JP6446470B2 - 高耐食オーステナイト系ステンレス鋼板 - Google Patents

高耐食オーステナイト系ステンレス鋼板 Download PDF

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Description

本発明は、高耐食(耐食性に優れた)オーステナイト系ステンレス鋼板に関し、さらに詳しくは、海洋環境、化学プラント等の腐食環境に利用される高耐食オーステナイト系ステンレス鋼板に関する。
本願は、2014年11月11日に、日本に出願された特願2014−229013号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
Ni、Cr、Moなどを多く含有させた高合金オーステナイト系ステンレス鋼は、優れた耐食性を有するため、海洋環境や化学プラントの部材として適用されている。近年、希少金属の価格が高騰しており、省合金化(合金元素の量を低減すること)かつ薄肉化(厚さを薄くすること)された高耐食のステンレス鋼のニーズが高くなっている。しかしながら、省合金化は耐食性の低下を招き、また材料の薄肉化は腐食が発生した場合に腐食がその肉厚を貫通するまでの期間、つまり耐用年数を短くさせる。
また、ステンレス鋼の耐食性は合金量のみではなく、金属間化合物等の析出物の量や、成分の偏析などの影響も受ける。Cr、Moを多く含有する高合金オーステナイト系ステンレス鋼は、鋳造や熱間圧延後の冷却の過程で、σ相と呼ばれる金属間化合物が析出し、耐食性が劣化する。特に、鋳造時にインゴット中心部に生じたCr、Moの偏析層にはσ相が析出し易く、耐食性の劣化をもたらす。
特許文献1は、σ相の生成を促進するMo含有量を低く抑え、代わりにNを含有させることでσ相の生成を抑制するとともに、高い耐食性をもったステンレス鋼を提案している。しかし、Mo含有量を低く抑えると、腐食が発生した際の溶解速度を抑制する効果が低減するため、薄肉材では腐食が生じた際に、短期間で貫通した穴あきが生じる。
また、特許文献2は、連続鋳造スラブを均熱処理(ソーキング)して、インゴット中心部のCr、Moの偏析を軽減することで、σ相の量を低減する技術を提案している。但し、均熱処理は時間がかかるため、製造効率が著しく悪化する。
この様に、従来の技術で省合金化かつ薄肉化したステンレス鋼を製造すると、適正な耐食性と製造性を確保することが困難である。また、従来の高合金化されたステンレス鋼では、σ相が生成し、耐食性の劣化が生じる。
特許4705648号公報 特公平5−83610号公報
本発明は、この様な課題を解決するためになされたものであり、オーステナイト系ステンレス鋼として耐食性、製造性を損なうことなく、高合金化(合金元素の量を増やすこと)かつ薄肉化された高耐食(耐食性に優れた)オーステナイト系ステンレス鋼板を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明の一態様に係る耐食性に優れた高合金オーステナイト系ステンレス鋼板は、下記の要件を有する
) 質量%で、
C:0.1%以下、
Si:1.0%以下、
Mn:1.0%以下、
P:0.1%以下、
S:0.005%以下、
Ni:20.0〜37.0%、
Cr:18.0〜28.0%、
Mo:4.0〜5.99%、
Cu:0.5〜2.5%、
N:0.20〜0.40%、及び
Al:0.001〜0.10%、を含有し、
残部はFeおよび不可避不純物からなり、
下記(1)式で定義されるPI値が44.0〜50.0、
下記(2)式で定義されるGI値が120.0〜150.0、
下記(3)式で定義されるMd値が0.920未満、
下記(4)式で定義されるMdc値が0.2以下であり、
面積率で、板厚中央のσ相の量が1.0%未満である、高耐食オーステナイト系ステンレス鋼板。
PI=Cr+3.3Mo+16N … (1)
GI=−Cr+4Ni+5Mo+18Cu … (2)
Md=(1.142Cr+0.717Ni+1.550Mo+0.957Mn+0.6515Cu+1.33Si+1.9Al+0.858Fe−1.4N−0.43C)/100 … (3)
Mdc=(Md−0.91)×(Cr+2Mo) … (4)
ただし、式(1),(2),(4)中の元素記号は、単位が質量%の各元素の含有量であり、式(3)中の元素記号は、単位が原子%の各元素の含有量である。
) 質量%で、
C:0.1%以下、
Si:1.0%以下、
Mn:1.0%以下、
P:0.1%以下、
S:0.005%以下、
Ni:20.0〜37.0%、
