JP6041079B1 - 冷延鋼帯の製造方法及び製造設備 - Google Patents
冷延鋼帯の製造方法及び製造設備 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6041079B1 JP6041079B1 JP2016553611A JP2016553611A JP6041079B1 JP 6041079 B1 JP6041079 B1 JP 6041079B1 JP 2016553611 A JP2016553611 A JP 2016553611A JP 2016553611 A JP2016553611 A JP 2016553611A JP 6041079 B1 JP6041079 B1 JP 6041079B1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- acid
- tank
- steel strip
- concentration
- cold
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C23—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
- C23G—CLEANING OR DE-GREASING OF METALLIC MATERIAL BY CHEMICAL METHODS OTHER THAN ELECTROLYSIS
- C23G1/00—Cleaning or pickling metallic material with solutions or molten salts
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D8/00—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment
- C21D8/02—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of plates or strips
- C21D8/0247—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of plates or strips characterised by the heat treatment
- C21D8/0273—Final recrystallisation annealing
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
- C22C38/00—Ferrous alloys, e.g. steel alloys
- C22C38/02—Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing silicon
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C23—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
- C23G—CLEANING OR DE-GREASING OF METALLIC MATERIAL BY CHEMICAL METHODS OTHER THAN ELECTROLYSIS
- C23G1/00—Cleaning or pickling metallic material with solutions or molten salts
- C23G1/02—Cleaning or pickling metallic material with solutions or molten salts with acid solutions
- C23G1/08—Iron or steel
- C23G1/085—Iron or steel solutions containing HNO3
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Thermal Sciences (AREA)
- Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
- Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)
Abstract
Description
(1)冷間圧延後、連続焼鈍した鋼帯を、酸化性の第1の酸と非酸化性の第2の酸とを含む混酸液に連続的に浸漬して酸洗する工程と、
