JP2012232645A - タイヤに作用する力の推定方法、及びそれに用いる空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一方側のサイドウォール部3Aに、同一円周線上で等間隔を隔てて取り付き、かつゲイン最大線が30〜60°の角度θ1で傾斜する6個以上の第1の歪センサ10Aと、他方側のサイドウォール部3Bに、第1の歪センサ10Aとタイヤ赤道面を挟んで向かい合う対称位置に取り付き、かつゲイン最大線が前記第1の歪センサ10Aの角度θ1と同角度θ2で、しかも第1の歪センサ10Aのゲイン最大線と同一方向に傾斜するn個の第2の歪センサ10Bとを用いる。以上の歪センサを用いて、3分力Fx、Fy、Fzを推定する。
【選択図】図3
Description
Fx=fx(VA、VB、・・・、Vn)
Ff=fy(VA、VB、・・・、Vn)
Fz=fz(VA、VB、・・・、Vn)
タイヤの一方側のサイドウォール部に、タイヤ軸心を中心とした同一円周線上で等間隔を隔てて取り付くとともに、センシングのゲインが最大となるゲイン最大線がタイヤ半径方向線に対して30〜60°の角度θ1で傾斜する6個以上のn個の第1の歪センサからなる第1の歪センサ群と、
タイヤの他方側のサイドウォール部に、前記第1の歪センサとタイヤ赤道面を挟んで向かい合う対称位置に取り付くとともに、ゲイン最大線が前記第1の歪センサの角度θ1と等しい角度θ2で、しかも第1の歪センサのゲイン最大線と同一方向に傾斜するn個の第2のセンサからなる第2の歪センサ群と、
タイヤの回転角度位置を測定する角度センサを用いるとともに、
所定のタイヤ回転角度位置Qにおいて、前記第1の歪センサ群と他方側の歪センサ群とによってタイヤ歪を同時に測定することによりセンサ出力をうる歪測定ステップ、
及び、前記歪測定ステップによって得たセンサ出力に基づいてタイヤに作用する力の推定値を求める演算ステップとを含むとともに、
前記演算ステップは、無負荷状態のタイヤにおける第1の歪センサの基準センサ出力をVAi0(i=1、2、・・・n)、第2の歪センサの基準センサ出力をVBi0(i=1、2、・・・n)としたとき、
(ア) 前記第1の歪センサによるn個のセンサ出力VAiの総和ΣVAiと、前記第2の歪センサによるn個のセンサ出力VBiの総和ΣVBiとの和(ΣVAi+ΣVBi)を変数とした次の推定式(1)を用いて前後力Fxの推定値を求める、
(イ) 前記第1の歪センサによるn個のセンサ出力VAiの総和ΣVAiと、前記第2の歪センサによるn個のセンサ出力VBiの総和ΣVBiとの差(ΣVAi−ΣVBi)を変数とした次の推定式(2)を用いて横力Fyの推定値を求める、或いは
(ウ) 前記第1の歪センサによるセンサ出力VAiと前記基準センサ出力VAi0との差の絶対値|VAi−VAi0|の総和Σ|VAi−VAi0|と、前記第2の歪センサによるセンサ出力VBiと前記基準センサ出力VBi0との差の絶対値|VBi−VBi0|の総和Σ|VBi−VBi0|との和(Σ|VAi−VAi0|+Σ|VBi−VBi0|)を変数とした次の推定式(3)を用いて上下力Fzの推定値を求めることを特徴としている。
Fx=Kx・(ΣVAi+ΣVBi)+Ax −−−(1)
Fy=Ky・(ΣVAi−ΣVBi)+Ay −−−(2)
Fz=Kz・(Σ|VAi−VAi0|+Σ|VBi−VBi0|)+Az −−−(3)
(式中のKx、Ky、Kz、Ax、Ay、Azは定数)
一方側のサイドウォール部に取り付く第1の歪センサ群と、他方側のサイドウォール部に取り付く第2の歪センサ群とを具え、
かつ前記第1の歪センサ群は、タイヤ軸心を中心とした同一円周線上で等間隔を隔てて取り付くとともに、センシングのゲインが最大となるゲイン最大線がタイヤ半径方向線に対して30〜60°の角度θ1で傾斜する6個以上のn個の第1の歪センサからなり、
前記第2の歪センサ群は、前記第1の歪センサとタイヤ赤道面を挟んで向かい合う対称位置に取り付くとともに、ゲイン最大線が前記第1の歪センサの角度θ1と等しい角度θ2で、しかも第1の歪センサのゲイン最大線と同一方向に傾斜するn個の第2のセンサからなることを特徴としている。
