2-ピロリドン(NOP), ジメチルアセトアミド, ジメチルホルムアミド (DMF), ジメチル・スルホキシド (DMSO) および ガンマ-ブチロラクトン (GBL)からなる群から選択される溶媒を含む。
好ましくは、前記ポリマー溶液中のポリビニルピロリドン (PVP)は少なくとも二つのポリビニルピロリドンのホモポリマーの混合物からなり、ポリビニルピロリドンのホモポリマーの一つ(= 低分子量PVP)は約 10,000 g/mol 〜100,000 g/mol, 好ましくは 約 30,000 g/mol 〜70,000 g/molの平均相対分子量を有し、ポリビニルピロリドンのホモポリマーのもう一つ(= 高分子量PVP)は約 500,000 g/mol 〜2,000,000 g/mol, 好ましくは 約 800,000 g/mol 〜2,000,000 g/molの平均相対分子量を有する。係るPVP ホモポリマーの例は、PVP K85(約 825,000 Daの分子量を有している高分子量 PVP)およびPVP K30(約 66,800 Daの分子量を有している低分子量 PVP)である。本発明の好適な態様において、膜を調製するためのポリマー溶液は、0.5 〜5 wt.-%の高分子量PVP および 1 〜8 wt.-%の低分子量PVPを含む。
かかる膜を調製する方法は、例えば、US-A 4,935,141, US-A 5,891,338 および EP 1 578 521 A1に詳細に記載され、全ての文献は本出願に参照によって援用される。このタイプの膜(本発明により効率的に処理されえる)の例は、現在市販の製品に使用されるGambro Polyflux TM 膜(ポリアリールエーテルスルホン/PVP/ポリアミド)、例えば、Polyflux TM L および H シリーズ; Arylane TM 膜(ポリ(アリール)エーテルスルホン/PVP);またはDIAPES TMまたはPUREMA TM 膜(ポリ(アリール)エーテルスルホン/PVP)または親水性および疎水性のポリマーの混合物(例えば、PVP および PESまたはポリスルホンを含んでいる混合物)に基づく他の市販の透析膜である。
本発明の第二の側面において、本発明の膜を調製するため使用されるポリマー溶液は、疎水性ポリマーとして12 〜15 wt.-% のポリエーテルスルホンまたはポリスルホンおよび5 〜10 wt.-% のPVPを含み、前記PVPは低分子および高分子のPVP成分からなる。スピニング溶液中に含有される総PVPは、22 〜34 wt.-%, 好ましくは 25 〜30 wt.-%, の高分子量(> 100 kDa)の成分 および 66 〜78 wt.-%, 好ましくは 70 〜75 wt.-%の低分子量(<= 100 kDa)の成分からなる。高分子量および低分子量のPVPの例は、例えば、それぞれPVP K85/K90 および PVP K30である。本発明の方法に使用されるポリマー溶液は、好ましくはさらに66 〜86 wt.-%の溶媒および 1 〜5 wt.-%の適切な添加物を含む。適切な添加物は、例えば、水, グリセロールおよび/または他のアルコールである。水は特に好適であり、使用された場合には、スピニング溶液に 1 〜8 wt.-%, 好ましくは 2 〜5 wt.-%の量で存在する。好んで本発明の方法に使用される溶媒は、N-メチルピロリドン (NMP), ジメチルアセトアミド (DMAC), ジメチルスルホキシド (DMSO), ジメチルホルムアミド (DMF), ブチロラクトンおよび前記溶媒の混合物から選択される。NMPは、特に好適である。膜を調製するため使用される中心流体またはボア液体は、少なくとも一つの前述の溶媒および水, グリセロール および 他のアルコールから選択される沈殿媒質(precipitation medium)を含む。最も好ましくは、中心流体は、45 〜70 wt.-%の沈殿媒質および30 〜55 wt.-%の溶媒からなる。好ましくは、中心流体は、51 〜57 wt.-% の水 および 43 〜49 wt.-% のNMPからなる。
かかる膜を調製する方法は、本出願に参照によって明示的に援用される欧州特許出願第08008229号に詳細に開示される。このタイプの膜(効率的に本発明により処理されえる)の例は、例えば、Gambro Revaclear TM 膜及びその派生物である。本発明において、Fresenius FX TM-クラスの膜 (Helixone TM 膜)またはOptiflux TM タイプの膜)などの現在市販の製品に使用される膜またはPVPおよびPESまたはポリスルホンを含んでいる混合物などの親水性および疎水性のポリマーの混合物に基づく他の市販の透析膜を使用することも可能である。
本発明の第三の側面において、本発明の膜を調製するため使用されるポリマー溶液は、ポリスルホン (PS), ポリエーテルスルホン (PES) および ポリアリールエーテルスルホン(PAES)からなる群から選択される11 〜19 wt.-%の第一のポリマー, 0.5 〜13 wt.-% の第二のポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン (PVP), 0.001 〜20 wt.-%のポリウレタン (PU), 0 〜7 wt.-%の水およびN-メチル-2-ピロリドン (NMP), N-エチル-2-ピロリドン (NEP), N-オクチル-2-ピロリドン(NOP), ジメチル アセトアミド, ジメチル ホルムアミド (DMF), ジメチル・スルホキシド (DMSO) および ガンマ-ブチロラクトン (GBL)からなる群から選択される溶媒を含み、これを100 wt.-%まで添加した。前記第一のポリマーは、好ましくはポリマー溶液に13 〜14 wt.-%の量, 特に好ましくは13.6 〜14 wt.-%の量で存在する。ポリエーテルスルホン(PES)およびポリアリールエーテルスルホン(PAES)が、好ましくは本発明の膜を調製するため使用される。好ましくは、前記ポリマー溶液中のポリビニルピロリドン (PVP)は少なくとも二つのポリビニルピロリドンのホモポリマーの混合物からなり、ポリビニルピロリドンのホモポリマーの一つ(= 低分子量PVP)は約 10,000 g/mol 〜100,000 g/mol, 好ましくは 約 30,000 g/mol 〜70,000 g/molの平均相対分子量を有し、ポリビニルピロリドンのホモポリマーのもう一つ(= 高分子量PVP)は約 500,000 g/mol 〜2,000,000 g/mol, 好ましくは 約 800,000 g/mol 〜2,000,000 g/molの平均相対分子量を有する。係るPVP ホモポリマーの例は、PVP K85(約 825,000 Daの分子量を有している高分子量 PVP)およびPVP K30(約 66,800 Daの分子量を有している低分子量 PVP)である。本発明の好適な態様において、膜を調製するためのポリマー溶液は、0.5 〜5 wt.-%の高分子量PVP および 1 〜8 wt.-%の低分子量PVPを含む。スピニング溶液の含水量は、好ましくは 1 〜5 wt.-%, より好ましくは約 3 wt.-%である。様々な溶媒が、本発明の膜を調製するため使用でき、例えば、N-メチル-2-ピロリドン (NMP), N-エチル-2-ピロリドン (NEP), N-オクチル-2-ピロリドン (NOP), ジメチル アセトアミド, ジメチル ホルムアミド (DMF), ジメチルスルホキシド (DMSO)またはガンマ-ブチロラクトン (GBL)及びその混合物である。溶媒は、合計でポリマー溶液の100 wt.-% の量まで存在するだろう。ポリマー溶液中の溶媒の含有量は、好ましくは 60 〜80 wt.-%, より好ましくは 67 〜76.4 wt.-%である。
本発明の膜は、例えば、平らなシートまたは中空繊維膜の形状に調製できる。
一態様において、本発明の膜は、非対称性の構造を有する。中空繊維の場合、繊維の内側に薄い分離層が存在する。本発明の膜の構造または形態は、細胞の接着および増殖に関する性能に有意に影響することなく、その他の点で変動しえる。膜は、例えば、3-層構造またはスポンジ様構造または泡様構造(foam-like structure)を有してもよい。一態様において、本発明の膜は、さらに細胞接着の側の平滑性(smoothness)または低い粗さにより特徴づけられる。
一態様において、本発明の膜の透水率は、約 0.1・10-4 cm3 〜200・10-4 cm3/(cm2 bar sec)、例えば、0.1・10-4 cm3 〜10・10-4 cm3/(cm2 bar sec),又はさらに0.1・10-4 cm3 〜5・10-4 cm3/(cm2 bar sec)で変動しえる。係る透水率を膜構造に欠陥を生じることなく達成するため、通常ポリマー溶液の粘性は中空繊維の生産に関して2,500 センチポイズ (cP) 〜200,000 cP,又はさらに 10,900 cP 〜25,600 cPの範囲である。平らなシート膜の生産に関して、粘性は一般的には2,500 cP 〜500,000 cP,又はさらに 4,500 cP 〜415,000 cPの範囲である。
本発明の膜を調製するため、ポリマーは定常性の温度および圧力で溶解される。ポリマー溶液の脱気は、乾燥器で減圧(約 100 mbar)して行われる。ポリマー溶液の温度は、相対的に広い範囲で変動してもよい。周囲温度〜60゜Cの範囲の温度を選択することが有利である。
平らなシート膜を調製するため、最終的なポリマー溶液は特殊なコーティングナイフを利用することにより支持領域として作用する滑らかな表面(例えば、スライドガラス)に均一なフィルムとして塗られる。ポリマーフィルムを処理する速度は、相対的に広範囲に変動しえる。10 および 20 mm/sの間の速度が適切であろう。研究室規模の例示的な処理において、最初ポリマー溶液はシリンジを用いてスライドガラスに定常的に適用される。泡がないよう作業することが重要である。規定のギャップ高(100μm)を有するコーティングナイフは、定常速度で駆動され、均一なポリマーフィルムが作られる。厚さを良好に分布させるため、均一なギャップを有しているコーティングナイフが勧められる。
