JP5199926B2 - タイヤに作用する力の推定方法、及びそれに用いる空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、サイドウォール部におけるタイヤ歪を歪センサにより測定することにより、タイヤに作用する前後力、横力および上下力を推定する推定方法、並びにそれに用いる空気入りタイヤに関する。
近年、例えば図4に示すように、タイヤの一方側のサイドウォール部にn個の歪センサaをタイヤ周方向の異なる位置に取り付け、所定のタイヤ回転角度位置Qにてタイヤ歪を同時に測定するとともに、これによって得たn個の同時のセンサ出力t〜tによって、タイヤに作用する前後力Fx、横力Fy、及び上下力Fz(以下、これらを総称して3分力という場合がある。)をそれぞれ推定する技術が提案されている(例えば特許文献1参照。)。同図にはn=4の場合が示されている。
ここで、各歪センサaが計測するタイヤ歪εは、前後力Fxによる歪みεxと、横力Fyによる歪みεyと、上下力Fzによる歪みεzとの和としてしか現れない。しかし、異なる周方向位置においては、前後力Fxとその歪みεxとの関係、横力Fyとその歪みεyとの関係、及び上下力Fとその歪みεzとの関係が、周方向の位置毎に、それぞれ異なって現れるという特性を有する。従ってこの特性を利用し、異なる周方向位置で同時に測定したn個のセンサ出力t〜tを用いることにより、そのとき作用した3分力Fx、Fy、Fzをそれぞれ分離させて推定することが可能となるのである。
具体的には、この技術では、前後力Fx、横力Fy、上下力Fzをそれぞれ違えた事前の荷重付加試験を行い、タイヤが所定のタイヤ回転角度位置Qとなったときのタイヤ歪εを、荷重付加条件毎に前記n個の歪センサによって同時に測定する。そして、これによって得たn個のセンサ出力t〜tと、そのときの荷重付加条件とからなる多くの荷重付加試験データを分析し、前後力Fxとセンサ出力t〜tとの関係式Fx=fx(t、t・・・t)、横力Fyとセンサ出力t〜tとの関係式Fy=fy(t、t・・・t)、上下力Fzとセンサ出力t〜tとの関係式Fz=fz(t、t・・・t)を事前に求める。
そして実車走行においてタイヤが前記所定のタイヤ回転角度位置Qとなったときに実測する同時のセンサ出力t〜tを、前記事前の関係式に適用することにより、実測時にタイヤに作用した前後力Fx、横力Fy、及び上下力Fzをそれぞれ推定することが可能となる。なお前記特許文献1では、前記関係式として、下記の行列式が例示されている。
┌Fx┐ ┌A┐−1 ┌t
│Fy│ = │A│ │t
└Fz┘ └A┘ └t
特開2005−126008号公報
しかしながら、従来の歪センサの配置の場合、前記三分力Fx、Fy、Fzの推定精度を高めることが難しいという問題がある。その理由として、前後力Fxによる歪センサの出力形態と、横力Fyによる歪センサの出力形態とが似ているため、三分力Fx、Fy、Fzを分離させることが難しくなり、前述の関係式の精度が低下するためと推測される。
例えば、従来の歪センサの配置の場合、タイヤに前後力Fxが作用した時、図5(A)に概念的に示すように、各歪センサa1〜a4では、それぞれ引張歪を検出する。又タイヤに横力Fyが作用した時、図5(B)に概念的に示すように、各歪センサa1〜a4では、それぞれ引張歪を検出する。又タイヤに圧縮力Fzが作用した時、図5(C)に概念的に示すように、歪センサa2、a3では引張歪を検出し、かつ歪センサa1、a4では圧縮歪を検出する。その結果をまとめた表1に示されるように、前後力Fxおよび横力Fyでは、それぞれ各歪センサa1〜a4が引張歪を検出するという似た出力形態を示している。その結果、荷重付加試験データを分析して事前の関係式を求める際に、歪みが前後力由来のものか横力由来のものか不明瞭となって誤差が大きくなり、前記関係式の精度を低下させると考えられる。
