JP2009208621A - キャンバー角推定方法、及びキャンバー角監視システム - Google Patents
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Abstract
【課題】歪センサによる歪出力により走行中のタイヤのキャンバー角をセンシングして監視する。
【解決手段】サイドウォール部3に取り付く歪センサ10と、タイヤの回転位相角度θを検出するタイヤ角度センサとを用いる。予め、基準キャンバー角αa0を含む異なる複数の事前キャンバー角αaにてタイヤを車両に装着した時の各前記事前キャンバー角αa毎のタイヤ歪を測定し、前記基準キャンバー角αa0におけるタイヤ歪の歪出力のデータである基準歪出力データDa0と、キャンバー角1°当たりの歪出力の変動量ΔVとを事前に求めて記憶させる。推定対象となる走行中のタイヤのタイヤ歪を測定し、その歪出力のデータである測定歪出力データDiをうる歪測定ステップ、及び予め記憶させた前記データに基づき、前記測定歪出力データDiからキャンバー角を推定する推定ステップを含む。
【選択図】図6
【解決手段】サイドウォール部3に取り付く歪センサ10と、タイヤの回転位相角度θを検出するタイヤ角度センサとを用いる。予め、基準キャンバー角αa0を含む異なる複数の事前キャンバー角αaにてタイヤを車両に装着した時の各前記事前キャンバー角αa毎のタイヤ歪を測定し、前記基準キャンバー角αa0におけるタイヤ歪の歪出力のデータである基準歪出力データDa0と、キャンバー角1°当たりの歪出力の変動量ΔVとを事前に求めて記憶させる。推定対象となる走行中のタイヤのタイヤ歪を測定し、その歪出力のデータである測定歪出力データDiをうる歪測定ステップ、及び予め記憶させた前記データに基づき、前記測定歪出力データDiからキャンバー角を推定する推定ステップを含む。
【選択図】図6
Description
本発明は、タイヤのサイドウォール部におけるタイヤ歪を測定する歪センサの歪出力により、車両に装着された走行中のタイヤのキャンバー角を推定するキャンバー角推定方法、及びそれを用いたキャンバー角監視システムに関する。
車両aにタイヤTを装着する際、図13に略示するように、タイヤTの巾中心線(タイヤ赤道)iを鉛直線bに対して傾斜させて装着する場合があり、この角度αをキャンバー角と呼んでいる。タイヤTが上開きで傾斜する向きをポジティブキャンバー(+表示)、下開きで傾斜する向きをネガティブキャンバー(−表示)と呼び、通常、路面からの衝撃を緩和し操舵を容易とするために、操舵輪には、+1°±40’程度のポジティブキャンバーが付けられている。
しかし前記キャンバー角が大きくなると、タイヤに発生するキャンバースラストが増し、車両の操縦安定性を低下させる。又タイヤの接地面形状及び接地圧が不均一化して偏摩耗を招き、タイヤの摩耗寿命を短命化させるという問題も生じる。従って、前記キャンバー角を、車種などによって定まる適正範囲に管理することが重要である。
しかしながら従来、車両には、タイヤのキャンバー角をセンシングして監視する機能は具備しておらず、車両点検時等において整備工場等でチェック、調整するに過ぎなかった。そのため、キャンバー角にズレが生じた場合にも、その発見が遅れるなど、操縦安定性や摩耗寿命の低下を抑制することができなかった。
そこで本発明は、サイドウォール部に取り付けた歪センサによってタイヤ歪を測定することを基本として、この歪センサの歪出力によりタイヤのキャンバー角を推定することができ、走行中のタイヤのキャンバー角をセンシングして監視しうるキャンバー角推定方法、及びキャンバー角監視システムを提供することを目的としている。
なお特許文献1には、サイドウォール部に取り付けた歪センサによる歪出力により、タイヤに作用する力(例えば前後力、横力、上下荷重)をセンシングする技術が開示されている。
前記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、タイヤのサイドウォール部におけるタイヤ歪を測定する歪センサの歪出力により、車両に装着された走行中のタイヤのキャンバー角を推定するキャンバー角推定方法であって、
サイドウォール部に取り付き該サイドウォール部におけるタイヤ歪を測定する少なくとも1つの歪センサと、前記測定時のタイヤの回転位相角度を検出するタイヤ角度センサとを用い、
かつ予め、基準キャンバー角を含む異なる複数の事前キャンバー角にてタイヤを車両に装着した時の各前記事前キャンバー角毎のタイヤ歪を測定し、少なくとも前記基準キャンバー角におけるタイヤ歪の歪出力のデータである基準歪出力データと、キャンバー角1°当たりの歪出力の変動量ΔVとを事前に求めて記憶させるとともに、
推定対象となる走行中のタイヤのタイヤ歪を測定し、その歪出力のデータである測定歪出力データをうる歪測定ステップ、
及び、予め記憶させた前記基準歪出力データと、前記キャンバー角1°当たりの歪出力の変動量ΔVとに基づき、推定対象となる走行中のタイヤのキャンバー角を前記測定歪出力データを用いて推定する推定ステップを含むことを特徴としている。
サイドウォール部に取り付き該サイドウォール部におけるタイヤ歪を測定する少なくとも1つの歪センサと、前記測定時のタイヤの回転位相角度を検出するタイヤ角度センサとを用い、