本発明の一態様において、沈殿槽は、H2Oを30 〜100 wt.%, 好ましくは56 〜66 wt.-%の量,および溶媒(例えば、NMP)を 0 〜70 wt.-%の量, 好ましくは 34 〜44 wt.-%の量で含む。沈殿槽の温度は、相対的に広範囲に変動しえる。0゜C および 80゜Cの間,または 30゜C および 50゜Cの間の温度を適用することが有利であろう。沈殿時間も変動しえる。例として、沈殿時間は約 五 分間であってもよい。好ましくは、沈殿槽はH2O および 溶媒からなる。好ましくは、槽は、H2Oを 30 wt.-% 〜100 wt.-%の量, およびN-メチル-2-ピロリドン (NMP), N-エチル-2-ピロリドン (NEP), N-オクチル-2-ピロリドン(NOP), ジメチル アセトアミド, ジメチル ホルムアミド (DMF), ジメチル・スルホキシド (DMSO)またはガンマ-ブチロラクトン (GBL)及びその混合物から選択される溶媒を70 wt.-% 〜0 wt.-%の量で含む。本発明の一態様において、沈殿槽は、H2Oを 56 〜66 wt.-%の量, および溶媒を 34 〜44 wt.-%の量で含む。NMPは、本発明における特に適切な溶剤である。
沈殿した膜は、それから膜が切断されるまで非溶媒(non-solvent)で貯蔵される。切断後、膜は、洗浄され、乾燥され、滅菌される。
本発明の平らなシート膜の厚さは、15 μm および 200 μmの間で変動しえる。35 μm 〜50 μmの厚さは、特に大多数の適用に有利であろう。
また、本発明の膜は、中空繊維の形状に調製できる。係る中空繊維膜を調製するため、前記溶液はスピニングダイをとおしてポンプされ、液体の中空繊維が形成される。中心における溶媒濃度によって、膜の内側に開放構造を生じる。最小の孔が膜の内側でまっすぐに存在する。使用の際、内側での選択的な層が、直接的に細胞培地と接触する。
一態様において、沈殿槽は水からなる。沈殿槽の温度は広範囲に変動しえるが、約 40゜Cまでの周囲温度が前記手順に有利に使用される。ダイおよび沈殿槽の間の距離は、0 〜100 cm(例えば、 50 〜100 cm)の範囲である。ダイ(スピナレット)温度も変動してもよい。20 および 80゜Cの間の温度が使用できる。40 および 55゜Cの間の温度を適用することが有利であろう。スピニング速度は、5 〜80 m/min(例えば、 11 〜40 m/min)の範囲にあることを選択してもよい。
本発明の中空繊維膜の寸法(dimensions)は、膜の意図される使用に応じて変動しえる。一般的には、内径は50 〜2,000 μmの範囲である。多くの適用に関して、100 〜950 μmの内径が有利であろう。一般的には、壁厚は25 〜55 μmの範囲である。
本発明の膜に関して生じるLpは、0.1・10-4 〜200・10-4 cm3/(cm2・bar・s)、例えば、 0.1・10-4 〜10・10-4 cm3/(cm2・bar・s),又は更に0.1・10-4 〜5・10-4 cm3/(cm2・bar・s)の範囲である。本発明の別の態様において、膜のLpは、 2・10-4 〜18・10-4 cm3/(cm2・bar・s)の範囲である。本発明の更に別の態様において、膜のLpは、 5・10-4 〜15・10-4 cm3/(cm2・bar・s)の範囲である。換言すれば、細胞培養に使用される膜は、いわゆる低流動膜(low flux membranes)であってもよい。
本発明の膜を生産するため二つの様式が存在し、「湿性(wet)」および「乾燥(dry)」と参照されえる。「湿性」膜が調製される場合、膜は調製後に別々にチュウブまたは乾燥器において乾燥されなければならない。この目的のために、繊維の束(例えば 30 〜15,000繊維)は、プラスチックまたは金属の容器に配置される。熱い空気が、この容器から乾いた膜へと通過する。第二の様式は所謂「オンライン乾燥(online drying)」であり、これはスピニング機械において乾燥した中空繊維を直接的に調製する効率的な様式である。双方の処置が本発明にしたがって処理され、また使用しえる膜を達成するために適用可能である。
本発明により、前に記載したとおり膜は、空気または水または適切な添加物(例えば、アクリル酸, アリルアミンまたはアクリルアミド)を0.00001 wt.-% 〜5 wt.-%(例えば、 0.0001 〜0.01 wt.-%)の濃度で含んでいる水性の溶液で被覆して処理され、酸素の存在下でガンマ線, ベータ線または電子ビームの照射に供される。
細胞培養の目的に貢献しうる膜を達成するため、膜は照射チャンバーに配置され、12.5 〜175 kGyの照射量(好ましくは、70 〜175 kGyの量)のガンマ線, ベータ線または電子ビームの照射(特に、ガンマ線の照射)に供されてもよい。本発明の別の側面において、使用される量は、25 〜125 kGyである。本発明のなお別の側面において、50 〜175 kGyの量が使用される。本発明のなお別の側面において、50 〜125 kGyの量が使用される。本発明のなお別の側面において、70 〜100 kGyの量が使用される。
ガンマ線照射は、例えばCo-60線源を用いて行うことができる。電子ビーム照射は、電子ビーム加速装置を用いて行うことができる。β線照射は、β線照射源(例えば、Sr-90またはRu-106)を用いて行うことができる。
本発明の一態様において、膜は乾燥条件下で照射に供される(即ち、膜は空気でカバーされる又は空気で包囲される)。本発明において「乾燥」の表現は、水が膜の多孔性構造内に存在することを排除しない、即ち該表現は水の完全な非存在から完全に膜壁の多孔性構造が水で満たされた条件までの範囲を包含することが意図される。
例えば膜を無菌化する又は膜の特定の成分(例えば、PVP)をクロスリンクするためなされる既知の膜のガンマ線照射とは対照的に、照射の間の酸素の存在は細胞培養の目的に適切な膜を得るため決定的に重要である。本発明の一側面において、照射の間に周囲の空気は、大まかに(モル濃度 含有量/容積で) 78.08% 窒素, 20.95% 酸素, 0.93% アルゴン, 0.038% 二酸化炭素, 微量の他の気体, および可変量の水蒸気を含んでいる無修飾の空気であってもよい。本発明の別の側面において、周囲の空気の酸素含有量は、例えば、付加的に酸素ガスを系に導入することにより増加されてもよい。酸素濃度は、約 100 %の限度まで(例えば、30%まで)増加されてもよい。本発明のなお別の側面において、酸素濃度は、約 4%の限度まで低下されてもよい。通常、4% 〜100%(例えば、4 〜30%)の酸素濃度(モル濃度 含有量/容積)を使用して所望の結果を達成しうる。5% 〜25%,または更に15% 〜22%の酸素濃度を使用することが有利であろう。
本発明の別の態様において、膜は、湿性状態または言い換えれば水性条件下で照射に供される。本発明において「湿性」および「水性条件(aqueous conditions)」の表現は、照射手順の間の水の存在を意味する(即ち、膜が水でカバーされてもよい又は水に浸漬されてもよい)。本発明の一態様において、RO 水が使用される。
本発明の別の態様において、添加物は、水と少量で混合されてもよい。係る添加物によって官能基を膜表面に導入することにより、一般に細胞培養の目的のための又は特定の細胞タイプのための照射された膜の性能を改善しえる。係る添加物の例は、アミノ, カルボキシルまたはカルボキサミドの官能性を有しているビニル基含有モノマーである(例えば、アクリル酸, アリルアミンまたはアクリルアミド)。特定の態様において、アクリル酸が使用される。別の特定の態様において、アリルアミンが使用される。添加物は、水溶液中に0.00001 wt.-% 〜5 wt.-%の濃度で存在してもよい。0.0001 wt.-% 〜1 wt.-%,または 0.0001 wt.-% 〜0.1 wt.-%の濃度を使用することが有利であろう。低い濃度の添加物(例えば、 0.0001 wt.-% 〜0.01 wt.-%)が、特に有効であることが証明されるであろう。
湿性状態における膜の照射のため高い照射用量を使用することは有利であろう(例えば、70 〜175 kGyの量)。
選択された用量に至るため必要な時間は、相対的に広い範囲で変動しえる。例として、Co-60 源での約 6 〜7 時間が25 kGyの量に必要とされ、約 17 〜20 時間が75 kGyの量に必要とされるだろう(即ち、照射時間は三倍にされる)。必要な時間は、線源自体および照射時間での線源の強度に依存し、調整される必要がある。
また、温度は、広範囲で変動でき、また膜のハウジングの材料に依存する(即ち、ハウジングが金属または合成の材料から作出される場合)。通常、温度は、0゜C 〜41゜Cの範囲である。大抵の場合、室温を使用することが便利である。
本発明の別の態様において、膜は、所望の低い流動性を保持するため乾燥(好ましくは、オンライン乾燥)に供され、蒸気滅菌され、照射される。所望される場合または調製の処理に必要である場合、細胞培養の目的で使用することに関して本発明の膜の有効性に消極的に影響することなくEtO (エチレンオキシド)での更なる滅菌を加えてもよい。蒸気-滅菌またはEtO滅菌した膜に関する方法は、当該技術分野において周知である。
照射した膜は、次に直接的に異なるタイプの細胞(好ましくは、接着細胞)を培養するため使用しえる。本発明の膜は、培養 フラスコまたはセルスタックを用いる細胞を増大させるため現在での最も基準的なものを代表する組織培養 ポリスチレン (TCPS) プレートと実質的に 類似する又は該プレートよりも優れた成長特性を呈する。
本発明の膜は、間充織幹細胞(MSC), 線維芽細胞, 上皮細胞および肝細胞で行われた試験で示されたとおり、細胞増大速度, 細胞の膜への再付着効率, および組織培養ポリスチレン (TCPS)と類似する又は該ポリスチレンより優れた細胞の増大後の特性(形態コントロールを含む)を示す。
