JP5324149B2 - 耐食オーステナイト系ステンレス鋼 - Google Patents

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Description

本発明は、耐孔食性および耐すきま腐食性に優れた海水環境での熱交換器用オーステナイト系ステンレス鋼および排煙脱硫装置用オーステナイト系ステンレス鋼に関するものである。
ステンレス鋼は、その良好な耐食性から様々な分野で利用されているが、塩化物イオンが多く存在する環境下、たとえば海水環境や排煙脱硫装置内で用いられる場合には、孔食やすきま腐食など極めて有害な腐食が生じ易く、汎用ステンレス鋼であるSUS304やSUS316などを使用するには大きな制約があった。
そこで、CrやMo含有量を増加させ、またはNを添加することで耐食性を向上させる試みがなされてきており、例えば、Mo含有量が6.0%を超えるオーステナイト系ステンレス鋼等が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、Cr、Moの含有量が増加すると、ステンレス鋼の製造過程である鋳造時に、σ相やχ相などの金属間化合物が析出し易くなる。その結果、局所的なCr、Moの欠乏により耐食性の劣化や熱間加工性の劣化を招くことがあった。
このようなσ相などの金属間化合物の析出を回避するために、オーステナイト相生成元素であるNiまたはNを添加する方法が提案されている。しかしながら、Niは溶鋼中のNの溶解度を低下させるため、Niの必要以上の添加はCr−Mo系の窒化物の生成を助長させ、σ相やχ相などの金属間化合物と同様に局所的なCr、Moの欠乏により耐食性の低下を招く。また、Nの必要以上の添加は溶鋼中におけるNの溶解度を超えるため、Cr−Mo系窒化物の析出により耐食性の低下を招く。
上記のように、ステンレス鋼の耐食性はCr、Mo以外にもNi、Nまたはその両方により影響されるが、耐食性とNi含有量及びN含有量の関係は解明されておらず、塩化物イオンが多く存在する環境下での耐孔食性および耐すきま腐食性の向上が求められている。
特開昭52−95524号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、σ相などの金属間化合物またはCr−Mo系の窒化物の析出を抑制し、これにより海水環境等、高濃度の塩化物イオン環境における耐孔食性および耐すきま腐食に優れ、熱交換器用や排煙脱硫装置用に用いることができるオーステナイト系ステンレス鋼を提供することを目的とする。
発明者らは、市販の汎用ステンレス鋼、2相ステンレス鋼、高耐食オーステナイトステンレス鋼及び一般的にステンレス鋼より良好な耐食性を有するNi基耐食合金の耐食性と、米国材料試験協会(American Society for Testing and Materials、以下ASTMと略称する)により規定されたG48 Method Dにより評価した臨界すきま腐食発生温度(以下、CCTと略称する)にはある良好な相関関係があるとの知見を得た。また、海水用あるいは排煙脱硫装置用としての使用に耐え得るには、少なくとも70℃以上の環境で耐すきま腐食性を有する必要があることが判った。そして、Cr、Mo及びNは、耐すきま腐食性を向上させる元素であって、耐食性への寄与の程度から各元素がほぼ等価となるように重み付けした総量は「Cr+3.3×Mo+16×N(ただし、Cr、Mo、Nは各成分元素の含有量(%))」で示され、上記環境で耐食性を有するには、この総量が56.0以上必要であることを見出した。
但し、前述のように、CrおよびMoの含有量が増加すると、金属間化合物の析出が助長され、また、オーステナイト相生成元素であるNまたはNiの含有量が適正でないとCr−Mo系の窒化物を析出する。そこで、本発明者らはオーステナイト相生成元素のNi、Nの両含有量には適正な比率があり、あるN含有量には、それに対する適正なNi含有量が存在することを見出した。すなわち、あるN含有量に対して適正なNi含有量にしなければ、σ相やχ相の金属間化合物の析出、またはCr−Mo系窒化物の析出を招き、良好な耐食性が得られない。そして、N含有量とNi含有量が150≦4×Ni+100×N≦170(ただし、N、Niは各成分元素の含有量(%))の範囲内にあれば、σ相、χ相、Cr−Mo系窒化物の何れも析出が抑制され、良好な耐食性が得られるという新たな知見を得たのである。
本発明のオーステナイト系ステンレス鋼は、以上のような知見に基づいてなされたもので、C:0.050%以下、Si:0.01〜1.00%、Mn:0.01〜2.00%、P:0.040%以下、S:0.030%以下、Ni:28.00〜35.00%、Cr:23.00〜27.00%、Mo:7.00〜9.00%、Al:0.001〜0.100%、N:0.30〜0.50%、Cu:0.01〜2.00%を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなり、かつ、下記(1)、(2)式を満足することを特徴としている。
