JP2002268454A - 画像流れ物質除去方法、画像流れ物質除去装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

画像流れ物質除去方法、画像流れ物質除去装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置

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JP2002268454A
JP2002268454A JP2001391382A JP2001391382A JP2002268454A JP 2002268454 A JP2002268454 A JP 2002268454A JP 2001391382 A JP2001391382 A JP 2001391382A JP 2001391382 A JP2001391382 A JP 2001391382A JP 2002268454 A JP2002268454 A JP 2002268454A
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carrier
adsorbent
image carrier
forming apparatus
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JP2001391382A
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English (en)
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Hidetoshi Yano
英俊 矢野
Yoshino Noguchi
愛乃 野口
Hiromitsu Takagaki
高垣  博光
Kiyoshi Tanigawa
清 谷川
Chiaki Tanaka
千秋 田中
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 像担持体上に形成された静電潜像を現像装置
によりトナー像として現像し、そのトナー像を転写材に
転写すると共に、転写されずに像担持体表面に付着した
転写残トナーをクリーニング装置により除去する画像形
成装置において、像担持体表面に付着した画像流れ物質
に基因する異常画像の発生を防止する。 【解決手段】 ゼオライトを担持し、かつ像担持体1の
表面に当接する吸着剤担持体19を設け、その吸着剤担
持体に担持したゼオライトを像担持体表面に接触させる
ことにより、像担持体1の表面に付着した画像流れ物質
をゼオライトに吸着させて除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像流れ物質除去
方法、画像流れ物質除去装置、プロセスカートリッジ及
び画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】像担持体を帯電し、帯電された像担持体
に静電潜像を形成し、その静電潜像をトナー像として可
視像化し、該トナー像を転写材に転写する形式の画像形
成装置は従来より周知であり、かかる画像形成装置は、
複写機、ファクシミリ、プリンタ或いはこれらの少なく
とも2つの機能を備えた複合機などとして構成される。
【0003】上述の画像形成装置においては、可視像を
転写材に転写したあとの像担持体上に転写残トナーが付
着しているので、この転写残トナーをクリーニング手段
により除去し、該像担持体を清掃するように構成するの
が普通である。ところが、クリーニング手段は、像担持
体に当接しているので、そのクリーニング手段から受け
る摩擦力によって、像担持体表面が経時的に摩耗し、そ
の摩耗が早期に促進されると、像担持体の寿命が縮めら
れる。像担持体の長寿命化を達成するには、その摩耗を
阻止し、或いはその摩耗量をできるだけ少なく抑えるこ
とが望ましい。像担持体表面の摩耗を阻止し、又はその
摩耗量を抑えるには、次の構成を採用することが考えら
れる。
【0004】像担持体表面に対するクリーニング手段
の当接圧を可能な限り低くして、像担持体表面の摩耗量
を少なくする。 クリーニング手段に対する像担持体表面の摩擦係数を
下げ、像担持体表面の摩耗量を少なくする。 像担持体表面の硬度を高め、クリーニング手段による
像担持体表面の摩耗をなくし、或いはその摩耗量を少な
くする。 クリーニング手段を廃止し、転写残トナーを、例え
ば、静電潜像を可視像化する現像装置によって除去す
る。
【0005】上述の方法は、いずれも像担持体の摩耗を
なくし、或いはその摩耗量を少なくすることにより、像
担持体の寿命を伸ばすものである。ところが、かかる構
成を採用すると、像担持体表面に異常画像が発生するお
それがある。すなわち、像担持体のまわりに、作動時に
放電を伴う装置が設けられているため、その放電に基因
して発生した放電生成物が像担持体表面に付着し、その
付着量が多くなると、その放電生成物が、高湿時に空気
中の水分を吸収して低抵抗化し、像担持体表面の抵抗を
低下させ、これによって像担持体上に画像流れ、或いは
画像ぼけなどと称せられている異常画像が発生するので
ある。このように像担持体表面に付着して異常画像を発
生させる放電生成物は画像流れ物質と称せられている。
表面が摩耗しやすい像担持体を用い、その像担持体に圧
接するクリーニング手段によって、画像流れ物質と共に
像担持体表面を比較的多量に削り取るように構成すれば
異常画像の発生を防止できるが、このように構成する
と、像担持体の寿命が縮められる欠点を免れない。この
ように、像担持体の寿命を伸ばすには、像担持体表面の
摩耗をなくし、又はその摩耗量が少なくなるように構成
することが有効であるが、このようにすると、像担持体
表面に多量の画像流れ物質が付着し、異常画像が発生す
る欠点を免れないのである。
【0006】そこで、像担持体の寿命低下を抑えつつ、
像担持体表面に付着した画像流れ物質を除去するための
構成が従来より各種提案されている。例えば、像担持体
表面に水を塗布する水塗布部材と、像担持体表面から水
を除去する水除去部材とを有する画像流れ物質除去装置
がその一例である(特開昭60−49352号公報参
照)。この画像流れ物質除去装置は、像担持体表面に生
成された画像流れ物質が水に溶ける性質を利用したもの
で、画像流れ物質を比較的効果的に除去できる利点を有
している。
【0007】ところが、像担持体表面は一般に疎水性を
有しているので、かかる像担持体表面に水を塗布する
と、その水は、像担持体表面の疎水性によって、まばら
な水滴となって像担持体表面に付着する。従って、像担
持体表面に水を塗布したとき、画像流れ物質がその水に
溶け込んだとしても、画像流れ物質を含んだ水溶液が水
滴となって像担持体表面にまばらな状態で付着する。こ
のような水滴が拭き取られるのであるが、その拭き取り
時に、像担持体表面の水滴はまばらな状態で存在するの
で、水滴の付着している像担持体表面部分と、水滴の存
在しない像担持体表面部分とで、画像流れ物質の除去効
果に相違が生じ、拭き取り後の像担持体表面の特性が不
均一となるおそれがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の提案に係る構成の欠点を回避しつつ、異常画像の発生
を防止し、ないしはその発生を効果的に抑制できる画像
流れ物質除去方法、画像流れ物質除去装置、プロセスカ
ートリッジ及び画像形成装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、極性吸着剤を像担持体に接触させることを
特徴とする画像流れ物質除去方法を提案する(請求項
1)。
【0010】また本発明は、上記目的を達成するため、
極性吸着剤を担持した吸着剤担持体を具備することを特
徴とする画像流れ物質除去装置を提案する(請求項
2)。
【0011】その際、前記極性吸着剤が前記吸着剤担持
体に固着されていると有利である(請求項3)。
【0012】また、上記請求項2又は3に記載の画像流
れ物質除去装置において、粒子状の極性吸着剤が前記吸
着剤担持体に離脱自在に担持されていると有利である
(請求項4)。
【0013】さらに、上記請求項2、3又は4に記載の
画像流れ物質除去装置において、前記吸着剤担持体は、
極性吸着剤が担持された弾性体を有していると有利であ
る(請求項5)。
【0014】また、上記請求項2、3又は4に記載の画
像流れ物質除去装置において、前記吸着剤担持体は、弾
性体と、該弾性体に取り付けられた表層とを有し、該表
層に前記極性吸着剤が担持されていると有利である(請