本発明のさらなる側面は、本発明の膜を含んでいる細胞培養装置である。本発明の膜を含むため修飾できる細胞増大または細胞培養の装置またはシステムの例は、US 2003/0203478 A1, US-A 6,150,164,またはUS-A 6,942,879に開示され、これら全てが本出願に参照によって援用される。前記装置は、本発明の平らなシート膜または本発明の中空繊維膜の束のスタックを含むことができる。
装置の一態様において、膜は、装置の二つの流体の区画の間に界面を形成する。装置は、例えば、血液透析または血液ろ過に使用される商業的に利用可能な濾過装置の構成と類似してもよい。
例示の装置は、枠(casing)に取り付けた半透膜により分離された二つの区画を含む。第一の区画は二つのアクセス(accesses)に適合させた内部の区画、また第二の区画は一つ又は二つのアクセスを含んでいる外部の区画であり、双方の区画とも適切な接着性の化合物に基づくポッティング化合物により分離され、適用可能なものとして, (i) 上記の規定のとおり中空繊維束タイプの半透膜を含んでいる前記装置の双方の区画を分離している円柱状の仕切り部(cylindrical partition)または (ii) 上記の規定のとおりシート膜タイプの半透膜を含んでいる前記装置における密封部(tight seal)を形成することが意図される。
別の例示の装置は、外殻内に含まれ、中空繊維の外部の空間(即ち、毛管外の区画)の内の流体が中空繊維とこれらの対応する開口部を通して通過する流体から隔離されるよう配置された複数の中空繊維膜を含む。加えて、装置は、装置の反対端における外殻内の二つの多岐端チャンバー(manifold end chambers)を含む。中空繊維の二つの口(mouth)の各々は、異なる端チャンバーに連結される。端チャンバー(end chambers)および毛管外の区画は、中空繊維の半透膜により分離される。毛管外の区画内の組成物は、ある程度まで中空繊維の膜の分子量カットオフ(または孔サイズ)により制御できる。
装置を作動する一つのモードにおいて、細胞は毛管外の区画において成長し、栄養培地は中空繊維を通して通過する。培地は、毛管外または毛管内の区画を通して通過してもよい。装置を作動する別のモードにおいて、細胞は中空繊維の毛管内の空間(即ち、管腔)において成長し、栄養培地は毛管外および/または毛管内の区画を通して通過する。中空繊維の半透性の性質によって、栄養, 気体 および細胞の老廃物の中空繊維の壁を通した通過が許容されるが、細胞が同じく通過することはブロックされる。
殻(Shell)-および-チュウブタイプのバイオリアクターによって、幾つかの利点が提供される。接着細胞に関して、幾つかの中空繊維の使用によって、相対的に小さい容積内に細胞が成長できる大きな表面領域が提供される。また、この大きな表面領域によって、栄養培地の成長している細胞への局在的な分布および細胞の老廃物の容易な収集が促進される。殻-および-チュウブタイプのバイオリアクターによって、他の細胞培養装置で可能であるよりも非常に高い密度比での細胞の成長が可能とされる。それらによって、108 細胞/ミリリットルよりも高い細胞密度を支持でき、他方で他の細胞培養装置は典型的には106 細胞/ミリリットル付近の密度に制限される。
本発明のさらなる側面は、細胞および本発明の膜を含んでいる体液の体外処理のための装置を提供する。一態様において、細胞は、集密的な層を膜の表面(一例を挙げると本発明の中空繊維膜の管腔の表面または本発明の中空繊維膜の外側表面)に形成する接着細胞である。その他の点については、装置の設計は、細胞培養装置に関する上記の設計と類似してもよい。処理される体液は、流体が細胞層を通過する装置の流体空間(fluid space)を通して処理され、細胞が体液から成分を抽出すること、体液の成分を代謝すること,または成分を体液にわけることを可能とする。
[例]
本発明の膜の適合性 および 効率の評価は、一般的には細胞増大速度, 細胞の膜への再付着効率などの主要な特性, および形態の制御を含む細胞増大後の特性に基づく。本発明の膜が様々な粘着細胞タイプを培養するため適切であることを証明するため、間充織幹細胞(MSC: mesenchymal stem cells), 線維芽細胞, 上皮細胞 および肝細胞で試験を行った。MSCが細胞培養のための本発明の膜の性能の綿密な分析のため選択された。
方法
手束(hand bundles), ミニモジュール(mini-modules), フィルターおよび平らなシート挿入物(flat sheet inserts)の調製
(A) 手束
スピニングプロセス後の膜束(membrane bundle)の調製は、続いての性能試験に対し適切な様式で線維束を調製するため必要である。第一の処理工程は、線維束を23 cmの規定長に切断することである。次の処理工程は、線維の端の融解からなる。光学的な制御によって、全ての線維が良好に融解されることが保証される。それから、線維束の端は、ポッティングキャップ(potting cap)に移された。ポッティングキャップは、機械的に固定された。そして、ポッティングチュウブは、ポッティングキャップにおかれた。その後、ポッティングがポリウレタンでなされた。ポッティング後、少なくとも一日ポリウレタンが硬化(harden)できることが保証されなければならない。次の処理工程において、ポッティングされた膜束は、規定の長さに切断され、線維の端が開かれた。最後の処理工程は、線維束の光学的な制御からなる。この処理工程の間、次の点が制御された。 (i) 切断の質(滑らかな切断であるか又はナイフの何らかのダメージが存在するか), (ii) ポッティングの質(ポッティングされた線維により減少したスピニング処理の開いた線維の数又はポリウレタンが存在しない目に見える欠陥品が存在するか)。
光学的な制御後、膜束は、異なる性能試験に使用する前に乾燥貯蔵された。
(B) ミニモジュールの調製
ミニモジュール[= ハウジングにおける線維束]は、関連する処理工程で調製された。ミニモジュールは、線維の保護、また非常に清潔な製造を保証するため必要とされる。ミニモジュールの製造は、次の点において異なる: つまり、 (i) 線維束は、20 cmの規定長に切断される; (ii) 線維束は、融解処理前にハウジングに移される; (iii) ミニモジュールは、ポッティング処理前に一晩減圧乾燥器におかれる。
(C) フィルターの調製
フィルターは、約 8.000 〜15.000の線維を0.9 〜1.7 m2の有効表面(effective surface area)で含む。フィルターは、培養培地の流体を供給するための二つの連結部を有する円柱状のハウジングおよび各々が一中心連結部(one centered connector)をともなう両側の適合キャップ(applied caps)により特徴づけられる。製造方法 (巻き取り後)は、次の主な工程に分けることができる: (i) 切断した束(約 30 cmの長さ)は、特殊な束鉤爪(bundle claw)を有するハウジングに移される; (ii) 束の両端は、閉鎖処理で閉鎖される; (iii) 線維は、ハウジングにポリウレタン (PUR)でポッティングされる; (iv) 端が切断されて線維が開かれる(ここで、滑らかな表面が必要とされる); (v) 端は、視覚的に閉鎖線維またはPURブロックの欠陥に関して点検される;
(vi) キャップが連結部に接着される; (vii) 最終的な処理(洗浄, 完全性試験, 最終乾燥); (viii) さらなる工程(例えば、照射)のための特殊なバックへのパッケージング。
(D) 平らなシート挿入物の調製
平らな膜がガラスプレートに固定化された。挿入物の接着剤として機能するポリウレタンをプレートに均等に分布させた。挿入物は、穏やかにポリウレタンに浸漬され、それぞれの膜に直ちに接着された。挿入物は、ガラスおよび鉄のプレートで圧迫され、16 〜18 時間乾燥された。平らな膜の挿入物が、切り抜かれ、滅菌バックへ密着された。最終的に、挿入物は、オートクレーブで121゜Cで滅菌されてもよい。
手束およびミニモジュールの透水率(Lp: Hydraulic Permeability)
膜束の透水率は、正確な規定量の水を圧力下で膜束(片側で封鎖されている)を通して圧縮すること, 必要とされる時間で測定することで決定される。透水率は、既定時間, 有効膜表面領域, 適用圧および膜を通して圧縮された水の容量から計算することができる。線維の数、線維の長さ、同様に、線維の内径から有効膜表面領域(effective membrane surface area)が計算された。膜束は、三十分間Lp-検査が行われる前に湿らせなければならない。この目的のために、膜束は、500 mlの超純水を含んでいる箱におかれた。30 分後、膜束は、試験系に移された。試験系は、37 ゜Cに調節されたウォーターバスおよび膜束を機械的に処理する装置からなる。ウォーターバスの水位によって、膜束が指定の装置中で水面下に配置されることが保証されなければならない。膜の漏出によって誤った検査結果が導かれることを回避するため、膜束および検査系の完全性試験を事前に行わなければならない。完全性試験(integrity test)は、束の片側で閉鎖された膜束を通して空気を圧縮することで行われた。気泡は、膜束または検査装置の漏出を示す。漏出を検査装置中で膜束が誤って処理されたことと関連させることができるかどうか又は実際に膜の漏出が存在するかどうかがチェックされなければならない。膜の漏出が検出された場合、膜束は廃棄されなければならない。完全性試験の適用圧は、高すぎる圧力の適用が理由で漏出が透水率の測定の間に生じえないことを保証するため少なくとも透水率の決定の間の適用圧と同じ値でなければならない。
手束の拡散透過性