その後、前記鋼帯を、非酸化性の第3の酸を含む酸液に連続的に浸漬して再酸洗する工程と、
を有する冷延鋼帯の製造方法であって、
前記混酸液中の鉄イオン濃度が上昇するほど、前記混酸液中の前記第1の酸の濃度を低く、前記第2の酸の濃度を高く変更することを特徴とする冷延鋼帯の製造方法。
前記第1原液タンク、前記第2原液タンク、及び前記第3原液タンクからそれぞれ延びる第1配管、第2配管、及び第3配管と、
前記第1配管及び前記第2配管が接続され、前記第1原液タンクから供給される前記第1の酸と、前記第2原液タンクから供給される前記第2の酸とを混合して収容する混酸液用循環タンクと、
前記第1配管及び前記第2配管にそれぞれ設けられ、前記第1原液タンクからの前記第1の酸の供給量及び前記第2配管からの前記第2の酸の供給量をそれぞれ調整するための第1の弁及び第2の弁と、
前記第3配管が接続され、前記第3原液タンクから供給される前記第3の酸を収容する酸液用循環タンクと、
前記第1の酸及び前記第2の酸を含む混酸液を収容する混酸槽と、
前記第3の酸を含む酸液を収容する酸槽と、
前記混酸液用循環タンクと前記混酸槽とを連結し、前記混酸液を両者間で循環させるための少なくとも2本の第4配管と、
前記酸液用循環タンクと前記酸槽とを連結し、前記酸液を両者間で循環させるための少なくとも2本の第5配管と、
冷間圧延後、連続焼鈍した鋼帯を搬送して、前記混酸槽、前記酸槽の順に連続的に浸漬させる通板設備と、
前記混酸槽中の前記混酸液中の鉄イオン濃度を測定する濃度計と、
前記濃度計の出力に基づき前記第1の弁及び前記第2の弁を制御して、前記混酸液中の鉄イオン濃度が上昇するほど、前記第1原液タンクからの前記第1の酸の供給量を少なく、前記第2原液タンクからの前記第2の酸の供給量を多く変更して、前記混酸液中の前記第1の酸の濃度を低く、前記第2の酸の濃度を高く変更する制御部と、
を有することを特徴とする冷延鋼帯の製造設備。
前記通板設備は、前記混酸槽を出た前記鋼帯を、前記水槽に連続的に浸漬させた後、前記酸槽に連続的に浸漬させるよう構成される、上記(9)に記載の冷延鋼帯の製造設備。
本発明の一実施形態による冷延鋼帯の製造方法は、冷間圧延後、連続焼鈍した鋼帯を、酸化性の第1の酸と非酸化性の第2の酸とを含む混酸液に連続的に浸漬して酸洗する工程と、その後、前記鋼帯を、非酸化性の第3の酸を含む酸液に連続的に浸漬して再酸洗する工程と、を有する。
冷延鋼帯に所望の組織と強度、加工性を付与するために行われる連続焼鈍炉を用いた焼鈍工程では、通常、雰囲気ガスとして非酸化性又は還元性のガスが用いられており、露点も厳格に管理されている。そのため、合金添加量の少ない一般冷延鋼帯では、鋼帯表面の酸化は抑制されている。しかし、0.5質量%以上のSiや、Mnを含有する冷延鋼帯では、焼鈍時の雰囲気ガスの成分や露点を厳格に管理しても、Feと比較して易酸化性であるSiやMn等が酸化して、鋼帯表面にSi酸化物(SiO2)やSi−Mn系複合酸化物などのSi含有酸化物を形成することが避けられない。Si含有酸化物は、鋼帯表面だけでなく、地鉄内部にまで形成されるため、電着塗装の下地処理としてなされる化成処理(リン酸亜鉛処理)における鋼帯表面のエッチング性を阻害し、健全な化成処理皮膜の形成に悪影響を及ぼす。しかも近年では、化成処理時に発生するスラッジ量やランニングコストの低減を目的として、化成処理液の低温度化が進み、従来と比較して、化成処理液の鋼帯に対する反応性が著しく低い条件で化成処理がなされるようになってきている。このような状況下では、化成処理性の悪化はより顕著に表れる。
上記酸洗工程により、鋼帯表面から溶解したFeが鉄系酸化物を生成し、これが鋼帯表面に沈殿析出して鋼帯表面を覆うことにより化成処理性が低下する。そこで、本実施形態では、上記酸洗工程の後、冷延鋼帯を、非酸化性の第3の酸を含む酸液に連続的に浸漬して、この鉄系酸化物を除去する。「鉄系酸化物」とは、酸化物を構成する酸素以外の元素のうちで鉄の原子濃度比が30%以上である鉄主体の酸化物のことをいう。この鉄系酸化物は、鋼帯表面上に不均一な厚さで存在しており、数nmの厚さで均一かつ層状に存在する自然酸化皮膜とは異なる酸化物である。なお、この冷延鋼帯の表面に生成した鉄系酸化物は、透過型電子顕微鏡(TEM)による観察や電子線回折によるディフラクションパターン(回折図形)の解析結果から非晶質であることがわかっている。
ここで、本発明の特徴的構成である、混酸中の酸濃度の制御について説明する。既述のとおり、上記二段階酸洗を実施可能な製造設備に冷延鋼帯を連続的に通板して、冷延鋼帯に上記二段階酸洗を継続的に行うと、時間が経つにつれて、その時に第一段階の酸洗工程直後の冷延鋼帯の表面が何らかの付着物により赤褐色に変色する現象が発現した。そして、この現象は、混酸中のFe濃度が高いほど生じやすいことがわかった。つまり、混酸中のFe濃度が高くなるにつれて、その混酸で酸洗処理された直後の冷延鋼帯の表面の変色面積率も上昇することがわかった。
