JP2009276288A - タイヤに作用する前後力および上下力の推定方法 - Google Patents

タイヤに作用する前後力および上下力の推定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 歪センサによって測定されるサイドウォール部におけるタイヤ歪により、前後力Fxおよび上下力Fzを推定する際の推定精度や信頼性を高める。
【解決手段】 所定のタイヤ回転位相角度位置Qにおいて、N個の歪センサ10によってタイヤ歪を同時に測定することによりN個のセンサ出力tをうるタイヤ歪測定ステップと、前記N個のセンサ出力tのうちの4個のセンサ出力t1〜t4を用い、下記の推定式(1)から前後力Fxの推定値Fx0および上下力Fzの推定値Fz0を演算して求める演算ステップとを含む。
┌Fx┐ ┌a1 b1 c1 d1 ┐−1 ┌t1−e1┐
│Fx │ │a2 b2 c2 d2 │ │t2−e2 │
│Fz│= │a3 b3 c3 d3 │ │t3−e3 │
└Fz ┘ └a4 b4 c3 d4 ┘ └t4−e4 ┘ −−(1)
【選択図】図1

Description

本発明は、サイドウォール部におけるタイヤ歪を歪センサにより測定することにより、タイヤに作用する前後力Fxおよび上下力Fzを推定する推定方法に関する。
下記の特許文献1には、サイドウォール部に取り付けた3つ以上の歪センサにより、タイヤ歪を同時に測定し、これによって得た3つのセンサ出力によって、タイヤに作用する前後力Fx、横力Fy、及び上下力Fzの3並進方向力をそれぞれ推定する技術が提案されている。
この技術は、以下の如く説明されている。タイヤに前後力Fx、横力Fy、上下力Fzが個別に負荷された場合、サイドウォール部に発生するタイヤ歪εは、各方向力Fx、Fy、Fzと略線形の相関関係を有するという特徴がある。そのため、サイドウォール部においては、前後力Fxによって発生するタイヤ歪εxは、前後力Fxの一次関数εx=f(Fx)で近似でき、同様に、横力Fyによって発生するタイヤ歪εyは、横力Fyの一次関数εy=f(Fy)で、かつ上下力Fzによって発生するタイヤ歪εzは、上下力Fzの一次関数εz=f(Fz)で、それぞれ近似できる。従って、各方向力Fx、Fy、Fzの合力Fが作用したときに発生するタイヤ歪εは、各タイヤ歪εx、εy、εzの和、即ち次式(a)で近似することが可能となる。
ε=εx+εy+εz=f(Fx)+f(Fy)+f(Fz)−−(a)
又歪センサにより測定可能なタイヤ歪εから、前記合力Fをなす方向力Fx、Fy、Fzをそれぞれ導き出すには、Fx、Fy、Fzを未知数とした前記式(a)である3元一次方程式を解くことにより達成できる。そのためには、異なる3位置でタイヤ歪εを同時に測定し、式(a)に基づく3つの連立式をたてることが必要である。
言い換えると、サイドウォール部に3つ以上の歪センサを設け、異なる3つの測定位置でタイヤ歪εを同時に測定し、そのとき得られた3つのセンサ出力t1、t2、t3から、下記の3つの連立式をたて、それを解くことにより、Fx、Fy、Fzを求めることが可能となる。なお、A1〜A3、B1〜B3、C1〜C3、D1〜D3は、事前の荷重付加試験においてFx、Fy、Fzを夫々単独で変化させて実測した歪出力t1,t2,t3と、そのときの前後力Fx、横力Fy、上下力Fzとの複数のデータを数値解析することにより求めることができる。
t1=A1・Fx+B1・Fy+C1・Fz+D1
t2=A2・Fx+B2・Fy+C2・Fz+D2
t3=A3・Fx+B3・Fy+C3・Fz+D3
即ち、Fx、Fy、Fzは、下記の行列式(b)式を解くことで求まる。
┌Fx┐ ┌A1 B1 C1┐−1 ┌t1−D1┐
│Fy│ = │A2 B2 C2│ │t2−D2│
└Fz┘ └A3 B3 C3 ┘ └t3−D3┘ −−(b)
特開2005−126008号公報
しかしながら、本発明者の研究の結果、特に上下力Fzにおいては、上下力Fzと、それによって発生するタイヤ歪εzとの関係を一次式にて近似させた場合には、近似式と実データとの相関が低くなり、前記方向力Fx、Fy、Fzの推定精度を低下させる場合があることが判明した。
図11は、タイヤの接地中心を0°としかつタイヤの反回転方向を正としたタイヤ軸心廻りの座標系において、座標角度が異なる6つの測定位置P1〜P6を任意に設定し、タイヤに上下力Fzのみを負荷させた時に生じるタイヤ歪εzを、前記測定位置P1〜P6毎に測定した測定データ(εz、Fz)のグラフである。なおタイヤ歪εzは、センサ出力tにて表示している。この図11から明らかなように、特に測定位置P3〜P6においては、前記測定データを一次式にて近似させた場合には、その相関が極めて低くなる。従って、タイヤ歪εzと上下力Fzとの関係を含むタイヤ歪εと方向力Fx、Fy、Fzとの関係に対しては、一次式ではなく二次式にて近似させることが、高い相関を得るために重要となる。