透析流体(100 mg/l)に希釈された等張性の塩化物溶液、同様に、リン酸塩での拡散実験が行われ膜の拡散特性が決定された。手束は、測定セル(measuring cell)におかれた。測定セルは、中空繊維の内側で特定の溶液が通過することを許容する。その上、測定セルは、完全に水で満たされ、蒸留水の高いクロスフロー(high cross flow)を設定して中空繊維の内側から外側に膜の横断面を通過する特定のイオンが輸送された。圧力比を正確に調整することにより、ゼロ濾過(zero filtration)が目標とされ、膜の拡散特性のみが(中空繊維の内側および中空繊維の周囲の間の特定のイオンの最大濃度勾配を達成することにより)決定され、拡散性(diffusive)および対流性(convective)の特性の組み合わせは決定されない。プールからのサンプルは最初に取得され、未透過物(retentate)のサンプルは10 および 20 分間後に取得された。塩化物サンプルは、次に硝酸銀溶液でタイトレーションされて塩化物濃度が決定された。リン酸塩サンプルは、光学的に分析された。決定された濃度から、それぞれ塩化物またはリン酸塩の有効膜表面領域 A およびフロー条件(透過性 P)を次の 式 (2)にしたがって計算することができる:
Px [10-4cm/s] = [QB/60/A]*ln[(cA-cD)/cR]*104 (2)
式中で
P = 拡散透過性(diffusive permeability) [cm/s]
c = 濃度[mmol]
A = 有効膜表面領域[cm2]
指標(indices):
x = 物質 (ここでは: それぞれ塩化物またはリン酸塩)
A = 開始濃度(フィード)
D = 透析液
R = 未透過物
QB = 血流(blood flow) [ml/min]
水溶液におけるミオグロビンのふるい係数(手束)
ミオグロビン および アルブミンの水溶液における篩係数の実験は、別々の溶液での二つの異なる実験設定を用いて行われた。最初の検査として、ミオグロビンの篩係数が決定された。
PBS 緩衝剤に溶解されたミオグロビンの濃度は、100 mg/Lである。水溶液の有効期限は、4 および 8 週の間である。溶液は、冷蔵庫に貯蔵されなければならない。ふるい係数の実験の前、Lp-検査が前に記載された方法を用いてなされた。ミオグロビンの篩係数実験は単一の流路で行なわれ、試験条件は以下の通り規定された:
固有の流速 (Jv、cm/s) および 壁ずり速度(γ.、s-1)は固定され、血流 (QB) および 濾過比 (UF)が計算された〔式 (4) + (5)を参照されたい〕:
QB [ml/min] = γ * n * π * di3 * 60/32 (4)
UF [ml/min] = JV * A * 60 (5)
式中で
n = 線維の量
di = 線維の内径 [cm]
γ = ずり速度 [s-1]
A = 有効膜表面領域[cm2]
Aは式 (1)にしたがって計算された:
手束またはミニ-モジュールの試験で、ずり速度は500 s-1に設定され、固有の流速(intrinsic flow rate)は0.38・10-04 cm/sと規定された。
最初のサンプルは、15 分後に取られ(プール, 未透過物, および濾過)、二度目は60 min後であった。終了時に、検査した束はPBS-緩衝剤で数分間リンスされ、検査を終了した。
例1
平らなシート膜の調製
ポリマー溶液はポリエーテルスルホン (Ultrason (登録商標) 6020, BASF), ポリビニルピロリドン (K30 および K85, BASF), ポリウレタン (Desmopan (登録商標) 9665 DU, Bayer MaterialScience AG)、同様に、蒸留水をN-メチルピロリドン (NMP)中で 60゜Cで透明で高度に粘稠性の溶液が得られまで溶解することで調製された。
ポリマースピニング溶液〔PES/PVP(K85)/PVP(K30)/9665DU/ H2O/NMP〕中の異なる成分の重量分率(weight fraction)は、14/3/5/2/3/73であった。結果的に生じるポリマー溶液の粘性は、21,000 mPa・sであった。
溶液を濾過し、脱気した。ポリマー溶液の脱気を、乾燥器で温度 (<100゜C)を増加させ、減圧(約 100 mbar)して行った。最終的なポリマー溶液を、特殊なコーティングナイフを利用することにより支持領域として作用する滑らかな表面(スライドガラス)に(自動的に)均一なフィルムとして塗った。最初に、ポリマー溶液を乾燥器中で60゜Cに熱し、直接的にシリンジを用いてスライドガラスに一様(steady-going)に適用した。規定高のギャップ(100μm)を有するコーティングナイフを、12.5 mm/sの定常速度で駆動し、均一なポリマーフィルムを作出した。この薄いポリマーフィルムを有するスライドガラスを、急速に凝固浴槽に浸漬した。凝固浴槽として、56 wt.-% の水および44 wt.-%のNMPを含んでいる水/NMP混合物を50゜Cで使用した。膜の沈殿は、約 5 分間かかった。引き続いて、沈殿した膜を取り出し、全ての膜の系列が調製されるまで非-溶媒(non-solvent)の状態で貯蔵し、規定のサイズに切断した。切断後、膜を蒸留水で30 分間、70゜Cで洗浄した。次の工程は、乾燥器での60゜C一晩の乾燥であり、最終的に膜を滅菌に使用した特殊なバックにパッケージングした。膜厚は、35 μmであった。
例2
平らなシート膜の調製
ポリマー溶液は、ポリエーテルスルホン (Ultrason (登録商標) 6020, BASF), ポリビニルピロリドン (K30 および K90, BASF)、同様に、蒸留水をN-メチルピロリドン (NMP)中で 60゜Cで透明で高度に粘稠性の溶液が得られまで溶解することで調製された。
ポリマースピニング溶液〔PES/PVP(K90)/PVP(K30)/H2O/NMP〕中の異なる成分の重量分率(weight fraction)は、13.6/2/5/3/76.4であった。結果的に生じるポリマー溶液の粘性は、5,900 mPa・sであった。
膜を例 1の記載のとおり調製した。膜厚は、50 μmであった。
例3
中空繊維膜の調製
ポリマー 溶液を、13.5%のポリエーテルスルホン, 0.5%のポリアミド, 7.5%のPVP K30 および 78.5%のNMPを混合することにより調製した。59 wt.-%の水および41 wt.-%のNMPの混合物が中心流体として機能した。ポリマー溶液の粘性(22゜Cの温度で測定された)は、4,230 mPa・sであった。
中心流体を、55゜Cに熱し、二つのコンポーネントの中空繊維のスピナレットを通してポンプで注入した。ポリマー溶液は、0.5 mmの外径および0.35 mmの内径を有する環状スリットを通してスピナレットを離れた。内側からポリマー溶液の沈殿を開始させ、中空繊維の内径を決定するため、中心流体を環状のポリマー溶液チュウブの中心のスピナレットから出した。
同時に、二つの成分(ポリマー溶液 および 中心流体)が、部屋の雰囲気から分離された空間に進入した。この空間は、スピニングシャフト(spinning shaft)と称される。蒸気 (100゜C) および 空気 (22゜C)の混合物を、スピニングシャフトに注入した。スピニングシャフトにおける温度を、49゜Cおよび99.5%の相対湿度を蒸気 および 空気の比で調整し、溶媒の含有量を含水量に関して3.9 wt.-%に調整した。溶媒は、NMPであった。スピニングシャフトの長さは、890 mmであった。重力 および モーター駆動ローラーの援助により、中空繊維を上部から底部、スピナレットからスピニングシャフトを通してウォーターバスに垂直方向に引っ張った。スピニング速度は、50 m/minであった。中空繊維は、引き続いて多量のウォーターバスに導かれ、温度を20 から90゜Cに増加させた。リンスするウォーターバスに出された湿った中空繊維膜は、連続的なオンラインの乾燥工程で乾燥された。任意で粘着防止工程の後、中空繊維を束の形状でスピニング・ホイールに収集した。本例による中空繊維の外側表面は、0.5 〜3 μmの範囲の孔径を有し、62,500 細孔/mm2を有していた。
例4
中空繊維膜の調製
ポリマー溶液を、14.0 wt.-% のポリエーテルスルホン, 5.0 wt.-% のPVP K30, 2.0 wt.-% のPVP K85/K90, 3 wt.-% の水 および 76.0 % のNMPを混合することにより調製した。55 wt.-% 水および45 wt.-% NMPの混合物は、中心流体として作用した。ポリマー溶液の粘性(22゜Cの温度で測定された)は、5,400 mPa・sであった。
中心流体を、55゜Cに熱し、ポンプで二因子の中空繊維スピナレットを通した。ポリマー溶液は、0.5 mmの外径および0.35 mmの内径を有する環状スリットを通ってスピナレットを離れた。中心流体を、内側からポリマー溶液の沈殿を開始させ、中空繊維の内径を決定するため環状のポリマー溶液チュウブの中心のスピナレットから出した。同時に、二つの成分(ポリマー溶液 および 中心流体)は、部屋の雰囲気から分離された空間に進入した。この空間は、スピニングシャフト(spinning shaft)と称される。蒸気 (100゜C) および 空気 (22゜C)の混合物を、スピニングシャフトに注入した。スピニングシャフト中の温度を約 45゜Cおよび99,5%の相対湿度に蒸気 および 空気の比で調整した。スピニングシャフトの長さは、890 mmであった。重力 および モーター駆動ローラーの援助により、中空繊維を上部から底部、スピナレットからスピニングシャフトを通してウォーターバスに垂直方向に引っ張った。スピニング速度は、50 m/minであった。中空繊維は、引き続いて多量のウォーターバスに導かれ、温度が15 から40゜Cに増加した。リンスするウォーターバスに出された湿った中空繊維膜は、連続的なオンラインの乾燥工程で乾燥された。粘着防止工程(texturizing step)の後、中空繊維を束の形状でスピニング・ホイールに集めた。代わりに, 手束を形成してもよい。
例5
中空繊維膜の調製
ポリマー溶液はポリエーテルスルホン (Ultrason (登録商標) 6020, BASF), ポリビニルピロリドン (K30 および K85, BASF), ポリウレタン (Desmopan (登録商標) PU 9665 DU, Bayer MaterialScience AG)、同様に、蒸留水をN-メチルピロリドン (NMP)中で 50゜Cで透明で高度に粘稠性の溶液が得られまで溶解することで調製された。