そこで本発明は、3つの歪センサをW字状に配列したセンサユニットのn個をタイヤ周方向の異なる位置に配置し、センサユニット毎の3つのセンサ出力をロゼット解析して求めたセンサユニット毎の最大主歪データ、最小主歪データ、最大剪断歪データを、三分力Fx、Fy、Fzと関連付けることを基本として、事前の関係式の精度を高めることができ、三分力Fx、Fy、Fzの推定精度を向上させうるタイヤに作用する力の推定方法、並びにそれに用いる空気入りタイヤを提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、タイヤのサイドウォール部におけるタイヤ歪を測定する歪センサのセンサ出力により、タイヤに作用する前後力、横力および上下力を推定する推定方法であって、
タイヤの少なくとも一方側のサイドウォール部にタイヤ周方向に間隔を隔てて取り付く3個以上のn個のセンサユニットと、
タイヤの回転角度位置を検出するタイヤ角度歪センサとを用い、
しかも各前記センサユニットは、ゲインを最大とするゲイン最大線K1がタイヤ半径方向に配される第1の歪センサと、ゲイン最大線K2が前記ゲイン最大線K1に対して30〜60°の角度θaでタイヤ周方向の一方側に傾く第2の歪センサと、ゲイン最大線K3が前記ゲイン最大線K1に対して30〜60°の角度θbでタイヤ周方向の他方側に傾く第3の歪センサとから構成され、かつこの第1〜第3の歪センサをタイヤ周方向に隣り合わせたW字状配列をなすとともに、
所定のタイヤ回転角度位置Qにおいて、各前記センサユニットの歪センサによってタイヤ歪を同時に測定することにより、センサユニット毎の3つのセンサ出力からなる合計3n個のセンサ出力をうる歪測定ステップと、
前記センサユニット毎の3つのセンサ出力をロゼット解析することにより、センサユニット毎に、最大主歪データεmax、最小主歪データεmin、最大剪断歪データγmaxである3つの解析データをうるロゼット解析ステップと、
このロゼット解析ステップにより求めた合計3n個の解析データに基づいて、前後力Fx、横力Fyおよび上下力Fzの推定値を求める演算ステップとを含むことを特徴としている。
又請求項4の発明は、サイドウォール部におけるタイヤ歪を測定したセンサ出力により、タイヤに作用する前後力、横力および上下力を推定するために用いる歪センサを具える空気入りタイヤであって、
タイヤの少なくとも一方側のサイドウォール部に、タイヤ周方向に間隔を隔てて取り付く3個以上のn個のセンサユニットを具えるとともに、
各前記センサユニットは、ゲインを最大とするゲイン最大線K1がタイヤ半径方向に配される第1の歪センサと、ゲイン最大線K2が前記ゲイン最大線K1に対して30〜60°の角度θaでタイヤ周方向の一方側に傾く第2の歪センサと、ゲイン最大線K3が前記ゲイン最大線K1に対して30〜60°の角度θbでタイヤ周方向の他方側に傾く第3の歪センサとから構成され、かつこの第1〜第3の歪センサをタイヤ周方向に隣り合わせたW字状配列をなすことを特徴としている。
本発明は、3つの歪センサをW字状に配列してなるセンサユニットを用い、このセンサユニットのn個を、タイヤ周方向の異なる位置に配置している。従って、各センサユニットからは、そのセンサユニットを構成する3つの歪センサからのセンサ出力がそれぞれ得られるとともに、この3つのセンサ出力をロゼット解析することにより、各センサユニットの位置毎に、該位置に作用する最大主歪データ、最小主歪データ、最大剪断歪データである3つの解析データを求めることができる。即ち合計3n個の解析データを求めることができる。
