JP2012149309A - 耐薬品性に優れたステンレスクラッド鋼 - Google Patents

耐薬品性に優れたステンレスクラッド鋼 Download PDF

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Abstract

【課題】耐薬品性に優れたステンレスクラッド鋼を提供する。
【解決手段】合わせ材であるステンレス鋼の孔食指数PIは18.0以上、不動態皮膜部におけるCr濃度(at%)/Fe濃度(at%)と母相のCr濃度(at%)/Fe濃度(at%)の比は1.2以上、表面の硫化物系介在物個数は2.5×105個/mm2以下である。JIS B 0601−2001に準拠して測定され、式(1)(2)で算出される粗さRzJISの平均粗さ指標は1.0μm以下、平均粗さの異方性指標は±0.1μm以下である。
平均粗さ指標R =(RL +2×RD + RC)/4 --- (1)
平均粗さの異方性指標ΔR =(RL−2×RD+RC)/2 --- (2)
なお、R:平均粗さ指標、RL:圧延方向(L)の粗さRzJIS、RD:圧延45度方向(D)の粗さRzJIS、RC:垂直方向(C)の粗さRzJIS、ΔR:平均粗さの異方性指標を示す。
【選択図】なし

Description

本発明は、ケミカルタンカー、化学プラントに代表される各種用途で使用される耐薬品性に優れたステンレスクラッド鋼に関するものである。
近年、高効率化の観点からプラント操業が高温・高圧化する傾向にあり、化学プラントの設計においては強度を確保するため、より板厚が厚い鋼板を使用する割合が増加する傾向にある。さらに、産業設備と構造物のニーズとしては耐久性と長寿命化およびメンテナンスフリーが指向されており、ステンレス鋼はこれらのニーズに適合した材料として注目を集めている。一方で、ステンレス鋼の主原料であるNiやMo、Crに代表される合金元素は、価格の高騰や価格の上下動がある。そのため、ステンレス鋼に代わり、ステンレス鋼の優れた防錆性能をより経済的に利用でき、価格が安定しかつ安価な鋼材としてステンレスクラッド鋼が、最近、注目されている。
ステンレスクラッド鋼とは合わせ材にステンレス鋼、母材に普通鋼材と、二種類の性質の異なる金属を張り合わせた鋼材である。クラッド鋼は、異種金属を金属学的に接合させたもので、めっきとは異なり剥離する心配がなく単一金属および合金では達し得ない新たな特性を持たせることができる。
ステンレスクラッド鋼は、使用環境毎の目的に合った防錆能を確保するため、使用環境毎に合わせ材であるステンレス鋼の種類を選択し、無垢材(全厚ステンレス鋼)と同等の防錆能を確保している。
このように、ステンレスクラッド鋼は、ステンレス鋼材の使用量が少なくてすみ、かつ、無垢材(全厚ステンレス鋼)と同等の防錆能を確保できるため、経済性と機能性が両立できる利点を有する。
以上から、ステンレスクラッド鋼は非常に有益な機能性鋼材であると考えられており、近年そのニーズが各種産業分野で益々高まっている。
このようなステンレスクラッド鋼をケミカルタンカー、化学プラントに代表される耐薬品環境下での使用用途に適用する場合には、中性塩化物環境における耐錆性のみではなく薬品環境下での耐薬品性が要求される。
例えば、ケミカルタンカーの場合、薬品により、タンク内面の気相部が黒変色(以下、黒変と称する)する場合がある。この黒変を避けるために船主会社ではタンクを製造後にフッ硝酸や硝酸溶液で酸洗する等、膨大なメンテナンスを必要とする。そのため、黒変を無くす技術改善が強く求められている。また、硫酸を運搬、搬出する時に、タンク内面に残存した粗製硫酸が空気中の水分を吸収し希硫酸となりタンク内面の腐食が促進されることも良く知られている。また、ケミカルタンカーの内面は、積載物を洗浄する目的で海水を使用する場合があり、この場合、タンク内に塩分が残存し、塩素を含んだ溶液により孔食や隙間腐食といった局部腐食が生じることがある。このように、運搬対象物となる薬品に対し十分な耐食性を確保できず、かつ、塩化物イオンを含有した洗浄水環境での耐食性確保も難しいのが現状である。