かつ予め、基準キャンバー角を含む異なる複数の事前キャンバー角にてタイヤを車両に装着した時の各前記事前キャンバー角毎のタイヤ歪を測定し、少なくとも前記基準キャンバー角におけるタイヤ歪の歪出力のデータである基準歪出力データと、キャンバー角1°当たりの歪出力の変動量ΔVとを事前に求めて記憶させるとともに、
推定対象となる走行中のタイヤのタイヤ歪を測定し、その歪出力のデータである測定歪出力データをうる歪測定ステップ、
及び、予め記憶させた前記基準歪出力データと、前記キャンバー角1°当たりの歪出力の変動量ΔVとに基づき、推定対象となる走行中のタイヤのキャンバー角を前記測定歪出力データを用いて推定する推定ステップを含むことを特徴としている。
又請求項2の発明では、前記歪測定ステップと推定ステップとの間に、前記測定歪出力データに含まれる上下荷重による歪出力成分と、前記基準歪出力データに含まれる上下荷重による歪出力成分との差を補正する上下荷重補正処理を含み、少なくとも前記上下荷重による歪出力成分差をなくした測定歪出力データの補正データを得る補正ステップを具えることを特徴としている。
又請求項3の発明では、前記補正ステップは、前記測定歪出力データから、この測定歪出力データに含まれる前後力による歪出力成分と、横力による歪出力成分とを除去する前後力・横力補正処理を含むことを特徴としている。
又請求項4の発明では、前記歪測定ステップは、平坦路面を一定速度にて直進走行する定常状態のタイヤのタイヤ歪を測定するとともに、前記補正ステップは、前記測定歪出力データから、この測定歪出力データに含まれる前後力による歪出力成分と、横力による歪出力成分とを除去する前後力・横力補正処理を含まないことを特徴としている。
又請求項5の発明は、キャンバー角監視システムであって、請求項1〜4に記載のキャンバー角推定方法により推定されたキャンバー角を、予め設定したキャンバー角適正範囲と比較する比較ステップを含み、前記推定されたキャンバー角が前記キャンバー角適正範囲から外れたとき車両整備を警告することを特徴としている。
又請求項6の発明では、一方のサイドウォール部に、複数個の歪センサを設け、各歪センサ毎にキャンバー角を推定して求めるとともに、前記比較ステップは、各キャンバー角の推定値の平均値を、前記適正範囲と比較することを特徴としている。
又請求項7の発明では、一方、他方のサイドウォール部に、それぞれ歪センサを設け、各歪センサ毎にキャンバー角を推定して求めるとともに、前記比較ステップは、各キャンバー角の推定値の平均値を、前記適正範囲と比較することを特徴としている。
本発明は叙上の如く、サイドウォール部に取り付く歪センサを用いてタイヤ歪を測定している。このタイヤ歪は、走行時に作用する外力、例えば前後力、横力、上下荷重などによって主に発生するが、本発明者の研究の結果、例えば凹凸のない平坦路面を一定速度にて直進走行した場合、即ち上下荷重が一定、かつ制動・駆動に係わる前後力および旋回に係わる横力がそれぞれ作用しない定常状態にて走行した場合、タイヤ歪は、キャンバー角によって変化することを究明した。
図7には、キャンバー角+1°で装着されたタイヤを、前記定常状態にて走行させたときのタイヤ歪の測定データ(歪出力のデータ)、及びキャンバー角+2°で装着されたタイヤにおける定常状態でのタイヤ歪の測定データ(歪出力のデータ)がそれぞれ示されている。なお横軸をタイヤの回転位相角度θ、縦軸を歪出力Vとしている。同図の如く、キャンバー角が相違することにより、歪出力Vも相違することが確認できる。そしてさらなる研究の結果、キャンバー角により、歪出力Vの波形形状自体も変化するが、同じ回転位相角度位置においては(即ち、縦軸と平行な縦線上においては)、キャンバー角αの変化量Δαと歪出力Vの変化量ΔVとの比(ΔV/Δα)は、略一定の関係にあることも判明した。
従って、予め基準キャンバー角を設定し、この基準キャンバー角におけるタイヤ歪の歪出力のデータ(基準歪出力データ)と、前記変化量の比(ΔV/Δα)とを事前に求めて記憶させておくことで、推定対象となる走行中のタイヤのキャンバー角は、この走行中のタイヤから測定される歪出力のデータと、予め記憶させた前記基準歪出力データと、前記変化量の比(ΔV/Δα)とに基づいて推定することが可能となる。
即ち、走行中のタイヤのキャンバー角をセンシングして監視することが可能となる。その結果、キャンバー角がズレて適正範囲から外れた時、そのことを迅速に検知して車両整備を警告することができ、キャンバー角のズレに起因する操縦安定性の低下や摩耗寿命の低下を抑制することができる。
以下、本発明の実施の一形態を、図示例とともに説明する。図1は本発明のキャンバー角推定方法に用いる空気入りタイヤを示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態の空気入りタイヤ1は、本例では、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、トレッド部2の内方かつ前記カーカス6の半径方向外側に配されるベルト層7とを具える。
前記カーカス6は、カーカスコードをタイヤ周方向に対して例えば70〜90°の角度で配列した1枚以上、本例では1枚のカーカスプライ6Aから形成される。このカーカスプライ6Aは、前記ビードコア5、5間に跨るプライ本体部6aの両側に、前記ビードコア5の廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返されるプライ折返し部6bを一連に具える。又前記プライ本体部6aとプライ折返し部6bとの間には、前記ビードコア5からタイヤ半径方向外方にのびる断面三角形状のビード補強用のビードエーペックスゴム8を配設している。
前記ベルト層7は、ベルトコードをタイヤ周方向に対して例えば10〜35゜の角度で配列した2枚以上、本例では2枚のベルトプライ7A、7Bから形成され、各ベルトコードがプライ間相互で交差することにより、ベルト剛性を高め、トレッド部2の略全巾をタガ効果を有して強固に補強している。なお該ベルト層7の半径方向外側には、本例では、高速走行性能および高速耐久性等を高める目的で、バンドコードを周方向に対して5度以下の角度で配列させたバンド層9を設けている。
そして前記サイドウォール部3の領域Yには、該サイドウォール部3におけるタイヤ歪を測定する少なくとも1つ、本例では1つの歪センサ10を取り付けている。又車軸には、タイヤ1の回転位相角度θを検出する例えばレゾルバ、エンコーダ等のタイヤ角度センサ(図示しない)を設けている。
前記サイドウォール部3の領域Yは、タイヤ断面高さHの中間高さ位置Mを中心として、該タイヤ断面高さHの25%の距離Lを半径方向内外に隔てる領域範囲であって、好ましくは前記距離Lをタイヤ断面高さHの20%、さらには15%とし、中間高さ位置Mにより近い領域範囲に前記歪センサ10を設けることが望ましい。なお前記タイヤ断面高さHは、ビードベースラインBLからタイヤ赤道上のトレッド面までの半径方向高さを意味する。
次に、前記歪センサ10は、図2〜4に示すように、磁石11と、この磁石11に間隔を有して向き合う磁気センサ素子12とを弾性材13を介して一体化したブロック状のモールド体20として形成される。
なお前記磁気センサ素子12としては、ホール素子、及びMR素子(磁気抵抗効果素子)、TMF−MI素子、TMF−FG素子、アモルファスセンサ等が採用でき、特にコンパクトさ、感度、取り扱い易さ等の観点からホール素子が好適に採用できる。又前記歪センサ10ではサイドウォール部3の動きに追従して柔軟に弾性変形しうることが重要であり、そのために、前記弾性材13として各種のゴム弾性材料が採用される。特に、熱可塑性エラストマ(TPE)は、注型成形や射出成形等のプラスチック成形が可能であり、前記歪センサ10を製造するという観点から好適に採用できる。
なお歪センサ10としては、図2(A)、(B)の如く、1つの磁石11と1つの磁気センサ素子12とで形成した1−1タイプ、又図3(A)、(B)の如く、1つの磁石11と複数(n個、例えば2個)の磁気センサ素子12とで形成した1−nタイプ、又図4(A)、(B)の如く、複数(n個、例えば2個)の磁石11と1つの磁気センサ素子12とで形成したn−1タイプのものが使用できる。なお図中の符号12sは磁気センサ素子12の受感部面12s、符号11sは磁石11の磁極面を示し、又符号Nは、歪センサ10のゲインが最大となるゲイン最大線を示している。なお歪センサ10としては他に、抵抗線歪みゲージや、ピエゾ素子を用いたものなども採用可能である。
又前記歪センサ10は、図5に1−1タイプのものを代表して示すように、前記ゲイン最大線Nを、タイヤ半径方向線に対して、0〜80°の角度βで取り付けられる。好ましくは、タイヤ歪の測定精度を高めるために、前記角度βを0〜80°の範囲、さらには20〜70°、さらには30〜60°の範囲とするのが好ましい。
又歪センサ10には、測定されたタイヤ歪の歪出力を、車両に設けるキャンバー角監視システムの電子制御装置(ECU)に発信する発信手段を内蔵することが好ましい。この発信手段は、送受信回路、制御回路、メモリー等をチップ化した半導体と、アンテナとから構成され、前記電子制御装置(ECU)からの質問電波を受信したとき、これを電気エネルギーとして使用し、メモリー内の歪出力のデータを応答電波として発信しうる。
次に、本発明のキャンバー角推定方法を、前記空気入りタイヤ1を用いて説明する。
前記キャンバー角推定方法は、図6にそのフローチャートを示すように、歪測定ステップと、補正ステップと、キャンバー角の推定ステップとを含んで構成されるとともに、例えば前記電子制御装置(ECU)には、予め、事前テストによって求めた事前歪データを記憶させている。
前記事前歪データは、キャンバー角αと歪出力Vとの関係を示す基本データであって、キャンバー角違いの複数の歪出力Vのデータから得ることができる。具体的には、基準キャンバー角αa0を含む複数の異なる事前キャンバー角αaを予め設定し、その設定された事前キャンバー角αaにて、前記タイヤ1を車両に順次装着させる。そして、その車両を走行させ、前記事前キャンバー角αa毎にタイヤ歪を測定することにより、キャンバー角違いの歪出力のデータを得ることができる。
前記事前キャンバー角αaとして、特に規制されないが、一般乗用車の場合、例えば−1°〜+3°の角度範囲から設定するのが好ましく、そのうちの基準キャンバー角αa0としては、例えば0°〜+2°の角度範囲から設定するのが好ましい。