他方、本発明者の研究の結果、前後力Fxと前記3n個の解析データとの間の相関性、横力Fyと前記3n個の解析データとの間の相関性、および上下力Fzと前記3n個の解析データとの間の相関性は、それぞれ、3n個のセンサ出力を用いた場合の相関性に比して高いことが判明した。そして、前後力Fx、横力Fy、上下力Fzに対して、それぞれ前記3n個の解析データを用いた関係式を立てることで、前後力Fx、横力Fy、上下力Fzの推定精度を向上させることが可能となる。
本発明のタイヤに作用する力の推定方法に用いる空気入りタイヤを示す断面図である。 (A)はセンサユニットの一実施例を示す平面図、(B)はそのゲイン最大線の向きを示す側面図である。 センサユニットの取り付け位置を説明する略図である。 従来の歪センサの配置を説明するタイヤの側面図である。 (A)〜(C)は、3分力が作用したときの各センサ位置におけるタイヤ歪みを説明する概念図である。
以下、本発明の実施の一形態を、図示例とともに説明する。図1に示すように、本実施形態の空気入りタイヤ1は、本例では、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、トレッド部2の内方かつ前記カーカス6の半径方向外側に配されるベルト層7とを具える。
前記カーカス6は、カーカスコードをタイヤ周方向に対して例えば70〜90°の角度で配列した1枚以上、本例では1枚のカーカスプライ6Aから形成される。このカーカスプライ6Aは、前記ビードコア5、5間に跨るプライ本体部6aの両側に、前記ビードコア5の廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返されるプライ折返し部6bを一連に具える。又前記プライ本体部6aとプライ折返し部6bとの間には、前記ビードコア5からタイヤ半径方向外方にのびる断面三角形状のビード補強用のビードエーペックスゴム8が配設される。
又前記ベルト層7は、ベルトコードをタイヤ周方向に対して例えば10〜35゜の角度で配列した2枚以上、本例では2枚のベルトプライ7A、7Bから形成され、各ベルトコードがプライ間相互で交差することにより、ベルト剛性を高め、トレッド部2の略全巾をタガ効果を有して強固に補強している。なお該ベルト層7の半径方向外側には、本例では、高速走行性能および高速耐久性等を高める目的で、バンドコードをタイヤ周方向に対して5度以下の角度で配列させたバンド層9を設けている。
そして本実施形態のタイヤ1では、少なくとも一方側のサイドウォール部3に、3つの歪センサ10から構成される3個以上のn個のセンサユニットGをタイヤ周方向に間隔を隔てて取り付けている。又車軸には、タイヤ1の回転位相角度を検出する例えばレゾルバ、エンコーダ等のタイヤ角度歪センサ(図示しない)を設けている。
本例では、図3に概念的に示すように、一方側のサイドウォール部3のみに、3個(n=3)のセンサユニットGが、タイヤ軸芯iを中心とした一つの円周線j上に等間隔を隔てて取り付けられる場合が例示される。なお前記センサユニットGを取り付ける領域Y(図1に示す)は、タイヤ断面高さhの中間高さ位置Mを中心として、該タイヤ断面高さhの25%の距離Lを半径方向内外に隔てる領域範囲が好ましく、特には、前記距離Lをタイヤ断面高さhの20%、さらには15%とし、前記中間高さ位置Mにより近い領域範囲が好ましい。なお前記タイヤ断面高さhは、ビードベースラインBLからタイヤ赤道上のトレッド面までの半径方向高さを意味する。
次に、前記センサユニットGは、図2(A)、(B)に示すように、ゲインを最大とするゲイン最大線K1がタイヤ半径方向に配される第1の歪センサ10Aと、ゲイン最大線K2が前記ゲイン最大線K1に対して30〜60°の角度θaでタイヤ周方向の一方側に傾く第2の歪センサ10Bと、ゲイン最大線K3が前記ゲイン最大線K1に対して30〜60°の角度θbでタイヤ周方向の他方側に傾く第3の歪センサ10Cとから構成され、かつこの第1〜第3の歪センサ10A〜10Cをタイヤ周方向に隣り合わせたW字状配列をなす。なお前記角度θaと角度θbとは同一角度に設定される。