次に、上記冷延鋼帯の製造方法を実施可能な、本発明の一実施形態による冷延鋼帯の製造設備100について説明する。製造設備100は、水を収容する水槽10と、第1の酸としての硝酸と第2の酸としての塩酸とを含む混酸液(硝塩酸)を収容する混酸槽12と、水を収容する水槽14と、第3の酸としての塩酸を収容する酸槽16と、水を収容する水槽18とをこの順に有する。
本発明を適用する冷延鋼帯の成分組成は特に限定されないが、Siを0.5〜3.0質量%含有することが好適である。Siは、加工性を大きく損なうことなく鋼の強度を高めることができるため、鋼の高強度化を達成するには有効な元素であるが、化成処理性や塗装後耐食性に悪影響を及ぼす元素でもある。Siを添加して高強度化を図るためには0.5質量%以上の添加が必要である。また、Siが0.5質量%未満では、化成処理条件の悪化による影響も小さいので、本発明を適用する必要性が低い。一方、Siの含有量が3.0質量%を超えると、鋼が硬質化し、圧延性や通板性(製造性)に悪影響を及ぼしたり、鋼帯自体の延性低下を招いたりする。よって、Siは0.5〜3.0質量%の範囲で添加する。好ましくは0.8〜2.5質量%の範囲である。
Cは、鋼を高強度化するのに有効な元素であり、さらに、TRIP(変態誘起塑性:Transformation Induced Plasticity)効果を有する残留オーステナイトや、ベイナイト、マルテンサイトを生成させるのにも有効な元素である。上記効果は0.01質量%以上の添加で得られる。また、Cの添加量が0.30質量%以下であれば、溶接性が大きく低下することもない。よって、Cは0.01〜0.30質量%の範囲で添加するのが好ましい。より好ましくは0.10〜0.20質量%の範囲である。
Mnは、鋼を固溶強化して高強度化するとともに、焼入性を高め、残留オーステナイトやベイナイト、マルテンサイトの生成を促進する作用を有する元素である。このような効果は、1.0質量%以上の添加で発現する。一方、Mnの過剰な添加は原料コストの上昇を招くが、7.5質量%以下であれば許容できる。よって、Mnは1.0〜7.5質量%の範囲で添加するのが好ましい。より好ましくは2.0〜5.0質量%の範囲である。
Pは、固溶強化能の大きい割に深絞り性を害さない元素であり、高強度化を達成するのに有効な元素である。上記効果を得るには0.005質量%以上含有させることが好ましい。一方、Pは、スポット溶接性を害する元素でもあるので、上限は0.05質量%とするのが好ましい。より好ましくは0.02質量%以下である。
Sは、鋼中に不可避的に混入してくる不純物元素であり、MnSとして析出し、鋼板の伸びフランジ性を低下させる有害な成分でもある。伸びフランジ性を低下させないためには、Sは0.01質量%以下に制限するのが好ましく、0.005質量%以下がより好ましい。さらに好ましくは0.003質量%以下である。脱硫コストの観点から、工業的には0.0001質量%以上となる。
Alは、製鋼工程で脱酸剤として添加される元素であり、また、伸びフランジ性を低下させる非金属介在物をスラグとして分離するのに有効な元素であるので、0.01質量%以上含有させるのが好ましい。しかし、過剰な添加は原料コストの上昇を招くので、Alの上限は0.06質量%とするのが好ましい。より好ましくは0.02〜0.06質量%の範囲である。
混酸中の硝酸の濃度は132.5g/L、塩酸の濃度は6.5g/Lとした。操業開始時の混酸中のFe濃度は0g/Lであった。操業の過程でFe濃度は徐々に上昇したが、混酸中の硝酸濃度および塩酸濃度は不変とした。なお、再酸洗工程での塩酸の濃度は、3g/Lとした。混酸液中のFe濃度が20g/Lとなったときに酸洗され、その後再酸洗された鋼帯からサンプルを採取し、以下の評価に供した。酸洗工程及び再酸洗工程での合計の酸洗減量は5.9g/m2であった。
操業開始時の混酸中の硝酸の濃度を132.5g/L、塩酸の濃度を6.5g/Lとした。操業開始時の混酸中のFe濃度は0g/Lであった。操業の過程でFe濃度は徐々に上昇したので、混酸中のFe濃度が15g/Lに達した段階で、硝酸の濃度を125.0g/L、塩酸の濃度を7.5g/Lと変更し、さらに、混酸中のFe濃度が20g/Lに達した段階で、硝酸の濃度を110.0g/L、塩酸の濃度を8.5g/Lと変更した。混酸中の硝酸濃度および塩酸濃度の変更はオペレータが行った。なお、再酸洗工程での塩酸の濃度は、6g/Lとした。混酸液中のFe濃度が20g/Lとなったときに酸洗され、その後再酸洗された鋼帯からサンプルを採取し、以下の評価に供した。酸洗工程及び再酸洗工程での合計の酸洗減量は21.3g/m2であった。