耐薬品性を改善する鋼材の表面制御技術としては、表層へのコーティングや浸炭による表面改質があるが十分な研究がなされているとは言いがたい。
従来、ステンレス鋼について表面改質や塗装も含め以下のような技術が報告されている。
特許文献1には、シリカ製の被膜が形成された耐食性容器に関するステンレス鋼の耐薬品性向上技術が開示されている。すなわち、特許文献1に係る耐食性容器は、金属製の容器の壁面に付着させたポリシラザンの有機溶媒溶液を加湿及び酸化処理することで形成されたシリカ製の被膜を備えることを特徴としている。特許文献1は、表層に皮膜を形成させることを特徴としており、ステンレス鋼表面の不動態皮膜や表面の凹凸などの表面性状には言及していない。
特許文献2には、耐水性、耐薬品性、耐候性、耐汚染性、耐熱性、加工性に優れ、高硬度でかつ屈曲性にも優れた可撓性被膜を形成し得るステンレス鋼用コーティング組成物に関する技術が開示されている。特許文献2では、水系で、耐水性、耐薬品性、耐候性、耐汚染性、耐熱性、加工性、屈曲性に優れ、高硬度でかつ可撓性良好な被膜を形成し得るステンレス鋼用コーティング組成物を提供することを目的としており、特許文献1同様、表層に皮膜を形成させることを特徴としており、ステンレス鋼表面の不動態皮膜や表面の凹凸などの表面性状には言及していない。
特許文献3では、基本組成に近い安価な汎用型のステンレス鋼を使用し、その表面に炭素の濃化層を形成させることにより、酸、海水、薬品等に対して優れた耐蝕性を有し、しかも安価な、高耐蝕性金属製品およびその製法に関する技術を開示している。すなわち、特許文献3では、母材が、オーステナイト相を呈するオーステナイト系ステンレス鋼からなり、表面に不働態皮膜が形成され、かつ、この不働態皮膜表面から5〜50μmの深さの表面層が、炭素原子の浸透によって、炭素の濃化層に形成されたことを第1の要旨とする。また、特許文献3の高耐蝕性金属製品の製法は、母材がオーステナイト相を呈するオーステナイト系ステンレス製品を、フッ素系ガス雰囲気下で加熱状態で保持し、ついで、400℃〜500℃の温度で炭素原子の浸透処理を行い、表面から5〜50μmの深さの表面層に炭素の濃化層を形成し、ついで、最表面層を除去する仕上げ処理を行い、この仕上げ処理ののち不働態皮膜形成処理を行い、上記高耐蝕性金属製品を得ることを第2の要旨としている。しかし、表層に炭素濃縮相を形成するため400〜500℃に加熱することを考慮すると、通常この状態では、表面が酸化しスケールなどが生成する結果、移送もしくは貯蔵しようとする薬品中にそれらが混入するなどの問題が生じる。また特許文献3の材料では薬品を使用する上で問題になる黒変などを抑止することが期待できない。
さらに、上記はいずれもステンレス鋼そのものに関する耐薬品性改善技術であり、ステンレスクラッド鋼に関するものではなく、さらに、手法として表面に何らかの被覆を形成する、もしくは炭素濃化層を形成するなど、本来ステンレスに含まれていない異材を用いるものであり、汎用性の低いものである。
特開2004-217278号公報 特開平7-247464号公報 特許第3213254号公報
本発明は、かかる事情に鑑み、耐薬品性に優れたステンレスクラッド鋼を提供することを目的とする。
