JP6422221B2 - 多能性幹細胞からなる細胞塊製造方法 - Google Patents
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Description
(1) 多能性幹細胞からなる細胞塊製造方法であって、
Rho結合キナーゼ(ROCK)阻害剤を含む培養液の存在下、
実質的に閉鎖系が維持された状態にて
培養液の構成成分の調整を行う培養工程を含むことを特徴とする
多能性幹細胞からなる細胞塊の製造方法。
(2) 前記培養工程は、半透膜を介して培養液の構成成分の調整を行う工程を少なくとも含むことを特徴とする(1)記載の多能性幹細胞からなる細胞塊の製造方法。
(3) 前記培養液を含む培養槽と、
該培養槽とは独立しかつ閉鎖系回路で接続された半透膜と、前記ROCK阻害剤を含む調整液の貯留手段とを有する調整手段1と、
該培養槽及び調整手段1とは独立しかつ閉鎖系回路で接続された調整手段2とを備える培養装置において、
調整手段1と調整液により培養液成分のうち半透膜を通過する物質の濃度を調整し、
さらに、調整手段2により少なくとも線維芽細胞成長因子(FGF)濃度を調整し、
培養する工程を少なくとも含むことを特徴とする、(1)または(2)に記載の多能性幹細胞からなる細胞塊の製造方法。
(4) 前記調整液は少なくともインスリンを含み、調整手段1の半透膜がインスリンを透過させることが可能な孔径を有することを特徴とする、(2)または(3)に記載の多能性幹細胞からなる細胞塊の製造方法。
(5) 調整手段1の半透膜がFGFは透過しない孔径を有することを特徴とする、(4)に記載の多能性幹細胞からなる細胞塊の製造方法。
(6) 調整手段2は前記FGFと硫酸基を有する化合物との混合物を含む貯留手段を有しており、該混合物は培養槽に添加されることで濃度が調整されることを特徴とする(3)~(5)のいずれかに記載の多能性幹細胞からなる細胞塊の製造方法。
(7) 培養期間中閉鎖系を維持して培養することを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の多能性幹細胞からなる細胞塊の製造方法。
(8) 培養槽の培養液量を実質的に一定に保持可能であることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の多能性幹細胞からなる細胞塊の製造方法。
線維芽細胞成長因子(FGF)は、線維芽細胞や内皮細胞の増殖を促進する分子量16,000〜20,000のタンパク質である。FGFには、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)、酸性線維芽細胞成長因子(aFGF)、角質細胞成長因子(KGF)などが含まれ、ヒトおよびマウスにおいてはそれぞれ20種以上のFGFが知られている。このうち、多能性幹細胞の市販培養液には一般にbFGFが添加されている。
培養装置としては、8連動動物培養装置BioJr.8(BJR−25NA1S−8C、エイブル株式会社)を使用した。本装置は、1台のコントローラーで8台の100mL容量の培養槽を制御可能で、測定/制御項目は攪拌速度、温度、pH、及び溶存酸素濃度(DO)で各培養槽は独立に制御できる。
培養細胞としてはヒトiPS細胞(253G1)を選択した。細胞はマトリゲル(日本ベクトン・ディッキンソン株式会社)をコートした培養ディッシュ(コーニング社)に播種し、培養液としてEssential-8を用いて培養した。培養液の交換は毎日実施し、3~4日に一度の頻度で継代を実施した。
培養槽としてガラス製の専用槽(エイブル株式会社)使用し、培養液を100mLとした。
培養7日目に細胞塊を培養槽から回収し、0.25%トリプシン/EDTA(インビトロジェン社)にて処理し単細胞の状態とした後、トリパンブルー法にて死細胞を染色し、生細胞のみを計算盤を用いてカウントした。