前記第1〜第3の歪センサ10A〜10Cは、それぞれ1つの磁石11と、この磁石11に間隔を有して向き合う1つの磁気歪センサ素子12との対によって形成され、又前記センサユニットGは、これら3つの磁石11と3つの磁気歪センサ素子12とを弾性材13を介して一体化したブロック状のモールド体20として形成される。なお前記磁気歪センサ素子12としては、ホール素子、及びMR素子(磁気抵抗効果素子)、TMF−MI素子、TMF−FG素子、アモルファス歪センサ等が採用でき、特にコンパクトさ、感度、取り扱い易さ等の観点からホール素子が好適に採用できる。又前記第1〜第3の歪センサ10A〜10Cでは、サイドウォール部3の動きに追従して柔軟に弾性変形しうることが重要であり、そのために、前記弾性材13として各種のゴム弾性材料が採用される。特に、熱可塑性エラストマ(TPE)は、注型成形や射出成形等のプラスチック成形が可能であり、前記第1〜第3の歪センサ10A〜10Cを製造するという観点から好適に採用できる。
ここで、前記センサユニットGでは、各磁気歪センサ素子12を半径方向内側に配するとともに、この磁気歪センサ素子12同士の間隔を磁石11同士の間隔よりも大とした半径方向内側開きのW字状配列とするのが好ましい。その理由は、もし磁気歪センサ素子12同士の間隔が小(磁石11同士の間隔が大)とした場合、即ち磁気歪センサ素子12同士を近づけた場合には、各磁気歪センサ素子12が受ける磁束密度が近くなる。その結果、3つの磁石11のうちのどの磁石11との距離が変化したかが、磁束密度の変化から判断できなくなり、測定精度を低下させる傾向を招く。又、もし磁気歪センサ素子12が半径方向外側(即ちトレッド側)に配された場合には、磁気歪センサ素子12からの配線が長くなる。その結果、前記配線が走行によって路面と干渉しやすくなるなど、測定精度や配線の耐久性に不利を招く。又この場合、磁石11が半径方向内側(即ちリム側)となるため、該リムが鉄などの磁性体で形成される場合には、磁界に変化が生じるため、測定精度に悪影響を及ぼす。
又センサユニットGでは、前記第1の歪センサ10Aにおける磁石11が、磁気歪センサ素子12に向き合うセンサ素子対抗面S1の磁極を、前記第2、第3の歪センサ10B、10Cにおけるセンサ素子対抗面S1の磁極と相違させることが好ましい。この場合、前記センサ素子対抗面S1と反対側の磁極面S2が互いに向き合うが、このとき隣り合う磁極面S2同士が異なる磁極となるため、磁石11同士が引き合う。その結果、センサユニットGを製造する際の磁石11の配置が安定して、製造効率、および製造精度を向上しうる。逆に、隣り合う磁極面S2同士が同じ磁極となった場合には、磁石11同士が反発し合うので、製造時に磁石11が動きやすくなり、製造効率および製造精度を低下させる傾向となる。
なお各歪センサ10A〜10Cには、測定されたタイヤ歪の出力を、車両制御システムの電子制御装置(ECU)に発信する発信手段を内蔵するのが好ましい。この発信手段は、送受信回路、制御回路、メモリー等をチップ化した半導体と、アンテナとから構成され、前記電子制御装置(ECU)からの質問電波を受信したとき、これを電気エネルギーとして使用し、メモリー内の歪出力のデータを応答電波として発信しうる。
次に、前記3分力Fx、Fy、Fzの推定方法を、前記空気入りタイヤ1を用いて説明する。
前記推定方法は、
(A) 所定のタイヤ回転角度位置Qにおいて、各前記センサユニットGの歪センサ10A〜10Cによってタイヤ歪を同時に測定することにより、センサユニットG毎の3つのセンサ出力t、t、tからなる合計3n個のセンサ出力ta1〜tan、tb1〜tbn、tc1〜tcnをうる歪測定ステップと、
