JP2012238840A - 積層インダクタ - Google Patents

積層インダクタ Download PDF

Info

Publication number
JP2012238840A
JP2012238840A JP2012068444A JP2012068444A JP2012238840A JP 2012238840 A JP2012238840 A JP 2012238840A JP 2012068444 A JP2012068444 A JP 2012068444A JP 2012068444 A JP2012068444 A JP 2012068444A JP 2012238840 A JP2012238840 A JP 2012238840A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic material
magnetic
oxide film
particles
metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2012068444A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiro Hachiya
正大 八矢
Takuya Ishida
拓也 石田
Takayuki Arai
隆幸 新井
Kenji Otake
健二 大竹
Jun Matsuura
準 松浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiyo Yuden Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Yuden Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiyo Yuden Co Ltd filed Critical Taiyo Yuden Co Ltd
Priority to JP2012068444A priority Critical patent/JP2012238840A/ja
Priority to US13/452,635 priority patent/US8427265B2/en
Publication of JP2012238840A publication Critical patent/JP2012238840A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F17/00Fixed inductances of the signal type 
    • H01F17/0006Printed inductances
    • H01F17/0013Printed inductances with stacked layers
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F17/00Fixed inductances of the signal type 
    • H01F17/0006Printed inductances
    • H01F17/0033Printed inductances with the coil helically wound around a magnetic core
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F17/00Fixed inductances of the signal type 
    • H01F17/0006Printed inductances
    • H01F2017/0066Printed inductances with a magnetic layer

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)
  • Soft Magnetic Materials (AREA)

Abstract

【課題】透磁率の向上と抵抗絶縁抵抗の向上を図りつつ、高温負荷、耐湿性等の信頼性特性を向上させる積層インダクタの提供。
【解決手段】複数の磁性材料層からなる積層体と、積層体の内部にスパイラル状に形成されたコイル導体とを備え、コイル導体は磁性材料層に形成された導体パターンと磁性材料層を貫通し複数の導体パターンを電気的に接続するビアホール導体とを有し、磁性材料層は、Fe−Si−M系軟磁性合金からなる複数の金属粒子と、金属粒子の表面に形成された軟磁性合金の酸化物からなる酸化被膜とを備え、隣接する金属粒子表面に形成された酸化被膜を介しての結合部および酸化被膜が存在しない部分における金属粒子どうしの結合部を有し、金属粒子の集積により生じた空隙の少なくとも一部には樹脂材料が充填されている磁性材料からなる層である、積層インダクタ。
【選択図】図1