ポリマースピニング溶液〔PES/PVP(K85)/PVP(K30)/9665 DU/ H2O/NMP〕中の異なる成分の重量分率(weight fraction)は、14/3/5/2/3/73であった。ポリマー溶液の粘性は、22,900 mPa・sであった。
温かい溶液を20°Cに冷却し、脱気した。膜は、ポリマー 溶液を50 ゜Cに熱すること、溶液をスピニングダイ(spinning die)を通して通過させることにより形成された。ボア液体(bore liquid)として、56 wt.-% の水および44 wt.-%のNMPを含んでいる水/NMP混合物を使用した。ダイの温度は、50 °Cであった。中空繊維膜を40 m/minのスピニング速度で形成させた。ダイを離れた液体のキャピラリーは、周囲温度のウォーターバスへと通過した。ダイおよび沈殿バスの間の距離の長さは、100 cmであった。形成された中空繊維膜は、一連のウォーターバスを通して導かれた。次に、湿った中空繊維膜は、乾燥された。そして、湿った中空繊維膜は、216 μmの内径および318 μmの外径を有していた。前記膜は、完全に非対称性の膜構造を有していた。前記膜の活性な分離層は、内側にあった。活性な分離層は、最小の孔を有する層と規定された。構造は、全体にスポンジ様の構造を示す。内側表面は、非常に滑らかな孔を呈する。前記膜は巻き取りホイールに巻きつけられ、200線維を有する手束を以下に記載された方法にしたがって調製した。膜の透水率 (Lp 値)は手動で測定された。膜は、3.7 x 10-4 cm3/(cm2 bar sec)の透水率(hydraulic permeability)を示した。加えて、(水溶液における)ミオグロビンのふるい係数を測定した。1.5 %の篩係数が15 分間後に得られた。そして、1.1 %の篩係数が60 分間後に得られた。続いて、再び膜の透水率 (Lp 値)が測定され、37 ゜Cで2.7 x 10-4 cm3/(cm2 bar sec)であった。さらにまた、膜の拡散透過性に関する実験を塩化物(chloride), イヌリン および ビタミンB12で行った。塩化物, イヌリン および ビタミンB12の透過性は、それぞれ37 ゜Cで10.5 x 10-4 cm/sec, 3.7 x 10-4 cm/sec および 4.0 x 10-4 cm/secであった。
例6
挿入物の照射および細胞培養のための調製
空気カバー膜(酸素濃度が増加しない又は低下した)は、それぞれ6.3 および 18.9 hでガンマ線照射 (それぞれ25 および 75 kGy)に従来の滅菌バック中で室温で供された。水またはアクリル酸溶液でカバーした膜挿入物は、約 70 mlの溶液を含んでいるプラスチック容器中でガンマ線照射に供された。流体でカバーした膜挿入物の洗浄に関して、約 300 mlの従来のPBS 培地(8 g NaCl, 0.2 g KCl, 1.44 g Na2HPO4, 0.24 g KH2PO4を800 mlの蒸留したH2Oに含み、HClでpH7.4に調整され、H2Oが 1 リットルまで添加され、オートクレーブ滅菌された)を含んでいる各膜タイプのためのディッシュを調製した。挿入物を、容器から無菌的に除去し、PBSディッシュで洗浄し、更なるリンスのため6-ウェルプレートに移した。全ての挿入物のタイプを、6-ウェルプレートに移し、それぞれ3 ml および 5 mlのPBSで上部および底部側で五回リンスした。各リンス工程に関して、挿入物を、残留する試薬およびガンマ線照射の間に生成された副産物を除去するため少なくとも 10 minインキュベーションした。リンス処置を終えた後、挿入物を細胞培養のため新しいウェルプレートに移した。それぞれウェル中の挿入物の上部側に3 mlのMSC 培地が添加され、底部側に5 mlが添加された。挿入物を、インキュベーターにおいてMSC 培地中で一晩インキュベーションした。
比較のため使用されるフィブロネクチン被覆膜(例 2にしたがった膜に基づく)は、例外(exception)を代表する。挿入物の洗浄 および リンスを上記のとおり行った。21 μgのフィブロネクチンを含んでいる1 mlのPBS緩衝剤を、挿入物の上部に添加し、インキュベーター中で一晩インキュベーションした。次の日、フィブロネクチン 溶液を除去し、挿入物をPBSで一度洗浄し、細胞の播種前に細胞培地で一晩インキュベーションした。無処理の膜挿入物(例 2) および TCPS培養プレートを、それぞれ陰性の及び陽性の対照として使用した。
例7
中空繊維膜の照射
ガンマ線照射に供されたバイオリアクター(ハウジング中の中空繊維)は、中空繊維の形状で本発明の膜からなる(例4 〜6を参照されたい)。ハウジング, ヘッダー(headers), およびポッティングのための材料は、ガンマ線安定性(gamma-stable)であり、Fibasol blue (ハウジング/ヘッダー) およびガンマ線安定性のポリウレタン(ポッティング)を有するMakrolon (登録商標) DP1-1262 (Bayer MaterialScience AG)からなる。PES/PVP/PA-ベースの膜を含んでいるバイオリアクター(例 4を参照されたい)は、周囲(ambient)の空気, 水(RO-水), 0.001% アクリル酸の水溶液(1 lのRO-水に0.01 gのAA)または0.01% アクリル酸の水溶液 (1 lのRO-水に0.1 gのAA)で満たされ、25または75 kGyを適用するガンマ線照射に供された。反応器を水性の溶液で充填し、水で毛管内(IC: intra-capillary)側から100 ml/minでフラッシング(flushing)を行い、空気を除去した。IC-アウトラインをクランプし、毛管外(EC: extra-capillary)側を限外濾過により充填した。バイオリアクターに残存した残気がなくなるまで工程を繰り返した。ガンマ線照射をCo-60 源で行い、25または75 kGy を6.3 および 18.9 時間で室温で適用した。
例8
平らなシート膜における未処理の骨髄の培養
MSC 培地〔900 ml アルファ-MEM 培地(Lonza, Cat.-No. BE12-169F), 100 ml FBS, 10 ml ペニシリン/ストレプトマイシン, および 10 ml ウルトラグルタミン I; 細胞培養の使用の前, MSC 培地を37゜Cに温めた〕を、挿入膜上での一晩のインキュベーション後に挿入物の上部(2ml) および 底部の側(4ml)において新鮮な MSC 培地で置換した。それらの培地の容量を、全てのさらなる工程に適用した。それぞれの容積の未処理の骨髄を、表 Iに示した各挿入物に添加した。骨髄をディッシュを振盪することにより膜に均質に分布させた。挿入物をインキュベーターに3 日配置し、MSCを付着させた。3日目、培地を挿入物の培養の上部および底部側から除去した。膜を各リンス工程で2 mlのPBSで上部側で二回リンスした。新鮮な MSC培地を上部および底部側に添加した。第一の成長期(即ち、骨髄の播種から最初のMSCの剥離までの培養期)において、培地を、2から3 日ごとに12日または14日まで挿入物の上部および底部側で交換した。12または14日に、MSCsを4つの挿入物のうち3つから挿入物ごとに500 μlのトリプシン (10 min, 37゜C)を用いて分離した。トリプシンを挿入物ごとに1.5 mlのMSC培地を用いて不活化した。MSC 懸濁液を無菌チュウブに集めた。CASY カウンターを用いたMSCの計数のためサンプルを取った。4つの挿入物の一つを固定し、SEMのため調製した。その調製のため挿入物をPBSで上部側で一度洗浄し、1 ml の2% グルタルアルデヒド溶液を添加し、一晩4゜Cで貯蔵した。引き続いて、挿入物を蒸留水で三回洗浄し、空気乾燥し、SEMに供した。第二の実験ではSEMは行わなかった。MSC培地をMSCsの再播種までインキュベーター中で予熱し、ガスで馴化した後に、新鮮な培地を同じ挿入物の上部および底部側に添加した。10,500 MSCs/cm2 を同じ挿入物に一晩再付着させた。第二の成長期において、再付着させたMSCsを付加的な 7 日間で膜で増殖させた。MSC培地を2 〜3 日毎に交換した。MSCsを4つの挿入物のうち3つの挿入物から19または21日に10 min、37゜Cでトリプシンを用いて収穫した。MSCsをMSCの形態および増殖の潜在能力の対照とするためTCPSに再度蒔いた。そのため収穫したMSCsを、形態の対照に関して5,000 MSCs/cm2で、また増殖コントロールの対照に関して500 MSCs/cm2でTCPSに4または5 日間再播種した。形態および増殖の潜在能力を、形態評価のため1または2日、また増殖の潜在能力の評価のため4または5日顕微鏡写真をとることで記録した。
非処理の骨髄を様々な基質に蒔いた(表 I)。TCPSまたはVTK-FN (フィブロネクチン被覆) および VTK (蒸気滅菌, 未被覆)を、それぞれ陽性および陰性の対照として使用した。12-14 日の第一の成長期の後、細胞をトリプシン処理し、計数した。TCPSと比較した各々のMSC数を、図 1 および 2に薄色のバーで表す。第二の成長期に関して、MSCを500 MSC/cm2の密度で同じ挿入物に再度蒔き、付加的な 10 日間第二の成長期に増殖させた。7 日の第二の成長期の後、MSC数の決定(図 1 および 2に黒色のバーで表す)、形態のための再プレーティング(図 3)、およびSEMのための固定化が行われた。標準としてのTCPSと比べたMSCの数(n=3)は、図 1 および 2に示される(線は標準のTCPSレベルを示す)。非処理の骨髄での実験を二回実施した。
[表I]
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膜 骨髄容積(μl) n 総骨髄容積(μl)
-----------------------------------------------------------------------