(B) 前記センサユニットG毎の3つのセンサ出力t、t、tをロゼット解析することにより、センサユニットG毎に、最大主歪データεmax、最小主歪データεmin、最大剪断歪データγmaxである3つの解析データd、d、dをうるロゼット解析ステップと、
(C) このロゼット解析ステップにより求めた合計3n個の解析データda1〜dan、db1〜dbn、dc1〜dcnに基づいて、前後力Fx、横力Fyおよび上下力Fzの推定値を演算して求める演算ステップと、
を含んで構成される。
前記歪測定ステップでは、予め、タイヤ歪を測定するためのタイヤ回転角度位置Qを設定しておき、走行中のタイヤ1が、このタイヤ回転角度位置Qとなったとき、各前記センサユニットGによってタイヤ歪を同時に測定する。これにより、センサユニットG毎の3つのセンサ出力t、t、tからなる合計3n個のセンサ出力ta1〜tan、tb1〜tbn、tc1〜tcnをうることができる。
本例では、図3に例示する如く、まずタイヤ軸芯iを通って接地面に向かって垂直に下した垂直線を0°とするタイヤ軸芯i廻りの座標系(ただしタイヤ回転方向の一方側Tをプラス(+)とする)を採用し、0°の基準線X0からプラス側に順次並ぶセンサユニットGを、1番目〜n番目のセンサユニットG1〜Gnとして区別する。そして、前記1番目のセンサユニットG1の位相角度βが所定の値、例えば0°となるタイヤの回転位置を、前記タイヤ回転角度位置Qとして設定している。なお例えば前記位相角度βが+15°の時、+30°の時、或いは+45°の時をタイヤ回転角度位置Qとして設定しうるなど、タイヤ回転角度位置Qを適宜設定することができる。
次に、ロゼット解析ステップでは、前記センサユニットG毎の3つのセンサ出力t、t、tに対して、周知のロゼット解析処理を行う。これによって、センサユニットG毎に、各センサユニットの位置に作用する
最大主歪データεmax、最小主歪データεmin、最大剪断歪データγmaxである3つの解析データd、d、dである3つの解析データd、d、dを求める。
なお前記角度θa、θbが45°の場合、ロゼット解析により、
最大主歪データεmax、最小主歪データεmin、最大剪断歪データγmaxは、下記の式で求めることができる。
=εmax=[t+t+√2{(t−t+(t−t}]/2
=εmin=[t+t−√2{(t−t+(t−t}]/2
=γmax=√2{(t−t+(t−t
次に、演算ステップでは、前記ロゼット解析ステップによって求めた合計3n個の解析データda1〜dan、db1〜dbn、dc1〜dcnを用い、事前に求めた前後力Fxと解析データda1〜dan、db1〜dbn、dc1〜dcnとの関係式Fx=fx(da1・・・dan、db1・・・dbn、dc1・・・dcn)、横力Fyと解析データda1〜dan、db1〜dbn、dc1〜dcnとの関係式Fy=fy(da1・・・dan、db1・・・dbn、dc1・・・dcn)、上下力Fzと解析データda1〜dan、db1〜dbn、dc1〜dcnとの関係式Fz=fz(da1・・・dan、db1・・・dbn、dc1・・・dcn)、から、ぞれぞれの推定値Fx0、Fy0、Fz0を演算して求めるのである。
ここで、前記事前の関係式は、前後力Fx、横力Fy、及び上下力Fzをそれぞれ違えた事前の荷重付加試験によって求めることができる。すなわち、タイヤが所定のタイヤ回転角度位置Qとなったときのタイヤ歪を、異なる種々の荷重付加条件毎に前記3n個の歪センサによって同時に測定する。そしてこれにロゼット解析処理を施して、3n個の解析データda1〜dan、db1〜dbn、dc1〜dcnを求めるとともに、この解析データとそのときの荷重付加条件とからなる多くの荷重付加試験データを分析することで、前述の関係式
Fx=fx(da1・・・dan、db1・・・dbn、dc1・・・dcn)、
Fy=fy(da1・・・dan、db1・・・dbn、dc1・・・dcn)、
Fz=fz(da1・・・dan、db1・・・dbn、dc1・・・dcn)、
