JP6018364B2 - 線状加熱性に優れたケミカルタンカー用二相ステンレス鋼 - Google Patents
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省合金タイプとは、従来の二相ステンレス鋼より高価な合金の含有量を抑え、オーステナイト系より合金コストが低いメリットを更に増大させた鋼種で、特許文献1〜3等に開示されている鋼種が該当する。うち特許文献1と2はASTM−A240で規格化されており、前者はS32304(代表成分23Cr−4Ni−0.17N)、後者はS32101(代表成分22Cr−1.5Ni−5Mn−0.22N)に対応する。
従来鋼のメイン鋼種であるJIS SUS329J3LやSUS329J4Lは、オーステナイト系の高耐食鋼SUS316Lよりも更に高耐食であり、高価なNiやMoをそれぞれ約6〜7%(以下、成分についての%は質量%を意味する)、約3〜4%添加している。
特許文献3は、S32304の改良型として、酸性環境における耐食性を高めるためにCuを、強度を高めるためにNb,V,Tiの何れかを添加したものである。
また、特許文献4は、延性および深絞り性に優れたオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼として、省合金二相鋼の成分系を規定しているが、その中で、選択元素として0.5%以下のV添加をしており、その効果として鋼の組織を微細化し強度を高める元素とある。
この課題を克服するために、発明者らは特許文献5において、C:0.06%以下、Si:0.1〜1.5%、Mn:2.0〜4.0%、P:0.05%以下、S:0.005%以下、Cr:19.0〜23.0%、Ni:1.00〜4.0%、Mo:1.0%以下、Cu:0.1〜3.0%、V:0.05〜0.5%、Al:0.003〜0.050%、O:0.007%以下、N:0.10〜0.25%、Ti:0.05%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、Md30値が80以下、Ni−bal.が−8以上−4以下であり、かつN含有量の上限がNi−bal.との関係式で表され、オーステナイト相面積率が40〜70%であり、2×Ni+Cuが3.5以上であることを特徴とする溶接熱影響部の耐食性と靭性が良好な省合金二相ステンレス鋼を開示した。この発明のポイントは、固溶レベルの微量のV添加に加え、オーステナイト量推定式であるNi−bal.に応じたNの上限を規定することにより、HAZ部の窒化物析出を抑制することである。
線状加熱は、タンク用鋼材を加工する際、バーナーを掃引し線状に加熱する事によって曲げ加工を行う手法であり、場所によっては最大で1000℃程度まで加熱される。S32101等にこの線状加熱を適用すると、加熱部が低靭性となり、その結果、船に何らかの衝撃が付加された際に脆性割れを生じ得る。特許文献1の鋼が規格化されたS32304ではこのような課題はほとんどみられないが、Niを約4%含有し、比較的高価である。なお、特許文献1では「Ni、2から5.5%」との記載があるので、Niを2%まで低減することが許容されるが、実際に2%まで低下させたものは同様の現象が発現する。特許文献3記載の鋼でも同様である。
通常、フェライト中の固溶C,N量を低減する手法としては、Ti,Nbのような炭窒化物安定化元素を合金化する事が広く知られており、フェライトステンレス鋼では、C,N含有量を極低レベルに低減し、0.1〜0.6%程度のTi,Nbを添加した高純度フェライトステンレス鋼が実用化されている。
ところが、Nを多量に含有する省合金二相ステンレス鋼にこのような量のTi,Nbを合金化すると、当該Nが窒化物として多量に析出し、靭性を阻害することになる。
そこで、本発明者らはNとの親和力のあるV,Nb,B等の元素についての作用を考慮し、その含有量と省合金二相ステンレス鋼溶接HAZ部の耐食性と靭性との関連性を調査・研究することにより以下の知見を得た。
それに対し本願発明では、以下の考えに基づき固溶レベルのV添加に留めることにより、HAZ部の窒化物析出を抑制できるという知見を得た。その機構は次のとおりである。
ただし、従来法のようなVの多量添加を行うと、耐食性は向上するが靭性については多量のV窒化物が析出することとなり、従来鋼と同様に低下してしまう。
(1)質量%にて、
C :0.06%以下、 Si:0.1〜1.5%、
Mn:2.0〜4.0%、 P :0.05%以下、
S :0.005%以下、 Cr:19.0〜23.0%、
Ni:1.0〜4.0%、 Mo:1.0%以下、
Cu:0.1〜3.0%、 V :0.05〜0.5%、
Al:0.003〜0.050%、 O :0.007%以下、
N :0.10〜0.25%
を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、
オーステナイト相面積率が40〜70%で、
下記(1)式によるMd30値が80以下で、
下記(2)式によるNi−bal.が−8以上−4以下で、
700℃で3分間等温熱処理した後の−20℃におけるVノッチ試験片によるシャルピー衝撃値が146J/cm2以上であり、
溶体化熱処理された鋼材について、800〜1000℃で20分間の均熱処理後に、5秒以内に水冷に供した後、平衡的に窒化物が析出を開始する上限温度であるクロム窒化物析出温度TNが940℃以下となることを特徴とする線状加熱性に優れたケミカルタンカー用二相ステンレス鋼。
Md30=551−462(C+N)−9.2Si−8.1Mn−29(Ni+Cu)−13.7Cr−18.5Mo ・・・ (1)
Ni−bal.=Ni+0.5Mn+0.5Cu+30C+30N
−1.1(Cr+1.5Si+Mo)+8.2 ・・・ (2)
上記式において各元素名はその含有量の質量%を表す。
前記(1)に記載の(1)式に代えて、下記(1´)式によるMd30値が80以下で、
下記(3)式による値が0.003〜0.015であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の線状加熱性に優れたケミカルタンカー用二相ステンレス鋼。
Md30=551−462(C+N)−9.2Si−8.1Mn−29(Ni+Cu)−13.7Cr−18.5Mo−68Nb ・・・ (1´)
Nb×N ・・・ (3)
上記式において各元素名はその含有量の質量%を表す。
Ca:0.0050%以下、 Mg:0.0050%以下、
REM:0.050%以下、 B :0.0040%以下
から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の線状加熱性に優れたケミカルタンカー用二相ステンレス鋼。
Ti:0.05%以下、 Zr:0.03%以下、
Ta:0.1%以下、 W :1.0%以下、
Sn:0.1%以下
から選ばれる1種または2種以上を含有し、
Wを含有する場合については、前記(1)に記載の(2)式に代えて、下記(2´)式によるNi−bal.が−8以上−4以下であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の線状加熱性に優れたケミカルタンカー用二相ステンレス鋼。
Ni−bal.=Ni+0.5Mn+0.5Cu+30C+30N
−1.1(Cr+1.5Si+Mo+W)+8.2 ・・・ (2´)
上記式において各元素名はその含有量の質量%を表す。
請求項2においては、Nbの微量添加により靭性低下を更に抑制することが可能である。
請求項3においては、当該鋼の靭性低下を抑制しつつ、熱間加工性を更に向上させることが可能であり、また請求項4では、靭性と耐食性を更に向上させることが可能である。
請求項5においては、当該鋼の靭性低下を抑制しつつ更に耐食性を向上させることが出来る。
先ず、本発明の請求項1記載の限定理由について説明する。なお、成分についての%は、質量%を意味する。
Sは、Pと同様に鋼中に不可避的に含有される元素であって、熱間加工性、靱性および耐食性をも劣化させるため0.005%以下に限定する。好ましくは0.002%以下である。一方、含有量を極端に減することは大幅なコストアップになるため、好ましくは下限を0.0001%とする。
本発明鋼は、二相ステンレス鋼であるが省合金タイプのため、そのオーステナイト相は従来鋼より加工硬化しやすいと考えられる。本発明者らは、加工硬化度の大きい成分の材料は母材の靱性が低下することを見出し、Md30にて加工硬化度の上限を規定することとした。具体的には、Md30≦80で良好な靱性を得ることが出来る。
なお、後述する選択的成分であるNbを含有する場合は、下記(1´)式によるMd30にて加工硬化度の上限を規定する。(1)式と(1´)式において各元素名はその含有量の質量%を表す。
Md30=551−462(C+N)−9.2Si−8.1Mn−29(Ni+Cu)−13.7Cr−18.5Mo ・・・ (1)
Md30=551−462(C+N)−9.2Si−8.1Mn−29(Ni+Cu)−13.7Cr−18.5Mo−68Nb ・・・ (1´)
なお、後述する選択的成分であるWを含有する場合は、下記(2´)式によるNi―bal.にて規定する。(2)式と(2´)式において各元素名はその含有量の質量%を表す。
Ni−bal.=Ni+0.5Mn+0.5Cu+30C+30N
−1.1(Cr+1.5Si+Mo)+8.2 ・・・ (2)
Ni−bal.=Ni+0.5Mn+0.5Cu+30C+30N
−1.1(Cr+1.5Si+Mo+W)+8.2 ・・・ (2´)
クロム窒化物析出温度TNは、平衡的に窒化物が析出を開始する上限温度であり、実験的に求められる特性値である。溶体化熱処理された鋼材を800〜1000℃で20分間の均熱処理後、5秒以内に水冷に供し、冷却後の鋼材についてクロム窒化物の析出量を実施例で詳述する非金属介在物の電解抽出残渣分析法によって求め、Cr残渣量が0.03%以下となる均熱処理温度のうちの最低温度と規定する。
TNが低いほどクロム窒化物の析出する温度域が低温側に限定されるため、クロム窒化物の析出速度や析出量が抑制される。実験の結果、TNを940℃以下に設計すると本発明の目的である700℃におけるクロム窒化物析出を遅延させうることを見出した。
また、クロム窒化物が十分に平衡する時間として均熱処理温度を20分間に規定する。20分未満では析出量の変化が激しい区域に該当して測定の再現性が得られにくくなり、20分超で規定すると測定に長時間を要する。したがって、クロム窒化物を十分に平衡させて再現性を確保する観点からいえば、均熱処理温度を20分超としても構わない。
均熱処理後においては、水冷に供するまでに長時間を要すると徐々に鋼材温度が低下してクロム窒化物が析出してしまい、そうすると測定したかった温度でのクロム窒化物量とは異なる値が得られてしまう。したがって、均熱処理後5秒以内に水冷に供することとする。
また、Cr残渣量が0.03%以下となる温度のうちの最低温度と規定したのは、実験によって残渣量0.03%以下が耐食性や靭性に悪影響を及ぼさない析出量であることを確認したことによる。
Npre=12Cr+50Si+36Mo−20Ni−15Mn−19Cu+470N−290C+620
Nbは前述の通り、Nの活量を下げ窒化物析出を抑制するのに有効な元素であり、選択的に添加される。但し、Nとの親和力が比較的高く、少量の添加でNb窒化物を析出してしまうので取り扱いには注意する必要がある。そこで、固溶限以下の添加となるようNとの関係式によって求められる上限までの添加をすることで、Vの効果を更に補填することが出来る。この効果を得るためにはNbは0.02%以上添加させる必要がある。しかしながら過剰添加するとNb窒化物が析出し、母材を含めた靱性を損ねるので0.15%以下である必要がある。
更に、いわゆる固溶度積を求める下記(3)式による値が0.003〜0.015となるNb添加とすることで、上記に示す効果を得、かつ靱性へ悪影響を及ぼさないことはない。なお、(3)式において各元素名はその含有量の質量%を表す。
Nb×N ・・・ (3)
Ca,Mg,REM,Bは、いずれも鋼の熱間加工性を改善する元素であり、その目的で選択的に1種または2種以上添加される。一方、いずれも過剰な添加は逆に熱間加工性や耐食性を低下するため、その含有量の上限を次のように定めた。
CaとMgについては夫々0.0050%、REMについては0.050%である。ここでREMは、LaやCe等のランタノイド系希土類元素の含有量の総和とする。なお、CaとMgについては0.0005%から安定した効果が得られるので好ましい範囲は0.0005〜0.0050%であり、REMについては0.005%から安定した効果が得られるので好ましい範囲は0.005〜0.050%である。
Bは、好ましくは0.0003%以上添加することにより安定して粒界強度を上げ熱間加工性を向上できる。但し、過剰の添加は、過剰析出ホウ化物により却って熱間加工性を損ねるので上限を0.0040%とする。
Coは、鋼の靭性と耐食性を高めるために有効な元素であり、選択的に添加される。その含有量が0.02%未満であると効果が少なく、1.00%を越えて含有させると高価な元素であるためにコストに見合った効果が発揮されないようになる。そのため添加する場合の含有量を0.02〜1.00%と定めた。
Ti,Zr,Taは、添加によりCやSの耐食性への悪影響を抑制することができるが、過剰に添加すると靱性低下を生じる等の悪影響が発生するため、選択的に添加する場合の含有量は、Ti≦0.05%、Zr≦0.03%、Ta≦0.1%に限定した。
Wは、二相ステンレス鋼の耐食性を付加的に高めるために選択的に添加される元素であり、過剰添加はフェライト量の増加を招くため1.0%以下を含有させる。
Snは、耐酸性を付加的に向上させる選択的元素であり、熱間加工性の観点から0.1%を上限として添加することが出来る。
なお、Ti、Zr、Ta、W、Snの効果を安定して発揮する含有量は、それぞれ0.001%以上、0.003%以上、0.01%以上、0.05%以上、0.05%以上である。
(1) 12mm厚の供試鋼を後述する条件で溶体化熱処理する。
(2) 800〜1000℃の任意の温度で20分間均熱処理を行い、その後5秒以内に水冷を行う。
(3) 冷却後の供試鋼表層を#500研磨する。
(4) 3g試料を分取し、非水溶液中(3%マレイン酸+1%テトラメチルアンモニウムクロライド+残部メタノール)で電解(100mV定電圧)してマトリックスを溶解する。
(5) 0.2μm穴径のフィルターで残渣(=析出物)を濾過し、析出物を抽出する。
(6) 残渣の化学組成を分析し、そのクロム含有量を求める。この残渣中のクロム含有量をクロム窒化物の析出量の指標とする。
(7) (2)の均熱処理温度を種々変化させ、残渣中のクロム含有量が0.03%以下となる均熱処理温度のうちの最低温度をTNとする。
熱間加工性の評価は、圧延材約700mmのうち最も長い耳割れの長さを耳割れ長さとし、10mm以下のものを良好と判断した。
母材の衝撃特性については、JIS4号Vノッチシャルピー試験片を圧延直角方向より各3本切り出し、破壊が圧延方向に伝播するようにVノッチを加工して、最大エネルギー500J仕様の試験機にて−20℃での衝撃値を測定し、150J/cm2以上を良好と判断した。
更に耐食性を評価すべく、表層から採取した試験片の表面を#600研磨し、ASTM G48 Method E規定に準拠し、塩化第二鉄浸漬試験により孔食発生温度を測定した。そして、SUSより良好な10℃以上を良好と判断した。
本発明鋼では、圧延材の耳割れ、オーステナイト相面積率、母材の衝撃特性、CPT、700℃3分保定後の衝撃特性のいずれも良好な値を示した。No.11はTNが940℃を超えているが、高Ni,Cuのため母材の衝撃値が高いことから、700℃3分保定後の衝撃値をクリアしうる。
Nbについては、過剰添加のNo.Y、および、Nb×Nが0.021で本発明範囲(Nb×N:0.003〜0.015)を超えるNo.Zで靭性が低下した。なお、本発明鋼No.4のNb×Nは0.007、本発明鋼No.13のNb×Nは0.012である。
逆に、Niが少なすぎるNo.Lも靭性不良だった。
また、Md30が大きすぎる鋼No.Aも靭性が不良であった。
更に、Si、Alが少なすぎる鋼No.F、Pは脱酸不良となったため高Oとなり、多量の介在物起因の靱性不良となった。