Cr:18.0〜28.0%、
Mo:4.0〜5.99%、
Cu:0.5〜2.5%、
N:0.20〜0.40%、及び
Al:0.001〜0.10%、を含有し、
残部はFeおよび不可避不純物からなり、
下記(1)式で定義されるPI値が44.0〜50.0、
下記(2)式で定義されるGI値が120.0〜130.0、
下記(3)式で定義されるMd値が0.920未満、
下記(4)式で定義されるMdc値が0.40未満であり、
面積率で、板厚中央のσ相の量が1.0%未満である、高耐食オーステナイト系ステンレス鋼板。
PI=Cr+3.3Mo+16N … (1)
GI=−Cr+4Ni+5Mo+18Cu … (2)
Md=(1.142Cr+0.717Ni+1.550Mo+0.957Mn+0.6515Cu+1.33Si+1.9Al+0.858Fe−1.4N−0.43C)/100 … (3)
Mdc=(Md−0.91)×(Cr+2Mo) … (4)
ただし、式(1),(2),(4)中の元素記号は、単位が質量%の各元素の含有量であり、式(3)中の元素記号は、単位が原子%の各元素の含有量である。
) 質量%で、
C:0.1%以下、
Si:1.0%以下、
Mn:1.0%以下、
P:0.1%以下、
S:0.005%以下、
Ni:20.0〜37.0%、
Cr:18.0〜28.0%、
Mo:4.0〜6.50%、
Cu:0.5〜2.5%、
N:0.20〜0.40%、及び
Al:0.001〜0.10%、を含有し、
残部はFeおよび不可避不純物からなり、
下記(1)式で定義されるPI値が44.0〜50.0、
下記(2)式で定義されるGI値が120.0〜150.0、
下記(3)式で定義されるMd値が0.909以下、
下記(4)式で定義されるMdc値が0.40未満であり、
面積率で、板厚中央のσ相の量が1.0%未満である、高耐食オーステナイト系ステンレス鋼板。
PI=Cr+3.3Mo+16N … (1)
GI=−Cr+4Ni+5Mo+18Cu … (2)
Md=(1.142Cr+0.717Ni+1.550Mo+0.957Mn+0.6515Cu+1.33Si+1.9Al+0.858Fe−1.4N−0.43C)/100 … (3)
Mdc=(Md−0.91)×(Cr+2Mo) … (4)
ただし、式(1),(2),(4)中の元素記号は、単位が質量%の各元素の含有量であり、式(3)中の元素記号は、単位が原子%の各元素の含有量である
) 質量%で、
C:0.1%以下、
Si:1.0%以下、
Mn:1.0%以下、
P:0.1%以下、
S:0.005%以下、
Ni:20.0〜37.0%、
Cr:18.0〜28.0%、
Mo:4.0〜7.0%、
Cu:0.5〜2.5%、
N:0.10〜0.40%、及び
Al:0.001〜0.10%、を含有し、
残部はFeおよび不可避不純物からなり、
下記(1)式で定義されるPI値が44.0〜50.0、
下記(2)式で定義されるGI値が120.0〜150.0、
下記(3)式で定義されるMd値が0.909以下、
下記(4)式で定義されるMdc値が0.40未満であり、
面積率で、板厚中央のσ相の量が1.0%未満である、高耐食オーステナイト系ステンレス鋼板。
PI=Cr+3.3Mo+16N … (1)
GI=−Cr+4Ni+5Mo+18Cu … (2)
Md=(1.142Cr+0.717Ni+1.550Mo+0.957Mn+0.6515Cu+1.33Si+1.9Al+0.858Fe−1.4N−0.43C)/100 … (3)
Mdc=(Md−0.91)×(Cr+2Mo) … (4)
ただし、式(1),(2),(4)中の元素記号は、単位が質量%の各元素の含有量であり、式(3)中の元素記号は、単位が原子%の各元素の含有量である
) 質量%で、以下の第1群及び第2群から選択される1種または2種以上を含有する(1)〜(4)のいずれか一項に記載の高耐食オーステナイト系ステンレス鋼板。
第1群
B:0.0002〜0.0050%、
Ca:0.0002〜0.0050%、
Mg:0.0002〜0.0050%、及び
REM:0.001〜0.10%。
第2群
Ti:0.001〜0.40%、
Nb:0.001〜0.40%、
Ta:0.001〜0.40%、
Zr:0.001〜0.40%、
V:0.01〜0.50%、
W:0.01〜1.0%、
Sn:0.001〜0.50%、
Sb:0.001〜0.50%、及び
Ga:0.0001〜0.50%。
) 質量%で、以下の第1群及び第2群から選択される1種または2種以上を含有する(1)〜(4)のいずれか一項に記載の高耐食オーステナイト系ステンレス鋼板。
