JPH11207106A - 流体濾過装置 - Google Patents

流体濾過装置

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JPH11207106A
JPH11207106A JP10010826A JP1082698A JPH11207106A JP H11207106 A JPH11207106 A JP H11207106A JP 10010826 A JP10010826 A JP 10010826A JP 1082698 A JP1082698 A JP 1082698A JP H11207106 A JPH11207106 A JP H11207106A
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JP
Japan
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fluid
container
filter medium
flowable
filter
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Pending
Application number
JP10010826A
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English (en)
Inventor
Katsumi Mogi
克己 茂木
Akira Ueda
晃 上田
Takafumi Furukawa
孝文 古川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 最小限の濾過材で、流体中の懸濁物質を高い
濾過能力で分離することができ、また、濾過材を均一に
ムラ無く洗浄することができ、安価な設備費・運転費で
実施することができる流体濾過装置を提供する。 【解決手段】 縦型密閉円筒容器1内に略円筒状の流体
流通性容器2が略同心状に配設され、流体流通性容器内
に流体流通性の集流体管路11が略同心状に配設され、
流体流通性容器内部で集流性管路の外部の空間には、流
体流通性容器の外壁から流入する流体中の懸濁物質を捕
捉分離する濾過材10が流動可能に収容され、集流体管
路には、前記濾過材を通過した濾過流体を集流体管路に
集めて縦型密閉円筒容器の外部に吐出する流体吐出手段
19が付設され、縦型密閉円筒容器に流入させた流体
に、縦型密閉円筒容器の内周方向に沿って一方向に回転
する力を加える流体回転手段13、14が付設されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般には流体濾過
装置に係り、より詳しくは、濾過材に流体を流して流体
中の懸濁物質を濾過材で捕捉分離する装置に関する。本
発明の装置は、原理的には、湿式もしくは乾式の流体−
固体分離で、気体−乾式固体分離、気体−湿式固体分
離、液体−固体分離を行う装置であり、ある程度の物理
化学的処理、生物学的処理も同時に行い、対象流体によ
っては、流体の洗浄、脱臭をも行うことができるもので
ある。
【0002】
【従来の技術】濾過(固体分離)の手段には、気体に対
し、乾式気体濾過・浄化分野としては、重力、慣性、サ
イクロン等の集塵装置、(濾布)濾過、電気集塵装置
等、およびミストセパレータがあり、また湿式気体・濾
過洗浄分野としてベンチュリースクラバ、充填塔、サイ
クロンスクラバ等があり、さらに各種ガスを吸収・吸着
する吸収・吸着装置・脱臭装置、エアフィルタ等があ
る。
【0003】液体に対しての濾過・浄化は、固液分離装
置、物理化学的処理、生物化学的処理、熱処理等に分類
されるが、本発明に最も関係のある濾過材を使用する水
処理分野、すなわち固液分離装置の中の濾過分離装置に
ついては、(緩速、急速、プレコート)清澄濾過装置と
脱水(圧力、真空、重力、絞り)濾過があり、さらにそ
れぞれ方式により細分化されており、またこの他、沈降
分離装置として、連続濃縮装置、連続清澄装置も有る。
油脂類、液体化学製品類にも同様な装置が使用されてい
る。
【0004】各方式の詳細は、特許、文献等多数有るの
で説明を省略するが、流体の濾過を主体とする流体−固
体(乾式・湿式)分離法のほとんどが、静止容器の中に
濾過材を充填し、これに流体を通して流体中の懸濁物質
を濾過材で捕捉分離する方式のものであるが、これに物
理化学的処理及び/または生物化学的処理をも同時に行
う流体濾過装置もある。またその他の液体として油脂
類、液体化学製品類等の濾過・浄化・脱臭処理設備があ
るが、水処理を含め、基本的には、加圧された液体を濾
過材に通し、液体中の懸濁物質を濾過材で捕捉分離する
固液分離装置である。
【0005】以上の濾過・浄化は、固液分離を主とした
ものであるが、本発明の先行技術として水処理における
生物化学的処理の中の回転接触体法がある。本法は回転
円板法とも呼ばれ、水平な軸に平らな発砲スチロールの
円盤を平行に多数固定し、軸の直下まで円盤が水中にあ
る状態で回転して処理を行ったものが原型である。
【0006】円板に代わり、円盤膜や、散水濾床のプラ
スチック濾材のように成形したブロックや直径数mmの
ひも状プラスチックの熱溶着物を円筒または多角形のか
ごに入れたものなどが作られている。水平な軸に生物膜
の支持体を取り付け、液中と気中を回転により通過する
処理方式の総称として回転接触体法と呼ばれ、浄化設備
関係では、その構造基準も決められている。
【0007】上記回転接触体法では、半円形の水槽に円
盤面積の約40%を浸せきさせ、支持体の周速を20m
/min以内の低速で回転させる。支持体が水中にある
間に基質(BOD)が生物膜に取り込まれ、空気中にあ
る間に酸素が生物膜内に拡散する。基質および酸素は生
物膜表面より拡散により内部に移動しつつ生物反応によ
り、濃度を低下する。生物膜の表面近くは好気性に保た
れるが、表面から0.2mm程度で酸素は消費されてし
まい、これより支持体までは嫌気性となる。基質が生物
膜内部で消費されると、それより内側にある微生物は活
性を失って死滅し、生物膜から剥離する。回転接触体の
直径は4m程度、1軸で10,000m2程度まで制作されて
いる。
【0008】上記回転接触体法の生物膜の厚さは支持体
へのBOD負荷と回転速度によって変化する。当然負荷
が高いほど、また回転速度が遅い程厚くなる。水槽は底
部に剥離した生物膜が沈積しないよう、支持体との隙間
を小さくとる。理想的には、重さのバランスが取れた支
持体を低速回転するだけであり、回転接触法の最大の特
徴は、好気性処理の中で最も所要動力が小さい点であろ
う。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来技術は、
長年に亘り広く産業界に利用されてきているが、今だい
ろいろな点で解決すべき問題が残されている。すなわ
ち、上記従来の濾過技術では、乾式、湿式のいずれにお
いても濾過材が目詰まりをおこし、濾過必要圧力の上昇
により、流体処理流量の低下、使用動力の増加により、
運転費の増加をきたす。
【0010】目詰まりの排除を行うため、装置を停止し
て定期的に懸濁物質の払い落とし・逆洗浄を行わなけれ
ばならず、装置を停止できない施設については予備の装
置が必要となる。また、払い落とし・逆洗浄で濾過材の
機能を均一にムラ無く回復させるには、大変な労力また
は動力を要し、さらに汚泥処理、廃液処理の設備が必要
となる上、その廃棄物処理、処分の問題も一施設だけの
問題に止まらず、社会環境に深刻な影響を与えるように
なってきた。
【0011】また、回転接触法について言及すれば、そ
の酸素供給は、支持体が空気中にあるときに限定され、
空気中にあるときの生物膜中の酸素濃度が低いほど多量