本例では、+1°と+2°との2つの事前キャンバー角αaa、αabを設定した場合を例示しており、このうちの事前キャンバー角αaa(+1°)を、基準キャンバー角αa0としている。そして、前記事前キャンバー角αaa、αabにてタイヤ1を順次車両に装着し、その車両をそれぞれ走行させたときのタイヤ歪(タイヤの回転位相角度θの情報を含む)を、前記歪センサ10及びタイヤ角度センサによって測定する。これにより、例えば図7に示すように、事前キャンバー角αaaにおけるタイヤ歪の歪出力のデータである事前出力データDaaと、事前キャンバー角αabにおけるタイヤ歪の歪出力のデータである事前出力データDabとをそれぞれ得ることができる。同図では、横軸をタイヤの回転位相角度θ、縦軸を歪出力Vとしている。
ここで、前記事前テストは、上下荷重Fzが一定、かつ制動・駆動に係わる前後力Fxおよび旋回に係わる横力Fyがそれぞれ作用しない状態において実施される必要があり、本例では、凹凸のない平坦路面を一定速度にて直進走行する定常状態にて前記事前出力データDaa、Dabを測定している。即ち、Fx=一定、Fy=0、Fz=0である。
このような事前出力データDaa、Dabでは、前後力Fxおよび横力Fyによる歪出力成分がそれぞれ0(零)であるため、事前出力データDaa、Dabにおける歪出力Vは、それぞれ、前記上下荷重Fzによる歪出力成分Vzと、事前キャンバー角αaによる歪出力成分Vαとの和Vz+Vαとして表される。又事前出力データDaa、Dabでは、前記上下荷重Fzによる歪出力成分Vzが互いに同一であるため、前記データDaa、Dab間における歪出力の差ΔVは、前記キャンバー角αaa、αabの差Δαの影響のみによって発生していると考えられる。
このとき、前記キャンバー角の差Δαの影響の度合いは、回転位相角度位置Qによって相違し、従って、事前出力データDaa、Dabは、前記図7の如く、同じ波形が単に上下に平行移動されたものではなく、波形形状自体が互いに相違したものとなる。しかし、本発明者の研究の結果、同じ回転位相角度位置Qにおいては、キャンバー角の差Δαであるキャンバー角変化量Δαと、歪出力Vの差ΔVである歪出力変化量ΔVとの比(ΔV/Δα)は、略一定の関係にあることが判明した。言い換えると、回転位相角度θが異なる例えば2位置Q1、Q2では、前記比(ΔV/Δα)の値は相違するが、同じ回転位相角度位置Q1においては、例えばキャンバー角αが0°から+1°に変化した場合の変化量の比(ΔV/Δα)と、0°から+2°に変化した場合の変化量の比(ΔV/Δα)とは、略同一となりうる。
従って、前記事前歪データとして、少なくとも
(1) 前記基準キャンバー角αa0における事前出力データDaである基準歪出力データDa0と、
(2) 回転位相角度位置Qに応じた変化量の比(ΔV/Δα)、即ち回転位相角度位置Qに応じたキャンバー角1°当たりの歪出力の変動量ΔVと、
の情報を含ませることにより、これらの情報と、実走行中のタイヤから測定される歪出力の情報とを用いて、実走行中のタイヤのキャンバー角αiを推定することが可能となる。
(1) 前記基準キャンバー角αa0における事前出力データDaである基準歪出力データDa0と、
(2) 回転位相角度位置Qに応じた変化量の比(ΔV/Δα)、即ち回転位相角度位置Qに応じたキャンバー角1°当たりの歪出力の変動量ΔVと、
の情報を含ませることにより、これらの情報と、実走行中のタイヤから測定される歪出力の情報とを用いて、実走行中のタイヤのキャンバー角αiを推定することが可能となる。
次に、前記歪測定ステップでは、推定対象となる走行中のタイヤ1のタイヤ歪(タイヤの回転位相角度θの情報を含む)を、前記歪センサ10及びタイヤ角度センサを用いて測定し、その歪出力Vのデータである測定歪出力データDiをうる。
しかし図8に概念的に示すように、前記測定歪出力データDiには、一般的に、キャンバー角αによる歪出力成分以外に、走行中に作用する上下荷重Fz、前後力Fx、横力Fyによる歪出力成分Vzi、Vxi、Vyiが含まれる。そのため、前記基準歪出力データDa0と、測定歪出力データDiとをそのまま対比させても、キャンバー角αiを推定することはできない。
そこで、前記測定歪出力データDiに含まれる上下荷重Fzによる歪出力成分Vziと、前記基準歪出力データDa0に含まれる上下荷重Fzによる歪出力成分Vzaとの差(Vzi−Vza)を補正する上下荷重補正処理を含み、前記測定歪出力データDiから、少なくとも前記上下荷重Fzによる歪出力成分差(Vzi−Vza)をなくした補正データDi0を得る補正ステップを設けている。
この補正データDi0では、前記歪出力成分差(Vzi−Vza)が0(零)である以外に、前後力Fxによる歪出力成分Vx0、および横力Fyによる歪出力成分Vy0を含まないことも必要である。そのために、
(ア) 前記歪測定ステップにおいて、前記定常状態とは異なる非定常状態にてタイヤ歪を測定し、前後力Fxおよび横力Fyによる歪出力成分Vxi、Vyiを含んだ測定歪出力データDiを得るとともに、補正ステップとして、前記測定歪出力データDiから、この測定歪出力データDiに含まれる前記歪出力成分Vxi、Vyiを除去する前後力・横力補正処理と、前記上下荷重補正処理とを行う:或いは、
(イ) 前記歪測定ステップにおいて、前記定常状態にてタイヤ歪を測定し、前後力Fxおよび横力Fy
による歪出力成分Vxi、Vyiを含まない測定歪出力データDiを予め得るとともに、補正ステップとして上下荷重補正処理のみを行う;
ことで、前記補正データDi0を得ることができる。