本発明は、課題を解決するために、同一成分(鋼組成)および同一履歴で圧延から熱処理まで完了した複数のステンレスクラッド鋼に対して種々な鏡面仕上げ処理を施し、表面性状の詳細な検討を行った。
そして、表面粗さやその異方性、介在物、ステンレス鋼の耐食性(耐孔食性)を左右する不動態皮膜の強さCr/Fe比などに着目して検討を行ったところ、不動態皮膜部におけるCr濃度(at%)/Fe濃度(at%)と母相であるステンレス鋼のCr濃度(at%)/Fe濃度(at%)の比を1.2以上、かつ、前記ステンレスクラッド鋼表面の硫化物系介在物の個数を2.5×105個/mm2以下、さらに、前記ステンレスクラッド鋼表面のJIS B 0601−2001に準拠して測定され算出される粗さRzJISの平均粗さ指標(R)を1.0μm以下、平均粗さの異方性指標(ΔR)を±0.1μm以下と規定することで、耐薬品性が著しく改善することを見出した。
本発明は、以上の知見に基づいてなされたものであり、その要旨は以下のとおりである。
孔食指数PIが18.0以上であるステンレス鋼を合わせ材とするステンレスクラッド鋼であって、前記ステンレスクラッド鋼の表面に形成される不動態皮膜部におけるCr濃度(at%)/Fe濃度(at%)と母相のCr濃度(at%)/Fe濃度(at%)の比が1.2以上であり、かつ、前記ステンレスクラッド鋼表面の硫化物系介在物の個数が2.5×105個/mm2以下であり、さらに、前記ステンレスクラッド鋼表面の、JIS B 0601−2001に準拠して測定され、下記式(1)(2)で算出される粗さRzJISの平均粗さ指標(R)が1.0μm以下、平均粗さの異方性指標(ΔR)が±0.1μm以下であることを特徴とする耐薬品性に優れたステンレスクラッド鋼。
ただし、孔食指数PIとは、Cr(質量%)+3Mo(質量%)+16N(質量%)で示される指数である。
平均粗さ指標R =(RL +2×RD + RC)/4 --- (1)
平均粗さの異方性指標ΔR =(RL−2×RD+RC)/2 --- (2)
なお、R:平均粗さ指標、RL:圧延方向(L)の粗さRzJIS、RD:圧延45度方向(D)の粗さRzJIS、RC:垂直方向(C)の粗さRzJIS、ΔR:平均粗さの異方性指標を示す。
なお、耐薬品性に優れたとは、薬品によりタンク内面の気相部が黒変しにくく、タンク内面が腐食されにくいことを意味する。
本発明によれば、耐薬品性に優れたステンレスクラッド鋼が得られる。
ケミカルタンカー、化学プラントに代表される、耐薬品性(例えば、耐粗製硫酸や耐粗製燐酸)が要求される用途で、好適に用いることができる。
不動態皮膜とステンレス母相のCr濃度(at%)、Fe濃度(at%)の測定例を示す図である。
本発明のステンレスクラッド鋼は、孔食指数PIが18.0以上であるステンレス鋼を合わせ材とするステンレスクラッド鋼であって、ステンレスクラッド鋼表面に特徴を有するものである。つまり、前記ステンレスクラッド鋼のステンレス鋼の表面に形成される不動態皮膜部におけるCr濃度(at%)/Fe濃度(at%)とステンレス鋼の母相のCr濃度(at%)/Fe濃度(at%)の比が1.2以上であり、かつ、前記ステンレスクラッド鋼表面の硫化物系介在物の個数が2.5×105個/mm2以下であり、さらに、前記ステンレスクラッド鋼表面の、JIS B 0601−2001に準拠して測定され、下記式(1)(2)で算出される粗さRzJISの平均粗さ指標(R)が1.0μm以下、平均粗さの異方性指標(ΔR)が±0.1μm以下であることを特徴とする耐薬品性に優れたステンレスクラッド鋼。
ただし、孔食指数PIとは、Cr(質量%)+3Mo(質量%)+16N(質量%)で示される指数である。
平均粗さ指標R =(RL +2×RD + RC)/4 --- (1)