Description

本発明は積層インダクタに関する。
回路基板上への面実装が可能な小型化された積層コイル型電子部品である積層インダクタの開発が進められている。従来、高周波で用いられるチョークコイルの磁性コアとして、フェライトコアや金属薄板のカットコアや、圧粉磁芯が使用されてきた。
近年、この種のコイル部品には大電流化(定格電流の高値化を意味する)が求められており、該要求を満足するために、磁性体の材質を従前のフェライトからFe系の合金に切り替えることが検討されている。
特許文献1には、積層タイプのコイル部品における磁性体部の作製方法として、Fe−Cr−Si合金粒子群の他にガラス成分を含む磁性体ペーストにより形成された磁性体層と導体パターンを積層して窒素雰囲気中(還元性雰囲気中)で焼成した後に、該焼成物に熱硬化性樹脂を含浸させる方法が開示されている。
特開2007−27354号公報
しかしながら、特許文献1の発明では、絶縁性を確保するために、金属粉と樹脂とのコンポジット構造を採っているため、充分な透磁率が得られない。また、樹脂を維持する目的で低温の熱処理を余儀なくされ、Ag電極が緻密化せず、充分なL、Rdc特性が得られない。
また、金属磁性体そのものの低絶縁性を考慮して、絶縁処理を施す必要がある。さらに、高温負荷、耐湿性等の信頼性特性の向上も望まれる。
これらのことを考慮し、本発明は、透磁率の向上と抵抗絶縁抵抗の向上を図りつつ、高温負荷、耐湿性等の信頼性特性を向上させる積層インダクタの提供を課題とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、以下のような本発明を完成した。
本発明の積層インダクタは、複数の磁性材料層からなる積層体と、積層体の内部にスパイラル状に形成されたコイル導体とを備える。コイル導体は磁性材料層に形成された導体パターンと磁性材料層を貫通し複数の導体パターンを電気的に接続するビアホール導体とを有する。ここで、磁性材料層を構成する磁性材料は、Fe−Si−M系軟磁性合金(但し、MはFeより酸化し易い金属元素である。)からなる複数の金属粒子と、金属粒子の表面に形成された酸化被膜とを備える。この酸化被膜は軟磁性合金自身の酸化物からなる。磁性材料は、隣接する金属粒子表面に形成された酸化被膜を介しての結合部および酸化被膜が存在しない部分における金属粒子どうしの結合部を有する。そして、前記金属粒子の集積により生じた空隙の少なくとも一部には樹脂材料が充填されている。
好ましくは、磁性材料層の断面図において観察される、前記金属粒子及び酸化被膜の非存在領域の15%以上の面積の領域に樹脂材料が充填されている。別途好ましくは、上記樹脂材料が、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、シリケート系樹脂、ウレタン系樹脂、イミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂およびポリエチレン系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種からなる。
本発明によれば、高透磁率および高絶縁抵抗を両立した磁性材料を備え、高信頼性の積層インダクタが提供される。
本発明の磁性材料の微細構造を模式的に表す断面図である。 積層インダクタの外観斜視図である。 図2のS11−S11線に沿う拡大断面図である。 図2に示した部品本体の分解図である。 本発明の磁性材料の模式断面図である。 比較例における磁性材料の微細構造を模式的に表す断面図である。
図面を適宜参照しながら本発明を詳述する。但し、本発明は図示された態様に限定されるわけでなく、また、図面においては発明の特徴的な部分を強調して表現することがあるので、図面各部において縮尺の正確性は必ずしも担保されていない。
本発明によれば、磁性材料層は所定の粒子が成形されてなる磁性材料からなる。
図1は本発明の磁性材料の微細構造を模式的に表す断面図である。本発明において、磁性材料1は、微視的には、もともとは独立していた多数の金属粒子11どうしが結合してなる集合体として把握され、個々の金属粒子11はその周囲の少なくとも一部、好ましくは概ね全体にわたって酸化被膜12が形成されていて、この酸化被膜12により磁性材料1の絶縁性が確保される。隣接する金属粒子11どうしは、主として、それぞれの金属粒子11の周囲にある酸化被膜12どうしが結合することにより、一定の形状を有する磁性材料1を構成している。酸化被膜12どうしの結合22に加えて、部分的には、隣接する金属粒子11の金属部分どうしの結合21が存在している。従来の磁性材料においては、硬化した有機樹脂のマトリクス中に単独の磁性粒子又は数個程度の磁性粒子の結合体が分散しているものや、硬化したガラス成分のマトリクス中に単独の磁性粒子又は数個程度の磁性粒子の結合体が分散しているものが用いられていた。
後述のとおり、磁性材料1には樹脂材料が含まれるが、あくまで、金属粒子間の空隙を埋めるように存在するに過ぎず、磁性材料1を形造る結合要素は上述の2種類の結合21、22である。磁性材料1から樹脂材料の存在する部分を除外したとしても、上述の2種類の結合21、22による連続構造を見出すことができる。本発明では、ガラス成分からなるマトリクスは、実質的に存在しないことが好ましい。
個々の金属粒子11は特定の軟磁性合金から主として構成される。本発明では、金属粒子11はFe−Si−M系軟磁性合金からなる。ここで、MはFeより酸化し易い金属元素であり、典型的には、Cr(クロム)、Al(アルミニウム)、Ti(チタン)などが挙げられ、好ましくは、CrまたはAlである。
軟磁性合金がFe−Cr−Si系合金である場合におけるSiの含有率は、好ましくは0.5〜7.0wt%であり、より好ましくは、2.0〜5.0wt%である。Siの含有量が多ければ高抵抗・高透磁率という点で好ましく、Siの含有量が少なければ成形性が良好であり、これらを勘案して上記好適範囲が提案される。
軟磁性合金がFe−Cr−Si系合金である場合におけるクロムの含有率は、好ましくは2.0〜15wt%であり、より好ましくは、3.0〜6.0wt%である。クロムの存在は、熱処理時に不動態を形成して過剰な酸化を抑制するとともに強度および絶縁抵抗を発現する点で好ましく、一方、磁気特性の向上の観点からはクロムが少ないことが好ましく、これらを勘案して上記好適範囲が提案される。
軟磁性合金がFe−Si−Al系合金である場合におけるSiの含有率は、好ましくは1.5〜12wt%である。Siの含有量が多ければ高抵抗・高透磁率という点で好ましく、Siの含有量が少なければ成形性が良好であり、これらを勘案して上記好適範囲が提案される。
軟磁性合金がFe−Si−Al系合金である場合におけるアルミニウムの含有率は、好ましくは2.0〜8wt%である。
なお、軟磁性合金における各金属成分の上記好適含有率については、合金成分の全量を100wt%であるとして記述している。換言すると、上記好適含有量の計算においては酸化被膜の組成は除外している。
軟磁性合金がFe−Si−M系合金である場合において、SiおよびM以外の残部は不可避不純物を除いて、鉄であることが好ましい。Fe、SiおよびM以外に含まれていてもよい金属としては、マグネシウム、カルシウム、チタン、マンガン、コバルト、ニッケル、銅などが挙げられ、非金属としてはリン、硫黄、カーボンなどが挙げられる。
磁性材料1における各々の金属粒子11を構成する合金については、例えば、磁性材料1の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて撮影し、その化学組成をエネルギー分散型X線分析(EDS)におけるZAF法で算出することができる。
本発明の磁性材料は、上述の所定の軟磁性合金からなる金属粒子を成形して熱処理を施すことにより製造することができる。その際に、好適には、原料となる金属粒子(以下、「原料粒子」とも表記する。)そのものが有していた酸化被膜のみならず、原料の金属粒子においては金属の形態であった部分の一部が酸化して酸化被膜12を形成するように熱処理が施される。このように、本発明においては、酸化被膜12は金属粒子11を構成する合金粒子の酸化物からなり、主として金属粒子11の表面部分が酸化してなるものである。好適態様では、金属粒子11が酸化してなる酸化物以外の酸化物、例えば、シリカやリン酸化合物等は、本発明の磁性材料には含まれない。
磁性材料1を構成する個々の金属粒子11にはその周囲の少なくとも一部に酸化被膜12が形成されている。酸化被膜12は磁性材料1を形成する前の原料粒子の段階で形成されていてもよいし、原料粒子の段階では酸化被膜が存在しないか極めて少なく、成形過程において酸化被膜を生成させてもよい。酸化被膜12の存在は、走査型電子顕微鏡(SEM)による3000倍程度の撮影像においてコントラスト(明度)の違いとして認識することができる。酸化被膜12の存在により磁性材料全体としての絶縁性が担保される。