を事前に求めることができる。一例としては、例えば前記荷重付加試験データにおいて、入力であるFx、Fy、Fzを目的変数とし、出力であるda1〜dan、db1〜dbn、dc1〜dcnを説明変数として、重回帰にて前記関係式を求めることができる。
このように、3n個の解析データを用いて前後力Fx、横力Fy、上下力Fzに対する関係式を立てることにより、前後力Fx、横力Fy、上下力Fzの推定精度を向上させることが可能となる。なお前記センサユニットGでは、ゲイン最大線間の前記角度θa、θbがそれぞれ30〜60°の範囲を外れると、最大主歪データεmax、最小主歪データεmin、最大剪断歪データγmaxの精度低下を招く。そのため、前記角度θa、θbは、その下限を40°以上、上限を50°以下とするのが好ましく、特に45°とするのが好ましい。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
本発明の作用効果を確認するため、一方側のサイドウォール部にn個のセンサユニットG(歪センサの総数は3n個)を、同一円周線j上に等間隔を隔てて取り付けた空気入りタイヤ(サイズ225/55R17)を試作した。センサユニットGを構成する第1〜第3の歪センサ10A〜10Cは、それぞれ1つの磁石と、1つのホール素子との対からなり、ゲイン最大線間の角度θa、θbは何れも45°である。
又比較のために、一方側のサイドウォール部のみに歪センサ10Aを取り付けた同サイズの空気入りタイヤを比較例として試作した。比較例2と実施例1とは歪センサの合計数が同じである。
そして本発明の推定方法に基づき、所定のタイヤ回転角度位置において、各歪センサによってタイヤ歪を同時に測定し、それによって得たセンサ出力を、事前に求めた関係式に当てはめることで、ぞれぞれの推定値Fx0、Fy0、Fz0を演算して求める。そして、この推定値Fx0、Fy0、Fz0を、6分力計を用いて実際に測定した3分力Fx、Fy、Fzと比較することで、その推定精度を評価するとともに、その結果を表4に示す。なお推定精度の評価は以下のとうりである。
△−−推定値の精度がやや低い:(△+は、△よりもやや優れている)
○−−推定値の精度が良い:
◎−−推定値の精度が優れている:
表2に示すように、実施例の推定方法では、同数の歪センサを用いた比較例に比して推定精度が向上しているのが確認できる。
本発明で推測した3分力の情報を利用することで、車両の安全性の向上や乗員の疲労軽減を図ることができる。例えば、乗員数や乗員の配置、荷物の積載位置などによって変化する車輪毎の荷重(上下力)を推測し、この情報を用いて通常ブレーキやABS作動時に車輪毎のブレーキ配分を最適化することで、車両の安全性を向上することができる。又電子制御サスペンションに上下力の情報を伝達することで、ショックアブソーバの減衰力を変化させ、その状況における最適な減衰力にすることで、乗り心地性が向上し、乗員の疲労を低減できる。
1 空気入りタイヤ
3 サイドウォール部
10A 第1の歪センサ
10B 第2の歪センサ
10C 第3の歪センサ
11 磁石
12 磁気歪センサ素子
13 弾性材
20 モールド体
K1、K2、K3 ゲイン最大線
G センサユニット

Claims (7)

  1. タイヤのサイドウォール部におけるタイヤ歪を測定する歪センサのセンサ出力により、タイヤに作用する前後力、横力および上下力を推定する推定方法であって、
    タイヤの少なくとも一方側のサイドウォール部にタイヤ周方向に間隔を隔てて取り付く3個以上のn個のセンサユニットと、
    タイヤの回転角度位置を検出するタイヤ角度歪センサとを用い、