の酸素が溶解するが、おのずと限界があり、BOD除去
量も限界値に達する。特に原水流入側では生物膜中の嫌
気性部分が増加し、下部水槽も嫌気性となり、装置全体
の処理能力の低下、悪臭の発生などの問題を引き起こ
す。
【0012】また、生物膜による水処理を目的にしてい
るため、円盤径を大きくその軸長方向の円盤間距離を小
さく構成し、容積あたりの有効接触面積を増加させてい
るため、円盤の軸方向および中心方向の水流に対し表層
の濾過材をその下部の濾過材が支持し流体中の懸濁物質
を直接濾過をする機能を備えておらず、また低速回転の
ため濾過材を流動させ濾過材層全体を逆洗浄する機能等
も備えていない。
【0013】また、円盤の外周側と内周側の処理能力の
違い、および軸流方向に流れる流体の部分的短経路によ
るの処理水の性状の不均一、剥離生物膜の流出等の問題
があった。さらに、外径が大きいため水深の浅い湖沼
地、河川などの場合はその設置が困難で、設置しても生
物膜処理だけでは、水の懸濁物質の除去が行えないので
効果が挙がらず、またその機能上水中に設置ができなか
った。
【0014】水処理設備等は、設備が大きいため陸上に
処理設備の設置を行おうとすると景観も損なう場合が多
く、用地確保が困難になり、初期設備投資が巨額にな
る。大規模な水量を持つ設備は高度の運転管理技術が要
求され、また設備を永久に運転しなければならない湖沼
地、河川、海域等の自然環境等における水質浄化は、そ
の動力費、保守管理費用を含めた運転コストの負担に耐
えられる技術がまだ未完成で、その低減が世界的に求め
られている。また薬品添加等による固液分離浄化法は規
模の大きさにより必要薬品の量が膨大になり、その投入
コスト、他の環境に与える影響の上で問題が有り、現実
的でなかった。
【0015】さらに近年、気体の排出基準の強化、地球
温暖化対策のため、地球規模で排出量の削減と排出温度
の低下を強く求められているが、未だ何等排出設備に濾
過浄化設備を設置してない施設は早期設置を迫られ、乾
式処理を行っていた施設であっても、性能の良い設備に
転換を迫られているが、湿式処理は、従来技術では水処
理設備が高額なため全体設備費が高額となり、その設
置、転換が遅れている。
【0016】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、従来の流体濾過法等における問題点を解消した新規
な流体濾過装置を提供することを目的とする。更に具体
的には、最小限の濾過材で、流体中の懸濁物質を高い濾
過能力で分離することができ、また、最小限の運転動力
で濾過材を均一にムラ無く洗浄することができ、これに
より捕捉分離された流体中の懸濁物質等を流体中に排除
するようにし、安価な設備費・運転費で実施することが
できる流体濾過装置を提供することを目的とする。
【0017】さらに望むべくは、自然環境の中にあって
は、流体の濾過により生ずる流体中の懸濁物質、発生汚
泥の量を最小にし、保守管理・運転費用を可能な限り削
減し、可能ならば排出物を自然の自己浄化機能の中での
循環サイクルに組み込むことを理想とし、全ての生命、
環境を保全、改善するため、早期に地球規模で普及する
ことが望まれる流体濾過装置を提供することを課題とす
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の流体濾過装置は、垂直方向に軸線を有する
縦型密閉円筒容器内に略円筒状の流体流通性容器が、縦
型密閉円筒容器と略同心状に配設され、前記流体流通性
容器内に流体流通性の集流体管路が流体流通性容器と略
同心状に配設され、前記流体流通性容器内部で前記集流
性管路の外部の空間には、流体流通性容器の外壁から流
入する流体中の懸濁物質を捕捉分離する濾過材が流動可
能に収容され、前記集流体管路には、前記濾過材を通過
した濾過流体を集流体管路に集めて前記縦型密閉円筒容
器の外部に吐出する流体吐出手段が付設されてなり、前
記縦型密閉円筒容器と前記流体流通性容器との間の空間
に流体流入口から流入させた流体に、縦型密閉円筒容器
の内周方向に沿って一方向に回転する力を加える流体回
転手段が付設されている技術が採用される。
【0019】上記において、流体流通性容器は、容器の
外壁面の一部もしくは全体が流体(液体、気体もしくは
双方)を通し、容器外の流体が容器内に流れ込んだり容
器内の流体が容器外に流出したりすることができるよう
に構成された容器であり、内部に濾過材を収容すること
ができるものであれば如何なる構造のものでも構わな
い。このような容器は、好適には、濾過材の粒径より小
なる流体流通間隙を持つ材料で外壁が形成されたもので
あり、外壁形成材としては流体の性状、濾過材の粒径ま
たは大きさに応じて、金属、高分子材料、天然あるいは
人工の繊維を用いた布、不織布等を適宜選択することが
できる。
【0020】また、本発明においては、上記流体流通性
容器は略円筒状をなしており、円筒の長さは任意であ
り、径が全長に対して短い筒状のものでもよいし、径が
全長に対して小さい円盤状のものでも構わない。
【0021】本発明では、上記の流体流通性容器の内部
に、これもまた流体流通性であって流体流通性容器の外
径よりも小なる外径を有する集流体管路が、好適には、
各流体流通性容器に軸心をほぼ一致させて、それぞれ配
設される。各集流体管路は、流体流通性容器の場合と同
様に、外壁の一部または全体が流体(液体、気体もしく
は双方)を通し、濾過材を通さないものであれば、如何
なる構造のものでも構わないが、好適には、外周壁が多
孔性をなす配管もしくは通気性スクリーンにより構成で
きる。
【0022】しかして、上記流体流通性容器の内部であ
って上記集流体管路の外部の空間には濾過材が収容さ
れ、流体が流体流通性容器内に流入し該濾過材を通過す
る際に、流体中の懸濁物質等が濾過材に捕捉され分離さ
れるように構成されている。ここで、流体流通性容器
は、前述のように円筒状に構成されているが、濾過すべ
き流体はかかる円筒状容器の外周側から流入して軸心方
向に移動し、濾過材の層を通る。そして、濾過材間隙よ
り大きい懸濁物質はその間隙を通過することができずに
捕捉され、またその間隙を通過した固体粒子は、該固体
粒子と流体との質量差による慣性力の違いで濾過材に衝
突して流速が低下することにより、あるいは濾過材表面
の液体の表面張力により、捕捉される。ここで、湿式固
体分離・排ガス洗浄・ミスト吸着等の場合、さらにその
懸濁物質が、親水性か疎水性(親油性)かに応じて、湿
潤させる流体が水か油脂かに分かれる。なお、親油性の
場合、不揮発性で無臭性のものがよい。
【0023】このように、本発明では、濾過すべき流体
は円筒状の流体流通性容器の外周側から流入して軸心方
向に向けて移動し、円環状の収容空間に充填収容されて
いる濾過材を放射状方向に移動して通過するようになっ
ているので、流体に接する表面積を、一方向濾過である
従来の濾過装置の場合と比較して、同じ体積であっても
格段に大きく取ることができ、濾過材体積当たりの懸濁
物質捕集効率が高くなる。従って、濾過層の必要厚さ
は、流体に要求される濾過性状に応じて決まるが、最小
限の濾過材体積で所望の濾過性能を達成することがで
き、また濾過層の厚さ全体に渡って流体中の固形分を均
一に阻止抑留できるので、小さな直径でも極めて効率の
良い濾過層厚さを持った装置を製作することができる。
【0024】ここで、使用される濾過材は、上記流体流
通性容器内に保持され得る粒径または大きさで、流体中
の汚濁物質を捕捉分離することができるものであれば、
従来から濾過処理において使用されているものはもとよ
り、如何なるものでも構わない。本発明において好適に
用いることができる濾過材を例示すると、含水珪酸塩鉱
物(ゼオライト族)を主成分とする土壌成分、天然また
は人工の珪酸塩鉱物(軽量発泡コンクリート(ALC)
等)の塊粒状物質、多孔質で吸着性を有する炭化物の塊
粒状物質、高分子材料の顆粒状もしくは立体網目構造状
塊粒もしくはブラシ状団塊物質、無機もしくは有機材料
の中空円柱状もしくは中空球状体物資を挙げることがで
き、これらを、単独もしくは混合状態で、使用すること
ができる。
【0025】特に、次に詳述する理由から、含水珪酸塩
鉱物(ゼオライト族)を主成分とする土壌成分を用いる
のが好ましい。すなわち、地球上の生物の発生は、非晶
質の珪素と珪酸塩の持つ吸着性と触媒性が重要な役割を
果たしたと考えられており、生物のいない地核内では、
珪酸と炭素の重量比が276:1であり、腐植土壌内で
はこれが15:1となり、プランクトン内では1:1に
相当し、哺乳類は1/5000と逆転する。初期の生物
内の高い珪素含有量と高等動物内のその痕跡程度の存在
は、初期には周辺環境内で豊富に見いだせるような物質
の合成が必要でなく、重合有機体の芽が生じたときに、
元の無機物質の必要が無くなったと推定されている(英
物理学者:デ・ベルナール)。また、微生物は、周辺環
境の珪酸塩とアルミノ珪酸塩を活発に分解し、その塩類
に含まれる珪素を微生物の体内に取り入れ、主として皮
殻、甲羅あるいは骨格等の硬質組織の構成に利用する
(スコットランド海洋学者:デ・メレイとエル・イリヴ
ィン)。自然界では、珪素の循環が生化学的循環により
主に行われている。周辺環境より珪素の量が不足してい
るときに比べ、十分ある場合は、微生物の活動が2〜3
倍活発となり、微生物が植物質、有機物の分解と腐食物
質の攪拌、粉砕、及び腐植酸による珪酸塩の分解での珪
素の放出[珪素とその変種並びに大多数の天然珪酸塩
は、繰り返し珪酸(シロキサン)結合(Si−O−:こ
れは他元素の原子とも置換できる)で組み立てられた無
機重合体であり、全ての重合体の元である]を行い、生
化学的作用及び/または食物連鎖により、結合、粒子
化、凝集、縮合、重合等により土壌化される。
【0026】含水珪酸塩鉱物(ゼオライト族)の化学組
成は、(Na,K)x(Mg,Ca,Sr,Ba)y
[Alx+2ySin(x+2y)O2n]+mH2Oで
表され、加熱すると沸騰して水蒸気を発生する特徴から
沸石と命名され、構造的特徴は、T04(T=Alまた
はSi)四面体の構成する立体網目構造の中に大きな空
隙が存在し、この空隙が連結して通路(トンネル)を形
成している点にある。そして、この空隙には陽イオン及
び水分子が存在し、四面体へのAlの分布によって生じ
る局所的電荷不足を補償するアルカリ及びアルカリ土類
イオンが、水中で容易にイオン交換可能とし、水中のア
ンモニア、硫化水素、硫酸、硝酸等、及び銅、鉄等のガ
スまたはイオンを吸着し、水を脱臭浄化する。また、こ
の立体網目構造は表面積を大きくし、トンネルにある酸
素が多く、有機物の豊富な水分は微生物にとって快適な
生活環境を提供している。含水珪酸塩鉱物(ゼオライト
族)に含まれる、酸化アルミナ、酸化第二鉄、酸化カル
シウム、酸化マグネシウム、酸化ナトリウム等も微生物
の活動を支える必須成分であると同時に、立体網目構造
は硬度が低く、相互接触により、一部は溶解、破砕され
液体中に放出され、液体中のコロイド粒子の電気化学的
性質(有機はマイナスに帯電)の表面電位を調整し、フ
ァラデーの法則により働く吸引力により微粒子同士の結
合、あるいは前記物質との結合により粒子化し、ストー
クスの沈降理論にしたがって凝集沈殿する作用を促進さ
せる。
【0027】このような含水珪酸塩鉱物(ゼオライト
族)を主成分とする土壌成分の作用は、他の天然または
人工の珪酸塩鉱物、例えばALC、あるいは多孔質、吸
着性を有する炭化物等でもその一部を果たすことができ
る。特に、ALCは、建築廃材を破砕、節分することに
より安価に得られ、廃棄物をリサイクルして有効に活用
できる。また、ALCは、独立気泡を持った構造で見か
け比重が0.5ないし0.6と軽量であり、比表面積が
大きく、水に溶出すると溶液はアルカリ性となり、酸性
水を中和する働きがあり、酸性水中に溶解し含まれてい
た物質を析出させる。更に、酸性を中和し、溶融重金属
を吸着し、珪酸及びカルシウム塩の放出により微生物活
性を高めるという効果も奏する。
【0028】また、上水、廃液、廃油等の有機物、無機
物、イオン化物等の液体中に含まれる不純物を濾過材の
内部に捕集し除去する、生物処理を多く期待しない液体
の内層濾過処理においては、前述の高分子材料の顆粒状
または立体網目構造状塊粒あるいはブラシ状団塊物質等
を用いることができる。この高分子材料の濾過材は、水
中での損耗がない上、有害物質の溶出がなく、微生物担
体として優れている。更に、上記の濾過材に加え、補助
的濾過材として、例えば牡蠣殻、サンゴ砂等を加えても
良く、またこれらの濾過材に微生物の移植のため汚泥、
腐植物等を含浸またはコーティングすれば、浄化能力の
初期立ち上がりを促進させることが可能となる。
【0029】また、本発明においては、液体を濾過する
場合、上記濾過材のなかでも、特に比重が1以下の軽量
の濾過材を選択するのが好ましい。後で詳細に説明する
ように、本発明では、流体流通性容器内部の濾過材を流
動させる運動エネルギー供給手段を採用する場合に、こ
のように軽量な濾過材を選択して流体流通性容器に収容
しておくと、濾過材自体の自己浮揚力に加えて、運動エ
ネルギー供給手段によって濾過材に加える運動エネルギ
ーが少なくても、濾過材が容易に流動攪拌となる。ま
た、軽量の濾過材は取扱い、運搬が容易であるという利
点もある。
【0030】本発明において、濾過材は、流体流通性容
器内に少なくとも部分的には流動可能に充填される。す
なわち、濾過材は、流体流通性容器の容積に対して一定
の空間容積を持たせて収容されており、例えば、流体の
圧力エネルギー、その他の作用により、濾過材が少なく
とも部分的には流体流通性容器の中で移動でき、相互に
接触できる状態にされている。
【0031】そして、本発明においては、略円筒状の流
体流通性容器が垂直方向に軸線を有した縦型密閉円筒容
器内に略同心状に配設され、該縦型密閉円筒容器と流体
流通性容器との間の空間に流入させた流体に、縦型密閉
円筒容器の内周方向に沿って一方向に回転する力を加え
る流体回転手段が付設されているので、回転する流体中
の懸濁物質の多くが遠心分離によって外周側に移動(こ
れをサイクロン分離効果という)し、さらに多くの懸濁
物質が分離された状態で流体が中心側に配される流体流
通性容器の外周から流入して、濾過材により濾過された
後に集流体管路から外部に吐出される。
【0032】すなわち、サイクロン分離効果によって比
較的大きな懸濁物質を予め流体中から除去するととも
に、残りの懸濁物質を流体流通性容器内の濾過材で捕獲
することにより、懸濁物質を2段階で効率的に流体中か
ら分離できる。
【0033】また、前記流体回転手段は、縦型密閉円筒
容器の内周壁に流体の流入口を配し、該流入口に接続さ
れ流体を加圧して流入口から縦型密閉円筒容器の内周壁
の接線方向に向けて流体を噴出させる流体流入手段を備
えていることが好ましい。すなわち、加圧された流体を
流入口から縦型密閉円筒容器の内周壁の接線方向に向け
て噴出、流入させることにより、流体は縦型密閉円筒容
器の内周に沿って一方向に回転するので、比較的簡便な
構成によって容易にサイクロン分離効果を得ることがで
きる。特に、上記流入口を、縦型密閉円筒容器の上部に
配することにより、流体中の懸濁物質は上部から下部に
落下しながら繰り返し回転するため、効率的に外周側に
移動分離される。
【0034】さらに、縦型密閉円筒容器下部に設けられ
流体の回転によって遠心分離されるとともに、縦型密閉
円筒容器下部に沈殿した流体中の懸濁物質を外部に排出
する沈殿物排出手段を備えていることが好ましい。すな
わち、遠心分離等により懸濁物質の沈殿物が下部に蓄積