細胞塊数は光学顕微鏡ECLIPSE Ti−U(株式会社ニコン)を用いて観察しながら数を測定した。細胞塊の円相当直径は光学顕微鏡ECLIPSE Ti−U(株式会社ニコン)を用いて細胞塊の画像を撮影したのち、ソフトウェア(Nikon ElementsD、株式会社ニコン)を用いて細胞塊の外周長を測定し、その値から真円の場合の円相当直径算出した。各サンプルから100個の細胞塊の円相当直径を測定した。
ヒトiPS細胞が未分化状態を維持していることを確認するために、未分化マーカーであるTra1-60の陽性率をフローサイトメトリー法にて測定した。抗体としては抗Tra1-60抗体560380(日本ベクトン・ディッキンソン株式会社)を用い、測定装置としてはCell Lab QuantaSC(ベックマン・コールター株式会社)を用いた。Tra-1-60の陽性率を未分化率とした。
本実施形態の方法により得られた細胞が多分化能を有していることを検証するために、以下の方法にて三胚葉への分化培養を行った。
培養後外胚葉のマーカーとしてβ3 Tubulin、中胚葉マーカーとしてcTnT(Troponin T Cardiac Isoform)、内胚葉マーカーとしAFP(αfeto protein)を免疫染色法にて染色した。それぞれ抗体としては、抗β3 Tubulin抗体(メルクミリポア社、05-559)、抗cTnT抗体(thermo scientific社、MA5-12960)、抗AFP抗体(R&D Systems社、MAB1368)を用いた。2次抗体としては、抗マウスIgG抗体(Life Technologies社、A11031)を用いた。
[比較例1]
[比較例2]
[比較例3]
[比較例4]
2 培養液
3 撹拌翼
4 回転軸
5 フィルター
6 通気フィルター
7 調整手段1
8 調整液貯留槽
9 調整液
10 半透膜
11 撹拌回転子
12 送液手段
13 送液回路
14 液面検知手段
15 情報伝達回路
16 送液手段調整器
17 溶存酸素検知手段
18 調整手段2
19 FGF溶液
Claims (7)
- 多能性幹細胞からなる細胞塊製造方法であって、
Rho結合キナーゼ(ROCK)阻害剤を含む培養液の存在下、
実質的に閉鎖系が維持された状態にて
培養液の構成成分の調整を行う培養工程を含み、
前記培養液を含む培養槽と、
該培養槽とは独立しかつ閉鎖系回路で接続された半透膜と、前記ROCK阻害剤を含む調整液の貯留手段とを有する調整手段1と、
該培養槽及び調整手段1とは独立しかつ閉鎖系回路で接続された調整手段2とを備える培養装置において、
調整手段1と調整液により培養液成分のうち半透膜を通過する物質の濃度を調整し、
さらに、調整手段2により少なくとも前記培養槽内で低下する成分の濃度を調整し、
培養する工程を少なくとも含むことを特徴とする、
多能性幹細胞からなる細胞塊の製造方法。 - 前記培養槽内で低下する成分が、線維芽細胞成長因子(FGF)である、請求項1に記載の多能性幹細胞からなる細胞塊の製造方法。
- 前記調整液は少なくともインスリンを含み、調整手段1の半透膜がインスリンを透過させることが可能な孔径を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の多能性幹細胞からなる細胞塊の製造方法。
- 調整手段1の半透膜が前記培養槽内で低下する成分は透過しない孔径を有することを特徴とする、請求項3に記載の多能性幹細胞からなる細胞塊の製造方法。
- 調整手段2は前記FGFと硫酸基を有する化合物との混合物を含む貯留手段を有しており、該混合物は培養槽に添加されることで濃度が調整されることを特徴とする請求項2に記載の多能性幹細胞からなる細胞塊の製造方法。
- 培養期間中閉鎖系を維持して培養することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の多能性幹細胞からなる細胞塊の製造方法。
- 培養槽の培養液量を実質的に一定に保持可能であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の多能性幹細胞からなる細胞塊の製造方法。
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