JP2004041341A - 体外循環用リガンド固定化材料およびそれを用いたカラム - Google Patents

体外循環用リガンド固定化材料およびそれを用いたカラム Download PDF

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英加 善広
Tetsuji Kondo
近藤 哲司
Takashi Miwa
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Abstract

【課題】特定の細胞を体外循環により簡単、大量、安全に分離、回収できる材料を提供すること。
【解決手段】リガンドと前記リガンドを固定化するための基材を含むリガンド固定化材料であって、基材に固定化されたリガンドを外部刺激により脱離でき、
体外循環に用いられることを特徴とする体外循環用リガンド固定化材料。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、血液中の病因物質や有用物質を除去回収、特に幹細胞やリンパ球系の細胞などの特定の細胞を分離回収するための、さらに該材料を再利用するための、外部刺激により基材に固定化したリガンドが脱離することを特徴とする体外循環用リガンド固定化材料に関するものであり、特にヒト血液および臍帯血中に存在する造血幹細胞、神経幹細胞、血管内皮前駆細胞、多能性幹細胞や樹状細胞、B細胞、T細胞などの表面抗原とリガンドとの相互作用を利用することにより、治療に有用な特定の細胞を回収する材料として好適に用いられる。
【0002】
【従来の技術】
近年、リガンド、特に抗体を用いて、抗体と相互作用する細胞を選択的に分離する試みがなされている。かかる試みは、抗体を担体に固定化した材料を用い、ここに血液細胞などの細胞群を流すことにより、抗体と相互作用する特定の細胞だけを除去する技術が検討されている。
【0003】
例えば、WO97/027878においてはヒト表面抗原を認識する抗体を不織布に固定化し、特定の血球成分を除去することを試みている。しかし、このような技術では、抗体と相互作用する細胞が除去されるだけであり、それらの細胞を担体表面から回収し、さらに利用することは困難である。
【0004】
また、特定の細胞を回収、利用する技術としては、フローサイトメトリーによる方法や最近では磁気ビーズ法などがあげられるが、いずれも少量の細胞を対象としており、さらに、細胞と標識抗体とを反応させた後、分離作業をするという非常に煩雑な操作が必要であり、特定の細胞を大量に回収する際は、時間、コストがかかることが問題であった。
【0005】
また、リガンドを固定化したカラム担体を用いて目的物質を回収する技術として、プロテインGセファロース、キレートカラム、グルタチオンカラムなどが知られており、これらの技術は固定化したリガンドが何らかの外部刺激で脱離できるような構造をもつことにより、一度リガンドに吸着した物質を、外部刺激によりリガンドと共に脱離、回収することができるものとなっている。しかし、これらの技術では、担体としてゲルや微粒子を使用しているため、細胞群など比較的大きな目的物質を対象とする場合、目的物質が空孔を通過する際に空孔を塞いでしまうため、目的物質の回収率が低かったり、あるいは、リガンドと目的物質の適切な相互作用ができないことが問題であった。さらに、これら従来の回収技術で血液から特定の細胞を回収する場合には、一度血液を体外に取り出した後に、血液を分離材料へ添加するという方法をとる必要があり、大気中の雑菌や微生物がコンタミする危険性がある。さらに、体外へ取り出せる血液量に限界があるため、処理できる血液量が少なく、回収できる細胞数が少なくなる傾向にある。そのため、血液を体外に取り出す前にG−CSF等の医薬品により目的とする細胞数を上昇させるなどの方法が行われているが、これら医薬品による副作用が重大な問題となってくる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明では、上記従来技術の欠点を解消するものであり、特定の細胞を簡単、大量、安全に分離、回収できる材料を提供することを目的としてしている。
【0007】
すなわち、本発明の材料では、外部刺激によりリガンドが脱離する構造を有することにより、リガンドにより捕捉した細胞を容易に回収することができる。
【0008】
また、基材として体外循環に使用可能な素材を利用することにより、血液などの細胞群を一度に大量、安全に処理することができる。例えば素材として、透析膜をはじめとして種々の分離膜などに用いられているポリスルホン系の膜を、血液適合性を付与するためにポリビニルピロリドンなどの親水性高分子をブレンドして用いることにより、血液浄化用分離膜として使用できる。また、ポリスルホン系の材料は耐熱性に優れるため、蒸気滅菌などの処理が可能である。しかし、現在利用されているこのようなポリスルホン系の透析膜は表面に官能基がないためにリガンドを固定化するなどの化学修飾することは困難であったが、本発明を用いれば、リガンドの固定化が容易に行うことができる。
【0009】
また、本発明の材料で大量に回収した特定の細胞を利用することにより、癌、アレルギー、感染症、臓器移植、もしくは自己免疫疾患の治療、又はワクチンに用いることができる。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は下記構成を有する。
(1)リガンドと前記リガンドを固定化するための基材を含むリガンド固定化材料であって、基材に固定化されたリガンドを外部刺激により脱離でき、体外循環に用いられることを特徴とする体外循環用リガンド固定化材料。
(2)基材の形状が繊維状、中空糸膜状または平膜状であることを特徴とする(1)に記載の体外循環用リガンド固定化材料。
(3)前記基材が多孔質であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の体外循環用リガンド固定化材料。
(4)前記基材がポリスルホン、セルロース、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリルからなる群より1つ以上選択される高分子化合物を含むことを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の体外循環用リガンド固定化材料。
