JP5366609B2 - 耐食性の良好な省合金二相ステンレス鋼材とその製造方法 - Google Patents

耐食性の良好な省合金二相ステンレス鋼材とその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、大気環境、水環境、および塩化物環境で使用されるオーステナイト相とフェライト相の二相を有する二相ステンレス鋼のうち、Ni,Mo等の高価な合金の含有量を抑えた省合金二相ステンレス鋼材に係わる。詳しくは溶体化熱処理を施した二相ステンレス圧延鋼材であり、たとえばダム、水門、真空設備用材料、海水淡水化用材料、石油精製、化学工業などのプラントにおける配管や熱交換器等として従来オーステナイト系ステンレス鋼が使われていた分野の一部に代替して本発明鋼材を用いることができる。
二相ステンレス鋼は、鋼の組織にオーステナイト相とフェライト相の両相を有し、高強度高耐食性の材料として以前から石油化学装置材料、ポンプ材料、ケミカルタンク用材料等に使用されている。更に、二相ステンレス鋼は、一般に低Niの成分系であることから、直近の金属原料高騰の状況に伴い、ステンレス鋼の主流であるオーステナイト系ステンレス鋼より合金コストが低く、かつ変動が少ない材料として注目を浴びている。
二相ステンレス鋼の直近のトピックとして省合金タイプの開発とその使用量増加がある。省合金タイプとは、従来の二相ステンレス鋼より高価な合金の含有量を抑え、低い合金コストであることのメリットを更に増大させた鋼種で、特許文献1〜3等に開示されている。これらはASTM-A240で規格化されており、それぞれS32001、S32101、S32304に対応する。従来の二相ステンレス鋼のメイン鋼種はJIS SUS329J3LやSUS329J4Lであるが、これらはオーステナイト系の高耐食鋼SUS316Lよりも更に高耐食であり、高価なNiやMoをそれぞれ約6〜7%,約3〜4%添加している。これに対し省合金二相ステンレス鋼は、耐食性をSUS316Lもしくは汎用鋼のSUS304Lに近いレベルとした代わりに、NiやMoをNやMnで代用し、NiやMoをS32304では約1〜4%,S32101では約0〜1%と大幅に低減している。
特にNは、オーステナイト相を安定にしかつオーステナイト相に固溶して強度、耐食性を高める有効な元素であり、特に二相ステンレス鋼の場合、Cr,Moはフェライト相に濃化するためオーステナイト相の耐食性を確保するためにはNの添加は重要である。更に、溶接される鋼材の場合、二相ステンレス鋼では溶接熱影響部において加熱によりフェライト相割合が増加するが、冷却時に冷却速度が大きいため拡散が追いつかず、オーステナイトに変態しきらずに高フェライト量のままとなり、耐食性を大きく低下させることがあるが、拡散速度の大きいNを添加することにより、このような場合でもオーステナイト相を確保出来る効果があることから、積極的に添加される。
US/4828630号公報 特開昭61−56267号公報 WO2002/27056号公報
これらの省合金二相ステンレス鋼においては、本来、SUS304やSUS316Lと比べ遜色ない耐食性を有するように設計されているにもかかわらず、また、ASTM-A480で規定された溶体化熱処理条件、即ち所定の温度で保定後水冷を規定通り行っているにも関わらず、耐食性が本来対応するオーステナイト系鋼種、例えば、S32101はSUS304、S32304はSUS316Lより低くなる現象が、特にNiをNで代替して高Nとなった省合金二相ステンレス鋼でしばしば発生した。
本発明は、省合金タイプの二相ステンレス鋼について、成分設計を変えず合金コストを極力抑えた上で、上述のような耐食性の低下を生じない省合金二相ステンレス鋼を提供することを目的とする。
本発明者らは、21Cr−1.5Ni−5Mn−0.21%N系を含むNi節減型二相ステンレス鋼と種々の実験室溶製鋼の鋼片を用いて熱間圧延・溶体化熱処理実験を行い、耐食性評価と組織観察を進めた結果、金属組織観察で耐食性良好な鋼材を判別できること、更に、それを得るためには適正な熱処理、冷却の履歴を確保することで、耐食性向上成分を付加せずに、省合金二相ステンレス鋼材の耐食性が改善されることを見出した。
まず、供試材の耐食性を評価し、かつその鋼材の組織を種々の方法で観察した結果、当該鋼材において耐食性低下をもたらすのはフェライト相粒界への窒化物の析出による鋭敏化であり、更に、鋭敏化の評価法として知られているJIS G0571規定の10%しゅう酸エッチ試験(以降エッチ試験と記載)を当該合金向けに改良した方法で組織観察を行い、結晶粒界の溝の合計長さを測定することにより、耐食性良好な鋼材を判別できることを見出した。
また、窒化物の析出を抑制する手法について熱処理条件を種々変更し鋭意検討した結果、溶体化熱処理の温度を一定範囲とし、その後の冷却条件を規定することにより、耐食性が向上することを見出した。
その結果、Ni節減型二相ステンレス鋼材の化学組成と組織および製造方法について明示した本発明に至った。
すなわち、本発明の要旨とするところは以下の通りである。
(1)質量%で、C:0.06%以下,Si:0.1〜1.5%,Mn:0.1〜6.0%,P:0.05%以下,S:0.005%以下,Ni:0.25〜4.0%,Cr:19.0〜24.0%,Mo:1.0%以下,Cu:3.0%以下,N:0.15〜0.25%、Al:0.003〜0.050%、O:0.007%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物である組成を有し、オーステナイト相面積率が30〜70%であり、鋼材表面と平行な面を検鏡面とし10%しゅう酸中で0.1A/cm2の電流密度で90秒間の電解エッチングを行い、少なくとも1mm2以上の観察視野で顕微鏡観察を行った際に、結晶粒界が溝となっている部分の合計長さが、観察視野1mm2あたり1.5mm以下であることを特徴とする、耐食性の良好な省合金二相ステンレス鋼材。
(2)更に、質量%でTi:0.003〜0.05%、Nb:0.02〜0.15%、V:0.05〜0.5%のうちの1種または2種以上を含有することを特徴とする(1)に記載の耐食性の良好な省合金二相ステンレス鋼材。
(3)更に、質量%で、W:0.03〜1.0%、Co:0.02〜1.0%のうちの1種または2種以上を含有することを特徴とする(1)または(2)に記載の耐食性の良好な省合金二相ステンレス鋼材。
(4)更に、質量%で、B:0.0005〜0.0040%、Ca:0.0005〜0.0050%、Mg:0.0001〜0.0030%、REM:0.005〜0.050%のうちの1種または2種以上を含有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の耐食性の良好な省合金二相ステンレス鋼材。
(5)(1)〜(4)のいずれか1項に記載の組成を有する二相ステンレス鋼の鋳片もしくは鋼片を熱間圧延し、この熱間圧延した鋼材に溶体化熱処理を930〜1080℃の均熱温度にて実施し、その後冷却時において930〜850℃までの通過時間を8秒以上とすることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の耐食性の良好な省合金二相ステンレス鋼材の製造方法。
本発明により、Ni節減型二相ステンレス鋼材の溶体化熱処理後の冷却条件を特定範囲に限定することにより窒化物の析出を抑制し、耐食性を良好にすることが出来た。その結果、大気環境、水環境、および塩化物環境で使用される耐食性を有すると共に衝撃靭性に優れた安価なNi節減型二相ステンレス鋼材を提供することが可能となり、ダム、水門、真空設備用材料、海水淡水化用材料、石油精製、化学工業などのプラントにおける配管や熱交換器等として従来オーステナイト系ステンレス鋼が使われていた分野の一部に代替して本発明鋼材を用いることができるなど産業上寄与するところは極めて大である。
本発明の省合金二相ステンレス鋼材の組織写真の例であり、矢印で示した結晶粒界が太く見えている部分が“溝”である。 本発明における溝の長さと臨界孔食発生温度の関係を示す図である。
以下に、先ず、本発明の(1)に記載の省合金二相ステンレス鋼材の鋼組成の限定理由について説明する。
Cは、ステンレス鋼の耐食性を確保するために、0.06%以下の含有量に制限する。0.06%を越えて含有させるとCr炭化物が生成して、耐食性,靱性が劣化する。
Siは、脱酸のため0.1%以上添加する。しかしながら、1.5%を超えて添加すると靱性が劣化する。そのため、上限を1.5%に限定する。好ましい範囲は、0.2〜1.0%である。
Mnは、脱酸のため0.1%以上添加する。さらに1%以上の添加によりオーステナイト相を増加させ靭性を改善するとともに、Nの固溶度を上げ窒化物を析出し難くし耐食性を向上させる効果を有する。しかしながら、6.0%を超えて添加すると上記効果が飽和するとともに不動態被膜を弱体化させ耐食性が劣化する。そのため、上限を6.0%に限定する。好ましい含有量は2.0〜6.0%であり、耐食性の点から最も好ましい範囲は2.0超〜4.0%未満である。
Pは、熱間加工性および靱性を劣化させるため、0.05%以下に限定する。好ましくは、0.03%以下である。
Sは、熱間加工性、靱性および耐食性をも劣化させるため、0.005%以下に限定する。好ましくは、0.0020%以下である。
Niは、二相ステンレス鋼中のオーステナイト相を増加させること、および加工誘起マルテンサイトの生成を抑制し靱性を向上させること、更に各種酸に対する耐食性を改善するのに有効な元素であり、0.25%以上は必須であるが、高価な合金であるため本発明では可能な限り抑制し4.0%以下とする。好ましい範囲は、1.0〜3.0%未満である。
Crは、基本的な耐食性を確保するため19.0%以上含有させる。一方24.0%を超えて含有させるとフェライト相分率が増加し靭性および耐食性を阻害する。このためCrの含有量を19.0%以上24.0%以下とした。好ましい含有量は19.0〜22.0%である。
Moは、ステンレス鋼の耐食性を付加的に高める非常に有効な元素でる。本発明鋼ではコストの点より1.0%以下の含有量を上限とするが、非常に高価な元素であり、さらには0.5%以下とすることが望ましい。
Cuは、ステンレス鋼の酸に対する耐食性を付加的に高める元素であり、かつオーステナイト相を安定にし靭性を改善する効果を有する。3.0%を越えて含有させると固溶度を超えてεCuが析出し脆化を発生するので上限を3.0%とした。好ましい含有量は0.5〜2.0%である。
Nは、前述のようにオーステナイト相を安定にしかつオーステナイト相に固溶して強度、耐食性を高め、特に溶接される鋼材の場合、溶接熱影響部の耐食性を高める有効な元素であり、積極的に添加される。
一方、Nの固溶限度を高めるCr,Moの少ない省合金二相ステンレス鋼の場合、高Nとすると前述のような粒界への窒化物析出による特性低下の問題が生じ、本発明に示される製造条件の最適化を必要とするようになる。その問題を生じるN量は、本発明鋼においては0.15%を超えた場合であり、これを本発明のN量の下限とした。一方、0.25%を越えて含有させると熱処理条件に関係なくCr窒化物を析出して靭性および耐食性を阻害するようになるため含有量の上限を0.25%とした。
Alは、鋼の脱酸のための重要な元素であり、鋼中の酸素を低減するためにSiとあわせて含有させる。Si含有量が0.3%を越える場合は添加しなくて良い場合もあるが、酸素量の低減は靭性確保のために必須であり、このために0.003%以上のAl含有が必要である。一方でAlはNとの親和力が比較的大きな元素であり、過剰に添加するとAlNを生じてステンレス鋼の靭性を阻害する。その程度はN含有量にも依存するが、Alが0.050%を越えると靭性低下が著しくなるためその含有量の上限を0.050%と定めた。好ましくは0.030%以下である。
O(酸素)は、非金属介在物の代表である酸化物を構成する重要な元素であり、過剰な含有は靭性を阻害する。また粗大なクラスター状酸化物が生成すると表面疵の原因となる。このためその含有量の上限を0.007%と定めた。好ましくは0.005%以下である。
オーステナイト相面積率は30〜70%の範囲にすることが必要である。30%未満では靱性不良が、70%超では応力腐食割れの問題が出てくる。また、何れの場合も耐食性が不良となる。当該オーステナイト量を確保するためには、本発明の規定範囲内でオーステナイト相増加元素とフェライト相増加元素の含有割合を調整することによって行う事が出来る。
次に、結晶粒界の溝の長さは本発明の二相ステンレス鋼材の耐食性を判定するための重要因子である。その評価方法について、JIS G0571規定との差異を以下に説明する。
まず、本発明の方法においては、鋭敏化熱処理は行わない。次に、検鏡面は鋼材表面と平行な面とする。これは、JIS規定の加工方向と直角の断面とした場合より、下記の点で優れているためである。二相鋼は圧延を行うと組織が厚み方向に圧縮され、非常に薄いα層、γ相が交互に並んでいる形となっている。それに対し鋼材表面と平行な面の組織は圧縮がされておらず、比較的粗大な組織が観察され、以下の測定をしやすい。更に当該面は実際に腐食環境に晒される面であるため直接的な評価になることもあり、当該面を選定した。検鏡面はJISと同様バフ研磨する。エッチングはJISと同様10%しゅう酸溶液中で電解エッチングを行うが、JISに規定されたエッチング面積1cm2当たりの電流を1Aに調整して90秒電解する条件では当該二相ステンレス鋼の場合フェライト相が過剰にエッチングされるため、本発明では電流値を面積1cm2当たり0.1Aとし90秒電解する。エッチング完了サンプルを顕微鏡で観察し、以下に示す判定を行う。
結晶粒界に鋭敏化が見られる場合、当該エッチングによって結晶粒界が溝となる。JIS規定では、結晶粒が一つ以上溝に囲まれている場合を溝状組織、部分的に溝のある組織を混合組織とする判定を行うことが規定されているが、本発明の場合は、溝状組織および混合組織において、視野内の全結晶粒界のうち、溝となっている部分の総長を計算する。この際、サンプルにおける鋭敏化の不均一の可能性も考慮して、少なくとも1mm2以上の面積について観察する必要がある。図1に組織写真の例を示す。白い矢印で示したものが結晶粒界の溝である。図2に3種類の省合金二相ステンレス鋼厚板において、溶体化熱処理法を変化させた試験片における溝の総長と耐食性との関係を示す。溝の総長が短くなるにつれ耐食性が向上し、1.5mm以下でほぼ飽和し、従って、1mm2あたり1.5mm以下の場合に良好な耐食性を有することが分かった。具体的な評価手順としては、例えばJIS規定と同様の200倍で、5視野の組織写真を撮影した場合、Lサイズ89mm×127mmの写真5視野分で1.413mm2となるから1.5×1.413=2.12mm長さ、光顕写真上では200倍して424mm以上、溝が無いことを確認すればよい。
次に、本発明の(2)に記載の省合金二相ステンレス鋼材の鋼組成の限定理由について説明する。
Tiは、極微量で窒化物を形成しCr窒化物の析出を抑制する効果があり、必要に応じて添加される。
上記効果を発揮するには0.003%以上の添加が必要である。
一方0.05%を越えて二相ステンレス鋼に含有させると粗大なTiNが生成して鋼の靭性を阻害するようになる。このためその含有量を0.003〜0.05%と定めた。Tiの好適な含有率は0.003〜0.020%である。
Nbは、同様にCr窒化物の析出を抑制し耐食性を高める作用も有する。また、Nbが形成する窒化物、炭化物は熱間加工および熱処理の過程で生成し、結晶粒成長を抑制し、鋼材を強化する作用を有する。このために0.02%以上含有させる。一方過剰な添加は熱間圧延前の加熱時に未固溶析出物として析出するようになって靭性を阻害するようになるためその含有量の上限を0.15%と定めた。添加する場合の好ましい含有率範囲は、0.03%〜0.10%である。
Vも同様に耐食性を高める目的のために0.05%以上含有させるが、0.5%を超えて含有させると粗大なV系炭窒化物が生成し、靱性が劣化する。そのため、上限を0.5%に限定する。添加する場合の好ましい含有量は0.06〜0.30%の範囲である。
次に、本発明の(3)に記載の省合金二相ステンレス鋼材の鋼組成の限定理由について説明する。
Wは、Moと同様にステンレス鋼の耐食性を付加的に向上させる元素であり、Vに比べて固溶度が大きい。本発明鋼において耐食性を高める目的のためには0.03〜1.0%を含有させる。
Coも鋼の耐食性を高めるために有効な元素であり、選択的に添加される。その含有量が0.02%未満であると効果が少なく、1.0%を越えて含有させると高価な元素であるためにコストに見合った効果が発揮されないようになる。そのため添加する場合の含有量を0.02〜1.0%と定めた。
更に、本発明の(4)に記載の省合金二相ステンレス鋼材の鋼組成の限定理由について説明する。
B,Ca,Mg,REMは、いずれも鋼の熱間加工性を改善する元素であり、その目的で1種または2種以上添加される。B,Ca,Mg,REMいずれも過剰な添加は逆に熱間加工性および靭性を低下するためその含有量の上下限を次のように定めた。Bについては0.0005〜0.0040%、Caについては0.0005〜0.0050%、Mgについては0.0001〜0.0030%、REMについては0.005〜0.050%である。ここでREMはLaやCe等のランタノイド系希土類元素の含有量の総和とする。
次に、本発明の(5)に記載の省合金二相ステンレス鋼材の製造方法について説明する。
本発明の鋼材の製造方法として、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の組成を有する二相ステンレス鋼の鋳片もしくは鋼片を熱間圧延し、この熱間圧延した鋼材に溶体化熱処理を施すものである。
溶体化熱処理は熱間圧延における加工組織を再結晶させ、更に熱間圧延中に析出したCr炭窒化物を固溶させるために実施する。このためには930℃以上の温度が必要である。一方、析出物の固溶と再結晶は熱処理温度が高いほど進行するが、高すぎると組織の粗大化が進行し、靭性を低下させる。このため1080℃以下の均熱温度とすることが必要である。好ましくは950〜1050℃である。
溶体化熱処理直後の冷却条件が本発明における製造条件の規定に関する重要因子である。溶体化熱処理によりフェライト相に窒素が固溶するが、フェライト相の窒素固溶限は比較的小さく、冷却時に固溶限を超えた分の窒化物が粒界に析出することにより鋭敏化を生じる。その析出速度は過飽和窒素量に対応するため、窒化物析出温度域の800℃以下になる際のフェライト相に固溶している窒素量を低減しておくことにより、窒化物析出を抑制できる。そのためには、溶体化熱処理後、ただちに水冷を行わず、窒化物析出温度域まで緩冷却を行うことにより、近傍のオーステナイト相に窒素を拡散吸収させフェライト相の固溶窒素量を低減することが有効である。具体的には、930℃〜850℃間の通過時間が8秒以上であればよい。上限の930℃を超える温度ではフェライト相中の平衡N濃度が高いため固溶N濃度の低下が少ない。下限の850℃未満では拡散が遅くなり効果を期待し難い。この温度間を緩冷却することで、オーステナイト相が固溶Nを吸収しうる十分な時間を確保することができる。
以下に実施例について記載する。表1に供試鋼の化学組成を示す。空欄は無添加ゆえ分析していないことを示す。なお表1に記載されている成分以外はFeおよび不可避的不純物元素である。また表中のREMはランタノイド系希土類元素を意味し、含有量はそれら元素の合計を示している。これらの鋼は実験室の50kg真空誘導炉によりMgOるつぼ中で溶製され、厚さが約100mmの扁平鋼塊に鋳造した。鋼塊の本体部分より熱間圧延用素材を加工し、1180℃の温度に1〜2h再加熱後、仕上温度約950℃の条件にて圧延し12mm厚×約700mm長の熱間圧延鋼板を得た。なお圧延直後の鋼材温度が800℃以上の状態より200℃以下までスプレー冷却を実施した。
溶体化熱処理については、表2の「熱処理温度」に示す温度で20分均熱後、空冷もしくは風冷にて徐冷を行い、その後852〜883℃の範囲から水冷した。試験材に熱電対を取り付け、溶体化熱処理温度から850℃に到る温度履歴を測定し、930〜850℃までの所要時間を求めた。
次に、以下の通り特性評価を行った。熱間加工性の評価は圧延材約700mmのうち最も長い耳割れの長さを耳割れ長さとし、この大小を比較した。オーステナイト面積率については、圧延方向と平行な断面を埋込み鏡面研磨し、KOH水溶液中で電解エッチングを行った後、光学顕微鏡観察により画像解析を行うことによってフェライト面積率を測定し、残りの部分をオーステナイト面積率とした。更に耐食性を評価すべく、表層から各サンプルより8枚ずつ採取した試験片の表面を#600研磨し、ASTM G48 のE法に規定されたCPT(臨界孔食発生温度)測定を行った。
更に、表層から採取した試験片の表面を、凹凸を除去した後樹脂に埋め込み鏡面研磨したものに、10%シュウ酸溶液中で0.1A/cm2×90秒間の電解を行う弱電流エッチ試験を行った。当該材を500倍で光顕観察し、Lサイズ5枚の写真を撮影し、粒界が溝状となっている部分の長さを測定し合計し1mm2当りの溝の総長を算出した。
評価結果を表2に示す。本発明の鋼組成と溶体化熱処理条件を満足する鋼No.1〜14の発明例は、いずれも良好な耐食性と靱性を示した。なお、靱性については、母材の−20℃でのVノッチシャルピー値が170J/cm2以上を良好と判定した。
鋼No.1,2,Aについては、熱処理条件を種々変更して評価した。それによって溝の出来かたが異なっていた。溝の長さと臨界孔食発生温度(CPT)の関係を図1に示す。
鋼の違いによって臨界温度(CPT)のレベルは異なるが、本発明に該当する鋼No.1,2の場合はいずれも1mm2当りの溝の総長が1.5mmを超えると大きくCPTが低下しており、1mm2当りの溝の総長が1.5mm以下であれば鋼の耐食性を良好に維持できることが判る。また、熱処理温度を930〜1080℃とし、930〜850℃間の通過時間を8秒以上とすることで、1mm2当りの溝の総長を1.5mm以下に抑制できた。900℃熱処理では耐食性は良好だが、再結晶が不良であった。発明例の他の鋼はいずれも1000℃×20分の熱処理後、930〜850℃間の通過時間を12秒前後としたもので1mm2当りの溝部合計長さ、CPTを良好に出来た。なお、鋼組成が本発明に該当しない、Nの低い鋼No.Aでは、耐食性が鋼No.1,2より若干低いが、冷却速度が速くても耐食性を維持した。
熱間加工性については、P,S,Cuが過剰な場合に低下し、耳割れが25mm以上となった(鋼No.F,G,J)。また、B,Ca,Mg,REMの添加(表2の鋼No.2,5,6,7,9)によって向上し耳割れが非常に少なくなった。
靭性については、Si,Alの高いNoD,L、および逆に少なすぎて脱酸不良でOの多いNo.C,Kは介在物により低靭性であった。No.IはCrが高すぎるためフェライト量過多となり、靱性が低下した。
耐食性については、C,Mn,Sが過剰の鋼No.B,E,GおよびCrの少なすぎる鋼No.Hは不良であった。高NのNo.Mは1000℃×20分の熱処理後、930〜850℃間の通過時間を10秒とした熱処理でも窒化物析出により耐食性が低下した。
以上の実施例からわかるように本発明により耐食性が良好な省合金型二相ステンレス鋼が得られることが明確となった。
本発明により、ダム、水門、真空設備用材料、海水淡水化用材料、石油精製、化学工業などのプラントにおける配管や熱交換器等として従来オーステナイト系ステンレス鋼が使われていた分野の一部に代替して安価なNi節減型二相ステンレス鋼材を用いることができるなど産業上寄与するところは極めて大である。

Claims (5)

  1. 質量%で、C:0.06%以下,Si:0.1〜1.5%,Mn:0.1〜6.0%,P:0.05%以下,S:0.005%以下,Ni:0.25〜4.0%,Cr:19.0〜24.0%,Mo:1.0%以下,Cu:3.0%以下,N:0.15〜0.25%、Al:0.003〜0.050%、O:0.007%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物である組成を有し、オーステナイト相面積率が30〜70%であり、鋼材表面と平行な面を検鏡面とし10%しゅう酸中で0.1A/cm2の電流密度で90秒間の電解エッチングを行い、少なくとも1mm2以上の観察視野で顕微鏡観察を行った際に、結晶粒界が溝となっている部分の合計長さが、観察視野1mm2あたり1.5mm以下であることを特徴とする、耐食性の良好な省合金二相ステンレス鋼材。
  2. 更に,質量%で、Ti:0.003〜0.05%、Nb:0.02〜0.15%、V:0.05〜0.5%のうちの1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の耐食性の良好な省合金二相ステンレス鋼材。
  3. 更に,質量%で、W:0.03〜1.0%、Co:0.02〜1.0%のうちの1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の耐食性の良好な省合金二相ステンレス鋼材。
  4. 更に,質量%で、B:0.0005〜0.0040%、Ca:0.0005〜0.0050%、Mg:0.0001〜0.0030%、REM:0.005〜0.050%のうちの1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の耐食性の良好な省合金二相ステンレス鋼材。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の組成を有する二相ステンレス鋼の鋳片もしくは鋼片を熱間圧延し、この熱間圧延した鋼材に溶体化熱処理を930〜1080℃の均熱温度にて実施し、その後冷却時において930〜850℃までの通過時間を8秒以上とすることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の耐食性の良好な省合金二相ステンレス鋼材の製造方法。
JP2009076611A 2009-03-26 2009-03-26 耐食性の良好な省合金二相ステンレス鋼材とその製造方法 Active JP5366609B2 (ja)

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