JP2012129347A - 貼り合わせsoiウエーハの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 イオン注入剥離法を用いて作製した貼り合わせウエーハのSOI層の表面上にエピタキシャル成長を行った場合に該エピタキシャル層の欠陥密度が少ない貼り合わせSOIウエーハの製造方法を提供すること。
【解決手段】 貼り合わせSOIウエーハの製造方法であって、
前記結合熱処理として、950℃未満の温度で前記SOI層表面に酸化膜を形成するための酸化熱処理を行った後に、5%以下の酸素を含む不活性ガス雰囲気で1000℃以上の温度で熱処理を行い、
該酸化膜を除去した後、前記SOI層の減厚を伴う平坦化処理を行い、
その後、該平坦化処理を行った前記SOI層の表面にエピタキシャル成長を行うことを特徴とする貼り合わせSOIウエーハの製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、SOIウエーハの製造方法に関し、特にボンドウエーハとベースウエーハを貼り合わせて作製する貼り合わせSOIウエーハの製造方法に関する。
半導体素子用のウエーハの一つとして、絶縁膜であるシリコン酸化膜の上にシリコン層(以下、SOI層と呼ぶことがある)を形成したSOI(Silicon On Insulator)ウエーハがある。このSOIウエーハは、デバイス作製領域となる基板表層部のSOI層が埋め込み酸化膜層(BOX層)により基板内部と電気的に分離されているため、寄生容量が小さく、耐放射性能力が高いなどの特徴を有する。そのため、SOIウエーハは高速・低消費電力動作、ソフトエラー防止などの効果が期待され、高性能半導体素子用の基板として有望視されている。
このSOIウエーハを製造する代表的な方法として、ウエーハ貼り合わせ法やSIMOX法が挙げられる。ウエーハ貼り合わせ法は、例えば2枚のシリコン単結晶ウエーハのうちの少なくとも一方の表面に熱酸化膜を形成した後、この形成した熱酸化膜を介して2枚のウエーハを密着させ、結合熱処理を施すことによって結合力を高め、その後に片方のウエーハ(SOI層を形成するウエーハ(以下、ボンドウエーハ))を鏡面研磨等により薄膜化することによってSOIウエーハを製造する方法である。また、この薄膜化の方法としては、ボンドウエーハを所望の厚さまで研削、研磨する方法や、ボンドウエーハの内部に水素イオンまたは希ガスイオンの少なくとも1種類を注入してイオン注入層を形成しておき、貼り合わせ後、イオン注入層においてボンドウエーハを剥離するイオン注入剥離法と呼ばれる方法等がある。
一方、SIMOX法は、単結晶シリコン基板の内部に酸素をイオン注入し、その後に高温熱処理(酸化膜形成熱処理)を行って注入した酸素とシリコンとを反応させてBOX層を形成することによってSOIウエーハを製造する方法である。
上記の代表的な2つの手法のうち、ウエーハ貼り合わせ法は、作製されるSOI層やBOX層の厚さが自由に設定できるという優位性があるため、様々なデバイス用途に適用することが可能である。
特に、ウエーハ貼り合わせ法の一つである前記イオン注入剥離法は、上記優位性に加えて、さらに優れた膜厚均一性を有するという特徴があり、該方法によればウエーハ全面で安定したデバイス特性を得ることが出来る。
しかしながら、SOI層の厚さが数μmと厚くなると、イオン注入機の最大加速電圧の制限から、イオン注入剥離法だけでは対応することが出来なくなる。これを解決する方法として、イオン注入剥離法で作製した貼り合わせウエーハの表面にエピタキシャル成長を行う方法がある(特許文献1)。この方法を用いることで、SOI層の厚さを数μmと自由に厚く設定出来ると同時に、研削・研磨法による貼り合わせウエーハで得ることが出来ない、高いSOI層厚均一性を得ることが出来る。
しかしながら、前記方法によりイオン注入剥離法で作製した貼り合わせウエーハ上にエピタキシャル成長を行って、SOI層が数μmの厚さの貼り合わせウエーハを作製した際、ウエーハ表面に多数のエピタキシャル層の欠陥が存在することが明らかとなった。そのため、エピタキシャル層の欠陥が抑制された貼り合わせSOIウエーハの製造方法の開発が望まれていた。
特開2000−30995号公報 特開2010−98167号公報
半導体シリコン結晶学、志村、丸善、1993年、P.232
本発明は、前記問題を解決するためになされたものであり、イオン注入剥離法を用いて貼り合わせSOIウエーハを製造する方法であって、イオン注入剥離法を用いて作製した貼り合わせウエーハのSOI層の表面上にエピタキシャル成長を行った場合に、該エピタキシャル層の欠陥密度が少ない貼り合わせSOIウエーハの製造方法を提供すること目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では、