(5)前記基材が親水性高分子を含むことを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の体外循環用リガンド固定化材料
(6)前記親水性高分子がポリビニルピロリドンであることを特徴とする請求項5に記載の体外循環用リガンド固定化材料。
(7)アミノ基を有することを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の体外循環用リガンド固定化材料。
(8)前記アミノ基がポリエチレンイミン由来であることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の体外循環用リガンド固定化材料。
(9)前記リガンドと前記基材とが化学結合を介して固定化されており、前記化学結合が前記外部刺激によって切断されることにより前記リガンドが脱離可能であることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載の体外循環用リガンド固定化材料。
(10)前記外部刺激が還元剤による還元反応であることを特徴とする(1)〜(9)のいずれかに記載の体外循環用リガンド固定化材料。
(11)前記リガンドが前記基材にジスルフィド結合を介して固定化されていることを特徴とする(1)〜(10)のいずれかに記載の体外循環用リガンド固定化材料。
(12)前記リガンドと前記基材とが架橋剤によって固定されており、前記架橋剤の両末端の官能基が、N−ヒドロキシスクシンイミド基、ピリジルジスルフィド基およびマレイミド基からなる群より選ばれることを特徴とする(1)〜(11)のいずれかに記載の体外循環用リガンド固定化材料。
(13)該架橋剤がN−スクシンイミジル 3−(2−ピリジルジチオ)−プロピオネートであることを特徴とする(12)に記載の体外循環用リガンド固定化材料。
(14)前記基材が表面にアミノ基を有し、前記アミノ基と前記リガンドが前記外部刺激により切断可能な架橋剤を利用して固定化されていることを特徴とする(1)〜(11)のいずれかに記載の体外循環用リガンド固定化材料。
(15)前記リガンドに2−ピリジル−ジスルフィド基が1モル以上10モル以下で導入されていることを特徴とする(14)に記載の体外循環用リガンド固定化材料。
(16)前記リガンドにメルカプト基が1モル以上10モル以下で導入されていることを特徴とする(14)に記載の体外循環用リガンド固定化材料。
(17)前記リガンドが抗体あるいはレセプターであることを特徴とする(1)〜(16)のいずれかに記載の体外循環用リガンド固定化材料。
(18)(1)〜(17)のいずれかに記載の体外循環用リガンド固定化材料を含み、細胞を分離するために用いられることを特徴とする体外循環用細胞分離カラム。
(19)(1)〜(17)のいずれかに記載の体外循環用リガンド固定化材料を含み、血液浄化に用いられることを特徴とする体外循環用血液浄化カラム。
(20)(1)〜(17)のいずれかに記載の体外循環用リガンド固定化材料を含み、細胞を分離可能な疾病治療用カラムであって、該疾患治療用カラムを用いて得られた細胞が癌、アレルギー、感染症、臓器移植、もしくは自己免疫疾患の治療又はワクチンとして用いられることを特徴とする疾病治療用カラム。
(21)前記細胞が造血幹細胞であることを特徴とする(20)に記載の疾病治療用カラム。
(22)前期細胞がT細胞であることを特徴とする(20)に記載の疾病治療用カラム。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明においてリガンドを固定化する基材としては、血液などの細胞群を一度に大量に処理できる体外循環に使用可能な基材が好ましく、基材の形状としては平膜状、中空糸膜状、繊維状、粒子状、ゲル状など何でもよいが、閉鎖系で圧力損失を伴わず、細胞を傷つけず体外循環できる利点から平膜状、中空糸膜状、繊維状が望ましく、また、表面積を確保し、細胞とリガンドとの相互作用を大きくする点からこれらは多孔質であることがのぞましい。多孔質材料の場合は、製造条件を制御することにより孔の制御も可能である。
【0012】
基材に使用される素材は、医療用に用いられている素材が好ましく、例えば、ポリ塩化ビニル、セルロース系ポリマー、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられる。この中でも特にポリスルホンは成形が容易で、成形したときの膜性能に優れているため、好適に用いられる。ポリスルホンとしては、主鎖に芳香環、スルフォニル基およびエーテル基をもつもので、例えば、次式(1)、(2)の化学式で示されるポリスルホンが好適に使用されるが、本発明ではこれらに限定されない。式中のnは、例えば50〜80の如き整数である。
【0013】
【化1】
Figure 2004041341
【0014】
ポリスルホンの具体例としては、テイジンアモコ社製”ユーデル”(登録商標)ポリスルホンP−1700、P−3500、BASF社製”ウルトラソン”(登録商標)S3010、S6010、住友化学製”ビクトレックス”(登録商標)、テイジンアモコ社製”レーデルA”(登録商標)、BASF社製”ウルトラソンE”(登録商標)等のポリスルホンが挙げられる。又、本発明で用いられるポリスルホンは上記式(1)及び/又は(2)で表される繰り返し単位のみからなるポリマーが好適ではあるが、本発明の効果を妨げない範囲で他のモノマーと共重合していても良い。特に限定するものではないが、他の共重合モノマーは10重量%以下であることが好ましい。
【0015】