比較例及び発明例1のサンプルに対して、下記条件で化成処理を施した。リン酸塩被膜の化成結晶の結晶粒径および被膜質量を測定した。一般的な管理値である結晶粒径5μm以下、被膜質量1.0〜3.0g/m3を好適範囲とした。また、被膜表面を1000倍でSEM観察して、化成結晶の乗っていない箇所の有無を確認した。さらに、GDS分析によりサンプル表層のO,Si,Mn及びFeの深さ方向分布を測定し、表層のSiピークの有無を確認した。
サンプルに日本パーカライジング社製の脱脂剤:FC−E2011、表面調整剤:PL−X、及び化成処理剤:パルボンドPB−L3065を用いて、下記の条件で、被膜付着量が1.7〜3.0g/m2となるよう化成処理を施した。
脱脂工程:処理温度40℃、処理時間120秒
スプレー脱脂、表面調整工程:pH9.5、処理温度室温、処理時間20秒
化成処理工程:化成処理液の温度35℃、処理時間120秒
比較例及び発明例1のサンプルに対して、上記の条件で化成処理を施し、さらに化成処理被膜の表面に、日本ペイント社製の電着塗料:V−50を用いて、膜厚が25μmとなるように電着塗装を施した。この試験片の表面に、カッターで長さ45mmのクロスカット疵を付与した後、この試験片を、塩水噴霧(5質量%NaCl水溶液:35℃、相対湿度:98%)×2時間→乾燥(60℃、相対湿度:30%)×2時間→湿潤(50℃、相対湿度:95%)×2時間、を1サイクルとして、これを90サイクル繰り返す腐食試験に供し、その後、水洗し、乾燥した後、カット疵部についてテープ剥離試験を行った。カット疵部左右を合わせた最大剥離全幅を測定した。この最大剥離全幅が6.0mm以下であれば、塗装後耐食性は良好と評価できる。
サンプルの表面の画像を、比較例は図2(D)に、発明例1は図3(D)に示す。このように、比較例では表面が赤褐色に変色したが、発明例1ではそのような変色は生じず、良好な表面外観であった。
操業開始時の混酸中のFe濃度は5.0g/Lであった。必要な酸洗減量を確保するための硝酸の濃度及び塩酸の濃度とFe濃度との関係をそれぞれ以下の関係式(1),(2)で設定しておき、開始時の硝酸濃度は132.5g/L、塩酸の濃度は5.5g/Lとした。操業の過程で混酸中のFe濃度が徐々に上昇したので、それに合わせて式(1),(2)に従って硝酸の濃度及び塩酸の濃度を変更した。
硝酸濃度(g/L)=140−1.5×Fe濃度(g/L) ・・・(1)
塩酸濃度(g/L)=4.5+0.2×Fe濃度(g/L) ・・・(2)
なお、再酸洗工程での塩酸の濃度は8g/Lとした。混酸液中のFe濃度が5g/L、15.0g/L、及び20g/Lとなったときに酸洗され、その後再酸洗された鋼帯からサンプルを採取し、以下の評価に供した。酸洗工程及び再酸洗工程での合計の酸洗減量は、Fe濃度=5g/Lのサンプルで11.0g/m2、Fe濃度=15g/Lのサンプルで12.0g/m2、Fe濃度=20g/Lのサンプルで12.0g/m2であった。
被膜表面のSEM画像は、Fe濃度=5g/Lのサンプルを図4(A)に、Fe濃度=15g/Lのサンプルを図4(B)に、Fe濃度=20g/Lのサンプルを図4(C)に示す。いずれの画像においても化成結晶が均一に観察された。また、いずれのサンプルでも、GDS分析において表層のSiピークは検出されなかった。よって、発明例2も化成処理性に優れることがわかった。
最大剥離全幅は、Fe濃度=5g/Lのサンプルで5.2mm、Fe濃度=15g/Lのサンプルで4.8mm、Fe濃度=20g/Lのサンプルで5.6mmであった。よって、発明例2も発明例1と同様に塗装後耐食性が良好であった。
Fe濃度=5g/Lのサンプル、Fe濃度=15g/Lのサンプル、及びFe濃度=20g/Lのサンプルの表面を観察した。いずれのサンプル表面でも赤褐色の変色は見られず、良好な表面外観であった。ただし、Fe濃度=20g/Lのサンプルでは、表面の一部にわずかなステインが観察されたのに対して、Fe濃度=5g/Lのサンプル及びFe濃度=15g/Lのサンプルでは、ステインがなく非常に美麗な表面外観であった。このことから、Fe濃度の上限は15g/Lとすることが好ましいことがわかる。
10,14,18 水槽
12 混酸槽(硝塩酸用)
16 酸槽(塩酸用)
11,13,15,17,19,20 ロール(通板設備)
20 硝酸用原液タンク
22 塩酸用原液タンク
24 第1配管
26 第2配管
28 第3配管
30 混酸液用循環タンク