ボンドウエーハの表面から水素イオン、希ガスイオン、及びハロゲンイオンのいずれか少なくとも一種類のガスイオンをイオン注入して該ボンドウエーハ内部にイオン注入層を形成し、前記ボンドウエーハのイオン注入された側の表面とベースウェーハの表面とを絶縁膜を介して貼り合わせた後、剥離熱処理を行うことによって前記ボンドウエーハの一部を前記イオン注入層で剥離して、前記ベースウェーハ上に前記ボンドウエーハの薄膜からなるSOI層を有する貼り合わせウエーハを作製し、その後、前記SOI層と前記ベースウエーハの貼り合わせ界面の結合強度を高めるための結合熱処理を行う貼り合わせSOIウエーハの製造方法であって、
前記結合熱処理として、950℃未満の温度で前記SOI層表面に酸化膜を形成するための酸化熱処理を行った後に、5%以下の酸素を含む不活性ガス雰囲気で1000℃以上の温度で熱処理を行い、
該酸化膜を除去した後、前記SOI層の減厚を伴う平坦化処理を行い、
その後、該平坦化処理を行った前記SOI層の表面にエピタキシャル成長を行うことを特徴とする貼り合わせSOIウエーハの製造方法を提供する。
このように、前記SOI層と前記ベースウエーハの貼り合わせ界面の結合強度を高めるための結合熱処理を行う貼り合わせSOIウエーハの製造方法において、前記結合熱処理として、まず950℃未満の温度で酸化熱処理を行うことにより、格子間シリコン原子の発生を抑えてOSF等の結晶欠陥の発生を防止しながら、貼り合わせウェーハの薄膜表面に酸化膜を形成することができる。これにより、薄膜の機械的ダメージが残っている領域が酸化されて、後工程で膜厚均一性を保持しながら効率的に除去することができる。そして、この酸化熱処理後に5%以下の酸素を含む不活性ガス雰囲気で1000℃以上の温度で結合熱処理を行うことにより、酸化膜のエッチングと成長の両方を抑えて、表面の面荒れを防止しながら貼り合わせ界面の結合強度を十分に高くすることができる。
さらに、前記結合熱処理後、該酸化膜を除去した後、前記SOI層の減厚を伴う平坦化処理を行い、その後、該平坦化処理を行った前記SOI層の表面にエピタキシャル成長を行う貼り合わせSOIウエーハの製造方法であれば、貼り合わせウエーハのSOI層の表面上にエピタキシャル成長を行う前にSOI表面上の欠陥を著しく低減させることができるため、該SOI表面上に成長したエピタキシャル層の欠陥密度が少ない貼り合わせSOIウエーハの製造方法となる。
また、前記酸化熱処理において、前記SOI層表面に膜厚200nm以下の酸化膜を形成することが好ましい。
このように、前記酸化熱処理において、前記SOI層表面に膜厚200nm以下の酸化膜を形成するようにすれば、前記SOI層表面に形成される酸化膜は前記熱処理時に生じる格子間シリコンの注入や積層欠陥を抑制する上、最終的なエピタキシャル層の欠陥を著しく低減することができるため好ましい。
さらに、前記平坦化処理が、不活性ガス雰囲気又は還元性ガス雰囲気の熱処理を行った後に、熱酸化膜形成と酸化膜除去を伴う犠牲酸化処理を行う処理であることが好ましい。
このような平坦化処理であれば、前記SOI層に残留するダメージ層をさらに除去することができるため、前記SOI層の表面上にエピタキシャル成長を行った場合に、該エピタキシャル層の欠陥密度が極めて少ない貼り合わせSOIウエーハの製造方法となる。
また、前記平坦化処理が、表面研磨のみを行う処理、及び不活性ガス雰囲気若しくは還元性ガス雰囲気の熱処理を行った後に表面研磨を行う処理のいずれかの処理であることが好ましい。
このような平坦化処理であっても、前記SOI層に残留するダメージ層をさらに除去することができるため、前記SOI層の表面上にエピタキシャル成長を行った場合に、該エピタキシャル層の欠陥密度が極めて少ない貼り合わせSOIウエーハの製造方法となる。
さらに、前記犠牲酸化処理において、膜厚100nm以上の犠牲酸化膜を形成することが好ましい。
このように、前記犠牲酸化処理において、膜厚100nm以上の犠牲酸化膜を形成すれば、前記SOI層に残留するダメージ層をさらに除去することができるため、前記SOI層の表面上にエピタキシャル成長を行った場合に、該エピタキシャル層の欠陥密度が極めて少ない貼り合わせSOIウエーハの製造方法となる。
また、前記エピタキシャル成長が、常圧エピタキシャル成長であることが好ましい。
このように、前記エピタキシャル成長を、常圧エピタキシャル成長とすれば、常圧エピタキシャル成長は減圧エピタキシャル成長に比べてエピタキシャル成長速度が高いため、エピタキシャル成長後のエピタキシャル層の欠陥密度をより低減することができる。
以上説明したように本発明によれば、結合熱処理中のSOI層の表面上の結晶欠陥発生を抑制できる上、結合熱処理後にSOI層の表面の結晶欠陥を除去することができるので、SOI層の表面上にエピタキシャル成長を行った場合に、該エピタキシャル層の欠陥密度が少ない貼り合わせSOIウエーハの製造方法を提供することができる。
本発明に係る貼り合わせSOIウエーハの製造方法の一実施形態を示す工程フロー図である。
以下、本発明に係る貼り合わせSOIウエーハの製造方法の好適な実施形態について図面を参照して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
前述のように、エピタキシャル層の欠陥が抑制された貼り合わせSOIウエーハの製造方法の開発が望まれていた。
エピタキシャル成長はウエーハ表面の欠陥に対して非常に敏感な為、通常のSOIエッチピット検査では検出することが出来ない微小なSOIウエーハ上の欠陥も、パーティクルカウンターなどで容易に検出出来る大きさのエピタキシャル層の欠陥に拡大してしまう。この為、エピタキシャル成長後に生じるエピタキシャル層の欠陥を低減させる為には、エピタキシャル成長前のSOI層表面上の微小な欠陥を含む欠陥密度を低減させる必要がある。
非特許文献1によると、SOI層とベースウエーハの貼り合わせ界面の結合強度は、結合熱処理温度に依存し、その結合状態は、
I相:<200℃ SiOH:(HO):(HO):HOSi
II相:>200℃ SiOH:HOSi+(HO)
III相:>700℃ Si−O−Si+H
IV相:>1000℃ SiO
であり、該貼り合わせ界面の結合強度を最も強くする為には、1000℃以上の温度で結合熱処理を行い、該貼り合わせ界面にSiO結合を形成する必要がある。
イオン注入剥離法で剥離熱処理を行った後の貼り合わせウエーハの剥離面には、剥離時に発生した機械的ダメージや水素等のイオン注入時に発生した注入ダメージが存在する。この為、950℃以上の温度で、酸化性雰囲気にて結合熱処理を行うと、この処理の酸化時に発生した多量の格子間Si原子が、剥離時等に発生したダメージに集まり、OSFなどの結晶欠陥を引き起こしてしまう。この対策として、一度、950℃未満の温度でダメージ層を犠牲酸化したのち、1000℃以上の温度で5%以下の酸素を含む不活性ガス雰囲気にて結合熱処理を行う方法が、引用文献2に記載されている。
しかしながら、たとえ、犠牲酸化の酸化温度が950℃未満の温度であっても、形成される酸化膜厚が厚い場合は、SOI層へ注入される格子間Siの量が多くなるため、微小欠陥が発生しやすくなる。
このような状況の中、結合熱処理後に、不活性ガス雰囲気や還元性ガス雰囲気等による平坦化処理を行っても、SOI層表面上の微小欠陥を十分に低減することが出来ない。ここで、微小欠陥が十分に低減されていないSOI層表面に対してエピタキシャル成長を行うと、SOI層表面上の微小欠陥が強調されて巨大化し、エピタキシャル成長後のSOIウエーハ表面上にエピタキシャル層の欠陥が多発すると考えられる。
本発明者らは、鋭意検討を重ねたところ、イオン注入剥離法を用いて作製した貼り合わせウエーハの製造方法において、結合熱処理時の熱処理条件と、その後の平坦化処理条件を最適化することで、剥離熱処理後のSOI層表面上の微小欠陥を十分に低減することが出来ることを見出し、微小欠陥が十分に低減されたSOI層表面に対してエピタキシャル成長を行うことで、SOI層の表面上にエピタキシャル成長を行った場合に、該エピタキシャル層の欠陥密度が少ない貼り合わせSOIウエーハを製造できることを見出して本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
ボンドウエーハの表面から水素イオン、希ガスイオン、及びハロゲンイオンのいずれか少なくとも一種類のガスイオンをイオン注入して該ボンドウエーハ内部にイオン注入層を形成し、前記ボンドウエーハのイオン注入された側の表面とベースウェーハの表面とを絶縁膜を介して貼り合わせた後、剥離熱処理を行うことによって前記ボンドウエーハの一部を前記イオン注入層で剥離して、前記ベースウェーハ上に前記ボンドウエーハの薄膜からなるSOI層を有する貼り合わせウエーハを作製し、その後、前記SOI層と前記ベースウエーハの貼り合わせ界面の結合強度を高めるための結合熱処理を行う貼り合わせSOIウエーハの製造方法であって、
前記結合熱処理として、950℃未満の温度で前記SOI層表面に酸化膜を形成するための酸化熱処理を行った後に、5%以下の酸素を含む不活性ガス雰囲気で1000℃以上の温度で熱処理を行い、
該酸化膜を除去した後、前記SOI層の減厚を伴う平坦化処理を行い、