Cr+3.3×Mo+16×N≧56.0 (1)
150≦4×Ni+100×N≦170 (2)
(式中Cr、Mo、Nは各成分の質量%での含有量を示す)
また、本発明のオーステナイト系ステンレス鋼は、質量%で、W:0.01〜1.00%、Co:0.01〜1.00%、V:0.01〜1.00%、Nb:0.01〜1.00%、Ti:0.01〜1.00%のうち、1種または2種以上をさらに含有することを好ましい態様としている。
本発明によれば、σ相などの金属間化合物またはCr−Mo系の窒化物の析出を抑制し、これにより高濃度の塩化物イオン環境において耐孔食性および耐すきま腐食に優れ、しかも海水熱交換器用や排煙脱硫装置用に使用することのできるオーステナイト系ステンレス鋼を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明の基礎となった予備的な実験結果について説明する。
<予備実験>
本発明者らはまず、市販の各種ステンレス鋼、及び一般的にステンレス鋼より良好な耐食性を有するNi基耐食合金の、塩化物イオン環境に対する耐すきま腐食性を調査した。供試材は、表1に示した通り、オーステナイトステンレス鋼ではSUS316L、UNS No.S31254、UNS No.N08367、UNS No.S31053、UNS No.S32050、UNS No.N08354の6種類、2相ステンレス鋼にはUNS No.S32205、UNS No.S32506、UNS No.S32750の3種類、Ni基耐食合金ではUNS No.N06022、UNS No.N10276の2種類である。なお、UNSとは、米国規格である金属合金統一番号システム(Unified Numbering Systems for Metals and Alloys)の略称である。
Figure 0005324149
耐すきま腐食性を調査する腐食試験はASTM G48 Method Dに準拠し、供試材は厚さ2または3mmの冷延焼鈍材を25mm×50mmに切断し、更に表面を120番の耐水研磨紙で湿式研磨を行い、洗浄後すきま形成治具を付して試験に供した。種々の温度の6%FeCl+1%HCl水溶液中に72時間浸漬して、すきま腐食が生じない臨界温度を測定した。その結果を表2及び図1に示す。
Figure 0005324149
塩化物イオン環境下においては、耐食性への寄与の程度から各元素がほぼ等価となるように重み付けした総量「Cr+3.3×(Mo+0.5×W)+16×N(ただし、Cr、Mo、Nは各成分元素の含有量(%))」に比例して臨界すきま腐食発生温度が向上することが認められた。前述の通り、海水中や排煙脱硫装置内で良好な耐すきま腐食性を与えるためには、臨界すきま腐食発生温度は70℃以上であることが求められるが、表2および図1から明らかなように、Cr+3.3×(Mo+0.5×W)+16×Nが56以上必要であることが判る。
以下、上記数値限定の根拠を本発明の作用とともに説明する。
C:0.050%以下
Cは耐食性を低下させる元素であるので少ない方が望ましいが、極端に低減させることは製造コストの増加を招く。Cの含有量は0.050%までは許容できるのでこの値を上限値とした。ただし、望ましくは0.030%以下が良い。
Si:0.01〜1.00%
Siは脱酸のために有効な元素であるので0.01%以上の添加が必要である。ただし、過剰の添加はその効果が飽和すると共に、σ相やχ相などの金属間化合物の析出を抑制する上で極力低減させる必要があるため、その上限を1.00%とした。望ましくは0.40%以下、より望ましくは0.20%以下が良い。
Mn:0.01〜2.00%以下
Mnは溶鋼中の窒素の溶解度を増加させるために、少なくとも0.01%、好ましくは0.75%、さらに好ましくは0.95%以上の添加が必要である。しかし、MnもSiと同様にσ相やχ相などの金属間化合物の析出を招くため、必要以上の添加は好ましくない。さらに、MnがMnSを形成しない場合であっても耐食性が劣化することが知られている。これらの理由によりMnの含有量は最大2.00%とした。好ましくは1.50%以下、さらに好ましくは0.95〜1.05%である。
P:0.040%以下
Pは不純物として不可避的に混入する元素であり、結晶粒界に偏析し易く耐食性及び熱間加工性の観点からは少ない方が望ましい。しかしながら、Pの含有量を極端に低減させることは製造コストの増加を招く。Pの含有量は0.040%までは許容できるのでこの値を上限値とした。ただし、望ましくは0.030%以下が良い。
S:0.030%以下
SはMnと鋼中介在物MnSを形成し耐食性を劣化させる。更にはPと同様に結晶粒界に偏析し易く、熱間加工性を劣化させるので、本発明においては低減させる必要のある元素である。Sは0.030%を超えて含有するとその有害性が顕著に現れるので、その含有量を0.030%以下とした。望ましくは0.010%以下、より望ましくは0.005%以下が良い。
Ni:25.00〜35.00%
Niはオーステナイト相生成元素であり、σ相やχ相などの金属間化合物の析出を抑制する上で有効な元素である。含有量が25.00%未満ではσ相やχ相などの金属間化合物が著しく析出し、耐食性の劣化を招く。そのため、少なくとも25.00%以上、さらに望ましくは28.00%以上が良い。但し、Niは溶鋼中のNの溶解度を低下させる性質も併せ持つため、Cr−Mo系の窒化物の生成を助長させ、耐食性の低下を招く。含有量が35.00%より上回る場合はCr−Mo系窒化物が著しく析出するため、最大35.00%、好ましくは最大32.00%が良い。以上の理由によりNiの範囲は25.00%〜35.00%としたが、望ましくは28.00〜32.00%である。
Cr:23.00〜27.00%
Crは耐食性を向上させる元素であり、その効果を得るためには23.00%以上含有する必要がある。しかしながら、27.00%を超えて含有するとσ相やχ相などの金属間化合物の形成を助長し、かえって耐食性を劣化させるので23.00%〜27.00%とした。なお、Crの含有量は24.00%〜26.00%であることが好ましい。
Mo:7.00〜9.00%
Moも耐食性を向上させるために有効な元素であり、その効果を得るためには7.00%以上含有する必要がある。しかしながら、9.00%を超えて含有すると、Crと同様にσ相やχ相などの金属間化合物の形成を助長し、かえって耐食性を劣化させるので7.00%〜9.00%とした。なお、Moの含有量は7.90%〜8.50%であることが好ましい。
Al:0.001〜0.100%
Alは強力な脱酸材であるため積極的に添加する必要があるが、0.001%以下ではその効果はなく、また0.100%を越えて含有させるとその効果が飽和するとともに、鋼板の美観や耐食性に影響を及ぼす巨大介在物の形成を助長し、更にはNとの化合物であるAlNの析出が顕著になり、耐食性に有効なNの効果を低減させるので、その範囲を0.001〜0.100%とした。
N:0.30〜0.50%
Nは強力なオーステナイト相生成元素であり、CrやMoと同様に耐食性を向上させるとともに、金属間化合物の析出を抑制するのに有効な元素であり、その効果を得るには少なくとも0.30%以上含有させる必要がある。しかしながら、0.50%を越えて含有すると、熱間変形抵抗が極めて上昇して熱間加工性を阻害するとともに、Cr−Mo系窒化物が析出し、耐食性の低下を招く。これらの理由により、Nの範囲は0.30%〜0.50%としたが、望ましくは0.35%〜0.45%が良く、さらに望ましくは0.37%〜0.43%が良い。
Cu:0.01〜2.00%
Cuは耐酸性を向上させるために有効な元素であり、その効果を得るためには0.01%以上含有する必要がある。しかしながら、2.00%を超えて含有すると、熱間加工性を低下させるため0.01〜2.00%とした。好ましくは0.45%〜0.60%である。
W:0.01〜1.00%
Co:0.01〜1.00%
V:0.01〜1.00%
Nb:0.01〜1.00%
Ti:0.01〜1.00%
本発明では、上記成分に加えて、W:0.01〜1.00%、Co:0.01〜1.00%、V:0.01〜1.00%、Nb:0.01〜1.00%、Ti:0.01〜1.00%の1種または2種以上を含有することができる。これら元素は一般的な耐食性の向上に有効であるが、その効果を得るためには0.01%以上含有させる必要がある。一方、1.00%を超えて含有するとσ相やχ相などの金属間化合物の析出を助長して耐食性が劣化し、また熱間加工性を阻害するので、それぞれの含有量を0.01〜1.00
%とした
次に、以下に示す実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。
<実施例1>
オーステナイト系ステンレス鋼を構成できる成分範囲の中で、海水環境中の使用に対する耐食性が確保される成分を限定する目的で、表3に示す成分を有するオーステナイト系ステンレス鋼の耐食性を詳細に調査した。この実験では、大気溶解により溶製したインゴットを鍛造後、冷間圧延と熱処理を繰返し、厚さ2mmの冷延焼鈍板を作製し、これを供試した。耐食性を調査する腐食試験はASTM G48 Method Dのすきま腐食試験に準拠して実施し、種々の温度の6%FeCl+1%HCl水溶液中に72時間浸漬して、すきま腐食が生じない臨界温度を測定した。
この試験で用いた溶液は塩化物イオンが海水の塩化物イオン濃度よりも高く、また、酸化剤としてFe3+イオンを含むので、溶液の酸化還元電位が著しく上昇し、海水中での電位よりも高くなる。従って、本試験溶液ですきま腐食試験を行って、すきま腐食が発生しなければ、海水中での当該試験温度ですきま腐食は生じないと確認することができる。