平均粗さの異方性指標ΔR =(RL−2×RD+RC)/2 --- (2)
なお、R:平均粗さ指標、RL:圧延方向(L)の粗さRzJIS、RD:圧延45度方向(D)の粗さRzJIS、RC:垂直方向(C)の粗さRzJIS、ΔR:平均粗さの異方性指標を示す。
そして、上記のように表面性状を制御することにより、耐薬品性に優れたステンレスクラッド鋼が得られることになる。なお、本発明のステンレスクラッド鋼としては、熱延鋼板、熱延処理後に焼きならし熱処理を施した鋼板、いずれも含まれ、同様な効果が得られる。
また、機械的な処理に加え化学的な処理を組み合わせることで表面性状を制御し表面の特性を所定の範囲にすることができる。機械的な処理としては、通常のベルト研磨、グラインダー研磨、砥石研磨、電解研磨などが挙げられ、これらの既存の各種表面研磨手法を組み合わせて行うことができる。これらを組み合わせることで表面の粗さとその異方性を低く抑えることができる。また、表面の介在物除去と不動態皮膜強化の観点から、化学的な処理を行うことが好ましい。化学的な処理方法としては特に限定はしないが、硝酸やふっ硝酸、硫酸、塩酸中における酸洗処理またはこれら酸溶液中または中性塩溶液における電解処理(例えば、ルスナー法:20質量%硫酸ナトリウム溶液や硝酸ナトリウム)が好ましい。
次に、Cr(質量%)+3Mo(質量%)+16N(質量%)で示される孔食指数PIが18.0以上について、説明する。
ステンレスクラッド鋼をケミカルタンカーや化学プラントに無塗装で使用するためには、薬品および塩素イオンを含んだ水溶液中において十分な耐食性、すなわち、耐薬品性を有する必要がある。例えば、ケミカルタンカーにステンレスクラッド鋼を使用する際に重要な耐薬品性の指標として粗製硫酸(96質量%、50℃)と粗製りん酸(50質量%、50℃)溶液中での腐食が上げられる。これらの薬品は、ケミカルタンカーにおいて腐食性が高くしかも運搬量が多いため、評価指標となっている。
粗製リン酸にフッ素系化合物が混入するとタンク内面の気相部が黒変する場合がある。また、硫酸を運搬、搬出時にタンク内面に残存した粗製硫酸が空気中の水分を吸収し希硫酸となりタンク内面の腐食が促進されることも良く知られている。また、ケミカルタンカー内面は、積載物を洗浄する目的で洗浄に海水を使用する場合があり、この場合、タンク内に塩分が残存し、塩素を含んだ溶液により孔食や隙間腐食といった局部腐食生じることがある。このような点から、PIが18.0未満の鋼ではケミカルタンカーの運搬対象物となる薬品に対し十分な耐食性を確保することが難しく、塩分(塩素イオン)を含有した洗浄水環境での耐食性確保も難しい。よって、ステンレスクラッド鋼としては、Cr(質量%)+3Mo(質量%)+16N(質量%)で示される孔食指数PIを18.0以上とする。好ましくは25.0以上(ステンレス鋼種:SUS316L以上)である。
次に、ステンレスクラッド鋼の表面に形成される不動態皮膜部におけるCr濃度(at%)/Fe濃度(at%)と母相のCr濃度(at%)/Fe濃度(at%)の比が1.2以上について、説明する。
不動態皮膜部におけるCr濃度(at%)/Fe濃度(at%)は、不動態皮膜の耐孔食性改善に非常に重要な要因となる。基本的には、不動態皮膜部におけるCr濃度(at%)/Fe濃度(at%)と母相であるステンレス鋼のCr濃度(at%)/Fe濃度(at%)の比(以下、Cr/Fe濃度比と略す)が高いほど表層に耐孔食性に優れた安定な不動態皮膜が形成されていることになり、耐食性の観点からCr/Fe濃度比は高いほうが良い。検討したところ、大気暴露試験や促進腐食試験によって耐食性(耐孔食性)の向上効果が明瞭に現れるにはCr/Fe濃度比が1.2以上必要であることがわかった。この知見を基に、Cr/Fe濃度比は1.2以上とする。好ましくは1.5以上である。