第1群
B:0.0002〜0.0050%、
Ca:0.0002〜0.0050%、
Mg:0.0002〜0.0050%、及び
REM:0.001〜0.10%。
第2群
Ti:0.001〜0.40%、
Nb:0.001〜0.40%、
Ta:0.001〜0.40%、
Zr:0.001〜0.40%、
W:0.01〜1.0%、
Sn:0.001〜0.50%、
Sb:0.001〜0.50%、及び
Ga:0.0001〜0.50%。
) 海洋鋼構造体、海洋構造体ライニング材、排煙脱硫装置、食品製造プラント、建築外装材、製塩プラント、温水貯蔵、化学プラント、下水処理設備、オゾン処理設備、海水淡水化プラント、海水ポンプ、又は自動車のEGR(Exhaust Gas Recirculation)クーラーに用いられることを特徴とする(1)〜()のいずれか一項に記載の高耐食オーステナイト系ステンレス鋼板。
本発明の一態様に係る高耐食オーステナイト系ステンレス鋼板は、腐食発生後の溶解速度が遅いため、従来、高合金かつ腐食進展の抑制を両立することが困難であった問題を解決し、高い耐食性を有する高耐食オーステナイト系ステンレス鋼板を提供することが出来る。
ステンレス鋼板のGI値と塩酸浸漬試験における腐食速度との関係を示すグラフである。
本発明者らは、高合金オーステナイト系ステンレス鋼板の腐食発生および進展について鋭意調査した結果、以下の知見を得た。
(I)ステンレス鋼の添加元素で決まるPI値(PI=Cr+3.3Mo+16N)を高くすることで、腐食の発生を抑制することができる。
(II)ステンレス鋼の添加元素で決まるGI値(GI=−Cr+4Ni+5Mo+18Cu)を高くすることで、腐食が発生した場合の溶解速度を遅くすることが出来る。
(III)Md値((1.142Cr+0.717Ni+1.550Mo+0.957Mn+0.6515Cu+1.33Si+1.9Al+0.858Fe−1.4N−0.43C)/100)が0.920以上の場合、σ相の析出が促進され、上記PI値、GI値が高くても短時間で板厚を貫通する腐食が生じる。また、Md値が0.920未満であり、上記PI値、GI値が高くても、板厚中心のσ相の面積率が1.0%以上であると、短期間で板厚を貫通する腐食が生じる。
(IV)Cr、Moを低減し板厚中央における成分の偏析を減減するとともに、Mdc値を低くすることで、板厚中心部のσ相の析出を抑制することが出来る。
本実施形態における各成分元素の限定範囲とその理由について説明する。
C:Cは、ステンレス鋼の耐食性を確保するため、C量を0.1%以下の含有量に制限する。0.1%を超えてCを含有させるとCr炭化物が生成して、耐食性が劣化する。Cr炭化物の生成抑制の観点からは、C量の好ましい範囲は0.05%以下である。C量のより好ましい上限値は0.02%である。
Si:Siは脱酸のため添加するが、1.0%を超えてSiを添加するとσ相の析出が促進される。そのため、Si量の上限を1.0%に限定する。Si量は0.50%以下が効果的である。Si量の好ましい範囲は0.50%以下である。
Mn:Mnは脱酸のため添加するが、1.0%を超えてMnを添加すると耐食性が劣化する。そのため、Mn量の上限を1.0%に限定する。Mn量の好ましい範囲は0.5%以下である。Mn量のより好ましい上限値は0.4%である。
P:Pは熱間加工性および靭性を劣化させるため、P量を0.1%以下に限定する。P量は好ましくは0.05%以下である。
S:Sは熱間加工性、靭性および耐食性を劣化させるため、Sを0.005%以下に限定する。S量の好ましい範囲は、0.002%以下である。
Ni:Niは腐食が生じた際の腐食進展を抑制するとともにσ相の析出を抑制する効果があるが、Ni量が20.0%未満では、十分な耐食性を得ることが出来ない。Ni量が37.0%を超えると、耐食性の効果は飽和する。またNiの使用量が増加して鋼板が高価格となる。よって、Ni量を20.0〜37.0%の範囲にすることが必要である。なお、Ni添加量が少ないと、GI値を必要量にするためにCu量を増やす必要があり、結果として鋳造時の製造が困難となる。よって、Ni量の好ましい下限値は24.0であり、Ni量の好ましい上限値は37.0%である。また、必要十分な耐食性を担保しつつ、材料コストを抑えるため、Ni量の更に好ましい下限値は24.0であり、Ni量の更に好ましい上限値は28.0%である。