好適には、酸化被膜12には、鉄元素よりも金属M元素の方が、モル換算において、より多く含まれる。このような構成の酸化被膜12を得るためには、磁性材料を得るための原料粒子に鉄の酸化物がなるべく少なく含まれるか鉄の酸化物を極力含まれないようにして、磁性材料1を得る過程において加熱処理などにより合金の表面部分を酸化させることなどが挙げられる。このような処理により、鉄よりも酸化しやすい金属Mが選択的に酸化されて、結果として、酸化被膜12に含まれる金属Mのモル比率が相対的に鉄よりも大きくなる。酸化被膜12において鉄元素よりも金属M元素のほうが多く含まれることにより、合金粒子の過剰な酸化を抑制するという利点がある。
磁性材料1における酸化被膜12の化学組成を測定する方法は以下のとおりである。まず、磁性材料1を破断するなどしてその断面を露出させる。ついで、イオンミリング等により平滑面を出し走査型電子顕微鏡(SEM)で撮影し、酸化被膜12をエネルギー分散型X線分析(EDS)におけるZAF法で化学組成を算出する。
酸化被膜12における金属Mの含有量は鉄1モルに対して、好ましくは1.0〜5.0モルであり、より好ましくは1.0〜2.5モルであり、さらに好ましくは1.0〜1.7モルである。前記含有量が多いと過剰な酸化の抑制という点で好ましく、一方、前記含有量が少ないと金属粒子間の焼結という点で好ましい。前記含有量を多くするためには、例えば、弱酸化雰囲気での熱処理をするなどの方法が挙げられ、逆に、前記含有量を多くするためには、例えば、強酸化雰囲気中での熱処理などの方法が挙げられる。
磁性材料1においては粒子どうしの結合は主として酸化被膜12どうしの結合22である。酸化被膜12どうしの結合22の存在は、例えば、約3000倍に拡大したSEM観察像などにおいて、隣接する金属粒子11が有する酸化被膜12が同一相であることを視認することなどで、明確に判断することができる。酸化被膜12どうしの結合22の存在により、機械的強度と絶縁性の向上が図られる。磁性材料1全体にわたり、隣接する金属粒子11が有する酸化被膜12どうしが結合していることが好ましいが、一部でも結合していれば、相応の機械的強度と絶縁性の向上が図られ、そのような形態も本発明の一態様であるといえる。好適には、磁性材料1に含まれる金属粒子11の数と同数またはそれ以上の、酸化被膜12どうしの結合22が存在する。また、後述するように、部分的には、酸化被膜12どうしの結合を介さずに、金属粒子11どうしの結合21も存在していてもよい。さらに、隣接する金属粒子11が、酸化被膜12どうしの結合も、金属粒子11どうしの結合もいずれも存在せず単に物理的に接触又は接近するに過ぎない形態(図示せず)が部分的にあってもよい。
酸化被膜12どうしの結合22を生じさせるためには、例えば、磁性材料1の製造の際に酸素が存在する雰囲気下(例、空気中)で後述する所定の温度にて熱処理を加えることなどが挙げられる。
本発明によれば、磁性材料1において、酸化被膜12どうしの結合22のみならず、金属粒子11どうしの結合21が存在する。上述の酸化被膜12どうしの結合22の場合と同様に、例えば、約3000倍に拡大したSEM観察像などにおいて、隣接する金属粒子11どうしが同一相を保ちつつ結合点を有することを視認することなどにより、金属粒子11どうしの結合21の存在を明確に判断することができる。金属粒子11どうしの結合21の存在により透磁率のさらなる向上が図られる。
金属粒子11どうしの結合21を生成させるためには、例えば、原料粒子として酸化被膜が少ない粒子を用いたり、磁性材料1を製造するための熱処理において温度や酸素分圧を後述するように調節したり、原料粒子から磁性材料1を得る際の成形密度を調節することなどが挙げられる。熱処理における温度については金属粒子11どうしが結合し、かつ、酸化物が生成しにくい程度を提案することができる。具体的な好適温度範囲については後述する。酸素分圧については、例えば、空気中における酸素分圧でもよく、酸素分圧が低いほど酸化物が生成しにくく、結果的に金属粒子11どうしの結合が生じやすい。
本発明の磁性材料は、所定の合金からなる金属粒子を成形することにより製造することができる。その際に、隣接する金属粒子どうしが主として酸化被膜を介して結合し、そして、部分的に酸化被膜を介さずに結合することにより全体として所望の形状の粒子成形体を得ることができる。
本発明の磁性材料の製造において原料として用いる金属粒子(原料粒子)は、好適には、Fe−M−Si系合金、より好ましくはFe−Cr−Si系合金からなる粒子を用いる。原料粒子の合金組成は、最終的に得られる磁性材料における合金組成に反映される。よって、最終的に得ようとする磁性材料の合金組成に応じて、原料粒子の合金組成を適宜選択することができ、その好適な組成範囲は上述した磁性材料の好適な組成範囲と同じである。個々の原料粒子は酸化被膜で覆われていてもよい。換言すると、個々の原料粒子は、中心部分にある所定の軟磁性合金と、その周囲の少なくとも一部にある当該軟磁性合金が酸化してなる酸化被膜とから構成されていてもよい。
個々の原料粒子のサイズは最終的に得られる磁性材料における磁性材料1を構成する粒子のサイズと実質的に等しくなる。原料粒子のサイズとしては、透磁率と粒内渦電流損を考慮すると、d50が好ましくは2〜30μmであり、より好ましくは2〜20μmであり、d50のさらに好適な下限値は5μmである。原料粒子のd50はレーザー回折・散乱による測定装置により測定することができる。
原料粒子は例えばアトマイズ法で製造される粒子である。上述のとおり、磁性材料1には酸化被膜12を介しての結合部22のみならず、金属粒子11どうしの結合部21も存在する。そのため、原料粒子には酸化被膜が存在してもよいが過剰には存在しない方がよい。アトマイズ法により製造される粒子は酸化被膜が比較的に少ない点で好ましい。原料粒子における合金からなるコアと酸化被膜との比率は以下のように定量化することができる。原料粒子をXPSで分析して、Feのピーク強度に着目し、Feが金属状態として存在するピーク(706.9eV)の積分値FeMetalと、Feが酸化物の状態として存在するピークの積分値FeOxideとを求め、FeMetal/(FeMetal+FeOxide)を算出することにより定量化する。ここで、FeOxideの算出においては、Fe(710.9eV)、FeO(709.6eV)およびFe(710.7eV)の三種の酸化物の結合エネルギーを中心とした正規分布の重ねあわせとして実測データと一致するようにフィッティングを行う。その結果、ピーク分離された積分面積の和としてFeOxideを算出する。熱処理時に合金どうしの結合部21を生じさせやすくすることによって結果として透磁率を高める観点からは、前記値は好ましくは0.2以上である。前記値の上限値は特に限定されず、製造のしやすさなどの観点から、例えば0.6などが挙げられ、上限値は好ましくは0.3である。前記値を上昇させる手段として、還元雰囲気での熱処理に供したり、酸による表面酸化層の除去などの化学処理等に供することなどが挙げられる。還元処理としては、例えば、窒素中に又はアルゴン中に25〜35%の水素を含む雰囲気下で750〜850℃、0.5〜1.5時間保持することなどが挙げられる。酸化処理としては、例えば、空気中で400〜600℃、0.5〜1.5時間保持することなどが挙げられる。
上述したような原料粒子は合金粒子製造の公知の方法を採用してもよいし、例えば、エプソンアトミックス(株)社製PF20−F、日本アトマイズ加工(株)社製SFR-FeSiAlなどとして市販されているものを用いることもできる。市販品については上述のFeMetal/(FeMetal+FeOxide)の値について考慮されていない可能性が極めて高いので、原料粒子を選別したり、上述した熱処理や化学処理などの前処理を施すことも好ましい。
デバイスとしての積層インダクタの構造は特に限定無く、従来公知の構造を適宜援用することができる。非限定的な例示については図2〜4等を参照しながら実施例の欄において説明される。本発明の対象である積層インダクタは、コイル導体の大部分が磁性体層の積層体の中に埋没している構造を有する。典型的には、コイル導体は螺旋状に形成されたコイルであり、その他、渦巻き状のコイル、ミアンダ(蛇行)状の導線、あるいは直線状の導線等が挙げられる。
