JP2010279915A - 吸着装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】低コストで、かつ回収率が大きく、環境適合性にも優れた吸着装置を提供する。
【解決手段】被処理流体に含まれる被吸着物質を吸着する微粒子からなる吸着剤と、少なくとも前記吸着剤の粒子径よりも大きな孔部を有する担体と、前記孔部の径を変化させる孔径変化手段と、前記孔部の径が前記吸着剤の粒子径よりも大きいときに前記吸着剤を前記担体に供給する吸着剤担体供給手段と、前記孔径変化装置により前記孔部の径を前記吸着剤の粒子径以下に小さくさせて前記吸着剤を前記担体に結合させる吸着剤担体結合手段と、前記担体に結合した吸着剤に被処理流体を接触させて被吸着物質を前記吸着剤に吸着させる吸着剤被吸着物質接触手段と、前記孔径変化手段により前記孔部の径を前記吸着剤の粒子径よりも大きくさせて被吸着物質を吸着した状態で前記吸着剤を前記担体から脱離させる吸着剤回収手段とを有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、排水中のリン、ホウ素、フッ素、油分等、あるいは排ガス中のSOx、NOx、CO2等の被吸着物質を吸着剤により吸着して回収する吸着装置に関する。
従来、排水中のリン等の被吸着物質を吸着処理する場合には、吸着剤が通常0.1〜数100μmと極めて小さい微粒子であるため、排水供給速度より吸着剤の沈降速度が小さくなった場合に、槽内に吸着剤を保持することが困難であった。そのため、例えば特許文献1に記載されている吸着剤では、粒径が数mm以上の大きな担体の表面に接着特性を有するバインダを介して微小な吸着剤を結合させ、全体として粒径を大きくし、かつ比重を高めることにより、吸着剤を流出し難い状態にして、吸着処理をしていた。
図9を参照して従来の吸着剤の概略の構成と作用について説明する。図中の符号101は多孔質セラミックスから成る担体、符号102はコロイダルシリカから成るバインダ、符号103は鉄化合物から成るリンを吸着する吸着剤である。従来の吸着処理においては、先ず図9の(a)に示すように担体101とバインダ102や吸着剤103とを加熱、脱水、浸漬、乾燥等の一連の工程を経て処理することにより、吸着剤結合担体104を製造する。次いで、図9の(b)に示すように被吸着物質であるリン105と当該吸着剤結合担体104とを接触させてリン105を吸着させることにより、リン結合吸着剤結合担体106を形成する。このリン結合吸着剤結合担体106は、例えば水酸化ナトリウム溶液のようなアルカリ水溶液107を供給・接触させることにより、図9の(c)に示すように結合している被吸着物質たるリン105を吸着剤103から解離させる。次いで、図9の(d)に示すように解離したリン105を含むアルカリ水溶液107に対して硫酸水溶液のような酸水溶液108を供給し、アルカリ水溶液107を中和させる。さらに、中和水溶液109中の水分を機械脱水、加熱乾燥等の処理することにより、図9の(e)に示すように中和水溶液109中に含まれる被吸着物質たるリン105のみを回収被吸着物質として回収する。
上記以外の他の従来方法として、図10の(a)と(b)に示すように、リン結合吸着剤結合担体106をそのままの形態で反応系に排出して、これを回収する方法もある。
特開2005−46731号公報
しかしながら、上記の従来技術においては次の(i)および(ii)の問題点がある。
(i)酸、アルカリ等の化学薬品を使用するために回収コストが過大になる。
図9の従来技術では、リン結合吸着剤結合担体106からリン105を解離して回収するために、アルカリ水溶液107のような解離作用を有する薬品(脱離液)を使用する必要があった。また、リン105を回収した後に、これらの薬品を中和するために酸水溶液108のような、中和剤となる薬品を使用する必要があった。
(ii)回収率が小さく、環境負荷が高い。
図10の従来技術では、リン結合吸着剤結合担体106をそのままの状態で、土壌等に直接投与して肥料として使用するように、直接それらを反応系外に取り出して回収する。このような方法でリンを回収した場合、当該リン結合吸着剤結合担体106中には、被吸着物質たるリン105は肥料として土壌に有用であるが、それ以外の担体101、バインダ102、吸着剤103はかかる有用な特性を通常有していない。従って、かかる回収物106を土壌等の環境中に投入すると、担体101、バインダ102および吸着剤103などのリン以外の他の物質が高濃度に蓄積し、環境負荷が高くなる。特に、吸着剤103は通常、粒子径が0.1〜数10μmと小さいのに対して、担体101は粒子径が数100μm〜数10mmと大きいので、有用な成分たるリン105の含有量に対して、それらの成分の含有量は非常に多くなった。このため、リン105を肥料として土壌に供給する場合には、これらの担体101等の供給量も多くなり、全体の投入量に対する有用成分の回収率が低下するばかりでなく、土壌等の環境負荷が増大する。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、低コストで、かつ回収率が大きく、環境適合性にも優れた吸着装置を提供することを目的とする。