求項6)。
【0015】さらに、上記請求項2、3又は4に記載の
画像流れ物質除去装置において、前記吸着剤担持体は、
極性吸着剤が担持された繊維より成るブラシを有してい
ると有利である(請求項7)。
【0016】また、上記請求項2、3又は4に記載の画
像流れ物質除去装置において、前記吸着剤担持体は、複
数の支持部材に巻き掛けられた無端ベルト状に構成さ
れ、該無端ベルト状の吸着剤担持体の表面に極性吸着剤
が担持されていると有利である(請求項8)。
【0017】さらに、上記請求項2、3、4、5、6、
7又は8に記載の画像流れ物質除去装置において、前記
吸着剤担持体は回転体として構成されていると有利であ
る(請求項9)。
【0018】さらに、上記請求項2、3、4、5、6、
7、8又は9に記載の画像流れ物質除去装置において、
前記極性吸着剤は、ゼオライト、シリカアルミナ系吸着
剤、シリカゲル、アルミナゲル、活性アルミナ、活性白
土のうちの少なくとも1つより成ると有利である(請求
項10)。
【0019】また、上記請求項2、3、4、5、6、
7、8又は9に記載の画像流れ物質除去装置において、
前記極性吸着剤はゼオライトより成り、該ゼオライトの
分子構造の酸素環が6員環以上であると有利である(請
求項11)。
【0020】さらに、上記請求項2、3、4、5、6、
7、8又は9に記載の画像流れ物質除去装置において、
前記極性吸着剤はゼオライトより成り、該ゼオライトの
分子構造の酸素環が8員環以上であると有利である(請
求項12)。
【0021】また、本発明は、上記目的を達成するた
め、請求項2、3、4、5、6、7、8、9、10、1
1又は12に記載の画像流れ物質除去装置を具備し、画
像形成装置本体に対して着脱可能に装着されるユニット
状に構成されたことを特徴とするプロセスカートリッジ
を提案する(請求項13)。
【0022】さらに、本発明は、上記目的を達成するた
め、請求項2、3、4、5、6、7、8、9、10、1
1又は12に記載の画像流れ物質除去装置と、その吸着
剤担持体に担持された極性吸着剤が当接する像担持体を
具備することを特徴とする画像形成装置を提案する(請
求項14)。
【0023】その際、前記吸着剤担持体は、像担持体に
従動して回転するように構成されていると有利である
(請求項15)。
【0024】また、上記請求項14に記載の画像形成装
置において、前記吸着剤担持体の表面線速と、像担持体
の表面線速が互いに相違していると有利である(請求項
16)。
【0025】さらに、上記請求項14、15又は16に
記載の画像形成装置において、前記吸着剤担持体は、像
担持体表面の移動方向に関し、像担持体上の転写残トナ
ーを除去するクリーニング手段が像担持体に当接した位
置よりも下流側であって、潜像形成手段による像担持体
への潜像書き込み位置よりも上流側の像担持体部分に接
触していると有利である(請求項17)。
【0026】また、上記請求項14、15、16又は1
7に記載の画像形成装置において、前記吸着剤担持体
は、像担持体表面の移動方向に関し、帯電装置による像
担持体への帯電領域よりも下流側であって、潜像形成手
段による像担持体への潜像書き込み位置よりも上流側の
像担持体部分に接触していると有利である(請求項1
8)。
【0027】さらに、上記請求項14、15、16、1
7又は18に記載の画像形成装置において、前記像担持
体がアモルファスシリコン感光体より成ると有利である
(請求項19)。
【0028】また、上記請求項14、15、16、17
又は18に記載の画像形成装置において、前記像担持体
が表面にフィラーを分散した層を有する感光体より成る
と有利である(請求項20)。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態例を図面
に従って説明し、併せて像担持体表面の摩耗と、その表
面に付着する画像流れ物質との関係、及びこれにより生
じる従来の不具合を図面に即してより具体的に明らかに
する。先ず、本発明を適用できる画像形成装置のいくつ
かの例を、図1乃至図3を参照して説明する。
【0030】図1は画像形成装置の一例を示す部分断面
概略図である。ここに示した画像形成装置は、その本体
内に設けられたドラム状の感光体として構成された像担
持体1を有し、画像形成動作の開始に伴って、像担持体
1は図1における時計方向(矢印A方向)に回転駆動さ
れる。このとき像担持体表面には除電ランプ2からの光
が照射されて該像担持体表面が除電作用を受け、その表
面電位が初期化される。一方、帯電装置の一例である帯
電チャージャ3のコロナワイヤ4には帯電電圧が印加さ
れ、これにより生じる放電によって、初期化された像担
持体表面が所定の極性、例えば−900Vに一様に帯電
される。
【0031】ドラム状の感光体に代え、複数のローラに
巻き掛けられて走行駆動される無端ベルト状の感光体よ
り成る像担持体、或いは誘電体より成る像担持体などを
用いることもできる。いずれの場合も、像担持体はその
表面が移動するように支持される。
【0032】上述のようにして帯電された像担持体表面
には、潜像形成手段の一例であるレーザ書き込み装置5
から出射する光変調されたレーザ光Lが照射され、これ
によって像担持体表面に画信号に対応した静電潜像が形
成される。レーザ光を照射された像担持体表面の電位
は、例えば−150Vとなり、ここが静電潜像、すなわ
ち画像部となり、レーザ光の照射されない像担持体表面
部分の電位はほぼ−900Vに維持され、ここが地肌部
となる。LEDを有する潜像形成手段などを用いること
もできる。このように、帯電後の像担持体を露光して静
電潜像を形成するのである。
【0033】静電潜像は、これが現像装置6を通ると
き、トナー像として可視像化される。ここに一例として
示した現像装置6は、トナーとキャリアを有する乾式の
二成分系現像剤Dを収容した現像ケース7と、像担持体
1に対向配置されて回転する現像ローラ8と、回転しな
がら現像剤Dを撹拌するスクリュー9,10とを有して
いる。トナーは、キャリアとの摩擦によって所定の極
性、図の例ではマイナス極性に帯電され、かかるトナー
を含む現像剤Dは現像ローラ8の周面に担持されて搬送
され、現像ローラ8と像担持体1との間の現像領域に運
ばれる。このとき、現像ローラ8には、所定の現像バイ
アス(例えば−600Vの電圧)が印加され、これによ
って現像領域に運ばれて磁気ブラシ状となった現像剤中
のトナーが像担持体1に形成された静電潜像、すなわち
画像部に静電的に移行し、その静電潜像がトナー像とし
て可視像化される。キャリアを含まない粉体状の一成分
系の現像剤や、液状の現像剤などを用いる現像装置を採
用することもできる。
【0034】また、像担持体1には、転写装置の一例で
ある転写ローラ11が対置され、この転写ローラ11は
像担持体表面に当接しながら図1における反時計方向に
回転駆動される。かかる転写ローラ11と、像担持体1
との間に、図示していない給紙部から給送され、レジス
トローラ対12の回転により所定のタイミングで矢印B
方向に送り出された転写材Pが通過する。このとき転写
ローラ11には、像担持体上のトナー像のトナーと逆極
性、本例ではプラスの転写電圧が印加されている。これ
により像担持体表面に形成されたトナー像に整合できる
タイミングで送り出された転写材P上に、そのトナー像
が転写される。
【0035】転写ローラ11と像担持体1の間を通った
転写材Pは、分離爪13により像担持体1から分離され
て図示していない定着装置を通過し、このとき、熱と圧
力の作用によって、転写されたトナー像が転写材上に定
着される。次いでこの転写材Pは画像形成装置本体外に
排出される。転写ローラ11に代えて、例えば転写チャ
ージャ、転写ブラシ又は転写ブレード、又はこれらのう
ちの少なくとも1つと転写ベルトとを有する転写装置な
どを用いることもできる。
【0036】図1に示した画像形成装置においては、転
写材Pとして、例えば紙、樹脂シート又は樹脂フィルム
の記録媒体が用いられるが、無端ベルト状又はドラム状
の中間転写体より成る転写材を用い、像担持体上のトナ
ー像をその中間転写体より成る転写材に一次転写し、次
いでその中間転写体上のトナー像を紙や樹脂シートなど
から成る記録媒体に二次転写し、その二次転写されたト
ナー像を定着装置により定着するように構成することも
できる。このように、像担持体上に形成されたトナー像
を、記録媒体又は中間転写体より成る転写材に転写して
画像形成を行うのである。
【0037】上述のようにトナー像の転写が行われる転
写位置を通過した像担持体表面に付着しているトナー
は、クリーニング装置14により除去される。図1に一