その後、該平坦化処理を行った前記SOI層の表面にエピタキシャル成長を行うことを特徴とする貼り合わせSOIウエーハの製造方法を提供する。
このように、本発明ではイオン注入剥離法を用いた貼り合わせウエーハの製造における、結合熱処理工程において、まず、950℃未満の温度で薄い酸化膜を形成するための酸化熱処理を行った後に、5%以下の酸素を含む不活性ガス雰囲気で1000℃以上の温度で結合熱処理を行う。この時、950℃未満の温度の熱処理によりSOI層の表面に形成される酸化膜の膜厚は薄い。一方でイオン注入時のダメージ層はSOI層の表面に比較的厚く残っている。しかし、このダメージはSOI層の表面に近づくほど大きく、深さ方向に進むに従って小さいので、ダメージが最も大きい該表面付近のダメージは前記酸化熱処理で形成された前記酸化膜を結合熱処理工程後に除去することで十分に除去することが出来る。また、前記酸化熱処理により形成される酸化膜厚が薄いため、酸化により新たに注入される格子間Siの量が少ないので、OSFなどの積層欠陥は形成されにくい。
前記結合熱処理後に、前記酸化膜を除去した後、前記SOI層の減厚を伴う平坦化処理を行う。該平坦化処理は、不活性ガス雰囲気又は還元性ガス雰囲気の熱処理を行った後に、熱酸化膜形成と酸化膜除去を伴う犠牲酸化処理を行う処理であることが好ましく、又は表面研磨のみを行う処理、及び不活性ガス雰囲気若しくは還元性ガス雰囲気の熱処理を行った後に表面研磨を行う処理のいずれかの処理であることが好ましい。
例えば、1100℃以上の不活性ガス雰囲気下で熱処理を行うと、前記SOI層の格子間Si密度が大きく低下する。この後、熱酸化膜形成と酸化膜除去を伴う犠牲酸化処理を行うことで膜厚調整、剥離時のダメージ層の除去をすることができる。前記SOI層の格子間Siが少ない条件下で前記熱酸化膜形成が行われる為、該酸化で格子間Siが注入されても、積層欠陥などの微小な欠陥が成長できず、かつ、残留している剥離時のダメージ層は酸化膜により十分に除去される。ゆえに、エピタキシャル成長前の時点で、SOI層表面の微小な欠陥の密度を低くできるので、エピタキシャル成長後のエピタキシャル層の欠陥密度を大幅に低減できる。
一方、結合熱処理後に不活性ガス雰囲気下で1100℃以上の平坦化処理(SOI層の減厚を伴わない平坦化処理)のみを行った状態でもSOI層表面に観察される欠陥は多少低減されるが、剥離時のダメージ層の除去が十分ではないため、エピタキシャル成長によって顕在化するサイズの微小欠陥が残留している。そのため、エピタキシャル成長後のエピタキシャル層の欠陥密度が増大してしまう。
図1は、本発明に係る貼り合わせSOIウエーハの製造方法の一実施形態を概略的に示す工程フロー図である。以下詳細に説明する。
[ボンドウエーハとベースウエーハの準備]
図1において、まず、材料ウエーハとしてシリコン単結晶からなるベアウェーハを2枚用意する。ベアウェーハには、ポリッシュウェーハ、エピタキシャルウエーハ、熱処理ウエーハ等、様々なウエーハが存在するが、その種類に関係なく本発明に適用することが出来る。まず、ボンドウエーハ1として、前記ベアウエーハに絶縁膜として、例えば酸化膜2を形成する。酸化膜2が形成されたボンドウエーハ1の表面から水素イオンの注入を行い、所望の深さに均一に水素高濃度層3(イオン注入層)を形成する。エピタキシャル成長を行わない通常のイオン注入剥離法による貼り合わせウエーハでは、水素高濃度層3の深さが最終的に得られるSOI層の厚さを決める。ここで、注入イオンは水素としているが、水素ガスのみに限定されるものではなく、希ガスあるいはハロゲンガスでも構わない。ベースウェーハ4としては前記ベアウェーハを用いる。ここで、ボンドウエーハ1を水素高濃度層3を有するベアウェーハとし、ベースウェーハ4を酸化膜付ウエーハとしてもよい。また、絶縁膜を介してボンドウエーハとベースウエーハが貼り合わされるのであれば酸化膜はいずれのウエーハにあっても良いし、共に酸化膜付ウエーハとすることもできる。
[(a)貼り合わせ前洗浄工程]
材料ウエーハの表面に付着しているパーティクルおよび有機物などの汚染物を除去するため、前記ボンドウエーハ1と前記ベースウェーハ4の貼り合わせ前洗浄を行う。この時、洗浄工程はRCA洗浄等を用いる。
[(b)貼り合わせ工程]
洗浄された前記ボンドウエーハ1のイオン注入された側の表面と、前記ベースウェーハ4の表面とを絶縁膜を介して貼り合わせる。
[(c)剥離熱処理工程]