本発明に係る吸着装置は、被処理流体に含まれる被吸着物質を吸着する微粒子からなる吸着剤と、少なくとも前記吸着剤の粒子径よりも大きな孔部を有する担体と、前記孔部の径を変化させる孔径変化手段と、前記孔部の径が前記吸着剤の粒子径よりも大きいときに前記吸着剤を前記担体に供給する吸着剤担体供給手段と、前記孔径変化装置により前記孔部の径を前記吸着剤の粒子径以下に小さくさせて前記吸着剤を前記担体に結合させる吸着剤担体結合手段と、前記担体に結合した吸着剤に被処理流体を接触させて被吸着物質を前記吸着剤に吸着させる吸着剤被吸着物質接触手段と、前記孔径変化手段により前記孔部の径を前記吸着剤の粒子径よりも大きくさせて被吸着物質を吸着した状態で前記吸着剤を前記担体から脱離させる吸着剤回収手段と、を有することを特徴とする。
本発明の吸着装置によれば、酸やアルカリ等の薬品を使用することなく、リン等の有用な被吸着物質の回収率を高めることができるとともに、環境負荷を小さくすることができる。
(a)〜(f)は本発明の第1の実施形態に係る吸着装置の構成と作用を説明するための工程断面図。 本発明の第2の実施形態に係る吸着装置を示す構成ブロック図。 本発明の第3の実施形態に係る吸着装置を示す構成ブロック図。 本発明の第4の実施形態に係る吸着装置を示す構成ブロック図。 本発明の第5の実施形態に係る吸着装置を示す構成ブロック図。 (a),(b)は図5に示す第5の実施形態の装置の作用を説明するための工程断面図。 (a),(b)は第5の実施形態の変形例の作用を説明するための工程断面図。 (a)〜(f)は本発明の第6の実施形態の吸着装置の構成と作用を説明するための工程断面図。 従来の吸着装置の作用を説明するための工程断面図。 他の従来の吸着装置の作用を説明するための工程断面図。
本発明者らは、微粒子からなる吸着剤の挙動について鋭意研究した結果、吸着剤にバインダや芯剤等の担体を付属させなければ、吸着済みの吸着剤を回収した場合に上記(i)と(ii)の課題がともに解決されうるという知見を得た。そこで、本発明者らは、吸着前には担体に保持された状態で吸着剤が担体とともに被処理流体と流動接触し、吸着後には被吸着物質を吸着した状態で吸着剤が担体から容易に離脱しうるような装置構成について検証してみた。その結果、種々の機能を有する担体に吸着剤を保持させることが上記課題を解決する上で非常に有効であるということを見出した。本発明はこれらの知見に基づいてなされたものであり、以下の特徴を有するものである。
(1)本発明の吸着装置は、被処理流体に含まれる被吸着物質を吸着する微粒子からなる吸着剤と、少なくとも前記吸着剤の粒子径よりも大きな孔部を有する担体と、前記孔部の径を変化させる孔径変化手段と、前記孔部の径が前記吸着剤の粒子径よりも大きいときに前記吸着剤を前記担体に供給する吸着剤担体供給手段と、前記孔径変化装置により前記孔部の径を前記吸着剤の粒子径以下に小さくさせて前記吸着剤を前記担体に結合させる吸着剤担体結合手段と、前記担体に結合した吸着剤に被処理流体を接触させて被吸着物質を前記吸着剤に吸着させる吸着剤被吸着物質接触手段と、前記孔径変化手段により前記孔部の径を前記吸着剤の粒子径よりも大きくさせて被吸着物質を吸着した状態で前記吸着剤を前記担体から脱離させる吸着剤回収手段と、を有するものである。
本発明では被吸着物質を含む排水または排ガスが処理対象となる。このうち排水は、被吸着物質として各種のイオン、例えばリンイオン、ホウ素イオン、フッ素イオン、油分などを含むものである。一般的な下水道由来の排水は、リン酸イオンを多く含み、とくに前処理をしない原水の状態では中性から弱酸性までの範囲にある。一方、排ガスは、被吸着物質として各種の酸化化合物ガス、例えばSOx、NOx、CO2等を含むものである。
本発明では、吸着剤に各種の粘土鉱物からなる微粒子を用いることができる。粘土鉱物の微粒子は、例えばハイドロタルサイト、カオリナイト、スメクタイト、モンモリロナイト、セリサイト、イライト、グローコナイト、クロライト、タルク、ゼオライトからなる群より選択される1種又は2種以上を混合した微粒子からなるものを用いる。これらの粘土鉱物をメカニカルな方法またはメカノケミカルな方法を用いて粉砕し、粒度調整して所望粒径の粉体を吸着剤として得る。これらの粘土鉱物粒子のうち特にハイドロタルサイト粒子を本発明の吸着剤に用いることが望ましい。ハイドロタルサイト粒子はリン酸イオンを極めて効率良く吸着するからである。このようなハイドロタルサイト粒子は、無機層状化合物に由来する比重1を超える平均粒径0.1〜20μm程度の微粒子である。具体的なハイドロタルサイト粒子として例えばハイドロタルク石粒子などがある。
本発明では、担体として各種の繊維を用いることができる。担体に用いる繊維には、動植物から採取される各種の天然繊維、および石油等の原料から化学合成される各種の繊維が含まれる。具体的な担体として綿、アクリル、レーヨン、麻、絹、羊毛などを用いることが好ましく、このうち綿が最も好ましい。綿はリン等の有用成分を高い吸着率で吸着できるからである。
本発明の吸着装置によれば、被吸着物質を吸着した状態で吸着剤を担体から脱離させて被吸着物質を吸着剤とともに回収することができるため、吸着剤の解離や溶液の中和のために使用される従来の酸やアルカリ等の薬品が不要になり、リン等の有用な被吸着物質の回収率が高まるとともに、環境負荷が小さくなる。
(2)本発明において、被処理流体が水であり、かつ担体が吸水性物質からなる場合は、上記の孔径変化手段が、担体に対して水分の供給と除去を行うことにより孔部の径を変化させるものであることが好ましい。担体が吸水して膨張すると、孔部が狭まってその径が小さくなり、吸着剤を担体に結合・保持する力が増大し、これとは逆に担体が脱水して収縮すると、孔部が拡大してその径が大きくなり、吸着剤を担体に結合・保持する力が解除(低減)され、担体から吸着剤が脱離しやすくなる。
(3) 本発明において、被処理流体が被吸着物質を含む排水であり、かつ担体が吸水性物質からなる場合は、上記の孔径変化手段が、被吸着物質を含む排水中に担体を浸漬させることにより該担体に被吸着物質と水分を供給し、担体を排水中から離脱させることにより担体から水分を除去し、担体を膨張または収縮させることにより孔部の径を変化させるものであることが好ましい。この場合に、担体を排水中に浸漬させるために排水を一時的に溜めておく吸着槽を用いることができる。上述の場合と同様に、担体を吸水膨張または脱水収縮させ、孔部を縮小または拡大させることにより、吸着剤を担体に結合保持させるか又は担体から脱離させることが容易になる。
(4) 本発明において、被処理流体が被吸着物質を含む排水であり、かつ担体が吸水性物質からなる場合は、上記の孔径変化手段が、担体を支持する支持体と、前記支持体とともに担体を、被吸着物質を有する排水中と排水以外の気相部分とに循環移動させるか、または往復移動させる移動させる担体移動手段と、を有することが好ましい。担体移動手段にはベルトコンベア機構(図2、図4)や巻上げ機構(図3)を用いることができる。ベルトコンベア機構の場合は、支持体として無限軌道状のコンベアベルトが用いられ、巻上げ機構の場合は、支持体として軸まわりに回転駆動される丸棒が用いられる。担体を支持体に支持させる方法として、ゴムまたは樹脂からなるコンベアベルトの表面に担体を接着剤により接着するようにしてもよいし、ゴム、樹脂、セラミックまたは金属からなる丸棒の外周に担体としての綿糸を巻き付けるようにしてもよい。
(5) 本発明において、上記の吸着剤回収手段が、吸着剤が結合された担体の面を機械的に接触または攪拌または振動させることにより前記被吸着物質を吸着した吸着剤を前記担体の孔部から離脱させる吸着剤離脱手段を有することが好ましい。機械的接触手段として吸着剤を孔部のなかから掻き出すブラシを用いることができる(図5、図6)。機械的攪拌または振動手段として吸着剤を孔部のなかから吹き飛ばす液ジェットノズル機構またはガスジェットノズル機構を用いることができる(図7)。
(6) 本発明において、上記の担体は、温度変化、電気的刺激、pH変化、および塩濃度変化のうちの少なくとも1つの外部刺激を受けたときに前記孔部の径が変化する機能性物質からなり、前記孔径変化手段は、前記機能性物質からなる担体に対して前記外部刺激のうちの少なくとも1つを直接または間接に印加して前記孔部の径を変化させることが好ましい。機能性物質として温度に応じて膨潤状態から収縮状態に変化するN-イソプロピルアクリルアミドを用いることができる(図8)。N-イソプロピルアクリルアミドは、室温(20℃)では膨潤状態にあるが、これを加熱して40℃に昇温すると収縮状態に移行して変わるからである。さらに、N-イソプロピルアクリルアミドは、外部刺激として温度変化の他にpH変化によっても状態が変化する。すなわち、pHが酸性領域になるにしたがってN-イソプロピルアクリルアミドは収縮し、pHがアルカリ性領域になるにしたがってN-イソプロピルアクリルアミドは膨張する。この他に機能性物質として電気的刺激を受けて形状が変化する電場応答型高分子素材を用いることができる。電場応答型高分子素材は、基本的に電荷を有する高分子ゲルからなり、電場に応答して膨潤−収縮反応を示すため、例えば、負電荷を有するポリアクリルアミド誘導体として、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(PAMPS)、ポリアクリルアミド(PAAm)の部分加水分解ゲル、また、正電荷を有するポリアクリルアミド誘導体として、ポリジメチルアミノプロピルアクリルアミド(PDMAPAA)ゲル等をあげることができる。電場による駆動は最も制御しやすい外部刺激と考えられるため、これらの電場応答型高分子素材は、人工筋肉モデル、ケミカルバルブ、薬物放出制御、人工神経モデル等への応用が検討されている。また、電場応答型高分子とは、電場刺激により相転移し、収縮・膨潤を起こす高分子をいうが、このような高分子を構成するアクリルアミド系モノマーとしては、具体的には、荷電を有するアニオン性、カチオン性及び両性高分子のアクリルアミド系モノマーが挙げられ、具体的には、アニオン性モノマーである、AMPS、アクリル酸(PAA)、メタクリル酸(PMAA)が挙げられるが、PAMPSのモノマーである2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)を用いることが好ましい。さらに、棒状に調製した上記の温度・電場応答型コポリマーのゲルを、30℃の温度条件下で収縮した状態を与える10mMLPC水溶液に平衡膨潤させ、30℃の温度条件下で20Vの電場を印加すると、ゲルの陰極側が膨潤、陽極側が収縮し、結果として、ゲル全体が陽極側に屈曲した。これはゲルの陰極側においては、アミノ基を有するLPCの脱離により濃度が低くなることから、ゲルのスルホン酸基がイオン性水和を起こし、30℃の温度条件では膨潤し、相対的に膨潤度に差が生じたことによる。
以下、添付の図面を参照して本発明の種々の好ましい実施の形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1を参照して本発明の第1の実施形態に係る吸着装置を説明する。
本実施形態の吸着装置1は、表面に開口する多数の孔部12を有する担体11を備えている。担体11は、吸水性繊維である綿からなり、乾燥(又は脱水)時に収縮して図1の(a)(b)(e)に示すように孔部12の径d1が吸着剤3の粒子径d2より大きいが、吸水時に膨潤して図1の(c)(d)に示すように孔部12の径d1が吸着剤3の粒子径d2と等しいか又は小さくなる機能を有している。なお、担体11は、図示しない被処理流体と流動接触可能な状態になるように図示しない支持体によって支持されている。
本実施形態では、吸着剤3として所定粒径(平均粒径0.1〜20μm)のハイドロタルサイトから成る微粒子を用いた。吸着剤3の平均粒径d2は、乾燥又は脱水時における担体の孔部12の平均内径d1よりも小さい。この吸水性担体11の内部及び表面には水分13が浸漬され、また、この孔部12内に配置された吸着剤3は被吸着物質たるリン5と結合され、リン吸着済みの吸着剤6と成る。
以下に本実施形態の吸着装置の作用を説明する。
(1)吸着剤供給
図1の(a)に示す状態にある綿から成る吸水性担体11を支持体(図示せず)上に準備する(工程S1)。この担体11に対してハイドロタルサイト粒子からなる吸着剤3を供給することによって、この吸着剤3の平均粒子径d2は乾燥又は脱水時の担体孔部12の平均内径d1よりも小さいので、図1の(b)に示すように吸着剤3は孔部12のなかに入り込んだ状態で担体11の上に配置される(工程S2)。
(2)水分供給
次いで、吸着剤3を配置した吸水性担体11に対して、水分13を供給することによって、この吸水性担体11内に水分を浸漬させる(工程S3)。この時、図1の(c)に示すように、吸水性担体11は水分13によって水分供給前の吸水性担体の位置17から水分供給後の吸水性担体の位置18まで膨潤し、その体積が増加して、縮小径d2の孔部12Aをもつ水分吸収済みの吸水性担体11Aと成る。すなわち、担体11Aの膨潤にともない孔部の内径がd1からd2まで縮小化する。この孔部の内径の縮小化によって、この内部に配置された吸着剤3と孔部12Aとの間隙が無くなり、吸着剤3はこの縮小化した孔部12Aに嵌まり込んだ状態で担体11Aに強固に保持される。これにより、吸着剤3は吸水性担体11Aに結合される。
(3)被吸着物質の供給
次に、図1の(d)に示すように被吸着物質たるリン5を、上記吸着剤3を結合した吸水性担体11Aに供給することによって、この吸着剤3の吸着作用によって、リン5が吸着剤3に吸着結合される(工程S4)。
(4)水分除去
次に、この水分吸収済みの吸水性担体11Aは、自然乾燥処理することによって、図1の(e)に示すように、その水分が除去されて、水分除去済みの吸水性担体11と成る(工程S5)。この水分除去済みの吸水性担体15は、水分が除去されたことによって、その体積が元の吸水性担体11まで戻る。よって、その孔部12も元の水分が供給する前の状態に戻り、孔部12の内径が吸着剤3bの粒子径よりも大きくなる。
(5)被吸着物質の回収
この水分除去済みの吸水性担体11を上下反転することによって、図1の(f)に示すように、リン吸着済みの吸着剤6は自然に落下して、図示しない回収容器に回収される(工程S6)。リン吸着済みの吸着剤6を回収した後、水分除去済みの吸水性担体11を再利用することができる(工程S6→工程S1)。
本実施形態の吸着装置により得られる効果を以下に列挙する。
(a)低コストかつ吸着能力高い;(吸水性担体、綿製、水分の供給と除去)
(i)担体として、吸水性担体11を用いたので、熱や光等によりその体積が変化する機能性担体に比べて、安価でかつ多量に市販されており、低コストの吸着装置の製作が容易となる。
(ii)吸水性担体11として綿を用いたので、他の吸水性素材である、アクリル、レーヨン、麻、絹、羊毛等に比べて、吸水性が高く、上記項目(2)の水分供給の反応が迅速化し、吸着能力の高い、吸着装置を提供できるというメリットを有する。