Cr:Cr量が18.0%未満では、十分な耐食性を得ることが出来ず、Cr量が28.0%を超えると、σ相の析出が多くなり、耐食性が劣化する。従ってCr量を18.0〜28.0%の範囲にすることが必要である。なお、Crの添加量が少ないと、PI値を必要量にするためにN量を増やす必要があり、結果として鋳造時の製造が困難となる。よって、Cr量の好ましい下限値は22.0であり、Cr量の好ましい上限値は28.0%である。また、必要十分な耐食性を担保しつつ、材料コストを抑えるため、Cr量の更に好ましい下限値は22.0であり、Cr量の更に好ましい上限値は26.0%である。
Mo:Moは4.0〜7.0%の範囲にすることが必要である。Mo量が4.0%未満では、十分な耐食性を得ることが出来ない。Mo量が7.0%を超えると、σ相の析出が多くなり、耐食性が劣化する。なお、Mo添加量が少ないと、PI値、GI値を必要量にするためにCu及びNの量を増やす必要があり、結果として鋳造時の製造が困難となる。よって、Mo量の好ましい下限値は5.0であり、Mo量の好ましい上限値は7.0%である。また、必要十分な耐食性を担保しつつ、材料コストを抑えるため、Mo量の更に好ましい下限値は5.0であり、Mo量の更に好ましい上限値は6.5%である。
Cu:Cuは腐食が生じた際の腐食進展を抑制する効果がある。Cu量が0.5%未満では、耐食性の効果が発現しない。Cu量が2.5%を超えると、熱間加工時に割れが生じる。Cu量を0.5〜2.5%の範囲にすることが必要である。なお、Cuの添加量が多いと、鋳造時の製造が困難となるため、Cu量の好ましい下限値は0.5%であり、Cu量の好ましい上限値は2.2%である。Cu量の更に好ましい下限値は0.90%であり、Cu量の更に好ましい上限値は2.0%である。
N:Nは耐食性を高める有効な元素であり、Nを0.10%以上の量で含有させる。但し、0.40%を超えてNを含有させると、鋳造時の気泡発生の感受性を高めるので、N量の上限値を0.40%と定める。なお、N添加量が少ないと、PI値を必要量にするためにCr及びMoの量を増やす必要があり、結果としてσ相が生成し易い組成となる。よって、N量の好ましい下限値は0.20であり、N量の好ましい上限値は0.40%である。また、N添加量が多いと鋳造時の加工が困難となるため、N量の更に好ましい下限値は0.20であり、N量の更に好ましい上限値は0.30%である。
Al:Alは脱酸元素として有用であり、Alを0.001%以上の量で含有させるが、Alは加工性を劣化させるため多量に含有させるべきではなく、Al量の上限を0.10%に制限するのがよい。Al量の好ましい下限値は0.005であり、Al量の好ましい上限値は0.050%である。
本実施形態においては、前記元素に加えて、鋼の諸特性を調整する目的で、以下の合金元素が含有されていても良い。
B,Ca,Mg,REMは、熱間加工性を改善する元素であり、その目的で1種または2種以上添加してもよい。B,Ca,Mgに関して、この効果は0.0002%以上の量で発現することから、B,Ca,Mgのそれぞれの量の下限を0.0002%とする。REMの量の下限は0.001%以上とする。ここで、REMの量とは、後述する希土類元素の合計量である。
しかしながら、いずれも過剰な量の添加は逆に熱間加工性を低下するため、その含有量の上下限を次の様に定めるとよい。B,Ca,Mgのそれぞれの量は、0.0002〜0.0050%である。REMの量は0.001〜0.10%である。B,Ca,Mgのそれぞれの量に関して、より好ましい下限値は0.0005%であり、より好ましい上限値は0.0040%である。REMの量に関して、より好ましい下限値は0.0010%であり、より好ましい上限値は0.030%である。
ここで、REM(希土類元素)は、一般的な定義に従い、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)の2元素と、ランタン(La)からルテチウム(Lu)までの15元素(ランタノイド)の総称を指す。単独で添加してもよいし、混合物であってもよい。
Ti,Nb,Ta,Zr,V,W,Sn,Sb,Gaは耐食性を向上する元素であり、以下の範囲で1種または2種以上含有してもよい。
Ti:0.001〜0.40%、Nb:0.001〜0.40%、Ta:0.001〜0.40%、Zr:0.001〜0.40%、V:0.01〜0.50%、W:0.01〜1.0%、Sn:0.001〜0.50%、Sb:0.001〜0.50%、Ga:0.001〜0.50%。