しかしその反面、二次式にて近似させた場合には、異なる6つの測定位置にてタイヤ歪εを同時に測定することが必要となるため、測定データにノイズが載ったり測定誤差が大きくなる機会が増す。なお何れか一つの測定データにノイズが載ったり測定誤差が大きくなっただけでも、方向力Fx、Fy、Fzの推定値が変化する。従って、単に二次式にて近似させるだけでは、推定の精度や信頼性を充分に向上させることが難しいことが判明した。
そこで本発明は、横力の変化が小である直進走行時に、タイヤ歪を測定することを前提として、横力の項を無視した推定式を用いることを基本として、タイヤ歪を方向力の二次式にて近似させた推定式を用いつつ、4つのタイヤ歪の測定値のみで、車両制御システムに重要な、前後力および上下力を推定することが可能となり、推定の精度や信頼性を大幅に向上させうるタイヤに作用する前後力および上下力の推定方法を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、タイヤのサイドウォール部におけるタイヤ歪を測定する歪センサのセンサ出力により、タイヤに作用する前後力Fxおよび上下力Fzを推定する推定方法であって、
サイドウォール部に周方向に互いに間隔を隔てて取り付きかつ該サイドウォール部におけるタイヤ歪を測定する4個以上のN個の歪センサと、前記測定時のタイヤの回転位相角度を検出するタイヤ角度センサとを用いるとともに、
所定のタイヤ回転位相角度位置Qにおいて、前記N個の歪センサによってタイヤ歪を同時に測定することによりN個のセンサ出力tをうるタイヤ歪測定ステップと、
前記N個のセンサ出力tのうちの4個のセンサ出力t1〜t4を用い、下記の推定式(1)から前後力Fxの推定値および上下力Fzの推定値を演算して求める演算ステップとを含むことを特徴としている。
┌Fx┐ ┌a1 b1 c1 d1 ┐−1 ┌t1−e1┐
│Fx │ │a2 b2 c2 d2 │ │t2−e2 │
│Fz│= │a3 b3 c3 d3 │ │t3−e3 │
└Fz ┘ └a4 b4 c4 d4 ┘ └t4−e4 ┘ −−(1)
ここで a1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4、e1〜e4は、係数であり、
t1=a1・Fx+b1・Fx+c1・Fz+d1・Fz+e1 −−(2)
t2=a2・Fx+b2・Fx+c2・Fz+d2・Fz+e2 −−(3)
t3=a3・Fx+b3・Fx+c3・Fz+d3・Fz+e3 −−(4)
t4=a4・Fx+b4・Fx+c4・Fz+d4・Fz+e4 −−(5)
として、前記タイヤ回転位相角度位置Qにおいて、予め前後力Fx、上下力Fzを変化させて歪センサ毎に実測したセンサ出力tと、そのときの前後力Fx、上下力Fzとの複数の事前データを数値解析することにより求めた、前記タイヤ回転位相角度位置Qにおける各歪センサに固有の係数である。
又請求項2の発明では、前記演算ステップは、前記N個のセンサ出力tから、組み合せを違えた4個のセンサ出力tからなる複数組のセンサ出力組みを形成し、かつ各センサ出力組み毎に、そのセンサ出力組みに属する4個のセンサ出力tを用いて、前記推定式(1)から前後力Fxの推定値および上下力Fzの推定値を演算して求める段階と、
前記センサ出力組み毎に求めた前記前後力Fxの推定値、および上下力Fzの推定値をそれぞれ平均化する段階とを含むとともに、
前記平均化によって得られる前後力Fxの推定値の平均値、および上下力Fzの推定値の平均値を用いて前後力Fxおよび上下力Fzを推定することを特徴としている。
又請求項3の発明では、前記タイヤ回転位相角度位置Qにおいて、サイドウォール部は、歪センサによるタイヤ歪の測定感度が低下する低感度領域を含むとともに、
前記演算ステップは、前記低感度領域に位置する歪センサによって測定された低感度のセンサ出力tを除外して前記センサ出力組みを形成することを特徴としている。
又請求項4の発明では、前記低感度領域は、タイヤの接地中心を0°としかつタイヤの反回転方向を正としたタイヤ軸心廻りの座標系における、0〜15°、165〜195°、及び345〜360°の角度領域を含むことを特徴としている。
本発明は叙上の如く、タイヤ歪と方向力との関係を二次式にて近似させているため、近似式との相関を高め、推定式の精度を向上させることができる。しかも、横力の変化が小である直進走行時に、タイヤ歪を測定することを前提として、横力の項を無視して推定式を形成しているため、4つのセンサ出力のみで、車両制御システムに重要な、前後力および上下力を推定することが可能となる。その結果、センサ出力である測定データにノイズが入ったり、又測定誤差が生じる機会を減じることができ、前述の二次式の採用と相俟って、推定の精度や信頼性を大幅に向上させることができる。
以下、本発明の実施の一形態を、図示例とともに説明する。図1は本発明の前後力および上下力の推定方法に用いる空気入りタイヤを示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態の空気入りタイヤ1は、本例では、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、トレッド部2の内方かつ前記カーカス6の半径方向外側に配されるベルト層7とを具える。
前記カーカス6は、カーカスコードをタイヤ周方向に対して例えば70〜90°の角度で配列した1枚以上、本例では1枚のカーカスプライ6Aから形成される。このカーカスプライ6Aは、前記ビードコア5、5間に跨るプライ本体部6aの両側に、前記ビードコア5の廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返されるプライ折返し部6bを一連に具える。又前記プライ本体部6aとプライ折返し部6bとの間には、前記ビードコア5からタイヤ半径方向外方にのびる断面三角形状のビード補強用のビードエーペックスゴム8を配設している。
前記ベルト層7は、ベルトコードをタイヤ周方向に対して例えば10〜35゜の角度で配列した2枚以上、本例では2枚のベルトプライ7A、7Bから形成され、各ベルトコードがプライ間相互で交差することにより、ベルト剛性を高め、トレッド部2の略全巾をタガ効果を有して強固に補強している。なお該ベルト層7の半径方向外側には、本例では、高速走行性能および高速耐久性等を高める目的で、バンドコードを周方向に対して5度以下の角度で配列させたバンド層9を設けている。
そして前記サイドウォール部3の領域Yには、該サイドウォール部3におけるタイヤ歪を測定するための4個以上のN個の歪センサ10が取り付けられる。又車軸には、タイヤ1の回転位相角度θを検出する例えばレゾルバ、エンコーダ等のタイヤ角度センサ(図示しない)を設けている。本例では図5に示すように、6個(N=6)の歪センサ10(区別するとき第1〜第6の歪センサ10A〜10Fという場合がある。)が、タイヤ軸心を中心とした一つの円周線j上に、周方向に互いに等間隔を隔てて取り付けられている場合が提示されている。
前記サイドウォール部3の領域Yは、タイヤ断面高さhの中間高さ位置Mを中心として、該タイヤ断面高さhの25%の距離Lを半径方向内外に隔てる領域範囲であって、好ましくは前記距離Lをタイヤ断面高さhの20%、さらには15%とし、中間高さ位置Mにより近い領域範囲に前記歪センサ10を設けることが望ましい。なお前記タイヤ断面高さhは、ビードベースラインBLからタイヤ赤道上のトレッド面までの半径方向高さを意味する。
次に、前記歪センサ10は、図2〜4に示すように、磁石11と、この磁石11に間隔を有して向き合う磁気センサ素子12とを弾性材13を介して一体化したブロック状のモールド体20として形成される。
なお前記磁気センサ素子12としては、ホール素子、及びMR素子(磁気抵抗効果素子)、TMF−MI素子、TMF−FG素子、アモルファスセンサ等が採用でき、特にコンパクトさ、感度、取り扱い易さ等の観点からホール素子が好適に採用できる。又前記歪センサ10ではサイドウォール部3の動きに追従して柔軟に弾性変形しうることが重要であり、そのために、前記弾性材13として各種のゴム弾性材料が採用される。特に、熱可塑性エラストマ(TPE)は、注型成形や射出成形等のプラスチック成形が可能であり、前記歪センサ10を製造するという観点から好適に採用できる。
なお歪センサ10としては、図2(A)、(B)の如く、1つの磁石11と1つの磁気センサ素子12とで形成した1−1タイプ、又図3(A)、(B)の如く、1つの磁石11と複数(n個、例えば2個)の磁気センサ素子12とで形成した1−nタイプ、又図4(A)、(B)の如く、複数(n個、例えば2個)の磁石11と1つの磁気センサ素子12とで形成したn−1タイプのものが使用できる。なお図中の符号12sは磁気センサ素子12の受感部面12s、符号11sは磁石11の磁極面を示し、又符号Nは、歪センサ10のゲインが最大となるゲイン最大線を示している。なお歪センサ10としては他に、抵抗線歪みゲージや、ピエゾ素子を用いたものなども採用可能である。
又前記歪センサ10は、図6に1−1タイプのものを代表して示すように、前記ゲイン最大線Nを、タイヤ半径方向線に対して、0〜80°の角度βで取り付けられる。好ましくは、タイヤ歪の測定精度を高めるために、前記角度βを0〜80°の範囲、さらには20〜70°、さらには30〜60°の範囲とするのが好ましい。
又歪センサ10には、測定されたタイヤ歪の歪出力を、車両制御システム(例えばABS)の電子制御装置(ECU)に発信する発信手段を内蔵することが好ましい。この発信手段は、送受信回路、制御回路、メモリー等をチップ化した半導体と、アンテナとから構成され、前記電子制御装置(ECU)からの質問電波を受信したとき、これを電気エネルギーとして使用し、メモリー内の歪出力のデータを応答電波として発信しうる。
次に、前後力および上下力の推定方法を、前記空気入りタイヤ1を用いて説明する。
前記推定方法は、
(A) 所定のタイヤ回転位相角度位置Qにおいて、前記N個の歪センサ10によってタイヤ歪εを同時に測定することによりN個のセンサ出力tをうるタイヤ歪測定ステップと、
(B) 前記N個のセンサ出力tのうちの4個のセンサ出力t1〜t4を用い、下記の推定式(1)から前後力Fxの推定値および上下力Fzの推定値を演算して求める演算ステップと、
を含んで構成される。
前記タイヤ歪測定ステップでは、予め、タイヤ歪εを測定するためのタイヤ回転位相角度位置Qを設定しておき、走行中のタイヤが、このタイヤ回転位相角度位置Qとなったときを前記タイヤ角度センサにて検出する。そしてこのタイヤ回転位相角度位置Qにて、前記N個の歪センサ10によってタイヤ歪εを同時に測定することにより、前記N個のセンサ出力tをうることができる。本例では、図5に例示する如く、タイヤの接地中心COを0°としかつタイヤの反回転方向を正としたタイヤ軸心廻りの座標系において、前記第1の歪センサ10Aの角度位置θAが例えば+30°となるタイヤの回転位置を、前記タイヤ回転位相角度位置Qとして設定している。なお例えば前記角度位置θAが0°の時、+15°の時、或いは+45°の時をタイヤ回転位相角度位置Qとして設定しうるなど、タイヤ回転位相角度位置Qを適宜設定することができる。
次に、前記演算ステップでは、前記N個のセンサ出力tのうちの4個のセンサ出力t1〜t4を用い、下記の推定式(1)から前後力Fxの推定値Fx0および上下力Fzの推定値Fz0を演算して求める。そしてこの推定値Fx0、推定値Fz0に基づいて、タイヤ歪測定時における前後力Fx、上下力Fzを推定する。
┌Fx┐ ┌a1 b1 c1 d1 ┐−1 ┌t1−e1┐
│Fx │ │a2 b2 c2 d2 │ │t2−e2 │
│Fz│= │a3 b3 c3 d3 │ │t3−e3 │
└Fz ┘ └a4 b4 c4 d4 ┘ └t4−e4 ┘ −−(1)
前記推定式(1)中の、a1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4、e1〜e4は、係数であり、
t1=a1・Fx+b1・Fx+c1・Fz+d1・Fz+e1 −−(2)
t2=a2・Fx+b2・Fx+c2・Fz+d2・Fz+e2 −−(3)
t3=a3・Fx+b3・Fx+c3・Fz+d3・Fz+e3 −−(4)
t4=a4・Fx+b4・Fx+c4・Fz+d4・Fz+e4 −−(5)
として、前記タイヤ回転位相角度位置Qにおいて、予め前後力Fx、上下力Fzを変化させて歪センサ毎に実測したセンサ出力tと、そのときの前後力Fx、上下力Fzとの複数の事前データを数値解析することにより求めた、前記タイヤ回転位相角度位置Qにおける各歪センサに固有の係数である。
以下に、前記タイヤ歪測定ステップにおいて、前記第1〜6の6個の歪センサ10A〜10Fにより、6個のセンサ出力tA〜tFが得られた場合を例にとり、演算ステップを具体的に説明する。
演算ステップでは、前記6個のセンサ出力tA〜tFから4個のセンサ出力t1〜t4を選択して使用する。本例では、例えば第1の歪センサ10Aから得られたセンサ出力tAをセンサ出力t1とし、第2の歪センサ10Bから得られたセンサ出力tBをセンサ出力t2とし、第4の歪センサ10Dから得られたセンサ出力tDをセンサ出力t3とし、第5の歪センサ10Eから得られたセンサ出力tEをセンサ出力t4とする。
そして、得られた4個のセンサ出力t1〜t4を、前記推定式(1)に代入することにより、未知数Fxを前後力の推定値Fx0として、又未知数Fzを上下力の推定値Fz0として求めることができる。
ここで、前記図11に、上下力Fzとそれによって生じるタイヤ歪εz(センサ出力t)との関係を代表して示すように、タイヤ歪εと方向力Fとの関係においては、一次式よりも二次式にて近似させた方が、近似式と実データとの間の相関が高くなることが確認できる。即ち、前後力Fxによって発生するタイヤ歪εxに対しては、前後力Fxの二次関数εx=f(Fx)によって近似することが有利であり、又上下力Fzによって発生するタイヤ歪εzに対しては、上下力Fzの二次関数εz=fz(Fz)によって近似することが有利である。
このとき前後力Fxと上下力Fzとの合力Fが作用したときに発生するタイヤ歪εは、各タイヤ歪εx、εzの和である次式(6)で表すことができる。
ε=f(Fx)+f(Fz
=a・Fx+b・Fx+c・Fz+d・Fz+e −−−(6)
そして測定可能なタイヤ歪εから、前記式(6)における未知数Fx、Fx、Fz、Fzを導き出すには、4個の歪センサ10によってタイヤ歪εを同時に測定し、そのとき得られる4個のセンサ出力t1〜t4に基づく下記の4つの連立式(2)〜(5)を解くことにより達成される。
t1=a1・Fx+b1・Fx+c1・Fz+d1・Fz+e1 −−(2)
t2=a2・Fx+b2・Fx+c2・Fz+d2・Fz+e2 −−(3)
t3=a3・Fx+b3・Fx+c3・Fz+d3・Fz+e3 −−(4)
t4=a4・Fx+b4・Fx+c4・Fz+d4・Fz+e4 −−(5)
なお式(2)〜(5)は、下記の行列式(1A)で表すことができ、又この行列式(1A)を逆行列変換することで、未知数Fx、Fx、Fz、Fzを求めるための前記推定式(1)が得られる。
┌t1┐ ┌a1 b1 c1 d1 ┐ ┌Fx┐ ┌e1┐
│t2│ │a2 b2 c2 d2 │ │Fx │ │e2│
│t3│= │a3 b3 c3 d3 │ │Fz│+ │e3│
└t4┘ └a4 b4 c4 d4 ┘ └Fz ┘ └e4┘ −−(1A)
ここで、前記式(1)、(1A)中の 符号a1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4、e1〜e4は、前記タイヤ回転位相角度位置Qにおける各歪センサ10に固有の係数である。本例の場合、a1、b1、c1、d1、e1は、タイヤ回転位相角度位置Qにおける第1の歪センサ10Aに固有の係数であり、a2、b2、c2、d2、e2は、タイヤ回転位相角度位置Qにおける第2の歪センサ10Bに固有の係数であり、a3、b3、c3、d3、e3は、タイヤ回転位相角度位置Qにおける第4の歪センサ10Dに固有の係数であり、又a4、b4、c4、d4、e4は、タイヤ回転位相角度位置Qにおける第5の歪センサ10Eに固有の係数である。
このような係数a1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4、e1〜e4は、下記のような事前の荷重付加試験によって求めることができる。具体的には、前記タイヤ回転位相角度位置Qにおいて、例えば前後力Fx=0とし、上下力Fzのみを変化させて、歪センサ10A〜10F毎にセンサ出力tzA〜tzFを得る。これにより、歪センサ10A〜10F毎の「センサ出力−上下力」の測定データ(tz、Fz)を得る。そしてこの測定データ(tz、Fz)を2次回帰分析することにより、例えば第1の歪センサ10Aに対して、下記の2次回帰式(7)を得ることができる。なお第2〜6の歪センサ10B〜10Fに対しても同様の2次回帰式を得ることができる。
tzA=cA・Fz+dA・Fz+ezA −−(7)
又同様に、前記タイヤ回転位相角度位置Qにおいて、上下力Fz=0とし、前後力Fxのみを変化させることにより、歪センサ10A〜10F毎の「センサ出力−前後力」の測定データ(tx、Fx)を得る。実際には、上下力Fz一定として、測定データを得た後、この測定データから前記上下力Fz(一定)によるセンサ出力を減じて補正することにより、「センサ出力−前後力」の測定データ(tx、Fx)が得られる。この測定データ(tx、Fx)を2次回帰分析することにより、例えば第1の歪センサ10Aに対して、下記の2次回帰式(8)を得ることができる。なお第2〜6の歪センサ10B〜10Fに対しても同様の2次回帰式を得ることができる。
txA=aA・Fx+bA・Fx+exA −−(8)
そして前記式(7)、(8)を加算することにより、第1の歪センサ10Aに対して、前後力Fx、上下力Fzの双方が作用する場合の2次回帰式(9)を得ることができる。なお第2〜6の歪センサ10B〜10Fに対しても同様である。
tA=txA+tzA=aA・Fx+bA・Fx+cA・Fz+dA・Fz+(exA+ezA) −−(9)
本例の場合、式(1)、(1A)中の前記係数a1は、前記式(9)における2次回帰係数aAとして求まり、前記係数b1は2次回帰係数bAとして求まり、前記係数c1は2次回帰係数cAとして求まり、前記係数d1は2次回帰係数dAとして求まり、前記係数e1は2次回帰係数(exA+ezA)として求まる。
このように本実施形態の推定方法では、横力の変化が小である直進走行時に、タイヤ歪を測定することを前提として、横力によるタイヤ歪への影響を無視して推定式(1)を形成している。従って、4つのセンサ出力tのみで、車両制御システムに重要な、前後力Fxおよび上下力Fzの推定値Fx0、Fz0を求めることが可能となる。このように使用するセンサ出力の数を4つに抑えているため、測定データにノイズが入ったり、又測定誤差が生じる機会を減じることができる。しかも、タイヤ歪と方向力との関係を、より相関が高い二次式にて近似させているため、前記使用するセンサ出力の数を4つに抑えることと相俟って、推定の精度や信頼性を大幅に向上させることができる。
なお本発明の推定方法では、前記推定式(1)によって求まる前後力の推定値Fx0、及び上下力の推定値Fz0を、そのまま、タイヤ歪測定時における前後力Fx、及び上下力Fzとして評価することができる。(第1実施形態という場合がある。)
しかしながら、推定精度及び信頼性をさらに高めるために、N個のセンサ出力tから複数の推定値Fx0、Fz0を求め、その複数の推定値Fx0の平均値、及び推定値Fz0の平均値を、それぞれタイヤ歪測定時における前後力Fx、及び上下力Fzとして評価することができる。(第2実施形態という場合がある。)
この第2実施形態では、前記演算ステップにおいて、まず前記N個のセンサ出力tから、組み合せを違えた4個のセンサ出力tからなる複数組のセンサ出力組みを形成する。具体的には、前記6個のセンサ出力tA〜tFから、例えばセンサ出力tA、tB、tD、tEからなる第1のセンサ出力組みH1と、センサ出力tB、tC、tE、tFからなる第2のセンサ出力組みH2とを形成する。
そして、各センサ出力組み毎に、そのセンサ出力組みが属する4個のセンサ出力tを用いて、前記推定式(1)から前後力Fxの推定値および上下力Fzの推定値を演算して求めるとともに、前記センサ出力組み毎に求めた前記前後力Fxの推定値、および上下力Fzの推定値をそれぞれ平均化する。
具体的には、第1のセンサ出力組みH1においては、それに属する4個のセンサ出力tA、tB、tD、tEを用いて、前記推定式(1)から前後力Fxの推定値Fx01および上下力Fzの推定値Fz01を演算して求める。又第2のセンサ出力組みH2においては、それに属する4個のセンサ出力tB、tC、tE、tFを用いて、前記推定式(1)から前後力Fxの推定値Fx02および上下力Fzの推定値Fz02を演算して求める。そして前記第1、第2のセンサ出力組みH1、H2から求めた前後力Fxの推定値Fx01、Fx02を平均化して、平均値(Fx01+Fx02)/2を求めるとともに、第1、第2のセンサ出力組みH1、H2から求めた上下力Fzの推定値Fz01、Fz02を平均化して、平均値(Fz01+Fz02)/2を求める。
そしてこの平均値(Fx01+Fx02)/2、平均値(Fz01+Fz02)/2を、それぞれタイヤ歪測定時における前後力Fx、及び上下力Fzとして評価するのである。なおセンサ出力組みHの形成数nは、特に規制されないが、多すぎると演算量が増し電子制御装置(ECU)への負荷が増大するため、形成数nの上限は、16以下、さらには12以下が好ましい。
又本発明者の研究の結果、サイドウォール部3には、図9に示すように、前記タイヤ回転位相角度位置Qにおいて、歪センサ10によるタイヤ歪の測定感度が低下する低感度領域Jが存在することが判明した。
図7に誇張して示すように、上下力Fz=0の状態(図7(A))においては、カーカスコード21は、ラジアル方向に配列している。しかし、上下力Fzが作用する状態(図7(B))においては、接地部においてベルト層が周方向に伸ばされるとともに、カーカスコード21がこのベルト層の伸びに引っ張られ、サイドウォール部にタイヤ歪が発生する。このとき、歪センサ10が、そのゲイン最大線Nをタイヤ半径方向線に対して傾斜させて取り付けられる場合には、図7(C)における左側領域では、歪センサ10は圧縮方向のタイヤ歪を検出し、右側領域では、引っ張り方向のタイヤ歪を検出することとなる。従って、上下力Fzが負荷された場合を図8に示すように、前記座標系における角度位置θと、その角度位置θにおけるセンサ出力tとの関係においては、前記角度位置θが+45°近辺でセンサ出力tは引っ張り側に最大値を示し、+315°近辺で圧縮側に最大値を示す。これに対して、前記角度位置θが0°(360°)近辺、及び180°近辺ではセンサ出力tは、ほとんど0となり、タイヤ歪が感知されなくなる。このように、前記タイヤ回転位相角度位置Qにおいては、歪センサ10によるタイヤ歪の測定感度が低下する低感度領域Jが、少なくとも0°(360°)近辺、及び180°近辺に存在している。
従って、前後力Fxおよび上下力Fzに対する推定精度及び信頼性をさらに高めるためには、前記演算ステップにおいて、前記低感度領域Jに位置する歪センサ10によって測定された低感度のセンサ出力tを除外して前記センサ出力組みHを形成することが好ましい(以下に、第3実施形態という場合がある。)。この低感度領域Jとしては、前記図9に示すように、前記角度位置θが0〜15°の角度領域J1、165〜195°の角度領域J2、及び345〜360°の角度領域J3からなる場合が例示されているが、好ましくは、さらに前記角度位置θが45〜75°の角度領域J4、及び225〜255°の角度領域J5を加えた領域であることが望ましい。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。なお推測した上下力、前後力の情報を利用することで、車両の安全性の向上や乗員の疲労軽減を図りうる。例えば、乗員数や乗員の配置、荷物の積載位置などによって変化する車輪毎の荷重(上下力)を推測し、この情報を用いて通常ブレーキやABS作動時に車輪毎のブレーキ配分を最適化することで、車両の安全性を向上することができる。又電子制御サスペンションに上下力の情報を伝達することで、ショックアブソーバの減衰力を変化させ、その状況における最適な減衰力にすることで、乗り心地性が向上し、乗員の疲労を低減できる。
本発明の作用効果を確認するため、サイドウォール部に、図5に示すように6個の歪センサ10A〜10Fを、同一円周線j上にかつ周方向に等間隔を隔てて取り付けた空気入りタイヤ(サイズ225/55R17)を試作した。歪センサ10A〜10Fには、磁石とホール素子とをゴム弾性材で一体化したものを使用し、かつゲイン最大線の角度βを45°としている。
<A> 比較例1では、6個の歪センサ10A〜10Fのうちの2個の歪センサ10A、10Bを用いて、2個のセンサ出力tA、tBを得るとともに、このセンサ出力tA、tBと、一次近似式を用いた前記推定式(b)とから、前後力Fxおよび上下力Fzの推定値Fx0、Fz0を算出している。そして、この推定値Fx0、Fz0を、6分力計を用いて実測した前後力Fxおよび上下力Fzと比較し、その推定精度を評価している。なお図10(A)に、比較例1におけるタイヤ回転位相角度位置Qを示す。
<B> 実施例1(第1実施形態)では、6個の歪センサ10A〜10Fのうちの4個の歪センサ10A、10B、10D、10Eを用いて、4個のセンサ出力tA、tB、tD、tEを得るとともに、このセンサ出力tA、tB、tC、tDと、二次近似式を用いた前記推定式(1)とから、前後力Fxおよび上下力Fzの推定値Fx0、Fz0を算出している。そして、この推定値Fx0、Fz0を、6分力計を用いて実測した前後力Fxおよび上下力Fzと比較し、その推定精度を評価している。なお図10(B)に、実施例1におけるタイヤ回転位相角度位置Qを示す。
<C> 実施例2(第2実施形態)では、6個の歪センサ10A〜10Fを用い、3つのセンサ出力組みH1(tA、tB、tD、tE)、センサ出力組みH2(tB、tC、tE、tF)、センサ出力組みH3(tC、tD、tF、tA)を形成する。そして、各センサ出力組みH1、H2、H3毎に、そのセンサ出力組みが属する4個のセンサ出力と、二次近似式を用いた前記推定式(1)とから、前後力Fxおよび上下力Fzの推定値Fx0、Fz0を算出する。そして3つのセンサ出力組みから得た3つの推定値Fx0、推定値Fz0をそれぞれを平均化するとともに、その平均値(ΣFx0)/3、平均値(ΣFz0)/3を、6分力計を用いて実測した前後力Fxおよび上下力Fzと比較し、その推定精度を評価している。具体的には、例えば前後力Fxの場合、センサ出力組みH1(tA、tB、tD、tE)と推定式(1)とにより推定値Fx01を求める。又センサ出力組みH2(tB、tC、tE、tF)と推定式(1)とから推定値Fx02を求める。又センサ出力組みH3(tC、tD、tF、tA)と推定式(1)とから推定値Fx03を求める。そしてこの推定値の平均値(Fx01+Fx02+Fx03)/3を、最終の推定値として評価する。なお図10(C)に、実施例2におけるタイヤ回転位相角度位置Qを示し、実施例2では、歪センサ10B、10C、10E、10Fが低感度領域Jに位置している。
<D> 実施例3(第3実施形態)は、低感度領域Jに位置しない歪センサのセンサ出力のみを用いてセンサ出力組みHを形成すること以外は、実施例2と同じである。即ち、実施例3では、6個の歪センサ10A〜10Fを用い、3つのセンサ出力組みH1(tA、tB、tD、tE)、センサ出力組みH2(tB、tC、tE、tF)、センサ出力組みH3(tC、tD、tF、tA)を形成する。そして、各センサ出力組みH1、H2、H3毎に、そのセンサ出力組みが属する4個のセンサ出力と、二次近似式を用いた前記推定式(1)とから、前後力Fxおよび上下力Fzの推定値Fx0、Fz0を算出する。そして3つのセンサ出力組みから得た3つの推定値Fx0、推定値Fz0をそれぞれを平均化するとともに、その平均値(ΣFx0)/3、平均値(ΣFz0)/3を、6分力計を用いて実測した前後力Fxおよび上下力Fzと比較し、その推定精度を評価している。具体的には、例えば前後力Fxの場合、センサ出力組みH1(tA、tB、tD、tE)と推定式(1)とにより推定値Fx01を求める。又センサ出力組みH2(tB、tC、tE、tF)と推定式(1)とから推定値Fx02を求める。又センサ出力組みH3(tC、tD、tF、tA)と推定式(1)とから推定値Fx03を求める。そしてこの推定値の平均値(Fx01+Fx02+Fx03)/3を、最終の推定値として評価する。なお図10(D)に、実施例3におけるタイヤ回転位相角度位置Qを示し、実施例3では、全ての歪センサ10A〜10Fが低感度領域J以外の領域に配されている。
なお推定精度の評価は以下のとうりである。
△−−推定値の精度がやや低い:
○−−推定値の精度が良い:
◎−−推定値の精度が優れている:
Figure 2009276288
本発明の前後力および上下力の推定方法に用いる空気入りタイヤを示す断面図である。 (A)、(B)は、歪センサの一実施例を示す平面図及び斜視図である。 (A)、(B)は、歪センサの他の実施例を示す平面図及び斜視図である。 (A)、(B)は、歪センサのさらに他の実施例を示す平面図及び斜視図である。 歪センサの配置を示すタイヤの側面図である。 歪センサの取り付け方向を示す線図である。 (A)〜(C)は、上下力が作用する時のタイヤ歪の発生状態を説明する線図である。 上下力が作用する時の、角度位置θと、その角度位置θにおけるセンサ出力との関係を示すグラフである。 タイヤ回転位相角度位置における低感度領域がを示す側面図である。 (A)〜(D)は、比較例1〜実施例3におけるタイヤ回転位相角度位置での歪センサの配置を示す線図である。 上下力のみを負荷させた時に生じるタイヤ歪を、任意の測定位置毎に測定した測定データのグラフである。
符号の説明
1 タイヤ
3 サイドウォール部
10 歪センサ
J 低感度領域
J1、J2、J3、J4、J5 角度領域

Claims (4)

  1. タイヤのサイドウォール部におけるタイヤ歪を測定する歪センサのセンサ出力により、タイヤに作用する前後力および上下力を推定する推定方法であって、
    サイドウォール部に周方向に互いに間隔を隔てて取り付きかつ該サイドウォール部におけるタイヤ歪を測定する4個以上のN個の歪センサと、前記測定時のタイヤの回転位相角度を検出するタイヤ角度センサとを用いるとともに、
    所定のタイヤ回転位相角度位置Qにおいて、前記N個の歪センサによってタイヤ歪を同時に測定することによりN個のセンサ出力tをうるタイヤ歪測定ステップと、
    前記N個のセンサ出力tのうちの4個のセンサ出力t1〜t4を用い、下記の推定式(1)から前後力Fxの推定値および上下力Fzの推定値を演算して求める演算ステップとを含むことを特徴とするタイヤに作用する前後力および上下力の推定方法。
    ┌Fx┐ ┌a1 b1 c1 d1 ┐−1 ┌t1−e1┐
    │Fx │ │a2 b2 c2 d2 │ │t2−e2 │
    │Fz│= │a3 b3 c3 d3 │ │t3−e3 │
    └Fz ┘ └a4 b4 c4 d4 ┘ └t4−e4 ┘ −−(1)

    ここで a1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4、e1〜e4は、係数であり、
    t1=a1・Fx+b1・Fx+c1・Fz+d1・Fz+e1 −−(2)
    t2=a2・Fx+b2・Fx+c2・Fz+d2・Fz+e2 −−(3)
    t3=a3・Fx+b3・Fx+c3・Fz+d3・Fz+e3 −−(4)
    t4=a4・Fx+b4・Fx+c4・Fz+d4・Fz+e4 −−(5)
    として、前記タイヤ回転位相角度位置Qにおいて、予め前後力Fx、上下力Fzを変化させて歪センサ毎に実測したセンサ出力tと、そのときの前後力Fx、上下力Fzとの複数の事前データを数値解析することにより求めた、前記タイヤ回転位相角度位置Qにおける各歪センサに固有の係数である。
  2. 前記演算ステップは、前記N個のセンサ出力tから、組み合せを違えた4個のセンサ出力tからなる複数組のセンサ出力組みを形成し、かつ各センサ出力組み毎に、そのセンサ出力組みに属する4個のセンサ出力tを用いて、前記推定式(1)から前後力Fxの推定値および上下力Fzの推定値を演算して求める段階と、
    前記センサ出力組み毎に求めた前記前後力Fxの推定値、および上下力Fzの推定値をそれぞれ平均化する段階とを含むとともに、
    前記平均化によって得られる前後力Fxの推定値の平均値、および上下力Fzの推定値の平均値を用いて前後力Fxおよび上下力Fzを推定することを特徴とする請求項1記載のタイヤに作用する前後力および上下力の推定方法。
  3. 前記タイヤ回転位相角度位置Qにおいて、サイドウォール部は、歪センサによるタイヤ歪の測定感度が低下する低感度領域を含むとともに、
    前記演算ステップは、前記低感度領域に位置する歪センサによって測定された低感度のセンサ出力tを除外して前記センサ出力組みを形成することを特徴とする請求項2記載のタイヤに作用する前後力および上下力の推定方法。
  4. 前記低感度領域は、タイヤの接地中心を0°としかつタイヤの反回転方向を正としたタイヤ軸心廻りの座標系における、0〜15°、165〜195°、及び345〜360°の角度領域を含むことを特徴とする請求項3記載のタイヤに作用する前後力および上下力の推定方法。
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