32 第1の弁
34 第2の弁
36 熱交換器
38 第4配管
40 酸液用循環タンク
42 第5配管
44 熱交換器
46,48 廃液用配管
50 廃液ピット
52 Fe濃度計
54 制御部
Claims (11)
- 冷間圧延後、連続焼鈍した鋼帯を、酸化性の第1の酸と非酸化性の第2の酸とを含む混酸液に連続的に浸漬して酸洗する工程と、
その後、前記鋼帯を、非酸化性の第3の酸を含む酸液に連続的に浸漬して再酸洗する工程と、
を有する冷延鋼帯の製造方法であって、
前記混酸液中の鉄イオン濃度が上昇するほど、前記混酸液中の前記第1の酸の濃度を低く、前記第2の酸の濃度を高く変更することを特徴とする冷延鋼帯の製造方法。 - 前記第1の酸が硝酸である請求項1に記載の冷延鋼帯の製造方法。
- 前記第2の酸及び/又は前記第3の酸が、塩酸、硫酸、リン酸、ピロリン酸、ギ酸、酢酸、クエン酸、弗酸、及びシュウ酸から選択される一種以上である請求項1又は2に記載の冷延鋼帯の製造方法。
- 前記第1の酸が硝酸であり、前記第2の酸及び前記第3の酸が塩酸である請求項1に記載の冷延鋼帯の製造方法。
- 前記混酸液中において、前記硝酸の濃度は110g/L超え188g/L以下の範囲に設定し、前記塩酸の濃度は4.5g/L超え12.5g/L以下の範囲に設定する請求項4に記載の冷延鋼帯の製造方法。
- 前記酸洗の後、前記再酸洗の前に、前記鋼帯を水に浸漬させる請求項1〜5のいずれか一項に記載の冷延鋼帯の製造方法。
- 前記酸洗工程及び前記再酸洗工程での合計の酸洗減量を8g/m2以上とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の冷延鋼帯の製造方法。
- 前記鋼帯がSiを0.5〜3.0質量%含有する請求項1〜7のいずれか一項に記載の冷延鋼帯の製造方法。
- 酸化性の第1の酸、非酸化性の第2の酸、及び非酸化性の第3の酸の原液をそれぞれ収容する第1原液タンク、第2原液タンク、及び第3原液タンクと、
前記第1原液タンク、前記第2原液タンク、及び前記第3原液タンクからそれぞれ延びる第1配管、第2配管、及び第3配管と、
前記第1配管及び前記第2配管が接続され、前記第1原液タンクから供給される前記第1の酸と、前記第2原液タンクから供給される前記第2の酸とを混合して収容する混酸液用循環タンクと、
前記第1配管及び前記第2配管にそれぞれ設けられ、前記第1原液タンクからの前記第1の酸の供給量及び前記第2配管からの前記第2の酸の供給量をそれぞれ調整するための第1の弁及び第2の弁と、
前記第3配管が接続され、前記第3原液タンクから供給される前記第3の酸を収容する酸液用循環タンクと、
前記第1の酸及び前記第2の酸を含む混酸液を収容する混酸槽と、
前記第3の酸を含む酸液を収容する酸槽と、
前記混酸液用循環タンクと前記混酸槽とを連結し、前記混酸液を両者間で循環させるための少なくとも2本の第4配管と、
前記酸液用循環タンクと前記酸槽とを連結し、前記酸液を両者間で循環させるための少なくとも2本の第5配管と、
冷間圧延後、連続焼鈍した鋼帯を搬送して、前記混酸槽、前記酸槽の順に連続的に浸漬させる通板設備と、
前記混酸槽中の前記混酸液中の鉄イオン濃度を測定する濃度計と、
前記濃度計の出力に基づき前記第1の弁及び前記第2の弁を制御して、前記混酸液中の鉄イオン濃度が上昇するほど、前記第1原液タンクからの前記第1の酸の供給量を少なく、前記第2原液タンクからの前記第2の酸の供給量を多く変更して、前記混酸液中の前記第1の酸の濃度を低く、前記第2の酸の濃度を高く変更する制御部と、
を有することを特徴とする冷延鋼帯の製造設備。 - 前記混酸槽と前記酸槽との間に位置し、水を収容する水槽を有し、
前記通板設備は、前記混酸槽を出た前記鋼帯を、前記水槽に連続的に浸漬させた後、前記酸槽に連続的に浸漬させるよう構成される、請求項9に記載の冷延鋼帯の製造設備。 - 前記第2の酸と前記第3の酸とが同種の酸であり、前記第2原液タンクと前記第3原液タンクとが同一のタンクである請求項9又は10に記載の冷延鋼帯の製造設備。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015137186 | 2015-07-08 | ||
JP2015137186 | 2015-07-08 | ||
PCT/JP2016/070755 WO2017007036A1 (ja) | 2015-07-08 | 2016-07-07 | 冷延鋼帯の製造方法及び製造設備 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP6041079B1 true JP6041079B1 (ja) | 2016-12-07 |