TCPS 300 3 900
-----------------------------------------------------------------------
VTK(未処置) 150 4 600
-----------------------------------------------------------------------
VTK + FN コーティング 150 4 600
-----------------------------------------------------------------------
VTK 25 kGy, 空気カバー 150 4 600
-----------------------------------------------------------------------
VTK 75 kGy, 空気カバー 150 4 600
-----------------------------------------------------------------------
AN96ST (未処置) 150 4 600
-----------------------------------------------------------------------
VTK75kGy,水カバー 150 4 600
-----------------------------------------------------------------------
VTK75kGy,0.0001% AAの水カバー 150 4 600
-----------------------------------------------------------------------
VTK75kGy,0.001% AAの水カバー 150 4 600
-----------------------------------------------------------------------
VTK75kGy,0.01% AAの水カバー 150 4 600
-----------------------------------------------------------------------
表I: 非処理の骨髄からのMSCの培養に使用した膜のタイプおよび照射条件の概要「n」は、各設定で行われた試験の数を示す。「AA」は、「アクリル酸」を示す。「VTK」の表現は、例 2に使用したポリマー溶液に基づく膜を表す。「FN」は、フィブロネクチンを示す。AN69ST TM膜は、ポリアクリロニトリルに基づく市販の膜である。
図 1 から3に認められるとおり、MSCは、比較可能な第一の成長期にフィブロネクチン-被覆VTK膜において成長を示した(即ち、フィブロネクチン-被覆VTK 膜は、再播種培養に適切ではない)。トリプシン処理後のフィブロネクチン-被覆膜の性能が失われる理由は、トリプシンによるフィブロネクチンのデグラデーションであると想定された。実験 2 (図 2)において、フィブロネクチン-被覆VTK膜は、第一または第二の成長のどちらでも機能しなかった。未被覆のVTK 膜は、双方の実験においてMSCの非常に弱い成長を示した。25 kGyで照射された空気でカバーしたVTK挿入物は、図 1において実験 1 および 2を比較して議論の余地のある結果を示した;図 1において、この膜タイプは、第一の成長期でTCPSと匹敵する性能を示したが、第二の成長期でMSCの強い減少を示し、他方で前記膜タイプは実験 2でもまた同じく振舞った。75 kGyで照射された空気でカバーしたVTK挿入物は、双方の成長期においてTCPSに匹敵する又はより良いMSCの成長を示した。ガンマ線照射処置の間に水または異なる濃度での水性アクリル酸溶液でVTK 膜を被覆することによって、75 kGyで照射された空気でカバーしたVTK挿入物と類似する結果が生じた。AN69ST 挿入物は、実験 1に含まれ、MSC 培養に不適切であることが証明された。第二の成長期後に再度蒔いたMSCは、大抵が紡錘型の形態を示し、正常な増殖を示した(図 3を参照されたい)。
例9
平らなシート膜における処理前のMSCの培養
挿入物の上部および底部側で新鮮な培地で一晩インキュベーション後に挿入物からMSC培地を置換した。MSCの標準のフラスコ条件を適用したフラスコからMSCをトリプシン処理した(0.25% トリプシン, 5 min, および 37゜Cで、全ての細胞が剥がれるまで叩き、培地の付加でトリプシンを不活性化した)。MSCをCASY カウンターを用いて計数した。MSC 懸濁液を調製した(これによりTCPS-ウェルまたは挿入物において500 MSC/cm2の播種が許容される)。ウェルプレート および 挿入物をインキュベーターに配置してMSCを付着させた。MSC培地を上部および底部側で 2 〜3 日毎に7または9 日まで交換した(TCPSにおいて〜80% 集密までを目標としている)。7日および/または9日に、MSCを500 μlのトリプシン (10 分間, 37゜C)を用いて分離した。次に、トリプシンを1.5 ml MSC培地を用いて不活化し、MSCを無菌のチュウブ中に細胞懸濁液として集めた。サンプルをCASY カウンターを用いる細胞計数のため取得した。一つの挿入物を固定し、SEMのため調製した。そのため挿入物をPBSで上部側で一度洗浄し、次に1 ml の2% グルタルアルデヒド溶液を添加し、全てを一晩4゜Cで貯蔵した。引き続いて、挿入物を蒸留水で洗浄し、空気乾燥し、SEMに供した。新鮮なMSC培地を、挿入物の上部(2 ml)および底部(4 ml)側に添加した。培地を細胞の再播種までインキュベーターにおいて予熱し、ガスで馴化させた。500 MSC/cm2 を同じ挿入物に一晩インキュベーター中で再付着させた。再付着したMSCを付加的な 10または11 日間で膜に増殖させた。MSC培地を2 〜3 日毎に交換した。MSCを16または21日に三つの挿入物から収穫した。MSC をMSCの形態および増殖の潜在能力の対照のためTCPSに再度蒔いた。そのため収穫したMSCsを、形態の対照のため5,000 MSCs/cm2で、また増殖の潜在能力の対照のため500 MSCs/cm2でTCPSに4または5 日間再播種した。形態および増殖の潜在能力を、形態評価のため1または2日、また増殖の潜在能力の評価のため4または5日顕微鏡写真をとることで記録した。表 IIは、これらの実験に使用された全ての膜タイプおよび修飾、同様に、照射条件の概要を提供する。
[表II]
-----------------------------------------------------------------------
膜 細胞数 (500 細胞/ cm2) n トータルの細胞数
-----------------------------------------------------------------------
TCPS 4,800 3 14,400
-----------------------------------------------------------------------
VTK(未処置) 2,250 4 9,000
-----------------------------------------------------------------------
VTK + FN コーティング 2,250 4 9,000
-----------------------------------------------------------------------
VTK 25 kGy, 空気カバー 2,250 4 9,000
-----------------------------------------------------------------------
VTK 75 kGy 空気カバー 2,250 4 9,000
-----------------------------------------------------------------------
VTK 75 kGy 水カバー 2,250 4 9,000
-----------------------------------------------------------------------
VTK 75 kGy, 0.0001% AAでの水カバー 2,250 4 9,000
-----------------------------------------------------------------------
VTK 75 kGy, 0.001% AAでの水カバー 2,250 4 9,000
-----------------------------------------------------------------------
VTK 75 kGy, 0.01% AAでの水カバー 2,250 4 9,000
-----------------------------------------------------------------------
表II: 事前に選択したMSCの培養に使用した膜のタイプおよび照射条件の概要「n」は、各設定で行われた試験の数を示す。「AA」は、「アクリル酸」を示す。「VTK」の表現は、例 2に使用したポリマー溶液に基づく膜を表す。「FN」は、フィブロネクチンを示す。
事前に選択したMSCを用いた実験を二回おこなった。結果を図 4 (実験 1) および 図 5 (実験 2)に示す。MSCは、実験 1 および 2の第一の成長期においてフィブロネクチン-被覆VTK膜でTCPSと匹敵する成長を示したが、第二の成長期でMSCの成長の著しい減少を示した(即ち、フィブロネクチン-被覆膜は、実験 1の再播種に適切ではなかった)。トリプシン処理後のフィブロネクチン-被覆膜の性能が失われる理由は、トリプシンによるフィブロネクチンのデグラデーションであると想定された。未被覆のVTK 膜によって、双方の実験においてMSCの成長が非常に弱いことが示された。25 kGyで照射された空気でカバーしたVTK挿入物を、実験 2のみで試験し、TCPSに匹敵する及び75 kGy ガンマ線照射後の全ての VTK 膜タイプに匹敵する性能を示した。75 kGyで照射された空気でカバーしたVTK挿入物は、双方の成長期においてTCPSに匹敵する又は殆どの場合ではより良いMSCの成長を示した。ガンマ線照射処置の間に水または異なる濃度での水性アクリル酸溶液でVTK 膜を被覆することによって、75 kGyで照射された空気でカバーしたVTK挿入物と類似する結果が生じた。AN69ST 挿入物は、実験 2に含まれ、MSC 培養に不適切であることが証明された。第二の成長期後に従来のTCPSディッシュに再度蒔いたMSCは、大抵が紡錘型の形態を示し、正常な増殖を示した。