貼り合わせ工程において貼り合わせた前記ボンドウエーハ1と前記ベースウェーハ4を、例えば窒素雰囲気で500℃程度の剥離熱処理を行うと、ボンドウエーハ1内の水素高濃度層3にキャビティと呼ばれる欠陥層が形成される。この欠陥層がボンドウエーハ1内部で水平方向に繋がることで、ボンドウエーハ1の一部がボンドウエーハ1内の水素高濃度層3で剥離する。これにより、ボンドウエーハ1の他の一部がベースウェーハ4に転写され、SOI層5となり、貼り合わせSOIウエーハが形成される。この際、前記絶縁膜は埋め込み酸化膜層6(BOX層)となる。
[(d)結合熱処理工程]
前記SOI層と前記ベースウエーハの貼り合わせ界面の結合力を高めるため、結合熱処理を行う。該結合熱処理として、まず、950℃未満の温度で酸化熱処理を行い、SOI層5の表面に例えば150nmの薄い酸化膜7を形成し、その後、5%以下の酸素を含む不活性ガス雰囲気で1000℃以上の熱処理を行う。
このように、結合熱処理においては、まず、950℃未満の低い温度で酸化熱処理を行うので、通常はSOI層5の表面に300nm以下の薄い熱酸化膜7が形成される。これにより、続く5%以下の酸素を含む不活性ガス雰囲気で1000℃以上の熱処理を行うとき、前記SOI層の剥離面への格子間シリコンの注入が少なく、積層欠陥も形成されにくい。この際、結合熱処理工程にてSOI層表面に形成する前記薄い酸化膜7の膜厚は200nm以下とすることが好ましい。前記酸化熱処理で形成される酸化膜7の膜厚が200nm以下であれば、最終的なエピタキシャル層の欠陥を極めて低減することができ、ウエーハの製品品質が向上する。
尚、950℃未満の温度で形成する薄い酸化膜厚は、その後に行われる5%以下の酸素を含む不活性ガス雰囲気での熱処理時に、酸化膜のエッチングによる面粗れを防止するため10nm以上形成することが好ましい。また、5%以下の酸素を含む不活性ガス雰囲気での熱処理における酸素濃度の下限値、及び、熱処理温度の上限値は特に限定されないが、酸化膜のエッチングによる面粗れを確実に防止するため、酸素濃度は0.5%以上とすることが好ましく、酸化膜の成長による格子間シリコンの過剰な注入を防止するため、熱処理温度は1200℃以下とすることが好ましい。
[(e)平坦化処理工程]
次に、結合熱処理で形成された表面酸化膜7を除去後、SOI層5の減厚を伴う平坦化処理工程を行う。この平坦化処理としては、不活性ガス雰囲気または還元性ガス雰囲気の熱処理を行った後に、熱酸化膜形成と酸化膜除去を伴う犠牲酸化処理を行う処理とすることができ、また表面研磨のみを行う処理、或いは、不活性ガス雰囲気または還元性ガス雰囲気の熱処理を行った後に表面研磨を行う処理とすることができる。該平坦化処理工程により、前記SOI層5の表面に残留するダメージが除去されたSOI層8を得ることができる。
前記不活性ガス雰囲気としては、例えばアルゴンガスなどの不活性ガスが100%雰囲気や、数%程度以下の微量の酸素ガスを含む不活性ガス雰囲気とすることができ、1200℃以上の温度で熱処理を行うことが好ましい。
前記還元性ガス雰囲気としては、水素ガス100%雰囲気や水素ガスと不活性ガスの混合ガス雰囲気とすることができ、1100℃以上の温度で熱処理を行うことが好ましい。
これらの不活性ガス雰囲気または還元性ガス雰囲気の熱処理だけでは前記SOI層5の減厚は伴わないので、エピタキシャル層の欠陥を十分に低減することはできない。そのため、前記平坦化処理として、不活性ガス雰囲気または還元性ガス雰囲気の熱処理を行った後に、熱酸化膜形成と酸化膜除去を伴う犠牲酸化処理を行うことができる。該犠牲酸化処理により形成する熱酸化膜の膜厚は、前記SOI層5に残留するダメージ層を確実に除去するため、100nm以上とすることが好ましい。
一方、前記平坦化処理(SOI層の減厚を伴う平坦化処理)として、表面研磨のみを行う処理、及び不活性ガス雰囲気若しくは還元性ガス雰囲気の熱処理を行った後に表面研磨を行う処理のいずれかの処理を行うこともできる。その場合の研磨代としては、SOI層の膜厚均一性の低下を考慮し、100nm以下とすることが好ましい。
[(f)エピタキシャル成長工程]
次に、前記平坦化処理工程を行ったSOI層8の表面にエピタキシャル成長を行い、所定の厚さの厚膜SOI層9を形成する。エピタキシャル成長条件は特に限定されず、常圧エピタキシャル成長、減圧エピタキシャル成長のいずれも適用することができるが、常圧エピタキシャル成長は減圧エピタキシャル成長に比べてエピタキシャル成長速度が高く、本発明を適用した場合、エピタキシャル成長後のエピタキシャル層の欠陥の密度をより低減する効果が得られる。
以下、実施例、比較例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。各実施例、比較例の結果は表1に示す。
(実施例1)