Ti,Nb:TiおよびNbは、C、Nを炭窒化物として固定して耐食性、特に粒界腐食を抑制する作用を有する。このため、TiとNbの一方又は両方を含有させてもよいが、過剰な量のTi,Nbを含有しても効果は飽和するため、Ti,Nbの各々の含有量の上限を0.40%とする。ここで、TiとNbの少なくとも一方の含有量が0.001%以上であれば、効果を発揮することができる。なお、Ti,Nbの適正な含有量としては、TiとNbの合計量が、CとNの合計含有量の5倍量以上かつ30倍量以下となる量がよい。好ましくは、TiとNb合計量が、CとNの合計量の10倍〜25倍とするのが良い。
Ta,Zr:TaおよびZrは、C、Nを炭窒化物として固定して耐食性、特に粒界腐食を抑制する作用を有する。このため、必要に応じて添加することができる。過剰な量のTa,Zrを含有しても効果は飽和するため、Ta,Zrの各々の含有量の上限を0.40%とする。ここで、TaとZrの少なくとも一方の含有量が0.001%以上であれば、効果を発揮することができる。TaとZrのそれぞれの量に関して、好ましい下限値は0.01%であり、好ましい上限値は0.30%である。
V,W:V,Wは耐食性、特に耐すき間腐食性を改善するため、必要に応じて添加することができる。ただしVやWを過度な量で添加すると、加工性を低下させ、かつ耐食性向上効果も飽和するため、V,Wの量の下限を0.01%とし、V量の上限を0.50%とし、W量の上限を1.0%とする。V量のより望ましい下限値は0.04%であり、V量のより望ましい上限値は0.30%である。W量のより望ましい下限値は0.04%であり、W量のより望ましい上限値は0.50%である。W量の更に好ましい上限値は0.20%であり、W量の上限値を0.15%としてもよい。
Sn,Sb:Sn,Sbは、微量でも耐食性を向上させるのに有用な元素であり、廉価性を損なわない範囲で含有してもよい。SnとSbのそれぞれの量が0.001%未満では、耐食性を向上させる効果は発現されない。SnとSbのそれぞれの量が0.50%を超えると、コスト増が顕在化すると共に加工性も低下する。このため、SnとSbのそれぞれの量は、0.001〜0.50%を適正範囲とする。SnとSbのそれぞれの量に関して、好ましい下限値は0.01%であり、好ましい上限値は0.30%である。
Ga:Gaは耐食性および加工性向上に寄与する元素であり、0.0001〜0.50%の範囲でGaを含有させることができる。Ga量のより好ましい下限値は0.0003%であり、Ga量のより好ましい上限値は0.30%である。
本実施形態におけるPI値、GI値、Md値、Mdc値およびσ相について限定理由を説明する。PI値、GI値、Md値、Mdc値はそれぞれ以下の通りである。
PI=Cr+3.3Mo+16N …(1)
GI=−Cr+4Ni+5Mo+18Cu…(2)
Md=(1.142Cr+0.717Ni+1.550Mo+0.957Mn+0.6515Cu+1.33Si+1.9Al+0.858Fe−1.4N−0.43C)/100)…(3)
Mdc=(Md−0.91)×(Cr+2Mo)…(4)
ただし、式(1),(2),(4)中の元素記号は、単位が質量%の各元素の含有率(含有量)であり、式(3)中の元素記号は、単位が原子%の各元素の含有率(含有量)である。
PI値:耐孔食性を示すパラメータであり、この値が高い鋼ほど、孔食が発生し難い。表2A〜表2Dで示す様にPI値が44.0以上の場合、孔食発生の臨界温度は、85℃超となり、海洋環境や化学プラント環境において、許容される耐食性レベルを確保できる。これは、PI値が44.0以上となることで、ステンレス鋼の表面に形成される不働態皮膜の保護性が著しく向上するためである。なお、PI値が50.0を超えると、その効果は飽和する。また、必要十分な耐食性を担保しつつ、材料コストを抑えるために、PI値の好ましい下限値は44.0であり、PI値の好ましい上限値は48.0である。
GI値:GI値は、耐全面腐食性を示すパラメータであり、この値が高い鋼ほどすきま腐食が生じた際の腐食量が小さい。図1に示す様に、Md値が0.920未満で、GI値が120.0以上の場合、塩酸水溶液中での腐食速度は、7g・m−2・h−1以下となり、海洋環境や化学プラント環境において、許容される耐食性レベルを確保できる。これは、GI値が120.0以上となることで、ステンレス鋼に含有されたNi,Mo,Cuが腐食部の表面に吸着して金属の溶解を抑制するためである。なお、GI値が150.0を超えると、その効果は失われる。また、必要十分な耐食性を担保しつつ、材料コストを抑えるために、GI値の好ましい下限値は120.0であり、GI値の好ましい上限値は130.0である。