例として示したクリーニング装置14は、クリーニング
ケース16と、そのケース16に基端部が支持され、先
端部が像担持体表面に圧接したゴムなどの弾性体より成
るクリーニングブレード17と、トナー排出スクリュー
18とを有し、そのクリーニングブレード17によって
像担持体上のトナーが掻き取り除去される。除去された
トナーは、回転するトナー排出スクリュー18によって
クリーニングケース外に排出される。このようにして、
転写材に転写されずに像担持体表面に残された転写残ト
ナーが像担持体表面から除去される。クリーニングブレ
ード17は、像担持体表面に当接して、その表面に付着
したトナーを除去するクリーニング手段の一例を構成し
ている。
【0038】図1に符号15で示したものは画像流れ物
質除去装置であるが、これについては後に詳しく説明す
る。
【0039】図1に示した画像形成装置においては、像
担持体の表面を帯電する帯電装置として、像担持体表面
から離間して配置された帯電チャージャ3が用いられて
いるが、これ以外の帯電装置を用いてもよく、例えば、
帯電ローラ、帯電ブレード、又は帯電ブラシから成る帯
電装置や、像担持体に電荷を注入する電荷注入型の帯電
装置などを用いることもできる。図2に示す画像形成装
置においては、帯電装置が、像担持体表面に当接し、又
は微小間隔をあけて対置された帯電ローラ20より成
り、この帯電ローラ20に直流電圧、又は直流電圧に交
流電圧を重畳した帯電電圧が印加され、これにより生じ
る放電によって像担持体表面が、例えばほぼ−900V
に帯電される。
【0040】また、クリーニング装置のクリーニング手
段としても、クリーニングブレード以外の手段を適宜採
用でき、例えば、図2に示すように、像担持体表面に当
接しながら回転するクリーニングブラシ21として構成
されたクリーニング手段を用いることもできる。さら
に、図3に示すように、回転駆動される剤担持ローラ3
5の周面に、磁性キャリアとトナーを混合して成るクリ
ーニング剤Cを磁力によって担持し、そのクリーニング
剤Cを像担持体表面に摺接させて転写残トナーを除去す
るクリーニング手段を用い、或いは上述した各種クリー
ニング手段を併用したクリーニング装置などを用いるこ
ともできる。
【0041】図2及び図3に示した画像形成装置は、上
述した構成と、これに直接関連する構成以外は、図1に
示した画像形成装置と異なるところはない。
【0042】以上のように、画像形成装置は、像担持体
と、該像担持体を帯電する帯電装置と、その帯電装置に
より帯電された像担持体に静電潜像を形成する潜像形成
手段と、該静電潜像をトナー像として可視像化する現像
装置と、該トナー像を転写材に転写する転写装置とを有
するものである。図示した例の画像形成装置は、トナー
像の転写が行われる転写位置を通過した像担持体表面に
付着している転写残トナーを除去するクリーニング装置
も有しているが、クリーニング装置を省き、転写残トナ
ーを、例えば現像装置によって像担持体表面から除去す
るように構成することもできる。
【0043】ここで、図1乃至図3に示した画像形成装
置の像担持体表面には、クリーニング手段が当接してい
るので、その表面が経時的に摩耗し、その摩耗が進む
と、像担持体表面の帯電電位が低くなり、地肌部にトナ
ーが付着する地汚れが著しくなる。像担持体まわりに配
置されたプロセスユニットなどの構成によっても異なる
が、像担持体1の感光層の膜厚が、例えば約30%削れ
ると、地汚れの発生が顕著となる。像担持体のベース上
に積層された感光層の厚みが例えば30μmであるとし
たとき、その削れ量が例えば約10μmとなると、地汚
れが著しく発生するようになる。かかる像担持体は新た
な像担持体と交換する必要がある。
【0044】上述したところから判るように、像担持体
の寿命を伸ばすには、その表面の感光層の経時的な摩耗
をなくし、或いはその摩耗ができるだけ少なくなるよう
にすればよく、従って、像担持体表面の摩耗をなくし、
又はその摩耗量ができるだけ少なくなるように構成する
ことが好ましい。例えば、先にも説明したように、像担
持体表面に対するクリーニング手段の当接圧を下げるの
である。図4は、図1に示したクリーニングブレード1
7が像担持体表面に当接する線圧(g/cm)を横軸にと
り、縦軸に像担持体表面の摩耗量(μm)をとったグラ
フである。同図の実線E,Fは、図1に示した画像形成
装置において、直径30mmのドラム状の像担持体1を用
いると共に、その表面線速を114mm/secに設定し、
A4サイズの転写材Pを、その長辺が転写材の移動方向
に対して直交する向きとなる横向きで搬送し、かかる転
写材Pを、10万枚連続的に転写ローラ11と像担持体
1の間に通紙したときの像担持体表面の摩耗量と像担持
体表面に対するクリーニングブレード17の線圧の関係
を示している。実線Eは、実線Fよりも表面硬度の高い
像担持体を用いたときの結果である。
【0045】図4から判るように、クリーニングブレー
ドの線圧を低くすればする程、像担持体表面の摩耗量を
少なくすることができるが、図4に示した例では、その
線圧が10g/cmより低くなると、転写残トナーがクリ
ーニングブレード17を通過してしまう量が増え、所謂
クリーニング不良が発生する。従って、クリーニングブ
レード17の線圧を10g/cm以上の範囲内のできるだ
け小さな値に設定し、像担持体表面の摩耗を抑え、かつ
クリーニング不良の発生を防止することが好ましい。
【0046】図5の実線Gは、クリーニング部材として
図2に示したクリーニングブラシ21を用いたとき、像
担持体表面に対するクリーニングブラシ21の押圧力
(g/mm)と、像担持体表面の摩耗量の一例を示してい
る。この場合もクリーニングブラシ21の押圧力が小さ
い程、像担持体表面の摩耗量は少なくなるが、その押圧
力が2g/mmよりも弱くなると、像担持体表面のクリー
ニング不良が発生するので、その押圧力を2g/mm以上
の範囲のできるだけ小さな値に設定することにより、像
担持体表面の摩耗を抑え、かつ像担持体表面のクリーニ
ング不良の発生を防止することができる。
【0047】また、図3に示した画像形成装置のよう
に、クリーニング手段としてクリーニング剤Cを用いた
ときも、像担持体表面に対するクリーニング剤の圧接力
を適宜設定することによって、クリーニング不良の発生
を防止しつつ、像担持体1の寿命を伸ばすことが可能と
なる。一般に、クリーニング手段としてクリーニング剤
Cを用いた場合には、クリーニングブレードやクリーニ
ングブラシを用いた場合に比べ、像担持体表面の摩耗量
は極端に少なくなる。
【0048】上述のように、像担持体表面に対するクリ
ーニング部材の当接圧を可能な限り弱くすることによ
り、像担持体の寿命を伸ばすことができる。また表面硬
度の高い像担持体、例えばアモルファスシリコン感光体
などを用い、或いは像担持体表面の摩擦係数を下げるこ
とによっても、像担持体表面の摩耗をさらに抑えること
ができる。さらに、クリーニング部材を省き、転写残ト
ナーを現像装置によって除去するように構成すれば、像
担持体表面の摩耗をより一層少なくすることができる。
【0049】上述したいずれかの構成、又はこれらを適
宜組み合せた構成を採用することにより、像担持体の寿
命を伸ばすことができるが、そのいずれの対策も、像担
持体表面の摩耗をなくし、又はその摩耗量を少なくする
ことにある。従って、かかる構成を採用した場合、従来
の画像形成装置においては、像担持体表面に付着する画
像流れ物質も削られなくなり、或いはその削り量が少な
くなって、現像後の像担持体表面に異常画像が発生する
おそれを免れなかった。画像流れ物質の発生と、これに
関連する不具合を、図示した画像形成装置に即して説明
すると以下のとおりである。
【0050】画像形成装置においては、帯電装置、図1
に示した例では帯電チャージャ3のコロナワイヤ4に所
定の帯電電圧を印加し、このとき生じる放電によって像
担持体を帯電させるものであるが、その放電時に発生し
た放電生成物が空気中の物質などと結合して画像流れ物
質が生成され、これが像担持体表面に付着する。画像形
成動作を終了して、像担持体1が停止した時、帯電チャ
ージャに対向する像担持体表面部分に画像流れ物質が多
量に付着する。帯電チャージャ以外の帯電装置、例えば
図2に示した帯電ローラ20や、帯電ブラシ、帯電ブレ
ードなどを用いた場合も、像担持体上に画像流れ物質が
付着する。
【0051】本発明者は、像担持体に付着する画像流れ
物質を特定すべく鋭意工夫を行った結果、その主成分と
して硝酸アンモニウムを見出した。この硝酸アンモニウ
ムは次のようにして生成されるものと考えられる。
【0052】先ず、放電で発生したNOと水(H