JPWO2017007036A1 JPWO2017007036A1 (ja) | 2017-07-06 |
Family
ID=57483246
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016553611A Active JP6041079B1 (ja) | 2015-07-08 | 2016-07-07 | 冷延鋼帯の製造方法及び製造設備 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6041079B1 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7126104B1 (ja) * | 2021-03-26 | 2022-08-26 | Jfeスチール株式会社 | 焼鈍酸洗鋼板の製造方法 |
WO2022201686A1 (ja) * | 2021-03-26 | 2022-09-29 | Jfeスチール株式会社 | 焼鈍酸洗鋼板の製造方法 |
WO2023053909A1 (ja) | 2021-09-30 | 2023-04-06 | Jfeスチール株式会社 | 鋼板、部材およびそれらの製造方法 |
WO2023053908A1 (ja) | 2021-09-30 | 2023-04-06 | Jfeスチール株式会社 | 鋼板、部材およびそれらの製造方法 |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05222558A (ja) * | 1992-02-14 | 1993-08-31 | Kawasaki Steel Corp | 表面光沢の優れるオーステナイト系ステンレス鋼の製造方法 |
JPH05263279A (ja) * | 1992-03-19 | 1993-10-12 | Nisshin Steel Co Ltd | ステンレス鋼帯の脱スケール用硝フッ酸浴の管理方法およびその連続脱スケール装置 |
JPH0617271A (ja) * | 1992-07-03 | 1994-01-25 | Kawasaki Steel Corp | 表面研摩性の優れるオーステナイト系ステンレス鋼の製造方法 |
JPH10245687A (ja) * | 1997-03-07 | 1998-09-14 | Sumitomo Metal Ind Ltd | ステンレス鋼の酸洗方法 |
JP2012132092A (ja) * | 2010-08-31 | 2012-07-12 | Jfe Steel Corp | 冷延鋼板の製造方法、冷延鋼板および自動車部材 |
JP2012172181A (ja) * | 2011-02-21 | 2012-09-10 | Jfe Steel Corp | Si含有熱延鋼板とその製造方法および自動車部材 |
JP2012188693A (ja) * | 2011-03-10 | 2012-10-04 | Jfe Steel Corp | Si含有冷延鋼板とその製造方法および自動車部材 |
-
2016
- 2016-07-07 JP JP2016553611A patent/JP6041079B1/ja active Active
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05222558A (ja) * | 1992-02-14 | 1993-08-31 | Kawasaki Steel Corp | 表面光沢の優れるオーステナイト系ステンレス鋼の製造方法 |
JPH05263279A (ja) * | 1992-03-19 | 1993-10-12 | Nisshin Steel Co Ltd | ステンレス鋼帯の脱スケール用硝フッ酸浴の管理方法およびその連続脱スケール装置 |
JPH0617271A (ja) * | 1992-07-03 | 1994-01-25 | Kawasaki Steel Corp | 表面研摩性の優れるオーステナイト系ステンレス鋼の製造方法 |
JPH10245687A (ja) * | 1997-03-07 | 1998-09-14 | Sumitomo Metal Ind Ltd | ステンレス鋼の酸洗方法 |
JP2012132092A (ja) * | 2010-08-31 | 2012-07-12 | Jfe Steel Corp | 冷延鋼板の製造方法、冷延鋼板および自動車部材 |