Md値:Md値は、σ相の析出し易さを示すパラメータであり、この値が高い鋼ほどσ相が析出し、耐食性が劣化する。図1に示す様にMd値が0.920未満の場合、塩酸水溶液中での腐食速度の増大が生じることなく、海洋環境や化学プラント環境において、許容される耐食性レベルを確保できる。これは、Md値が0.920未満となることで母材がσ相の析出を抑制させる合金成分となるためである。
Mdc値:Mdc値は、板厚中央におけるσ相の析出し易さを示すパラメータであり、この値が高い鋼ほどσ相が析出し、耐食性が劣化する。表2A〜表2Dに示す様にMdc値が0.40未満の場合、板厚中央におけるσ相の面積率は1.0%未満となり、海洋環境や化学プラント環境において、耐食性が良好な組織を呈している。これは、Mdc値が0.40未満となることで板厚中央がσ相の析出を抑制させる合金成分となるためである。
本実施形態のオーステナイト系ステンレス鋼板は、溶解、鋳造、熱延、焼鈍、冷延、焼鈍、酸洗の工程によって製造される。設備に特段の制限はなく、常法の製造設備を使用できる。
詳細に本発明の効果を確認するため、以下の実験を行った。なお、本実施例は本発明の一実施例を示すものであり、本発明は以下の構成に限定されるものではない。
表1A〜表1Dに示す化学成分を有するステンレス鋼を真空誘導溶解炉にて溶製し、鋳造した。次いで、1200℃にて均熱処理を施し、次いで熱間鍛造し、板厚が6mmになるまで熱間圧延し、焼鈍、酸洗を行った。次いで、板厚が1mmになるまで冷間圧延し、更に焼鈍、酸洗した。以上により鋼板を製造した。以下の方法により特性試験を行った。
CPT:鋼板表面での耐食性を評価するために、孔食発生の臨界温度(CPT)を測定した。6%塩化第二鉄水溶液に1%塩酸を加えて試験液を作製した。鋼板の全面を#600エメリー湿式研磨仕上げした。恒温槽を用いて温度を一定にした試験液中に、鋼板を72h浸漬させた。浸漬後の鋼板において、孔食の発生の有無を調べた。種々の試験液の温度で上記試験を行った。孔食が発生する最も低い試験液の温度をCPT(孔食発生臨界温度)とした。
塩酸浸漬試験:すきま腐食が生じた場合に生じる全面腐食を模擬して腐食の進展性を評価するために、塩酸浸漬試験を行った。鋼板の全面を#600エメリー湿式研磨仕上げした。この鋼板を80℃の1mol/L塩酸水溶液に6h浸漬させた。試験前後の鋼板の重量差から腐食速度を計算した。
板厚中央部でのσ相の面積率:圧延方向に沿った鋼板の断面を鏡面研磨し、KOH電解エッチングでσ相を現出させた.次いで400倍に拡大された視野(断面)にて観察されるσ相の面積を画像解析により測定した。観察した視野の数は200視野であった。
塩化第二鉄腐食試験:板厚中央部での耐食性を評価するために、塩化第二鉄腐食試験を行った。6%塩化第二鉄水溶液に1%塩酸を加えて試験液を作製した。鋼板の片面を#600エメリー湿式研磨し、鋼板の板厚方向の中央を表面に露出させた。以上により試料を作製した。85℃の試験液に、試料の全面を72h浸漬させた。浸漬後の試料において、腐食の発生の有無を調べた。
CPTの測定結果を表2A〜表2Dに示す。本発明鋼(ただし、発明鋼31,36は参考例)はいずれもCPTが85℃を超えており、良好な耐食性を示している。一方、PI値が44.0未満の比較鋼は、CPTが85℃以下であり、耐食性が不十分である。
塩酸浸漬試験の結果を表2A〜表2D及び図1に示す。本発明鋼(ただし、発明鋼31,36は参考例)はいずれも腐食速度が7.5g・m−2・h−1以下であり、良好な耐食性を示している。一方、GI値が120未満の比較鋼は腐食速度が7.5g・m−2・h−1を超えており、耐食性が不十分である。また、GI値が150超の比較鋼も同様に腐食速度が7.5g・m−2・h−1を超えており、耐食性が不十分である。更に、図1では、Md値が0.92以上の鋼の評価結果を黒丸で示し、Md値が0.92未満の鋼の評価結果を白丸で示した。Md値が0.92以上の鋼では、GI値が120〜150の範囲であっても腐食速度が7.5g・m−2・h−1超える値を示しており、耐食性が不十分であった。
板厚中央部のσ相の面積率および塩化第二鉄腐食試験の結果を表2A〜表2Dに示す。本発明鋼(ただし、発明鋼31,36は参考例)はいずれも板厚中央のσ相の面積率が1%未満であり、塩化第二鉄腐食試験において腐食の発生は認められず、板厚中央部においても良好な耐食性を示している。一方、Mdc値が0.4以上の比較鋼では、板厚中央のσ相の面積率が1%を超えており、また塩化第二鉄腐食試験において腐食が発生しており、板厚中央部の耐食性が不十分である。