コイル導体は典型的にはコイルセグメントと中継セグメントとを有する。コイルセグメントと磁性体層とは交互に積層された積層構造を構成する。中継セグメントは磁性体層を貫通するように形成されている。中継セグメントは複数のコイルセグメントどうしを導通するように形成されている。図4は典型的な積層インダクタの模式的な分解図である。図示された態様では、コイル導体は、コイルセグメントCS1〜CS5と、このコイルセグメントCS1〜CS5を接続する中継セグメントIS1〜IS4とが、螺旋状に一体化したコイルの構造を有しており、コイルセグメントCS1〜CS4はコ字状を成し、コイルセグメントCS5は帯状を成しており、各中継セグメントIS1〜IS4は磁性体層ML1〜ML4を貫通した柱状を成している。
本発明によれば、コイルセグメント21と中継セグメント22とは導体材料からなる。導体材料としては、Ag、Au、Cu、Pt、Pdなどを含有する材料が非限定的に例示される。導体材料は好適にはAg含有材料であり、Ag含有材料は、典型的には、金属としてはAgを最も多く含む金属材料であり、例えば、100重量部のAgと50重量部以下の他の金属との混合物や合金であってもよい。前記他の金属としては、Au、Cu、Pt、Pdなどが非限定的に例示される。
以下、本発明に係る積層インダクタの典型的かつ非限定的な製造方法を説明する。積層インダクタの製造にあたっては、まず、ドクターブレードやダイコータ等の塗工機を用いて、予め用意した磁性体ペースト(スラリー)を、樹脂等からなるベースフィルムの表面に塗工する。これを熱風乾燥機等の乾燥機で乾燥してグリーンシートを得る。上記磁性体ペーストは、軟磁性合金粒子と、典型的には、バインダとしての高分子樹脂と、溶剤とを含む。
上述の磁性体ペーストには、好適にはバインダとしての高分子樹脂が含まれる。高分子樹脂の種類は特に限定はなく、例えば、ポリビニルブチラール(PVB)等のポリビニルアセタール樹脂などが挙げられる。磁性体ペーストの溶剤の種類は特に限定はなく、例えば、ブチルカルビトール等のグリコールエーテルなどを用いることができる。磁性体ペーストにおける軟磁性合金粒子、高分子樹脂、溶剤などの配合比率などは適宜調節することができ、それによって、磁性体ペーストの粘度などを設定することも可能である。
磁性体ペーストを塗工および乾燥してグリーンシートを得るための具体的な方法は従来技術を適宜援用することができる。
次いで、打ち抜き加工機やレーザー加工機等の穿孔機を用いて、グリーンシートに穿孔を行ってスルーホール(貫通孔)を所定配列で形成する。スルーホールの配列については、各シートを積層したときに、導体を充填したスルーホール(即ち、中継セグメント)とコイルセグメントとでコイル導体が形成されるように設定される。コイル導体を形成するためのスルーホールの配列およびコイルセグメント形成のための導体パターンの形状については、従来技術を適宜援用することができ、また、後述の実施例において図面を参照しながら具体例が説明される。
スルーホールに充填するため、および、導体パターンの印刷のために、好ましくは導体ペーストが使用される。導体ペーストには導体材料(以下、Ag含有材料の使用例を示すがこれに限定されない。)と、典型的にはバインダとしての高分子樹脂と溶剤とが含まれる。
導体粒子としてのAg含有材料の粒子径は適宜選択することができ、体積基準において、d50が好ましくは1〜10μmである。導体粒子のd50は、レーザー回折散乱法を利用した粒子径・粒度分布測定装置(例えば、日機装(株)製のマイクロトラック)を用いて測定される。
導体ペーストには、好適にはバインダとしての高分子樹脂が含まれる。高分子樹脂の種類は特に限定はなく、例えば、ポリビニルブチラール(PVB)等のポリビニルアセタール樹脂などが挙げられる。導体ペーストの溶剤の種類は特に限定はなく、例えば、ブチルカルビトール等のグリコールエーテルなどを用いることができる。導体ペーストにおけるAg含有材料、高分子樹脂、溶剤などの配合比率などは適宜調節することができ、それによって、導体ペーストの粘度などを設定することも可能である。
次いで、スクリーン印刷機やグラビア印刷機等の印刷機を用いて、導体ペーストをグリーンシートの表面に印刷し、これを熱風乾燥機等の乾燥機で乾燥して、コイルセグメントに対応する導体パターンを形成する。印刷の際に、上述のスルーホールにも導体ペーストの一部が充填される。その結果、スルーホールに充填された導体ペーストと、印刷された導体パターンとがコイル導体の形状を構成することになる。
印刷後のグリーンシートを、吸着搬送機とプレス機を用いて、所定の順序で積み重ねて熱圧着して積層体を作製する。続いて、ダイシング機やレーザー加工機等の切断機を用いて、積層体を部品本体サイズに切断して、加熱処理前の磁性体部及びコイル導体を含む、加熱処理前チップを作製する。
焼成炉等の加熱装置を用いて、大気等の酸化性雰囲気中で、加熱処理前チップを加熱処理する。熱処理雰囲気は、酸化雰囲気であれば特に限定されず、加熱中の酸素濃度は好ましくは1%以上であり、これにより、酸化被膜どうしの結合22および金属どうしの結合21が両方とも生成しやすくなる。酸素濃度の上限は特に定められるものではないが、製造コスト等を考慮して空気中の酸素濃度(約21%)を挙げることができる。加熱温度については、酸化被膜12を生成して酸化被膜12どうしの結合を生成させやすくする観点からは好ましくは600℃以上であり、酸化を適度に抑制して金属どうしの結合21の存在を維持して透磁率を高める観点からは好ましくは900℃以下である。加熱温度はより好ましくは700〜800℃である。酸化被膜12どうしの結合22および金属どうしの結合21を両方とも生成させやすくする観点からは、加熱時間は好ましくは0.5〜3時間である。酸化被膜12を介した結合および金属粒子どうしの結合21が生じるメカニズムは、例えば600℃程度より高温域における、いわゆるセラミックスの焼結と似たようなメカニズムであると考察される。すなわち、本発明者らの新知見によれば、この熱処理においては、(A)酸化被膜が十分に酸化雰囲気に接するとともに金属元素が金属粒子から随時供給されることにより酸化被膜自体が成長すること、ならびに、(B)隣接する酸化被膜どうしが直接接して酸化被膜を構成する物質が相互拡散すること、が重要である。よって、600℃以上の高温域において残存し得る熱硬化性樹脂やシリコーンなどは熱処理の際に実質的に存在しないことが好ましい。
加熱処理前チップにあっては、個々の軟磁性合金粒子どうしの間に、多数の微細間隙が存在し、通常、該微細間隙は溶剤とバインダとの混合物で満たされている。これら混合物は昇温過程に消失し、該微細間隙はポア(空隙)に変わる。上記最高温度に近い高温域では、軟磁性合金粒子が密集して磁性体部ができ、典型的には、その際に、軟磁性合金粒子それぞれの表面に酸化被膜が形成される。このとき、Ag含有材料が焼結してコイル導体が形成される。これにより磁性材料とコイル導体との積層体が得られる。
通常は、加熱処理の後に外部端子を形成する。ディップ塗布機やローラ塗布機等の塗布機を用いて、予め用意した導体ペーストを焼成体の長さ方向両端部に塗布し、これを焼成炉等の加熱装置を用いて、例えば、約600℃、約1hrの条件で焼付け処理を行うことにより、外部端子が形成される。外部端子用の導体ペーストは、上述した導体パターンの印刷用のペーストや、それに類似したペーストを適宜用いることができる。
得られた磁性材料1には、その内部に空隙30が存在する。この空隙30の少なくとも一部に樹脂材料が充填される。樹脂材料の充填に際しては、例えば、液体状態の樹脂材料や樹脂材料の溶液などといった、樹脂材料の液状物に磁性材料1を浸漬して製造系の圧力を下げたり、上述の樹脂材料の液状物を磁性材料1に塗布して表面近傍の空隙30に染みこませるなどの手段が挙げられる。磁性材料1の空隙30に樹脂材料31を充填させることにより、強度の増加や吸湿性の抑制という利点があり、具体的には、高湿下において水分が磁性材料内に入りにくくなるため、絶縁抵抗が下がりにくくなる。樹脂材料31としては、有機樹脂や、シリコーン樹脂などを特に限定なく挙げることができ、好ましくはシリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、シリケート系樹脂、ウレタン系樹脂、イミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂およびポリエチレン系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種からなる。