(ア) 前記歪測定ステップにおいて、前記定常状態とは異なる非定常状態にてタイヤ歪を測定し、前後力Fxおよび横力Fyによる歪出力成分Vxi、Vyiを含んだ測定歪出力データDiを得るとともに、補正ステップとして、前記測定歪出力データDiから、この測定歪出力データDiに含まれる前記歪出力成分Vxi、Vyiを除去する前後力・横力補正処理と、前記上下荷重補正処理とを行う:或いは、
(イ) 前記歪測定ステップにおいて、前記定常状態にてタイヤ歪を測定し、前後力Fxおよび横力Fy
による歪出力成分Vxi、Vyiを含まない測定歪出力データDiを予め得るとともに、補正ステップとして上下荷重補正処理のみを行う;
ことで、前記補正データDi0を得ることができる。
<(ア)の場合>
図10に示すように、
・事前テスト時に作用した上下荷重Fz0(基準上下荷重Fz0と呼ぶ場合がある)、及び歪測定ステップ時に作用した上下荷重Fziと、前後力Fxiと、横力Fyiとをそれぞれ算出する段階A:
・前記上下荷重Fzi、Fz0の差(Fzi−Fz0)を求める段階B:
・前記差(Fzi−Fz0)によって生じる上下荷重の歪出力成分Vzj(上下荷重補正成分Vzjという場合がある)を算出する段階C:
・前記前後力Fxiによって生じる前後力の歪出力成分Vxi(前後力補正成分Vxi)と、横力Fyiによって生じる横力の歪出力成分Vyi(横力補正成分Vyi)とを算出する段階D:及び
・下記式(1A)のように、測定歪出力データDiから、前記上下荷重補正成分Vzj、前後力補正成分Vxi、横力補正成分Vyiを減じることにより補正データDi0を得る段階E:を含む。
Di0=Di−(Vzj+Vxi+Vyi) −−−(1A)
図10に示すように、
・事前テスト時に作用した上下荷重Fz0(基準上下荷重Fz0と呼ぶ場合がある)、及び歪測定ステップ時に作用した上下荷重Fziと、前後力Fxiと、横力Fyiとをそれぞれ算出する段階A:
・前記上下荷重Fzi、Fz0の差(Fzi−Fz0)を求める段階B:
・前記差(Fzi−Fz0)によって生じる上下荷重の歪出力成分Vzj(上下荷重補正成分Vzjという場合がある)を算出する段階C:
・前記前後力Fxiによって生じる前後力の歪出力成分Vxi(前後力補正成分Vxi)と、横力Fyiによって生じる横力の歪出力成分Vyi(横力補正成分Vyi)とを算出する段階D:及び
・下記式(1A)のように、測定歪出力データDiから、前記上下荷重補正成分Vzj、前後力補正成分Vxi、横力補正成分Vyiを減じることにより補正データDi0を得る段階E:を含む。
Di0=Di−(Vzj+Vxi+Vyi) −−−(1A)
ここで、前記段階Aにおいて、上下荷重Fziと、前後力Fxiと、横力Fyiとは、特開2005−126008号公報に記載の検出方法により算出することができる。即ち、サイドウォール部に、キャンバー角推定用の前記歪センサ10を含む少なくとも3個の歪センサ10を周方向に間隔を有して配置する。そして、歪測定ステップ時、前記3個の歪センサ10から、タイヤ歪を同時に測定し、その時、それぞれの歪センサ10が検出した歪出力をt1,t2,t3とするとき、以下の式(2)により前後力Fx,横力Fy,上下荷重Fzを求めることができる。
┌Fx┐ ┌A1 B1 C1┐-1 ┌t1┐
│Fy│= │A2 B2 C2│ │t2│ --- (2)
└Fz┘ └A3 B3 C3┘ └t3┘
┌Fx┐ ┌A1 B1 C1┐-1 ┌t1┐
│Fy│= │A2 B2 C2│ │t2│ --- (2)
└Fz┘ └A3 B3 C3┘ └t3┘
ここで、A1〜A3、B1〜B3、C1〜C3は、
t1=A1・Fx+B1・Fy+C1・Fz
t2=A2・Fx+B2・Fy+C2・Fz
t3=A3・Fx+B3・Fy+C3・Fz
とし、事前の荷重付加試験において、Fx、Fy、Fzを変化させて実測した歪出力t1,t2,t3と、そのときのFx、Fy、Fzとの複数のデータを数値解析することにより求めた係数である。即ち、事前の荷重付加試験において、例えば、タイヤに前後力Fx、横力Fy、上下荷重Fzを個別にかつ静的に負荷し、そのとき検出される各前記歪センサ10の歪出力t1、t2、t3を記録する。これを、前後力Fx、横力Fy、上下荷重Fzをそれぞれ変化させて繰り返し、得られた複数のデータを、例えばコンピューターを用いて数値変換することにより求めることができる。又事前テスト時に作用した上下荷重Fz0(基準上下荷重Fz0)も、同様に、前記事前テスト時の歪出力から、前記検出方法を用いて算出することができる。なお事前テスト時においては、作用する前後力Fx、横力Fyはゼロであるので、上下荷重Fz0(基準上下荷重Fz0)は、1個の歪センサ10によって求めることができる。
t1=A1・Fx+B1・Fy+C1・Fz
t2=A2・Fx+B2・Fy+C2・Fz
t3=A3・Fx+B3・Fy+C3・Fz