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本実施形態の高耐食オーステナイト系ステンレス鋼板は、高塩分環境で極めて優れた耐すきま腐食性が得られる。このため、本実施形態の高耐食オーステナイト系ステンレス鋼板は、海洋鋼構造体用の材料、海洋構造体ライニング材用の材料,排煙脱硫装置用の材料,食品製造プラント用の材料,建築外装材用の材料,製塩プラント用の材料,温水貯蔵用の材料,化学プラント用の材料,下水処理設備用の材料,オゾン処理設備用の材料,海水淡水化プラント用の材料,海水ポンプ用の材料,又は自動車のEGR(Exhaust Gas Recirculation)クーラー用の材料として適用可能である。

Claims (7)

  1. 質量%で、
    C:0.1%以下、
    Si:1.0%以下、
    Mn:1.0%以下、
    P:0.1%以下、
    S:0.005%以下、
    Ni:20.0〜37.0%、
    Cr:18.0〜28.0%、
    Mo:4.0〜5.99%、
    Cu:0.5〜2.5%、
    N:0.20〜0.40%、及び
    Al:0.001〜0.10%、を含有し、
    残部はFeおよび不可避不純物からなり、
    下記(1)式で定義されるPI値が44.0〜50.0、
    下記(2)式で定義されるGI値が120.0〜150.0、
    下記(3)式で定義されるMd値が0.920未満、
    下記(4)式で定義されるMdc値が0.2以下であり、
    面積率で、板厚中央のσ相の量が1.0%未満である、高耐食オーステナイト系ステンレス鋼板。
    PI=Cr+3.3Mo+16N … (1)
    GI=−Cr+4Ni+5Mo+18Cu … (2)
    Md=(1.142Cr+0.717Ni+1.550Mo+0.957Mn+0.6515Cu+1.33Si+1.9Al+0.858Fe−1.4N−0.43C)/100 … (3)
    Mdc=(Md−0.91)×(Cr+2Mo) … (4)
    ただし、式(1),(2),(4)中の元素記号は、単位が質量%の各元素の含有量であり、式(3)中の元素記号は、単位が原子%の各元素の含有量である。
  2. 質量%で、
    C:0.1%以下、
    Si:1.0%以下、
    Mn:1.0%以下、
    P:0.1%以下、
    S:0.005%以下、
    Ni:20.0〜37.0%、
    Cr:18.0〜28.0%、
    Mo:4.0〜5.99%、
    Cu:0.5〜2.5%、
    N:0.20〜0.40%、及び
    Al:0.001〜0.10%、を含有し、
    残部はFeおよび不可避不純物からなり、
    下記(1)式で定義されるPI値が44.0〜50.0、
    下記(2)式で定義されるGI値が120.0〜130.0、
    下記(3)式で定義されるMd値が0.920未満、
    下記(4)式で定義されるMdc値が0.40未満であり、
    面積率で、板厚中央のσ相の量が1.0%未満である、高耐食オーステナイト系ステンレス鋼板。
    PI=Cr+3.3Mo+16N … (1)
    GI=−Cr+4Ni+5Mo+18Cu … (2)
    Md=(1.142Cr+0.717Ni+1.550Mo+0.957Mn+0.6515Cu+1.33Si+1.9Al+0.858Fe−1.4N−0.43C)/100 … (3)
    Mdc=(Md−0.91)×(Cr+2Mo) … (4)
    ただし、式(1),(2),(4)中の元素記号は、単位が質量%の各元素の含有量であり、式(3)中の元素記号は、単位が原子%の各元素の含有量である。
  3. 質量%で、
    C:0.1%以下、
    Si:1.0%以下、
    Mn:1.0%以下、
    P:0.1%以下、
    S:0.005%以下、
    Ni:20.0〜37.0%、
    Cr:18.0〜28.0%、
    Mo:4.0〜6.50%、
    Cu:0.5〜2.5%、
    N:0.20〜0.40%、及び
    Al:0.001〜0.10%、を含有し、
    残部はFeおよび不可避不純物からなり、
    下記(1)式で定義されるPI値が44.0〜50.0、
    下記(2)式で定義されるGI値が120.0〜150.0、
    下記(3)式で定義されるMd値が0.909以下、
    下記(4)式で定義されるMdc値が0.40未満であり、
    面積率で、板厚中央のσ相の量が1.0%未満である、高耐食オーステナイト系ステンレス鋼板。
    PI=Cr+3.3Mo+16N … (1)
    GI=−Cr+4Ni+5Mo+18Cu … (2)
    Md=(1.142Cr+0.717Ni+1.550Mo+0.957Mn+0.6515Cu+1.33Si+1.9Al+0.858Fe−1.4N−0.43C)/100 … (3)
    Mdc=(Md−0.91)×(Cr+2Mo) … (4)
    ただし、式(1),(2),(4)中の元素記号は、単位が質量%の各元素の含有量であり、式(3)中の元素記号は、単位が原子%の各元素の含有量である。
  4. 質量%で、
    C:0.1%以下、
    Si:1.0%以下、
    Mn:1.0%以下、
    P:0.1%以下、
    S:0.005%以下、
    Ni:20.0〜37.0%、
    Cr:18.0〜28.0%、
    Mo:4.0〜7.0%、
    Cu:0.5〜2.5%、
    N:0.10〜0.40%、及び
    Al:0.001〜0.10%、を含有し、
    残部はFeおよび不可避不純物からなり、
    下記(1)式で定義されるPI値が44.0〜50.0、
    下記(2)式で定義されるGI値が120.0〜150.0、
    下記(3)式で定義されるMd値が0.909以下、
    下記(4)式で定義されるMdc値が0.40未満であり、
    面積率で、板厚中央のσ相の量が1.0%未満である、高耐食オーステナイト系ステンレス鋼板。
    PI=Cr+3.3Mo+16N … (1)
    GI=−Cr+4Ni+5Mo+18Cu … (2)
    Md=(1.142Cr+0.717Ni+1.550Mo+0.957Mn+0.6515Cu+1.33Si+1.9Al+0.858Fe−1.4N−0.43C)/100 … (3)
    Mdc=(Md−0.91)×(Cr+2Mo) … (4)
    ただし、式(1),(2),(4)中の元素記号は、単位が質量%の各元素の含有量であり、式(3)中の元素記号は、単位が原子%の各元素の含有量である。
  5. 質量%で、以下の第1群及び第2群から選択される1種または2種以上を含有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の高耐食オーステナイト系ステンレス鋼板。
    第1群
    B:0.0002〜0.0050%、
    Ca:0.0002〜0.0050%、
    Mg:0.0002〜0.0050%、及び
    REM:0.001〜0.10%。
    第2群
    Ti:0.001〜0.40%、
    Nb:0.001〜0.40%、
    Ta:0.001〜0.40%、
    Zr:0.001〜0.40%、
    V:0.01〜0.50%、
    W:0.01〜1.0%、
    Sn:0.001〜0.50%、
    Sb:0.001〜0.50%、及び
    Ga:0.0001〜0.50%。
  6. 質量%で、以下の第1群及び第2群から選択される1種または2種以上を含有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の高耐食オーステナイト系ステンレス鋼板。
    第1群
    B:0.0002〜0.0050%、
    Ca:0.0002〜0.0050%、
    Mg:0.0002〜0.0050%、及び
    REM:0.001〜0.10%。
    第2群
    Ti:0.001〜0.40%、
    Nb:0.001〜0.40%、
    Ta:0.001〜0.40%、
    Zr:0.001〜0.40%、
    W:0.01〜1.0%、
    Sn:0.001〜0.50%、
    Sb:0.001〜0.50%、及び
    Ga:0.0001〜0.50%。
  7. 海洋鋼構造体、海洋構造体ライニング材、排煙脱硫装置、食品製造プラント、建築外装材、製塩プラント、温水貯蔵、化学プラント、下水処理設備、オゾン処理設備、海水淡水化プラント、海水ポンプ、又は自動車のEGR(Exhaust Gas Recirculation)クーラーに用いられることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の高耐食オーステナイト系ステンレス鋼板。
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