してしまい、流体流通性容器にまで及ぶようになると流
体の濾過能力が低下するため、上記沈殿物排出手段を設
けることにより、沈殿物の排出処理が可能となって健全
な濾過能力が維持される。
【0035】また、本発明では、流体流通性容器内部の
濾過材を流動させ、該濾過材に捕捉分離させた懸濁物質
を流体流通性容器外部に排出させる運動エネルギー供給
手段を備えることにより、容器内の濾過材は運動エネル
ギーを受けて攪拌流動させられる。
【0036】特に、上記運動エネルギー供給手段とし
て、弾性支持された流体流通性容器に振動を加え濾過材
を流動させる加振機構を備えることにより、加振機構に
より弾性支持された流体流通性容器に振動を加えると、
該容器内の濾過材は振動のエネルギーを受けて攪拌流動
させられる。また、上記運動エネルギー供給手段とし
て、流体流通性容器の下部から空気(エア)を供給する
ことにより濾過材を流動させる空気供給手段を備えるこ
とにより、空気供給手段からのエアが流体流通性容器の
下部から内部に供給され、エアの上昇に伴うエア圧によ
って容器内の濾過材が攪拌流動させられる。
【0037】すなわち、流体流通性容器内に収容されて
いる濾過材は、容器に固着、付着等しておらず、その全
部もしくは一部が移動可能な状態であり、運動エネルギ
ーを受ける時間差、自重による位置エネルギー及び/ま
たは流体流による流体エネルギーにより運動エネルギー
及び移動ベクトル方向がそれぞれの濾過材で相互に異な
るため、流体流通性容器内の濾過材は容器内で移動し、
濾過材同士が相互接触する。
【0038】その結果、濾過材間及び/または表面に付
着した異物及び/または汚泥が流体中に放出されると同
時に、濾過材の一部も摩滅して流体中に溶出し拡散され
る。このようにして、濾過材は摩滅すると、その物理化
学的機能が回復し、また粒径が小さくなると、微小懸濁
物質を濾過材に捕捉して分離することができるようにな
り、流体流通性容器の外壁の間隙より小さくなれば、流
体流通性容器から外部に排出される。流体流通性容器内
の濾過材の量が減少したら、濾過材は補給される。
【0039】なお、流体流通性容器の上部に濾過材の供
給口を設け、流体流通性容器の下部に濾過材の排出口を
設けることにより、摩滅して減少した濾過材を供給口か
ら適宜補給することができるとともに、排出口から摩滅
した濾過材や懸濁物質を捕捉した濾過材を外部に適宜排
出することができる。
【0040】また、上記加振機構による振動および上記
空気供給手段によるエアの供給についても、常時行う必
要はなく、それぞれ間欠運転でも構わない。要は、捕捉
された懸濁物質が排除され、濾過材同士が相互接触して
磨滅し、その濾過機能の回復が図られれば良い。
【0041】また、本発明において、上記運動エネルギ
ー供給手段として加振機構や空気供給手段を備えたもの
では、濾過材を流動させるために流体流通性容器を回転
させる等の必要がなく、回転させるための機構が不要と
なって構造が簡素化されるとともに、容器が回転しない
ので濾過材を容易に補給することができる利点がある。
【0042】なお、上記加振機構を備えた場合に、流体
流通性容器の略接線方向でかつ若干上向きに加振すれ
ば、濾過材の流動に方向性を持たせることができ、濾過
材を流体流通性容器内で回転させることが可能である。
また、流体が液体であって、上記空気供給手段を備えた
場合に、流体流通性容器の下部から一様にエアを供給す
るのではなく、例えば、下部の片側だけに供給すること
により、エアが供給された部分の濾過材がエアに押し上
げられて流動するので、容器内で濾過材を回転させるこ
とが可能となる。
【0043】なお、本発明においては、初期の粒径と減
少した小さな粒径とが混在していても、濾過材の攪拌洗
浄により、濾材目詰まりが発生することがないため、濾
過性能に影響はない。逆に、大小の濾過材が混在すれ
ば、相互攪拌洗浄により、濾過材に捕捉分離された懸濁
物質を破砕し、物理化学的、生物化学的処理を促進させ
る効果が生じる。
【0044】また、流体が液体の場合、積極的に広範囲
に排出された汚泥、並びに濾過材に含まれる場合のある
酸化アルミナ、酸化第二鉄、酸化カルシウム、酸化マグ
ネシウム、酸化ナトリウム等も微生物の活動を支える必
須成分であると同時に、立体網目構造は硬度が低く、相
互接触により、一部は溶解、破砕され液体中に放出さ
れ、液体中のコロイド粒子の電気化学的性質(有機はマ
イナスに帯電)の表面電位を調整し、ファラデーの法則
により働く吸引力により微粒子同士の結合、あるいは前
記物質との結合により粒子化し、ストークスの沈降理論
にしたがって凝集沈殿する作用を促進させる。上記の沈
澱物は、微生物が植物質、有機物の分解と腐食物質の攪
拌、粉砕及び腐植酸による珪酸塩の分解での珪素の放
出、及び生化学的作用及び/または食物連鎖により、結
合、粒子化、凝集、縮合、重合等により腐植化を進行さ
せ、底泥を浄化し土壌化が図られる。
【0045】また、本発明にあっては、上記集流体管路
に、濾過材を通過した濾過流体を集流体管路に集めて上
記縦型密閉円筒容器の外部に吐出する流体吐出手段が付
設されている。この流体吐出手段は、濾過すべき流体が
流体流通性容器内にその外周から導き入れられ、濾過材
を通じて濾過された後、集流体管路に導かれた濾過流体
を流体流通性容器の外部に放出することができる手段で
あれば、如何なるものでも構わない。
【0046】流体吐出という表現から推量されるように
流体を容器外に吐出する手段を吐出側に設けることは当
然にできるが、必ずしも吐出側に設ける手段に限るもの
ではなく、供給側に流体供給手段を設けて流通させ、こ
れにより流体を容器外に吐出させる構造であっても良
い。例えば、流体が液体の場合、流体流通性容器の外周
側の水頭圧を集流体管路側より高くする構造すると、か
かる構造が流体供給手段を構成する。
【0047】また、集流体管路の吐出側に吐出ポンプ、
吸引ブロアを設置することもできる。更に、流体流通性
容器の外周側より圧力流体を供給したり、密閉した容器
内に流体流通性容器を収容し、該収容容器に吸入管路、
吐出管路を接続し、吸入管路側より流体を送り、流体流
通性容器から集流体管路を経て吐出管路に導かれるよう
に構成することもできる。
【0048】また、上記流体流通性容器の配置は、適用
する対象に応じて最適となるように適宜決定されるもの
であるが、縦型密閉円筒容器の軸線に略同一に支持さ
れ、上記サイクロン分離効果によって分離された流体の
流れが外周面側に生じるように配置される。
【0049】更に、流体流通性容器は、流体流通性の外
壁面の一部もしくは全体が濾過すべき液体(流体)に接
して配設されていればよく、例えば、液体中に全体が浸
されていても、容器の外側の一部が液体外に露出した状
態であっても構わない。また、例えば、縦型密閉円筒容
器内に流入させる流体の量を調節して、容器全体が液体
中にある場合と容器の一部が空気中に露出している状態
とを交互に切り替えても構わない。要は、流体流通性容
器内に収容される濾過材層を流体が通過する状態が、少
なくとも間欠的もしくは断続的に生じせしめられればよ
い。
【0050】すなわち、本発明の一態様では、流体流通
性容器は、1種類以上の流体に接した状態とされる。例
えば、液体−固体分離・排水処理の例で言えば、流体流
通性容器(従ってその内部の濾過材も)がその上部を液
体表面上に露出させた状態で配置されていると、液体中
の懸濁物質を通液濾過し、濾過材の流動洗浄により、濾
過材に捕捉分離された懸濁物質、生物処理に伴う生成物
が、流体流通性容器外に排出されるが、縦型密閉円筒容
器内への液体の流入量を適宜少なくすることにより流体
流通性容器を露出させて濾過材を空気中に出すと、濾過
材に付着した好気性微生物に空気接触による酸素の補給
が行なわれることとなり、微生物の活性化、増殖が図ら
れ、液体中に含まれる有機物の酸化分解により浄化がな
される。
【0051】また、濾過材が磨滅、消耗するが、濾過材
が持つ凝集・沈殿物質を放出する機能を有する濾過材を
使用すれば、凝集・沈殿作用は促進され、透明度の復旧
時間は短縮される。さらに、前述のように、濾過材が含
水珪酸塩鉱物(ゼオライト族)を主成分とする土壌成
分、または天然または人工の珪酸塩鉱物(軽量発泡コン
クリート:ALC等)の塊粒状物質であったならば、上
記作用に加え、微生物環境をさらに活発にし、底泥の改
質を含め水環境の浄化・改善をするには最適である。
【0052】また、好適には、上記集流体管路の内面に
弾性部材を摺動させて付着物を除去する内面洗浄手段が
付設される。すなわち、上記内面洗浄手段を備えること
により、集流体管路内面にブラシ部材等の弾性部材が当
接して摺動することにより、内面の付着物が弾性部材と
の接触摩擦によって擦り取られ、管路内が洗浄される。
【0053】更に、上記流体流通性容器に、容器外周に
付着した異物を除去する手段を設けても良く、このよう
な手段としては、上記容器の外周面に摺動する付着物排
除板、またはブラシ状(回転型も含む)除去手段、もし
くは流体噴出洗浄手段を、単独あるいは組み合わせて用
いることが考えられる。
【0054】更に、上記流体流通性容器内には濾過材を
補給するために、容器の所定位置に濾過材投入手段を設
けるのが好ましい。この投入手段は、上述した供給口に
濾過材を投入可能に配され、縦型密閉円筒容器の外部か
ら流体流通性容器の上部に濾過材を適宜補給するように
設定することが好ましい。
【0055】また、本発明において、上記加振機構を備
えたものでは、流体流通性容器を収容する縦型密閉円筒
容器と流体流通性容器とを接続する部材および管路に弾
性継手を設けていることが好ましい。すなわち、流体流
通性容器が弾性継手によって縦型密閉円筒容器に弾性的
に接続されているので、加振機構による振動が縦型密閉
円筒容器側に伝わり難いとともに流体流通性容器に効果
的に加えることができる。
【0056】さらに、本発明の濾過装置において、上記
集流体管路の内部に少なくとも1以上設けられた紫外線
発生源により集流体管路内を通過する流体の有機物の分
解および殺菌を行う紫外線照射手段を設けてもよい。す
なわち、UVランプ(例えば、水銀ランプ)等の紫外線
発生源を集流体管路内部に設けることにより、紫外線が
照射された流体の有機物が高分子から低分子の状態に分
解されるとともに、流体中の微生物が紫外線によってそ
のDNAが変化し殺菌される。
【0057】したがって、大きな有機物が濾過材で除去
された後、さらに紫外線照射手段で濾過水に含まれる有
機物が分解されることにより、UVランプ自体に汚れ等
が生じ難いとともに、濾過後のイオン交換処理が有利と
なり、また大腸菌等の種々の細菌を殺菌できるので衛生
上の高い効果が得られる。紫外線の水中における到達性
は、空中に対する1/40〜1/50程度であり、流水
の透明度が低いと効果が薄れるが、濾過材によって流水
の透明度が高くなるので、より効果的な殺菌作用が得ら
れる。
【0058】特に、低蒸気圧の水銀ランプは、いわゆる
殺菌線と呼ばれる253.7nmの波長の紫外線を豊富
に発生させるため、紫外線発生源として好適である。ま
た、水銀ランプの253.7nm以外の共鳴線として発
生する184.9nmの波長の紫外線は、酸素に作用し
てオゾンを発生させるため、オゾンによる殺菌効果を得
ることができる。なお、オゾンは、不快なオゾン臭を発
生させるため、これを防ぐためには、253.7nmの
波長の紫外線の透過率を低下させることなく、184.
9nmの波長の紫外線をカットする特殊熔融石英(オゾ
ンレス石英ガラス)等を用いた水銀ランプを用いてもよ
い。
【0059】また、上記紫外線照射手段は、上記集流体
管路の内面および上記紫外線発生源の外面の少なくとも
何れか一方が酸化チタン(TiO2)を含む塗膜で被覆
されていることが好ましい。すなわち、酸化チタンは、
光エネルギーを吸収して汚れの分子を分解する一方、自
分自身は常に清潔な状態を保つ「光触媒」と呼ばれる機
能分子の代表的なものであり、これを光透過性非晶質と
して被覆された集流体管路の内面や紫外線発生源の外面
は、紫外線発生源からの紫外線によって光励起された酸
化チタンの強力な酸化力で環境汚染物質等の有機物の酸
化的分解を行うとともに、有機物の付着をも防止するこ
とができる。
【0060】酸化チタンは、そのバンドギャップが約
3.2eVであり、波長約400nm以下の紫外線を照
射することにより、反応が進行する特性を有しているた
め、紫外線照射手段による紫外線によって高い光触媒活
性を得ることができる。特に、TiO2(80%)−S
iC(20%)のものを塗布することにより、透明ガラ
スと同様な光透過性を得ることができる。また、酸化チ
タンで被覆された紫外線発生源を複数設けることによ
り、隣接する一方の紫外線発生源からの紫外線が他方の
紫外線発生源の外面に照射されて、酸化チタンによる付
着有機物の分解が生じ、互いにセルフクリーニングさせ
ることが可能となる。
【0061】なお、UVランプのソーダライムガラス
(SLG)外面に酸化チタンを被覆する場合、UVラン
プ上に直接成膜せずに、あらかじめ二酸化ケイ素の薄膜
をつけてから、その上に酸化チタン薄膜を成膜する方が
高い光触媒活性が得られる。すなわち、有機チタン化合
物を熱分解して成膜する際に、SLGから熱拡散してく
るナトリウムイオンを二酸化ケイ素層がブロックするた
め、ナトリウムが混入して光触媒活性を低下させるチタ
ン酸ナトリウム類似の結晶相ができないからである。
【0062】上記態様を自然環境における水処理に適用
したならば、濾過材として含水珪酸塩鉱物(ゼオライト
族)等を選択した場合、洗浄により排出された汚泥と濾
過材の一部は溶解、破砕され液体中に放出され、液体中
のコロイド粒子の電気化学的性質(有機はマイナスに帯
電している)の表面電位を調整し、ファラデーの法則に
より働く吸引力により微粒子同士の結合、あるいは上記
物質との結合により粒子化し、ストークスの沈降理論に
従って凝集沈殿する作用を促進させ、粒子化、凝集沈殿
し、生化学的作用および/または食物連鎖により、結
合、粒子化、凝集、縮合、重合等により土壌化を促進さ
れる。この作用により生まれる土壌は、微生物生育環境
に優れ、その嫌気性底泥の性状も好気性に改善し、メタ
ンガス、隣等の底泥より発生する水質悪化要因を減少
さ、濾過効果と合わせて、水質を浄化させる。
【0063】濾過材に付着した生物膜は、濾過材が薄く
(数10μm)生物膜で覆われたときにその生物化学機
能が最大となり、厚くなると濾過材の表面近傍は、その
上層の生物膜により酸素が消費されてしまうため嫌気性
となり、メタンガス、炭酸ガス等のガスを発生させ濾過
材との付着力が弱くなり、濾過材表面から剥離脱落し、
汚泥となる。本発明の好適な態様では、流体流通性容器
に常時または必要に応じて前述のように加振またはエア
を供給し、濾過材を流動させるので、濾過材表面の生物
膜が厚くならず、生物膜を薄く維持して、生物膜の生物
化学機能が最大の状態を保持することができ、発生汚泥
の量を少なくして水質の浄化を達成できる。
【0064】ここで、濾過材は、流動により一部磨滅す
るが、これにより、その物理化学機能を回復し、粒径が
小さくなることにより、微少懸濁物質を濾過材に捕捉分
離することができるようになる。そして、上記流体流通
性容器の流体流通間隙より小さくなれば、該流体流通性
容器から外部に排出される。
【0065】なお、上記態様において、初期の粒径と減
少した小さな粒径の濾過材が混在していても、流体流通
性容器の振動やエアの供給等による濾過材の洗浄によ
り、流体流通性容器の目詰まりが発生することがないの