図1に、本発明の力の推定方法に用いる空気入りタイヤの一実施例の断面図を示す。図1において、本例の空気入りタイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、トレッド部2の内方かつ前記カーカス6の半径方向外側に配されるベルト層7とを具える。
前記推定方法は、
(A) 所定のタイヤ回転角度位置Qにおいて、前記第1の歪センサ群と他方側の歪センサ群とによってタイヤ歪を同時に測定することによりセンサ出力をうる歪測定ステップ、及び、
(B) 前記歪測定ステップによって得たセンサ出力Vに基づいて前後力Fx、横力Fy、上下力Fzの何れかの推定値を演算して求める演算ステップと、
を含んで構成される。
(ア) 前記第1の歪センサ10Aによるn個のセンサ出力VAiの総和ΣVAiと、前記第2の歪センサ10Bによるn個のセンサ出力VBiの総和ΣVBiとの和(ΣVAi+ΣVBi)を変数とした次の推定式(1)を用いて前後力Fxの推定値を求める、
(イ) 前記第1の歪センサ10Aによるn個のセンサ出力VAiの総和ΣVAiと、前記第2の歪センサ10Bによるn個のセンサ出力VBiの総和ΣVBiとの差(ΣVAi−ΣVBi)を変数とした次の推定式(2)を用いて横力Fyの推定値を求める、或いは
(ウ) 前記第1の歪センサ10Aによるセンサ出力VAiと前記基準センサ出力VAi0との差の絶対値|VAi−VAi0|の総和Σ|VAi−VAi0|と、前記第2の歪センサ10Bによるセンサ出力VBiと前記基準センサ出力VBi0との差の絶対値|VBi−VBi0|の総和Σ|VBi−VBi0|との和(Σ|VAi−VAi0|+Σ|VBi−VBi0|)を変数とした次の推定式(3)を用いて上下力Fzの推定値を求める。
Fx=Kx・(ΣVAi+ΣVBi)+Ax −−−(1)
Fy=Ky・(ΣVAi−ΣVBi)+Ay −−−(2)
Fz=Kz・(Σ|VAi−VAi0|+Σ|VBi−VBi0|)+Az −−−(3)
(式中のKx、Ky、Kz、Ax、Ay、Azは定数)
これを、式(1)に代入すると、
Fx+ΔFx=Kx・{Σ(VAi+ΔVi)+Σ(VBi+ΔVi)}+Ax
=Kx・2ΣΔVi+Fx
即ち、ΔFx=Kx・2ΣΔVi となる。
又式(2)に代入すると、
Fy+ΔFy=Ky・{Σ(VAi+ΔVi)−Σ(VBi+ΔVi)}+Ay
=Ky・Σ(ΔVi−ΔVi)+Fy
=Fy
即ち、ΔFy=0 となる。
又式(3)に代入すると、
Fz+ΔFz=Kz・(Σ|VAi+ΔVi−VAi0|+Σ|VBi+ΔVi−VBi0|)+Az
=Kz・[Σ{|VAi−VAi0|+ΔVi+(−ΔVi)}+Σ{|VBi−VBi0|+ΔVi+(−ΔVi)}+Az
=Kz・2Σ{ΔVi+(−ΔVi)}+Fz
=Fz
即ち、ΔFz=0 となる。なお上下力Fzでは、ΔViは、接地中心よりも前側(原点側)では+表示、後側では−表示となる。
これを、式(1)に代入すると、
Fx+ΔFx=Kx・{Σ(VAi+ΔVi)+Σ(VBi−ΔVi)}+Ax
=Kx・{Σ(ΔVi−ΔVi)}+Fx
=Fx
即ち、ΔFx=0 となる。
又式(2)に代入すると、
Fy+ΔFy=Ky・{Σ(VAi+ΔVi)−Σ(VBi−ΔVi)}+Ay
=Ky・2ΣΔVi+Fy
即ち、ΔFy=Ky・2ΣΔVi となる。
又式(3)に代入すると、
Fz+ΔFz=Kz・(Σ|VAi+ΔVi−VAi0|+Σ|VBi−ΔVi−VBi0|)+Az
=Kz・[Σ{|VAi−VAi0|+ΔVi+(−ΔVi)}+Σ{|VBi−VBi0|−ΔVi−(−ΔVi)}+Az
=Kz・2Σ{ΔVi+(−ΔVi)}+Fz
=Fz
即ち、ΔFz=0 となる。なお上下力Fzでは、ΔViは、接地中心よりも前側(原点側)では+表示、後側では−表示となる。
これを、式(1)に代入すると、
Fx+ΔFx=Kx・[Σ{VAi+ΔVi+(−ΔVi)}+Σ{VBi+ΔVi+(−ΔVi)}+Ax
=Kx・2Σ{ΔVi+(−ΔVi)}+Fx
=Fx
即ち、ΔFx=0 となる。
又式(2)に代入すると、
Fy+ΔFy=Ky・[Σ{(VAi+ΔVi+(−ΔVi)}−Σ{(VBi+ΔVi+(−ΔVi)}+Ay
=Ky・[Σ{ΔVi+(−ΔVi)}−Σ{ΔVi+(−ΔVi)}]+Fy
=Fy
即ち、ΔFy=0 となる。