また、ポリスルホンなど疎水性の高分子を血液や細胞と接触するような用途で使用する際は、その接触面を親水化することが好ましい。親水化の方法としては、ポリビニルピロリドンやポリエチレングリコールなどのポリスルホン系高分子との相溶性に優れる親水性高分子を加工前のポリスルホン溶液に添加したり、血液や細胞との接触面を親水性の化合物でコーティングすることにより達成できる。これらのうちで血液適合性の観点からポリビニルピロリドンが好適に用いられる。使用するポリビニルピロリドンとしては、特に限定されないが、入手の容易さから、市販されている重量平均分子量110万、4.5万、2.9万、9000、2900のものが好適に用いられるが、もちろんそれ以外の分子量のものを使用してもかまわない。ポリビニルピロリドンの重量平均分子量は特に限定されるものではないが、2000〜2000000が好ましく、10000〜1500000がより好ましい。なお、ここで記したポリビニルピロリドンの重量平均分子量は、材料に使用する原料段階での分子量である。作製された材料においては、放射線架橋などの手段によりポリビニルピロリドンの分子量は原料段階での分子量より大きなものとなっている場合もある。これらのポリビニルピロリドンは、ホモポリマーが好適であるが、本発明の効果を妨げない範囲で他のモノマーと共重合されたものであってもかまわない。ここで、他の共重合モノマーの量は特に限定するものではないが、10重量%以下であることが好ましい。
【0016】
ポリスルホン系材料に多孔質性を付与するには、あらかじめポリスルホン溶液にポリビニルピロリドンをブレンドさせることにより達成できる。
【0017】
材料としてポリスルホン系中空糸膜を用いる場合、ポリスルホン系中空糸膜は例えば以下のようにして製造できるがこれに限定されない。
【0018】
ポリスルホンとポリビニルピロリドン(重量比率20:1〜1:5が好ましく、5:1〜1:1がより好ましい)を良溶媒(N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジオキサンなどが好ましい)および良溶媒の混合溶液に溶解させた原液(濃度は、10〜30重量%が好ましく、15〜25重量%がより好ましい)を二重環状口金から吐出する際に内側に注入液を流し、乾式部を走行させた後凝固浴へ導く。この際、乾式部の湿度が影響を与えるために、乾式部走行中に膜外表面からの水分補給によって、外表面近傍での相分離挙動を速め、孔径拡大し、結果として透析の際の透過・拡散抵抗を減らすことも可能である。ただし、相対湿度が高すぎると外表面での原液凝固が支配的になり、かえって孔径が小さくなり、結果として透析の際の透過・拡散抵抗を増大する傾向がある。そのため、相対湿度としては60〜90%が好適である。また、注入液組成としてはプロセス適性から原液に用いた溶媒を基本とする組成からなるものを用いることが好ましい。注入液濃度としては、例えばジメチルアセトアミドを用いたときは、45〜80重量%、さらには60〜75重量%の水溶液が好適に用いられる。
【0019】
また、本発明において、基材にリガンドを固定化するためには基材表面に官能基を含有させる必要がある。官能基としてはアミノ基、カルボキシル基、硫酸基、水酸基、リン酸基、イソシアネート基、ニトロ基、アルデヒド基、ピリジルジスルフィド基などが挙げられるが、リガンドの固定化反応の容易さと水溶液で中での安定性からアミノ基が好適である。
【0020】
基材にアミノ基を含有させる方法としては、あらかじめ成形のための溶液にアミノ基を有する物質をブレンドしておいてから成形する方法や、成形した材料にアミノ基を含有する物質を含む溶液に浸漬または付着させ、放射線照射により固定化する方法、材料に活性基を導入しておき、アミノ基含有物質を固定化する方法などが用いられる。活性基はクロロメチル基、クロロアセトアミドメチル基などが利用される。
【0021】
基材にアミノ基を含有させる場合は、材料全体にアミノ基を含有させてもよいし、血液や細胞の接触する部分だけにアミノ基を含有させてもよい。中空糸膜の内表面を用いる場合は、アミノ基含有高分子量物質を内側からろ過し、充填することにより内表面にアミノ基を集積させることができる。
【0022】
基材にアミノ基を含有させる際に使用するアミノ基を有する物質としては、ポリマーであっても低分子であってもよい。低分子の場合は、アンモニア、テトラエチレンペンタミン、デンドリマー、アグマチンなどが用いられる。ポリマーの場合は、ポリアルキレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリリジン、アジリジン(エチレンイミン)化合物を有するポリマー、ポリエチレンイミン誘導体、キトサン、グリシンエステル化ポリエチレングリコール、ヒドラジド化ポリエチレングリコール、ω−ヒドロキシ−α−アミンポリエチレングリコール、ω−アミノ−α−カルボキシルポリエチレングリコールおよびそれらに置換基の導入されたもの、およびこれらを構成するモノマー単位からなる共重合体などが挙げられるがこれらに限定されない。
【0023】
これらアミノ基を有するポリマーの中でも毒性の低さ、入手のしやすさ、取り扱いのしやすさなどから、分岐状のポリエチレンイミンが特に好適に用いられる。ポリエチレンイミンは、分子量600以上の直鎖状、分岐状のものが好ましく用いられ、また、ポリエチレンイミンの誘導体としては、ポリエチレンイミンをアルキル化、カルボキシル化、フェニル化、リン酸化、スルホン化、メルカプト化、ピリジルジスルフィド化など、所望の割合で誘導体化したものが挙げられる。
【0024】
また、上記の成形した材料にアミノ基を含有する物質を含む溶液に浸漬または付着させ、放射線照射により固定化する方法をとる際の放射線処理としては、湿潤状態でγ線・電子線などを照射すればよい。ここでいう湿潤状態とは、材料を乾燥させない状態のことを言う。その程度は特に限定されるものではないが、通常、材料が1重量%以上の水分を含んでいることが好ましい。
【0025】
放射線の吸収線量は湿潤状態で10〜50kGy程度が好ましく、20kGyを超える線量を照射した場合は、滅菌処理を同時に行うことも可能である。この際、吸収線量は線量測定ラベルをモジュールの表面に貼り付けるなどして測定することができる。得られたアミノ基含有材料を医療用途に用いる場合は、リガンド固定化操作を無菌下で行うことが望ましい。
【0026】
以上に説明した材料を用いて、基材にアミノ基を含有させるには、例えば、ポリスルホン/ポリビニルピロリドンブレンド基材を十分水洗した後、1wt%のポリエチレンイミン水溶液に浸漬して、25kGyにてγ線照射して基材にアミノ基を含有させる方法、あるいは、ポリスチレン基材をN−メチロール−α−クロロアセトアミド、ニトロベンゼン、硫酸、パラホルムアルデヒドの混合液で反応させ、クロロアミドメチル化架橋ポリスチレン基材を得て、さらに、ポリエチレンイミンをトリエチルアミン、ジメチルスルフォキシドの混合溶液に溶解し、この溶液にクロロアミドメチル化架橋基材を加えて攪拌、洗浄して、ポリスチレン基材へアミノ基を導入することもできるが、これらの方法に限定されない。