材料ウエーハとして、直径300mm、結晶方位<100>のシリコンベアウエーハを用意する。該シリコンベアウエーハをボンドウエーハとしてボンドウエーハ上に200nmの酸化膜を形成した。該ボンドウエーハに、加速電圧80keV、注入量7×1016/cmの水素イオンを注入して該ボンドウエーハ内部にイオン注入層を形成する。RCA洗浄等から構成される貼り合わせ前洗浄を行った後、室温にて前記ボンドウエーハのイオン注入された側の表面とベースウェーハの表面とを酸化膜を介して貼り合わせを行った。該ベースウエーハとしては前記シリコンベアウエーハを用いた。その後、剥離熱処理は500℃で行い、ベースウェーハ上に酸化膜とSiとから成る薄膜層を転写してSOI層を有する貼り合わせウエーハを作製した。
続いて、前記SOI層を有する貼り合わせウエーハに対して結合熱処理を行った。具体的には、まず、900℃にてパイロ酸化(酸化熱処理)を行い、150nmの酸化膜を形成後、Arを主体とした雰囲気に2%の酸素を導入して、1100℃、2時間の熱処理を行った。
前記結合熱処理後、SOI層表面の酸化膜をHF水溶液で除去した。その後、平坦化処理として、Arガス100%の不活性ガス雰囲気下、1200℃、1時間の熱処理を行い、犠牲酸化処理として300nmの酸化膜形成と酸化膜除去を行い、ダメージ除去とSOI層の膜厚調整を行った。
SOI層の膜厚調整後のSOIウエーハを1枚抜き取り、混酸エッチングによるSOI層表面の欠陥評価を行った結果、欠陥密度は20/cmであることが確認された。
これと同一の製造条件で作製したSOIウエーハ上に、常圧によるエピタキシャル成長を行った。このエピタキシャル表面を観察したところ、エピタキシャル層の欠陥は3個/waferとなった。
(エピタキシャル成長条件)
原料ガス:トリクロロシラン、温度:1100℃、エピタキシャル層膜厚:3μm
常圧エピタキシャル成長を行ったSOIウエーハと同一の製造条件で作製したSOIウエーハ上に、減圧(107hPa(80torr))によるエピタキシャル成長を行った。このエピタキシャル層の表面を観察したところ、エピタキシャル層の欠陥は6個/waferとなった。
(エピタキシャル成長条件)
原料ガス:ジクロロシラン、温度:1080℃、エピタキシャル層膜厚:3μm
(実施例2)
材料ウエーハとして、直径300mm、結晶方位<100>のシリコンベアウエーハを用意する。該シリコンベアウエーハをボンドウエーハとしてボンドウエーハに200nmの酸化膜を形成した。該ボンドウエーハに、加速電圧80keV、注入量7×1016/cmの水素イオンを注入して該ボンドウエーハ内部にイオン注入層を形成する。RCA洗浄等から構成される貼り合わせ前洗浄を行った後、室温にて前記ボンドウエーハのイオン注入された側の表面とベースウェーハの表面とを酸化膜を介して貼り合わせを行った。該ベースウエーハとしては前記シリコンベアウエーハを用いた。その後、剥離熱処理は500℃で行い、ベースウェーハ上に酸化膜とSiとから成る薄膜層を転写して、SOI層を有する貼り合わせウエーハを作製した。
続いて、SOI層を有する貼り合わせウエーハに対して結合熱処理を行った。具体的には、まず、900℃にてパイロ酸化(酸化熱処理)を行い、200nmの酸化膜を形成後、Arを主体とした雰囲気に2%の酸素を導入して、1100℃、2時間の熱処理を行った。
結合熱処理後、SOI層表面の酸化膜をHF水溶液で除去した。その後、平坦化処理として、Arガス100%の不活性ガス雰囲気下、1200℃、1時間の熱化処理を行い、犠牲酸化処理として250nmの酸化と酸化膜除去を行い、ダメージ除去とSOI層の膜厚調整を行った。
SOI層の膜厚調整後のSOIウエーハを1枚抜き取り、混酸エッチングによるSOI層表面の欠陥評価を行った結果、欠陥密度は25/cmであることが確認された。
これと同一の製造条件で作製したSOIウエーハ上に、常圧によるエピタキシャル成長を行った。このエピタキシャル層の表面を観察したところ、エピタキシャル層の欠陥5個/waferとなった。
(エピタキシャル成長条件)
原料ガス:トリクロロシラン、温度:1100℃、エピタキシャル層膜厚:3μm
常圧エピタキシャル成長を行ったSOIウエーハと同一の製造条件で作製したSOIウエーハ上に、減圧(107hPa(80torr))によるエピタキシャル成長を行った。このエピタキシャル層の表面を観察したところ、エピタキシャル層の欠陥は9個/waferとなった。
(エピタキシャル成長条件)
原料ガス:ジクロロシラン、温度:1080℃、エピタキシャル層膜厚:3μm
(実施例3)