一方で、Cr/Fe濃度比を大きく上げようとすると酸浸漬や酸洗、電解処理が必要となる。ステンレスクラッド鋼板は普通鋼とステンレス鋼の合わせ鋼板であるため、所定の溶液中に浸漬し処理する場合に普通鋼が溶解しないように配慮する必要があり、無垢材(ステンレス鋼)以上に表層のCr濃縮割合を改善するには負荷がかかる。このように、過度なCr/Fe濃度比向上には設備的な負荷がかかるため、Cr/Fe濃度比は100以下が好ましい。
なお、メカニカルな研磨のみではCr/Fe濃度比向上が十分でない場合もある。そのため、何らかの化学的な表面制御手法と組み合わせることが重要となる。
また、本発明において、Cr/Fe濃度比は、例えば、深さ方向にスパッタしながら元素の濃度プロファイル(at%)を測定し、各元素(Fe、Crなど)濃度プロファイルからFeとCrの原子比、Cr/Fe濃度比を求めることができる。この場合、図1に示すように、Cr、Feの濃度プロファイルの値(at%)がほぼ一定値になった領域を母相と仮定し、それよりスパッタ時間の短い領域を不動態皮膜部と定義する。不動態皮膜部では最もCr/Feが高い値を示した部位での値を不動態皮膜部におけるCr濃度(at%)/Fe濃度(at%)とする。
次に、ステンレスクラッド鋼表面の硫化物系介在物の個数が2.5×105 個/mm2以下について説明する。
ケミカルタンカーや化学プラントに代表される用途で使用されるステンレスクラッド鋼の場合は、主に耐薬品性が要求される。検討したところ、ステンレスクラッド鋼表面に析出する介在物の存在は、耐薬品性に関与していることがわかった。ステンレスクラッド鋼表面に析出する介在物としては、酸化物、炭化物、窒化物、硫化物等あげられるが、この中でも、特に粗大な硫化物(例えば、FeS、Fe2S、MnS、CuS、Cu2S、CdS、SnS、NiS、ZnSなど)の存在は、耐薬品性の低下に大きく関与していることがわかった。以上の検討の結果から、本発明においては、硫化物系介在物を制御することとし、その個数は2.5×105 個/mm2以下とする。なお、硫化物系介在物とは、FeS、Fe2S、MnS、CuS、Cu2S、CdS、SnS、NiS、ZnSなどである。個数に関しては少ないほうがピットの発生確率が低減するため、少ないほうが良い。ただし、実際にはすべての硫化物系介在物を除去することは実製造上困難になるため1.0×102個/mm2以上が好ましい。
なお、個々の介在物をエネルギー分散型X線分析装置を用いて元素分析を行い、組成を調べることにより、硫化物系析出物であるがどうか、同定できる。ただし、硫化物系介在物のサイズが1.0μmΦ未満では硫化物系介在物が薬品などに接触して溶解し孔食が発生しても、その進行が止まってしまう確率が高いので、カウントする介在物は1.0μmΦ以上のサイズに限定する。
次に、ステンレスクラッド鋼表面の、JIS B 0601−2001に準拠して測定され、下記式(1)(2)で算出される粗さRzJISの平均粗さ指標(R)が1.0μm以下、平均粗さの異方性指標(ΔR)が±0.1μm以下について説明する。
平均粗さ指標R =(RL +2×RD + RC)/4 --- (1)
平均粗さの異方性指標ΔR =(RL−2×RD+RC)/2 --- (2)
なお、R:平均粗さ指標、RL:圧延方向(L)の粗さRzJIS、RD:圧延45度方向(D)の粗さRzJIS、RC:垂直方向(C)の粗さRzJIS、ΔR:平均粗さの異方性指標を示す。