【0027】
本発明においては、材料に固定化したリガンドが外部刺激により脱離できる特徴をもつことにより、基材上のリガンドにより捕捉した物質を容易に回収することができる。このような外部刺激としては、光、熱、pH、塩濃度、化学反応などがあげられるが、リガンドの安定性などから化学反応により化学結合を切断してリガンドが脱離される材料が好ましく、化学的な結合が切断される反応として、加水分解反応、酸化反応、還元反応などがあげられるが、水中での安定性や細胞のバイアビリティー維持が必要であることから還元反応が好ましい。特に、ジスルフィド結合を還元剤による還元反応により切断させる反応は、タンパク質のリフォールディングなど生体内で良く行われる反応であり、リガンドを脱離する反応として好適であるため、基材にジスルフィド結合を介してリガンドを固定化することが望ましい。ここで使用する還元剤としてジチオスレイトール、メルカプトエタノール、システイン、還元型グルタチオンなどがあげられる。
【0028】
基材にジスルフィド結合を介してリガンドを固定化する方法としては、リガンドがタンパク質である場合は、タンパク質自身もジスルフィド結合を有することもあるので、リガンドを直接材料に固定しても良いが、通常、メルカプト基同士の酸化反応、あるいはジスルフィド交換反応を利用してジスルフィド結合を形成させる方法をとる。ジスルフィド交換反応を利用する方法としては、ピリジルジスルフィド基とメルカプト基の交換反応を用いるのが反応性の点から好ましく、ピリジルジスルフィド基やメルカプト基を基材およびリガンドに導入して結合させる。この際、通常架橋剤を利用する。
【0029】
上記のようなジスルフィド結合を介した固定化に利用できるような架橋剤としては、基材表面の官能基同士あるいはリガンド同士の結合を防ぐため二種類の違った官能基と反応する活性化基をもつ架橋剤を使用することが好ましく、活性化基として、アミノ基と反応するN−ヒドロキシスクシンイミド基、イミドエステル基、ニトロアリールハライド基、メルカプト基と反応するマレイミド基、ピリジルジスルフィド基、チオフタルイミド基、活性化ハロゲン基、光化学反応により架橋するフェニルアジド基、ジアゾカルベン基、などを持つような架橋剤を利用することができる。なかでも、N−ヒドロキシスクシンイミド基とピリジルジスルフィド基を持つような架橋剤を利用することにより、上記で作製したようなアミノの基を有する基材や抗体などのアミノ基を有するリガンドにピリジルジスルフィド基を導入できる。また、このピリジルジスルフィド基を還元剤により還元することによりメルカプト基に変換できる。このような架橋剤として、N−スクシンイミジル 3−(2−ピリジルジチオ)−プロピオネート、スクシンイミジル6−[3’(2−ピリジルジチオ)−プロピオンアミド]ヘキサノエートや水溶性のスルフォスクシンイミジル6−[3’(2−ピリジルジチオ)−プロピオンアミド]ヘキサノエートなどが挙げられる。水に不溶性の架橋剤を用いる場合は、ジメチルスルホキシドやメタノールなどの可溶性の有機溶媒に溶解後、水系の反応液に添加することにより利用できるが、材料に反応させる際は、N−ヒドロキシスクシンイミド基とピリジルジスルフィド基を持つような架橋剤はポリスルホン系材料に吸着しやすいため、メタノール、エチレンオキシド、グリセリンなどの架橋剤を溶解し、ポリスルホン系材料を溶解しない有機溶媒で洗浄することが望ましい。
【0030】
上記のような架橋剤などを利用して基材にピリジルジスルフィド基が導入される場合には、例えば下記反応式(3)のような反応を用いて固定化できる。リガンドの方に上記のような架橋剤を利用してピリジルジスルフィド基を導入、還元してメルカプト基を導入する、あるいは、リガンドが抗体である場合には、抗体をペプシンで消化してメルカプト基を生成させ、これらリガンドのメルカプト基と基材上のピリジルジスルフィド基のジスルフィド交換反応によりジスルフィド結合を介してリガンドを基材に固定化する。ここで、リガンドにピリジルジスルフィド基を導入して還元する際には、リガンドが抗体である場合、抗体自体の還元による失活を防ぐために酢酸緩衝液中などで還元することにより抗体自身の還元を抑えることができる。
【0031】
【化2】
Figure 2004041341
【0032】
また、上記のような架橋剤などを利用して基材にメルカプト基が導入されている場合、例えば下記反応式(4)のような反応を用いて固定化できる。リガンドに上記のような架橋剤ピリジルジスルフィド基を導入したもの使用し、リガンドのピリジルジスルフィド基と基材上のメルカプト基のジスルフィド交換反応によりジスルフィド結合を介してリガンドを基材に固定化することができる。
【0033】
【化3】
Figure 2004041341
【0034】
基材へ導入されるピリジルジスルフィド基あるいはメルカプト基の密度は高い方が望ましいが、反応に用いる架橋剤の濃度や反応時間により制御することができるので、適宜選ぶことができる。
【0035】
リガンドへのピリジルジスルフィド基の導入率はリガンド1モル当たり1モル以上であることが必要であるが、導入率を上げるためにピリジルジスルフィド化剤の仕込量を上げるとリガンドがタンパク質の場合は失活したり、凝集したりするおそれがある。望ましくは仕込量はリガンド1モルあたり10モル以下が望ましい。
【0036】
基材にリガンドを固定化する際のリガンドの濃度は、固定化密度を上げるためには高い方が望ましいが、コスト面から考えて、1mg/ml以上が望ましい。0.5mg/ml以下の場合は固定化されるリガンドの量が少なくなり、機能が低下する恐れがある。
【0037】
以上の示したようなような反応を利用してリガンドを基材にジスルフィド結合を介して固定化させる方法の例を以下に示すが、固定化の方法はこれらに限定されない。
【0038】
例えば、アミノ基を含有するポリスルホン基材を架橋剤としてN−スクシンイミジル 3−(2−ピリジルジチオ)−プロピオネート(以下SPDP)を溶解したジメチルスルホキシド溶液に浸漬し反応させた後、ジチオスレイトールを含むリン酸緩衝液で還元し、メルカプト基を有するポリスルホン平膜を得る。さらに、ヒト免疫グロブリンGにSPDPを溶解したジメチルスルホキシド溶液を抗体1モルに対して10モル添加し、室温で30分反応させて、免疫グロブリンGにピリジルジスルフィド基を導入した後、精製する。メルカプト基を有するポリスルホン平膜にピリジルジスルフィド基を導入したヒト免疫グロブリンGを反応させ、ヒト免疫グロブリンGをポリスルホン平膜にジスルフィド結合を介して固定化した材料を作製する。この材料を還元剤としてジチオスレイトールを含むリン酸緩衝液に浸漬して、ジスルフィド結合を還元することによりヒト免疫グロブリンGを脱離させることができる。
【0039】
本発明で使用するリガンドは、細胞や病因物質などのターゲット物質と相互作用をもつものであれば、合成品でも天然物でもよいが、特異性の点から抗体およびレセプターを好ましく用いることができる。用いる抗体としては、例えば、抗CD1a抗体、抗CD1b抗体、抗CD1c抗体、抗CD2抗体、抗CD3抗体、抗CD4抗体、抗CD8抗体、抗CD10抗体、抗CD11a抗体、抗CD11b抗体、抗CD11c抗体、抗CDw12抗体、抗CD13抗体、抗CD14抗体、抗CD15抗体、抗CD16a抗体、抗CD16b抗体、抗CD18抗体、抗CD19抗体、抗CD20抗体、抗CD22抗体、抗CD23抗体、抗CD24抗体、抗CD25抗体、抗CD26抗体、抗CD27抗体、抗CD28抗体、抗CD30抗体、抗CD31抗体、抗CD32抗体、抗CD33抗体、抗CD34抗体、抗CD38抗体、抗CD40抗体、抗CD42a抗体、抗CD44抗体、抗CD45抗体、抗CD45RA抗体、抗CD45RO抗体、抗CD49d抗体、抗CD50抗体、抗CD54抗体、抗CD56抗体、抗CD57抗体、抗CD58抗体、抗CD61抗体、抗CD62L抗体、抗CD62P抗体、抗CD66抗体、抗CD69抗体、抗CD70抗体、抗CD71抗体、抗CD80抗体、抗CD81抗体、抗CD86抗体、抗CD95抗体、抗CD102抗体、抗CD105抗体、抗CD106抗体、抗CD109抗体、抗CDw119抗体、抗CD120a抗体、抗CD120b抗体、抗CD121a抗体、抗CDw121b抗体、抗CD122抗体、抗CD123抗体、抗CD126抗体、抗CDw128a抗体、抗CD130抗体、抗CDw131抗体、抗CD132抗体、抗CD134抗体、抗CD105抗体、抗CD138抗体、CD152抗体、抗CD154抗体、抗CD199抗体、抗低比重リポ蛋白質(LDL)抗体、抗酸化LDL抗体、抗β2ミクログロブリン抗体、抗CCR1抗体、抗CCR2抗体、抗CCR3抗体、抗CCR4抗体、抗CCR5抗体、抗CCR7抗体、抗CXCR3抗体、抗CX3CR1抗体、抗CXCR5抗体、抗CXCR1抗体などが挙げられるが、これらに限定されない。また、レセプターとしては例えば、CCR1、CCR2、CCR3、CCR4、CCR5、CCR7、CXCR1、CXCR3、CX3CR1、CXCR5等のサイトカインレセプターやFcγ,Fcε等のイムノグロブリンレセプター、RAGE,LDLレセプター等のスカベンジャ−レセプター等,T細胞レセプターや主要組織適合性抗原等の細胞認識レセプター等が挙げられるが、これらに限定されない。これらの抗体やレセプターは単独で固定化しても良いし、複数の抗体やレセプターを組み合わせても良い。抗体は、アフィニティーの高さからモノクローナル抗体が好ましい。
【0040】
これら抗体やレセプターは目的によって種々選定することができ、血液中の有用物質や病因物質を特異的に除去、回収する場合は細胞、無機物、タンパク質、DNA、脂質、糖、ウィルスなどがターゲットとして挙げられる。例えば、抗CD2抗体を用いればT細胞およびNK細胞を分離でき、抗CD3抗体を用いればT細胞をを分離でき、抗CD4抗体を用いればヘルパーT細胞を分離でき、抗CD8抗体を用いればサイトトキシックT細胞を分離でき、抗CD11aを用いれば白血球を分離でき、抗CD11bを用いれば単球を分離でき、抗CD14抗体を用いれば単球やマクロファージを分離でき、抗CD15抗体を用いれば顆粒球やミエロイド細胞を分離でき、抗CD16細胞を用いれば好中球あるいは休止期NK細胞を分離でき、抗CD19抗体を用いればB細胞を分離でき、抗CD22抗体を用いればB細胞を分離でき、抗CD27抗体を用いればナイーブB細胞やメモリーB細胞を分離でき、抗CD30抗体を用いれば活性化B細胞および活性化T細胞を分離でき、抗CD33細胞を用いれば単球、顆粒球およびミエロイド細胞を分離でき、抗CD34抗体を用いれば造血幹細胞を分離でき、抗CD45抗体を用いれば白血球を分離でき、抗CD56抗体を用いればNK細胞を分離でき、抗CD61抗体を用いれば巨核球及びその前駆細胞を分離でき、抗CD66抗体を用いれば顆粒球を分離でき、抗CD69抗体を用いれば活性化T細胞や活性化B細胞やNK細胞を分離でき、抗CD71抗体を用いれば赤芽球や活性化されたリンパ芽球を分離でき、抗CD105抗体を用いれば内皮細胞を分離できる。
【0041】
本発明の材料を利用すれば、上記で示したようなターゲットとなる有用物質や病因物質をリガンドにより捕捉でき、さらに、外部刺激によりリガンドを基材から離脱させることにより、捕捉した有用物質や病因物質を回収する事が可能である。また、ターゲット物質を捕捉あるいは回収する際に使用する溶媒として、様々なpH値のリン酸、酢酸、クエン酸などの緩衝液をもちいることができ、さらに緩衝液の中にウシ血清アルブミンや抗体などのタンパク質あるいはカチオン性、アニオン性などのポリマーなどを含有していても良い。
【0042】
さらに素材として多孔質を用いる場合は、透析やろ過機能を付与することができ、血液浄化、細胞分離用途のみならず、バイオリアクターなどの細胞培養用材料としても用いることができる。
【0043】
細胞を回収する際は全血と作用させてもよいし、血漿分画や単核球分画などにした後、作用させてもよい。
【0044】
また、本発明の材料をカラムとして利用する場合、特に中空糸膜を用いる場合、例えば以下のようにしてカラムを製造することができるが特に限定されるものではない。まず、中空糸膜を必要な長さに切断し、必要本数を束ねた後、筒状ケースに入れる。その後両端に仮のキャップをし、中空糸膜両端部にポッティング剤を入れる。このとき遠心機でモジュールを回転させながらポッティング剤を入れる方法は、ポッティング剤が均一に充填されるために好ましい方法である。ポッティング剤が固化した後、中空糸膜の両端が開口するように両端部を切断し、中空糸膜モジュールを得ることができる。
【0045】
以上のような方法で、回収した有用物質、病因物質を分析に用いることが可能である。また、細胞の場合はそれを培養し、分析や治療などに利用できる。例えば、リガンドとして抗CD4抗体を使用し、このリガンドをジスルフィド結合を介して基材に固定化した本発明の材料に血液を通してCD4陽性のT細胞を捕捉し、ジチオスレイトールなどの還元剤でリガンドを脱離することにより、捕捉した細胞を大量に回収し、この細胞に様々な刺激を加えて活性化させ体内に戻すことにより、癌、アレルギー、感染症、臓器移植、あるいは自己免疫疾患の治療やワクチンとしてもちいることができる。
【0046】
また、例えば、リガンドとして抗CD34抗体を使用し、このリガンドをジスルフィド結合を介して基材に固定化した本発明の材料に臍帯血を通して、造血幹細胞を捕捉し、ジチオスレイトールなどの還元剤でリガンドを脱離することにより、造血幹細胞を大量に回収し、回収した造血幹細胞を培養して輸血医療に用いたり、様々な組織幹細胞に分化させることにより、肝疾患や神経疾患、血管傷害などの細胞療法に用いることができる。
【0047】
また、外部刺激によりジスルフィド結合を解離してリガンドを脱離した後の材料は、表面にメルカプト基を有するので、再びピリジルジスルフィドを有するリガンドを固定化し、再利用することもできる。
【0048】
【実施例】
1.メルカプト基をもつ平膜の作製
ポリスルホン(テイジンアモコ社製”ユーデル”(登録商標)P−3500)18重量部、ポリビニルピロリドン(BASF社製”K30”(登録商標))9重量部をN,N−ジメチルアセトアミド72重量部、水1重量部に加え、90℃、14時間加熱溶解した。この溶液を0.1mmスペーサー付きのガラス板に塗布し、ドクターブレードにて溶液を引き延ばしたものを水中にいれて、凝固させ、ポリスルホン/ポリビニルピロリドンブレンドからなる平膜状の材料を作製した。
【0049】
上記、ポリスルホン/ポリビニルピロリドンブレンド材料を十分水洗した後、1wt%のポリエチレンイミン(分子量1万、和光純薬製)水溶液に浸漬して、25kGyにてγ線照射した。放射線処理した支持体は、十分水洗した。
【0050】
上記のアミノ基を含有するポリスルホン平膜をNaClを0.15mM含む20mMリン酸緩衝液(pH7.5)にN−スクシンイミジル 3−(2−ピリジルジチオ)−プロピオネート(ピアース社製、以下SPDP)を20mMに溶解したジメチルスルホキシド溶液を最終SPDP濃度が1.2mMとなるように添加した溶液に2.5時間浸漬した(室温)。反応させた平膜をメタノールで洗浄した後、水洗した材料を25mMのジチオスレイトールを含むリン酸緩衝液で還元し、表面にメルカプト基をもつポリスルホン平膜を得た。
【0051】
2.抗体へのSPDPの導入
NaClを0.15mM含む20mMリン酸緩衝液(pH7.5)に精製ヒト免疫グロブリンG(シグマ社製)を5mg/mlとなるように溶解し、さらに、SPDPを20mMとなるように溶解したジメチルスルホキシド溶液を抗体1モルに対して10モル添加し、室温で30分反応させた後、PD−10カラム(ファルマシア社製)で高分子量分画を精製した。合成したSPDP−IgG複合体の一部を25mMのジチオスレイトールを含むリン酸緩衝液で還元反応を行い、反応により生成するピリジン−2−チオンの吸収(343nm)を測定することにより、SPDP基の導入量を測定したところ、免疫グロブリンG1モルあたりのSPDP導入量は4.2モルであった。
【0052】
抗体の濃度はHPLCで測定した(溶離液:0.5M酢酸緩衝液、pH4.5、カラム:東ソー製G3000SXWL、装置:東ソー製HPLCシステム、流速:0.5ml/min)。
【0053】
3.実施例1
1.で作製した平膜1cmを2.で得られたSPDP化抗体を1mg/ml含むリン酸緩衝液1mlに室温で4.5時間浸漬した後、NaClを0.15mM含む20mMリン酸緩衝液(pH7.5)で洗浄することにより、抗体をポリスルホン平膜にジスルフィド結合を介して固定化した体外循環用リガンド固定化材料(実施例1)を作製した。
【0054】
ここで得られた抗体固定化平膜1cmを外部刺激として25mMのジチオスレイトールを含むリン酸緩衝液に浸漬して、ジスルフィド結合を還元することにより抗体を20μg脱離させることができた。
【0055】
また、還元後のポリスルホン平膜1cmを再度、SPDP化抗体を1mg/ml含むリン酸緩衝液1mlに室温で4.5時間浸漬することにより、再度抗体をポリスルホン平膜にジスルフィド結合を介して固定化することができた。
【0056】
4.メルカプト基をもつ中空糸膜の作製
ポリスルホン(テイジンアモコ社製”ユーデル”(登録商標)P−3500)18部、ポリビニルピロリドン(BASF社製”K30”(登録商標))9部をN,N−ジメチルアセトアミド72部、水1部に加え、90℃、14時間加熱溶解した。この製膜原液を外径0.3mm、内径0.2mmのオリフィス型二重円筒型口金より吐出し芯液としてジメチルアセトアミド58部、水42部からなる溶液を吐出させ、乾式長350mmを通過した後、水100%の凝固浴に導き中空糸膜を得た。
【0057】
中空糸膜を10000本束ね、中空糸膜中空部を閉塞しないようにポリウレタン系ポッティング剤で両末端をモジュールケースに固定し、モジュールを作製した後、ポリエチレンイミン(分子量100万、BASF社製)0.1重量%を含む水溶液を中空糸膜内側から外側にかけてろ過をかけることにより、ポリエチレンイミンを中空糸膜内表面に集積して充填した後、25kGyでγ線照射した。中空糸膜を水洗した後、NaClを0.15mM含む20mMリン酸緩衝液(pH7.5)にSPDPを20mMに溶解したジメチルスルホキシド溶液を最終SPDP濃度が1.2mMとなるように添加した溶液を中空糸膜内部に室温で1時間灌流し、中空糸膜内表面をSPDP化した後、膜をメタノールで洗浄し、さらに水洗した膜を25mMのジチオスレイトールを含むリン酸緩衝液で還元し、内表面にメルカプト基をもつポリスルホン中空糸膜を得た。
【0058】
5.実施例2
4.で得られたモジュールを解体して中空糸膜を取り出し、中空糸膜を36本束ね、中空糸膜中空部を閉塞しないようにエポキシ系ポッティング剤で両末端をモジュールケースに固定し、ミニモジュールを作製した。該ミニモジュールの直径は約7mm、長さは約10cmである。ミニモジュール内部に2.で得られたSPDP化抗体を0.2mg/ml含むリン酸緩衝液1.5mlを室温で20時間灌流し洗浄することにより、抗体をポリスルホン中空糸膜内表面にジスルフィド結合を介して固定化し、体外循環用リガンド固定化材料を用いたカラム(実施例2)を得た。
【0059】
ここでで得られた抗体固定化中空糸膜内部に外部刺激として25mMのジチオスレイトールを含むリン酸緩衝液を灌流して、ジスルフィド結合を還元することにより抗体を15μg脱離させることができた。
【0060】
6.実施例3
4.で得られたモジュールを解体して中空糸膜を取り出し、中空糸膜を36本束ね、中空糸膜中空部を閉塞しないようにエポキシ系ポッティング剤で両末端をモジュールケースに固定し、ミニモジュールを作製した。該ミニモジュールの直径は約7mm、長さは約10cmである。ミニモジュール内部に抗体として2.と同様の方法で抗ヒトCD4モノクローナル抗体(イムノテック社)を使用しで得られたSPDP化抗体を0.2mg/ml含むリン酸緩衝液1.5mlを室温で20時間灌流し洗浄することにより、抗体をポリスルホン中空糸膜内表面にジスルフィド結合を介して固定化し、体外循環可能なリガンド固定化材料を用いたカラム(実施例3)を得た。
【0061】
得られた実施例3のカラムにヒト末梢血(ヘパリン含有)をAXIS SHIELD社製”リンフォプレップ”(登録商標)で処理して単核球成分を分離し、単核球成分1.0×107個をリン酸緩衝液1.5mlに懸濁し、該懸濁を実施例3のカラムに室温で1時間灌流させた。環流前のCD4陽性細胞数は6×106個であったのに対し、処理後は6×105個であった。また処理後のモジュールをリン酸緩衝液を1時間灌流させて洗浄した後、25mMのジチオスレイトールを含むリン酸緩衝液を1.5mlで1時間灌流させて得た細胞は5×106個であり、CD4陽性の割合は9割以上であった。以上のCD4陽性細胞の分析はフローサイトメーターにより行った。
【0062】
7. メルカプト基導入ポリスチレン繊維の作成
50重量比の海成分(46重量比のポリスチレンと4重量比のポリプロピレンの混合物)と50重量比の島成分(ポリプロピレン)とからなる海島型複合繊維(厚さ:2.6デニール、島の数16)を、35gのN−メチロール−α−クロロアセトアミド、232.5gのニトロベンゼン、232.5gの98%硫酸、0.5gのパラホルムアルデヒドの混合液を10℃で2時間反応させた。繊維をニトロベンゼンで洗浄し、メタノールで反応を停止させた。これによりクロロアミドメチル化架橋ポリスチレン繊維(以下AMPSt繊維と略す)を得た。得られたAMPSt繊維をさらに編地とした(以下AMPSt編地1と略す)。
【0063】
ポリエチレンイミン(分子量1万、和光純薬製)0.57gを、トリエチルアミン0.95g、ジメチルスルフォキシド48.5gに溶解し、この溶液に1.02gのAMPSt編地1(クロロ含量2.6mmol相当)を加え攪拌した。反応は30℃で3時間行った。その後ジメチルスルフォキシド、メタノール、純水で洗浄した。得られたものをAMPSt編地2とする。
【0064】
アミノ基を含有するAMPSt編地2をNaClを0.15mM含む20mMリン酸緩衝液(pH7.5)にN−スクシンイミジル 3−(2−ピリジルジチオ)−プロピオネート(ピアース社製、以下SPDP)を27mMに溶解したジメチルスルホキシド溶液に0.5時間浸漬した(室温)。反応させたAMPSt編地をリン酸緩衝液洗浄した後、洗浄した材料を100mMのジチオスレイトールを含むリン酸緩衝液で還元し、表面にメルカプト基をもつをAMPSt編地を得た。得られたものをAMPSt編地3とする。
【0065】
8.実施例4
7.で得たAMPSt編地3を2.で作製したSPDP化抗体を含むリン酸緩衝液に室温で18時間浸漬し、抗体をAMPSt編地にジスルフィド結合を介して固定化し、体外循環可能なリガンド固定化材料(実施例4)を得た。
【0066】
実施例4を外部刺激として50mMのジチオスレイトールを含むリン酸緩衝化生理食塩水に浸漬して、ジスルフィド結合を還元することにより抗体を脱離させることができた。抗体脱離量は実施例41g当たり10.9μg/gであった。
【0067】
また、還元後の実施例4を再度、SPDP化抗体を1mg/ml含むリン酸緩衝化生理食塩水に室温で18時間浸漬することにより、再度抗体を実施例4の材料にジスルフィド結合を介して固定化することができた。
【0068】
9.実施例5
7.で作製したAMPSt編地3を2.の方法で抗ウサギCD4抗体(ファーミンジェン社製)を使用して得られたSPDP化抗体を含むリン酸緩衝液に室温で18時間浸漬し、該抗体をAMPSt編地3にジスルフィド結合を介して固定化した。得られたAMPSt編地5gをカラムに充填し、体外循環可能なリガンド固定化材料を用いたカラム(実施例5)を得た。充填後、1%ペニシリン/ストレプトマイシンを含む生理食塩水で滅菌した後、ウサギに対して体外循環を行った。
【0069】
ペントバルビタールの静脈内投与による麻酔下でウサギの手術及び体外循環を行った。右足の大腿動静脈を剥離しカテーテルを挿入し、動脈より流速1ml/minで血液をポンプで引き出し、カラムを通過させた後に静脈より返血した。抗凝固剤としてヘパリンを使用し、生理食塩水の輸液を3ml/minの速度で行った。
【0070】
2時間の体外循環処理の後に回路内の血液をウサギに全て返血した。返血時には生理食塩水を置換液として回路に充填した。返血後にカラムを回路から外し、無菌的に脱離液を含む5ml注射筒へ接続し、脱離液(1%メルカプトエタノールを含むリン酸緩衝化生理食塩水)により処理することで細胞を回収した。フローサイトメーターにより回収液中のCD4陽性細胞の数を測定した。
【0071】
また、抗CD4抗体を固定化していない材料を充填したカラム(比較例1)により同様の実験を行った。その結果、表1に示すように実施例5のみCD4陽性細胞がウサギ血液中より分離できることが確認された。
【0072】
また、ウサギは実験中に異常は観察されず、また、実験終了後14日間観察したが異常なく生存し、カラムの安全性も確認された。
【0073】
【表1】