で、濾過性能に影響はないが、この濾過材の洗浄は、流
体流通性容器の振動速度やエアの供給量等を適宜調整す
ることにより、最適な状態とすることができる。この場
合、大小の濾過材による相互攪拌洗浄により、濾過材に
捕捉分離された懸濁物質を破砕し、物理化学的、生物化
学的処理を促進させる効果もある。
【0066】また、湿式/液体の濾過・浄化、排水処理
にあっては、軽比重側流体が空気で、重比重流体の液体
が微生物生存環境に適した液体なら、物理化学的処理、
生物化学的処理をも同時に行うことができる。2種類以
上の流体の例としては、気体−液体−液体、例えば、空
気−油−水等の比重差の有る非混和性流体である油排水
処理のような場合にも上記態様を適用できる。
【0067】以上、本発明の装置を、好適な態様を種々
挙げながら説明したが、本発明の装置が適用できる具体
的な技術分野もしくは設備及び/または機器は広範にわ
たり、例えば次のような様々な分野を挙げることができ
る。 1、気体の濾過手段として: 1)気体−乾式固体分離(空気、ガス等) 集塵装置、サイクロン、排ガス吸着・脱臭・浄化、清浄
機能付き給・排気熱交換機、換気扇・空気清浄機、ミス
トセパレータ、エンジン排ガス浄化等。 2)気体−湿式固体分離(水、油脂類および薬液を利用
する方法) 集塵装置、サイクロン、排ガス吸着・脱臭・浄化(スク
ラバ)、清浄機能付き給・排気熱交換機、(廃熱利用)
冷・暖房設備、湿度調整(殺菌)機能付き換気扇・空気
清浄機・クリーンルーム用フィルタ、ミストセパレー
タ、エンジン排ガス浄化等。 2、液体−固体分離の濾過・浄化手段として: 1) 河川、湖沼池、養魚飼育(淡水:鯉、川魚他、鰻
を含む、海水:ハマチ、鯛、平目他)等の自然環境水
(海)域等の水質濾過・浄化。 2)下水および汚水・浄化槽等の廃水処理、汚泥等の脱
水・脱臭処理・メタンガス発生設備等。 3)上水および遊泳施設、2次処理水等の水質浄化。 4)廃液、廃油、液体化学製品類等の有機物、無機物、
重金属、イオン化物質等の懸濁物質の濾過・浄化・排水
処理(機械加工廃液、食品加工・飲食廃液、土木工事排
水、魚・動物解体処理廃液、家畜飼育排水他、油水分
離、廃油再生(洗浄油、潤滑油他)液体化学製品類等の
処理設備)。 5)養魚、観賞魚用水槽等の取水、および水質浄化。 6)生ゴミ等を含む合併処理槽等の濾過・浄化、メタン
ガス発生設備。
【0068】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を図面を参照しながら説明するが、本発明の適用分野は
前述のように多岐にわたるものであり、以下の例はその
一例を示すにすぎない。しかし、濾過処理技術に関する
当業者であれば、前述の説明に基づいて本発明を前述の
各適用分野においてそれぞれ適した形で容易に応用でき
るであろう。また、以下の説明では、各実施形態の作用
効果はこれまでの説明から当業者には容易に理解できる
ところであるので、主として構成を具体的に説明するこ
ととする。
【0069】図1は、本発明の一実施形態として本発明
を水質浄化装置に適用した場合の一例を示すものであ
る。この水質浄化装置は、垂直方向に軸線を有する縦型
密閉円筒容器1と、該縦型密閉円筒容器1内に略同心状
に配設された中空略円筒状の濾過槽本体(流体流通性容
器)2とを備えている。
【0070】前記縦型密閉円筒容器1は、垂直状態に立
設され、円筒中央部3と、該円筒中央部3の上部に固定
された上部鏡板4と、円筒中央部3の下部に固定された
円錐状本体下部5とから構成されている。また、前記濾
過槽本体2は、流体流通性容器を構成するもので、円筒
中央スクリーン6と、該円筒中央スクリーン6の上部に
設けられ外径が円筒中央スクリーン6より小なる部分を
有する上部スクリーン7と、円筒中央スクリーン6の下
部に設けられ逆円錐状に形成された下部スクリーン8と
を備えている。
【0071】濾過槽本体2は、円筒中央スクリーン6の
下部外周に突出して設けられた内筒側支持部6aと円錐
状本体下部5の上部に内側に突出して設けられた外筒側
支持部5aとの間に挟持状態に配されたバネまたはゴム
等の内筒支持弾性体9を介して、縦型密閉円筒容器1に
弾性支持されている。
【0072】前記円筒中央スクリーン6、上部スクリー
ン7および下部スクリーンは、外部の原水(流体)を濾
過槽本体2内に流入させるが濾過槽本体2の内部に充填
される濾過材10を外部に流出させないような一定のメ
ッシュの金網で形成されている。さらに、上記濾過槽本
体2の内部には、濾過槽本体2の外径より十分に小なる
径を有する集水管(集流体管路)11が、該濾過槽本体
2と同軸に固定して配設されている。集水管11は、下
端が閉塞され、外壁部は多孔板により形成され、濾過水
は流通させるが濾過材10は通過させないようになって
いる。
【0073】そして、上記濾過槽本体2の内部で集水管
11の外部の空間に、上記濾過材10が流動可能に充填
されている。すなわち、濾過材10は、濾過槽本体2中
に一定の空間容積を残して充填されており、濾過槽本体
2の振動等により濾過材10が流動するように構成され
ている。ここで、濾過材10については、既に詳細に説
明したので説明を繰り返さないが、好適には含水珪酸塩
鉱物(ゼオライト族)を主成分とする土壌成分などで、
上記濾過槽本体2の外壁を通過しない程度の粒径を持つ
ものであれば良い。
【0074】前記上部鏡板4は、円筒中央部3の上部開
口端を覆うように固定され、上部中央に設けられ原水中
に含まれるガス(蒸気等)や気化したガスを外部に吐出
させる上部吐出口4aと、該上部吐出口4aに前記ガス
を図中の矢印に示すように案内するために、上部スクリ
ーン7上方に下部開口端を配して設けられた蒸気案内管
4bとを備えている。また、上部鏡板4には、濾過材1
0を濾過槽本体2に投入するための濾過材投入管12が
挿通状態に支持され、該濾過材投入管12の先端は、上
部スクリーン7の上部開口端(供給口)7aに配され
て、濾過材投入管12内を落下する濾過材10が濾過槽
本体2内に投入されるように設定されている。
【0075】前記円筒中央部3には、流体流入手段とし
て、内周壁に原水の流入口3aが形成され、該流入口3
aには、円筒中央部3の内周壁の接線方向に向けて流入
管13が接続され、さらには該流入管13には、原水を
加圧して流入管13内に送出する加圧ポンプ等の流体加
圧手段14が接続されている。すなわち、流体加圧手段
14によって流入管13内を加圧送出された原水は、流
入口3aから内部に円筒中央部3の内周壁の接線方向に
向けて噴出される。
【0076】また、円筒中央部3の下部外側面には、濾
過槽本体2に振動を加える加振機構として、加振器15
がベローズ状の円筒状弾性継手16によって弾性支持さ
れ、加振器15と濾過槽本体2とは円筒状弾性継手16
および円筒中央部3の貫通孔3bに挿通された連結部材
17で連結されている。すなわち、加振器15による振
動が、連結部材17を介して濾過槽本体2に伝達される
ように設定されているとともに、円筒状弾性継手16に
よって縦型密閉円筒容器1に振動が加わり難く設定され
ている。
【0077】なお、連結部材17は、濾過槽本体2外周
の接線方向に延在するように濾過槽本体2に接続されて
おり、加振器15の振動が濾過槽本体2の接線方向に加
わるように設定しているため、濾過槽本体2を周方向に
加振させることができる。これによって、濾過槽本体2
内部の濾過材10は、濾過槽本体2の周方向に振動、移
動される。
【0078】前記円錐状本体下部5は、沈殿物排出手段
として下端部に外筒排出弁18が取り付けられている。
該外筒排出弁18は、円錐状本体下部5に沈殿堆積した
懸濁物質等の沈殿物Hを縦型密閉円筒容器1の外部に排
出させるための開閉弁である。
【0079】前記集水管11には、その下部に吐出用連