例11
ガンマ線照射前の蒸気滅菌の影響
例 10にしたがって実験を行い、膜表面に接着したMSCの数をTCPSと比べて(%)で決定した。細胞数をTCPSおよびフィブロネクチンコーティングを有するVTK膜に関して、同様に、25または75 kGyで放射線で照射された空気で満たされた又は水でカバーした何れかのVTK 膜に関して決定した。3つのセットの実験を行った。第一の設定において、直接的に生産後にガンマ線照射した。第二の設定において、それぞれガンマ線処理に供される前に膜を蒸気滅菌した。図 6に認められるとおり、ガンマ線照射前に蒸気滅菌した膜は、蒸気滅菌なしの膜と比較してMSCの付着に関してより良く機能した。
第三の設定において、付加的な EtO 滅菌工程の影響が調査された。第一(11 日) および 第二(7 日)の成長期の後、75 kGyで照射され、蒸気およびETO滅菌の有り無しの条件での膜における非処理の骨髄から成長させたMSCの数を、標準 TCPSで成長させたMSCの数と比較して決定した。図 7に認められるとおり、EtO滅菌法は、膜の性能に明白な副作用を有さない。
例12
細胞の分化
本発明の膜で培養した細胞の分化能力を評価するため、脂肪生成 および 骨形成の分化の試験を行なってMSCが分化する能力を決定した。
(A) 脂肪生成
MSCを24-ウェルプレートに約 10,000 MSC/cm2の密度で播種した。三つのウェルを使用した。一つは以下の記載のとおりMSCの脂肪細胞への分化、一つは標準のMSC増殖培地(脂肪生成を誘導することのない)におけるMSCの成長、もう一つは染色の対照として使用した。MSCをコンフルエントまで又はコンフルエントを超え十日まで、標準のMSC増殖培地 (900 mlのアルファ-MEM 培地, 100 mlのFBS, 10 mlのペニシリン/ストレプトマイシン, および10 mlのウルトラグルタミンI; 細胞培養の使用の前, MSC 培地を37゜Cに温めた)を用いて成長させた。脂肪生成を、脂肪生成の誘導培地〔20 μlのIBMX 貯蔵溶液(55.55 mgのIBMXを10 ml蒸留水に溶解し, それから 20 〜40 mgの炭酸ナトリウムを前記溶液に添加した), 1 μlのデキサメサゾン貯蔵溶液(19.62 mg デキサメサゾンを50 mlの純粋なエタノールに含む), 1 μlのインシュリン 貯蔵溶液(10 mg/ml), および 2 μlのインドメタシン (178.9 インドメタシンを10 mlの純粋なエタノールに含む)を 1 mlの標準MSC培地に含む〕を11 日間(0日〜11日)用いて誘導した。前記培地を2 〜3 日毎に交換した。脂肪生成の維持培地 (1 μlのインシュリンストック溶液を1 mlの標準MSC培地に含む)を、3または5 日(12-14日または12-16日)使用し、2-3 日毎に交換した。細胞を標準のPBS緩衝剤でリンスした。細胞をホルムアルデヒド溶液(〜10%)を用いて少なくとも 4 時間、室温で固定した。次に、約 0.5 mlのOil Red O溶液(新たに濾過滅菌した)を、各ウェルに添加し、30 min 〜2 時間、室温でインキュベーションし、細胞をPBSで二回リンスし、50% エタノールでリンスした。細胞を、Mayer's ヘマトキシリン溶液で5 min、室温で対比染色し、1 min、水道水で三回リンスし、ホルムアルデヒド 溶液で固定した。図 8は、ガンマ線照射(75または25 kGy, アクリル酸またはアリルアミンの存在下)したVTK膜で培養した細胞におけるMSCの脂肪生成が成功したことを示す。
(B) 骨形成
MSCを24-ウェルプレートに約 10,000 MSC/cm2の密度で播種した。三つのウェルを使用した。一つは以下の記載のとおりMSCの骨芽細胞への分化、一つのウェルは標準のMSC増殖培地(骨形成を誘導することのない)におけるMSCの成長、一つは染色の対照として使用した。MSCをコンフルエントまで又はコンフルエントを超え十日まで標準 MSC培地を用いて成長させた。MSC培地を、骨形成分化培地〔100 μlのグリセロールリン酸ストック溶液(2.16 gのグリセロールリン酸を100 mlの標準MSC培地に含む), 1 μlのデキサメサゾンストック溶液, および 1 μlのアスコルビン酸ストック溶液 (0.145g アスコルビン酸を10 ml の基礎培地, アルファ-MEMに含む), を1 mの標準MSC培地に含む〕で置換し、3-4 日毎に交換した。2-3 週後、細胞中及び細胞の周囲に石灰化した沈殿物が存在した。細胞をPBS中で洗浄した。PBS を除去し、細胞を10% ホルムアルデヒドで10 min固定し、PBSで一回洗浄し、脱イオン水で二回洗浄した。細胞を、空気乾燥し、硝酸銀で紫外光下で10 min染色した。脱イオン水で2-3 回洗浄した後、細胞をMayer's ヘマトキシリンで対比染色し、一分間水道水中で洗浄し、次に脱イオン水で二回洗浄した。細胞を10% ホルムアルデヒドに入れた。図 9は、本発明の膜で成長させた細胞の骨形成の成功を示す。
例13
様々な細胞タイプの増殖に関する適合性
様々な細胞タイプの培養に関して本発明のガンマ線照射した膜の適合性を評価するため、平らな膜を例示的に試験した。使用した膜は、例10 および 11に記載され、「VTK」膜と称される。膜を、それぞれ25 kGy(空気でカバー) および 75 kGy (水でカバー)で照射した。膜を短期培養で試験して、標準のTCPSと比較して細胞接着(播種の1日後) および 細胞増殖 (再播種の5 日後)を評価した。使用した細胞は、(a) NHDF(正常なヒトの皮膚の線維芽細胞), (b) HepG2(ヒト肝臓癌細胞株), (c) HK-2(ヒト腎臓近位上皮細胞株), および (d) MDCK(Madin-Darbyイヌ腎臓上皮細胞株)であった。
細胞 (a) から(d)を、本発明の膜およびTCPSで試験した。細胞を以下の通り播種した:
(a) NHDF: 5・103 細胞/cm2を培地(DMEM + 10% FBS + 1 % ペニシリン/ストレプトマイシン)に含む;
(b) HepG2: 5.6 x 104 細胞/cm2を培地(RPMI + 10% FBS + 0.5% ゲンタマイシン)に含む;
(c) HK-2: 104 細胞/cm2を培地(ケラチノサイト SFM (Gibco, Cat# 17005) + ケラチノサイトSFMのサプリメント(Gibco, Cat# 37000-015) + 10 μg/ml Meronem + 1% FBS +1% CaCl2)に含む;
(d) MDCK: 104 細胞/cm2を培地〔M199 + 10 μg/ml Meronem + 10% FBS (熱不活化された)〕に含む。
細胞播種後、細胞数を1 日 (接着) および 5 日 (増殖)にCASY 計数で決定した。図 10 から13は、全ての細胞タイプが75 kGy 照射された膜で効率的に増殖できたことを示す。結果は、(特に、細胞増大に関して)膜が少なくとも標準のTCPSと同程度に効率的であることを証明した。高量で処理された膜が、低量で処理された膜よりも細胞培養に僅かにより適していることを結果は示している。VTKの25kGyの膜は、一日後の細胞の最初の除去での問題が原因でHK-2 細胞では効率的に機能しなかった(図 12)。
例14
ガンマ線で照射された中空繊維膜(バイオリアクター)における非処理の骨髄からのMSCの増大
非処理の骨髄からのMSCの増大および事前に選択したMSCの増大を、Cell Expansion System (CES)における様々な中空繊維バイオリアクターにおいて行った。事前に選択した MSCに適切であることが証明されたバイオリアクターを、さらに非処理の骨髄で試験した。本発明のバイオリアクターにおける倍加時間(doubling times)を、播種時に同じ細胞密度で開始した対照のフラスコ(TCPS)における倍加時間と比較した。倍加時間を様々な膜/TCPSの性能を評価する方法として使う。
事前に選択したMSC: 使用したMSCは、事前に選択された(最大で四継代の骨髄からの低温保存したMSC)。MSCは、骨髄由来のMSCを従来のTCPSフラスコ中で少なくとも二継代で増大することにより事前に選択された。約 2.8 Mio MSCを1.7 m2のバイオリアクターにロードした(これは164 MSC/cm2に対応する)。表面領域が1.7 m2より小さい場合、ロードしたMSCの数を測定(scaled)した。培養期間は、7 日であった。
非処理の骨髄: 約 10-12 mlの骨髄を1.7 m2のバイオリアクターにロードした、表面領域が1.7 m2未満の場合、ロードした骨髄の容量を測定(scaled)した。培養期間は、13 日であった。
T75 TCPS フラスコは、対照のフラスコとして機能した。事前に選択した MSCを、バイオリアクター (164 MSC/cm2)と同じ密度でフラスコに播種した。非処理の骨髄で開始される場合、234 μlの骨髄をフラスコ (3.12 μl/cm2)に播種し、12 mlの骨髄を1.7 m2のバイオリアクター (0.71 μl/cm2)にロードした。
本実験に使用した膜のタイプを表 IIIに要約する。PES/PVP/PAに基づく膜を例 3に記載のとおり調製した。PES/PVP/PUに基づく膜を例 5に記載のとおり調製した。PANの表現は、ポリアクリロニトリルを意味する。
[表III]