O)とが反応して硝酸(HNO)が生成され、さら
に空気中のアンモニアガス(NH)と硝酸(HN
)が反応して硝酸アンモニウム(NHNO)が
生成される(次式参照)。 水とNOとの反応 4NO+O+2HO→4HNO 硝酸アンモニウムの生成反応 NH+HNO→NHNO
【0053】かかる画像流れ物質、すなわち硝酸アンモ
ニウムは、ほとんどが空気中で微粒子として生成され、
その後、像担持体に近い領域で生成された硝酸アンモニ
ウムが像担持体に付着するものと考えられる。このよう
にして、像担持体表面に付着した画像流れ物質は、水溶
性であるため、高湿時に空気中の水分を吸収して像担持
体表面の抵抗値を低下させる。従ってかかる画像流れ物
質が、像担持体表面の画像部と地肌部にまたがって多量
に付着したとき、これを放置したとすれば、高湿時に例
えば画像がぼけた状態、ないしは白抜け状態となる異常
画像、すなわち画像流れが発生する。
【0054】図6及び図7は、これを説明する図であ
り、これらのグラフの横軸は像担持体表面の位置を示
し、縦軸は像担持体表面の電位(V)を示している。像
担持体表面に画像流れ物質が付着していないときは、図
7に示すように、レーザ光の照射されない地肌部の表面
電位はほぼ−900Vとなり、レーザ光が照射された画
像部の表面電位はほぼ−150Vとなる。現像ローラ8
に印加される現像バイアスは−600Vである。図7に
示したように、像担持体上の地肌部及び画像部の表面電
位と、現像バイアスとの電位差によって、マイナス極性
に帯電したトナーが地肌部に付着せずに画像部の方に静
電的に付着する。
【0055】これに対し、画像部と地肌部にまたがって
像担持体表面に画像流れ物質が付着したときの像担持体
の表面電位を図6に実線で示す。図6の破線は、画像流
れ物質が付着しないときの電位、すなわち図7に示した
電位の状態を示している。像担持体表面に画像流れ物質
が付着すると、その表面の抵抗値が低下するので、図6
の実線のように、地肌部の電荷が画像部の方に流れ、画
像部の電位の絶対値が高くなる。このため、画像部の表
面電位と現像バイアスとの差が小さくなり、現像後の画
像部のトナー像濃度が低くなり、或いは所定のトナー像
が形成されなくなる。このようにして異常画像が発生す
るのである。
【0056】図8は、従来の画像形成装置において、直
径30mmの表面硬度の高い像担持体1を、表面線速11
4mm/secで回転駆動し、A4サイズの転写材Pを10
万枚通紙したときの像担持体表面の摩耗量と、画像流れ
の発生の関係を示している。実線Hは、クリーニング部
材としてクリーニングブレード(図1参照)を用い、そ
の像担持体表面に対する線圧を10g/cmに設定したと
き、また実線Iは、クリーニング部材としてクリーニン
グブラシ(図2参照)を用い、その像担持体表面に対す
る押圧力を2g/mmに設定したときの結果を示してい
る。図8中の一点鎖線の下側が画像流れ発生領域で、上
側が非発生領域である。図8から判るように、従来の画
像形成装置においては、像担持体表面の摩耗量が少なく
なるように、像担持体表面に対するクリーニング部材の
線圧を10g/cm又は2g/mmと小さくすると、像担持
体表面に画像流れが発生する。
【0057】また、像担持体表面が、クリーニング部材
により均一に削られれば、これと一緒に画像流れ物質も
除去されるので、基本的には、像担持体表面に異常画像
が発生することはないと考えられる。これに対し、図8
に示した例では、像担持体表面が或る程度削れたとき
も、異常画像が発生している。その理由は次のように考
えられる。
【0058】図1に示したクリーニングブレード17
は、像担持体表面に圧接して、その表面に付着したトナ
ーを掻き取り除去するが、このクリーニングブレード1
7は、像担持体の回転時に、図9に実線と一点鎖線で示
すように振動する所謂スティックスリップを起こす。そ
の際、クリーニングブレード17が実線で示す姿勢にあ
るときは、像担持体表面は、そのクリーニングブレード
17により削られないか、その削り量は極めて少ない。
これに対しクリーニングブレード17が鎖線で示すよう
に変形したとき、像担持体表面が比較的多量に削られ
る。このようにして、像担持体表面には、その周方向に
おいて、比較的多量に削られる部分とそうでない部分と
がランダムに発生する。また、クリーニングブレード1
7の像担持体に対する圧接力は、クリーニングブレード
17の長手方向においてもばらつくのが普通であり、こ
れによっても像担持体表面の削られ量がばらつく。これ
は、クリーニング部材としてクリーニングブラシなどを
用いた場合も同様である。このように、像担持体表面に
削りむらが発生し、かかる状態が長時間続くと、像担持
体表面の周方向に画像流れ物質が連続的に存在すること
になり、これによって像担持体上に異常画像が形成され
るのである。
【0059】クリーニング手段によって像担持体表面を
比較的に多量に摩耗させるように構成すれば、画像流れ
物質も像担持体から除去されるので、異常画像の発生を
防止できるが、このように構成すると、像担持体の寿命
が縮められる。すなわち、像担持体の寿命を伸ばすに
は、前述のように像担持体表面の摩耗をなくし、又はそ
の摩耗を抑えるようにすればよいが、従来の画像形成装
置においてこのような構成を採用すると、像担持体表面
に付着した画像流れ物質を除去しきれず、異常画像が発
生する。
【0060】そこで、本例の画像形成装置には、像担持
体の摩耗量を抑えるように構成し、或いは像担持体が削
られないように構成したときも、異常画像の発生を抑え
ることができるように、像担持体表面に付着した画像流
れ物質を除去する画像流れ物質除去装置15が設けられ
ている。図10は図1乃至図3に示した画像流れ物質除
去装置15の拡大図であり、図11は図10のXI−XI線
断面図である。これらの図に示すように、画像流れ物質
除去装置15は吸着剤担持体19を有し、その吸着剤担
持体19に、像担持体表面に付着した画像流れ物質を吸
着する極性吸着剤が担持されている。かかる吸着剤担持
体19が像担持体1の表面に当接することにより、該吸
着剤担持体19に担持された極性吸着剤が像担持体1に
接触する。極性吸着剤は、後述するように、像担持体表
面に付着して極性分子状態となり、或いは水に溶けてイ
オン化した画像流れ物質を静電的に吸着して、像担持体
表面からその画像流れ物質を除去する用をなす。このよ
うに、極性吸着剤を像担持体に接触させて画像流れ物質
を除去するのである。
【0061】極性吸着剤としては、ゼオライト、シリカ
アルミナ系吸着剤、シリカゲル、アルミナゲル、活性ア
ルミナ、活性白土などを用いることができるが、図10
及び図11に示した例では、ゼオライトが用いられてい
る。
【0062】以下、ゼオライトを用いて像担持体表面に
付着した画像流れ物質を除去する作用を説明する。
【0063】一般にゼオライト結晶はアルミノケイ酸塩
の3次元骨組み構造を持つ縮合アニオンの大きな空洞に
水分子と交換性のカチオンが含まれている。カチオンの
種類と数によって多様な構造をとっている。従って、ゼ
オライトの性質としては、結晶内の酸素による環状構造
の空洞による分子ふるい作用、可逆的なイオン交換作用
を示す。さらに、分子ふるい作用やカチオンの作用によ
る分子の形状および寸法に応じて、あるいは双極子、四
極子、不飽和結合を有する物質及び分極性の強い物質な
どを吸着分離する作用を示す(吸着分離作用)。また、
結晶を構成する空洞内の電子ポテンシャルエネルギー場
の中を物質が移動することができる(空洞内拡散)。結
晶内の空洞径が、現時点で最も小さい3A型ゼオライト
(約3Åの空洞径)でも、水分を吸着することなどによ
り乾燥作用を持っていると共にアンモニア、水素、メタ
ノールなども吸着する。ゼオライトの1種であるモレキ
ュラーシーブ(商品名)などは結晶内にカチオンを持っ
ているためこのカチオンとの静電引力による極性分子に
対して活性アルミナやシリカゲルよりも強い親和性を示
す(イオン親和性作用)。さらに、各種の化学反応を引
起す触媒作用も示す。
【0064】以上のような一般的性能を持つゼオライト
をブラシ、紙、布、フェルト、プラスチックス、ゴムな
どの吸着剤担持体に担持させ、これをシート状、ローラ
状、板状、スティック状、ハニカムなどの形態にして極
性吸着剤を像担持体表面に接触させることにより、異常
画像の原因物質である画像流れ物質を効果的に除去する
ことができる。
【0065】画像流れの原因物質の除去に対してゼオラ
イトが効果を示す理由については詳しいことは不明であ
るが、次のように考えられる。
【0066】空気中の水分を吸湿した硝酸アンモニウム
はイオン化している(このイオン化が像担持体表面の低
抵抗化を引起し画像流れの発生となる)。水分でイオン
化した硝酸アンモニウムに、吸着剤担持体に担持された
ゼオライトが接触すると、ゼオライトのイオン交換作
用、吸着分離作用、空洞内拡散などによりアンモニウム
カチオンがゼオライトに吸着し、残った硝酸イオンは水
分と共に硝酸となる。しかし、ゼオライトの乾燥作用に
より硝酸は脱水されることになる。脱水された硝酸は光
や熱で分解する性質があり、最終的に二酸化窒素に分解
し空気中に飛散していったり、或いは水分を含んだ硝酸
はゼオライトの担持体に吸着されることも考えられる。
いずれにせよ、ゼオライトとの接触でゼオライトの各作
用が複合的に作用することによって、硝酸アンモニウム
は除去され、像担持体表面からは画像流れの原因物質で
ある画像流れ物質が除去される。
【0067】極性吸着剤を吸着剤担持体に担持させる形
態としては各種採用でき、例えば極性吸着剤を吸着剤担
持体に固着して該極性吸着剤を吸着剤担持体に担持させ
てもよいし、粒子状の極性吸着剤を用い、その極性吸着
剤を吸着剤担持体に離脱自在に担持させることもでき、
また極性吸着剤を吸着剤担持体に固着すると共に、粒子
状の極性吸着剤を吸着剤担持体に離脱自在に担持させて
もよい。これらの具体的構成例は後述する。
【0068】上述の画像流れ物質除去装置15を用いる
ことにより、像担持体の長寿命化を達成するため、その
表面の摩耗をなくし、又はその摩耗量が少なくなるよう
に構成したときも、像担持体表面に付着した画像流れ物
質の一部を除去し、或いはそのほぼ全てを除去すること
も可能である。これにより、画像流れ物質除去装置15
を通過した像担持体表面部分に付着する画像流れ物質の
量を効果的に少なくすることができ、像担持体上に異常
画像が発生することを阻止し、或いはその発生を効果的
に抑制し、高品質なトナー像を形成することができる。
しかも、画像流れ物質の除去のために、像担持体上に水
を塗布する必要がないため、画像流れ物質除去後の像担
持体表面の特性が不均一となる不具合も防止できる。
【0069】放電により生じた画像流れ物質を除去する
方法には、大きく分けて、画像流れ物質を像担持体表面
に付着させない方法と、像担持体表面に一旦付着した画
像流れ物質を除去する方法の2つがあるが、本例の画像
形成装置では、上述のように、後者の方法が採用されて
いる。
【0070】活性炭などの非極性吸着剤も分子を吸収す
る能力を有しているが、かかる非極性吸着剤は、画像流
れ物質を静電的に吸着することはできず、画像流れ物質
の吸着には適していない。ゼオライトを初めとする極性
吸着剤を吸着剤担持体に担持させ、その吸着剤担持体を
像担持体表面に当接させて極性吸着剤を像担持体に接触
させることにより、画像流れ物質を効率よく吸着して、
画像流れ物質を像担持体表面から効果的に除去すること
ができるのである。
【0071】前述のように、吸着剤担持体はシート状、
ローラ状、板状、スティック状、ハニカム状などの適宜
な形態に形成できるが、図10及び図11に示した吸着
剤担持体19は、金属などの剛体より成る芯軸22と、
その外側に同心状に固定された円筒状の弾性体23とか
ら成り、その弾性体23の外周面に、ゼオライトより成
る極性吸着剤が固着されて担持されている。芯軸22の
長手方向各端部は図示していない支持体に支持され、弾
性体23が像担持体表面に圧接した状態で接触してい
る。このように、吸着剤担持体19が支持体に一体的に
組みつけられてユニット状の画像流れ物質除去装置15
が構成される。
【0072】上述のように、吸着剤担持体19が、極性
吸着剤の担持された弾性体23を有し、その弾性体23
を像担持体表面に当接させて極性吸着剤を像担持体に接
触するように構成すれば、弾性体23は、像担持体表面
に対し、その周方向に或る幅Nをもって当接することが
できるので、吸着剤担持体19が均一に、かつ広い面積
で像担持体表面に当接し、画像流れ物質を均一に除去す
ることが可能となる。弾性体23は、例えば、ゴム、軟
質樹脂、その発泡体、例えば発泡ポリウレタンなどの軟
質弾性材料より成ることが好ましい。
【0073】また、図12に示すように、図10及び図
11に示した吸着剤担持体の弾性体23の外周面に、さ
らに表層24を巻き付けて固定し、その表層24の表面
に、例えばゼオライトより成る極性吸着剤を固着し、当
該表層24の表面を像担持体表面に当接させるように構
成した画像流れ物質除去装置15を用いることもでき
る。表層24としては、ゴム、紙、布、樹脂シートなど
の適宜なシート材を用いることができ、その表面に極性
吸着剤が固着されている。図13は、表層24として紙
を用い、その紙のセルロース繊維25に結晶化したゼオ
ライト26が固着されている様子を示す拡大説明図であ
る。
【0074】上述のように、吸着剤担持体19が弾性体
23と、その弾性体23の表面に取り付けられた表層2
4とを有し、その表層24に極性吸着剤を担持し、当該
表層24を像担持体表面に当接させて極性吸着剤を像担
持体に接触させるように構成すると、図10及び図11
に示した吸着剤担持体19により奏せられる効果のほ
か、極性吸着剤を担持した表層24が劣化したとき、そ
の表層24を弾性体23から取り外し、新たな表層24
を、それまで使用していた弾性体23に巻き付けるだけ
で、これを再び吸着剤担持体19として使用することが
できる。芯軸22と弾性体23を、長期に亘って何度も
使用でき、廃棄物の量を減らすことができるのである。
【0075】また、図14に示すように、例えばゼオラ
イトより成る極性吸着剤が固着されることにより担持さ
れた多数の繊維より成るブラシ27を有する吸着剤担持
体19を用い、そのブラシ27を像担持体表面に当接さ
せて極性吸着剤を像担持体に接触させるように構成する
こともできる。このブラシ27の芯軸の各端部を図示し
ていない支持体に支持してユニット状の画像流れ物質除
去装置15を構成することができる。各ブラシ27の繊
維には、例えば図13に示したところと同様にして、結
晶化したゼオライトを固着させることができる。このよ
うにブラシ27を像担持体表面に当接させると、そのブ
ラシ27と像担持体表面とに作用する摩擦力を低減で
き、像担持体への負荷を軽減することができる。このた
め、像担持体1の回転に要する電力を低減できると共
に、像担持体に回転むらが発生することを防止でき、像
担持体上のトナー像にすじ状の濃度むらが発生する不具
合を阻止できる。
【0076】また、図15に示すように、吸着剤担持体
19を、例えばローラより成る複数の支持部材29に巻
き掛けられた無端ベルト状に構成し、その無端ベルト状
の吸着剤担持体19の表面に極性吸着剤を固着すること
により担持し、かかる吸着剤担持体19を像担持体1の
表面に当接させて極性吸着剤を像担持体1に接触させる
ように構成することもできる。このような吸着剤担持体
19を有する画像流れ物質除去装置15を用いると、そ
の吸着剤担持体19が像担持体表面に均一に当接し、か
つ吸着剤担持体19と像担持体表面の接触面積が拡大す
るので、像担持体表面の画像流れ物質をより一層均一か
つ効果的に除去することができる。
【0077】図10乃至図12、図14及び図15に示
した吸着剤担持体19を回転不能に固定しておくことも
できるが、これらの吸着剤担持体19を、図示していな
い支持体に回転自在に支持するなどして、当該吸着剤担
持体19を、像担持体表面に接触しながら回転する回転
体として構成することもできる。かかる吸着剤担持体1
9を有する画像流れ物質除去装置15を用いると、その
吸着剤担持体19の全周を像担持体表面に接触させて利
用することができるので、その寿命を伸ばすことが可能
となる。
【0078】その際、吸着剤担持体19が自由に回転で
きるように吸着剤担持体19を支持し、吸着剤担持体1
9が像担持体1の回転に従動して矢印Q方向に回転でき
るように構成すると、吸着剤担持体19の駆動装置を省
略でき、画像形成装置のコスト低減を達成できる。
【0079】逆に、吸着剤担持体19を図示していない
駆動装置により回転駆動することもできるが、その際、
吸着剤担持体19の表面線速と、像担持体1の表面線速
が互いに相違するように構成すると、像担持体表面と吸
着剤担持体19との摺擦作用を高め、像担持体表面に付
着した画像流れ物質をより効率よく除去することができ
る。
【0080】図10、図11、図12、図14及び図1
5に示した例では、吸着剤担持体19に極性吸着剤を固
着してその極性吸着剤を吸着剤担持体19に担持させた
が、吸着剤担持体に粒子状の極性吸着剤を離脱自在に担
持させ、その極性吸着剤を像担持体上に付着させるよう
に構成することもできる。例えば、図16に示すよう
に、吸着剤担持体19として、図10及び図11に示し
た吸着剤担持体と全く同じく、芯軸22と、弾性体23
を有するように構成すると共に、その吸着剤担持体19
を回転可能に支持し、かかる吸着剤担持体19の上方に
設けたホッパ28に粉体状の極性吸着剤26Aを収容
し、吸着剤担持体19を矢印Q方向に回転させながら、
ホッパ28から適量ずつ極性吸着剤26Aを吸着剤担持
体19上に供給する。弾性体23は、粉体状の極性吸着
剤を担持して像担持体表面に接触しながら回転し、像担
持体1の表面にその極性吸着剤を塗布する。
【0081】或いは、図17に示すように、吸着剤担持
体19を図12に示した吸着剤担持体と同様に、弾性体
23と、その弾性体23に取り付けられた表層24とを
有するように構成すると共に、その吸着剤担持体19を
回転可能に支持し、ホッパ28から供給された粉体状の
極性吸着剤26Aを表層24の表面に担持させ、その表
層24を像担持体1の表面に接触させながら回転させ
る。これにより、像担持体表面に粉体状の極性吸着剤が
付着する。
【0082】また、図18に示すように、吸着剤担持体
19を図14に示した吸着剤担持体と同様にブラシ27
を有するように構成し、ホッパ28に収容された粉体状
の極性吸着剤26Aをブラシ27に供給し、このブラシ
27が粉体状の極性吸着剤を担持して像担持体表面に接
触しながら回転するように構成することもできる。この
構成によっても像担持体表面に粉体状の極性吸着剤を付
着させることができる。
【0083】さらに、図19に示すように、吸着剤担持
体19を、図15に示した吸着剤担持体と同様に複数の
支持部材29に巻き掛けられて矢印Q方向に回転する無
端ベルト状に構成し、その吸着剤担持体19が、ホッパ
28から供給された粉体状の極性吸着剤26Aを担持し
て、像担持体1の表面に接触しながら回転するように構
成し、これによって像担持体表面に粉体状の極性吸着剤
を付着させることもできる。
【0084】図16乃至図19に示した構成によれば、
全体として粉体状を呈した粒子状の極性吸着剤を像担持
体表面に供給するので、その像担持体表面に付着した画
像流れ物質を効率よく除去することができる。また、こ
れらの構成においては、吸着剤担持体19の表面に極性
吸着剤を固着しておく必要はないので、吸着剤担持体に
固着することが困難な極性吸着剤を用いる場合に、これ
らの構成を有利に採用することができる。勿論、吸着剤
担持体19に極性吸着剤を固着すると共に、粒子状の極
性吸着剤を離脱可能に担持することもできる。
【0085】また、図16乃至図19に示した吸着剤担
持体19も、像担持体表面に接触しながら回転する回転
体として構成されているが、かかる吸着剤担持体19
を、像担持体1の回転に従動して回転するように構成す
ることにより、画像形成装置のコスト上昇を抑えること
ができ、また吸着剤担持体19の表面線速と、像担持体
の表面線速が互いに相違するように構成することによ
り、像担持体表面に付着した画像流れ物質を効率よく除
去することが可能となる。
【0086】図16乃至図18に示した吸着剤材担持体
19とホッパ28とを一体的に組み付けて、これらの全
体をユニット状の画像流れ物質除去装置15として構成
してもよいし、吸着剤材担持体19とホッパ28とを分
離した状態で構成し、吸着剤材担持体19だけ、又はこ
れとホッパ以外の他の部材とによって画像流れ物質除去
装置15を構成してもよい。同様に図19に示した複数
の支持部材29及びこれに巻き掛けられた無端ベルト状
の吸着剤材担持体19と、ホッパ28とを一体的に組み
付けてこれらをユニット状の画像流れ物質除去装置15
として構成し、或いは支持部材29と吸着剤材担持体1
9だけ、又はこれらとホッパ以外の部材とによって画像
流れ物質除去装置15を構成してもよい。
【0087】以上説明した画像流れ物質除去装置は、少
なくとも吸着剤担持体を有しており、かかる画像流れ物
質除去装置を画像形成装置本体に着脱自在に装着するこ
とができるが、画像形成装置を構成する帯電装置、現像
装置、転写装置、及びクリーニング装置のうちの少なく
とも1つと、像担持体と、画像流れ物質除去装置とを共
通のケースに組み付けて一体的なプロセスカートリッジ
とすることもできる。前述の各構成の画像流れ物質除去
装置を具備するプロセスカートリッジを画像形成装置本
体に着脱可能に装着するのである。
【0088】ところで、本発明者が行った多くの実験に
より、放電によって発生した硝酸化合物が像担持体表面
に付着すると、その表面の摩擦係数が高くなり、像担持
体の寿命が増々縮められるという注目すべき事実を明ら
かにすることができた。本発明の理解のため、以下にこ
の点を明らかにする。
【0089】図20は、直径30mmのドラム状の像担持
体を用いると共に、その表面線速を114mm/secに設定
し、A4サイズの転写材を横向きで搬送して像担持体と
転写ローラの間に通紙したときの通紙枚数と像担持体表
面の摩擦係数の関係を調べた実験結果を示している。こ
のとき吸着剤担持体19は取り外し、画像流れ物質の除
去動作は行わない。ここに示した摩擦係数はオイラーベ
ルト式で測定、計算したものであり、これは図23に示
した摩擦係数も同じである〔日本機械学会機械工学便覧
基礎編A3力学・機械力学P35(1986)参照〕。
【0090】図20のaは、帯電装置によって像担持体
表面を帯電させず、しかも図1に示したクリーニングブ
レード17を像担持体表面に圧接させたときの実験結果
である。また、図20のb,c,dは帯電装置により像
担持体表面を帯電したが、クリーニング装置を取り外
し、像担持体表面のクリーニング動作を行わなかったと
きの実験結果であって、bは図1に示した帯電チャージ
ャ3により像担持体表面を帯電し、cは図2に示した帯
電ローラ20に直流電圧(DC)を印加して像担持体表
面を帯電し、またdは同じ帯電ローラ20に対して交流
電圧に直流電圧を重畳した帯電電圧(AC+DC)を印
加して像担持体表面を帯電したときの結果をそれぞれ示
している。
【0091】図20から判るように、aの場合、すなわ
ち帯電装置を作動させず、この装置の放電により生じる
画像流れ物質が像担持体表面に付着することがないとき
は、通紙枚数のいかんにかかわらず、像担持体表面の摩
擦係数は増大せずにほぼ一定に保たれている。これに対
し、b,c,dの場合、すなわち帯電装置の放電により
発生した画像流れ物質が像担持体表面に付着したとき
は、像担持体表面の摩擦係数が高まり、帯電チャージャ
3、帯電ローラ(DC)20、帯電ローラ(AC+D
C)20の順に高くなっている。
【0092】図21は、図1に示したクリーニングブレ
ード17を像担持体表面に圧接させるほかは、上述の
a,b,c,dと同じ条件で転写材を通紙したときの通
紙枚数と像担持体表面の摩耗量との関係を調べた実験結
果を示している。この図から判るように、像担持体表面
の摩耗量は、像担持体表面の摩擦係数と同じ傾向を示
し、a,b,c,dの順に摩耗量が増大している。その
理由は、図22に示したように像担持体表面の摩擦係数
が高くなればなる程、クリーニングブレード17は、像
担持体1の表面の移動方向Aに引きずられて変形する量
が多くなる。すなわち図22にJ1,J2,J3で示す
ように、この順に、像担持体表面の摩擦係数が高いとき
に、クリーニングブレード17の変形量が大きくなって
いる。クリーニングブレード17の変形量が大きくなる
と、そのブレード17による像担持体表面への線圧は高
くなり、その表面の摩耗量が多くなる。
【0093】上述のように、像担持体表面に画像流れ物
質が付着すると、像担持体の寿命が増々短かくなり、従
ってその画像流れ物質を除去してやれば、像担持体の寿
命を伸ばすことができるのである。
【0094】図23は、直径14mmの帯電ローラ20
(図2)を用い、これに交流電圧(サイン波、1Kh
z、1.8KvPP)+直流電圧(−950V)を印加
して、像担持体を回転させて転写材を通紙し、かつ像担
持体表面に対してクリーニング装置によるクリーニング
動作を行わなかったときの通紙枚数と像担持体表面の摩
擦係数の関係を調べた実験結果を示している。図23中
のeは、図12に示した吸着剤担持体19を像担持体表
面に圧接させ、その圧縮変形量を1mmにして、これを連
れ回りさせたときの実験結果を示し、fは吸着剤担持体
19による画像流れ物質除去動作を行わなかったときの
結果を示している。
【0095】また、図24のe,fは、図1に示したク
リーニングブレード17を像担持体表面に圧接させるほ
かは、図23のe,fと同じ条件で転写材を通紙したと
きの通紙枚数と像担持体表面の摩耗量の関係を示してい
る。この図から、吸着剤担持体19に担持したゼオライ
トにより像担持体表面に付着した画像流れ物質を除去す
れば、像担持体表面の摩耗量を約半分に減少できること
を理解できる。図8に示したように、像担持体表面の画
像流れ物質を除去しない場合には、像担持体表面の摩耗
量が、通紙枚数100K枚で約3μm以下のとき、画像
流れが発生しているが、図24のeの場合、通紙枚数が
100Kで、像担持体表面の摩耗量が約3μm以下のと
きも、画像流れの発生はなかった。
【0096】以上説明した画像形成装置は、画像流れ物
質除去装置と、その吸着剤担持体に担持された極性吸着
剤が当接する像担持体を具備している。かかる画像形成
装置において、前述の各吸着剤担持体19を設ける位置
は適宜設定できるが、図1乃至図3、図10乃至図12
及び図14乃至図19に示したように、像担持体表面の
移動方向に関し、像担持体上の転写残トナーを除去する
クリーニング手段が像担持体表面に当接した位置よりも
下流側であって、潜像形成手段(図示した例ではレーザ
書き込みユニット5)による像担持体への潜像書き込み
位置よりも上流側の像担持体部分に吸着剤担持体19が
接触するように、その吸着剤担持体19の位置を設定す
ることが好ましい。このようにすれば、吸着剤担持体1
9に担持された極性吸着剤によって画像流れ物質を除去
した後の像担持体表面に静電潜像を形成できるので、異
常画像の発生を効果的に防止できる。
【0097】さらに、図示した例のように、像担持体表
面の移動方向に関し、帯電装置による像担持体への帯電
領域よりも下流側であって、潜像形成手段による像担持
体への潜像書き込み位置よりも上流側の像担持体部分に
吸着剤担持体19が接触するように、その吸着剤担持体
の位置を設定すると、帯電装置の帯電領域において画像
流れ物質が付着した像担持体表面部分が、即座に、吸着
剤担持体19が当接した位置に達し、ここでその画像流
れ物質を分解吸収でき、その表面に静電潜像を形成する
ので、異常画像の発生をより一層確実に防止することが
できる。
【0098】また、吸着剤担持体19をいずれの位置に
設けた場合も、画像流れ物質除去後の摩擦係数の低下し
た像担持体表面にクリーニング手段が当接するので、そ
のクリーニング手段による像担持体表面の摩耗量を低減
させることができる。異常画像の発生を防止し、かつ像
担持体表面の摩耗量の低減を同時に達成できるのであ
る。
【0099】前述のように、放電生成物を吸着する極性
吸着剤としては、ゼオライト、シリカアルミナ系吸着
剤、シリカゲル、アルミナゲル、活性アルミナ、活性白
土のうちの少なくとも1つを用いることができるが、特
にゼオライトは、その空洞に画像流れ物質を静電的に吸
着でき、その除去効果を高めることができる。ゼオライ
トの分子構造の酸素環は、3、4、5、6、8、10、
12、18の8種類が存在し、いずれの酸素環のゼオラ
イトも採用可能であるが、当該酸素環が6員環以上、特
に8員環以上であると、その空洞の入口径が大きいた
め、画像流れ物質を効果的に吸着させることができる。
【0100】また、像担持体としてアモルファスシリコ
ン感光体を用いると、その表面の硬度が高いため、像担
持体の寿命を大きく伸ばし、しかも極性吸着剤によりそ
の像担持体表面に付着した画像流れ物質を除去して、異
常画像の発生を防止することができる。表面に、例えば
0.1μm以下のアルミナ粉などからなるフィラーを分
散した層を有する感光体を像担持体として用いた場合も
同様である。
【0101】次に、ゼオライトを担持した吸着剤担持体
を用いることによって、像担持体表面から画像流れ物質
を効果的に除去できることを明らかにするため、これに
関連する実験結果を説明する。
【0102】この実験では、図25乃至図30に模式的
に示した装置を用い、その像担持体としては、直径30
mm、軸方向長さ340mmのドラム状感光体を用いた。そ
して、この像担持体1を、A4サイズの転写紙を横送り
で50000枚通紙した時間に相当する時間だけ回転さ
せ、その回転終了後に像担持体表面に付着している硝酸
アンモニウムの量を測定した。この硝酸アンモニウムの
量は、像担持体1の全周面に付着した硝酸アンモニウム
の総量である。
【0103】図25及び図26の場合には、除電ランプ
2によって像担持体表面を除電しながら、帯電チャージ
ャ3と、帯電ローラ20でそれぞれ像担持体1の表面を
帯電した。吸着剤担持体による画像流れ物質の除去動作
や、クリーニング部材によるクリーニング動作は行わな
い。このときの像担持体表面の硝酸アンモニウムの付着
量を便宜上、それぞれとで表わすものとする。
【0104】図27及び図28の場合には、図25及び
図26に示した動作を行うと共に、スポンジローラより
成る弾性体23のまわりに、ゼオライトを固着した紙製
の表層24を巻き付けた吸着剤担持体19を、像担持体
表面に圧接させ、像担持体1の表面線速の1.3倍の表
面線速で矢印方向に回転させて、像担持体表面に付着し
た硝酸アンモニウムを除去した。像担持体表面に圧接し
た吸着剤担持体19の部分の圧縮変形量は2mmであっ
た。このときの硝酸アンモニウムの付着量を,で表
わす。
【0105】図29の場合には、図26に示した動作を
行うと共に、像担持体1の表面にクリーニングブレード
17を圧接させた。このときの硝酸アンモニウムの付着
量をで表わすものとする。
【0106】図30の場合には、図29に示した動作を
行うほか、図27及び図28に示した吸着剤担持体19
と全く同じ吸着剤担持体19を、同じ条件で像担持体1
の表面に圧接させた。このときの硝酸アンモニウムの付
着量をで表わすものとする。
【0107】図31乃至図35は、上述の各硝酸アンモ
ニウムの付着量乃至を示すグラフである。図31か
ら判るように、帯電チャージャ3によって像担持体表面
を帯電した場合(図25)よりも、帯電ローラ20(図
26)で帯電した場合の方が、像担持体表面に付着した
硝酸アンモニウムの量は多くなっている。
【0108】また、図32から判るように、像担持体を
帯電ローラ20で帯電した場合、像担持体表面の硝酸ア
ンモニウムを除去しないとき(図26)よりも、ゼオラ
イトによって像担持体表面の硝酸アンモニウムを除去し
たとき(図28)の方が、W1で示すだけ、硝酸アンモ
ニウムの付着量が減少している。この減少分がゼオライ
トによる硝酸アンモニウムの除去量であると考えられ
る。
【0109】また、図33から判るように、帯電チャー
ジャ3により像担持体1を帯電し、かつゼオライトによ
り像担持体表面の硝酸アンモニウムを除去した場合(図
27)には、像担持体表面の硝酸アンモニウムを実質的
に全て除去することができた。
【0110】さらに、図34から判るように、像担持体
を帯電ローラ20で帯電したままの場合(図26)より
も、その像担持体にクリーニングブレード17を圧接さ
せた場合(図29)の方がW2で示す量だけ、硝酸アン
モニウムの付着量が減少している。この減少分が、クリ
ーニングブレード17により像担持体表面から除去され
た硝酸アンモニウムの量であると考えられる。
【0111】また、図35から判るように、帯電ローラ
20により像担持体を帯電し、かつゼオライトにより像
担持体表面に付着した硝酸アンモニウムを除去し、さら
にクリーニングブレード17を像担持体表面に圧接させ
た場合(図30)には、像担持体上の硝酸アンモニウム
を実質的に全て取り去ることができた。
【0112】上述の実験例からも、極性吸着剤によって
像担持体表面に付着した画像流れ物質を効果的に除去で
きることを理解できる。
【0113】本発明は、帯電した像担持体表面を像露光
して、その表面電位の絶対値が低下した部分を地肌部と
し、その絶対値が高く維持された部分を静電潜像とし、
ここにトナーを付着させてトナー像を形成する画像形成
装置や、カラー画像を形成する画像形成装置などにも広
く適用できるものである。
【0114】
【発明の効果】請求項1及び14乃至20に係る各発明
によれば、画像流れ物質に基因する異常画像の発生を阻
止し、ないしは効果的に抑制することができる。
【0115】請求項2乃至13に係る各発明によれば、
画像流れ物質に基因する異常画像の発生を阻止し、ない
しは効果的に抑制できる画像流れ物質除去装置又はプロ
セスカートリッジを供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置の一例を示す部分断面概略図であ
る。
【図2】画像形成装置の他の例を示す部分断面概略図で
ある。
【図3】画像形成装置のさらに他の例を示す部分断面概
略図である。
【図4】像担持体表面に対するクリーニングブレードの
線圧と、像担持体表面の摩耗量の関係を示すグラフであ