結管19の一端が接続され、該吐出用連結管19は、半
径方向に延びて円筒中央部3の下部に形成された下部吐
出口3cに他端が連結弾性継手3dを介して接続されて
いる。すなわち、集水管11および下部吐出管3cは、
原水を外部に吐出させるための流体吐出手段として機能
する。また、集水管11には、その内面の付着物を除去
する内面洗浄手段として、上部に固定され集水管11内
に同軸上に挿通状態の回転シャフト20aを有するブラ
シ駆動モータ20と、回転シャフト20aに沿って螺旋
状に取り付けられ集水管11の内面に摺動可能とされた
ステンレス製のワイヤーブラシからなるブラシ部材(弾
性部材)21とを備えている。
【0080】前記下部スクリーン8には、下端部に内筒
排出弁(排出口)22が設けられている。該内筒排出弁
22は、下部スクリーン8内の摩滅した濾過材10を排
出する場合や濾過材10の交換の際に濾過材10を円錐
状本体下部5内に排出するための開閉弁である。
【0081】また、下部スクリーン8には、濾過材10
を流動させる空気供給手段として、複数のエア噴き出し
用の孔が開けられた円環状のエア吐出管23が配置さ
れ、該エア吐出管23は、円錐状本体下部5に設けられ
た貫通孔5aから挿通されるエア配管24と接続されて
いる。該エア配管24は、図示しない加圧空気供給源に
接続されている。なお、エア吐出管23の上方近傍に
は、該エア吐出管23を保護するために下部スクリーン
8から内側に突出したじゃま板としての保護板25が配
設されている。
【0082】前記水質浄化装置による濾過方法につい
て、以下に説明する。まず、流体加圧手段14によって
流入管13内に原水を加圧送出するとともに、流入口3
aから縦型密閉円筒容器1内部に円筒中央部3の内周壁
の接線方向に向けて噴出する。このとき、原水は、縦型
密閉円筒容器1の内周方向に沿って一方向に回転しなが
ら渦流状態で落下し、回転する原水中の懸濁物質の多く
が遠心分離によって外周側に移動する。すなわち、流体
加圧手段14および流入管13は、原水を縦型密閉円筒
容器1の内周方向に沿って一方向に回転する力を加える
流体回転手段として機能する。
【0083】さらに原水が、多くの懸濁物質が分離され
た状態で中心側に配される濾過槽本体2の外周から流入
して、濾過材10により濾過された後に集水管11から
吐出用連結管19を介して濾過水として外部に吐出され
る。すなわち、サイクロン分離効果によって比較的大き
な懸濁物質を予め原水中から除去するとともに、残りの
懸濁物質を濾過槽本体2内の濾過材10で捕獲すること
により、懸濁物質を2段階で効率的に原水中から分離で
き、処理量を大幅に向上させるとともに、濾過材10の
捕捉能力をより長く維持することができる。
【0084】また、加振機構の加振器15を定期的に駆
動させて、濾過槽本体2に振動を加える。すなわち、濾
過槽本体2は、円筒状弾性継手16および内筒支持弾性
体9によって弾性支持されており、振動で内部の濾過材
10に運動エネルギーを与えて濾過材10を流動させ
る。特に、加振器15と濾過槽本体2とを連結する連結
部材17が濾過槽本体2の接線方向に延在し振動が周方
向に加わるため、濾過材10が特に濾過槽本体2の周方
向に流動する。
【0085】一方、常時または定期的に、加圧空気供給
源から加圧したエアを、エア配管24を介してエア吐出
管23から下部スクリーン8内に噴出させて供給する。
このとき、エアの上昇に伴うエア圧によって濾過槽本体
2内の濾過材10が攪拌流動させられる。
【0086】これらの際、濾過材10が摩滅再生される
とともに、捕捉懸濁物質が下方に降下して円錐状本体下
部5に沈殿する。この沈殿物Hは、サイクロン分離効果
により分離沈殿した懸濁物質とともに外筒排出弁18か
ら外部に排出される。なお、濾過材10の充填量の減少
に伴って、濾過材投入管12を用いて濾過材10を上部
スクリーン7の上部開口端7aから濾過槽本体2に適宜
補充する。
【0087】さらに、常時または定期的に、ブラシ駆動
モータ20を駆動させてブラシ部材21を回転させる
と、集水管11の内面にブラシ部材21が摺動するた
め、付着物が擦り取られて、管内が洗浄される。なお、
ブラシ部材21は、集水管11の内面に当接状態で回転
シャフト20aに螺旋状に取り付けられているので、回
転することにより集水管11の内面全体に摺動可能とさ
れ、内面全体を洗浄することができる。
【0088】なお、本発明は、次のような実施形態をも
含むものである。 (1)ブラシ部材21を回転させる駆動源としてブラシ
駆動モータ20を用いたが、他の駆動源を採用しても構
わない。例えば、ブラシ部材が取り付けられた回転シャ
フトを、油圧や加圧空気により回転駆動するものでもよ
い。 (2)汚水を浄化する目的に用いる以外に、例えば、地
熱熱水を原水(流体)として、熱水中に含まれるシリカ
を懸濁物質として回収する装置に採用しても構わない。
【0089】(3)定期的にエア吐出管23から多量の
エアを噴出させることにより、濾過材10を単に流動攪
拌するだけでなく、捕捉した懸濁物質を排出させて逆洗
するように設定しても構わない。 (4)エア吐出管23に形成されたエア噴き出し用の孔
を、周方向において全周に一様に配するのではなく、一
部に偏らせて配してもよい。この場合、エアが部分的に
偏って供給され、エアが供給された部分の濾過材10が
選択的にエアに押し上げられて流動するので、濾過槽本
体2内で濾過材10を対流させることができる。
【0090】(5)殺菌効果等を得るために紫外線照射
手段を付設しても構わない。例えば、複数のUVランプ
を互いに所定間隔離間させて集水管に挿入して配設して
もよい。また、UVランプの外面には、光触媒の機能を
有するTiO2(80%)−SiC(20%)を光透過
性非晶質として被覆しておくことにより、UVランプか
ら紫外線を集水管内の濾過水に照射して、含まれる有機
物の分解および細菌等の殺菌を行うことができるととも
に、近接するUVランプからの紫外線によりセルフクリ
ーニング効果も得ることができる。
【0091】(6)原水を縦型密閉円筒容器1の内周方
向に沿って一方向に回転させる流体回転手段として、流
入管13と流体加圧手段14とによる流体流入手段を採
用したが、他の手段を用いても構わない。例えば、縦型
密閉円筒容器内に流入させた原水を内部に設けた回転駆
動される回転翼によって回転流動させ、渦流を発生させ
てサイクロン分離効果を得る手段でもよい。
【0092】
【発明の効果】本発明によれば、以下の効果を奏する。 (1)請求項1記載の流体濾過装置では、集流体管路に
濾過材を通過した濾過流体を集流体管路に集めて縦型密
閉円筒容器の外部に吐出する流体吐出手段が付設され、
縦型密閉円筒容器と流体流通性容器との間の空間に流体
流入口から流入させた流体に、縦型密閉円筒容器の内周
方向に沿って一方向に回転する力を加える流体回転手段
が付設されているので、サイクロン分離効果と濾過材と
によって懸濁物質を2段階で効率的に流体中から分離で
き、処理量を大幅に向上させることができるとともに、
濾過材の捕捉能力をより長く維持することができる。
【0093】(2)請求項2記載の流体濾過装置では、
流体回転手段が縦型密閉円筒容器の内周壁に流体の流入
口を配し、該流入口に接続され流体を加圧して流入口か
ら縦型密閉円筒容器の内周壁の接線方向に向けて流体を
噴出させる流体流入手段を備えているので、流体を縦型
密閉円筒容器の内周に沿って一方向に容易に回転させる
ことができ、比較的簡便な構成によってサイクロン分離
効果を得ることができる。
【0094】(3)請求項3記載の流体濾過装置では、
縦型密閉円筒容器下部に沈殿した流体中の懸濁物質を外
部に排出する沈殿物排出手段を備えているので、沈殿物
の排出処理が可能となって健全な濾過能力を維持するこ
とができる。
【0095】(4)請求項4記載の流体濾過装置では、
流体流通性容器内部の濾過材を流動させ、該濾過材に捕
捉分離させた懸濁物質を流体流通性容器外部に排出させ
る運動エネルギー供給手段を備えているので、容器内の
濾過材に運動エネルギーを受けて攪拌流動させ、濾過材
を摩滅再生させることができるとともに、捕捉懸濁物質
を排出させることができる。
【0096】(5)請求項5記載の流体濾過装置では、
運動エネルギー供給手段が、弾性支持された流体流通性
容器に振動を加え濾過材を流動させる加振機構を備えて
いるので、加振機構による振動のエネルギーを容器内の
濾過材に与えて攪拌流動させることができる。
【0097】(6)請求項6記載の流体濾過装置では、
縦型密閉円筒容器と流体流通性容器とを接続する部材お
よび管路に弾性継手を設けているので、加振機構による
振動が縦型密閉円筒容器側に伝わり難いとともに流体流
通性容器に効果的に加えることができ、濾過材の攪拌流
動を効率的に行うことができる。
【0098】(7)請求項7記載の流体濾過装置では、
運動エネルギー供給手段が、流体流通性容器の下部から
空気を供給することにより濾過材を流動させる空気供給
手段を備えているので、空気供給手段からのエアの上昇
に伴うエア圧によって容器内の濾過材を攪拌流動させる
ことができる。
【0099】(8)請求項8記載の流体濾過装置では、
流体流通性容器の上部に濾過材の供給口を設け、流体流
通性容器の下部に濾過材の排出口を設けているので、摩
滅して減少した濾過材を供給口から適宜補給することが
できるとともに、排出口から摩滅した濾過材や懸濁物質
を捕捉した濾過材を外部に適宜排出することができる。
したがって、濾過材の交換が容易となるとともに、良好
な濾過特性を維持することが可能となる。
【0100】(9)請求項9記載の流体濾過装置では、
濾過材が含水珪酸塩鉱物(ゼオライト族)を主成分とす
る土壌成分、または天然または人工の珪酸塩鉱物の塊粒
状物質等なので、沈降促進効果、微生物環境の活発化お
よび底泥の改質を含め水環境の浄化・改善等をより向上
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る流体濾過装置の一実施形態とし
て本発明を水質浄化装置に応用した場合の実施形態を示
す断面図である。
【符号の説明】
1 縦型密閉円筒容器 2 濾過槽本体(流体流通性容器) 3d 連結弾性継手 7a 上部開口端(供給口) 9 内筒支持弾性体 10 濾過材 11 集水管(集流体管路) 13 流入管(流体回転手段) 14 流体加圧手段(流体回転手段) 15 加振器 16 円筒状弾性継手 18 外筒排出弁 19 吐出用連結管(流体吐出手段) 20 ブラシ駆動モータ 21 ブラシ部材(弾性部材) 22 内筒排出弁(排出口) 23 エア吐出管 24 エア配管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B01D 29/08 540A 29/38 580C 580F

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 垂直方向に軸線を有する縦型密閉円筒容
    器内に略円筒状の流体流通性容器が、縦型密閉円筒容器
    と略同心状に配設され、 前記流体流通性容器内に流体流通性の集流体管路が流体
    流通性容器と略同心状に配設され、 前記流体流通性容器内部で前記集流性管路の外部の空間
    には、流体流通性容器の外壁から流入する流体中の懸濁
    物質を捕捉分離する濾過材が流動可能に収容され、 前記集流体管路には、前記濾過材を通過した濾過流体を
    集流体管路に集めて前記縦型密閉円筒容器の外部に吐出
    する流体吐出手段が付設されてなり、 前記縦型密閉円筒容器と前記流体流通性容器との間の空
    間に流入させた流体に、縦型密閉円筒容器の内周方向に
    沿って一方向に回転する力を加える流体回転手段が付設
    されていることを特徴とする流体濾過装置。
  2. 【請求項2】 前記流体回転手段は、前記縦型密閉円筒
    容器の内周壁に前記流体の流入口を配し、該流入口に接
    続され前記流体を加圧して流入口から縦型密閉円筒容器
    の内周壁の接線方向に向けて流体を噴出させる流体流入
    手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の流体
    濾過装置。
  3. 【請求項3】 前記縦型密閉円筒容器下部に設けられ前
    記流体の回転によって遠心分離されるとともに縦型密閉
    円筒容器下部に沈殿した流体中の懸濁物質を外部に排出
    する沈殿物排出手段を備えていることを特徴とする請求
    項1または2記載の流体濾過装置。
  4. 【請求項4】 前記流体流通性容器内部の濾過材を流動
    させ、該濾過材に捕捉分離された懸濁物質を流体流通性
    容器外部に排出させる運動エネルギー供給手段を備えて
    いることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載
    の流体濾過装置。
  5. 【請求項5】 前記運動エネルギー供給手段は、弾性支
    持された前記流体流通性容器に振動を加え前記濾過材を
    流動させる加振機構を備えていることを特徴とする請求
    項4記載の流体濾過装置。
  6. 【請求項6】 前記縦型密閉円筒容器と前記流体流通性
    容器とを接続する部材および管路に弾性継手を設けてい
    ることを特徴とする請求項5記載の流体濾過装置。
  7. 【請求項7】 前記流体が液体とされ、 前記運動エネルギー供給手段は、前記流体流通性容器の
    下部から空気を供給することにより前記濾過材を流動さ
    せる空気供給手段を備えていることを特徴とする請求項
    4記載の流体濾過装置。
  8. 【請求項8】 前記流体流通性容器の上部に前記濾過材
    の供給口を設け、 前記流体流通性容器の下部に前記濾過材の排出口を設け
    ていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記
    載の流体濾過装置。
  9. 【請求項9】 前記集流体管路の内面に弾性部材を摺動
    させて付着物を除去する内面洗浄手段を備えていること
    を特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の流体濾
    過装置。
  10. 【請求項10】 前記濾過材が、含水珪酸塩鉱物(ゼオ
    ライト族)を主成分とする土壌成分、天然もしくは人工
    の珪酸塩鉱物の塊粒状物質、多孔質で吸着性を有する炭
    化物の塊粒状物質、高分子材料の顆粒状もしくは立体網
    目構造状塊粒もしくはブラシ状団塊物質、無機もしくは
    有機材料の中空円柱状もしくは中空球状体物資からなる
    群から、単独もしくは混合状態で、選ばれてなることを
    特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の流体濾過
    装置。
JP10010826A 1998-01-22 1998-01-22 流体濾過装置 Pending JPH11207106A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11239702A (ja) * 1998-02-25 1999-09-07 Mitsubishi Materials Corp 地熱熱水からの懸濁物質回収方法、装置およびこれを用いた地熱発電設備
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