材料ウエーハとして、直径300mm、結晶方位<100>のシリコンベアウエーハを用意する。該シリコンベアウエーハをボンドウエーハとしてボンドウエーハに200nmの酸化膜を形成した。該ボンドウエーハに、加速電圧80keV、注入量7×1016/cmの水素イオンを注入して該ボンドウエーハ内部にイオン注入層を形成する。RCA洗浄等から構成される貼り合わせ前洗浄を行った後、室温にて前記ボンドウエーハのイオン注入された側の表面とベースウェーハの表面とを酸化膜を介して貼り合わせを行った。該ベースウエーハとしては前記シリコンベアウエーハを用いた。その後、剥離熱処理は500℃で行い、ベースウェーハ上に酸化膜とSiとから成る薄膜層を転写して、SOI層を有する貼り合わせウエーハを作製した。
続いて、SOI層を有する貼り合わせウエーハに対して結合熱処理を行った。具体的には、まず、900℃にてパイロ酸化(酸化熱処理)を行い、250nmの酸化膜を形成後、Arを主体とした雰囲気に2%の酸素を導入して、1100℃、2時間の熱処理を行った。
結合熱処理後、SOI層表面の酸化膜をHF水溶液で除去した。その後、平坦化処理として、Arガス100%の不活性ガス雰囲気下、1200℃、1時間の熱処理を行い、犠牲酸化処理として200nmの酸化と酸化膜除去を行い、ダメージ除去とSOI層の膜厚調整を行った。
SOI層の膜厚調整後のSOIウエーハを1枚抜き取り、混酸エッチングによるSOI層表面の欠陥評価を行った結果、欠陥密度は10/cmと高品質であることが確認された。
これと同一の製造条件で作製したSOIウエーハ上に、常圧によるエピタキシャル成長を行った。このエピタキシャル層の表面を観察したところ、エピタキシャル層の欠陥は30個/waferとなった。
(エピタキシャル成長条件)
原料ガス:トリクロロシラン、温度:1100℃、エピタキシャル層膜厚:3μm
常圧エピタキシャル成長を行ったSOIウエーハと同一の製造条件で作製したSOIウエーハ上に、減圧(107hPa(80torr))によるエピタキシャル成長を行った。このエピタキシャル層の表面を観察したところ、エピタキシャル層の欠陥は200個/waferとなった。
(エピタキシャル成長条件)
原料ガス:ジクロロシラン、温度:1080℃、エピタキシャル層膜厚:3μm
実施例1〜3の結果より、イオン注入剥離法でウエーハを剥離後、一度、950℃未満の温度で薄い酸化膜を形成して結合熱処理を行った後、SOI層の減厚を伴う平坦化処理(不活性ガス雰囲気の熱処理+犠牲酸化処理)を行ったところ、エピタキシャル層の欠陥密度が低い、高品質の厚膜SOI層を有する貼り合わせSOIウエーハが作製出来た。この際、結合熱処理時に形成する酸化膜厚が200nm以下の場合には、エピタキシャル層の欠陥を極めて低減することができたが、酸化膜厚が250nmの場合(実施例3)は、エピタキシャル層形成前の表面欠陥が少ないにもかかわらず酸化膜厚が200nm以下の場合と比較するとエピタキシャル層の欠陥が多くなる傾向があった。また、常圧エピタキシャルと減圧エピタキシャルを比較すると、常圧エピタキシャルの方がエピタキシャル層の欠陥をより低減できる傾向が見られた。
(比較例1)
実施例1と同一条件で結合熱処理まで行ったSOIウエーハを用意し、SOI層表面の酸化膜をHF水溶液で除去し、平坦化処理を行わないでそのまま実施例1と同一条件でエピタキシャル成長を行った。混酸エッチングによりSOI層表面の欠陥評価を行った結果、結合熱処理直後のSOI層表面の欠陥密度は20/cmであった。このエピタキシャル表面を観察したところ、常圧エピタキシャル、減圧エピタキシャル共にエピタキシャル層の欠陥は多発(>300個/wafer)した。
(比較例2)
実施例1と同一条件で結合熱処理まで行ったSOIウエーハを用意し、SOI層表面の酸化膜をHF水溶液で除去した後、Arガス100%の不活性ガス雰囲気下、1200℃、1時間の平坦化処理のみを行い、実施例1と同一条件でエピタキシャル成長を行った。混酸エッチングによりSOI層表面の欠陥評価を行った結果、平坦化処理直後のSOI層表面の欠陥密度は20/cmであった。このエピタキシャル層の表面を観察したところ、常圧エピタキシャル、減圧エピタキシャル共にエピタキシャル層の欠陥は多発(>300個/wafer)した。
(実施例4)
実施例1と同一条件で結合熱処理まで行ったSOIウエーハを用意し、SOI層表面の酸化膜をHF水溶液で除去し、平坦化処理としてArガス100%の不活性ガス雰囲気下、1200℃、1時間の熱処理を行い、研磨代150nmの表面研磨を実施した。その後、実施例1と同一条件でエピタキシャル成長を行った。混酸エッチングによりSOI層表面の欠陥評価を行った結果、表面研磨直後のSOI層表面の欠陥密度は20/cmであった。このエピタキシャル層の表面を観察したところ、常圧ではエピタキシャル層の欠陥は4個/waferとなり、減圧ではエピタキシャル層の欠陥は7個/waferとなった。