    しかも各前記センサユニットは、ゲインを最大とするゲイン最大線K1がタイヤ半径方向に配される第1の歪センサと、ゲイン最大線K2が前記ゲイン最大線K1に対して30〜60°の角度θaでタイヤ周方向の一方側に傾く第2の歪センサと、ゲイン最大線K3が前記ゲイン最大線K1に対して30〜60°の角度θbでタイヤ周方向の他方側に傾く第3の歪センサとから構成され、かつこの第1〜第3の歪センサをタイヤ周方向に隣り合わせたW字状配列をなすとともに、
    所定のタイヤ回転角度位置Qにおいて、各前記センサユニットの歪センサによってタイヤ歪を同時に測定することにより、センサユニット毎の3つのセンサ出力からなる合計3n個のセンサ出力をうる歪測定ステップと、
    前記センサユニット毎の3つのセンサ出力をロゼット解析することにより、センサユニット毎に、最大主歪データεmax、最小主歪データεmin、最大剪断歪データγmaxである3つの解析データをうるロゼット解析ステップと、
    このロゼット解析ステップにより求めた合計3n個の解析データに基づいて、前後力Fx、横力Fyおよび上下力Fzの推定値を求める演算ステップとを含むことを特徴とする空気入りタイヤに作用する力の推定方法。
  2. 前記センサユニットは、タイヤ軸芯を中心とした一つの円周線上に、タイヤ周方向に等間隔を隔てて配されることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤに作用する力の推定方法。
  3. 前記演算ステップは、前記タイヤ回転角度位置Qにおいて予め求めた前記解析データと前後力Fxとの関係式、前記解析データと横力Fyとの関係式、および前記解析データと上下力Fzとの関係式に基づき、前記前後力Fx、横力Fyおよび上下力Fzの推定値を算出することを特徴とする請求項1又は2記載のタイヤに作用する力の推定方法。
  4. サイドウォール部におけるタイヤ歪を測定したセンサ出力により、タイヤに作用する前後力、横力および上下力を推定するために用いる歪センサを具える空気入りタイヤであって、
    タイヤの少なくとも一方側のサイドウォール部に、タイヤ周方向に間隔を隔てて取り付く3個以上のn個のセンサユニットを具えるとともに、
    各前記センサユニットは、ゲインを最大とするゲイン最大線K1がタイヤ半径方向に配される第1の歪センサと、ゲイン最大線K2が前記ゲイン最大線K1に対して30〜60°の角度θaでタイヤ周方向の一方側に傾く第2の歪センサと、ゲイン最大線K3が前記ゲイン最大線K1に対して30〜60°の角度θbでタイヤ周方向の他方側に傾く第3の歪センサとから構成され、かつこの第1〜第3の歪センサをタイヤ周方向に隣り合わせたW字状配列をなすことを特徴とする空気入りタイヤ。
  5. 前記センサユニットは、タイヤ軸芯を中心とした一つの円周線上に、タイヤ周方向に等間隔を隔てて配されることを特徴とする請求項4記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記第1〜第3の歪センサは、それぞれ1つの磁石と、この磁石に向き合う1つの磁気歪センサ素子とからなり、かつ前記センサユニットは、前記第1〜第3の歪センサを弾性材を介して一体化したモールド体からなることを特徴とする請求項4又は5に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記第1の歪センサは、前記磁石が前記磁気歪センサ素子に向き合うセンサ素子対抗面の磁極を、前記第2、第3の歪センサにおけるセンサ素子対抗面の磁極と相違させたことを特徴とする請求項6記載の空気入りタイヤ。
JP2009066665A 2009-03-18 2009-03-18 タイヤに作用する力の推定方法、及びそれに用いる空気入りタイヤ Expired - Fee Related JP5199926B2 (ja)

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