好適には、磁性材料内に生じる空隙の所定割合以上を占めるように樹脂材料が充填される。樹脂材料の充填の程度は、測定対象の積層インダクタの鏡面研磨、イオンミリング(CP)の実施、走査型電子顕微鏡(SEM)観察により定量化するる。具体的には、以下のようにして行う。まず、積層体の中心を通り、厚さ方向の断面が露出するように測定対象物を研磨する。得られた断面の製品中央付近を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて3000倍で撮影して、2次電子像と組成像を得る。図5は得られる像の模式図である。観察像では、構成元素の違いにより、組成像にコントラスト(明度)の違いが生じる。明度の高い順に、金属粒子11、酸化被膜(図示せず)、樹脂材料の充填部31、空隙30として同定される。観察像において、金属粒子11および酸化被膜樹の非存在領域に相当する面積に対する、空隙30の面積を算出の割合を算出し、この割合を空隙率と定義する。そして、樹脂充填率(%)を(100−空隙率)として算出する。本発明の効果をより実効あらしめる観点から樹脂充填率は好ましくは15%以上である。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に記載された態様に限定されるわけではない。
[実施例1〜6]
(原料粒子)
アトマイズ法で製造されたCr4.5wt%、Si3.5wt%、残部Feの組成をもち、平均粒径d50が6μmである市販の合金粉末を原料粒子として用いた。この合金粉末の集合体表面をXPSで分析し、上述のFeMetal/(FeMetal+FeOxide)を算出したところ、0.25であった。
この実施例では、コイル部品としての積層インダクタを製造した。
図2は、積層インダクタの外観斜視図である。図3は、図2のS11−S11線に沿う拡大断面図である。図4は、図2に示した部品本体の分解図である。この実施例で製造した積層インダクタ210は、図2において、長さLが約3.2mmで、幅Wが約1.6mmで、高さHが約0.8mmで、全体が直方体形状を成している。この積層インダクタ210は、直方体形状の部品本体211と、該部品本体211の長さ方向の両端部に設けられた1対の外部端子214及び215とを有している。部品本体211は、図3に示したように、直方体形状の磁性体部212と、該磁性体部212によって覆われた螺旋状のコイル部213とを有しており、該コイル部213の一端は外部端子214に接続し他端は外部端子215に接続している。磁性体部212は、図4に示したように、計20層の磁性体層ML1〜ML6が一体化した構造を有し、長さが約3.2mmで、幅が約1.6mmで、高さが約0.8mmである。各磁性体層ML1〜ML6の長さは約3.2mmで、幅は約1.6mmで、厚さは約40μmである。コイル部213は、計5個のコイルセグメントCS1〜CS5と、該コイルセグメントCS1〜CS5を接続する計4個の中継セグメントIS1〜IS4とが、螺旋状に一体化した構造を有し、その巻き数は約3.5である。このコイル部213は、d50が5μmのAg粒子を原料とする。
4個のコイルセグメントCS1〜CS4はコ字状を成し、1個のコイルセグメントCS5は帯状を成しており、各コイルセグメントCS1〜CS5の厚さは約20μmで、幅は約0.2mmである。最上位のコイルセグメントCS1は、外部端子214との接続に利用されるL字状の引出部分LS1を連続して有し、最下位のコイルセグメントCS5は、外部端子15との接続に利用されるL字状の引出部分LS2を連続して有している。各中継セグメントIS1〜IS4は磁性体層ML1〜ML4を貫通した柱状を成しており、各々の口径は約15μmである。各外部端子214及び215は、部品本体211の長さ方向の各端面と該端面近傍の4側面に及んでおり、その厚さは約20μmである。一方の外部端子214は最上位のコイルセグメントCS1の引出部分LS1の端縁と接続し、他方の外部端子215は最下位のコイルセグメントCS5の引出部分LS2の端縁と接続している。この各外部端子214及び215は、d50が5μmのAg粒子を原料とする。
積層インダクタ210の製造に際しては、ドクターブレードを塗工機として用いて、予め用意した磁性体ペーストをプラスチック製のベースフィルム(図示省略)の表面に塗工し、これを熱風乾燥機を用いて、約80℃、約5minの条件で乾燥して、磁性体層ML1〜ML6(図4を参照)に対応し、且つ、多数個取りに適合したサイズの第1〜第6シートをそれぞれ作製した。磁性体ペーストとしては、上記原料粒子が85wt%で、ブチルカルビトール(溶剤)が13wt%で、ポリビニルブチラール(バインダ)が2wt%である。続いて、打ち抜き加工機を用いて、磁性体層ML1に対応する第1シートに穿孔を行い、中継セグメントIS1に対応する貫通孔を所定配列で形成した。同様に、磁性体層ML2〜ML4に対応する第2〜第4シートそれぞれに、中継セグメントIS2〜IS4に対応する貫通孔を所定配列で形成した。
続いて、スクリーン印刷機を用いて、予め用意した導体ペーストを磁性体層ML1に対応する第1シートの表面に印刷し、これを熱風乾燥機等を用いて、約80℃、約5minの条件で乾燥して、コイルセグメントCS1に対応する第1印刷層を所定配列で作製した。同様に、磁性体層ML2〜ML5に対応する第2〜第5シートそれぞれの表面に、コイルセグメントCS2〜CS5に対応する第2〜第5印刷層を所定配列で作製した。導体ペーストの組成は、Ag原料が85wt%で、ブチルカルビトール(溶剤)が13wt%で、ポリビニルブチラール(バインダ)が2wt%である。磁性体層ML1〜ML4に対応する第1〜第4シートそれぞれに形成した所定配列の貫通孔は、所定配列の第1〜第4印刷層それぞれの端部に重なる位置に存するため、第1〜第4印刷層を印刷する際に導体ペーストの一部が各貫通孔に充填させて、中継セグメントIS1〜IS4に対応する第1〜第4充填部を形成した。
続いて、吸着搬送機とプレス機(何れも図示省略)を用いて、印刷層及び充填部が設けられた第1〜第4シート(磁性体層ML1〜ML4に対応)と、印刷層のみが設けられた第5シート(磁性体層ML5に対応)と、印刷層及び充填部が設けられていない第6シート(磁性体層ML6に対応)を、図4に示した順序で積み重ねて熱圧着して積層体を作製した。続いて、ダイシング機を用いて、積層体を部品本体サイズに切断して、加熱処理前チップ(加熱処理前の磁性体部及びコイル部を含む)を作製した。続いて、焼成炉等を用いて、大気の雰囲気下で加熱処理前チップを多数個一括で加熱処理した。この加熱処理は脱バインダプロセスと酸化物膜形成プロセスとを含み、脱バインダプロセスは約300℃、約1hrの条件で実行され、酸化物膜形成プロセスは約750℃、約2hrの条件で実行した。続いて、ディップ塗布機を用いて、上述の導体ペーストを部品本体211の長さ方向両端部に塗布し、これを焼成炉を用いて、約600℃、約1hrの条件で焼付け処理を行い、該焼付け処理によって溶剤及びバインダの消失とAg粒子群の焼結を行って、外部端子214及び215を作製した。
次いで、各樹脂材料を含む溶液に得られた積層インダクタを浸漬することにより、樹脂材料を空隙に充填し、その後、150℃にて60分間熱処理することにより、樹脂材料を硬化させた。樹脂材料の種類と充填の程度は表1のとおりである。充填の程度のコントロールは樹脂の希釈濃度および粘度調整により行った。表1における「シリコーン系」は下記(1)の基本構造を、「エポキシ系」は下記(2)の基本構造をそれぞれ有する樹脂である。
得られた積層インダクタの断面のSEM観察(3000倍)により、軟磁性合金からなる金属粒子の表面に形成された酸化被膜を介しての結合部と、酸化被膜が存在しない部分における金属粒子どうしの結合部と、が存在することを確認した。
[比較例1]
樹脂材料の充填を行わなかったことを除いて、実施例と同様に積層インダクタを製造した。図6は比較例の磁性材料層の模式断面図である。図6に表される磁性材料2では、金属粒子11および酸化被膜12の非存在領域には樹脂材料が充填されず、空隙30になっている。
[評価]
各実施例、比較例の積層インダクタについて、L=1.0uH、Q(1MHz)=30、Rdc=0.1Ωにおいて、以下の信頼性試験に供した。(n=100)
(1)高温負荷試験:85℃、0.8A印加、1000時間
(2)加速負荷試験:85℃、1.2A印加、300時間
(3)耐湿負荷試験:60℃、湿度95%、0.8A印加、300時間
各試験終了後、LもしくはQが初期値の70%以下に低下したものを不良とした。表1に製造条件と不良発生率とをまとめる。
上記のとおり、樹脂を充填した実施例については信頼性向上が認められ、特に、充填率が15%以上のものについてその効果が顕著であった。
1、2:磁性材料、11:金属粒子、12:酸化被膜、21:金属粒子どうしの結合部、22:酸化被膜を介しての結合部、30:空隙、31:樹脂材料、110:磁性材料、111、112:磁心、114:外部導体膜、115:コイル、210:積層インダクタ、211:部品本体、212:磁性体部、213:コイル部、214、215:外部端子

Claims (3)

  1. 複数の磁性材料層からなる積層体と、前記積層体の内部にスパイラル状に形成されたコイル導体とを備え、前記コイル導体は磁性材料層に形成された導体パターンと磁性材料層を貫通し複数の導体パターンを電気的に接続するビアホール導体とを有し、
    前記磁性材料層は、Fe−Si−M系軟磁性合金(但し、MはFeより酸化し易い金属元素である。)からなる複数の金属粒子と、前記金属粒子の表面に形成された前記軟磁性合金の酸化物からなる酸化被膜とを備え、隣接する金属粒子表面に形成された酸化被膜を介しての結合部および酸化被膜が存在しない部分における金属粒子どうしの結合部を有し、前記金属粒子の集積により生じた空隙の少なくとも一部には樹脂材料が充填されている磁性材料からなる層である、
    積層インダクタ。
  2. 前記磁性材料層の断面図において観察される、前記金属粒子及び酸化被膜の非存在領域の15%以上の面積の領域に樹脂材料が充填されている、請求項1記載の積層インダクタ。
  3. 前記樹脂材料が、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、シリケート系樹脂、ウレタン系樹脂、イミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂およびポリエチレン系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種からなる請求項1又は2記載の積層インダクタ。
JP2012068444A 2011-04-27 2012-03-23 積層インダクタ Withdrawn JP2012238840A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012068444A JP2012238840A (ja) 2011-04-27 2012-03-23 積層インダクタ
US13/452,635 US8427265B2 (en) 2011-04-27 2012-04-20 Laminated inductor

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011100095 2011-04-27
JP2011100095 2011-04-27
JP2012068444A JP2012238840A (ja) 2011-04-27 2012-03-23 積層インダクタ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012238840A true JP2012238840A (ja) 2012-12-06

Family

ID=47067452

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012068444A Withdrawn JP2012238840A (ja) 2011-04-27 2012-03-23 積層インダクタ

Country Status (2)

Country Link
US (1) US8427265B2 (ja)
JP (1) JP2012238840A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014139981A (ja) * 2013-01-21 2014-07-31 Taiyo Yuden Co Ltd 積層型電子部品およびその製造方法
KR20150011168A (ko) * 2013-07-22 2015-01-30 삼성전기주식회사 자성 재료, 그 제조방법 및 자성 재료를 포함하는 전자부품
JP2016009859A (ja) * 2014-06-24 2016-01-18 サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. 積層電子部品
US9767950B2 (en) 2013-10-14 2017-09-19 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Multilayer electronic component
KR20190079501A (ko) 2017-12-27 2019-07-05 티디케이가부시기가이샤 적층 코일형 전자 부품
JP2020155701A (ja) * 2019-03-22 2020-09-24 Tdk株式会社 積層コイル部品
JP2020205341A (ja) * 2019-06-17 2020-12-24 株式会社村田製作所 インダクタ部品

Families Citing this family (26)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6081051B2 (ja) 2011-01-20 2017-02-15 太陽誘電株式会社 コイル部品
TW201232573A (en) * 2011-01-28 2012-08-01 Bing-Li Lai Plasma choking method and plasma choke coil
JP2012238841A (ja) * 2011-04-27 2012-12-06 Taiyo Yuden Co Ltd 磁性材料及びコイル部品
JP4906972B1 (ja) 2011-04-27 2012-03-28 太陽誘電株式会社 磁性材料およびそれを用いたコイル部品
JP5082002B1 (ja) 2011-08-26 2012-11-28 太陽誘電株式会社 磁性材料およびコイル部品
KR20140000077A (ko) * 2012-06-22 2014-01-02 삼성전기주식회사 디지타이저용 센서부 및 그 제조방법
KR101983140B1 (ko) * 2013-06-21 2019-05-28 삼성전기주식회사 금속 자성체 분말 및 그 형성 방법, 그리고 상기 금속 자성체 분말을 이용하여 제조된 인덕터
JP2015032643A (ja) * 2013-07-31 2015-02-16 太陽誘電株式会社 電子部品
KR101922871B1 (ko) * 2013-11-29 2018-11-28 삼성전기 주식회사 적층형 전자부품, 그 제조방법 및 그 실장기판
US10176912B2 (en) * 2014-03-10 2019-01-08 Hitachi Metals, Ltd. Magnetic core, coil component and magnetic core manufacturing method
KR101616610B1 (ko) * 2014-03-12 2016-04-28 삼성전기주식회사 적층형 전자부품 및 그 제조방법
WO2015137493A1 (ja) * 2014-03-13 2015-09-17 日立金属株式会社 磁心、コイル部品および磁心の製造方法
US10622126B2 (en) 2014-04-18 2020-04-14 Murata Manufacturing Co., Ltd. Metal magnetic material and electronic component
JP6615024B2 (ja) * 2016-03-24 2019-12-04 太陽誘電株式会社 電子部品
US10622129B2 (en) * 2016-06-30 2020-04-14 Taiyo Yuden Co., Ltd. Magnetic material and electronic component
US10593453B2 (en) * 2016-07-25 2020-03-17 Tdk Corporation High permeability magnetic sheet
KR20180033883A (ko) * 2016-09-26 2018-04-04 삼성전기주식회사 인덕터
US10984939B2 (en) * 2017-01-30 2021-04-20 Tdk Corporation Multilayer coil component
JP7268520B2 (ja) 2019-07-25 2023-05-08 セイコーエプソン株式会社 磁性粉末、磁性粉末の製造方法、圧粉磁心およびコイル部品
JP7371423B2 (ja) * 2019-09-30 2023-10-31 株式会社村田製作所 コイル部品
JP7375469B2 (ja) 2019-10-30 2023-11-08 セイコーエプソン株式会社 絶縁体被覆磁性合金粉末粒子、圧粉磁心、およびコイル部品
JP7456233B2 (ja) * 2020-03-27 2024-03-27 株式会社村田製作所 金属磁性粒子、インダクタ、金属磁性粒子の製造方法及び金属磁性体コアの製造方法
JP7456234B2 (ja) * 2020-03-27 2024-03-27 株式会社村田製作所 金属磁性粒子、インダクタ、金属磁性粒子の製造方法及び金属磁性体コアの製造方法
CN113450989A (zh) * 2020-03-27 2021-09-28 株式会社村田制作所 金属磁性粒子、电感器、金属磁性粒子的制造方法及金属磁性体芯的制造方法
JP2021158283A (ja) * 2020-03-27 2021-10-07 太陽誘電株式会社 コイル部品の製造方法
JP2022096248A (ja) * 2020-12-17 2022-06-29 太陽誘電株式会社 コイル部品及びその製造方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09148118A (ja) * 1995-11-24 1997-06-06 Tokin Corp 積層型圧粉磁芯
JP2000030925A (ja) * 1998-07-14 2000-01-28 Daido Steel Co Ltd 圧粉磁芯およびその製造方法
JP2001118725A (ja) * 1999-10-21 2001-04-27 Denso Corp 軟磁性材およびそれを用いた電磁アクチュエータ
JP2002313620A (ja) * 2001-04-13 2002-10-25 Toyota Motor Corp 絶縁皮膜を有する軟磁性粉末及びそれを用いた軟磁性成形体並びにそれらの製造方法
JP2007027354A (ja) * 2005-07-15 2007-02-01 Toko Inc 積層型電子部品及びその製造方法
JP2009088496A (ja) * 2007-09-12 2009-04-23 Seiko Epson Corp 酸化物被覆軟磁性粉末の製造方法、酸化物被覆軟磁性粉末、圧粉磁心および磁性素子