(実施例5)
実施例2と同一条件で結合熱処理まで行ったSOIウエーハを用意し、SOI層表面の酸化膜をHF水溶液で除去し、平坦化処理として研磨代120nmの表面研磨のみを実施した。その後、実施例1と同一条件でエピタキシャル成長を行った。混酸エッチングによりSOI層表面の欠陥評価を行った結果、表面研磨直後のSOI層表面の欠陥密度は25/cmであった。このエピタキシャル層の表面を観察したところ、常圧ではエピタキシャル層の欠陥は5個/waferとなり、減圧ではエピタキシャル層の欠陥は11個/waferとなった。
(比較例3)
実施例1と同一条件で剥離熱処理まで行ったSOIウエーハを用意し、結合熱処理として、950℃でパイロ酸化(酸化膜150nm)した後、1100℃、2時間(2%酸素を含むアルゴン雰囲気)の熱処理を行った。該結合熱処理直後のSOIウエーハに対して混酸エッチングによるSOI層表面の欠陥評価を行った結果、SOI表面にはOSFが多数(欠陥密度>300/cm)確認された。(平坦化処理、エピタキシャル成長は実施せず。)
Figure 2012129347
以上より、平坦化処理をしていない比較例1、又は減厚を伴う平坦化処理をしていない比較例2ではSOI層表面に減圧又は常圧でエピタキシャル層を成長させた場合に多くの欠陥が生じることが示された。さらに、本発明の結合熱処理を施していない比較例3はエピタキシャル成長前からSOI表面の欠陥が多いことが明らかとなった。一方で、本発明の貼り合わせSOIウエーハの製造方法により貼り合わせSOIウエーハを製造した実施例1〜5の場合には、エピタキシャル成長前のSOI表面の欠陥は少ない上、減圧又は常圧でエピタキシャル層を成長させた場合のエピタキシャル層の欠陥は大幅に低減されていることが示された。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…ボンドウエーハ、 2…酸化膜、 3…水素高濃度層、 4…ベースウエーハ、 5…SOI層、 6…埋め込み酸化膜層、 7…酸化膜、 8…SOI層、 9…厚膜SOI層

Claims (6)

  1. ボンドウエーハの表面から水素イオン、希ガスイオン、及びハロゲンイオンのいずれか少なくとも一種類のガスイオンをイオン注入して該ボンドウエーハ内部にイオン注入層を形成し、前記ボンドウエーハのイオン注入された側の表面とベースウェーハの表面とを絶縁膜を介して貼り合わせた後、剥離熱処理を行うことによって前記ボンドウエーハの一部を前記イオン注入層で剥離して、前記ベースウェーハ上に前記ボンドウエーハの薄膜からなるSOI層を有する貼り合わせウエーハを作製し、その後、前記SOI層と前記ベースウエーハの貼り合わせ界面の結合強度を高めるための結合熱処理を行う貼り合わせSOIウエーハの製造方法であって、
    前記結合熱処理として、950℃未満の温度で前記SOI層表面に酸化膜を形成するための酸化熱処理を行った後に、5%以下の酸素を含む不活性ガス雰囲気で1000℃以上の温度で熱処理を行い、
    該酸化膜を除去した後、前記SOI層の減厚を伴う平坦化処理を行い、
    その後、該平坦化処理を行った前記SOI層の表面にエピタキシャル成長を行うことを特徴とする貼り合わせSOIウエーハの製造方法。
  2. 前記酸化熱処理において、前記SOI層表面に膜厚200nm以下の酸化膜を形成することを特徴とする請求項1に記載の貼り合わせSOIウエーハの製造方法。
  3. 前記平坦化処理が、不活性ガス雰囲気又は還元性ガス雰囲気の熱処理を行った後に、熱酸化膜形成と酸化膜除去を伴う犠牲酸化処理を行う処理であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の貼り合わせSOIウエーハの製造方法。
  4. 前記犠牲酸化処理において、膜厚100nm以上の犠牲酸化膜を形成することを特徴とする請求項3に記載の貼り合わせSOIウエーハの製造方法。
  5. 前記平坦化処理が、表面研磨のみを行う処理、及び不活性ガス雰囲気若しくは還元性ガス雰囲気の熱処理を行った後に表面研磨を行う処理のいずれかの処理であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の貼り合わせSOIウエーハの製造方法。
  6. 前記エピタキシャル成長が、常圧エピタキシャル成長であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の貼り合わせSOIウエーハの製造方法。

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