-----------------------------------------------------------------------
No. タイプ 処理 膜の材料
-----------------------------------------------------------------------
1 フィブロネクチンで被覆したVTK 蒸気 PES/PVP/PA
-----------------------------------------------------------------------
2 AN69ST (表面処理) ガンマ線照射 PAN/PEI
-----------------------------------------------------------------------
3 AN69XS (表面処理なし) ガンマ線照射 PAN
-----------------------------------------------------------------------
4 0.5% PU(オンライン乾燥なし) ガンマ線照射 PES/PVP/PU
-----------------------------------------------------------------------
5 VTK 空気を充填 25 kGy ガンマ線照射 PES/PVP/PA
-----------------------------------------------------------------------
6 VTK 空気を充填 75 kGy ガンマ線照射 PES/PVP/PA
-----------------------------------------------------------------------
7 VTK 水を充填 25 kGy ガンマ線照射 PES/PVP/PA
-----------------------------------------------------------------------
8 VTK 水を充填 75 kGy ガンマ線照射 PES/PVP/PA
-----------------------------------------------------------------------
9 VTK AA 0.001% 25kGy ガンマ線照射 PES/PVP/PA/(AA)
-----------------------------------------------------------------------
10 VTK AA 0.001% 75kGy ガンマ線照射 PES/PVP/PA/(AA)
-----------------------------------------------------------------------
11 VTK AA 0.01% 25 kGy ガンマ線照射 PES/PVP/PA/(AA)
-----------------------------------------------------------------------
12 VTK AA 0.01% 75 kGy ガンマ線照射 PES/PVP/PA/(AA)
-----------------------------------------------------------------------
表III: 事前に選択した MSC および 非処理の骨髄の増大に関して試験した膜のタイプの概要。膜に関する結果を、標準のTCPSフラスコと比較した。ガンマ線照射されないが、代わりにフィブロネクチンで被覆された膜(1)が、比較のため本実験に含まれた。
骨髄を0日にバイオリアクター および フラスコに播種した。2 日目、培地を最初に交換し、次に再び4または5, 6または7, 8 〜10 および 10 〜12日に交換した。13 日目、細胞を収穫(トリプシン)し、細胞を計数した。細胞の生存度を試験した。同様に、細胞の表現型 および 形態学 および/または 細胞の増殖活動(proliferation behavior)を試験した。
非処理の骨髄 (CFU-F)を用いた場合の開始細胞数を計算するための細胞コロニーの計数
78 μlの非処理の骨髄を、5 mlのMSC培地を含んでいるT25 (TCPS) フラスコに播種した。非-接着細胞を2 〜3 日後にPBSで二回洗浄することにより除去し、新鮮なMSC培地を添加した。MSC培地を2 〜3 日毎に交換した。7 日目、コロニーを計数した(10倍拡大率 / 顕微鏡)。
倍加時間 および 倍加時間比の計算
倍加時間 (DT)は、細胞の数が二倍になるため必要とされる時間の期間である。MSCのDT および DT 比を以下の通り計算した。
MSCの倍加数 = log2 (N / No).
Nは示した培養期間後に得られたMSCの数であり、N0は播種したMSCの数である。
DT (時間) = 培養期間 (時間) / 倍加の数。
DT比 = バイオリアクターにおける細胞のDT / 対照のフラスコにおける細胞のDT。
全ての選択したガンマ線照射したバイオリアクターに未処理の骨髄を有するものは、TCPS および VTK-FN バイオリアクターと匹敵する性能を示した。倍加時間は28 〜34 時間の範囲であり、この時間は対照フラスコ(23 〜25 時間)よりもほんの僅かに高かった。従って、倍加時間の比は、1.1 〜1.5の範囲であった(図 14)。0.5% PU バイオリアクターは、ガンマ線照射したバイオリアクター および VTK-FN バイオリアクターと比較して僅かに遅い細胞成長を示した。
収穫した細胞の生存度(図 15)を、MSC培地中で50,000 細胞/FACS チュウブでFACS分析により試験した。一つのサンプルを、プロピジウムイオダイド溶液(終濃度 1 μg/ml) で10 〜15 分間、室温で暗所で染色した。別の未染色のサンプルを参照として使用した。収穫した細胞の生存度は、88 〜99.5%の範囲であった。
収穫した細胞の表現型(図 16を参照されたい)を、細胞のトリプシン処理後に試験した。100 万の細胞を、5,000 μlのブロッキング緩衝剤(細胞洗浄剤 + 10%のヒト血清)に再懸濁し、4゜C、30 分間でインキュベーションした。各50 μlを10 チュウブ中に分け、抗体を添加した〔一つは未染色 (抗体なし): CD34-PE - 2 μl, CD45-PE - 2 μl, CD73-PE - 2 μl, mIgG1-PE - 1 μl (CD34, CD45, CD73のアイソタイプの対照), HLA-DR,DP,DQ-FITC - 2 μl, mIgG2a-FITC - 1 μl (HLA-DRのアイソタイプの対照), CD90-FITC - 1 μl, CD105-FITC - 1 μl, mIgG1-FITC - 2 μl (CD90, CD105のアイソタイプの対照)〕。混合物を十分に混合し、暗所で室温、20 分間で貯蔵した。それから1 mlのFACS緩衝剤〔細胞洗浄剤 + 2% FBS (熱不活化したもの)〕を添加し、ボルテックスし、3 分間、400 gで遠心分離した。緩衝剤を除去し、ペレットをボルテックスした。それから 400 μlの固定緩衝剤 (水で1:10 に希釈)を添加し、ボルテックスした。細胞を4゜Cで貯蔵し、4 日以内に分析した。
ガンマ線で修飾され, 水で充填されたバイオリアクターを75 kGyで照射したものにおいて増大させた細胞は、CD45 および HLA-DRに関して比較的に高い値を示した(それぞれ18 および 16.7%の細胞が陽性であった)。全ての他のバイオリアクターから収穫した細胞は、MSCの予想された表現型を示した。
増大後のTCPSにおける再付着の検査は、大部分が再プレーティング後に正常な成長活動を呈する紡錘型の細胞を示した(データ示さず)。
例15
照射量の影響
膜の特性における照射量の影響を研究するため、例 14を事前に選択した MSCで12.5 kGy および 125 kGyの間のガンマ線照射量で照射され空気で満たされたVTK膜を用いて繰り返し、第一(10 日) および 第二(11 日)の成長期の後に標準のTCPSで成長させたMSCの数と比べた成長したMSCの数を決定した。結果を図17に示す。

Claims (14)

  1. ポリスルホン, ポリエーテルスルホンまたはポリアリールエーテルスルホン, およびポリビニルピロリドンを含み、4 〜100 vol%の濃度の酸素の存在下でガンマ線またはベータ線または電子ビームで12.5 〜175 kGyの量で照射された膜。
  2. 請求項1に記載の膜であって、さらにポリウレタンを含む膜。
  3. 請求項1または2に記載の膜であって、さらにポリアミドを含む膜。
  4. 中空繊維膜である、請求項1〜3の何れか一項に記載の膜。
  5. 平らなシート膜である、請求項1〜3の何れか一項に記載の膜。
  6. 請求項1〜5の何れか一項に記載の膜を調製するための方法であって、ポリスルホン, ポリエーテルスルホンまたはポリアリールエーテルスルホン, およびポリビニルピロリドンを含む前形成された膜を4 〜100 vol%の濃度の酸素の存在下でガンマ線またはベータ線または電子ビームで12.5 〜175 kGyの量で照射することを含む方法。
  7. 請求項1〜5の何れか一項に記載の膜または請求項6により調製された膜を含む細胞培養装置。
  8. 細胞および請求項1〜5の何れか一項に記載の膜または請求項6により調製された膜を含む体液の体外処理のための装置。
  9. 請求項1〜5の何れか一項に記載の膜または請求項6により調製された膜の細胞の培養のための使用。
  10. 請求項9に記載の使用であって、前記細胞が接着細胞である使用。
  11. 請求項10に記載の使用であって、前記細胞が間充織幹細胞である使用。
  12. 請求項10に記載の使用であって、前記細胞が肝臓細胞である使用。
  13. 請求項10に記載の使用であって、前記細胞が腎臓細胞である使用。
  14. 請求項10に記載の使用であって、前記細胞が上皮細胞である使用。
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