表面粗さはステンレスクラッド鋼の耐食性および薬品中での黒変性に大きな影響を及ぼす。これは、表層の凹凸が大きいと各種薬品および薬品中の固形分、析出物、沈降成分が表面に付着しやすくなることに加え、それらによりミクロな隙間を形成しやすくなることによると考える。また、表面があれると表面積が広がることで粒界や粒内の可溶性析出部が表面に多く存在し孔食の起点となることが考えられる。また、粗さに異方性がある場合、特定の方向に溶液成分が残存しやすくなり、特に気液界面においては変色や発錆を誘発する。また色調も異なるため、ステンレスクラッド鋼を使用する時に板の採取方向などを気にして適用しなくてはいけないという実使用上の制約がある。
そこで、耐薬品性の向上と付着物を極力排除する視点で検討したところ、表面粗さとしてJIS B 0601−2001に準拠して測定される粗さRzJISを用い、上記式(1)で算出される粗さRzJISの平均粗さ指標(R)を1.0μm以下とすることで、耐食性および耐薬品性が向上することがわかった。また、表面粗さの指標は細かいほうが好ましいが、ステンレスクラッド鋼の研磨には非常に負荷がかかるため、上記式(2)で算出される平均粗さの異方性指標(ΔR)は±0.1μm以下、つまり-0.1μm≦(ΔR)≦+0.1μmとする。異方性指標(ΔR)を±0.1μmに規定することで耐薬品性で重要な黒変や錆発生時、錆や汚れが目立ちにくくなる。
なお、ステンレスクラッド鋼の多様な寸法の製品を、安価かつ量産ができしかも安定した品質で製造する点から、製造方法としては圧延法が好ましく、製造負荷が大きくならない範囲で、好ましくは、平均粗さ指標(R)は0.7μm以下が好ましい。
なお、本発明において、粗さRzJISは、JIS B 0601−2001に準拠して測定することができる。
また、本発明のステンレスクラッド鋼の母材としては、炭素鋼や低合金鋼を用いることができる。そして、本発明のステンレスクラッド鋼は、この母材の片面または両面に合わせ材としてステンレス鋼がクラッドされたものであり、母材と合わせ材とをクラッドにする製造方法については特に限定しない。熱間圧延法、爆着圧延法、拡散接合法、鋳包み法などを用いることができる。
また、700℃〜1000℃の温度で、1分から2時間保持の焼きなまし処理を行うこともできる。
ステンレスクラッド鋼の合わせ材に使用するステンレス鋼に含有されるCrやMo含有量が多い場合、例えばCr含有量18質量%以上でMoを2質量%以上含有するような高合金鋼の場合、σ(シグマ)相やΧ(カイ)相、さらにM23C6、M6C(MはFe、Crが主成分)などが生成し、有効なCrが低下し鋭敏化により著しい耐食性低下を引き起こすことがある。このような場合に、本発明の表面が制御されたステンレスクラッド鋼は有効であり、脱Cr層の除去、鋭敏化部の健全化に寄与することができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
表1に示す成分組成からなるオーステナイト系ステンレス鋼(JIS規格範囲のSUS304、SUS316L、SUS329J3L)とSS400成分系の普通鋼(以下、普通鋼と略す)の溶鋼を、転炉、電気炉、真空溶解炉等の公知の方法で溶製し、連続鋳造法あるいは造塊−分塊法により鋼素材(スラブ)とした。次いで、得られた鋼素材を、通常用いられる条件で、熱間圧延、熱延板焼鈍(例えば箱焼鈍)、酸洗と順次処理して熱延板とし、さらに、冷延、仕上げ焼鈍(例えば連続焼鈍)し、冷延焼鈍板とした。得られた冷延焼鈍板をクラッドの合わせ材(オーステナイト系ステンレス鋼)および母材(普通鋼)として、表2に示す製造条件でステンレスクラッド鋼を製造した。