又式(3)に代入すると、
Fz+ΔFz=Kz・(Σ|VAi+ΔVi−VAi0|+Σ|VBi+ΔVi−VBi0|)+Az
=Kz・(ΣΔVi+ΣΔVi)+Fz
=Kz・2ΣΔVi+Fz
即ち、ΔFz=Kz・2ΣΔVi となる。
3A 一方側のサイドウォール部
3B 他方側のサイドウォール部
10A 第1の歪センサ
10B 第2の歪センサ
Coタイヤ赤道面
jA、jB円周線
N ゲイン最大線
Claims (2)
- タイヤのサイドウォール部におけるタイヤ歪を測定する歪センサのセンサ出力を用いて、タイヤに作用する前後力、横力および上下力の何れかを推定する推定方法であって、
タイヤの一方側のサイドウォール部に、タイヤ軸心を中心とした同一円周線上で等間隔を隔てて取り付くとともに、センシングのゲインが最大となるゲイン最大線がタイヤ半径方向線に対して30〜60°の角度θ1で傾斜する6個以上のn個の第1の歪センサからなる第1の歪センサ群と、
タイヤの他方側のサイドウォール部に、前記第1の歪センサとタイヤ赤道面を挟んで向かい合う対称位置に取り付くとともに、ゲイン最大線が前記第1の歪センサの角度θ1と等しい角度θ2で、しかも第1の歪センサのゲイン最大線と同一方向に傾斜するn個の第2のセンサからなる第2の歪センサ群と、
タイヤの回転角度位置を測定する角度センサを用いるとともに、
所定のタイヤ回転角度位置Qにおいて、前記第1の歪センサ群と他方側の歪センサ群とによってタイヤ歪を同時に測定することによりセンサ出力をうる歪測定ステップ、
及び、前記歪測定ステップによって得たセンサ出力に基づいてタイヤに作用する力の推定値を求める演算ステップとを含むとともに、
前記演算ステップは、無負荷状態のタイヤにおける第1の歪センサの基準センサ出力をVAi0(i=1、2、・・・n)、第2の歪センサの基準センサ出力をVBi0(i=1、2、・・・n)としたとき、
(ア) 前記第1の歪センサによるn個のセンサ出力VAiの総和ΣVAiと、前記第2の歪センサによるn個のセンサ出力VBiの総和ΣVBiとの和(ΣVAi+ΣVBi)を変数とした次の推定式(1)を用いて前後力Fxの推定値を求める、
(イ) 前記第1の歪センサによるn個のセンサ出力VAiの総和ΣVAiと、前記第2の歪センサによるn個のセンサ出力VBiの総和ΣVBiとの差(ΣVAi−ΣVBi)を変数とした次の推定式(2)を用いて横力Fyの推定値を求める、或いは
(ウ) 前記第1の歪センサによるセンサ出力VAiと前記基準センサ出力VAi0との差の絶対値|VAi−VAi0|の総和Σ|VAi−VAi0|と、前記第2の歪センサによるセンサ出力VBiと前記基準センサ出力VBi0との差の絶対値|VBi−VBi0|の総和Σ|VBi−VBi0|との和(Σ|VAi−VAi0|+Σ|VBi−VBi0|)を変数とした次の推定式(3)を用いて上下力Fzの推定値を求めることを特徴とするタイヤに作用する力の推定方法。
Fx=Kx・(ΣVAi+ΣVBi)+Ax −−−(1)
Fy=Ky・(ΣVAi−ΣVBi)+Ay −−−(2)
Fz=Kz・(Σ|VAi−VAi0|+Σ|VBi−VBi0|)+Az −−−(3)
(式中のKx、Ky、Kz、Ax、Ay、Azは定数) - サイドウォール部におけるタイヤ歪を測定したセンサ出力により、タイヤに作用する前後力、横力および上下力の何れかを推定するために用いる歪センサを具える空気入りタイヤであって、
一方側のサイドウォール部に取り付く第1の歪センサ群と、他方側のサイドウォール部に取り付く第2の歪センサ群とを具え、
かつ前記第1の歪センサ群は、タイヤ軸心を中心とした同一円周線上で等間隔を隔てて取り付くとともに、センシングのゲインが最大となるゲイン最大線がタイヤ半径方向線に対して30〜60°の角度θ1で傾斜する6個以上のn個の第1の歪センサからなり、
前記第2の歪センサ群は、前記第1の歪センサとタイヤ赤道面を挟んで向かい合う対称位置に取り付くとともに、ゲイン最大線が前記第1の歪センサの角度θ1と等しい角度θ2で、しかも第1の歪センサのゲイン最大線と同一方向に傾斜するn個の第2のセンサからなることを特徴とする空気入りタイヤ。
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