表3に供試材である鋼1〜鋼29の成分組成と臨界すきま腐食発生温度を示した。また、図2には、N含有量0.25%(◇の系列)、0.30%(◆の系列)、0.40%(○の系列)、0.50%(●の系列)および0.55%(■の系列)のそれぞれの場合の臨界すきま腐食発生温度を示した。
Figure 0005324149
これらから明らかな通り、同じN含有量の系列内においてNi含有量によって臨界すきま腐食発生温度が変化しており、臨界すきま腐食発生温度が最も高くなるNi含有量が存在している。すなわち、N含有量に対するNi含有量の適性範囲が存在することが判る。表3中、*を付した鋼種が本発明鋼であり、表3および図2に示すように、これらの鋼種はいずれも臨界すきま腐食発生温度が70℃以上であることが分かる。
また、前述の通り、海水中や排煙脱硫装置内で良好な耐すきま腐食性を与えるためには、臨界すきま腐食発生温度は70℃以上であることが求められるが、図3に横軸にNi含有量、縦軸にN含有量をとって、臨界すきま腐食発生温度が70℃以上である場合と、70℃未満である場合に峻別して表3の各鋼種をプロットした。N<−0.04×Ni+1.5の範囲ではPRE≧56.0であるにもかかわらず、臨界すきま腐食発生温度は70℃未満であった。同様に、N>−0.04×Ni+1.7の範囲ではPRE≧56.0であるにもかかわらず、臨界すきま腐食発生温度は70℃未満であった。
このことより、安定して臨界すきま腐食温度が70℃以上得られるためには、−0.04×Ni+1.5≦N≦−0.04×Ni+1.7すなわち150≦4×Ni+100×N≦170を満足していればよいことが判明した。ただし、N含有量が0.25%の時は何れの供試材もPRE≦56.0未満であり、また、σ相の析出が認められたため臨界すきま腐食発生温度は70℃未満であった。さらに、N含有量が0.55%の時は何れの供試材もCr−Mo系窒化物が析出し、臨界すきま腐食発生温度は70℃未満であった。また、σ相とCr−Mo系窒化物はそれぞれFE−SEM(電界放射型走査顕微鏡)、TEM(透過型電子顕微鏡)により観察した。なお、図2および3においてプロット点に付した添字は鋼の番号を示す。
<実施例2>
上述の実施例1と同様な製造方法により作製した表4に示す成分組成を有する発明鋼30〜39及び比較鋼40〜47の厚さ2mmの供試材を供試した。
耐すきま腐食性を評価する試験には、予備実験1および実施例1と同様にASTM G48 Method Dを用いた。

Figure 0005324149

表4から明らかなように、本発明鋼は何れも臨界すきま腐食発生温度が70℃以上を満足しており、σ相やCr−Mo系窒化物の析出も見られず、海水環境での熱交換器あるいは排煙脱硫装置用としての使用に耐えうることが判る。
本発明は、海水環境での熱交換器用オーステナイト系ステンレス鋼および排煙脱硫装置用オーステナイト系ステンレス鋼として優れた耐食性が得られる。
予備実験における市販の各種ステンレス鋼、及び一般的にステンレス鋼より良好な耐食性を有するNi基耐食合金の耐食性PREと、ASTM G48 Method Dにおける臨界すきま腐食発生温度の関係を示したグラフである。 N含有量が0.25%、0.30%、0.40%、0.50%および0.55%の場合におけるNi含有量と臨界すきま腐食発生温度の関係を示したグラフである。 Ni含有量とN含有量の関係を、臨界すきま腐食発生温度CCTが70℃以上である場合と70℃未満である場合とに峻別し、それらと150≦4×Ni+100×N≦170の領域との関係を示すグラフである。

Claims (2)

  1. 質量%で、C:0.050%以下、Si:0.01〜1.00%、Mn:0.01〜2.00%、P:0.040%以下、S:0.030%以下、Ni:28.00〜35.00%、Cr:23.00〜27.00%、Mo:7.00〜9.00%、Al:0.001〜0.100%、N:0.30〜0.50%、Cu:0.01〜2.00%を含有し、残部が実質的にFe及び不可避的不純物よりなり、且つ下記(1)式および(2)式を満足することを特徴とするオーステナイト系ステンレス鋼。
    Cr+3.3×Mo+16×N≧56.0 (1)
    150≦4×Ni+100×N≦170 (2)
    (式中Cr、Mo、Nは各成分の質量%での含有量を示す)
  2. 質量%で、W:0.01〜1.00%、Co:0.01〜1.00%、V:0.01〜1.00%、Nb:0.01〜1.00%、Ti:0.01〜1.00%のうち、1種または2種以上をさらに含有することを特徴とする請求項1に記載のオーステナイト系ステンレス鋼。
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