すなわち、表1に示す合わせ材(オーステナイト系ステンレス鋼、板厚20mm)と母材(普通鋼:SS400相当、板厚73mm)を、幅1890mm、長さ2060mmに組み立てスラブ寸法とし、スラブ加熱温度(℃):1150℃〜1250℃、圧延終了温度(℃):1000±50℃、水冷開始温度(℃):950±50℃、水冷終了温度(℃):650±50℃、冷却速度(℃/s):0.2〜7.0℃/sの条件で、ステンレスクラッド鋼(合わせ材:板厚3mm、母材:板厚11mm、幅2500mm、長さ8000mm)を製造した。さらに、ステンレスクラッド鋼の一部に対して、表3に示すように、950±20℃で、10分または2時間の焼ならし熱処理を行った。
上記により得られたステンレスクラッド鋼に対して、ステンレス鋼の表面を表4に示す粗さ形状になるようにベルト研磨を行なった。具体的には、長手方向に対し多パスのベルト研磨を行なった後、長手垂直方向に対し多パスのベルト研磨を行なった。長手方向研摩の際には、JIS R6256:2006で規定するところの研磨ベルトP60〜P400であるものを用い、長手垂直方向研摩の際には、研磨ベルトP120〜P800であるものを用いた。
次に、硝酸水溶液を1L/分で所定時間ステンレスクラッド鋼のステンレス鋼の表面に噴霧し、その後水洗し、不動態化処理を行った。この際、表4に示すような不動態皮膜になるように、噴霧時間は5秒〜10分、硝酸水溶液濃度は5〜35質量%の範囲で調整しサンプルを作製した。
ステンレス鋼の表面に噴霧し、水洗、不動態化処理を行った。
以上により得られたステンレスクラッド鋼に対して、Cr/Fe濃度比、硫化物系介在物の数、平均粗さ指標(R)、平均粗さの異方性指標(ΔR)、孔食電位を測定し、黒変色試験、薬品浸漬試験を行い、耐食性および耐薬品性を評価した。以上より得られた結果を表4に示す。Cr/Fe濃度比、硫化物系介在物の数、平均粗さ指標(R)、平均粗さの異方性指標(ΔR)、孔食電位の測定方法、黒変色試験方法、薬品浸漬試験方法は下記の通りである。
なお、本発明では特に実使用上問題になっているタンク内の黒変改善を大きな目的としている。粗製リン酸にフッ素系化合物が混入するとタンク内面の気相部が黒変する場合がある。そこで、薬品浸漬試験は、75質量%粗製リン酸溶液を用いて行った。
また、運搬、搬出時にタンク内面に残存した粗製硫酸が空気中の水分を吸収し希硫酸となるとタンク内面が腐食されることが知られている。そこで、硫酸水溶液(96質量%、50℃)に加え硫酸水溶液(80質量%、50℃)での腐食試験を行った。
また、ケミカルタンカーの内面は、積載物を洗浄する目的で洗浄に海水を使用する場合がある。そのため、タンク内に塩分が残存することがあり、塩素を含んだ溶液により孔食や隙間腐食といった局部腐食が生じることがある。このような観点から、耐孔食試験としてJIS G 0577に準拠した孔食電位の測定を行った。
Cr/Fe濃度比
AES(装置名:PHISICAL ELECTONICS社製 PHI MODEL 660、加速電圧 : 5kV、試料電流量 :0.2μA、測定領域 :5μmx5μm)を用いて深さ方向にスパッタしながら測定した各元素(Fe、Cr)プロファイルからその原子比を求めた。なお、図1に示すように、Cr、Feの値がほぼ一定値になった領域を母相とし、それよりスパッタ時間の短い領域を不動態皮膜部と定義した。不動態皮膜部では最もCr/Feが高い値を示した部位での値をCr/Fe濃度とし、母相のCr/Fe濃度と比較した。
硫化物系介在物の数
介在物(硫化物)の個数はEPMAでステンレスクラッド鋼の表面100μm×100μmを分析し、S量のマッピングを利用して得られた像を画像処理することで、円相当径を算出し、1.0μmΦ以上の硫化物の個数を計測した。なお、測定面積100μm×100μmの視野を各5視野測定しその平均値として求めた。1.0μmΦ未満の硫化物は介在物が溶解しても孔食の進行が止まってしまう傾向にある(いわゆる再不動態化性ピット)ので、1.0μmΦ以上の介在物をカウントした。