とし、事前の荷重付加試験において、Fx、Fy、Fzを変化させて実測した歪出力t1,t2,t3と、そのときのFx、Fy、Fzとの複数のデータを数値解析することにより求めた係数である。即ち、事前の荷重付加試験において、例えば、タイヤに前後力Fx、横力Fy、上下荷重Fzを個別にかつ静的に負荷し、そのとき検出される各前記歪センサ10の歪出力t1、t2、t3を記録する。これを、前後力Fx、横力Fy、上下荷重Fzをそれぞれ変化させて繰り返し、得られた複数のデータを、例えばコンピューターを用いて数値変換することにより求めることができる。又事前テスト時に作用した上下荷重Fz0(基準上下荷重Fz0)も、同様に、前記事前テスト時の歪出力から、前記検出方法を用いて算出することができる。なお事前テスト時においては、作用する前後力Fx、横力Fyはゼロであるので、上下荷重Fz0(基準上下荷重Fz0)は、1個の歪センサ10によって求めることができる。
次に、前記段階Cでは、キャンバー角推定用の前記歪センサ10が有する上下荷重とその歪出力との関係Fz=f(Vz)を用いて、前記上下荷重差(Fzi−Fz0)を、歪出力成分Vzj(上下荷重補正成分Vzj)に換算する。又前記段階Dでは、同様に、キャンバー角推定用の前記歪センサ10が有する前後力とその歪出力との関係Fx=f(Vx)、及び横力とその歪出力との関係Fy=f(Vy)を用い、前記前後力Fxiを歪出力成分Vxi(前後力補正成分Vxi)、及び横力Fyiを歪出力成分Vyi(横力補正成分Vyi)に換算する。
又前記段階Eでは、上下荷重による歪出力成分差(Vzi−Vza)、前後力による歪出力成分Vx0、および横力Fyによる歪出力成分Vy0がそれぞれゼロである補正データDi0を、前記式(1A)により得ることができる。
Di0=Di−(Vzj+Vxi+Vyi) −−−(1A)
Di0=Di−(Vzj+Vxi+Vyi) −−−(1A)
<(イ)の場合>
前記定常状態では、前述の如く上下荷重Fzが一定、かつ前後力Fxおよび横力Fyが作用しない状態であるため、前後力Fxiの算出、横力Fyiの算出、前後力Fxiによって生じる前後力の歪出力成分Vxi(前後力補正成分Vxi)の算出、横力Fyiによって生じる横力の歪出力成分Vyi(横力補正成分Vyi)の算出を削除できる。従って、図11に示すように、
・事前テスト時に作用した上下荷重Fz0(基準上下荷重Fz0と呼ぶ場合がある)、及び歪測定ステップ時に作用した上下荷重Fziとを算出する段階A’:
・前記上下荷重Fzi、Fz0の差(Fzi−Fz0)を求める段階B’:
・前記差(Fzi−Fz0)によって生じる上下荷重の歪出力成分Vzj(上下荷重補正成分Vzjという場合がある)を算出する段階C’:及び
・下記式(1B)のように、測定歪出力データDiから、前記上下荷重補正成分Vzjを減じることにより補正データDi0を得る段階E’:を含む。
Di0=Di−Vzj −−−(1B)
前記定常状態では、前述の如く上下荷重Fzが一定、かつ前後力Fxおよび横力Fyが作用しない状態であるため、前後力Fxiの算出、横力Fyiの算出、前後力Fxiによって生じる前後力の歪出力成分Vxi(前後力補正成分Vxi)の算出、横力Fyiによって生じる横力の歪出力成分Vyi(横力補正成分Vyi)の算出を削除できる。従って、図11に示すように、
・事前テスト時に作用した上下荷重Fz0(基準上下荷重Fz0と呼ぶ場合がある)、及び歪測定ステップ時に作用した上下荷重Fziとを算出する段階A’:
・前記上下荷重Fzi、Fz0の差(Fzi−Fz0)を求める段階B’:
・前記差(Fzi−Fz0)によって生じる上下荷重の歪出力成分Vzj(上下荷重補正成分Vzjという場合がある)を算出する段階C’:及び
・下記式(1B)のように、測定歪出力データDiから、前記上下荷重補正成分Vzjを減じることにより補正データDi0を得る段階E’:を含む。
Di0=Di−Vzj −−−(1B)
なお(イ)の場合、事前テスト時、及び歪測定ステップ時においては、作用する前後力Fx、横力Fyはゼロであるので、前記段階A’における上下荷重Fz0、Fziの算出は、1個の歪センサ10によって求めることができる。
次に、前記推定ステップでは、予め記憶させた前記基準歪出力データDa0と、キャンバー角1°当たりの歪出力の変動量ΔV(即ち変化量の比(ΔV/Δα))とに基づき、推定対象となる走行中のタイヤ1のキャンバー角αiを、前記補正データDi0から推定する。
詳しくは、前記図8に略示するように、前記補正データDi0と、基準歪出力データDa0とを、同じ回転位相角度位置Q同士で比較する。前述した如く、任意の同じ回転位相角度位置Q1においては、図9に示すように、キャンバー角αと歪出力Vとは、比(ΔV/Δα)をほぼ一定とする関係がある。従って、任意の回転位相角度位置Q1において、補正データDi0の歪出力値Vi0が得られたとき、前記関係から、キャンバー角αiを一義的に求めることができる。
ここで、補正データDi0と、基準歪出力データDa0とは、互いに共通の回転位相角度位置Qにおけるデータを有していれば良い。従って、基準歪出力データDa0として、例えば特定の一つの回転位相角度位置Q(例えばθ=0°の位置)における歪出力データVa0のみを記憶させ、この一つの回転位相角度位置Qに合わせて、推定対象となるタイヤ1のタイヤ歪を測定しても良い。
しかしながら、測定精度や測定効率等の観点から、基準歪出力データDa0としては、図8の如く、0°から360°に至るタイヤ一周の回転位相角度位置における歪出力データVa0を、予め記憶させることが好ましい。又測定歪出力データDiとしても、複数の回転位相角度位置においてタイヤ歪を測定し、各位相位置において推定されたキャンバー角αiの平均値を代表のキャンバー角αiとするのが好ましい。