また、Ca、Mg、REM、Bを過剰添加すると熱間加工性が低下した(鋼No.V、W、X、AA)。
更に、Si、Alが少なすぎる鋼No.F、Pは脱硫不良となったため高Sとなり、更に脱酸不良のためCa,REMが酸化物となりSを無害化できず熱間加工性不良となった。
一方、Ni−bal.が本発明範囲を上回るNo.Bで80%以上となり、その結果熱間加工性が低下した。
以上の実施例からわかるように本発明により線状加熱性が良好な省合金型二相ステンレス鋼が得られることが明確となった。
Claims (5)
- 質量%にて、
C :0.06%以下、
Si:0.1〜1.5%、
Mn:2.0〜4.0%、
P :0.05%以下、
S :0.005%以下、
Cr:19.0〜23.0%、
Ni:1.0〜4.0%、
Mo:1.0%以下、
Cu:0.1〜3.0%、
V :0.05〜0.5%、
Al:0.003〜0.050%、
O :0.007%以下、
N :0.10〜0.25%
を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、
オーステナイト相面積率が40〜70%で、
下記(1)式によるMd30値が80以下で、
下記(2)式によるNi−bal.が−8以上−4以下で、
700℃で3分間等温熱処理した後の−20℃におけるVノッチ試験片によるシャルピー衝撃値が146J/cm2以上であり、
溶体化熱処理された鋼材について、800〜1000℃で20分間の均熱処理後に、5秒以内に水冷に供した後、平衡的に窒化物が析出を開始する上限温度であるクロム窒化物析出温度TNが940℃以下となることを特徴とする線状加熱性に優れたケミカルタンカー用二相ステンレス鋼。
Md30=551−462(C+N)−9.2Si−8.1Mn−29(Ni+Cu)−13.7Cr−18.5Mo ・・・ (1)
Ni−bal.=Ni+0.5Mn+0.5Cu+30C+30N
−1.1(Cr+1.5Si+Mo)+8.2 ・・・ (2)
上記式において各元素名はその含有量の質量%を表す。 - 更に、質量%にて、
Nb:0.02〜0.15%
を含有し、
請求項1に記載の(1)式に代えて、下記(1´)式によるMd30値が80以下で、
下記(3)式による値が0.003〜0.015であることを特徴とする請求項1に記載の線状加熱性に優れたケミカルタンカー用二相ステンレス鋼。
Md30=551−462(C+N)−9.2Si−8.1Mn−29(Ni+Cu)−13.7Cr−18.5Mo−68Nb ・・・ (1´)
Nb×N ・・・ (3)
上記式において各元素名はその含有量の質量%を表す。 - 更に、質量%にて、
Ca:0.0050%以下、
Mg:0.0050%以下、
REM:0.050%以下、
B :0.0040%以下
から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の線状加熱性に優れたケミカルタンカー用二相ステンレス鋼。 - 更に、質量%にて、
Co:0.02〜1.00%
を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の線状加熱性に優れたケミカルタンカー用二相ステンレス鋼。 - 更に、質量%にて、
Ti:0.05%以下、
Zr:0.03%以下、
Ta:0.1%以下、
W :1.0%以下、
Sn:0.1%以下
から選ばれる1種または2種以上を含有し、
Wを含有する場合については、請求項1に記載の(2)式に代えて、下記(2´)式によるNi−bal.が−8以上−4以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の線状加熱性に優れたケミカルタンカー用二相ステンレス鋼。
Ni−bal.=Ni+0.5Mn+0.5Cu+30C+30N
−1.1(Cr+1.5Si+Mo+W)+8.2 ・・・ (2´)
上記式において各元素名はその含有量の質量%を表す。
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