JP2012172181A (ja) * | 2011-02-21 | 2012-09-10 | Jfe Steel Corp | Si含有熱延鋼板とその製造方法および自動車部材 |
JP2012188693A (ja) * | 2011-03-10 | 2012-10-04 | Jfe Steel Corp | Si含有冷延鋼板とその製造方法および自動車部材 |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7126104B1 (ja) * | 2021-03-26 | 2022-08-26 | Jfeスチール株式会社 | 焼鈍酸洗鋼板の製造方法 |
WO2022201686A1 (ja) * | 2021-03-26 | 2022-09-29 | Jfeスチール株式会社 | 焼鈍酸洗鋼板の製造方法 |
WO2023053909A1 (ja) | 2021-09-30 | 2023-04-06 | Jfeスチール株式会社 | 鋼板、部材およびそれらの製造方法 |
WO2023053908A1 (ja) | 2021-09-30 | 2023-04-06 | Jfeスチール株式会社 | 鋼板、部材およびそれらの製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPWO2017007036A1 (ja) | 2017-07-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6137089B2 (ja) | 冷延鋼板の製造方法および冷延鋼板の製造設備 | |
JP5729211B2 (ja) | 冷延鋼板の製造方法、冷延鋼板および自動車部材 | |
JP5482968B2 (ja) | 酸洗後の鋼板表面の黄変防止方法 | |
JP5835558B2 (ja) | 冷延鋼板の製造方法 | |
JP6041079B1 (ja) | 冷延鋼帯の製造方法及び製造設備 | |
WO2017007036A1 (ja) | 冷延鋼帯の製造方法及び製造設備 | |
WO2013129295A1 (ja) | Si含有高強度冷延鋼板とその製造方法ならびに自動車部材 | |
JP5835545B2 (ja) | Si含有熱延鋼板の製造方法 | |
JP5896165B2 (ja) | 酸洗後の鋼板表面の黄変防止方法 | |
JP2007217743A (ja) | 塗装後耐食性に優れた高強度冷延鋼板の製造方法 | |
JP2019026864A (ja) | 塗装後耐食性と耐遅れ破壊特性に優れた高強度冷延鋼板及びその製造方法 | |
JP2005139486A (ja) | 化成処理性に優れた熱延鋼板およびその製造方法 | |
JP4725374B2 (ja) | 成形性、化成処理性および塗装後耐食性に優れた高強度冷延鋼板およびその製造方法 | |
JP2012188693A (ja) | Si含有冷延鋼板とその製造方法および自動車部材 | |
JP2007262479A (ja) | 塗装後耐食性に優れた高強度冷延鋼板の製造方法 | |
JP6108028B2 (ja) | 冷延鋼板の製造方法 | |
JP6123754B2 (ja) | 化成処理性に優れるSi含有熱延鋼板およびその製造方法 | |
JP7126104B1 (ja) | 焼鈍酸洗鋼板の製造方法 | |
JP2007246961A (ja) | 成形性、化成処理性および塗装後耐食性に優れた高強度冷延鋼板およびその製造方法 | |
WO2022201686A1 (ja) | 焼鈍酸洗鋼板の製造方法 | |
JP2012172183A (ja) | Si含有冷延鋼板とその製造方法および自動車部材 | |
JP2007126747A (ja) | 成形性および塗装後耐食性に優れた高強度冷延鋼板およびその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A975 | Report on accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005 Effective date: 20160930 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20161011 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20161024 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6041079 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |