JP2004163770A - 画像形成装置 - Google Patents

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Hiromitsu Takagaki
高垣  博光
Hidetoshi Yano
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Abstract

【課題】吸着部材に除去気流を通過させることによって、像担持体の帯電で生じる放電生成物質によって生じる画像流れを、手間をかけずに防止し続けることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】送風ダクト内でフィルタ39より帯電装置側に送風装置としてのファン44を設ける。そして、フィルタの機能回復時には、ファンを通常画像形成動作時とは逆方向に回転させ、除去気流を発生させる。このように、フィルタに通常画像形成動作時とは逆方向の気流を通過させることによって、フィルタに付着していたアンモニア等の汚染物質や水分を除去気流による物理的な力によってフィルタから引き離し帯電装置から離れた方向へ送り出す。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンター等の画像形成装置に係り、詳しくは、表面に潜像を担持する像担持体と、該像担持体を帯電する帯電手段とを備えた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の画像形成装置としては、像担持体としての感光体上に静電潜像を形成するにあたり感光体表面を種々の方法で一様帯電するものが知られている。一様帯電の方法としては、コロナ放電を発生させて感光体に接触しないで帯電するコロナ非接触帯電方式や、帯電ローラ、帯電ブラシ等の帯電部材に電圧を印加して感光体に接触させて帯電する接触帯電方式等がある。更に、感光体から少し離して設けた非接触帯電ローラに電圧を印加して感光体を帯電する方式もある。
上記のような種々の帯電方式においては、感光体を一様帯電する際に放電を伴う。そして、その放電時に窒素酸化物(NO)等の放電生成物質が発生する。上記コロナ非接触帯電方式では、コロナ放電によって放電生成物質が発生する。上記接触帯電方式では、接触帯電部材にバイアスを印加した際、接触帯電ローラが感光体と接触する部分の両側において放電が生じ、放電生成物質が発生する。また、非接触帯電ローラを用いる方式では、非接触帯電ローラと感光体との非接触対向部において、放電が生じ、放電生成物質が発生する。この放電生成物質の発生量は、特定の温度条件下においてはコロナ非接触帯電方式より帯電ローラや帯電ブラシ等による接触帯電方式が多い。これより更に、非接触帯電ローラを用いる方式が多い。なぜなら、非接帯電ローラへの印加バイアスは接触帯電ローラより強くする必要があるからである。
【0003】
上記放電生成物質である窒素酸化物(NO)は、空気中等の水分等と反応し、次のようにして硝酸化合物質を生じる。
先ず、窒素酸化物(NO)と水(HO)とが反応して硝酸(HNO)が生成され、この硝酸(HNO)と空気中のアンモニアガス(NH)とが反応して硝酸化合物質の一例である硝酸アンモニウム(NHNO)が生成される。硝酸アンモニウムは、ほとんどが空気中で微粒子として生成され、その後、感光体に付着するものと考えられる。
硝酸化合物質は高吸水性の物質であるため低湿環境下では抵抗が高いが、高湿環境下では空気中の水分を吸収して抵抗が低くなるという性質がある。このような硝酸化合物質が感光体表面に付着して薄い膜を形成すると、硝酸化合物質の吸湿作用によって感光体表面の抵抗値が低くなる。このため、硝酸化合物質が感光体表面上の画像部と非画像部とに跨って付着していると、後述するように、露光によって発生した電荷が感光体表面で露光領域を越えて流れてしまう。その結果、画像がぼけた状態、或いは白抜けた状態となる異常画像、すなわち画像流れが発生する。
【0004】
図13は、感光体表面に硝酸化合物質(以下、放電生成物質という)が付着していない場合(a)と付着している場合(b)とのそれぞれの場合について感光体表面電位を示したものである。図13(a)に示すように、放電生成物質が付着していない場合、帯電手段によって一様帯電されてその電位が帯電電位VDとなり、その後露光手段によってレーザー光が照射された領域Lの電位が露光電位VLとなる。
一方、図13(b)に示すように、感光体表面に放電生成物質が付着している場合、図13(a)と等しい領域に露光を行った結果、露光した領域Lの感光体表面は露光電位VLまで下がらず帯電電位に近いVL′となった。更に、その露光領域に隣接した領域の感光体表面は、露光されていないにも関わらず一様帯電の電位VDからやや下がった電位となった。これは、感光体表面に付着し水分を吸収した放電生成物質によって感光体表面の放電生成物質付着部が低抵抗化し、露光によって発生した電荷が感光体表面を露光領域を超えて周囲に広がってしまうためである。その結果、露光領域では電位が充分に下がらず、露光領域外では電位が多少下がってしまうため、シャープで深い潜像が形成されず、現像しても画像が流れたりぼやけたりして異常画像となってしまう。
【0005】
上記感光体上に放電生成物質である硝酸化合物質が付着して生じる異常画像を防止するため従来より種々の提案もなされている。
【0006】
特許文献1は、感光体表面に付着した硝酸化合物質を除去するために、感光体表面に水を塗布する水塗布部材と、感光体表面から水を除去する水除去部材とを設けたものである。この発明は、感光体表面に付着した硝酸化合物質が水溶性であることを利用して画像流れを発生させる原因物質(以下、画像流れ原因物質という)である硝酸化合物質を除去するものである。これによって、感光体表面に付着した画像流れ原因物質を機械的に削り取ることなく除去することができる。
【0007】
また、感光体表面への硝酸化合物質の付着によって生じる異常画像を防止するための他の提案として、特許文献2及び3がある。特許文献2は、感光体周囲の環境温度・湿度を検知する温度・湿度検知手段を設けたものである。これは、温度・湿度検知手段の検知結果に基づいて感光体表面温度を加熱制御することで、画像流れを防止している。また、特許文献3は、画像形成装置内にヒータを含む装置内温度制御手段を設けたものである。これは、装置内雰囲気温度を、感光体表面の抵抗値が適切な範囲に保持される除湿状態の所定温度に制御維持することで、画像ボケや画像流れ等の異常画像を防止している。
これら特許文献2及び3は、いずれも、放電生成物質の発生量が環境条件のうち湿度に依存しており、湿度が高くなる程発生量が多くなるという関係を利用して課題を解決している。図14は、絶対湿度と放電生成物質のイオン量との関係を示したものである。この図より、絶対湿度の上昇に伴って放電生成物質のイオン量が増加することが分かる。また、増加の速度は絶対湿度に対して二次関数的であり、特に絶対湿度が20[g/m]以上で増加速度が急激に速まる。他の実験データによると、感光体表面に付着する放電生成物質のイオン量が、2×E−10[mol/cm]以上で画質が極端に劣化する事が分かっている。感光体表面に付着する放電生成物質のイオン量がこの量に達する絶対湿度は20[g/m]を超えた辺りである。
【0008】
以上のように、従来より硝酸化合物質に起因する異常画像を防止するために種々の提案がなされている。しかし、上記特許文献1の発明のように感光体表面に水を塗布すると、感光体表面は一般に疎水性を有しているため、塗布した水は感光体表面の疎水性により、まばらな水滴となって感光体表面に付着する。従って、感光体表面に水を塗布したとき、画像流れ原因物質がその水に溶け込んだとしても、画像流れ原因物質を含んだ水溶液が水滴となって感光体表面にまばらな状態で付着することになる。このような水滴が水除去部材によって拭き取られると、感光体表面の水滴が付着している部分と、水滴が付着していない部分とで、画像流れ原因物質の除去効果に相違が生じる場合がある。画像流れ原因物質の除去効果に相違が生じると、拭き取り後の感光体表面の抵抗値等の特性が不均一となり、安定した異常画像防止効果が得られない恐れがある。
また、上記特許文献2及び3の発明はいずれも、ヒータによって感光体を加熱し、感光体周囲の水分を蒸発させることによって画像流れなどの異常画像を防止している。これは、加熱による消費エネルギーが大きい。近年、環境問題などから省エネが求められており、ヒータによる加熱を行わずに画像流れを防止できるようにすることが望まれるところである。また、ヒータによって感光体を加熱するので、トナーのブロッキングが発生しやすくなる欠点も免れない。
【0009】
そこで、本出願人は先に、特願平14−070693号において画像流れ原因物質である硝酸アンモニウム生成に必要となる水やアンモニアを空気中から除去しておく構成を提案した。これは、帯電部材の周辺に送り込む空気をその上流で極性吸着剤としてのゼオライトを含む部材に通過させ、予め水分とアンモニアガスとを除去した後に送り込むものである。これにより、帯電部材周辺においては空気中の湿度とアンモニア濃度とをある程度抑える。そして、帯電部材周辺で窒素酸化物(NO)が発生しても、その周辺の空気中に硝酸アンモニウム生成に必要である水分やアンモニアガスがあまり存在しないようにし、その生成を抑えている。また、硝酸アンモニウムが生成されて感光体に付着しても、硝酸アンモニウムに吸収され感光体表面の抵抗値を低下させる要因となる水分があまり存在しないようにし、感光体表面の抵抗値を低下させることを防止している。
この提案によって、画像流れ原因物質自体の生成を防止できるので、感光体表面に付着した画像流れ原因物質の除去効果に相違が生じる恐れがなく、異常画像防止効果が不安定となることがない。また、ヒータなどの加熱手段を用いる必要もないので、ヒータを使用する場合に比して省エネルギーを実現できると共に、感光体上のトナーが加熱によってブロッキングすることを回避することもできる。
【0010】
【特許文献1】
特開昭60−49352号公報
【特許文献2】
特開2000−132070号公報
【特許文献3】
特開2001−75461号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、特願平14−070693号で本出願人は画像流れを防止するのに有効な発明を提案した。そして、この発明では、経時使用によって水分やアンモニアガスの吸着性能が低下した場合には、極性吸着剤を含む部材であるフィルタを新規部材に交換してその性能を維持できるようにしていた。
しかし、交換にはある程度手間がかかり、またフィルタの位置によっては交換しにくい場合があるため、吸着部材を含む部材の交換を行わずに、吸着性能を復帰させることができるようにすることが望まれるところである。
【0012】
本発明は以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、像担持体の帯電で生じる放電生成物質によって生じる画像流れを、手間をかけずに防止し続けることができる画像形成装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、像担持体と、該像担持体を放電を伴って帯電する帯電部材と、該像担持体上に潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像をトナー像化する現像手段と、極性吸着剤を含む吸着部材と、該吸着部材を通過した空気が該帯電部材が設けられている位置に送り込まれるような向きに気流を発生させる送り込み気流発生手段とを有する画像形成装置において、上記吸着部材が吸着した物質を物理的な力で除去する除去気流を発生させる除去気流発生手段を設け、該吸着部材に該除去気流を通過させることを特徴とするものである。
ここで、吸着部材に該除去気流を通過させるとは、気流が吸着部材内部を通過させるのに限らず、表面を通過させるものも含む。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記除去気流の向きを、上記送り込み気流発生手段によって発生させる気流の向きとは逆向きにしたことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の画像形成装置において、上記除去気流の風量又は風圧を、上記送り込み気流発生手段によって発生させる気流に比して大きくしたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1、2、又は3の画像形成装置において、上記除去気流発生手段による除去気流発生時において、上記吸着部材が設けられている位置と上記帯電部材が設けられている位置との間の送風径路を遮断する遮断部材を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1、2、3、又は4の画像形成装置において、上記除去気流発生手段による除去気流の発生を、上記帯電部材による像担持体の帯電動作が終了した後に行うことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1、2、3、4、又は5の画像形成装置において、上記除去気流発生手段による除去気流の発生を、画像形成動作が終了し画像形成装置本体のメインスイッチがoffされた後に行うことを特徴とするものである。
ここで、上記除去気流の送風時間は予め一定時間に設定しておいても良いし、画像形成枚数等の各種条件に応じて変化するように設定しておいても良い。
また、請求項7の発明は、請求項1、2、3、4、5、又は6の画像形成装置において、画像形成枚数をカウントするカウント手段を設け、上記除去気流発生手段による除去気流の発生を、該カウント手段によるカウントが所定の値に達するごとに行うことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、又は7の画像形成装置において、上記除去気流発生手段による除去気流の発生を、上記吸着部材以外の部材又はユニットの交換時期が近づいたときにその交換前に行うことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、又は8の画像形成装置において、温度と湿度の少なくとも一方を検知する検知手段を設け、上記除去気流発生手段による除去気流の発生を、該検知手段による検知結果に基づいて行うことを特徴とするものである。
ここで、上記検知手段としてのセンサ設置位置は、画像装置の本体内部、装置外部、又は装置を設置している空間で装置から離れた位置など種々考えられる。
また、請求項10の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、又は9の画像形成装置において、互いに異なる色のトナー像がそれぞれ形成される複数の像担持体と、各像担持体をそれぞれ帯電する帯電部材とを有することを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10の画像形成装置において、上記像担持体が、表面にフィラーを分散した層を有することを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10の画像形成装置において、上記像担持体が、アモルファスシリコン感光体であることを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12の画像形成装置において、少なくとも上記像担持体と上記帯電部材とを収容するユニットケースを設け、上記吸着部材が設けられている位置を通過した送り込み気流が、該ユニットケース内部に送り込まれるように上記送り込み気流発生手段を構成したことを特徴とするものである。
請求項1乃至13の画像形成装置においては、除去気流発生手段によって発生させた除去気流を吸着部材に通過させる。吸着部材には、送り込み気流発生手段によって発生させた送り込み気流の通過により、アンモニアガス等の汚染物質や水分が物理的吸着などで吸着している。このような吸着部材に除去気流を通過させ、その気流の風圧など物理的な力でアンモニアガス等の汚染物質や水分を除去する。これによって、アンモニアガス等の汚染物質や水分の吸着部材への吸着量が飽和状態となった場合でも、再び吸着性能を復帰させることができる。よって、吸着部材を交換することなく、汚染物質や水分の吸着性能を復帰させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を画像形成装置である湿式電子写真複写機に適用した実施形態について説明する。