次に、前記キャンバー角推定方法を用いることで、走行中のタイヤ1のキャンバー角αiをセンシングして監視するキャンバー角監視システムを構成することができ、これによって、キャンバー角αiがズレて適正範囲から外れた時、そのことを検知して車両整備を警告し、操縦安定性の低下や摩耗寿命の低下を抑制しうる。
このキャンバー角監視システムでは、前記図6のフローチャートに示すように、前記キャンバー角推定方法により推定されたキャンバー角αiを、予め設定したキャンバー角適正範囲Yαと比較する比較ステップと、前記推定されたキャンバー角αiが前記キャンバー角適正範囲Yαから外れたときに車両整備を警告する警告ステップとを具える。なお前記キャンバー角適正範囲Yαは、車種に応じて適宜設定されるものであり、例えば最適キャンバー角αAの±1°の範囲に設定するのが好ましい。又この最適キャンバー角αAを、前記基準キャンバー角αa0と一致させるのも好ましい。
又前記キャンバー角監視システムでは、一方のサイドウォール部3に、図12に示すように、複数個(本例では4つ)の歪センサ10を設け、各歪センサ10毎にキャンバー角αiを推定して求めるのが好ましい。そして、その推定値の平均値を求め、前記比較ステップにおいて、前記平均値を、キャンバー角適正範囲Yαと比較することで、判定精度を向上しうるとともに、判定の信頼性を高めることができる。なお複数個の歪センサ10は、タイヤ軸芯を中心とした一つの円周線j上に等間隔を隔てて配することが好ましい。
又同様に、一方、他方のサイドウォール部3の双方に、それぞれ歪センサ10を設け、各歪センサ10毎にキャンバー角αiを推定して求めるとともに、その推定値の平均値を、前記比較ステップにおいてキャンバー角適正範囲Yαと比較することもできる。この場合にも、精度及び信頼性の向上を図りうる。このとき、サイドウォール部3の双方に、複数の歪センサ10を設けることもできる。
ここで、タイヤ1に取り付ける歪センサ10の総数が1個の場合、タイヤ歪の測定時間T1として、タイヤが例えば800回転する時間(時速100km/hで走行する場合約57.8秒)を設定し、この測定時間T1毎に、1回の比較ステップ(キャンバー角の比較判定)を行うことが、精度及び信頼性の観点から好ましい。言い換えると、前記測定時間T1中にキャンバー角αiを複数回推定し、その推定値を平均して代表のキャンバー角αiとするとともに、この代表のキャンバー角αiを、前記キャンバー角適正範囲Yαと比較するのである。これに対して、タイヤ1に取り付ける歪センサ10の総数がn個の場合には、タイヤ歪の測定時間T2を前記測定時間T1の1/n倍に減じた場合にも、前記と同じ判定精度、及び信頼性を確保することができる。
又前記キャンバー角監視システムでは、判定精度、及び信頼性をさらに高めるために、例えば1〜5分程度の監視時間を設定し、この監視時間中に、複数回の比較ステップ(キャンバー角の比較判定)を行い、そして、この複数回の比較ステップの全てにおいて、「キャンバー角適正範囲Yαから外れた」と判定されたとき、車両整備を警告することが好ましい。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
本発明の作用効果を確認するため、サイドウォール部に歪センサを取り付けた空気入りタイヤ(サイズ225/55R17)を試作した。歪センサには、磁石とホール素子とをゴム弾性材で一体化したものを使用し、かつゲイン最大線の角度βを45°としている。なお実施例2では、一方のサイドウォール部のみに4個の歪センサを取り付け、実施例3では両側のサイドウォール部にそれぞれ4個の歪センサを取り付けている。歪センサが複数個の場合には、同一円周線上に等間隔を隔てて配置した。
そして、本発明のキャンバー角推定方に基づき、前記歪センサにより測定したタイヤ歪の歪出力を用いて、走行中のタイヤのキャンバー角を推定し、その推定値を実際のキャンバー角と比較した。評価は以下のとうりである。
×−−推定が困難:
△−−推定値の精度がやや低い:
○−−推定値の精度が良い:
◎−−推定値の精度が優れている:
×−−推定が困難:
△−−推定値の精度がやや低い:
○−−推定値の精度が良い:
◎−−推定値の精度が優れている:
1 タイヤ
3 サイドウォール部
10 歪センサ
αa 事前キャンバー角
Da0 基準歪出力データ
Di 測定歪出力データ
Yα キャンバー角適正範囲
3 サイドウォール部
10 歪センサ
αa 事前キャンバー角
Da0 基準歪出力データ
Di 測定歪出力データ
Yα キャンバー角適正範囲
Claims (7)
- タイヤのサイドウォール部におけるタイヤ歪を測定する歪センサの歪出力により、車両に装着された走行中のタイヤのキャンバー角を推定するキャンバー角推定方法であって、
サイドウォール部に取り付き該サイドウォール部におけるタイヤ歪を測定する少なくとも1つの歪センサと、前記測定時のタイヤの回転位相角度を検出するタイヤ角度センサとを用い、
かつ予め、基準キャンバー角を含む異なる複数の事前キャンバー角にてタイヤを車両に装着した時の各前記事前キャンバー角毎のタイヤ歪を測定し、少なくとも前記基準キャンバー角におけるタイヤ歪の歪出力のデータである基準歪出力データと、キャンバー角1°当たりの歪出力の変動量ΔVとを事前に求めて記憶させるとともに、
推定対象となる走行中のタイヤのタイヤ歪を測定し、その歪出力のデータである測定歪出力データをうる歪測定ステップ、
及び、予め記憶させた前記基準歪出力データと、前記キャンバー角1°当たりの歪出力の変動量ΔVとに基づき、推定対象となる走行中のタイヤのキャンバー角を前記測定歪出力データを用いて推定する推定ステップを含むことを特徴とするキャンバー角推定方法。 - 前記歪測定ステップと推定ステップとの間に、前記測定歪出力データに含まれる上下荷重による歪出力成分と、前記基準歪出力データに含まれる上下荷重による歪出力成分との差を補正する上下荷重補正処理を含み、少なくとも前記上下荷重による歪出力成分差をなくした測定歪出力データの補正データを得る補正ステップを具えることを特徴とする請求項1記載のキャンバー角推定方法。
- 前記補正ステップは、前記測定歪出力データから、この測定歪出力データに含まれる前後力による歪出力成分と、横力による歪出力成分とを除去する前後力・横力補正処理を含むことを特徴とする請求項2記載の記載のキャンバー角推定方法。
- 前記歪測定ステップは、平坦路面を一定速度にて直進走行する定常状態のタイヤのタイヤ歪を測定するとともに、前記補正ステップは、前記測定歪出力データから、この測定歪出力データに含まれる前後力による歪出力成分と、横力による歪出力成分とを除去する前後力・横力補正処理を含まないことを特徴とする請求項2記載の記載のキャンバー角推定方法。
- 請求項1〜4に記載のキャンバー角推定方法により推定されたキャンバー角を、予め設定したキャンバー角適正範囲と比較する比較ステップを含み、前記推定されたキャンバー角が前記キャンバー角適正範囲から外れたとき車両整備を警告することを特徴とするキャンバー角監視システム。
- 一方のサイドウォール部に、複数個の歪センサを設け、各歪センサ毎にキャンバー角を推定して求めるとともに、前記比較ステップは、各キャンバー角の推定値の平均値を、前記適正範囲と比較することを特徴とする請求項5記載のキャンバー角監視システム。
- 一方、他方のサイドウォール部に、それぞれ歪センサを設け、各歪センサ毎にキャンバー角を推定して求めるとともに、前記比較ステップは、各キャンバー角の推定値の平均値を、前記適正範囲と比較することを特徴とする請求項5記載のキャンバー角監視システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008053667A JP2009208621A (ja) | 2008-03-04 | 2008-03-04 | キャンバー角推定方法、及びキャンバー角監視システム |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2008053667A JP2009208621A (ja) | 2008-03-04 | 2008-03-04 | キャンバー角推定方法、及びキャンバー角監視システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009208621A true JP2009208621A (ja) | 2009-09-17 |
Family
ID=41182195
Family Applications (1)
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JP2008053667A Pending JP2009208621A (ja) | 2008-03-04 | 2008-03-04 | キャンバー角推定方法、及びキャンバー角監視システム |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP2009208621A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011030635A1 (ja) | 2009-09-09 | 2011-03-17 | 日産自動車株式会社 | 希土類磁石成形体およびその製造方法 |
EP2740640A1 (en) * | 2012-12-07 | 2014-06-11 | The Goodyear Tire & Rubber Company | Tire slip angle estimation system and method |
-
2008
- 2008-03-04 JP JP2008053667A patent/JP2009208621A/ja active Pending
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WO2011030635A1 (ja) | 2009-09-09 | 2011-03-17 | 日産自動車株式会社 | 希土類磁石成形体およびその製造方法 |
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US8983716B2 (en) | 2012-12-07 | 2015-03-17 | The Goodyear Tire & Rubber Company | Tire slip angle estimation system and method |
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