(iii)孔径変化装置として、吸水性担体11、水分13の供給と除去による装置を用いたので、水の供給や自然乾燥という安価でかつシンプルな吸着装置を提供することが可能となる。
(b)回収物純度が高い;(ハイドロタルサイト吸着剤)
吸着剤3としてハイドロタルサイト微粒子を用いたので、対象となる被吸着物質5たるリンを特異的に吸着することができ、リン以外の吸着しやすいイオン性の物質の吸着を防止できる。そのため、被吸着物質5たるリンのみを高純度で回収できる、回収物純度の高い、吸着装置を提供することができるという利点を有する。
(第2の実施形態)
(a)ベルトコンベア式吸着装置
次に、図2を参照して第2の実施形態に係る吸着装置を説明する。
本実施形態の吸着装置1Aにおいて、リンを含む原水を供給する原水供給源21は、ラインL3を介して吸着槽22に連結されており、さらにこの吸着槽22の下流側出口はラインL4を介して処理水貯留部29に連通している。この吸着槽22内には、綿製の吸水性担体11をベルト表面の構成とするベルトコンベア装置26、回転軸27、モータ28を順次介して、そのベルトコンベア装置26の半分が吸着槽22内の液部分に浸漬するように斜め約45度の角度で配されている。このベルトコンベア装置26の上部には、ハイドロタルサイトを吸着剤3とする吸着剤貯留槽23が、ポンプ31を有するラインL1を介して連通している。また、その連通部の側方には、水槽24がポンプ32を有するラインL2を介して連通している。このベルトコンベア装置26の中央部で吸着槽22の液面上方部に、回収槽25が配設されている。この回収槽25は、ラインL5を介して回収部30に連通している。
本実施形態の装置の作用を説明する。
原水は供給源21からラインL3を介して吸着槽22内に供給される。供給された原水中の被吸着物質5たるリンは、後述する吸着反応後に、リンが低減された処理水としてラインL4を介して回収槽25から回収部30に排出される。
吸着反応としては、以下の(1)〜(5)の順で行われる。
(1)吸着剤供給
ポンプ31を駆動することによって、吸着剤貯留槽23に貯留している吸着剤(ハイドロタルサイト)3を、ラインL1を介してベルトコンベア装置26の上部表面の位置P1に供給する。供給された吸着剤3は、このベルトコンベア装置26の表面の吸水性担体11と接触することによって、上述した図1の作用と同様に、その吸水性担体の孔部12の内部に配置される。
(2)水分供給
その後、モータ28を一定時間駆動することによって、回転軸27を移動方向38に回転させて、ラインL2の下方位置P2までベルトコンベア装置26を移動させる。ベルトコンベア装置26表面の吸水性担体11の孔部12に配置された吸着剤3は、ポンプ32を駆動することによって、水槽24中からラインL2を介して供給された水と接触する。この水と吸着剤3との接触によって、上述した図1の作用と同様に、吸水性担体11の孔部12の内径が縮小化して、吸着剤3がこの孔部12A内に結合される。
(3)被吸着物質の供給
次に、モータ28を一定時間駆動することによって、回転軸27を同方向38に回転させて、当該吸着剤3が孔部12内に結合した部分が、吸着槽22内の液体部分の位置P3に浸漬される。この液体部分には、ラインL3を通って供給源21から供給された原水中の被吸着物質たるリン5が含まれており、このリン5と孔部12内に結合した吸着剤3(ハイドロタルサイト)と接触する。この接触の際、上述した図1の作用と同様に、吸着剤3に被吸着物質たるリン5が吸着される。
(4)水分除去
次に、モータ28を逆方向の移動方向39に回転させて、ベルトコンベア装置26の当該吸着部分を、吸着槽22の液体部分の上方、気相部分の位置P4まで移動させる。このP4部分に到達した当該吸着部分の周辺は自然乾燥されて、上述した図1の作用と同様に、担体11から水分が除去される。
(5)被吸着物質の回収
さらに、上記水分が除去された結果、前述の通り、孔部12の内径が拡大して、孔部12内に結合された吸着済みの吸着剤6が自然落下する。また、ベルトコンベア装置26の移動による振動作用により、上向き部分に配された吸着済みの吸着剤6も、当該孔部12から脱離して自然落下する。
自然落下した吸着済みの吸着剤6は、回収槽25内に蓄積され、さらにラインL5を介して回収部30に排出される。
本実施形態の効果は、以下の通りである。
(a)装置がコンパクトで、既存の水処理装置を有効利用可能;(水槽内への浸漬)
(i)担体を排水中に浸漬する方法で孔径変化装置を構成しているので、既存の排水処理装置、例えば下水処理場の最初沈殿池、曝気槽、最終沈殿池、汚泥濃縮槽上澄み、汚泥脱水液貯留槽などに、原水供給源21、吸着槽22、水配管ラインL3,L4を除く、各部品を配置することにより、当該吸着装置を提供することが可能となる。
従って、装置がコンパクトになるとともに、上記既存の水処理装置も有効利用することが可能となり、多様な排水に適用することができる。