【0015】
〔実施形態1〕
図1は画像形成装置の一例を示す部分断面概略図である。ここに示した画像形成装置は、その本体20内に設けられた像担持体としてのドラム状の感光体1を有し、画像形成動作の開始に伴って、感光体1は図1における時計方向(矢印A方向)に回転駆動される。このとき感光体1表面には除電ランプ2からの光が照射されて該感光体1表面が除電作用を受け、その表面電位が初期化される。一方、感光体1には帯電装置3が対向配置され、図1に例示した帯電装置3は、帯電部材の一例である帯電ローラ4と、その帯電ローラ4を回転自在に保持する保持部材21とを有している。この帯電ローラ4に帯電電圧が印加され、これにより生じる放電によって、初期化された感光体1表面が所定の極性に、例えば−900[V]に一様に帯電される。帯電装置3と除電ランプ2との間には遮光部材28が設けられている。
【0016】
感光体1としては、表層に、0.1[μm]以下のアルミナ粉などからなるフィラーを分散した層を有する感光体1を用いている。このような感光体1を用いることによって、表面の硬度が高く、その摩耗量が少なくなる。
ドラム状の感光体1に代え、複数のローラに巻き掛けられて回転駆動される無端ベルト状の感光体1、或いは誘電体より成る感光体1などを用いることもできる。いずれの場合も、像担持体はその表面が移動するように支持される。
【0017】
上述のようにして帯電された感光体1表面には、潜像形成手段の一例であるレーザ書き込み装置5から出射する光変調されたレーザ光Lが照射され、これによって感光体1に画信号に対応した静電潜像が形成される。レーザ光を照射された感光体1表面の電位は、例えば−150[V]となり、ここが静電潜像、すなわち画像部となり、レーザ光の照射されない感光体1表面部分の電位はほぼ−900[V]に維持され、ここが地肌部となる。LEDを有する潜像形成手段などを用いることもできる。このように、帯電後の感光体1を露光して静電潜像を形成するのである。
【0018】
静電潜像は、これが現像装置6を通るとき、トナー像として可視像化される。ここに一例として示した現像装置6は、以下のものを有している。即ち、トナーとキャリアを有する乾式の二成分系現像剤Dを収容した現像ケース7と、感光体1に対向配置されて回転する現像ローラ8と、回転しながら現像剤Dを撹拌するスクリュー9,10とを有している。トナーは、キャリアとの摩擦によって所定の極性、図の例ではマイナス極性に帯電され、かかるトナーを含む現像剤Dは現像ローラ8の周面に担持されて搬送され、現像ローラ8と感光体1との間の現像領域に運ばれる。このとき、現像ローラ8には、所定の現像バイアス(例えば−600[V]の電圧)が印加される。これによって現像領域に運ばれて磁気ブラシ状となった現像剤中のトナーが感光体1に形成された静電潜像、すなわち画像部に静電的に移行し、その静電潜像がトナー像として可視像化される。キャリアを含まない粉体状の一成分系の現像剤や、液状の現像剤などを用いる現像装置を採用することもできる。
【0019】
また、感光体1には、転写装置の一例である転写ローラ11が対置され、この転写ローラ11は感光体1表面に当接しながら図1における反時計方向に回転駆動される。さらに、画像形成装置本体20の下部には給紙装置22が設けられ、この給紙装置22の給紙カセット23,24には転写材3が収容され、いずれかの給紙カセット23又は24から矢印B方向に給送された転写材3は、レジストローラ対12の回転によって所定タイミングで矢印方向に送り出され、転写ローラ11と感光体1との間を通過する。このとき転写ローラ11には、感光体1上のトナー像のトナーと逆極性、本例ではプラスの転写電圧が印加されている。これにより感光体1表面に形成されたトナー像に整合できるタイミングで送り出された転写材P上に、そのトナー像が転写される。
【0020】
転写ローラ11と感光体1の間を通った転写材Pは、分離爪13により感光体1から分離されて定着装置25を通過し、このとき、熱と圧力の作用によって、転写されたトナー像が転写材上に定着される。次いでこの転写材Pは、排紙ローラ対26によって画像形成装置本体外の排紙トレー27上に排出される。転写ローラ11に代えて、例えば転写チャージャ、転写ブラシ又は転写ブレード、又はこれらと転写ベルトを有する転写装置などを用いることもできる。
【0021】
図1に示した画像形成装置においては、転写材Pとして、例えば紙、樹脂シート又は樹脂フィルムなどから成る記録媒体が用いられる。そして、無端ベルト状又はドラム状の中間転写体より成る転写材を用いて以下のように構成することもできる。感光体1上のトナー像をその中間転写体より成る転写材に一次転写し、次いでその中間転写体上のトナー像を紙や樹脂シートなどから成る記録媒体に二次転写する。その二次転写されたトナー像を定着装置により定着するように構成する。このように、感光体1上に形成されたトナー像を、記録媒体又は中間転写体より成る転写材に転写して画像形成を行うのである。
【0022】
上述のようにトナー像の転写が行われる転写位置を通過した感光体1表面に付着しているトナーは、クリーニング装置14により除去される。図1に一例として示したクリーニング装置14は、クリーニングケース16と、クリーニングブレード17と、トナー排出スクリュー18とを有し、そのクリーニングブレード17によって感光体1上のトナーが掻き取り除去される。クリーニングブレード17は、ケース16に基端部が支持され、先端部が感光体1表面に圧接したゴムなどの弾性体より成る。除去されたトナーは、回転するトナー排出スクリュー18によってクリーニングケース外に排出される。このようにして、転写材に転写されずに感光体1表面に残された転写残トナーが感光体1表面から除去される。クリーニングブレード17は、感光体1表面に当接して、その表面に付着したトナーを除去するクリーニング手段の一例を構成している。図示した形式のクリーニング装置以外の各種形態のクリーニング装置を採用してもよいことは当然である。
【0023】
図1に符号15で示したものは、必要に応じて設けられる画像流れ原因物質吸着部材であるが、これについては後に説明する。
【0024】
以上説明した画像形成用の各要素は、排紙トレー27を除いて全て画像形成装置本体20内に配置されている。しかも、本例の画像形成装置においては、感光体1、除電ランプ2、遮光部材28、帯電装置3、現像装置6、クリーニング装置14、及び画像流れ原因物質吸着部材15は、ユニットケース29に組み付けられている。図2にも示すように、これらの要素によって一体的な作像ユニット30が構成されている。感光体1は、ユニットケース29に回転自在に支持され、そのユニットケース29に形成された感光体1用の開口61を通して外部に露出し、転写ローラ11に当接する。上述した要素の一部を省略し、或いは他の要素を追加して作像ユニットを構成することもできる。要は、作像ユニットは、少なくとも、感光体1と、その感光体1を帯電する帯電装置がユニットケースに組み付けられて一体的に構成されるものである。
【0025】
また、画像形成装置本体20の前面側は、図3に示すように、他の画像形成装置本体部分に対して矢印E,E1方向に開閉自在に支持された開閉カバー31として構成されている。その開閉カバー31を開くことにより、上述の作像ユニット30を、画像形成装置本体20に固設された図示していないガイドレールによって案内しながら、図3に鎖線矢印Fで示すように画像形成装置の手前側に引き出すことができる。逆に作像ユニットをガイドレールによって案内しながら画像形成装置本体の奥側へ押し込んでセットすることができる。このように作像ユニット30が寿命となったとき、これを容易に交換することができる。
【0026】
図1に示した画像形成装置においては、感光体1の表面を帯電する帯電装置として、感光体1表面から離間して配置された帯電ローラ4と、これを保持する保持部材21を有する帯電装置が用いられている。これ以外の帯電装置を用いてもよいことは当然である。例えば、チャージワイヤ、帯電ブレード又は帯電ブラシから成る帯電部材と、これらをそれぞれ保持する保持部材を有する帯電装置などを用いることもできる。チャージワイヤを有する帯電装置は、そのチャージワイヤがケース状に形成された保持部材に取り付けられ、そのチャージワイヤに帯電電圧を印加することにより生じる放電によって、感光体1を所定の極性に帯電するものである。かかる帯電装置は、一般にコロナ放電器或いはコロナチャージャと称せられているものである。
【0027】
以上のように、画像形成装置は、感光体1と、該感光体1を帯電する帯電装置と、その帯電装置により帯電された感光体1に静電潜像を形成する潜像形成手段と、該静電潜像をトナー像として可視像化する現像装置と、該トナー像を転写材に転写する転写装置と、トナー像の転写が行われる転写位置を通過した感光体1表面に付着しているトナーを除去するクリーニング装置とを具備する。クリーニング装置を省くこともでき、この場合には、転写残トナーを、例えば現像装置によって感光体1表面から除去するように構成することができる。以上説明した画像形成装置の構成は、後述する各構成の画像形成装置に共通するものである。
【0028】
上述した形式の画像形成装置においては、帯電装置の帯電部材、図1に示した例では帯電ローラ4に所定の帯電電圧を印加し、このとき生じる放電によって感光体1を帯電させるものである。その放電によって画像流れ原因物質が生成される。このため、従来の画像形成装置においては、その画像流れ原因物質が感光体1表面に多量に付着して、異常画像が発生するおそれを免れなかった。これは、帯電ローラ以外の帯電部材を有する帯電装置の場合も同様である。
【0029】
異常画像を発生させる画像流れ原因物質として、各種の物質が存在するものと考えられるが、本発明者は、その画像流れ原因物質を特定すべく鋭意工夫を行った結果、その主成分として硝酸アンモニウムを見出した。この硝酸アンモニウムは次のようにして生成されるものと考えられる。
【0030】
先ず、窒素酸化物NOと水(HO)とが反応して硝酸(HNO)が生成される。この硝酸(HNO)と空気中のアンモニアガス(NH)とが反応して硝酸化合物質の一例である硝酸アンモニウム(NHNO)が生成される(次式参照)。
水とNOとの反応
4NO+O+2HO→4HNO
硝酸アンモニウムの生成反応
NH+HNO→NHNO
【0031】
硝酸アンモニウムは、ほとんどが空気中で微粒子として生成され、その後、感光体1に付着するものと考えられる。このようにして、感光体1表面に付着した画像流れ原因物質は、水溶性であるため、高湿時に空気中の水分を吸収して感光体1表面の抵抗値を低下させる。従ってかかる画像流れ原因物質が、感光体1表面の画像部と地肌部にまたがって多量に付着したとき、これを放置したとすれば、高湿時に例えば画像がぼけた状態、ないしは白抜け状態となる異常画像、すなわち画像流れが発生する。
【0032】
クリーニング装置のクリーニングブレードによって感光体1表面に付着した画像流れ原因物質を掻き取ることもできる。しかし、全ての画像流れ原因物質を除去することは困難である。クリーニングブレードによる画像流れ原因物質の除去だけでは、画像形成装置の動作時間が経過するに従って感光体1上に画像流れ原因物質が蓄積して異常画像が発生するおそれを免れない。特に、感光体1の寿命を伸ばすべく、表面硬度の高い感光体1を用いたり、転写残トナーの除去効率が極端に低下しない程度に感光体1表面へのクリーニングブレードの当接圧を弱めた場合、次のようになる。即ち、クリーニングブレードによって、感光体1表面に付着した画像流れ原因物質を除去できる量も少なくなるので、異常画像が発生しやすくなる。感光体1表面に対する当接圧がクリーニングブレードよりも弱いクリーニングブラシを用いたクリーニング装置や、感光体1に対する当接圧の弱いクリーニング剤を用いたクリーニング装置を採用したり、クリーニング装置を用いない場合も同様である。
【0033】
そこで、本例の帯電装置3は、極性吸着剤を含んだ部材を通過した空気が帯電ローラ4を流通し得るように構成されている。空気中には、異常画像の発生原因となるアンモニアガスなどの汚染物質が含まれているが、かかる汚染物質と水分を極性吸着剤に吸着させることにより、異常画像の発生を防止するのである。以下、その具体的構成例を説明する。
【0034】
図4は、画像形成装置本体20内の作像ユニット30の帯電ローラ軸方向断面図である。また、図5は、帯電ローラ軸方向一端近傍の部分断面図である。帯電ローラ4は金属などの導電性材料より成る芯軸32と、そのまわりに固定された抵抗層33とを有し、かかる帯電ローラ4は感光体1の表面に対向配置されている。この帯電ローラ4の抵抗層33を感光体1の表面に当接させてもよい。図示した例では、帯電ローラ4の抵抗層長手方向各端部領域に粘着剤付きのフィルム状テープより成るギャップ維持部材34が固定される。そのギャップ維持部材34が感光体1表面に当接し、これによって帯電ローラ4の抵抗層33が感光体1表面から微小ギャップGをあけて位置している。
【0035】
保持部材21は、感光体1を向いた側が開放された箱状に形成される。その長手方向各端部領域の壁部35にそれぞれ形成された孔36に芯軸32の各端部が、軸受を介して回転自在に、しかも感光体1表面に対して接離する方向に移動可能に嵌合する。しかもその芯軸32は、上記各孔36に設けられた圧縮ばね37によって感光体1表面に向けて加圧されている。帯電ローラ4がこのように保持部材21に組み付けられて保持され、ギャップ維持部材34が感光体1表面に圧接しながら、該帯電ローラ4が感光体1の回転に従動して矢印I方向(図1)に連れ回りする。感光体1と帯電ローラ4にそれぞれ同心状に設けたギア(図示せず)を噛み合わせ、感光体1の回転を帯電ローラ4に伝えて、その帯電ローラ4を矢印I方向に回転駆動することもできる。
【0036】
帯電ローラ4と感光体1との間の微小ギャップGは100[μm]以下、好ましくは20乃至80[μm]、特に好ましくは40乃至50[μm]に設定される。かかる状態で芯軸32に帯電電圧が印加され、これにより生じる放電によって感光体1が帯電される。
【0037】
また、帯電ローラ4の軸方向端部においては、画像形成装置本体手前側の端部に形成された入口開口40にフィルタ39が固定されている。このフィルタ39は、極性吸着剤を含んだ吸着部材の一構成例をなすものであり、空気の流通を許容する基材、例えばスポンジに、極性吸着剤が担持された部材である。極性吸着剤としては、後述するように例えばゼオライトが用いられる。
【0038】
また、ユニットケース29の外部には、送風ダクト45が配置され、その空気流出口43は、フィルタ39に整合して位置する。この送風ダクト45は、画像形成装置本体20の開閉カバー31の内側面に固定されている。それと共に、その開閉カバー31に沿って延び、その先端の空気流入口42に対向して、開閉カバー31以外の画像形成装置本体部分に支持されたファンより成る送風装置44が設けられている。送風ダクト45の空気流出口43の側の端部は、弾性部材41に圧接している。
【0039】
送風装置44の作動によって、外部の空気が、送風ダクト45内に導入され、次いでその空気は図4に矢印H2で示すようにフィルタ39を通ってユニットケース29内に送り込まれる。送り込まれた空気は、帯電ローラ4に沿って流れ、その帯電ローラ4と感光体1との間の放電領域を流通し、矢印H3で示すように、ユニットケース29の奥側端部に形成された出口開口70を通してユニットケース29の外部に流出する。ユニットケース29外に排出された空気は画像形成装置本体内で循環し、最終的に送風ダクト50を通過して画像形成装置本体外に排出される。ユニットケース29外に出た空気を即座に画像形成装置外に排出させるように構成してもよい。
【0040】
また、図4に示すように、画像形成装置本体20に固定された出口側の送風ダクト50を出口開口70に整合させて設け、その送風ダクト50中にファンより成る送風装置46を設けてもよい。この送風装置46によっても空気を矢印H3方向に付勢するように構成することもできる。これにより空気をより確実に流通させることができるが、両送風装置44,46のいずれか一方を設けるだけであってもよい。これら送風装置44,46が送り込み気流送風手段である。
【0041】
上述のように、外部から取り入れられた空気がフィルタ39を通過するとき、そのフィルタ39の極性吸着剤に、空気中に含まれるアンモニアガスなどの汚染物質や水分が吸着される。そして、アンモニア濃度と湿度の低下した空気が帯電装置3の内部に送り込まれる。
【0042】
上述の如く、極性吸着剤を含んだ部材(この例ではフィルタ39)を通過した空気が帯電部材(この例では帯電ローラ4)を流通するように構成することにより、次のことができるようになる。即ち、放電によって窒素酸化物が発生しても、帯電ローラ4のまわり、特に放電領域に汚染物質と水分の少ない空気が存在するので、画像流れ原因物質の生成が効果的に抑制される。よって、感光体1上に異常画像が発生することを阻止することができる。
尚、極性吸着剤を含んだフィルタ39、39Aを設ける位置は、上記の位置に限定されるものではない。少なくとも、帯電ローラ4を設けた位置に送り込まれる気流が、その前に吸着部材に接触するような位置であれば良い。よって、また、フィルタ39、39A5の設置場所はそれぞれ、送風装置44,46の前でも後ろでも構わない。また、ユニットケース29の外でも内でも構わない。フィルタ39、39Aは両方同じものでも構わない。
【0043】
ここで、前述の極性吸着剤としては、ゼオライト、シリカアルミナ系吸着剤、シリカゲル、アルミナゲル、活性アルミナ、活性白土などを用いることができるが、特にゼオライトを用いることが好ましい。以下、ゼオライトの機能を説明する。
【0044】
一般にゼオライト結晶はアルミノケイ酸塩の3次元骨組み構造を持つ縮合アニオンの大きな空洞に水分子と交換性のカチオンが含まれている。カチオンの種類と数によって多様な構造をとっている。従って、ゼオライトの性質としては、結晶内の酸素による環状構造の空洞による分子ふるい作用、可逆的なイオン交換作用を示す。さらに、分子ふるい作用やカチオンの作用による分子の形状および寸法に応じて、あるいは双極子、四極子、不飽和結合を有する物質及び分極性の強い物質などを吸着分離する作用を示す(吸着分離作用)。また、結晶を構成する空洞内の電子ポテンシャルエネルギー場の中を物質が移動することができる(空洞内拡散)。結晶内の空洞径が、現時点で最も小さい3A型ゼオライト(約3Åの空洞径)でも、水分を吸着することなどにより乾燥作用を持っていると共にアンモニア、水素、メタノールなども吸着する。ゼオライトの1種であるモレキュラーシーブ(商品名)などは結晶内にカチオンを持っているためこのカチオンとの静電引力による極性分子に対して活性アルミナやシリカゲルよりも強い親和性を示す(イオン親和性作用)。さらに、各種の化学反応を引起す触媒作用も示す。
【0045】
以上のような一般的性能を持つゼオライトをスポンジ、ブラシ、紙、布、フェルト、プラスチックス、ゴムなどの基材に担持させ、これをシート状、ローラ状、板状、スティック状、ハニカムなどの形態にする。このようにして極性吸着剤を含んだ部材を構成することにより、前述の如くアンモニアガスなどの汚染物質や水分を物理的及び化学的に吸着して空気中から除去することができる。
【0046】
上述のように、極性吸着剤としては、ゼオライト、シリカアルミナ系吸着剤、シリカゲル、アルミナゲル、活性アルミナ、活性白土のうちの少なくとも1つを用いることができる。特にゼオライトは、その空洞に画像流れ原因物質を静電的に吸着でき、その除去効果を高めることができる。ゼオライトの分子構造の酸素環は、3、4、5、6、8、10、12、18の8種類が存在し、いずれの酸素環のゼオライトも採用可能である。当該酸素環が6員環以上、特に8員環以上であると、その空洞の入口径が大きいため、画像流れ原因物質を効果的に吸着させることができる。
【0047】
上記構成の画像形成装置と従来構成の画像形成装置とで、画像形成した通紙枚数に対する感光体1上に付着する硝酸アンモニウム量を調べた結果を図6に示す。図6において、「○」印は本実施形態1の装置、「●」印は従来構成の装置を用いたときの結果である。また、図7は、感光体1上に付着する硝酸アンモニウム量と画像流れの発生ランクの関係を示した図である。図6より、従来の装置においては通紙枚数にほぼ比例して硝酸アンモニウム量も増加している。これに対して本実施形態の装置は、硝酸アンモニウム量がほぼ1.5×E−10[mol/cm]で平衡状態となる。図7より、硝酸アンモニウム量がほぼ2×E−10[mol/cm]を超えると画像流れが発生するようになるが、本実施形態においては、その閾値である2×E−10[mol/cm]を超えない。よって、通紙枚数が増加しても画像流れを防止することができる。
【0048】
ところで、先に図1を参照して説明したように、本例の画像形成装置には、極性吸着剤を含んだ画像流れ原因物質吸着部材15が設けられている。この画像流れ原因物質吸着部材15は、例えば図示する如きブラシローラや、スポンジローラ又はその他のローラ、或いは回転しないシート、スポンジブロック体などから成る基材に極性吸着剤を担持させたものである。かかる画像流れ原因物質吸着部材15を感光体1表面に当接させて、その極性吸着剤を感光体1表面に接触させ、感光体1表面に付着した画像流れ原因物質を極性吸着剤に吸着させる。この極性吸着剤としても、先に例示したものを用いることができ、特に分子構造の酸素環が6員環以上のゼオライトを用いることが好ましい。
【0049】
極性吸着剤を含んだ部材を通過した空気を画像形成装置本体内、特に感光体1のまわりに流通させる先に説明した構成は、主として、空気中の汚染物質の濃度や湿度を低下させる。これにより、感光体1のまわりでの画像流れ原因物質の発生を抑えるものである。これに対し、画像流れ原因物質吸着部材15は、感光体1表面に付着した画像流れ原因物質を積極的に除去するものである。前述の構成と、画像流れ原因物質吸着部材15とを共に採用することによって、異常画像の発生をより一層確実に防止することができる。
【0050】
ところで、ゼオライトを含んだフィルタ39,39Aにおいては、細孔の効果などにより、空気中に存在するアンモニア(ガス)を吸着することができる。この吸着方法には、主には物理的な吸着と化学的反応による吸着がある。いずれにしても吸着できる容量などは、システムの使用条件やフィルタの使用方法によって決まってくるところが大きい。だが、通常の使用状態においては、空気中のアンモニア濃度は微量なためかなりの長期サイクルで使用できる。ただ、吸着も永久的に行われるわけではないので、吸着能力が低下(吸着性能の低下)してくることが考えられる。本出願人は先に、フィルタ39,39Aを新しい部材と交換するための具体的な構成を提案した。これに対し、本実施形態においては、フィルタ39,39Aを交換せずに吸着性能を維持できるようにしている。
吸着性能を維持するためには、極性吸着剤を含んだ部材に吸着したアンモニアを引き離すことが有効であることが分かっている。以下に、本実施形態の特徴部であるフィルタ39,39Aの吸着性能回復のための構成について説明する。
【0051】
[実施例1]
図8(a)(b)は、実施例1にかかる説明図である。本実施例1においては、送風ダクト内でフィルタ39より帯電装置側に送風装置としてのファン44を設ける。そして、通常画像形成動作時には図8(a)に示すように、H4の方向に気流を発生させる。これに対し、フィルタ39の吸着性能回復を行う時(以下、機能回復時)には、図8(b)に示すように、ファン44を通常画像形成動作時とは逆方向に回転させ、除去気流であるH5の方向の気流を発生させる。このように、通常画像形成動作時とは逆方向の気流をフィルタ39に通過させることによって、H4方向の気流によってフィルタ39に付着していたアンモニア等の汚染物質をフィルタ39から物理的に引き離す。そして、帯電装置から離れた方向へ送り出す。また、フィルタ39に吸着されていた水分も、除去気流に乗って帯電装置から離れた方向へ送り出す。
ここで、アンモニアや水分のフィルタ39への吸着量がフィルタ39にとって飽和状態であるとき、それらは物理的な力でフィルタ39から離れやすくなっている。このときに、画像形成時と同じ風圧の気流を逆方向から当てると、飽和状態に比してアンモニアや水分の吸着量が少ない状態になることが本発明者の鋭意研究によって明らかとなった。
そして、本実施例1においては上記のように、除去気流発生手段としてのファン44を通常画像形成動作時に帯電装置に気流を送り込むための送り込み気流発生手段であるファン44と同一のものを用い、気流の向きを逆向きにした。
更に、本実施例1においては、フィルタ39の機能回復時に行うファン44の除去気流の風量又は風圧を、通常画像形成動作時に行う送り込み気流のそれに比して大きくした。これにより、除去気流がフィルタ39に与える物理的な力を、より強くした。
【0052】
[実施例2]
図9(a)(b)は、実施例2にかかる説明図である。本実施例2においては、ダクト45内のフィルタより帯電ローラ4に近い位置に、ダクト内とユニットケース内との送風径路である連通部を遮断する遮断部材としてのシャッタ151を設けた。シャッタは機能回復時以外では図9(a)に示すようにダクト上部に上がっており、ファン44によって発生する送りこみ気流が帯電ローラ4側へ送り込まれるようになっている。機能回復時において、シャッタはダクト45内の送風径路に対しての上部から下方に下がる。これによってファン44によって気流が発生されてもその気流は帯電ローラ4側へ届かないようになっている。ここで、シャッタを移動させる方法としては、ソレノイド、カムなどを用いた一般的な手段を用いることができる。更に、ダクトを形成している壁面のうち下部壁面を、途中で2つに分け、感光体1に近い側にある内壁(以下、下ダクトという)45bを傾斜させると共に図9(a)中で左右に移動可能にした。更に、通常は下ダクト45bとダクトとが密着するよう下ダクト45bをダクト45側に押圧させた。また、下ダクト45bとダクトとの接触位置、及びシャッタとダクトとの接触位置には、弾性体41を設け、予期せぬ気流漏れが生じないようにしている。
機能回復時にシャッタが下方に下がり下ダクト45bに当接すると、シャッタに押圧されて下ダクト45bがダクトから離間する方向(図中右方向)に移動する。これによって、図9(b)のように、ダクトの下部でシャッタのフィルタ寄りに開口117が生じ、気流の新たな流路ができる。
上記構成によって、機能回復時には、ファン44が通常画像形成動作と同じ方向に気流を発生させる。この気流はフィルタを通過した後、シャッタに当たり、方向を変えてダクト下部の開口117から排出される。よって、機能回復時にアンモニア等の汚染物質や水分を物理的に除去し、この除去気流をユニットケース内以外の領域へ送ることができる。
【0053】
また、本実施例2においては、機能回復のための除去気流の発生を、帯電動作をするごとにその帯電動作終了後一定時間行うようにしている。一連のタイミング制御は次のようにしている。
帯電動作時には図9(a)に示すようにシャッタを開けた状態でファン44を駆動する(ステップ1)。
帯電動作が終了すると、ファン44の駆動はそのままで、シャッタを下ろし図9(b)の状態にする。この状態で一定時間ファン44の送風を行い、フィルタ39から汚染物質や水分を除去する(ステップ2)。
一定時間が経過した後に、シャッタを開け通常画像形成動作に戻る(ステップ3)。
このように帯電動作終了ごとに機能回復動作を行うことによって、機能回復動作が頻繁に行われるようになり、フィルタ39の吸着性能をそれほど低下させずに維持することができる。
【0054】
更に、本実施例2においては、機能回復のための除去気流の発生を、画像形成装置本体のメインスイッチがoffされた後に一定時間行うようにしている。一連のタイミング制御は次のようにしている。
一連の画像形成動作が終了し、ユーザーがメインスイッチをoffする(ステップ1)
シャッタを下ろして図9(b)の状態にし、一定時間ファン44の送風を行って、フィルタ39から汚染物質や水分を除去する(ステップ2)
一定時間が経過した後に、ファン44の送風を停止する共にシャッタを開けて装置を停止する(ステップ3)。
このように画像形成装置本体のメインスイッチがoffされた後に機能回復動作を行うことによって、帯電動作終了後ほど頻繁で行われないが、確実にフィルタ39の機能回復を行うことができる。
【0055】
[変形例1]
上記実施例1及び実施例2の変形例1について説明する。この変形例においては、画像形成枚数として転写材上に転写した枚数をカウントするカウンタを画像形成装置本体に設けている。そして、機能回復のための除去気流の発生タイミングを、カウンタのカウント枚数が所定の値に達するごとに一定時間行うようにしている。
出力枚数を管理するためにカウンタを設けることは通常行われている。このカウンタの出力値から感光体1の帯電動作回数も知ることができる。このため、カウンタの出力値が増すことは、画像流れ原因物質である硝酸アンモニウムを生成する原料となる窒素酸化物NOの発生量も増加することになる。
本変形例では、カウンタが予め設定した値に達するごとに機能回復動作を実行する。これによって、装置の画像形成動作速度であるマシンスピードやユーザの使用頻度に応じて、機能回復動作を行う。
【0056】
[実施形態2]
次に、本発明を適用する他の構成の画像形成装置について説明する。上記実施形態1の画像形成装置は、単色画像を形成する画像形成装置について説明した。本実施形態2は、互いに異なる色のトナー像がそれぞれ形成される複数の感光体1Y,M,C,BKと、各感光体1Y,M,C,BKをそれぞれ帯電する帯電ローラ4Y,M,C,BKとを有するタンデム型の画像形成装置である。
図10はかかる画像形成装置の一例を示す概略図である。本実施形態の画像形成装置は、実施形態1と同様の構成部分については説明を省略し、本装置特有の構成についてのみ以下に説明する。実施形態2における画像形成装置は、前述の作像ユニット30と同様に構成された複数の作像ユニット30Y,30M,30C,30BKを有している。これらの作像ユニットの各感光体1Y,M,C,BKにはそれそれ符号1Y,1M,1C,1BKを付してある。これらの作像ユニットの上方には潜像形成手段の一例であるレーザ書き込みユニット5が配置されている。
【0057】
本実施形態2の感光体1Y,M,C,BKとしては、アモルファスシリコン感光体を用いている。このような感光体1Y,M,C,BKを用いることによって、表面の硬度が高く、その摩耗量が少なくなる。よって、実施形態1と同様に、クリーニングブレード17の圧接した感光体1Y,M,C,BK表面の摩耗を抑え、その感光体1Y,M,C,BKの寿命を大きく伸ばすことができる。
【0058】
各感光体1Y,M,C,BKには、実施形態1の画像形成装置の場合と同様にして、イエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像及びブラックトナー像がそれぞれ形成される。その各トナー像は、感光体1Y,M,C,BKに対向して配置され、矢印方向に回転駆動される無端ベルト状の中間転写体62より成る転写材上に重ねて転写され、その重ね合わせトナー像は、最終転写材P上に一括して転写される。転写材Pに転写されたトナー像は図示していない定着装置によって定着される。
【0059】
図11は、図10の画像形成装置を作像ユニット上方から見た平面図、図12は正面図である。各作像ユニット30Y,30M,30C,30BKの帯電装置に空気を送り込むために、画像形成装置本体20の開閉カバー31の内側面に送風ダクト45を固定している。そして送風装置44の作動によって送風ダクト45内に取り入れられた空気を、送風ダクト45の分岐管45Y,45M,45C,45BKを通して各帯電装置に送り込む。開閉カバー31を開くことによっていずれの作像ユニットの帯電装置をも着脱することができる。また各分岐管45Y,45M,45C,45BKに、フィルタ39Y,M,C,BKを装着している。また、実施形態1で適用した各構成を適宜、図10に示した画像形成装置に採用することができる。
【0060】
以上の構成によって複雑なダクト形状にもならずに低コスト化が図れる。また、メンテナンスや内部操作処理(例えば紙ジャム処理など)を含めてユニットの脱着が必要な場合には、開閉カバー31を開けることで送風ダクト45を装置内部から離間させることができる。よって、送風ダクト45を解除する等の操作が不要となり、操作性が向上される。このような構成を本実施形態2のような複数の各作像ユニット30Y,30M,30C,30BKを有するタンデム型の画像形成装置に適用することは、特に有用性が高い。
【0061】
本実施形態2の画像形成装置においては、機能回復のための除去気流の発生を、作像ユニット30Y,30M,30C,30BKの交換時期が近づいたときにその交換前に一定時間行うようにしている。作像ユニット30Y,30M,30C,30BK内部の帯電ローラ4Y,M,C,BKや感光体1Y,M,C,BK等は経時的に劣化するため、ユニットごと又は内部の部材単位で交換やメインテナンスのが必要となる。本実施形態においては、作像ユニット30Y,30M,30C,30BKを所定の寿命ごとに交換する構成している。このため装置には、作像ユニット30Y,30M,30C,30BKを所定の寿命間近を検知する検知手段を設けている。
そして、装置が作像ユニット30Y,30M,30C,30BKの寿命間近を検知すると、その寿命までの間に機能回復動作を行うようにしている。そして、除去気流として通常画像形成動作時に発生させる気流と同じ方向でかつファン44の除去気流の風量又は風圧を、通常画像形成動作時に行う送り込み気流のそれに比して大きくした。ここで、機能回復動作時に、除去気流を作像ユニット30Y,30M,30C,30BK内部に送り込むと、アンモニア等の汚染物質や水分を多く含んだ空気が帯電装置近傍に供給されることになる。このため、画像流れ発生物質が多く生成されてしまうことになる。しかし、フィルタ39Y,M,C,BKより引き離したアンモニアや水分がユニット内部に送り込まれてから画像流れが発生するまでにはある程度の時間がかかる。上記のように機能回復動作を行ってからあまり画像形成動作が行われないうちに作像ユニット30Y,30M,30C,30BKの交換が行われるため、画像流れが生じない。
【0062】
また、本実施形態2の画像形成装置においては、温度と湿度の少なくとも一方を検知する検知手段として温湿度センサ80を作像ユニット30Y,30M,30C,30BKの上部に設けている。そして、機能回復のための除去気流の発生を、温湿度センサ80の検知結果に基づいて行っている。
ゼオライトに対するアンモニアの吸着効率は、温度や湿度によって変化し、高温度時や高湿度時に吸着しやすい。これと同様、ゼオライトからアンモニアを引き離す場合も、高温度や高湿度時に離れやすい。そこで、機能回復動作を行う時の条件として、温度と湿度を一定以上に設定している。これによって機能回復動作を効率的に行うことができる。
尚、温湿度センサ80は実施形態1のようにモノクロの画像形成装置に設けても、同様の効果を得ることができる。
【0063】
尚、実施形態2の変形例として、機能回復のための除去気流の発生を行うときに、フィルタ39Y,M,C,BK側に高温の空気を流し込み、ゼオライトに対するアンモニアの吸着効率が高い状態を能動的に形成しても良い。このように構成すれば、機能回復動作を更に効率的に行うことができる。
また、フィルタ39Y,M,C,BK側に流し込む高温の空気には、定着部の熱を利用することが考えられる。これによって、加熱装置を新たに設ける場合に比して省エネ及び低コスト化を実現することができる。
【0064】
実施形態1及び2においては、図2に示すように感光体1と帯電部材4等をユニットケース29内に一体的に収容している。このユニットケース29には、下部に感光体1用の開口61、上部にレーザー光照射用の開口が設けられており、気流の通路として手前に入口開口40、奥側に出口開口70が設けられている。これ以外は開口部を有していない。ユニットケース29をこのように構成することによって、フィルタ39から流入した空気は出口開口70及び、感光体1用の開口61、レーザー光照射用の開口から外部に流出する。これらの開口以外はユニット内が略気密状態となっているので、ユニットケース29を設けない場合に比して、帯電装置周辺を画像流れ原因物質が発生しにくい状態を安定的に形成することができる。
【0065】
以上実施形態1及び2においては、本件発明を適用した画像形成装置について説明した。
ここで、画像流れの発生状況は、種々の条件によって異なる。その条件としては例えば、帯電方式がコロナ帯電、接触ローラ帯電、非接触ローラ帯電等のいずれか。クリーニング方式がブレードクリーニング、ブラシクリーニング等のいずれか。感光体1の硬さが通常の硬さ、通常より硬めのフィラー入り感光体、アモルファスシリコン感光体等のいずれか等がある。これらの組合せによって、画像流れの発生状況が違ってくる。したがって、ゼオライトを含んだフィルタ39、39Y,M,C,BKや画像流れ原因物質吸着部材15を寿命交換部品とするか、交換部品とせずに本体に据え置き機能回復動作を行うかは装置の構成によって適した条件が異なる。また、これらフィルタ39、39Y,M,C,BKや画像流れ原因物質吸着部材15を装置のどこに設けるかも装置の構成によって適した条件が異なる。
尚、本件発明の考案の画像流れを防止する上で、特に効果がある組合せは、非接触ローラ帯電方式と硬い感光体1とを用いた装置である。
また、上記実施形態1及び2においては、ゼオライトを含んだ部材としてフィルタ39、39Y,M,C,BKやブラシを用いた。しかし、このような形態に限定されるものではなく、シート状、ローラ状、板状、スティック状、ブロック上など用途に合わせて形状を選択すればよい。このとき、ゼオライトを紙、繊維、布、フェルト、プラスチックス、ゴム、スポンジなどに坦持させたり含有させたりして、それぞれの形態に加工すれば、用途に合せた形状にすることができる。
【0066】
上記実施形態1の実施例1においては、機能回復時にはファン44によって発生させる除去気流の向きを通常画像形成動作時の向きH4とは逆方向H5にしている。これによって、フィルタ39の吸着性能をフィルタ39を交換せずに気流の向きを変えるという容易な方法で回復させることができる。
上記実施形態1の実施例1においては、機能回復時にはファン44によって発生させる除去気流の風量又は風圧を、通常画像形成動作時に行う送り込み気流のそれに比して大きくしている。これによって、既にフィルタ39に吸着されているアンモニア等の汚染物質を除去するためにフィルタに与える物理的な力が強くなり、より確実にフィルタから除去することができる。この他、ファン44によって発生させる気流の向きを通常画像形成動作時の向きH4とは逆方向H5にし、かつ風量又は風圧を大きくすることも可能である。このようにすれば、汚染物質を含んだ気流が帯電部材のある位置に送り込まれる恐れもなくなる。
上記実施形態1の実施例2においては、機能回復時に遮断部材としてのシャッタによってフィルタ39と帯電ローラ4との間のダクトが遮断される。よって、機能回復時にフィルタから除去されるアンモニア等の汚染物質や水分が除去気流に乗って帯電ローラ4周辺に流れないようにすることができ、画像流れの発生を防止することができる。
上記実施形態1の実施例2においては、帯電動作終了ごとに機能回復動作を行っている。帯電動作は頻繁に行われるため、機能回復動作も頻繁に行われるようになり、フィルタ39の吸着性能をそれほど低下させずに良好な状態を維持することができ、フィルタ39の寿命向上にも繋がる。
更に、上記実施形態1の実施例2においては、メインスイッチがoffされた後に一定時間機能回復動作を行っている。これによって、メインスイッチがoffされるごとに確実にフィルタ39の機能回復を行うことができる。また、メインスイッチoff後に行う機能回復動作は、ユーザーが画像形成動作が再開されるまで待ったり画像形成動作が途中で中断したりすることがないため、ユーザーにわずらわしさを感じさせることがないというメリットもある。
更に、上記実施形態1の実施例1及び実施例2の変形例1においては、カウンタのカウント枚数が所定の値に達するごとに機能回復動作を一定時間行うようにしている。これによって、装置のマシンスピードやユーザの使用頻度等に応じて、機能回復動作を行うことができるので、その装置に適したフィルタ39の性能維持が可能となる。特に、実施例2においては、これに加えて機能回復動作をメインスイッチがoffされるごとにも行っている。これによって、いずれか一方のタイミングのみで機能回復動作を行うよりも画像流れ発生防止効果をより高めることができる。
更に、上記実施形態1の実施例1及び実施例2の変形例1においては、装置が作像ユニット30Y,30M,30C,30BKの寿命間近を検知すると、その寿命までの間に機能回復動作を一定時間行うようにしている。これによって、除去気流が帯電装置近傍に進入しても、画像流れが発生するまでに装置が作像ユニット30Y,30M,30C,30BKが交換されるので、画像流れを生じることがない。また、除去気流が帯電装置近傍に進入しても構わないため、送風ダクトに除去気流が帯電装置側へ流れ込まないようにするためのシャッタ等を設ける必要も無く、低コストでフィルタ39の機能回復を実現することができる。
実施形態2においては、機能回復動作を、温度や湿度がゼオライトに対するアンモニアの吸着効率が高い条件のときに行うようにしている。これによって、フィルタ39Y,M,C,BKの機能回復動作を効率的に行うことができる。
また、実施形態2においては、タンデム型画像形成装置において、フィルタ39Y,M,C,BKの機能回復動作を可能に構成し、フィルタ39Y,M,C,BKを交換せずに機能回復ができるようにしている。これによって、1つの装置に4個設けているフィルタ39Y,M,C,BKをいずれも交換する必要がなくなり、実施形態1のような単色の装置に比して低コスト化による効果が大きい。
上記実施形態1の感光体1は表面にフィラーを分散した層を有するものを用いている。また、実施形態2の感光体1Y,M,C,BKはアモルファスシリコン感光体を用いている。いずれの場合も、表面硬度を高くすることができ、クリーニングブレード17の圧接した感光体表面の摩耗を抑え、その感光体の寿命を大きく伸ばすことができる。また、このように表面の硬度が高く、その摩耗量の少ない感光体を用いると、その表面に付着した画像流れ原因物質をクリーニングブレードによって効率よく除去できない。このため、異常画像が発生しやすくなるが、本発明の各構成を採用することによって、表面硬度の高い感光体を用いても、異常画像の発生を阻止できる。感光体の長寿命化と、画質の向上を共に達成することができるのである。
実施形態1及び2においては、通常画像形成動作時にファン44から発生される気流がユニットケース29内に送り込まれるようにしている。これによって、画像形成部をユニットケースで仕切らない場合に比して、帯電装置や感光体近傍の作像部をアンモニアガスや水分の少ない状態に安定させることがができる。
【0067】
【発明の効果】
請求項1乃至13の画像形成装置によれば、吸着部材を交換することなく吸着部材の吸着性能を復帰させることができる。よって、像担持体の帯電で生じる放電生成物質に起因する像担持体上での画像流れを、手間をかけずに継続的に防止し続けることができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置の垂直断面図。
【図2】作像ユニットの外観斜視図。
【図3】画像形成装置の外観斜視図。
【図4】画像形成装置本体内の作像ユニットの帯電ローラ軸方向断面図。
【図5】帯電ローラ軸方向一端近傍の部分断面図。
【図6】画像形成した通紙枚数に対する感光体上に付着する硝酸アンモニウム量を調べた結果を示した図。
【図7】感光体1上に付着する硝酸アンモニウム量と画像流れの発生ランクの関係を示した図。
【図8】(a)及び(b)は、実施例1にかかる説明図。
【図9】(a)及び(b)は、実施例2にかかる説明図。
【図10】実施形態2にかかる画像形成装置の概略構成図。
【図11】図10の画像形成装置を作像ユニット上方から見た平面図。
【図12】図10の画像形成装置を作像ユニット上方から見た正面図。
【図13】(a)は、感光体1表面に放電生成物質が付着していない場合の感光体表面電位を示した図。
(b)は、感光体1表面に放電生成物質が付着している場合の感光体表面電位を示した図。
【図14】絶対湿度と放電生成物質のイオン量との関係を示した図。
【符号の説明】
1、1Y,M,C,BK 感光体
3 帯電装置
15 画像流れ原因物質吸着部材
20 画像形成装置本体
21 保持部材
29 ユニットケース
30 作像ユニット
31 開閉カバー
39、39Y,M,C,BK フィルタ
44 送風装置(ファン)
45 送風ダクト
45b 下ダクト
46 送風装置
54 湿度検知手段
60 案内部材
72 送風装置
80 温湿度センサ
P 転写材

Claims (13)

  1. 像担持体と、
    該像担持体を放電を伴って帯電する帯電部材と、
    該像担持体上に潜像を形成する潜像形成手段と、
    該潜像をトナー像化する現像手段と、
    極性吸着剤を含む吸着部材と、
    該吸着部材を通過した空気が該帯電部材が設けられている位置に送り込まれるような向きに気流を発生させる送り込み気流発生手段とを有する画像形成装置において、
    上記吸着部材が吸着した物質を物理的な力で除去する除去気流を発生させる除去気流発生手段を設け、
    該吸着部材に該除去気流を通過させることを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1の画像形成装置において、
    上記除去気流の向きを、上記送り込み気流発生手段によって発生させる気流の向きとは逆向きにしたことを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1又は2の画像形成装置において、
    上記除去気流の風量又は風圧を、上記送り込み気流発生手段によって発生させる気流に比して大きくしたことを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1、2、又は3の画像形成装置において、
    上記除去気流発生手段による除去気流発生時において、上記吸着部材が設けられている位置と上記帯電部材が設けられている位置との間の送風径路を遮断する遮断部材を設けたことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1、2、3、又は4の画像形成装置において、
    上記除去気流発生手段による除去気流の発生を、上記帯電部材による像担持体の帯電動作が終了した後に行うことを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1、2、3、4、又は5の画像形成装置において、
    上記除去気流発生手段による除去気流の発生を、画像形成動作が終了し画像形成装置本体のメインスイッチがoffされた後に行うことを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1、2、3、4、5、又は6の画像形成装置において、
    画像形成枚数をカウントするカウント手段を設け、上記除去気流発生手段による除去気流の発生を、該カウント手段によるカウントが所定の値に達するごとに行うことを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1、2、3、4、5、6、又は7の画像形成装置において、
    上記除去気流発生手段による除去気流の発生を、上記吸着部材以外の部材又はユニットの交換時期が近づいたときにその交換前に行うことを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項1、2、3、4、5、6、7、又は8の画像形成装置において、
    温度と湿度の少なくとも一方を検知する検知手段を設け、上記除去気流発生手段による除去気流の発生を、該検知手段による検知結果に基づいて行うことを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、又は9の画像形成装置において、
    互いに異なる色のトナー像がそれぞれ形成される複数の像担持体と、
    各像担持体をそれぞれ帯電する帯電部材とを有することを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10の画像形成装置において、
    上記像担持体が、表面にフィラーを分散した層を有することを特徴とする画像形成装置。
  12. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10の画像形成装置において、
    上記像担持体が、アモルファスシリコン感光体であることを特徴とする画像形成装置。
  13. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12の画像形成装置において、
    少なくとも上記像担持体と上記帯電部材とを収容するユニットケースを設け、上記吸着部材が設けられている位置を通過した送り込み気流が、該ユニットケース内部に送り込まれるように上記送り込み気流発生手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
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