Family Cites Families (26)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3688732B2 (ja) 1993-06-29 2005-08-31 株式会社東芝 平面型磁気素子および非晶質磁性薄膜
JPH0974011A (ja) 1995-09-07 1997-03-18 Tdk Corp 圧粉コアおよびその製造方法
US6392525B1 (en) 1998-12-28 2002-05-21 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Magnetic element and method of manufacturing the same
JP2001011563A (ja) 1999-06-29 2001-01-16 Matsushita Electric Ind Co Ltd 複合磁性材料の製造方法
JP4684461B2 (ja) 2000-04-28 2011-05-18 パナソニック株式会社 磁性素子の製造方法
JP4683178B2 (ja) 2001-03-12 2011-05-11 株式会社安川電機 軟質磁性材料およびその製造方法
US6855222B2 (en) * 2002-06-19 2005-02-15 Murata Manufacturing Co., Ltd. Method for manufacturing laminated multilayer electronic components
JP4457682B2 (ja) 2004-01-30 2010-04-28 住友電気工業株式会社 圧粉磁心およびその製造方法
US7678174B2 (en) 2004-09-01 2010-03-16 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Soft magnetic material, compressed powder magnetic core and method for producing compressed power magnetic core
JP4613622B2 (ja) 2005-01-20 2011-01-19 住友電気工業株式会社 軟磁性材料および圧粉磁心
JP4650073B2 (ja) 2005-04-15 2011-03-16 住友電気工業株式会社 軟磁性材料の製造方法、軟磁性材料および圧粉磁心
JP2007019134A (ja) 2005-07-06 2007-01-25 Matsushita Electric Ind Co Ltd 複合磁性材料の製造方法
JP2007123703A (ja) 2005-10-31 2007-05-17 Mitsubishi Materials Pmg Corp Si酸化膜被覆軟磁性粉末
JP4509186B2 (ja) 2006-01-31 2010-07-21 日立金属株式会社 積層部品及びこれを用いたモジュール
JP2007299871A (ja) 2006-04-28 2007-11-15 Matsushita Electric Ind Co Ltd 複合磁性体の製造方法およびそれを用いて得られた複合磁性体
JP2008028162A (ja) 2006-07-21 2008-02-07 Sumitomo Electric Ind Ltd 軟磁性材料の製造方法、軟磁性材料、および圧粉磁心
JP4585493B2 (ja) 2006-08-07 2010-11-24 株式会社東芝 絶縁性磁性材料の製造方法
JP5099480B2 (ja) 2007-02-09 2012-12-19 日立金属株式会社 軟磁性金属粉末、圧粉体、および軟磁性金属粉末の製造方法
JP2009088502A (ja) 2007-09-12 2009-04-23 Seiko Epson Corp 酸化物被覆軟磁性粉末の製造方法、酸化物被覆軟磁性粉末、圧粉磁心および磁性素子
WO2009128425A1 (ja) 2008-04-15 2009-10-22 東邦亜鉛株式会社 複合磁性材料およびその製造方法
KR101282025B1 (ko) * 2008-07-30 2013-07-04 다이요 유덴 가부시키가이샤 적층 인덕터, 그 제조 방법 및 적층 초크 코일
TWI407462B (zh) 2009-05-15 2013-09-01 Cyntec Co Ltd 電感器及其製作方法
JP4866971B2 (ja) 2010-04-30 2012-02-01 太陽誘電株式会社 コイル型電子部品およびその製造方法
US8723634B2 (en) 2010-04-30 2014-05-13 Taiyo Yuden Co., Ltd. Coil-type electronic component and its manufacturing method
US8362866B2 (en) * 2011-01-20 2013-01-29 Taiyo Yuden Co., Ltd. Coil component
JP4906972B1 (ja) * 2011-04-27 2012-03-28 太陽誘電株式会社 磁性材料およびそれを用いたコイル部品

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09148118A (ja) * 1995-11-24 1997-06-06 Tokin Corp 積層型圧粉磁芯
JP2000030925A (ja) * 1998-07-14 2000-01-28 Daido Steel Co Ltd 圧粉磁芯およびその製造方法
JP2001118725A (ja) * 1999-10-21 2001-04-27 Denso Corp 軟磁性材およびそれを用いた電磁アクチュエータ
JP2002313620A (ja) * 2001-04-13 2002-10-25 Toyota Motor Corp 絶縁皮膜を有する軟磁性粉末及びそれを用いた軟磁性成形体並びにそれらの製造方法
JP2007027354A (ja) * 2005-07-15 2007-02-01 Toko Inc 積層型電子部品及びその製造方法
JP2009088496A (ja) * 2007-09-12 2009-04-23 Seiko Epson Corp 酸化物被覆軟磁性粉末の製造方法、酸化物被覆軟磁性粉末、圧粉磁心および磁性素子

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014139981A (ja) * 2013-01-21 2014-07-31 Taiyo Yuden Co Ltd 積層型電子部品およびその製造方法
KR20150011168A (ko) * 2013-07-22 2015-01-30 삼성전기주식회사 자성 재료, 그 제조방법 및 자성 재료를 포함하는 전자부품
US9767950B2 (en) 2013-10-14 2017-09-19 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Multilayer electronic component
JP2016009859A (ja) * 2014-06-24 2016-01-18 サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. 積層電子部品
KR20190079501A (ko) 2017-12-27 2019-07-05 티디케이가부시기가이샤 적층 코일형 전자 부품
US11302466B2 (en) 2017-12-27 2022-04-12 Tdk Corporation Multilayer coil electronic component
JP2020155701A (ja) * 2019-03-22 2020-09-24 Tdk株式会社 積層コイル部品
JP7229056B2 (ja) 2019-03-22 2023-02-27 Tdk株式会社 積層コイル部品
US11710593B2 (en) 2019-03-22 2023-07-25 Tdk Corporation Multilayer coil component
JP2020205341A (ja) * 2019-06-17 2020-12-24 株式会社村田製作所 インダクタ部品
JP7078016B2 (ja) 2019-06-17 2022-05-31 株式会社村田製作所 インダクタ部品
US11476036B2 (en) 2019-06-17 2022-10-18 Murata Manufacturing Co., Ltd. Inductor component

Also Published As

Publication number Publication date
US8427265B2 (en) 2013-04-23
US20120274438A1 (en) 2012-11-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2012238840A (ja) 積層インダクタ
TWI453774B (zh) Magnetic materials and coil parts
JP5883437B2 (ja) 磁性材料およびそれを用いたコイル部品
JP5048155B1 (ja) 積層インダクタ
KR101490772B1 (ko) 자성 재료 및 코일 부품
JP5881992B2 (ja) 積層インダクタ及びその製造方法
JP6166021B2 (ja) 積層インダクタ
JP5048156B1 (ja) 積層インダクタ
US8362866B2 (en) Coil component
JP5980493B2 (ja) コイル部品
JP5960971B2 (ja) 積層インダクタ
TWI679660B (zh) 線圈零件
JP6453370B2 (ja) 積層インダクタ
JP5930643B2 (ja) 軟磁性合金素体およびそれを用いた電子部品
JP5108162B1 (ja) 積層インダクタ
JP5129893B1 (ja) 磁性材料およびコイル部品
JP6553279B2 (ja) 積層インダクタ
JP6902069B2 (ja) インダクタ

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130514

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130517

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130712

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20131010

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20131226