(ii)液相部分と気相部分とを循環移動する方式で孔径変化装置を構成しているので、上記(a)-(i)の効果が得られる。それとともに、既存の排水処理装置の中で、上記の部品のみならず、下水処理場のポンプ井にあるスクリーン装置、最初沈殿池もしくは最終沈殿池底部にある汚泥掻き寄せ機を利用することができる。このため、さらに既存の水処理装置も有効利用することができ、低コストでかつシンプルな吸着装置を提供することが可能となる。
また、担体11を循環移動させるので、ベルトコンベア装置26が上向きの位置P1に吸着剤3を多量に結合させることができ、同装置26が下向きの位置P4で吸着済みの吸着剤6を自然落下の低エネルギで回収することができ、省エネルギで、かつ吸着効率が高くなるというメリットを有する。
(第3の実施形態)
(b)巻上げ式吸着装置
次に、図3を参照して第3の実施形態に係る吸着装置を説明する。なお、本実施形態が上記の実施形態と共通する部分の説明は省略する。
本実施形態の吸着装置1Bは、吸着槽22内の被処理排水中に下半部が浸漬された丸棒状の担体移動装置40を備えている。担体移動装置40は、ワイヤ41から離脱可能でかつ回転機能を有する丸棒状の本体40aと、ワイヤ41と、回転軸42を有するモータ43とを有する。丸棒状の本体40aにはワイヤ41および回転軸42がそれぞれ連結されている。また、丸棒状の本体40aの外周にはほぼ全長にわたり綿糸からなる担体11が巻き付けられている。
本実施形態の作用を説明する。
モータ43を駆動することによって、ワイヤ42を巻き上げたり、吊りおろしたりして、担体移動装置の本体40aを上下の移動方向44に移動させる。この移動によって、移動担体装置40が吸着槽22内の液面を上がったり下がったりさせる。また、位置P4の位置には、回転方向45で移動担体装置40を回転することにより移動させる。
本実施形態の効果を説明する。
本実施形態の装置1Bは、図2に示す第2実施形態のベルトコンベア装置26に比べて、ワイヤ42から離脱可能な担体移動装置40を用いたので、それを上部に引き上げて取り外した後に、メンテナンスを容易にすることが可能となる。
この担体移動装置の本体40aの外周に巻き付けられた担体11の表面、特に孔部12内に、排水中の汚濁物質や吸着槽22内に増殖した微生物などが混入して、その吸水性担体11としての機能が低下した場合であっても、その表面を水や薬品などで洗浄する等の保守点検作業を施すことで、元の状態に回復させることができる。
また、棒状の担体移動装置の本体40aを用いたので、これを複数配置することにより、その複数ごとに担体移動装置40を運転管理することが可能となる。このため、担体移動装置40の一部にメンテナンスが必要となった場合、個別にメンテナンスをすることができ、運転管理の効率が向上するとのメリットを有する。
(第4の実施形態)
(c)水平移動型のベルトコンベア式吸着装置
次に、図4を参照して第4の実施形態に係る吸着装置を説明する。なお、本実施形態が上記の実施形態と共通する部分の説明は省略する。
本実施形態の吸着装置1Cでは、ベルトコンベア装置26Aを、図2に示した第2の実施形態の斜め移動型から、図4に示すように水平移動型に変更している。このベルトコンベア装置26Aは、その四方角部に、回転軸27b、27c、27d、27eがそれぞれ配設されている。また、回収槽25は、吸着槽22の液体上方でかつベルトコンベア装置26Aの上方移動よりも下方に配設されている。
本実施形態の作用を説明する。
ベルトコンベア装置26Aでは、モータ28を駆動させ、回転軸27b〜27eを各々使用して、コンベアベルト26bを吸着槽22内の被処理水中に循環浸漬移動させる。
本実施形態の効果を説明する。
本実施形態の装置1Cではベルトコンベア装置26Aを水平移動型としたので、吸着剤貯留槽23からの吸着剤3の供給、水槽24からの水分13の供給などが水平状態で実施されるので、孔部12内への吸着剤3の配置や、水分13の供給により孔部12の内径縮小化による吸着剤3の結合・保持などの作用が促進される。その結果、吸着効率が向上するメリットを有する。
(第5の実施形態)
次に、図5〜図7を参照して第5の実施形態に係る吸着装置を説明する。なお、本実施形態が上記の実施形態と共通する部分の説明は省略する。
本実施形態の吸着装置1Dは、機械接触型の担体掻き取り装置50を有するベルトコンベア式吸着装置26を備えている。すなわち、ベルトコンベア装置26の上方に、担体掻き取り装置50が取り付けられ、図6の(a)に示すように担体掻き取り装置50には毛先の細かいブラシ毛51を備えている。また、そのかき取り装置50の下方で、吸着槽22の液面上方部に、回収槽25bが配設されている。
本実施形態の作用を説明する。
上記第2の実施形態の作用と(1)吸着剤供給、(2)水分供給、(3)被吸着物質の供給までは同じであるが、(4)水分除去は、移動方向39と逆回転するのではなくて、移動方向38と(1)〜(3)と同方向に回転させることによって、図5のかき取り装置50の配置の下方部分まで移動させる。次いで、(5)被吸着物質の回収も、図6の(a)に示すように、ブラシ毛51の先端部が吸着済みの吸着剤6と接触することによって、図6の(b)に示すように吸着済みの吸着剤6が孔部12から押し出されて、図5の回収槽25b内に蓄積され、回収される。
本実施形態の効果を説明する。