平均粗さ指標(R)、平均粗さの異方性指標(ΔR)
ステンレスクラッド鋼のステンレス鋼表面の粗さRzJISをJIS B 601-2001に準拠し、圧延方向(L方向と略す)と圧延垂直方向(C方向と略す)と圧延45度方向(D方向と略す)の3方向につき測定長さ10mmで測定し、下記式(1)(2)にて平均粗さ指標(R)と平均粗さの異方性指標(ΔR)を算出した。これを、5箇所につき行い、その結果を平均した。
平均粗さ指標R =(RL +2×RD + RC)/4 --- (1)
平均粗さの異方性指標ΔR =(RL−2×RD+RC)/2 --- (2)
なお、R:平均粗さ指標、RL:圧延方向(L)の粗さ、RC:垂直方向(C)の粗さ、RD:圧延45度方向(D)の粗さ、ΔR:平均粗さの異方性指標を示す。
孔食電位
塩害環境下における耐錆性の指標はJIS G 0577に準拠した孔食電位の測定で行った。電流密度が100μA/cm2に到達した電位を孔食電位とし、3回測定を行い、その平均をVc100(mV vs SCE)で表記した。
黒変色試験
黒変色試験としては、浸漬液として粗製リン酸溶液を用いた。粗製リン酸溶液は黒色であり、不純物としてCa、Mg、Al、Fなどからなる青白いスラッジが含まれている。これらが酸による腐食の進行をより促進し黒変を助長するため、浸漬液として使用した。厚さ3mm×幅20mm×長さ30mmの試験片を用いて半浸漬試験を行った。75質量%粗製リン酸溶液に20質量%のフッ化水素を含有した溶液に、40℃、7日間試料を浸漬し、試験後水洗し、黒変の有無を目視で調べた。
薬品浸漬試験
厚さ3mm×幅20mm×長さ30mmの試験片を用いた。薬品浸漬試験としては、80質量%硫酸、96質量%硫酸の2種類を用い、それぞれの溶液中に上記試験片を48h浸漬した。その後50℃の30質量%硝酸溶液中に10分浸漬して腐食生成物を除去し、水洗し、24h乾燥後、重量を測定し、重量差から腐食速度(mm/y)を算出した。
表4より、本発明例では、耐食性および耐薬品性に優れたステンレスクラッド鋼が得られていることがわかる。
一方、比較例では、黒変色があり耐薬品性に劣っている。

Claims (1)

  1. 孔食指数PIが18.0以上であるステンレス鋼を合わせ材とするステンレスクラッド鋼であって、
    前記ステンレスクラッド鋼の表面に形成される不動態皮膜部におけるCr濃度(at%)/Fe濃度(at%)と母相のCr濃度(at%)/Fe濃度(at%)の比が1.2以上であり、
    かつ、前記ステンレスクラッド鋼表面の硫化物系介在物の個数が2.5×105 個/mm2以下であり、
    さらに、前記ステンレスクラッド鋼表面の、JIS B 0601−2001に準拠して測定され、下記式(1)(2)で算出される粗さRzJISの平均粗さ指標(R)が1.0μm以下、平均粗さの異方性指標(ΔR)が±0.1μm以下であることを特徴とする耐薬品性に優れたステンレスクラッド鋼。
    ただし、孔食指数PIとは、Cr(質量%)+3Mo(質量%)+16N(質量%)で示される指数である。
    平均粗さ指標R =(RL +2×RD + RC)/4 --- (1)
    平均粗さの異方性指標ΔR =(RL−2×RD+RC)/2 --- (2)
    なお、R:平均粗さ指標、RL:圧延方向(L)の粗さRzJIS、RD:圧延45度方向(D)の粗さRzJIS、RC:垂直方向(C)の粗さRzJIS、ΔR:平均粗さの異方性指標を示す。
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