Figure 2004041341
【0074】
【発明の効果】
本発明の材料では、外部刺激によりリガンドが脱離する構造を有することにより、リガンドにより捕捉した細胞を容易に回収することができる。
【0075】
また、基材として体外循環に使用可能な素材を利用することにより、血液などの細胞群を一度に大量、安全に処理することができる。例えば素材として、透析膜をはじめとして種々の分離膜などに用いられているポリスルホン系の膜を、血液適合性を付与するためにポリビニルピロリドンなどの親水性高分子をブレンドして用いることにより、血液浄化用分離膜として使用できる。また、ポリスルホン系の材料は耐熱性に優れるため、蒸気滅菌などの処理が可能である。しかし、現在利用されているこのようなポリスルホン系の透析膜は表面に官能基がないためにリガンドを固定化するなどの化学修飾することは困難であったが、本発明を用いれば、リガンドの固定化が容易に行うことができる。
【0076】
また、本発明の材料で大量に回収した特定の細胞を利用することにより、癌、アレルギー、感染症、臓器移植、もしくは自己免疫疾患の治療又はワクチンとして用いることができる。
【0077】
さらに、本発明により、血液中の病因物質を特異的に除去し、病因物質を回収でき、分析することが可能でそれが、細胞の場合はそれを培養し、分析や治療などに利用でき、抗体離脱後の材料は再利用することもできる材料を提供することができる。

Claims (22)

  1. リガンドと前記リガンドを固定化するための基材を含むリガンド固定化材料であって、基材に固定化されたリガンドを外部刺激により脱離でき、体外循環に用いられることを特徴とする体外循環用リガンド固定化材料。
  2. 基材の形状が繊維状、中空糸膜状または平膜状であることを特徴とする請求項1に記載の体外循環用リガンド固定化材料。
  3. 前記基材が多孔質であることを特徴とする請求項1又は2に記載の体外循環用リガンド固定化材料。
  4. 前記基材がポリスルホン、セルロース、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリルからなる群より1つ以上選択される高分子化合物を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の体外循環用リガンド固定化材料。
  5. 前記基材が親水性高分子を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の体外循環用リガンド固定化材料
  6. 前記親水性高分子がポリビニルピロリドンであることを特徴とする請求項5に記載の体外循環用リガンド固定化材料。
  7. アミノ基を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の体外循環用リガンド固定化材料。
  8. 前記アミノ基がポリエチレンイミン由来であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の体外循環用リガンド固定化材料。
  9. 前記リガンドと前記基材とが化学結合を介して固定化されており、前記化学結合が前記外部刺激によって切断されることにより前記リガンドが脱離可能であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の体外循環用リガンド固定化材料。
  10. 前記外部刺激が還元剤による還元反応であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の体外循環用リガンド固定化材料。
  11. 前記リガンドが前記基材にジスルフィド結合を介して固定化されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の体外循環用リガンド固定化材料。
  12. 前記リガンドと前記基材とが架橋剤によって固定されており、前記架橋剤の両末端の官能基が、N−ヒドロキシスクシンイミド基、ピリジルジスルフィド基およびマレイミド基からなる群より選ばれることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の体外循環用リガンド固定化材料。
  13. 該架橋剤がN−スクシンイミジル 3−(2−ピリジルジチオ)−プロピオネートであることを特徴とする請求項12に記載の体外循環用リガンド固定化材料。
  14. 前記基材が表面にアミノ基を有し、前記アミノ基と前記リガンドが前記外部刺激により切断可能な架橋剤を利用して固定化されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の体外循環用リガンド固定化材料。
  15. 前記リガンドに2−ピリジル−ジスルフィド基が1モル以上10モル以下で導入されていることを特徴とする請求項14に記載の体外循環用リガンド固定化材料。
  16. 前記リガンドにメルカプト基が1モル以上10モル以下で導入されていることを特徴とする請求項14に記載の体外循環用リガンド固定化材料。
  17. 前記リガンドが抗体あるいはレセプターであることを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の体外循環用リガンド固定化材料。
  18. 請求項1〜17のいずれかに記載の体外循環用リガンド固定化材料を含み、細胞を分離するために用いられることを特徴とする体外循環用細胞分離カラム。
  19. 請求項1〜17のいずれかに記載の体外循環用リガンド固定化材料を含み、血液浄化に用いられることを特徴とする体外循環用血液浄化カラム。
  20. 請求項1〜17のいずれかに記載の体外循環用リガンド固定化材料を含み、細胞を分離可能な疾病治療用カラムであって、該疾患治療用カラムを用いて得られた細胞が癌、アレルギー、感染症、臓器移植、もしくは自己免疫疾患の治療又はワクチンとして用いられることを特徴とする疾病治療用カラム。
  21. 前記細胞が造血幹細胞であることを特徴とする請求項20に記載の疾病治療用カラム。
  22. 前期細胞がT細胞であることを特徴とする請求項20に記載の疾病治療用カラム。
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