図1〜図4に示したように、水分除去済みの吸水性担体11(図1)や、ベルトコンベア装置26の表面を、下方に逆転することなく、上方の状態でも回収することができる。したがって、上方部分に孔部12を有する場合であっても回収可能となり、回収効率が向上するとのメリットを有する。
また、これに関連する他の実施例として、このかき取り装置50も図5の位置に限定されない。すなわち、図5の位置の下方など気相部分であればいずれにも配置することが可能である。この下方に設置している場合には、前述の通り、自然落下作用に加えて、当該機械接触作用も加わるので、孔部12からの吸着済みの吸着剤6の回収効率がさらに向上するとのメリットを有する。
さらに、図7に示した変形例のように、送風機52をコンベアベルトの担体保持面に対向配置して、送風機52から気流53a、53bを発生させることによって、吸着済みの吸着剤6の表面を攪拌することもできる。この場合の効果としては、この吸着済みの吸着剤6の孔部12からの離脱が高速化するとのメリットを有する。
また、図示はしないが、このベルトコンベア装置26を強制的に振動させることによって、かかる離脱を図ることも可能である。この効果としては、新たに上記かき取り装置50や送風機52を設置しなくとも、かかる離脱をさせることができるので、装置がシンプルでかつ設置容積が低減できるとのメリットを有する。
(第6の実施形態)
次に、図8を参照して第6の実施形態に係る吸着装置を説明する。なお、本実施形態が上記の実施形態と共通する部分の説明は省略する。
本実施形態の吸着装置1Eでは、担体11の孔部12の開口周壁に温度変化応答性を有する機能性材料60を取り付け、この機能性材料60を用いて孔部12の径を変えるようにしている。
本実施形態では、温度応答機能性部材として温度応答性を有する中空糸膜を用いる。
温度応答性中空糸膜は、グラフト重合されたN-イソプロピルアクリルアミド(孔径調整材)で外面が覆われ、室温で平均直径が0.1〜20μmの孔部を有するものである。ちなみに、N-イソプロピルアクリルアミドはそのもの自体が単独では温度応答性を有していないが、これを重合した高分子は温度応答性を有するようになる。グラフト重合されたN-イソプロピルアクリルアミドの高分子鎖は、その側鎖にアミド基を有し、室温近傍の閾値温度(32℃)以下において水和して膨張するが、この閾値温度を超えると脱水和して収縮する。本実施形態では、加熱または冷却時におけるN-イソプロピルアクリルアミドの高分子鎖の膨張/収縮の変化を利用して、吸着剤の捕捉または脱離を行う。このような温度応答機能性材料60は、N−イソプロピルアクリルアミドから成る材料であり、常温の20℃では膨潤状態であるが、加熱後の40℃では収縮状態となるものである。
このような温度応答性中空糸膜は、次のようにして製造する。
複数の中空糸膜を集めてU字状に結束し、その中空糸膜の束の先端にガス導入管付きキャップを被せて窒素ガスを封入する。次いで、キャップを装着した状態で中空糸膜の束を反応容器内に装入し、これにオゾンガスを供給し、中空糸膜の束をオゾンガスに所定時間だけ曝露する。次いで、圧縮空気を反応容器内に供給し、オゾンガスを反応容器から排出し、中空糸膜の束を空気雰囲気下におく。次いで、5%濃度のN-イソプロピルアクリルアミド溶液をヒータで約60℃に加温し、これを反応容器内供給し、加温循環させながら中空糸膜の束をN-イソプロピルアクリルアミド溶液に所望時間浸漬し、中空糸膜の外表面をグラフト重合させる。これにより温度応答機能を有する中空糸膜が得られる。
本実施形態の作用を説明する。
担体11の孔部12の上部端部に、室温時の状態にある温度応答機能性材料60が連結されている。図8の(a)に示した温度応答機能性材料60は室温時の状態にある(工程K1)。この状態で、孔部12の内径が吸着剤3の粒子径よりも大きい状態にあり、図8の(b)に示すように当該吸着剤3がこの孔部12内に配置される(工程K2)。また、40℃に加熱62の処理をすることによって、図8の(c)に示すように加熱時の温度応答機能性材料部60Aとなって収縮状態となり、当該吸着剤3を担体11に結合させる(工程K3)。
原水供給源21から被処理排水を担体11に供給し、図8の(d)に示すように被吸着物質5たるリンを吸着剤3に吸着させる(工程K4)。
吸着剤3は被吸着物質5たるリンを吸着した後は、20℃に冷却63の処理されることによって、図8の(e)に示すように常温時の温度応答機能性材料部60Aと変化させて、孔部12の内径を拡大させる(工程K5)。担体11を上下反転させることによって、図8の(f)に示すように回収目的物質である吸着済みの吸着剤6を回収する(工程K6)。
本実施形態の効果を説明する。
本実施形態の装置では、機能性材料として、温度応答性材料を用いたので、加熱、冷却という熱交換や排熱処理などの安価でかつシンプルなシステムを構築できる。
また、担体11の一端に温度応答機能性材料部を設けたので、かかる材料を最小化でき、安価なシステムが構築できる。
また、機能性として、温度を用いたので、孔部の内径制御が高速化できる。