る。
【図5】像担持体表面に対するクリーニングブラシの押
圧力と像担持体表面の摩耗量の関係を示すグラフであ
る。
【図6】像担持体表面に異常画像が形成される理由を説
明する図である。
【図7】像担持体表面の電位を説明する図である。
【図8】通紙枚数と像担持体表面の摩耗量の関係を示す
図である。
【図9】像担持体の回転に伴うクリーニングブレードの
動作を説明する図である。
【図10】図1に示した吸着剤担持体の拡大図である。
【図11】図10のXI−XI線に沿う断面図である。
【図12】吸着剤担持体の他の例を示す、図10と同様
な断面図である。
【図13】セルロース繊維に固着したゼオライトを示す
説明図である。
【図14】吸着剤担持体としてブラシを用いた画像流れ
物質除去装置の概略図である。
【図15】吸着剤担持体として無端ベルトを用いた画像
流れ物質除去装置の概略図である。
【図16】吸着剤担持体に粉体状の極性吸着剤を担持さ
せる例を示す概略図である。
【図17】吸着剤担持体に粉体状の極性吸着剤を担持さ
せる他の例を示す概略図である。
【図18】吸着剤担持体に粉体状の極性吸着剤を担持さ
せるさらに他の例を示す概略図である。
【図19】吸着剤担持体に粉体状の極性吸着剤を担持さ
せるさらに別の例を示す概略図である。
【図20】通紙枚数と像担持体表面の摩擦係数の関係の
一例を示す図である。
【図21】通紙枚数と像担持体表面の摩耗量の関係の一
例を示す図である。
【図22】クリーニングブレードの挙動を説明する図で
ある。
【図23】通紙枚数と像担持体表面の摩擦係数の関係の
例を示す図である。
【図24】通紙枚数と像担持体表面の摩耗量の関係を示
す図である。
【図25】実験に用いた装置の概略図である。
【図26】実験に用いた装置の概略図である。
【図27】実験に用いた装置の概略図である。
【図28】実験に用いた装置の概略図である。
【図29】実験に用いた装置の概略図である。
【図30】実験に用いた装置の概略図である。
【図31】実験結果を示すグラフである。
【図32】実験結果を示すグラフである。
【図33】実験結果を示すグラフである。
【図34】実験結果を示すグラフである。
【図35】実験結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 像担持体 15 画像流れ物質除去装置 19 吸着剤担持体 23 弾性体 24 表層 26 ゼオライト 26A 極性吸着剤 27 ブラシ 29 支持部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 20/12 B01J 20/12 A C 20/18 20/18 B 20/28 20/28 A G03G 5/08 105 G03G 5/08 105 5/147 503 5/147 503 21/18 15/00 556 (72)発明者 高垣 博光 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 谷川 清 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 田中 千秋 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H068 AA04 CA33 FA16 FC15 2H071 BA04 BA13 BA27 CA01 CA05 DA06 DA08 DA13 2H134 GA01 GB06 GB10 HA05 HA09 HA17 HB05 HB19 KD04 KD08 KD11 KD16 KG01 KG08 KH01 KH15 4G066 AA20B AA22B AA61B AA64B AC02C AC10C AC11C AC24C BA01 BA02 BA07 BA09 BA16 CA28 CA29 CA38 CA43 CA51 DA20 EA20

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 極性吸着剤を像担持体に接触させること
    を特徴とする画像流れ物質除去方法。
  2. 【請求項2】 極性吸着剤を担持した吸着剤担持体を具
    備することを特徴とする画像流れ物質除去装置。
  3. 【請求項3】 前記極性吸着剤が前記吸着剤担持体に固
    着されている請求項2に記載の画像流れ物質除去装置。
  4. 【請求項4】 粒子状の極性吸着剤が前記吸着剤担持体
    に離脱自在に担持されている請求項2又は3に記載の画
    像流れ物質除去装置。
  5. 【請求項5】 前記吸着剤担持体は、極性吸着剤が担持
    された弾性体を有している請求項2、3又は4に記載の
    画像流れ物質除去装置。
  6. 【請求項6】 前記吸着剤担持体は、弾性体と、該弾性
    体に取り付けられた表層とを有し、該表層に前記極性吸
    着剤が担持されている請求項2、3又は4に記載の画像
    流れ物質除去装置。
  7. 【請求項7】 前記吸着剤担持体は、極性吸着剤が担持
    された繊維より成るブラシを有している請求項2、3又
    は4に記載の画像流れ物質除去装置。
  8. 【請求項8】 前記吸着剤担持体は、複数の支持部材に
    巻き掛けられた無端ベルト状に構成され、該無端ベルト
    状の吸着剤担持体の表面に極性吸着剤が担持されている
    請求項2、3又は4に記載の画像流れ物質除去装置。
  9. 【請求項9】 前記吸着剤担持体は回転体として構成さ
    れている請求項2、3、4、5、6、7又は8に記載の
    画像流れ物質除去装置。
  10. 【請求項10】 前記極性吸着剤は、ゼオライト、シリ
    カアルミナ系吸着剤、シリカゲル、アルミナゲル、活性
    アルミナ、活性白土のうちの少なくとも1つより成る請
    求項2、3、4、5、6、7、8又は9に記載の画像流
    れ物質除去装置。
  11. 【請求項11】 前記極性吸着剤はゼオライトより成
    り、該ゼオライトの分子構造の酸素環が6員環以上であ
    る請求項2、3、4、5、6、7、8又は9に記載の画
    像流れ物質除去装置。
  12. 【請求項12】 前記極性吸着剤はゼオライトより成
    り、該ゼオライトの分子構造の酸素環が8員環以上であ
    る請求項2、3、4、5、6、7、8又は9に記載の画
    像流れ物質除去装置。
  13. 【請求項13】 請求項2、3、4、5、6、7、8、
    9、10、11又は12に記載の画像流れ物質除去装置
    を具備し、画像形成装置本体に着脱可能に装着されるユ
    ニット状に構成されたことを特徴とするプロセスカート
    リッジ。
  14. 【請求項14】 請求項2、3、4、5、6、7、8、
    9、10、11又は12に記載の画像流れ物質除去装置
    と、その吸着剤担持体に担持された極性吸着剤が当接す
    る像担持体を具備することを特徴とする画像形成装置。
  15. 【請求項15】 前記吸着剤担持体は、像担持体に従動
    して回転する請求項14に記載の画像形成装置。
  16. 【請求項16】 前記吸着剤担持体の表面線速と、像担
    持体の表面線速が互いに相違している請求項14に記載
    の画像形成装置。
  17. 【請求項17】 前記吸着剤担持体は、像担持体表面の
    移動方向に関し、像担持体上の転写残トナーを除去する
    クリーニング手段が像担持体に当接した位置よりも下流
    側であって、潜像形成手段による像担持体への潜像書き
    込み位置よりも上流側の像担持体部分に接触している請
    求項14、15又は16に記載の画像形成装置。
  18. 【請求項18】 前記吸着剤担持体は、像担持体表面の
    移動方向に関し、帯電装置による像担持体への帯電領域
    よりも下流側であって、潜像形成手段による像担持体へ
    の潜像書き込み位置よりも上流側の像担持体部分に接触
    している請求項14、15、16又は17に記載の画像
    形成装置。
  19. 【請求項19】 前記像担持体がアモルファスシリコン
    感光体より成る請求項14、15、16、17又は18
    に記載の画像形成装置。
  20. 【請求項20】 前記像担持体が表面にフィラーを分散
    した層を有する感光体より成る請求項14、15、1
    6、17又は18に記載の画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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