また、温度として、40℃の加熱を適用したので、加熱コストも低減できる。
上記のグラフト重合されたN-イソプロピルアクリルアミドで被覆された中空糸膜は、温度応答性機能以外の他の外的刺激としてpH変化を受けて孔部の径が変わるpH応答性機能部材としても用いることができる。
また、本発明の担体に用いる機能性材料として、例えば「化学便覧;応用化学編II材料編(社団法人日本化学会編、昭和61年10月15日発行)」に記載されている導電性高分子材料や光電材料等を適用することも可能である。さらに、他の機能性材料として、塩分濃度変化に応答しうる材料を本発明の担体に適用することもできる。これらの効果として、光、電気供給により、孔部12の内径を変化させることが可能となるので、水の供給に比べて、水中の汚濁物質による汚れ防止が図れるという利点がある。塩分濃度変化応答性を有する機能性材料を担体に用いる場合は、塩分が殺菌効果を有するので、孔部12に細菌等が繁殖する等で劣化することを防止することが可能となる。
1,1A,1B,1C,1D,1E…吸着装置、
3…吸着剤(ハイドロタルサイト粒子)、5…被吸着物質(リン)、
11…収縮担体(脱水状態の担体)、11A…膨張担体(吸水状態の担体)、
12…孔部、13…水分、
21…原水供給源、22…吸着槽、23…吸着剤供給源、24…水供給源、
25…回収容器、26,26A…ベルトコンベア装置、26a,26b…支持体、
27…回転軸、28…モータ、
29…処理水貯留部、30…回収部、
31,32…ポンプ、
38,39…移動方向、
40…巻上げ式の移動担体装置、40a…支持体、41…ワイヤ、42…回転軸、
44,45…移動方向、
50…掻き取り装置、51…掻き取り部材の先端部、
52…送風ノズル、53a,53b…気流、
60…常温時の温度応答性機能材料、60A…加熱時の温度応答性機能材料、
62…照射熱線、63…放射熱線、
P1〜P3…位置、L1〜L5…ライン。

Claims (6)

  1. 被処理流体に含まれる被吸着物質を吸着する微粒子からなる吸着剤と、
    少なくとも前記吸着剤の粒子径よりも大きな孔部を有する担体と、
    前記孔部の径を変化させる孔径変化手段と、
    前記孔部の径が前記吸着剤の粒子径よりも大きいときに前記吸着剤を前記担体に供給する吸着剤担体供給手段と、
    前記孔径変化装置により前記孔部の径を前記吸着剤の粒子径以下に小さくさせて前記吸着剤を前記担体に結合させる吸着剤担体結合手段と、
    前記担体に結合した吸着剤に被処理流体を接触させて被吸着物質を前記吸着剤に吸着させる吸着剤被吸着物質接触手段と、
    前記孔径変化手段により前記孔部の径を前記吸着剤の粒子径よりも大きくさせて被吸着物質を吸着した状態で前記吸着剤を前記担体から脱離させる吸着剤回収手段と、
    を有することを特徴とする吸着装置。
  2. 前記被処理流体が水であり、前記担体が吸水性物質からなり、
    前記孔径変化手段が、前記担体に対して水分の供給と除去を行うことにより前記孔部の径を変化させることを特徴とする請求項1記載の吸着装置。
  3. 前記被処理流体が被吸着物質を含む排水であり、前記担体が吸水性物質からなり、
    前記孔径変化手段が、前記被吸着物質を含む排水中に前記担体を浸漬させることにより前記担体に被吸着物質と水分を供給し、前記担体を前記排水中から離脱させることにより前記担体から水分を除去し、前記担体を膨張または収縮させることにより前記孔部の径を変化させることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項記載の吸着装置。
  4. 前記被処理流体が被吸着物質を含む排水であり、前記担体が吸水性物質からなり、
    前記孔径変化手段が、
    前記担体を支持する支持体と、
    前記支持体とともに前記担体を、前記被吸着物質を有する排水中と前記排水以外の気相部分とに循環移動させるか、または往復移動させる移動させる担体移動手段と、
    を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の吸着装置。
  5. 前記吸着剤回収手段が、前記吸着剤が結合された前記担体の面を機械的に接触または攪拌または振動させることにより前記被吸着物質を吸着した吸着剤を前記担体の孔部から離脱させる吸着剤離脱手段を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の吸着装置。
  6. 前記担体は、温度変化、電気的刺激、pH変化、および塩濃度変化のうちの少なくとも1つの外部刺激を受けたときに前記孔部の径が変化する機能性物質からなり、
    前記孔径変化手段は、前記機能性物質からなる担体に対して前記外部刺激のうちの少なくとも1つを直接または間接に印加して前記孔部の径を変化させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の吸着装置。
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